(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】患者処置において使用されるプローブの可動域を画定および修正するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/30 20160101AFI20230727BHJP
A61B 8/12 20060101ALI20230727BHJP
B25J 11/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B8/12
B25J11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579001
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021038175
(87)【国際公開番号】W WO2021262565
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】322004636
【氏名又は名称】プロセプト バイオロボティクス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マントリ, スラグ
(72)【発明者】
【氏名】ステイド, ケビン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヘンフィル, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューデルソン, ケビン ルイス
【テーマコード(参考)】
3C707
4C130
4C601
【Fターム(参考)】
3C707AS35
3C707BS12
3C707BS26
3C707CS04
3C707JU03
3C707JU16
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3C707KS36
3C707KT01
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3C707KV08
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3C707KV18
3C707KW03
3C707KX06
3C707LU06
3C707LW12
4C130AD30
4C130CA02
4C130CA08
4C130CA11
4C601EE11
4C601FE07
4C601GA19
4C601GA21
(57)【要約】
患者の標的組織を処置するためのシステムは、患者の標的組織を処置するための処置プローブに結合されている第1のロボットアームと、患者の標的組織を撮像するための撮像プローブに結合されている第2のロボットアームとを備える。システムは、第1のロボットアームおよび第2のロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスをさらに備え、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、第1のロボットアームまたは第2のロボットアームのうちの1つまたはそれより多くの移動を制御するための命令を実行するように構成されている。処置プローブおよび/または撮像プローブは、許容可動域内でのみ移動させられるように制約され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の組織を処置または撮像するためのシステムであって、前記システムは、
前記患者の中への挿入に関してサイズ決めされているプローブと、
前記プローブに結合するように構成されているロボットアームと、
前記ロボットアームに動作的に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスと
を備え、前記1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、
前記プローブに関する許容可動域を確立することであって、前記許容可動域は、前記1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上に記憶され、前記許容可動域を確立することは、
前記プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することと、
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正し、前記プローブの前記遠位端に関する許容可動域を画定することと
をさらに含む、ことと、
前記プローブを用いて前記患者の前記標的組織を処置または撮像することと、
前記ロボットアームを移動させ、前記プローブに関する前記許容可動域内での前記プローブの移動に影響を及ぼすことと
を行うための命令を伴って構成されている、システム。
【請求項2】
前記プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することは、前記プローブの前記遠位端が移動することが可能である領域を画定することをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記領域は、前記領域の数学的表現によって画定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記領域は、前記領域の画像によって画定され、前記画像は、前記プローブと、前記プローブの前記遠位端の可能性として考えられる角度移動との寸法を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記プローブは、撮像プローブであり、前記システムは、前記患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正し、許容可動域を画定することは、前記システムに関する訓練または教示モードをアクティブ化および実施することをさらに含み、前記訓練または教示モードは、ユーザが前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方を操作し、前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方の前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域に対する限度を画定することを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記訓練または教示モードは、両方のプローブが前記患者の外側にあるときに行われる、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記訓練または教示モードは、両方のプローブが前記患者の内側にあるときに行われる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記処置プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記処置プローブとの衝突を回避するために所定のエリア内で前記撮像プローブの前記遠位端を自動的に移動させることをさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記撮像プローブを動作させ、前記患者の解剖学的構造の画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正することは、前記可能性として考えられる可動域を、処置部位の近傍の前記患者の解剖学的構造のエリアを示す前記患者の走査と比較し、前記処置部位の周囲の領域における前記プローブの前記遠位端から前記患者への危害を回避するために前記可能性として考えられる可動域を修正することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
画像認識アプリケーションを使用して前記取得された画像を処理し、前記患者の器官または組織の領域を識別することをさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
患者の標的部位における標的組織を処置する方法であって、前記方法は、
前記患者の中にプローブを手動で挿入することと、
前記プローブをロボットアームに結合することと、
前記プローブに関する許容可動域を確立することであって、前記許容可動域は、前記ロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上に記憶され、前記許容可動域を確立することは、
前記プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することと、
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正し、前記プローブの前記遠位端に関する許容可動域を画定することと
をさらに含む、ことと、
前記プローブを用いて前記患者の前記標的組織を処置または撮像することと、
前記プローブと動作可能に結合されている前記1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下で前記ロボットアームを移動させ、前記プローブに関する前記許容可動域内での前記プローブの移動に影響を及ぼすことと
を含む、方法。
【請求項16】
前記プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することは、前記プローブの前記遠位端が移動することが可能である領域を画定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記領域は、前記領域の数学的表現によって画定される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記領域は、前記領域の画像によって画定され、前記画像は、前記プローブと、前記プローブの前記遠位端の可能性として考えられる角度移動との寸法を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記プローブは、撮像プローブであり、前記システムは、前記患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正し、許容可動域を画定することは、前記システムに関する訓練または教示モードをアクティブ化および実施することをさらに含み、前記訓練または教示モードは、ユーザが前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方を操作し、前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方の前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域に対する限度を画定することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記訓練または教示モードは、両方のプローブが前記患者の外側にあるときに行われる、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記訓練または教示モードは、前記第2のプローブに対する前記第1のプローブの可動域を画定し、前記画定された可動域は、メモリ内に記憶されることが可能であり、前記患者の内側に対して変換可能である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記訓練または教示モードは、両方のプローブが前記患者の内側にあるときに行われる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記処置プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記プローブの相互との衝突を防止するための領域もしくは体積、もしくは、プロブ衝突関連の組織損傷を防ぐための前記プローブの間に維持すべき距離を画定すること、前記画定された領域内の一方もしくは両方のプローブの位置を確認すること、または、一方もしくは両方のプローブの位置を監視し、衝突を防止するためにロボットアームの運動をアクティブ化することのうちの1つまたはそれより多くを実施することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記撮像プローブを動作させ、前記患者の解剖学的構造の画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正することは、前記可能性として考えられる可動域を、処置部位の近傍の前記患者の解剖学的構造のエリアを示す前記患者の走査と比較し、前記処置部位の周囲の領域における前記プローブの前記遠位端から前記患者への危害を回避するために前記可能性として考えられる可動域を修正することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
画像認識アプリケーションを使用して前記取得された画像を処理し、前記患者の器官または組織の領域を識別することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
患者の標的部位における標的組織を処置するためのシステムであって、前記システムは、前記患者の前記標的組織を処置するための処置プローブに結合されている第1のロボットアームと、前記患者の前記標的組織を撮像するための撮像プローブに結合されている第2のロボットアームと、前記第1のロボットアームおよび前記第2のロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスとを備え、前記1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、前記第1のロボットアームまたは前記第2のロボットアームのうちの1つまたはそれより多くの移動を制御するための命令を実行するように構成され、前記命令は、前記プローブまたは複数のプローブに関する許容可動域内であるように一方または両方のプローブの移動を制約する、システム。
【請求項31】
前記1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、前記第1のロボットアームまたは前記第2のロボットアームの移動を制御し、前記患者の中への前記処置プローブまたは前記撮像プローブの進入軸に沿った前記処置プローブまたは前記撮像プローブのピッチ、ヨー、ロール、側方、または線形位置のうちの1つまたはそれより多くを調節するための命令を実行するように構成されている、請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記プローブまたは複数のプローブに関する許容可動域内であるように一方または両方のプローブの移動を制約するための前記命令は、前記プローブのうちの少なくとも1つの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定し、前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正し、前記プローブの前記遠位端に関する許容可動域を画定するための命令をさらに含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
前記プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することは、前記プローブの前記遠位端が移動することが可能である領域を画定することをさらに含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記領域は、前記領域の数学的表現によって画定される、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
前記領域は、前記領域の画像によって画定され、前記画像は、前記プローブと、前記プローブの前記遠位端の可能性として考えられる角度移動との寸法を含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正し、許容可動域を画定することは、前記システムに関する訓練または教示モードをアクティブ化および実施することをさらに含み、前記訓練または教示モードは、ユーザが前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方を操作し、前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方の前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域に対する限度を画定することを含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項37】
前記訓練または教示モードは、両方のプローブが前記患者の外側にあるときに行われる、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記訓練または教示モードは、両方のプローブが前記患者の内側にあるときに行われる、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記処置プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項41】
前記撮像プローブを動作させ、前記患者の解剖学的構造の画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することをさらに含む、請求項38に記載のシステム。
【請求項42】
前記プローブの前記遠位端の前記可能性として考えられる可動域を修正することは、前記可能性として考えられる可動域を、処置部位の近傍の前記患者の解剖学的構造のエリアを示す前記患者の走査と比較し、前記処置部位の周囲の領域における前記プローブの前記遠位端から前記患者への危害を回避するために前記可能性として考えられる可動域を修正することを含む、請求項30に記載のシステム。
【請求項43】
画像認識アプリケーションを使用して前記取得された画像を処理し、前記患者の器官または組織の領域を識別することをさらに含む、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
患者の組織を処置または撮像するためのシステムであって、前記システムは、
前記患者の中への挿入に関してサイズ決めされているプローブと、
前記プローブに結合するように構成されているロボットアームと、
前記ロボットアームに動作的に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスと
を備え、前記1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、
前記システムのオペレータからの要求に応答して訓練モードを実行することであって、前記訓練モードは、前記オペレータが前記プローブの遠位端の許容可動域を実証することを含み、前記プローブの前記遠位端は、前記患者の身体の中に挿入される、ことと、
前記訓練モードを出ることと、
前記患者の身体の中への前記プローブの前記遠位端の挿入後、前記プローブを用いて前記患者の前記組織を処置または撮像することと
を行うための命令を伴って構成され、前記ロボットアームは、前記プローブの前記遠位端に関する前記許容可動域内でのみ、前記患者の身体内での前記プローブの前記遠位端の移動に影響を及ぼすようにされている、システム。
【請求項45】
前記訓練モードを実行することに先立って、前記システムは、前記プローブの前記遠位端が移動することを束縛される領域を画定することによって、前記プローブの前記遠位端に関する初期可動域を画定する、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記領域は、前記領域の数学的表現によって画定される、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記領域は、前記領域の画像によって画定され、前記画像は、前記プローブと、前記プローブの前記遠位端の可能性として考えられる角度移動との寸法を含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項48】
前記プローブは、撮像プローブであり、前記システムは、前記患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項49】
前記訓練モードは、前記オペレータが前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方を操作し、前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方の前記遠位端の前記可動域に対する限度を画定することを含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記訓練モードは、両方のプローブが前記患者の内側にあるときに行われる、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記命令は、前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記処置プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することを前記システムにさらに行わせる、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記命令は、前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を制約することを前記システムにさらに行わせる、請求項50に記載のシステム。
【請求項53】
前記命令は、前記撮像プローブを動作させ、前記処置プローブの画像を取得し、前記画像に応答して、前記処置プローブとの衝突を回避するために所定のエリア内で前記撮像プローブの前記遠位端を自動的に移動させることを前記システムにさらに行わせる、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記命令は、前記撮像プローブを動作させ、前記患者の解剖学的構造の画像を取得し、前記画像に応答して、前記撮像プローブの前記遠位端の前記許容可動域を修正することを前記システムにさらに行わせる、請求項50に記載のシステム。
【請求項55】
前記命令は、前記許容可動域を、処置部位の近傍の前記患者の解剖学的構造のエリアを示す前記患者の走査と比較し、応答して、前記処置部位の周囲の領域における前記プローブの前記遠位端の前記許容可動域を修正することを前記システムにさらに行わせる、請求項44に記載のシステム。
【請求項56】
前記命令は、画像認識アプリケーションを使用して前記取得された画像を処理し、前記患者の器官または組織の領域を識別することを前記システムにさらに行わせる、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
患者の標的部位における標的組織を処置する方法であって、前記方法は、
前記患者の中にプローブの遠位端を手動で挿入することと、
前記プローブをロボットアームに結合することと、
訓練モードを実行することであって、前記訓練モードは、オペレータが前記プローブの遠位端の許容可動域を画定することを含む、ことと、
前記訓練モードを出ることと、
前記患者の身体の中への前記プローブの前記遠位端の挿入後、前記プローブを用いて前記患者の前記標的組織を処置または撮像することと
を含み、前記プローブと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下の前記ロボットアームは、前記プローブの前記遠位端に関する前記許容可動域内での前記プローブの前記遠位端の移動に影響を及ぼすようにされている、方法。
【請求項58】
前記訓練モードを実行することに先立って、前記システムは、前記プローブの前記遠位端が移動することを束縛される領域を画定することによって、前記プローブの前記遠位端に関する初期可動域を画定する、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記領域は、前記領域の数学的表現によって画定される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記領域は、前記領域の画像によって画定され、前記画像は、前記プローブと、前記プローブの前記遠位端の可能性として考えられる角度移動との寸法を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記プローブは、撮像プローブであり、前記システムは、前記患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記訓練モードは、前記オペレータが前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方を操作し、前記撮像または処置プローブのうちの一方または両方の前記遠位端の前記許容可動域を画定することを含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記許容可動域を、処置部位の近傍の前記患者の解剖学的構造のエリアを示す前記患者の走査と比較し、応答して、前記処置部位の周囲の領域における前記プローブの前記遠位端の前記許容可動域を修正することをさらに含む、請求項57に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、その開示が、参照することによってその全体として組み込まれる、2020年7月27日に出願された米国特許出願第16/939,880号の優先権を主張し、2020年6月26日に出願され、「System and Methods for Defining and Modifying Range of Motion of Probe Uses in Patient Treatment」と題された、米国仮特許出願第63/044,843号の35 U.S.C. § 119(e)(米国特許法第119条(e))下の利益を主張する。
【0002】
本特許出願の主題は、その出願の全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれる、2015年9月4日に出願された、国際出願第PCT/US2015/048695号、および2020年3月9日に出願され、「ROBOTIC ARMS AND METHODS FOR TISSUE RESECTION AND IMAGING」と題された、国際出願第PCT/US2020/021756号に関する。
【0003】
本開示の分野は、エネルギーを用いた組織の処置に関し、より具体的には、流体流エネルギーを用いた前立腺等の器官の処置に関する。
【背景技術】
【0004】
患者等の対象を処置する以前の方法および装置は、少なくともいくつかの事例では、理想的ではない組織除去をもたらし得る。例えば、前立腺外科手術等の外科手術の以前の方法は、少なくともいくつかの事例では、理想的であろうものよりも長い治癒時間および望ましくない転帰をもたらし得る。
【0005】
組織を撮像する以前の方法および装置は、処置される組織を撮像するために理想的ではない場合がある。例えば、以前の超音波方法および装置は、処置の間に処置部位を視認するためにあまり適していない場合があり、診断画像と処置画像との整合は、理想的ではない場合がある。また、組織を処置する以前の処置方法および装置のうちの少なくともいくつかは、従来技術の撮像システムとの組み合わせのためにあまり適していない場合がある。少なくともいくつかの事例では、外科手術の間に組織の改良された撮像を提供すること、例えば、ユーザが、組織のリアルタイム画像に基づいて、処置を調節することを可能にするであろう組織のリアルタイム撮像を提供することが、有用であろう。外科手術の間に組織を撮像するための以前の方法および装置のうちの少なくともいくつかは、使用が若干面倒であり得、患者処置における遅延をもたらし得る。
【0006】
前立腺等の器官を処置するための以前の方法および装置は、使用に関して若干面倒であるユーザインターフェースを提供し得、プローブおよび処置エリアの十分な画像を提供しないこと、プローブの十分に「微細な」制御を提供しないこと、または処理プロセスに影響を及ぼし得るプローブ運動に対する制約のインジケーションを提供しないこと等によって等、外科手術の理想的ではない計画を提供し得る。また、前立腺組織等の組織を処置するために使用される以前の方法および装置のうちの少なくともいくつかは、器官の設置における不正確さを示すこと、組織を誤認すること、処置の適用が正しいエリアまたは領域に対するものであるかどうかに関する不確実性を生じさせること等によって等、理想的であろうものよりも若干正確ではない場合がある。少なくともいくつかの事例では、以前の方法および装置は、理想的ではないユーザ体験(例えば、自動的に遂行され得る過剰な手動動作)を提供し得る。また、以前のインターフェースのうちの少なくともいくつかは、(例えば、医師による処置手技のより正確かつ情報に基づいた制御を可能にするであろう画像および/または制御が欠如することによって)処置装置と組織構造との理想的ではない結合を提供し得る。
【0007】
少なくとも参照される理由から、ロボット計装を用いて組織を処置する以前の方法および装置は、処置の間に理想的ではない場合がある。ロボット外科手術システムのロボットアームおよび外科用プローブは、処置に先立って、相互と、および患者と整合させられ得る。いくつかの事例では、ロボットアームおよび外科用プローブは、最初に、手動で移動させられ、位置付けられ、その後、それらは、相互に結合され、さらなるコントローラベースの調節のために定位置で係止される。例えば、ロボットアームに結合される外科用プローブまたは他のツールが、経直腸超音波(「TRUS」)の場合に肛門および直腸を通して、または敏感な解剖学的構造を通した急カーブを伴う尿道、前立腺、および膀胱頸部の蛇行性経路を通して等、標的部位に到達するための解剖学的構造を通して手動で誘導され得る。少なくともいくつかの事例では、手動調節後、および処置の間のロボットアームの所望の整合および安定性の維持は、理想的ではない場合がある。例えば、以前のロボットアームおよび端部外科用プローブは、過剰に堅く保持され得、潜在的に、患者移動に関連する組織傷害につながり得る、または理想的ではない支持強度で保持され得、ロボットアームおよび外科用プローブが、例えば、ぶつけられる、または結合に続けてユーザの握持から解放されることに応じて、擾乱されることになる場合、標的部位との理想的ではない整合につながり得る。
