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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】中枢神経系への分子輸送系
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/08 20060101AFI20230727BHJP
   A61K 47/64 20170101ALI20230727BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230727BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230727BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230727BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230727BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20230727BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230727BHJP
   A61K 49/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
C07K7/08 ZNA
A61K47/64
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61K45/00
A61K48/00
A61K39/395 C
A61K39/395 L
A61K49/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556681
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-17
(86)【国際出願番号】 US2021022979
(87)【国際公開番号】W WO2021188802
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/991,465
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501228071
【氏名又は名称】エスアールアイ インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】SRI International
【住所又は居所原語表記】333 Ravenswood Avenue, Menlo Park, California 94025, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン キャスリン シー
(72)【発明者】
【氏名】マグワイア マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェヌゴパル インドゥ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076BB13
4C076CC01
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF34
4C076FF68
4C084AA13
4C084AA17
4C084MA16
4C084MA66
4C084NA11
4C084NA13
4C084ZA021
4C084ZA022
4C084ZA161
4C084ZA162
4C085AA25
4C085EE01
4C085GG02
4C085HH01
4C085KB82
4C085LL13
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA16
4H045BA17
4H045BA42
4H045BA54
4H045BA57
4H045BA62
4H045BA70
4H045BA71
4H045BA72
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA21
4H045FA58
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
MTSペプチド又は標的化ペプチドが、本明細書で開示される。配列番号1~12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むMTSペプチドが開示される。ペプチドを含む組成物であって、ペプチドが、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含む、組成物が開示される。MTSペプチドを使用する方法も開示される。例えば、カーゴをCNSに輸送する方法であって、開示される組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴにコンジュゲート化されたペプチドが、CNSに入る、方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチドであって、
DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)
DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)、
NQEYQHHKIKVRPSHQ(配列番号3)、
FPSWTSKNQQWTNQRQ(配列番号4)、
AHMSQKRLPHQVHQHQ(配列番号5)、
AGNKYEYTMHQKHNK(配列番号6)、
SKETYSMNAQRQHERS(配列番号7)、
HRYDADRHHSFTPQYH(配列番号8)、
NEEMHQAQRHHVQW(配列番号9)、又は
ALEPWGYKQVIKMAPN(配列番号10)のアミノ酸配列を含む、ペプチド。
【請求項2】
前記ペプチドが、N末端保護基を有する、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
前記N末端保護基が、アセチル基である、請求項2に記載のペプチド。
【請求項4】
前記ペプチドが、リンカーを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項5】
前記リンカーが、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーである、請求項4に記載のペプチド。
【請求項6】
前記PEGリンカーが、PEG11である、請求項5に記載のペプチド。
【請求項7】
前記リンカーが、前記ペプチドのC末端上にある、請求項4~6のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項8】
カーゴにコンジュゲート化された第1の分子輸送系(MTS)ペプチドを含むペプチドであって、前記第1のMTSペプチドが、
DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)
DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)、
NQEYQHHKIKVRPSHQ(配列番号3)、
FPSWTSKNQQWTNQRQ(配列番号4)、
AHMSQKRLPHQVHQHQ(配列番号5)、
AGNKYEYTMHQKHNK(配列番号6)、
SKETYSMNAQRQHER(配列番号7)、
HRYDADRHHSFTPQYH(配列番号8)、
NEEMHQAQRHHVQW(配列番号9)、又は
ALEPWGYKQVIKMAPN(配列番号10)のアミノ酸配列を含む、ペプチド。
【請求項9】
前記カーゴが、タンパク質、ペプチド、核酸、抗体、又は化合物である、請求項8に記載のペプチド。
【請求項10】
前記化合物が、撮像剤である、請求項9に記載のペプチド。
【請求項11】
前記カーゴが、治療薬である、請求項9に記載のペプチド。
【請求項12】
前記ペプチドが、第2のMTSペプチドを更に含む、請求項8~11のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項13】
前記第2のMTSペプチドが、前記第1のMTSペプチドと同じである、請求項12に記載のペプチド。
【請求項14】
ペプチドを含む組成物であって、前記ペプチドが、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含み、前記第1のMTSペプチドが、
DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)
DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)、
NQEYQHHKIKVRPSHQ(配列番号3)、
FPSWTSKNQQWTNQRQ(配列番号4)、
AHMSQKRLPHQVHQHQ(配列番号5)、
AGNKYEYTMHQKHNK(配列番号6)、
SKETYSMNAQRQHER(配列番号7)、
HRYDADRHHSFTPQYH(配列番号8)、
NEEMHQAQRHHVQW(配列番号9)、又は
ALEPWGYKQVIKMAPN(配列番号10)のアミノ酸配列を含む、組成物。
【請求項15】
前記カーゴが、タンパク質、ペプチド、核酸、抗体、又は化合物である、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記化合物が、撮像剤である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記カーゴが、治療薬である、請求項154に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、薬学的に許容される担体を更に含む、請求項14~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記MTSが、N末端保護基を有する、請求項14~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記N末端保護基が、アセチル基である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポリペプチドが、前記第1のMTSペプチドとカーゴとの間にリンカーを含む、請求項14~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記リンカーが、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーである、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記ペプチドが、第2のMTSペプチドを更に含む、請求項14~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記第2のMTSペプチドが、前記第1のMTSペプチドと同じである、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
