(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-02
(54)【発明の名称】注文品ピッキング用の自律移動ロボットに対して可動ストックピッキングホルダを装着および装着解除するシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/00 20060101AFI20230726BHJP
G06Q 10/08 20230101ALI20230726BHJP
【FI】
B65G1/00 501F
G06Q10/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525118
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2021068943
(87)【国際公開番号】W WO2022008635
(87)【国際公開日】2022-01-13
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523010373
【氏名又は名称】アイフォロー
【氏名又は名称原語表記】iFollow
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【氏名又は名称】池本 理絵
(72)【発明者】
【氏名】ジャックマール,ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】メニゴス,ニコラ
【テーマコード(参考)】
3F022
5L049
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE00
3F022HH04
3F022LL07
3F022LL14
3F022MM03
3F022MM14
3F022NN05
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】
本技術は、ピッキングホルダと呼ばれる少なくとも2つの可動ストックピッキングホルダ(30、31)を、倉庫に保管されている製品の注文品ピッキング用の移動自律ロボット(2)に装着する装着システム(10)を提供するものであり、装着システム(10)は、少なくとも2つのピッキングホルダ(30、31)をグランドの上方の所定距離に位置付けるための位置付ける装置(11)と、前記少なくとも2つのピッキングホルダ(30、31)を自律移動ロボット(2)に配置するための配置する装置(12)とを含んでなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキングホルダと呼ばれる少なくとも2つの可動ストックピッキングホルダ(30、31)を、倉庫に保管されている製品の注文品を選び取るように適応された自律移動ロボット(2)に装着するシステム(10)であって、
前記少なくとも2つのピッキングホルダ(30、31)を、床の上方の所定距離に位置付ける装置(11)と、
前記少なくとも2つのピッキングホルダ(30、31)を、前記自律移動ロボット(2)に配置する装置(12)と
を含んでなることを特徴とする装着システム(10)。
【請求項2】
前記位置付ける装置および前記配置する装置は、前記少なくとも2つのピッキングホルダのそれぞれのための、それぞれ独立した位置付ける手段および配置する手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装着システム。
【請求項3】
前記位置付ける装置(11)は、前記ピッキングホルダを上昇させる装置(111)と、前記上昇させる装置まで前記ピッキングホルダを搬送する装置(110)とを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の装着システム。
【請求項4】
前記上昇させる装置(111)は、前記自律移動ロボットに組み込まれていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装着システム。
【請求項5】
前記位置付ける装置および前記配置する装置は単一の装置に対応しており、該単一の装置は2つの平行壁(41、42)を含み、該2つの平行壁(41、42)は、少なくともピッキングホルダ幅だけ隔たっており、前記2つの平行壁の内面に少なくとも2つの垂直ランナ(420、421、422、423)をそれぞれ有し、ピッキングホルダ(30、31)の垂直移動要素(4100、4101、4200、4201)は前記垂直ランナにおいてそれぞれ独立して摺動することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装着システム。
【請求項6】
前記搬送する装置および前記配置する装置は、前記ピッキングホルダを前記上昇させる装置まで搬送する単一の装置に対応することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装着システム。
【請求項7】
