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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】エピタキシャル成長装置の加熱体
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20230727BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20230727BHJP
   C23C 16/458 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/68 N
C23C16/458
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524722
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2022-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2022077688
(87)【国際公開番号】W WO2022252708
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110606975.9
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522167342
【氏名又は名称】浙江求是半導体設備有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG QIUSHI SEMICONDUCTOR EQUIPMENT CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 102, Building 1, No. 500, Shunda Road, Linping Street, Linping District, Hangzhou, Zhejiang 311100, China
(71)【出願人】
【識別番号】522167353
【氏名又は名称】浙江晶盛機電股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG JINGSHENG M & E CO., LTD
【住所又は居所原語表記】218 Tongjiang West Road, Shangyu District, Shaoxing, Zhejiang 312300, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】沈 文杰
(72)【発明者】
【氏名】朱 亮
(72)【発明者】
【氏名】周 建燦
(72)【発明者】
【氏名】程 佳峰
(72)【発明者】
【氏名】張 秋成
(72)【発明者】
【氏名】傅 林堅
(72)【発明者】
【氏名】曹 建偉
(72)【発明者】
【氏名】楊 奎
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA12
4K030FA10
4K030GA02
4K030KA23
4K030KA26
5F045AA03
5F045DP11
5F045EJ03
5F045EK03
5F045EM02
5F131BA04
5F131DA43
5F131EA04
5F131EB53
5F131EB81
5F131EB82
5F131GA05
(57)【要約】
本発明は、エピタキシャル成長装置の加熱体を提供する。前記加熱体(1)は、サポートベース(11)及びトレイ(2)を含む。サポートベース(11)は、エピタキシャル成長装置(100)の軸方向に沿って伸びる。トレイ(2)は、サポートベース(11)に取り付けられ、基板を支持するために使用される。サポートベース(11)は、誘導コイルとの電磁誘導によって熱を発生し、それによってトレイ(2)を加熱し、トレイ(2)は、熱を基板に伝達し、基板を加熱する。サポートベース(11)は、温度調節チャネル(3)を備え、温度調節チャネル(3)がトレイ(2)のエッジに配置され、サポートベース(11)に垂直な方向に沿って、温度調節チャネルの一部がトレイ(2)に投影される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エピタキシャル成長装置の加熱体は、基板を加熱するために使用され、
