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特表2023-533570自動車の電気エネルギー貯蔵装置用の熱伝導装置
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  • 特表-自動車の電気エネルギー貯蔵装置用の熱伝導装置 図1
  • 特表-自動車の電気エネルギー貯蔵装置用の熱伝導装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-03
(54)【発明の名称】自動車の電気エネルギー貯蔵装置用の熱伝導装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20230727BHJP
   B60K 11/00 20060101ALI20230727BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20230727BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
B60K11/00
B60K1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501558
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2021068629
(87)【国際公開番号】W WO2022017776
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】102020004354.2
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100098110
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 みどり
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーアス・シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】ドメニコ・ロマノ
【テーマコード(参考)】
3D038
3D235
5H040
【Fターム(参考)】
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC22
3D235AA01
3D235BB36
3D235BB45
3D235CC14
3D235HH42
3D235HH44
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
(57)【要約】
本発明は、少なくとも部分的に電気で動作する自動車(12)の電気エネルギー貯蔵装置(10)用の熱伝導装置(14)に関し、電気エネルギー貯蔵装置(10)の少なくとも1つの電池セル(18)と接触するために、かつ少なくとも1つの電池セル(18)の熱(Wy)を放散するために形成されている、少なくとも1つの熱伝導要素(16)と、少なくとも1つの電池セル(18)と少なくとも1つの熱伝導要素(16)との間に所定のばね力を加えるために形成されている、少なくとも1つのばね要素(20)と、を備え、熱伝導要素(16)は、熱伝導装置(14)の保持装置(24)に回転可能に配置され、ばね要素(20)は、熱伝導要素(16)の回転運動(26)が緩和されるように、熱伝導要素(16)及び/又は保持装置(24)に配置されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に電気で動作する自動車(12)の電気エネルギー貯蔵装置(10)用の熱伝導装置(14)であって、前記電気エネルギー貯蔵装置(10)の少なくとも1つの電池セル(18)と接触するために、かつ前記少なくとも1つの電池セル(18)の熱(Wy)を放散するために形成されている、少なくとも1つの熱伝導要素(16)と、前記少なくとも1つの電池セル(18)と前記少なくとも1つの熱伝導要素(16)との間に所定のばね力を加えるために形成されている、少なくとも1つのばね要素(20)と、を備える、熱伝導装置(14)において、
前記熱伝導要素(16)は、前記熱伝導装置(14)の保持装置(24)に回転可能に配置され、前記ばね要素(20)は、前記熱伝導要素(16)の回転運動(26)が緩和されるように、前記熱伝導要素(16)及び/又は前記保持装置(24)に配置されている、熱伝導装置(14)。
【請求項2】
前記熱伝導要素(16)は、アルミニウムから形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項3】
前記保持装置(24)は、プラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項4】
前記保持装置(24)は、プラスチック射出成形部品であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項5】
前記熱伝導要素(16)は、前記熱伝導要素(16)の断面で見たときにS字形であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項6】
前記熱伝導装置(14)は、それぞれ回転可能に取り付けられた複数の熱伝導要素(16)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項7】