倉庫に保管されている製品の注文品をピッキングする自律移動ロボット(2)の、ピッキングホルダと呼ばれる少なくとも2つの可動ストックピッキングホルダ(30、31)を装着解除するシステム(60)であって、
前記少なくとも2つのピッキングホルダ(30、31)を、前記自律移動ロボット(2)の上方の所定距離に位置付ける装置(61)と、
前記少なくとも2つのピッキングホルダ(30、31)を、前記自律移動ロボット(2)の別々のホルダに配置する装置(62)と
を含んでなることを特徴とする装着解除システム(60)。
【請求項8】
前記位置付ける装置および前記配置する装置は、前記少なくとも2つのピッキングホルダのそれぞれのための、それぞれ独立した位置付ける手段および配置する手段を含むことを特徴とする、請求項7に記載の装着解除システム。
【請求項9】
前記位置付ける装置は、前記ピッキングサポートを上昇させ、持ち上げたピッキングサポートを運ぶ装置を含み、前記装着解除システムは、前記別々のホルダに対して前記持ち上げたピッキングサポートを搬送する装置を含むことを特徴とする、請求項7または8に記載の装着解除システム。
【請求項10】
前記上昇させる装置は、前記自律移動ロボットに組み込まれていることを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の装着解除システム。
【請求項11】
前記位置付ける装置および前記配置する装置は単一の装置に対応しており、該単一の装置は2つの平行壁(61、62)を含み、該2つの平行壁(61、62)は、少なくともピッキングホルダ幅だけ隔たっており、前記2つの平行壁の内面に少なくとも2つの垂直ランナ(620、621、622、623)をそれぞれ有し、ピッキングサポートの垂直移動要素(6100、6101、6200、6201)は、前記垂直ランナにおいてそれぞれ独立して摺動することを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の装着解除システム。
【請求項12】
自律移動ロボットに対する少なくとも1つのピッキングホルダの存在および/または不存在を検出するモジュールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の装着システム、および/または、請求項7から11のいずれか一項に記載の装着解除システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、特に、発送される製品を保管している倉庫において注文品をピッキングするあるいは選び取る(picking)ロジスティックスの分野である。
【0002】
本発明は、特に、自律移動ロボット(AMR:autonomous mobile robot)を使った注文品ピッキング(picking order)の支援に関し、より詳細には、これらのロボットを装着および装着解除することを含む、注文品ピッキングを最適化するそのような自律ロボットのピッキング能力に関する。
【背景技術】
【0003】
ロジスティックスの分野は、何年にもわたって絶え間なく進化している。特に、注文品の準備に関して、技術的および科学技術的な発展が非常に多く、管理ソフトウエアからスマート保管ラックを介する製品コンベヤに及んでいる。
【0004】
ここでの関心事は、より具体的には、オペレータによって実施されて自律ロボットによって支援される注文品の準備である。したがって、最適な様式で倉庫の注文品管理システムによって受容される様々な注文品を準備するために、オペレータおよびロボットは、同じ作業スペースにおいて協働する。
【0005】
従来、オペレータは、倉庫の様々な場所において注文品である様々な製品をピッキングする(pick)ことと、オペレータに同行する自律ロボットに製品を配置することとについて責任がある。より正確には、注文品ピッキングに適応されたそのようなロボットは、オペレータによってピッキングされた製品を配置するためのいくつかの棚を通常有するキャリッジまたはピッキングホルダを装備する。
【0006】
しかしながら、注文品ピッキングの分野は、非常に競合的な分野であり、特に、オペレータの動きと自律移動ロボットの動きとを短縮することと、ロジスティックスチェーンのステップのそれぞれを最適化することとによって注文品ピッキングの効率を改善するための解決策を探求し続けている。
【0007】
したがって、注文品ピッキングの様々な制約にリアルタイムに適応でき、その一方で、システムの効率全体最適化し、即ち、オペレータとロボットの効率を最適化することによって、本来の注文品ピッキングより前の局面(ロボットの準備)とそれに続く局面(注文品の完了)をも最適化する新規なアプローチを提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、準備システムの効率全体を最適化するための技術解決策を提案するものであって、その手段は、少なくとも2つのピッキングホルダと呼ばれる可動ストックピッキングホルダを、倉庫に保管されている製品用の注文品を選び取る(ピッキングする)ように適応された自律移動ロボットに装着するシステムであり、装着システムは、