カーゴを対象のCNSに輸送する方法であって、請求項14~24に記載の組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴにコンジュゲート化された前記ペプチドが、前記CNSに入る、方法。
【請求項26】
前記カーゴにコンジュゲート化されたペプチドが、脈絡叢に入る、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記ポリペプチドが、CSFに入る、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項28】
前記CSFが、前記CNSを通って前記カーゴを輸送する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記カーゴが、前記CNS内で機能的活性を保持する、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
投与することが、静脈内投与である、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
対象においてCNS障害又は損傷を治療する方法であって、請求項1~24に記載のペプチド又は組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記カーゴが、CNS障害又は損傷の治療薬である、方法。
【請求項32】
前記CNS障害又は損傷が、パーキンソン病、アルツハイマー病、膠芽腫、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、又は外傷性脳損傷である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記CNS障害の治療薬が、抗体又は遺伝子療法である、請求項31又は32に記載の方法。
【請求項34】
対象のCNSを撮像する方法であって、請求項1~24に記載のペプチド又は組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、前記カーゴが、撮像剤である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月18日に出願された米国仮特許出願第62/991,465号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表への参照
2021年3月16日に作成され、3,389バイトのサイズを有する「37794_0096P1_Sequence_Listing.txt」という名称のテキストファイルとして2021年3月18日に提出された配列表は、米国特許規則1.52(e)(5)に従って参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
中枢神経系(CNS)へのアクセスは、神経治療薬の開発において、ボトルネックである。このことは、中枢神経系(CNS)を保護する一連の特殊かつ高度に選択的な細胞関門である血液脳関門(BBB)に起因する。通常の生理学の下では必要であるが、BBBは、神経治療薬等の多くの化学エンティティの脳への侵入を防ぐ。その結果、小分子薬物の5%未満が、BBBを通過する。更に、抗体及び遺伝子療法等のより新しい生物学的療法は、BBBに起因して、CNSから本質的に除外される。100年以上前にBBBが発見されたのにもかかわらず、CNSへの送達のための一般的な解決策は作られていない。このため、多くのCNS障害には治療の選択肢がない。
【0004】
現時点で、他のものがCNSへの送達に使用されるアプローチはいくつか存在する。1つのアプローチは、BBB透過性化合物を使用することである。BBB透過性化合物を使用する際の問題点は、BBB透過性化合物が、生体分布特性が悪く、オフターゲット効果を有する傾向があることである(多くの場合、高度に脂質可溶性である傾向があるため)。また、小分子の5%未満しかBBBを透過しないため、BBB透過性化合物はほとんど存在しない。BBB透過性薬剤は、適応症も限定的である。
【0005】
CNSにアクセスするための別のアプローチは、脊髄又は脳への直接注射によるものである。この方法は、侵襲的であり、周囲の組織に対する構造的損傷のリスクがあり、感染のリスクも増加する。
【0006】
BBBの破壊は、使用される別の方法である。この方法は、CNSへの化合物、細胞、及び病原体の大量輸送を可能にする。この方法は、構造的損傷に加え、神経細胞の機能障害を引き起こす可能性がある。
【0007】
鼻腔内送達も使用されてきた。この方法は、親油性の小分子薬物に限定される。鼻腔内送達は、CNSを介した分布が良くないことが示されている。更に、鼻腔内送達は、用量と患者との間で吸収が変動する。
【0008】
受容体媒介性送達(トロイの木馬)法も使用されてきた。この方法は、多くの場合、単一のカーゴに対してしか有効ではないため、普遍性を欠いている。受容体は、複数の組織内で発現することができ、CNSにおける取り込みが悪く、毒性がある。更に、ほとんどの受容体媒介性送達は、BBBを通って送達されると細胞特異性を有しておらず、CNS全体への分布は、一貫していない。
【0009】
CNSへの薬物及び巨大分子の輸送に影響を与える固有の開発機会を与える、血液脳脊髄液関門を超えてカーゴを輸送するための既知の脈絡叢輸送剤又は代替的な方法は存在しない。したがって、CNSを標的化するための組成物及び方法が本明細書で開示される。
【発明の概要】
【0010】
カーゴをCNSの細胞に分配することができる様々な機能的カーゴを脳脊髄液内に保有することができる分子輸送系(MTS)ペプチドを特定するための脈絡叢の生理学を利用する選択プラットフォームが本明細書に記載される。脳に対するカーゴ(例えば、生物学的に活性なカーゴ)のCNS送達のためのMTSペプチドが本明細書で開示される。
【0011】
MTSペプチド又は標的化ペプチドが、本明細書で開示される。配列番号1~12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含むMTSペプチドが開示される。
【0012】
カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドを含むペプチドも開示される。
【0013】
ペプチドを含む組成物であって、ペプチドが、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含む、組成物が開示される。ペプチドを含む組成物であって、ポリペプチドが、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含み、第1のMTSペプチドが、配列番号1~12のうちのいずれか1つのアミノ酸配列を含む、組成物が開示される。
【0014】
カーゴをCNSに輸送する方法であって、開示される組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴにコンジュゲート化されたペプチドが、CNSに入る、方法が開示される。いくつかの態様において、カーゴにコンジュゲート化されたペプチドは、脈絡叢に入る。
【0015】
CNS障害又は損傷を治療する方法であって、開示されるペプチド又は組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴが、CNS障害又は損傷の治療薬である、方法が開示される。
【0016】
CNSを撮像する方法であって、開示されるペプチド又は組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴが、撮像剤である、方法が開示される。
【0017】
開示される方法及び組成物の追加の利点は、以下の説明に部分的に記載され、説明から部分的に理解されるか、又は開示される方法及び組成物の実施によって学習され得る。開示される方法及び組成物の利点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される要素及び組み合わせによって実現され、達成されるであろう。前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【0018】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、開示される方法及び組成物のいくつかの実施形態を例示し、説明とともに、開示される方法及び組成物の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】血管内皮関門(通常は血管脳関門(BBB)と称される)及び脈絡叢を有する脳の概略図を示す。CSF=脳脊髄液、CCSFB=脈絡膜脳脊髄液関門。
図2】CNSへの輸送点としての脈絡叢の重要な特徴を示す概略図である。窓形成した毛細血管の構造的特徴、及び脈絡叢上皮のトランスサイトーシス活性は、脈絡叢とBBBとの間の構造的差異の原因である。
図3】機能的輸送活性を媒介するMTSを特定するための偏りのない選択のための実験設計を示す。
図4】CNSに対するMTSのインビボ送達の確認のための実験設計を示す。
図5】MTS系がどのように開発されたかを示す。
図6】脈絡叢及び脳室におけるCPEC4ファージクローンの組織染色を示す。CPEC4ファージクローンは、CPEC4ペプチド(配列番号2)を発現するファージクローンである。
図7】脳における脳室系の外側のCPEC4ファージクローンの組織染色を示す。
図8】ペプチドエンジニアリングが、輸送能力を維持しつつ、溶解性及び安定性を改善することを示す。
図9】初代ヒト脈絡叢上皮細胞を使用したトランズウェルモデルが、CNS関門の特徴を維持することを示す。
図10】機能的輸送活性を媒介するMTSを特定するための偏りのない選択を示す。
図11】ヒト初代脈絡叢上皮細胞に対するトランズウェル選択を示す。