【0008】
ロボット計装を用いて組織を処置する以前の方法および装置のさらなる不利点は、処置のために、ある場合には、処置を監視するために使用されるプローブおよびデバイスが、ある場合には、プローブおよびデバイスをいくつかの事例において処置の間に相互と衝突させ得る、可能性として考えられる可動域を有することである。これは、潜在的に、理想的ではない転帰および処置の中断につながり得る。以前のアプローチは、ロボットアームの絶対および相対位置が既知であり得る場合であっても、個々の患者のために許容可動域をカスタマイズする能力において若干限定され得る。
【0009】
本開示に関連する研究は、プローブをロボットアームと整合させることに対する以前のアプローチが、少なくともいくつかの事例において理想的ではない場合があることを示唆する。
【0010】
これらの前述の方法および装置は、効果的であり得、以前の管腔組織処置アプローチに優る有意な進歩を表し得るが、完全自動化および医師支援動作モードの両方においてより正確な組織除去を支援するための改良を提供することが、望ましいであろう。以前のアプローチのこれらの限定のうちの少なくともいくつかは、本開示の実施形態に従って克服されるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の実施形態は、ロボットアームの改良された移動を提供し、外科手術手技との併用のために非常に好適である。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、患者の中に挿入されたプローブに関して可動域限度または制約が確立されることを可能にし得る、教示または訓練モードに入るように構成されている。ロボットアームに結合されるプローブは、患者および処置のために適切である位置を確立するために、オペレータによって患者内で移動させられることができる。また、プローブの枢動場所が、確立されることができる。前立腺外科手術では、患者の中に挿入される外科用プローブの枢動場所は、恥骨に対応するように確立されることができる。同様に、TRUSまたは撮像プローブが、患者の中に挿入され、直腸に対応する場所において可動域および枢動場所を確立することができる。患者解剖学的構造は、変動し得るため、プローブに関する可動域およびそれらの関連付けられる枢動を確立することが、有用であり得る。いくつかの実施形態では、直腸に対応する枢動場所は、処置プローブに対応する枢動場所に対して尾側または頭側に位置することができる。いったん可動域および枢動場所が確立されると、オペレータは、ロボット制御下でプローブを精密に位置付けることができる。撮像プローブはまた、処置プローブの位置および向きを決定するために使用され、その情報は、撮像プローブに向かう処置プローブの移動を限定するために使用されることができる。撮像および処置の目的のためのロボットアームならびにプローブの使用が、参照されるであろうが、本明細書に説明されるシステムおよび方法はまた、診断目的のために、処置計画の一部として、処置後検査の一部として等で使用されてもよい。
【0012】
本開示の実施形態は、限定ではないが、組織切除等の組織処置を実施するための改良された方法および装置を提供する。いくつかの実施形態では、画像誘導処置システムは、処置プローブと、撮像プローブとを備える。撮像プローブは、処置プローブが標的組織の切除または他の処置を実施する間、標的部位の画像を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、処置プローブおよび撮像プローブは、それぞれ、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下でロボットアームに結合される。処置プローブは、処置プローブを用いた組織切除の間の処置プローブのコンピュータ制御移動を提供するように構成されている第1のロボットアームに結合されてもよい。撮像プローブは、処置プローブを用いた組織切除手技の前および/または間、撮像プローブを用いた標的部位の走査の間に、撮像プローブのコンピュータ制御移動を提供するように構成されている第2のロボットアームに結合されてもよい。1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスもしくはプロセッサは、ロボットアームが、同一または異なる組織部位の撮像および処置のため等、処置および撮像プローブを手動設定位置に位置付けるために手動で調節されるように構成されている、受動モードにおいてロボットアームを動作させるための命令を実行するように構成されてもよい。1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、ロボットアームが手動調節または受動モードから解放された後、プローブの手動設定位置を維持するための命令を実行するように構成されてもよい。ロボットアームは、平行移動軸または回転軸のうちの1つまたはそれより多くに対して手動設定位置を維持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転角は、5°以内に維持され、平行移動位置は、5mm以内に維持される、またはそれを下回る。いくつかの実施形態では、回転角および平行移動位置は、3つの軸毎に維持され、これは、プローブを用いた撮像および処置の正確度を改良することができる。
【0013】
第1および第2のロボットアームに動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、例えば、事前計画またはプログラムされた走査プロファイルに基づいて、もしくは種々の事前プログラムされたパラメータに従って、処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を自動的に制御するように構成されてもよい。処置事前計画は、手動で、および/またはコンピュータビジョン、画像認識、もしくは機械学習のうちの1つまたはそれより多くの支援によって実施されてもよい。処置プロファイルによる処置プローブの自動制御移動は、例えば、標的部位の処置を実施することができる。撮像プロファイルによる画像プローブの自動制御移動は、例えば、標的部位の3次元レンダリングを発生させることができる。ロボットアームを使用する撮像プローブを用いた標的部位の自動的コンピュータ制御走査または監視はまた、患者への危害を防止する目的のために、または付加的処置のために、標的部位に関する有用な情報を発生させるために使用されることができる。例えば、撮像プローブは、止血を要求する標的部位内の出血部位を位置特定するために、切除手技後に標的部位のカラー/ドップラ走査を実施するように構成されてもよい。別の実施例として、撮像プローブは、血管を位置特定し、外科手術計画が潜在的出血部位を回避することを可能にし、それによって、止血処置に関する手技後要件を回避するために、切除または他の手技の前に標的部位のカラー/ドップラ走査を実施するように構成されてもよい。撮像プローブを使用する標的部位の3次元走査はまた、腫瘍等の標的部位における組織異常を識別するために使用されてもよい。走査または撮像はまた、手術または処置前もしくは後に実施され、出血または他の組織を識別するために、後の走査または画像と比較されてもよい。
【0014】
代替として、または加えて、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、例えば、処置装置のグラフィカルユーザインターフェースを通して、ユーザ入力に応答して、処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、コンピュータ制御下で第1または第2のアームの使用を開始することに先立って、第1および/または第2のロボットアームにプログラムされ得る、許容可動域内に処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を限定するように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者の組織を処置または撮像するためのシステムを対象とする。これらの実施形態では、本システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされているプローブと、プローブに結合するように構成されているロボットアームと、ロボットアームに動作的に結合され、プローブに関する許容可動域を確立するための命令を伴って構成され、許容可動域は、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上に記憶される、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスとを含んでもよい。これらの実施形態では、許容可動域を確立することは、プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することと、プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、個々の患者に関するプローブの遠位端に関する許容可動域を画定することとを含む。いくつかの実施形態では、本アプローチは、許容可動域が個々の患者に対して確立され、患者毎にカスタマイズされることを可能にする。命令はまた、プローブを用いて患者の標的組織を処置または撮像し、ロボットアームを移動させ、プローブに関する許容可動域内でプローブの移動に影響を及ぼすための命令を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、訓練または運動調節ステップのうちの1つまたはそれより多くに基づいて、許容可動域内に処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を限定もしくは制約するように構成されてもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、訓練または運動調節ステップは、各プローブの可能性として考えられる可動域に関するデータを用いてロボットアームおよび取り付けられたプローブを制御するために使用される、コンピュータシステムを提供することを含んでもよい。本データは、プローブ毎の個別の可能性として考えられる可動域の数学的表現または可能性として考えられる平行移動ならびに/もしくは角度運動の量のインジケーションとともに、可能性として考えられる可動域を示す画像の形態において提供されてもよい。1つまたはそれより多くのプローブに関する可能性として考えられる可動域は、次いで、訓練または教示モードもしくはセッションによって、許容可動域に限定または制約されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、訓練または運動調節ステップは、訓練または教示モードもしくはセッションから取得されたデータを用いてロボットアームおよび取り付けられたプローブを制御するために使用される、コンピュータシステムを提供することを含んでもよい。そのようなモードまたはセッションでは、医師は、患者の身体の内側にある間にプローブまたは複数のプローブを操作し、各プローブの可能性として考えられる可動域上に設置すべき制約または境界の内容をコンピュータシステムに「教示」してもよい。これは、組織または器官への損傷等の患者への危害を防止するために行われてもよい。訓練または教示モードはまた(または代わりに)、プローブが患者の身体の外側にあるときに行われてもよい。訓練モードの間、コンピュータシステムは、患者への危害を防止するために、可能性として考えられる可動域に適用すべき限度を学習し、応答して、ロボットアームが有害な位置または向きにおいてプローブを位置付けることが可能ではないように防止する。身体の外側で行われる訓練モードは、プローブ場所を訓練し、制御システムにおける衝突防止能力を有効化する際に特に効果的である。
【0019】
いくつかの実施形態では、訓練または運動調節ステップは、監視または撮像プローブ(本明細書に説明されるTRUSプローブ等)から取得された画像を用いてロボットアームおよび取り付けられたプローブを制御するために使用される、コンピュータシステムを提供することを含んでもよい。これらの実施形態では、監視または撮像プローブは、処置プローブならびに周辺組織および器官の画像を提供するために使用されることができ、コンピュータシステムは、画像に基づいて、患者への危害および/またはプローブの間の衝突を防止するために、プローブの位置、向き、または移動を制御するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、画像認識方法が、患者の組織または器官を識別するようにコンピューティングシステムを支援するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、患者のCT、MRI、または他の走査が、患者の組織または器官を識別するように、ならびに/もしくはプローブの可能性として考えられる可動域に対する適切な限度または制約を決定するように画像認識システムを支援するために使用されてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者の標的部位における標的組織を処置する方法を対象とし、本方法は、患者の中にプローブを手動で挿入することと、プローブをロボットアームに結合することと、プローブに関する許容可動域を確立することとを含み、許容可動域は、ロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上に記憶される。これらの実施形態では、許容可動域を確立することは、プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することと、プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、個々の患者に関するプローブの遠位端に関する許容可動域を画定することとをさらに含む。本方法は、プローブを用いて患者の標的組織を処置または撮像することと、プローブと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下でロボットアームを移動させ、プローブに関する許容可動域内でプローブの移動に影響を及ぼすこととをさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、本開示は、患者の標的部位における標的組織を処置するためのシステムを対象とし、本システムは、患者の標的組織を処置するための処置プローブに結合されている第1のロボットアームと、患者の標的組織を撮像するための撮像プローブに結合されている第2のロボットアームと、第1のロボットアームおよび第2のロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスとを含み、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、第1のロボットアームまたは第2のロボットアームのうちの1つまたはそれより多くの移動を制御するための命令を実行するように構成され、命令は、プローブまたは複数のプローブに関する許容可動域内であるように一方または両方のプローブの移動を制約する。
【0022】
第1のロボットアームおよび/または第2のロボットアームは、第1のアームならびに/もしくは第2のアームの位置および/または向きを調節し、処置プローブおよび撮像プローブの適切な位置または整合を維持するように、ならびに/もしくは患者の身体の外側の処置プローブと撮像プローブとの間の衝突または干渉を防止するように構成されてもよい。
【0023】
第1のロボットアームおよび/または第2のロボットアームは、1つまたはそれより多くのフィードバック感知機構を備えてもよい。例えば、第1のロボットアームおよび/または第2のロボットアームは、処置プローブならびに/もしくは撮像プローブの前方の組織の圧縮を検出するように構成されている力センサと動作可能に結合されてもよい。1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、例えば、前部組織の過剰圧縮ならびに組織および/またはプローブへの結果として生じる損傷を防止するために、センサによって検出される力に応答して、ロボットアームの移動を制御する命令を備えてもよい。別の例示的フィードバック感知機構は、第1および/または第2のロボットアームと動作可能に結合されている、位置ならびに/もしくは運動センサを備えてもよい。1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、例えば、処置および/または走査手技の間の患者移動に応答して、処置ならびに/もしくは撮像プローブの位置を調節するために、センサによって検出される位置および/または運動に応答して、ロボットアームの移動を制御する命令を備えてもよい。
【0024】
これらおよび他の実施形態は、添付される図面に関連する以下の説明においてさらに詳細に説明される。
【0025】
参照による組み込み
本明細書に参照される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれることが具体的かつ個別に示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の新規の特徴が、添付される請求項において詳細に記載される。本開示の特徴および利点のより深い理解が、本開示の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明および付随の図面を参照することによって取得されるであろう。
【0027】
【
図1】
図1は、いくつかの実施形態による、患者において組織切除を実施するためのシステムの正面図を示す。
【0028】
【
図2】
図2は、いくつかの実施形態による、患者において組織切除を実施するためのシステムを図式的に図示する。
【0029】
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、いくつかの実施形態による、1つまたはそれより多くのロボットアームを支持するための共通基部もしくはマウントの斜視図を示す。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、いくつかの実施形態による、1つまたはそれより多くのロボットアームを支持するための共通基部もしくはマウントの斜視図を示す。
【0030】
【
図4A】
図4Aおよび4Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、移動式基部を備える、患者において組織切除を実施するためのシステムの斜視図および側面図を図示する。
【
図4B】
図4Aおよび4Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、移動式基部を備える、患者において組織切除を実施するためのシステムの斜視図および側面図を図示する。
【0031】
【
図5A】
図5Aおよび5Bは、いくつかの実施形態による、処置プローブと第1のロボットアームとの間の結合部の上面図を示し、
図5Aは、結合解除された処置プローブおよび第1のロボットアームを示し、
図5Bは、結合された処置プローブおよび第1のロボットアームを示す。
【
図5B】
図5Aおよび5Bは、いくつかの実施形態による、処置プローブと第1のロボットアームとの間の結合部の上面図を示し、
図5Aは、結合解除された処置プローブおよび第1のロボットアームを示し、
図5Bは、結合された処置プローブおよび第1のロボットアームを示す。
【0032】
【
図6】
図6は、いくつかの実施形態による、処置プローブに結合されるロボットアームを動作させる方法に関するフローチャートを示す。
【0033】
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、撮像プローブに結合されるロボットアームを動作させるための方法を示す。
【0034】
【
図8A】
図8Aは、いくつかの実施形態による、患者の処置の間の処置プローブおよび撮像プローブの構成を図示する。
【0035】
【
図8B】
図8Bは、いくつかの実施形態による、プローブおよび力検出センサを伴うロボットアームの概略図である。
【0036】
【
図9A】
図9A、9B、および9Cは、いくつかの実施形態による、撮像プローブの矢状面との処置プローブ軸の整合を図式的に図示する。
【
図9B】
図9A、9B、および9Cは、いくつかの実施形態による、撮像プローブの矢状面との処置プローブ軸の整合を図式的に図示する。
【
図9C】
図9A、9B、および9Cは、いくつかの実施形態による、撮像プローブの矢状面との処置プローブ軸の整合を図式的に図示する。
【0037】
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による、出血部位の識別を含む、外科手術野の術中画像を示す。
【0038】
【
図11】
図11は、いくつかの実施形態による、1つまたはそれより多くのプローブを配置および較正するためのシステムを図示する。
【0039】
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による、シースに結合されるアーム、処置プローブに結合されるロボットアーム、および超音波プローブに結合されるアームを図示する。
【0040】
【
図13】
図13は、
図12におけるような処置プローブに結合されるロボットアームと、シースに結合されるアームとを備える、システムを図示する。
【0041】
【
図14A】
図14Aは、ロボットアームを処置プローブに結合するための結合部を図示する。
【0042】
【
図14B】
図14Bは、
図14Aにおけるような結合部によって提供される、処置プローブ、内視鏡、潅注管腔、および吸引管腔の移動を図示する。
【0043】
【
図15】
図15は、いくつかの実施形態による、処置の方法を図示する。
【0044】
【
図16】
図16は、いくつかの実施形態による、ハンドピースまたは処置プローブの側面図を図示し、その視点からのプローブの遠位端に関するプローブのROM原点を中心とする例示的可動域(ROM)を示す。
【0045】
【
図17】
図17は、いくつかの実施形態による、
図16の処置プローブを図示し、プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域(ROM)の実施例を示す。図はまた、それを越えるとプローブが患者の身体の中に挿入される、プローブワンド上の場所を表す、枢動点を中心とするプローブに関する可能性として考えられる可動域を図示する。
【0046】
【
図18】
図18は、いくつかの実施形態による、
図16のハンドピースまたは処置プローブの上面図を図示し、その視点からのプローブの遠位端に関するプローブの可動域原点を中心とする例示的可動域を示す。
【0047】
【
図19】
図19は、いくつかの実施形態による、
図18の処置プローブを図示し、プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域(ROM)の実施例を示す。図はまた、それを越えるとプローブが患者の身体の中に挿入される、プローブワンド上の場所を表す、枢動点を中心とするプローブに関する可能性として考えられる可動域を図示する。
【0048】
【
図20】
図20は、いくつかの実施形態による、撮像プローブの側面図およびその視点からの枢動点を中心とするプローブの遠位端に関する可動域の実施例を図示する。
【0049】
【
図21】
図21は、いくつかの実施形態による、
図20の撮像プローブの上面図およびその視点からの枢動点を中心とするプローブの遠位端に関する可動域の実施例を図示する。
【0050】
【
図22】
図22は、いくつかの実施形態による、処置プローブおよび撮像プローブの側面図を図示し、その視点からの相互に重なり合う各プローブの遠位端の個別の可動域を示す。
【0051】
【
図23】
図23は、いくつかの実施形態による、
図22の処置プローブおよび撮像プローブの上面図を図示し、その視点からの相互に重なり合う各プローブの遠位端の個別の可動域を示す。
【0052】
【
図24】
図24は、いくつかの実施形態による、処置プローブおよび撮像プローブの等角図を図示し、その視点からの相互に重なり合うプローブの遠位端の個別の可動域を示す。
【0053】
【
図25A】
図25Aは、いくつかの実施形態による、
図24の処置プローブおよび撮像プローブの側面図を図示し、その視点からの相互に重なり合うプローブの遠位端の個別の可動域を示す。
【0054】
【
図25B】
図25Bは、いくつかの実施形態による、
図24の処置プローブおよび撮像プローブの側面図を図示し、その視点からの相互に重なり合うプローブの遠位端の個別の可動域を示す。本図では、撮像プローブが、
図25Aと比較して、処置プローブに対して水平または縦方向に前進させられることに留意されたい。
【0055】
【
図26】
図26は、いくつかの実施形態による、
図25Aの処置プローブおよび撮像プローブの上面図を図示し、プローブが別個であるが、相互に同一線上または平行にあるときの相互に重なり合う個別の可動域を示す。
【0056】
【
図27】
図27は、いくつかの実施形態による、患者を処置するための手技の一部として使用される、プローブに関する可動域(ROM)を設定するための方法、プロセス、動作、または機能を図示する、フローチャートまたはフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
詳細な説明
本開示の実施形態は、組織切除、例えば、前立腺組織切除等の組織処置を実施するための改良された方法および装置を提供する。本明細書に開示される方法および装置は、多くのタイプの外科的手技に非常に適しており、多くの以前のシステムおよび方法の中に組み込まれることができる。本開示のいくつかの実施形態は、前立腺の経尿道処置を対象とするが、本開示のいくつかの側面はまた、他の組織および関連付けられる器官を処置ならびに修正するために使用されてもよい。これらの他の組織および関連付けられる器官は、限定ではないが、脳、心臓、肺、腸、眼、皮膚、腎臓、肝臓、膵臓、胃、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、耳、鼻、口、骨髄、脂肪組織、筋肉、腺および粘膜組織、脊髄および神経組織、軟骨等の軟組織、歯、骨等の硬質生物組織、ならびに洞、尿管、結腸、食道、肺通路、血管、および喉等の身体管腔ならびに通路を含んでもよい。本明細書に開示されるデバイスは、既存の身体管腔を通して挿入される、または身体組織に生成される開口部を通して挿入されてもよい。
【0058】
本開示の方法および装置は、エネルギー源を用いて多くのタイプの組織を処置するために非常に好適である。組織は、例えば、腺組織または被膜組織等の軟組織、もしくは骨または腎臓結石等の妨害物等の硬組織を備えてもよい。エネルギー源は、レーザビーム、水噴射、電極、超音波、高強度集束超音波、機械的振動、無線周波数(RF)エネルギー、超音波トランスデューサ、マイクロ波エネルギー、空洞形成水噴射または超音波キャビテーション等の空洞形成エネルギー、放射性同位体からの電離放射線等の放射線、もしくはイオン化電極からのイオンエネルギー、またはプラズマ電極からのプラズマエネルギーのうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。本開示の方法および装置は、例えば、砕石術を実施し、腎臓結石を破壊するために非常に好適である。本開示の方法および装置は、処置プローブ上の放射性同位体等の放射線を用いた処置のために非常に好適である。放射線処置は、例えば、癌の処置のために、プローブ上に提供され、プローブを用いて除去される、または処置プローブから埋め込まれることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、画像誘導処置システムは、処置プローブと、撮像プローブとを備える。撮像プローブは、処置プローブが標的組織の切除または他の処置を実施している間に、標的部位の画像を提供するように構成されてもよい。処置プローブおよび撮像プローブはそれぞれ、アームの一方または両方のより精密に制御された移動を可能にするために、かつ処置システムを使用する処置の安全性および効率性を改良するために、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下でロボットアームに結合されてもよい。処置プローブおよび撮像プローブは、代わりに、または、また、ジョイスティック、GUI、または他の形態の手動コントローラから受信される信号の制御下にあってもよい。
【0060】
ロボットアームは、多くの方法で構成されることができる。本開示に関連する研究は、TRUSプローブが力をロボットアームに及ぼし得ることを示唆する。いくつかの実施形態では、本力は、プローブに対する患者からの力に関連する。いくつかの実施形態では、本力は、施術外科医が、意図された処置に対する撮像または組織位置を改良する目的のために、組織に対してプローブを移動させ、組織を移動させることによって引き起こされる、力に関連する。プローブの長さは、ロボットアーム上に対応するトルクをもたらし得る。プローブの間またはプローブと患者の器官もしくは組織との間の衝突は、ロボットアームに対する力を引き起こし得、これは、それらの位置付け精度および制御に影響を及ぼし得る。
【0061】
本発明者らは、ロボットアームに印加され得るTRUSプローブからの力の量を決定するために、実験を行ってきた。本力は、例えば、患者の外部のモータマウントにおいて測定されることができる。力は、プローブおよび患者の外科的設置に応じて、0~約49ニュートンに及ぶことができる。いくつかの実施形態では、アームから前立腺との接触点までの距離は、アーム上のトルクの量に対応する。
【0062】
器具位置付けは、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、運動制御および能力の3つのカテゴリを有することができる。運動の3つのカテゴリは、概して、1)移動、格納、および外科手術の準備のための粗動能力と、2)プローブを患者と整合させ、プローブを患者の中に挿入するための中間移動能力と、3)正確な外科手術のための位置公差に対応する微細移動能力とを備える。
【0063】
粗動能力は、例えば、患者位置付けの間に、テーブルの下方に、かつそれに隣接して、格納を可能にする。
