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特表2023-533506マーキングを含む物品および関連する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】マーキングを含む物品および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 29/04 20060101AFI20230727BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230727BHJP
【FI】
A61L29/04 100
A61L29/04 200
A61M25/00 650
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581591
(86)(22)【出願日】2021-06-28
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 US2021039427
(87)【国際公開番号】W WO2022006000
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】63/046,499
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518221298
【氏名又は名称】アクセス・バスキュラー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Access Vascular, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】バセット,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドナヒュー,ダニエル ティ
(72)【発明者】
【氏名】マナリノ,マシュー エム
【テーマコード(参考)】
4C081
4C267
【Fターム(参考)】
4C081AC08
4C081BB09
4C081CA051
4C081CF24
4C267AA01
4C267BB63
4C267CC08
4C267CC19
4C267GG02
4C267HH08
(57)【要約】
マーキングを含むカテーテルなどの物品および関連する方法などを提供する。本明細書中に記載の物品は、1つ以上の望ましい特性を示すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、物品は既知の距離で間隔をあけて配置されたマーキングを備える。マーキングは距離を測定する際に物品のユーザを支援するのに採用されてもよい。物品は、その上に配置されたマーキングが割れたり剥がれたりしないように、流体への曝露時に膨潤するように構成される。また、物品が、既知の予測可能なおよび/または均一な方法で流体への曝露時に膨潤するよう構成されてもよい。膨潤はマーキング間の間隔を増加させ得、その増加もまた既知の予測可能なおよび/または均一な方法であり得る。物品を膨潤させる流体が、患者への移植時に物品が曝露される流体などの体液であり、物品が膨潤してマーキングが患者内で既知の間隔を有する場合、マーキングは患者内の距離を測定するのに有利に採用され得、および/またはマーキング間隔の変化が、患者内の物品の膨潤を決定するのに採用されてもよい。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーク付きカテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含むマーキングを備え、各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、マーク付きカテーテルの第1の構成における第1の距離であるマーク付きカテーテルを用いて、
前記マーク付きカテーテルに流体を導入する工程、および
前記マーク付きカテーテルの少なくとも一部を、第1の構成から第2の構成に膨張させる工程
を実行することを含み、
前記第2の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が第2の距離となり、
前記第1の距離に対する第2の距離の比は、1.02:1以上、2:1以下である、方法。
【請求項2】
マーク付きカテーテルであって、カテーテルの少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含むマーキングを備え、各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、マーク付きカテーテルの第1の構成における第1の距離であるマーク付きカテーテルを用いて、
前記マーク付きカテーテルに流体を導入する工程、および
前記マーク付きカテーテルの少なくとも一部を、第1の構成から第2の構成に膨張させる工程
を実行することを含み、
前記第2の構成における各セグメントとその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が第2の距離となり、
前記第2の距離は、約1mm、約10mm、約100mm、約1cm、または約10cmである、方法。
【請求項3】
前記第2の構成が、カテーテルの平衡含水量にある、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の距離が0.5cm以上5cm以下である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記流体が、水、乳酸リンゲル液(LRS)、ブドウ糖(D5W)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、および/またはHanks平衡塩類溶液(HBSS)、生理食塩水、生理的体液を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記流体が、等張塩類溶液を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記カテーテルが、第1の水溶性ポリマーを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記マーキングが、第2の水溶性ポリマーおよび染料を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが異なる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが同じである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
物品であって、複数のマーキングを有するカテーテルを備え、
前記マーキングが、前記カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含み、
前記物品が、2w/w%以上40w/w%以下の第1の含水量を有する第1の構成を有し、第1の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、第1の距離であり、
前記物品が、20w/w%以上99w/w%以下の第2の含水量を有する第2の構成を有し、第2の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、第2の距離であり、
第2の含水量は、第1の含水量よりも大きく、
第1の距離に対する第2の距離の比は、1.02:1以上である、物品。
【請求項12】
物品であって、複数のマーキングを有するカテーテルを備え、
前記マーキングが、該カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含み、
前記物品が、2w/w%以上40w/w%以下の第1の含水量を有する第1の構成を有し、第1の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が第1の距離であり、
前記物品が、20w/w%以上99w/w%以下の第2の含水量を有する第2の構成を有し、第2の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、第2の距離であり、
第2の含水量は、第1の含水量よりも大きく、
第2の距離は、約1mm、約10mm、約100mm、約1cm、または約10cmに等しい、物品。
【請求項13】
前記第2の構成が、カテーテルの平衡含水量にある、請求項11に記載の物品。
【請求項14】
前記カテーテルが第1の水溶性ポリマーを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の物品。
【請求項15】
前記マーキングが第2の水溶性ポリマーおよび染料を含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の物品。
【請求項16】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが異なる、請求項15に記載の物品。
【請求項17】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが同じである、請求項15に記載の物品。
【請求項18】
物品であって、カテーテルおよびマーキングを含み、
前記マーキングが、前記カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含み、
前記カテーテルの少なくとも一部は、マーキングを含まず、
前記物品が実質的に血栓の蓄積を有さず、
前記マーキングの血栓の蓄積レベルが、前記マーキングを含まない前記カテーテルの部分の血栓の蓄積レベルの50%以内である、物品。
【請求項19】
前記カテーテルが、第1の水溶性ポリマーを含む、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記マーキングが、第2の水溶性ポリマーおよび染料を含む、請求項18または19に記載の物品。
【請求項21】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが異なる、請求項20に記載の物品。
【請求項22】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが同じである、請求項21に記載の物品。
【請求項23】
前記染料が、
四ナトリウム;4‐アミノ‐5‐ヒドロキシ‐3,6‐ビス[[4‐(2‐スルホナトオキシエチルスルホニル)フェニル]ジアゼニル]ナフタレン‐2,7‐ジスルホン酸(「Reactive Black 5」)、
銅;33‐[[4‐(2‐ヒドロキシエチルスルホニル)フェニル]スルファモイル]‐2,11,20,29,39,40‐ヘキサアザ‐37,38‐ジアザニダノナシクロ[28.6.1.13,10.112,19.121,28.04,9.013,18.022,27.031,36]テトラコンタ‐1,3(40),4(9),5,7,10,12(39),13(18),14,16,19,21,23,25,27,29,31(36),32,34‐ノナデカン‐6,15,24‐トリスルホン酸(「Reactive Blue 21」)、
2‐ナフタレンスルホン酸,7‐(アセチルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐[4‐[2‐(スルホキシ)エチル]スルホニル]フェニル]アゾ]‐,2ナトリウム塩(9Cl)(「Reactive Orange 78」)、
「Reactive Yellow 15」、
二ナトリウム;1‐アミノ‐9,10‐ジオキソ‐4‐[(3‐{[2‐(スルホナトオキシ)エチル]スルホニル}フェニル)アミノ]‐9,10‐ジヒドロ‐2‐アントラセンスルホン酸(「Reactive Blue 19」)、
1‐アミノ‐4‐[3‐(4,6‐ジクロロトリアジン‐2‐イルアミノ)‐4‐スルホフェニルアミノ]アントラキノン‐2‐スルホン酸(「Reactive Blue 4」)、
「C.I. Reactive Red 11」、
4-[2-(5-カルバモイル‐1‐エチル‐4‐メチル‐2,6‐ジオキソピリジン-3-イリデン)ヒドラジニル]‐6‐[(4,6‐ジクロロ-1,3,5‐トリアジン‐2‐イル)アミノ]ベンゼン‐1,3‐ジスルホン酸(「C.I. Reactive Yellow 86」)、
四ナトリウム;6,13‐ジクロロ‐3,10-ビス[[4‐[(4,6‐ジクロロ-1,3,5‐トリアジン-2-イル)アミノ]スルホナトフェニル]アミノ]トリフェノジオキサジンジスルホネート(「C.I. Reactive Blue 163」)、および/または
5‐(ベンゾイルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐[[1‐スルホ‐6‐[[2‐(スルホキシ)エチル]スルホニル]‐2‐ナフタレニル]アゾ]‐、四ナトリウム塩(「C.I. Reactive Red 180」)から成る群から選択される化合物を含む、請求項18~22のいずれか1項に記載の物品。
【請求項24】
前記マーキングが更に塩を含む、請求項18~23のいずれか1項に記載の物品。
【請求項25】
塩、染料、および第1の水溶性ポリマーを含むマーキング組成物を含む物品。
【請求項26】
カテーテルを更に含み、前記マーキング組成物がカテーテルの表面の少なくとも一部に配置される、請求項25に記載の物品。
【請求項27】
前記カテーテルが第2の水溶性ポリマーを含む、請求項26に記載の物品。
【請求項28】
前記第2の水溶性ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)およびこれらの組合せを含む、請求項27に記載の物品。
【請求項29】
前記第2の水溶性ポリマーがPVAを含む、請求項27に記載の物品。
【請求項30】
前記第1の水溶性ポリマーが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)およびそれらの組合せを含む、請求項25~29のいずれか1項に記載の物品。
【請求項31】
前記第1の水溶性ポリマーがPAAを含む、請求項25~30のいずれか1項に記載の物品。
【請求項32】
前記染料が、「Reactive Black 5」、「Reactive Blue 21」、「Reactive Orange 78」、「Reactive Yellow 15」、「Reactive Blue 19」、「Reactive Blue 4」、「C.I. Reactive Red 11」、「C.I. Reactive Yellow 86」、「C.I. Reactive Blue 163」、および/または「C.I. Reactive Red 180」を含む、請求項25~31のいずれか1項に記載の物品。
【請求項33】
前記塩が、リン酸塩(例えば、MSP、DSP、TSP)、ホウ酸塩、塩化ナトリウム、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸、亜硫酸塩、硫酸塩、次亜硫酸塩、金属酸化物、二酸化セレン、三酸化セレン、亜セレン酸、セレン酸、硝酸塩、ケイ酸塩およびブタン酸から成る群から選択される薬剤を含む、請求項25~32のいずれか1項に記載の物品。
【請求項34】
前記マーキング組成物が更に水を含む、請求項25~33のいずれか1項に記載の物品。
【請求項35】
カテーテルにマーキング組成物を配置する工程、
前記マーキング組成物をカテーテルに少なくとも10nm付着させる工程、および
前記マーキング組成物をカテーテルに固定する工程
を含み、
前記配置する工程が自動インクジェット付着を含み、
前記固定する工程が、熱アニーリング、熱処理、水分乾燥、凍結乾燥、またはそれらの組み合わせを含む、方法。
【請求項36】
前記マーキング組成物が水を含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記マーキング組成物が水溶性ポリマーを含む、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記マーキング組成物が染料を含む、請求項35~37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記マーキング組成物が塩を含む、請求項35~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
物品であって、カテーテルおよびマーキングを含み、
前記マーキングが、前記カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含み、
前記マーキングの少なくとも一部が、10μm~10mmの深さでカテーテルに侵入している、物品。
【請求項41】
前記マーキングが0.1mm~10mmの深さでカテーテルに侵入している、請求項40に記載の物品。
【請求項42】
前記カテーテルが第1の水溶性ポリマーを含む、請求項40に記載の物品。
【請求項43】
前記マーキングが、第2の水溶性ポリマーおよび染料を含む、請求項40~42のいずれか1項に記載の物品。
【請求項44】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが異なる、請求項43に記載の物品。
【請求項45】
前記第1の水溶性ポリマーおよび第2の水溶性ポリマーが同じである、請求項43に記載の物品。
【請求項46】
前記第2の距離が約1cmに等しい、請求項1~45のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項47】
前記第2の距離が1mm以上である、請求項1~46のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項48】
前記第2の距離が10cm以上である、請求項1~47のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項49】
前記カテーテルが、中心静脈カテーテル、末梢中心カテーテル、ミッドライン・カテーテル、末梢カテーテル、末梢ポートカテーテル、中心静脈ポートカテーテル、トンネル型カテーテル、透析アクセスカテーテル、尿道カテーテル、神経カテーテル、経皮的血管形成術カテーテルおよび腹膜カテーテルから成る群から選択される、請求項1~48のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項50】
前記カテーテルが静脈カテーテルである、請求項1~49のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項51】
カテーテルが神経系用カテーテルまたは硬膜外用カテーテルである、請求項1~50のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項52】
前記カテーテルが、ドレナージ、排尿、および/または透析用途に使用されるように構成されている、請求項1~51のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項53】
前記マーク付きカテーテルを前記第1の構成から第2の構成に膨張させる場合に、前記マーキングが割れたり剥離したりしない、請求項1~52のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項54】
前記カテーテルが患者に配置される場合に、前記マーキングが、血栓の蓄積を実質的に示さないように構成されている、請求項1~53のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項55】
前記カテーテルが患者に配置される場合に、前記カテーテルが、血栓の蓄積を実質的に示さないように構成されている、請求項1~54のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項56】
前記マーキングに対する血栓蓄積のレベルが、前記マーキングを含まないカテーテルの部分に対する血栓蓄積のレベルの50%以内である、請求項1~55のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項57】
前記マーキングが、カテーテルに付着するか、またはカテーテル内に0.1μm以上200μm以下侵入する、請求項1~56のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項58】
前記マーキングが、カテーテルに付着するか、またはカテーテル内に1μm以上侵入する、請求項1~57のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項59】
前記染料または顔料が、前記マーキングの0.001w/w%以上1w/w%以下を構成する、請求項1~58のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項60】
前記染料または顔料が、前記マーキングの0.001w/w%以上0.1w/w%以下を構成する、請求項1~59のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項61】
前記染料が非反応性染料を含む、請求項11~34および40~60のいずれか1項に記載の物品。
【請求項62】
前記マーキングが、インクジェット付着法、液相成長法、パッド印刷法、スクリーン印刷法、静電スプレー法、ホットスタンプ、レーザエッチング、および/またはディップコーティング法によってカテーテル上に配置された、請求項1~61のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項63】
前記インクジェット付着法が、加圧液体付着を行うことを含む、請求項62に記載の物品または方法。
【請求項64】
前記カテーテルがアニールされている、請求項1~63のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項65】
前記アニーリングが、熱アニーリングまたは水分乾燥を含む、請求項64に記載の物品または方法。
【請求項66】
前記熱アニールが、90℃以上の温度で、30分以上の時間、大気圧以下で行われる、請求項65に記載の物品または方法。
【請求項67】
前記第1の構成が、20w/w%以上40w/w%以下の含水量を有する、請求項1~66のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項68】
前記第2の構成が、3w/w%以上80w/w%以下の含水量を有する、請求項1~67のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項69】
前記第2の距離に対する第1の距離の比が、1.02:1以上、2:1以下である、請求項1~68のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項70】
前記第2の距離に対する第1の距離の比が、1.05:1以上、1.10:1以下である、請求項1~69のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項71】
前記カテーテルが保水剤を含む、請求項1~70のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項72】
前記保水剤がグリセロールを含む、請求項71に記載の物品または方法。
【請求項73】
前記カテーテルが再水和される、請求項1~72のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項74】
前記カテーテルが、水、乳酸リンゲル液(LRS)、ブドウ糖(D5W)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、および/またはHanks平衡塩類溶液(HBSS)、生理食塩水、生理的体液を含む流体によって水和される、請求項73に記載の物品または方法。
【請求項75】
前記水和が10分以下行われる、請求項73または74に記載の物品または方法。
【請求項76】
前記カテーテルの膨張が、カテーテルの長さ、内径、外径、および/または全質量に対して異方性である、請求項1~75のいずれか1項に記載の物品または方法。
【請求項77】
請求項11~34および40~76のいずれか1項に記載の物品を患者に移植することを含む方法。
【請求項78】
カテーテルにマーキング組成物を配置することによって、請求項11~34および40~77のいずれか1項に記載の物品を作製することを含む方法。
【請求項79】
請求項1~10、35~39、46~60および62~78のいずれか1項に記載の方法によって製造される物品。
【請求項80】
テーパー部分を含む、請求項11~34、40~76および79のいずれか1項に記載の物品。
【請求項81】
前記非反応性染料が、前記カテーテルのマーキングと他の部分との間のコントラストを強調する、請求項61に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国特許法第1の19(e)条の下で、2020年6月30日に出願された共同係属中の米国仮出願第63/046499号に基づく優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、概して、マーキングを含む、カテーテルなどの物品に関する。上記物品は、血管または患者の他の導管内に配置されるように構成された細長いシャフトを含む物品および/またはデバイスなどの、少なくとも部分的に患者内に配置されるように構成された医療デバイスであってよい。
【背景技術】
【0003】
現在のカテーテルおよび他の患者挿入型医療デバイスは、患者の静脈、動脈、および/または心臓内に配置された場合などの、患者の血流内に配置された場合に、血栓形成に関連するものなどの様々な合併症を示す。血栓形成は、感染、症候性深部静脈血栓症(DVT)、肺塞栓症(PE)、無症候性血栓、血管外傷、および/または血管閉塞のリスクを増加させ、および/またはこれらを引き起こす可能性がある。このようなデバイスに見られる合併症は、入院期間を長くし、疾病率および死亡率を増加させる。
【0004】
患者内に配置されたときに、血栓形成の低減および/または他の強化された性能のような、合併症を低減したデバイスに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
マーク付きカテーテルに関連する方法および物品が概して提供される。
いくつかの実施形態では、一連の方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法において、マーク付きカテーテルは、カテーテルの少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含むマーキングを備え、各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、マーク付きカテーテルの第1の構成における第1の距離であり、
前記マーク付きカテーテルに流体を導入する工程、および
前記マーク付きカテーテルの少なくとも一部を、第1の構成から第2の構成に膨張(または膨潤;swell)させる工程
を実行することを含み、
前記第2の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が第2の距離となり、
前記第1の距離に対する第2の距離の比(第1の距離:第2の距離)は、1.02:1以上、2:1以下である。
【0006】
いくつかの実施形態では、方法において、マーク付きカテーテルは、カテーテルの少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含むマーキングを備え、各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、マーク付きカテーテルの第1の構成における第1の距離であり、
前記マーク付きカテーテルに流体を導入する工程、および
前記マーク付きカテーテルの少なくとも一部を、第1の構成から第2の構成に膨張させる工程
を実行することを含み、
前記第2の構成における各セグメントとその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が第2の距離となり、
前記第2の距離は、約1mm、約10mm、約100mm、約1cm、または約10cmである。
【0007】
いくつかの実施形態では、一連の物品が提供される。いくつかの実施形態では、物品は、複数のマーキングを有するカテーテルを含む。マーキングは、カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含む。物品は、2w/w%以上40w/w%以下の第1の含水量(または水分含有量)を有する第1の構成を有する。第1の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、第1の距離である。物品は、20w/w%以上99w/w%以下の第2の含水量を有する第2の構成を有する。第2の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、第2の距離である。第2の含水量は、第1の含水量よりも大きい。第1の距離に対する第2の距離の比は、1.02:1以上である。
【0008】
いくつかの実施形態では、物品は、複数のマーキングを有するカテーテルを備える。マーキングは、カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含む。物品は、2w/w%以上40w/w%以下の第1の含水量を有する第1の構成を有する。第1の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が、第1の距離である。物品は、20w/w%以上99w/w%以下の第2の含水量を有する第2の構成を有する。第2の構成における各セグメントおよびその最も近い隣接セグメントの間の平均最短距離が、第2の距離である。第2の含水量は、第1の含水量よりも大きい。第2の距離は、約1mm、約10mm、約100mm、約1cm、または約10cmに等しい。
【0009】
いくつかの実施形態では、物品はカテーテルとマーキングとを含む。マーキングは、カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含む。カテーテルの少なくとも一部は、マーキングを含まない。いくつかの実施形態において、物品は、実質的に血栓の蓄積を有さない。マーキングの血栓の蓄積のレベルは、マーキングを含まないカテーテルの部分の血栓の蓄積のレベルの50%以内である。
【0010】
いくつかの実施形態では、物品は、塩、染料、および第1の水溶性ポリマーを含むマーキング組成物を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、カテーテルにマーキング組成物を配置する工程、マーキング組成物をカテーテルに少なくとも10nm侵入させる工程、およびマーキング組成物をカテーテルに固定する(またはロックする)工程を含む。前記配置する工程は、自動インクジェット付着(または堆積;deposition)を含む。上記固定する工程は、熱アニーリング、熱処理、水分乾燥、凍結乾燥、またはそれらの組み合わせを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、物品はカテーテルおよびマーキングを含む。マーキングは、カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含む。マーキングの少なくとも一部は、10μm~10mmの深さでカテーテルに侵入している。
【0013】
本発明の他の利点および新規な特徴は、添付の図と合わせて考慮すると、本発明の様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。本明細書中と参照により援用される文書とが矛盾するおよび/または整合しない開示を含む場合、本明細書中が支配的であるものとする。
【0014】
本明細書中で言及されたすべての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されるように具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に、参照により本明細書中に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の非限定的な実施形態について、添付の図を参照して例示的に説明するが、これらの図は概略的なものであり、縮尺通りに描かれることを意図したものではない。図では、図示された各同一またはほぼ同一の構成要素は、典型的には1つの数字で表されている。わかりやすくするために、すべての図にすべての構成要素がラベル付けされているわけではなく、また、当業者が本発明を理解するために図示が必要でない場合には、本発明の各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。
図1A】1組の実施形態による、マーキングを含む例示的なデバイスの断面図を示す。
図1B】いくつかの実施形態と一致する、医療デバイスの斜視図および医療デバイスを製造するためのシステムの概略図である。
図2】いくつかの実施形態と一致する、異なる導管にわたる正規化された血栓蓄積を比較するデータを示す。
図3】いくつかの実施形態と一致する、乾燥したカテーテルおよびリン酸緩衝生理食塩水で水和させた後のカテーテルの写真を示す。
図4】いくつかの実施形態と一致する、乾燥したカテーテルおよびリン酸緩衝生理食塩水で水和させた後のカテーテルの写真を示す。
図5】いくつかの実施形態と一致する、乾燥したカテーテルおよびリン酸緩衝生理食塩水で水和させた後のカテーテルの写真を示す。
図6】いくつかの実施形態と一致する、乾燥したカテーテルおよびリン酸緩衝生理食塩水で水和させた後のカテーテルの写真を示す。
図7】いくつかの実施形態と一致する、乾燥したカテーテルおよびリン酸緩衝生理食塩水で水和させた後のカテーテルの写真を示す。
図8】いくつかの実施形態と一致する、医療デバイスを製造し、作製し、挿入する方法を示す図である。
図9】いくつかの実施形態と一致する、S字形導管を含む医療デバイスの斜視図である。
図10A】いくつかの実施形態と一致する、導管を締結または固定するためのクランプの斜視図および端面図である。
図10B】いくつかの実施形態と一致する、導管を締結または固定するためのクランプの斜視図および端面図である。
図10C】いくつかの実施形態と一致する、導管を締結または固定するためのクランプの斜視図および端面図である。
図11A】いくつかの実施形態と一致する、導管を水和するための水和デバイスの斜視図を示す。
図11B】いくつかの実施形態と一致する、導管を水和するための水和デバイスの斜視図を示す。
図12】いくつかの実施形態と一致する、導管を製造するための方法のフローチャートを示す。
図13】いくつかの実施形態と一致する、ポリマー材料をバッチ処理するための方法を示す。
図14】本発明の概念と一致する、ポリマー材料を押出すための方法を示す。
図15】いくつかの実施形態と一致する、材料の親水性処理のための方法を示す。
図16】いくつかの実施形態と一致する、材料をアニールする方法を示す。
図17】本発明の概念と一致する、材料をオーバーモールドする方法を示す。
図18】いくつかの実施形態と一致する、材料を加湿する方法を示す。
図19】いくつかの実施形態と一致する、複数の孔を含む物品を示す。
図20】いくつかの実施形態と一致する、複数の孔を含む物品を示す。
図21】いくつかの実施形態と一致する、2つの構成要素を含む物品を示す。
図22】いくつかの実施形態と一致する、2つの構成要素を含む物品を示す。
図23A】いくつかの実施形態による、例示的なマーク付きカテーテルの写真を示す。
図23B】いくつかの実施形態による、例示的なマーク付きカテーテルの写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付の図面に例示されている技術の本実施形態について詳細に参照する。同様の参照符号は、同様の構成要素を参照するために使用されてもよい。しかしながら、この説明は、本開示を特定の実施形態に限定することを意図したものではなく、本明細書中に記載された実施形態の様々な変更、等価物、および/または代替物を含むものとして解されるべきである。
【0017】
マーキングを含むカテーテルなどの物品および関連する方法などが提供される。本明細書中に記載される物品は、1つ以上の望ましい特性を示すように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、物品は、既知の距離で互いに間隔をあけて配置されたマーキングを備える。そのようなマーキングは、距離の測定および/または物品の識別において物品のユーザを支援するために採用されてもよい。別の例として、物品は、その上に配置されたマーキングが割れたり剥離したりしないように、流体への曝露時に膨潤するように構成されていてもよい。また、物品が、既知の、予測可能な、および/または均一な方法で流体への曝露時に膨潤するように構成されることも可能である。この膨潤は、マーキング間の間隔を増加させる可能性があり、そのような増加も、既知の、予測可能な、および/または均一な方法である可能性がある。物品を膨潤させる流体が、患者への移植時に物品が晒される流体などの体液であり、物品が、患者においてマーキングが既知の間隔を有するように膨潤する場合、マーキングは、患者に対する距離(例えば、物品が患者の中に挿入された深さ)を測定するために有利に採用され得、および/またはマーキング間隔の変化が、患者における物品の膨潤を判定するために採用されてもよい。
【0018】
本明細書中に記載されるいくつかの物品が示し得る別の有利な特性は、有利な(例えば、本明細書中に記載される物品のような親水性の、非血栓性表面と一致する)および/または物品中で一貫した血栓蓄積に対する抵抗性である。親水性の、非血栓性表面と一致する血栓蓄積に対する抵抗性は、望ましいことに、物品が患者内に配置されたときに、血栓の形成を防止し、および/または血栓が形成される速度を実質的に減少させることができる。血栓形成に対して相対的に低い抵抗性を有する患者に移植された物品の部分は、たとえ血栓形成に対して全体的に比較的高い抵抗性を有する物品に配置されたとしても、物品を横切って不利に成長するかもしれない血栓の核となる役割を果たす可能性がある。従って、血栓形成に対する均一な抵抗性は、特に有益である。
【0019】