それぞれ回転可能に取り付けられた前記複数の熱伝導要素(16)は、層状に配置されていることを特徴とする、請求項6に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項8】
前記ばね要素(20)は、プラスチックから形成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項9】
前記ばね要素(20)は、板ばねとして形成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の熱伝導装置(14)。
【請求項10】
前記熱伝導要素(16)及び/又は前記保持装置(24)に、それぞれ2つのばね要素(20)が配置されていることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の熱伝導装置(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、少なくとも部分的に電気で動作する自動車の電気エネルギー貯蔵装置用の熱伝導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術から、電気エネルギー貯蔵装置を冷却するために、例えば、高電圧エネルギー貯蔵装置に熱伝導性ペースト又は熱伝導性流延材料を使用して、自動車の電気エネルギー貯蔵装置の冷却システムとの熱接触を達成することが既に公知である。特に、熱伝導性コンパウンドは、非常に高価で重量がある。更に、熱伝導性コンパウンドの塗布プロセスは、連続プロセスにおいて制御することが困難であり、塗布時に空気の巻き込みが発生し、走行モード時に問題を引き起こす危険性のおそれがある。更に、接着効果のため、電池ブロックを取り外して元に戻すには、かなりの手間が必要となる。更に、熱伝導性コンパウンド又は熱伝導性流延材料は、条件付きでのみリサイクル可能である。
【0003】
特許文献1は、電池の温度制御のために電池ハウジング内に配置された熱伝導プレートを備えた電池であって、電気的に並列及び/又は直列に互いに接続された複数の単一セルが熱伝導プレートと熱伝導的に接続されている、電池に関する。電池は、特に、ばね要素を特徴とし、ばね要素は、単一セルを所定の方法で熱伝導プレートに押し付け可能である。
【0004】
特許文献2は、電池の温度制御のために電池ハウジング上に配置された熱伝導プレートを有する電池であって、セル接続回路基板を使用して電気的に並列及び/又は直列に互いに接続された複数の単一セルが熱伝導プレートと熱伝導的に接続されており、単一セルを所定の方法で熱伝導プレートに押し付け可能な少なくとも1つのばね要素が設けられている、電池に関する。セル接続回路基板上又は金属板上に、1つ以上のプレストレス要素が、ばね要素にプレストレスを与えて固定するために配置されている。
【0005】
特許文献3は、冷却器を電池に押し付けるための装置であって、冷却器が熱エネルギーを吸収又は放出するための少なくとも1つの冷却面を有し、電池が冷却器の冷却面に接触するための少なくとも1つの接触面を有する、装置に関する。その装置は、少なくとも1つのばね弾性押圧要素を備えた押圧部品を、電池とは反対側の冷却器の面の部分領域に押圧力を伝達するために有する。更に、その装置は、押圧部品を電池に取り付けるための取付装置を有し、取付装置は、冷却器が電池に配置され、取付装置が電池に取り付けられているときに、押圧力に対抗する向きに取付力を生じるように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2008 010 839 A1
【特許文献2】DE 10 2008 034 876 A1
【特許文献3】DE 10 2011 003 538 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、電気エネルギー貯蔵装置から冷却装置への熱の改善された放散を実現できる熱伝導装置を作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本課題は、独立請求項に記載の熱伝導装置によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明の一態様は、少なくとも部分的に電気で動作する自動車の電気エネルギー貯蔵装置用の熱伝導装置であって、電気エネルギー貯蔵装置の少なくとも1つの電池セルと接触するために、かつ少なくとも1つの電池セルの熱を放散するために形成されている、少なくとも1つの熱伝導要素と、少なくとも1つの電池セルと少なくとも1つの熱伝導要素との間に所定のばね力を加えるために形成されている、少なくとも1つのばね要素と、を備える、熱伝導装置に関する。
【0010】
熱伝導要素は、熱伝導装置の保持装置に回転可能に配置され、ばね要素は、熱伝導要素の回転運動が緩和されるように、熱伝導要素及び/又は保持装置に配置されていることが企図されている。
【0011】
これにより、少なくとも1つの電池セルから冷却装置への改善された熱放散を実現し得ることが可能となる。特に、熱伝導要素だけではなく保持装置もまた非常に安価に製造可能である。更に、熱伝導プレートは、自動車又は電気エネルギー貯蔵装置に非常に簡単に設置する又は取り外すことができる。更に、非常に単純で分解が容易な電池構成を実現することができ、それにより、特にまた、電池構成は、安価であり、リサイクル性も良好である。更に、特に、先行技術から公知の従来の熱伝導ペーストと比較して、軽量化を実現することができる。
