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特表2023-533381ネットワークにおける無線周波数センシングを用いた存在検出を制御するためのデバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラム
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  • 特表-ネットワークにおける無線周波数センシングを用いた存在検出を制御するためのデバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラム 図1
  • 特表-ネットワークにおける無線周波数センシングを用いた存在検出を制御するためのデバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラム 図2
  • 特表-ネットワークにおける無線周波数センシングを用いた存在検出を制御するためのデバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】ネットワークにおける無線周波数センシングを用いた存在検出を制御するためのデバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/187 20060101AFI20230726BHJP
   H04W 4/30 20180101ALI20230726BHJP
【FI】
G08B13/187
H04W4/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504191
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-07-25
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 EP2021069403
(87)【国際公開番号】W WO2022017861
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】63/054,430
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20189276.7
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ダイクスラー ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンダール レーンダート テウニス
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ ヒューゴ ホセ
【テーマコード(参考)】
5C084
5K067
【Fターム(参考)】
5C084AA02
5C084AA08
5C084AA13
5C084CC16
5C084DD07
5K067BB44
5K067BB45
(57)【要約】
本発明は、検出エリア120を含む、Zigbee又はWi-Fiネットワーク等、ネットワーク100における無線周波数センシングを制御するための制御デバイスに関する。制御デバイス110は、近隣ネットワーク情報提供ユニット111であって、近隣ネットワーク150は、ネットワーク100のネットワークデバイスの近隣にあるネイバーネットワークデバイス154を含む、近隣ネットワーク情報提供ユニット111と、ネットワークのネットワークデバイスが、ネットワーク100の検出エリアの外側に延びる検出エリア170における無線周波数センシング及び/又はネットワーク100の検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいてネットワークデバイス103を制御するためのネットワーク制御ユニット112であって、被検出信号は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される、ネットワーク制御ユニット112とを含む。これにより、ネットワークの周辺エリアにおける無線周波数検出を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのネットワークデバイスを含むネットワークにおける無線周波数センシングを制御するための無線周波数センシング制御デバイスであって、前記ネットワークデバイスの少なくとも1つは、前記ネットワーク内で送信される通信信号に基づいて前記ネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成され、当該無線周波数センシング制御デバイスは、
近隣ネットワークに関する情報を提供するための近隣ネットワーク情報提供ユニットであって、前記近隣ネットワークは、前記ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスの近隣にある少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスを含む、近隣ネットワーク情報提供ユニットと、
前記ネットワークの前記少なくとも1つのネットワークデバイスが、前記ネットワークの前記検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける無線周波数センシング及び/又は前記ネットワークの前記検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいて前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するためのネットワーク制御ユニットであって、被検出信号は、前記少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される、ネットワーク制御ユニットと、
を含み、
前記ネットワーク制御ユニットは、前記少なくとも1つのネットワークデバイスが、前記ネイバーネットワークデバイスの少なくとも1つとインタラクションすることを可能にするように、前記提供された情報に基づいて前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、前記ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスとのインタラクションに基づいて無線周波数センシングを行うように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、
前記ネットワーク制御ユニットは、前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスにトリガメッセージを送ることによって前記少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとインタラクションする及び前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスのリターン信号を無線周波数センシングに使用するように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される、無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項2】
前記ネットワーク制御ユニットは、前記少なくとも1つのネットワークデバイスが、前記少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスの通信信号の信号品質特性を決定する及び前記信号品質特性を無線周波数センシングに使用するように、前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項3】
前記トリガ信号は、前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスのリターン信号が、前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの前記近隣ネットワークの他のネイバーネットワークデバイスとの接続及び/又は前記ネットワークの1つ以上のネットワークデバイスとの接続を示すように選択される、請求項1に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項4】
前記リターン信号は、所定の過去の期間中の前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの前記近隣ネットワークの他のネイバーネットワークデバイスとの接続及び/又は前記ネットワークの1つ以上のネットワークデバイスとの接続の信号品質特性の変化を示す、請求項3に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項5】
前記ネットワーク制御ユニットは、前記所定の過去の期間中の前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスと近隣ネットワークの接続されたネイバーネットワークデバイスとの間の接続の信号強度の変化に基づいて前記所定の過去の期間の無線周波数センシングを行うようにネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項4に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項6】
前記ネットワーク制御ユニットは、前記少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークメンテナンスメッセージ又は前記近隣ネットワークのネットワークデバイス間の通信に用いられる他のメッセージをリッスンするように、前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、前記ネットワーク制御ユニットは、受信したメッセージに基づいて無線周波数センシングを行うようにネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1又は2に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項7】
前記ネットワーク制御ユニットは、前記近隣ネットワークに入り、少なくとも部分的にその一部になることにより少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとインタラクショする及び前記近隣ネットワークの一部として無線周波数センシングを行うように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、前記ネットワーク制御ユニットは、前記近隣ネットワークの一部として行われる無線周波数センシングの結果を報告するように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項8】
前記ネットワーク制御ユニットは、ネットワークデバイスが、前記近隣ネットワーク内の通信に用いられる通信信号のタイミングを変更するようにネイバーデバイスの少なくとも1つを制御することができる制御トリガメッセージを送信するように、前記提供された情報に基づいて前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御する、及び、無線周波数センシングに前記近隣ネットワークの前記通信信号を使用するように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項9】
前記近隣ネットワーク情報提供ユニットは、ネットワークデバイスが前記近隣ネットワークと通信することができるネットワークチャネルを前記近隣ネットワークに関する情報として提供するように構成され、前記ネットワーク制御ユニットは、前記近隣ネットワークによって提供される前記ネットワークチャネルでも通信するように前記ネットワークのネットワークデバイスの少なくとも一部のネットワークデバイスを制御するように構成される、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項10】
前記ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標)、Cellularデバイストゥデバイス通信、V2Xプロトコル、ESP-now又はZigbee(登録商標)ネットワークであり、前記近隣ネットワークは、Wi-Fi(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標)、Cellularデバイストゥデバイス通信、V2Xプロトコル、ESP-now又はZigbee(登録商標)ネットワークである、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の無線周波数センシング制御デバイス。
【請求項11】
少なくとも2つのネットワークデバイスであって、少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成される、ネットワークデバイスと、
請求項1に記載の無線周波数センシング制御デバイスと、
を含む、ネットワーク。
【請求項12】
少なくとも1つのネットワークデバイスを含むネットワークにおける無線周波数センシングを制御するための無線周波数センシング制御方法であって、前記ネットワークデバイスの少なくとも1つは、前記ネットワーク内で送信される通信信号に基づいて前記ネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成され、当該無線周波数センシング制御方法は、
近隣ネットワークに関する情報を提供することであって、前記近隣ネットワークは、前記ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスの近隣にある少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスを含む、ことと、
前記ネットワークのネットワークデバイスが、前記ネットワークの前記検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける無線周波数センシング及び/又は前記ネットワークの前記検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいて前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することであって、被検出信号は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される、ことと、
を含み、
当該方法はさらに、
前記少なくとも1つのネットワークデバイスが、前記ネイバーネットワークデバイスの少なくとも1つとインタラクションすることを可能にするように、前記提供された情報に基づいて前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することであって、ネットワーク制御ユニットが、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスとのインタラクションに基づいて無線周波数センシングを行うように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される、ことと、