図12】インビトロ系におけるヒト脈絡叢細胞を介したCPEC4ファージクローン輸送の検証を示す。
図13】二量体CPEC4ペプチドを示す。
図14】インビトロ系におけるヒト脈絡叢細胞を介したCPEC4ファージクローン輸送の検証を示す。
図15】CPEC4ファージクローン及びMTS_CPEC4_V1が、インビトロ系においてラット脈絡叢を介して輸送されることを示す。CPEC4ファージクローンは、CPEC4ペプチド(配列番号2)を提示するファージクローンである。MTS_CPEC4_V1は、配列番号2の合成ペプチドである。
図16】CNSにおけるインビボ送達系の確認を示す。
図17】標的化されていない空のファージクローンと比較して、CPEC4ファージクローンが、ラットのCSFに優先的に蓄積することを示す。
図18】ラットのCSFにMTS-CPEC4_V2が蓄積することを示す。MTS_CPEC4_V2は、DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)の配列を有するMTSペプチドを含む。
図19】安定化の前後のMTS_CPEC4の差を示す。MTS_CPEC4は、DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)の配列を有するMTSペプチドを含む。
図20】イソアシルThr-Serジペプチドを使用したMTS_CPEC4_V2の合成を示す。MTS_CPEC4_V2は、DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)の配列を有するMTSペプチドを含む。
図21】MTS_CPEC4_V2二量体を使用した輸送率を示す。MTS_CPEC4_V1二量体は、各々がDGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)の配列を有する2つのMTSペプチドを含む。MTS_CPEC4_V2単量体は、DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)の配列を有するMTSを含む。MTS_CPEC4_V2二量体は、各々がDAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)の配列を有する2つのMTSペプチドを含む。
図22】MTS_CPEC4_V2が血清中で安定であることを示す。MTS_CPEC4_V2は、DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)の配列を有するMTSペプチドを含む。
図23】MTS_CPEC4_V2のインビボでの使用を示す。MTS_CPEC4_V2は、DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)の配列を有するMTSペプチドを含む。
図24】リードMTSペプチドのインビトロ及びインビボでの選択の実験設計である。
図25】MTS_Z310-2及びMTS_Z310-5ペプチドが、ラット脈絡叢上皮細胞を横切ってタンパク質カーゴを輸送することを示す。MTS_Z310-2は、FPSWTSKNQQWTNQRQ(配列番号4)の配列を有するMTSペプチドを含む。MTS_Z310-5は、SKETYSMNAQRQHERS(配列番号7)の配列を有するMTSペプチドを含む。
図26】MTS_Z310-5二量体ペプチドが、CSFに入り、脳の脳室系において観察されることを示す。MTS_Z310-5二量体ペプチドは、各々がSKETYSMNAQRQHERS(配列番号7)の配列を有する2つのMTSペプチドを含む。
図27】MTS_Z310-2二量体ペプチドが、CSFに入り、脳の脳室系において観察されることを示す。MTS_Z310-2は、各々がFPSWTSKNQQWTNQRQ(配列番号4)の配列を有する2つのMTSペプチドを含む。
図28】二量体MTSが、どのようにして一緒にコンジュゲート化され得るか、又はカーゴにコンジュゲート化され得るかを示す。
図29】MTSキメラ分子の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
開示される方法及び組成物は、特定の実施形態の以下の詳細な説明及びその中に含まれる実施例、並びに図面及びそれらの前後の説明を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0021】
開示される方法及び組成物は、別途指定されない限り、特定の合成方法、特定の分析技術、又は特定の試薬に限定されるものではなく、したがって、変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0022】
開示される方法及び組成物に使用することができ、それらと組み合わせて使用することができ、それらの調製に使用することができ、又はそれらの生成物である、材料、組成物、及び成分が開示される。これら及び他の材料を本明細書に開示し、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、群等を開示する場合、これらの化合物の様々な個別及び集合の組み合わせ及び順列のそれぞれの具体的な参照を明示的に開示していない場合があるが、それぞれが、本明細書に具体的に企図され、及び記載されることを理解されたい。例えば、あるペプチドが開示され、議論され、ペプチドを含むいくつかの分子に対して行われ得るいくつかの修飾が議論される場合、ペプチド及び可能な修飾のそれぞれ及び全ての組み合わせ及び順列が、特に反対のことを示されない限り、具体的に企図される。したがって、分子A、B、及びCの一種、及び分子D、E、及びFの一種、並びに組み合わせ分子の例が開示され、A-Dが開示される場合、各々が個別に列挙されない場合であっても、各々が、個別かつ集合的に企図される。したがって、この例であり、組み合わせA-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、及びC-Fの各々が、具体的に企図され、A、B、及びC;D、E、及びF、並びに組み合わせ例A-Dの開示から、開示されているとみなされるべきである。同様に、これらの任意のサブセット又は組み合わせも、具体的に企図され、開示される。したがって、例えば、A-E、B-F、及びC-Eのサブグループが、具体的に企図され、A、B、及びC;D、E、及びF、並びに組み合わせ例A-Dの開示から、開示されているとみなされるべきである。この概念は、限定されないが、開示される組成物を作製する方法及び使用する方法におけるステップを含む、本出願の全ての態様に適用される。したがって、実行され得る様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップのそれぞれは、開示される方法の任意の特定の実施形態又は実施形態の組み合わせとともに実行することができ、そのような組み合わせのそれぞれは、具体的に企図され、開示されたものとみなされるべきであることを理解されたい。
【0023】
A.定義
開示される方法及び組成物は、これらに記載される特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されるものではなく、変化し得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解されたい。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の参照物を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「ペプチド(a peptide)」との言及は、このような複数のペプチドを含み、「組成物(the composition)」との言及は、1つ以上の組成物、及び当業者に既知のその均等物等を参照する。
【0025】
本明細書で使用される場合、「治療する」は、ある疾患又は状態の影響を予防するか、若しくは遅らせるために、又はその疾患又は状態の影響を部分的若しくは完全に逆行させるために、その疾患又は状態を有するヒト又は他の哺乳動物(例えば、動物モデル)等の対象に本発明の組成物を投与することを意味する。いくつかの態様において、疾患又は状態は、CNSに関連する疾患若しくは状態、又はCNS障害若しくは損傷であり得る。治療は、ある疾患、障害、及び/若しくは状態と関連する病態が進行するリスクを減らすために、その疾患、障害、及び/若しくは状態の徴候を示さない対象、及び/又はその疾患、障害、及び/若しくは状態の初期の徴候のみを示す対象に対して行ってもよい。いくつかの実施形態において、治療は、開示される組成物のうちの1つ以上を対象に送達することを含む。
【0026】
本明細書で使用される場合、「予防する」は、ある疾患、障害、又は状態を発症しやすさが増加した対象が、その疾患、障害、又は状態を発症する可能性を最小限に抑えることを意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、投与の標的、例えば、ヒトを指す。したがって、開示される方法の対象は、哺乳動物、魚類、鳥類、爬虫類、又は両生類等の脊椎動物であり得る。「対象」という用語はまた、家畜動物(例えば、ネコ、イヌ等)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ等)、及び実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエ等)を含む。一態様において、対象は、哺乳動物である。別の態様において、対象は、ヒトである。この用語は、特定の年齢又は性別を示すものではない。したがって、男性であるか、又は女性であるかを問わず、成人、子供、思春期、及び新生児の対象、並びに胎児を網羅することが意図されている。
【0028】
本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、疾患又は障害に罹患している対象を指す。「患者」という用語は、ヒト及び獣医学的対象を含む。開示される方法のいくつかの態様において、「患者」は、投与ステップの前に治療の必要性があると診断されている。いくつかの態様において、患者及び対象は、相互に置き換え可能に使用することができる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸配列」という用語は、アミノ酸残基を表す略語、文字、字又は単語のリストを指す。本明細書で使用されるアミノ酸の略語は、アミノ酸のための従来の1文字コードであり、以下のように表される。A、アラニン;C、システイン;D、アスパラギン酸;E、グルタミン酸;F、フェニルアラニン;G、グリシン;H、ヒスチジン;I、イソロイシン;K、リシン;L、ロイシン;M、メチオニン;N、アスパラギン;P、プロリン;Q、グルタミン;R、アルギニン;S、セリン;T、トレオニン;V、バリン;W、トリプトファン;Y、チロシン。