・床の上方の所定距離に少なくとも2つのピッキングホルダを位置付ける装置と、
・自律移動ロボットに対して少なくとも2つのピッキングホルダを配置する装置と
を含んでなる。
【0009】
したがって、本技術は、注文品ピッキングの生産性を非常に増大させることを可能にする、倉庫の自律移動ロボットによって実施される注文品を選び取る(ピッキングする)ための新規かつ進歩的な解決策を提案する。これを行うために、自律移動ロボットは、倉庫に保管されている製品用の注文品ピッキングのために適応され、即ち、自律移動ロボットの有する特定の特徴は、例えば、特に、
・倉庫でのストックのピッキングを最適化する目的で、同じ集団内の他のロボットと、ロボット集団を管理する責任のある監督システムとに通信する能力と、
・他のロボットや注文品のピッカ(order picker)が移動する倉庫通路内の動きの緩和と、
・再充電を必要とせずに非常に多くの注文品をピッキングできるようにする耐久性と、
・例えば、輸送されるべき要素の下で摺動することができるコンパクト性、特に薄さと
を有する。
【0010】
加えて、本技術によれば、そのような自律移動ロボットは、少なくとも2つのストックピッキングホルダを担持する、したがって、移動することができるように設計されているため、例えば、2つの別々の容器内の2つの別々の注文品を直接にピッキングすることを可能にする。
【0011】
最後に、ストックピッキングホルダの装着(および装着解除)は、特定のシステムのおかげで、注文品ピッキングロジスティックチェーン(order-picking logistic chain)に完全に統合される。
【0012】
この解決策の主要な利点は、単一の自律移動ロボットで複数のストックピッキングホルダを使用することと、注文品ピッキングの終わりにおいて直接収集された製品を輸送するためにこれらの同じストックピッキングホルダが使用できることとの可能性にある。
【0013】
これを行うために、提案されたシステムは、
・自律移動ロボットがそれ自体をストックピッキングホルダの下に位置付けしてストックピッキングホルダを受容できるように、グランドの上方の所定距離にストックピッキングホルダを位置付ける装置と、
・注文品ピッキングのために予め位置付けされたストックピッキングホルダを自律移動ロボットに配置する装置と
を含んでなる。
【0014】
特定の態様によれば、位置付ける装置および配置する装置は、少なくとも2つのピッキングホルダのそれぞれのための、それぞれ独立した位置付ける手段および配置する手段を含む。
【0015】
したがって、この実施形態によれば、ピッキングホルダは、自律移動ロボットに対して独立して装着できる。これは、注文品ピッキングを開始し、そして、倉庫内のロボットの移動中に、第2のストックピッキングホルダを装着する(例えば、第2の注文品ピッキングを開始する)ために、例えば、自律移動ロボットに対して第1のストックピッキングホルダを装着することを可能にする。例えば、2つの別々の注文品を輸送するために2つのローリ装着場所を備える2つの注文品ホルダの(下で説明される)独立した装着解除についても同様である。
【0016】
例えば、位置付ける装置は、ピッキングホルダを上昇させる装置と、前記上昇させる装置までピッキングホルダを搬送する装置とを含む。
【0017】
したがって、この実施形態によれば、ピッキングホルダは、自律移動ロボット上に装着されるために、まず、提案システムの特定の搬送装置によって、上昇させる装置まで搬送される。この搬送装置は、完全に自動化でき、注文品ピッキングチェーン全体の生産性および自己充足的な本質を更に強化する。それは、例えば、ピッキングホルダがその上で動くことができるスロープの形式であり、そのスロープの終端に上昇させる装置が位置している。
【0018】
特定の特徴によれば、上昇させる装置は、自律移動ロボットに組み込まれる。
【0019】
したがって、この実施形態によれば、装着システムは、自律移動ロボットの上昇システムを起動させてピッキングホルダを取り戻して(recover)ピッキングホルダを十分に安全に移動できるようにする、自律移動ロボットの上方の場所に装着ホルダを搬送する。
【0020】
提案技術の一実施形態によれば、位置付ける装置および配置する装置は単一の装置に対応しており、単一の装置は2つの平行壁を含み、2つの平行壁は、少なくともピッキングホルダ幅だけ隔たっており、2つの平行壁の内面に少なくとも2つの垂直ランナ(vertical runner)をそれぞれ有し、ピッキングホルダの垂直移動要素は垂直ランナにおいてそれぞれ独立して摺動する。
【0021】
したがって、この実施形態によれば、装着システムは、ストックピッキングホルダが搬送される一種の廊下(corridor)の形式であり、装着システムの内壁は、互いに対面しており、ピッキングホルダの(位置付けおよび配置のための)垂直移動用の要素の摺動のためにランナを有する。
【0022】