前記加熱体は、サポートベース及びトレイを含み、前記サポートベースは、温度調節チャネルが形成され、前記温度調節チャネルは、中空構造であり、両端が前記サポートベースを貫通し設置され、
前記トレイは、前記サポートベースに取り付けられ、前記基板を支持するために使用され、
前記温度調節チャネルの両端は、それぞれ、温度制御媒体の入力及び出力するために使用され、前記トレイの環境温度を調節するようになることを特徴とするエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項2】
前記温度調節チャネルは、前記トレイのエッジに配置され、前記サポートベースに垂直な方向に沿って、前記温度調節チャネルの一部が前記トレイに投影されることを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項3】
前記温度調節チャネルの数量は、1つであり、且つ前記温度調節チャネルの一部は、リング状に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項4】
前記温度調節チャネルは、順番に連通される第一セグメント、第二セグメント及び第三セグメントを含み、前記第二セグメントは、リング状に配置され、リング状の前記第二セグメントは、前記トレイのエッジに配置されることを特徴とする、請求項3に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項5】
前記温度調節チャネルの数量は、二つであり、二つの前記温度調節チャネルは、前記トレイの両側に1対1に対応することを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項6】
前記サポートベースに空気浮上チャネルが設けられ、前記空気浮上チャネルは、二つの前記温度調節チャネルの間に配置され、二つの前記温度調節チャネルは、前記空気浮上チャネルを軸として対称的に配置されることを特徴とする、請求項5に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項7】
前記サポートベースは、第一サブセクション及び第二サブセクションを含み、前記第一サブセクション及び前記第二サブセクションは組み合わされて接続され、前記温度調節チャネルは、前記第一サブセクションと前記第二サブセクションの接合部に位置し、前記第一サブセクションと前記第二サブセクションの組み合わせで構成されることを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項8】
前記サポートベースの数量は、複数であり、複数の前記サポートベースが、前記エピタキシャル成長装置の軸方向に垂直な方向に沿って順番に積み重ねられて配置されることを特徴とする、請求項1に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項9】
前記加熱体は、支持部材をさらに含み、前記支持部材は、二つの隣接する前記サポートベースの間に配置されることを特徴とする、請求項8に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかの一項に記載のエピタキシャル成長装置の加熱体を含むことを特徴とするエピタキシャル成長装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連特許出願の相互参照>
本願は、2021年6月1日に出願した、出願番号が202110606975.9であり、発明の名称が「エピタキシャル成長装置の加熱体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本願に援用される。
【0002】
本発明は、半導体のエピタキシャル成長の分野に関し、特にエピタキシャル成長装置の加熱体に関する。
【背景技術】
【0003】
エピタキシャル成長は、半導体産業チェーンの重要な部分である。エピタキシャル膜(つまり、エピタキシャル層)の品質は、後続のデバイスの性能を直接に制限する。高品質の半導体デバイスに対する産業需要の高まりに伴い、高効率、高品質のエピタキシーデバイスはますます注目される。
【0004】