【0030】
本明細書で使用される「ポリペプチド」は、任意のペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、遺伝子産物、発現産物、又はタンパク質を指す。ポリペプチドは、連続したアミノ酸で構成される。「ポリペプチド」という用語は、天然に存在する分子又は合成分子を包含する。
【0031】
これに加えて、本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合又は修飾ペプチド結合(例えば、ペプチドアイソステア)によって互いに接続されたアミノ酸を指し、20種類の遺伝子コードアミノ酸以外の修飾アミノ酸を含有してもよい。ポリペプチドは、翻訳後プロセシング等の天然プロセス、又は当該技術分野において周知の化学修飾技術のいずれかによって修飾することができる。修飾は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、及びアミノ末端又はカルボキシル末端を含む、ポリペプチドのいずれかの場所で生じ得る。同じ種類の修飾は、所与のポリペプチド中のいくつかの部位に同じ程度に、又は異なる程度に存在し得る。また、所与のポリペプチドは、多くの種類の修飾を有し得る。修飾としては、限定されないが、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、共有結合性架橋若しくは環化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド若しくはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質若しくは脂質誘導体の共有結合、ホスフィチジルイノシトールの共有結合、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、システイン又はピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストリル化、酸化、ペルグ化(pergylation)、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、及びタンパク質に対するアミノ酸のトランスファーRNA媒介性付加、例えば、アルギニル化が挙げられる。(Proteins -Structure and Molecular Properties 2nd Ed.,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Company,New York(1993)、Posttranslational Covalent Modification of Proteins,B.C.Johnson,Ed.,Academic Press,New York,pp.1-12(1983)を参照されたい)。
【0032】
本明細書で使用される「核酸配列」という語句は、DNA若しくはRNA、又はDNA-RNAハイブリッド、一本鎖若しくは二本鎖、センス、若しくはアンチセンスであるかを問わず、ワトソン-クリック塩基対形成によって相補的核酸にハイブリダイゼーションすることが可能な、天然に存在するか、又は合成のオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを指す。本発明の核酸配列には、ヌクレオチド類似体(例えば、BrdU)、及び非ホスホジエステルヌクレオシド間結合(例えば、ペプチド核酸(PNA)又はチオジエステル結合)も含まれ得る。特に、核酸配列には、限定されないが、DNA、RNA、cDNA、gDNA、ssDNA、dsDNA、又はそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
【0033】
本明細書で使用される場合、組成物の「有効量」は、所望の効果を提供するのに十分な組成物の量を意味することを意味する。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢、及び全身状態、治療される疾患(又はその基礎となる遺伝子欠損)の重症度、使用される特定の化合物、その投与様式等に応じて、対象毎に異なる。したがって、正確な「有効量」を指定することはできない。しかしながら、適切な「有効量」は、日常的な実験のみを使用して、当業者によって決定され得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、「選択的に結合する」とは、核酸配列(例えば、カーゴ)又はMTSが、その標的(例えば、特定の細胞型)を認識し、物理的に相互作用し、他の標的を有意に認識したり、相互作用したりしないことを意味する。
【0035】
「相同性パーセント(%)」という用語は、本明細書において「同一性パーセント(%)」という用語と相互に置き換え可能に使用され、配列アラインメントプログラムを使用して野生型配列又は目的の配列とアラインメントしたときの核酸又はアミノ酸配列同一性のレベルを指す。例えば、本明細書で使用される場合、80%相同性は、定義されたアルゴリズムによって決定される80%配列同一性と同じものを意味し、したがって、所与の配列の相同性は、所与の配列の長さ全体にわたって80%を超える配列同一性を有する。例示的なレベルの配列同一性としては、限定されないが、所与の配列、例えば、本明細書に記載のMTS配列のいずれかに対する80、85、90、95、98%、又はそれより大きい配列同一性が挙げられる。2つの配列間の同一性を決定するために使用することができる例示的なコンピュータプログラムとしては、限定されないが、一連のBLASTプログラム、例えば、インターネット上で公的に利用可能なBLASTN、BLASTX、及びTBLASTX、BLASTP及びTBLASTNが挙げられる。また、Altschul, et al.,1990 and Altschul,et al.,1997も参照されたい。配列検索は、典型的には、GenBank DNA Sequences及び他の公的なデータベース中の核酸配列と比較して所与の核酸配列を評価するときに、BLASTNプログラムを使用して行われる。BLASTXプログラムは、GenBank Protein Sequences及び他の公的なデータベース中のアミノ酸配列に対して、全てのリーディングフレーム中で翻訳された核酸配列を検索するのに好ましい。BLASTN及びBLASTXは両方とも、オープンギャップペナルティ11.0及び拡張ギャップペナルティ1.0のデフォルトパラメータを使用して実行され、BLOSUM-62マトリックスを利用する。(例えば、Altschul,S.F.,et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402,1997を参照されたい。)選択された配列の好ましいアラインメントは、2つ以上の配列間の「同一性%」を決定するために、例えば、オープンギャップペナルティ10.0及び拡張ギャップペナルティ0.1を含むデフォルトパラメータと、BLOSUM 30類似性マトリックスを用いて操作されるMac Vectorバージョン13.0.7のCLUSTAL-Wプログラムを使用して行われる。
【0036】
置換、欠失、挿入、又はそれらの任意の組み合わせを使用して、最終的な誘導体、バリアント、又は類似体に到達することができる。一般に、これらの変化は、分子の変化を最小限に抑えるために、いくつかのヌクレオチド上で行われる。しかしながら、特定の状況において、より大きな変化が許容される場合がある。
【0037】
一般に、個々のバリアント配列間のヌクレオチド同一性は、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%であり得る。したがって、「バリアント配列」は、本発明の親配列又は参照配列(例えば、野生型配列)に対して特定の同一性を有するものであってもよく、限定されないが、親配列の特異性及び/又は活性の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を含め、生物学的機能を共有する。例えば、「バリアント配列」は、本発明の親配列又は参照配列と比較して、1、2、又は3、4個のヌクレオチド塩基変化を含有し、親配列の生物学的機能、特異性及び/又は活性を共有又は改善する配列であり得る。したがって、「バリアント配列」は、本発明の親配列に対して特定の同一性を有するものであってもよく、限定されないが、親配列の特異性及び/又は活性の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を含め、生物学的機能を共有する。バリアント配列はまた、参照配列(例えば、MTS配列)の特異性及び/又は活性の少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%を共有することができる。
【0038】
「任意選択的な」又は「任意選択的に」は、その後に記載される事象、状況、又は材料が、起こっても起こらなくてもよく、又は存在しても存在しなくてもよいこと、また、その説明が、その事象、状況、又は材料が起こるか、又は存在する場合、並びにそれらが起こらないか、又は存在しない場合を含むことを意味する。
【0039】
範囲は、本明細書において、「約」1つの特定の値から、及び/又は「約」別の特定の値までとして表現され得る。そのような範囲が表現される場合、文脈によって特にそうではないと示されない限り、1つの特定の値から、及び/又は他の特定の値までの範囲が具体的に企図され、開示されているとみなされる。同様に、値が近似値として表現される場合、先行する「約」の使用によって、特定の値は、文脈によって特にそうではないと示されない限り、開示されるとみなされるべきである別の具体的に企図される実施形態を形成することが理解される。範囲の各々の端点は、文脈によって特にそうではないと示されない限り、他の端点との関係において、他の端点と独立して、有意であることが更に理解されるであろう。最後に、明示的に開示された範囲内に含まれる個々の値及び値の部分範囲の全ても、具体的に企図されており、文脈によって特にそうではないと示されない限り、開示されているとみなされるべきであることが理解されるべきである。上記は、特定の場合において、これらの実施形態の一部又は全てが明示的に開示されているかどうかにかかわらず、適用される。
