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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】エピタキシャル成長装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20230727BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/458
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524605
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-04-25
(86)【国際出願番号】 CN2022077689
(87)【国際公開番号】W WO2022252709
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110606879.4
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522167342
【氏名又は名称】浙江求是半導体設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG QIUSHI SEMICONDUCTOR EQUIPMENT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 102, Building 1, No. 500, Shunda Road, Linping Street, Linping District, Hangzhou, Zhejiang 311100, China
(71)【出願人】
【識別番号】522167353
【氏名又は名称】浙江晶盛機電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG JINGSHENG M & E CO., LTD
【住所又は居所原語表記】218 Tongjiang West Road, Shangyu District, Shaoxing, Zhejiang 312300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 亮
(72)【発明者】
【氏名】沈 文杰
(72)【発明者】
【氏名】周 建燦
(72)【発明者】
【氏名】程 佳峰
(72)【発明者】
【氏名】張 秋成
(72)【発明者】
【氏名】傅 林堅
(72)【発明者】
【氏名】曹 建偉
(72)【発明者】
【氏名】楊 奎
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA16
4K030AA17
4K030BA37
4K030BB02
4K030CA04
4K030CA12
4K030FA10
4K030GA06
4K030GA13
4K030JA03
4K030LA12
5F045AB06
5F045AC16
5F045AF02
5F045BB03
5F045BB08
5F045DP11
5F045DP28
5F045EK02
(57)【要約】
本発明は、エピタキシャル成長装置(100)を提供する。エピタキシャル成長装置(100)は、誘導コイル(300)及び反応本体(200)を含む。前記誘導コイル(300)は、前記反応本体(200)の外側を取り囲んで配置される。前記反応本体(200)は、加熱ベース(1)及び複数のトレイ(2)を含み、前記加熱ベース(1)が複数の作業スペース(4)を有し、複数の前記トレイ(2)が複数の前記作業スペース(4)に配置され、且つ各々の前記トレイ(2)がそれぞれ一つの前記作業スペース(4)に対応する。複数の前記トレイ(2)は、基板を載せることに用いられ、各々の前記トレイ(2)は、前記加熱ベース(1)に対して独立して回転することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エピタキシャル成長装置は、誘導コイル及び反応本体を含み、
前記誘導コイルは、前記反応本体の外側を取り囲んで配置され、
前記反応本体は、加熱ベース及び複数のトレイを含み、前記加熱ベースが複数の作業スペースを有し、複数の前記トレイが複数の前記作業スペースに配置され、且つ各々の前記トレイがそれぞれ一つの前記作業スペースに対応し、
複数の前記トレイは、基板を載せることに用いられ、各々の前記トレイは、前記加熱ベースに対して独立して回転することができることを特徴とするエピタキシャル成長装置。
【請求項2】
複数の前記作業スペースは、第一方向に沿って積み重ねられて配置され、前記第一方向は、前記誘導コイルの軸方向に垂直することを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項3】
前記加熱ベースは、複数のサブ加熱ベースを含み、隣接する二つの前記サブ加熱ベースが取り囲んで前記の複数の作業スペースを形成し、前記トレイが前記サブ加熱ベースに配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項4】