エピタキシャル成長とは、主に基板に高品質のエピタキシャル膜を成長させることである。エピタキシャル層を成長させる方法はたくさんあるが、化学蒸着法(CVD)が最もよく使われる方法である。化学蒸着法は、化学気体又は蒸気が基板表面に反応を発生し、コーティング又はナノ材料を合成する方法である。エピタキシャル成長装置の加熱体の反応室に二つ以上の気体原料を導入し、エピタキシャル成長装置の反応室が取り囲まれた複数の加熱ベースによって形成され、一部の加熱ベースが基板を支持するために使用される。反応性気体が化学反応を発生して、基板の表面に堆積する新しい材料を形成する。加熱ベースの温度は、堆積速度に影響を与える重要な要因の一つであり、加熱ベースの間の温度分布の均一性と基板の温度分布の均一性は、エピタキシャル層の厚さの均一性とドーピングの均一性に直接に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、複数の反応室を備えたエピタキシャル成長装置は、各々の反応室の間で基板を支持するために使用される複数の加熱ベースの温度分布がかなり異なり、且つ基板の温度分布を調整できないという欠点を有するので、製品の品質に大きく影響を及ぼす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来技術の問題を解決するために、エピタキシャル成長装置の加熱体を提供する必要がある。
【0007】
本発明は、エピタキシャル成長装置の加熱体を提供する。前記加熱体は、サポートベース及びトレイを含み、前記サポートベースは、温度調節チャネルが形成され、前記温度調節チャネルは、中空構造であり、両端が前記サポートベースを貫通し設置される。前記トレイは、前記サポートベースに取り付けられ、前記基板を支持するために使用される。前記温度調節チャネルの両端は、それぞれ、温度制御媒体の入力及び出力するために使用され、前記トレイの環境温度を調節するようになる。
【0008】
前記温度調節チャネルは、前記トレイのエッジに配置され、前記サポートベースに垂直な方向に沿って、前記温度調節チャネルの一部が前記トレイに投影される。
【0009】
前記温度調節チャネルの数量は、1つであり、且つ前記温度調節チャネルの一部は、リング状に配置される。
【0010】
前記温度調節チャネルは、順番に連通される第一セグメント、第二セグメント及び第三セグメントを含み、前記第二セグメントは、リング状に配置され、リング状の前記第二セグメントは、前記トレイのエッジに配置される。
【0011】
前記温度調節チャネルの数量は、二つであり、二つの前記温度調節チャネルは、前記トレイの両側に1対1に対応する。
【0012】
前記サポートベースに空気浮上チャネルが設けられ、前記空気浮上チャネルは、二つの前記温度調節チャネルの間に配置され、二つの前記温度調節チャネルは、前記空気浮上チャネルを軸として対称的に配置される。
【0013】
前記サポートベースは、第一サブセクション及び第二サブセクションを含み、前記第一サブセクション及び前記第二サブセクションは組み合わされて接続され、前記温度調節チャネルは、前記第一サブセクションと前記第二サブセクションの接合部に位置し、前記第一サブセクションと前記第二サブセクションの組み合わせで構成される。
【0014】
前記温度調節チャネルに導入される冷却媒体の流量は、1L /minより少ない。
【0015】
前記サポートベースの数量は、複数であり、複数の前記サポートベースが、前記エピタキシャル成長装置の軸方向に垂直な方向に沿って順番に積み重ねられて配置される。
【0016】
前記加熱体は、支持部材をさらに含み、前記支持部材は、二つの隣接する前記サポートベースの間に配置される。
【0017】
本発明は、エピタキシャル成長装置を提供する。エピタキシャル成長装置は、上記のエピタキシャル成長装置の加熱体を含む。
【0018】
本発明のエピタキシャル成長装置の加熱体は、関連技術と比較して、以下の有益な効果を有する。
【0019】
本発明は、サポートベースに温度調節チャネルを設置することにより、温度調節チャネルに対応するトレイの局所区域の温度を調節でき、ひいては、基板の温度のバランスをとるようになる。それによって、基板に成長されるエピタキシャル層の厚さ及び生成された材料のドーピング分布に均一にならせ、製品の品質を向上する。そして、温度調節チャネルに温度制御媒体を入力することによって、複数のサポートベースの間の相対温度を調節でき、複数のトレイの間の温度差を低減し、複数の基板の温度分布が均一かつ一致することを確保し、同じバッチの製品の差異を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一つの実施形態から提供されたエピタキシャル成長装置の部分構造を示す図である。
図2図1のエピタキシャル成長装置の左側断面図である。
図3図1のエピタキシャル成長装置の正面断面図である。