【0040】
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、開示される方法及び組成物が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料は、本発明の方法及び組成物の実施又は試験で使用され得るが、特に有用な方法、デバイス及び材料は、記載されるとおりである。本明細書で引用される刊行物及びそれらが引用される材料は、参照により本明細書に具体的に組み込まれる。本明細書におけるいかなるものも、本発明が、先行発明のためにそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。任意の参考文献が、先行技術を構成することは容認していない。参考文献の議論は、その著者が主張することを述べており、出願人は、引用された文書の正確性と関連性に異議を唱える権利を留保する。本明細書ではいくつかの刊行物が参照されるが、そのような参考文献は、これらの文書のいずれかが当該技術分野の一般的な知識の一部を形成するという認識を構成しないことを明確に理解されたい。
【0041】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」という単語、及びこの単語の変形語、例えば、「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「含むが、これらに限定されない」ことを意味し、例えば、他の添加剤、成分、整数又はステップを除外することを意図するものではない。特に、1つ以上のステップ又は操作を含むと記載された方法において、各ステップは、列挙されているものを含むことが具体的に企図されており(そのステップが「~からなる」等の限定用語を含む場合を除く)、このことは、各ステップが、例えば、そのステップに列挙されていない他の添加剤、成分、整数、又はステップを除外することを意図されていないことを意味する。
【0042】
B.ペプチド
分子輸送を提供することができるか、又は特定の位置若しくは部位を標的化することができるペプチドを、MTSペプチドと呼ぶことができる。MTSペプチドは、特定の位置又は部位を標的化し、したがって、その特定の位置又は部位にカーゴを輸送することができるため、分子輸送系として知られるアミノ酸配列である。いくつかの態様において、本明細書で開示されるMTSペプチドは、CNSを標的化する。
【0043】
MTSペプチド又は標的化ペプチドが、本明細書で開示される。表1に示すように、配列番号1~10に記載される配列のいずれかのアミノ酸配列を含むMTSペプチドが開示される。いくつかの態様において、MTSペプチドは、特定の位置又は部位への分子輸送又は標的化を担うアミノ酸配列からなる。例えば、いくつかの態様において、開示されるMTSペプチドは、表1に示すように、配列番号1~10に記載される配列のいずれかのアミノ酸配列からなる。
【表1】
【0044】
いくつかの態様において、1つ以上のMTSペプチドは、配列番号1~10に記載される配列のいずれかと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%の同一性の配列同一性を有する。いくつかの態様において、1つ以上のMTSペプチドは、本明細書で開示されるMTSペプチドのいずれかと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%の同一性の配列同一性を有する。いくつかの態様において、1つ以上のMTSペプチドは、ペプチドの活性部分において100%の同一性を有し、ペプチドの活性部分は、CSFへの血液からの通過を可能にする能力を保持する部分である。したがって、いくつかの態様において、MTSペプチドのいずれかと少なくとも90、91、92、93、94、95、96、97、98、又は99%の同一性は、活性部分の外側で生じる。
【0045】
いくつかの態様において、MTSペプチドは、修飾され得る。いくつかの態様において、MTSペプチドを修飾することは、ペプチドを最適化すること、又はペプチドを安定化することを含む。
【0046】
いくつかの態様において、MTSペプチドは、合成及び/又は保存中にMTSペプチドが無傷のままである(例えば、分解されない)ように安定化することができる。いくつかの態様において、配列DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)を含むMTSペプチドは、第2のアミノ酸位置のグリシンを、DAYKLQTSLDWQMWNP(配列番号1)のようなアラニンに交換することによって安定化することができ、N末端アセチル保護基で更に最適化することができる。いくつかの態様において、アスパラギン酸及びグリシンのジペプチド(配列番号2のDG)は、環状中間体を形成することができる(図19を参照されたい)。環状中間体は、再び開環して元のMTSペプチド、又は非天然アミノ酸を形成し、したがって、安定性の低いMTSペプチドを作製することができる。
【0047】
いくつかの態様において、MTSペプチドは、最適化され得る。最適化されたペプチドは、個々の親ペプチド配列に修飾を適用することによって得ることができる。これらの修飾を使用して、血液からCSFへと通過させるのに必要な親配列内の必須アミノ酸を特定することができる。これらの修飾は、親ペプチドのアミノ末端領域及びc末端領域のアラニンスキャニング及び切断の組み合わせによって得ることができる。PEG11は、MTSペプチドのC末端の保護を提供し、C末端でシステインによって接続するペプチドとカーゴ分子との間のスペーサーを提供し、MTSペプチドの可溶性を向上させることができる。アセチル化(CH3CO-)及び/又はd(Leu)等のd-アミノ酸によるアミノ末端での修飾により、血液中のペプチダーゼによる分解から保護することができる。全てのMTSペプチドに適用可能な最適化されたペプチドの均一な長さは存在せず、全ての変化を試験して、ペプチドの取り込み及び安定性に対する効果を確認することができる。
【0048】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、N末端保護基を有し得る。いくつかの態様において、N末端保護基は、プロテアーゼがN末端からアミノ酸を切断することを防止する任意のものであり得る。いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、N末端上のアセチル化によって修飾され得る。いくつかの態様において、N末端保護基は、アセチル基である。したがって、いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、アセチル化され得る。いくつかの態様において、N末端保護基は、限定されないが、PEG化、ホルミル、CH3-(CH)n-CO、フルオロフォア、脂肪酸、アルキルアミン、スルホンアミド、又はカルバマメートであり得る。いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、核酸配列等のカーゴに化学的にコンジュゲート化され得る。いくつかの態様において、化学コンジュゲートは、ポリエチレングリコール(PEG)であり得る。したがって、いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、ペグ化され得る。いくつかの態様において、PEG単位の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又はそれより多くてもよい。いくつかの態様において、PEG単位の数は、1つ以上のMTSペプチドとカーゴとの間の任意の立体的干渉を防止するために、1つ以上のMTSペプチドをカーゴから分離するのに十分な長さであり得る。したがって、いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、リンカーを更に含み得る。例えば、リンカー及び化学コンジュゲートは、相互に置き換え可能に使用することができる。いくつかの態様において、リンカーは、MTSペプチドのC末端上にある。例えば、化学コンジュゲート又はリンカーを含む組成物であって、化学コンジュゲート又はリンカーが、PEGであり、PEGが、11個のPEG単位を含む、組成物が本明細書で開示される。ある態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、配列番号1~10に記載される配列のうちの1つ以上を含み、配列番号1~10は、N末端上でアセチル化されていてもよく、PEGに化学的にコンジュゲート化されていてもよく、カーゴ、例えば、核酸配列は、PEGにも共有結合していてもよい。いくつかの態様において、N末端保護基は、D-アミノ酸等の人工的なアミノ酸であり得る。
【0049】
ある態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、切断され得る。いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドは、MTSペプチドの活性部分を除く全てのアミノ酸を排除するように切断される。いくつかの態様において、MTSペプチドの活性部分は、開示される組成物及び方法において使用することができる。いくつかの態様において、活性部分は、当該技術分野で周知の技術、例えば、アラニンスキャニング又は切断試験を使用して決定することができる。MTSペプチドの活性部分は、血液からCSFへと通過させる能力を保持する部分である。例えば、配列番号7は、N末端上で最大4つのアミノ酸によって切断され得る。いくつかの態様において、配列番号7は、C末端上の最大8個のアミノ酸によって切断され得る。いくつかの態様において、アミノ酸配列YSMNAQRQHERS(配列番号11)は、配列番号7の活性部分である。いくつかの態様において、アミノ酸配列YSMN(配列番号12)は、配列番号7の活性部分である。したがって、いくつかの態様において、配列番号12は、MTSペプチドとして使用することができる。
【0050】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドの安定化バリアントが開示される。
【0051】
カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドを含むペプチドも開示される。いくつかの態様において、2つ以上のMTSペプチドを、カーゴにコンジュゲート化することができる。
【0052】
カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含むペプチドであって、第1のMTSペプチドが、配列番号1~12に記載される配列のいずれかのアミノ酸配列を含む、ペプチドが開示される。
【0053】
いくつかの態様において、カーゴ分子は、限定されないが、核酸配列、タンパク質、抗体、ペプチド、ナノ粒子、色素、化学化合物、又は低分子であり得る。本明細書に記載されるように、カーゴは、核酸配列である。いくつかの態様において、カーゴは、撮像剤、放射性核種、又は検出可能なマーカーであり得る。
【0054】
カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含み、第2のMTSペプチドを更に含む、ペプチドが開示される。例えば、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含むペプチドであって、第1のMTSペプチドが、配列番号1~12に記載される配列のいずれかのアミノ酸配列を含み、第2のMTSペプチドを更に含む、ペプチドが開示される。
【0055】
いくつかの態様において、第2のMTSペプチドは、第1のMTSペプチドと同じである。いくつかの態様において、第2のMTSペプチドは、第1のMTSペプチドとは異なる。
【0056】
カーゴに対するMTSの接続は、マレイミド化学、クリック化学、アミド化学によって、及びヒドラゾンによって行うことができる。カーゴは、切断可能なリンカー又は切断不可能なリンカーを使用して接続することができる。
【0057】
MTS二量体は、FMOC(マレイミド基を含まない)等の直鎖ペプチド化学を使用して合成することができる。次いで、カーゴを、マレイミド化学、クリック化学、アミド化学によって、及びヒドラゾンによって二量体に接続することができる。
【0058】
コンジュゲートをどのように作製するかの例は、図28及び図29に見られる。
【0059】
C.組成物
開示されるペプチドのうちの多くの1つを含む組成物が開示される。いくつかの態様において、本明細書に開示されるMTSペプチドのうちの1つ以上を含む組成物が開示される。ペプチドを含む組成物であって、ペプチドが、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含む、組成物も開示される。
【0060】
例えば、ペプチドを含む組成物であって、ポリペプチドが、カーゴにコンジュゲート化された第1のMTSペプチドを含み、第1のMTSペプチドが、配列番号1~12に記載される配列のいずれかのアミノ酸配列を含む、組成物が開示される。
【0061】
1.薬学的組成物
いくつかの態様において、開示される組成物は、薬学的組成物であり得る。例えば、いくつかの態様において、1つ以上のMTSペプチドにコンジュゲート化された核酸配列を含む組成物と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的組成物が開示される。「薬学的に許容される」は、当業者に周知のように、活性成分の任意の分解を最小限に抑え、対象における任意の副作用を最小限に抑えるために選択される材料又は担体を意味する。担体の例としては、ジミリストイルホスファチジル(DMPC)、リン酸緩衝生理食塩水、又は多胞体リポソームが挙げられる。例えば、PG:PC:コレステロール:ペプチド又はPC:ペプチドを、本発明において担体として使用することができる。他の好適な薬学的に許容される担体及びその製剤は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(19th ed.)ed.A.R.Gennaro,Mack Publishing Company,Easton,PA 1995に記載されている。典型的には、製剤を等張性にするために、適切な量の薬学的に許容される塩が製剤に使用される。薬学的に許容される担体の他の例としては、限定されないが、生理食塩水、リンゲル液、及びデキストロース溶液が挙げられる。溶液のpHは、約5~約8、又は約7~約7.5であり得る。更なる担体としては、組成物を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックス等の徐放性調製物が含まれ、このマトリックスは、成形物品、例えば、フィルム、ステント(血管形成手術の間に血管に移植される)、リポソーム、又は微粒子の形態である。特定の担体が、例えば、投与経路及び投与される組成物の濃度に応じて、より好ましくてもよいことは、当業者には明らかであろう。これらは、最も典型的には、生理的pHの滅菌水、生理食塩水、及び緩衝液等の溶液を含む、ヒトへの薬物投与のための標準的な担体である。
【0062】
薬学的組成物はまた、本発明のポリペプチド、ペプチド、又はコンジュゲートの意図される活性が損なわれない限り、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝液、防腐剤等を含むことができる。薬学的組成物はまた、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬等の1つ以上の活性成分を(本発明の組成物に加えて)含み得る。
【0063】
本明細書に開示される薬学的組成物は、経口投与又は非経口投与のために調製され得る。非経口投与のために調製される薬学的組成物としては、静脈内(若しくは動脈内)、筋肉内、皮下、腹腔内、経粘膜(例えば、鼻腔内、膣内、若しくは直腸)、又は経皮(例えば、局所)投与のために調製されるものが挙げられる。エアロゾル吸入を使用して融合タンパク質を送達することもできる。したがって、組成物は、水、緩衝水、生理食塩水、緩衝生理食塩水(例えば、PBS)等の水性担体を含むが、これらに限定されない、許容される担体に溶解又は懸濁された融合タンパク質を含む非経口投与のために調製され得る。含まれる賦形剤のうちの1つ以上は、pH調整剤及び緩衝剤、浸透圧調整剤、湿潤剤、洗剤等の生理学的条件に近似するのに役立ち得る。組成物が(経口投与のためであり得るような)固体成分を含む場合、賦形剤のうちの1つ以上は、(例えば、錠剤、カプセル剤等の製剤化のために)結合剤又は充填剤として作用することができる。組成物が皮膚又は粘膜表面に塗布するために製剤化される場合、賦形剤のうちの1つ以上は、クリーム、軟膏等の製剤化のための溶媒又は乳化剤であり得る。
【0064】
薬学的組成物は、無菌であってもよく、従来の滅菌技術によって滅菌されてもよく、又は滅菌濾過されてもよい。水溶液は、本開示に包含される、そのままで、又は凍結乾燥された凍結乾燥調製物として包装することができ、これを投与前に滅菌水性担体として組み合わせることができる。薬学的組成物のpHは、典型的には、3~11(例えば、約5~9)、又は6~8(例えば、約7~8)である。固体形態で得られる組成物は、複数の単回投与単位で包装することができ、例えば、錠剤又はカプセル剤の密封されたパッケージにおいて、各々が一定量の上述の1つ以上の薬剤を含有する。固体形態の組成物はまた、局所適用可能なクリーム又は軟膏のために設計された絞り込み可能なチューブ等、柔軟な量のための容器に包装されてもよい。
【0065】
上述の薬学的組成物は、治療有効量の本明細書に開示される組成物を含むように製剤化され得る。いくつかの態様において、治療的投与は、予防的適用を包含する。遺伝子検査及び他の予後予測方法に基づいて、医師は、自身の患者とのコンサルテーションにおいて、患者が1つ以上の自己免疫疾患に対して臨床的に決定された素因若しくは高いかかりやすさ(ある場合には、極めて高いかかりやすさ)を有する場合、又は患者が、がんに対して臨床的に決定された素因若しくは高いかかりやすさ(ある場合には、極めて高いかかりやすさ)を有する場合に、予防的投与を選択することができる。
【0066】
本明細書に記載の薬学的組成物は、対象(例えば、ヒト対象又はヒト患者)に、臨床疾患の発症を遅らせ、軽減するか、又は好ましくは予防するのに十分な量で投与することができる。したがって、いくつかの態様において、対象は、ヒト対象である。治療用途において、組成物は、CNS疾患又は障害を既に有するか、又は有すると診断された対象(例えば、ヒト対象)に、徴候若しくは症状を少なくとも部分的に改善するか、又はその状態の症状、その合併症、及び結果の進行を抑制する(好ましくは停止させる)のに十分な量で投与される。これを達成するのに十分な量は、「治療有効量」と定義される。薬学的組成物の治療有効量は、治癒を達成する量であってもよいが、その結果は、達成され得るいくつかのうちの1つにすぎない。上述のように、治療有効量は、がんの発症又は進行が、遅らせられ、妨げられ、若しくは予防されるか、又はCNS疾患若しくは障害、又はCNS疾患若しくは障害の症状が軽減される治療を提供する量を含む。症状のうちの1つ以上は、重症度が低くてもよい。治療を受けた個体において、回復を促進することができる。
【0067】
本明細書に開示される薬学的組成物中のコンジュゲートの総有効量は、単回用量として、ボーラスとして、若しくは比較的短期間にわたる注入によって、哺乳動物に投与することができ、又は複数回用量がより長期間にわたって投与される分割治療プロトコル(例えば、4~6、8~12、14~16、若しくは18~24時間毎に1回の用量、又は2~4日毎、1~2週間毎、若しくは1ヶ月に1回の用量)を使用して投与することができる。あるいは、血液中の治療有効濃度を維持するのに十分な連続静脈内注入も本開示の範囲内である。
【0068】
D.方法
開示されるペプチド(例えば、MTSペプチド)又は組成物のうちの1つ以上を使用する方法が開示される。本明細書に開示されるペプチド(例えば、MTSペプチド)又は組成物のいずれかを、本明細書に開示される方法で使用することができる。開示される方法のいくつかの態様において、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドは、血液からCNSへと通過することができる。
【0069】
1.カーゴを輸送する方法
カーゴをCNSに輸送する方法であって、開示される組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドが、CNSに入る、方法が開示される。いくつかの態様において、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドは、脈絡叢に入る。いくつかの態様において、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドは、脳脊髄液(CSF)に入る。いくつかの態様において、CSFは、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドをCNS全体に輸送する。いくつかの態様において、MTSペプチドは、カーゴから切断されて、CSFにおいてカーゴを輸送し、CNS全体でMTSペプチドから分離することができる。