前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスにトリガメッセージを送ることによって前記少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとインタラクションする及び前記少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスのリターン信号を無線周波数センシングに使用するように前記少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することと、
を含む、無線周波数センシング制御方法。
【請求項13】
ネットワークにおける無線周波数センシングを制御するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが、請求項1に記載の無線周波数センシング制御デバイスに、当該コンピュータプログラムが前記無線周波数センシング制御デバイスによって実行された場合に請求項12に記載の無線周波数センシング制御方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワークデバイスを含むネットワークにおける無線周波数センシングを用いた存在検出を制御するための制御デバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数センシング(radio frequency sensing)は、ネットワークデバイスのグループ間で送信される、すなわち、ネットワーク内で送信されるワイヤレス信号に人間がどのように影響を及ぼす及び/又は妨害するかに基づいて、モーション、存在、占有、転倒及び/又は呼吸検出、さらには人のカウント及び人の行動分析が、極めてリライアブルに測定されることを可能にする技術である。この技術は、ネットワークに既に設置されているハードウェア以外の余分なハードウェアを必要とせず、存在検出の物理的な現地設備の必要性を排除するので、極めて便利である。さらに、無線周波数センシングは、極めて限定的な視野を有し、ラインオブサイト接続を必要とする、カメラ又はパッシブ赤外線センサ等のセンシング技術と比較して、潜在的により良好なカバレッジを有する。さらに、この技術は、有利なことに、ライト及び照明器具等のネットワークデバイスに追加されることができ、また、業務用及び住宅用アプリケーションに使用されることができる。
【0003】
照明ケイパビリティを有するネットワークデバイス等によって行われる無線周波数センシングは、通常、関与するネットワークデバイス間のエリアをカバーするが、ネットワーク周辺のエリア、例えば、ネットワークデバイスから離れた家の部分での占有検出は、リライアブルではない可能性がある。これにより、例えば、各部屋の中央に位置するシーリングライトとして使用されるネットワークデバイスが占有検出に使用されるべきである場合、例えば、部屋又は家の境界において、占有検出の疎な又は存在しないカバレッジ(sparse or inexistent coverage of occupancy detection)が生じる可能性がある。同様の問題は、庭に歩道に沿って設けられるライト等のネットワークデバイスが占有検出に使用される場合にも起こり得、この場合、占有検出は、ネットワークデバイスによって照らされる歩道から遠く離れた敷地の周囲についてあまりリライアブルではない可能性がある。これは、占有検出が、モーションが検出される場合に光を供給する等、セキュリティ目的で使用される場合に特に問題になり得る。なぜなら、特に、家又は庭の周辺、例えば、照らされる歩道から遠く離れた庭の暗い部分が、敷地に入るために不正者によって使用されるからである。したがって、無線周波数センシングを行うネットワークによってカバーされるエリアの外周部でも無線周波数センシングをリライアブルに行うことができるメカニズムが提供されると有利である。
【0004】
EP1534037A1は、第1のデバイスにおいて検出されたワイヤレスネットワーク無線信号を特徴付けるステップと、ネットワーク上の少なくとも1つの他のデバイスからブロードキャストされたネットワーク特性を受信するステップと、第1のデバイスのネットワーク特性とネットワーク上の少なくとも1つの他のデバイスから受信したネットワーク特性とを比較するステップと、ネットワーク特性が所定の関係内にある場合、第1のデバイスと少なくとも1つの他のデバイスとは互いに近接していると決定するステップとを含む、ワイヤレスネットワークにおけるデバイス近接を決定する方法を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ネットワークの周辺エリアにおける無線周波数検出を向上させることができる制御デバイス、ネットワーク、方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様において、少なくとも1つのネットワークデバイスを含むネットワークにおける無線周波数センシング(radio frequency sensing)を制御するための無線周波数センシング制御デバイス(radio frequency sensing control device)であって、ネットワークデバイスの少なくとも1つは、ネットワーク内で送信される通信信号に基づいてネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成され、当該無線周波数センシング制御デバイスは、a)近隣ネットワーク(neighboring network)に関する情報を提供するための近隣ネットワーク情報提供ユニット(neighboring network information providing unit)であって、近隣ネットワークは、ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスの近隣にある少なくとも1つのネイバーネットワークデバイス(neighbor network device)を含む、近隣ネットワーク情報提供ユニットと、b)ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアの外側に延びる(extending)検出エリアにおける無線周波数センシング及び/又はネットワークの検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいて少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するためのネットワーク制御ユニット(network controlling unit)であって、被検出信号(detected signal)は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される、ネットワーク制御ユニットとを含む、無線周波数センシング制御デバイスが提供される。
【0007】
ネットワーク制御ユニットは、ネットワークのネットワークデバイスが、無線周波数センシングのために近隣ネットワークの近隣ネットワークデバイスによって送信される信号を使用することができるように、近隣のネットワークに関して提供される情報に基づいてネットワークデバイスを制御するように構成されるので、無線周波数センシングは、ネットワークの検出エリアの外側に拡張されることができ、検出結果は、この拡張エリア(extended area)における改善された占有検出を可能にする。さらに、ネイバーネットワークデバイスの無線周波数センシング信号を用いることは、とりわけ、ネットワーク及び近隣ネットワークの検出エリアが一部オーバーラップする場合、ネットワークの検出エリア内の無線周波数センシングのセンシング品質も向上させることができる。斯くして、無線周波数センシング制御デバイスは、ネットワークの検出エリアの周辺における及び/又は無線周波数センシング制御デバイス自身によって制御されるネットワークの検出エリアにおける改善された占有検出を提供することができる。
【0008】
ネットワークは、任意の種類のワイヤレスネットワークであることができ、Wi-Fi(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標)、Cellularデバイストゥデバイス通信(Cellular device2device communication)、V2Xプロトコル、ESP-now又はZigbee(登録商標)等、さまざまな種類の無線周波数技術及び通信プロトコルに基づくことができる。ネットワークは、好ましくは、ネットワークに使用される技術及びプロトコルに従って複数のネットワークデバイスによって形成される。しかしながら、ネットワークは、ネットワーク対応である、すなわち、他のネットワークデバイスと通信コンタクトした場合にネットワークを形成することが可能な1つのネットワークデバイスのみによって定義されることもできる。この特別な場合、ネットワークは、唯一つのネットワークデバイスであるとみなされることができ、ネットワークの検出エリアは、ゼロの範囲(extent of zero)を含むことができ、又はネットワークデバイスは、この場合にも、ネットワークデバイスの環境におけるリフレクタの存在又は不在に基づいて検出エリアのある範囲が提供されることができるように、無線周波数検出のために自身の信号の反射を使用することができる。好ましくは、ネットワークは、少なくとも3つのネットワークデバイスを含む。しかしながら、一実施形態において、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークは、2つのネットワークデバイスのみを含むことができ、この場合、無線周波数センシングを行うように構成される少なくとも1つのネットワークデバイスは、2つのネットワークデバイス間でリライアブルな無線周波数センシング(reliable radio frequency sensing)を行うことができなくてもよい。斯くして、ネットワークデバイスは、ネットワーク内で送信される通信信号に基づいてネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成されるが、ネットワーク自体が、ネットワークの検出エリアにおいてリライアブルな無線周波数センシングを行うのに十分なネットワークデバイスを既に含むことは必要ない。
【0009】
無線周波数センシング制御デバイスによって制御され得るネットワークデバイスの少なくとも1つは、ネットワーク内で送信される通信信号に基づいてネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成される。ネットワークの検出エリアは、一般に、ネットワークのネットワークデバイスの分布及びセンシングネットワークデバイス、すなわち、無線周波数センシングを行うネットワークデバイスが他のネットワークデバイスから通信信号を受信するケイパビリティ(capability)によって定義される。さらに、検出エリアは、リライアブルな無線周波数センシングが可能なエリア、例えば、フォールスポジティブの数、フォールスネガティブの数、フォールスポジティブと一般検出数(general detection number)との比等、信頼性パラメータ(reliability parameter)がユーザ許容値範囲(user acceptable value range)内に収まるエリアによって定義されることもできる。ネットワーク内にネットワークデバイスが1つしか存在せず、ネットワークデバイスが無線周波数検出に自身の信号を使用することを可能にする適切なリフレクタがない極端な場合等、リライアブルな無線周波数センシングが可能ではない場合、検出エリア範囲(detection area extent)はゼロである。ネットワーク内で送信され、センシングネットワークデバイスによって無線周波数センシングに使用される通信信号は、ネットワークによって使用される通信プロトコルに関して一般的に使用されるあらゆる種類の通信信号、例えば、制御メッセージ、ネットワークメンテナンスメッセージ、情報提供メッセージ等を指すことができ、センシングネットワークデバイスは、受信信号強度インジケータ、チャネル状態情報又は送信ネットワークデバイスとセンシングネットワークデバイスとの間の信号の妨害(disturbance)を示す任意の他の指標を使用するように構成されることができる。
【0010】
ネットワークは、任意のタイプのネットワークデバイスによって形成されることができる。好ましくは、ネットワークデバイス、とりわけ、無線周波数センシングケイパビリティを有するネットワークデバイスは、スマートホーム又はオフィスアプリケーションの一部として使用可能なデバイスを指す。例えば、無線周波数センシングケイパビリティを有するネットワークデバイスは、温度センサ等のセンサデバイス、スマートテレビ、スピーカ、暖房ユニット等のユーザにアプリケーションを提供するアプリケーション提供デバイス、及び/又は、例えばネットワークの他のネットワークデバイスを制御するための、制御デバイスであることができる。好ましい実施形態において、無線周波数センシングケイパビリティを有するネットワークデバイスは、さらなるスマート照明デバイスを含むネットワークの一部であるスマート照明デバイスである。
【0011】
近隣ネットワーク情報提供ユニットは、近隣ネットワークに関する情報を提供するように構成される。近隣ネットワークは、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークの通信範囲内にあるネットワークデバイスのネットワークを指す。とりわけ、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークの近隣ネットワークは、ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスの近隣にある少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスを含む。ネイバーネットワークデバイスは、少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークデバイスとネイバーネットワークデバイスとの間の通信を確立することを可能にするネイバーネットワークデバイスからの通信信号を受信することができる場合、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークのネットワークデバイスの近隣にあると見なされることができる。一例において、近隣ネットワークは、ネットワークのネットワークデバイスと同じエリア、例えば、検出エリア又はロケーションに位置するが、ネットワークの一部ではないネットワークデバイスから構築されることができる。他の例では、近隣ネットワークは、ネットワークのネットワークデバイスと異なるエリア、例えば、検出エリア又はロケーションにあるネットワークデバイス、又はネットワークのエリア内及びネットワークのエリア外にあるネットワークデバイスの組み合わせから構築される。近隣ネットワークは、好ましくは、複数のネイバーネットワークデバイス、すなわち、近隣ネットワークに属するネットワークデバイスを含み、Wi-Fi(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標)、Cellularデバイストゥデバイス通信、V2Xプロトコル、Zigbee(登録商標)又はESP-now等の任意の無線周波数技術及びプロトコルに基づくことができる。しかしながら、近隣ネットワークは、唯一のネイバーネットワークデバイスを含むこともできる。