本明細書中における方法および物品は、有利には、真の多孔質構造、および生体適合性と機械的特性との予想外に良好な組み合わせなどの他の有用な特性を有する高強度材料を提供する。多孔質固体材料の実施形態は、材料のための孔サイズ、引張強度、ヤング率、固体濃度、架橋の種類と程度、内部配列、親水性、および組成から独立して選択された構造的特徴の組み合わせを有し、更に、任意に、成形形状のための所望のアスペクト比、管腔、複数の管腔、同心円状に配置された管腔を有するチューブ、または厚さの許容範囲を有するエンドユーザ・デバイスまたは中間材料を独立して選択するものが提供される:これらの各々は、本明細書で更に詳細に説明される。
【0020】
有利なことに、マーキングは、いくつかの実施形態では、カテーテルの本体と継ぎ目がないものであってもよい。いくつかのそのような実施形態では、マーキングは、血栓蓄積の目印になることなく、(例えば、臨床的な挿入のための)測定を提供してもよい。
【0021】
本明細書中に記載の方法および組成物は、アートワーク、ラベル、製品説明、ブランド、ロゴなどを様々な物品(例えば、カテーテル、縫合ウイング、医療デバイス、ポリマー材料)に提供するのに有用である。例えば、ラベル、マーキング、および/または識別子が、本明細書中に記載される物品に提供されてもよい。
【0022】
例示的な一連の実施形態では、方法は、マーク付きカテーテルなどのマーキングを含む導管を、第1の膨潤していない構成から第2の膨潤した構成に膨潤させることを含む。マーキングは、導管の表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントの形態をとってもよい。この膨潤によって、マーキング間の平均最短距離が、第1の平均最短距離から第2の平均最短距離へと増加する可能性がある。例えば、本方法は、第2の平均最短距離に対する第1の平均最短距離の比が1.02:1以上、2:1以下であるように導管を膨潤させることを含んでもよい。別の例として、本方法は、第2の平均最短距離が約1mm、約1cm、または約10cmに等しくなるように導管を膨潤させることを含んでもよい。
【0023】
別の例示的な一連の実施形態において、物品が提供される。物品は、複数のマーキングを含むカテーテルなどの導管を含んでもよい。導管は、比較的低い量の水(例えば、2w/w%以上、40w/w%以下)を含む第1の膨潤していない構成と、より高い量の水(例えば、20w/w%以上、99w/w%以下)を含む第2の膨潤した構成を有するように構成されてもよい。導管の表面の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントの形態を取ってもよいマーキング間の平均最短距離は、膨潤構成において、膨潤していない構成においてよりも大きくなり得る。いくつかの実施形態では、膨潤していない構成におけるマーキング間の間隔に対する、膨潤した構成におけるマーキング間の平均最短距離の比は、1.02:1以上、2:1以下である。いくつかの実施形態では、膨潤した導管における平均最短距離は、約1mm、約1cm、または約10cmに等しい。
【0024】
第3の例示的な実施形態のセットにおいて、物品が提供される。物品は、いくつかの部分にマーキングを含み、他の部分にマーキングを欠く、カテーテルなどの導管を含んでもよい。マーキングおよび導管の両方は、血栓形成に対して比較的抵抗性であってよい。例えば、物品は全体として実質的に血栓形成を有さず、および/またはマーキングでの血栓蓄積は、マーキングを欠いている導管の部分の血栓蓄積の50%以内である可能性がある。
【0025】
第4の例示的な実施形態のセットにおいて、マーキング組成物が提供される。マーキング組成物は、マーク付き導管を形成するために、カテーテルなどの導管に付着させるのに好適であってもよい。マーキング組成物は、塩、染料、および水溶性ポリマーを含んでいてもよい。
【0026】
例示的な実施形態の第5のセットにおいて、物品を形成するための方法が提供される。本方法は、カテーテルなどの導管にマーキング組成物を配置して、その上にマーキングを形成することを含む。いくつかの実施形態では、マーキング組成物は、付着され、その後、導管内にある距離(例えば、少なくとも10ナノメートル、少なくとも10μm)侵入させられてもよい。その後、マーキングを導管に固定してもよい。マーキングにおいて肯定することは、カテーテルへの侵入を阻止すること、および/または導管に化学的に結合させることを含んでもよい。これは、導管および/またはマーキング組成物への、熱などの刺激の適用によって達成されてもよい。自動インクジェット付着および/またはパッド印刷を含む、様々な好適な付着技術が採用されてもよい。いくつかの実施形態では、固定することは、熱処理、水分乾燥、凍結乾燥、熱アニーリング、またはそれらの組み合わせを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、マーキングは、物品の表面上に付着される。
【0028】
例示的な実施形態の第6のセットにおいて、カテーテルなどの導管と、マーキングとを備える物品が提供される。マーキングの少なくとも一部は、導管の内部に侵入していてもよい。侵入の深さは、10ナノメートル~10μmの間、または10ナノメートル~10mmの間、または10μm~10mmの間であってもよい。マーキングは、導管の表面に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントの形態をとってもよい。
【0029】
例えば、図1Aに断面図で示されるように、デバイス100は、導管110(例えば、カテーテル)および導管110の少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置されたマーキング112を含む。いくつかの実施形態では、導管110は、第1の構成110A(例えば、膨潤していない構成)および第2の構成110B(例えば、膨潤した構成)を有し得る。いくつかの実施形態では、マーキングは、マーキング間の平均最短距離113を有する。例えば、第1の構成110Aと第2の構成110Bとの間の膨潤は、マーキング間の平均最短距離113の増加をもたらす。
【0030】
また、いくつかの方法は本明細書中に記載された物品を少なくとも部分的に患者に移植することを含んでいてもよく、いくつかの方法は本明細書中に記載された物品を作製することを含んでいてもよく、いくつかの実施形態は本明細書中に記載の方法によって作製された物品に関連していてもよいと解されるべきである。
【0031】
本明細書中で提供される物品の1つの例は、患者内に配置された場合に血栓形成を防止するか、または他の強化された性能を提供するように構成された材料などの強化材料を含む、カテーテルなどの医療デバイスである。これらの物品および/または医療デバイスを製造する方法も提供される。本明細書中に記載の強化材料は、比較的高い含水量および/または中性の表面電荷(例えば、身体の異物反応を最小化するため)を有するカテーテルシャフトおよび/または他のデバイス構成要素を作成するために使用することができる。これらの強化された材料は、関連デバイスが挿入される血管への外傷を低減しつつ、(例えば、血管への導入のための)強度の増加および管腔開存性の改善を提供することができる。強化された材料は、親水性、高強度、向上した可撓性、および/またはナノ多孔質構造を有する材料を含んでもよい。本発明の概念の医療デバイスは、(関連する血管への外傷を低減する)イントロデューサを必要とせずに患者の血管に挿入されてもよいカテーテルを備えることが可能である。
【0032】
また、本明細書中に記載されたデバイス、およびデバイスにマーキングを配置するための関連技術が、医療デバイス以外のデバイスにおいて実行されることも可能である。例えば、いくつかの実施形態は、PVAフィルム(例えば、洗剤ポッドで使用されるような)、PVA膜、および/またはそのようなデバイスに関連する方法に関するものである。
【0033】
図1Bを参照すると、物品の1つの例の斜視図が提供される。導管を含む医療デバイス、および医療デバイスを製造するためのシステムの概略図である。図1Bに示されるシステム10は、医療デバイス100、並びにデバイス100を製造、包装、および/または滅菌するために使用される様々な構成要素を含む。デバイス100を、患者へのデバイス100の配置のために、病院、診察室、および/または他の臨床環境(「臨床現場」)に輸送することができる。デバイス100を、「移植場所」で(例えば、外科的処置で)患者に移植することができる。或いは、(例えば、デバイス100が皮膚を通過して患者の血管に入る場合)デバイス100を、「挿入場所」において患者の皮膚を通過して患者に挿入することができる。移植または挿入(本明細書中では「挿入」)手順は、手術室、カテーテル検査室、および/または無菌操作が実行可能な他の場所(「操作場所」)において行ってもよい。
【0034】
デバイス100は、近位端103を有する近位部分104、遠位端109を有する遠位部分108、およびそれらの間の管腔106を含む、チューブ、導管101を備えていてもよい。導管101は、管腔106を取り囲む壁102を備えることができ、壁102は、内面(例えば、導管101の内部)および外面(例えば、導管101の外部)を含む。導管101は、以下に記載されるようなポリマー材料20から構築されても、またはそうでなければ作製されてもよい。デバイス100は、デバイス100を別のデバイスに動作可能に取り付ける(例えば、流体的に取り付ける)ように構成されてもよい、機械的インターロックコネクタ(例えば、ルアーコネクタ)、コネクタ120を更に含んでもよい。システム10は、デバイス100の導管101などのデバイス100の1つ以上の構成要素を製造するように構成されてもよい、押出デバイス、押出機500を含んでもよい。システム10は、デバイス100および/またはその構成要素(例えば、導管101)を製造、包装、および/または保存するために使用することができる様々なツール、容器、溶液、機器、デバイス、および/または他の構成要素を更に含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、デバイス100、押出機500、および/またはシステム10の別の構成要素は、本出願人の同時係属中の出願に記載された同様の構成要素と同様の構造および配置を有する。
【0036】
デバイス100は、患者に移植されるか、またはそうでなければ挿入されるように構成されたデバイスなどの医療デバイスの少なくとも一部を備えてもよい。いくつかの実施形態では、デバイス100は、別の医療デバイスに取り付けられるか、または取り付け可能な導管101を含んでおり、例えば、デバイス100が、移植可能ポンプなどのポンプに取り付けられるカテーテルを含む場合(例えば、患者の血管系、脳の脳室、脊椎の空間(例えば、脊椎の硬膜外または髄腔内)、および/または患者の胃腸系内の場所(例えば、胃または腸)に薬物または他の薬剤を送達するように構成された植込み型ポンプを含む。デバイス100は、中心静脈カテーテル、末梢中心カテーテル、末梢ポートカテーテル、中心静脈ポートカテーテル、ミッドライン・カテーテル、末梢カテーテル、トンネル型カテーテル、透析アクセスカテーテル、尿道カテーテル、神経カテーテル、腹膜カテーテル、大動脈内バルーンポンプカテーテル、診断カテーテル、介入カテーテル(またはインターベンションカテーテル;interventional catheter)、薬物送達カテーテル、ドレナージカテーテル(drainage catheter)、中枢神経系カテーテル、血液透析カテーテル、およびこれらの組合せから成る群から選択されるカテーテルを備えてもよい。
【0037】
更に、または代替的に、デバイス100は、シャント、外部ドレーン(例えば、心室、心室腹膜、腰腹膜)などの創傷ドレーン、注入ポート、軟部組織パッチ、インスリンポンプなどの薬物送達デバイス、チューブ、避妊具、女性用衛生デバイス、内視鏡、グラフト、ペースメーカー、植込み型心臓除細動器(implantable cardioverter-defibrillator)、心臓再同期デバイス、心臓血管デバイスリード(導管101は、リードのための絶縁体を更に含んでもよい)、心室補助デバイス、人工内耳、気管内チューブ、気管切開チューブ;移植可能センサデバイス(例えば、血管内、経皮、頭蓋内)、人工呼吸器ポンプ、眼科薬物送達デバイスなどの眼科デバイス;およびこれらの組み合わせから成る群から選択される医療デバイスを備えていてもよい。
【0038】
デバイス100の少なくとも一部は、患者内の体液に接触するように構成されていてもよい。例えば、デバイス100は、血液接触インプラントなどのex vivo(または生体外)デバイスおよび/またはin vivo(または生体内)デバイスを備えていてもよい。
【0039】
デバイス100の少なくとも一部は、経皮的に挿入されるデバイスなどの、患者挿入型デバイスを備えていてもよい。デバイス100の少なくとも一部は、恒久的に挿入されたデバイスを備えていてもよい。例えば、デバイス100は、5年より長く、患者内に挿入されたままであってもよい。デバイス100の少なくとも一部は、一時的に挿入されたデバイスを備えていてもよい。例えば、デバイス100は、5年以下、例えば1年以下、例えば6ヶ月以下、例えば3ヶ月以下の期間、患者内に挿入されたままであってもよい。
【0040】
導管101は、1つ、2つ、またはそれ以上のナノ多孔質材料、マイクロ多孔質材料、および/または高強度ヒドロゲルを含んでもよい。導管101は、患者に移植された場合、血栓の蓄積を防止するか、またはそうでなければ(例えば、他の導管と比較して)減少させるように構成される。導管は、全体として、1つ以上の関連する環境(例えば、体液、患者)に配置された場合、ポリウレタン材料と比較して血栓蓄積の減少を有する、および/または実質的に血栓蓄積がないように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、導管は、ポリウレタンから形成された他の同等の導管と比較して、実質的に血栓の蓄積を示さない(または生じない;exhibit)場合がある。いくつかの実施形態では、導管101は、血栓蓄積を低減するように構成された1つ、2つ、またはそれ以上のポリマー材料20を含む。そのようなポリマー材料は、導管に含めるのに好適なものとして本明細書中の他の箇所に記載された水溶性ポリマーを含んでもよい。血栓蓄積(例えば、非血栓形成性)を決定するための例示的な方法が、実施例1に記載されている。
【0041】
出願人は、1つの好適なタイプの導管101(HydroPICCカテーテル)の血栓抵抗性をin vitro血流ループシステム内で評価する研究を行い、それによって出願人は、血液の存在下で導管101への血栓形成および血小板の付着を評価した。血流ループシステムは、固有のデバイス血栓特性を評価することが可能である。このin vitroモデルにおける血液学的パラメータ(例えば、血行力学、抗凝固)は、in vivoモデルよりも制御されており、血栓形成性を直接半定量的に評価することを可能にすると考えられている。生体内の評価を混乱させる可能性のある外部からの動的パラメータ(例えば、血管形状、動物の生理、活動、変動する止血、恒常性、感染など)は、in vitro血液ループモデルでは排除することが可能である。これにより、血栓溶解抵抗性の評価を導管101の表面特性と化学的性質に集中させ、他のパラメータは比較的一定に保つことができると考えられている。in vitro血液ループモデルは、血小板付着の分離定量化を可能にすると考えられている。血小板付着は、血栓形成における基本的かつ重要な工程であると考えられているので、その定量化は、血栓蓄積の保守的な指標であると考えられている。
【0042】
出願人により行われた研究のために、血流ループは、内径1/4インチのポリ塩化ビニル製チューブで構成された。管腔106を含む導管101は、血流ループに挿入する前に、約24時間、滅菌生理食塩水で水和させた。その後、導管101は、約15cmの長さを含む試料に切断された。管腔106の近位開口部をエポキシで閉塞して、「固定された」カテーテルをシミュレートした。心腔穿刺により新鮮な牛の血液を採取し、ヘパリンを0.75U/mL濃度となるように添加した。自己血小板を精製し、111インジウムでマーキングし、ウシ血液に戻した。導管101を血流ループに挿入し、約120分間ループ内に留置した。ウシ血液は37℃の温度に維持され、蠕動ポンプを介して200mL/分の速度で血流ループに送り込まれ、それによって導管101を横切る生理的血流をシミュレートする。導管101は、45分後に血栓の蓄積について評価され、60分~120分の間の後に血流ループから除去された。血流ループから取り出されると、導管101は生理食塩水で洗浄され、分析のためにガンマカウンター内に置かれた。
【0043】
導管101に加えて、出願人は、2つの市販の末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)を同様に評価した。Bard Access Systems社の「PowerPICC(登録商標)」とAngioDynamics社の「BioFlo(登録商標)PICC」である。「PowerPICC(登録商標)」および「BioFlo(登録商標)PICC」の試料は、本明細書中で前述のように血流ループシステムに従って血栓の蓄積を評価した。出願人は、「PowerPICC(登録商標)」および「BioFlo(登録商標)PICC」の試料にかなりの血栓の蓄積を観察したが、導管101には最小限の血栓の蓄積が観察された。実験グループ間で一貫して制御できない血液学的パラメータがあることを考慮し、導管101および「BioFlo(登録商標)PICC」試料の放射線カウントを「PowerPICC(登録商標)」の放射線カウントに正規化した。「PowerPICC(登録商標)」、「BioFlo(登録商標)PICC」および導管101の正規化血栓集積のプロットを図2に示す。
【0044】
導管101および「BioFlo(登録商標)PICC」は、対の両側t検定に基づき、「PowerPICC(登録商標)」と比較して血栓形成の統計的に有意な減少を示すことが認められた(p値はそれぞれ0.017および0.035であった)。導管101は「BioFlo(登録商標)PICC」と比較して、血栓の蓄積が統計的に有意に減少していることが確認された(p値0.033)。「PowerPICC(登録商標)」と比較した場合、「BioFlo(登録商標)PICC」は、71±30%の血栓蓄積の減少を示したが、導管101は、97±2%の血栓蓄積の減少を示した。
【0045】
導管101は、デバイス100に対する寸法変化を制限する(例えば、導管101に対する寸法変化を制限する)ように構成された1つ、2つ、またはそれ以上のポリマー材料20を含んでもよい。いくつかの実施形態では、含まれるポリマー材料は、水、溶媒、非溶媒、水溶液、またはそれらの混合物に晒された場合に、導管101に対する寸法変化(例えば、長さ、外径、内径)を15%未満、例えば、10%未満、例えば、5%未満に制限するように構成される。ポリマー材料20は、導管101が異方性膨潤を示すように、導管101の寸法変化を長さの最小変化(例えば0%付近)および/または外径の10%以下に制限するように構成されてもよい。
【0046】
例えば、いくつかの実施形態において、外径の膨潤に対する内径の膨潤の比は、0.1以上、0.2以上、0.5以上、0.8以上、0.9以上、1以上、1.1以上、1.2以上、1.5以上、2以上、5以上、または8以上である。いくつかの実施形態では、外径の膨潤に対する内径の膨潤の比は、10以下、8以下、5以下、2以下、1.5以下、1.2以下、1.1以下、1以下、0.9以下、0.8以下、0.5以下、または0.2以下である。また、上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1以上、10以下)。他の範囲も可能である。
【0047】
いくつかの実施形態では、導管101は、水、溶媒、非溶媒、水溶液、またはそれらの混合物に晒される場合に、長さが減少するように構成される。導管101の外径は、長さが減少するにつれて増加するように構成されてもよい。このような実施形態は、支持および/または更なる操作のために拡幅を必要とする可能性のある解剖学的特徴(例えば、血管)において採用することができる。
【0048】
導管101および/またはデバイス100の別の部分は、その含水量に従って膨潤および/または解膨潤するように構成されてもよい。加えてまたは代替的に、導管101および/またはデバイス100の別の部分は、いくつかの実施形態において、その塩化ナトリウム含有量に従って膨潤および/または解膨潤するように更に構成される。いくつかの実施形態において、デバイス100は、その膨潤能力を減少させるか、またはそうでなければ制限するように構成された10重量%を含む塩化ナトリウム含有量を構成されてもよい。導管は、水、体液、等張塩類溶液(例えば、1×リン酸緩衝塩水、正常塩水)、乳酸リンゲル液(LRS)、ブドウ糖(D5W)、リン酸緩衝塩水(PBS)、および/またはHanks平衡塩類溶液(HBSS)、正常塩水、および/または生理学的体液などの種々の好適な流体に晒されると膨潤し得る。
【0049】
導管101および/またはデバイス100の別の部分が、前の段落に記載された流体に晒されたときに溶解すること、および/または溶解するように構成されることも可能である。
【0050】
いくつかの実施形態では、水和された(例えば、高含水量の)場合、システム10のマンドレル、(例えば、以下に記載するマンドレル614)は、導管101の管腔106に摺動可能に挿入される。挿入されたマンドレル614は、導管101に半径方向の拡張力を与えるように、デバイス100が脱水された場合(例えば、低含水量で)管腔106の直径よりも大きい直径を構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マンドレルの直径は、水和された導管の内径以下であるが、脱水された導管の内径以上である。
【0051】
導管101および/またはデバイス100の別の部分は、90℃~180℃の間の温度、例えば130℃~160℃の間の温度、例えば150℃の温度(例えば、システム10の構成要素によって特定の温度範囲内に維持される場合)で維持される場合など、脱水およびアニール(そのいずれかまたは両方が真空下でまたは1以上の気体の存在下で実行されてよい)されることが可能である。
【0052】
いくつかの実施形態において、およびアニーリングの前に、1つ、2つ、またはそれ以上の整形要素(図示せず)が、導管101の管腔106の少なくとも一部に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、およびアニーリングの前に、1つ、2つ、またはそれ以上の整形要素は、導管101の少なくとも一部を摺動可能に受容し、取り囲んでもよい。整形要素は、導管101が所望の形状(例えば、曲率)を採用するように促すように構成されてもよい。その中に整形要素を有する導管101をアニールすることは、所望の形状に「固定する」ように構成されてもよい。整形要素は、鋼、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスルフィド、ポリスルホン、ニッケル‐チタン合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでもよい。
【0053】
脱水およびアニールされている導管101は、導管101内の水素結合および/またはポリマー鎖配向を増加させるように、挿入されたマンドレル614の周りに圧縮するように構成されてもよい。脱水および直径の変更に際して、マンドレルの周囲で圧縮が発生することがある。この圧縮は、押出物がダイから直線的に引き出されることができるのと同様に、放射状に水素結合を介して鎖配向を誘導することがある。水素結合および/またはポリマー鎖配向の増加は、デバイス100の全体的な強度を増加させ、および/または、その後に水和された場合にデバイス100のその後の膨潤を低減させる(例えば、デバイス100の膨張を低減する)ために(例えば、マンドレル614上の導管101の脱水を通じて)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、アニール処理は、水素結合の程度および/またはポリマー鎖の配向を増加させるために、サイクル間に水和および乾燥工程を発生させて複数回繰り返してもよい。これらの機械的特性(例えば、ヤング率、ピーク引張強さ、降伏応力、破断時歪み、破断引張エネルギー、伸びなど)は、ベースポリマーのガラス転移温度を超える水中に溶媒和される場合に変化することが可能である。
【0054】
いくつかの実施形態において、120℃~180℃の間の温度で1サイクル以上アニールされた後に導管101が水和される場合に、導管101の寸法(例えば、外径および内径)は5%を超えて変化しない。例えば、脱水された導管101は、約1.0mmの内径および約1.33mmの外径を有してもよく、一方、水和される場合の同じ導管101は、約1.2mmの内径および約1.5mmの外径を有してもよい。この例では、内径は約0.83%増加し、外径は約0.88%増加する。更にまたは代替的に、導管101の全長は、いくつかの実施形態において5%より多く変化しない。
【0055】
ポリマー材料20は、水溶性ポリマーであるポリマー21を含んでもよい。いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー21は、ポリ(ビニルアルコール)。ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン。ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)およびこれらの組み合わせから成る群から選択される1つ、2つ、またはそれ以上のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、本明細書中で前述の水溶性ポリマーの共重合体を含む。
【0056】
ポリマー材料20は、1つ、2つ、またはそれ以上の放射線不透過性材料である薬剤22を含んでもよい。いくつかの実施形態では、放射線不透過剤22は、次炭酸ビスマス、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、タングステン、白金、金、二酸化チタン、タンタル、パラジウム、銀、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される1つ、2つ、またはそれ以上の薬剤から構成されている。
【0057】
ポリマー材料20は、1つ、2つ、またはそれ以上のリン酸塩溶液である溶液23を含んでもよい。いくつかの実施形態では、リン酸塩溶液23は、一塩基性リン酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、三塩基性リン酸ナトリウム、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される1つ、2つ、またはそれ以上の溶液を含む。
【0058】
ポリマー材料20は、1つ、2つ、またはそれ以上の可塑剤である可塑剤29を含んでもよい。いくつかの実施形態では、可塑剤29は、ポリオール、例えばグリセロール、プロピレングリコール、水、エチレングリコール、ブチレングリコール、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチット、フシトール、イジトール、ボレイトール、マリトール、ラクチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ポリグリシトール、およびこれらの組合せから成る群から選択される材料を含む。いくつかの実施形態では、ポリオールは、可塑化するため、並びに導管101の水和効率を改善するために保水剤として機能するために、材料20に含まれる。ポリオールは、アニーリング前および/またはアニーリング後の二次再水和工程で材料20に添加してもよい。可塑剤29は、乾燥(例えば未水和)状態にある場合の導管101の保存中に割れおよび/または破砕を防止するのに含んでもよい。可塑剤29の添加は、水和性能を向上させるために、保水剤に加えて行ってもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、導管101は、所定の温度(例えば、ベースポリマー材料のTg未満)で可塑剤および/または保水剤を含む浸漬液(水性または溶剤系)中に浸漬される。浸漬液は、停滞させても、または導管101の少なくとも一部を横切って流れるように構成してもよい。浸漬後、導管101は、(周囲、対流、真空、または乾燥ガスパージなどを介して)乾燥させ、アニールしてもよい。更に、導管101は、乾燥およびアニール処理の後に浸漬してもよい。
【0060】
本明細書中で使用されるように、水溶性ポリマー21、放射線不透過剤22、リン酸ナトリウム溶液23、および/または可塑剤29を含む混合物は、一般にポリマー材料20と称される。
【0061】
導管101の近位部分104および/または遠位部分108は、鈍端、曲面端(radiused end)、面取りされた端、テーパー形状、および/またはその他の変形された端部(例えば、変形された近位部分104および/または変形された遠位部分108)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、高周波(RF)エネルギーが、部分104および/または108(例えば、それぞれ端部103および/または109)に適用されて、変形された端部部分を達成する。いくつかの実施形態では、ティッピング(または先端形成;tipping)処理(例えば、溶融ティッピング処理)を、部分104および/または108に適用して、変形された端部部分を達成する。いくつかの実施形態では、溶媒および/または溶媒混合物が、部分104および/または108に適用されて、変形された端部部分を達成する。
【0062】
いくつかの実施形態では、導管101は、導管101の1つ以上の部分に沿って示された、1つ、2つ、またはそれ以上のマーキングである、マーキング112を含んでなる。また、導管101の1つ以上の部分がマーキングを欠いていることも可能である(例えば、マーキングを含む他の部分に加えて)。マーキング112は、導管101の一点に対して位置決めされてもよい。マーキングは、複数の別個のセグメントを含んでもよい。例えば、いくつかのマーキングは、(例えば、1つ以上の距離を示すために)目盛りが付けられていてもよい。いくつかの実施形態では、マーキング112は、患者へのデバイス100の挿入の深さを補助するための「ルーラ(または定規)」を提供するように構成される。マーキングがテキストおよび/または単語を含むことも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、マーキングは、距離(例えば、「5cm」)を示す数字および/または語句を含む。マーキングが文および/または単語を含む場合、テキストおよび/または単語は、カテーテルの遠位端からの距離を示しても、および/またはカテーテルの遠位端からカテーテルの近位端まで増加する数値を有していてもよい。いくつかの導管は、セグメントの形態を取るいくつかのマーキングと、テキストおよび/または単語の形態を取るいくつかのマーキングとを含んでいてもよい。1つの例として、導管は、セグメントの形態を取るより間隔が狭い(例えば、1cmごと)マーキングと、テキストおよび/または単語を含むあまり間隔が狭くない(例えば、5cmごと)マーキングとを含んでいてもよい。テキストおよび/または単語を含むマーキングは、更にセグメントを含んでいてもよい。セグメントの形態を取るマーキングは、テキストおよび/または単語を含むマーキング間に位置決めされてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態では、マーキング112は、型番、製造日などの、デバイス100の特徴の識別を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、マーキングは、導管の表面の少なくとも一部に配置される。例として、導管がカテーテルである場合、マーキングは、カテーテルの表面の少なくとも一部に沿って位置決めされてもよい。
【0064】
マーキングは、様々な好適な材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、マーキングは、水溶性ポリマーなどのポリマーを含む。好適な水溶性ポリマーの非限定的な例としては、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)および/またはポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)が挙げられる。マーキングが位置決めされる導管およびマーキングの両方が1つ以上の水溶性ポリマーを含む場合、導管およびマーキングは、同一の化学組成を有していてもよいし、1つ以上の点で異なる化学組成を有していてもよい。例えば、導管およびその上のマーキングは、専ら同じ種類の水溶性ポリマーを含んでもよく、いくつかの共通の水溶性ポリマーおよび両者の間で異なるいくつかの水溶性ポリマーを含んでもよく、またはそれぞれが他方に存在しない水溶性ポリマーを含んでもよい。また、マーキングが、水に不溶性のポリマーを含むことも可能である。例示的な一連の実施形態では、マーキングは、ポリ(ビニルアルコール)およびポリ(酢酸ビニル)から成る群から選択される材料から形成される。いくつかの実施形態において、マーキング材料は、75重量%以上(固形分、例えば、80重量%以上、85重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、または98重量%以上)のポリ(ビニルアルコール)を含む。いくつかの実施形態において、マーキング材料は、マーキング材料の総重量に対して、100重量%以下(固形分、例えば、99重量%以下、98重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、85重量%以下、または80重量%以下)のポリ(ビニルアルコール)を含む。上記の言及された範囲の組み合わせも可能である(例えば、75重量%以上、100重量%以下)。また、他の範囲も可能である。
【0065】
マーキングはまた、1つ以上の更なる種を更に含んでいてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、マーキングは、反応性染料などの染料を含む。好適な反応性染料の非限定的な例としては、
四ナトリウム;4‐アミノ‐5‐ヒドロキシ‐3,6‐ビス[[4‐(2‐スルホナトオキシエチルスルホニル)フェニル]ジアゼニル]ナフタレン‐2,7‐ジスルホン酸(「Reactive Black 5」)、
銅;33‐[[4‐(2‐ヒドロキシエチルスルホニル)フェニル]スルファモイル]‐2,11,20,29,39,40‐ヘキサアザ‐37,38‐ジアザニダノナシクロ[28.6.1.13,10.112,19.121,28.04,9.013,18.022,27.031,36]テトラコンタ‐1,3(40),4(9),5,7,10,12(39),13(18),14,16,19,21,23,25,27,29,31(36),32,34‐ノナデカン‐6,15,24‐トリスルホン酸(「Reactive Blue 21」)、
2‐ナフタレンスルホン酸,7‐(アセチルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐[4‐[2‐(スルホキシ)エチル]スルホニル]フェニル]アゾ]‐,2ナトリウム塩(9Cl)(「Reactive Orange 78」)、
「Reactive Yellow 15」、
二ナトリウム;1‐アミノ‐9,10‐ジオキソ‐4‐[(3‐{[2‐(スルホナトオキシ)エチル]スルホニル}フェニル)アミノ]‐9,10‐ジヒドロ‐2‐アントラセンスルホン酸(「Reactive Blue 19」)、
1‐アミノ‐4‐[3‐(4,6‐ジクロロトリアジン‐2‐イルアミノ)‐4‐スルホフェニルアミノ]アントラキノン‐2‐スルホン酸(「Reactive Blue 4」)、
「C.I. Reactive Red 11」、
4-[2-(5-カルバモイル‐1‐エチル‐4‐メチル‐2,6‐ジオキソピリジン-3-イリデン)ヒドラジニル]‐6‐[(4,6‐ジクロロ-1,3,5‐トリアジン‐2‐イル)アミノ]ベンゼン‐1,3‐ジスルホン酸(「C.I. Reactive Yellow 86」)、
四ナトリウム;6,13‐ジクロロ‐3,10-ビス[[4‐[(4,6‐ジクロロ-1,3,5‐トリアジン-2-イル)アミノ]スルホナトフェニル]アミノ]トリフェノジオキサジンジスルホネート(「C.I. Reactive Blue 163」)、および/または
5‐(ベンゾイルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐[[1‐スルホ‐6‐[[2‐(スルホキシ)エチル]スルホニル]‐2‐ナフタレニル]アゾ]‐、四ナトリウム塩(「C.I. Reactive Red 180」)が挙げられる。
【0066】
いくつかの実施形態では、マーキングは、非反応性染料、顔料、および/または放射線増感剤を含む。非反応性染料、顔料、および/または放射線増感剤は、(例えば、カテーテルを目で観察する場合および/または蛍光透視法などの顕微鏡で観察する場合、)マーキングとカテーテルの他の部分との間のコントラストを強調する(または高める;enhance)可能性がある。好適な非反応性染料の非限定的な例としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、「C.I. Vat Orange 1」、2‐[[2,5‐ジエトキシ‐4‐[(4‐メチルフェニル)チオール]フェニル]アゾ]‐1,3,5‐ベンゼントリオール、16,23‐ジヒドロジナフト[2,3‐a:2',3'‐i]ナフト[2',3':6,7]インドロ[2,3‐c]カルバゾール‐5,10,15,17,22,24‐ヘキソン、N,N'‐(9,10‐ジヒドロ‐9,10‐ジオキソ‐1,5‐アントラセンジイル)ビスベンズアミド、7,16‐ジクロロ‐6,15‐ジヒドロ‐5,9,14,18‐アントラジンテトロン、16,17‐ジメトキシジナナフト[1,2,3‐cd:3',2',1'‐lm]ペリレン‐5,10‐ジオン、4‐[(2,4‐ジメチルフェニル)アゾ]‐2,4‐ジヒドロ‐5‐メチル‐2‐フェニル‐3H‐ピラゾール‐3‐オン、6‐エトキシ‐2‐(6‐エトキシ‐3‐オキソベンゾ[b]チエン‐2(3H)‐イリデン)ベンゾ[b]チオフェン‐3(2H)‐オン、1‐アミノ‐4‐[[4‐[(2‐ブロモ‐1‐オキソアリル)アミノ]‐2‐スルホナトフェニル]アミノ]‐9,10‐ジヒドロ‐9,10‐ジオキソアントラセン‐2‐スルホン酸二ナトリウム、およびこれらの組合せが挙げられる。好適な非反応性顔料の非限定的な例としては、カーボンブラック、変性カーボンブラック、二酸化チタン、クロム‐コバルト‐酸化アルミニウム、酸化クロムグリーン、酸化鉄、雲母系真珠光沢顔料、およびこれらの組合せが挙げられる。放射線不透過性染料の非限定的な例としては、白金、パラジウム、オキシ塩化ビスマス、亜炭酸ビスマス、タンタル、硫酸バリウム、銀、金、スルファジアジン銀、二酸化チタン、および「Omnipaque」などのヨウ素系化合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、マーキングは、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FIT‐C)、フルオレセイン‐N‐ヒドロキシスクシンイミド、エオシンYなど)を含んでなる。