前記トレイが前記誘導コイルの軸方向に垂直な方向に沿う中心線を、第一中心線として、前記トレイの第一中心線が該トレイの対応する前記サブ加熱ベースの中心との最短距離は、0~20mmであることを特徴とする、請求項3に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項5】
各々の前記作業スペースは、対向して設置される入口及び出口が形成され、前記入口は、反応媒体を前記作業スペースに入力するために使用され、前記出口は、前記作業スペースから反応媒体を出力するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項6】
前記反応媒体が前記入口から前記出口に流れる方向は第二方向であり、隣接する二つの前記トレイは、第二方向に沿ってずらされることを特徴とする、請求項5に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項7】
前記反応媒体は、前記誘導コイルの軸方向に沿って流れ、前記第二方向は、前記誘導コイルの軸方向であり、前記誘導コイルの軸線に平行な線は軌道線であり、隣接する二つの前記トレイの第一中心線は、同一の前記軌道線と交差することを特徴とする、請求項6に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項8】
前記反応本体が前記誘導コイルの軸方向に沿う中心線を第二中心線として定義し、前記誘導コイルの軸線と前記第二中心線との間の距離は、0mm~4mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエピタキシャル成長装置。
【請求項9】
前記誘導コイルの軸方向に沿って、前記誘導コイルの中心と前記反応本体の中心との間の距離は、0mm~50mmであることを特徴とする、請求項1にエピタキシャル成長装置。
【請求項10】
前記反応本体は、担体をさらに含み、前記加熱ベースは、前記担体に取り付けられることを特徴とする、請求項1にエピタキシャル成長装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連特許出願の相互参照>
本願は、2021年6月1日に出願した、出願番号が202110606879.4であり、発明の名称が「エピタキシャル成長装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本発明は、半導体のエピタキシャル成長の分野に関し、特にエピタキシャル成長装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エピタキシャル成長は、半導体産業チェーンの重要な部分である。エピタキシャル膜(つまり、エピタキシャル層)の品質は、後続のデバイスの性能を直接に制限する。高品質の半導体デバイスに対する産業需要の高まりに伴い、高効率、高品質のエピタキシーデバイスはますます注目される。
【0004】
エピタキシャル成長とは、主に基板に高品質のエピタキシャル膜を成長させることである。エピタキシャル層を成長させる方法はたくさんあるが、化学蒸着法(CVD)が最もよく使われる方法である。化学蒸着法は、化学気体又は蒸気が基板表面に反応を発生し、コーティング又はナノ材料を合成する方法である。両種又は両種以上の反応媒体(通常、気体媒体である)を一つの作業スペースに導入し、反応媒体が化学反応を発生して、基板の表面に堆積される新しい材料を形成する。トレイの回転速度及びトレイが配置される作業スペースの温度は、堆積速度に影響を与える重要な要因の一つであり、トレイの回転速度及びトレイが配置される作業スペースの温度分布の均一性は、エピタキシャル層の厚さの均一性及びドーピングの均一性に直接に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在のエピタキシー炉のほとんどは、一つの作業スペースのみを有し、産出量を向上させるために作業スペースに複数のトレイが設置されるが、複数のトレイが一つの作業スペースを共用し、作業スペースの各区域の温度が不均衡になり、及び複数のトレイの回転速度を独立して制御することはできない。その結果、製造されるエピタキシャル層の品質が同じではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来技術の問題を解決するために、エピタキシャル成長装置を提供する必要がある。
【0007】
本発明は、エピタキシャル成長装置を提供する。エピタキシャル成長装置は、誘導コイル及び反応本体を含み、前記誘導コイルは、前記反応本体の外側を取り囲んで配置され、前記反応本体は、加熱ベース及び複数のトレイを含み、前記加熱ベースが複数の作業スペースを有し、複数の前記トレイが複数の前記作業スペースに配置され、且つ各々の前記トレイがそれぞれ一つの前記作業スペースに対応し、前記トレイは、基板を載せることに用いられ、各々の前記トレイは、前記加熱ベースに対して独立して回転することができる。
【0008】
複数の前記作業スペースは、第一方向に沿って積み重ねられて配置され、前記第一方向は、前記誘導コイルの軸方向に垂直する。
【0009】
前記加熱ベースは、複数のサブ加熱ベースを含み、隣接する二つの前記サブ加熱ベースが取り囲んで前記の複数の作業スペースを形成し、前記トレイが前記サブ加熱ベースに配置される。
【0010】