【0012】
近隣ネットワーク情報提供ユニットは、近隣ネットワーク情報が既に記憶され、近隣ネットワーク情報が取得されることができる記憶ユニットであることができる。また、近隣ネットワーク情報提供ユニットは、例えば、近隣ネットワークから通信信号を受信したネットワークデバイスから近隣ネットワーク情報を取得するための取得ユニット(retrieving unit)であることができ、この場合、近隣ネットワーク情報提供ユニットは、受信した近隣ネットワーク情報を提供するように構成される。近隣ネットワーク情報提供ユニットは、例えば、ネットワークの一部である入力デバイスから、又は近隣ネットワーク情報提供ユニットと任意の他のやり方で通信することができるユーザ入力デバイスから受けるユーザ入力によって、近隣ネットワーク情報を受けることもできる。例えば、入力デバイスは、Bluetoothを介して近隣ネットワーク情報提供デバイスと通信することができる電話であることができる。さらに、近隣ネットワーク情報提供ユニットは、近隣ネットワークを検出するためのスキャニングプロセスを実行する及び近隣ネットワークの検出に基づいて情報を提供するように、ネットワークデバイス、好ましくは、ネットワークのエッジ若しくは周辺及び/又は検出エリアのエッジ若しくは周辺のネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。例えば、スキャニングプロセス時、ネットワークは、例えば、他の通信チャネル上で又は他の通信プロトコルから通信信号を送信するように構成されることができ、別のネットワークデバイス、とりわけ、ネイバーネットワークデバイスからの受信した戻り信号に基づいて、他のネットワーク、すなわち、近隣ネットワークに関する情報を決定するように構成されることができる。
【0013】
近隣ネットワーク情報(neighboring network information)は、近隣ネットワークに関する任意の情報を指すことができ、近隣ネットワークの特性、例えば、近隣ネットワークによって使用される通信プロトコル、例えば、近隣ネットワークがWi-Fi(登録商標)、Thread、Bluetooth(登録商標)、ESP-now又はZigbee(登録商標)ネットワークであるかどうか、近隣ネットワークによって使用される通信チャネル、近隣ネットワークによって使用されるセキュリティプロトコル、例えば、近隣ネットワークがオープンネットワークであるかクローズドネットワークであるか、近隣ネットワークのネイバーネットワークデバイスの1つ以上の位置に関する情報、近隣ネットワークがどのタイプのデバイスを含むか、ネイバーネットワークデバイスの1つ以上がどの状態にあるか、ZigbeeネットワークのパーソナルエリアネットワークID等のネットワークのアイデンティフィケーション、近隣ネットワークのネットワークキー、ネットワークによって行われるタスクに対するネイバーネットワークデバイスのクリティカリティ(criticality)等を指すことができる。好ましくは、近隣ネットワーク情報は、ネイバーネットワークデバイスの少なくとも1つと通信する可能なやり方を決定することを可能にする情報を含む。例えば、デバイスのタイプに関する情報は、リライアブルな通信が可能であり得るネイバーネットワークデバイスを識別するために使用されることができ、例えば、情報が、ネイバーネットワークデバイスの1つがバッテリ駆動式であることを示した場合、このデバイスとの通信は、リライアブルではないと考えられてもよい。
【0014】
ネットワーク制御ユニットは、ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける無線周波数センシング及び/又はネットワーク自身の検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいて少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。とりわけ、近隣ネットワーク情報は、ネットワーク制御ユニットが、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークのネットワークデバイスによって無線周波数センシングに使用され得るどの信号がネイバーネットワークデバイスによって提供され得るか、及び、それぞれの信号へのアクセスの仕方を決定することを可能にする情報を提供する。それゆえ、ネットワーク制御ユニットは、ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスが、例えば、近隣ネットワーク情報において指定されるチャネル上でネイバーネットワークデバイスからの通信信号をサーチすることによって、又はネイバーネットワークデバイスがネットワークデバイスにそれぞれの信号を送信するようにネイバーネットワークデバイスとインタラクションすることによって、等、信号を検出することを可能にするように、ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することができる。さらに、ネットワーク制御ユニットは、ネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける占有検出のために及び/又はネットワーク自身の検出エリアにおける無線周波数センシングのために、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される被検出信号に基づいて無線周波数センシングを行うように、少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。
【0015】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのネットワークデバイスが、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスの通信信号の信号品質特性を決定する及び信号品質特性を無線周波数センシングに使用するように、少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。信号品質特性は、信号の品質を示す、ネイバーネットワークから受信される通信信号の任意の特徴を指すことができる。好ましくは、信号品質特性は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスの通信信号の信号強度及び/又は少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスの通信信号のチャネル状態情報を指すことができる。とりわけ、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスの通信信号の信号強度は、それぞれの通信信号について決定される受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)を指すことができる。Wi-Fiアプリケーションの場合、とりわけ、ネットワークデバイスによって受信される通信信号のチャネル状態情報(CSI:channel state information)が無線周波数センシングに使用されることが好ましい。しかしながら、他の実施形態では、信号品質特性は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信され、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークのネットワークデバイスによって受信される通信信号の他のメトリクスを指すこともできる。
【0016】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネイバーネットワークデバイスの少なくとも1つとインタラクションする(interact with)ことを可能にするように、提供された情報に基づいて少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイス(at last one interacting neighbor network device)とのインタラクション(interaction)に基づいて無線周波数センシングを行うように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。少なくとも1つのネットワークデバイスと少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとの間のインタラクションは、ネットワークデバイスとネイバーネットワークデバイスとの間の信号の交換によって定義される任意の種類のインタラクションを指すことができる。信号交換(signal exchange)は、例えば、デバイスの一方が通信信号を提供し、他方のネットワークデバイスが通信信号に基づいてリターン又はアンサー信号を提供することを指すことができる。ネットワーク制御ユニットは、ネットワークデバイスとインタラクションするネイバーネットワークデバイスとの間のインタラクション、すなわち、信号の交換に基づいて無線周波数センシングを行うようにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。とりわけ、ネットワーク制御ユニットは、インタラクションするネイバーネットワークデバイスによって送信され、2つのデバイスのインタラクションの一部であるネットワークデバイスによって受信される信号に基づいて無線周波数センシングを行うように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。
【0017】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスにトリガメッセージを送ることによって少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとインタラクションする及び少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスのリターン信号(return signal)を無線周波数センシングに使用するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。トリガメッセージは、インタラクションするネイバーネットワークデバイスによって使用されるネットワークプロトコルに従って、インタラクションするネイバーネットワークデバイスに、ネットワークの検出エリアの外側の検出エリアにおいて無線周波数センシングに使用されることができる信号を送信させる任意のメッセージであることができる。とりわけ、ネットワーク制御ユニットは、どのトリガ信号が、ネットワークの検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける無線周波数センシングを可能にするネイバーネットワークデバイスからのリターン信号を受信することを可能にするか、近隣ネットワーク情報に基づいて決定するように構成されることができる。この決定に基づいて、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスにトリガメッセージを送るように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。少なくとも1つのネットワークデバイスは、ネットワークの検出エリアの外側に延びる検出エリア、とりわけ、センシングネットワークデバイスとインタラクションするネイバーネットワークデバイスとの間の検出エリアにおける無線周波数センシング、とりわけ、占有検出のために、リターン信号のパラメータ、例えば、リターン信号のメトリック、リターン信号のコンテンツ又はその両方を使用することができる。
【0018】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、トリガメッセージを共通通信プラットフォーム、好ましくは、クラウドストレージに送るようにネットワークデバイスを制御するように構成され、トリガメッセージは、共通通信プラットフォームから、共通通信プラットフォームへのアクセスを有する少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって取得されることができる。この場合、トリガメッセージは、近隣ネットワークの通信特性を制御する近隣ネットワークの制御メッセージとして使用されることもできる。また、ネットワーク制御ユニット自身が、トリガメッセージを送るように構成されることもできる。
【0019】
一実施形態において、トリガ信号は、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスのリターン信号が、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの近隣ネットワークの他のネイバーネットワークデバイスとの接続及び/又はネットワークの1つ以上のネットワークデバイスとの接続を示すように選択される。好ましくは、少なくとも1つのインタラクションするネットワークデバイスのリターン信号は、信頼性情報(reliability information)、他のネットワークデバイスとの接続のメトリクス、他のネットワークデバイスの位置情報、他のネットワークデバイスのタイプ等、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの近隣ネットワークの他のネイバーネットワークデバイスとの接続及び/又はネットワークの1つ以上のネットワークデバイスとの接続に関する情報を含む。好ましくは、リターン信号は、近隣ネットワークによって受信される通信信号の信号品質の信号品質特性を含む。例えば、リターン信号は、別のネイバーネットワークデバイスによって又は無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークのネットワークデバイスによって送信された、ネイバーネットワークデバイスによって受信される通信信号の信号強度を示すことができる。近隣ネットワークがZigbee通信プロトコルに基づく場合、リターン信号は、Zigbee通信プロトコルに従うネイバーテーブル(neighbor table)を指すことができる。ネットワーク制御ユニットは、とりわけ、他のネイバーネットワークデバイスとの接続に関する情報を含む2つのリターン信号間の他のネイバーネットワークデバイスとの接続の変化を記録することにより、他のネイバーネットワークデバイスとの接続に関するインタラクションするネイバーネットワークデバイスによって提供される情報にも基づいて無線周波数センシングを行うよう少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。この実施形態では、ネットワークデバイスが、インタラクションするネイバーネットワークデバイスとネットワークデバイスとの間だけでなく、インタラクションするネイバーネットワークデバイスとインタラクションするネイバーネットワークデバイスと通信するネイバーネットワークデバイスとの間の通信によって規定されるエリアにおいても無線周波数センシングを行うことが可能となる。斯くして、ネットワークの無線周波数センシングのための可能な検出エリアは、ネイバーネットワークデバイスによって占有されるエリアに非常に効果的に増加されることができる。