【0064】
中間運動は、例えば、本システムが患者進入のために準備され、位置付けられているときに、外科用支持構造、例えば、手術室(「OR」)台上の患者に対する器具位置付けを可能にする。TRUSプローブまたは任意の好適な外科的侵襲性プローブのための位置の典型的範囲は、X、Y、Z座標系を用いて説明され得る、患者の中への挿入のための自由運動を有するものである。適切な座標基準系を用いると、患者の管腔への進入は、X、Y、Z座標系における0、0、0の値に対応し得る。座標基準はまた、X’、Y’、Z’の角度座標基準を備えてもよい。管腔への進入は、患者の肛門を備えてもよい。0、0、0における肛門入口および患者軸と同一線上にあるプローブを用いると、中間運動は、+/-2~15cmのX運動公差と、+/-2~15cmのY運動公差と、+/-2~30cmのZ運動公差とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、XおよびY運動は、XおよびY座標基準に沿ったプローブの平行移動に対応する。Z軸位置は、管腔の軸に沿った移動に対応し、身体管腔に沿ったプローブの前進および後退、例えば、患者の中および外への平行移動に対応し得る。X’、Y’、Z’の角度調節を用いると、角度位置能力は、患者の天然軸に対して、X’+/-0~30度と、Y’+/-0~30度と、Z’+/-0~30度とを備えてもよい。本開示に関連する研究は、これらの角度能力を伴うプローブが、患者の中への挿入のためにユーザによって操作され得ることを示唆する。
【0065】
いくつかの実施形態では、微細移動能力および公差は、プローブが、例えば、組織切除および撮像の間に患者内に位置付けられた、ロボットプローブおよびアームの構成に対応する。本システムが、診断および処置のために位置付けられる器具と併用されているとき、本明細書に説明されるセンサおよび制御は、組織損傷を防止し、また、処置プローブおよび撮像プローブを位置付け、確実な画像、例えば、最適な画像を取得するように構成されることができ、処置および撮像プローブは、精密に位置付けられ、組織圧力に対して定位置で堅く保持されることができる。X、Y、Z基準フレームは、0、0、0における管腔入口(および患者軸と同一線上にあるプローブ)上で心合されることができる。いくつかの実施形態では、X運動公差は、+/-0~5cmであり、Y運動公差は、+/-0~5cmであり、Z運動公差は、+/-0~15cmである。XおよびY運動は、概して、プローブの平行移動に対応し、Z軸は、患者の中および外へのプローブの前進ならびに後退に対応する。X’、Y’、Z’のための対応する角度調節範囲は、例えば、患者の正中線に沿って延在するZ軸を伴う患者の正中線を参照して、患者の天然軸に対して、X’+/-0~10度、Y’+/-0~10度、およびZ’+/-0~15度である。上記の値は、例示的可動域を表すが、ロボットアームおよび外科用プローブは、プローブの固定位置構成に関して、より厳密な公差を提供し得る。例えば、プローブが、固定位置で保持されることを意図しているとき、回転公差は、+/-5°公差以内またはそれ未満、例えば、+/-3°に、X’、Y’、Z’のうちの1つまたはそれより多くを維持することができる。平行移動に関して、手動で設定された位置は、例えば、X、Y、Z軸のうちの1つまたはそれより多くに関して、5mmまたはそれ未満、3mmまたはそれ未満、もしくは2mmまたはそれ未満の位置公差に維持されることができる。いくつかの実施形態では、これらの公差は、X、Y、ZおよびX’、Y’、Z’毎に維持される。いくつかの実施形態では、プローブは、手動で設定され、平行移動および回転公差は、上記の値以内に維持され、これは、組織処置および関連付けられる撮像の正確度を改良することができる。これらの公差は、例えば、その上に搭載されたプローブを伴うアームの最大構造弛緩または荷重に対応し得る。
【0066】
プローブは、多くの方法で操作され、患者の中に挿入されることができる。例えば、プローブは、手動で操作されることができ、ロボットアームは、プローブと整合するように移動させられ、プローブに結合されることができ、プローブは、ユーザによって解放されたときに上記の公差を維持し、アームは、続いて、患者およびプローブの全荷重を支持する。アームは、手動で、またはセンサおよび誘導回路が、アームをユーザによって保持されるプローブと整合させるために使用される、少なくともある自動化を用いて、プローブと整合させられることができる。アームは、アーム上の結合構造が、プローブ上の結合構造と精密に整合させられ得るように、6自由度でプローブに係合するための結合構造を備えてもよい。結合構造は、続いて、整合の検出に応答して、係合され、相互に結合されることができる。いくつかの実施形態では、センサが、アームとプローブとの間の整合を検出するように、アームまたはプローブのうちの1つまたはそれより多くの上に提供され、結合構造が、検出された整合に応答して係合される。ロボットアームは、プロセッサまたはコンピューティングデバイスに結合される連携部を備えてもよく、プロセッサまたはデバイスは、アームの移動を制御し、アームをユーザによって保持されるプローブと整合させる。
【0067】
いくつかの実施形態では、尿道プローブは、TRUSプローブに類似する寸法、運動、および公差能力を有する。
【0068】
いくつかの実施形態では、プローブは、約250グラム~1,500グラムの範囲内の質量を備え、アームは、本範囲内の質量を備えるプローブを用いて、本明細書に説明される公差を維持する。
【0069】
本明細書に説明されるようなロボットアームは、撮像TRUSプローブの矢状面を備え得る、処置プローブと撮像プローブとの間の整合を改良することができる。例えば、処置プローブは、撮像プローブの矢状面に沿って略同一平面内に整合させられることができる。本共平面性は、処置プローブおよび撮像プローブの座標の明確な撮像ならびに整合を提供することができる。いくつかの実施形態では、本共平面性の公差は、処置プローブの幅および撮像面能力の幅、例えば、超音波ビーム形成を用いて捕捉される画像の幅の組み合わせに関連する。処置プローブに対するTRUSの相対位置は、略平行にあり、角度公差以内で整合させられることができる。整合は、+/-0(平行)~約30度の範囲内であり得る。いくつかの実施形態では、処置プローブおよびTRUSプローブの伸長軸は、略同一平面内構成で整合させられ、プローブの間の分離距離は、撮像および処置プローブの長さに沿って変動する。例えば、処置プローブの遠位先端は、TRUSプローブから最も遠く離れ得、近位端は、TRUSプローブにより近接し得、2つのプローブは、相互に対して傾斜しているが、略同一平面内にある。2つのプローブの間の傾斜は、各一意のヒトまたは患者解剖学的構造の天然口の組織または器官制約に関連し得る。自然に利用可能な口への入口の間の距離は、例えば、約5cm~約25cm分離の範囲内で変動し得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、撮像プローブおよび処置プローブは、処置プローブが撮像プローブの視野内にあるように、整合させられる。いくつかの実施形態では、整合は、撮像プローブの視野内で処置プローブを維持するように構成されている。いくつかの実施形態では、処置プローブは、ある位置まで移動するように構成され、撮像プローブは、視野内で処置プローブを維持するように構成されている。いくつかの実施形態では、これは、処置の間の処置プローブの位置および向きの監視を提供し、患者への危害の可能性を低減させることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、撮像プローブによる処置プローブの位置および向きの監視は、一方または両方のプローブの移動を停止させ、もしくは一方または両方のプローブの位置、場所、もしくは向きを改変し、患者の身体の内側にある間のプローブの間の衝突を防止するために、および/または患者の組織もしくは器官への危害を防止するために、コンピューティングデバイスへの信号を発生させることができる。いくつかの実施形態では、撮像プローブによる処置プローブの位置および向きの監視は、患者への危害を防止するために、本システムに、一方または両方のプローブの運動を停止させ、医師へのアラートを発生させることができる。加えて、これが患者への傷害を引き起こす、または処置計画の実行に影響を及ぼし得るため、ロボットアームの間、またはロボットアームと外科手術ツールもしくはアクセサリとの間の衝突を防止することが、重要である。これらのタイプの衝突は、アームに関する前方運動データを使用することに基づく較正手順によって限定または防止されることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、コンピュータビジョン、画像認識、または訓練された機械学習モデルのうちの1つまたはそれより多くが、一方または両方のプローブが相互に、または患者の組織もしくは器官に近接しすぎるときを認識するように本システムを支援するために使用されてもよい。
【0073】
これらおよび他の実施形態では、一方または両方のプローブの運動の停止もしくは一方または両方のプローブの位置、場所、もしくは向きの変更は、一方または両方のロボットアームを制御することによって実装されてもよい。
【0074】
図1は、患者において組織切除を実施するためのシステム400の例示的実施形態を示す。システム400は、処置プローブ450と、撮像プローブ460とを備えてもよい。処置プローブ450は、第1のアーム442に結合されてもよく、撮像プローブ460は、第2のアーム444に結合されてもよい。第1のアーム442および第2のアーム444のうちの一方または両方は、その移動が、アームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスによって制御され得る、ロボットアームを備えてもよい。処置プローブ450は、患者内の標的部位から標的組織を除去するためのデバイスを備えてもよい。処置プローブ450は、標的組織を除去または別様に処置するために十分なエネルギーを処置プローブ450から標的組織に送達するように構成されてもよい。例えば、処置プローブ450は、電気外科的アブレーションデバイス、レーザアブレーションデバイス、経尿道針アブレーションデバイス、水噴射アブレーションデバイス、またはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。撮像プローブ460は、標的組織を撮像するために十分なエネルギーを撮像プローブ460から標的組織に送達するように構成されてもよい。撮像プローブ460は、例えば、超音波プローブ、磁気共鳴プローブ、内視鏡、または蛍光透視法プローブを備えてもよい。第1のアーム442および第2のアーム444は、独立して調節可能である、固定関係に従って調節可能である、ユーザ選択関係に従って調節可能である、独立して係止可能である、同時に係止可能である、またはそれらの任意の組み合わせであるように構成されてもよい。第1のアーム442および第2のアーム444は、それぞれ、処置プローブ450および撮像プローブ460を操作するための複数の自由度、例えば、6自由度を有してもよい。処置システム400は、患者の前立腺等の患者の器官において組織切除を実施するために使用されてもよい。患者は、ベッド、テーブル、椅子、またはプラットフォーム等の患者支持台449上に位置付けられてもよい。処置プローブ450は、処置プローブの伸長軸451と一致する進入軸に沿って患者の標的部位の中に挿入されてもよい。例えば、処置プローブ450は、患者の前立腺内に処置プローブのエネルギー送達領域を位置付けるように、患者の尿道の中への挿入のために構成されてもよい。撮像プローブ460は、撮像プローブの伸長軸461と一致する進入軸に沿って、患者の標的部位において、または標的部位に隣接する部位において、患者の中に挿入されてもよい。例えば、撮像プローブ460は、患者の前立腺および周辺組織を視認するように患者の直腸の中への挿入のために構成されている経直腸超音波(TRUS)プローブを備えてもよい。
図1に示されるように、第1のアーム442および第2のアーム444は、無菌手術環境を提供し、ロボットアームを清潔に保ち、ロボットアームを損傷させる危険性を低減させるように、無菌ドレープで被覆されてもよい。本明細書に開示されるような実施形態と組み込むために好適なシステム400の種々の構成要素に関するさらなる詳細が、米国特許第7,882,841号、米国特許第8,814,921号、米国特許第9,364,251号、およびPCT公開第WO2013/130895号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
【0075】
図2は、患者において組織切除を実施するためのシステム400の例示的実施形態を図式的に図示する。システム400は、処置プローブ450を備え、随意に、撮像プローブ460を備えてもよい。処置プローブ450は、コンソール420および連携部430に結合される。連携部430は、ロボットアーム442の1つまたはそれより多くの構成要素を備えてもよい。撮像プローブ460は、撮像コンソール490に結合される。撮像プローブは、例えば、第2のロボットアーム444に結合されてもよい。患者処置プローブ450および撮像プローブ460は、共通基部440に結合されることができる。患者は、患者支持台449を用いて支持される。処置プローブ450は、第1のアーム442を用いて基部440に結合される。撮像プローブ460は、第2のアーム444を用いて基部440に結合されている第1のアーム442および第2のアーム444のうちの一方または両方は、その移動が、本明細書にさらに詳細に説明されるように、アームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスによって制御され得る、ロボットアームを備えてもよい。
【0076】
共通基部が参照されるが、ロボットアームは、ロボットアームの基部を支持するように、ベッドレール、コンソール、または任意の好適な支持構造に結合されることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、システム400は、ユーザがロボットアーム上の外科用器具を操作するためのプロセッサ423に結合されるユーザ入力デバイス496を備える。ユーザ入力デバイス496は、任意の好適な場所に、例えば、コンソール上、ロボットアーム上、移動式基部上に位置することができ、入力の冗長手段、一意の入力コマンド、または組み合わせのいずれかを提供するためにシステム400と併せて使用される、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くのユーザ入力デバイスが、存在してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ入力デバイスは、ユーザ入力デバイスの機械的移動に応答して、処置プローブまたは撮像プローブの端部(典型的には、遠位端と称される)を移動させるためのコントローラを備える。プローブの端部は、ディスプレイ425上に示されることができ、ユーザは、プローブの端部を操作することができる。例えば、ユーザ入力デバイスは、ユーザが6自由度で入力デバイスを移動させること可能であり、プローブの遠位端がコントローラの移動に応答して移動する、6自由度入力コントローラを備えてもよい。いくつかの実施形態では、6自由度は、3平行移動自由度と、3回転自由度とを備える。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、プローブ制御が、例えば、ユーザ入力デバイスのユーザ移動に応答して、エネルギー源を用いた自動化画像ベースの誘導処置とエネルギー源を用いた処置との間で切り替えられるための命令を伴って構成されることができる。
【0078】
患者は、処置プローブ450および超音波プローブ460が患者の中に挿入され得るように、患者支持台449上に設置される。患者は、例えば、腹臥、仰臥、直立、または傾斜等の多くの体位のうちの1つまたはそれより多くで設置されることができる。いくつかの実施形態では、患者は、砕石位で設置され、例えば、あぶみが、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、処置プローブ450は、患者の第1の側面で第1の方向へ患者の中に挿入され、撮像プローブは、患者の第2の側面で第2の方向へ患者の中に挿入される。例えば、処置プローブは、患者の前側から患者の尿道の中に挿入されることができ、撮像プローブは、患者の後側から患者の腸の中に経直腸的に挿入されることができる。処置プローブおよび撮像プローブは、尿道組織、尿道壁組織、前立腺組織、腸組織、または腸壁組織のうちの1つまたはそれより多くがその間に延在する状態で、患者内に設置されることができる。
【0079】
処置プローブ450および撮像プローブ460は、多くの方法のうちの1つまたはそれより多くで患者の中に挿入されることができる。挿入の間に、第1および第2のアームはそれぞれ、処置または撮像プローブが、プローブを患者の中に挿入するために望ましく回転および/または平行移動させられ得るように、実質的に係止解除された構成を備えてもよい。プローブが所望の場所に挿入されているとき、アームは、係止されることができる。係止構成では、プローブは、例えば、平行、歪曲、水平、斜角、または非平行等の多くの方法のうちの1つまたはそれより多くで相互に関連して向けられることができる。撮像プローブの画像データを処置プローブ座標参照にマッピングするために、本明細書に説明されるような角度センサを用いてプローブの向きを決定することが、有用であり得る。組織画像データを処置プローブ座標参照空間にマッピングさせることは、医師等のオペレータによる処置のために識別される組織の正確な標的化および処置を可能にすることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、処置プローブ450は、撮像プローブ460からの画像に基づいて処置プローブ450を整合させるために、撮像プローブ460に結合される。結合は、示されるように共通基部440を用いて達成されることができる。代替として、または組み合わせて、処置プローブおよび/または撮像プローブは、患者の組織を通して整合してプローブを保持するための磁石を備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1のアーム442は、処置プローブ450が患者内の所望の場所に位置付けられ得るように、移動可能かつ係止可能なアームである。プローブ450が患者の所望の場所に位置付けられているとき、第1のアーム442は、アーム係止427を用いて係止されることができる。撮像プローブは、第2のアーム444を用いて基部440に結合されることができ、これは、処置プローブが定位置で係止されたときに撮像プローブの整合を調節するために使用されることができる。第2のアーム444は、例えば、撮像システム、またはコンソール、およびユーザインターフェースの制御下で、係止可能かつ移動可能なプローブを備えてもよい。移動可能アーム444は、撮像プローブ460が、例えば、処置プローブ450に関連して1ミリメートル程度のわずかな移動で調節され得るように、微細作動可能であってもよい。
【0081】
いくつかの実施形態では、処置プローブ450および撮像プローブ460は、処置が、撮像プローブ460および処置プローブ450の整合に基づいて制御され得るように、角度センサに結合されている第1の角度センサ495は、支持台438を用いて処置プローブ450に結合されてもよい。第2の角度センサ497は、撮像プローブ460に結合されてもよい。角度センサは、多くのタイプの角度センサのうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。例えば、角度センサは、ゴニオメータ、加速度計、およびそれらの組み合わせを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の角度センサ495は、3次元で処置プローブ450の向きを決定するための3次元加速度計を備える。いくつかの実施形態では、第2の角度センサ497は、3次元で撮像プローブ460の向きを決定するための3次元加速度計を備える。代替として、または組み合わせて、第1の角度センサ495は、処置プローブの伸長軸451に沿った処置プローブ450の角度を決定するためのゴニオメータを備えてもよい。第2の角度センサ497は、撮像プローブ460の伸長軸461に沿った撮像プローブ460の角度を決定するためのゴニオメータを備えてもよい。第1の角度センサ495は、処置コンソール420のコントローラ424に結合される。撮像プローブの第2の角度センサ497は、撮像コンソール490のプロセッサ492に結合される。代替として、または組み合わせて、第2の角度センサ497は、処置コンソール420のコントローラ424に結合されてもよい。
【0082】
コンソール420は、処置プローブ450を制御するために使用される構成要素内のプロセッサシステムに結合される、ディスプレイ425を備える。コンソール420は、メモリ421を有するプロセッサ423を備える。通信回路422は、プロセッサ423およびコントローラ422に結合される。通信回路422は、撮像コンソールの通信回路494を介して、撮像コンソール490に結合される。コンソール420のアーム係止427は、第1のアームを係止するように、または第1のアームが、プローブ450を患者の中に挿入するために自由に移動可能であることを可能にするように、第1のアーム442に結合されてもよい。
【0083】
随意に、コンソール420は、処置プローブ450のアンカ24に結合される、内視鏡426の構成要素を備えてもよい。内視鏡426は、コンソール420の構成要素と、患者を処置するように処置プローブ450とともに挿入可能な内視鏡とを備えることができる。
【0084】
随意に、コンソール420は、処置プローブを用いた処置の側面を制御するように処置プローブ450と動作可能に結合されている、モジュールのうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。例えば、コンソール420は、エネルギーを処置プローブに提供するためのエネルギー源22、標的処置部位において処置プローブを係留するために使用されるバルーンの膨張に影響を及ぼすためのバルーン膨張制御26、プローブの注入および洗浄を制御するための注入/洗浄制御28、プローブによる吸引を制御するための吸引制御30、標的処置部位(例えば、前立腺)の吹送を制御するための吹送制御32、または光エネルギーを処置プローブに提供するための赤外線、可視光、もしくは紫外線光源等の光源33のうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。
【0085】
プロセッサ、コントローラ、および制御電子機器ならびに回路は、1つまたはそれより多くのプロセッサ、1つまたはそれより多くのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および1つまたはそれより多くのメモリ記憶デバイス等の多くの好適な構成要素のうちの1つまたはそれより多くを含むことができる。いくつかの実施形態では、制御電子機器は、ユーザ規定処置パラメータに従って手技前計画を提供するように、ならびに外科手術手技に対するユーザ制御を提供するように、グラフィックユーザインターフェース(以降では「GUI」)のコントロールパネルを制御する。
【0086】
処置プローブ450は、アンカ24を備えてもよい。アンカ24は、エネルギーがプローブ450を用いてエネルギー送達領域20に送達されている間に、プローブ450の遠位端を係留することができる。プローブ450は、ノズル200を備えてもよい。
【0087】
処置プローブ450は、連携部430を用いて第1のアーム442に結合されてもよい。連携部430は、例えば、患者の画像に基づいて、エネルギー送達領域20を患者の所望の標的場所まで移動させるための構成要素を備えてもよい。連携部430は、第1の部分432と、第2の部分434と、第3の部分436とを備えてもよい。第1の部分432は、実質的に固定された係留部分を備えてもよい。実質的に固定された係留部分432は、支持台438に固定されてもよい。支持台438は、連携部430の参照フレームを備えてもよい。支持台438は、第1のアーム442を処置プローブ450に剛性または堅性に結合するための剛性シャーシまたはフレームもしくは筐体を備えてもよい。第1の部分432が、実質的に固定されたままであることができる一方、第2の部分434および第3の部分436は、移動し、プローブ450から患者にエネルギーを指向することができる。第1の部分432は、アンカ24までの実質的に一定の距離437に固定されてもよい。アンカ24と連携部の固定された第1の部分432との間の実質的に固定された距離437は、処置が正確に設置されることを可能にする。第1の部分432は、処置プローブ450の伸長軸451に沿った所望の軸方向位置で、エネルギー送達領域20内に高圧ノズル200を正確に位置付けるための線形アクチュエータを備えてもよい。
【0088】
処置プローブ450の伸長軸451は、概して、連携部430の近傍のプローブ450の近位部分と、それに取り付けられたアンカ24を有する遠位端との間に延在する。第3の部分436は、伸長軸451の周囲の回転角453を制御することができる。患者の処置の間に、エネルギー送達領域20と連携部の第1の部分432との間の距離439は、アンカ24を参照して変動し得る。距離439は、アンカ24に参照された処置プローブの伸長軸451に沿って標的場所を設定するように、コンピュータ制御に応答した様式418で調節されてもよい。連携部の第1の部分が、固定されたままである一方、第2の部分434は、軸451に沿ったエネルギー送達領域20の位置を調節する。連携部436の第3の部分は、処置の角度における軸に沿った距離が、アンカ24を参照して非常に正確に制御され得るように、コントローラ424に応答して軸の周囲の角度453を調節する。プローブ450は、連携部430からアンカ24までの距離が、処置の間に実質的に一定のままであるように、支持台438とアンカ24との間に延在するスパイン等の堅性部材を備えてもよい。処置プローブ450は、噴射からの機械エネルギー、電極からの電気エネルギー、またはレーザ源等の光源からの光エネルギー等の1つまたはそれより多くの形態のエネルギーを用いた処置を可能にするように、本明細書に説明されるような処置構成要素に結合される。光源は、赤外線、可視光、または紫外線光を備えてもよい。エネルギー送達領域20は、意図される形態のエネルギーを患者の標的組織に送達する等のために、連携部430の制御下で移動させられることができる。
【0089】
撮像コンソール490は、メモリ493と、通信回路494と、プロセッサ492とを備えてもよい。対応する回路内のプロセッサ492は、撮像プローブ460に結合される。アームコントローラ491が、撮像プローブ460を精密に位置付けるようにアーム444に結合される。撮像コンソールは、ディスプレイ495-1をさらに備えてもよい。
【0090】
患者の処置の間に処置プローブおよび/または撮像プローブの精密な制御を促進するために、処置プローブおよび撮像プローブはそれぞれ、ロボットのコンピュータ制御可能アームに結合されてもよい。例えば、
図2に示されるシステム400を参照すると、処置プローブ450に結合されている第1のアーム442および撮像プローブ460に結合されている第2のアーム444のうちの一方または両方は、ロボットのコンピュータ制御可能アームを備えてもよい。ロボットアームは、ロボットアームの移動を制御するように構成されている、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスもしくはプロセッサと動作可能に結合されてもよい。例えば、第1のロボットアーム442は、コンソール420のプロセッサ423と動作可能に結合されてもよい、または第2のロボットアーム444は、撮像コンソール490のプロセッサ492と、および/またはコンソール420のプロセッサ423に動作可能に結合されてもよい。プロセッサ423および492等の1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、1つまたはそれより多くのロボットアームの移動を制御するためのコンピュータ実行可能命令を備えてもよい。第1および第2のロボットアームは、構造および機能が実質的に類似し得る、またはそれらは、処置プローブ対撮像プローブの移動を制御するための具体的機能要件に適応するように異なり得る。
【0091】
上記に説明されるいずれかのロボットアームは、アームがコンピュータ制御下で移動することを可能にするための6つ、または7つ、もしくはそれより多くの継手を備えてもよい。好適なロボットアームは、RoboDK Inc., Kinova Inc.および他の製造業者等のいくつかの製造業者から市販されている。
【0092】
第1および第2のロボットアームに動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスもしくはプロセッサは、処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を自動的に制御するように構成されてもよい。例えば、ロボットアームは、1つまたはそれより多くの事前プログラムされたパラメータまたは処置計画に従って、患者の処置の間に処置プローブおよび/または撮像プローブの位置ならびに/もしくは向きを自動的に調節するように構成されてもよい。ロボットアームは、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスもしくはプロセッサによってアクセスされることが可能なメモリ要素内またはその上に記憶され得る、事前計画またはプログラムされた処置もしくは走査プロファイルに沿って、処置プローブおよび/または撮像プローブを自動的に移動させるように構成されてもよい。ロボットアームの自動調節の代替として、またはそれに加えて、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、例えば、処置装置のグラフィカルユーザインターフェースまたは移動可能コントローラを通して、ユーザ入力に応答して、処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を制御するように構成されてもよい。
【0093】
