(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】慢性及び長期の鼻づまりを治療する方法、装置、及びキット
(51)【国際特許分類】
A61M 15/08 20060101AFI20230728BHJP
A61F 5/08 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
A61M15/08
A61F5/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022547836
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(85)【翻訳文提出日】2022-10-04
(86)【国際出願番号】 US2021016536
(87)【国際公開番号】W WO2021158736
(87)【国際公開日】2021-08-12
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523050449
【氏名又は名称】ホライズン アイピー テック エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】イェルーリ,ジョセフ ヴイ.
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB20
4C098BC08
4C098BD14
(57)【要約】
ヒト鼻腔の突発性及び慢性の鼻づまりを治療する方法が開示される。本発明は、うっ血除去薬鼻スプレー、生理食塩水鼻スプレー、及び鼻拡張器療法の使用を組み合わせ、うっ血のリバウンドを招くリスクは最小限である。当該方法は、うっ血のリバウンドを経験している患者に対する予防的療法としても退薬療法としても使用することができる。鼻拡張器、うっ血除去薬鼻スプレー、及び生理食塩水鼻スプレーは、キットの形で提供されており、それによって、ユーザは当該方法を実行することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻づまりを治療するためのキットであって、
薬剤的に不活性のスプレーミストを患者の鼻腔内に投与するための第1の鼻スプレー装置と、
測定量の薬剤的に活性のスプレーミストを前記患者の鼻腔内に投与するための第2の鼻スプレー装置と、
前記患者の鼻の外面に適用された場合に、前記患者の鼻腔の領域を広げるための複数の外鼻拡張器と、
を含み、
前記測定量の薬剤的に活性のスプレーミストは、有効量の交感神経刺激血管収縮剤を含む、キット。
【請求項2】
前記有効量の交感神経刺激血管収縮剤は、約1mcgから約15mcgの交感神経刺激血管収縮剤であり、
前記有効量の交感神経刺激血管収縮剤は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選ばれる、請求項15に記載のキット。
【請求項3】
前記薬剤的に不活性のスプレーミスト及び前記薬剤的に活性のスプレーミストは、単一の鼻スプレー装置内に組み合わされる、請求項15に記載のキット。
【請求項4】
本明細書において開示される方法に従って鼻づまりを治療するための前記第1の鼻スプレー装置、前記第2の鼻スプレー装置、及び前記複数の外鼻拡張器のうち1つの外鼻拡張器の使用を説明する指示ガイド
をさらに含み、
前記第1の鼻スプレー装置、前記第2の鼻スプレー装置、前記複数の外鼻拡張器、及び前記指示ガイドは全て容器に詰められている、請求項15に記載のキット。
【請求項5】
追加の第1の鼻スプレー装置、追加の第2の鼻スプレー装置、又は追加の複数の鼻拡張器のうち1つを有するリフィルパック
をさらに含み、
前記追加の第1の鼻スプレー装置、追加の第2の鼻スプレー装置、又は追加の複数の鼻拡張器は、前記容器内の同様の構成要素と替わるように構成されている、請求項18に記載のキット。
【請求項6】
前記第1の鼻スプレー装置及び前記第2の鼻スプレー装置は、組み合わされたマルチモードスプレー装置である、請求項15に記載のキット。
【請求項7】
外鼻拡張器の量は、前記第2の鼻スプレー装置から投与することができる測定量の前記薬剤的に活性のスプレーの数とほぼ等しい、請求項15に記載のキット。
【請求項8】
鼻づまりに苦しむ患者を治療する方法であって、
調節されていない量の薬剤的に不活性のスプレーミストを、患者の鼻の少なくとも一方の鼻孔開口部内に投与するステップ、次に、
所定の量の薬剤的に活性のスプレーミストを、前記患者の鼻の前記少なくとも一方の鼻孔開口部内に投与するステップ、
を含み、
前記薬剤的に不活性のスプレーミストは生理食塩水を含み、
前記薬剤的に活性のスプレーミストは有効量の交感神経刺激血管収縮剤を含む、方法。
【請求項9】
前記患者の鼻に鼻拡張器を適用するステップ
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記交感神経刺激血管収縮剤は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択され、
前記有効量は、約1mcgから約15mcgである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記交感神経刺激血管収縮剤は、約0.05%の濃度のオキシメタゾリンHClである、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記交感神経刺激血管収縮剤は、約0.005%から約0.025%の濃度のオキシメタゾリンHClである、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記交感神経刺激血管収縮剤は、約0.02%より低い濃度のオキシメタゾリンHClである、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