【0067】
いくつかの実施形態では、マーキングは塩を含む。好適な塩の非限定的な例としては、リン酸塩(例えば、MSP、DSP、TSP)、ホウ酸塩、塩化ナトリウム、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩、次亜硫酸塩、金属酸化物、二酸化セレン、三酸化セレン、亜セレン酸、セレン酸、硝酸塩、ケイ酸塩および植物酸塩がある。
【0068】
いくつかの実施形態では、マーキングは、TPUパッド印刷インク、例えば、Marabu社製の「Tampa(登録商標)Pur 980 Black TPU」および/または「Tampa(登録商標)Star 980 Black TPR」を含む。
【0069】
マーキングが導管と同様の(または同一の)組成を有するか、またはそれとは異なる組成を有するかにかかわらず、導管が1つ以上の環境(例えば、体液、患者)中に配置されるとき、マーキングおよび(存在する場合)マーキングを欠く導管の部分は、同様の血栓蓄積を示す可能性がある。いくつかの実施形態では、1つ以上のそのような環境において、マーキングに対する血栓蓄積のレベルは、マーキングを欠く導管の部分の血栓蓄積のレベルの50%以内、40%以内、30%以内、20%以内、10%以内、5%以内、2%以内、または1%以内である。いくつかの実施形態では、マーキングは、導管が患者内に配置されたときに、実質的に血栓蓄積を示さないように構成される。
【0070】
本明細書中の他の箇所に記載されているように、いくつかの実施形態は、導管を膨潤していない状態(例えば、第1の構成)から膨潤した状態(例えば、第2の構成)へ膨潤させることを含む。いくつかの実施形態では、導管の膨潤は、マーキングが形態における変化を受ける原因となる可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、導管に沿って間隔をあけて配置された複数のセグメントの形態をとるマーキング間の距離は、導管が膨潤した場合(例えば、導管の膨潤を引き起こし得るものとして本明細書中の他の場所に記載されるいずれかの流体などの流体の存在下で)変化する可能性がある。マーキングは、導管の膨潤前の最も近い隣接マーキング間の第1の平均最短距離(例えば、「第1の距離」)、および導管の膨潤後の第2の異なる平均最短距離(例えば、「第2の距離」)を有してもよい。第2の平均最短距離は、第1の平均最短距離よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の平均最短距離に対する第2の平均最短距離の比は、1.02:1以上、1.05:1以上、1.075:1以上、1.1:1以上、1.2:1以上、1.5:1以上、または1.75:1以上である。いくつかの実施形態では、第1の平均最短距離に対する第2の平均最短距離の比は、2:1以下、1.75:1以下、1.5:1以下、1.2:1以下、1.1:1以下、1.075:1以下、または1.05:1以下である。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、1.02:1以上、2:1以下、または1.05:1以上、1.1:1以下など)。
【0071】
2つのマーキング間の最短距離は、2つのマーキングを結ぶ最短の線分を特定することによって決定されてもよい。各マーキングは、最短距離が最も小さいマーキングである最も近い隣接マーキングを有すると見なされてもよい。複数のマーキングに対する最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、各マーキングとその最も近い隣接マーキングとの間の最短距離を決定し、次にこれらの値を平均化することによって決定されてもよい。
【0072】
いくつかの実施形態において、膨潤物品(例えば、導管)は、特に有利な最も近い隣接マーキング間の平均最短距離を有するマーキングを含んでいてもよい。膨潤した導管(例えば、第2の構成における導管)における最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、1mm以上、5mm以上、10mm以上、50mm以上、0.1cm以上、0.2cm以上、0.5cm以上、0.75cm以上、0.5cm以上であってもよい。75cm以上、1cm以上、1.25cm以上、1.5cm以上、2cm以上、2.5cm以上、3cm以上、4cm以上、5cm以上、7.5cm以上、または10cm以上であってもよい。膨潤した導管における最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、20cm以下、10cm以下、7.5cm以下、5cm以下、4cm以下、3cm以下、2.5cm以下、2cm以下、1.5cm以下、1.25cm以下、1cm以下、0.75cm以下、0.5cm以下、0.2cm以下、0.1cm以下、50mm以下、10mm以下、または5mm以下であってもよい。また、上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、1mm以上10mm以下、0.1cm以上10cm以下、または0.5cm以上5cm以下など)。他の範囲も可能である。
【0073】
いくつかの実施形態において、物品は、上記の範囲のうちの1つ以上(例えば、1mm以上10mm以下、0.1cm以上10cm以下、または0.5cm以上5cm以下)の膨潤していない状態での最も近い隣接マーキング間の平均最短距離を有する。例えば、膨潤していない導管(例えば、第2の構成における導管)における最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、1mm以上、5mm以上、10mm以上、50mm以上、0.1cm以上、0.2cm以上、0.5cm以上、0.75cm以上、1cm以上、1.25cm以上、1.5cm以上、2cm以上、2.5cm以上、3cm以上、4cm以上、5cm以上、7.5cm以上、または10cm以上であってもよい。膨潤していない導管における最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、20cm以下、10cm以下、7.5cm以下、5cm以下、4cm以下、3cm以下、2.5cm以下、2cm以下、1.5cm以下、1.25cm以下、1cm以下、0.75cm以下、0.5cm以下、0.2cm以下、0.1cm以下、50mm以下、10mm以下、または5mm以下であってもよい。他の範囲も可能である。
【0074】
いくつかの実施形態では、上記の範囲は、カテーテルゲージ(例えば、フレンチスケール)を含んでもよい。例えば、最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、3Fr以上、5Fr以上、10Fr以上、15Fr以上、20Fr以上、または30Fr以上であってよい。いくつかの実施形態では、最も近い隣接マーキング間の平均最短距離は、34Fr以下、30Fr以下、20Fr以下、15Fr以下、10Fr以下、または5Fr以下である。上記の範囲の組合せも可能である(例えば、3Fr以上34Fr以下)。また、他の範囲も可能である。
【0075】
前の段落の値は、様々な量の水を含む導管の特徴を表していてもよい。典型的には、膨潤したおよび/または第2の構成における導管中の水の量は、膨潤していないおよび/または第1の構成における導管中の水の量より大きい。いくつかの実施形態では、膨潤していないまたは第1の構成における導管は、2w/w%以上、5w/w%以上、7.5w/w%以上、10w/w%以上、15w/w%以上、20w/w%以上、25w/w%以上、30w/w%以上、または35w/w%以上の含水量を有する。いくつかの実施形態では、膨潤していないまたは第1の構成における導管は、40w/w%以下、35w/w%以下、30w/w%以下、25w/w%以下、20w/w%以下、15w/w%以下、10w/w%以下、7.5w/w%以下、または5w/w%の含水量を有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、2w/w%以上40w/w%以下、または、20w/w%以上40w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0076】
いくつかの実施形態では、膨潤したまたは第2の構成の導管は、3w/w%以上、5w/w%以上、7.5w/w%以上、10w/w%以上、15w/w%以上、20w/w%以上、25w/w%以上、30w/w%以上、35w/w%以上、40w/w%以上、45w/w%以上、50w/w%以上、55w/w%以上、60w/w%以上、65w/w%以上、70w/w%以上、75w/w%以上、80w/w%以上、85w/w%以上、90w/w%以上、95w/w%以上、98w/w%以上、または99w/w%以上の含水量を有する。いくつかの実施形態では、膨潤したまたは第2の構成の導管は、99.9w/w%以下、99w/w%以下、95w/w%以下、90w/w%以下、85w/w%以下、80w/w%以下、75w/w%以下、70w/w%以下、65w/w%以下、60w/w%以下、55w/w%以下、50w/w%以下、45w/w%以下、40w/w%以下、35w/w%以下、30w/w%以下、25w/w%以下、20w/w%以下、15w/w%以下、10w/w%以下、7.5w/w%以下、または5w/w%以下の含水量を有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、3w/w%以上99.5w/w%以下、3w/w%以上80w/w%以下、40w/w%以上80w/w%以下)。他の範囲も可能である。いくつかの実施形態では、第2の状態または膨潤状態は、導管の平衡含水量に相当する量の水を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、方法において、マーク付きカテーテルは、カテーテルの少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含むマーキングを備え、各セグメントとその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が、マーク付きカテーテルの第1の構成における第1の距離であり、マーク付きカテーテルに流体を導入する工程と、マーク付きカテーテルの少なくとも一部を、第1の構成から第2の構成に膨張させる工程とを実行することを含み、第2の構成における各セグメントとその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が第2の距離となり、第1の距離に対する第2の距離の比は、1.02:1以上、2:1以下である。
【0078】
いくつかの実施形態では、方法において、マーク付きカテーテルは、カテーテルの少なくとも一部に沿って間隔をあけて配置された複数の別個のセグメントを含むマーキングを備え、各セグメントとその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が、マーク付きカテーテルの第1の構成における第1の距離であり、マーク付きカテーテルに流体を導入する工程と、マーク付きカテーテルの少なくとも一部を、第1の構成から第2の構成に膨張させる工程とを実行することを含み、第2の構成における各セグメントとその最も近い隣接セグメントとの間の平均最短距離が第2の距離となり、第2の距離が約1mm、約10mm、約100mm、約1cm、または約10cmと等しくなる。
【0079】
いくつかの実施形態において、本方法は、ポリマー材料(および/またはカテーテル)を平衡含水量状態まで膨潤させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ポリマー材料(および/またはカテーテル)を、ある期間にわたって平衡含水量状態まで膨潤させることを含む。いくつかの実施形態では、上記期間は、60分以下(例えば、10分以下、5分以下、1分以下、30秒以下、または10秒以下)である。
【0080】
いくつかの実施形態では、本方法は、ポリマー材料(および/またはカテーテル)を所定の温度で膨潤させることを含む。いくつかの実施形態では、温度は、4℃以上、10℃以上、16℃以上、20℃以上、25℃以上、または30℃以上である。いくつかの実施形態では、温度は、40℃以下、30℃以下、25℃以下、20℃以下、16℃以下、または10℃以下である。これらの範囲の組合せも可能である(例えば、20℃~40℃)。
【0081】
いくつかの実施形態では、本方法は、内径および/または外径が長さの増加率(本明細書中に記載)よりも大きな割合で増加するように、ポリマー材料(および/またはカテーテル)を膨潤させることを含んで成る。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、長さが0.1~19%増加する一方で、内径および/または外径が1~20%増加するように、ポリマー材料を膨潤させることを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、膨潤は、投与後に起こる。いくつかの実施形態では、被験者のオリフィスへの投与後のポリマー材料の膨潤は、そのオリフィスの開口部を閉鎖させる。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマー材料の膨潤は、それが挿入されるオリフィスの大きさ以上の寸法へのサイズ増加をもたらす。いくつかの実施形態では、オリフィスは傷口である。いくつかの実施形態において、ポリマー材料の膨潤は、止血を引き起こす。例えば、いくつかの実施形態では、被験者(例えば、ヒト)は、最大断面直径がAであり、出血しているオリフィス(例えば、創傷)を有してよく、Aよりも小さい最大外断面直径を有する本明細書中に記載のデバイスは、オリフィスに投与されてよい。いくつかの実施形態では、デバイスの最大外断面直径は、その後、オリフィスが閉じられるように、A以上の寸法に膨潤してもよい。いくつかの実施形態において、これは、結果として止血をもたらす。
【0083】
いくつかの実施形態では、膨潤は投与の前に起こる。いくつかの実施形態では、膨潤は、ある期間、デバイスを再水和させることを含む。いくつかの実施形態では、上記期間は、60分以下(例えば、10分以下、5分以下、1分以下、または10秒以下)である。いくつかの実施形態では、デバイスの再水和は、再水和媒体の使用を含む。いくつかの実施形態では、再水和媒体は、水、乳酸リンゲル液(LRS)、ブドウ糖(D5W)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、Hanks平衡塩類溶液(HBSS)、および/または等張塩類溶液から構成される。
【0084】
いくつかの実施形態において、導管に存在する任意のマーキングは、導管が第1の構成から第2の構成に膨張する場合に、割れ(またはクラック;crack)または剥離を受けない可能性がある。割れまたは剥離の存在は、光学顕微鏡による膨潤した導管の目視検査によって評価されてもよい。例えば、エタノール、イソプロピルアルコール(70%/30%水)、ポビドン、「Chloraprep」のようなアルコール/水除菌溶液に晒された場合、剥離は観察されない場合がある(TD-082参考文献)。
【0085】
導管に配置されたマーキングは、その表面から様々な好適な深さまで侵入してもよい。いくつかの実施形態では、マーキングは、0.1μm以上、0.2μm以上、0.5μm以上、0.75μm以上、1μm以上、2μm以上、5μm以上、7.5μm以上、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、80μm以上、100μm以上、125μm以上、150μm以上のもの。175μm以上、200μm以上、250μm以上、300μm以上、400μm以上、500μm以上、750μm以上、1mm以上、2mm以上、5mm以上、または7.5mm以上の深さまで導管内に侵入する。いくつかの実施形態では、マーキングは、10mm以下、7.5mm以下、5mm以下、2mm以下、1mm以下、750μm以下、500μm以下、400μm以下、300μm以下、250μm以下、200μm以下、175μm以下、150μm以下、125μm以下、100μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、30μm以下、20μm以下、10μm以下、7.5μm以下、5μm以下、2μm以下、1μm以下、0.75μm以下、0.5μm以下、または0.2μm以下の深さまで導管中に侵入する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1μm以上10mm以下、10μm以上200μm以下、または50μm以上60μm以下など)。その他の範囲も可能である。
【0086】
マーキング112は、様々な好適な方法で導管101の少なくとも一部に適用してもよい。いくつかの実施形態では、マーキングは、導管の表面の少なくとも一部にマーキング組成物を配置することによって形成される。好適なマーキング組成物は、本明細書中の他の箇所に記載されている。導管の表面の少なくとも一部にマーキングを配置する1つの好適な方法は、本明細書中の他の箇所に記載されている、インクジェット印刷である。マーキングはまた、液相成長法、パッド印刷法、スクリーン印刷法、静電スプレー法、ホットスタンプ、レーザエッチング、および/またはディップコーティング法によって付着されてもよい。
【0087】
本明細書中に記載されるマーキングは、任意の好適なサイズおよび形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、マーキングは、形状、文字、数字、文字および/または数字の組み合わせ、ロゴ、および画像を含む。好適な形状の非限定的な例としては、線、ジグザグ、正方形、矩形、円、楕円、多角形(例えば、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十二角形など)、チューブ、リング、星形または星状形(例えば、三角星形、四角星形、五角星形、六角星形、七角星形、八角星形)などが挙げられる。例示的な一組の実施形態では、マーキングは、線と数字の組み合わせ(例えば、物品に沿った長さを画定する)を含む。別の例示的な実施形態のセットでは、マーキングは、ロゴおよび/または画像(例えば、物品および/または物品の製造業者を識別するためのもの)を含む。他のマーキングも可能である。
【0088】
導管にマーキングを適用するための好適な方法の別の例は、パッド印刷によって適用される。本出願人は、2種類の1液型パッド印刷用インク樹脂:共にMarabu 社製の「Tampa(登録商標)Pur 980 Black TPU」および「Tampa(登録商標)Star 980 Black TPR」の耐久性を評価する研究を行った。出願人は、少なくともポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含むポリマー材料20を含み、図14のSTEP1270を参照して後述するように非溶媒浴に浸漬した後、図15のSTEP1350を参照して後述するように親水性浴に浸漬する前の押出成形セグメント(例えば導管101)に各インクを適用した。出願人は、各インクが乾燥状態で押出セグメントによく付着していることを観察した。しかしながら、20℃~25℃(例えば室温)の温度で、1×緩衝生理食塩水(PBS)中で約15分間水和させると、図3に示すように、押出セグメントが膨潤し、インクがひび割れた。
【0089】
マーキング112は、UV硬化性パッド印刷によって、導管101の少なくとも一部に適用してもよい。出願人は、UV硬化性パッド印刷インク:Deco Technology Group社の「Series 747 PC (Lot# 747-8005)」の耐久性を評価するための研究を行った。出願人は、少なくともポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含むポリマー材料20を含む押出セグメント(例えば、導管101)に各インクを適用した。具体的には、出願人は、図15のSTEP1350を参照して後述するように、PVAを含む押出セグメント、およびポリアクリル酸溶液(PAA)を含む親水性浴に浸漬した後のPVAを含む押出セグメントに適用した紫外線硬化性インクの耐久性を評価した。出願人は、インクを20℃~25℃の間の温度(例えば室温)で約2時間乾燥させた。その後、押出セグメントを紫外線滅菌器に移し、約4時間硬化させた。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、図9の方法1400を参照して以下に記載するように、更にアニールした。他の実施形態では、押出セグメントはアニールしなかった。出願人は、図4に示すように、乾燥状態および水和状態の各押出セグメントを調べた。出願人は、1×PBS中での水和後に、各押出セグメントの表面からインクが剥離するのを観察した。更に、出願人は、PAAを含む押出セグメントも、UV-滅菌剤への曝露後にかなり変色を示すことを観察した。
【0090】
マーキング112を、レーザエッチングにより導管101の少なくとも一部に適用してもよい。出願人は、一軸355nmのダイオード励起固体レーザエッチングの耐久性を評価する研究を行った。出願人は、少なくともポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含むポリマー材料20を含む押出セグメント(例えば導管101)の表面に黒帯状形および数字をエッチングした。具体的には、出願人は、図8のSTEP1350を参照して後述するように、PVAを含む押出セグメント、およびポリアクリル酸溶液(PAA)を含む親水性浴に浸漬した後のPVAを含む押出セグメントに適用したレーザエッチングの耐久性を評価した。出願人は、20℃~25℃(例えば室温)の温度で約2時間、インクを乾燥させた。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、図16の方法1400を参照して以下に記載するように、更にアニールされた。他の実施形態では、押出セグメントはアニールされなかった。出願人は、図5に示すように、乾燥状態および水和状態の各押出セグメントを調べた。出願人は、1×PBS中37℃で24時間水和させた後、各押出セグメントの表面からレーザエッチングが抜け落ちたのを観察した。
【0091】
マーキング112は、ポリ(ビニルアルコール)系インクによって、導管101の少なくとも一部に適用してもよい。出願人は、2つの特注PVA系インク:1×PBS中の28~99PVAの15w/w%混合物中に0.01w/w%「Reactive Black 5」(CAS番号17095‐24‐8)を含むインクと、1×PBS中の28~99PVAの10w/w%混合物中に0.01w/w%「Pigment Green 7」(CAS番号14832‐14‐5)を含むインクの耐久性を評価する研究を行った。出願人は、少なくともポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含むポリマー材料20を含む押出セグメント(例えば、導管101)に各インクを適用した。具体的には、出願人は、図15のSTEP1350を参照して後述するように、PVAを含む押出セグメント、およびポリ(アクリル酸)溶液(PAA)を含む親水性浴に浸漬した後のPVAを含む押出セグメントに適用したPVA系インクの耐久性を評価した。出願人は、インクを周囲条件下で約1時間乾燥させた。いくつかの実施形態では、図16の方法1400を参照して以下に記載するように、押出セグメントを更にアニールした。他の実施形態では、押出セグメントは、アニールされなかった。出願人は、図6に示すように、乾燥状態および水和状態の各押出セグメントを調べた。出願人は、PAAを含まない押出セグメントにはインクがよく付着したのに対し、PAAを含む押出セグメントにはインクがよく付着せず、上記押出セグメントから剥離したことを観察した。更に、出願人は、「Reactive Black 5」インクが押出セグメントの本体内へ侵入していることを確認した。各押出セグメントは、1×PBS中で約24時間水和した後に剥離を示した。
【0092】
マーキング112は、水溶液を用いた染料含浸によって、導管101の少なくとも一部に適用してもよい。出願人は、蒸留水中に0.01w/w%の「Reactive Black 5」(CAS番号17095‐24‐8)を含む特注の染料溶液の耐久性を評価するための研究を行った。出願人は、少なくともポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含むポリマー材料20を含む押出セグメント(例えば、導管101)に各インクを適用した。具体的には、出願人は、図15のSTEP1350を参照して後述するように、PVAを含む押出セグメント、およびポリアクリル酸(PAA)溶液を含む親水性浴に浸漬した後のPVAを含む押出セグメントに適用した染料の耐久性を評価した。出願人は、染料を周囲条件下で乾燥させた。出願人は、次いで、押出セグメントを、150℃で3時間の乾燥および90分のアニールのために、対流式オーブンに移した。出願人は、図7に示すように、2つの水和状態において各押出セグメントを調べた。押出セグメントは、1×PBS中、37℃で24時間、1×PBS中、55℃で2週間水和させた。出願人は、押出セグメントの本体への染料の付着および侵入を観察した。更に、出願人は、2週間の水和の後、染料が押出セグメント内に保持されていることを観察した。
【0093】
マーキング112は、いくつかの実施形態において、溶媒溶液を用いた染料含浸によって導管101の少なくとも一部に適用してもよい。出願人は、「Carbopol(登録商標)」(PAA)溶液中に0.01w/w%の「Reactive Black 5」(CAS番号17095-24-8)を含む特注の染料溶液の耐久性を評価するための研究を行った。出願人は、少なくともポリ(ビニルアルコール)(PVA)を含むポリマー材料20を含む押出セグメント(例えば、導管101)に各インクを適用した。具体的には、出願人は、図15のSTEP1350を参照して後述するように、PVAを含む押出セグメント、およびポリアクリル酸(PAA)溶液を含む親水性浴に浸漬した後のPVAを含む押出セグメントに適用した染料の耐久性を評価した。出願人は、染料を周囲条件下で乾燥させた。出願人は、次いで、押出セグメントを、150℃で3時間の乾燥および90分のアニーリングのために、対流式オーブンに移した。押出セグメントを、1×PBS中、37℃で24時間水和させた。図7に示すような結果と同様に、出願人は、押出セグメントの本体への染料の付着および侵入を観察した。
【0094】
マーキング112は、いくつかの実施形態において、ホットスタンプによって、導管の少なくとも一部に適用してもよい。ホットスタンプ法は、ダイと、場合によってはホットスタンプホイルまたは予め乾燥させたインクとを含む。例えば、ダイは、加熱されて、上記ホイルまたは予備乾燥されたインクに押し付けられて、インクを導管に転写する。
【0095】
マーキング112は、いくつかの実施形態において、インクジェット印刷により、導管の少なくとも一部に適用してもよい。出願人は、ポリ(ビニルアルコール)、銅フタロシアニン、および水を含む特注の染料溶液を用いた研究を行った。出願人は、インクのジェットを発射することができるシステムを用いて、押出セグメントに特注の染料を適用した。このシステムは、電気的に作動するピエゾ作動の吐出バルブを使用してインクを吐出する。システムは圧縮空気で加圧され、プログラムがピエゾ式吐出バルブの開放時間(Pulse)と付着間の時間(Cycle)とを命令する。このシステムは、広範囲の形状にインクを吐出することが可能である。出願人は、0.30ミリ秒のPulse、18.0~21.0ミリ秒のCycle、3~15psiの圧力を用いて、押出セグメントにマーキングを配置した。マーク付き押出セグメントを、その後、95℃で6時間乾燥させた。TD-082 Rev Aに規定されている摩擦試験を、押出物のマーク付きセクションに対して123日間にわたって行った。研究結果により、このインクおよび適用方法は、押出物の押出成形セクションにマーキングを配置し、付着させるのに十分であると結論付けられた。例示的なマーク付きカテーテルが、図23Aおよび図23Bに示されている。
【0096】
デバイス100は、示された縫合ウイング160のような、1つ、2つ、またはそれ以上の患者固定デバイスを含んでもよい。導管101および縫合ウイング(suture wing)160は、同様の硬度および/または伸展性(またはコンプライアンス;compliance)を有してもよい。例えば、縫合ウイング160は、42%ポリ(ビニルアルコール)28~99、脱イオン水スラリーを含んでもよく、これは、縫合ウイングの形状に(例えば、96℃で)射出成形され、その後、(例えば、55℃で6時間)乾燥させたものである。縫合ウイング160は、導管101の硬度に一致するように、-52%の体積変化(または、ほぼ最初の射出成形材料の含水量)を引き起こすように脱水してもよい。別の例として、縫合ウイング160は、縫合ウイング形状に射出成形(例えば96℃)され、乾燥(例えば、55℃で6時間)された18%ポリ(ビニルアルコール)28~99、0.9%塩化ナトリウム溶液スラリーを含んでもよい。縫合ウイング160の脱水は、導管101の硬度に一致するように、縫合ウイング160に-81%の体積変化を生じさせることができる。同様に、縫合ウイング160は、導管101の硬度に一致するように、150℃で90分間熱処理しても、-81%の体積変化を生じてもよい。別の例として、縫合ウイング160は、水溶液への曝露時に体積変化を示さないように構成された熱可塑性または熱硬化性材料を含んでもよい。
【0097】
デバイス100は、1つ以上の線形要素、図示される線形要素123を含んでもよい。線形要素123は、図8を参照して以下に記載されるような、非線形の形状で弾性的に偏っている導管101をまっすぐにするためなど、導管101の管腔106に挿入される針、ガイドワイヤ、スタイレット、または他の細長いフィラメントを含んでもよい。
【0098】
デバイス100は、1つ以上の付属品、図示の付属品170を含んでもよい。いくつかの実施形態において、付属品170は、図4A図4Bを参照して以下に記載されるクランプ170aなどのチューブクランプを含む。
【0099】
デバイス100は、デバイス100の他の構成要素(例えば、少なくとも導管101)が包装され、滅菌され、患者への挿入のための臨床現場に輸送される包装、パッケージ180を含んでもよい。パッケージ180は、フラッシュスパン高密度ポリエチレン繊維を含む可撓性容器を含んでもよい。いくつかの実施形態では、パッケージ180は、デバイス100が輸送のために配置されるトレイを更に含む。
【0100】
デバイス100は、以下に記載する機能的要素199などの、1つ以上のセンサ、トランスデューサ、および/または他の機能的要素を含んでもよい。機能的要素199は、導管101(図示の通り)、コネクタ120、バンド122、縫合ウイング160、および/またはデバイス100の別の構成要素の上および/または内部に位置付けられた1つ以上の機能的要素を含んでもよい。機能的要素199は、信号(例えば情報)、エネルギー、流体、光、および/または音を、機能的要素199からおよび/または別の構成要素(例えば、システム10の別の構成要素)に輸送する1つ以上のワイヤ、光ファイバ、管(例えば流体送達、油圧および/または空気圧管)、導波管、および/または他の導管(図示せず)に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、システム10は、以下に記載するように、機能的要素199とインターフェースするように構成された機能的デバイス999を含む。
【0101】
押出機500は、以下に記載するように、ポリマー材料20を含む導管101を製造するように構成および配置することができる。押出機500は、ダイヘッド502、オーガー504、およびスクリュー506を含んでもよい。押出機500は、ポリマー材料20が所望の断面を含むダイヘッド502を通して押し出されるように、固定断面プロファイルを含む導管101を製造するように構成されてもよい。ダイヘッド502は、導管101の意図された断面のサイズおよび形状で構成および配置された開口部を有するディスクを含んでもよい。オーガー504は、例えば、ポリマー材料20を押出機500の中へ、そしてスクリュー506の方へ移動させるために、押出機500に隣接して回転するように構成されてもよい。スクリュー506は、例えば、押出成形のためにポリマー材料20をダイヘッド502に向かって移動させるために、押出機500内で回転するように構成されてもよい。
【0102】
いくつかの実施形態では、押出機500は、3/4インチ径、25:1のL/D、および1:1圧縮比を有する押出機などの単一スクリュー押出機を含む。
【0103】
システム10は、2つ以上の物質を組み合わせて材料の許容される混合物(例えば、ポリマー材料20を形成するために、十分に混合された材料の組み合わせ)を形成するように構成された、1つ以上の混合デバイス、図示のデバイス602を更に備えていてもよい。いくつかの実施形態では、混合デバイス602は、高速二重非対称遠心分離機を備える。いくつかの実施形態では、混合物は、密閉または通気性のジャー中で浸漬液の沸点未満の温度に加熱され、二重非対称遠心分離機内で3500rpm以下の速度で均質に混合されるまで混合される。いくつかの実施形態では、混合物を浸漬液の沸点未満の温度に加熱し、撹拌機、リボンブレンダー、パドルミキサ、スタティックミキサ、乳化機、ホモジナイザー、および/またはドラムミキサで均一に混合されるまで混合する。
【0104】
システム10は、押出デバイス(例えば、押出機500)を通る材料(例えばポリマー材料20)の前進を助けるように構成された1つ以上の管抜取器、図示の抜取器604を更に備えていてもよい。いくつかの実施形態では、管抜取器604は、1つ以上の搬送ベルトをダイヘッド502の下流に配置してもよく、導管101を押出機500から離れるように制御された方法で移動させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、管抜取器604は、導管101が搬送される際に導管101の外径を均一に維持するように制御された方法で動作するように構成される。いくつかの実施形態では、管抜取器604は、導管101の1つ、2つ、またはそれ以上のセグメントの外径を選択的に増加または減少させるように構成されている。いくつかの実施形態では、管抜取器604は、ポリマー鎖の配向を付与するように構成された速度で導管101を引っ張るように構成されている。
【0105】
システム10は、その中へ物体(例えばポリマー材料20)が少なくとも部分的に浸漬されてもよいオープントップの細長い容器を備える、1つ以上の容器、図示されたトラフ(または桶;trough)606を更に備えてもよい。トラフ606は、1つ以上の流体、溶液630(例えば、アルコール溶液、親水性ポリマー溶液、疎水性ポリマー溶液)で充填されるか、または少なくとも部分的に充填されてもよい(本明細書中において「充填される;filled」)。いくつかの実施形態では、トラフ606は、真空下に維持された、1つ以上の流体(例えば、溶液630)を含む、閉じた細長い容器を備える。
【0106】
システム10は、物体(例えばポリマー材料20)の表面にわたってガスを適用するように構成されたマニホールドを含む、1つ以上の乾燥システム、図示の乾燥機608を更に備えてもよい。乾燥機608は、対象物の表面から溶媒を抽出するように構成された気体を適用してもよい。乾燥機608は、酸素、窒素、アルゴン、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される気体を適用することができる。乾燥機608は、周囲ガス、加熱ガス、および冷却ガスのうちの少なくとも1つを適用するように構成されてもよい。
【0107】
システム10は、構成要素を浸漬するための1つ以上の容器、図示のチャンバ618を更に備えてもよく、その中で物体(例えば、導管101)は、本明細書中に記載の溶液630などの流体および/または半流体中に少なくとも部分的に浸漬されてもよい。いくつかの実施形態では、トラフ606がチャンバ618を備える(例えば、トラフ606およびチャンバ618は、システム100の同じ構成要素を構成する)。
【0108】
トラフ606およびチャンバ618に関して本明細書中に記載したように、システム10は、1つ以上の溶液、図示の溶液630を更に含んでもよい。本明細書中で使用されるように、溶液631~635のうちの1つ、2つ、またはそれ以上は、一般に溶液630と呼ばれる。トラフ606および/またはチャンバ618は、例えば、デバイス100および/またはシステム10の1つ以上の構成要素を溶液630に曝露するために、溶液630で充填されていてもよい。溶液630は、2つ以上の物質を含む均質な混合物を含んでもよい。いくつかの実施形態では、トラフ606は、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される溶液を含む溶液630で充填される。
【0109】
いくつかの実施形態において、溶液630は、ポリ(アクリル酸)溶液、溶液631を更に含む。
【0110】
いくつかの実施形態では、溶液630は、緩衝液、溶液632を更に含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、溶液630は、ポリマー溶液、溶液633を更に含む。溶液630は、向上された親水性および/または向上された非血栓形成性を提供するためにポリマー材料20に侵入するように構成された親水性および/または疎水性ポリマー溶液633を含んでもよい。いくつかの実施形態において、トラフ606は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドンポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)、およびこれらの組合せから成る群から選択される親水性ポリマー溶液633を含む溶液630で充填される。いくつかの実施形態では、トラフ606は、ポリウレタン、シリコーン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエンコポリマー、天然ゴム、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される疎水性ポリマー溶液633を含む溶液630で充填される。