図4図1のエピタキシャル成長装置の上面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態における図面を参照して、本発明の実施形態における技術方案を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明された実施形態は、本発明の実施形態の一部だけであり、すべての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0022】
コンポーネントが他のコンポーネントに「取り付けられる」と呼ばれる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接的に取り付けてもよく、第三コンポーネントを介して、他のコンポーネントに取り付けてもよい。コンポーネントが他のコンポーネントに「設置される」と見なされる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接的に設置してもよく、第三コンポーネントを介して、他のコンポーネントに設置してもよい。コンポーネントが他のコンポーネントに「固定される」と言われる場合、そのコンポーネントは他のコンポーネントに直接的に固定してもよく、第三コンポーネントを介して、他のコンポーネントに固定してもよい。
【0023】
特に明記されていない限り、本発明で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を持つ。本発明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。本発明で使用される「及び/または」という用語は、一つ又は複数の関連するリストされた事項の任意又はあらゆる組み合わせを含む。
【0024】
本発明では、エピタキシャル成長装置100は、加熱体1及び誘導コイルを含み、誘導コイルが加熱体1の外側を取り囲んで配置される。加熱体1は、誘導コイルの電磁誘導により熱を発生し、基板を加熱する。もちろん、他の実施形態では、加熱体1の加熱方法は、これに限定されず、例えば、加熱体は、電気エネルギーによっても加熱することができ、ここで限定されない。
【0025】
図1~4を参照すると、本発明は、エピタキシャル成長装置100の加熱体1を提供する。加熱体1は、サポートベース11及びトレイ2を含む。サポートベース11は、エピタキシャル成長装置100の軸方向に沿って伸びる。トレイ2は、サポートベース11に取り付けられ、基板を支持するために使用される。サポートベース11は、誘導コイルとの電磁誘導によって熱を発生し、それによってトレイ2を加熱し、トレイ2は、熱を基板に伝達し、基板を加熱する。サポートベース11は、温度調節チャネル3を備え、温度調節チャネル3に温度制御媒体を入力することができる。温度制御媒体は、冷却媒体であってもよく、加熱媒体であってもよく、温度調節チャネル3の周囲の温度を制御し、トレイの局部位置の温度を調整するようになる。
【0026】
温度調節チャネル3を設置することにより、複数のサポートベース11の間の相対温度を調節でき、複数のトレイ2の間の温度差を低減し、複数の基板の温度分布が均一かつ一致することを確保し、同じバッチの製品の差異を減らすようにすることができる。更に、温度調節チャネル3を設置することにより、トレイが温度調節チャネルに対応する周辺区域の温度も調節でき、それによって、トレイの局部の温度を調節でき、トレイの各区域の温度のバランスをとるようになる。従って、基板に成長されるエピタキシャル層が均一に成長し、厚さが均一になり、製品の品質を効果的に向上させることができる。
【0027】
具体的には、温度調節チャネル3は、トレイ2のエッジに配置され、サポートベース11に垂直な方向に沿って、温度調節チャネル3の一部がトレイ2に投影される。温度調節チャネル3を設置することにより、温度調節チャネル3に対応するトレイ2のエッジの温度を調節することができ、トレイ2のエッジと中心との温度差を低減することができ、それによって、基板の中心と基板のエッジとの温度のバランスをとることができる。従って、基板に成長されるエピタキシャル層のエッジと中央の厚さ、及び生成された材料のドーピング分布に均一にならせ、製品の品質を向上するようになる。
【0028】