第1の投与動作の前、又は第1の投与動作と第2の投与動作との間に前記適用動作を行うステップ
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記鼻拡張器は、
鼻の第1の鼻腔及び第2の鼻腔を覆う皮膚表面に適用される外鼻拡張器であって、前記外鼻拡張器が適用されない同じ鼻腔と比較して、前記少なくとも一方の鼻孔開口部に対応する前記鼻腔の鼻腔体積、断面積、及びピーク鼻吸気流量が増加するように適用される外鼻拡張器、
前記少なくとも一方の鼻孔開口部内に少なくとも部分的に挿入される内鼻拡張器であって、前記鼻腔の外側壁に対して前記拡張器の両端部分を押し付けるバネ付勢要素を有する内鼻拡張器、又は
前記少なくとも一方の鼻孔開口部内に少なくとも実質的に挿入される内鼻拡張器であって、ステント様構成を有する内鼻拡張器、
を含む群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記調節されていない量は、少なくとも2倍、前記所定の量を超える、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記調節されていない量及び前記所定の量は、組み合わされたマルチファンクションスプレー装置から連続して投与される、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記調節されていない量及び前記所定の量は、単一のスプレー装置内に組み合わされる、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
鼻づまりを治療する方法であって、
制限されていない量の生理食塩水スプレーを鼻孔開口部に投与するステップ、次に、
所定の量の交感神経刺激血管収縮剤を含む計量された量のスプレーを前記鼻孔開口部に投与するステップ、次に、
約3分から約20分の間、休ませるステップ、
を含む方法。
【請求項20】
前記鼻孔開口部に隣接する鼻の表面に外鼻拡張器を適用するステップ
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記所定の量は、約1mcgから約15mcgであり、
前記交感神経刺激血管収縮剤は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択され、
前記制限されていない生理食塩水スプレーの量は、前記計量されたスプレーの量より少なくとも2倍多い、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
アトマイザであって、そのアクティベーションに応答してミスト噴煙として一定量の水溶液を送達するアトマイザと、
所定の量の前記水溶液を有するリザーバと、
を含む薬物投与装置であって、
前記一定量の水溶液は、30から120μlであり、
前記一定量の水溶液は、適した量の緩衝塩を有する約1.0から約3.0mcgの交感神経刺激血管収縮剤を含む、薬物投与装置。
【請求項23】
前記緩衝塩は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選ばれる、請求項22に記載の薬物投与装置。
【請求項24】
前記一定量の水溶液は、本質的に1.0から3.0mcgの交感神経刺激血管収縮剤から成り、前記緩衝塩は、15から60mcgの塩化ナトリウムである、請求項22に記載の薬物投与装置。
【請求項25】
前記一定量の水溶液は、本質的に約0.005%から約0.015%の濃度の交感神経刺激血管収縮剤から成り、前記緩衝塩は、約0.65%の濃度の塩化ナトリウムである、請求項22に記載の薬物投与装置。
【請求項26】
前記水溶液は、
殺菌薬と、
殺真菌薬と、
防腐剤と、
を含む群から選ばれる少なくとも1つの補助成分を含む、請求項22に記載の薬物投与装置。
【請求項27】
前記交感神経刺激血管収縮剤は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選ばれる、請求項22に記載の薬物投与装置。
【請求項28】
前記交感神経刺激血管収縮剤は、その塩酸塩の形で存在する、請求項27に記載の薬物投与装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張及び継続性
本願は、2020年2月6日に出願された米国仮特許出願第62/970,794号の優先権を主張する国際PCT特許出願である。
【0002】
本発明は、ヒト鼻腔の鼻づまりに関する。鼻づまりは鼻腔の閉塞であり、鼻閉塞、鼻道閉塞、鼻閉、鼻詰まり、詰まった鼻としても知られている。鼻づまりは通常、血管の炎症由来の腫れた鼻粘膜によるものである。
【背景技術】
【0003】
鼻づまりは、病的なもの(例えば、感染症若しくは鼻炎等)又は自然なものがあり得る。後者は、例えば、鼻中隔彎曲症若しくはネーザルサイクル(自律神経系によって制御される鼻甲介(nasal conchae or turbinates)のうっ血とうっ血除去とが交互に起こる結果)を指すか、又は(夜間に就寝する際に見られるような)座位から仰臥位への姿勢変更に伴って生じる、文書による裏づけが十分にある鼻道(nasal airway)抵抗の変化を指す。寝転んだときの鼻道閉塞の感覚は、日常のENTケアにおける患者による一般的な経験である。座位から仰臥位への姿勢変更の影響は、健常者と鼻炎の症状を有する対象との両方において、鼻の断面積及び体積の減少をもたらす(非特許文献1)。ネーザルサイクルでは、1つの鼻窩内の鼻甲介が血液で満たされ、反対の鼻甲介は血液を押しのけることによってうっ血除去され、サイクルは、2時間半の平均持続時間を有している。ネーザルサイクルは、病的な鼻づまりと混同するべきではない。通常の鼻呼吸をしている人は、睡眠中、特にどちらかの側で寝ているときにネーザルサイクルに気づくことがあり、さもなければ、潜在的な鼻道閉塞がない限り、ネーザルサイクルには気づかないことがある(非特許文献2)。しかし、病的状態では、ネーザルサイクルがその症状に影響を与えることがある(非特許文献3)。