したがって、各内壁は、少なくとも1つの位置付けまたは配置する要素のそれぞれの摺動用に少なくとも2つのランナを含み、したがって、2つのストックピッキングホルダを独立して上昇させることができるようにしている。
【0023】
向かい合う位置付けまたは配置する要素を、各内壁で、もちろん協調して、全く同一のホルダを垂直に動かして、自律移動ロボットに対して同時に2つのピッキングホルダを上昇させて配置するために、各ピッキングホルダの位置付けまたは配置する要素を同期化することもできる。
【0024】
したがって、この解決策は、ランナ内を摺動する同じ垂直移動要素を介した、自律移動ロボットに対するピッキングホルダの自動配置の前に、持ち上げたホルダの下での自律移動ロボットの位置付けを許可するように、少なくとも2つのピッキングホルダを垂直に自動的に上昇させることを可能にする。
【0025】
例えば、垂直移動要素は、「指(fingers)」の形状あるいは態様であり、ピッキングホルダの下で摺動して、ピッキングホルダを上昇させ、ピッキングホルダを自律移動ロボットに配置する。
【0026】
特定の態様によれば、搬送する装置および配置する装置は、上昇させる装置までピッキングホルダを搬送するための単一の装置に対応する。
【0027】
したがって、この実施形態によれば、搬送装置は、上昇させる装置までピッキングホルダを持ってくることが可能であり、配置する装置の必要性を有することなく、ロボットにホルダを直接配置することが可能である。これを行うには、搬送装置の終端において、いくつかのサポートがそれら自体をロボットの真上に位置付けることで足りる。
【0028】
この実施形態が特に適しているのは、上昇させる装置がロボット自体の装置である場合である。
【0029】
本技術は、倉庫に保管されている製品用の注文品をピッキングする自律移動ロボットの、少なくとも2つのピッキングホルダと呼ばれる可動ストックピッキングホルダを装着解除するシステムにも関し、装着解除システムは、
・自律移動ロボットの上方の所定距離に少なくとも2つのピッキングホルダを位置付ける装置と、
・自律移動ロボットの別々のホルダに対して少なくとも2つのピッキングホルダを配置する装置と
を含んでなる。
【0030】
装着解除システムは、装着システムと同じ利点を有しており、ピッキングの終わりにおいてロボットの装着解除を注文品ピッキングロジスティックチェーン中に組み込むことによって、注文品ピッキングロジスティックチェーン全体の効率を上昇させることが可能である。
【0031】
特に、位置付ける装置および配置する装置は、前記少なくとも2つのピッキングホルダのそれぞれのための、それぞれ独立した位置付ける手段および配置する手段を含んでおり、これにより、例えば、その多くのホルダのロボットを2つの別々の場所で排出することを可能にする。
【0032】
特定の特徴によれば、位置付ける装置は、ピッキングサポートを上昇させ、持ち上げたピッキングサポートを運ぶ装置を含み、装着解除システムは、別々のホルダ(通常、倉庫の床)に対して持ち上げたピッキングサポートを搬送する装置を含む。
【0033】
一実施形態によれば、上昇させる装置は、自律移動ロボットに組み込まれる。
【0034】
別の実施形態によれば、位置付ける装置および配置する装置は単一の装置に対応しており、単一の装置は2つの平行壁を含み、2つの平行壁は、少なくともピッキングホルダ幅だけ隔たっており、2つの平行壁の内面に少なくとも2つの垂直ランナをそれぞれ有し、ピッキングサポートの垂直移動要素は垂直ランナにおいてそれぞれ独立して摺動する。この実施形態では、装着(上で説明された)および装着解除するための全く同一のシステムを使用することが可能になる。
【0035】
特定の特徴によれば、既に説明された装着システム、および/または、既に説明された装着解除システムは、自律移動ロボットに対する少なくとも1つのピッキングホルダの存在および/または不存在を検出するためのモジュールを含む。
【0036】
したがって、この実施形態によれば、例えば、容量性センサを介して、またはロボットに支持された重量監視モジュールを介して、1つまたは複数のピッキングホルダがロボットに配置された場合を、検出するための手段を実行する。このことは、ロボットが注文品ピッキングのために移動を始める前に、ロボットにホルダが実際に装着されたことを保証することができる。
【0037】
同様に、例えば、注文品ピッキングの終わりにおいて、ロボットの装着解除の時点で、1つまたは複数のホルダの配置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
提案技術並びに提案技術の提供する様々な利点は、提案技術のいくつかの例示的で非限定の実施形態の以下の説明と添付の図面に鑑みて、より容易に理解されるであろう。
【
図1】本技術の実施形態の一般的な原理に係る装着システムを例示する図である。
【
図2a】本技術の第1の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図2b】本技術の第1の実施形態に係る装着された自律移動ロボットを例示する図である。