【0070】
開示される方法において、カーゴは、CNSに送達されると、CNS内で機能的活性を保持する。
【0071】
いくつかの態様において、投与は、静脈内投与である。いくつかの態様では、投与は、静脈内(若しくは動脈内)、筋肉内、皮下、腹腔内、経粘膜(例えば、鼻腔内)、又は経皮(例えば、局所)投与である。いくつかの態様において、投与はエアロゾル吸入を介して行うことができる。
【0072】
2.治療する方法
CNS障害又は損傷を治療する方法であって、開示されるペプチド(例えば、MTSペプチド)又は組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴが、CNS障害又は損傷の治療薬である、方法が開示される。
【0073】
いくつかの態様において、CNS障害又は損傷は、限定されないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、膠芽腫、及び脳に転移する他のがん、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、及び外傷性脳損傷であり得る。したがって、いくつかの態様において、CNS障害又は損傷の治療薬は、限定されないが、抗体、遺伝子療法、化合物、核酸配列、又はペプチド(若しくはタンパク質)であり得る。いくつかの態様において、CNS障害又は損傷の治療薬の具体例は、限定されないが、N-メチル D-アスパルギン酸(NMDA)アンタゴニスト、化学療法薬、グルタミン酸アンタゴニスト、又は免疫調節因子(例えば、免疫抑制因子若しくは免疫活性化因子)であり得る。
【0074】
3.撮像する方法
CNSを撮像する方法であって、開示されるペプチド(例えば、MTSペプチド)又は組成物のうちの1つ以上を、それを必要とする対象に投与することを含み、カーゴが、撮像剤である、方法が開示される。本明細書で使用される場合、撮像剤、撮像標識、又は撮像部分(また、検出可能な標識、検出可能な部分、若しくは診断部分)は、原子、分子又は組成物の存在を直接的又は間接的に測定することができる、原子、分子又は組成物を指す。
【0075】
いくつかの態様において、撮像剤は、限定されないが、蛍光色素、放射性同位体、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド粒子、近赤外線色素、又は電子密度の高い試薬であり得る。したがって、検出可能な部分は、限定されないが、蛍光部分、放射性部分、又は電子部分であり得る。いくつかの態様において、撮像剤は、2つの部分を含み、部分1は、部分2にコンジュゲート化された疾患に特異的なペプチド、核酸、又は化合物を含み、部分2は、蛍光色素、放射性同位体、磁気ビーズ、金属ビーズ、コロイド粒子、近赤外線色素、又は電子密度の高い試薬を含む。いくつかの態様において、撮像剤の部分1は、CNSにおいて疾患に特異的なインジケータに結合し、撮像剤の部分2は、撮像剤の検出又は視覚化を可能にする。いくつかの態様において、疾患に特異的なペプチド、核酸、又は化合物は、限定されないが、パーキンソン病、アルツハイマー病、膠芽腫、及び脳に転移する他のがん、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、及び外傷性脳損傷等の特定の疾患の指標であるCNS内のタンパク質又は核酸に結合することができる。特定の疾患の指標であるCNS内のタンパク質又は核酸に対する疾患に特異的なペプチド、核酸、又は化合物の結合は、撮像剤の部分2によって検出又は視覚化することができる。
【0076】
CNSを撮像する開示された方法は、疾患又は疾患の進行の存在についてCNSをモニタリングすることを可能にすることができる。例えば、疾患又は疾患の進行の存在が検出されると、カーゴにコンジュゲート化された第2のMTSペプチドを対象に投与することができ、カーゴは、治療薬である。いくつかの態様において、第1のペプチドが、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドを含み、カーゴが、CNS内の膠芽腫の存在を特定する撮像剤である場合、第2のペプチドは、カーゴにコンジュゲート化されたMTSペプチドを含んでいてもよく、カーゴは、膠芽腫に特異的な治療薬である。
【0077】
また、CNSを撮像する方法であって、第1のカーゴ及び第2のカーゴにコンジュゲート化された開示されるMTSペプチドのうちの1つ以上を含むペプチドを投与することを含み、第1のカーゴが撮像剤であり、第2のカーゴが、CNS障害又は損傷の治療薬である、方法が開示される。したがって、いくつかの態様において、CNSを撮像することができ、疾患又は疾患の進行の存在が検出される場合、CNS障害又は損傷の治療薬は、治療効果を提供することができる。
【0078】
E.キット
上述の材料及び他の材料は、開示される方法を実施するために有用なキットとして、又は開示される方法の実施を補助するために有用なキットとして、任意の好適な組み合わせで一緒に包装され得る。所与のキット中のキット構成要素が、開示される方法において一緒に使用するように設計され、適合される場合に有用である。例えば、開示されるペプチドのうちの1つ以上を含むキットが開示される。
【実施例
【0079】
DiaCytは、BBBを物理的に破壊することなく、多種多様な治療用カーゴをCNSに選択的に輸送する送達薬剤を特定するための新しいプラットフォーム技術である。ペプチドベースの分子輸送系(MTS)を特定する選択プラットフォームが開発されており、これは、関門を破壊することなくCNS内を通過することができ、抗体、タンパク質、及び核酸等の生体分子を含む治療薬を、輸送中にこれらを不活性化することなくCNS内に運ぶことができ、MTS-カーゴを放出し、CNS全体にカーゴを分配することができる。
【0080】
この概念は、2つの方法で固有である。第一に、選択は、上述の鍵となる特徴を有するMTSを選択することを可能にする、偏りのない表現型アプローチである。これにより、CNS関門を横断し、CNS内に放出することができるMTSを特定する。更に、選択は、機能的バクテリオファージの輸送を必要とする。したがって、特定されたMTSは、プロセス中にカーゴを分解することなく、細胞を通って生物学的材料を運ぶ。
【0081】
第二の固有な特徴は、脈絡叢が、内皮BBBとは対照的に標的化されることである。このことは、脈絡叢の生理学的構造及び生物学的機能を利用し(付録を参照)、この分野において焦点であった内皮BBBを介した送達の関門を克服するのに有利である。脈絡叢の毛細血管は、窓形成しており(漏れやすく)、血管の周囲にアストロサイト足突起を有しておらず、血液の外側の材料を通過させることが可能である。
【0082】
図1は、BBBが強力な生物学的障害であることを示す。細胞間のギャップを介するCNS組織への薬物及び生物学的治療薬のアクセスは、選択肢とならない。本明細書に開示されるペプチド、組成物、及び方法は、薬物開発のための新しいパラダイムを提供する。脈絡叢は、脳脊髄液(CSF)を産生する。上皮細胞は、血液脳脊髄液関門(BCSFB)を形成する密着結合を有する。BBBとは異なり、毛細血管は、窓形成しており(内皮細胞間のギャップ)、これにより、免疫細胞、タンパク質、更には病原体でさえ抜け出すことが可能である。脈絡叢上皮細胞は、イオン、ペプチドホルモン、及びタンパク質を血液からCSFへと輸送する特殊な細胞である。密着結合は、上衣細胞、軟膜、及びグリア境界膜には存在せず、CSFと脳との間の傍細胞拡散を可能にする。
【0083】
図2は、脈絡叢における毛細血管の概略図、及びそれらがどのようにしてカーゴをCNSへと輸送することができるかを示す。脈絡叢を標的化する構造的利点のいくつかは、1)脈絡叢の毛細血管が、窓形成しており(漏れやすく)、血液の外側の材料を通過させることが可能であること、及び2)血管の周囲にアストロサイト足突起が存在しないことである。脈絡叢を標的化するいくつかの生物学的利点は、CNS内の分子、ペプチド、タンパク質、及び細胞の輸送である、脈絡叢上皮細胞の天然の役割を利用することである。脈絡叢を標的化する別の生物学的利点は、カーゴをCSFへと輸送し、次いでCNS全体に循環させることである。
【0084】
機能的輸送活性を媒介するMTSペプチドを特定するための偏りのない選択のための1つの実験設計を図3に示す。特定されたMTSは、CNSに対するカーゴ送達に使用されるように適合するMTSを生成するための化学的手段によって、容易に最適化することができる。
【0085】
CNSに対するMTSのインビボ送達の確認のための1つの実験設計を図4に示す。この設計は、カーゴを分解から保護する経路を介して、細胞関門を横切る機能的輸送を媒介するMTSの選択を可能にする。
【0086】
図5は、MTSペプチドを識別するための系がどのように開発されたかを概説する。この系は、インビトロモデルにおいてトランスサイトーシスし、インビボモデルにおいてCSFに入る能力を有する1つのMTSファージクローンを特定した。合成MTS_CPEC4(DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2))を用いたデータは、インビトロ及びインビボでの活性を示した。
【0087】
図6は、脈絡叢及び脳室におけるCPEC4ファージクローンの組織染色を示し、図7は、脳における脳室系の外側のCPEC4ファージクローンの組織染色を示す。このことは、CNSに対するMTS-カーゴの送達によって、脳の他の領域に対するカーゴの輸送が起こることを示す。ファージクローンを、ラットの尾静脈を介して静脈内注射した。ファージクローンを一定期間循環させた後、動物を末端灌流し、脳を単離した。固定化の後、脳を切片化し、免疫組織化学のために処理した。抗M13ファージ一次抗体を使用して、ファージを検出した。青色染色は、核染色である。ファージ染色は、脳室及び周囲組織において観察され、このことは、CSF内のファージクローンの輸送を示している。
【0088】
このデータは、ヒト脈絡叢中に見られる密着結合を複製したヒト初代脈絡叢上皮細胞を使用する、脈絡叢のインビトロモデルを確立した。ラットモデルも同様に開発した。脈絡叢上皮関門を通過するファージクローンをライブラリから特定するための選択も、知らされている。ペプチドをファージの環境の外側で合成し、このペプチドが、その輸送活性を保持し、関門を横切って小分子及びタンパク質を運ぶことができることを示した。ファージクローンをCSFへと選択的に輸送し、データは、MTSペプチドについての同様の輸送を裏付けるものであった。