【0112】
いくつかの実施形態では、溶液630は、染料である染料634を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、溶液630は、界面活性剤溶液、溶液635を含む。溶液630は、保水剤を含む界面活性剤溶液635を含んでもよい。保水剤は、非イオン性界面活性剤(即ち、非荷電親水性頭部および疎水性尾部を有する界面活性剤)または両性イオン界面活性剤(即ち、正味の非荷電親水性頭部および疎水性尾部を有する界面活性剤)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、保水剤は、ポロキサマー、トリアセチン、α-ヒドロキシ酸、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセロール、エリスリトール、スライトリトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、マリトール、ラクチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ポリグリシトール、およびこれらの組合せから成る群から選択される非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、保水剤は、ビタミンEなどの油を含んでなる。いくつかの保水剤は、1つ以上の塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および/またはホスホコリン)を含んでもよい。
【0114】
システム10は、物体(例えば導管101)が非溶媒溶液に少なくとも部分的に浸漬されてもよい非溶媒浴612を更に備えてもよい。非溶媒浴612は、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸塩、プロピオン酸塩、エーテル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトン、アセトニトリル、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、空気、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される非溶媒溶液を含んでもよい。
【0115】
システム10は、1つ以上のマンドレル、図示のマンドレル614を更に備えてもよく、これは、それを通る管腔を有する物体(例えば、管腔106を介して導管101)にスライド可能に挿入されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マンドレル614は、ポリテトラフルオロエチレン、パリレン、および/またはフェノール被覆された表面などの非粘着性表面から構成される。
【0116】
マンドレル614は、物体(例えば、導管101)に1つ、2つ、またはそれ以上の幾何学的特徴を付与するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マンドレル614は、テーパーを含む。いくつかの実施形態では、マンドレルは、湾曲したまたは曲がった形状などの非直線形状を含む。いくつかの実施形態では、マンドレル614は、非円筒形の断面を含む。
【0117】
マンドレル614は、テクスチャ表面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マンドレル614は、物体の内径(例えば、管腔の表面)にテクスチャを付与する。テクスチャを付与された表面は、流体膜層の周囲に乱流を引き起こすことによって、物体の管腔内の流動抵抗を低減するように構成されてもよい。テクスチャ加工された表面は、3mL/秒~10mL/秒の間の流量を含むパワーインジェクションなどの高流量環境からの物体の管腔内の抵抗および圧力を低減するように構成されてもよい。
【0118】
システム10は、周りに材料(例えば、ポリマー材料20)が形成されることができるか、またはそうでなければ付着されることができる1つ以上のフィラメント、図示のフィラメント608を更に含んでもよい。いくつかの実施形態において、マンドレル614は、フィラメント608を備える。
【0119】
システム10は、システム10の1つの構成要素を別のものに取り付けるように構成された、1つ以上のクランプ、図示のクランプ200を更に含んでもよい。クランプ200は、図10A図10Cを参照して以下に記載するような1つ以上のクランプを備えてもよい。
【0120】
システム10は、水和機器、水和デバイス300を更に含んでもよい。水和デバイス300は、水和媒体、図示の流体365で少なくとも部分的に充填(本明細書中では「充填」)することができる、チューブまたは他の容器、図示のオーバーチューブ301を含んでもよい。流体365は、(オーバーチューブ301を流体365で充填する前および/または後に)オーバーチューブ301内に配置されたデバイス100の1つ以上の部分(例えば、導管101の全てまたは一部)を水和するために用いられる1つ以上の材料(例えば、1つ以上の溶液または他の流体)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体365は、示された流体365a、365b、および/または365cなどの複数の異なる流体365を含む。水和デバイス300は、水和処理を行う前に(例えば、水和デバイス300を臨床現場に出荷する前に)1つ、2つ、またはそれ以上の流体365を保存するために使用される1つ以上の流体リザーバ、流体リザーバ360を更に含んでもよい。流体リザーバ360は、注射器、重力駆動式流体バッグ、流体ポンプ(例えば、リザーバ付き)、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される1つ、2つ、またはそれ以上の流体源を含んでもよい。いくつかの実施形態では、2つ以上の流体リザーバ360は、2つ以上の異なる流体365を含む。
【0121】
水和デバイス300は、それぞれ、図11Aおよび図11Bを参照して以下に記載される水和デバイス300aおよび/または300bと同様に構成されてもよい。
【0122】
水和流体365は、滅菌材料または滅菌される材料を含んでもよい。水和流体365は、保水剤、生理食塩水、乳酸リンゲル液、ブドウ糖、注射用水(WFI)、特注の等張塩類溶液、ポロキサマー、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、ポリエチレングリコール、スターチ、ヘパリン、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される1、2、3またはそれ以上の材料を含んでもよい。流体365は、特定のpH、温度、および/または体積で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、水和流体365は、体温(例えば37℃)の滅菌正常生理食塩水(等張性)を含む。
【0123】
水和デバイス300は、保存および/または輸送中に維持されるデバイス100の含水量(例えば、水和)を提供するように構成されてもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、水和は、導管101の管腔106のサイズを大きくするために、水和デバイス300を使用して、またはそのそうでなければ行ってもよい。いくつかの実施形態では、導管101および水和デバイス300は、脱水状態と再水和状態との間で管腔106のサイズの直径を0~25%増加させるように構成される。
【0125】
いくつかの実施形態では、製造方法中に、デバイス100の1つ以上の部分(例えば、導管101の全てまたは一部)は、水和デバイス300を用いて行われる後続の水和またはそのそうでなければ異方性の膨潤を引き起こすように、応力状態で脱水および/またはアニールされる。いくつかの実施形態において、導管101および水和デバイス300は、医師が導管101のサイズを挿入のための部位によりよく一致させることを可能にするために、外径および管腔106の直径が維持されるように、軸方向のみにおける導管101の膨潤を可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、導管101および水和デバイス300は、導管101の近位端および/または遠位端の正確な配置を可能にするために導管101の長さが変化しないように、かつ挿入部位をシールし、および/または導管101にわたる圧力損失を減少するために導管101の径方向の膨潤を可能にするように構成される。
【0126】
いくつかの実施形態では、製造方法の間に、デバイス100の1つ以上の部分(例えば、導管101)が膨潤状態にある間に凍結乾燥され、凍結乾燥部分の含まれる孔の寸法、および/または他の寸法が、その後の水和処置が(例えば、水和デバイス300を用いて)行われるときに大きく変化しないようにされる。
【0127】
いくつかの実施形態では、1つ以上の水和デバイス300が、製造中に行われる1つ以上の水和、および/または患者への導管101の挿入直前に処置現場で行われる1つ以上の水和などの、デバイス100の複数の水和を行うために使用される。これらの実施形態では、2つ以上の水和は、異なる流体365を使用して行ってもよい。いくつかの実施形態では、水和デバイス300は、低pH水溶液、低張溶液、および/または体温(例えば37℃)を超えるがポリマー材料のTg未満の温度の溶液を含む流体365などの、導管101を過膨潤する(またはハイパースウェルする;hyperswell)ように構成された流体を含む。第2の水和デバイス300は、導管101を中和し、所望のレベルの膨潤を維持するように構成された体温(例えば、37℃)の等張溶液を含んでもよい。
【0128】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、1つ以上の水和デバイス300を備える。これらの実施形態において、デバイス100は、導管101の全てまたは一部が、出荷容器、パッケージ180内の水和デバイス300のオーバーチューブ301内に配置される場合などの、水和デバイス300と共に包装されてもよい。この配置は、処置現場で行われる水和処理を簡素化する可能性がある。いくつかの実施形態では、デバイス100は、パウチまたは他の保存容器、パッケージ180内で出荷され、流体365を含むリザーバ360も、保存容器内に含まれる。これらの実施形態において、リザーバ360は、パッケージ180内にある間に(例えば、処置現場で)破裂されるかまたはそうでなければ開封されるように構成されたパウチまたは他の容器を備え、パッケージ180を開封する前に流体365がデバイス100を囲み、かつ水和させることを可能にする。
【0129】
いくつかの実施形態では、水和デバイス300およびシステム10は、体温を超える温度(例えば、37℃を超える温度)などの、上昇した温度で親水性ポリマー導入処置を行うように構成される。これらの実施形態では、導管101は、体温で観察される膨潤に対して更なる薬剤を導入するためなどの、「過水和」または「過膨潤」するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、上記のように、1つ以上の可塑剤、保水剤、および/または親水性ポリマーを含む薬剤(例えば、1つ以上の更なる可塑剤、保水剤、および/または親水性ポリマー)を導入するために上昇した温度での水和処置が行われる。
【0130】
実施される任意の水和工程(例えば、初期水和工程、後続の水和工程)は、所望により選択されてもよい時間量だけ実施されてもよい。いくつかの実施形態では、水和工程は、比較的迅速に(例えば、10分以下の時間)実行される。
【0131】
システム10は、物体(例えば導管101)の表面から溶液、溶媒、揮発性、および/または他の物質を吹き飛ばす、またはそうでなければ除去するように構成されたエアブレード610を更に備えてもよい。
【0132】
システム10は、1つ以上の導管101および/または導管101の1つ以上の構成要素(一般に「導管101」)を所望の位置に維持するための1つ以上の保持具、ラック622を更に備えてもよい。ラック622は、上部ラック622a(図示)、下部ラック622b(これも図示)、および/または他のラック622を含んでもよく、各々は、物体(例えば、導管101)が配置および/または取り付けられる枠組み、台、または格子を含む。
【0133】
システム10は、1つ以上の温度制御環境チャンバ、図示のオーブン620を更に備えてもよい。オーブン620は、物体(例えば、導管101)の加熱および/または乾燥のために構成された熱絶縁チャンバを備えてもよい。いくつかの実施形態では、オーブン620は、対流式オーブンを含む。いくつかの実施形態では、オーブン620は、物体から材料(例えば、溶媒、水など)を抽出するか、さもなければ除去するように構成されている。いくつかの実施形態では、オーブン620は、温度および圧力の両方を制御することができるチャンバを備える。いくつかの実施形態では、オーブン620は、湿度も制御することができるチャンバを備える。いくつかの実施形態では、オーブン620は、ガス(例えば、空気、窒素、アルゴンなど)をパージすることができるチャンバを備える。
【0134】
デバイス100は、コネクタ120を導管101に固定するように構成されてもよい周方向(または部分周方向)固定要素、図示のバンド122を含んでもよい。例えば、コネクタ120は、導管101の端部で管腔106に(例えば、製造方法中に)挿入される有刺状(barbed)または他の細長い端部部分を含んでもよい。バンド122は、コネクタ120の挿入された端部部分を取り囲むかまたは少なくとも近接する(本明細書中において「取り囲む」)位置で導管101付近に配置され、コネクタ120を導管101に固定することができる。バンド122は、コネクタ120と導管101との間に流体シールを提供するように構成されてもよい。バンド122は、導管101およびコネクタ120の挿入端部部分を取り囲むように配置され、その後加熱されて半径方向の収縮(shrinking)を起こしてコネクタ120を導管101に固定する熱収縮チューブなどの、加熱時に収縮するように構成された材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、バンド122は、120℃~350℃の間の温度で収縮するように構成された熱収縮チューブを含む。バンド122は、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレン、パーフルオロアルコキシコポリマー、エチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルブロックアミド、ポリ(塩化ビニル)、ポリエチレン、ポリオレフィン、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、バンド122は、弾性的に伸張され(例えば、ツールを介して径方向に拡張され、直径が増大する)、導管101の端部付近に配置されるように構成された材料を含む。次いで、バンド122は、解放され、バンド122の導管101への所望の取り付けを提供する、より小さい直径の弾性的に偏った状態に戻るように移行させられる。いくつかの実施形態において、バンド122は、半径方向圧縮により塑性変形するように構成された材料を含み、その結果、減少した直径は、導管101へのコネクタ120の安全な接続を形成するように構成される。いくつかの実施形態において、バンド122は、化学物質(例えば、溶媒)への曝露によって半径方向に膨潤し、その後、コネクタ120の挿入端部部分を取り囲む位置で導管101付近に配置されるように構成される材料を含む。化学物質の除去(例えば、蒸発または他の手段による)は、バンド122の半径方向の収縮を引き起こし、所望の安全な接続を提供する。
【0135】
システム10は、1つ以上のマーキングデバイス、図示のデバイス616を更に含んでもよい。マーキングデバイスは、導管の表面にマーキングを配置するために採用されてもよい。いくつかの実施形態では、マーキングデバイス616は、固体レーザなどのレーザを備える。いくつかの実施形態では、マーキングデバイス616は、パッドプリンタを含む。いくつかの実施形態では、マーキングデバイス616は、噴射弁プリンタ(jetting valve printer)などのインクジェットプリンタを備える。インクジェットプリンタは、インク(例えば、液体インク)を付着させるために加圧液体付着を行うように構成されてもよい。これらのデバイスは、自動化された方法で(例えば、マーキングデバイスが、オペレータによって予め提供された一連の命令を自律的に実行するような方法で)動作してもよい。いくつかの実施形態では、マーキングデバイス616は、マーキング組成物(例えば、インク617)を導管101のバルクに吸収させるために脱水状態(例えば、完全脱水または部分脱水)で導管101に付着されるインク617などのマーキング組成物を含む。
【0136】
その後、マーク付き導管101は、乾燥および/またはアニールされてもよい。導管の乾燥および/またはアニーリングは、例えば、マーキング組成物(例えば、インク617)を導管の一部(例えば、ベースポリマー材料20の一部)に物理的に結合および/または化学的に架橋することによりなどの、マーキングを導管にロックしてもよい。マーキングデバイス616は、マーキング組成物(例えば、インク617)を液滴として脱水状態のポリマー材料20に付着させるように構成されてもよい。マーキングデバイス616は、マーキング組成物(例えば、インク617)を液体状態で噴霧または噴射することによって適用するように構成されてもよい。マーキングデバイス161は、液体状態でパッド印刷、スクリーン印刷、または他のインク転写方法によってマーキング組成物(例えば、インク617)を付着させるように構成されてもよい。マーキングデバイス616は、脱水状態または部分的に水和した状態でマーキング組成物(例えば、インク617)をポリマー材料20に注入するように構成されてもよい。
【0137】
マーキングデバイス616は、熱処理要素、化学処理要素、紫外線処理要素、放射線処理要素、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される要素などの、インク617をポリマー材料20に(例えば、物理的、化学的、イオン的に)結合するように構成された後処理要素を更に含んでもよい。
【0138】
マーキング組成物が、導管の表面上に配置される場合に、その中にロックされる前に、様々な好適な深さまで導管内に侵入するのを可能性にする。いくつかの実施形態では、マーキング組成物は、10μm以上、20μm以上、30μm以上、40μm以上、50μm以上、60μm以上、70μm以上、80μm以上、100μm以上、125μm以上、150μm以上、または175μm以上の深さまで導管内に侵入するのを可能性にする。いくつかの実施形態では、マーキング組成物は、200μm以下、175μm以下、150μm以下、125μm以下、100μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、または30μm以下の深さまで導管内に侵入するのを可能性にする。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、10μm以上、200μm以下、または50μm以上、60μm以下など)。他の範囲も可能である。
【0139】
システム10は、1つ以上のマーキング組成物(印刷インクおよび/または印刷インクを含む組成物などの)、図示のインク617を更に含んでもよく、これらは、ポリマー材料20に物理的に結合および/または化学的に架橋するように構成されてもよい。マーキング組成物(例えば、インク617)は、染料または顔料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、染料または顔料は、反応性であってもよい。例えば、
四ナトリウム;4‐アミノ‐5‐ヒドロキシ‐3,6‐ビス[[4‐(2‐スルホナトオキシエチルスルホニル)フェニル]ジアゼニル]ナフタレン‐2,7‐ジスルホン酸(「Reactive Black 5」)、
銅;33‐[[4‐(2‐ヒドロキシエチルスルホニル)フェニル]スルファモイル]‐2,11,20,29,39,40‐ヘキサアザ‐37,38‐ジアザニダノナシクロ[28.6.1.13,10.112,19.121,28.04,9.013,18.022,27.031,36]テトラコンタ‐1,3(40),4(9),5,7,10,12(39),13(18),14,16,19,21,23,25,27,29,31(36),32,34‐ノナデカン‐6,15,24‐トリスルホン酸(「Reactive Blue 21」)、
2‐ナフタレンスルホン酸,7‐(アセチルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐[4‐[2‐(スルホキシ)エチル]スルホニル]フェニル]アゾ]‐,2ナトリウム塩(9Cl)(「Reactive Orange 78」)、
「Reactive Yellow 15」、
二ナトリウム;1‐アミノ‐9,10‐ジオキソ‐4‐[(3‐{[2‐(スルホナトオキシ)エチル]スルホニル}フェニル)アミノ]‐9,10‐ジヒドロ‐2‐アントラセンスルホン酸(「Reactive Blue 19」)、
1‐アミノ‐4‐[3‐(4,6‐ジクロロトリアジン‐2‐イルアミノ)‐4‐スルホフェニルアミノ]アントラキノン‐2‐スルホン酸(「Reactive Blue 4」)、
「C.I. Reactive Red 11」、
4-[2-(5-カルバモイル‐1‐エチル‐4‐メチル‐2,6‐ジオキソピリジン-3-イリデン)ヒドラジニル]‐6‐[(4,6‐ジクロロ-1,3,5‐トリアジン‐2‐イル)アミノ]ベンゼン‐1,3‐ジスルホン酸(「C.I. Reactive Yellow 86」)、
四ナトリウム;6,13‐ジクロロ‐3,10-ビス[[4‐[(4,6‐ジクロロ-1,3,5‐トリアジン-2-イル)アミノ]スルホナトフェニル]アミノ]トリフェノジオキサジンジスルホネート(「C.I. Reactive Blue 163」)、および/または
5‐(ベンゾイルアミノ)‐4‐ヒドロキシ‐3‐[[1‐スルホ‐6‐[[2‐(スルホキシ)エチル]スルホニル]‐2‐ナフタレニル]アゾ]‐、四ナトリウム塩(「C.I. Reactive Red 180」)
から成る群から選択される染料または顔料であってもよい。
【0140】
いくつかの実施形態では、染料または顔料は、マーキングのポリマー材料と反応する。例示的な実施形態では、反応は、カチオン塩を有するポリ(アクリル酸)およびPVAと生じてもよい。別の例示的な実施形態では、染料または顔料は、ポリマー材料マトリックス内に組み込まれてもよい(例えば、封入されてもよい)。
【0141】
いくつかの実施形態では、マーキング組成物は、非反応性染料、顔料、および/または放射線増感剤を含む。好適な非反応性染料の非限定的な例としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、0~15のハロゲン化基を有する「Copper Phthalocyanine Blue」、「Pigment Blue 15」、「Pigment Green 7」、カーボンブラック、変性カーボンブラック、「Congo Red 17」、「FD&C Blue 2」、「FD&C Violet 2」、「Carbazole Violet」、「FD&C Yellow 8」、「FD&C Yellow 10」、「Chromium Cobalt」(21 CFR Part 73 Subpart D and 21CFR Part 74 Subpart Dを参照)、「C.I. Vat Orange 1」、2‐[[2,5‐ジエトキシ‐4‐[(4‐メチルフェニル)チオール]フェニル]アゾ]‐1,3,5‐ベンゼントリオール、16,23‐ジヒドロジナフト[2,3‐a:2',3'‐i]ナフト[2',3':6,7]インドロ[2,3‐c]カルバゾール‐5,10,15,17,22,24‐ヘキソン、N,N'‐(9,10‐ジヒドロ‐9,10‐ジオキソ‐1,5‐アントラセンジイル)ビスベンズアミド、7,16‐ジクロロ‐6,15‐ジヒドロ‐5,9,14,18‐アントラジンテトロン、16,17‐ジメトキシジナナフト[1,2,3‐cd:3',2',1'‐lm]ペリレン‐5,10‐ジオン、4‐[(2,4‐ジメチルフェニル)アゾ]‐2,4‐ジヒドロ‐5‐メチル‐2‐フェニル‐3H‐ピラゾール‐3‐オン、6‐エトキシ‐2‐(6‐エトキシ‐3‐オキソベンゾ[b]チエン‐2(3H)‐イリデン)ベンゾ[b]チオフェン‐3(2H)‐オン、1‐アミノ‐4‐[[4‐[(2‐ブロモ‐1‐オキソアリル)アミノ]‐2‐スルホナトフェニル]アミノ]‐9,10‐ジヒドロ‐9,10‐ジオキソアントラセン‐2‐スルホン酸二ナトリウム、およびこれらの組合せが挙げられる。好適な非反応性顔料の非限定的な例としては、カーボンブラック、変性カーボンブラック、二酸化チタン、クロム‐コバルト‐酸化アルミニウム、酸化クロムグリーン、酸化鉄、雲母系真珠光沢顔料、およびこれらの組合せが挙げられる
【0142】
染料または顔料(例えば、反応性染料または顔料、非反応性染料または顔料)は、マーキング組成物の様々な好適な量を構成してもよい。いくつかの実施形態では、染料は、マーキング組成物の0.001w/w%以上、0.002w/w%以上、0.005w/w%以上、0.0075w/w%以上、0.01w/w%以上、0.02w/w%以上、0.05w/w%以上、0.075w/w%以上、0.1w/w%以上、0.2w/w%以上、0.5w/w%以上、または0.75w/w%以上を構成してもよい。いくつかの実施形態では、染料は、マーキング組成物の1w/w%以下、0.75w/w%以下、0.5w/w%以下、0.2w/w%以下、0.1w/w%以下、0.075w/w%以下、0.05w/w%以下、0.02w/w%以下、0.01w/w%以下、0.0075w/w%以下、0.005w/w%以下、または0.002w/w%以下を構成する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.001w/w%以上1w/w%以下、0.01w/w%以上0.05w/w%以下)。その他の範囲も可能である。
【0143】
マーキング組成物が2種類以上の染料および/または顔料を含む場合、各染料または顔料は独立して、上記の範囲の1つ以上のマーキング組成物の量を構成してもよく、および/または染料および顔料の全てが一緒になって、上記の範囲の1つ以上のマーキング組成物の量を構成してもよいと解されるべきである。
【0144】
マーキング組成物(例えば。インク617)は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、またはポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポビドンポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリリン酸塩、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される水溶性ポリマーを含む溶媒懸濁液または溶液を更に含む染料または顔料を含んでもよい。
【0145】
水溶性ポリマーは、マーキング組成物の様々な好適な量を構成してよい。いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、10w/w%以上、または12.5w/w%以上を構成する。いくつかの実施形態において、水溶性ポリマーは、15w/w%以下、または12.5w/w%以下を構成する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、10w/w%以上、15w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0146】
いくつかの実施形態では、溶媒懸濁液および/または溶液は、水および/または塩を更に含む。好適な塩の非限定的な例としては、リン酸塩(例えば、MSP、DSP、TSP)、ホウ酸塩、塩化ナトリウム、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、金属酸化物、二酸化セレン、三酸化セレン、亜セレン酸、セレン酸、硝酸塩、ケイ酸塩および植物酸塩が挙げられる。
【0147】
いくつかの実施形態では、インク617は、ポリマー材料20のバルク内に着色されたマーキングを作成するように、ポリマー材料20内に拡散するように構成されてもよい。
【0148】
システム10は、チャンバ内に特定の圧力(例えば、室圧より上または下の圧力)を生成および/または維持するように構成されてもよい、1つ以上の圧力チャンバ、図示のチャンバ640を更に備えてもよい。いくつかの実施形態では、加圧デバイス640は、低圧オーブンなどの低圧源を含む。いくつかの実施形態では、加圧デバイス640は、高圧ファンを有するチャンバなどの高圧源を含む。いくつかの実施形態では、チャンバ640は、圧力および温度の両方をすることができるチャンバを含む。いくつかの実施形態では、チャンバ640は、湿度も制御することができるチャンバを構成する。
【0149】
システム10は、物体(例えば、導管101)に軸方向の張力を加えるように構成されてもよい、1つ以上の延伸デバイス、図示の延伸機650を更に備えてもよい。
【0150】
システム10は、1つ以上の成形機、図示の成形機660を更に備えてもよく、この成形機は、オーバーモールド材料(例えば、以下に記載する材料665)を、物体(例えば、導管101)上に形成するか、またはそうでなければ適用するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、オーバーモールド材料665は、芳香族ポリエーテル、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエーテル、脂肪族ポリエステル、ポリカーボネート、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、液晶ポリマー、ポリスチレン、ナイロン、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される熱可塑性材料を含む熱可塑性ポリウレタン(TPU)を含む。いくつかの実施形態では、オーバーモールド材料665は、シリコーン‐ウレタンコポリマーなどのシリコーンを含む。第1のおよび第2の水溶性ポリマーのオーバーモールドも可能である。
【0151】
いくつかの実施形態では、1つ以上のコアピン、図示のピン661は、成形機660がオーバーモールディング材料665を適用する物体(例えば、導管101)に摺動可能に挿入されるように構成される。
【0152】
システム10は、導管101に、遠位先端部および/または近位先端部などの、先端部を形成するように構成されてもよい、1つ以上のティッピング(または先端形成;tipping)デバイス、図示のティッパー(tipper)670を更に備えてもよい。ティッパー670は、熱、溶媒、レーザ、高周波、超音波、およびこれらの組み合わせから成る群から選択されるエネルギー源を送達するように構成されてもよい。ティッパー670は、平坦(例えば、垂直)、面取り(例えば、斜め)、鈍角の(例えば、放射状)、テーパーのついた、フレア(広がった)、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される形状を含む先端を形成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、先端部は、(図16の方法1400を参照して後述するように)導管101のアニーリング前に形成される。いくつかの実施形態において、先端部は、(図18の方法1600を参照して後述するように)脱水状態での導管101のアニーリング後、および保水剤の取り込み前に形成される。いくつかの実施形態では、先端部は、アニーリング後、および保水剤の取り込み後に形成される。
【0153】
システム10は、1つ以上のセンサ、トランスデューサ、および/または他の機能的要素、例えば以下に記載する機能的要素99を含んでもよい。機能的要素99は、押出機500上に、その中に、および/またはそうでなければ近接して配置された機能的要素99a、(図示のような)水和デバイス300に近接して配置された機能的要素99b、および/または別の機能的要素99(例えば、システム10の1つ以上の他の構成要素に近接して配置された)を備えてもよい。機能的要素99は、機能的要素199および/または別の構成要素(例えば、システム10の別の構成要素)の間で信号(例えば、情報)、エネルギー、流体、光、および/または音を輸送する1つ以上のワイヤ、光ファイバ、チューブ(例えば、流体送達、油圧、および/または空気圧管)、導波管、および/または他の導管(図示せず)に動作可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、システム10は、後述するように、機能的要素199とインターフェースするように構成された機能的デバイス999を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、機能的要素99および/または199は、1つ以上のセンサ、1つ以上のトランスデューサ、および/または1つ以上の他の機能的要素を備える。
【0155】
システム10は、機能的要素99および/または199のうちの1つ以上と動作可能に相互作用するように構成された機能的デバイス999を備えてもよい。
【0156】
ここで図8を参照すると、導管(例えば、カテーテルデバイス)を備える本明細書中の他の箇所に記載されているデバイスなどの物品を患者に挿入する方法が図示されている。図8の方法2000を、図1のシステム10のデバイス100および他の構成要素を参照して説明する。ここで説明するように、デバイス100は、シースイントロデューサを使用せずに、血管拡張(例えば静脈拡張)を伴うオーバーザワイヤ(OTW)法により患者の血管系に挿入できるナノ多孔質親水性カテーテルなどのカテーテルデバイスである物品を備えてもよい。
【0157】
図8に示されるSTEP2010では、デバイス100は、デバイス100がパッケージ180内に配置された(例えば密封された)少なくとも導管101を含む場合など、本明細書中に記載のように製造される。デバイス100は、患者に挿入するために(例えば、導管101の遠位部分を皮膚の位置(「挿入位置」)で患者の静脈、動脈、および/または他の体内導管への挿入)、組み立てられ、滅菌され、最終的に顧客に出荷されてもよい。いくつかの実施形態では、工程2010は、デバイス100の少なくとも一部の完全または部分的な水和(例えば、滅菌前に水和デバイス300を使用した導管101の少なくとも一部の水和)を含む。例えば、デバイス100が高い平衡重量含有量(EWC;平衡含水量)で包装される部分的水和処置を行ってもよい。水和処置は、所望のレベルの水和を達成するなどのために、時間を制限してもよい(例えば、10分未満の時間に制限する)。いくつかの実施形態では、複数の水和処置を行う(例えば、類似または非類似の溶液365を用いて)。いくつかの実施形態では、デバイス100は、特定の水和処置を行うことなく(例えば、脱水状態で)包装され、出荷される。
【0158】
本明細書中で使用されるように、脱水は、5w/w%未満の全含水量を有すると定義することができる。本明細書中で使用されるように、部分水和は、平衡含水量(EWC)の5~90w/w%、例えば30~40w/w%の含水量を有すると定義することができる。本明細書中で使用する場合、完全に水和は、EWCの90~100%など、EWCの10%以内の含水量を有すると定義することができる。
【0159】
図8に示されるSTEP2020では、パッケージ180をまだ含んでいるデバイス100は、導管101が患者に挿入される臨床現場に出荷される。挿入処置が行われる場所(「処置現場」)で、標準的な無菌技術を使用しパッケージ180を開け、デバイス100の残りの構成要素(以下、デバイス100と呼ぶ)を取り出す。STEP2020は、以下に詳述するように、デバイス100の1つ以上の部分に行われる完全または部分的水和処置を含んでもよい。本明細書中に記載されるように、水和処置は時間制限されてもよい。
【0160】
図8に示されるSTEP2030では、ように、デバイス100の導管101は、修正「Seldinger」技術を使用して、皮膚を通して患者の静脈または動脈に挿入するなどして、患者に挿入される。導管101の遠位端は、患者の心臓内または少なくとも心臓に近い位置などの、患者の心臓血管系内の1つ以上の位置などの、患者内の1つ以上の位置まで(例えば、ガイドワイヤ上で)前進させることができる。
【0161】
デバイス100が完全に水和された状態で出荷されるいくつかの実施形態では、STEP2020でパッケージ180が開かれるとすぐに、STEP2030の患者挿入が行われる。
【0162】
デバイス100が部分的に水和された状態で出荷されるいくつかの実施形態では、デバイス100は、STEP2020で更に水和され、その後、患者に挿入されてもよい。或いは、デバイス100は、デバイス100が部分的に水和された状態(例えば、患者への導管101の安全かつ容易な挿入を可能にするのに十分な水和であるように構成された出荷されたデバイス101の水和状態)で患者に挿入されてもよい。これにより、実質的な潤滑性を依然として示しながら、導管101内に追加のカラム剛性(または柱剛性)を提供する。
【0163】
デバイス100が脱水状態で出荷される実施形態では、デバイス100は、患者への挿入前に処置現場で部分的または完全に水和することができる。本明細書中で前述のように、デバイス100の部分的な水和は、安全な挿入を可能にするのに十分な水和を達成する一方で、(完全な水和に対して)カラム剛性を高めることができる。
【0164】
(例えば、滅菌前におよび/または処置現場で行われた部分的水和処置から)
部分的に水和した状態で患者に挿入されるデバイス100は、患者への挿入後、水和し続ける(例えば、膨潤し続ける)ように構成されてもよい。挿入後の膨潤(例えば、導管101の)は、挿入位置で止血を生じさせるように構成されてもよい。
【0165】
デバイス100の1つ以上の部分の水和は、本明細書中に記載の水和デバイス300を使用して行うことができる。処置現場での水和は、無菌技術を使用して行われる。
【0166】