【
図3a】本技術の第2の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図3b】本技術の第2の実施形態に係る装着された自律移動ロボットを例示する図である。
【
図4a】ピッキングホルダの位置付け中の、本技術の第3の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図4b】ピッキングホルダを上昇させるときの、本技術の第3の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図4c】ピッキングホルダを配置するときの、本技術の第3の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図4d】本技術の第3の実施形態に係る装着された自律移動ロボットを例示する図である。
【
図5a】ピッキングホルダの搬送および上昇中の、本技術の第4の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図5b】ピッキングホルダの配置中の、本技術の第4の実施形態に係る装着システムを例示する図である。
【
図6】ピッキングホルダの位置付け中の、本技術の実施形態の一般的な原理に係る装着解除システムを例示する図である。
【
図7a】ピッキングホルダの位置付け中の、本技術の第3の実施形態に係る装着解除システムを例示する図である。
【
図7b】ピッキングホルダを上昇させるときの、本技術の第3の実施形態に係る装着解除システムを例示する図である。
【
図7c】ピッキングホルダを配置するときの、本技術の第3の実施形態に係る装着解除システムを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(A-提案技術の一般的な原理)
提案技術の一般的な原理は、例えば、2020年7月10日に出願された同一出願人によるフランス国特許出願2007360号に説明されているように、少なくとも2つの可動ピッキングホルダを担持するために適合された自律移動ロボットの装着および装着解除を最適化することである。
【0040】
これを行うために、注文品ピッキングロジスティックチェーンにおいて、自律移動ロボットに対して少なくとも2つの可動ピッキングホルダを、(別々であってもよくそうでなくてもよい)装着するシステムおよび装着解除するシステムに組み込むことを提供する。
【0041】
図1および
図6がそれぞれ例示する一般的な原理は、自律移動ロボット2のための2つの可動ピッキングホルダ30および31を、装着するシステム10と装着解除するシステム60とに関する。同じ原理は、例示されていないが、自律移動ロボットのサイズに応じて3つ以上の可動ピッキングホルダに適用することができる。
【0042】
図1に例示したように、提案技術に係る装着システム10は、床の上方の所定距離に2つのピッキングホルダ30、31を位置付ける装置11と、自律移動ロボット2に対して2つのピッキングホルダ30、31を配置する装置12とを含む。したがって、この概念は、(特に上述された同一出願人の特許出願で説明されたように、受容装置に)予め持ち上げられたいくつかのホルダの下方でそれらを受容するために、2つのピッキングホルダにおいて1つまたは複数の注文品ピッカによって取られた製品をピッキングすることを開始するのに移動するために、自律移動ロボットが摺動するということである。
【0043】
この装着システムの様々な実施形態は、
図2aから
図5bに関連して下で説明される。
【0044】
図6は、実施形態の一部に関して、提案技術に係る装着解除システム60を例示しており、自律移動ロボットの上方の所定距離に2つのピッキングホルダ30、31を位置付ける装置61と、自律移動ロボット2とは異なる従来は倉庫の床であるサポートに2つのピッキングホルダ30、31を配置する装置62とを含む。したがって、この概念は、自律移動ロボットがピッキングタスクを終了した場合に、自動移動ロボットそれ自体が、ホルダを装着解除するために、予め持ち上げたホルダから取り出すことができるということである。
【0045】
この装着解除システムの一実施形態は、
図7aから
図7dに関連して下で説明される。
【0046】
(B-装着システムの第1の実施形態の説明)
図2aおよび
図2bは、装着システム10の第1の実施形態を例示しており、位置付ける装置11および配置する装置12は、2つの可動ピッキングホルダ30および31を上昇させ、その下に自律移動ロボット2が位置するまでそれらを持ち上げた状態に維持し、自律移動ロボット2に(例えば、特に上述された同一出願人の特許出願で説明されたように、受容装置に)2つのホルダを配置するために、単一の装置14を形成している。この装着システム10は、固定部分15と、固定部分に(例えば、ランナの摺動システムを介して)垂直に移動できる部分14とからなる。この部分14は、2つの可動ピッキングホルダを持ち上げることができる水平部分140(