ロボットアームの自動調節の代替として、またはそれに加えて、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、リアルタイム撮像または測位情報に応答して、処置プローブおよび/または撮像プローブの移動を制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、これは、撮像プローブまたは他の撮像源(そこから処置プローブおよび/または撮像プローブの許容可能かつ安全な可動域が決定され得る)によって捕捉される1つまたはそれより多くの画像内で認識される患者解剖学的構造、ならびに/もしくはプローブおよび/またはロボットアームに結合される1つまたはそれより多くのセンサからの処置プローブならびに/もしくは撮像プローブの位置情報に応答してであってもよい。
【0094】
本明細書にさらに説明されるであろうように、ロボットアームおよび/またはプローブの移動の制御またはそれに対する制約の変更は、因子のうちの1つまたはそれより多くもしくは組み合わせからもたらされ得る。これらの因子は、(a)画像、プローブまたはアームの要素もしくは区分の間の最大角度または線形分離、数学的関数、またはプローブの可能性として考えられる可動域を表す幾何学的区分(例えば、円柱、円錐区分、球体または球体の区分、異なる形状の区分の組み合わせ等)の他の数学的表現の形態において画定される、または表されるようなロボットアームおよびプローブの可能性として考えられる可動域、(b)プローブが患者の身体の中に挿入される前または後のプローブの許容可動域を実証し得る医師によって本システムに「教示」されるプローブの運動に対する制約または限度、および(c)プローブの間の衝突または患者の組織もしくは器官への危害を防止するために、プローブまたは複数のプローブの移動が防止または改変されるべきであるときを決定するために分析される、処置手技の間に捕捉される画像を含む。いくつかの実施形態では、画像は、相互に対する、または患者の組織もしくは器官に対する一方または両方のプローブの位置もしくは向きを決定するために、さらなる処理を受けてもよい。いくつかの実施形態では、さらなる処理は、画像認識、訓練された機械学習モデルの適用、患者の器官または他人の器官の画像のデータベースとの比較、もしくは医師によって提供される入力のうちの1つまたはそれより多くを含んでもよい。
【0095】
図3Aおよび3Bは、本明細書に開示されるような画像誘導処置システムの1つまたはそれより多くのロボットアームを支持するための共通基部もしくはマウント440の例示的実施形態を示す。
図3Aは、1つまたはそれより多くのレール452を備える、患者支持台449を示す。患者支持台449は、手術台またはプラットフォームを備えてもよい。処置プローブまたは撮像プローブのうちの1つまたはそれより多くと関連付けられる、1つまたはそれより多くのロボットアームは、レールが共通基部440として機能するように、レール452に搭載されてもよい。
図3Bは、処置プローブに接続される第1のロボットアームおよび/または撮像プローブに接続される第2のロボットアームに結合するように構成されている床スタンド454を備える、共通基部440を示す。床スタンド454は、処置手技の間に患者の脚の間に位置付けられてもよい。
【0096】
図4Aおよび4Bは、移動式基部470を備える、本明細書に説明されるような処置システム400の例示的実施形態を図示する。
図4Aは、処置システム400の正面図であり、
図4Bは、その側面図である。処置システム400は、第1のロボットアーム442に結合される処置プローブ450と、第2のロボットアーム444に結合される撮像プローブ460とを備える。第1のロボットアーム442および第2のロボットアーム444はそれぞれ、近位端と、遠位端とを備え、遠位端は、それぞれ、処置プローブ450および撮像プローブ460に結合され、近位端は、移動式基部470を備える、共通基部440に結合されている第1のロボットアーム442は、処置プローブ450に結合するための第1のアーム結合構造504を備えてもよく、第2のロボットアーム444は、撮像プローブ460に結合するための第2のアーム結合構造505を備えてもよい。処置プローブ450は、本明細書に説明されるような処置プローブの移動(例えば、回転、平行移動、ピッチ等)に影響を及ぼすように構成されている連携部を備え得る、取付デバイス500を介して第1のロボットアーム442の遠位端に結合されてもよい。第1のロボットアーム442への処置プローブ450の結合は、固定される、解放可能である、またはユーザ調節可能であってもよい。同様に、第2のロボットアーム444への撮像プローブ460の結合は、固定される、解放可能である、またはユーザ調節可能であってもよい。
【0097】
第1のロボットアーム442は、1つまたはそれより多くの第1のアーム継手443において関節動作してもよい。撮像アーム444は、1つまたはそれより多くの第2のアーム継手445において関節動作してもよい。各アーム継手443または445は、継手における移動に影響を及ぼすように、ステッパモータ等のコンピュータ制御可能アクチュエータと動作可能に結合されてもよい。各アーム継手443または445は、限定ではないが、角柱、回転、平行円柱、円柱、球状、平面、縁スライダ、円柱スライダ、点スライダ、球状スライダ、または交差円柱継手、もしくはそれらの任意の組み合わせを含む、種々の運動学的継手のうちの1つを備えてもよい。また、各アーム継手443または445は、線形、直交、回転、捻転、または回転継手、もしくはそれらの任意の組み合わせを備えてもよい。
【0098】
システム400は、移動式基部470と別個の移動式支持台480によって支持され得る、本明細書に説明されるようなコンソール420をさらに備えてもよい。コンソール420は、第1のロボットアームを介して移動式基部に結合される処置プローブ450の制御を可能にするように、電力および通信ケーブル475を介して移動式基部470と動作可能に結合されてもよい。処置コンソール420は、典型的には、プロセッサを含む、コンピューティングデバイスと、プロセッサによる実行のためのコンピュータ実行可能命令をその上またはその中に記憶しているメモリとを備える。実行されると、命令は、コンソールに、
図2を参照して本明細書に説明されるようなエネルギー源、注入/洗浄制御、吸引制御、および他の構成要素等の処置コンソールの種々のモジュールまたは機能性を制御させてもよい。
【0099】
処置コンソール420は、プロセッサと通信するディスプレイ425をさらに備えてもよい。ディスプレイ425は、例えば、心拍数、呼吸数、温度、血圧、酸素飽和度、または任意の生理学的パラメータ、もしくはそれらの任意の組み合わせ等の対象バイタルサイン、手技のステータス、1つまたはそれより多くのビューからの処置部位の1つまたはそれより多くの前もって撮影された画像もしくは画像のシーケンス、撮像プローブ460によって入手される1つまたはそれより多くのビューからの処置部位の1つまたはそれより多くのリアルタイム画像もしくは画像のシーケンス、限定ではないが、切断または凝固等の処置モード、処置の強度、処置の間に経過した時間、処置の間に残っている時間、処置の深度、処置された処置部位のエリアまたは体積、処置されるであろう処置部位のエリア、処置されないであろう処置部位のエリアまたは体積、処置プローブ450または撮像プローブ460もしくは両方の場所情報を含む、処置パラメータのセット、処置の深度、処置の強度、処置プローブ450の場所および/または向き、撮像の深度、もしくは撮像プローブ460の場所ならびに/もしくは向き、またはそれらの任意の組み合わせを調節するための手段等の処置調節制御、またはシステム構成パラメータのうちの1つまたはそれより多くを表示するように構成されてもよい。
【0100】
移動式基部470は、1つまたはそれより多くのロボットアームの動作を制御するための1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスをさらに備えてもよい。例えば、移動式基部は、プロセッサと、1つまたはそれより多くのプロセッサによる実行のためのコンピュータ実行可能命令をその上またはその中に記憶しているメモリとを備えてもよい。メモリは、移動式基部に結合される1つまたはそれより多くのロボットアームを動作させるための命令をその上またはその中に記憶している場合がある。プロセッサは、ロボットアームの移動に影響を及ぼすように、好適な電気機械構成要素を介してロボットアームと動作可能に結合されてもよい。例えば、ロボットアームの1つまたはそれより多くの継手はそれぞれ、ステッパモータを備えてもよく、プロセッサは、規定方向に規定増分だけモータを作動させるように、各継手においてステッパモータと動作可能に結合されてもよい。代替として、1つまたはそれより多くのロボットアームは、コンソール420または別個の撮像コンソール(
図2に示される撮像コンソール490等)の1つまたはそれより多くのプロセッサと動作可能に結合されてもよく、1つまたはそれより多くのコンソールプロセッサは、1つまたはそれより多くのロボットアームの移動を制御するための命令を実行するように構成されてもよく、通信回路(
図2に示されるコンソール420の通信回路422またはコンソール490の通信回路494等)を介して命令をロボットアームに通信してもよい。ロボットアームの移動を制御するためのコンピュータ実行可能命令は、事前プログラムされ、メモリ上に記憶されてもよい、または処置システムを使用する患者の処置の前もしくは間に、1つまたはそれより多くのユーザ入力を介してユーザによって提供されてもよい。
【0101】
第1および/または第2のロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、標的部位に沿った処置プローブならびに/もしくは撮像プローブのピッチ、ヨー、ロール、および/または線形位置を調節するように、アームの移動を制御するように構成されてもよい。
【0102】
移動式基部470は、ユーザがコンピュータ命令下でロボットアームの移動を制御することを可能にするための1つまたはそれより多くのユーザ入力デバイスを備えてもよい。例えば、
図4Aおよび4Bに示されるように、移動式基部は、キーボード474および/またはフットスイッチ471を備えてもよく、フットスイッチは、フットスイッチケーブル472を介して移動式基部と動作可能に結合されている。キーボード474およびフットスイッチ471は、独立して、または組み合わせて、例えば、1つまたはそれより多くの継手における一方もしくは両方のロボットアームの関節動作を介して、第1のロボットアーム442および/または第2のロボットアーム444の動作を制御するように構成されてもよい。キーボードおよびフットスイッチは、ロボットアームの移動を制御するように構成されている、1つまたはそれより多くのプロセッサと通信してもよい。ユーザが、キーボードおよび/またはフットスイッチに命令を入力するとき、ユーザ命令は、1つまたはそれより多くのプロセッサによって受信され、電気信号に変換されることができ、電気信号は、1つまたはそれより多くのロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピュータ制御可能アクチュエータに伝送されてもよい。キーボードおよび/またはフットスイッチは、処置位置、着目位置、所定の場所、またはユーザ規定場所、もしくはそれらの任意の組み合わせに向かって、またはそこから離れるように、一方もしくは両方のアームの移動を制御してもよい。
【0103】
随意に、キーボード474およびフットスイッチ471は、独立して、または組み合わせて、処置プローブ450および/または撮像プローブ460の動作を制御するように構成されてもよい。例えば、キーボード474および/またはフットスイッチ471は、処置プローブを用いた処置を開始、停止、一時停止、もしくは再開するように構成されてもよい。キーボード474および/またはフットスイッチ471は、撮像プローブによって前もって入手された、もしくは現在入手されている画像または画像のシーケンスを撮像し始める、もしくはディスプレイ425上にフリーズする、保存する、または表示するように構成されてもよい。
【0104】
コンソール420の移動式基部470および移動式支持台480は、プラットフォーム等の患者支持台449によって支持される患者の周囲に独立して位置付け可能であってもよい。例えば、第1および第2のロボットアームならびに処置および撮像プローブを支持する、移動式基部470は、患者の脚の間に位置付けられてもよい一方、コンソール420およびディスプレイ425を担持する移動式支持台480は、患者の胴体の近傍等の患者の側面に位置付けられてもよい。移動式基部470または移動式支持台480は、複数の車輪等の基部または支持台が移動することを可能にする、1つまたはそれより多くの移動可能要素を備えてもよい。移動式基部470は、汚染および流体浸入を防止するために、処置手技の全体を通して無菌ドレーピングで被覆されてもよい。
【0105】
図5A-5Bは、処置プローブ450と第1のロボットアーム442との間の例示的結合部を示す。
図5Aは、ロボットアームから結合解除された処置プローブを示す。
図5Bは、ロボットアームに結合された処置プローブを示す。示されるように、処置プローブ450は、再利用可能なモータパックを備え得る、取付デバイス500を伴ってロボットアーム442に結合されてもよい。処置プローブ450は、取付デバイス500に可撤式に結合されてもよい。取付デバイスは、ロボットアームに結合し、定位置で取付デバイスを係止するように構成されている、コネクタ502をさらに備えてもよい。ロボットアーム442は、取付デバイス500のコネクタ502を係止して受容するように構成されている、アームの遠位端に配置される結合構造504を備えてもよい。いったん処置プローブおよびロボットアームがともに結合されると、処置プローブの移動は、ロボットアームを移動させることによって(例えば、コンピュータ制御下でロボットアームの1つまたはそれより多くの継手を関節動作させることによって)制御されてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、処置プローブは、ロボットアームが位置を失う、または別様に正しく動作することができない場合において、プローブとロボットアームとの間の結合部が、患者への傷害を防止するために迅速接続解除が可能であるように、迅速解放機構を介してロボットアームに結合される。処置プローブおよびロボットアームは、機械的に(例えば、ブルームクリップ)、および/または磁気的に等の多くの方法で、相互に結合されてもよい。例えば、
図5Aおよび5Bに示される実施形態では、結合構造504は、その中に配置された磁石508を有する、スロット506を備えてもよく、コネクタ502は、スロット506内に嵌合し、磁石508に係合するように構成されている、強磁性固定具を備えてもよい。結合構造504は、コネクタ502を磁石508と選択的に係合または係脱させるための掛止機構510をさらに備えてもよい。例えば、
図5Aおよび5Bに示されるように、掛止機構510は、取付デバイス500のコネクタ502との結合構造504の磁石508の係合に影響を及ぼすように回転され得る、回転可能ノブを備えてもよい。掛止機構は、取付デバイス500、したがって、それに結合された処置プローブ450をロボットアーム442に、それぞれ、結合または結合解除するように、自動的に、もしくはユーザによって手動で係合または係脱されてもよい。いくつかの実施形態では、結合構造504は、ロボットアームを制御するように構成されている、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスと動作可能に結合されてもよく、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、エラーがロボットアームの動作において検出されるときに、プローブへの結合構造の結合を解放する命令を備えてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、第1のロボットアーム442は、取付デバイス500または結合構造504のうちの1つまたはそれより多くからのセンサ場所データに応答して、処置プローブ450を自動的に位置特定するように構成されてもよい。第1のロボットアーム442は、例えば、取付デバイス500を位置特定するように、「探求」モードで動作されてもよい。いくつかの実施形態では、プローブは、1つまたはそれより多くの基準標的を備え、ロボットアームは、3D空間内のプローブの相対位置を識別するために十分な分解能および位置付けの対応するセンサを備える。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、プローブが患者内に位置付けられているときに、ユーザがプローブを定常に保持している間に、ロボットアーム上に搭載構造を伴う処置プローブまたは撮像プローブを探求する命令を伴って構成されている。
【0108】
第1のロボットアーム442等のロボットアーム上のセンサおよび処置プローブ等のプローブ上のセンサは、例えば、
図8Bに示されるように、多くの方法で配列されることができる。
【0109】
プロセッサは、アーム上のプローブに係合しようとしながら、ロボットアームの移動の間に相対場所を動的に更新するように、ロボットアームの端部の近傍またはプローブ上のセンサに結合されることができる。ロボットアーム上のセンサは、ロボットアームとプローブとの間の相対距離を決定するために、容量、容量変位、ドップラ、誘導、磁気、光学、レーダ、ソーナ、超音波、またはホール効果センサのうちの1つまたはそれより多くを備える、複数のセンサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プローブは、複数の標的を備え、センサは、複数の標的からの距離に応答して、信号を発生させるように構成されている。代替として、または組み合わせて、センサは、プローブおよびロボットアーム上の標的上に位置することができる。いくつかの実施形態では、センサは、例えば、プローブおよびアームが相互とのドッキングの数ミリメートル以内にあるときに、ロボットアームに関連するプローブの位置を感知するように、ロボットアーム上またはアームに近接するプローブのドッキングを確認するための密接接触機械センサを備える。密接接触機械センサは、マイクロ運動スイッチ、ウィスカタッチセンサ、またはピンインホール接触スイッチのうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。いくつかの実施形態では、プローブおよびロボットアームは、接触の最終位置における非移動係止係合を提供するための統合型係止機構を備える。統合型係止機構は、磁気、電磁、掛止、多重巻掛止ねじもしくは4分の1巻係止ねじ等のねじ、真空、または当業者によって理解されるであろうような可逆的取付の他の機械的手段のうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、プローブとロボットアームとの間の近い分離距離のための1つまたはそれより多くのセンサ、中間分離距離のための1つまたはそれより多くのセンサ、および遠い分離距離のための1つまたはそれより多くのセンサ等の複数のセンサが、使用される。粗場所センサ、例えば、ビーコンが、プローブの近似場所を決定するために使用されることができる。1つまたはそれより多くのセンサ、例えば、近接性センサが、ロボットアームに関連するプローブの微細な場所位置付けのために使用されることができる。いくつかの実施形態では、プローブ上の1つまたはそれより多くのマーカが、カメラおよび1つまたはそれより多くのマーカのマシンビジョン視覚検出と併用される。
【0111】
いくつかの実施形態では、プローブへのロボットアームのホーミング検出のための粗位置空間場所を可能にする、赤外線(IR)ビーコンであり得る、粗場所センサが、提供されてもよい。ある場合には、IRビーコン等のホーミングビーコンが、基準の視覚認識に依拠し得るセンサと比較して、より長い距離を横断するホーミングを可能にする。
【0112】
いくつかの実施形態では、ドッキング検出センサは、ロボットアームがプローブと係合している、またはそれに近接近していることを確認する。実施例として、ホール効果センサが、センサ出力に影響を及ぼすために永久磁石と併せて使用されることができる。いくつかの実施形態では、ホール効果センサは、雑音耐性があり、非接触型であり、一貫した検出範囲を有する。いくつかの異なるタイプのホールセンサのうちのいずれかが、利用されてもよく、多くの場合、センサは、全体的出力電圧が供給電圧によって設定され、磁場の強度に比例して変動する、単純なスイッチおよび線形範囲測定ならびに検出として機能する。これは、センサと位置特定磁石との間の距離測定をもたらし、ロボットアームとプローブとの間の距離を測定し、ドッキングを補助するために使用されてもよい。センサおよびビーコンは、ロボットアームおよびプローブの個別の筐体内に位置してもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、ロボットアームの位置感知が、最大9軸の検出を含み得る、慣性測定ユニット(IMU)によって実施される。ある場合には、ロボットアームの継手内に位置し得る6軸IMUが、運動検出、振動検出、位置向き情報、冗長性、および一次エンコーダ信号のバックアップのために使用されることができる。IMUは、ロボットアームとのドッキング、ならびに本明細書に説明されるような力検出および運動補償のためのプローブを探求する二重機能を実施してもよい。説明されるセンサは、本明細書に説明される任意のロボットアームまたはプローブと組み合わせて使用されることができる。
【0114】
いくつかの実施形態によると、ロボットアームをプローブとドッキングするための手技は、ホーミング検出のための粗位置および空間場所を提供するためのIRビーコンと、アームまたはプローブのいずれかの上の基準と、XY平面内の位置場所の微細な整合を可能にするために使用され得る、基準を視認するための光学センサと、ドッキングのためのZ方向近接性を検出するためのホール効果センサとを備えてもよい。IRビーコンは、プローブに対するロボットアームのホーム位置のより長い距離の探求を可能にする。基準および光学センサは、ロボットアームによるプローブの3D場所および3D向きの高速低遅延検出を可能にし得る。ロボットアーム上、プローブ上、またはロボットアーム制御ユニット上に位置し得る、ユーザインターフェースが、距離、位置、ドッキングされたステータス、または他の情報を示してもよい。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースは、アームおよびプローブの相対位置ならびに/もしくはドッキングステータスを示すためのLEDインジケータ等の1つまたはそれより多くの視覚的キューを含む。
【0115】
図5Aおよび5Bに示される結合機構は、処置プローブを第1のロボットアームに結合する文脈において説明されるが、実質的に類似する機構もまた、撮像プローブを第2のロボットアーム444に結合するために使用されてもよい。例えば、第2のロボットアーム444の結合構造は、撮像プローブに接続される取付デバイスに係合するための類似する結合機構を備えてもよい。
【0116】
図6は、いくつかの実施形態による、処置プローブに結合されるロボットアームを動作させるための方法600を示す。
【0117】
ステップ605では、処置プローブが、手動で、半自動的に、または自動的に患者の片側でロボットアームがスタンバイしている状態で、患者の中に挿入される。例えば、前立腺組織切除システムに関して、処置プローブは、前立腺に向かって患者の尿道の中に手動で挿入されてもよい。処置プローブは、これが尿道、前立腺、および膀胱頸部の蛇行性経路を追跡するように前進させられる際に操作されてもよい。尿道に進入した後、処置プローブは、尿道球を通したさらなる前進の前に、(例えば、90度だけ)旋回されてもよい。命令が、そのような旋回を実施するようにユーザに提供されてもよい、または挿入が自動的もしくは半自動的である場合において、ロボットアームは、画像、位置、および/または力フィードバックデータに応答して、そのような旋回を行うように命令されてもよい。いくつかの実施形態では、処置プローブは、撮像プローブと並行して、またはその後に、患者の中に挿入され、いくつかの事例では、処置プローブ挿入は、挿入された画像プローブからの画像データによって誘導されてもよい。患者の挿入点または場所は、変動してもよく、器官、前立腺、腎臓、心臓、肺、肝臓等を含んでもよい。参照されるように、本開示のいくつかの実施形態は、前立腺の経尿道処置を対象とするが、側面はまた、他の組織および関連付けられる器官を処置ならびに修正するために使用されてもよい。これらの他の組織および関連付けられる器官は、限定ではないが、脳、心臓、肺、腸、眼、皮膚、腎臓、肝臓、膵臓、胃、子宮、卵巣、睾丸、膀胱、耳、鼻、口、骨髄、脂肪組織、筋肉、腺および粘膜組織、脊髄および神経組織、軟骨等の軟組織、歯、骨等の硬質生物組織、ならびに洞、尿管、結腸、食道、肺通路、血管、および喉等の身体管腔ならびに通路を含む。
【0118】
ステップ610では、ロボットアームが、処置プローブに結合される。ユーザは、ロボットアームが受動または「ゼロ重力」モードのままである間に、本明細書に説明されるようにロボットアーム結合構造を処置プローブの取付デバイスに手動で整合させることができる。取付デバイスおよびロボットアームの結合構造は、ともに結合し、ロボットアームを処置プローブに取り付けることができる。いくつかの実施形態では、ロボットまたはロボットアームは、自律または半自律モードで動作しながら挿入されたプローブを「見出す」ように構成されてもよい。
【0119】
ステップ615では、ロボットアームに関する許容可動域が、プログラムされる。例えば、ユーザは、ロボットアームが依然として受動モードである状態でプローブがロボットアームに接続されている間に、処置プローブを手動で移動させ、回転させ、角度を付け、処置プローブの許容可動域に関する境界を設定することができる。ユーザは、膀胱鏡、超音波、および触覚フィードバックの組み合わせに基づいて、境界を設定してもよい。代替として、境界は、解剖学的モデルまたは組織条件等の解剖学的構造に基づいてもよい。ロボットアームと動作可能に結合されているプロセッサは、ロボットアームが、能動モードに切り替えられたときに、これらの境界を使用し、許容可動域外の移動を回避し得るように、許容可動域に関する境界を検出および記憶することができる。
【0120】
いくつかの実施形態では、処置プローブが、陰茎尿道内に手動で挿入され、遠位端が中葉を約1cm越え、患者の膀胱内にある状態で設置される。プローブは、例えば、TRUSプローブ等の超音波を用いて撮像されることができる。プローブの画像は、例えば、膀胱内の中葉を約1cm越えて、患者解剖学的構造内の最終場所の近傍に手動で位置付けられたプローブを示し得る。いくつかの実施形態では、可動域は、医師が、恥骨または尿道弓内で上向きに処置プローブをドッキングする初期挿入の角度と平行にプローブを操作し、X平面内で側方に約3mm~約5mmの範囲内、Y平面内で下向きに約0mm~約10mmの範囲内に運動を制限することによって、手動で較正される。(患者の中および外への)Z平面に関する訓練された運動は、患者に向かって0cm内向きに、および患者から外への完全抽出に設定されるであろう。例えば、30cmプローブが、患者からそれを除去するように、30+cmと同程度に後退され、臨床処置のための有効エリアを調節する場合、はるかに少なく後退され得る。
【0121】
角度的に、医師の完全挿入位置から測定されると、患者内の安全可動域は、組織弾性および骨構造等の解剖学的構造に依存する。骨盤切痕骨構造に支点を伴う角度位置付けの実施例として、運動の許容角度範囲は、例えば、側方X方向に約0度~約+/-5度の範囲内、Y平面に沿って垂直方向に約0度~+/-25度の範囲内、または患者解剖学的構造に応じてこれらの範囲内の運動の組み合わせに設定されることができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、本システムは、本システムの動作からの要求に応答して訓練モードに入る、またはそれを実行してもよい。訓練モードの間、オペレータは、例えば、プローブを許容可動域内で移動させる等、プローブを移動させることによって、プローブまたはプローブの遠位端が患者の身体の中に挿入されるプローブまたはプローブの遠位端の許容可動域を実証する、もしくは別様にプローブの遠位端等のプローブの許容可動域を画定してもよい。訓練モードは、例えば、可動域が実証された後に出る、または終了してもよい。組織の処置または撮像は、本明細書に議論されるように、訓練モードを出た後に開始されてもよい。
【0123】
代替として、または加えて、処置プローブの許容可動域に関する境界は、撮像プローブまたは他の撮像源(例えば、膀胱鏡、外部超音波源、CT走査装置、MRIシステム、蛍光透視撮像システム等)から等の標的部位の画像データの自動化分析に応答して、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサを用いて自動的もしくは半自動的に決定されてもよい。画像データは、リアルタイムで発生されてもよい。例えば、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサは、画像データ内の解剖学的構造(例えば、前立腺、外括約筋、精丘、膀胱頸部等)、ある場合には、処置および/または撮像プローブを認識し、応答して許容可動域の境界またはそれに対する限度を決定するように命令されてもよい。いくつかの実施形態では、境界は、本明細書に議論されるように、訓練モードに入る前に、その中でプローブの遠位端が移動することを束縛される領域を画定することによって、初期可動域として自動的または半自動的に決定もしくは画定されてもよい。
【0124】
代替として、または加えて、処置プローブの許容可動域に関する境界は、処置プローブおよび/または処置プローブロボットアーム上の1つまたはそれより多くの位置ならびに/もしくは力センサからの処置プローブの位置および/または力フィードバックデータに応答して、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサを用いて自動的もしくは半自動的に決定されてもよい。例えば、処置プローブおよび/または処置プローブロボットアーム上の1つまたはそれより多くの力センサは、プローブ前進がより制限され、組織損傷の危険性を提示し得るエリアを示し得る、組織圧力データを提供することができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム内の継手センサは、患者の中に挿入されるプローブへの力を検出するための力フィードバックセンサを備える。代替として、または組み合わせて、プロセッサに結合されるセンサが、プローブのうちの1つまたはそれより多くに、もしくはプローブとロボットアームとの間の界面に位置することができる。例えば、プローブ内のプローブセンサは、プローブの遠位端の近傍の圧力を感知することができる。プロセッサは、感知される遠位圧力に応答して、平行移動および/または回転してプローブの遠位端を調節する命令を伴って構成されることができる。センサは、組織に対するプローブの圧力を感知するようにプローブに沿って位置する、多平面歪みゲージ要素のうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。プロセッサは、閾値限度を実装し、望ましくない組織損傷を回避する命令を伴って構成されることができる。多平面歪みゲージ要素は、電気伝導度薄膜センサ、半導体センサ、ピエゾ抵抗器、ナノ粒子ベースの歪みセンサ、容量センサ、光学リング共振器、光ファイバセンサ、またはエラストマ内の伝導性流体のうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。