【0012】
特に、熱伝導要素が、電気エネルギー貯蔵装置のハウジングと、特に、ハウジングのハウジング壁と接触しているように設けることができる。換言すれば、熱伝導要素は、一方の側で少なくとも1つの電池セルと接触し、他方の側で熱を放散するためにハウジングと接触することができる。したがって、熱伝導経路は、少なくとも1つの電池セルから熱伝導要素を介してハウジングまで実現することができる。その場合には特に、ハウジング側に電気エネルギー貯蔵装置の冷却装置が形成されているため、熱を更に放散することができる。冷却装置は、例えば、流体式であり得る。
【0013】
更に、電気エネルギー貯蔵装置が、複数の電池セル及び/又は電池モジュールを有し、熱伝導装置が、複数の電池セル及び/又は電池モジュールの熱を放散するように形成されていることを企図することができる。
【0014】
特に、熱伝導装置は更に、電気エネルギー貯蔵装置の下側に、特に、下側ハウジング壁に形成されている。
【0015】
有利な実施形態によれば、熱伝導要素は、アルミニウムから形成されている。特に、アルミニウムは、熱の良導体であるため、電池セルの熱をより良好に放散することができる。更に、アルミニウムは、非常に軽量であるため、熱伝導装置は、軽量化して提供することができる。
【0016】
更に、保持装置がプラスチックから形成されている場合、有利であることが判明した。したがって、特に、製造が容易な保持装置を提供することができる。更に、プラスチックは、耐摩耗性であり、例えば、プラスチックは、導電性ではないため、特に、電気エネルギー貯蔵装置内に設置するのに適している。更に、プラスチックは、軽量であるため、熱伝導装置は、軽量化して形成されている。
【0017】
更に有利な実施形態では、保持装置は、プラスチック射出成形部品である。これにより、保持装置を簡単な方法で射出成形し得ることが可能となる。したがって、保持装置は、わずかな製造の手間で射出成形ツールで製造することができる。
【0018】
更に、熱伝導要素が、熱伝導要素の断面で見たときにS字形に形成されている場合に有利である。特に、例えば、S字形の上側脚部を1つの電池セルに連結することができる。特に、S字形の更なる脚部、特に、S字形の下側脚部をハウジングに連結することができる。S字形により、最も簡単な方法で少なくとも1つの電池セルとハウジングとの間で熱的連結を生成し得ることが可能となる。更に、S字形は、支点を中心として容易に回転可能であるため、回転を容易に実行することができる。
【0019】
更に、熱伝導装置が、それぞれ回転可能に取り付けられた複数の熱伝導要素を有する場合、有利であることが判明した。特に、これにより、取り付けられた複数の熱伝導要素に基づいて、熱伝導装置の良好な熱伝導率を実現することが可能となる。したがって、少なくとも1つの電池セルの熱は、改善されて放散することができる。
【0020】
更に、それぞれが回転可能に取り付けられた複数の熱伝導要素が層状に配置されている場合、有利であることが判明した。その場合、特に、熱伝導要素は、S字形に形成することができる。S字形により、容易な積層を実現することができる。これは、特に、熱的な熱伝導要素を層状に配置することができ、それにより、熱伝達要素、特に熱伝導要素の数を大幅に増やすことができるという利点を有する。したがって、電気的な電池セルの改善された熱放散を実現することができる。したがって、特に、熱伝導要素はそれぞれ、少なくとも部分的に重なり合う。
【0021】
更に、ばね要素がプラスチックから形成されている場合、有利であることが判明した。したがって、特に、ばね要素の簡単かつ軽量化された変形形態を提供することができる。特に、ばね要素は、非常に容易に製造可能であり、かつ容易に設置可能である。
【0022】
更に、ばね要素が板ばねとして形成されている場合に有利である。その場合、特に、ばね要素は、熱伝導要素に少なくとも部分的に接触する。板ばねにより、単純なばね作用を生じることができる。
【0023】
更なる有利な実施形態では、熱伝導要素にそれぞれ2つのばね要素が配置されている。例えば、熱伝導要素のS字形実施形態では、一方のばね要素は、S字形の上側脚部に接触し、もう一方のばね要素は、S字形の下側脚部に接触することができる。特に、ばね要素は、保持装置で支持することができるため、ばね作用を実現することができる。
【0024】
本発明の更なる態様は、前述の態様に記載の熱伝導装置を備える電気エネルギー貯蔵装置に関する。電気エネルギー貯蔵装置は、特に、高電圧電池として形成されている。特に、電気エネルギー貯蔵装置は、少なくとも1つの電池セルを冷却するための冷却装置を有する。
【0025】
本発明のなお更なる態様は、前述の態様に記載の電気エネルギー貯蔵装置を備えた自動車に関する。自動車は、特に、少なくとも部分的に電動であり、特に、完全電動である。
【0026】