ここで図9を参照すると、S字形導管を含む医療デバイスである物品の斜視図が示されている。本明細書中に記載の他の物品および/または医療デバイスと同様に、図9に示す物品は、カテーテルであってもよく、および/またはカテーテルを含んでいてもよい。デバイス100は、患者への移植を容易にし、より低い浸潤率を達成し、患者内での脱落の可能性を低減するように構成されたS字形導管101’を備えてもよい。導管101’は、第1の湾曲部分114および第2の湾曲部分118を含んでもよい。部分114、118は、同様または異なる曲率半径を有してもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分114は比較的小さな半径(例えば鋭い曲率)を含み、第2の部分118は比較的大きな半径(例えば広い曲率)を含む。部分114、118の間の距離、距離Dは、1mm~200mm、例えば2mmから20mm、例えば10mmの距離を含んでもよい。部分114および/または118の曲率半径は、1mmより大きい半径、例えば2mm~50mmの間、例えば10mmを含んでもよい。
【0167】
いくつかの実施形態では、デバイス100が患者に移植されると、第1の部分114は真皮の上に留まるように構成されてもよく、一方、第2の部分118は真皮内および/または血管(例えば静脈)内に留まるように構成されてもよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、図16を参照して以下に記載するように、S字形の導管101’を形成するために、導管101は、S字形のマンドレルであるマンドレル614でアニールされるか、またはそうでなければ処理されてもよい。S字形のマンドレル614を取り外すと、導管101’はS字形を維持することができる(例えば、導管101’の材料は、弾性的に偏った状態にされるか、そうでなければ形状記憶特性を備えてもよい)。いくつかの実施形態では、デバイス100は、線形要素123(例えば、針)を摺動可能に受け入れて、導管101’の、保存、輸送、および/または患者による挿入中に所望されてもよい直線形状などの比較的直線形状にする。線状要素123を取り除くと、デバイス100(例えば、導管101’)は、アニーリングまたは他の製造方法によって作成されたS字形をとることができる。
【0169】
ここで、図10A図10Cを参照すると、導管を締結または固定するためのクランプの斜視図および端面図が示されている。クランプ200は、(例えば、洗濯バサミの構造および配置と同様の)付勢(biasing)アセンブリ210により共にヒンジで結合されるか、またはそうでなければ枢動する一対の細長部材220、240を備えてもよい。クランプ200は、導管101および/またはシステム10の別の構成要素をデバイスまたはシステム10の他の別個の構成要素、例えば図15および図16を参照して後述するようなものに固定するために使用してもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のクランプ200が含まれ、導管101および/またはシステム10の別の構成要素を固定するために使用される。付勢アセンブリ210は、軸215を中心に回転するように構成された付勢要素211を備えてもよい。付勢要素211は、アーム214aが細長部材220と係合し、アーム214bが細長部材240と係合するように、2つのアーム214a、214bを備えるばねを備えてもよい。クランプ200は、(図10Aに示されるような)開位置と(図10Bに示すような)閉位置との間で移行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、付勢アセンブリ210は、クランプ200を閉位置に付勢するように構成される。クランプ200および付勢アセンブリ210は、金属、ステンレス鋼、ニチノール、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される高耐熱材料を含んでもよい。
【0170】
細長部材220は、第1の部分223および第2の部分227、その間に中間部分225を含む。いくつかの実施形態では、第1の部分223および/または第2の部分227は、中間部分225から直線的にずれている(例えば、第1の部分223、第2の部分227、および中間部分225は直線的に配置されていない)。第1の部分223は、1つ、2つ、またはそれ以上の縦方向の凹部226を備える内面224を備えてもよい。凹部226は、デバイス100の導管101(例えば、近位部分104および遠位部分108を備える導管101)などの導管の少なくとも一部を摺動可能に受け入れてもよい。第2の部分227は、ラック(例えば、乾燥ラック、オーブンラックなど)のバーを受容またはそうでなければ係合することができるキャビティ228を備えるように構成および配置してもよい。
【0171】
細長部材240は、第1の部分243と第2の部分247とを含み、その間に中間部分245がある。いくつかの実施形態では、第1の部分243および/または第2の部分247は、中間部分245から直線的にずれている(例えば、第1の部分243、第2の部分247、および中間部分245は直線的に配置されていない)。第1の部分243は、1つ、2つ、またはそれ以上の長手方向の凹部246を備える内面244を備えてもよい。凹部246は、デバイス100の導管101(例えば、近位部分104および遠位部分108を備える導管101)などの導管の少なくとも一部を摺動可能に受け入れてもよい。第2の部分247は、ラック(例えば、乾燥ラック、オーブンラックなど)のバーを受け入れるか、そうでなければ係合することができるキャビティ248を備えてもよい。
【0172】
第1の部分223の内面224は、第1の部分243の内面244と摩擦係合するように構成されていてもよく、凹部226、246が整列して、1つ、2つ、またはそれ以上の管腔260(図10Cに示される3つ)を画定する。管腔260は、デバイス100の導管101などの導管の少なくとも一部を取り囲み、固定するように構成された直径Dを含んでもよい。いくつかの実施形態では、管腔260は、導管101の一部(例えば、近位部分104または遠位部分108)を取り囲み、固定する。管腔260は、円形、楕円、多角形、三角形、六角形、五角形、矩形、正方形、および/または台形から成る群から選択される形状を有する断面を含んでもよい。いくつかの実施形態では、管腔260は、デバイス100の導管101の近位部分104および/または遠位部分108の断面と等しい断面を含む。
【0173】
ここで図11Aを参照すると、本発明の概念と一致する、導管を水和するための水和デバイスの斜視図が示されている。図示されるように、システム10は、デバイス100および水和デバイス300aを含む。図11Aの水和デバイス300aは、同様の構成要素(例えば、オーバーチューブ301、流体リザーバ360、および/または流体365)を含んでもよく、および/または図1を参照して本明細書中で前述の水和デバイス300と同様の構造および配置であってもよい。水和デバイス300aは、図示されるようにデバイス100の導管101を取り囲むなどの、水和される医療デバイスの少なくとも一部を取り囲むように構成されたオーバーチューブ301を備えてもよい。オーバーチューブ301は、例えば導管101および/またはデバイス100の長さの大部分を水和するために、導管101および/またはデバイス100の長さ以上の長さを有してもよい。
【0174】
オーバーチューブ301は、近位端303および遠位端、その間に管腔306を備えてもよい。近位端303および管腔306は、導管101を摺動可能に受け入れる(例えば、水和されるデバイスのほぼ全体までオーバーチューブ301の管腔306内に含まれる)などの、医療デバイスの一部(例えば、水和される医療デバイスのすべての部分)を摺動可能に受け入れるようなサイズおよび構成であってもよい。近位端303は、挿入されると、例えばデバイス100の近位部分と近位端303との間に流体が存在するのを防止または少なくとも制限する(本明細書中では「防止する」)ために、デバイス100の近位端または少なくとも近位部分がオーバーチューブ301の近位端303とシールを形成するように、更にサイズおよび構成を決定される。いくつかの実施形態では、デバイス100は縫合ウイング160を含み、縫合ウイング160の遠位部分は、例えば図11Aに示されるように、近位端303とシールを形成する。
【0175】
デバイス100がオーバーチューブ301内に配置されると、操作者(例えば、臨床医、看護師、製造業者の従業員、および/または他の資格のある操作者)は、(例えば、導管101の管腔106を通過した後、)流体365をオーバーチューブ301の管腔306に充填してもよい。デバイス100および/または水和デバイス300aは、水和されるデバイス100の部分が所望の水和レベル(例えば、保存、輸送、および/または患者への挿入のための所望の含水量)に達するように構成される。
【0176】
水和デバイス300aは、注射器または他の流体リザーバ、流体365を含んでもよい図示のような流体リザーバ360を含んでもよい。流体365は、図1を参照して本明細書中で前述のような1つ以上の溶液または他の流体を含んでもよい。流体リザーバ360は、例えば流体リザーバ360が図示のようなデバイス100のコネクタ120に流体的に取り付け可能である場合(例えば、コネクタ120が流体リザーバ360の合わせコネクタ(mating connector)に流体的に取り付けるように構成されたルアーまたは他のコネクタを含む場合)、オーバーチューブ301に挿入されたデバイスに流体的に取り付けるように構成される。
【0177】
水和デバイス300aは、例えば流体がオーバーチューブ301から出るのを制限するために(例えば、流体リザーバ360によって導入される流体365が出るのを制限するように背圧を提供するために)、オーバーチューブ301の遠位端に配置された流量制限器、リストリクタ340を含んでもよい。水和処置において、流体365を、(流体リザーバ360およびコネクタ120を介して)導管101に導入してもよく、管腔106は、流体365が導管101の内面と接触するように充填されてもよく、その後、流体365は導管101の遠位端109を出て行ってもよい。リストリクタ340は、導管101を出る流体365の一部が、オーバーチューブ301内で、近位端303に向かって(例えば、縫合ウイング160に向かって)近位に移動し、流体365が導管101の外面に接触するように、サイズおよび構造が決定されてもよい。いくつかの実施形態において、クランプ170aは、逆流を防止するために、導管101を通して流体365を勢いよく流した後(after flushing)に作動される(例えば、クランプされる)。
【0178】
ここで図4Bを参照すると、本発明の概念と一致する、導管を水和するための閉鎖端を含む水和デバイスの斜視図が図示されている。図11Bに示される水和デバイス300bは、図1Bを参照して本明細書中で前述の水和デバイス300、および/または図11Aを参照して本明細書中で前述の水和デバイス300aと同様の構成要素、および/または同様の構造および配置を含んでもよい。図11Aの実施形態では、例えば流体が閉鎖遠位端309'から出るのを防ぐために、オーバーチューブ301の遠位端309'は閉鎖(例えば、密封)されている。いくつかの実施形態では、水和デバイス300bを用いた水和処置では、流体365が(流体リザーバ360およびコネクタ120を介して)導管101に導入され、管腔106は、流体365が導管101の内面と接触するように充填され、その後に流体365が導管101の遠位端109を出る。閉じた遠位端309'は、導管101を出た流体365を、オーバーチューブ301内で、近位端303に向かって(例えば、縫合ウイング160に向かって)、流体365が導管101の外面に接触するように近位方向に移動させてもよい。オーバーチューブ301は、流体365の連続的な流れがポート305から出ることができるように、近位端303の近くに配置された開口部、図示のポート305を備えてもよい。いくつかの実施形態では、ポート305は、圧力閾値バルブおよび/または一方向バルブなどのバルブを含む。いくつかの実施形態では、クランプ170aは、逆流を防止するために導管101を通して流体365を勢いよく流した後に作動される(例えば、クランプされる)。
【0179】
ここで図5を参照すると、本発明の概念と一致する、導管を製造するための方法のフローチャートが示されている。図5に示す方法1000は、それぞれ、図13図18を参照して後述するように、一連のサブの方法である方法1100、1200、1300、1400、1500および1600を含む。方法1100は、ポリマーをバッチ処理するための方法を含んでいてもよい。方法1200は、方法1100で製造されたポリマーを押し出すための方法を含んでいてもよい。方法1300は、方法1200で製造された材料を親水化処理するための方法を含んでいてもよい。方法1400は、方法1300で製造された材料をアニールするための方法を含んでいてもよい。方法1500は、方法1400で製造された材料をオーバーモールドするための方法を含んでもよい。方法1600は、方法1500で製造された材料を加湿するための方法を含んでもよい。方法1100~1600は、図13図18を参照して後述するように、ポリマー材料のバッチから単一の導管101を含む単一のデバイス100を製造するために採用されてもよい。しかしながら、これらの方法1100~1600は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のデバイス100に含まれる2つ、3つ、またはそれ以上の導管101を製造するために同様に行ってもよいと解される。複数の導管101および/またはデバイス100は、ポリマー材料の1つ以上のバッチから複数の導管101および/またはデバイス100を製造するために、システム10の複数のツールおよび/またはデバイス(例えば、マンドレル614、フィラメント608、クランプ200など)を利用するように方法が修正されるように、(例えば、バッチモードで)同時に製造することが可能である。
【0180】
ここで図13を参照すると、本発明の概念と一致する、ポリマー材料をバッチ処理するための方法1100が例示されている。
【0181】
図13に示すSTEP1110では、水溶性ポリマー21、放射線不透過剤22、および/またはリン酸ナトリウム溶液23を容器内で組み合わせる(この材料の組み合わせは、本明細書中では「ポリマー材料20」と呼ぶ)。ポリマー材料20は、少なくとも10w/w%、例えば少なくとも20w/w%、例えば少なくとも30w/w%の水溶性ポリマー21濃度を有してもよい。例えば、水溶性ポリマー21は、10g~150gの間、例えば25g~120gの間、例えば約78gの質量の総質量を有してもよい。ポリマー材料20は、少なくとも1w/w%、例えば少なくとも10w/w%、例えば少なくとも20w/w%の放射線不透過剤22濃度を有してもよい。例えば、放射線不透過剤22は、0.15g~100gの間、例えば30g~60gの間、例えば約43gの質量の総質量を有してもよい。ポリマー材料20は、少なくとも20w/w%、例えば少なくとも40w/w%、例えば少なくとも50w/w%のリン酸ナトリウム溶液濃度を有してもよい。例えば、リン酸ナトリウム溶液23は、100g~300gの間、例えば150g~200gの間、例えば約179gの質量の総質量を有してもよい。
【0182】
図13に示すSTEP1120では、容器上にカバーが置かれ、ポリマー材料20がポリマー材料の軟化点を超える温度まで予熱される。いくつかの実施形態では、ポリマー材料20は、50℃~120℃の間、例えば60℃~95℃の間、例えば約65℃の温度まで予熱される。
【0183】
図13に示すSTEP1130において、ポリマー材料20は、均質な混合物に混合される。ポリマー材料20は、高速二重非対称遠心分離機などの混合デバイス(例えば、本明細書中で前述の混合デバイス602)を用いて混合してもよい。いくつかの実施形態では、ポリマー材料20は、2000rpmで10分間遠心分離される。遠心分離の間、ポリマー材料20は、例えば50℃と120℃の間の温度、例えば80℃と100℃の間の温度、例えば約95℃の温度に加熱される場合など、加熱されてもよい。図13に示すSTEP1140では、ポリマー材料20を冷却し、例えば、16℃~24℃の間の温度まで冷却する(例えば、室温まで冷却する)。
【0184】
図13に示すSTEP1150において、ポリマー材料20は、2つ以上のセグメント(本明細書中では「セグメント」)に切断されるか、またはそうでなければ分割される。2つ以上のセグメントは、類似または非類似のサイズおよび/または形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、セグメントは、約1cmの立方体を含む。
【0185】
ここで図14を参照すると、本発明の概念と一致する、ポリマーを押し出すための方法1200が示されている。方法1200は、図13を参照して本明細書中で前述の方法1100で製造されたポリマー材料を押し出すように構成されてもよい。
【0186】
図14に示すSTEP1210において、押出機(例えば、本明細書中で前述の押出機500)は、管抜取器(例えば、本明細書中で前述の管抜取器604)に対して垂直に位置決めされる。
【0187】
図14に示すSTEP1220では、流体のトラフ(例えば、本明細書中で前述のトラフ606)が、押出機ダイヘッド502の面に近接して位置決めされる。いくつかの実施形態では、トラフ606は、押出機ダイヘッド502から約15cm離れて位置決めされる。トラフ606は、ポリマー材料20に導入するためのアルコール溶液を含んでもよい(例えば、少なくとも部分的に充填されてもよい)。アルコール溶液は、-20℃~20℃の間、例えば0℃~15℃の間、例えば10℃の温度に冷却してもよい。いくつかの実施形態では、アルコール溶液は、ポリマー材料20を固化させるように構成される。
【0188】
トラフ606は、ポリマー材料20に導入するための親水性および/または疎水性ポリマー溶液を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、親水性ポリマー溶液は、ポリマー材料20が更なるポリマー溶液(例えば、親水性、疎水性ポリマー溶液)を導入することができるように、ポリマー材料20を膨潤させる、またはそうでなければ拡張させるように構成されてもよい。
【0189】
いくつかの実施形態において、第2のトラフ606は、本明細書中で前述の第1のトラフ606に近接して配置される。第2のトラフ606は、ポリマー材料20に導入するための親水性および/または疎水性ポリマー溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第3のトラフ606は、本明細書中で前述の第2のトラフ606に近接して配置される。第3のトラフ606は、ポリマー材料20への組み込みのためのアルコール溶液を含んでもよい。アルコール溶液は、例えば約10℃の温度に冷却する場合など、-20℃~20℃、例えば0℃~15℃の間の温度に冷却してもよい。いくつかの実施形態では、アルコール溶液は、例えば親水性および/または疎水性ポリマー溶液を「ロックイン(lock in)」するために、ポリマー材料を解膨潤する(deswell)ように構成される。
【0190】
図14に示すSTEP1230では、押出機500の1つ、2つ、またはそれ以上のゾーンが、1つ、2つ、またはそれ以上の温度プロファイルに設定される。例えば、押出機500は、4つのゾーンを構成することができ、第1のゾーンは、約80℃の温度を提供することができ、第2のゾーンは、約95℃の温度を提供することができ、第3のゾーンは、約95℃の温度を提供することができ、および第4のゾーンは、約40℃の温度を提供することができる。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのゾーンは、押出機500のダイヘッド502を構成する。
【0191】
図14に示すSTEP1240において、STEP1114からのセグメントは、押出機500に供給される。押出機500(例えば押出機500のオーガー504)は、1rpm~100rpmの間の回転速度、例えば2rpm~40rpmの間の回転速度、例えば約10rpmの回転速度で動作するように構成されてもよい。押出機500(例えば、押出機500のスクリュー506)は、5rpm~120rpmの間、例えば、20rpm~80rpmの間、例えば、約60rpmの回転速度で動作するように構成されてもよい。押出機500は、スクリュー506の先端における圧力を、20psi~2000psiの間、例えば100psi~200psiの間に維持するように構成されてもよい。押出機500は、70℃~110℃の間、例えば80℃~85℃の間の押出機スクリュー506の先端における溶融温度を有するように構成されてもよい。
【0192】
図14に示すSTEP1250において、ポリマー材料20は、押出機ダイヘッド502およびトラフ606を通って引き出され、中空押出チューブ(例えば、1つ、2つ、またはそれ以上の管腔を囲む壁を有するチューブ)または固体押出チューブ(例えば、管腔のないチューブ)などの押出チューブを形成する。押出材料は、0.25m/分~10m/分、例えば1m/分~4m/分、例えば約2m/分の速度で押出機ダイヘッド502およびトラフ606を通って引き出してもよい。
【0193】
本明細書中の以下において使用されるように、他に示されない限り、「押出チューブ」、「押出材料」、および「押出セグメント」は、単一の管腔を含む中空チューブを指す。方法1200は、(例えば、マンドレル614、フィラメント608などの挿入を避けて)固体押出チューブを製造するように変更することができると解される。更に、方法1200は、(例えば、複数のマンドレル614、フィラメント608などの挿入を伴って)複数の管腔を含む中空の押出チューブを製造するように変更することができると解される。
【0194】
いくつかの実施形態では、ポリマー材料20は、固体フィラメント(例えば、本明細書中で前述のフィラメント608)の周りに配置された中空チューブを形成する押出機ダイヘッド502を通して引き出される。固体フィラメント608は、アセタール、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ステンレス鋼、ニチノール、銀、銅、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでもよい。
【0195】
いくつかの実施形態では、押出材料は、押出材料の表面からアルコール溶液を除去するように構成されたエアブレード(例えば、本明細書中で前述のエアブレード610)を通過して更に引っ張られる(例えば、本明細書中に記載のトラフ606内のアルコール溶液)。いくつかの実施形態では、押出された材料は、本明細書中に記載されるように、管抜取器604を通して更に引っ張られる。例えば、押出材料は、押出機ダイヘッド502を通り、トラフ606を通り、エアブレード610を通過し、次いで管抜取器604を通って引っ張られてもよい。
【0196】
いくつかの実施形態では、様々な引抜技術および形成技術が、押出工程中に押出し材料に適用される。引抜技術および形成技術は、押出材料に異方性機械的コンプライアンスを提供するように構成されてもよい。
【0197】
図14に示されるSTEP1260において、押出材料は、切断されるか、またはそうでなければ分割される(本明細書中において「押出セグメント」)。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、約90cmの長さを有する。
【0198】
図14に示すSTEP1270において、押出セグメントは、10分~48時間の間、例えば3時間~24時間の間、例えば約16時間の持続時間、アルコール浴(例えば、本明細書中で前述のアルコール浴612)中に配置される。アルコール浴612は、室温浴に含まれてもよい。
【0199】
ここで図15を参照すると、本発明の概念と一致する、ポリマー材料の親水性処理のための方法1300が示されている。方法1300は、図14を参照して本明細書中で前述の方法1200で製造された押出材料の親水性処理を行うように構成されてもよい。
【0200】
図15のSTEP1310において、フィラメント608(押出セグメント内に存在する場合)は、関連する押出セグメントがその中を通る管腔を含むように、押出セグメントから取り除かれる。
【0201】
図15のSTEP1320において、マンドレル(例えば、本明細書中で前述のマンドレル614)が、押出セグメント内に摺動可能に配置される。機械的インターロックコネクタ(例えば、本明細書中で前述のコネクタ120)が、押出セグメントの一端に挿入されてもよい(例えば、導管101の近位端に配置され、注射器、輸液ライン、または他の流体送達デバイスもしくは導管に流体的に取り付けるように構成される)。
【0202】
図15のSTEP1330において、押出セグメントは、対流式オーブン(例えば、本明細書中で前述のオーブン620)において乾燥される。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、1時間~24時間の間の期間、20℃~100℃の間の温度、例えば55℃で3時間、対流式オーブン620で乾燥される。
【0203】
いくつかの実施形態では、図10A図10Cを参照して本明細書中で前述のように、第1のクランプ200が押出セグメントの第1の端部を固定し、第2のクランプ200が押出セグメントの第2の端部を固定する。第1のクランプ200(例えばキャビティ228、248)は、上部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の上部ラック622a)の内側バーを係合することができ、第2のクランプ200(キャビティ228、248)は、下部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の下部ラック622b)の内側バーを係合することができ、このようにして、押出セグメントが上部乾燥ラック622aから下部乾燥ラック622bへ延在する。この実施形態では、クランプ200は、この工程中に押出セグメントのねじれ、または他の軸方向変形を防止するために併用される(例えば、クランプ200は、この工程中に押出セグメントをまっすぐにするために併用される)。
【0204】
図15のSTEP1340において、外部熱収縮(例えば、本明細書中で前述のバンド122)が、機械インターロックコネクタ120と押出セグメントとの間の界面の上に、またはそうでなければその周りに位置決めされる。いくつかの実施形態では、そしてSTEP1350に進む前に、マンドレル614は、押出セグメントから摺動的に取り除かれる。
【0205】
いくつかの実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のマーキング(例えば、本明細書中で前述のマーキング112)が、押出セグメントの長さに沿って形成される。マーキング112は、押出セグメントの膨張および収縮(例えば、膨潤および解膨潤)に伴って膨張および収縮するように構成されてもよい。マーキング112は、押出セグメントの一点に対して位置決めすることができる。例えば、固体レーザ(例えば、本明細書中で前述のレーザ616)は、押出セグメントの長さに沿って1つ、2つ、またはそれ以上のダッシュ、ドット、または他のマーキング112(例えば、患者へのデバイスの挿入の深さを補助するための「ルーラ(または定規;ruler)」を提供するために、一定の間隔で配置されたマーキング112)を適用するように構成されてもよい。
【0206】
図15のSTEP1350において、押出セグメントは、親水性浸漬チャンバ(例えば、本明細書中で前述の浸漬チャンバ618)内に配置される。親水性浸漬チャンバは、押出セグメントの少なくとも一部への親水性ポリマーの導入を促進するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、親水性浸漬チャンバ618は、アクリル酸溶液が押出セグメント内に導入されるように、ポリ(アクリル酸)溶液(例えば、本明細書中で前述の溶液631)を含んでなる。例えば、親水性浸漬チャンバ618は、5倍濃度のリン酸緩衝生理食塩水中のポリ(アクリル酸)の1w/w%溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、そしてSTEP1360に進む前に、押出セグメントは、マンドレル614を摺動可能に受ける。
【0207】
図15のSTEP1360において、ポリ(アクリル酸)溶液は、押出セグメントを通り、その周囲で循環される。いくつかの実施形態では、ポリ(アクリル酸)溶液は、約37℃の温度で、16~20時間の期間循環される。
【0208】
いくつかの実施形態において、1つ、2つ、またはそれ以上の薬剤が、押出セグメントに導入される。薬剤は、押出セグメントに二重の、または複数の、機能性を提供するように構成されてもよい。薬剤は、例えば組織の付着、内方成長(ingrowth)および凝固の少なくとも1つを促進するために、患者の組織と作用、機能および相互作用するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、薬剤は、コラーゲンおよびアルブミンの少なくとも1つを結合するように構成される。いくつかの実施形態では、薬剤は、特定のタンパク質と結合するように構成された前駆体として構成される。更に、またはそれに代えて、薬剤は、押出セグメントの少なくとも一部に沿って血栓形成性を低減するように構成されてもよい。薬剤の各々は、押出セグメントの特定の長さ、部分、および/または領域に沿って導入してもよい。
【0209】
薬剤を導入するための第1の方法は、STEP1350および1360を参照して本明細書中で前述の親水性ポリマーを処理し、その後、押出セグメントの少なくとも一部から第1の親水性ポリマーを剥離することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、STEP1350および1360は、第1の親水性ポリマーが剥離された部分に薬剤が導入されるように、薬剤を用いて繰り返される。追加の薬剤を同様に導入してもよい(例えば、第1の薬剤は押出セグメントの少なくとも一部から剥離される)。他の実施形態では、薬剤は、親水性ポリマーが剥離された押出セグメントの少なくとも一部に特に適用される。更なる薬剤を同様に導入してもよい(例えば、親水性ポリマーおよび/または第1の薬剤を含んでいない押出セグメントの少なくとも一部に特に適用される)。
【0210】
薬剤を導入するための第2の方法は、親水性ポリマーが除外された部分に導入されないように、押出セグメントの1つ以上の部分を処理から除外またはそうでなければ遮蔽した状態で、STEP1350および1360を参照して本明細書中で前述の親水性ポリマーを処理することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、薬剤が除外された部分に導入されるように、薬剤を用いてSTEP1350および1360を繰り返す。追加の薬剤を同様に導入してもよい(例えば、押出セグメントの1つ以上の部分が第1の薬剤から除外されるか、そうでなければ遮蔽される)。他の実施形態では、薬剤は、除外された部分に特に適用される。追加の薬剤を同様に導入してもよい(例えば、親水性ポリマーおよび/または第1の薬剤を含まない除外された部分に特に適用される)。
【0211】
非限定的な例として、第1の親水性ポリマーは、外部セグメントの内部(例えば、管腔)の少なくとも一部に沿って導入され、かつ血栓形成性を低減するように構成されてもよい。第2の親水性ポリマーは、押出セグメントの外部の少なくとも一部に沿って導入されてもよく、かつ組織の付着および/または内方成長を促進するように構成されてもよい。この例では、押出セグメントの内部は非血栓形成性であるように構成され、外部は周囲の組織と相互作用するように構成される。
【0212】
ここで図16を参照すると、本発明の概念と一致する、材料をアニールするための方法1400が示されている。方法1400は、図15を参照して本明細書中で前述の方法1300において製造された材料をアニールするように構成されてもよい。
【0213】
図16のSTEP1410において、押出セグメントは、親水性浸漬チャンバ618から取り出される。
【0214】
いくつかの実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上の可塑剤(例えば、本明細書中で前述の可塑剤29)が、押出セグメントに導入される。可塑剤29は、押出セグメントの割れおよび/または破砕を防止する、またはそうでなければ低減するように構成されてもよい。
【0215】
図16のSTEP1420において、マンドレル(例えば、本明細書中で前述のマンドレル614)が、押出セグメント内にスライド可能に位置決めされる。いくつかの実施形態では、マンドレルは、PTFEコーティングなどの非粘着性表面を含む。いくつかの実施形態では、マンドレルは、ニッケル‐チタン合金を含む。マンドレルは、押出セグメントに適合した形状記憶形状をもたらすために、任意の指定された形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、マンドレルは、関連する押出セグメントの管腔がマンドレルの非円筒形および/または非円形形状を想定するように構成されるように、非円筒形および/または非円形断面を有する。いくつかの実施形態では、マンドレルは、マンドレルの長さに沿って変化する直径を有する。いくつかの実施形態では、マンドレルは、関連する押出セグメントがマンドレルの非直線形状を想定するように構成されるように、非直線形状(例えば、湾曲した形状、曲がった形状、または他の複合形状)を有する。例えば、マンドレルは、図9を参照して本明細書中で前述のような相対的な「S字」形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、マンドレルは、関連する押出セグメントの壁の直径を引き伸ばすか、またはそうでなければ拡張するように構成されたオーバーサイズのマンドレル(例えば、セグメントの管腔直径よりも大きい外径を有するマンドレル)を含む。押出セグメントの壁のこの引き伸ばしは、押出セグメントに異方性機械的コンプライアンスを提供し、および/または押出セグメントの壁全体に圧力差を適用することに関連して本明細書中に後述の他の効果を提供するように構成されてもよい。
【0216】
更にまたはそれに代わって、例えば押出セグメントの壁を半径方向に拡張させるために(例えば、所望の効果を引き起こすためにマンドレルの挿入が必要でないように、本明細書中で前述のマンドレル614の挿入によって引き起こされる拡張と同様)、押出セグメントの壁全体に圧力差(壁の内面と壁の外面との間の圧力差)を適用することができる(例えば、管腔内に適用される上昇した圧力、および/または押出セグメントの外側に適用される減少した圧力)。圧力差は、結合水が取り除かれるにつれてポリマー材料20の圧縮中に顕著に形成される結晶化度の増加を可能にするように構成されてもよい。結晶化度の増加は、強度の増加および/または平衡含水量の減少と相関することがある。圧力差は、加圧デバイス(例えば、本明細書中で前述の加圧デバイス640)によって適用されてもよい。いくつかの実施形態では、高い圧力が押出セグメントの管腔に適用され、低い圧力が押出セグメントの外面に適用される。更にまたはそれに代わって、圧力差は、1つ、2つまたはそれ以上の流体を押出セグメントの管腔内にロックする(または閉じ込める)ことによって増加させることができる。流体を管腔内にロックするために、押出セグメントの各端部は、シールするか、またはそうでなければ閉じてもよい。ロック流体(locking fluid)は、温度の上昇に応答して膨潤するように構成されてもよい。ロック流体は、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、シリコーンオイル、鉱油、空気、窒素、アルゴン、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される流体を含んでもよい。ロック流体は、0℃未満の相転移温度を有する非溶媒を含んでもよい。ロック流体は、180℃より大きい相転移温度を有する非溶媒を含む。
【0217】
図16のSTEP1430において、押出セグメントは、乾燥および/またはアニールされる。乾燥および/またはアニーリングは、例えば対流式オーブン620中で、熱的に行われてもよい。乾燥時間は、一般に、所望に応じて選択されてもよい。例えば、30分またはそれ以上であってもよい。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、30℃~100℃の温度で1時間~24時間の間、例えば55℃で3時間、対流式オーブン620中で乾燥される。また、アニールをより高い温度(例えば、100℃を超える温度)で行うことも可能である。アニーリングは、大気圧で行ってもよい。
【0218】
いくつかの実施形態では、図10A図10Cを参照して本明細書中で前述のとおり、第1のクランプ200が押出セグメントの第1の端部を固定し、第2のクランプ200が押出セグメントの第2の端部を固定する。第1のクランプ200(例えば、キャビティ228、248)は、上部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の上部ラック622a)の内側バーを係合することができ、第2のクランプ200(キャビティ228、248)は、下部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の下部ラック622b)の内側バーに係合して、押出セグメントが上部乾燥ラック622aから下部乾燥ラック622bへ延在することが可能である。この実施形態では、クランプ200は、この工程中に押出セグメントのねじれ、または他の軸方向変形を防止するために併用される(例えば、クランプ200は、この工程中に押出セグメントをまっすぐにするために併用される)。
【0219】
いくつかの実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のマーキング(例えば、本明細書中で前述のマーキング112)が、押出セグメントの長さに沿って形成される。マーキング112は、押出セグメントの膨張および収縮(例えば、膨潤および解膨潤)に伴って膨張および収縮するように構成されてもよい。例えば、染料溶液(例えば、本明細書中で前述の溶液634)の1つ、2つ、またはそれ以上の液滴を、押出セグメントの長さに沿って付着させることができる。染料溶液は、10μm~200μmの間、例えば50μm~60μmの間の深さまで押出セグメントを侵入するように構成されてもよい。染料溶液は、USP水中の0.01w/w%~5.0w/w%の「Reactive Black 5」、例えばUSP水中の0.2w/w%の「Reactive Black 5」を含んでもよく、24ゲージ針などの先端が鈍い(または尖っていない)針によって付着させてもよい。いくつかの実施形態において、染料溶液は、STEP1440に進む前に、少なくとも10分間、例えば約2時間、周囲条件で乾燥するように構成される。いくつかの実施形態において、染料溶液は、STEP1350または1360からのポリ(アクリル酸)溶液中に0.01w/w%~5.0w/w%の「Reactive Black 5」を含んでもよい。