【0126】
いくつかの実施形態では、プローブシャフトは、ばね定数と、屈曲およびシャフトに沿った具体的点における軸方向圧力を測定するためのシャフトに沿った周期的場所における埋め込み歪みゲージとを備える。これらのセンサ測定値は、アーム継手センサと組み合わせられることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、骨への近接性に関連する骨拘束、丈夫な組織進入支点、または内側解剖学的構造組織に対して押進されているプローブの遠位先端のうちの1つまたはそれより多く等の圧力抵抗源が存在するかどうかを識別または決定するための命令を伴って構成されている。代替として、または組み合わせて、プローブ上のプローブは、プローブの周囲のリング、線形側面構造、またはプローブの遠位端の近傍のボタンセンサ要素等の要素から情報を報告する圧力センサと結合される、暴露された「タッチエリア」を有する、エラストマ管状シースを備えてもよい。
【0127】
ステップ620では、ロボットアームが、ユーザ入力を通してコンピュータ制御下で操作される。ユーザは、画像誘導処置システムのグラフィックユーザインターフェース(例えば、本明細書に説明されるような処置コンソールを通して提供されるユーザインターフェースソフトウェア)またはジョイスティック等の他の好適なユーザ入力もしくは制御要素に提供される入力を介して、ロボットアーム運動を操作してもよい。例えば、ユーザは、処置プローブの回転、平行移動、および/またはピッチ角の調節のうちの1つまたはそれより多くに影響を及ぼし得る。能動モードである間、ロボットアームは、ステップ615で設定されるような許容可動域の境界内のみで移動するように構成されてもよい。ロボットアームは、能動モードである間に、患者から処置プローブを後退させるが、処置プローブを患者の中に前進させず、患者の安全性を確実にするように構成されてもよく、患者の中へのプローブの任意の前進は、ユーザによって手動で実施されることができる。プローブの後退の間に、ロボットアームは、プローブのz軸位置が実質的に一定のままであるように、線形軌道上でプローブを維持するようにプログラムされてもよい。
【0128】
ロボットアームおよび処置プローブは、自動化され得る、処置プロトコルを実施するように、コンピュータ制御下で操作されてもよい。いくつかの実施形態では、組織切除手技が、撮像プローブまたは他の撮像源からの画像データに基づいて、自動的に計画される。例えば、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサは、前立腺またはその他の関連する解剖学的構造を認識し、解剖学的構造およびプローブの場所に応答して、処置プロトコルを発生させ、これがロボットアームおよび/または処置プローブを操作することによって実装される前に、ユーザが処置プロトコルを修正ならびに/もしくは容認することを可能にするように命令されてもよい。
【0129】
ステップ625では、ロボットアームが、処置プローブの位置を調節するように、コンピュータ制御下で自動的に操作される。処置プローブの位置は、事前プログラムされたパラメータ、ユーザ命令、(例えば、撮像、位置、および/または力フィードバックデータからの)リアルタイムフィードバック、またはそれらの組み合わせに従って、調節されてもよい。例えば、撮像システムは、例えば、超音波撮像プローブを用いて取得される標的部位の超音波画像に基づく「スマート」画像認識を使用して、処置の間に処置プローブの場所を検出するように構成されてもよい。処置プローブの検出された場所に基づいて、ロボットアームは、処置プローブを患者の標的組織に、および/または撮像プローブに整合させるために、ならびに/もしくは患者移動を補償するために、処置プローブの位置および/または向きを調節するように自動的に操作されてもよい。ステップ628では、処置が、実施される。
【0130】
ステップ630では、処置プローブが、ロボットアームから結合解除される。処置手技が、完了されるとき、ユーザは、ロボットアームから処置プローブを接続解除し、ロボットアームを脇に手動で移動させ、次いで、患者から処置プローブを除去することができる。
【0131】
方法600の1つまたはそれより多くのステップは、本明細書に説明されるような回路、例えば、本明細書に説明されるシステムのプロセッサまたは論理回路のうちの1つまたはそれより多くを用いて実施されてもよい。回路は、方法600の1つまたはそれより多くのステップを提供するようにプログラムされてもよく、プログラムは、コンピュータ可読メモリ上に記憶されたプログラム命令、またはプログラマブルアレイ論理もしくはフィールドプログラマブルゲートアレイを伴うもの等の論理回路のプログラムされたステップを備えてもよい。
【0132】
上記のステップは、いくつかの実施形態による、処置プローブに結合されるロボットアームを動作させる方法600を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。例えば、ステップは、異なる順序で完了されてもよい。1つまたはそれより多くのステップが、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを含んでもよい。ステップの多くは、必要または所望に応じて頻繁に繰り返されてもよい。
【0133】
図7は、いくつかの実施形態による、撮像プローブに結合されるロボットアームを動作させるための方法700を示す。
【0134】
ステップ705では、撮像プローブが、手動で、半自動的に、または自動的に患者の片側でロボットアームがスタンバイしている状態で、患者の中に挿入される。例えば、画像誘導前立腺組織切除システムに関して、撮像プローブは、TRUSプローブを備えてもよく、患者の直腸の中に手動で挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、撮像プローブは、処置プローブと並行して、またはその前に挿入される。撮像プローブは、横断面に沿って1つまたはそれより多くの画像を提供してもよい。撮像プローブは、撮像プローブ(および/または撮像プローブ内の撮像トランスデューサ)が前進ならびに/もしくは後退される際に発生され得る、矢状面に沿った1つまたはそれより多くの画像を提供してもよい。横断および/または矢状画像は、3次元画像を発生させるように組み合わせられてもよい。
【0135】
ステップ710では、ロボットアームが、撮像プローブに結合される。例えば、ロボットアームおよび撮像プローブは、処置プローブを参照して本明細書に説明されるものに実質的に類似する結合機構を使用して、ともに結合されてもよい。
【0136】
ステップ715では、ロボットアームに関する許容可動域が、プログラムされる。例えば、オペレータ等のユーザは、ロボットアームが依然として受動モードである状態でプローブがロボットアームに接続されている間に、撮像プローブを手動で移動させ、回転させ、角度を付け、撮像プローブの許容可動域に関する境界を設定することができる。いくつかの実施形態では、本システムは、訓練モードに入ってもよく、オペレータは、ロボットアームが依然として受動モードである状態でプローブがロボットアームに接続されている間に、撮像プローブを手動で移動させ、回転させ、角度を付け、撮像プローブの許容可動域に関する境界を設定することができる。ユーザは、膀胱鏡、超音波、および触覚フィードバックの組み合わせに基づいて、境界を設定してもよい。許容可動域が、プローブの要素の可能性として考えられる可動域と異なり得ることに留意されたい。これは、処置を促進する、処置の間のプローブとロボットアームとの間の衝突を防止する、および/または可能性として考えられる害から患者を保護するために行われてもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、プローブが、患者の直腸の解剖学的構造内の最終場所の近傍に手動で位置付けられる。可動域は、医師が、例えば、初期挿入の角度と略平行にプローブを操作することによって、手動で較正される。医師は、許容可動域、例えば、側方X平面または垂直Y平面のうちの1つまたはそれより多くに沿って約3cm~約5cmの範囲内の境界を伴う許容可動域内で、挿入されたプローブを移動させる。いくつかの実施形態では、医師は、Z平面に沿って(患者の中および外に)プローブを移動させる。いくつかの実施形態では、Z平面に沿った可動域は、患者に向かって0cm内向き(不慮のロボットによって引き起こされる直腸損傷を回避するための0)から患者から外への完全抽出の範囲内であり得る。例えば、10cmプローブが、患者からそれを除去するように、10+cm後退され得る。角度的に、医師の完全挿入位置から測定されると、患者内の安全可動域は、組織弾性および骨構造等の解剖学的構造に依存する。組織表面に(または代替として、骨構造によって画定される平面に)支点を伴うプローブの角度位置付けの実施例として、許容可動域は、例えば、XまたはY平面のうちの1つまたはそれより多くにおいて、0度~約+/-15度、例えば、約0~約+/-30度に設定されることができる。いくつかの実施形態では、角度境界は、これらの境界内で円錐を辿ることに対応する、運動の組み合わせを備えてもよい。
【0138】
ロボットアームと動作可能に結合されているプロセッサは、ロボットアームが、能動モードに切り替えられたときに、これらの境界を使用し、許容可動域外の移動を回避し得るように、許容可動域に関する境界を検出および記憶することができる。代替として、または加えて、撮像プローブの許容可動域に関する境界は、撮像プローブまたは他の撮像源(例えば、膀胱鏡、外部超音波源、CT走査装置、MRIシステム、蛍光透視撮像システム等)から等の標的部位の画像データの自動化分析に応答して、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサを用いて自動的もしくは半自動的に決定されてもよい。画像データは、リアルタイムで発生されてもよい。例えば、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサは、画像データ内の解剖学的構造(例えば、前立腺、外括約筋、精丘、膀胱頸部等)、ある場合には、処置および/または撮像プローブを認識し、応答して許容可動域に関する境界を決定するように命令されてもよい。
【0139】
代替として、または加えて、撮像プローブの許容可動域に関する境界は、撮像プローブおよび/または処置プローブロボットアーム上の1つまたはそれより多くの位置ならびに/もしくは力センサからの撮像プローブの位置および/または力フィードバックデータに応答して、1つまたはそれより多くのシステムプロセッサを用いて自動的もしくは半自動的に決定されてもよい。例えば、撮像プローブおよび/または撮像プローブロボットアーム上の1つまたはそれより多くの力センサは、プローブ前進がより制限され、組織損傷の危険性を提示し得るエリアを示し得る、組織圧力データを提供することができる。
【0140】
ステップ720では、ロボットアームが、組織を走査するようにコンピュータ制御下で自動的に操作される。例えば、処置手技の計画の間に、ロボットアームは、標的部位を自動的に走査し、標的部位の3次元画像をレンダリングするように事前プログラムされることができる。能動モードである間、ロボットアームは、ステップ715で設定されるような許容可動域の境界内のみで移動するように構成されてもよい。ロボットアームは、能動モードである間に、患者から処置プローブを後退させるが、処置プローブを患者の中に前進させず、患者の安全性を確実にするように構成されてもよく、患者の中へのプローブの任意の前進は、ユーザによって手動で実施されることができる。プローブの後退の間に、ロボットアームは、プローブのz軸位置が実質的に一定のままであるように、線形軌道上でプローブを維持するようにプログラムされてもよい。
【0141】
ステップ725では、ロボットアームが、ユーザ入力を通してコンピュータ制御下で操作される。ユーザは、画像誘導処置システムのグラフィックユーザインターフェース(例えば、本明細書に説明されるような処置または撮像コンソールを通して提供されるユーザインターフェースソフトウェア)に提供される入力を介して、ロボットアーム運動を操作してもよい。例えば、ユーザは、撮像プローブの回転、平行移動、および/またはピッチ角の調節に影響を及ぼし得る。能動モードである間、ロボットアームは、ステップ715で設定されるような許容可動域の境界内のみで移動するように構成されてもよい。ロボットアームは、能動モードである間に、患者から処置プローブを後退させるが、処置プローブを患者の中に前進させず、患者の安全性を確実にするように構成されてもよく、患者の中へのプローブの任意の前進は、ユーザによって手動で実施されることができる。
【0142】
ステップ730では、ロボットアームが、撮像プローブの位置を調節するように、コンピュータ制御下で自動的に操作される。撮像プローブの位置は、事前プログラムされたパラメータ、ユーザ命令、(例えば、撮像、位置、および/または力フィードバックデータからの)リアルタイムフィードバック、またはそれらの組み合わせに従って、調節されてもよい。例えば、撮像システムは、例えば、超音波撮像プローブを用いて取得される標的部位の超音波画像に基づく「スマート」画像認識を使用して、処置の間に処置プローブの場所を検出するように構成されてもよい。処置プローブの検出された場所に基づいて、ロボットアームは、撮像プローブを処置プローブに整合させるために、および/または患者移動を補償するために、撮像プローブの位置ならびに/もしくは向きを調節するように自動的に操作されてもよい。ステップ732では、処置が、実施される。
【0143】
ステップ735では、撮像プローブが、ロボットアームから結合解除される。処置手技が、完了されるとき、ユーザは、ロボットアームから撮像プローブを接続解除し、ロボットアームを脇に手動で移動させ、次いで、患者から撮像プローブを除去することができる。
【0144】
方法700の1つまたはそれより多くのステップは、本明細書に説明されるような回路、例えば、本明細書に説明されるシステムのプロセッサまたは論理回路のうちの1つまたはそれより多くを用いて実施されてもよい。回路は、方法700の1つまたはそれより多くのステップを提供するようにプログラムされてもよく、プログラムは、コンピュータ可読メモリ上もしくはその中に記憶されたコンピュータ実行可能プログラム命令、またはプログラマブルアレイ論理もしくはフィールドプログラマブルゲートアレイを伴うもの等の論理回路のプログラムされたステップを備えてもよい。
【0145】
上記のステップは、いくつかの実施形態による、撮像プローブに結合されるロボットアームを動作させる方法700を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づいて、多くの変形例を認識するであろう。例えば、ステップは、異なる順序で完了されてもよい。1つまたはそれより多くのステップが、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを含んでもよい。ステップの多くは、必要または所望に応じて頻繁に繰り返されてもよい。
【0146】
図8Aは、本明細書に説明されるような処置システムを用いた患者の処置の間の処置プローブ450および撮像プローブ460の構成を図示する。患者身体の外側の処置プローブおよび撮像プローブが、本システムの使用の間に相互と衝突または別様に干渉しないことを確実にし、それによって、プローブの移動の精度および本システムの無菌性を維持することが望ましい。処置プローブおよび撮像プローブに結合され、それらの移動を制御するように構成されている、本明細書に説明されるようなロボットアームは、境界を維持し、2つのプローブの間の衝突または干渉を防止するように構成されてもよい。例えば、処置プローブに結合されている第1のロボットアームおよび撮像プローブに結合されている第2のロボットアーム444のうちの一方または両方は、2つのプローブの間の距離520を感知し、距離を実質的に一定に、または最小閾値を上回って維持し、衝突を防止するように構成されてもよい。代替として、または加えて、
図6および7に示される方法を参照して説明されるように、ユーザは、プローブの間の衝突または干渉を防止するであろう可動域に関する境界を設定するように、処置プローブおよび撮像プローブのうちの一方もしくは両方に関する許容可動域をプログラムしてもよい。
【0147】
例えば、ロボットアームが能動モードに切り替えられる前に、ユーザは、プローブの許容ピッチ角525の範囲にわたってプローブのうちの一方または両方を回転させ、その中で2つのプローブが相互に接触しない、プローブに関する許容可動域をプログラムしてもよい。
【0148】
図8Bを加えて参照すると、ロボットアーム442は、本明細書に説明されるようなモータパック802に結合される。モータパック802は、プローブ450のハンドピース804に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、処置プローブおよび撮像プローブに結合されるロボットアームのうちの一方または両方は、1つまたはそれより多くのフィードバック感知機構を備えてもよい。例えば、第1のロボットアーム442および/または第2のロボットアーム444は、処置プローブおよび/または撮像プローブの前方の組織の圧縮を検出するように構成されている力センサと動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、撮像プローブによって及ぼされる力は、上向きに及ぼされる0~39ニュートンの範囲内であり、それによって、組織を圧縮し、処置プローブおよび標的組織領域の可視化を達成する。いくつかの実施形態では、処置プローブによって及ぼされる力は、尿道等の管腔内のプローブの位置に関連する。いくつかの実施形態では、力は、尿道切痕における支点または枢動部および標的解剖学的構造を持ち上げるための枢動に関連する。これらの力は、それぞれ、骨構造に対して0~98ニュートンの範囲内であり、前立腺等の標的解剖学的構造上の0~19ニュートンの範囲内であり得る。
【0149】
いくつかの実施形態によると、1つまたはそれより多くのX方向力センサ810、1つまたはそれより多くのY方向力センサ812、ならびに/もしくは1つまたはそれより多くのZ方向力センサ814が、ロボットアーム442、ハンドピース804、および/またはプローブ450上に提供されてもよい。1つまたはそれより多くの力センサは、例えば、歪みゲージ、圧力センサ、または圧電トランスデューサを備えてもよい。いくつかの実施形態では、歪みゲージは、ホイートストンブリッジのいくつかの構成のうちのいずれかを備える。ホイートストンブリッジ回路は、抵抗のわずかな変化を、印加された力に等しくあり得る測定可能な電圧差に変換する。力センサは、本明細書に説明される任意のハンドピース実施形態等のハンドピースに結合されてもよい。いくつかの事例では、1つまたはそれより多くの力センサが、撮像プローブ、処置プローブ、または両方に動作的に結合される。
【0150】
いくつかの実施形態では、力センサを動作させるための回路は、撮像プローブおよび処置プローブから絶縁ならびに隔離される。これは、プローブが、任意の患者漏出電流要件を満たすことを可能にし、プローブによって拾われるであろう任意の雑音を低減させ、したがって、力センサの信号対雑音比(S/N)を向上させる。いくつかの実施形態では、力センサからの信号ワイヤは、ともに捻転されてもよく、随意に、信号完全性を維持し、耐性を改良し、適正なS/N比を維持するように遮蔽されてもよい。力センサは、任意の好適な材料から形成されてもよく、ある場合には、処置の前、間、または後に患者と接触するようになり得るセンサの部分のための生体適合性材料から形成される。
【0151】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くの力センサが、撮像プローブまたは処置プローブシャフト等のプローブシャフト上もしくはその中に嵌合するようにサイズ決めされる。力センサは、抵抗の相対変化の間の比例因子である、任意の好適な歪み感度「k」を伴って構成されてもよい。歪み感度は、無次元であり、ゲージ率(「GF」)と呼ばれる数字である。線形パターン歪みゲージは、ハンドピース上の単一の方向への歪みを測定するために使用されてもよい。伝導性信号ワイヤが、信号を入力増幅器に搬送するセンサのパッドに接合されてもよい。1つまたはそれより多くのセンサが、金属プローブシャフト等のプローブの任意の金属からセンサを絶縁し得る、キャリア基板上の1つまたはそれより多くのプローブに接合されてもよい。
【0152】
ハンドピースのZ方向への変位が、ばねおよびセンサ814によって検出されることができる。本構成を利用して、プローブアセンブリ全体は、好適な距離を摺動し、組織壁の中に駆動されているプローブからの保護を提供することが可能であり得る。プローブアセンブリは、一定かつ既知の力「K」ばね定数を提供するように単純なばねに対して跳ね返され得る、摺動トロリー820上に配列されてもよい。トロリーの変位によるもの等のハンドピースの正確な距離測定が、2インチ未満等の好適な配列を伴う短い距離にわたって可能である。他の位置エンコーダ線形センサが、組み合わせて、または代替として使用されてもよい。例えば、線形可変差動変圧器(LVDT)は、機械的運動を可変電流に変換するために使用される電気機械センサであり、プローブの挿入力に対する抵抗を測定するために使用されることができる。光学エンコーダ、またはいくつかの好適な誘導線形エンコーダのうちのいずれかもまた、または代わりに、使用されてもよい。センサが、誘導線形エンコーダ824に基づいて力を測定することができ、高い信頼性を確実にするように非接触のために配列されてもよい。高分解能エンコーダ824が、デジタルエンコーダに関して約15マイクロメートル~アナログエンコーダ等に関して約54マイクロメートルの線形分解能のために提供されてもよい。
【0153】
1つまたはそれより多くのセンサが、位置、向き、力、またはある他のパラメータを測定するように、1つまたはそれより多くのロボットアーム上に提供されてもよい。いくつかの事例では、2つのセンサは、ロボットアームアセンブリの一部であってもよく、意図的ではない移動を決定するために利用されることができる。これらのセンサは、ロボットアームの1つまたはそれより多くの継手に位置し得、慣性測定ユニット(IMU)822であり得る、内部エンコーダであり得る。IMUは、センサの力、角度率、および/または向き等の1つまたはそれより多くのパラメータを測定および報告し、加速度計、ジャイロスコープ、ならびに/もしくは磁力計の組み合わせを使用し得る、電子センサデバイスである。1つまたはそれより多くのロボットアームの中に組み込むために好適である、いくつかのIMUは、±2/±4/±8/±16g(重力に起因する加速度に関連する「g」値)の全面的加速度範囲と、±125/±250/±500/±1,000/±2,000/±4,000度/秒(「dps」)の広角度率範囲とを有してもよい。IMUは、ロボットアーム上の力を検出し、外力の大きさおよび/または方向をロボット制御システム等のコンピューティングデバイスに通信することができる。1つまたはそれより多くのIMU822は、1つまたはそれより多くのロボットアームを制御し、振動、位置認識、および安定化補償を補償するために使用され得る、フィードバックを提供することができる。
【0154】
本明細書に説明されるように、ロボットアーム442は、粗位置整合、中間位置整合、および微細位置整合のうちの1つまたはそれより多くを補助するように、センサの使用によってプローブ450とドッキングされることができる。例えば、プローブは、IRビーコン等のビーコン830と関連付けられてもよく、ロボットアーム442は、粗整合のためにIRビーコン830からの放出を検出することが可能である、IR受信機832を担持してもよい。1つまたはそれより多くの整合基準834が、プローブ450と関連付けられてもよく、1つまたはそれより多くの整合センサ836が、ロボットアーム442と関連付けられてもよい。整合センサ836は、整合基準の位置を検出し、したがって、本明細書に説明されるように、プローブ450に対するロボットアーム442の位置を決定することが可能である。いくつかの実施形態では、ホール効果センサ等の近接性センサまたは近接性スイッチが、プローブとアームを係合させ、例えば、アームが定位置に好適に操作されたときにプローブをアーム上に掛止するために、プローブとアームとの間の整合を検出するように使用される。
【0155】
いくつかの実施形態では、処置が完了されたとき、アームは、ユーザがプローブを保持している間にプローブから結合解除され、アームは、プローブから引き離されることができ、例えば、アームは、プローブから自動的に引き離されてもよい。
【0156】
ロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイス(本明細書に説明されるようなコンソール420またはコンソール490のプロセッサ等)は、例えば、前部組織の過剰圧縮ならびに組織および/またはプローブへの結果として生じる損傷を防止するように、センサによって検出される力に応答して、ロボットアームの移動を制御する命令を備えてもよい。前立腺組織切除のための処置システムの例示的使用事例では、処置プローブは、理想的には、患者の前立腺空洞の前中心に位置付けられるが、前部前立腺を過剰に圧縮することなく、尿道/前立腺への不慮の傷害(例えば、過剰な出血、壊死、組織の穿孔)および/または撮像プローブならびに処置プローブのうちの一方もしくは両方への損傷を防止する。
【0157】
同様に、TRUSプローブであり得る撮像プローブは、理想的には、直腸への不慮の傷害(例えば、出血または組織の穿孔)および/または撮像プローブならびに処置プローブのうちの一方もしくは両方への損傷を回避するように、前立腺および処置プローブを視認するために適正な前方圧縮を伴うが、組織を過剰に圧縮することなく、患者の直腸内に位置付けられる。処置プローブ、それに結合された第1のロボットアーム、撮像プローブ、および/またはそれに結合された第2のロボットアーム444は、プローブを用いた組織の前方圧縮を検出するように構成されている力センサを具備してもよい。検出された力レベルは、ロボットアームと動作可能に結合されているプロセッサに通信され、コンピューティングシステムのメモリ内に事前プログラムまたは記憶された力の閾値と比較されてもよい。検出された力が、閾値を超える場合、ロボットアームの移動は、前部組織から離れるようにプローブを移動させ、それによって、前部組織の圧縮を少なくとも部分的に緩和するように調節されてもよい。
【0158】
別の例示的フィードバック感知機構は、第1および/または第2のロボットアーム444と動作可能に結合されている、位置ならびに/もしくは運動センサを備えてもよい。ロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、例えば、処置および/または走査手技の間の患者移動に応答して、処置ならびに/もしくは撮像プローブの位置を調節するように、センサによって検出される位置および/または運動に応答して、ロボットアームの移動を制御する命令を備えてもよい。処置プローブまたは撮像プローブ等の剛性要素が患者の身体の内側に位置付けられている間の患者移動は、潜在的に患者に傷害を引き起こし得、プローブの移動および後続の再位置付けの間にプローブの除去を余儀なくさせ得る。
【0159】
患者の感知された移動に応答して、プローブの位置を自動的に調節するロボットアームは、手技の安全性ならびに効率を改良することができる。コイルおよび/または加速度計等の1つまたはそれより多くの位置もしくは運動センサが、患者に取り付けられてもよく、センサは、ロボットアームを制御するコンピューティングデバイスと動作可能に結合されてもよい。センサは、小さい局所的電磁場または他の信号を発生させ、例えば、患者の場所および/または移動を決定することに役立つように構成されてもよい。コンピューティングデバイスまたはプロセッサは、検出された患者移動データを受信し、それに応じて、ロボットアームに結合されたプローブが、組織または患者器官に対する位置の許容範囲内に留まり得るように、患者移動に実質的に合致するようにロボットアームの移動を調節することができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、センサへの力が閾値量を超える場合、処置を中断するように構成されている。
【0160】
随意に、いくつかの実施形態では、ロボットアームは、連携様式で自動的に移動するように構成されてもよい。例えば、本システムのユーザが、第1のロボットアームを移動させる場合、第2のロボットアーム444は、それに応じてその位置を自動的に調節するように構成されてもよい。前立腺組織切除のための処置システムの例示的使用事例では、患者の前立腺は、解剖学的構造が対称ではない場合があり、ユーザは、それに応じて処置プローブの位置または向きを調節する(例えば、プローブを脇に押動する、プローブのピッチ角を調節する等)必要があり得る。撮像プローブに結合されるロボットアームは、処置プローブに結合されるロボットアームに行われる調節を自動的に検出し、対応する調節を撮像プローブ位置および/または向きに行うように構成されてもよい。2つのロボットアームのそのような連携移動は、例えば、処置プローブの伸長軸が撮像プローブの伸長軸と実質的に整合させられた状態で、相互に対して所望の位置関係において処置および撮像プローブを維持するために有用であり得る。
【0161】
図9A-9Cは、撮像プローブ460の矢状面950との処置プローブ軸451の整合を図式的に図示する。
図9Aは、撮像プローブ460に対して傾斜している処置プローブ450の側面図である。処置プローブ450は、伸長軸451を備え、撮像プローブ460は、撮像プローブによって発生される画像のための参照を提供する、伸長軸461を備える。伸長軸461は、矢状画像面950を少なくとも部分的に画定し得る。