任意に、一つの実施形態では、温度調節チャネル3の数量は1つであり、且つ温度調節チャネル3の一部はリング状に配置される。リング状の温度調節チャネル3は、対応してトレイ2のエッジを取り囲む。冷却媒体が温度調節チャネル3に導入されると、トレイ2のエッジ区域が冷却されるため、トレイ2のエッジの温度と中心の温度は大体一致する。さらに、基板のエッジと中心の温度分布のバランスが取れ、基板の温度を調整でき、エピタキシャル層の生産品質の向上に役立つ。もちろん、他の実施形態では、温度調節チャネル3の具体的な構造及び数量は、これに限定されず、例えば、複数の温度調節チャネル3を設置してもよく、且つ温度調節チャネル3は、曲形に分布される。
【0029】
具体的には、温度調節チャネル3は、順番に連通される第一セグメント、第二セグメント及び第三セグメントを含む。第二セグメントの両端は、それぞれ第一セグメント及び第三セグメントに接続される。第一セグメント及び第三セグメントは、それぞれエピタキシャル成長装置100の軸方向に沿って伸び、第二セグメントは、リング状に配置され、リング状の第二セグメントは、トレイ2のエッジに配置される。冷却媒体は、第一セグメントの入口を通って温度調節チャネル3に入り、第二セグメントを通過する時に、トレイ2のエッジを冷却し、次に冷却媒体は、第三セグメントから排出する。分段して温度調節チャネル3を設置することによって、冷却媒体の入力と出力が容易になる。且つトレイ2のエッジの温度が高い位置を正確に冷却するために、トレイ2のエッジに対応するリング状の第二セグメントを設置することにより、対応する位置の温度調整を実現するようになる。
【0030】
一つの実施形態では、図1、2、及び4を参照すると、温度調節チャネル3の数量は、二つであり、二つの温度調節チャネル3は、トレイ2の両側に1対1に対応し、それによってトレイ2の両側の温度を調整する。二つの温度調節チャネル3は、エピタキシャル成長装置100の軸方向に沿って伸び、エピタキシャル成長装置100の外側のパイプラインと協調して、冷却媒体を入力及び出力することに便利である。
【0031】
図1~4を参照し続けて、サポートベース11に取り付けスロット13が設けられ、取り付けスロット13の軸心に位置決めポスト14が配置され、位置決めポスト14が第一方向に沿って伸びる。トレイ2は、位置決めポスト14に回転可能に配置され、且つトレイ2と位置決めポスト14は、同軸に配置される。
【0032】
図2を参照し続けて、サポートベース11に空気浮上チャネル4が設けられ、空気浮上チャネル4は、それぞれ、取り付けスロット13及び加熱体1の外側と連通する。トレイ2の底部にいくつかのストリップ溝(図示せず)がらせん状に分布される。真空条件下で、空気浮上チャネル4に小流量のガスを導入し、ガスは、トレイ2を駆動して、トレイ2に浮遊させ、位置決めポスト14を中心として円周方向に回転させる。それによって、トレイ2に配置された基板を回転させ、エピタキシャル成長のプロセスに基板が均一に加熱され、基板のガス分布が均一になるようにし、エピタキシャル層の厚さの均一性を実現する。具体的には、複数の空気浮上チャネル4に導入される不活性ガスの流量が同じである場合、対応するトレイ2の回転速度が同じであり、これにより、複数のトレイ2の温度の均一性及びガス流量の均一性を効果的に高めることができる。ひいては、複数の基板に成長されたエピタキシャル層の厚さが均一になり、同じバッチの製品の品質が同じになる。空気浮上チャネル4は、二つの温度調節チャネル3の間に配置され、二つの温度調節チャネル3は、空気浮上チャネル4を軸として対称的に配置される。
【0033】
任意に、温度調節チャネル3に導入される冷却媒体の流量は、1L /minより少なく、冷却媒体の流量が多すぎると、トレイ2の局所の冷却を増加させ、基板のエッジと中心の温度差を増加することを防止するようになる。もちろん、他の実施形態において、温度調節チャネル3に導入される冷却媒体の流量は、1L/minに限定されず、具体的には、基板のエッジと中心の温度差に応じて、温度調節チャネル3に導入される冷却媒体の流量を調整する。
【0034】
さらに、サポートベース11は、第一サブセクション(図示せず)及び第二サブセクション(図示せず)を含み、第一サブセクション及び第二サブセクションは組み合わされて接続される。温度調節チャネルは、第一サブセクションと第二サブセクションの接合部に位置し、第一サブセクションと第二サブセクションの組み合わせで構成される。温度調節チャネル3の構造が複雑である場合、それぞれ、第一サブセクションと第二サブセクションに加工し、次に第一サブセクションと第二サブセクションを組み合わせて接続し、温度調節チャネル3を形成し、加工プロセスを簡略化し、加工難度を低減するようになる。
【0035】