【0020】
好ましい実施形態において、リターン信号は、所定の過去の期間(predetermined past time period)中の少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの近隣ネットワークの他のネイバーネットワークデバイスとの接続及び/又はネットワークの1つ以上のネットワークデバイスとの接続の信号品質特性の変化を示す。例えば、リターン信号は、所定の過去の期間中の、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの、他のネイバーネットワークデバイスとの接続及び/又はネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスとの接続の測定された信号強度を含むことができ、この信号強度のシーケンスは、これらの信号強度の変化を示す。所定の過去の期間は、例えば、最後の数秒又は数分を指すことができ、また、例えば、提供されるべき過去の信号強度測定値の数を定義することによって、定義されることもできる。例えば、リターン信号は、インタラクションするネイバーネットワークデバイスと、ネイバーテーブルの一部であるネイバーネットワークデバイスの各々との間の信号強度の最後の10個の測定値を含むネイバーテーブルを指すことができる。
【0021】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、所定の過去の期間中の少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスと近隣ネットワークの接続されたネイバーネットワークデバイスとの間の接続の信号強度の変化に基づいて所定の過去の期間の無線周波数センシングを行うようにネットワークデバイスを制御するように構成される。リターン信号は、少なくとも1つのインタラクションするネイバーネットワークデバイスの他のネイバーネットワークデバイスとの接続の信号強度の変化を示すので、ネットワークデバイスは、信号強度の変化に関するこの情報を使用し、これらの変化が参照する所定の期間についてこの情報に基づいて無線周波数センシングを行うように、ネットワーク制御ユニットによって制御されることができる。この実施形態は、例えば、センシングネットワークデバイスの現在の検出結果が、近隣ネットワークのエリアにおける以前の期間の検出結果と適合しているかどうかをチェックすることを可能にする。このアプリケーション例は、センシングネットワークデバイスが、隣人の庭に隣接する庭の周辺エリアにおいて潜在的に不正な人の存在をセンシングし、このエリアは、隣人の庭を通過することによってのみ到達されることができる状況である。このようなコンフィギュレーション(configuration)において、周辺におけるネットワークデバイスの占有検出が正しいことを示すセンシングネットワークデバイスの庭での占有検出の前の時間に、実際に隣人の庭でも占有、すなわち、人の通過が検出され得るかどうかをチェックすることが有利であろう。
【0022】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークメンテナンスメッセージ又は近隣ネットワークのネットワークデバイス間の通信に用いられる他のメッセージをリッスンするように、少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、ネットワーク制御ユニットは、受信したメッセージに基づいて無線周波数センシングを行うようにネットワークデバイスを制御するように構成される。ネットワークメンテナンスメッセージは、ネットワークデバイスのネットワークを維持又は構築するために使用される任意の種類のメッセージを指すことができる。好ましくは、デバイスは、ネットワーク制御ユニットによって、ネイバーネットワークデバイスによって提供されるすべての通信メッセージを受動的にリッスンする及び受信したメッセージを無線周波数センシングに使用するように構成されることができる。
【0023】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、ネイバーネットワークデバイスにメンテナンスメッセージ又は近隣ネットワークのネットワークデバイス間の通信に使用される他のメッセージをネットワークデバイスに送信するよう促すトリガメッセージが送信されるように、ネットワークデバイスを制御するように構成されることもできる。好ましい実施形態において、トリガ信号はビーコン要求信号であり、ネットワークメンテナンスメッセージは、ビーコン要求に対する応答を指す。別の好ましい実施形態において、ネットワークメンテナンスメッセージは、リンク状態メッセージ(link status message)、キープアライブメッセージ(keep-alive message)又はWi-Fiピングメッセージ(Wi-Fi pinging message)を指すこともできる。ネットワークデバイスは、無線周波数センシングのためにネットワークメンテナンスメッセージのRSSI又はCSIを使用するように構成されることができる。しかしながら、ネットワークメンテナンスメッセージのコンテンツ又は他のメトリクスが、無線周波数センシングに使用されることもできる。
【0024】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、近隣ネットワークに入り、少なくとも部分的にその一部になることにより少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとインタラクショする及び近隣ネットワークの一部として無線周波数センシングを行うように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、ネットワーク制御ユニットはさらに、近隣ネットワークの一部として行われる無線周波数センシングの結果を報告するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。好ましくは、この実施形態において、近隣ネットワーク情報提供ユニットによって提供される近隣ネットワーク情報は、ネットワーク制御ユニットがこの近隣ネットワーク情報に基づいて少なくとも部分的に近隣ネットワークの一部になるように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することができるように、セキュリティ対策情報及びネットワーク識別情報を含む、又は、近隣ネットワークがオープンネットワークであるかクローズドネットワークであるかに関する情報を含む。少なくとも1つのネットワークデバイスは、近隣ネットワークの完全なメンバになること、又は、部分的なメンバ、例えば、ネットワークリソース及びネットワーク通信に部分的にのみアクセスできるネットワークのメンバになることを要求することができる。ネットワークデバイスは、近隣ネットワークの一部として、斯くして、近隣ネットワークの検出エリアにおいて、及び近隣ネットワークと少なくとも1つのネットワークデバイスとの間の検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うことができる。結果は、無線周波数センシング制御デバイスに報告されることができ、及び/又は、例えば、結果をネットワークにブロードキャストすることによって、ネットワークの他のネットワークデバイスに報告されることができる。代替的に、ネットワークデバイスは、少なくとも1つのネットワークデバイスとBluetoothを介して通信する、ネットワークの他のネットワークデバイスもアクセスでき、情報を取得することができるクラウドサーバと通信する、等、他の通信チャネルを使用することもできる。
【0025】
近隣ネットワークの一部になるために、ネットワークデバイスは、現在のネットワークから離れるように制御されることができる。しかしながら、好ましくは、ネットワーク制御ユニットは、同時に2つのネットワークの一部となることが可能なネットワークデバイスを制御するように構成される。この場合、ネットワークデバイスは、ネットワーク制御ユニットによって、近隣ネットワークの一部となり、近隣ネットワークの一部として無線周波数センシングを行うように制御され、同時に、ネットワーク制御ユニットを含むネットワークに依然として参加し、ネットワークの一部として無線周波数センシングの結果を報告することができる。同時に2つのネットワークの一部となるケイパビリティは、2つのラジオ(radio)又は両方のネットワークの一部となるのに十分な能力を有するファームウェアを備えた1つのラジオを設けることによって実装されることができる。
【0026】
好ましくは、ネットワーク制御ユニットは、少なくとも1つのネットワークデバイスが、所定期間だけ近隣ネットワークの一部となるように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成され、ネットワーク制御ユニットはさらに、ネットワークデバイスが再びネットワークの一部となった後に所定期間中の無線周波数センシングの結果を報告するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。所定期間が経過した後、ネットワークデバイスは、自動的に近隣ネットワークから離れ、ネットワーク、すなわち、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークの一部に再びなることを要求するように構成されることができる。ネットワーク制御ユニットは、近隣ネットワークの一部として処理された無線周波数センシングの結果を報告するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することができる。代替的に、ネットワーク制御ユニットは、現在近隣ネットワークの一部である少なくとも1つのネットワークデバイスが再びネットワークを変更し、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークの一部に再びなるように要求することをトリガする制御トリガ信号を提供する、又は制御トリガ信号を提供するようにネットワークのネットワークデバイスの1つを制御するように構成されることができる。代替的な実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、近隣ネットワークに入り、未確定の期間(undetermined time period)その一部になることにより少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとインタラクショする、及び、依然近隣ネットワークの一部である際に、近隣ネットワーク内で行われる無線周波数センシングの結果を無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークに報告するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。少なくとも1つのネットワークデバイスは、所定の期間で、例えば、数秒毎に無線周波数センシングの結果を報告するように制御されることができ、又は、所定のトリガメッセージが提供された場合にのみ無線周波数センシングの結果を報告するように制御されることができる。
【0027】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、ネットワークデバイスが、近隣ネットワーク内の通信に用いられる通信信号のタイミングを変更するようにネイバーデバイスの少なくとも1つを制御することができる制御トリガメッセージを送信するように、提供された情報に基づいて少なくとも1つのネットワークデバイスを制御する、及び、無線周波数センシングに近隣ネットワークの通信信号を使用するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成される。制御トリガメッセージは、ネイバーネットワークデバイスの少なくとも1つに近隣ネットワーク内で通信信号を送信するタイミングを変更させる、ネイバーネットワークデバイスの使用通信プロトコルに実装される任意のメッセージであることができる。例えば、制御トリガメッセージは、リンク状態メッセージ等、ネットワークメンテナンスメッセージを変更するタイミングが、近隣ネットワーク内で変更されるように実装及び選択されることができる。好ましくは、通信信号のタイミングは、より高い時間分解能でより正確な無線周波数センシングを可能にするためにある時間間隔中に通信信号がより頻繁に送信されるように変更される。
【0028】
一実施形態において、近隣ネットワーク情報提供ユニットは、ネットワークデバイスが近隣ネットワークと通信することができるネットワークチャネルを近隣ネットワークに関する情報として提供するように構成され、ネットワーク制御ユニットは、近隣ネットワークによって提供されるネットワークチャネルでも通信するようにネットワークのネットワークデバイスの少なくとも一部、好ましくは、すべてのネットワークデバイスを制御するように構成される。好ましい実施形態において、ネットワークチャネルは、近隣ネットワーク自体が通信するネットワークチャネルを指す。代替的に、ネットワークチャネルは、近隣ネットワークの外部のネットワークデバイスとの通信のために近隣ネットワークによって提供される専用のネットワークチャネル、例えば、ゲストネットワークチャネル又は専用の無線周波数センシングチャネルを指す。無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークのネットワークデバイスが近隣ネットワークと同じネットワークチャネルで通信する、すなわち、通信メッセージを送信するように制御することは、近隣ネットワークの一部となるようにネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することがより容易になるという利点を有する。さらに、近隣ネットワーク内で送信され、少なくとも1つのネットワークデバイスによって受信される通信信号を無線周波数センシングに使用することもより容易になる。
【0029】
本発明の別の態様において、a)少なくとも2つのネットワークデバイスであって、少なくとも1つのネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成される、ネットワークデバイスと、b)上記の無線周波数センシング制御デバイスとを含む、ネットワークが提供される。