前記トレイが前記誘導コイルの軸方向に垂直な方向に沿う中心線を、第一中心線として、前記トレイの第一中心線が該トレイの対応する前記サブ加熱ベースの中心との最短距離は、0~20mmである。
【0011】
各々の前記作業スペースは、対向して設置される入口及び出口が形成され、前記入口は、反応媒体を前記作業スペースに入力するために使用され、前記出口は、前記作業スペースから反応媒体を出力するために使用される。
【0012】
前記反応媒体が前記入口から前記出口に流れる方向は第二方向であり、隣接する二つの前記トレイは、第二方向に沿ってずらされる。
【0013】
前記反応媒体は、前記誘導コイルの軸方向に沿って流れ、前記第二方向は、前記誘導コイルの軸方向であり、前記誘導コイルの軸線に平行な線は軌道線であり、隣接する二つの前記トレイの第一中心線は、同一の前記軌道線と交差する。
【0014】
前記反応本体が前記誘導コイルの軸方向に沿う中心線は、第二中心線として定義され、前記誘導コイルの軸線と前記第二中心線との間の距離は、0mm~4mmである。
【0015】
前記誘導コイルの軸方向に沿って、前記誘導コイルの中心と前記反応本体の中心との間の距離は、0mm~50mmである。
【0016】
前記反応本体は、担体をさらに含み、前記加熱ベースは、前記担体に取り付けられる。
【0017】
本発明のエピタキシャル成長装置は、関連技術と比較して、以下の有益な効果を有する。本発明は、加熱ベースに基板を載せるために使用される複数のトレイを設置し、各トレイがそれぞれ一つの作業スペースに対応し、各トレイの回転が独立して制御されることによって、単一エピタキシャル成長装置で同時に複数のエピタキシャル層を成長することができ、作動効率及び産出量を高める。そして、各トレイの回転が独立して制御され、且つ各トレイが独立した作業スペースに配置されるので、各トレイの回転速度を独立して制御することができ、且つ各トレイは、対応する作業スペースの環境パラメータを独立して調整でき、それによって、各々のトレイが配置されている環境及び回転速度は、一致になる。従って、異なる作業スペースに成長されるエピタキシャル層は、均一な厚さ及び均一な生成物ドーピングを有する。本発明によって提供されるエピタキシャル成長装置は、産出量を高めるとともに、同じバッチの製品の品質が一致になることを保証でき、製品が優れた品質を有することを保証できる。
【0018】
さらに、誘導コイルの軸方向に沿って、誘導コイルに形成される磁場の強度が異なる。複数の作業スペースが誘導コイルの軸方向に沿って、積み重ねて配置される場合、複数の作業スペースが配置される磁場が異なるので、複数の作業スペースの間の温度差が大きな差異を有し、エピタキシャル層の品質に影響を及ぼす。本発明は、複数の作業スペースを誘導コイルの軸方向に垂直する方向に沿って配置することによって、複数の作業スペースを同一の磁場区域に配置させ、それによって、複数の作業スペースの間の温度差を減少し、複数の作業スペースの温度のバランスを確保し、製品の品質を高め、産出量を高めるとともに、各々の作業スペースに成長されるエピタキシャル層の品質を高める。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一つの実施形態から提供されたエピタキシャル成長装置の構造を示す図である。
図2図1の反応本体の断面図である。
図3】本発明の一つの実施形態から提供された反応本体の分解図である。
図4図3の反応本体の断面図である。
図5図3の反応本体の断面図である。
図6】本発明の他の実施形態から提供された反応本体の断面図である。
図7】トレイがサブ加熱ベースに取り付けられる位置の変化に伴って、基板の中心の温度の変化曲線図である(図3に示す反応本体を採用して、アナログシミュレーションを行う)。
図8】トレイが誘導コイルの軸方向の異なる位置に沿って取り付けられる場合、基板の中心の温度と端部温度との温度差の変化曲線図である(図3に示す反応本体を採用して、アナログシミュレーションを行う)。
図9】誘導コイルが第一方向に沿って移動する場合、二つの隣接するトレイに配置される基板の温度差の変化曲線である(図3に示す反応本体を採用して、アナログシミュレーションを行う)。
図10】本発明の一つの実施形態におけるトレイ及び基板の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術方案を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0021】
コンポーネントが他のコンポーネントに「取り付けられる」と呼ばれる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接的に取り付けてもよく、第三コンポーネントを介して、他のコンポーネントに取り付けてもよい。コンポーネントが他のコンポーネントに「設置される」と見なされる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接的に設置してもよく、第三コンポーネントを介して、他のコンポーネントに設置してもよい。コンポーネントが他のコンポーネントに「固定される」と言われる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接的に固定してもよく、第三コンポーネントを介して、他のコンポーネントに固定してもよい。
【0022】