【0220】
図16のSTEP1440において、押出セグメントは、対流式オーブン(例えば、本明細書中で前述のオーブン620)内でアニールされる。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、30分~24時間の間、120℃~200℃の間の温度、例えば約150℃の温度で約90分間、対流式オーブン620内でアニールされる。
【0221】
いくつかの実施形態では、図10A図10Cを参照して本明細書中で前述のとおり、第1のクランプ200が押出セグメントの第1の端部を固定し、第2のクランプ200が押出セグメントの第2の端部を固定する。第1のクランプ200(例えばキャビティ228、248)は、上部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の上部ラック622a)の内側バーを係合することができ、第2のクランプ200(キャビティ228、248)は、下部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の下部ラック622b)の内側バーに係合して、押出セグメントが上部乾燥ラック622aから下部乾燥ラック622bへ延在することが可能である。この実施形態では、クランプ200は、この工程中に押出セグメントのねじれ、または他の軸方向の変形を防止するために併用される(例えば、クランプ200は、この工程中に押出セグメントを緊張させるために使用される)。
【0222】
いくつかの実施形態において、押出セグメントは、選択的または勾配温度を使用してアニールされる。勾配温度は、押出セグメントの長さに沿って示差的機械特性(differential mechanical properties)(例えば、コンプライアンス)を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、勾配は、押出セグメントの一部に向けられた対流加熱要素によって生成されてもよい。いくつかの実施形態では、押出セグメントの一部がオーブン620の外側にあるように、押出セグメントをオーブン620内に配置してもよい。いくつかの実施形態において、押出セグメントは、溶媒構成要素(例えば、塩、添加剤、二次親水性ポリマーなど)の選択的または勾配溶媒曝露および/または抽出を用いてアニールされる。選択的または勾配曝露および/または抽出は、押出セグメントの長さに沿って示差的機械特性(例えば、コンプライアンス)を提供するように構成されてもよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、押出セグメントは、その後、親水性ポリマー溶液(例えば、本明細書中で前述の溶液633)に曝露される。親水性ポリマー溶液は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ(酢酸ビニル)、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、多糖類、スルホン化親水性ポリマー、例えばスルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化テトラフルオロエチレン、スルホベタインメタクリレート、およびこれらの組合せから成る群から選択される水溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、水溶液は、ヨウ素を更に含む。親水性ポリマー溶液は、少なくとも45℃の温度、例えば、約70℃の温度を有してもよい。いくつかの実施形態において、押出セグメントは、対流式オーブン(例えば、本明細書中で前述のオーブン620)中で2回目の乾燥を行う。押出セグメントは、対流式オーブンにおいて、約55℃の温度で約3時間乾燥させてもよい。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、対流式オーブン620で2回目のアニールを行う。この2回目のアニーリングは、(1回のアニーリングに対して)押出セグメントの全体的な強度を高めるように構成されてもよい。押出セグメントは、対流式オーブン620内で少なくとも120℃の温度で約90分間、2回目のアニールを行ってもよい。第2のアニール温度は、STEP1440で行われた第1のアニールの温度よりも少なくとも30℃高い温度であってもよい。
【0224】
いくつかの実施形態では、軸方向延伸デバイス(例えば、本明細書中で前述の延伸デバイス650)が、アニーリング中に押出セグメントに軸方向張力を適用するように構成される。軸方向張力を押出セグメントに適用することは、押出セグメントに異方性機械的コンプライアンスを提供するように構成されてもよい。
【0225】
図16のSTEP1450において、押出セグメントは、緩衝溶液(例えば、本明細書中で前述の溶液632)中に配置される。緩衝溶液は、室温の溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、約60分間、緩衝液中に留まる。緩衝液は、PBS、生理食塩水、リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、乳酸リンゲル注射液、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される溶液を含んでもよい。
【0226】
図16のSTEP1460において、押出セグメントは、対流式オーブン(例えば、本明細書中で前述のオーブン620)内で乾燥される。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、対流式オーブン620において、約55℃で約3時間乾燥される。
【0227】
いくつかの実施形態では、図10A図10Cを参照して本明細書中で前述のとおり、第1のクランプ200が押出セグメントの第1の端部を固定し、第2のクランプ200が押出セグメントの第2の端部を固定する。第1のクランプ200(例えばキャビティ228、248)は、上部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の上部ラック622a)の内側バーを係合することができ、第2のクランプ200(キャビティ228、248)は、下部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の下部ラック622b)の内側バーを係合して、押出セグメントが上部乾燥ラック622aから下部乾燥ラック622bへ延在することが可能である。この実施形態では、クランプ200は、この工程中に押出セグメントのねじれ、または他の軸方向変形を防止するために併用される(例えば、クランプ200は、この工程中に押出セグメントをまっすぐにするために併用される)。
【0228】
図16のSTEP1470において、押出セグメントはマンドレル614から取り除かれる。
【0229】
ここで図17を参照すると、本発明の概念と一致する、材料をオーバーモールドするための方法1500が示されている。方法1500は、図16を参照して本明細書中で前述の方法1400で製造された材料をオーバーモールドするように構成されてもよい。
【0230】
図17のSTEP1510において、成形コア‐ピン(例えば、本明細書中で前述のピン661)は、押出セグメント(結合されたピン661および押出セグメントは、本明細書中において「オーバーモールドアセンブリ」と呼ばれる)内にスライド可能に位置決めされる。いくつかの実施形態では、成形コア-ピン661は、延長チューブおよびルアーコネクタを含む。
【0231】
図17のSTEP1520において、オーバーモールディングアセンブリは、成形機(例えば、本明細書中に前述の成形機660)内に配置される。いくつかの実施形態では、成形機660は、往復スクリュー射出成形機を備える。成形機660は、オーバーモールドアセンブリ上にオーバーモールド材料665を適用するように構成されてもよい。
【0232】
図17のSTEP1530において、オーバーモールドアセンブリは、成形機660から取り除かれる。更に、コア‐ピン661は、押出セグメントから取り除かれる。
【0233】
いくつかの実施形態では、1つ、2つ、またはそれ以上のマーキング(例えば、本明細書中で前述のマーキング112)が、押出セグメントの長さに沿って形成される。マーキング112は、押出セグメントの膨張および収縮(例えば、膨潤および解膨潤)に伴って膨張および収縮するように構成されてもよい。マーキング112は、押出セグメントの一点に対して位置決めすることができる。例えば、固体レーザ(例えば、本明細書中に記載のレーザ616)は、押出セグメントの長さに沿って1つ、2つ、またはそれ以上のダッシュ、ドット、および/または他のマーキング112(例えば、患者へのデバイスの挿入の深さを補助するための「ルーラ」を提供するように一定の間隔で配置されたマーキング112)を適用するように構成されてもよい。
【0234】
図23A図23Bは、1組の実施形態による、例示的なマーク付きカテーテルの写真を示す。
【0235】
ここで図18を参照すると、本発明の概念と一致する、材料を加湿するための方法1600が例示されている。方法1600は、図17を参照して本明細書中で前述の方法1500で製造された材料を加湿するように構成されてもよい。
【0236】
図18のSTEP1610において、押出されたセグメントは、界面活性剤溶液(例えば、本明細書中で前述の界面活性剤溶液635)中に入れられる。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、約3時間、界面活性剤溶液中に留まる。界面活性剤溶液635は、1倍濃度の(1×)PBS中の10w/w%のポロキサマー407を含む溶液、または1倍濃度のPBS中の30w/w%のグリセロールを含む溶液を含んでもよい。いくつかの実施形態では、界面活性剤溶液635は、20℃~70℃の間、例えば37℃~55℃の間、例えば約45℃の温度で維持される。
【0237】
図18のSTEP1620において、押出セグメントを、界面活性剤溶液から取り出す。
【0238】
図18のSTEP1630において、マンドレル(例えば、本明細書中に記載のマンドレル614)は、押出セグメント内に摺動可能に配置される。いくつかの実施形態では、マンドレル614は、PTFEコーティングなどの非粘着性表面を含む。
【0239】
図18のSTEP1640において、押出セグメントは、対流式オーブン(例えば、本明細書中で前述のオーブン620)内で乾燥される。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、対流式オーブン620において、約30℃で約3時間乾燥される。
【0240】
いくつかの実施形態では、図10A図10Cを参照して本明細書中で前述したように、第1のクランプ200が押出セグメントの第1の端部を固定し、第2のクランプ200が押出セグメントの第2の端部を固定する。第1のクランプ200(例えばキャビティ228、248)は、上部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の上部ラック622a)の内側バーを係合することができ、第2のクランプ200(キャビティ228、248)は、下部乾燥ラック(例えば、本明細書中で前述の下部ラック622b)の内側バーを係合して、押出セグメントが上部乾燥ラック622aから下部乾燥ラック622bへ延在することが可能である。この実施形態では、クランプ200は、この工程中に押出セグメントのねじれ、または他の軸方向変形を防止するために併用される(例えば、クランプ200は、この工程中に押出セグメントをまっすぐにするために併用される)。
【0241】
図18のSTEP1650において、押出セグメントは、マンドレル614から取り除かれる。
【0242】
いくつかの実施形態において、押出セグメントは、凍結乾燥される。凍結乾燥は、その後の再水和の間(例えば、流体が押出セグメントに接触スル場合)の押出セグメントの膨潤を防止するか、またはそうでなければ低減するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、STEP1650からの押出セグメントは、0℃未満の温度で凍結され、次いで、500mtorr未満などの5torr未満の真空に引かれ、押出セグメントからの氷の昇華を可能にするために、約25℃などの0℃を超える温度まで、押出セグメントが加熱される。
【0243】
図18のSTEP1660において、押出セグメント(例えば導管101)を、包装のために保護スリーブに入れる。押出セグメントは、保護スリーブへの配置に先立って滅菌されてもよい。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、エチレンオキシド曝露、過酸化物曝露、過酢酸曝露、ガンマ線、X線放射、または電子ビーム放射によって滅菌される。更にまたはそれに代わって、押出セグメントを、保護スリーブへの配置の前に水和してもよい。いくつかの実施形態では、押出セグメントは、図1図4Aおよび/または図4Bを参照して本明細書中で前述のように、水和デバイス300によって水和される。
【0244】
導管101は、主に、カテーテルデバイス(例えば、管腔を有する細長い管)を含むデバイス100の状況(または文脈)で説明されてきたが、本明細書中に記載の製造、水和、および他の方法を用いる導管101が、様々な管状(例えば、中空または固体)および非管状形状を含んでもよいことは更に理解される。
【0245】
前述した実施形態は、例示的な例としてのみ役立つと理解されるべきであり、更なる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して本明細書中に記載された任意の特徴は、単独で、または記載された他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、実施形態の他の任意の1つ以上の特徴、または実施形態の他の任意の組み合わせと組み合わせて使用されてもよい。更に、上記に記載されていない等価物および変更物も、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく採用してもよい。
【0246】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の組成物および物品(例えば、図19の物品1710、図20の物品1712)は、複数の孔を有する第1の水溶性ポリマーと、複数の孔の少なくとも一部内に配置された、第1の水溶性ポリマーと同じまたは異なる第2の水溶性ポリマーとを含むポリマー材料を含む。理論に拘束されることを望まないが、いくつかの実施形態において、第1の水溶性ポリマーの複数の孔の少なくとも一部内に配置された第2の水溶性ポリマーの存在は、孔内に配置された第2の水溶性ポリマーを含まない物品(例えば、図19の物品1710、図20の物品1712)と比較して(他の全ての要因が等しい)、物品の血栓形成性を減少させ、および/または潤滑性を増加させる可能性がある。例示的な一連の実施形態では、第1の水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコールである。別の例示的な一連の実施形態では、第2の水溶性ポリマーは、ポリアクリル酸である。本明細書中に記載されるように、他の水溶性ポリマーもまた可能である。
【0247】
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の物品および組成物は、被験者に投与される。いくつかの実施形態において、物品は、経口、直腸、膣、鼻腔、静脈内、皮下、または尿道的に投与されてもよい。いくつかの態様において、物品は、被験体のキャビティ(例えば、静脈系)、硬膜外腔、および/または膿瘍に投与されてもよい。
【0248】
本明細書中に記載されるように、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される組成物および物品は、複数の孔を有する第1の水溶性ポリマーを含むポリマー材料を含む。例えば、図19に示されるように、物品1710は、第1の水溶性ポリマー1720を含み、複数の孔1730を有するポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマー40は、複数の孔の少なくとも一部(例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.99%)内に配置される。いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマー1740は、複数の孔30の100%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、または10%以下内に配置される。上記範囲の組合せも可能である。
【0249】
いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマーは、第1の水溶性ポリマーのバルク内(例えば、第1の水溶性ポリマーの孔および/または間隙内)に配置される。いくつかの実施形態では、図20に示されるように、第2の水溶性ポリマー1740は、ポリマー材料1720の表面の少なくとも一部上にコーティング1745として存在してもよい。図20は、第2の水溶性ポリマーを第1の水溶性ポリマー上のコーティングとして、かつ第1の水溶性ポリマーの孔の中に示しているが、いくつかの実施形態では、コーティング1745のみが存在し、孔1730は第2の水溶性ポリマー1740で実質的に充填されていないことを理解されたい。他の構成も可能である。
【0250】
いくつかの実施形態では、物品1710および/または物品1712は、中空であってもよい(例えば、中空コア1725を含む)。しかしながら、図19および図20は、中空コアを有するように示されているが、当業者であれば、このような中空コアが存在しなくてもよいことを、本明細書中の教示に基づいて理解する。即ち、場合によっては、物品のコア1725は、中空コア1725を有しないバルク材料であってもよい。
【0251】
いくつかの実施形態では、複数の孔(例えば、物品の孔、または第1の水溶性材料の孔であり、任意に、前記孔の少なくとも一部内に配置された第2の水溶性ポリマーを有する)は、特定の平均孔サイズを有する。いくつかの実施形態において、複数の孔の平均孔サイズは、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、25nm以下、20nm以下、または15nm以下である。いくつかの実施形態では、複数の孔は、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、50nm以上、75nm以上、100nm以上、150nm以上、200nm以上、250nm以上、300nm以上、350nm以上、400nm以上、または450nm以上の平均孔サイズを有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、500nm以下、10nm以上)。他の範囲も可能である。本明細書中に記載される平均孔サイズは、脱水状態(即ち、5w/w%未満の水を有する)の材料の水銀圧入ポロシメトリーによって決定されてもよい。
【0252】
いくつかの実施形態では、複数の孔の少なくとも一部は、ナノ孔、例えば、1μm未満の平均断面寸法を有する孔として特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態では、複数の孔の少なくとも一部は、マイクロポア、例えば、1mm未満かつ1μm以上の平均断面寸法を有する孔として特徴付けられてもよい。いくつかの実施形態において、複数の孔の少なくとも50%(例えば。少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.9%)が、1μm未満、800nm以下、600nm以下、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、75nm以下、50nm以下、25nm以下、20nm以下、または15nm以下である直径を有する。いくつかの態様において、複数の孔の少なくとも50%は、10nm以上、15nm以上、20nm以上、25nm以上、50nm以上、75nm以上、100nm以上、150nm以上、200nm以上、250nm以上、300nm以上、350nm以上、400nm以上、450nm以上、500nm以上、600nm以上、または800nm以上である直径を有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、1000nm以下、10nm以上)。他の範囲も可能である。
【0253】
本明細書中に記載される組成物および物品は、特定の空隙率、例えば脱水状態での空隙率を有してもよい。いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態で、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、または45%以上の空隙率を有する。いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態で、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、または10%以下の空隙率を有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、脱水状態で、5%以上、50%以下)。他の範囲も可能である。
【0254】
本明細書中に記載されるように、いくつかの実施形態において、物品(またはポリマー材料)は、実質的に非血栓形成性である。
【0255】
いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料(例えば、図19図20のポリマー材料1720))は、親水性である。本明細書中で使用される「親水性」という用語は、当技術分野におけるその通常の意味を与えられ、90度未満の角度測定法(またはゴニオメトリ;goniometry)によって決定される水接触角を有する材料表面を意味する。いくつかの実施形態では、物品のポリマー材料の表面は、平衡含水量状態において、45度以下、40度以下、35度以下、30度以下、25度以下、20度以下、15度以下、10度以下、5度以下、または2度以下の水接触角を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー材料の表面は、平衡含水量状態において、1度以上、2度以上、5度以上、10度以上、15度以上、20度以上、25度以上、30度以上、35度以上、または40度以上の水接触角を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、1度以上、45度以下)。他の範囲も可能である。
【0256】
本明細書中で使用される平衡含水量状態とは、外部から加えられる機械的応力なしに、25℃の水中に沈められたときに決定される、バルク含水量を増加(例えば、吸収)または損失しない物品(または材料)の定常状態をいう。当業者は、定常状態(または平衡含水量状態)は、そのような用語の厳密な熱力学的定義への絶対的な適合を必要とせず、むしろ、そのような主題に最も関連する当業者によって理解されるように特徴付けられる主題について可能な程度にそのような用語の熱力学的定義への適合を示すと理解されるものとする(例えば、受動拡散および/またはブラウン運動などの因子を考慮することである)。
【0257】
いくつかの実施形態において、物品は、平衡含水量状態において実質的に潤滑性である。例えば、いくつかの実施形態において、物品(または物品のポリマー材料)は、平衡含水量状態において、1000nm以下の表面粗さ(Ra)を有する。いくつかの実施形態において、物品(または物品のポリマー材料)は、平衡含水量状態において、500nm以下、400nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下、150nm以下、100nm以下、50nm以下、25nm以下、10nm以下、または5nm以下の表面粗さ(Ra)を有する。いくつかの実施形態において、物品(または物品のポリマー材料)は、平衡含水量状態において、5nm以上、10nm以上、25nm以上、50nm以上。平衡含水量状態で100nm以上、150nm以上、200nm以上、250nm以上、300nm以上、400nm以上、または500nm以上の表面粗さ(Ra)を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、5nm以上、1000nm以下)。他の範囲も可能である。
【0258】
いくつかの実施形態では、物品は、平衡含水量状態において、0.10以下の摩擦係数を有する表面を有する。例えば、物品(または物品のポリマー材料)の表面の摩擦係数は、0.1以下、0.09以下、0.08以下、0.07以下、0.06以下、0.05以下、0.04以下、0.03以下、または0.02以下である。いくつかの実施形態では、物品(または物品のポリマー材料)の表面の摩擦係数は、0.01以上、0.02以上、0.03以上、0.04以上、0.05以上、0.06以上、0.07以上、0.08以上、または0.09以上である。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1以下、0.01以上)。他の範囲も可能である。
【0259】
有利には、本明細書中に記載される組成物および物品は、治療薬(および/または例えば、タンパク質)のような物質の低い収着を、そのような物質を含む動的流体の存在下で有してもよい。そのような物品および組成物は、例えば、物品の存在が(例えば、物品により)対象に送達される治療薬の利用可能性および/または濃度を実質的に減少させるべきではない対象における使用に有用であってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される物品内に流された流体による治療薬の投与は、流体内の治療薬の濃度を実質的に低下させない。いくつかの態様において、物品は、例えば、流動または使用の間、治療剤を吸収および/または吸着しないことがある。
【0260】
いくつかの実施形態において、ポリマーを治療剤に曝露し、物品の体積の5倍の水溶液、例えば水または生理食塩水で勢いよく流した後の平衡含水量で決定されるように、第1の水溶性ポリマーの表面および/またはバルクへの治療剤の0.5w/w%以下の収着が起こる。いくつかの実施形態では、0.5w/w%以下、0.4w/w%以下、0.3w/w%以下、0.2w/w%以下、または0.1w/w%以下の、第1の水溶性ポリマーの表面および/またはバルクへの治療剤の収着が生じる。いくつかの実施形態では、0.05w/w%以上、0.1w/w%以上、0.2w/w%以上、0.3w/w%以上、または0.4w/w%以上の、第1の水溶性ポリマーの表面および/またはバルクへ治療剤の収着が生じる。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.5w/w%以下、および0.05w/w%以上)。他の範囲も可能である。
【0261】
有利には、本明細書中に記載される物品および組成物は、望ましい膨潤特性(例えば、水中、生理食塩水中、被験者の流体環境中)を有してもよい。
【0262】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載される物品は、脱水状態にある。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の物品(またはポリマー材料)は、脱水状態において、5w/w%以下、4w/w%以下、3w/w%以下、2w/w%以下、1w/w%以下、0.8w/w%以下、0.6w/w%以下、0.4w/w%以下または0.2w/w%以下の含水量を有する。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の物品(またはポリマー材料)は、0.1w/w%以上、0.2w/w%以上、0.4w/w%以上、0.6w/w%以上、0.8w/w%以上、1w/w%以上、2w/w%以上、3w/w%以上または4w/w%の含水量を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、5w/w%未満、0.1w/w%以上)。他の範囲も可能である。本明細書中に記載される脱水状態とは、一般に、物品(またはポリマー材料)が24時間にわたって5w/w%未満の含水量の顕著な減少を有しない、周囲条件下で決定される定常状態を指す。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される物品は、以下により詳細に記載されるように、保水剤コーティングなどのコーティングまたは未結合ポロゲンを含んでいてもよい。
【0263】
有利には、本明細書中に記載される物品および組成物は、水および/または生理食塩水などの水溶液の存在下で急速に膨潤するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料(例えば、図19図20のポリマー材料1720))は、以下により詳細に記載するように、脱水状態から25℃の平衡含水量状態へ、5w/w%以上、10w/w%以上、15w/w%以上、20w/w%以上、25w/w%以上、30w/w%以上、35w/w%以上、40w/w%以上、または45w/w%以上の量で、例えば、特定の時間(例えば、60分以下)で、膨潤するように構成される。いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、以下に更に詳細に説明するように、脱水状態から25℃での平衡含水量状態へ、50w/w%以下、45w/w%以下、40w/w%以下、35w/w%以下、30w/w%以下、25w/w%以下、20w/w%以下、15w/w%以下、または10w/w%以下の量で、例えば、特定の時間(例えば、60分以下)で、膨潤するように構成されている。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、5w/w%以上、50w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0264】
いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料(例えば。図19図20のポリマー材料1720))は、25℃で60分以下、50分以下、40分以下、30分以下、20分以下、10分以下、5分以下、または2分以下で、脱水状態から平衡含水量状態へ、5w/w%以上の量で膨潤するように構成されている。いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、25℃で1分以上、2分以上、5分以上、10分以上、20分以上、30分以上、40分以上、または50分以上で、脱水状態から平衡含水量状態へ、5w/w%以上の量で膨潤するように構成されている。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、60分以下、1分以上)。その他の範囲も可能である。
【0265】
例示的な実施形態では、物品(またはポリマー材料(例えば、図19図20のポリマー材料20))は、水中で脱水状態(例えば、5w/w%未満)から60分以下で平衡含水量状態(例えば、5w/w%以上)へ膨潤するように構成されている。いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、標準的な生理食塩水中で脱水状態(例えば、5w/w%未満)から60分以下で平衡含水量(例えば、5w/w%以上)へ膨潤するように構成される。別の例示的な実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、通常の生理食塩水中で脱水状態(例えば、5w/w%未満)から60分以下で平衡含水量(例えば、5w/w%以上)に膨潤するように構成されている。
【0266】
いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー(例えば、図19図20のポリマー1720))は、脱水状態において特定の長さを有する。いくつかの実施形態において、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態の長さと比較して、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、2%以上、4%以上、6%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の平衡含水量状態における全体の長さの増加を有する。いくつかの場合において、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態での長さと比較して、20%以下、18%以下、16%以下、14%以下、12%以下、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1%以下、または0.5%以下の平衡含水量状態における全体の長さの増加を有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1%以上20%以下など)。他の範囲も可能である。
【0267】
いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料(例えば、図19図20のポリマー材料1720))は、脱水状態において、外径などの特定の外側の最大断面寸法を有する。いくつかの実施形態において、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態の最大断面寸法(例えば、外径)と比較して、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、2%以上、4%以上、6%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の平衡含水量状態における外側の最大断面寸法(例えば.外径)の増加を有する。いくつかの場合において、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態における最大断面寸法(例えば、外径)と比較して、20%以下、18%以下、16%以下、14%以下、12%以下、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1%以下、または0.5%以下の平衡含水量状態における最大断面寸法(例えば、外径)の増加を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1%以上20%以下、0.1%以上10%以下)。他の範囲も可能である。
【0268】
いくつかの実施形態では、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態において特定の内径を有する(例えば、物品が中空コアを有する実施形態において)。いくつかの実施形態において、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態の内径と比較して、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、2%以上、4%以上、6%以上、8%以上、10%以上、12%以上、14%以上、16%以上、または18%以上の平衡含水量状態における内径の増加を有する。いくつかの場合、物品(またはポリマー材料)は、脱水状態での内径と比較して、20%以下、18%以下、16%以下、14%以下、12%以下、10%以下、8%以下、6%以下、4%以下、2%以下、1%以下、または、0.5%以下の平衡含水量状態における内径の増加を有する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1%以上20%以下)。他の範囲も可能である。
【0269】
いくつかの実施形態では、物品は、望ましい機械的特性を有するポリマー材料を含む。例えば、いくつかの実施形態において、ポリマー材料は、500MPa以上、600MPa以上、750MPa以上、800MPa以上、900MPa以上、1000MPa以上、1250MPa以上である。以上、1500MPa以上、1750MPa以上、2000MPa以上、2500MPa以上、3000MPa以上、3500MPa以上、または4000MPa以上の脱水状態(例えば、5w/w%未満の含水量)でのヤング率を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、5000MPa以下、4000MPa以下、3500MPa以下、3000MPa以下、2500MPa以下、2000MPa以下。1750MPa以下、1500MPa以下、1250MPa以下、1000MPa以下、900MPa以下、800MPa以下、750MPa以下、または600MPa以下の脱水状態(例えば、5w/w%未満の含水量)でのヤング率を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、500MPa以上、5000MPa以下)。他の範囲も可能である。
【0270】
いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、300MPa以下、250MPa以下、200MPa以下、150MPa以下、100MPa以下、75MPa以下、50MPa以下、25MPa以下、20MPa以下、または10MPa以下の平衡含水量状態でのヤング弾性を有する。いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、5MPa以上、10MPa以上、20MPa以上、25MPa以上、50MPa以上、75MPa以上、100MPa以上、150MPa以上、200MPa以上、または250MPa以上の平衡含水量状態でのヤング弾性を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、300MPa以下、5MPa以上など)。他の範囲も可能である。
【0271】
いくつかの実施形態において、物品は、浸透剤を含む。例えば、いくつかの実施形態では、浸透剤は、物品の形成中に(例えば、プレポリマーに)添加されてもよい。いくつかの実施形態において、浸透剤は、0.05w/w%以上、0.1w/w%以上、0.2w/w%以上、0.4w/w%以上、0.6w/w%以上、0.8w/w%以上、1w/w%以上、1.2w/w%以上、1.4w/w%以上、1.6w/w%以上、または1.8w/w%以上の量で、(例えば、ポリマーの形成後に)ポリマー材料中に存在する。いくつかの場合において、浸透剤は、2w/w%以下、1.8w/w%以下、1.6w/w%以下、1.4w/w%以下、1.4w/w%以下の量で、1.2w/w%以下、1w/w%以下、0.8w/w%以下、0.6w/w%以下、0.4w/w%以下、0.2w/w%以下、または0.01w/w%以下の量で、(例えば、ポリマー材料の形成後に)ポリマー材料中に存在してもよい。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.05w/w%以上、2w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0272】