【0030】
本発明の別の態様において、少なくとも1つのネットワークデバイスを含むネットワークにおける無線周波数センシングを制御するための無線周波数センシング制御方法であって、ネットワークデバイスの少なくとも1つは、ネットワーク内で送信される通信信号に基づいてネットワークの検出エリアにおいて無線周波数センシングを行うように構成され、当該無線周波数センシング方法は、a)近隣ネットワークに関する情報を提供することであって、近隣ネットワークは、ネットワークの少なくとも1つのネットワークデバイスの近隣にある少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスを含む、ことと、b)ネットワークのネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける無線周波数センシング及び/又はネットワークの検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいて少なくとも1つのネットワークデバイスを制御することであって、被検出信号は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される、こととを含む、無線周波数センシング制御方法が提供される。
【0031】
本発明の別の態様において、ネットワークにおける無線周波数センシングを制御するためのコンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムが、上記の無線周波数センシング制御デバイスに、当該コンピュータプログラムが無線周波数センシング制御デバイスによって実行された場合に上記の無線周波数センシング制御方法のステップを実行させるためのプログラムコード手段を含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0032】
請求項1に記載の無線周波数センシング制御デバイス、請求項13に記載のネットワーク、請求項14に記載の無線周波数センシング制御方法、及び請求項15に記載のコンピュータプログラムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0033】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0034】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による無線周波数センシング制御デバイスを含む複数のネットワークデバイスのネットワークの一実施形態を概略的且つ例示的に示す。
図2】ネットワークにおける無線周波数センシングを使用する存在検出を制御するための方法の一実施形態を例示的に示すフローチャートを示す。
図3】本発明のアプリケーションを概略的且つ例示的に示す。
図4】本発明のアプリケーションを概略的且つ例示的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、無線周波数センシング制御デバイスを含む複数のネットワークデバイスを有するネットワークの一実施形態を概略的且つ例示的に示している。ネットワーク100は、通信信号130を介して互いに通信し、ネットワーク100を維持するネットワークデバイス101、102、103及び104によって形成され、通信信号130は、無線周波数信号である。ネットワークデバイス101、102、103、104は、好ましくはスマート照明デバイスであるが、他の機能的ケイパビリティを有するスマートデバイスを指すこともできる。「スマート」という用語は、このコンテキストでは、その主機能性、例えば、照明デバイスのための光を提供する機能性又は温度センサのための温度を感知する機能性に加えて、とりわけ、ネットワーク通信機能性、制御機能性等を指す追加の機能性も提供するデバイスを指す。ネットワークデバイス101、102、103、104の少なくとも1つは、追加の機能性として、無線周波数センシング機能を含み、すなわち、ネットワーク100の検出エリア120において無線周波数センシングを行うように構成される。検出エリア120は、ネットワーク100の無線周波数センシングのためのネットワークデバイスが、ネットワークに与えられる無線周波数センシングタスク、例えば、物体又は人の存在又は不在をセンシングするタスク、物体又は人のアクティビティを決定するタスク、人の呼吸を検出するタスク等を実行することができるエリアとして定義される。
【0037】
この例では、ネットワーク100は、近隣ネットワーク150の近くに位置付けられている。近隣ネットワーク150は、例えば、近隣ネットワーク150を維持するために、通信メッセージ180を使用して近隣ネットワーク150内で通信するネイバーネットワークデバイス151、152、153、154を含む。この例では、また、ネイバーネットワークデバイス151、152、153、154の少なくとも1つは、無線周波数ケイパビリティを有し、すなわち、検出エリア160において無線周波数センシングを行うように構成される。また、検出エリア160は、この例では、無線周波数センシングの能力を有するネイバーネットワークデバイスが、人等、物体の存在又は不在を検出することができるエリアとして定義される。他の実施形態において、近隣ネットワーク150のネイバーネットワークデバイスは、それ自体で無線周波数センシングを行うことができない。好ましくは、また、ネイバーネットワークデバイス151、152、153、154は、スマート照明デバイスである。しかしながら、ネイバーネットワークデバイス151、152、153、154は、ネットワーク100のネットワークデバイス101、102、103、104に関して述べられたような他の機能的ケイパビリティを有するスマートデバイスを指すこともできる。
【0038】
ネットワーク100はさらに、ネットワーク100の無線周波数センシングを使用する存在検出を制御するように構成される無線周波数センシング制御デバイス110を含む。とりわけ、無線周波数センシング制御デバイス110は、ネットワーク100のネットワークデバイス101、102、103、104の少なくとも1つを制御するように構成されることができる。好ましくは、無線周波数センシング制御デバイス110は、ネットワーク100のネットワークデバイス101、102、103、104のすべてを制御するように構成されることができる。無線周波数センシング制御デバイス110は、ネットワーク100のネットワークデバイス101、102、103、104の1つの一部であることができ、例えば、ネットワークデバイスのハウジング内のハードウェア又はソフトウェアとして設けられることができる。代替的に、無線周波数センシング制御デバイス110は、例えば、無線周波数センシング制御デバイス110の機能性が、ネットワークデバイス101、102、103、104によって一緒に、すなわち、ネットワークデバイス101、102、103、104間のインタラクションによって行われるように、ネットワークデバイス101、102、103、104のすべての部分又は一部であることができる。別の代替例では、無線周波数制御デバイス110は、スタンドアロンデバイスであることができ、例えば、それ自体が、無線周波数センシング制御デバイス110の機能性を提供するためのハードウェア及びソフトウェアを含み、ネットワークデバイス101、102、103、104の少なくとも1つと通信する、ネットワークデバイスであることができる。図1に示される例では、無線周波数センシング制御デバイス110は、無線周波数センシングケイパビリティを含むネットワーク100のネットワークデバイス103に接続されている。
【0039】
無線周波数センシング制御デバイス110は、近隣ネットワーク情報提供ユニット111と、ネットワーク制御ユニット112とを含む。近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、近隣ネットワーク、この例では、近隣ネットワーク150に関する情報を提供するように構成される。例えば、近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、近隣ネットワーク情報として、近隣ネットワーク150内で使用され、ネットワークデバイス103によって受信されている通信信号180に基づいて決定された情報を提供することができる。これらの通信信号180は、例えば、近隣ネットワーク150によって使用される通信プロトコル、近隣ネットワーク150によって使用される通信チャネル、近隣ネットワーク150によって使用されるアイデンティフィケーション又はセキュリティキー、近隣ネットワーク150がオープンネットワークであるかクローズドネットワークであるか等に関する情報を提供することができる。近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、受信した通信信号180からこの情報を抽出又は決定するように構成されることができる。
【0040】
別の実施形態において、近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、近隣ネットワークを積極的にスキャンする、とりわけ、各潜在的ネイバーネットワークデバイスに応答させ、該ネイバーネットワークデバイスが属する近隣ネットワークに関する情報を提供させるトリガメッセージを送信するようにネットワークデバイス103を制御するように構成されることもできる。この場合、ネットワークデバイス103は、近隣ネットワーク150のネイバーネットワークデバイス154によって受信されるトリガメッセージ140を提供し、トリガメッセージ140は、ネイバーネットワークデバイス154に、例えば、ネットワークデバイス103によって受信されることができる近隣ネットワーク150に関する情報を含むネットワーク情報メッセージ141を送信させる。
【0041】
近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、例えば、無線周波数センシング制御デバイス110と通信している入力ユニットを用いるユーザの入力に基づいて近隣ネットワーク情報を受けるように構成されることもできる。代替的に、近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、ユーザが近隣ネットワーク情報を記憶しているクラウドストレージから近隣ネットワーク情報を受けることもできる。クラウドストレージは、中央ストレージ、例えば、データを記憶及び交換するために複数のデバイスによって使用されるネットワークストレージ等も包含することができる。とりわけ、ユーザによって近隣情報提供ユニット111に直接提供される近隣ネットワーク情報は、近隣ネットワーク150のネットワークパスワード、セキュリティキー等、近隣ネットワーク150のセキュリティ情報を指すことができる。
【0042】
近隣ネットワーク情報提供ユニット111は、この情報を近隣ネットワーク150に関する情報として提供することができる。ネットワーク制御ユニット112は、近隣ネットワーク情報提供ユニット111によって提供される近隣ネットワーク情報に基づいてネットワークデバイス103を制御するように構成される。とりわけ、ネットワーク制御ユニット112は、ネットワークデバイス103が、ネットワーク100の検出エリア120の外側に延びる検出エリア170における無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、ネットワークデバイス103を制御するように構成され、検出信号は、ネイバーネットワークデバイス151、152、153、154の1つによって送信される。例えば、近隣ネットワーク情報が、近隣ネットワーク150がその通信信号180をネットワーク100で使用される通信信号130と同じ通信チャネルで提供することを示す場合、ネットワーク制御ユニット112は、ネットワークデバイス103によって受信される近隣ネットワーク150の通信信号180を検出エリア170における無線周波数センシングに使用するようにネットワークデバイス103を制御するように構成されることができる。代替的に、近隣ネットワーク情報が、近隣ネットワーク150がZigbee又はWi-Fi通信プロトコル等の特定の通信プロトコルを使用することを示す場合、ネットワーク制御ユニット112は、例えば、ネイバーネットワークデバイス154にネットワークプロトコルに従ってトリガメッセージ140を送信し、ネイバーネットワークデバイス154に使用される通信プロトコルに従ってリターン信号141を送信させるようにネットワークデバイス103を制御するように構成されることができる。ネットワーク制御ユニット112は、リターン信号141を検出エリア170における無線周波数センシングに使用するようにネットワークデバイス103を制御するように構成されることができる。
【0043】
さらなる実施形態において、近隣ネットワーク情報が、近隣ネットワーク150がオープンネットワークであることを示す、又は、近隣ネットワーク150のセキュリティキー等のクレデンシャルが、例えば、ネットワーク100のユーザの入力に起因して、無線周波数センシング制御デバイス110によって知られる場合、ネットワーク制御ユニット112は、近隣ネットワーク150の一部となるようにネットワークデバイス103を制御するように構成されることができる。とりわけ、ネットワーク制御ユニット112は、ネットワークデバイス103が、近隣ネットワーク150の一部として、例えば通信信号180に基づいて、無線周波数センシングを行うことができるように、ネットワーク100を離れ、近隣ネットワーク150の一部になることを要求するようネットワークデバイス103を制御することができる。ネットワーク制御ユニット112はさらに、所定期間後に近隣ネットワーク150から離れ、再びネットワーク100に参加するように、又は、依然近隣ネットワーク150の一部に留まりながら、近隣ネットワーク150の一部としての無線周波数センシングの結果をネットワーク100、例えば、ネットワーク100の他のネットワークデバイス101、102、104の1つに所定の時間間隔で又はトリガメッセージに応答して報告するようにネットワークデバイス103を制御することができる。
【0044】
図2は、ネットワーク、例えば、ネットワーク100における無線周波数センシングを使用する存在検出を制御するための方法の一実施形態を例示的に示すフローチャートを示している。第1のステップ201において、方法200は、近隣ネットワーク150等、近隣ネットワークに関する情報を提供することであって、近隣ネットワーク150は、ネットワーク100の少なくとも1つのネットワークデバイス103の近隣にある少なくとも1つの近隣ネットワークデバイス154を含む、ことを含む。第2のステップ202において、ネットワーク100の少なくとも1つのネットワークデバイス、例えば、ネットワークデバイス103が、ネットワーク100のネットワークデバイス103がネットワーク100の検出エリア120の外側の検出エリア170における無線周波数センシングのために信号141、180を検出することを可能にするように、提供された情報に基づいて制御される。検出信号141、180は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイス151、152、153、154によって送信される。