具体的には、例えば、第一サブセクションに第一溝を形成し、第二サブセクションの第一溝と反対側の表面に第二溝を形成し、第二溝と第一溝を組み合わせて温度調節チャネル3を形成する。温度調節チャネル3の構造が複雑である場合、例えば、温度調節チャネル3がリング状である時、サポートベース11の内部で温度調節チャネル3を直接的に加工して形成することは非常に困難である。それぞれ第一溝及び第二溝を形成し、次に第一溝と第二溝を組み合わせて温度調節チャネル3を形成することによって、温度調節チャネル3の加工困難さを大幅に低減することができる。もちろん、他の実施形態では、温度調節チャネル3の加工方法は、これに限定されない。
【0036】
さらに、図1及び図2を参照すると、本発明の加熱体1は、少なくとも1つの反応室5を有し、サポートベースのトレイ2を支持する表面は、反応室5の空洞壁である。反応ガスは、反応室5に導入され、反応を行って、基板にエピタキシャル層を形成する。
【0037】
図1~3を参照すると、加熱体1に複数の反応室5が設けられる場合、各反応室5には対応して一つのサポートベース11が設けられ、隣接する二つの反応室5は一つのサポートベース11を共用する。例えば、エピタキシャル成長装置100の軸方向に垂直な方向において、サポートベース11のトレイ2を支持する一方の表面は、前の反応室5の空洞壁であり、サポートベース11の反対側の表面は、隣接する次の反応室5の空洞壁である。二つの反応室5が一つのサポートベース11を共用することは、サポートベース11によって生成された熱を最大限に活用し、熱エネルギーの利用率を高めることができる。
【0038】
誘導コイルの軸方向(即ち、エピタキシャル成長装置100の軸方向)に沿って、誘導コイルに形成される磁場の強度が異なる。複数の反応室5が誘導コイルの軸に沿って、積み重ねられて配置される場合、複数の反応室5が配置される磁場が異なるので、複数の反応室5の対応するトレイ2の温度に大きな違いがあり、その結果、エピタキシャル成長装置100によって製造された同じバッチの製品の品質に大きな違いが生じる。図1~3を参照し続けると、本発明では、複数のサポートベース11が、エピタキシャル成長装置100の軸方向に垂直な方向に沿って順番に積み重ねられて配置され、複数のサポートベース11は、同じ磁場区域に配置され、且つ複数のサポートベースは、一つの誘導コイルを共用する。それによって、複数のサポートベース11の間の温度差を低減し、対応する複数のトレイ2の温度バランスを確保し、製品の品質を向上させ、同じバッチの製品の差異を減らす。もちろん、他の実施形態では、複数のサポートベース11が積み重ねられて配置される方向は、上記の方向に限定されず、誘導コイルの軸方向に沿って積み重ねて配置してもよい。
【0039】
一つの実施形態では、図1~3を参照し続けると、加熱体1は、取り囲んで配置された複数のサブ加熱ベース12から形成され、サブ加熱ベース12は、誘導コイルの電磁誘導を受けて熱を発生させることができ、反応室5に供給する熱が十分であることを確保し、加熱体1の加熱能力を高めるようになる。トレイ2を支持するためのサブ加熱ベースは、上記のサポートベース11であり、隣接する二つのサブ加熱ベースが取り囲むことによって、反応室5を形成する。
【0040】
具体的には、図1~2を参照し続けて、加熱体1は、3つのサブ加熱ベース12を含み、それぞれ第一サブ加熱ベース121、第二サブ加熱ベース122及び第三サブ加熱ベース123である。隣接する二つのサブ加熱ベース12が取り囲むことによって、反応室5を形成する。第二サブ加熱ベース122と第三サブ加熱ベース123は、トレイ2を支持するために使用される。即ち、第二サブ加熱ベース122と第三サブ加熱ベース123は、サポートベース11である。もちろん、他の実施形態では、加熱体1の具体的な構造は、上記又は図に示されるものに限定されず、例えば、加熱体1は、一体構造であってもよい。
【0041】
また、加熱体1は軸対称構造であり、加熱体1の全体が誘導コイルの軸を中心にほぼ対称に分布し、複数の反応室5の間の温度差を低減するようになる。具体的には、図1及び図2を参照すると、第一サブ加熱ベース121と第三サブ加熱ベース123の形状は同じである。例えば、第一サブ加熱ベース121と第三サブ加熱ベース123の形状は、どちらも三日月形であり、第二サブ加熱ベース122は平板構造である。第一サブ加熱ベース121と第三サブ加熱ベース123は、ほぼ円筒構造に囲まれる。円筒構造の側壁は、誘導コイルの側面に十分に接近するので、誘導コイルとサブ加熱ベース12は、良好な磁気結合を有する。もちろん、他の実施形態では、第一サブ加熱ベース121と第三サブ加熱ベース123の形状は、これに制限されず、例えば、第一サブ加熱ベース121、第二サブ加熱ベース122、第三サブ加熱ベース123の形状はすべて異なり、第二サブ加熱ベース122は三日月形であり、第三サブ加熱ベース123は平板形状であり、且つ第三サブ加熱ベース123は、第二サブ加熱ベース122によって支持される。他の実施形態では、サブ加熱ベース123の形状は、上記又は図面に示されるものに限定されず、他の形状であってもよいことが理解できる。