好適な浸透剤の非限定的な例としては、リン酸塩、ホウ酸塩、塩化ナトリウム、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、金属酸化物、二酸化セレン、三酸化セレン、セレン酸、セレン酸、硝酸塩、ケイ酸塩およびブタン酸(または植物酸;botanic acid)が挙げられる。
【0273】
いくつかの実施形態では、組成物(例えば、ポリマー材料を含む)は、以下でより詳細に説明するように、共有結合性架橋を含んでいない。しかしながら、他の実施形態では、組成物は、物理的架橋(例えば、相互侵入網目、分子鎖の絡み合い、および/または共有結合、イオン結合、および/または水素結合などの1つ以上の結合)を含む。特定のセットの実施形態では、ポリマー材料、ポリマー材料の第1の水溶性ポリマー、および/または第2の水溶性ポリマーを形成するために共有結合性架橋剤を使用しない。
【0274】
第1の水溶性ポリマーは、任意の好適な量で物品中に存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、第1の水溶性ポリマーは、平衡含水量状態で、20w/w%以上、25w/w%以上、30w/w%以上、35w/w%以上、40w/w%以上、45w/w%以上、50w/w%以上、55w/w%以上、60w/w%以上、65w/w%以上、70w/w%以上、75w/w%以上、80w/w%以上、85w/w%以上、または90w/w%以上の量で物品中に存在する。いくつかの実施形態では、第1の水溶性ポリマーは、平衡含水量状態で、95w/w%以下、90w/w%以下、85w/w%以下、80w/w%以下、75w/w%以下、70w/w%以下、65w/w%以下、60w/w%以下、55w/w%以下、50w/w%以下、45w/w%以下、40w/w%以下、35w/w%以下、30w/w%以下、または25w/w%以下の量で物品中に存在する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、20w/w%以上、95w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0275】
いくつかの実施形態では、第1の水溶性ポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)、およびこれらの組み合わせを含むか、またはから成る群から選択される。例示的なセットの実施形態において、第1の水溶性ポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)である。
【0276】
いくつかの実施形態では、ポリマー材料は、第1の水溶性ポリマーと別の(例えば、第3の)水溶性ポリマーとを含む混合物を含んでなる。いくつかの実施形態において、第3の水溶性ポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)およびこれらの組み合わせを含むか、またはから成る群から選択される。第1のおよび他の(例えば、第3の)水溶性ポリマーは、異なる化学組成を有していてもよい。
【0277】
いくつかの実施形態では、物品中の第1の水溶性ポリマーおよび別の(例えば、第3の)水溶性ポリマーの総重量は、平衡含水量状態で、20w/w%以上、25w/w%以上、30w/w%以上、35w/w%以上、40w/w%以上、45w/w%以上、50w/w%以上、55w/w%以上、60w/w%以上、65w/w%以上、70w/w%以上、75w/w%以上、80w/w%以上、85w/w%以上、90w/w%以上、95w/w%以上、98w/w%以上、または99w/w%以上である。いくつかの実施形態において、物品中の第1の水溶性ポリマーおよび別の(例えば、第3の)水溶性ポリマーの総重量は、平衡含水量状態で、100w/w%以下、99w/w%以下、98w/w%以下、95w/w%以下、90w/w%以下、85w/w%以下、80w/w%以下、75w/w%以下、70w/w%以下、65w/w%以下、60w/w%以下、55w/w%以下、50w/w%以下、45w/w%以下、40w/w%以下、35w/w%以下、30w/w%以下、または25w/w%以下の量である。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、20w/w%以上、100w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0278】
いくつかの実施形態において、物品中に存在する第3の水溶性ポリマーに対する第1の水溶性ポリマーの比(第1の:第3)は、100:0以下、99:1以下、95:5以下、90:10以下、80:20以下、70:30以下、60:40以下、または55:45以下である。いくつかの実施形態において、物品中に存在する第3の水溶性ポリマーに対する第1の水溶性ポリマーの比は、50:50以上、60:40以上、70:30以上、80:20以上、90:10以上、95:5以上、または99:1以上である。上記の範囲の組合せも可能である(例えば、100:0以下、50:50以上)。他の範囲も可能である。
【0279】
前述および本明細書中で説明したように、いくつかの実施形態では、物品は、ポリマー材料(例えば、ポリマー材料1720)の複数の孔(例えば、複数の孔1730)の少なくとも一部内に配置された第2の水溶性ポリマー(例えば、第2の水溶性ポリマー1740)を含む。いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマーは、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリエチレングリコール、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(メタクリルスルホベタイン)、ポリ(アクリルスルホベタイン)、ポリ(メタクリルカルボキシベタイン)、ポリ(アクリルカルボキシベタイン)、ポビドン、ポリアクリルアミド、ポリ(N‐(2‐ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリオキサゾリン、ポリホスフェート、ポリホスファゼン、ポリ酢酸ビニル、ポリプロピレングリコール、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(2‐ヒドロキシメチルメタクリレート)およびこれらの組み合わせを含むか、またはから成る群から選択される。いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマーは、ポリ(アクリル酸)である。第2の水溶性ポリマーは、第1の(例えば、任意に第3の)水溶性ポリマーの化学組成とは異なる化学組成を有していてもよい。
【0280】
第2の水溶性ポリマー(例えば、第2の水溶性ポリマー1740)は、任意の好適な量で物品中に存在してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマーは、平衡含水量の状態で、0.05w/w%以上、0.1w/w%以上、0.2w/w%以上、0.5w/w%以上、1.0w/w%以上、2.0w/w%以上、3.0w/w%以上、4.0w/w%、5.0w/w%以上、10w/w%以上、20w/w%以上、30w/w%以上、40w/w%以上、50w/w%以上、60w/w%以上、70w/w%以上、80w/w%以上または90w/w%以上の量で物品中に存在する。いくつかの実施形態では、第2の水溶性ポリマー40は、平衡含水量状態で、95w/w%以下、90w/w%以下、80w/w%以下、70w/w%以下、60w/w%以下、50w/w%以下、40w/w%以下、30w/w%以下、20w/w%以下、10w/w%以下、5.0w/w%、4.0w/w%以下、3.0w/w%以下、2.0w/w%以下、1.0w/w%以下、0.5w/w%以下、0.2w/w%以下、または0.1w/w%以下の量で物品中に存在する。いくつかの実施形態では、0w/w%の第2の水溶性ポリマーが存在する。上記範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.05w/w%以上、95w/w%以下)。他の範囲も可能である。
【0281】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー(例えば、第1の水溶性ポリマー、第2の水溶性ポリマー、第3の水溶性ポリマー)は、特定の分子量を有する。いくつかの実施形態において、水溶性ポリマー(例えば、それぞれ、独立して、第1の水溶性ポリマー、第2の水溶性ポリマー、または第3の水溶性ポリマー)の分子量は、40kDa以上、50kDa以上、75kDa以上、100kDa以上、125kDa以上、150kDa以上、175kDa以上、200kDa以上、250kDa以上、300kDa以上、350kDa以上、400kDa以上、450kDa以上、500kDa以上、600kDa以上、700kDa以上、800kDa以上。900kDa以上、1000kDa以上、1500kDa以上、2000kDa以上、3000kDa以上、または4000kDa以上であってもよい。いくつかの実施形態では、水溶性ポリマー(例えば、それぞれ、独立して、第1の水溶性ポリマー、第2の水溶性ポリマー、または第3の水溶性ポリマー)の分子量は、5000kDa以下、4000kDa以下、3000kDa以下、2000kDa以下、1500kDa以下、1000kDa以下、900kDa以下、800kDa以下、700kDa以下、600kDa以下、500kDa以下、450kDa以下、400kDa以下、350kDa以下、300kDa以下、250kDa以下。200kDa以下、175kDa以下、150kDa以下、125kDa以下、100kDa以下、75kDa以下、または50kDa以下であってもよい。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、40kDa以上、5000kDa以下の分子量)。他の範囲も可能である。
【0282】
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載の物品(および/またはポリマー材料)は、カテーテル、バルーン、シャント、創傷ドレーン、注入ポート、薬物送達デバイス、チューブ、避妊デバイス、女性用衛生デバイス、内視鏡、グラフト、ペースメーカー、植込み型心臓除細動器、心臓再同期デバイス、心臓血管デバイスリード、心室補助デバイス、気管内チューブ、気管切開チューブ、移植可能センサ、人工呼吸器ポンプ、および眼科デバイスなどの医療デバイスであるか、またはこれらと共に使用するように構成されている。いくつかの実施形態では、カテーテルは、中心静脈カテーテル、末梢中心カテーテル、ミッドライン・カテーテル、末梢カテーテル、末梢ポートカテーテル、中心静脈ポートカテーテル、トンネル型カテーテル、透析アクセスカテーテル、導尿カテーテル、神経カテーテル、硬膜外カテーテル、経皮的血管形成術カテーテルおよび/または腹膜カテーテルから成る群から選択される。いくつかのカテーテルは、ドレナージ(または排液、排膿)、排尿、および/または透析用途に適している場合がある。他の好適な用途は、以下で、より詳細に説明される。
【0283】
いくつかの実施形態において、物品は、ポリマー材料を含む(例えば、水溶性ポリマーを含む)第1の構成要素と、第1の構成要素に隣接する第2の構成要素とを備える。例えば、いくつかの場合において、第2の構成要素は、第1の構成要素に機械的に結合される。いくつかのそのような実施形態では、第2の構成要素は、第1の構成要素内または第1の構成要素上に第2の構成要素を機械的に保持するように構成された複数の表面特徴部を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、図21図22に示されるように、物品3300は、第1の構成要素3310(例えば、図19の物品1710または図20の物品1712などの物品)および第2の構成要素3320(例えば、拡張部、コネクタ、ルアーロック、縫合ウイング、図19の物品1710または図20の物品1712などの第2の物品)を備え、第1の構成要素3310に隣接している。いくつかの実施形態において、第1の熱可塑性層3330は、第1の構成要素3310と第2の構成要素3320との間に配置される。いくつかの実施形態では、オプションの第2の熱可塑性層3340は、第1の構成要素3310に隣接している(例えば、第1の構成要素の外面に接触している)。いくつかの場合において、第2の構成要素3320は、第2の構成要素が第1の構成要素3310に(例えば、内部、上、隣接して)機械的に保持されるように、第1の構成要素3310に関連する複数の表面特徴3350を含んでいてもよい。
【0284】
いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、(例えば、医療構成要素および/または医療デバイスへの)コネクタであってよい。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、エクステンダー(extender)、コネクタ、ルアーロック、および縫合ウイングから成る群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、ポリマー材料を含む、本明細書中に記載される物品などの別の物品であってよい。
【0285】
いくつかの実施形態では、物品は、第1の構成要素と第2の構成要素との間に配置された第1の熱可塑性層(例えば、第1の構成要素と第2の構成要素との間の機械的保持を補助するため)を含む。場合によっては、第2の熱可塑性層は、第1の構成要素の外面と接触していてもよい。例えば、第2の熱可塑性層は、第2の構成要素の一部と第1の構成要素の一部との両方を覆っていてもよい。各熱可塑性層は、好適な熱可塑性材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性材料および/または第2の熱可塑性材料はそれぞれ独立して、ポリウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、シリコーン‐ポリウレタンコポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、スチレンイソプレンブタジエンコポリマー、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどの酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレートおよびメタクリレートのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニルピロリドン、2‐ピロリドン、ポリアクリロニトリルブタジエン、ポリカーボネート、ポリアミド。ポリエーテルブロックアミド、フルオロポリマー(ポリテトラフルオロエチレンとポリフッ化ビニルのホモポリマーおよびコポリマーを含む)、フッ化エチレンプロピレン、ポリスチレン、スチレンアクリロニトリルのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンブタジエンのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸セルロース、アクリロニトリルブタジエンスチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエステル、ポリイミド、ポリイソブチレン、ポリメチルスチレン、ポリオキシメチレン、並びにポリ乳酸、ポリグリコール酸およびポリ(カプロラクトン)のホモポリマーおよびコポリマーを含むか、またはそれらから成る群から選択される。いくつかの実施形態において、第1の熱可塑性材料および/または第2の熱可塑性材料は、25℃の水中で少なくとも部分的に膨潤する。
【0286】
いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、第1の構成要素に熱的に結合される。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、第1の熱可塑性材料に溶媒結合される。いくつかの実施形態では、溶媒は、第1の構成要素および/または第2の構成要素の両方を溶媒和する能力に基づいて選択されてもよい。好適な溶媒の非限定的な例には、テトラヒドロフラン、トルエン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、炭酸プロピレン、ジエチルエーテル、1,4‐ジオキサン、ベンゼン、シクロヘキサン、ヘキサン、シクロペンタン、ペンタン、ギ酸、n‐ブタノール、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、酢酸、ヘキサフルオロイソプロパノール、トリフルオロ酢酸、水およびこれらの組み合わせが挙げられる。例示的な実施形態では、水膨潤性ポリウレタンは、テトラヒドロフランを使用して疎水性ポリウレタンに溶媒結合される。
【0287】
いくつかの実施形態において、第2の構成要素は、脱水状態および/または平衡含水量状態における第1の構成要素のヤング率よりも大きいヤング率を有する。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、平衡含水量状態における第1の構成要素のヤング率よりも大きいヤング率を有するが、脱水状態における第1の構成要素のヤング率よりも小さい。
【0288】
いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、突起またはスパイクなどの複数の表面特徴を含む。表面特徴は、2つの構成要素の間の接続を機械的に保持するように、第1の構成要素と第2の構成要素との間の界面に存在してもよい。いくつかの実施形態では、複数の表面特徴は、丸みを帯びたエッジを含む。いくつかの実施形態では、複数の表面特徴は、丸みを帯びたエッジ、鋭いエッジ、鈍いエッジ、フレア、バルジ、および/または隆起した特徴を含む。いくつかの実施形態では、複数の表面特徴は、複数のバーブ(またはとげ)および/またはバルジ(または隆起)を含んでなる。他の表面特徴も可能である。
【0289】
いくつかの実施形態では、複数の表面特徴は、(例えば、第1の構成要素に隣接する表面で)特定の曲率半径を有していてもよい。例えば、いくつかの場合において、複数の表面特徴の少なくとも一部は、物品の内面(例えば、物品の中空部)の曲率半径の0.1倍以上、0.2倍以上、0.3倍以上、0.5倍以上、0.7倍以上、0.9倍以上、1倍以上、1.1倍以上、1.2倍以上、1.5倍以上、2倍以上、2.5倍以上、3倍以上、3.5倍以上、4倍以上、または4.5倍以上の曲率半径を有する。いくつかの実施形態では、複数の表面特徴の少なくとも一部は物品の内面(例えば、物品の中空部)の曲率半径の5倍以下、4.5倍以下、4倍以下、3.5倍以下、3倍以下、2.5倍以下、2倍以下、1.5倍以下、1.2倍以下、1.1倍以下、1倍以下、0.9倍以下、0.7倍以下、0.5倍以下、0.3倍以下、または0.2倍以下の曲率半径を有する。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、0.1倍以上、5倍以下)。他の範囲も可能である。
【0290】
いくつかの実施形態において、第1の構成要素と第2の構成要素との間の(例えば、第1の構成要素と第2の構成要素との間の界面における)接合強度は、10N以上、15N以上、20N以上、25N以上、30N以上、40N以上、50N以上、60N以上、70N以上、または、75N以上である。いくつかの実施形態では、接合強度は、100N以下、75N以下、70N以下、60N以下、50N以下、40N以下、30N以下、25N以下、20N以下、または15N以下である。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、10N以上、100N以下)。また、他の範囲も可能である。接合強度は、空気圧グリップ40psiおよびグリップ強度1kNのINSTRON引張試験機(Model 3343、500Nロードセル)を用いて破断時の最大荷重を決定することによって決定されてもよい。構成要素は、20mmのギャップ距離から開始して、400mm/分で引っ張られる。
【0291】
いくつかの実施形態において、第1の構成要素と第2の構成要素との間の界面は、流体的に密閉される。例えば、いくつかの実施形態において、第1の構成要素と第2の構成要素との間の界面は、50psi以上、75psi以上、100psi以上、125psi以上、150psi以上、175psi以上、200psi以上、225psi以上、250psi以上、300psi以上、または350psi以上の注入圧力(第1の構成要素を通り、第1の構成要素に流体的に接続された第2の構成要素への流体の注入)に耐えるように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の構成要素と第2の構成要素との間の界面は、500psi以下、400psi以下、350psi以下、300psi以下、250psi以下、225psi以下、200psi以下、175psi以下、150psi以下、125psi以下、100psi以下、または75psi以下の注入圧力に耐えるように構成されている。上記の範囲の組み合わせも可能である(例えば、50psi以上、500psi以下)。他の範囲も可能である。
【0292】
本明細書中に記載されるように、いくつかの実施形態において、物品は、第1の構成要素と第2の構成要素との間に配置された少なくとも1つの第1の熱可塑性層を含む。いくつかの実施形態では、第2の構成要素は、第2の水溶性ポリマーの収着の前に第1の構成要素上またはそれに隣接して配置される。いくつかの実施形態において、第2の構成要素は、第2の水溶性ポリマーの収着後、および第2の水溶性ポリマーを溶媒で再抽出した後、第1の構成要素上またはそれに隣接して配置される。いくつかの実施形態では、物品は、水溶性ポリマーおよび複数の孔を含む第1の構成要素と、複数の孔の少なくとも一部内に配置された第1の熱可塑性材料を含む第2の構成要素と、第2の構成要素に関連する(例えば、隣接、直接隣接、または上に)第2の熱可塑性材料を含む第3の構成要素を備える。
【0293】
これらの材料は、潤滑性と生体適合性のある表面を有する強靭で高強度の材料として製造することができる。特に高いヤング率および引張強度を有するナノ多孔質およびマイクロ多孔質固体を本明細書中に記載する。ナノ多孔質材料は、直径100nm以下の相互接続された孔を含む固体である。ハイドロゲルの製造方法も記載されている。親水性ポリマーは、親水性固体が得られるように、これらの様々な多孔質固体を製造するために使用されてもよい。ナノ多孔質またはマイクロ多孔質固体の含水量は高く、例えば、EWCで50w/w%であってもよい。ヒドロゲルの含水量は、より高く、例えば、原則的に90w/w%以下であってもよい。多孔質固体材料は、その表面への生体構成要素の吸着および/または付着が著しく低減された医療用カテーテルやインプラントなどの様々なデバイスの製造に使用することができる。
【0294】
これらまたは他の多孔質材料は、固体の孔にバルク的に取り込まれる(bulk-incorporated)ポリマーを含むように処理されてもよい。材料の実施形態は、材料の孔に取り込まれた水溶性ポリマーを含む多孔質材料である。この方法で取り込まれたポリマーは、孔内に存在し、水和および脱水を繰り返しても孔内に留まることが観察されている。取り込まれたポリマーは、傷つきにくく、事実上永久的な表面を提供し、組み込まれたポリマーは、材料の外面を越えて望ましい特性を提供する。水性媒体中では、この方法で取り込まれた親水性ポリマーは水和して表面を越えて広がり、生体適合性と潤滑性を向上させる。
【0295】
材料を製造するための方法は、高アスペクト比のデバイスが作成されてもよいように、押出成形を含んでもよい。材料を製造するための方法の実施形態は、少なくとも1つの水溶性ポリマーと溶媒とを含む混合物を、架橋されたマトリックスをもたらす溶媒除去環境において混合物を形成するポリマー溶液の融点以上の温度に加熱すること、並びに架橋されたマトリックスがマイクロ多孔質またはナノ多孔質の固体材料となるまで溶媒を除去し続けることを含む。架橋は、混合物を冷却しながら、および/または溶媒除去環境下で行ってもよい。更なるポリマーを材料の孔に組み込んでもよい。
【0296】
本明細書中に記載される物品(例えば、カテーテル)は、任意の好適な方法を使用して製造されてもよい。そのようなカテーテルを製造するための例示的な方法は、例えば、発明の名称「HIGH STRENGTH POROUS MATERIALS INCORPORATING WATER SOLUBLE POLYMERS」の、米国特許出願公開第2018/0369454号明細書および発明の名称「HIGH STRENGTH POROUS MATERIALS FOR CONTROLLED RELEASE」の米国特許公開第2020/0230295号明細書に記載され、それぞれはすべての目的のために、参照により本明細書中に援用される。
【0297】
本開示を読む当業者は、押出成形または他の成形技術について知られていることに照らしてその原理を適応させ、本明細書中に記載されるのと同じ最終製品を達成する代替方法およびデバイスを製造することができる。この方法のスケールアップした実施形態は、例えば、マルチゾーンスクリュー押出機での使用に適合させることが可能であり、溶剤混合物は、好適な注入器またはホッパーによって提供され、ゾーンは、低温押出物を提供するように制御される。シリンジポンプなどの機構は、好適に計量制御された液体または固体ポリマー供給システムによって置き換えることができる。
【0298】
いくつかの実施形態において、本明細書中の方法は、凍結‐解凍工程がなく、および/または凍結工程がなく、および/または解凍工程がないものである。更にこの方法は、共有結合性架橋剤の非存在下でも、ほとんどまたは全く膨潤しない、例えば、EWCで0~100w/w%の膨潤を有する固体多孔質材料を製造するために使用してもよい。当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図されていることを直ちに理解し、例えば、0、5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、95、100w/w%のいずれかが上限または下限として利用可能であり、膨潤は、
%膨潤=100×(EWCでの総重量-乾燥重量)/乾燥重量
(式中、乾燥重量は水を含まない材料の重量である。)
として測定される。
【0299】
いくつかの実施形態では、押出された試料は、試料の長さ(押出方向)に沿って水平方向のポリマー鎖配向および配列を有する。ポリマー鎖配向は押出成形工程によって形成される。理論に拘束されることを望まないが、いくつかの実施形態において、試料の長さに沿ったこの水平な鎖の配向および配列は、試料が膨潤する場合に長さの増加割合よりも大きな割合で増加する内径および/または外径に寄与すると考えられている。
【0300】
いくつかの実施形態では、溶媒中の親水性ポリマーの押出し、冷間押出し、および押出し物から溶媒を迅速に除去する浴への押出し、のうちの1つ以上の組み合わせを有することが有用である。更に、いくつかの実施形態では、追加の溶媒除去および/またはアニール処理は、望ましい多孔質固体を製造するための更なる有用性を提供する。
【0301】
いくつかの実施形態では、ナノ多孔質材料の要件は、高レベルの架橋を伴うポリマー‐溶媒混合物中の約10w/w%を超える高いポリマー濃度を含む。当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図され、例えば、ポリマー‐溶媒混合物の全重量におけるポリマーの10、12、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、95、99w/w%のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。いくつかの実施形態において、ポリマーは、実質的に溶媒和されること、即ち、真の溶液であること、または少なくとも半分のポリマーが溶解し、残りは少なくとも懸濁していることを意味する。いくつかの実施形態において、ポリマーの溶媒和は、押出成形におけるポリマー鎖の配列、およびポリマー間の架橋に寄与する。特定の理論に縛られることなく、出発ポリマー‐溶媒混合物の高濃度がこれを助けることができると考えられる。そして、いくつかの実施形態によれば、ダイを通過する際の材料の確率的な鎖の配列は、ポリマー内架橋とポリマー間架橋をより促進すると考えられる。気体であっても液体であっても、脱溶媒環境に入る押出物または別の方法で形成された混合物は、いくつかの実施形態において、高密度に濃縮されたポリマーが完全に架橋する前に孔構造を更に崩壊させると考えられ、それによって鎖の近接性を改善し、更なる架橋密度を促進させる。押出成形された材料または別の方法で形成された材料を溶媒除去環境に直接付着させることは、いくつかの実施形態において有用である。いくつかの実施形態では、構造および/または特性における所望の終点に達するまで、材料を崩壊させるために、更なる溶媒除去を継続してもよい。アニール処理は、いくつかの実施形態において、強度に更に寄与する可能性がある。
【0302】
一方、凍結法は、超濃縮された微小領域が鎖の近接性も達成し、架橋密度を向上させるが、全ゲル構造中の氷結晶の存在によりマクロ空隙率を保持することを強いることによって、強度を高めることに依存している。脱溶媒は強制的に超濃縮微小領域を形成するが、これはマクロポアを形成しない。一方、脱水や凍結の前に予め形成されたゲルは、その方法の性質上、マクロポアが形成される。更に、本発明者らの研究によれば、このようなナノ多孔質固体は、マクロポーラス材料よりも大きな強度を有することが分かっている。
【0303】
ヒドロゲルはまた、ポリマー‐溶媒混合物中のより低いポリマー濃度、一般にポリマー‐溶媒混合物中のポリマーの10w/w%未満を使用することによって製造されてもよい。当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図され、例えば、ポリマー‐溶媒混合物の総重量におけるポリマーの2、5、7、8、9、10w/w%のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。更に、またはそれに代わって、ポリマー‐溶媒混合物は、溶媒除去環境中に押し出されることはない。
【0304】
マイクロ多孔質材料は、ナノ多孔質固体およびヒドロゲルの中間の工程条件を用いて製造してもよい。1つの実施形態は、ナノ多孔質材料の作製と同等の条件を用いて材料を作製するが、溶媒除去がナノ多孔質固体構造に到達する前に溶媒除去を停止することである。
【0305】
親水性ポリマーを溶媒中で押し出すことは、高強度材料を作るのに役立つ。押出成形の出発材料に溶媒を使用することは、少なくとも、一般的ではない。一般に、押出成形では、流動可能な温度まで加熱した後、押出成形を行い、その後、様々な方法で冷却した固体材料を使用する。例えば、純粋なPVAの熱可塑性押出成形は可能であると考えられている。しかし、そのような押出は、多孔質固体を作るのに必要なポリマー構造を欠き、代わりに従来の熱可塑性材料に近い特性を示す。操作の理論によれば、純粋なPVAの押出成形は、水性イオン溶媒状態で起こる水素結合の質を欠くことになる。PVAを押出成形で流動性を持たせるのに適した温度では、ダイヘッドで凝集性の悪い材料ができ、連続した形状が形成されない。また,押出成形されたPVAを高アスペクト比の形状,例えばチューブ状にすることは難しく,押出成形に使用することはできなかった。PVAおよび他の親水性ポリマーの粘度が高く、溶液化しにくい。特に、85~95℃のような狭い作業温度帯が有効であることが観察された。約85℃以下では、PVAは真に溶融することができず、従って押出成形のために完全に非晶質になることはない。95℃以上では、沸騰と蒸発による損失があり、この方法は効果的でなかった。これらの温度範囲は、圧力を大気圧より高くすることで相殺することができるが、加圧システムの使用と拡張は困難である。この方法は、ポリマーと溶媒の材料の沸点以下の温度で実施するのが有効である。
【0306】
流動するポリマー‐溶媒混合物の凝集力は,ダイから出るときに弱かった。ダイで形状を保持するためには、ダイで混合物を支持するのにコアを使用することが有効である。この条件は、例えば、携帯電話充電器用の電線をコーティングするためのコーティング方法として使用される典型的な芯押し出しとは対照的である。溶媒の使用や溶媒濃度の高い溶媒の使用を避ける典型的な方法は、チューブを保持しやすいダイから出る凝集力が比較的高く、ダイから出るときに固体材料をまとまった形状にする親水性ポリマーの水素結合などの活性結合に頼ってはいない。
【0307】
形成されたポリマー‐溶媒混合物を溶媒除去環境に通すことは有効であった。ほとんどの押出成形では、室温以下の浴温は使用しない。更に、溶媒除去浴の使用は、浴または他の溶媒除去環境が押出材料を十分に固化してコアに安定かつ同心円状に留まるのに役立ち、そうでなければ溶融物は涙滴形状になる従来の方法と比較して非典型的である。押出の終わりにそれを回収しようとしても、まだ溶融しているため破壊されることになる。また、従来の水を含む浴槽では、PVAまたは類似の親水性ポリマー材料が膨潤、溶解、またはその両方によって形状が崩れてしまう。金型内で形成され、次いで溶媒を除去する環境で処理されるポリマー‐溶媒混合物の調製を含む成形工程には、押出成形で観察される鎖の配列の利点がない。しかしながら、好適に制御された温度および溶媒除去により、高い強度を有し、孔構造が制御された材料を得ることが可能である。
【0308】
この多孔質固体は潤滑性が高く、水和状態で使用することができ、他の材料と都合よく結合させることができる。カテーテルの場合、例えば、延長部、ルアーロック、縫合ウイングなどが有用である。いくつかの実施形態では、コポリマー押出は、第2のポリマーが第1のポリマーの0.1%~10w/w%、または10w/w%以下の範囲で有用であり、5w/w%以下も有用である。当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図され、例えば、0.1、0.2、0.4、0.5、0.8、1、2、3、4、5、6、8、10w/w%のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する:。
【0309】
いくつかの実施形態では、塩は、材料の強度を操作するのに有用である。特定の理論に限定されることなく、塩は物理的架橋の一部であり、実質的にポリマー鎖間の低分子量架橋剤として作用していると考えられる。
【0310】
ポリマーブレンドに関するいくつかの実施形態は、本明細書中に記載されるように押し出される溶媒中の少なくとも1つの第1の親水性ポリマーおよび少なくとも1つの第2の親水性ポリマーを含む。例としては、PVA、PAA、PEG、PVP、ポリアルキレングリコール、親水性ポリマー、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上の組み合わせが挙げられる。濃度の例には、少なくとも1つの第2の親水性ポリマーが、第1の親水性ポリマーの1部~10,000部で存在することが含まれる。当業者は、明示された境界の間の全ての範囲および値が企図され、例えば、1部、2部、10部、100部、1000部、1500部、2000部、2500部、3000部、4000部、5000部、6000部、7000部、8000部、9000部、10000部のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。ポリマー‐溶媒混合物中のポリマーの濃度の例としては、第1の濃度で存在する第1のポリマーと、第2の濃度で存在する1つ以上の更なるポリマーとを含み、第1のポリマー濃度および更なるポリマー濃度は、独立して、0.1~99%、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、33、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95w/w%から選択される。更に、ブロックポリマー中の非親水性ポリマーおよび/または非親水性ブロックが存在してもよく、そのようなポリマーおよび/またはそのようなブロックの濃度が概して約10w/w%未満、例えば、0.1、0.2、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10w/w%である。
【0311】
いくつかの実施形態は、比較可能な条件下で水溶性ポリマーの20~90w/w%以上を失う水溶性ポリマーで条件付けられた多孔質マトリックスを含み、当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値、例えば、20、25、30、33、40、50、60、70、80、90w/w%が企図されることをすぐに理解する。
【0312】
いくつかの実施形態では、バルク的に取り込まれる材料は、表面に単分子層を形成していてもよい。単分子層という用語は、単一分子の厚さを有する層を意味する。単分子層は、表面に安定的に存在し続けるために、単分子層の分子間の凝集力に依存しない。少なくとも1つの水溶性ポリマーが単分子層を形成する。これに対して、それ自体に架橋された薄いポリマーコーティングでさえ、架橋されたポリマーによって形成される網目構造(またはネットワーク)の厚さに相当する厚さを有する。例えば、表面上に架橋されたPVAコーティングを形成することは可能かもしれないが、そのようなコーティングはPVAの分子間の相互接続に依存し、必然的に架橋された網目構造を形成する。従って、実施形態は、表面に共有結合することなく、かつポリマーが網目構造の一部であることなく、多孔質固体の表面上に存在する水溶性ポリマーを含む。
【0313】
いくつかの実施形態において、バルク的に取り込まれるポリマーは、持続的に導入される。対照的に、下層材料に単に吸着した水溶性材料の層、例えばディップコーティングまたは噴霧によって適用されたものは、材料の少なくとも90w/w%が水溶液、例えば生理食塩水中で90℃、24時間、下層材料から分離されてもよいことを意味して、ほとんどのまたは全ての環境で親水性基板から本質的に除去されてもよい。共有結合した材料はこの条件下では除去されず、水溶性ポリマーの物理的に架橋したネットワークも除去されないかもしれないが、そのようなネットワークはバルク的に取り込まれるポリマーと比較して好ましくなく、例えば、血栓形成性が高くなったり、耐久性が低くなったりする可能性がある。共有結合は、バルク的取り込み方法(bulk incorporation process)によって回避することができる化学的に反応性の部分を使用することを含む。
