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特表2023-533494固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20230727BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A61K8/02
A61Q1/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580929
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 EP2021068388
(87)【国際公開番号】W WO2022008385
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】102020000016270
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516200323
【氏名又は名称】インテルコス エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】INTERCOS S.p.A
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ラッタンチ、ジウセッペ
(72)【発明者】
【氏名】テントリ、エミリオ
(72)【発明者】
【氏名】ピッコーネ、マリア
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB192
4C083AB212
4C083AB222
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB332
4C083AB372
4C083AB432
4C083AB442
4C083AC022
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC442
4C083AC662
4C083AC842
4C083AC912
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD622
4C083BB21
4C083CC12
4C083DD21
4C083EE06
4C083EE07
4C083FF04
(57)【要約】
固形コンパクトパウダー化粧品の画期的な着色方法は、化粧料ケーキ(1)の上面(3)に様々な色および大きさのインク液滴(5)を滴下し、ケーキ自体に含浸させることを含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色化粧料ケーキを得るための化粧料ケーキ(1)の上面(3)に色を付与する工程と、前記着色化粧料ケーキを乾燥させる工程とを有する固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法であって、前記色を付与する工程では、様々な色および大きさのインク液滴(5)を、前記化粧料ケーキ(1)の前記上面(3)に滴下させて、同ケーキに含浸させることを特徴とする固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法。
【請求項2】
インク液滴(5)の滴下を、調節可能なノズル(4)により行うことを特徴とする、請求項1に記載の固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法。
【請求項3】
インク液滴(5)の滴下を、前記ノズル(4)および前記化粧料ケーキ(1)の、4軸(x,y,z,θ)に沿う相対移動で行うことを特徴とする、請求項2に記載の固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法。
【請求項4】
前記乾燥させる工程を、20℃以上90℃以下の温度での加熱処理により行うことを特徴とする、請求項1に記載の固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法。
【請求項5】
前記乾燥させる工程を、35℃以上80℃以下の温度での加熱処理により行うことを特徴とする、請求項1に記載の固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形コンパクトパウダー化粧品の着色方法するに関するものである。
【背景技術】
【0002】
固形コンパクトパウダー化粧品製品の表面装飾を実施するための方法が、仏国特許出願公開公報第2759941号A1により知られている。この方法では、化粧品として許容できる様々な顔料または色のインク噴射を実施するインクジェットプリンタが使用される。この技術の制約は、プリンターの目詰まりを防ぐために、使用する顔料のサイズを1ミクロンより大きくしてはいけないことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】仏国特許出願公開公報第2759941号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の制約を克服する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明は、調整可能なノズルからケーキの上面に液滴の形態で滴下された様々な色のインクをそれらに含浸させ、次いでその中に含浸させて、色の効果および色合いを有する特殊効果を作り出すことによって、固形コンパクトパウダー化粧品ケーキを着色することからなる革新的な技術プロセスを提供する。
【発明の効果】
【0006】