本発明の更なる利点、特徴、及び詳細は、好ましい実施例の以下の説明から、図面を参照して明らかとなる。上記の説明において挙げた特徴及び特徴組み合わせ、並びに以下で図面の説明で挙げる、及び/又は図に単独で示す特徴及び特徴の組み合わせは、それぞれ記載されている組み合わせでのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独でも使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】熱伝導装置の一実施形態を備える電気エネルギー貯蔵装置の一実施形態の概略側面図である。
図2】熱伝導装置の一実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図において、同一又は機能的に同一の要素には、同じ参照符号が付与されている。
【0029】
図1は、単に概略的に図示されている、少なくとも部分的に電気で動作する自動車12用の電気エネルギー貯蔵装置10の実施形態の概略側面図を示す。特に、自動車12はまた、完全に電気的に動作させることができる。
【0030】
更に、図1は、電気エネルギー貯蔵装置10用の熱伝導装置14を示す。熱伝導装置14は、少なくとも1つの熱伝導要素16、本明細書では、特に、3つの熱伝導要素16を有する。熱伝導要素16は、電気エネルギー貯蔵装置10の少なくとも1つの電池セル18と接触し、電池セル18の熱Wyを放散するために形成されている。特に、電気エネルギー貯蔵装置10が複数の電池セル18を有することを企図することができる。電池セル18は、例えば、角形電池セル18として形成することができる。したがって、電気エネルギー貯蔵装置10は、特に、高電圧電池として形成することができる。
【0031】
更に、熱伝導装置14は、少なくとも1つのばね要素20、本明細書では複数のばね要素20を有する。更に、それぞれの軸x、y、及びzによって、自動車12におけるそれぞれの設置方向が示されている。その場合、z軸は、特に、車両垂直方向を示し、y軸は、車両横方向を示し、x軸は、車両長手方向を示す。更に、電気エネルギー貯蔵装置10は、少なくとも1つの熱伝導要素16が接触しているハウジング壁22を有する。特に、ハウジング壁22は、更に電気エネルギー貯蔵装置12の冷却装置と接触することができ、それにより、生成された熱Wyは、電池セル18から熱伝導要素16を介してハウジング壁22に、更に冷却装置に放出することができる。ハウジング壁22は、特に、ハウジングの下方ハウジング壁22である。
【0032】
特に、熱伝導要素16は、熱伝導装置14の保持装置24に回転可能に配置され、ばね要素20は、熱伝導要素16の回転運動26が緩和されるように、熱伝導要素16に配置されていることが示されている。特に、熱伝導要素16は、支点28を中心として回転可能に取り付けることができる。
【0033】
特に、熱伝導要素16は、熱伝導要素16の断面で見たときにS字形に形成されていることを理解することができる。更に、図1は、熱伝導装置14が、それぞれ回転可能に取り付けられた複数の熱伝導要素16を有することを示す。
【0034】
更に、図1には、ばね要素20が特に板ばねとして設計されていることが示されており、更に、熱伝導要素16にそれぞれ2つのばね要素20が配置されていることが示されている。
【0035】
図2は、熱伝導装置14の更なる実施形態の概略斜視図である。その図では、特に、それぞれ回転可能に取り付けられた複数の熱伝導要素16が、層状に配置されていることが示されている。したがって、特に、熱伝導要素16はそれぞれ、少なくとも部分的に重なり合う。
【0036】
特に、熱伝導要素20がアルミニウムから形成されていることを企図することができる。保持装置24は、特に、プラスチックから形成することができ、特に、保持装置24は、プラスチック射出成形部品であり得る。ばね要素20は、特に、プラスチックから同様に形成することができる。
【0037】
したがって、特に、図2では、熱伝導要素20が個々の薄板として、特に、熱伝達要素として形成されていることを示し、熱伝達要素は、熱伝導に使用され、例えば、熱伝導材料から、例えば、アルミニウムなどから形成することができる。これらの熱伝導要素16は、例えば、同様にプラスチックから形成することができる保持装置24内に収容され、保持装置24は、熱伝導要素16を同時にばね弾性的に回転可能に取り付けている。
【0038】
これは、従来技術から公知の金属薄板と比較して、熱伝達要素を層状に配置することができ、したがって、熱伝達要素の数を大幅により多く選択することができるという利点を有する。更に、プラスチックばね、すなわち、ばね要素20は、保持装置24において比較的自由に配置することができ、それにより、低いばね定数もまた可能である。
【0039】
特に、これにより、熱伝導装置14又は電気エネルギー貯蔵装置10の部品を非常に安価に製造可能であることが可能となる。熱伝導プレートは、自動車12内又は電気エネルギー貯蔵装置10内に非常に簡単に設置し、かつ取り外すことができる。更に、非常に単純で分解が容易な電池構成を実現することができ、それにより、電池構成は、安価であり、リサイクル性も良好である。更に、特に、熱伝導要素20は、例えば、熱伝導ペーストよりも軽量であるため、構造重量を低減することができる。
【0040】
全体として、図は、HV電池で使用するための熱伝導プレートを示す。
【符号の説明】
【0041】
10 電気エネルギー貯蔵装置
12 自動車
14 熱伝導装置
16 熱伝導要素
18 電池セル
20 ばね要素
22 ハウジング壁
24 保持装置
26 回転運動
28 支点
x x軸
y y軸
z z軸
Wy 熱


図1
図2
【国際調査報告】