図9Bは、矢状画像面950と実質的に整合させられた処置プローブ450の上面図である。処置プローブ軸451が、矢状画像面950と実質的に整合させられるとき、処置プローブの実質的部分は、超音波プローブの視野内にあり、矢状画像内で可視である。いくつかの実施形態では、2つのプローブは、伸長軸が矢状画像面と垂直な面に対して相互の約5度以内に整合させられるときに、実質的に整合させられる。ある場合には、プローブの間により大きい傾斜角があると、処置プローブは、超音波プローブの視野を横断して延在し、超音波プローブの視野内のプローブの一部のみが、超音波画像内で可視であろう。
【0162】
プローブが、矢状画像面内で実質的に整合させられるが、
図9Aに示されるような角度において傾斜しているとき、処置プローブおよび組織は、矢状画像内で回転されて見え得、容認可能な回転量は、例えば、5度を上回り得る。
図9Cは、矢状画像面950を横断する処置プローブ450の上面図である。撮像プローブが、処置プローブと十分に整合させられていないとき、処置プローブは、処置プローブの一部のみが画像内に出現する矢状場を通して延在する状態で、矢状面画像内で歪曲されて見え得る。いくつかの実施形態では、処置および撮像プローブは、相互へのプローブの所望の整合(平行および/または同一平面内)を確認するための1つまたはそれより多くのセンサを備えてもよい。例えば、本システムは、それぞれ、処置プローブ450および撮像プローブ460上に、第1の向きセンサ473と、第2の向きセンサ476とを備えてもよい。いくつかの実施形態では、第1の向きセンサおよび第2の向きセンサ476は、磁気要素、ホール効果センサ、ダイヤル、可変抵抗器、電位差計、加速度計、または相互へのプローブの相対位置および向きを示し得る、それらの任意の組み合わせを備える。
【0163】
いくつかの実施形態では、超音波撮像プローブの矢状面の角度は、超音波撮像プローブの伸長軸を中心として超音波撮像プローブを回転させることによって、回転されることができる。例えば、一部の患者では、前立腺が、対称ではなく、または尿道切痕が、変形され、撮像プローブおよび処置プローブは、患者の反対側に位置し、または患者の正中線に対して相互に対して少なくともオフセットされることができ、その伸長軸を中心とした撮像プローブの回転は、超音波プローブの矢状面を回転させ、処置プローブおよび組織処置領域を超音波撮像プローブの視野内に運ぶことができる。処置および撮像プローブの整合、向き、および相対位置付けは、処置手技の間に監視され続けてもよい。
【0164】
処置プローブおよび撮像プローブが、十分に整合させられるとき、ユーザは、撮像プローブを用いて取得される処置プローブの画像を使用し、例えば、処置プローブまたは撮像プローブに結合されるロボットアームを制御するためにユーザ入力をGUIの中に提供することによって、処置プローブを撮像プローブと整合させることができる。代替として、または加えて、ロボットアームは、本明細書に説明されるように、移動を自動的に調節し、十分な整合でプローブを維持するようにプログラムされてもよい。例えば、ユーザが、処置プローブに結合されている第1のロボットアームを制御することによって、処置プローブの位置または向きを調節するとき、撮像プローブに結合されている第2のロボットアーム444は、第1のロボットアームに行われる調節を自動的に検出し、処置プローブ軸に沿った処置プローブのピッチ、ロール、ヨー、側方、および/または線形位置に実質的に合致するように対応する調節を行ってもよい。
【0165】
より詳細に説明されるであろうように、いくつかの実施形態では、撮像プローブによって取得される処置プローブの画像は、プローブの間の衝突および/または患者の組織もしくは器官への危害を防止するために、一方または両方のプローブの再位置付け、平行移動、もしくは再向きを自動的に引き起こすために使用されてもよい。そのような実施形態では、コンピューティングデバイスは、画像に基づいて、プローブが相互に、または組織もしくは器官のエリアに近接しすぎていると決定してもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイスは、一方または両方のプローブの可動域に関するデータもしくは画像および撮像プローブによって取得される処置プローブの画像(ならびにまた、可能性として撮像プローブまたは処置プローブを囲繞する組織もしくは器官の画像)を使用し、限度または制約が、一方または両方のプローブの可能性として考えられる可動域もしくは訓練された許容可動域に対して設置されるべきであると決定してもよい。本限度または制約は、例えば、ロボットアームによるプローブの移動を限定または制約することによって実装されてもよい。
【0166】
2つのロボットアームの自動的連携移動を提供するために、較正ステップが、処置手技に追加されてもよく、各アームが、他方のアームに対してその位置を識別する。例えば、各ロボットアームは、既知の場所のアーム上の「標的」を備えてもよく、較正手技の間に、ユーザは、第1のアームを操作し、第1のアーム結合構造を用いて第2のアーム上に位置する標的に触れ、第2のアームを操作し、第2のアーム結合構造を用いて第1のアーム上に位置する標的に触れてもよい。2つのロボットアームの移動を自動的に連携させることは、したがって、ユーザが第1のアームを移動させた後に第2のアームの移動を別個に調節する必要性を排除することによって、処置手技を促進することができる。加えて、2つのアームの連携移動は、本明細書に説明されるように、プローブが患者の身体の中に挿入されている間に患者が移動する場合の処置手技の安全性および効率を改良することを補助することができる。
【0167】
随意に、いくつかの実施形態では、処置プローブと結合されるロボットアームは、標的部位の処置を実施するための事前プログラムされた処置プロファイルに沿って処置プローブを移動させるように構成されてもよい。例えば、処置プロファイルは、処置システムのユーザによってプログラムされ、ロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ内に記憶され得る、標的部位の組織切除プロファイルを備えてもよい。プログラムされた処置プロファイルを使用する自動化処置に関するさらなる詳細が、PCT公開第WO2013/130895号(参照することによって本明細書に前述で組み込まれる)に見出され得る。
【0168】
随意に、いくつかの実施形態では、撮像プローブと結合されるロボットアームは、処置プローブを用いた処置の前および/または間に、標的部位の3次元レンダリングを発生させるための事前プログラムされた撮像プロファイルに沿って撮像プローブを移動させるように構成されてもよい。標的部位の3次元画像が、1)撮像プローブが標的部位の矢状図画像を捕捉する状態で、定位置で撮像プローブを回転させ、次いで、矢状図画像を補間すること、または2)撮像プローブが標的部位の横断図画像を捕捉する状態で、標的部位を横断して(プローブのz軸に沿って)撮像プローブを平行移動させ、次いで、横断図画像を補間することによって、2平面撮像プローブから導出されてもよい。3D画像レンダリングの効率および結果として生じる3D画像の分解能を改良するために、ロボットアームは、事前プログラムされた撮像プロファイルに沿って標的部位を急速に走査するように構成されてもよく、3D画像は、実質的にリアルタイムで処置部位の3D画像をレンダリングするためのソフトウェアを使用して、発生されてもよい。事前プログラムされた撮像プロファイルは、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上またはその中に記憶されてもよく、撮像プローブが定位置で回転している間に所定の時間間隔において撮影される複数の矢状図走査、および/または撮像プローブが標的部位を横断して(撮像プローブのz軸もしくは伸長軸に沿って)平行移動している間に所定の時間間隔において撮影される複数の横断図走査を備えてもよい。
【0169】
ロボットアームを使用する撮像プローブを用いた標的部位の自動コンピュータ制御走査もまた、付加的処置のための標的部位に関する有用な情報を発生させるために使用されることができる。例えば、撮像プローブは、止血を要求する標的部位内の出血部位を位置特定するために、切除手技後に標的部位のカラー/ドップラ走査を実施するように構成されてもよい。撮像プローブはまた、組織除去の計画、処置プロファイル、または大腸内視鏡検査および関連付けられる生検等の手技の間ならびに後の監視を含む、他のタイプの手技後に(またはその一部として)患者の身体内の場所を監視または検査するために使用されてもよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、ドップラ超音波画像は、超音波プローブから離れるように移動する血液を青色として、超音波プローブに向かって移動する血液を赤色として示す。いくつかの実施形態では、組織切除プロファイルは、ドップラ超音波画像に存在する血管の切除を減少させ、いくつかの事例では、回避するように、組織切除に先立って調節されることができる。例えば、超音波画像は、3D超音波画像と、血管を減少させる、または回避するように調節される3D切除プロファイルとを備えてもよい。
【0171】
図10は、患者の組織805の超音波画像800からの高血液灌流部位810の識別を図示する。本明細書に説明されるように、撮像プローブに結合されるロボットアームは、撮像プローブがドップラ撮像モードで動作している間に撮像プローブから走査を取得するように、自動的に移動させられてもよい。高血液灌流部位810は、撮像プローブの撮像面のより近くに、またはそこからより遠くに流動する血液の検出に基づいて、結果として生じるドップラ走査画像から識別されることができる。ある場合には、高血液灌流部位810は、出血部位を備え、ドップラ情報に基づいて、ユーザは、例えば、焦点焼灼器またはゲルおよび基質等の止血剤を使用することによって、出血を効率的に位置特定および処置することができる。これは、出血、焼灼時間、および組織に対する熱または他の潜在的な悪影響を低減させることができる。高血液灌流部位810はまた、ある場合には、異常または癌組織成長さえも備え得る。これらのエリアは、後続の処置のためにフラグを付けられる、または識別されてもよい。例えば、正常な組織が、局所薬物送達等を用いて後に処置される異常組織の島を残すように、異常組織の周囲で切除されてもよい。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、カラードップラ撮像から受信されたデータに基づいて、出血している組織のエリアを処置するために、焼灼ツール(例えば、RFまたはレーザ)を自動的に適用するように構成されてもよい。
【0172】
撮像プローブを使用する標的部位の3次元走査はまた、腫瘍等の標的部位における組織異常を識別するために使用されてもよい。例えば、腫瘍が、撮像された組織の高エコー性エリアと低エコー性エリアとの間の差異に基づいて、撮像プローブを用いた標的部位の自動化走査により取得される標的部位の画像から識別されてもよい。標的部位のロボット制御の走査は、画像分析の速度、したがって、組織異常の正確な検出を改良することができる。加えて、撮像プローブは、潜在的癌の場所に対応し得る、より高い血流の領域を識別するように、自動化走査の間にドップラ撮像モードで動作されてもよい。生検が、癌の検出を改良するように、組織の識別された領域において実施されてもよい。
【0173】
撮像プローブはまた、組織除去の計画、処置プロファイル、または大腸内視鏡検査および関連付けられる生検等の手技の間ならびに後の監視を含む、他のタイプの手技後に(またはその一部として)患者の身体内の場所を監視または検査するために使用されてもよい。
【0174】
図11は、プローブを配置すること、プローブを較正すること、または較正されたプローブ移動を用いてシステムを訓練することのうちの1つまたはそれより多くのためのシステム2500を図示する。いくつかの実施形態では、較正デバイス2502は、処置プローブ450および撮像プローブ460を受容するためのレセプタクルを備える。レセプタクルは、プローブを受容するように、かつプローブが外科手術の間に使用され得る位置まで移動することを可能にするように、サイズ決めおよび成形される。アームおよびプローブの位置は、患者内のプローブの設置に先立って、較正された移動の間に監視されることができる。
【0175】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、本システムが、本明細書に議論される、訓練モードにおいて等、プローブ位置付け、向き、または移動に対する1つまたはそれより多くの境界もしくは制約を確立するために、プローブの機械的移動を受信する、またはそれから「学習する」ことを可能にする命令を伴って構成されている。これは、例えば、プローブの間、プローブとロボットアームとの間、またはロボットアームの間の衝突を回避するように本システムを訓練する目的のために行われてもよい。教示または訓練プロセスは、プローブまたは複数のプローブの可能性として考えられる可動域を許容可動域に制約または限定する役割を果たしてもよい。いくつかの実施形態では、プロセッサは、「教示セッション」または訓練セッションもしくはモードを実装し、例えば、患者内にプローブのうちの1つまたはそれより多くを設置することに先立って、可動域に対する境界または限度を確立するように構成されている。本教示セッションまたはモードの間に、較正デバイスとも称される、無菌保護較正ガイド2502が、提供されることができ、撮像プローブ460が、その中に挿入され、ロボットアームの位置データベースの中に組み込むための地理的位置データを測定するために使用されることができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、本ガイドは、撮像プローブ460を受容するための捕捉管腔2504、処置プローブ450の先端を識別するためのタッチ点2506、撮像プローブ460に対する線形シャフト場所を識別するための1つまたはそれより多くの二重切り欠き構造2508、2510、もしくは「横断しない」解剖学的平面を識別する平面的表面のうちの1つまたはそれより多くを備える。代替として、または組み合わせて、複数のカメラおよびマシンビジョンソフトウェア命令が、それらの個別の起点に対して3D空間内のプローブ位置を測定し、2つのプローブの間の許容相対位置のデータベースを作成するために使用されることができる。
【0177】
較正デバイス2502が、無菌であり、第1のプローブ460上への位置付け、および第1のプローブ460に対する第2のプローブ450の較正のための設置を可能にする特徴を具備してもよい。捕捉管腔2504または開放構造が、既知の位置および向きに第1のプローブ460を位置付けるための1つの方法を提供する。第1のプローブ460は、較正デバイス2502の中への制御された設置深度で捕捉管腔2504内に移動させられてもよく、その空間境界の包絡線、例えば、その許容可動域の境界体積または表現が、作成され、データベースに保存されてもよい。
【0178】
いくつかの実施形態では、較正デバイス2502は、第2のプローブ450の先端との接触を検出するための先端場所ポケット2506を含む。第1の切り欠き構造2508は、第2のプローブ450がタッチ点2506まで前進させられる際、第2のプローブ450のシャフトのためのガイドを提供する。第1の切り欠き構造2508およびタッチ点2506の組み合わせは、したがって、第2のプローブ450の設置のための指示経路を提供し、その位置は、第1のプローブ460および第2のプローブ450の相対場所も記憶する、位置データベース内に記憶されることができる。
【0179】
較正デバイス2502の先端場所ポケット内に第2のプローブの先端があると、第2のプローブのシャフトは、第1のプローブのシャフトに対して位置付けられることができ、信号が、第1のプローブおよび第2のプローブを保持する両方のロボットアームの位置に留意するようにプロセッサに送信されることができる。
【0180】
同様に、第1のプローブ460および第2のプローブ450のシャフトは、第2の切り欠き構造2510に沿って第2のプローブ450を前進させることによって等、相互に対して別の空間的向きに移動させられることができ、較正信号が、第1のプローブおよび第2のプローブの相対位置を記憶するようにプロセッサに送信されることができる。
【0181】
加えて、較正デバイス2502は、第2のプローブ特徴を受け取り、第2のプローブ450の回転保証、同様に、例えば、超音波プローブの横断および矢状面の両方に対して処置プローブノズルを整合させるために使用され得る、第1のプローブ460の回転位置を検出および決定するように構成されることができる。
【0182】
較正デバイス2502は、したがって、確実な物理的捕捉領域を提供し、較正デバイス2502に対するプローブ先端の単純な設置およびドッキングを保証してもよく、その位置および向きは、第2のプローブ450に対する第1のプローブ460の相対位置および向きの許容空間包絡線をロボットアームコントローラシステムに教示するように、空間データベース内に記憶されることができる。
【0183】
本明細書に開示される方法および装置は、多くの方法で構成されることができ、基準と、ナビゲーションおよび外科手術誘導を外科医等のユーザに提供する命令を伴って構成されているプロセッサとを備えてもよい。例えば、撮像プローブ460(例えば、TRUSプローブ)、処置プローブ450、処置プローブ450の近位端、撮像プローブ460の近位端、またはロボットアームのうちの1つまたはそれより多くは、ナビゲーション基準を備えてもよい。これらのナビゲーション基準は、患者および本明細書に説明されるような基部等の固定参照フレームに対する処置プローブ450および撮像プローブ460の位置ならびに向き情報を提供するように、センサを用いて検出されることができる。基準は、例えば、反射構造、エネルギー放出構造、コイル、磁石、または視覚参照を備えてもよい。これらの基準は、位置情報をコンピューティングナビゲーションシステムに提供し、逸脱した運動をユーザに知らせることができる。位置情報は、処置および撮像プローブの場所ならびに移動を測定および制御するために使用されることができる。位置情報はまた、ユーザに可視であるディスプレイ上に示されることもできる。プロセッサは、患者上の標的場所に関連してディスプレイ上に処置基準を示し、例えば、リアルタイムで、患者のリアルタイム画像を標的処置プロファイルと位置合わせする命令を備えてもよい。
【0184】
本明細書に説明されるように、患者の組織および器官ならびに相互の両方に対する本システムの要素の位置付けは、医師による手技の安全かつ効果的な実施のために非常に重要である。例えば、ロボットアームが、相互と衝突せず、プローブが、患者の内側に設置されるときに相互と衝突しないことが重要である。これは、ロボットアームおよびプローブの両方の絶対ならびに相対場所、位置付け、および向きが、好ましくは、監視され、害を防止するために限定または制約されることが可能であることを意味する。いくつかの実施形態では、これは、保護領域または区域を画定し、排他的な動作または処置エリアを画定し、プローブの運動または位置付けを制約するための「仮想」壁もしくは特徴を確立すること等によって遂行されることができる。
【0185】
本明細書に説明されるように、ロボットアームおよびプローブの場所、位置、向き、ならびに運動の監視および制約は、説明されるであろうプロセスのうちの1つによって、またはその組み合わせによって遂行されてもよい。これらのプロセスは、概して、制約の層または程度と称され、(1)プローブまたは複数のプローブの要素の可能性として考えられる、もしくは潜在的な可動域、(2)訓練または教示プロセスの間に医師によって導入され、それによって、許容可動域を画定する、可能性として考えられる可動域に対する制約、および(3)衝突または患者への危害の潜在的危険性を示す、手技の間に取得される画像ならびに/もしくは他のデータの解釈からもたらされる制約または限定を含んでもよい。
【0186】
いくつかの実施形態では、場所、位置、または向き情報は、相対運動を監視するために、かつ意図的な運動を制御する、または意図的ではない運動に応答するためのフィードバックループとして使用される。
【0187】
図12は、シース2620に結合されるアーム2610と、処置プローブ2640に結合されるロボットアーム2630と、超音波プローブ2680に結合されるアーム2670とを備える、システム2600を図示する。アームは、例えば、患者支持台のレールに結合されるクロスバー等の本明細書に説明されるような任意の好適な基部を備え得る、基部2690に結合される。アーム2610は、本明細書に説明されるような任意のアームを備えてもよく、ロボットアーム、または、例えば、定位置に係止するように構成されている手動で調節可能なアームを備えてもよい。シース2610は、尿道等の患者の管腔の中への挿入のために構成され、例えば、堅性シースまたは可撓性シースを備えてもよい。ロボットアーム2630は、本明細書に説明されるような任意の好適なロボットアームを備えてもよい。処置プローブ2640は、本明細書に説明されるような任意の好適な処置プローブを備えてもよい。アーム2670は、本明細書に説明されるような任意の好適なアームを備えてもよく、手動係止可能アームまたは本明細書に説明されるようなロボットアームを備えてもよい。超音波プローブ2680は、本明細書に説明されるような任意の好適な超音波プローブ、例えば、TRUSプローブを備えてもよい。ロボットアーム、処置プローブ、および超音波プローブは、本明細書に説明されるようなプロセッサに動作的に結合される。
【0188】
図13は、
図26におけるような、処置プローブ2640に結合されるロボットアーム2630、およびシース2620に結合されるアーム2610を図示する。シース2620は、アーム2610に結合される。いくつかの実施形態では、シース2620は、1つまたはそれより多くの開口部2624まで延在し、外科手術部位を灌注する、潅注管腔2622を備える。潅注管腔は、生理食塩水等の潅注流体源に接続されることができる。シースは、処置プローブを受容するようにサイズ決めされる管腔2626を備えてもよい。管腔2626は、近位開口部2625を備え、遠位開口部2627まで延在する。いくつかの実施形態では、シース2620は、管腔2620の中への開口部まで延在し、管腔2626を吸引ポンプに流体的に結合し、切除生成物を除去する、吸引チャネル2629を備える。処置プローブ2640は、レーザ、水ポンプ、または電源等の本明細書に説明されるようなエネルギー源に結合され、組織に向かってエネルギーを指向するためのノズル、光ファイバ端部、開口、または電極等のエネルギー放出構造を備える。処置プローブは、処置プローブからエネルギー2644を平行移動(2646)および回転させる(2648)ように構成されている。内視鏡2650は、シースの中に延在する。内視鏡は、平行移動する(2654)ように構成されている内視鏡カメラ2652の視認ポート等の視認ポートを備える。内視鏡は、内視鏡を用いて処置プローブおよび処置部位を視認するために、ビデオディスプレイに結合される。
【0189】
結合部2700が、ロボットアーム2630の端部分に結合される。結合部2700は、ロボットアームの端部分に結合するための1つまたはそれより多くの係合構造2710を備える。ロボットアーム2630は、結合部2700をロボットアームに接続するための1つまたはそれより多くの対応する係合構造2712を備える。いくつかの実施形態では、結合部2700は、ロボットアームに対して、処置プローブ、内視鏡、潅注管腔、または吸引管腔のうちの1つまたはそれより多くを平行移動させるための本明細書に説明されるような連携部およびアクチュエータ等の内部構造を備える。いくつかの実施形態では、結合部2700は、内視鏡、潅注管腔、および吸引管腔から独立して、処置プローブを回転させるように構成されている。いくつかの実施形態では、結合部2700は、処置プローブを受容し、結合部に対する処置プローブの向きを画定するための構造を備える。処置プローブを受容するための構造は、例えば、開口または連携部に結合されるチャネルのうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。いくつかの実施形態では、結合部2700は、ロボットアームの端部分に結合し、ロボットアームの端部分に対する処置プローブの向きを確立するための係合構造を備える。
【0190】
いくつかの実施形態では、アームまたはシースのうちの1つまたはそれより多くは、患者内に設置されるときのシースの向きを決定するためのセンサ2750を備える。いくつかの実施形態では、ロボットアーム2752は、ロボットアームに結合される処置プローブ2640の向きを決定するための向きセンサ2752を備える。代替として、またはセンサと組み合わせて、ロボットアーム2630の継手状態が、処置プローブの向きを決定するために使用されることができ、アーム2610の継手状態は、シースの向きを決定するために使用されることができる。
【0191】
いくつかの実施形態では、処置プローブは、伸長軸を備え、シースは、処置プローブを受容するための伸長軸を備える。
【0192】
本システムは、多くの方法で患者を処置するように、多くの方法で構成されることができる。いくつかの実施形態では、シースは、患者の中への挿入に関してサイズ決めおよび成形される。シースは、伸長軸を備え、アームは、シースに結合される。処置プローブは、エネルギー源と、伸長軸とを備える。処置プローブは、シースの管腔の中への挿入に関してサイズ決めおよび成形される。ロボットアームは、処置プローブに結合され、処置プローブの伸長軸をシースの伸長軸と整合させるように、かつ処置プローブをシースの中に前進させるように構成されている。処置プローブに結合されるロボットアームは、処置プローブをシースの中に前進させることに先立って、処置プローブの軸をシースの軸と整合させるように構成されている。
【0193】
いくつかの実施形態では、ロボットアームは、処置プローブの向きを決定するためのセンサを備え、センサは、加速度計、ジャイロスコープ、または慣性測定ユニット(IMU)のうちの1つまたはそれより多くを備える。代替として、または組み合わせて、シースに結合されるアームは、シースの向きを決定するためのセンサを備える。センサは、加速度計、ジャイロスコープ、またはIMUのうちの1つまたはそれより多くを備えてもよい。
【0194】
いくつかの実施形態では、シースは、処置プローブを受容するための近位開口部と、遠位開口部とを備え、処置プローブは、少なくとも遠位開口部まで延在するために十分な長さを備える。いくつかの実施形態では、処置プローブは、処置プローブがシースの中に前進させられているときに、エネルギー源が少なくとも遠位開口部まで延在するように寸法決めされる。
【0195】
いくつかの実施形態では、エネルギー源は、ロボットアームの端部分とシースとの間に間隙を伴って少なくとも遠位開口部まで延在する。
【0196】
処置プローブを回転させる結合構造が参照されるが、いくつかの実施形態では、ロボットアーム2630は、処置プローブを回転させるように構成されている。
【0197】
プロセッサは、アーム2610、アーム2630、または、アーム2720のうちの1つまたはそれより多くに結合されることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、シースとの処置プローブの整合を促進し得る、処置プローブをシースの中に前進させる命令を伴って構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、処置プローブの伸長軸をシースの伸長軸と整合させるように構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、処置プローブの伸長軸がシースの伸長軸と整合させられていることを示す入力を受信し、かつ入力に応答して、処置プローブの伸長軸に沿って処置プローブを前進させる命令を伴って構成されている。入力は、ユーザ入力を備えてもよい、または入力は、センサデータからの入力を備えてもよい。いくつかの実施形態では、堅性シースに結合されるアームは、シースの向きを決定するようにプロセッサに動作的に結合されるセンサを備え、プロセッサは、センサを用いて測定される堅性シースの向きに応答して、シースを伴って処置プローブを向ける命令を伴って構成されている。いくつかの実施形態では、ロボットアームは、処置プローブの向きを決定するためのセンサを備える。代替として、または組み合わせて、処置プローブの向きは、ロボットアームの継手状態から決定されることができる。いくつかの実施形態では、シースの向きは、堅性シースに結合されるアームの継手状態から決定される。
【0198】
図14Aは、ロボットアーム2630を処置プローブ2640に結合するための結合部2700を図示する。いくつかの実施形態では、結合部2700は、処置プローブ2740、内視鏡2650、潅注管腔2812、および吸引管腔2814をロボットアームに結合するように構成されている。これらの管腔はそれぞれ、管腔を画定する伸長管によって画定されてもよい。いくつかの実施形態では、潅注管腔および吸引管腔は、カテーテル等の二重管腔管の管腔を備える。代替として、潅注管腔および吸引管腔は、別個のカテーテルを備えてもよい。
【0199】
図14Bは、
図28Aにおけるような結合部によって提供される、処置プローブ2640、内視鏡2650、潅注管腔2812、および吸引管腔2814の移動を図示する。潅注管腔2812は、開口部2813まで延在し、潅注流体を放出する。吸引管腔2814は、開口部2814まで延在し、切除生成物を受容する。シース2620は、これらの管腔、および管腔を画定する対応する構造、例えば、管を受容するようにサイズ決めされる。シース2620は、処置プローブを受容するようにサイズ決めされる。いくつかの実施形態では、シース2620は、内視鏡2650を受容するようにサイズ決めされる。
【0200】
結合部2700は、処置プローブ、内視鏡、潅注管腔、または吸引管腔のうちの1つまたはそれより多くを移動させるように、多くの方法で構成されることができる。いくつかの実施形態では、結合部は、ロボットアーム2630に接続し、ロボットアームは、運動を処置プローブに提供する。例えば、ロボットアームは、処置プローブを回転させるように構成されることができる。代替として、または組み合わせて、ロボットアームは、処置アームを回転および平行移動させるように構成されることができる。
【0201】