【0045】
以下では、一般的に上述された本発明の好ましい実施形態及びアプリケーションのより詳細な例が提供される。
【0046】
図3は、本発明の典型的なアプリケーションの一例を示している。図には、典型的なアパート300が示されている。アパートは、ダイニングルーム、バスルーム又はベッドルーム等、複数の部屋を含む。これらの部屋の各々には、図中に点で示されるネットワークデバイス310が設けられ、ネットワークデバイスは、スマート照明デバイスであることができる。しかしながら、ネットワークデバイス310は、センサデバイス又は制御デバイス等、他の機能性を有するネットワークデバイスを指すこともできる。この例では、1つの部屋に設けられるネットワークデバイスがネットワークを形成する。例えば、リビングルームに設けられるネットワークデバイス310がネットワークを形成し、第1のベッドルームに設けられるネットワークデバイスがネットワークを形成し、第2のベッドルームに設けられるネットワークデバイスがネットワークを形成し、また、例えば、ホールに設けられるネットワークデバイスは、ホールにはネットワークデバイスが1つしか設けられていないが、ネットワークを形成する。斯くして、ホールのネットワークは、1つのネットワークデバイスのみを含むネットワークを指す。この例では、リビングルーム及びベッドルームにおけるエリア320は、これらのエリアにおいてネットワークデバイスによって行われる無線周波数センシングの非常に良好なカバレッジを可能にする分布を有する十分なネットワークデバイス310を含む。しかしながら、エリア330及び340は、それぞれのエリアにおいてネットワークデバイスによって正確且つリライアブルな無線周波数センシングを提供するには少なすぎる又は偏在しすぎている(too unevenly distributed)ネットワークデバイスを含む。このことは、無線周波数占有センシングが、人が部屋で検出される場合に、例えば、ライトをオンするよう、部屋のネットワークデバイスを制御するために使用されるべきである場合、又はネットワークデバイスが、セキュリティ目的のために使用されるべきである場合に問題となり得る。これらのセキュリティ目的は、とりわけ、アパートのホール及びバルコニを含むエリア340にとって、存在検出が、例えば、ライトをオンにする又はアパートの住人に通知することを可能にすることが興味深いものである。
【0047】
図4には、上述した本発明が適用可能なコンフィギュレーションの他の例が示されている。図4では、ネットワークデバイス410、この例では、スマート照明デバイスが配されている庭エリア400が示されている。とりわけ、ネットワークデバイス410は、庭のテラス(terrace)、歩道(walking path)、物置(shed)に設けられている。この例では、庭に設けられたすべてのライト(light)がネットワークを形成することができ、この場合、無線周波数センシングは、庭のエリア420においてネットワークデバイスによって良好な結果及び高い信頼性で提供されることができる。しかしながら、ネットワークデバイスが設けられていないエリア430では、無線周波数センシングはリライアブルではないか、ましては不可能となる。一般に、スマート照明デバイス等、限られた数のネットワークデバイスしかほとんどの庭では利用可能でないため、無線周波数センシングを用いた庭の占有検出は、リライアブルではない結果となり得る。例えば、ユーザは、リライアブルな無線周波数センシングのために好ましい3つのネットワークデバイスを設けることさえできない可能性がある。さらに、スマートライト等、庭で使用されるネットワークデバイスは、庭の歩道に沿って又は敷地の周囲に沿って配置されるのが一般的であり、庭の他のエリアにはおそらくは設けられない。さらに、屋外エリアにおける閉じ込めの欠如(lack of confinement)の結果、他のアプリケーションでは無線周波数センシングに寄与するために使用され得る反射の数が限定的となる。斯くして、反射の欠如は、一般に、屋外エリアにおける無線周波数センシングの性能を低下させ得る。とりわけ、例えば、Wi-Fi通信プロトコルにおけるCSI測定を使用する、マルチパス信号伝送に関する信号の分析に基づく無線周波数センシングアプリケーションにおいて、この反射の欠如は、存在検出の信頼性のさらなる低下につながり得る。
【0048】
図3及び図4に例示的に示される両環境において、図1及び図2に関して例示的に述べられたような無線周波数制御デバイスを適用することは、特定のネットワークに属するネットワークデバイスによって提供される無線周波数信号に加えて、該ネットワークに属さない、とりわけ、近隣ネットワークに属するネットワークデバイスによって提供される信号も利用することによって、例えば、リライアブルではない無線周波数センシングを有するエリアまで、ネットワークデバイスの検出エリアを増加させることを可能にする。近隣ネットワークは、例えば、図3に示されるアプリケーションでは、例えば、隣の部屋に設けられる、ネットワークのいずれかであってもよい。例えば、第2のベッドルームにおける無線周波数センシングのための高精度が、第1のベッドルーム、ホール及び/又はバスルームにおけるネットワークデバイスによって提供される無線周波数信号をさらに考慮することによって達成され得る。図4に示される第2の例示的なアプリケーションでは、庭に示されるネットワークのための近隣ネットワークは、隣の庭においてネットワークデバイスを提供する隣人のネットワークを指してもよい。対応する近隣ネットワークが、例えば、隣の庭において利用可能である場合、図4に示されるネットワークの設定に基づいては、無線周波数センシングが利用可能ではない、図4に示される領域430が、改善された、例えば、よりリライアブルな、無線周波数センシングがエリア430で実行されることができるように、隣のネットワークデバイス及び自身のネットワークデバイスによって提供される信号によってカバーされ得る。
【0049】
上述した本発明の一般的な実施形態に従って、無線周波数センシングのためのハイブリッド無線周波数センシングモードを使用することが提案される。とりわけ、ネットワークの所有者、すなわち、とりわけ、ネットワークデバイスの所有者の直接制御下にある、ネットワーク、例えば、Philips Hueネットワークにおける第1のセットのネットワークデバイス、例えば、ライトが設けられる。無線周波数センシングが可能なネットワークのネットワークデバイスは、本発明の上述した実施形態に従って、ネットワークの無線周波数検出を改善するために、隣人又は他の誰かによって所有されていてもよい、別のネットワーク、とりわけ、近隣ネットワークの一部である、第2のセットのネットワークデバイス、例えば、ライトとインタラクションすることができる。近隣ネットワークの一部であるネイバーネットワークデバイスは、例えば、隣人のWi-Fiライト、隣人のZigbeeライト、電気事業者が所有するZigbee対応スマートメータ、隣人が所有するWi-Fi及びZigbeeライト両方の組み合わせ、近隣のWi-Fiアクセスポイント、市のパブリックWi-Fiインフラストラクチャ、電気事業者又は市政府が所有するZigbee対応街灯ポール、及び/又は、典型的には家主若しくはビル管理者が所有/管理する集合住宅の廊下、階段、非常口、若しくは任意の他の共有エリアで使用される、非常灯、センサ、サーモスタット等を指すことができる。
【0050】
自身のネットワークの一部ではないこのような隣人のネットワークデバイスの信号を使用することは、自身のネットワークの無線周波数センシング性能を向上させることを可能にする。例えば、上階及び下階の隣人のアパートにおけるネイバーネットワークデバイス、例えば、ライトを利用することにより、自身のネットワークが、天井から部屋の床までのセンシングボリューム(sensing volume)を作り出すことによって垂直方向の無線周波数センシングを行うことを可能とされ得る。さらに、同じ階に位置する隣人のアパートにおける近隣ネットワークに属するネイバーネットワークデバイスを使用することにより、アパート間の共有壁付近及び/又は2つのアパートの玄関エリア近くでの自身のネットワークのセンシング性能が向上され得る。
【0051】
隣接する部屋に設けられる近隣ネットワークからのライト等のネイバーネットワークデバイスを使用することは、多くの場合、部屋における疑われるが確認されていないフォールスポジティブ検出が、本当に当該部屋で起こっていることに起因するのか、又は、例えば、隣接する部屋、例えば、隣接する隣人の部屋における外乱(disturbance)に起因するのかを判断するのに十分であり得る。例えば、ユーザのリビングルームにおけるネットワークに設けられるネットワークデバイスは、リビングルームにおける誰かの存在に起因する可能性がある外乱を無線周波数センシングを介して検出し得る。リビングルームに誰かが実際に存在していることを確認するために、リビングルームに設けられるネットワークは、例えば、図1に関して述べられたような無線周波数センシング制御デバイスを備えることによって、リビングルームに近い隣室に設けられる近隣ネットワークのネイバーネットワークデバイスによって提供される信号を少なくとも一時的に無線周波数センシングのために関与させることができる。これらのネイバーネットワークデバイスによって提供される信号に基づいて、無線周波数センシングにおける外乱がより大きいと測定される場合、ネットワークは、誰かがリビングルームではなく隣室に実際に存在し、例えば、動いている可能性がより高いと結論付けるように構成されてもよい。
【0052】
一般に、第1のネットワークの一部である第1のグループのネットワークデバイス、例えば、ライトは、一般に知られているように無線周波数センシングを行うことができる。例えば、第1のネットワークがWi-Fi通信プロトコルに基づく場合、無線周波数センシングは、すべてのWi-Fiネットワークデバイスが無線周波数センシングに関して同等に考慮される分散無線周波数センシングアーキテクチャを利用することができる。この例では、Wi-Fi無線周波数センシングは、中央ノード、すなわち、故障しやすいWi-Fiアクセスポイント等の中央ネットワークデバイスの関与を必要としない。一般に、ネットワークデバイスによって使用されるWi-Fi通信プロトコルは、古典的なWi-Fi通信プロトコル又はWi-Fiメッシュ通信プロトコルを指すことができる。第1のネットワークはさらに、本発明に従ってネットワークの無線周波数センシングケイパビリティを拡張するために上述したような無線周波数センシング制御デバイスを含むことができる。
【0053】
一例として、例えば、第1のネットワークのユーザの隣人によって所有されている、第2のグループのネットワークデバイス、すなわち、近隣ネットワークは、十分なコンピューティングリソースを提供しない可能性がある、又は、例えば、無線周波数センシングのパフォーマンスに必要な生のCSIデータを提供するための、通信信号の分析が、第2のグループのネットワークデバイスにとって不可能であるような、WiFi無線(radio)通信プロトコルに基づく可能性がある。この場合、第2のグループのネットワークデバイスは、無線周波数センシング計算を、何処かに位置付けられ得る何らかのネットワークデバイス、例えば、アンカーノードに依存してもよい。隣人が所有するネットワークが上記発明による無線周波数センシング制御デバイスを含む場合、このようなアンカーノードは、例えば、Wi-Fiアクセスポイント又はWi-Fiネットワークデバイスの1つによって、第1のネットワークの第1のグループのライトの一部として設けられてもよい。第1のネットワークの無線周波数センシング制御デバイスは、例えば、近隣ネットワークの一部であり、それ自体は無線周波数センシングを行うためのリソースを有さない第2のグループのライトのネットワークデバイスの少なくとも1つとインタラクションするようにアンカーノードを制御することができる。このような例では、2つのネットワークのインタラクションから生じる無線周波数センシングは、完全な分散方式で実行されない。好ましくは、無線周波数センシングアプリケーションは、第1のグループのネットワークデバイスのWi-Fiネットワークデバイスで提供され、無線周波数センシングケイパビリティを有さない、近隣ネットワークの第2のグループのネットワークデバイスは、標準のWi-Fiノードとしてのみインタラクションすることが可能である。とりわけ、このような実施形態において、第1のネットワーク又は第2のネットワークのネットワークデバイス、すなわち、隣人が所有するネットワークデバイスが、第1のグループのネットワークデバイスの無線周波数センシングに参加することに同意している必要はない。
【0054】
一例として、無線周波数センシング制御デバイスは、例えば、第2のWi-Fiネットワークがパブリック又はオープンWi-Fiネットワークである場合、第1のWi-Fiネットワークを離れ、第2のWi-Fiネットワーク、例えば、隣人のWi-Fiネットワークに一時的に参加し、無線周波数センシングスキャンを行うように、例えば、Wi-Fiライトを指す、第1のグループのネットワークのネットワークデバイスの1つを制御するように構成されることができる。本発明による無線周波数センシング制御デバイスを利用するためのこのようなアプローチは、ネットワークが「所有者外出モード(owner-out-of-home-mode)」であり、無線周波数センシングに基づいて、空き巣等の不正者が家の中にいる可能性が疑われる場合に好ましく使用され得る。このようなアプリケーションでは、一時的に近隣ネットワークの一部となったネットワークデバイスが、ネイバーネットワークデバイス、例えば、ネイバーWi-Fiアクセスポイントによって提供される信号に基づいて拡張検出エリア(extended detection area)の無線周波数スキャンを完了した後、ネットワークデバイスは、再び近隣ネットワークから離れ、第1のWi-Fiネットワークに再参加して、無線周波数スキャンの結果を報告することができる。とりわけ、Wi-Fi通信プロトコルの場合、1秒間に最大1500のWi-Fiメッセージが、人体の動きの高速検出のために利用されることができる。しかしながら、この実施形態において、近隣ネットワークにおけるネットワークデバイスの無線周波数スキャン中、ネットワークデバイスは、第1のネットワークによって到達することができない。しかしながら、これは、正規の人が第1のネットワークの近傍に存在するかどうかを検証することが、ネットワークの他の機能性、例えば、照明制御又は照明機能性よりも優先され得るので、この期間にとって許容可能であり得る。このような実施形態は、パブリック又はオープンネットワークが、誰でも参加できるように、例えば、パスワードフリーであることによって、外部ユーザにフリーアクセスを与えるために、例えば、ネットワークルータに構成されることができるゲストネットワークの形態で、多くの環境において存在するため、とりわけ興味深いものである。しかしながら、このようなコンフィギュレーションは、ファイアウォールでブロックされたネットワークデバイスへのアクセスは提供しなくてもよい。別の例は、2つのサービスセット識別子(SSID:Service Set Identifier)をブロードキャストする機能性を備えるルータを参照する。一方のSSIDは、セキュアなネットワークを参照するように構成されることができ、他方のSSIDは、例えば、アクセスポイントを使用することも許可するユーザ向けの、パブリックアクセスを提供するように構成されることができる。斯くして、多くのアプリケーションにおいて、オープン又はフリーネットワークが、無線周波数センシングを行うネットワークの検出エリアを増加させるために一般に利用可能である。