特に明記されていない限り、本発明で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を持つ。本発明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本発明で使用される「及び/または」という用語は、一つ又は複数の関連するリストされた事項の任意又はあらゆる組み合わせを含む。
【0023】
従来のエピタキシャル成長装置のほとんどは、一つの作業スペースしかないので、エピタキシャル成長装置の熱利用効率が低くなる。作業スペースに一つのトレイだけが配置される時、生産効率が非常に低くなる。産出量を高めるために、通常採用する方法は、作業スペースに複数のトレイを配置する方法ですが、出願者は、繰り返してアナログシミュレーションすることによって、一つの作業スペースに各区域の温度が不均衡であるが、温度が堆積速度に影響を与える重要な要因の一つであるので、複数のトレイの温度が不均衡になることを発見する。さらに、複数のトレイがトレイを載せるために使用される加熱ベースとともに回転するので、複数のトレイがそれらの回転速度を独立して制御することはできない。従って、同じバッチで製造されたエピタキシャル層の品質が同じではなく、各製品の品質を保証することは困難である。
【0024】
また、複数の作業スペースを備えるエピタキシャル成長装置もあるが、各作業スペースの間の温度差が大きく、作業スペースの温度分布の均一性がエピタキシャル膜の厚さの均一性及びドーピングの均一性に直接的に影響を及ぼし、複数の作業スペースの間の大きな温度差は、エピタキシャル層の品質に影響を及ぼす。出願者は、研究によって、複数の作業スペースを備えるエピタキシャル成長装置における複数の作業スペースの間に大きな温度差があるのは、複数の作業スペース及び加熱ベースが誘導コイルの軸方向に沿って配置され、誘導コイルの軸方向に沿って、誘導コイルに形成される磁場の強度が異なるからであることを発見する。複数の加熱ベースが誘導コイルの軸方向に沿って、積み重ねて配置される場合、複数の加熱ベースが配置される磁場が異なるので、複数の加熱ベースの間の温度差が大きくなり、それによって複数の作業スペースの間の温度差が大きいことを引き出す。さらに、各作業スペースにはそれぞれ一つの誘導コイルを装備すれば、異なる誘導コイルの磁場は異なるので、同様に複数の作業スペースの加熱ベースの間の温度差が大きいことを引き出す。
【0025】
図1図6及び図10を参照すると、本発明は、エピタキシャル成長装置100を提供する。エピタキシャル成長装置100は、誘導コイル200及び反応本体300を含み、誘導コイル200が反応本体300の外側を取り囲んで配置される。反応本体300は、基板9を収容し、加熱することに用いられる。ここで、反応本体200は、加熱ベース1及び複数のトレイ2を含み、加熱ベース1が複数の作業スペース4を有し、トレイが作業スペース4に配置され、各トレイ2がそれぞれ一つの作業スペース4に対応する。ここで、トレイ2は、基板9を載せることに用いられる。各トレイ2は、加熱ベース1に対して独立して回転することができる。作業スペース4の内部の熱量は、加熱ベース1が誘導コイル200の電磁誘導によって生成された誘導熱であり、加熱ベース1がトレイ2及びトレイ2に配置される基板9を加熱することが理解できる。両種又は両種以上の反応媒体(通常、気体媒体である)を一つの作業スペースに導入し、反応媒体が互いに化学反応を発生して、基板の表面に堆積されるエピタキシャル層という新しい材料を形成する。本実施形態では、反応媒体は気体である。もちろん、他の実施形態では、反応媒体の形態は、生成されるエピタキシャル層によって決められる。
【0026】
本発明では、エピタキシャル層の製品を製造するために、一つのエピタキシャル成長装置100に複数のトレイ2を配置することによって、1回の製造工程で複数のエピタキシャル層を同時に生成することでき、作業効率を向上させ、産出量を向上させる。さらに重要なことに、各トレイ2の回転が独立して制御されるので、各トレイ2の回転速度は標準を満たし、且つ各トレイ2が独立した作業スペースに配置されるので、トレイ2が配置される作業スペース4の環境を調整でき、複数のトレイ2の温度が均一になることを保証し、回転速度を一致に調整できる。従って、複数のトレイ2に均一な厚さ及び均一なドーピングを有する高品質のエピタキシャル層が得られる。本発明によって提供されるエピタキシャル成長装置100は、産出量を増加させながら、同じバッチの製品の品質が一致になり、製品が優れた品質を有することを保証することもできる。
【0027】
任意選択で、複数の作業スペース4は、第一方向に沿って積み重ねられて配置され、第一方向は、誘導コイル200の軸方向に垂直し、複数の作業スペース4が同一の磁場区域に配置し、一つ誘導コイル300を共用するようになる。それによって、複数の作業スペース4の間の温度差を減少し、複数の作業スペース4の温度のバランスを確保し、製品の品質を向上させ、同じバッチの製品の差異を減少する。もちろん、他の実施形態では、複数の作業スペースの配置は、これに限定されず、例えば、複数の作業スペースは、誘導コイルの軸方向に沿って配置してもよく、或いは、複数の加工部品スペースは、同一の水平面に配置してもよい。
【0028】