その処理には、製品を装飾する機能がある。実際、製品は表面だけでなくその塊全体に着色されているため、優れた審美的および機能的効果を備えた多くの色彩効果が得られる。したがって、1つの開始色、例えば白のみのパウダー化粧料ケーキから始めて、次に任意のデザイン、色、または色合いでそれらを着色することが可能である。装飾は表面には残らないが、塊全体に実際の着色、すなわちインクがパウダーケーキに深く浸透する。また、滴下装置を詰まらせる問題なく任意のサイズの顔料を使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】化粧料ケーキの上平面図である。
図2図1のII-II断面視による直径方向断面図である。
図3】滴下ノズルによってインクを投与している状況を示す説明図である。
図4】滴下ノズルによってインクを投与している状況を示す説明図である。
図5】異なる色を重ねることによる点描効果や陰影効果を例示する説明図である。
図6】異なる色を重ねることによる点描効果や陰影効果を例示する説明図である。
図7】異なる色を重ねることによる点描効果や陰影効果を例示する説明図である。
図8】同一のケーキの明確に互いに分離された部分の異なる色の含侵を例示する説明図である。
図9】同一のケーキの明確に互いに分離された部分の異なる色の含侵を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1および図2は、任意の支持体上に載せることが意図された下面2と、消費者による視感が意図された様々な形状の上面3とを有する円形状の例による化粧料ケーキ1の、上平面図と、図1のII-II断面視による直径方向断面図を示している。
【0009】
着色工程では、化粧料ケーキ1は支持体上に載置され、その後、1つ以上の着色インクの一定数の液滴を滴下することによって、ケーキが作られる材料が毛細管現象によって深く含浸され、異なる色や濃淡を帯びるまで、濡らされる。
【0010】
インクの投与は、図3および図4において図式的に描かれた参照番号4で示される調節可能な滴下ノズルを使用することによって行われ、制御システム(それ自体は従来のものとして示されていない)により作動し、プログラム可能かつ反復可能な軌道に従って、規定数のインク液滴(カラー液滴)5を、化粧料ケーキ1の上面3の種々のゾーンに落とすことができるようにする。こうして、様々な色で含浸されたゾーン6が作られ、化粧料ケーキを審美的に特徴付ける。
【0011】
各液滴を構成するインク量とその吐出速度を以下の3つのパラメータで調整することが可能である。
・ノズル開口時間
・インクタンク内部の圧力
・ノズル開口部
【0012】
工程中、ノズルおよび/または着色対象の化粧料ケーキは、Gコード言語(CNC工作機械で使用されるもの)で完全にプログラム可能で再現可能な経路に従って、サーボ制御されたアクチュエーターにより4軸(x,y,z,θ)上を移動させることが可能である。これにより、例えば、異なる色を重ねることによる点描効果や陰影効果(図5~7、ここで使用されている数字7~16及びマークは、異なる着色および/または異なる陰影をもちうるゾーンを表す)や、同一のケーキの明確に互いに分離された部分17~20の異なる色の含浸(図8~9)をも作り出すことが可能である。
【0013】
ケーキ自体への様々な色の滴下、浸透および含浸により化粧料ケーキの上面を着色する前述の工程の後には、20℃以上90℃以下、好ましくは35℃以上80℃以下の温度で行われる熱処理により、ケーキを乾燥させる工程が続く。この熱処理は、例えば、湿度を制御した換気オーブンや、空気を循環させる換気オーブン、電子レンジなどを用いた任意の適切な加熱方法によって行うことができる。
【0014】
本発明に係る着色方法を適用できる各種のパウダー化粧品としては、以下のようなものが挙げられる。
・プレス加工で得られる化粧料パウダー
・押出成形で得られる化粧料パウダー
・裏打工程(backing process)で得られる化粧料パウダー
・注型工程(pouring process)で得られる化粧料パウダー
【0015】
本発明に係る方法を使用できるパウダー化粧品の組成物の例を本明細書に示す。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
インクの例
【0021】
【表1】
【0022】
水溶性天然色素/エキスの非限定的な例:
ビートルートレッド
CI40800/ベータ-カロチン
CI75810/(クロロフィリン/銅)複合体
カラメル
CI75470/カーマイン
スピルリナプラテンシスエキス
イポメアバタタス根エキス
ターメリックロンガ(ウコン)根エキス
ラファヌスサティバス、エキス
【0023】
【表2】
【0024】
** 水溶性合成色素の非限定な例:
CI10316/Ext.イエロー7(黄03)
CI45350/イエロー8
CI15985/イエロー6
CI19140/イエロー5
CI60730/Ext.バイオレット2
CI17200/レッド33
CI45410/レッド28
CI45380/レッド22
CI14700/レッド4
CI59040/グリーン8
CI61570/グリーン5
CI42053/グリーン3
CI42090/ブルー1
CI14700/CI19140/CI17200/D&C Brown.1
【0025】
【表3】
【0026】
溶媒の非限定的な例:
揮発性直鎖状シリコーン類(ジメチコン、ヘキサメチルジシロキサン…)
環状揮発性シリコーン類(シクロメチコン、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン…)
揮発性炭化水素類(イソドデカン、イソヘキサデカン、1.2ヘキサンジオール…)
アルコール類(エタノール、イソプロピルアルコール…)
グリコール類(1.2ヘキサンジオール…)
【0027】
** 脂溶性色素の非限定的な例:
CI47000/イエロー11
CI60725/バイオレット2
CI61565/グリーン6
CI26100/レッド17
【符号の説明】
【0028】
1 化粧料ケーキ
2 下面
3 上面
4 ノズル
5 インク液滴
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】