【0055】
上記の例は、Wi-Fi通信プロトコルに基づいて実装される分散無線周波数センシングアーキテクチャを参照しているが、他の無線周波数センシングプロトコルも、本発明によるネットワーク又は近隣ネットワークによって使用されることができる。例えば、Wi-Fiアクセスポイントのみが、無線周波数センシングを認識している、すなわち、無線周波数センシングケイパビリティを提供し、ネットワークのネットワークデバイスの1つであるとみなされることができるアクセスポイントは、無線周波数センシングケイパビリティを有さない他のネットワークデバイスにトリガメッセージを提供し、アクセスポイントは、アクセスポイントのネットワークの一部である他のネットワークデバイスのリターン信号に基づいて無線周波数センシングを提供することができる、Wi-Fi通信プロトコルで実装される無線周波数センシングである。このような実施形態において、無線周波数センシング制御デバイスは、例えば、ネットワーク制御ユニットが、少なくとも1つのネットワークデバイスとして、アクセスポイントを制御するように、又は、ネットワーク制御ユニットが、近隣ネットワークのアクセスポイントとインタラクションするようにネットワークデバイスの1つを制御するように構成されることができる。
【0056】
一実施形態において、ネットワークがZigbee通信プロトコルに基づく場合、無線周波数センシング制御デバイスは、ネイバーネットワークデバイスとインタラクションするためにZigbeeネットワークにおけるその状態をZigbeeルータからZigbeeエンドデバイスに変更するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。これは、ネイバーネットワークデバイスとインタラクションしているネットワークデバイスが、ネイバーネットワークデバイスとインタラクションする又はネイバーネットワークデバイスをリッスンするためにより多くの時間、帯域幅及び処理ケイパビリティを充てることができるため、とりわけ有用である。
【0057】
一般に、近隣ネットワーク及びまたネイバーネットワークデバイスは、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークによって使用される無線周波数チャネルとは異なる無線周波数チャネルで通信する、すなわち、通信信号を送信する可能性がある。さらに、好ましい実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、Zigbee通信プロトコルを用いるネットワークに関してZigbeeエンドデバイスとして機能し、同時に、Zigbee通信プロトコルに基づく近隣ネットワークに関して、通常のZigbeeデバイス、すなわち、Zigbeeルータ又はZigbeeエンドデバイスとして近隣ネットワークの一部であるように少なくとも1つのネットワークデバイス、例えば、バッテリ駆動ネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。ネットワークデバイスは、近隣Zigbeeネットワークの一部として無線周波数センシングを行い、同時に、Zigbeeエンドデバイスとして無線周波数センシングの結果を無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークに報告することができる。
【0058】
別の例示的な実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、ネイバーネットワークデバイスにトリガメッセージを送信するように少なくとも1つのネットワークデバイスを制御するように構成されることができ、ネイバーネットワークデバイスは、近隣ネットワークによって使用される通信プロトコル又はスタンダードによって、返信、すなわち、リターンメッセージを送信することを義務付けられ、リターンメッセージは、トリガメッセージが何を意味するかを尋ねることを指すメッセージであることもでき、又は、トリガメッセージがネイバーネットワークデバイスによって理解及び/又はサポートされなかったことを示すエラーメッセージであることもできる。ネットワーク制御ユニットは、近隣ネットワーク情報提供ユニットによって提供される近隣ネットワーク情報に基づいてネイバーネットワークデバイスによるリターンメッセージをトリガするために有用であり得るトリガメッセージを決定するように構成されることができる。例えば、有用なトリガメッセージは、近隣ネットワークによってどのネットワーク通信プロトコルが使用されるかに関する情報に依存してネットワーク制御ユニットに記憶されることができる。ネットワーク制御ユニットは、無線周波数センシングのためにリターンメッセージのRSSIを決定するようにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。可能なトリガメッセージ/リターンメッセージペアは、通信プロトコルのビーコン要求/応答ペアであることができる。さらに、他のトリガメッセージ/リターンメッセージペアが使用されてもよく、このようなペアは、ネットワークデバイスのハードウェア又はソフトウェアに新たに実装されることもでき、又は、ネットワークの通信プロトコルに新たに導入されることもできる。例えば、ネットワークデバイス、例えば、Hueライトが、特定のトリガメッセージを含むInterPAN通信に対して、無線周波数センシングにとりわけ有用である短いリターンメッセージを提供することによって返信することが、ハードウェア又はソフトウェアによって実装されることができる。このようなトリガメッセージ/リターンメッセージペアは、特定の通信プロトコルとは無関係にネットワークデバイスに実装されることができる。Wi-Fiの場合、ルータ/アクセスポイントがコンフィギュラブルなレートで送信することができる定期的なピングを指す、ビーコンフレームが使用されることができる。デバイスがネットワークの一部であるか否かとは関係なく、これらのビーコンフレームは、エリアにおける範囲内のすべてのデバイスによって受信される。一般に、ビーコンフレームは、ルータ又はアクセスポイントによって生成されるネットワークの存在及び/又はネットワーク特性を示すために使用される。斯くして、Wi-Fiアプリケーションにおいて、これらのメッセージは、無線周波数の検出にも使用されることができる。
【0059】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、ネイバーネットワークデバイスと通信するためにESP-nowプロトコルを採用する、及び、ESP-nowリターンメッセージを無線周波数センシングに利用するようにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。ESP-nowプロトコルは、Wi-Fiプロトコルを使用せずに複数のネットワークデバイス間で通信を可能にするためにEspressifによって開発された通信プロトコルを指し、ESP-nowプロトコルは、同じ802.11ラジオ(radio)を使用して直接且つ低電力通信を可能にする。一例として、Wi-Fi通信プロトコルを利用するネットワークが庭に設けられ、1つの近隣デバイスが、Wi-Fiネットワークの圏外に置かれている場合、ネットワーク制御ユニットは、無線周波数センシングに使用されることができるメッセージを提供するよう近隣ネットワークデバイスと通信するためにESP-nowプロトコルを使用するように近隣デバイスに近いネットワークデバイスの1つを制御するように構成されることができる。さらに、ESP-nowと同様の機能性を提供する他のネットワークプロトコルも相応に利用されることができる。
【0060】
無線周波数センシングのためにトリガメッセージ/リターンメッセージペアを使用する実施形態は、例えば、スマートメータ、又は街灯等、Zigbee無線ケイパビリティを有するネットワークデバイスを使用するアプリケーションにおいてとりわけ有用であり得る。さらに、この実施形態はまた、ネイバーネットワークデバイスがWi-Fi無線ケイパビリティを有する場合、Wi-Fi無線周波数センシングにおいて有用であり得、例えば、都心部内の照明ポール上のパブリックWi-Fiインフラストラクチャハウスに属するネットワークデバイスが使用されてもよい。このようなパブリックWi-Fiルータ又はアクセスポイントは、多くのアプリケーションにおいて、ネットワークが設けられる家の外に設けられるこれらのネットワークデバイスを使用して、セキュリティ目的のためにとりわけ興味深い、家の前又は庭等、ネットワークが設けられる家の周りのエリアの部分をカバーすることを可能にするように、都心部において一定の距離で利用可能である。
【0061】
また、無線周波数センシング制御デバイスは、例えば、上記又は以下のすべての実施形態に関して、さらに、少なくとも1つのネットワークデバイスと少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスとのインタラクションに関して、及び/又はネイバーネットワークデバイスから検出される信号に基づいて得られる無線周波数センシング結果に関してセキュリティ対策を管理するように構成されるプライバシー確保ユニット(privacy securing unit)を提供するように構成されることもできる。前述のアプリケーションにおいて、第1の人に属するネットワークデバイスは、他の人に属するネットワークデバイス又はパブリックネットワークデバイスとインタラクションし得るので、セキュリティ対策を提供することは、ユーザによるこのようなインタラクションの受け入れ(acceptance)のために重要になり得る。例えば、セキュリティ管理ユニットは、無線周波数センシングの結果が悪意を持って使用され得ないように、隣人の部屋でのアクティビティに関する情報を無線周波数センシングから得ることができないように、2つのネットワーク間の無線周波数センシングを制御するように構成されることができる。例示的な実施形態において、セキュリティ管理ユニットは、例えば、ディスプレイを介して、ユーザにプライバシー設定を提供するように構成されることができ、プライバシー設定において、ユーザは、自身のネットワークデバイスが、トリガメッセージを提供すること、及び、無線周波数センシング制御デバイスを使用するネイバーネットワークデバイスによって提供されるトリガメッセージに応答することを許可されることに同意することができる。このような設定は、例えば、「あなたが私を助けるなら、私はあなたを助ける(I help you, if you help me)」という相互利益に基づいて提供されることができる。さらに、セキュリティ管理ユニットは、例えば、異なる時間にイネーブルにされ得る異なる無線周波数センシングモードを提供するように構成されることもできる。例えば、ある時間及びあるコンフィギュレーションにおいて、基本的な占有検出、転倒検出、人数カウンティング(people counting)検出、又は呼吸検出が、異なるセキュリティ設定及びネットワークと近隣ネットワークとの間の異なるインタラクションに基づいて利用可能であり得る。例えば、ネットワーク及び近隣ネットワークを使用する無線周波数ベースの呼吸検出は、近隣ネットワークの検出エリアが例えば夜間に無人と判断された場合にのみ、近隣ネットワーク及び/又はネットワークのセキュリティ管理ユニットによって許可されてもよい。さらに、セキュリティ管理ユニットは、ネイバーネットワークデバイスの使用が、例えば、2分おきに10秒間等、所定の時間だけ許可されるように構成されることもできる。これは、自身のネットワークの無線周波数センシングの精度及び信頼性を高めることを可能にし、同時に、近隣ネットワークのユーザに関するプライバシーセンシティブな統計が収集され得ること、又は、例えば、追加の帯域幅使用に起因する、近隣ネットワークの性能への無線周波数センシングの悪影響に気づかれ得ることが防止される。
【0062】
以下では、本発明のいくつかのさらに好ましい詳細な実施形態が述べられる。一実施形態において、ネットワークデバイス及びネイバーネットワークデバイスは、例えば、少なくとも1つのネットワークのネットワーク制御ユニットが近隣ネットワークに参加するようにネットワークデバイスを制御したため、少なくとも無線周波数センシング目的で既に同じネットワークの一部である。この場合、一次無線周波数センシングデバイス、すなわち、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークのネットワークデバイスは、あらゆる種類のメッセージを送信し、二次無線周波数センシングデバイス、すなわち、ネイバーネットワークデバイスから応答を得ることができる。ネットワークデバイスは、ネイバーネットワークデバイスによって送信されるメッセージのRSSI及び/又はCSIを使用することができる。このような場合、無線周波数センシングは提供されることができるが、ネイバーネットワークデバイスは、それら自身の無線周波数受信結果をネットワークに提供することさえできなくてもよい。これと対照的に、本格的な(full-fledged)無線周波数センシングシステムでは、メッセージの本文が、他のノードの既に記録されている無線受信結果を搬送することができる。それゆえ、2つの異なるネットワーク、すなわち、ネットワーク及び近隣ネットワークが無線周波数センシングのためにのみ協働する実施形態において、1つのネットワークが自身の検出エリア内で無線周波数センシングを行う場合と比較して、利用可能なデータが少なくなる。
【0063】
自身のデバイス、すなわち、無線周波数センシング制御デバイスによって制御されるネットワークデバイス、及びネイバーネットワークデバイスが2つの異なるネットワーク、すなわち、ネットワーク及び近隣ネットワーク上にある場合、一実施形態において、両ネットワークのZigbeeクレデンシャルは、例えば、近隣ネットワーク情報の一部として共有されることができる。このような場合、少なくとも1つのネットワークデバイスは、通信チャネル、PAN、及びクレデンシャルを一時的に切り替え、近隣ネットワークの一部としてネイバーネットワークデバイスと通信し、その後スイッチバックする(switch back)ことができる。好ましくは、この実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、両方のネットワークが同じ通信チャネルで通信するように、ネットワークデバイスを制御するように構成される。さらに、ネットワーク制御ユニットは、同時に2つのネットワークの一部となることが可能なネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。この場合、ネットワークデバイスは、近隣ネットワークをネットワークとして追加し、並行して継続的に両方のネットワークの一部となるように制御されることができる。好ましくは、ネットワークデバイスは、2つのPAN及び対応するネットワークキーを管理することが可能なネイバーネットワークデバイスとインタラクションするために使用されることができる。