より好ましくは、図2を参照すると、反応本体200が誘導コイル300の軸方向に沿う中心線は、第二中心線として定義される。第二中心線は、誘導コイル300の軸線に平行し、複数の作業スペース4は、誘導コイル300の中央区域に配置される。その理由は、誘導コイル300の軸方向に沿って、誘導コイル300に形成される磁場の強さが異なり、誘導コイルの両端の磁場が誘導コイルの中央の磁場と異なり、且つ誘導コイル300の両端の磁場は不安定であり、その結果、誘導コイル300の両端に位置する作業スペース4の温度差が大きいことである。従って、複数の作業スペース4を誘導コイル300の中央区域に配置することができる。
【0029】
本発明では、加熱ベース1は、一体構造又は分割構造である。例えば、図1~6を参照すると、加熱ベース1は、複数のサブ加熱ベースを含む。隣接する二つのサブ加熱ベースが取り囲んで作業スペース4を形成し、トレイ2がサブ加熱ベースに配置される。換言すれば、隣接する二つの作業スペース4は、一つのサブ加熱ベースを共用する。本発明では、隣接する二つの作業スペース4が一つのサブ加熱ベースを共用するので、隣接する二つの作業スペースが共用されるサブ加熱ベースの熱量をより十分に活用し、熱エネルギーの利用率を向上させ、製造コストを削減できる。
【0030】
図1図6を参照すると、本実施形態では、サブ加熱ベースの数量は三つであり、三つのサブ加熱ベースは、第一サブ加熱ベース11、第二サブ加熱ベース12及び第三サブ加熱ベースとしてマークされる。第一サブ加熱ベース11と第二サブ加熱ベース12が取り囲んで作業スペース4を形成し、第二加熱ベース12と第三加熱ベース13が取り囲んで他の作業スペース4を形成する。二つの隣接する作業スペース4は、熱エネルギーの利用率を向上させるために、二つの隣接する作業スペース4の間に位置するサブ加熱ベースを共有し、例えば、第二サブ加熱ベース12を共用する。もちろん、他の実施形態では、サブ加熱ベースの数量は、上記又は図に示されるものに限定されず、例えば、三つを超えるサブ加熱ベースを設置してもよい。
【0031】
第一方向に沿って、頂部及び底部に位置するサブ加熱ベースは、形状が同じであり、反応本体が誘導コイル300の軸方向に沿う中心線は、第二中心線であり、頂部及び底部に位置するサブ加熱ベースは、第二中心線に対して軸対称である。従って、反応本体200は、全体としてほぼ対称的に上下に分布されるので、複数の作業スペース4の間の温度差を低減する。具体的には、図3及び図4を参照すると、第一サブ加熱ベース11と第三サブ加熱ベース13の形状は似る。例えば、第一サブ加熱ベース11と第三サブ加熱ベース13の形状は、どちらも三日月形であり、第二サブ加熱ベース12は平板構造である。もちろん、他の実施形態では、第一サブ加熱ベース11の形状と第三サブ加熱ベース13の形状は、これに限定されず、例えば、図6を参照すると、第一サブ加熱ベース11、第二サブ加熱ベース12及び第三サブ加熱ベース13の形状はすべて異なり、ここで、第二サブ加熱ベース12が三日月形であり、第三サブ加熱ベース13が平板形状であり、第二サブ加熱ベース12によって支持される。 他の実施形態では、加熱ベースの形状は、上記又は図に示されるものに限定されず、他の形状であってもよい。
【0032】
更に、図3図5を参照すると、トレイ2を載せるために使用される加熱ベースには、取り付けスロット14が設けられ、取り付けスロット14は、トレイ2を載せるために使用される。具体的には、本実施形態では、トレイ2を載せるために使用される第二サブ加熱ベース12及び第三サブ加熱ベースには、取り付けスロット14が設けられる。
【0033】
図4及び図5を参照すると、取り付けスロット14の軸心に位置決めポスト15が配置され、位置決めポスト15が第一方向に沿って伸びる。トレイ2は、位置決めポスト15に回転可能に配置され、且つトレイ2と位置決めポスト15は、同軸に配置される。
【0034】
図4及び図5を参照し続けて、トレイ2を載せるために使用されるサブ加熱ベースに空気浮上チャネル16が設けられ、空気浮上チャネル16は、それぞれ、取り付けスロット14及び反応本体200の外側と連通する。トレイ2の底部にいくつかのストリップ溝(図示ず)がらせん状に分布される。真空条件下で、空気浮上チャネル16に小流量のガスを導入し、ガスは、対応するトレイ2を駆動して、トレイ2に浮遊させ、位置決めポスト15を中心として円周方向に回転させ、単一のトレイ2の独立した制御を実現する。そして、ガスは、トレイ2に配置された基板9の回転を駆動し、エピタキシャル成長プロセスにおいて、各基板9が均一に加熱され、基板9に分布される気流が均一であることを確保し、エピタキシャル層の厚さの均一性を実現する。具体的には、複数の空気浮上チャネル16に導入される不活性ガスの流量が同じである場合、対応するトレイ2の回転速度が同じであり、これにより、複数のトレイ2の温度の均一性及びガスの流量の均一性が効果的に改善される。更に、複数の基板9に成長されたエピタキシャル層の厚さが均一になり、同じバッチの製品の品質が一致になることが保証される。 もちろん、他の実施形態では、トレイが独立して回転することを制御する方法は、上記の空気浮上チャネルに限定されず、各トレイ2に独立した駆動部材を取り付けてもよい。
【0035】