図2aの黒い線)からなる。この水平部分140は、例えば、1つまたは複数のフォーク(fork)の形式である。
【0047】
いったん2つの可動ピッキングホルダ30および31が、床の上方に位置付けられて、そして、位置付けにきた自律移動ロボット2の上方に位置付けられると、自律移動ロボット2はそれ自体を、2つの可動ピッキングホルダ30、31と共に装着ゾーンから取り出す。そして、フォーク140を下降することができ、別の自律移動ロボットに装着するために装着システムを再び使用することができる。
図2bは、自律移動ロボット2を例示しており、2つの可動ピッキングホルダ30および31(床に関して依然として持ち上げられている)が装着され、注文品ピッキングのために使用される準備が整っている。
【0048】
この第1の実施形態によれば、可動ピッキングホルダ30および31は、例えば、オペレータによって、または、倉庫内の装着ゾーンまでのピッキングホルダの搬送に専用化した移動装置によって、部分140の上方の装着ゾーンへと持ち込まれる(可動ピッキングホルダの構成に関して適切な高さに位置付けされる)。
【0049】
装着システムのこの第1の実施形態は、装着解除システムとして使用され得ることに留意すべきであり、注文品ピッキングの終わりにおいて、自律移動ロボット2はそれ自体を、装着解除ゾーン内に配置し、装置の部分140は、自律移動ロボットがそれ自体を位置付ける場合において可動ピッキングホルダの下方に位置するために、適切な高さに予め位置付けされる。装着解除装置の部分140は、次いで作動されて、自律移動ロボットの上方の十分な高さにまで可動ピッキングホルダを上昇させることにより、自律移動ロボットはそれ自体を、可動ピッキングホルダなしで装着解除ゾーンから取り出すことができる。装着解除装置の部分140は、次いで作動されて、床または任意の他のサポート(例えば、輸送ローリまでのピッキングホルダの搬送に専用化した装置など)に可動ピッキングホルダを配置する。
【0050】
(C-装着システムの第2の実施形態の説明)
図3aおよび
図3bは、装着システム10の第2の実施形態を例示しており、位置付ける装置は、可動ピッキングホルダ30、31が自律移動ロボット2に配置される前に、これらのピッキングホルダを上昇させる装置111まで搬送する装置110を含む。
【0051】
したがって、この第2の実施形態によれば、装着システムは、傾斜面を備えた装置110を含み、例えば、(
図3aに例示したように)オペレータの助けによって、自律移動ロボット2がその下で摺動できる水平ゾーン12まで、ピッキングホルダ30、31を傾斜面上で搬送することができる。したがって、この第2の実施形態によれば、この水平ゾーン12は装着システムの配置する装置を構成し、上昇させる装置111は自律移動ロボット2の上昇させる装置である。
【0052】
したがって、
図3bに例示したように、いったん可動ピッキングホルダ30、31が配置する装置12まで搬送されると、自律移動ロボット2は、可動ピッキングホルダ30、31を取り戻すために、装着システムから取り出すように、そして、注文品ピッキングとの関連において可動ピッキングホルダ30、31を移動させるための適切な構成で自律移動ロボットの上昇させる装置111を位置付けるように、自律移動ロボットの上昇させる装置111を作動することができる。
【0053】
装着システムのこの第2の実施形態は、装着解除システムとして使用できることにも留意すべきであり、注文品ピッキングの終わりにおいて、装着解除システムの部分12に載るように可動ピッキングホルダを持ち上げるように、自律移動ロボットの上昇させる装置111を予め作動させた後に、自律移動ロボット2はそれ自体を装着解除ゾーン内に配置する。そして、可動ピッキングホルダは、例えば、オペレータによって、床まで傾斜面110を介して搬送される。自律移動ロボットは、装着解除されて、そして移動して、例えば、新たな注文品のための別の装着ゾーンの中へと入り込むことができ、または、自律移動ロボットのバッテリを再充電するためのゾーンの中へと入り込むことができる。
【0054】
(D-装着システムの第3の実施形態の説明)
図4aおよび
図4bは、装着システム10の第3の実施形態を例示しており、位置付ける装置および配置する装置は単一の装置に対応し、単一の装置は、
図4aに例示したように、ピッキングホルダの少なくとも幅だけ隔たった2つの平行壁41、42を含む。例えば、オペレータによって、これらの2つの壁41および42間に、ピッキングホルダ30および31を位置付ける。
【0055】
図4cに例示したように、自律移動ロボット2はそれ自体を、2つの可動ピッキングホルダ30、31の装着解除を視野に入れて、これらの2つの壁41および42間に位置付けることもできる。
【0056】
そのうえ、
図4bおよび
図4cに例示したように、壁41および42のそれぞれは、壁の内面に少なくとも2つの垂直ランナ(ここでは、壁42について420、421、422、423用の4つのランナ)を有しており、ピッキングホルダ(30、31)の垂直移動要素(壁41用の4100、4101、および、壁42用の4200、4201)は、それぞれ独立して摺動する。