【0064】
近隣ネットワークがZigbee通信プロトコルを使用する、又は少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスがZigbee通信可能である実施形態において、実装されるZigbeeビーコン要求/応答メッセージが、無線周波数センシングに使用されることができる。上述した実施形態におけるトリガメッセージは、例えば、独自の(proprietary)又は単に通常の普通の(trivial)Zigbeeメッセージであることができる。例えば、ネットワークデバイスは、Zigbeeネイバーテーブルを求めるトリガメッセージをたまに(once in a while)送信することができ、ネイバーテーブルは、インタラクションするネイバーネットワークデバイスと通信することができるすべてのネイバーネットワークデバイスのリスト、及び、リスト内のすべてのネイバーネットワークデバイスとの通信に対する受信RSSIも含む。しかしながら、ネイバーテーブルは、15sリンクステータスメッセージでのみ更新され得るので、RSSIデータは、それ自体でリライアブルな無線周波数センシングのためには不十分な粒度を有し得る。
【0065】
一実施形態において、例えば、Philips Hueライトである、ネットワークデバイスは、独自のトリガメッセージを送信するように制御されることができ、トリガメッセージは、近隣ネットワークに追加のメタデータでその返信を拡張させ、例えば、ネイバーネットワークデバイスは、その返信に、近隣ネットワーク内で見た最後の10のRSSI値を追加して、受けたトリガメッセージのRSSIを報告することができる。このような実施形態は、ネイバーネットワークデバイスによって占有されるエリアへのさらなる浸透(penetration)をもたらし、又は時間領域においてより多くのセンシング詳細を提供することができる。
【0066】
一実施形態において、、Wi-Fiピング、キープアライブメッセージ等、通信プロトコルの既存の返信が、無線周波数センシングに使用されることができる。送信ネットワークデバイスが聞いているすべてのネットワークデバイスについての信号品質インディケーションを含むことができる、Zigbeeのリンクステータスメッセージ等のキープアライブメッセージは、典型的には、15秒(15s)ごとに送信される。これらのメッセージを無線周波数センシングに使用することは、一部のアプリケーションでは、十分な精度ではない結果につながる可能性がある。このような場合、無線周波数センシング性能を向上させるために、ネットワーク制御ユニットは、ネイバーネットワークデバイスの選択されたサブセットについて、通信レート、例えば、リンク状態メッセージ提供レートが、例えば、2秒に1メッセージに増加されることを要求するように構成されることが好ましい。このような実施形態は、両方のネットワークが同じ通信チャネルを使用する実施形態と組み合わされることもできる。これにより、近隣ネットワークの通信、例えば、ネイバーネットワークデバイスからのリンク状態メッセージを単に聞くことに基づいて無線周波数センシングの性能が向上する。
【0067】
このようなキープアライブメッセージのみに基づく無線周波数センシングモードは、ワイヤレスメッセージに制限のあるエリアであるが、それでも基本的な無線周波数センシングの必要性があるエリアに採用されることができる。通信メッセージを提供する頻度の増加は、占有検出が必要でない時間にネットワークの不必要な詰まり(clogging)を避けるために、専用の時間ウィンドウ中に要求されることもでき、及び/又は専用のトリガメッセージによってゲートされる(gated)こともできる。例えば、セキュリティユースケースは、典型的には、エリア/家が占有されていない場合に実行されるので、通常のネットワークデバイス制御メッセージの量は少なく、例えば、リンク状態メッセージの量が多いことに起因する、制御コマンドへの反応におけるレイテンシの増加は、レイテンシの増加を被る人が存在しないので、受け入れられることができる。
【0068】
一実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、例えば、近隣ネットワーク内中に送信されている標準的なメッセージのRSSI値を測定することにより、受動的な「盗聴(eaves-dropping)」を利用するようにネットワークデバイスを制御するように構成されることができる。このような場合、無線周波数センシングネットワークデバイスは、ネイバーネットワークデバイスによって送信されるメッセージを復号できない可能性があるが、このようなメッセージがネットワークデバイスによって物理的に受信される場合、ペイロードではなくメッセージのヘッダを分析することによって、このメッセージに対するRSSI値及び可能であれば送信ネイバーネットワークデバイスのIDが抽出されることができ、すなわち、RSSIが、アドレシング(addressing)とは無関係に決定されることができる。
【0069】
好ましくは、この実施形態の場合、ネットワーク制御ユニットは、近隣ネットワークと同じ通信チャネル、例えば、同じZigbeeチャネルになるようにネットワークを制御するように構成される。代替的に、Zigbeeネットワークの場合、ネットワークのネットワークデバイスが、近隣ネットワーク上のメッセージを盗聴する一方、自身のネットワークのためのエンドデバイスとして機能するように制御される、「エンドデバイス(End Device)」アプローチが利用されてもよい。
【0070】
一実施形態において、ネットワークと近隣ネットワークとの間の協調モデル(co-operative model)が利用されることができる。この実施形態は、ネットワークが第1の所有者によって所有され、潜在的な近隣ネットワークが第2の所有者、すなわち、第1の所有者の隣人によって所有されるアプリケーションにおいてとりわけ有用である。この実施形態は、このアプリケーションに関して以下で述べられるが、他のアプリケーションもこの実施形態に対して考慮されることができる。第1のアパートに位置付けられるネットワークの第1の所有者及び隣人は、上述したネットワーク間無線周波数センシング(inter-network radio frequency sensing)の発明を使用することに同意することができる。この場合、ネットワーク制御ユニットは、第1の所有者のネットワークデバイスの一部、すなわち、「第1のデバイス」を、それらの状態を自身の「第1の」ネットワークに関してエンドデバイス状態に変更し、近隣ネットワークの通信チャネル上の通信をリッスンすることによってほとんどの時間を過ごし、近隣ネットワークデバイスの一部とのインタラクションに基づいて無線周波数センシングを行うように制御することができる。無線周波数センシング結果は、エンドデバイスである第1のデバイスによって、自身のネットワーク、例えば、自身のネットワークブリッジに報告されることができる。好ましくは、この実施形態において、ネットワーク制御ユニットは、無線周波数センシングに関連するメッセージに共有暗号化キーが使用されるように、ネットワークデバイスを制御する又はネイバーネットワークデバイスの制御を要求するように構成されることができる。両方のネットワークがブリッジアーキテクチャを含む例では、両方のネットワークのブリッジは、ネットワーク制御ユニットの要求に基づいて無線周波数センシングに関連するメッセージのために共有暗号化キーを使用するようにそれぞれのブリッジに関連するネットワークデバイスに指示するように構成されることができる。マルチブリッジアプリケーションの場合、ネットワーク制御ユニットは、ストリーミング暗号化キーの共有を提供するために異なるブリッジ間でオーケストレーションする(orchestrate)ように構成されることができる。しかしながら、単一のライトが、両方のネットワーク、例えば、両方のアパートで同時に無線周波数センシングを行うことは困難であり得る。斯くして、ネットワーク間無線周波数センシングが両方のネットワークについて実行する必要がある場合、各ネットワークにおける異なるネットワークデバイスが、それぞれ、ネットワーク及び近隣ネットワークにおけるセンシングのために割り当てられることが好ましい。好ましくは、この配置において、両方のネットワークは、同じ通信チャネル、例えば、Zigbee無線周波数チャネルを使用するように制御される。この場合、ネイバーネットワークデバイスとインタラクションするネットワークデバイスは、通常のルータのままで、標準的なInterPANを使用することができる。しかしながら、この場合も、無線周波数センシングのための暗号化キーは、自身のネットワークと近隣ネットワークとの間で共有されることが好ましい。
【0071】
両方のネットワークが「武装セキュリティ(armed security)」モードである場合、無線周波数センシングアルゴリズムは、自身及び隣人の家及び/又は庭の両方をカバーし、両方の家が同じセンシングクラスタの利益を享受するように、単一のセットのネットワークデバイスで実行されることができる。例えば、アパートの所有者及びその隣人の両方が、庭にスマートライト等の2つのネットワークデバイスを有する場合、上述した発明に基づいて4つのネットワークデバイスの検出グループにそれらをプールする(pool)ことができる。好ましくは、基本的なバージョンでは、両方の庭のライトが、何らかの動きが検出される場合にオンする。この場合の好ましい実施形態において、無線周波数レベルの詳細は、侵入者がどちらのライトに、したがって、2つの庭のどちらに近いかを判別するためにバランスがとられることができる。例えば、Wi-Fi CSIセンシングを用いる場合、人体が受信ノードよりも送信ノードに近いほど、センシングイベントが強くなる。
【0072】
あるアプリケーションでは、上述した実施形態の1つが、ホテル又は集合住宅における階段監視のために使用されることができる。このようなアプリケーションにおいて、無線周波数センシングは、例えば、異なるPhilips Hueブリッジを採用する多くの異なるネットワークからのライトによって提供されてもよく、異なるネットワークの無線周波数センシングは、本発明の上述した原理に基づくことができる。ホテルの複合施設では、ほとんどの人がエレベーターを使用する。しかしながら、一部の人は、代わりに階段及び非常口ドアを使用して建物から出る。ホテルを出る場合、外部への出入り口の開放は、例えば、ホテルのキーカードアクセスクレデンシャルを持たない、望ましくない人々の内部への共連れ(inwards tailgating)を可能にし得る。したがって、可能性のある侵入者に対して階段を監視する要望がある。この目的のために、上記の発明が使用されることができ、共連れをしている人を検出すると、照明システムを含むネットワークは、ネットワーク制御ユニットによって、例えば、光効果又は事前に記録されたメッセージを提供すること、及び、当該人に出て行って、自身の部屋の鍵を利用して再入場するように求めることによって、侵入者に自身が検出されていることを知らせるように制御されることができる。任意選択的に、例えば、最初にドアを開けた人が、忘れ物をしたために、家の中に戻ってくる場合、誤トリガをなくすために二次検出メカニズムが提供されてもよい。この場合、無線周波数センシングが、非常口で人が共連れしていることを検出した場合、可能性のある侵入者の写真が撮られてもよく、一方、適切にキーカードを使用して入ってきた人は、プライバシーに配慮して撮影されないようにされる。
【0073】
上述した実施形態において、ネットワーク及び近隣ネットワークは、Zigbee又はWi-Fi通信プロトコルを使用するように述べられているが、他の実施形態において、上述した発明の同様の原理を採用しつつ、例えば、Thread、ESP-now又はBluetooth等、他の通信プロトコルが使用されることもできる。
【0074】
上述した実施形態において、例示的に述べられたネットワークは2つ以上のネットワークデバイスを含むが、特別な実施形態において、ネットワークは、1つのネットワーク対応ネットワークデバイスのみを含むことができる。この場合、ネットワークデバイスは、ネットワークとしてみなされることができ、検出エリアの範囲は、ゼロとみなされることができる、又は、ネットワークデバイスが無線周波数検出のために自身の信号を使用することを可能にするネットワークデバイスの環境における適切なリフレクタに依存することができる。
【0075】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0076】
請求項では、単語「含む」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0077】
単一のユニット又はデバイスが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0078】
1つ又は複数のユニット又はデバイスによって実行される、近隣ネットワークに関する情報の提供、少なくとも1つのネットワークデバイスの制御等のプロシージャは、他の任意の数のユニット又はデバイスによって実行されることができる。これらのプロシージャ、とりわけ、無線周波数センシング制御デバイスによって実施される制御方法に従ったネットワークデバイスの制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段及び/又は専用のハードウェアとして実施されることができる。
【0079】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、又は他の有線若しくは無線の電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0080】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0081】
本発明は、検出エリアを含む、Zigbee又はWi-Fiネットワーク等、ネットワークにおける無線周波数センシングを制御するための制御デバイスに関する。制御デバイスは、近隣ネットワーク情報提供ユニットであって、近隣ネットワークは、ネットワークのネットワークデバイスの近隣にあるネイバーネットワークデバイスを含む、近隣ネットワーク情報提供ユニットと、ネットワークのネットワークデバイスが、ネットワークの検出エリアの外側に延びる検出エリアにおける無線周波数センシング及び/又はネットワークの検出エリアにおける無線周波数センシングに使用可能な信号を検出することを可能にするように、提供された近隣ネットワーク情報に基づいてネットワークデバイスを制御するためのネットワーク制御ユニットであって、被検出信号は、少なくとも1つのネイバーネットワークデバイスによって送信される、ネットワーク制御ユニットとを含む。これにより、ネットワークの周辺エリアにおける無線周波数検出を向上させることができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】