【0004】
鼻づまりに可能な治療には以下のもの:シャワーからの蒸気を吸い込む;加湿器又は沸騰水内のユーカリ油;生理食塩水鼻スプレーを吸入する;液体の鼻リンスで副鼻腔を洗い流す;温罨法を適用する;アレルギー薬(抗ヒスタミン薬);うっ血除去薬(経口又はスプレー);水分補給をした状態を保つ;が含まれる(非特許文献4)。慢性副鼻腔炎の治療には、鼻ステロイド薬、生理食塩水による鼻洗浄、経口又は注射によるステロイド薬、及びアスピリン減感作が含まれる(非特許文献5)。これらの治療は単独で列挙されており、併用することは示唆されていないことに留意するべきである。
【0005】
突発性の鼻づまりに対する最良の単独での治療は、医師の処方が不要の(OTC)薬用うっ血除去薬鼻スプレーであるとして引用される(非特許文献6)。非処方のうっ血除去薬鼻スプレーは、鼻づまりを軽減するための血管収縮剤として使用される直接作用型交感神経刺激剤を含む(非特許文献7)。これらのうち最も一般的なのは、オキシメタゾリン(全てのOTCうっ血除去薬鼻スプレー製品の約80%)であり、フェニレフリン及びキシロメタゾリンがこれに続く。うっ血除去薬鼻スプレーは鼻の粘膜における血管を狭めることによって機能する。これによって、鼻の内側の腫れた組織が収縮するほどにその領域を流れる血液が減少し、気道抵抗が減少して、空気がより容易に通過するのを可能にする。
【0006】
生理食塩水鼻スプレー及びうっ血除去薬鼻スプレーは、鼻弁領域を超えて延びる鼻腔の後部領域に作用する。生理食塩水鼻スプレーにおける有効成分は塩化ナトリウムであり、これは、粘膜を薄くするか又は分解し、鼻腔を洗浄し、それらがより容易に排出させるのを可能にする。生理食塩水スプレーには、典型的に、鼻腔を落ち着かせる保湿要素が含まれる。生理食塩水スプレー及びうっ血除去薬鼻スプレーは、ほとんどの不活性成分(典型的には、殺菌性、殺真菌性、防腐性、及び保存性を有する1つ以上の化合物を含む)を共有している。
【0007】
鼻道鼻腔を覆う鼻の外壁組織を支持し、安定化させ、広げるための鼻拡張器が、当技術分野においてよく開示されており、内鼻及び外鼻の両方の種類で広く入手可能である。鼻拡張器は、鼻孔開口部付近から鼻弁領域まで延びる鼻腔の前部領域の一部に作用する。安定化した鼻の外壁及び/又は広げられた鼻腔は、鼻腔の気流抵抗を減少させ、吸息中の外壁組織の虚脱を防ぐことができる。
【0008】
内鼻拡張器には、鼻腔内に少なくとも部分的に挿入され、且つ鼻の外壁の内側に接触して外側に促すばね要素を有する能動型と、鼻腔内に実質的又は全体的に挿入されるステント様構成を典型的には有する受動型とが含まれ得る。内鼻拡張器は鼻腔内に位置するため、それに応じて鼻の気流抵抗が増加することがある。
【0009】
外鼻拡張器(END)は、一般的に、鼻ストリップ又は鼻拡張器ストリップと呼ばれ、内鼻拡張器よりも広く使用されている。ENDは、ヒトの鼻梁を横切って曲げられ、その両側の皮膚表面に接着する。ENDの機能的部分は、拡張器の長手方向に伸びる少なくとも1つの(当技術分野では、ばね、ばね部材、弾性バンド、弾性部材バンド、ばねバンド、またはブリッジと同義語として呼ばれる)弾性部材である。弾性部材は、曲げられると、鼻腔の外壁組織を外側に促すバネ付勢力を発揮し、外壁を安定化し、鼻腔を拡大するか又は広げる。ENDは、鼻腔の断面積、鼻の体積、及びピーク鼻吸気流量(PNIF)を増加させることによって、鼻の開存性を改善すると臨床的に見出されている。鼻の開存性の改善は、一般的に有益な効果をもたらす可能性がある、酸素摂取量を増加させる可能性がある、睡眠を改善する可能性がある、睡眠障害及び夜間覚醒を軽減する可能性がある、又は、鼻いびき若しくは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を改善する可能性がある。
【0010】
END及び生理食塩水鼻スプレーはいずれも実質的に無害であり、頻繁に使用することができる。END及びうっ血除去薬鼻スプレーを併用することは累積的又は相加的であると臨床的に示されてきた(非特許文献8乃至11)。しかし、うっ血除去薬鼻スプレーの過剰使用は一般的である。3日連続して使用した後で、うっ血のリバウンド(rebound congestion)又は薬物性鼻炎(RM)として知られる、文書による裏づけが十分にある状態が発生することがある。RMは、薬物によって引き起こされるうっ血(鼻炎)を意味する。RMは、鼻腔気流を遮断するように鼻甲介が異常に拡大した場合に生じる。鼻スプレーのうっ血除去薬の連続した使用は、問題を悪化させ、逆効果となり、結果として悪循環になる。ユーザは肉体的にも精神的にも中毒になることがあり、鼻腔を開いたままにするために週に数本のスプレーボトルを使用することがある。
【0011】
RMは、1930年代に医学文献において最初に現れた。1960年代半ば以前は、うっ血除去薬鼻スプレーは処方箋を必要とした。これらの薬物が医師による処方が不要で入手可能になると、うっ血のリバウンドの発生が増加した。RMに関連するオンライン検索クエリは、毎年合計240万件を超えると考えられている。耳鼻咽喉科(ENT)クリニックは、その患者の5%~7%がRMを有すると報告している。世界のRM患者集団は、700万~1000万人であると推定されている。