いくつかの実施形態では、結合部2700は、処置プローブを回転させるように構成されている。例えば、結合部は、処置プローブを回転させる(2648)ように構成されることができる。ロボットアームは、結合部2700が処置プローブを回転させている間に、処置プローブを平行移動させる(2646)ように構成されることができる。いくつかの実施形態では、内視鏡2750は、処置プローブとともに平行移動する(2654)ように構成されている。いくつかの実施形態では、潅注管腔および吸引管腔は、処置プローブとともに平行移動するように構成されている。
【0202】
いくつかの実施形態では、結合部2700は、独立平行移動を、処置プローブ、および内視鏡、潅注管腔、または吸引管腔のうちの1つまたはそれより多くに提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、結合部は、独立平行移動を、処置プローブ、内視鏡、および潅注プローブまたは吸引プローブのうちの1つまたはそれより多くに提供するように構成されている。
【0203】
図15は、いくつかの実施形態による、処置の方法2900を図示する。
【0204】
ステップ2910では、シースの向きが、決定される。シースの向きは、シースに結合されるアーム上の向きセンサ等のシースに結合される1つまたはそれより多くのセンサから、もしくはシースに結合されるアームの継手状態から決定されることができる。
【0205】
ステップ2920では、処置プローブの向きが、決定される。処置プローブの向きは、処置プローブに結合されるアーム上の向きセンサ等の処置プローブに結合される1つまたはそれより多くのセンサから、もしくは処置プローブに結合されるアームの継手状態から決定されることができる。
【0206】
ステップ2930では、処置プローブの伸長軸が、シースの伸長軸と整合させられる。本整合は、手動で実施されることができる。代替として、プロセッサは、処置プローブの伸長軸をシースの伸長軸と整合させる命令を伴って構成されることができる。
【0207】
ステップ2940では、処置プローブの伸長軸がシースの伸長軸と整合させられていることを示す入力が、受信される。本入力は、可視化に基づくユーザ入力、またはセンサデータからの入力、もしくはそれらの組み合わせを備えてもよい。
【0208】
ステップ2950では、処置プローブが、入力に応答して、シースの伸長軸に沿って前進させられる。
【0209】
図16は、いくつかの実施形態による、ハンドピースまたは処置プローブ1600の側面図を図示し、その視点からのプローブの遠位端に関するプローブのROM原点または枢動点1610を中心とする例示的可動域(ROM)1622を示す。図に示されるように、処置プローブ1600は、ハンドル1602と、ハンドルからプローブの遠位端1606まで延在する、ワンドまたは延在部1604とを備えてもよい。ワンドまたは延在部は、2つの区画(図に「区画1」1607および「区画2」1608として識別される)を備え、区画1は、ハンドルの遠位端から、それを中心として遠位端が回転または別様に移動し得る点もしくは場所(本明細書では原点または枢動点1610と称される)まで延在し、区画2は、枢動点からプローブの遠位端まで延在してもよい。
【0210】
示されるように、上角1612は、プローブの軸1611とプローブ可動域1622の上側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、上角は、50~60度に変動し、例えば、55度であってもよい。下角1614は、プローブの軸1611とプローブ可動域1622の下側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、下角は、20~40度に変動し、例えば、30度であってもよい。図はまた、プローブの軸1611と可動域1622の境界との間の距離を示す。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1622の上側境界との間の距離1618は、80~100mmに変動し、例えば、87mmであってもよい。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1622の下側境界との間の距離1619は、50~60mmに変動し、例えば、55mmであってもよい。いくつかの実施形態では、枢動点1610とプローブの遠位端1606との間の距離1620は、90~120mmに変動し、例えば、105mmであってもよい。
【0211】
図に示される略円錐形区分1622(可能性として考えられる可動域を表す)は、任意のさらなる制約または限定の適用に先立って、その中でプローブの遠位端が原点(枢動点)を中心として移動し得る包絡線または領域である。本実施例では、本視点から視認されるときのその中で遠位端が移動し得る可動域または包絡線が、対称ではないことに留意されたい。
【0212】
図17は、いくつかの実施形態による、
図16の処置プローブ1600を図示し、プローブの遠位端1606に関する可能性として考えられる可動域(ROM)1702の実施例を示す。図はまた、枢動点1708を中心とするロボットアームの制御下のプローブに関する可能性として考えられる可動域1704を図示し、本点は、それを越えるとプローブが患者の身体の中に挿入される、プローブワンドまたは延在部1604上の場所を表す。図は、プローブの軸1611とロボットアームの制御下のプローブに関する可動域1704の境界との間の距離を示す。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1704の上側境界との間の距離1710は、70~80mmに変動し、例えば、75mmであってもよい。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1704の下側境界との間の距離1711は、110~130mmに変動し、例えば、119mmであってもよい。いくつかの実施形態では、ロボット制御下の可動域1704の外縁と遠位端の可動域1702の外縁との間の距離1712は、225mm~275mmに変動し、例えば、247mmであってもよい。
【0213】
実施例として、処置プローブの遠位端の(安全)可動域に影響を及ぼし得る再位置付けまたは他の因子は、(a)関与する具体的処置エリア、(b)患者の解剖学的構造および患者の間の組織ならびに器官サイズおよび形状の差異、(c)患者の身体サイズ、(d)処置に関する患者の位置または向き、または(e)患者の健康条件もしくは以前の病歴のうちの1つまたはそれより多くに起因し得る。処置プローブの可動域の変化に関するこれらの可能性として考えられる理由は、本明細書に説明されるアプローチを使用して衝突または患者組織および器官への危害を防止する重要性を強調する。
【0214】
図18は、いくつかの実施形態による、
図16のハンドピースまたは処置プローブ1600の上面図を図示し、その視点からのプローブの遠位端1606に関するプローブの可動域原点(枢動点)1804を中心とする例示的可動域1802を示す。
【0215】
示されるように、第1の側角1806は、プローブの軸1611とプローブ可動域1802の上側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の側角は、40~50度に変動し、例えば、45度であってもよい。第2の側角1807は、プローブの軸1611とプローブ可動域1802の下側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の側角は、40~50度に変動し、例えば、45度であってもよい。図はまた、プローブの軸と可動域の境界との間の距離を示す。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1802の上側境界との間の距離1808は、70~80mmに変動し、例えば、76mmであってもよい。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1802の下側境界との間の距離1809は、70~80mmに変動し、例えば、76mmであってもよい。いくつかの実施形態では、枢動点1804とプローブの遠位端1606との間の距離1810は、90~120mmに変動し、例えば、105mmであってもよい。図に示される略円錐形区分1802(可能性として考えられる可動域を表す)は、任意のさらなる制約または限定の適用に先立って、その中でプローブの遠位端1606が原点(枢動点)1804を中心として移動し得る包絡線または領域である。本実施例では、本視点から視認されるときのその中で遠位端が移動し得る可動域または包絡線が、対称であることに留意されたい。
【0216】
図19は、いくつかの実施形態による、
図18の処置プローブ1600を図示し、プローブの遠位端1606に関する可能性として考えられる可動域(ROM)1902の実施例を示す。図はまた、枢動点1906を中心とするロボットアームの制御下のプローブに関する可能性として考えられる可動域1904を図示し、枢動点は、それを越えるとプローブが患者の身体の中に挿入される、プローブワンドまたは延在部1604上の場所を表す。図は、プローブの軸1611とロボットアームの制御下のプローブに関する可動域1904の境界との間の距離を示す。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1904の上側境界との間の距離1908は、90~110mmに変動し、例えば、104mmであってもよい。いくつかの実施形態では、プローブ軸1611と可動域1904の下側境界との間の距離1909は、90~110mmに変動し、例えば、104mmであってもよい。いくつかの実施形態では、ロボット制御下の可動域1904の外縁と遠位端の可動域1902の外縁との間の距離1910は、225mm~275mmに変動し、例えば、247mmであってもよい。
【0217】
図20は、いくつかの実施形態による、撮像プローブ2000の側面図およびその視点からの枢動点2006を中心とするプローブの遠位端2004に関する可動域2002の実施例を図示する。図に示されるように、撮像プローブ2000は、ハンドル2001と、ハンドルからプローブの遠位端まで延在する、ワンドまたは延在部2003とを備えてもよい。ワンドまたは延在部2003は、枢動点2006からプローブの遠位端2004まで延在する区画を備えてもよい。
【0218】
示されるように、上角2008は、プローブの軸2010とプローブ可動域2002の上側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、上角は、40~50度に変動し、例えば、45度であってもよい。下角2009は、プローブの軸2010とプローブ可動域2002の下側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、下角は、5~15度に変動し、例えば、10度であってもよい。図はまた、プローブの軸2010と可動域2002の境界との間の距離を示す。いくつかの実施形態では、プローブ軸2010と可動域2002の上側境界との間の距離2012は、110~150mmに変動し、例えば、130mmであってもよい。いくつかの実施形態では、プローブ軸2010と可動域2002の下側境界との間の距離2013は、30~50mmに変動し、例えば、40mmであってもよい。いくつかの実施形態では、枢動点2006とプローブの遠位端2004との間の距離2014は、150~200mmに変動し、例えば、180mmであってもよい。本視点から視認される際、その中でプローブの遠位端が移動し得る可動域または包絡線が、対称ではないことに留意されたい。
【0219】
図21は、いくつかの実施形態による、
図20の撮像プローブ2000の上面図およびその視点からの枢動点2006を中心とするプローブの遠位端2004に関する可動域2002の実施例を図示する。示されるように、第1の側角2102は、プローブの軸2010とプローブ可動域2002の上側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の側角は、10~20度に変動し、例えば、15度であってもよい。第2の側角2103は、プローブの軸2010とプローブ可動域2002の下側境界との間に画定されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の側角は、10~20度に変動し、例えば、15度であってもよい。図はまた、プローブの軸2010と可動域2002の境界との間の距離を示す。いくつかの実施形態では、可動域の上側境界と下側境界との間の距離2104は、100~140mmに変動し、例えば、120mmであってもよい。いくつかの実施形態では、枢動点2006とプローブの遠位端2004との間の距離2106は、150~200mmに変動し、例えば、180mmであってもよい。本視点から視認される際、その中でプローブの遠位端が移動し得る可動域または包絡線が、対称であることに留意されたい。
【0220】
図22は、いくつかの実施形態による、処置プローブ1600および撮像プローブ2000の側面図を図示し、その視点からの相互に重なり合う各プローブの遠位端の個別の可動域を示す。図では、プローブの枢動点の分離2202によって表される距離によって示されるように、プローブは、別個であるが、相互に同一線上または略平行にあり、処置プローブの枢動点は、撮像プローブの枢動点の正面に(それからオフセットされて)位置付けられる。
【0221】
プローブの間の縦方向および側方分離は、具体的な患者解剖学的構造および処置に関する必要に応じて、変動する、または変動されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、2つのプローブの枢動点(または支点)の縦方向分離2202は、25~75mmに変動し、例えば、50mmであってもよい。2つの略平行プローブの側方分離2203は、25~75mmに変動し、例えば、50mmであってもよい。図に示されるように、処置プローブに関する可能性として考えられる可動域2204は、本視点から視認されるように、撮像プローブのもの2206と異なる形状および寸法である。2つのプローブの縦方向および/または側方分離は、最初に設定され、次いで、患者解剖学的構造、実施される具体的処置、CTまたはMRI走査、処置または患者に関する事前プログラムされたプロファイル等に基づいて、医師によって修正されてもよい。
【0222】
図に示される2つのプローブの遠位端の相対位置付けは、2つのプローブが処置のために使用されるときに位置付けられ得る方法の実施例である。相対位置付けの本実施例は、医師が患者の中に各プローブを挿入し、次いで、処置に先立って一方または両方のプローブを再位置付けすることからもたらされてもよい。相対位置付けの本実施例はまた、プローブが患者の中に挿入された後、ロボットアームが一方または両方のプローブを移動させることからもたらされてもよい。いくつかの実施形態では、本システムが、(それらの可動域(ROM)が交差または重複し得るが)2つのプローブが衝突しない、または相互の規定された距離内に入らないことを確実にするように、ロボットアームの移動を較正または事前プログラムするために使用され得ることに留意されたい。
【0223】
図23は、いくつかの実施形態による、
図22の処置プローブ1600および撮像プローブ2000の上面図を図示し、その視点からの相互に重なり合う各プローブの遠位端の個別の可動域を示す。
図22のように、
図23では、プローブは、別個であるが、相互に同一線上または平行にあり、処置プローブの枢動点は、撮像プローブの枢動点の正面に(それからオフセットされて)位置付けられる。示される実施形態では、2つのプローブの遠位端2302もまた、オフセットされることに留意されたい。また、図では、撮像プローブが、下にあり、処置プローブによって部分的に不明瞭にされることに留意されたい。図に示されるように、処置プローブに関する可能性として考えられる可動域2304は、本視点から視認されるように、撮像プローブのもの2306と異なる形状および寸法である。
【0224】
図から明白であるように、いくつかの実施形態では、プローブはそれぞれ、個別の可能性として考えられる可動域を有する。本可能性として考えられる可動域は、プローブの構造および動作に基づいて、その中でプローブの遠位端が移動し得る最大包絡線または境界領域を表す。
【0225】
参照されるように、本可能性として考えられる可動域は、プローブおよび/またはプローブを移動させるために使用されるロボットアームの間の衝突を防止するために、制約または限定されてもよい。制約または限定は、医師が、許容可動域を画定するために、プローブおよびそれらの個別の遠位端を操作し得る、本明細書に説明されるような訓練モード等の訓練または教示プロセスの結果であってもよい。訓練または教示プロセスは、患者の外側および/または患者の内側のプローブを用いて実施されてもよい。さらに、処置プローブおよび/または患者の身体の内部の画像が、衝突または患者への危害を防止するように、プローブまたはロボットアームの許容可能な運動をさらに制約または制限するために使用されてもよい。
【0226】
図24は、いくつかの実施形態による、処置プローブ1600および撮像プローブ2000の等角図を図示し、その視点からの相互に重なり合うプローブの遠位端2406の個別の可動域2402(処置プローブ)および2403(撮像プローブ)を示す。図では、遠位端2406の整合によって示されるように、プローブは、別個であるが、相互に同一線上または平行にあり、撮像プローブの遠位端は、処置プローブの遠位端と整合させられる。図は、その視点からの撮像プローブの遠位端に関して可能性として考えられる非対称な運動の包絡線を示す。
【0227】
図25Aは、いくつかの実施形態による、
図24の処置プローブ1600および撮像プローブ2000の側面図を図示し、その視点からの相互に重なり合う、それぞれ、プローブ1600、2000の遠位端2406の個別の可動域2402、2403を示す。
図22と比較すると、個別のプローブ上の枢動点(または支点)の間の縦方向距離2410が、遠位端2406の位置によって示されるように、遠位端が整合させられるため、低減されることに留意されたい。本実施形態では、2つの枢動点または支点の間の縦方向分離2410は、例えば、50mmまたはそれ未満である。
図22と比較した2つのプローブの遠位端の相対位置付けにおける本変更は、プローブに関する個別の可動域が重複する方法に影響を及ぼす。本状況は、
図22に示される実施例におけるように、撮像プローブが遠くまで挿入され得ない患者の処置において、および/または処置の間の処置プローブに関連する撮像プローブの移動の間に生じ得る。
【0228】
図25Bは、いくつかの実施形態による、
図24の処置プローブ1600および撮像プローブ2000の側面図を図示し、その視点からの相互に重なり合う、それぞれ、プローブ1600、2000の遠位端の個別の可動域2402、2403を示す。本図では、撮像プローブ2000が、
図25Aと比較して、処置プローブに対して水平または縦方向に前進させられることに留意されたい。結果として、プローブ遠位端は、
図25Aにおけるように整合させられない。相対位置付けの本タイプの変更は、患者解剖学的構造、患者内部器官または組織、もしくは実施される処置の差異からもたらされ得る。本実施形態では、2つの枢動点または支点の間の縦方向分離2410は、例えば、50mmである。
【0229】
説明されるように、処置計画、処置部位、患者位置付け、または患者解剖学的構造(例えば、患者サイズまたは健康状態を含む)に関連する1つまたはそれより多くの因子に応じて、処置または撮像プローブのうちの一方もしくは両方は、別の患者または処置に関するものと同一の様式で挿入または移動させられることが可能ではない場合がある。これは、相互に対するプローブの遠位端の異なる位置付けをもたらし、したがって、2つのプローブに関する可動域包絡線の異なる量の重複または向きをもたらすであろう。したがって、患者に対する、および相互に対する各プローブの位置、場所、向き、ならびに移動の慎重な監視が、衝突に起因する患者への、またはプローブへの危害を回避するために重要である。
【0230】
図26は、いくつかの実施形態による、
図25の処置プローブ1600および撮像プローブ2000の上面図を図示し、それぞれ、プローブ1600、2000が別個であるが、相互に同一線上または平行にあるときの相互に重なり合う個別の可動域2402、2403を示す。図では、撮像プローブの遠位端は、端部2406の位置によって示されるように、処置プローブの遠位端と整合させられる。図から分かるように、本視点またはビューから、可動域または運動の包絡線は、対称に見える。
【0231】
説明されているように、処置の間に、2つのプローブはそれぞれ、患者の中に挿入される。撮像プローブ(またはいくつかの実施例では、TRUSプローブ)は、典型的には、患者の直腸または括約筋の中に、典型的には、恥骨まで挿入される。医師または外科医は、組織領域内で撮像プローブを移動させることができるが、それが患者への危害を引き起こし得るため、力を用いて骨の中に、またはそれに対してプローブを移動させないように注意しなければならない。いくつかの実施形態では、プローブの遠位端の可能性として考えられる運動に対する境界または限度が、死体の研究または他の形態の研究活動から取得されてもよい。これは、患者の中へのプローブの挿入に先立って、またはその後のいずれかで、医師によって実施される教示または訓練セッションの代わりのものである、またはそれに加えたものであってもよい。
【0232】
処置プローブまたはハンドピースは、典型的には、前立腺処置のために尿道を通して、恥骨の前の骨盤切痕に向かって挿入される。これは、プローブのさらなる操作または再位置付けのための出発点を提示してもよい。
【0233】
図27は、いくつかの実施形態による、患者を処置するための手技の一部として使用される、プローブに関する可動域(ROM)を設定するための方法、プロセス、動作、または機能2770を図示する、フローチャートまたはフロー図である。いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くのステップは、本明細書に議論されるように、訓練モード内で行われてもよい。ステップ2772では、可能性として考えられる可動域限度が、処置プローブに関して設定される。本明細書に説明されるように、これは、本システムに、枢動点を中心とするプローブの可動域または運動の包絡線の数学的もしくは他の記述を提供することを含んでもよい。
【0234】
ステップ2774では、対応する可能性として考えられる可動域限度が、撮像プローブに関して設定される。本明細書に説明されるように、これは、本システムに、枢動点を中心とするプローブの可動域または運動の包絡線の数学的もしくは他の記述を提供することを含んでもよい。
【0235】
ステップ2776では、処置プローブおよび撮像プローブの一方または両方に関する可能性として考えられる可動域が、患者特有因子またはパラメータに基づいて、調節または修正されてもよい。本明細書に説明されるように、これは、患者解剖学的構造、患者走査の考慮事項、および/または他の関連する考慮事項を伴ってもよい。これは、随意のステップであり、プローブが患者の外部にある間に、教示または訓練セッションの実行によって実施されてもよい。
【0236】
ステップ2778では、プローブまたは複数のプローブが、本システムのロボットアームに接続され、プローブまたは複数のプローブの場所、位置付け、および向きのロボット制御を可能にするようにアクティブ化される。
【0237】
ステップ2780では、医師が、ロボットアーム制御を使用し、一方または両方のプローブに関する可動域または位置付けをさらに画定、制約、または制限し、したがって、処置に関する許容可動域および所望のプローブ位置を画定するためのモードをアクティブ化してもよい。これは、教示または訓練セッションもしくはプローブに関する所望の位置および可動域を設定する他の形態を伴ってもよい。
【0238】
ステップ2782では、本システムは、一方または両方のプローブに関する許容可動域、縦方向および側方の両方での相互に対する各プローブの位置付けならびに整合、および/または処置領域に対する各プローブの位置付けならびに整合のうちの1つまたはそれより多くを設定または固定してもよい。
【0239】
上記のステップは、いくつかの実施形態による、患者を処置するための手技の一部として使用される、プローブに関する可動域(ROM)を設定するための方法2770を示すが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく多くの変形例を認識するであろう。例えば、ステップは、異なる順序で完了されてもよい。1つまたはそれより多くのステップが、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかは、サブステップを含んでもよい。ステップの多くは、必要または所望に応じて頻繁に繰り返されてもよい。
【0240】
ある意味では、許容可能な、または所望の可動域を画定もしくは設定する、または一方もしくは両方のプローブの初期の可能性として考えられる可動域(ROM)に対する制約を設置するために使用され得る、3つの可能性として考えられる着目エリアまたは体積が、存在する。第1の体積は、相互に対する2つのプローブの可能性として考えられる、および/または許容可動域のものである。第2の体積は、撮像プローブ(患者の直腸の内側)の可能性として考えられる、および/または許容ROMのものである。第3の体積は、処置プローブ(患者の前立腺/膀胱の内側)の可能性として考えられる、および/または許容ROMのものである。第1の体積または領域は、本デバイスの相互との衝突を防止するためのものであり、プローブ衝突関連の組織損傷を防ぐための、プローブの間に維持すべき距離である。第2の体積または領域は、他のプローブの場所から独立して、直腸内での安全かつ所望の組織操作能力を確立するためのものである。第3の体積または領域は、他のプローブの場所から独立して、骨構造、尿道、前立腺、および膀胱内での安全かつ所望の組織操作能力を確立するためのものである。各領域または体積が、別個に確立され得、ともに、それらが、領域または体積の交差が起こり得るかどうかを決定するときに考慮されるルールセットとして機能することに留意されたい。
【0241】
処置または撮像プローブの遠位端もしくはそのうちの一方または両方の可動域を画定、制御、および/または制約することが参照されるが、実施形態がまた、プローブ全体の可動域を画定、制御、および/または制約することを対象とすることに留意されたい。これは、軌道、運動、ベクトル、整合、向き、または他の形態のプローブの位置付けならびに/もしくは運動を制約または限定することを含んでもよい。そのような制約または限定は、プローブの寸法、患者の解剖学的構造に対する枢動点、処置プローブと撮像プローブとの間の相対整合、または他の関連する情報もしくは画像のうちの1つまたはそれより多くに基づく、もしくはそれを考慮してもよい。
【0242】
説明されるシステムのいくつかの実施形態および使用では、人物が、最初に、プローブを設置し、または位置付け、プローブは、ロボットアームに結合され、ロボットアームは、次いで、プローブを移動させるために使用されるであろう。可動域、運動の境界、または運動の包絡線が、ロボットアームに結合されるコンピューティングシステムに入力されるデータによって画定されてもよい。データは、測定値、パラメータ限度、閾値、具体的命令、画像、またはプローブの可能性として考えられる移動に対する制約もしくは限度を表す他の形態を備えてもよい。
【0243】
データは、医師にプローブを操作させ、許容可動域にわたってこれを移動させることによって等、医師によって行われる訓練または教示セッションの間に発生されてもよい。医師によって画定されるような許容可動域は、コンピューティングデバイスに結合されるデータベース内に記憶される、患者に関する情報またはデータによって修正されてもよい。データベースは、具体的患者の解剖学的構造および処置部位に関するより詳細な情報を提供する、CTまたはMRI等の走査を含有してもよい。患者への安全性を確実にする目的のために、公差量が、決定された許容可動域を調節または修正するために使用されてもよい。
【0244】
参照されるように、患者の解剖学的構造は、プローブが患者内に位置付けられる方法に影響を及ぼし得る。例えば、患者が、肥満である、または平均量を上回る腹部脂肪組織を有する場合、患者の中に挿入されるプローブの長さおよび患者の内側のプローブの初期位置は、より痩身の患者に関するものと異なり得る。また、撮像プローブの直腸枢動および骨盤切痕の近傍の処置プローブの枢動の相対場所は、例えば、体重に応じて、変動し得る。
【0245】
処置プローブの場所、位置、または向きの微調節を行う際、撮像プローブは、処置プローブの遠位端の画像を取得するために使用されてもよい。撮像プローブは、典型的には、幅が数ミリメートルであり、最適な超音波撮像のために、プローブと組織との間の接触を有することが、有用である。十分な接触が、欠如している場合、オペレータは、例えば、プローブをわずかに持ち上げる必要があり得る。患者の解剖学的構造は、非対称であり、相互への、または他方への撮像プローブおよび/または処置プローブの移動を要求し得る。
【0246】
参照されるように、プローブの間の衝突、ロボットアームの間の衝突、またはプローブと患者の組織または器官との間の衝突を回避することは全て、害を防止し、処置を正常に完了させる際に重要である。本明細書に説明されるように、プローブの可動域を制約または限定することによって衝突を回避することは、いくつかのアプローチによって遂行されることができる。
【0247】
第1のものは、従来通り行われるように、純粋に手動のアプローチである。本アプローチでは、医師は、相互との、または患者の組織もしくは器官との接触を回避するために、プローブまたは複数のプローブを慎重に操作する責任を負う。医師は、患者の内側の各プローブの場所を決定し、患者の内側の組織または他の構造を認識するために、撮像プローブからの画像に依拠してもよい。
【0248】
第2のアプローチは、可能性として考えられる可動域に対する限度を設定する、またはプローブ遠位端が安全に移動し得る領域もしくは包絡線の境界を画定することである。説明されるように、一実施例では、医師は、プローブの許容可動域をコンピューティングシステムに実証してもよい。コンピューティングシステムは、許容される運動のパラメータを実証された可動域から決定してもよく、これらのパラメータは、ロボットアームおよびプローブに適用され得るコマンドまたは命令に対する制限または限度に変換されてもよい。アームまたはプローブ上のセンサが、ロボットアームまたはプローブの場所、位置、もしくは向きを決定することを支援してもよい。
【0249】