【0057】
したがって、この第3の実施形態によれば、装着システムは、床の上方の所定高さまで、1つおよび/または2つのホルダのために独立して、各壁およびピッキングホルダのために協調して、可動ピッキングホルダを上昇させることを可能にする。
【0058】
例えば、(例えば、ロボットが第1の可動ピッキングホルダを既に担持しているという理由で)単一の可動ピッキングホルダによって自律移動ロボットが装着されなければならない場合、装着システムは、垂直壁ごとに単一の移動要素を作動させるが、同期する様式または協調する様式で、壁のそれぞれの2つの対面要素、つまり、4100および4200、または、4101および4201を作動させる。
【0059】
他方では、2つの可動ピッキングホルダを装着するために、要素4100および4200は同期して作動されてサポート30を持ち上げ、要素4101および4201は同期して作動されてサポート31を持ち上げる。
【0060】
これらの垂直移動要素(4100、4101、4200、4201)の移動性は、したがって、壁41および42のランナの存在によって提供される。
【0061】
図4bおよび
図4cに例示したように、壁42は、要素4200を移動する2つのランナ420および421と、要素4201を移動する2つのランナ422および423とを有する。壁41は、例示していないが、同じランナを有する。
【0062】
この実施形態によれば、壁41の要素4100、4101と、壁42の要素4200、4201とは、L形状を有しており、要素の一部分は、ランナ内を摺動し、他の部分は、例えば、水平な「指」の形状であり、可動ピッキングホルダを持ち上げることを可能にする。このようにして、可動ピッキングホルダは、互いに対(各壁の1つの垂直移動要素のための2つの指)になって対面する例えば4つの指によって、いくつかの点で持ち上げられる。
【0063】
図4bは、自律移動ロボット2に配置するステップの前に、2つの可動ピッキングサポート30および31を上昇させるステップをより具体的に例示している。
【0064】
可動ピッキングホルダ30および31を配置するこのステップは、装着システムの2つの壁41および42間に自律移動ロボット2がそれ自体を位置付ける
図4cにおいて部分的に例示されている。壁41の要素4100および4101(図示せず)と壁42の要素4200および4201とを用いて、可動ピッキングホルダ30および31が自律移動ロボット2の上方の所定高さに保持される。次のステップは、要素4100、4101、4200および4201を下降することにあり、その結果、自律移動ロボット2に(例えば、特に上述された同一出願人の特許出願で説明されたように、受容装置に)可動ピッキングホルダ30および31を配置する。
【0065】
最後に、
図4dは、自律移動ロボット2を例示しており、(床に対して依然として持ち上げられている)可動ピッキングホルダ30および31が装着され、注文品ピッキングのために使用される準備が整っている。
【0066】
(E-装着システムの第4の実施形態の説明)
図5aおよび
図5bは、装着システム10の第4の実施形態を例示しており、位置付ける装置は、可動ピッキングホルダ30、31を自律移動ロボット2まで搬送する装置110を含む。
【0067】
したがって、この第4の実施形態によれば、装着システム10は、(例えば、可動ピッキングホルダのホイールを受容する2つのレールからなる)傾斜面110を含み、傾斜面の上でピッキングホルダ30、31を配置ゾーン12に対応する水平面まで搬送することができ、水平面の下方で自律移動ロボット2が摺動することができる。したがって、この第4の実施形態によれば、このゾーン12は装着システム10の配置する装置を構成しており、上昇させる装置110は自律移動ロボット2の上昇させる装置である。
【0068】
したがって、
図5bに例示したように、いったん可動ピッキングホルダ30、31が配置する装置12まで搬送されると、自律移動ロボット2は、可動ピッキングホルダ30、31を取り戻すために、装着システムから取り出すように、そして、注文品ピッキングとの関連において可動ピッキングホルダ30、31を移動させるための適切な構成で自立移動ロボットの上昇させる装置111を位置付けるように、自律移動ロボットの上昇させる装置111を作動することができる。
【0069】
留意すべきことは、装着システムのこの第4の実施形態が装着解除システムとして同じく使用できることであり、注文品ピッキングの終わりにおいて、(満杯の)可動ピッキングホルダを装着解除システムの部分12に載せるように、自立移動ロボットの上昇させる装置111を予め作動させた後に、自律移動ロボット2はそれ自体を装着解除ゾーン下に配置する。そして、可動ピッキングホルダは、床まで傾斜面110を介して搬送される。自律移動ロボットは、装着解除されて、そして移動して、例えば、新たな注文品のための別の装着ゾーンの中へと入り込むことができ、または、自律移動ロボットのバッテリを再充電するためのゾーンの中へと入り込むことができる。