【0042】
任意選択で、誘導コイルの軸に垂直な方向に沿って、加熱体1の頂部及び底部に位置するサブ加熱ベース12に貫通穴7が形成され、貫通穴7は、誘導コイルの軸に沿って伸びる。貫通穴7の形成は、加熱ベースの重量を減らし、サブ加熱ベース12の熱慣性を低減するのに有利であることが理解できる。さらに、貫通穴7に沿ってガスを導入することにより、貫通穴7の内壁から落下する粒子を取り出すことができ、サブ加熱ベース12の温度を微調整することもできる。具体的には、図1及び図2に示すように、第一サブ加熱ベース121及び第三サブ加熱ベース123に貫通穴7が形成される。
【0043】
図1及び図2を参照すると、加熱体1は、支持部材6をさらに含む。支持部材6は、二つの隣接するサブ加熱ベース12の間に配置され、反応室5の側壁を形成する。支持部材6は、サブ加熱ベース12を支持し、及び/又は反応室5の高さを調整する。
【0044】
また、本発明は、上記のいずれか一種のエピタキシャル成長装置100の加熱体1を含むエピタキシャル成長装置100を提供する。
【0045】
さらに、エピタキシャル成長装置100は、保温シリンダー8及び誘導コイルをさらに含む。加熱体1は、保温シリンダー8の内部に設置される。保温シリンダー8は、加熱体1を外部環境から断熱し、熱損失を低減することに役立ち、加熱体1のシール性能を向上することができる。また、誘導コイルは、保温シリンダー8の外側を取り囲んで配置される。
【0046】
保温シリンダー8は、第一断熱ブランケット81、第二断熱ブランケット82及び二つのエンドキャップ83を含む。二つのエンドキャップ83は、第一断熱ブランケット81及び第二断熱ブランケット82の両端で覆われる。二つのエンドキャップ83、第一断熱ブランケット81及び第二断熱ブランケット82は、取り囲んで保温シリンダー8を形成する。 任意選択で、第一断熱ブランケット81に第一ステップ84が形成され、第二断熱ブランケット82に第一ステップ84に対応する第二ステップ85が形成される。組み立てる時に、第一ステップ84と第二ステップ85は、第一断熱ブランケット81と第二断熱ブランケット82とを合わせて保温シリンダー8を形成するために、互いに嵌合する。もちろん、他の実施形態では、第一断熱ブランケット81と第二断熱ブランケット82の接続方式は、これに限定されず、例えば、第一断熱ブランケット81及び第二断熱ブランケット82は、一体構造又はバックル構造などの他の接続構造によって接続される。
【0047】
上記実施形態の技術的特徴は任意に組み合わせることができる。説明を簡潔にするために、上記実施形態における様々な技術的特徴のすべての可能な組み合わせは記載されていない。ただし、これらの技術的機能の組み合わせは、矛盾がない限り、本明細書の記載の範囲と見なすべきである。
【0048】
上記の実施形態は、本発明のいくつかの実施形態を表すだけであり、その説明が比較的具体的かつ詳細であるが、それらは、本発明の特許の範囲に対する限定に理解されるべきではない。当業者であれば、本発明の技術構成の趣旨や範囲を逸脱しない前提下で、いろいろな更正及び変形を行なうことができる。これらの更正及び変形は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲は、添付されたクレームをよりどころとする。
【符号の説明】
【0049】
100 エピタキシャル成長装置
1 加熱体
11 サポートベース
12 サブ加熱ベース
121 第一サブ加熱ベース
122 第二サブ加熱ベース
123 第三サブ加熱ベース
13 取り付けスロット
14 位置決めポスト
2 トレイ
3 温度調節チャネル
4 空気浮上チャネル
5 反応室
6 支持部材
7 貫通穴
8 保温シリンダー
81 第一断熱ブランケット
82 第二断熱ブランケット
83 エンドキャップ
84 第一ステップ
85 第二ステップ
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】