【0089】
MTSペプチドが特定されたら、これらを化学修飾を含むいくつかの手段によって最適化することができる。最適化によって、溶解性、安定性、脳分布、生体分布、細胞輸送、又は循環時間を増加させることができる。MTSを使用することの望ましい結果は、CNS中に存在する注射用量の少なくとも2.5%であるが、CNS中に存在する注射用量の5%より大きい。
【0090】
現在の研究は、インビトロトランズウェルでスクリーニングされ、検証され、複数のアプローチを使用して動物モデルにおける標的化を提供し、送達効率(リアルタイムCSF分析、組織学、放射性標識及び/若しくは撮像を伴うCSFのエクスビボ分析)を完全に検証し、様々なカーゴがMTS送達効率に及ぼす影響(ペプチド、タンパク質、及び核酸)を評価する。
【0091】
図10は、機能的輸送活性を媒介するMTSペプチドを特定するための偏りのない選択のための、トランズウェルバケット内のラット脈絡膜上皮(Z310細胞)の単層を使用した実験設計の概略図である。Z310細胞を、インキュベーション後に脳室(CSF側、バケットの内側)に存在する輸送されたファージを用い、その基底側(脈絡叢の血液側を模倣する)でファージライブラリに曝露した。このインキュベーションの後に、細胞溶解物からファージも回収した。この選択で使用されるライブラリは、合成コドンの無作為付加によって生成した16マーペプチドを発現した。
【0092】
図11は、パニングのラウンド4及び5において、トランズウェル及び溶解物試料からDNA配列決定のために提出された96個の個々のファージクローンから得られた配列のうち、MTS_CPEC4_V1ペプチド配列(配列番号2)をコードするファージクローンの存在量をまとめたものである。MTS_CPEC4_V1は、2.6×1010の初期複雑性を有する無作為な16マーペプチドライブラリから選択された。このペプチドクローンは、その選択のパニングのラウンド4及び5において観察された、優勢な配列であった。ラウンド4及び5からの出力において、この特定の配列を観察する頻度を図11にまとめている。示されるように、この配列は、トランズウェルから輸送された出力、及び指定時刻のインキュベーション終了時の細胞溶解物の両方で観察された。パニングのラウンド4及び5の出力を観察したCPEC4_V1クローンの総数は、365個の配列のうち144個であった。両ラウンドからのトランズウェル出力及び細胞溶解物の両方において、唯一の他のペプチドが観察されたが、はるかに低い頻度であった(6/365)。
【0093】
ヒト初代脈絡叢上皮細胞に対するトランズウェル選択を完了させ、リードペプチドを得た(図12)。CPEC4_ファージクローン配列DGYKLQTSLDWQMWNP(配列番号2)は、これらの試験におけるリードペプチドであった。複数ラウンドのパニングを行ったため、CPEC4ファージクローンが濃縮される。CPEC4ファージクローンは、輸送及び放出を示すトランズウェルから選択される。CPEC4ファージクローンは、細胞溶解物において見ることができ、このことは、細胞を通り、細胞の「周囲」ではない活性な輸送を示している。
【0094】
図12は、CPEC4ペプチド(配列番号2)が、脈絡叢上皮細胞層を横断する大きなファージ粒子の輸送を媒介することを示す。ファージクローンは、細胞輸送の間、生きたままである。
【0095】
図13は、CPEC4ペプチドの二量体を表す。CPEC4ペプチドは、二量体であり、蛍光標識されたタンパク質の接続を可能にするビオチンハンドルを有するものとして合成された。
【0096】
図14は、MTS_CPEC4_V1(配列番号2)が、インビトロモデルでヒト脈絡叢を横切る蛍光分子の輸送を媒介することを示す。タンパク質の6~9%が、細胞層を横切って輸送される。実験の終了時に、デキストラン輸送の欠如及び経上皮抵抗の維持によって証明されるように、密着結合は無傷のままである。
【0097】
図15は、MTS_CPEC4ファージクローン又はペプチドが、ラット(Z310細胞)に由来する脈絡叢関門モデルを通過する能力を決定するために使用されるインビトロトランズウェルアッセイである。関門の片側(「血液」側)に配置される入力の量、及び細胞を通って他方の側(CSF側)に通過する量を測定する。上側の表は、ファージクローンについてのデータを表す。空のファージは、MTSペプチドが接続していない。トランズウェルのそれぞれの側におけるファージの量は、細菌力価測定によって決定される。下側の表は、合成ペプチドについてのデータを表す。ここで、ペプチドを、関門のいずれかの側でのペプチドを測定することができるように、フルオロフォアで標識する。デキストラン色素(Alexa Fluor 488等)を、対照分子として使用する。この分子は、トランズウェルを通過せず、脈絡叢モデルが有効であることを保証するものである。
【0098】
図16は、MTS送達系がどのようにCNSを標的化するかを図示する。マウスの尾静脈注射の後、大槽の毛細血管穿刺によってCSFを脳から取り出すことができ、ファージの存在を決定することができる。
【0099】
図17は、CPEC4ファージクローンが、対照ファージと比較して、CSFに優先的に蓄積し、したがって、CSFへの輸送を媒介することができることを示す。ファージクローンは、CSFへの輸送の間、生きたままである。
【0100】
図18は、マウスの尾静脈注射後のラットのCSFに蓄積するMTS-CPEC4_V2(配列番号1)の実験設計及び最終結果を示す。
【0101】
MTSを合成することができたが、1ミリグラムより多い高品質単量体ペプチドを合成することは困難であり、二量体ペプチドは、更に困難であった。イソアシルThr-Serジペプチドを使用したMTS_CPEC4_V2配列の中央に「TS」を挿入することにより、有益な結果が得られることが決定された(図20)。
【0102】
図21に示されるように、CPEC4_V1(配列番号2)及びCPEC_V2(配列番号1)は、化学カーゴ(AF647色素)及びタンパク質カーゴ(50kDaのストレプトアビジン)のいずれかを用い、脈絡叢細胞の単層を横切って効率的に輸送される。密着結合を有する単層の完全性は、低分子量色素(750マレイミド)、10kDaのデキストランポリマー、又はより大きなタンパク質(50kDa)の拡散又は輸送の欠如によって観察される。SAコンジュゲートにおいて、MTSは、コア構造中にビオチンを有する。次いで、ビオチンを、フルオロフォアで標識されたストレプトアビジンタンパク質にコンジュゲート化する。直接的なコンジュゲートは、フルオロフォアが、コア上のMTSに共有結合している(すなわち、ビオチン/ストレプトアビジン連結を使用しない)ことを意味する。
【0103】
異なるMTS配列の安定性が重要である。図22は、MTS_CPEC4_V2が血清中で安定であることを示す。ペプチドの80%は、24時間で無傷のままである。修飾を、MSによってマッピングした。MSデータは、NP-PEGH11が、メチオニン又はトリプトファンの起こり得る酸化によって失われることを示す。
【0104】
MTS_CPEC4_V2(配列番号1)二量体は、図23に示すように、インビボ実験で使用されてきた。MTSは、脳の脳室系全体に分布しており、このことは、MTSが、血流からCSFへと通過したことを示している。MTSは、その位置を視覚化することが可能な色素で標識される。ラットの尾静脈に静脈内注射する。示されている時間の後、CSFは、大槽から単離される。脳が採取される。固定化期間の後、脳を、1mmの冠状セグメントに切片化する(前から後へ)。脳の個々の切片を、蛍光を使用して撮像し、ペプチド蓄積の領域の位置を決定する。
【0105】
他のリードMTSペプチドを、ラット脈絡叢細胞を用いたトランズウェル輸送設定を使用して試験した(図24)。8ファージクローンを、CSF中で濃縮した。次いで、個々のファージクローンを、Z310脈絡叢細胞に対するインビトロでのトランスサイトーシス及びラットにおけるCSF蓄積について試験した。MTS_Z310-2(配列番号4)及びMTS_Z310-5(配列番号7)ファージクローンを、更なる評価のために持ち越した。図25は、MTS_Z310-2及びMTS_Z310-5ペプチドが、ラット脈絡叢上皮細胞を横切ってタンパク質カーゴを輸送することを示す。20%の輸送は、CPEC4で見られたものよりも良好である。アラニンスキャニングに基づき、MTS_Z310-5の下線部分は、活性を担う鍵となるペプチド領域であると特定されている。
【0106】
二量体MTS_Z310-5は、MTS_CPEC4_V2よりも3倍高い量存在する(図26)。MTSは、脳の脳室系全体に分布しており、このことは、MTSが、血流からCSFへと通過したことを示している。MTSは、その位置を視覚化することが可能な色素で標識される。ラットの尾静脈に静脈内注射する。示されている時間の後、CSFは、大槽から単離される。脳が採取される。固定化期間の後、脳を、1mmの冠状セグメントに切片化する(前から後へ)。脳の個々の切片を、蛍光を使用して撮像し、ペプチド蓄積の領域の位置を決定する。
【0107】
二量体MTS_Z310-2は、MTS_CPEC4_V2よりも9倍高い量存在する(図27)。MTSは、その後、脳の脳室系全体に分布しており、このことは、MTSが、血流からCSFへと通過したことを示している。MTSは、その位置を視覚化することが可能な色素で標識される。ラットの尾静脈に静脈内注射する。示されている時間の後、CSFは、大槽から単離される。脳が採取される。固定化期間の後、脳を、1mmの冠状セグメントに切片化する(前から後へ)。脳の個々の切片を、蛍光を使用して撮像し、ペプチド蓄積の領域の位置を決定する。
【0108】
二量体及びMTSのカーゴへの化学コンジュゲート化は、図28で見ることができる。コア上に異なる反応性基又は化学プローブを有するMTS構築物、特に単量体及び二量体構築物の一般的構造を示す。
【0109】
当業者は、日常的な実験を超えない実験を使用して、本明細書に記載の方法及び組成物の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又は確認することができるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28-1】
図28-2】
図28-3】
図28-4】
図29-1】
図29-2】
図29-3】
図29-4】
図29-5】
図29-6】
【配列表】
2023533407000001.app
【国際調査報告】