【0314】
本明細書中では、低タンパク質吸着特性を有するマイクロ多孔質またはナノ多孔質固体材料などの生体適合性多孔質固体を作成し、非生物付着性デバイスの基礎を提供するための方法が提供される。出発ポリマー濃度、分子量、溶媒除去、形成方法、および硬化/アニール処理の改変を利用して、タンパク質吸着および他の特性が低減された表面特性を提供してもよい。いくつかの実施形態は、ポリマー混合物の押し出しによる様々な連続形状物の形成を含む。混合物は、更に硬化され、アニールされてもよい。これらの工程は、強靭で高潤滑性の材料を作成するために使用されてもよい。実施形態は、単一または複数の管腔を有し、様々な直径および壁厚を有する形状物に押し出されたポリマー混合物を含む。
【0315】
ナノ多孔質固体材料を製造する方法の実施形態は、ポリマーと溶媒とを含む混合物(ポリマー混合物)を加熱し、混合物を溶媒除去環境に押し出し、ナノ多孔質固体材料が形成されるまで架橋されたマトリックスから溶媒を除去することを含む。方法に応じて、これらの作用の1つ以上を組み合わせてもよい。更に、混合物がダイから通過する際に冷却することが有用である。特定の操作理論に縛られることなく、ダイを通過する間にポリマーを架橋すると、最初は多孔質マトリックスが形成されるようだが、ポリマーストランドの間には空間があるが、孔構造を持たないため、真のナノ多孔質固体物質とは言えない。好適な条件で溶媒を除去すると、架橋された構造体はナノ多孔質固体となる。架橋は、ポリマー混合物をダイから押し出し、冷却することで開始される。溶媒を除去している間、架橋が継続することもある。ナノ多孔質材料を形成するための移行は、溶媒を除去する際に行われ、一般に、この段階で完了または本質的に完了(90%以上を意味する)すると考えられている。得られた材料は、更なる溶媒、または可塑剤の存在下でまたは存在せずに、アニーリングによって更に処理されてもよい。この方法、およびバルク的取り込み方法を含む本明細書中に規定する他の押出成形方法または他の形成方法および/または材料は、共有結合架橋剤、共有結合架橋を促進する薬剤、ポリマー鎖を架橋する放射線、冷凍、解凍、凍結融解サイクル、1回以上の凍結融解サイクル、氷結晶形成、発泡剤、界面活性剤、疎水性ポリマー、疎水性ポリマーセグメント、強化材料、ワイヤ、ブレード、非多孔質固体およびファイバの1以上を含まないものであってもよい。
【0316】
多孔質材料は、ポリマー混合物を、ダイを通して冷却環境へと通過させることを含む押出工程によって製造されてもよい。冷却環境は、更に、溶媒を除去する環境であってもよい。溶媒が水である場合には、脱水環境である。ダイは、ポリマー混合物がコアの周りに形成されてもよいように、それを通過するコアを有していてもよい。更なる溶媒除去環境および/またはアニール環境が用いられてもよい。
【0317】
ポリマー‐溶媒混合物の押出工程は、冷間押出として行ってもよい。冷間押出とは、ポリマー‐溶媒混合物のダイを通過させることを含み、ポリマー‐溶媒混合物を調製して押し出す全工程の間に、ポリマー‐溶媒混合物をその沸点以上に加熱する必要がない工程を意味する。従って、冷間押出成形では、ダイヘッドはポリマー‐溶媒混合物の沸点以下に保たれる。多くの溶媒を使用してもよいが、ダイヘッドが100℃以下に保たれる場合に水が有用な溶媒であることが多く、前述のように、より低温が有用であることもある。
【0318】
ポリマー混合物という用語は、溶媒に溶解または懸濁した溶液中のポリマーを指す。溶媒は、例えば、水、水溶液、有機溶媒、またはそれらの組み合わせであってもよい。ポリマー混合物を加熱することは、ポリマーの融点以上の温度に混合物を加熱することを含んでいてもよい。一般に、溶液は、融点に達すると、白濁状態から透明状態に移行する。水溶液は、例えば10~100%(w/wまたはv/v)の液体を水として含み、当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値、例えば10、20、30、40、50、60、70、80、または90%またはその少なくとも1つが企図されることを直ちに理解する。
【0319】
押出成形は、材料を形成するための有用な方法である。他の形成方法、例えば、ポリマー‐溶媒混合物の成形、キャスティング、または熱成形が使用されてもよい。一般に、ポリマー‐溶媒混合物を沸騰させずに調製し、本明細書中に提供される指針を用いてナノ多孔質またはマイクロ多孔質材料を作製するために制御される溶媒除去条件に曝露される形状に形成する。アニーリング工程が含まれてもよい。マイクロ多孔質またはナノ多孔質材料ではないヒドロゲルも製造することが可能である。
【0320】
加熱されたポリマー混合物は、成形されるか、或いはそうでなければ、冷却された状態でまたは成形/形成されてすぐに冷却された状態で形成されてもよい。成形は、材料を非晶質の溶融状態から最終製品または更なる加工のための中間形状に移行することを指す広い用語である。成形には、キャスティング、積層、コーティング、射出成形、延伸、押出が含まれる。成形は、射出成形によって行うことができ、金型は、射出されたポリマー混合物の流動性を高めるために容易に加熱され、冷却環境において急速に冷却されることを可能にする熱伝導性を有する材料から成る。他の実施形態では、成形工程は、連続材料を形成するためにダイを通してポリマー混合物を押し出すことによって達成されてもよい。
【0321】
ポリマー混合物を冷却することは、例えば、ポリマー材料をダイに通す場合のように、押し出された材料を冷却することを含む場合がある。冷却のための実施形態は、ポリマー混合物沸点より少なくとも20℃低い温度、または代替的にポリマー混合物沸点Tmより低い温度、例えば、ポリマー混合物沸点Tmより20、30、40、50、60、70、80、90、100、110℃低い温度、または代替的に上記浴または他の環境が-50~30℃の温度であり、当業者は、明確に記載された境界の間のすべての範囲および値、が企図され、例えば、-50、-45、-25、-20、-10、-5、-4、0、15、20、25、30℃のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。冷却は、溶媒を除去した環境下で行ってもよい。凍結温度は回避してもよい。特定の操作理論に束縛されることなく、ポリマー鎖は、分子間水素結合を促進し、鎖の動きを固定化する点まで冷却される。これは、30℃程度の温度で、或いは時間が許せばそれ以上の温度で行われることがある。浴は水性であってもよく、塩や他の浸透剤で調整することにより、浸透圧と拡散により相対的に低い浸透価にある水性材料に溶媒除去を行うための浸透価で提供されてもよい。また、浴は水より低い温度で凍結する他の溶媒であってもよく、溶媒や材料を凍結させずに0℃以下の温度を使用することも可能である。親水性コポリマーをPVAと併用する場合、例えば、架橋や鎖の固定化はもっと高い温度で起こるので、20℃より高い温度を使用してもよい。
【0322】
溶媒除去環境とは、周囲条件での乾燥と比較して、溶媒の除去を著しく促進する環境をいう。このような環境は、非加熱であってもよく、周囲温度以上でない、例えば、20℃以上でないことを意味する。そのような環境は、真空、例えば、真空チャンバ、塩浴、またはポリマー混合物中の溶媒を除去する浴であってもよい。例えば、水性ポリマー混合物をエタノール浴に導入し、エタノールが水に置き換わるようにしてもよい。エタノールは、その後、除去されてもよい。塩浴は、例えば、高塩濃度浴(1M~6M)であってもよい。溶媒除去環境および/または冷却工程における処理の時間は、1~240時間となるように独立して選択されてもよく、当業者は、明示された境界の間の全ての範囲および値が企図され、例えば、1、2、5、10、24時間、1、2、5、7、10日のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。塩は、解離して1価、2価、3価のイオンになる塩であってもよい。
【0323】
1つまたは複数の溶媒を除去する環境を用いてもよく、1つの環境を温度に関して調整してもよい。従って、冷却浴を使用し、その後、オーブンまたは真空オーブンで溶媒を除去してもよい。冷却または溶媒除去の前または後に、例えば、濃度の異なる一連の溶媒、異なる塩溶液、異なる割合のエタノールまたは他の溶媒に浸漬することによって、洗浄工程を実施してもよい。
【0324】
実施形態は、塩浴への暴露を含む溶媒除去工程を経た押出材料であり、材料は、キャスティング材料またはエンドユーザ・デバイスから過剰な塩を除去するために、一定時間(例えば、2~48時間、4~24時間)一連のHO浴(新しい浴または交換した浴)に浸漬される。材料は、洗浄工程から取り除かれ、過剰の水分を除去するために脱水される。脱水は、例えば、20~95℃の範囲の温度を使用して行ってもよい。脱水は、一般に、37℃で24時間以上行われる。
【0325】
実施形態は、押し出された、またはそうでなければ、その後、高塩濃度浴(1M~6M)に逆相関する時間だけ晒されて形成されたポリマー混合物であり、高濃度塩は浸漬に要する時間を短縮する、例えば、NaClの6M溶液中に16~24時間浸漬される。浸漬後、塩溶液を洗い流する。これで材料は強靭になり、初期形成時から持ち越した金型片から材料を取り除くことができる。また、塩浴などの後、水浴に浸し、脱水して過剰水分を除去する方法もある。脱水は、20~95℃の範囲の温度を使用して行ってもよい。脱水は、37℃で4時間以上、24時間以上、または2~150時間の範囲で行ってもよく、当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図され、例えば、2時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、144時間、150時間のいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。例えば、40℃で6~24時間の脱水が有用であることが観察されている。
【0326】
別の実施形態では、NaClは、最終ポリマー混合物体積の0.1~3Mの範囲の濃度で出発ポリマー溶液に導入される。ポリマーは、撹拌下で加熱された溶液に溶解され、次いでその融点以上にされる。この溶液に、乾燥NaClを撹拌しながら完全に溶解するまでゆっくりと添加する。わずかに濁った溶液を、射出成形、キャスティング、押出成形および/または延伸により、形状を形成する目的でフィードに引き入れる。各工程の最後に急冷を行い、温度を急速に下げ、固体材料を形成する。本実施形態では、更なる塩水浸漬(salt soak)は必要ない。材料硬化後、必要であれば、材料を成形工程部品から取り出し、水洗いで塩を除去し、脱水する。
【0327】
半結晶性ポリマーまたは固体多孔質材料の文脈で用いられるアニーリングという用語は、ポリマーまたは関連材料中のポリマーの融点に匹敵するアニーリング温度での熱処理を意味する。この温度は、通常、絶対温度スケールで融解温度より低く、融解温度の約0~15%以内である。可塑剤または他の添加材料は、通常、融解温度を低下させることによって、融解温度に影響を与える可能性がある。例えば、純粋なPVAの場合、アニール温度はPVAの融点の約10%以内であり、他の材料が存在する場合、アニール温度は通常より低くなる。アニーリングは、アニールされる材料の結晶領域の大きさを増加させることと組み合わせた応力の緩和である処理であるという動作理論である。金属とは異なり、アニーリングはアニールされた材料の強度を増加させる。アニーリングは、空気中、ガス中、酸素のない状態、水のない状態、例えば、窒素中、真空窒素中、アルゴン下、酸素捕捉剤使用、などのうちの1つ以上の中で行ってもよい。例えば、脱水したPVAナノ多孔質材料をアニールする実験が行われた。アニーリングは、PVA網目構造の結晶性を高め、PVA網目構造の孔サイズを更に小さくし、最終的なゲル表面の吸着特性を低下させるために利用される。アニーリングは、例えば100~200℃の範囲の温度で行ってもよく、好ましい実施形態では、この工程は、脱水したゲルを鉱油の浴に沈めて行われる。多孔質固体へのポリマーのバルク的取り込みはまた、多孔質固体について既に前述したようなアニーリング工程を含んでもよい。アニーリングは、脱溶媒した多孔質固体を、バルク的に取り込むべきポリマーを有する混合物に曝露した後に行ってもよい。材料のTgは、残留溶媒の含有量および/またはバルク的に取り込まれた第2の親水性ポリマーの存在に依存して、上昇または低下してもよい。既に説明したように、アニール処理条件は、従って、基板の温度、時間、ランプ速度、および冷却速度に依存するように適合させることができる。
【0328】
アニーリングは、周囲圧力、上昇圧力、または低(真空)圧力の気体または液体中で行われてもよい。液体は、低分子量ポリマー(2000Da以下)または他の材料(例えば、鉱油)であってもよい。低分子量ポリマーの例としては、500Da未満のシリコーンオイル、グリセリン、ポリオール、およびポリエチレングリコールが挙げられる。有用な実施形態は、例えば140℃のグリセリンの浴中で1~3時間アニールすることであり、グリセリンは、PVA網目構造の遊離ヒドロキシル末端基の相互作用および中和により、ゲルの汚染性を更に低下させるように作用する。アニールされたナノ多孔質材料は冷却され、アニール浴から取り出され、一連の長い浸漬を用いて浴媒体なしに洗浄される。その後、製品を脱水し、最終的な滅菌に備える。
【0329】
様々なタイプのダイが使用されてもよく、例えば、縦型、傾斜型(angular)、横型およびスパイラル型の押出ヘッド、並びに単一のポリマーを押し出すために使用される単一ポリマー押出ヘッドおよび複数のポリマー層または他の層の同時押出のために使用される多層押出ヘッドが使用されてもよい。また、循環式だけでなく、連続式のヘッドを使用してもよい。様々な材料、例えば、補強材料、繊維、ワイヤ、編組材料、編組ワイヤ、編組プラスチックなどが、層に、または層として組み込まれてもよい。同様に、そのような材料は除外されてもよい。更に、多孔質固体は、既知であり、従って、様々な他の材料を除いて測定可能である特定の特性、例えば、ヤング率、引張強度、固形分、ポリマー組成、多孔質構造、または溶媒含有量を有してもよい。従って、実施形態は、様々な他の組み込まれた材料に関係なく、材料の特性の観点から説明される、本明細書中に開示された材料を含む。例えば、ナノ多孔質固体は、たとえ材料が更なる強度を寄与する補強ワイヤを有する場合であっても、既知のある一定のヤング率を有する。
【0330】
コアは、押出成形用ダイとともに使用してもよい。コアは、空気、水、液体、固体、非溶媒、または気体であってもよい。本開示を読む当業者は、これらの様々な種類のコアを使用する様々な押出方法が使用されてもよいことを理解する。ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)チューブで作られたコアが有用である。いくつかの実施形態では、コアはワイヤである。
【0331】
マルチ管腔チューブは、そのプロファイルを通る複数のチャネルを有する。これらの押出物は、デバイスの設計に合わせたカスタム設計が可能である。マルチ管腔チューブは、可変の外径(OD)、多数のカスタム内径(ID)、および様々な壁厚を有する。このチューブは、円形、楕円形、三角形、四角形、半円形、三日月形などの、様々な形状で提供されている。これらの管腔は、ガイドワイヤ、流体、気体、ワイヤなど、様々な用途に使用することが可能である。マルチ管腔チューブの管腔の数は、ODの大きさによってのみ制限される。いくつかの実施形態では、ODは0.5インチと大きく、IDは0.002インチと小さく、ウェブおよび壁の厚さは0.002インチと薄くすることができる。厳しい公差を±.0005インチまで維持することが可能である。当業者は、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図され、例えば、ODおよび/またはIDの上限または下限として、0.002、0.003、0.004、0.007、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、および0.5インチのいずれかが利用可能であることを直ちに理解する。公差は、例えば0.0005~0.1インチであってもよい。当業者であれば、明示された境界の間のすべての範囲および値が企図され、例えば、0.0005、0.001、0.002、0.003、0.006、0.01、0.02、0.03、0.06、0.8、0.9、1インチのいずれかが上限または下限として利用可能であることを直ちに理解する。
【0332】
編組(またはブレード)強化チューブは、様々な構成で形成することが可能である。例えば、0.001インチの丸線または平線、片端線または両端線を用いて編組することが可能である。ステンレス鋼、ベリリウム銅、銀、モノフィラメントポリマーなど、様々な材料で編組強化チューブを形成することが可能である。編組は、ナイロンまたはポリウレタンなどの多くの熱可塑性基材の上に、1インチあたり様々な打ち込み本数(picks)で巻き付けることが可能である。編組カテーテルシャフトの利点は、高いトルク性能と耐キンク性である。また、編組工程でいくつかの要素を変更することにより、要求性能に合わせるためにチューブの特性を変更することが可能である。編組の完成後、編組を包み込み、滑らかに仕上げるために、編組チューブの上に二次押出し加工を施してもよい。編組強化チューブの場合、0.007インチの薄肉化が可能である。
【0333】
ナノ多孔質材料、マイクロ多孔質材料、および強力なヒドロゲルのような多孔質固体は、カテーテルまたは医療用繊維を形成するために使用されてもよい。これらは、バルク的に取り込まれるポリマーで形成されてもよく、それに関して記載された様々な特徴を有していてもよい。カテーテルの例としては、中心静脈カテーテル、末梢中心カテーテル、ミッドライン・カテーテル、末梢カテーテル、トンネル型カテーテル、透析アクセスカテーテル、導尿カテーテル、神経カテーテル、腹膜カテーテル、大動脈内バルーンポンプカテーテル、診断カテーテル、介入カテーテル、薬物送達カテーテル、シャント、創傷ドレーン(心室、心室腹膜、腰腹膜などの外部ドレーン)、注入ポートなどが挙げられる。多孔質固体は、完全埋め込み型および経皮的に埋め込まれた、永久的または一時的なものを含む埋め込み型デバイスを作るために使用されてもよい。多孔質固体材料は、血液接触デバイスまたは体液に接触するデバイス(ex vivoおよび/またはin vivoデバイスを含み、血液接触インプラントを含む)を作るために使用されてもよい。そのようなデバイスの例には、薬物送達デバイス(例えば、インスリンポンプ)、チューブ、避妊具、女性用衛生デバイス、内視鏡、グラフト(小径<6mmを含む)、ペースメーカー、植込み型心臓除細動器、心臓再同期デバイス、心血管デバイスリード、心室補助デバイス、カテーテル(人工内耳、気管内チューブ、気管切開チューブ、薬物送達ポートおよびチューブ、埋め込み型センサ(血管内、経皮、頭蓋内)、人工呼吸器ポンプ、薬物送達システムなどの眼科デバイスが挙げられる。カテーテルは、他のデバイスと協働するためのファスナー、例えばルアーファスナーまたは継手を有する管状ナノ多孔質材料を含んでもよい。放射線不透過剤を、材料、繊維、またはデバイスに添加してもよい。放射線不透過剤という用語は、材料に放射線不透過性を付与するために医療デバイス産業で一般的に使用される薬剤を指し、例えば、硫酸バリウム、ビスマス、またはタングステンが挙げられる。RO剤(放射線不透過剤)は、例えば、全固形分重量の5~50w/w%、例えば、5、10、20、30、40、または50%で導入されてもよい。
【0334】
多孔質固体材料を用いた医療用繊維には、縫合糸、糸、医療用織物、編組、メッシュ、織編メッシュ、不織布、およびそれらを用いたデバイスなどの用途がある。この繊維は、強度が高く、しなやかである。材料は、疲労および摩耗に対して耐性があるように、これらの繊維を用いて製造されてもよい。
【0335】
例示的な実施形態では、方法は、被験者の外部オリフィスに、水溶性ポリマーを含み、3:1以上のアスペクト比を有するポリマー材料を投与することを含み、ここで、物品の投与は、シースイントロデューサの使用を含んでいない。ポリマー材料は、実質的に非血栓形成性であり、ポリマー材料は、脱水状態で5w/w%未満かつ0.1w/w%以上の含水量を有し、ポリマー材料は、60分以下で脱水状態から平衡含水量状態まで、5w/w%以上かつ50w/w%以下の量で膨潤するように構成されている。
【実施例
【0336】
実施例1
蒸留水200gを95℃のジャケット付き反応容器に入れ、加温してPVA押出成形体の試料を作成した。これに、40gのPVA(Sigma社製、146k~186k)を、200RPMで混合しながら5分間の時間をかけて添加した。ポリマーを300RPMで1.5時間混合した。ポリマーを90℃で2時間未満脱気した。ポリマーは次に-23℃のエタノール中に押し出され、そしてエタノール中、-25℃の冷凍庫中で24時間保存された。試料を6時間乾燥させた。
【0337】
乾燥後、試料を120℃のグリセロールに17時間浸漬した。アニーリング後、試料を取り出し、冷却してからエタノールで濯ぎ、濯いだ後、コアを除去した。試料は50℃で12時間乾燥させた。
【0338】
硫酸バリウムを含むPVAの試料は、水50gをジャケット付き反応容器で90℃に加熱して作製した。側面の容器に硫酸バリウム4gと水50gを入れ、11kRPMで15分間ホモジナイズした後、ジャケット付き容器に加えた。これを10分間撹拌して加熱した。加熱後、16gのPVA(Sigma社製、146k~186k)を加え、360RPMで約2時間混合した。
【0339】
PVA‐ROポリマー混合物を90℃に加熱し、-16℃のエタノール中に押し出した。この押出し物を-25℃で24時間脱水させた。コアを除去し、試料を50℃のインキュベーター内で約6時間乾燥させた。乾燥後、試料を120℃のグリセロール(Sigma社)中に17時間浸漬させた。アニーリング後、試料を取り出し、冷却した後、蒸留水で洗浄した。試料は50℃で12時間乾燥させ、試験用に包装した。
【0340】
試料は、Thrombodyne社(ユタ州、Salt Lake City)で非血栓性耐久性試験について評価された。各試料は、15cmの長さに切断し、1試料グループあたりN=5とした。試験前に、試料は12時間のエチレンオキシド処理により滅菌した。試料は、臨床使用を想定して、蒸留水で約48時間の水圧試験を行った。
【0341】
111インジウム標識血小板を含むヘパリン処理した牛の新鮮な血液を、試験試料と対照試料の評価用に分割した。試料は、内径0.25インチのポリ塩化ビニルチューブのin vitro血流ループに約120分間挿入した。血液は98℃に保たれ、試験の間、蠕動ポンプを用いて血液ループに送り込まれた。試料は最初、血流ループ内で45分後に血栓の有無を確認し、120分後に取り出した。実験終了時には、デバイスをチューブから取り外し、生理食塩水で洗浄し、血栓の定量化のためにガンマカウンターに入れた。実験パラメータを表1に示す。各実験は、クロスオーバー効果なしに同時比較ができるように、同じ動物からの試験試料および/または対照試料の循環血液ごとに独立したフローシステムで構成されていた。
【0342】
試料は放射能を測定し、また特定のタイプの血栓蓄積(即ち、接着またはフィブリン蓄積)について定性的に評価した。血栓率は、血液を循環させた動物ごとのすべての試験群および対照群で観察された平均的な総血栓率と比較して算出した。
【0343】
更なる定義
「医学的に許容される」とは、汚染物質を含まないように高度に精製された、毒性のない材料を意味する。本質的に構成されている」とは、生体材料または医療機器の文脈で使用される用語で、他の材料または構成要素が3%(w/w)以下の材料または機器を指し、当該3%が機器を意図された医療用途に適さないものにしないことを意味する。平衡含水率(EWC)とは、材料の湿潤重量が一定になったときの、材料が劣化する前の含水率のことである。一般に、固形分の多い材料は、24~48時間で平衡含水率になることが確認されている。EWCの測定には、特に指定のない限り、蒸留水を使用する。
【0344】
w/vという用語は、体積あたりの重量、例えば、g/Lまたはmg/mLを意味する。バイオマテリアルおよびバイオメディカルマテリアルという用語は、本明細書中で互換的に使用され、例えば、インプラント、カテーテル、血液と接触する材料、組織と接触する材料、診断アッセイ、医療キット、組織試料処理、または他の医療目的としてのバイオメディカルアートでの使用に向けられた生物学的に許容される材料を包含する。更に、バイオメディカル用途に適した材料ではあるが、それに限定されるものではなく、汎用的な材料として作成することも可能である。生理的食塩水とは、37℃でのpHが7~7.4、ヒトの生理的浸透圧を有するリン酸緩衝液のことを指す。
【0345】
分子量(MW)とは、g/molで測定される。ポリマーのMWは、特に断らない限り、重量平均のMWを指す。ポリマーが多孔質固体の一部である場合、MWという用語は、架橋される前のポリマーを指す。架橋間の距離が指定されている場合は、特に断りのない限り、架橋間の重量平均MWである。kは千、Mは万、Gは億の略語で、50kMWは50,000MWを意味する。ダルトンはMWの単位でもあり、同様にポリマーに使用する場合は重量平均を意味する。
【0346】
本明細書中で言及されている出版物、雑誌論文、特許および特許出願は、あらゆる目的のために本明細書中に援用されており、矛盾が生じた場合は本明細書中が優先される。本明細書中に記載されている実施形態の特徴は、動作可能な方法または製品を作る必要性に導かれるように、混合して組み合わせることができる。
【0347】
本明細書中では、「治療剤」または「薬剤」とも呼ばれる用語は、疾患、障害、またはその他の臨床的に認められた状態を治療するために、または予防目的で対象に投与され、対象の身体に臨床的に有意な影響を与えて疾患、障害、または状態を治療および/または予防する薬剤を指す。
【0348】
本明細書中では、ある構成要素が他の構成要素に「隣接」していると呼ばれる場合、その構成要素に直接隣接している(例えば、接触している)場合もあれば、1つ以上の介在する構成要素も存在する場合もある。他の構成要素に「直接隣接」している構成要素とは、介在する構成要素が存在しないことを意味する。被験者
【0349】
「対象(subject)」とは、哺乳類(例えば、ヒト)などの任意の動物を指す。対象の非限定的な例としては、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコ、またはマウス、ラット、ハムスター、鳥、魚、モルモットなどの齧歯類が挙げられる。一般に、本発明は、ヒトでの使用に向けられている。いくつかの実施形態では、対象は、例えば、自己整復物品の投与時に、健康上の利点を示すことができる。
【0350】
本明細書中では、「流体」は、通常の意味、即ち、液体または気体である。流体は、定義された形状を維持することができず、観察可能な時間枠の間に流れて、それが入れられた容器を充填する。したがって、流体は、流れを可能にする任意の好適な粘度を有することができる。2つ以上の流体が存在する場合、各流体は、本質的にあらゆる流体(液体、気体など)の中から当業者が独立して選択することができる。
【0351】
本発明のいくつかの態様が本明細書中に記載および例示されたが、当業者は、機能を実行し、および/または結果および/または本明細書中で前述の1つ以上の利点を得るための様々な他の手段および/または構造体を容易に予測し、そのような変形および/または改良はそれぞれ、本発明の範囲内であるとみなされる。より一般的に、当業者は、本明細書中に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示であることを意味することを容易に理解し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は、そのために本発明の教示が用いられる特定の用途に依存することを容易に理解する。当業者は、日常的な実験のみを用いて、本明細書中に記載された本発明のいくらかの態様に対する多くの同等物を認識し、または確認することができる。従って、本明細書中で前述の態様は、例示のためだけに示され、かつ添付の特許請求の範囲およびその同等物の範囲内で、本発明は、具体的に説明され、特許請求の範囲に記載された以外の方法で実施することができると理解されるべきである。本発明は、本明細書中に記載された、個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。また、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに矛盾しない場合には、本発明の範囲内に包含されている。
【0352】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、不定冠詞「a」および「an」は、明確に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると解されるべきである。
【0353】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、句「および/または」は、結合した要素、即ち、ある場合には結合して存在し、他方で分離して存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると解されるべきである。明確に示されない限り、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかまたは関連しないかを、「および/または」の文節によって具体的に識別された要素以外に、他の要素が任意に存在してもよい。従って、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」は、「~を含む」などのオープンエンドの語と合わせて使用される場合、1つの態様において、BなしのA(任意にB以外の要素を含む)、別の態様において、AなしのB(任意にA以外の要素を含む)、更に別の態様において、AおよびBの両方(任意に他の要素を含む)、などを意味する。
【0354】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、「または」は、上記定義した「および/または」と同じ意味を有すると解されるべきである。例えば、1つのリスト中の項目を分離する場合、「または」または「および/または」は包括的である、即ち、
多くの要素または要素のリストの、1つより多いも含む少なくとも1つ、任意に、リストに挙げられていない更なる項目を含むと解釈されるべきである。明確に示されている項目のみ、例えば、「~の内の1つのみ」または「~の内の正確に1つ」、或いは特許請求の範囲において使用される場合の「~から成る」は、多くの要素または要素のリストの内の正確に1つを含むことを意味する。一般的に、本明細書中で用いられる用語「または」は、「どちらか」、「~の内の1つ」、「~の内の1つのみ」または「~の内の正確に1つ」などの排他性を有する用語が先行する場合、排他的選択肢(即ち、「一方、または両方でない他方」)を示すものとして解釈されるのみである。特許請求の範囲において使用される場合の「本質的に~から成る」は、特許法の分野で使用されるようなその通常の意味を有する。
【0355】
明細書中および特許請求の範囲において使用されるように、1つ以上の要素の1つのリストに関する語句「少なくとも1つ」は、要素のリスト中の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると解されるべきであるが、要素のリスト内に具体的に挙げられたそれぞれの要素の少なくとも1つを必ずしも含んでおらず、かつ要素のリスト中の要素どうしの組み合わせを必ずしも除外しない。この定義はまた、語句「少なくとも1つ」が、具体的に識別されたそれらの要素に関連するかまたは関連しないかを意味する要素のリスト内で具体的に識別された要素以外に、要素が任意に存在してもよいことを可能にする。従って、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、或いは同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、1つの態様において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Bが存在しないA(任意にB以外の要素を含む)、別の態様において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Aが存在しないB(任意にA以外の要素を含む)、更に別の態様において、任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、Aおよび任意に1つより多いことを含む少なくとも1つ、B(任意に他の要素を含む)、などを意味することができる。
【0356】
明細書中と同様に特許請求の範囲において、このような「~を含有する(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含有する(containing)」、「~を含む(involving)」、「~を含む(holding)」などのすべての移行句は、オープンエンドである、即ち、それらに限定されないが含むことを意味すると解される。移行句「~から成る」および「本質的に~から成る」だけは、「United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures,Section 2111.03」に記載されているように、それぞれクローズまたはセミクローズな移行句である。
【0357】
本明細書中で使用される用語は、例えば、1つ以上のデバイス、構造、力、場、流れ、方向/軌道、および/またはそれらの副構成要素、および/またはそれらの組み合わせ、および/またはこのような用語によって特徴付けられる上記に記載されていないその他の有形または無形の要素の、形状、向き、整列、および/または幾何学的な関係に関連するものである。別段の定義または指示がない限り、このような用語の数学的定義への絶対的な適合を要求するものではなく、むしろ、このような要件に最も近い技術分野の当業者によって理解されるような、特徴付けられた要件に対して可能な範囲で、このような用語の数学的定義に適合することを示すものと理解される。形状、方向、および/または幾何学的関係に関連する用語の例としては、以下を説明する用語が含まれるが、これらに限定されるものではない:形状‐例えば、円形、正方形、ゴムボック、円形/円、長方形/長方形、三角形/三角、円筒/円柱、楕円/楕円、(n)多角形/(n)多角形体など、角度方向‐例えば、垂直、直交、平行、垂直、水平、共線など、輪郭および/または軌道‐例えば、垂直、直交、平行、垂直、水平、共線、など。輪郭および/または軌跡(平面、共平面、半球、半半球、線、直線、双曲線、放物線、平面、曲線、直線、弧状、正弦波、接線/接線など)、方位(北、南、東、西など)。表面および/またはバルク材料の特性および/または空間/時間分解能および/または分布(平滑、反射、透明、クリア、不透明、剛性、不浸透性、均一性、不活性、非濡れ性、不溶性、安定性、不変性、一定、均質など)、並びに関連技術の当業者には明らかである他の多くのものがある。1つの例として、本明細書中で「正方形」であると記載されている製造デバイスは、そのようなデバイスが完全な平面または直線であり、正確に90度の角度で交差する面または側面を有することを必要とせず(実際、そのようなデバイスは数学的抽象としてのみ存在し得る)、むしろ、そのようなデバイスの形状は、当業者が理解するように、または具体的に記載されているように、記載されている製造技術に対して典型的に達成可能かつ達成される範囲で、数学的に定義されているように「正方形」に近似していると解されるべきである。別の例として、本明細書中で「整列している」と記載されている2つ以上の製造デバイスは、完全に整列した面または側面を有する必要はなく(実際、そのようなデバイスは数学的抽象としてしか存在しない)、むしろ、そのようなデバイスの配置は、当業者が理解するような、または具体的に記載されているような、記載されている製造技術において典型的に達成可能な範囲で、数学的に定義されているように「整列している」と近似していると解されるべきである。
【符号の説明】
【0358】
10 … システム
20、1720 … ポリマー材料
29 … 可塑剤
40、1740 … 水溶性ポリマー
99 … 機能的要素
100 … デバイス
101、110 … 導管
101’ … S字形導管
102 … 壁
103、303 … 近位端
104 … 近位部分
106 … 管腔
108 … 遠位部分
109 … 遠位端
110A … 第1の構成
110B … 第2の構成
112 … マーキング
113 … マーキング間の平均最短距離
120 … コネクタ
122 … バンド
160 … 縫合ウイング(翼)
180 … パッケージ
200 … クランプ
210 … 付勢アセンブリ
214 … アーム
215 … 軸
220、240 … 細長部材
223、243 … 第1の部分
224、244 … 内面
225、245 … 中間部分
226、246 … 凹部
227、247 … 第2の部分
228、248 … キャビティ
248 … 空洞
260、306 … 管腔
300 … 水和デバイス
301 … オーバーチューブ
301 … ポート
340 … リストリクタ
360 … 流体リザーバ
365 … 流体
407 … ポロキサマー
500 … 押出機
502 … 押出機ダイヘッド
504 … オーガー
506 … スクリュー
604 … 管抜取器
606 … トラフ
608 … フィラメント
610 … 空気刃
612 … アルコール浴
614 … マンドレル
616 … マーキングデバイス(レーザ)
617 … インク
618 … 浸漬チャンバ
620 … オーブン
622 … ラック
635 … 界面活性剤溶液
640 … チャンバ
650 … 延伸機(デバイス)
660 … 成形機
661 … ピン
665 … オーバーモールド材料
670 … ティッパー
670 … ティッパー
999 … 機能的デバイス
1710、1712 … 物品
1725 … 中空コア
1745 … コーティング
2000 … 方法
2010 … 工程
3310 … 第1の構成要素
3320 … 第2の構成要素
3330 … 第1の熱可塑性層
3340 … 第2の熱可塑性層
3350 … 表面特徴
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
【国際調査報告】