【0070】
(F-装着システムの第3の実施形態に係る装着解除システムの説明)
装着解除システム60の実施形態の
図7aから
図7cと共に、(
図4aから
図4bに関連して)上で説明した装着システムの第3の実施形態に対応する説明が今から与えられる。
【0071】
この実施形態において、位置付ける装置および配置する装置は、
図7aに例示したように、ピッキングホルダの少なくとも幅だけ隔たった2つの平行壁61、62を含む単一の装置に対応する。
【0072】
注文品ピッキングの終わりにおいて、注文品ピッキングのために可動ピッキングホルダにいくつかの製品が配置されている(ここで、いくつかの箱はこれらの製品を例示している)2つの可動ピッキングホルダ30、31の装着解除のために、自律移動ロボット2はそれ自体を、これらの2つの壁61および62間に位置付ける。
【0073】
そのうえ、
図7aに例示したように、壁61および62のそれぞれは、壁の内面に少なくとも2つの垂直ランナ(ここでは、壁62用の4つのランナ620、621、622、623)を有しており、ピッキングホルダ30、31の垂直移動要素(
図7bに例示した、壁61用の6100、6101、および、壁62用の6200、6201)は、それぞれ独立して摺動する。
【0074】
したがって、この実施形態によれば、装着解除システム60は、1つおよび/または2つのホルダについて独立して各壁およびピッキングホルダについて協調して、自律移動ロボット2の上方の所定高さまで、可動ピッキングホルダ31および32を上昇させることを可能にする。
【0075】
(例えば、ロボットがたった1つの可動ピッキングキャリアを担持するという理由または2つの可動ピッキングホルダを別々の場所で装着解除しなければならないという理由で)例えば、自律移動ロボット2が単一の可動ピッキングホルダを排出しなければならない場合に、装着解除システムは、垂直壁ごとに単一の移動要素を作動させるが、同期する様式または協調する様式で、壁のそれぞれの2つの対面要素、つまり、6100および6200、または、6101および6201を作動させる。
【0076】
他方において、2つの可動ピッキングホルダを装着解除するために、要素6100および6200を同期して作動してサポート30を持ち上げ、要素6101および6201を同期して作動してホルダ31を持ち上げる。
【0077】
したがって、これらの垂直移動要素(6100、6101、6200、6201)の可動性(mobility)は、壁61および62のランナの存在によって提供される。
【0078】
図7aに例示したように、壁62は、(
図7bのみに例示している)要素6200を移動するための2つのランナ620および621と、要素6201を移動するための2つのランナ622および623とを有する。壁61は、例示していないが、同じランナを有する。
【0079】
この実施形態によれば、壁61のための要素6100、6101と、壁62のための要素6200、6201とは、L形状を有し、要素の一部分は、ランナ内を摺動し、他の部分は、例えば、水平な「指」の形状あるいは態様であり、可動ピッキングホルダを持ち上げることを可能にする。このようにして、例えば、互いに対(各壁の垂直移動要素のための2つの指)になって対面している4つの指によって、可動ピッキングホルダはいくつかの点で持ち上げる。
【0080】
図7bは、例えばグランドに配置するステップの前に自律移動ロボット2が出発すると(
図7c)、2つの可動ピッキングホルダ30および31を自律移動ロボット2の上方の所定高さに上昇させるステップをより具体的に例示している。
【0081】
床に可動ピッキングホルダ30および31を配置するこのステップは、
図7cに例示されており、自律移動ロボット2はそれ自体を装着解除システムから取り出す。可動ピッキングホルダ30および31は、例えば輸送ローリを装着するゾーンに搬送されることについて現在利用することができ、自律移動ロボット2は、別の注文品ピッキングのために、または自律移動ロボットのバッテリを再充電するために、利用することができる。
【0082】
(G-他の特徴)
自律移動ロボット用の装着システムおよび装着解除システムについてそれぞれ上で説明した様々な実施形態は、要するに、注文品ピッキングのためにロボットの使用前にロボットに空のピッキングホルダを装着する局面と、注文品ピッキングの終わりにおいてロボットを装着解除する局面とを最適化することによって、注文品ピッキングロジスティックチェーン全体の効率を上昇させることを可能にする。これらの実施形態は、特に、自律移動ロボットに可動ピッキングホルダを装着するために、または、可動ピッキングホルダを装着解除するために、可動ピッキングホルダのハンドリングを制限することを可能にする。
【0083】
いくつかの実施形態を自動化できるので、これらの装着局面および装着解除局面は、したがって、倉庫の注文品ピッキングの組織化および管理に組み込むことができ、効率を更に高めることができる。
【国際調査報告】