任意選択で、トレイ2が誘導コイル200の軸方向に垂直な方向に沿う中心線を、第一中心線とする。即ち、トレイ2が第一方向に沿う中心線は、第一中心線であり、トレイ2の第一中心線がトレイ2の対応するサブ加熱ベースの中心との最短距離は、0~20mmであることが好ましく、トレイ2に配置される基板9がサブ加熱ベースの中央に位置することを確保するようになる。トレイの各区域の温度の均一性を向上させるために、トレイ2とサブ加熱ベースの相対位置を、この範囲内で調整してもよい。 もちろん、他の実施形態では、トレイ2の第一中心線とトレイが対応するサブ加熱ベースの中心との間の最短距離は、これに限定されず、具体的な距離範囲は、エピタキシャル成長装置100の実際の体積及び加熱ベースの体積によって、トレイ2とサブ加熱ベースの相対位置を調整する。
【0036】
図2図3及び図5を参照すると、各作業スペース4は、対向して設置される入口5及び出口6が形成され、入口5は、反応媒体を作業スペース4に入力するために使用され、出口6は、作業スペース4から反応媒体を出力するために使用される。
【0037】
さらに、反応媒体が入口5から出口6に流れる方向は第二方向であり、隣接する二つのトレイ2は、第二方向に沿ってずらされる。同じ条件下で、隣接する二つのサブ加熱ベースに配置された基板9の最高温度差は差異があり、反応ガス200が入口5から出口6に第二方向に沿って流れる時、ガス温度が徐々に上昇するので、隣接する二つのトレイ2を第二方向に沿ってずらし、ガスが流れるとき、ガスの温度は二つのトレイ2の間の温度差を補償し、隣接する二つのトレイの間の温度差を可能な限り減少し、それによって基板9の間の温度差が減少することが、理解できる。従って、隣接する二つのトレイ2が第二方向に沿ってずらされる場合、温度調節が最適である。トレイの空間位置を調整するために、トレイがサブ加熱ベースにある位置を直接的に調整してもよく、隣接するサブ加熱ベースの空間位置を調整してもよい。具体的な調整効果を図7及び図8に示す。図7は、トレイ2がサブ加熱ベースに取り付けられる位置の変化に伴って、基板9の中心の温度の変化曲線図である。図8は、トレイ2が誘導コイル300の軸方向の異なる位置に沿って取り付けられる場合、基板9の中心の温度と端部温度との温度差の変化曲線図である。
【0038】
図1~8を参照すると、本実施形態では、反応媒体は、誘導コイル300の軸方向に沿って流れ、即ち、第二方向は、誘導コイル300の軸方向である。誘導コイル300の軸線に平行な線は軌道線であり、隣接する二つのトレイ2の第一中心線は、同一の軌道線と交差する。換言すれば、二つの隣接するトレイ2は、誘導コイル300の軸線又は同一の軌道線に沿って配置される場合には、二つの隣接するトレイ2が最適な第二方向に沿ってずれる。そして、サブ加熱ベースの空間位置を調整することによって、トレイ2の位置を調整する時、隣接する二つのサブ加熱ベースが第三方向に沿ってずることを防止することができる。従って、温度のバランスを取りながら、反応本体の体積の増加を防止することができる。ここで、第三方向は、第一方向及び第二方向の両方に垂直する。
【0039】
また、実際の応用において、複数のサブ加熱ベースに配置される基板9の温度が異なり、誘導コイル300と反応本体200の相対位置を調整する場合には、複数のサブ加熱ベースの間の温度差を補正するために、誘導コイル300が第一方向にある変位という補正量を調整することによって、複数のサブ加熱ベースに配置されるトレイ2及び基板9の温度分布をより均衡させ、基板9の間の温度差を低減するようになる。
【0040】
オプションとして、誘導コイルが第一方向に沿って移動する場合、二つの隣接するトレイに配置される基板の温度差の変化曲線である図9を参照する。第一方向に沿って誘導コイル300と反応本体200の相対位置を移動して調整することによって、基板9の間の温度差を補償することができる。
【0041】
オプションとして、誘導コイル300の軸線と反応本体200の第二中心線との間の距離は、0mm~4mmであることが好ましく、この距離範囲で、誘導コイル300と反応本体200の相対位置を微調整することによって、温度調節効果が優れる。もちろん、他の実施形態では、誘導コイル300の軸線と第二中心線との間の距離はこれに限定されず、具体的には、シミュレーションによって、誘導コイル300と反応体200の相対距離を得ることができる。
【0042】
オプションとして、誘導コイル300自体の軸方向に沿って、誘導コイル300と反応本体200との相対位置を移動して調整することによって、複数の作業スペース4に配置される基板9の温度分布を調節することができる。誘導コイル300の構造及び電気的パラメータが変化しない場合、誘導コイル300がそれ自体の軸に沿った移動は、反応本体200全体の温度分布に影響を与え、それにより、複数の作業スペース4に配置される基板9の温度分布に影響を与え、即ち、エピタキシー層の品質に影響を与える。
【0043】
より好ましくは、誘導コイルの軸方向に沿って、誘導コイル300の中心と反応本体200の中心との間の距離は、0mm~50mmであることが好ましい。もちろん、他の実施形態では、誘導コイル300と反応本体200が軸方向に沿う相対距離はこれに限定されず、具体的には、デバイスのサイズとシミュレーション結果によって、誘導コイル300と反応本体200との相対位置を調整する。
【0044】
図3図4及び図6を参照すると、反応本体200は、支持部材をさらに含む。支持部材は、二つの隣接するサブ加熱ベースの間に配置され、作業スペース4の側壁を形成する。具体的には、第一サブ加熱ベース11と第二サブ加熱ベース12との間に支持部材8が設置され、支持部材8が作業スペース4の側壁を形成する。