第3のアプローチは、第2のアプローチを患者の内側からの画像と組み合わせる。本アプローチは、画像認識または患者の以前に取得された走査を使用し、患者の内側の組織または器官を識別してもよく、処置プローブの画像と組み合わせて、処置プローブの移動を制御するための情報を提供するために使用されてもよい。撮像プローブデータは、例えば、2つのプローブが離れている程度を決定するために使用されることができる。一実施例では、2つのプローブの遠位端の間の最小距離、例えば、2mmを維持することが、望ましくあり得る。
【0250】
いくつかの実施形態では、各プローブの可能性として考えられる可動域の数学的モデルまたは表現が、発生され、コンピューティングデバイス内に記憶されてもよい。可能性として考えられる可動域または可能性として考えられる運動の包絡線は、典型的には、ある形態の対象または非対称の円錐形区分によって表される。プローブ寸法およびプローブワンドが患者の中に挿入される場所に対応するプローブ上の点(例えば、枢動点)を前提として、コンピューティングデバイスは、患者の内側の2つのプローブの相対位置、向き、および可動域を計算し、表示することができる。本表示は、患者走査および/または医師からの情報によって修正され、患者の内側にある間のプローブおよびそれらの個別の可動域の患者特有表示を発生させることができる。本情報は、プローブの端部が相互に、または患者の組織もしくは器官に近接しすぎた状態になるとき(またはその場合)、アラートを発生させること、さらなる移動を防止すること、または他の好適な機構によって衝突または患者への危害を防止するために使用されてもよい。
【0251】
本明細書に説明されるように、本明細書に説明および/または図示されるコンピューティングデバイスならびにシステムは、広義には、本明細書に説明されるモジュール内に含有されるもの等のコンピュータ可読命令を実行することが可能な任意のタイプまたは形態のコンピューティングデバイス、プロセッサ、もしくはシステムを表す。それらの最も基本的な構成では、これらのコンピューティングデバイスはそれぞれ、少なくとも1つのメモリデバイスと、少なくとも1つの物理的プロセッサとを備えてもよい。
【0252】
本明細書に使用されるような用語「メモリ」または「メモリデバイス」は、概して、データおよび/またはコンピュータ可読命令を記憶することが可能な任意のタイプまたは形態の揮発性もしくは不揮発性記憶デバイスまたは媒体を表す。一実施例では、メモリデバイスは、本明細書に説明されるモジュールのうちの1つまたはそれより多くを記憶、ロード、および/または維持してもよい。メモリデバイスの実施例は、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)、光ディスクドライブ、キャッシュ、それのうちの1つまたはそれより多くの変形例もしくは組み合わせ、または任意の他の好適な記憶メモリを備える。
【0253】
加えて、本明細書に使用されるような用語「プロセッサ」または「物理的プロセッサ」は、概して、コンピュータ可読命令を解釈および/または実行することが可能な任意のタイプもしくは形態のハードウェア実装処理ユニットを指す。一実施例では、物理的プロセッサは、上記に説明されるメモリデバイス内に記憶された1つまたはそれより多くのモジュールにアクセス、および/またはそれを修正してもよい。物理的プロセッサの実施例は、限定ではないが、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、テンソル処理ユニット(TPU)、ソフトコアプロセッサを実装するフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、それのうちの1つまたはそれより多くの一部、それのうちの1つまたはそれより多くの変形例もしくは組み合わせ、または任意の他の好適な物理的プロセッサを備える。
【0254】
別個の要素として図示されるが、本明細書に説明および/または図示される方法ステップは、単一の用途の一部を表し得る。加えて、いくつかの実施形態では、これらのステップのうちの1つまたはそれより多くは、コンピューティングデバイスによって実行されると、コンピューティングデバイスに、方法ステップ等の1つまたはそれより多くのタスクを実施させ得る、1つまたはそれより多くのソフトウェアアプリケーションもしくはプログラムを表す、またはそれに対応し得る。
【0255】
加えて、本明細書に説明されるデバイスのうちの1つまたはそれより多くは、データ、物理的デバイス、および/または物理的デバイスの表現を、1つの形態から別の形態に変換してもよい。加えて、または代替として、本明細書に列挙されるモジュールのうちの1つまたはそれより多くは、コンピューティングデバイス上で実行されること、コンピューティングデバイス上にデータを記憶すること、および/または別様にコンピューティングデバイスと相互作用することによって、プロセッサ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ならびに/もしくは物理的コンピューティングデバイスの任意の他の部分を、1つの形態のコンピューティングデバイスから別の形態のコンピューティングデバイスに変換してもよい。
【0256】
本明細書に使用されるような用語「コンピュータ可読媒体」は、概して、コンピュータ可読命令を記憶または搬送することが可能な任意の形態のデバイス、キャリア、もしくは媒体を指す。コンピュータ可読媒体の実施例は、限定ではないが、搬送波等の伝送型媒体、および磁気記憶媒体(例えば、ハードディスクドライブ、テープドライブ、およびフロッピー(登録商標)ディスク)、光学記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、およびBLU-RAY(登録商標)ディスク)、電子記憶媒体(例えば、ソリッドステートドライブおよびフラッシュ媒体)、ならびに他の分配システム等の非一過性型媒体を備える。
【0257】
当業者は、本明細書に開示される任意のプロセスまたは方法が多くの方法で修正され得ることを認識するであろう。プロセスパラメータならびに本明細書に説明および/または図示されるステップのシーケンスは、実施例としてのみ与えられ、所望に応じて変動されることができる。例えば、本明細書に図示および/または説明されるステップは、特定の順序で示される、または議論され得るが、これらのステップは、必ずしも図示または議論される順序で実施される必要はない。
【0258】
本明細書に説明および/または図示される種々の例示的方法はまた、本明細書に説明もしくは図示されるステップのうちの1つまたはそれより多くを省略する、または開示されるものに加えて付加的ステップを備えてもよい。さらに、本明細書に開示されるような任意の方法のステップが、本明細書に開示されるような任意の他の方法のいずれかの1つまたはそれより多くのステップと組み合わせられることができる。
【0259】
本明細書に説明されるようなプロセッサは、本明細書に開示される任意の方法の1つまたはそれより多くのステップを実施するように構成されることができる。代替として、または組み合わせて、プロセッサは、本明細書に開示されるような1つまたはそれより多くの方法の1つまたはそれより多くのステップを組み合わせるように構成されることができる。
【0260】
別様に記述されない限り、本明細書および請求項で使用されるような用語「~に接続される」および「~に結合される」(ならびにそれらの派生語)は、直接および間接的(すなわち、他の要素または構成要素を介した)接続の両方を許容するものとして解釈されるものである。加えて、本明細書および請求項で使用されるような用語「a」または「an」は、「~のうちの少なくとも1つ」を意味するものとして解釈されるものである。最後に、使用を容易にするために、本明細書および請求項で使用されるような用語「~を含む」および「~を有する」(ならびにそれらの派生語)は、単語「~を備える」と同義的であり、それと同一の意味を有するものとする。
【0261】
本明細書に開示されるようなプロセッサ、複数のプロセッサ、またはコンピューティングデバイスもしくは複数のデバイスは、本明細書に開示されるような任意の方法のいずれか1つまたはそれより多くのステップを実施する実行可能命令を伴って構成されることができる。これは、コンピュータ実行可能命令のセットを用いてプロセッサをプログラムすることによって遂行されてもよい。実行されると、命令は、プロセッサまたはプロセッサが要素であるコンピューティングデバイスに、本明細書に説明される方法の1つまたはそれより多くのステップもしくは段階を実装させるであろう。
【0262】
用語「第1」、「第2」、「第3」等は、事象のいずれの特定の順序またはシーケンスも参照することなく、種々の層、要素、構成要素、領域、または区分を説明するために本明細書で使用され得ることを理解されたい。これらの用語は、単に、1つの層、要素、構成要素、領域、または区分を、別の層、要素、構成要素、領域、または区分と区別するために使用される。本明細書に説明されるような第1の層、要素、構成要素、領域、または区分は、本開示の教示から逸脱することなく、第2の層、要素、構成要素、領域、または区分と称され得る。
【0263】
本明細書に使用されるように、用語「または」は、代替として、および組み合わせて、項目を指すために包括的に使用される。
【0264】
本明細書に使用されるように、番号等の文字が、同様の要素を指す。
【0265】
本明細書に使用されるように、用語「粗」および「総」は、同義的に使用される。
【0266】
本明細書に使用されるように、用語「1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイス」および「プロセッサ」は、同義的に使用される。
【0267】
本開示は、以下の付番された付記を含む。
【0268】
付記1.患者の組織を処置または撮像するためのシステムであって、該システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされているプローブと、プローブに結合するように構成されているロボットアームと、ロボットアームに動作的に結合され、プローブに関する許容可動域を確立することであって、許容可動域は、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上に記憶され、許容可動域を確立することは、プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することと、プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、プローブの遠位端に関する許容可動域を画定することとをさらに含む、ことと、プローブを用いて患者の標的組織を処置または撮像することと、ロボットアームを移動させ、プローブに関する許容可動域内でプローブの移動に影響を及ぼすこととのための命令を伴って構成されている、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスとを備える。
【0269】
付記2.プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することは、その中でプローブの遠位端が移動することが可能である領域を画定することをさらに含む、付記1に記載のシステム。
【0270】
付記3.領域は、領域の数学的表現によって画定される、付記2に記載のシステム。
【0271】
付記4.領域は、領域の画像によって画定され、画像は、プローブの寸法と、プローブの遠位端の可能性として考えられる角度移動とを含む、付記2に記載のシステム。
【0272】
付記5.プローブは、撮像プローブであり、本システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、付記1に記載のシステム。
【0273】
付記6.プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、許容可動域を画定することは、本システムに関する訓練または教示モードをアクティブ化および実施することをさらに含み、訓練または教示モードは、ユーザが撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方を操作し、撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方の遠位端の可能性として考えられる可動域に対する限度を画定することを含む、付記5に記載のシステム。
【0274】
付記7.訓練または教示モードは、両方のプローブが患者の外側にあるときに行われる、付記6に記載のシステム。
【0275】
付記8.訓練または教示モードは、両方のプローブが患者の内側にあるときに行われる、付記6に記載のシステム。
【0276】
付記9.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、処置プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記8に記載のシステム。
【0277】
付記10.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記8に記載のシステム。
【0278】
付記11.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、処置プローブとの衝突を回避するために所定のエリア内で撮像プローブの遠位端を自動的に移動させることをさらに含む、付記10に記載のシステム。
【0279】
付記12.撮像プローブを動作させ、患者の解剖学的構造の画像を取得し、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記8に記載のシステム。
【0280】
付記13.プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正することは、可能性として考えられる可動域を、処置部位の近傍の患者の解剖学的構造のエリアを示す患者の走査と比較し、処置部位の周囲の領域におけるプローブの遠位端から患者への危害を回避するために、可能性として考えられる可動域を修正することを含む、付記1に記載のシステム。
【0281】
付記14.画像認識アプリケーションを使用して、取得された画像を処理し、患者の器官または組織の領域を識別することをさらに含む、付記12に記載のシステム。
【0282】
付記15.患者の標的部位における標的組織を処置する方法であって、該方法は、患者の中にプローブを手動で挿入することと、プローブをロボットアームに結合することと、プローブに関する許容可動域を確立することであって、許容可動域は、ロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスのメモリ上に記憶され、許容可動域を確立することは、プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することと、プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、プローブの遠位端に関する許容可動域を画定することとをさらに含む、ことと、プローブを用いて患者の標的組織を処置または撮像することと、プローブと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下でロボットアームを移動させ、プローブに関する許容可動域内でプローブの移動に影響を及ぼすこととを含む。
【0283】
付記16.プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することは、その中でプローブの遠位端が移動することが可能である領域を画定することをさらに含む、付記15に記載の方法。
【0284】
付記17.領域は、領域の数学的表現によって画定される、付記16に記載の方法。
【0285】
付記18.領域は、領域の画像によって画定され、画像は、プローブの寸法と、プローブの遠位端の可能性として考えられる角度移動とを含む、付記16に記載の方法。
【0286】
付記19.プローブは、撮像プローブであり、本システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、付記15に記載の方法。
【0287】
付記20.プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、許容可動域を画定することは、本システムに関する訓練または教示モードをアクティブ化および実施することをさらに含み、訓練または教示モードは、ユーザが撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方を操作し、撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方の遠位端の可能性として考えられる可動域に対する限度を画定することを含む、付記19に記載の方法。
【0288】
付記21.訓練または教示モードは、両方のプローブが患者の外側にあるときに行われる、付記20に記載の方法。
【0289】
付記22.訓練または教示モードは、第2のプローブに対する第1のプローブの可動域を画定し、画定された可動域は、メモリ内に記憶されることが可能であり、患者の内側に対して変換可能である、付記21に記載の方法。
【0290】
付記23.訓練または教示モードは、両方のプローブが患者の内側にあるときに行われる、付記21に記載の方法。
【0291】
付記24.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、処置プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記23に記載の方法。
【0292】
付記25.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記23に記載の方法。
【0293】
付記26.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、プローブの相互との衝突を防止するための領域もしくは体積、もしくは、プロブ衝突関連の組織損傷を防ぐための、プローブの間に維持すべき距離を画定すること、画定された領域内の一方もしくは両方のプローブの位置を確認すること、または、一方もしくは両方のプローブの位置を監視し、衝突を防止するためにロボットアームの運動をアクティブ化することのうちの1つまたはそれより多くを実施することをさらに含む、付記23に記載の方法。
【0294】
付記27.撮像プローブを動作させ、患者の解剖学的構造の画像を取得し、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記23に記載の方法。
【0295】
付記28.プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正することは、可能性として考えられる可動域を、処置部位の近傍の患者の解剖学的構造のエリアを示す患者の走査と比較し、処置部位の周囲の領域におけるプローブの遠位端から患者への危害を回避するために、可能性として考えられる可動域を修正することを含む、付記15に記載の方法。
【0296】
付記29.画像認識アプリケーションを使用して、取得された画像を処理し、患者の器官または組織の領域を識別することをさらに含む、付記27に記載の方法。
【0297】
付記30.患者の標的部位における標的組織を処置するためのシステムであって、本システムは、患者の標的組織を処置するための処置プローブに結合されている第1のロボットアームと、患者の標的組織を撮像するための撮像プローブに結合されている第2のロボットアームと、第1のロボットアームおよび第2のロボットアームと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスとを備え、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、第1のロボットアームまたは第2のロボットアームのうちの1つまたはそれより多くの移動を制御するための命令を実行するように構成され、命令は、プローブまたは複数のプローブに関する許容可動域内であるように一方または両方のプローブの移動を制約する。
【0298】
付記31.1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスは、第1のロボットアームまたは第2のロボットアームの移動を制御し、患者の中への処置プローブまたは撮像プローブの進入軸に沿った処置プローブまたは撮像プローブのピッチ、ヨー、ロール、側方、または線形位置のうちの1つまたはそれより多くを調節するための命令を実行するように構成されている、付記30に記載のシステム。
【0299】
付記32.プローブまたは複数のプローブに関する許容可動域内であるように一方または両方のプローブの移動を制約するための命令は、プローブのうちの少なくとも1つの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定し、プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、プローブの遠位端に関する許容可動域を画定するための命令をさらに含む、付記30に記載のシステム。
【0300】
付記33.プローブの遠位端に関する可能性として考えられる可動域を画定することは、その中でプローブの遠位端が移動することが可能である領域を画定することをさらに含む、付記32に記載のシステム。
【0301】
付記34.領域は、領域の数学的表現によって画定される、付記33に記載のシステム。
【0302】
付記35.領域は、領域の画像によって画定され、画像は、プローブの寸法と、プローブの遠位端の可能性として考えられる角度移動とを含む、付記33に記載のシステム。
【0303】
付記36.プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正し、許容可動域を画定することは、本システムに関する訓練または教示モードをアクティブ化および実施することをさらに含み、訓練または教示モードは、ユーザが撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方を操作し、撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方の遠位端の可能性として考えられる可動域に対する限度を画定することを含む、付記32に記載のシステム。
【0304】
付記37.訓練または教示モードは、両方のプローブが患者の外側にあるときに行われる、付記36に記載のシステム。
【0305】
付記38.訓練または教示モードは、両方のプローブが患者の内側にあるときに行われる、付記36に記載のシステム。
【0306】
付記39.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、処置プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記38に記載のシステム。
【0307】
付記40.撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得し、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記38に記載のシステム。
【0308】
付記41.撮像プローブを動作させ、患者の解剖学的構造の画像を取得し、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約することをさらに含む、付記38に記載のシステム。
【0309】
付記42.プローブの遠位端の可能性として考えられる可動域を修正することは、可能性として考えられる可動域を、処置部位の近傍の患者の解剖学的構造のエリアを示す患者の走査と比較し、処置部位の周囲の領域におけるプローブの遠位端から患者への危害を回避するために、可能性として考えられる可動域を修正することを含む、付記30に記載のシステム。
【0310】
付記43.画像認識アプリケーションを使用して、取得された画像を処理し、患者の器官または組織の領域を識別することをさらに含む、付記41に記載のシステム。
【0311】
付記44.患者の組織を処置または撮像するためのシステムであって、該システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされているプローブと、プローブに結合するように構成されているロボットアームと、ロボットアームに動作的に結合され、本システムのオペレータからの要求に応答して訓練モードを実行することであって、訓練モードは、オペレータが、プローブの遠位端の許容可動域を実証することを含み、プローブの遠位端は、患者の身体の中に挿入される、ことと、訓練モードを出ることと、患者の身体の中へのプローブの遠位端の挿入後、プローブを用いて患者の組織を処置または撮像することであって、ロボットアームが、プローブの遠位端に関する許容可動域内でのみ、患者の身体内でプローブの遠位端の移動に影響を及ぼすようにされている、こととのための命令を伴って構成されている、1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスとを備える。
【0312】
付記45.訓練モードを実行することに先立って、本システムは、その中でプローブの遠位端が移動することを束縛される領域を画定することによって、プローブの遠位端に関する初期可動域を画定する、付記44に記載のシステム。
【0313】
付記46.領域は、領域の数学的表現によって画定される、付記45に記載のシステム。
【0314】
付記47.領域は、領域の画像によって画定され、画像は、プローブの寸法と、プローブの遠位端の可能性として考えられる角度移動とを含む、付記45に記載のシステム。
【0315】
付記48.プローブは、撮像プローブであり、本システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、付記44に記載のシステム。
【0316】
付記49.訓練モードは、オペレータが撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方を操作し、撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方の遠位端の可動域に対する限度を画定することを含む、付記48に記載のシステム。
【0317】
付記50.訓練モードは、両方のプローブが患者の内側にあるときに行われる、付記49に記載のシステム。
【0318】
付記51.命令はさらに、本システムに、撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得させ、画像に応答して、処置プローブの遠位端の許容可動域を制約させる、付記50に記載のシステム。
【0319】
付記52.命令はさらに、本システムに、撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得させ、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を制約させる、付記50に記載のシステム。
【0320】
付記53.命令はさらに、本システムに、撮像プローブを動作させ、処置プローブの画像を取得させ、画像に応答して、処置プローブとの衝突を回避するために所定のエリア内で撮像プローブの遠位端を自動的に移動させる、付記52に記載のシステム。
【0321】
付記54.命令はさらに、本システムに、撮像プローブを動作させ、患者の解剖学的構造の画像を取得させ、画像に応答して、撮像プローブの遠位端の許容可動域を修正させる、付記50に記載のシステム。
【0322】
付記55.命令はさらに、本システムに、許容可動域を、処置部位の近傍の患者の解剖学的構造のエリアを示す患者の走査と比較させ、応答して、処置部位の周囲の領域におけるプローブの遠位端の許容可動域を修正させる、付記44に記載のシステム。
【0323】
付記56.命令はさらに、本システムに、画像認識アプリケーションを使用して、取得された画像を処理させ、患者の器官または組織の領域を識別させる、付記54に記載のシステム。
【0324】
付記57.患者の標的部位における標的組織を処置する方法であって、該方法は、患者の中にプローブの遠位端を手動で挿入することと、プローブをロボットアームに結合することと、訓練モードを実行することであって、訓練モードは、オペレータがプローブの遠位端の許容可動域を画定することを含む、ことと、訓練モードを出ることと、患者の身体の中へのプローブの遠位端の挿入後、プローブを用いて患者の標的組織を処置または撮像することであって、プローブと動作可能に結合されている1つまたはそれより多くのコンピューティングデバイスの制御下のロボットアームは、プローブの遠位端に関する許容可動域内でプローブの遠位端の移動に影響を及ぼすようにされている、こととを含む。
【0325】
付記58.訓練モードを実行することに先立って、本システムは、その中でプローブの遠位端が移動することを束縛される領域を画定することによって、プローブの遠位端に関する初期可動域を画定する、付記57に記載の方法。
【0326】
付記59.領域は、領域の数学的表現によって画定される、付記58に記載の方法。
【0327】
付記60.領域は、領域の画像によって画定され、画像は、プローブの寸法と、プローブの遠位端の可能性として考えられる角度移動とを含む、付記58に記載の方法。
【0328】
付記61.プローブは、撮像プローブであり、本システムは、患者の中への挿入に関してサイズ決めされている処置プローブをさらに備える、付記57に記載の方法。
【0329】
付記62.訓練モードは、オペレータが撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方を操作し、撮像または処置プローブのうちの一方もしくは両方の遠位端の許容可動域を画定することを含む、付記61に記載の方法。
【0330】
付記63.許容可動域を、処置部位の近傍の患者の解剖学的構造のエリアを示す患者の走査と比較し、応答して、処置部位の周囲の領域におけるプローブの遠位端の許容可動域を修正することをさらに含む、付記57に記載の方法。
【0331】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されたが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項が、本発明の範囲を画定し、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法ならびに構造が、それによって網羅されることを意図している。
【国際調査報告】