【0045】
図1及び図2を参照すると、反応本体200は、担体3をさらに含み、加熱ベース1は、担体3に取り付けられる。
【0046】
また、担体3は軸対称構造である。 具体的には、図2及び図3を参照すると、担体3は、保温シリンダー及び二つのエンドキャップ33を含む。二つのエンドキャップ33は、保温シリンダーの両端をそれぞれ覆う。加熱ベース1は、保温シリンダーの内部に設置され、複数の作業スペース4を保温し、熱量の損失を防止することに用いられる。二つのエンドキャップ33も保温材料で製造される。 それに対応して、入口5及び出口6は、それぞれ二つのエンドカバーキャップ33に設置され、入口5が設置されたエンドカバーキャップ33は、空気浮上チャネル16と連通するガス供給ポート7が設置され、不活性ガスは、外部パイプラインを通過して、ガス供給ポート7及び空気浮上チャネル16に導入される。
【0047】
具体的には、本実施形態では、保温シリンダーは、第一断熱ブランケット31及び第二断熱ブランケット32を含む。第一断熱ブランケット31及び第二断熱ブランケット32は取り囲んで保温シリンダーを形成する。任意選択で、第一断熱ブランケット31に第一ステップ34が形成され、第二断熱ブランケット32に第一ステップ34に対応する第二ステップ35が形成される。組み立てる時に、第一ステップ34と第二ステップ35は、第一断熱ブランケット31と第二断熱ブランケット32とを合わせて保温シリンダーを形成するために、互いに嵌合する。もちろん、他の実施形態では、第一断熱ブランケット31と第二断熱ブランケット32の接続方式は、これに限定されず、例えば、第一断熱ブランケット31及び第二断熱ブランケット32は、一体構造又はバックル構造などの他の接続構造によって接続される。
【0048】
図3図5を参照すると、本発明の具体的な実施過程を詳しく説明する。
【0049】
炭化ケイ素のエピタキシャル成長を例にとると、説明する。炭化ケイ素の基板9をそれぞれ複数の作業スペース4のトレイ2に配置し、トレイ2を反応媒体の流れ方向に沿ってずらすように調整する。第一方向に沿って、上方に位置する作業スペースが通常温度が高く、さらに、作業スペース4が低気圧環境にあり、シミュレーションデータによって、誘導コイル300の取り付け位置を調整し、即ち、誘導コイル300と反応本体200の間の相対位置を調整し、通常第一方向に沿って誘導コイル200を下に移動し、誘導コイル200の中心の熱流を下に移動させ、第一方向にある加熱ベースが温度のバランスを取るようになる。通電を行い、二つの作業スペース4がエピタキシャル成長に必要な温度を満たすまで、サブ加熱ベースを昇温させる。同じ流量の水素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスをそれぞれ第二サブ加熱ベース12の空気浮上チャネル16及び第三サブ加熱ベース13の空気浮上チャネル16に導入し、気流によって二つのトレイ2を同じ回転速度で回転させ、二つの作業スペース4の内部の温度の均一性を高める。さらに、二つの作業スペース4に同じ流量の反応性ガスを導入し、反応性ガスが炭化ケイ素の基板9に反応してエピタキシャル層を形成する。
【0050】
もちろん、他の実施形態では、本発明によって提供されるエピタキシャル成長装置は、炭化ケイ素のエピタキシャル成長だけでなく、他の半導体のエピタキシャル層の成長にも適する。
【0051】
上記実施形態の技術的特徴は任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記実施形態における様々な技術的特徴のすべての可能な組み合わせは記載されていない。ただし、これらの技術的機能の組み合わせは、矛盾がない限り、本明細書の記載の範囲と見なすべきである。
【0052】
上記の実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を表すだけであり、その説明が比較的具体的かつ詳細であるが、それらは、本発明の特許の範囲に対する限定に理解されるべきではない。当業者であれば、本発明の技術構成の趣旨や範囲を逸脱しない前提下で、いろいろな更正及び変形を行なうことができる。これらの更正及び変形は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲は、添付されたクレームをよりどころとする。
【符号の説明】
【0053】
100 エピタキシャル成長装置
200 反応本体
300 誘導コイル
1 加熱ベース
11 第一サブ加熱ベース
12 第二サブ加熱ベース
13 第三サブ加熱ベース
14 取り付けスロット
15 位置決めポスト
16 空気浮上チャネル
2 トレイ
3 担体
31 第一断熱ブランケット
32 第二断熱ブランケット
33 エンドキャップ
34 第一ステップ
35 第二ステップ
4 作業スペース
5 入口
6 出口
7 ガス供給ポート
8 支持部材
9 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図1図6及び図10を参照すると、本発明は、エピタキシャル成長装置100を提供する。エピタキシャル成長装置100は、誘導コイル300及び反応本体200を含み、誘導コイル300が反応本体200の外側を取り囲んで配置される。反応本体200は、基板9を収容し、加熱することに用いられる。ここで、反応本体200は、加熱ベース1及び複数のトレイ2を含み、加熱ベース1が複数の作業スペース4を有し、トレイが作業スペース4に配置され、各トレイ2がそれぞれ一つの作業スペース4に対応する。ここで、トレイ2は、基板9を載せることに用いられる。各トレイ2は、加熱ベース1に対して独立して回転することができる。作業スペース4の内部の熱量は、加熱ベース1が誘導コイル300の電磁誘導によって生成された誘導熱であり、加熱ベース1がトレイ2及びトレイ2に配置される基板9を加熱することが理解できる。両種又は両種以上の反応媒体(通常、気体媒体である)を一つの作業スペースに導入し、反応媒体が互いに化学反応を発生して、基板の表面に堆積されるエピタキシャル層という新しい材料を形成する。本実施形態では、反応媒体は気体である。もちろん、他の実施形態では、反応媒体の形態は、生成されるエピタキシャル層によって決められる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
任意選択で、複数の作業スペース4は、第一方向に沿って積み重ねられて配置され、第一方向は、誘導コイル300の軸方向に垂直し、複数の作業スペース4が同一の磁場区域に配置し、一つ誘導コイル300を共用するようになる。それによって、複数の作業スペース4の間の温度差を減少し、複数の作業スペース4の温度のバランスを確保し、製品の品質を向上させ、同じバッチの製品の差異を減少する。もちろん、他の実施形態では、複数の作業スペースの配置は、これに限定されず、例えば、複数の作業スペースは、誘導コイルの軸方向に沿って配置してもよく、或いは、複数の作業スペースは、同一の水平面に配置してもよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
任意選択で、トレイ2が誘導コイル300の軸方向に垂直な方向に沿う中心線を、第一中心線とする。即ち、トレイ2が第一方向に沿う中心線は、第一中心線であり、トレイ2の第一中心線がトレイ2の対応するサブ加熱ベースの中心との最短距離は、0~20mmであることが好ましく、トレイ2に配置される基板9がサブ加熱ベースの中央に位置することを確保するようになる。トレイの各区域の温度の均一性を向上させるために、トレイ2とサブ加熱ベースの相対位置を、この範囲内で調整してもよい。 もちろん、他の実施形態では、トレイ2の第一中心線とトレイが対応するサブ加熱ベースの中心との間の最短距離は、これに限定されず、具体的な距離範囲は、エピタキシャル成長装置100の実際の体積及び加熱ベースの体積によって、トレイ2とサブ加熱ベースの相対位置を調整する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
さらに、反応媒体が入口5から出口6に流れる方向は第二方向であり、隣接する二つのトレイ2は、第二方向に沿ってずらされる。同じ条件下で、隣接する二つのサブ加熱ベースに配置された基板9の最高温度差は差異があり、反応ガス入口5から出口6に第二方向に沿って流れる時、ガス温度が徐々に上昇するので、隣接する二つのトレイ2を第二方向に沿ってずらし、ガスが流れるとき、ガスの温度は二つのトレイ2の間の温度差を補償し、隣接する二つのトレイの間の温度差を可能な限り減少し、それによって基板9の間の温度差が減少することが、理解できる。従って、隣接する二つのトレイ2が第二方向に沿ってずらされる場合、温度調節が最適である。トレイの空間位置を調整するために、トレイがサブ加熱ベースにある位置を直接的に調整してもよく、隣接するサブ加熱ベースの空間位置を調整してもよい。具体的な調整効果を図7及び図8に示す。図7は、トレイ2がサブ加熱ベースに取り付けられる位置の変化に伴って、基板9の中心の温度の変化曲線図である。図8は、トレイ2が誘導コイル300の軸方向の異なる位置に沿って取り付けられる場合、基板9の中心の温度と端部温度との温度差の変化曲線図である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
炭化ケイ素のエピタキシャル成長を例にとると、説明する。炭化ケイ素の基板9をそれぞれ複数の作業スペース4のトレイ2に配置し、トレイ2を反応媒体の流れ方向に沿ってずらすように調整する。第一方向に沿って、上方に位置する作業スペースが通常温度が高く、さらに、作業スペース4が低気圧環境にあり、シミュレーションデータによって、誘導コイル300の取り付け位置を調整し、即ち、誘導コイル300と反応本体200の間の相対位置を調整し、通常第一方向に沿って誘導コイル300を下に移動し、誘導コイル300の中心の熱流を下に移動させ、第一方向にある加熱ベースが温度のバランスを取るようになる。通電を行い、二つの作業スペース4がエピタキシャル成長に必要な温度を満たすまで、サブ加熱ベースを昇温させる。同じ流量の水素ガスやアルゴンガスなどの不活性ガスをそれぞれ第二サブ加熱ベース12の空気浮上チャネル16及び第三サブ加熱ベース13の空気浮上チャネル16に導入し、気流によって二つのトレイ2を同じ回転速度で回転させ、二つの作業スペース4の内部の温度の均一性を高める。さらに、二つの作業スペース4に同じ流量の反応性ガスを導入し、反応性ガスが炭化ケイ素の基板9に反応してエピタキシャル層を形成する。
【国際調査報告】