【0012】
うっ血のリバウンド又はRMに対する唯一の既知の治療は、退薬中に鼻腔は完全にうっ血するけれども、うっ血除去薬鼻スプレーの使用を中止することである。このように、退薬の努力は失敗率が高く、それに伴う不快感に耐えることができる人はほとんどいないと考えられている。うっ血除去薬鼻スプレーの使用を停止することによって、最終的には、典型的に数日から数週間にわたって鼻腔は再び開くようになる(非特許文献12乃至14)。
【0013】
特許文献1及び2は、うっ血のリバウンドに取り組むためにうっ血除去薬鼻スプレーを希釈することを教示している。
【0014】
うっ血除去薬鼻スプレーは2~3日の「安全期間」を有するけれども、咳/風邪/インフルエンザの反復性発作(episodic bouts)はかなり長く続くことがある。加えて、感染症又はアレルギーとは無関係の他の原因による慢性的な鼻づまりも、うっ血除去薬鼻スプレーの使用に対する安全期間よりもかなり長く続くことがある。従って、指示通りに使用されるうっ血除去薬鼻スプレーと実質的に同じ有効性で鼻づまりを緩和する;数日以上連続して毎日使用することができる;及び、うっ血のリバウンド又はそのリスクを排除又は軽減する;装置及び方法を提供することに対してアンメットニーズが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第5988870号
【特許文献2】米国特許第6712803号
【特許文献3】米国特許第10,893,971号
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Roithman, R. et al (July/August 2005). Effects of posture change onnasal patency. Brazilian Journal of Otorhinolaryngology. 71(4) Part 1
【非特許文献2】Josephson, J.S. (2006). Sinus Relief Now: The Ground-Breaking 5-StepProgram for Sinus, Allergy, And Asthma for Sufferers. Penguin Group. p.15
【非特許文献3】Huizing, E.H.; de Groot, J.A.M. (2003). Functional ReconstructiveNasal Surgery. Thieme. P.52
【非特許文献4】“How to get rid of a stuffy nose: Ten possible treatments”, MedicalNews Today, Healthline Media UK Ltd., 1 March 2017, https://www.medicalnewstoday.com/articles/313808.php
【非特許文献5】“Chronic sinusitis”, Mayo Clinic, Mayo Foundation for MedicalEducation and Research (MFMER), https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/chronic-sinusitis/diagnosis-treatment/drc-20351667
【非特許文献6】“How To Treat Nasal Congestion,” WebMD, WebMD LLC, https://www.webmd.com/allergies/sinus-congestion#1
【非特許文献7】Martindale, The Extra Pharmacopoeia, 30th ed, p1251
【非特許文献8】Bishop et al, Magnetic Resonance Imaging Reveals the ComplementaryEffects of Decongestant and Breathe Right Nasal Strips on Internal NasalAnatomy, The Laryngoscope, VC 2016 The American Laryngological, Rhinologicaland Otological Society, Inc.
【非特許文献9】“The Effect of External Nasal Dilators as Measure by AcousticRhinometry”, B A Ng et al, ENT, Ear Nose &Throat Journal, October 1998
【非特許文献10】“Nasal airflow dynamics: mechanisms and responses associated with anexternal nasal dilator strip” J. P. Kirkness et al, European respiratoryJournal, Eur Respir J 2000; 15: 929±936
【非特許文献11】Roithmann, R. et al, “Role of the external nasal dilator in themanagement of nasal obstruction” Laryngoscope. 1998;108(5):712-715
【非特許文献12】Graf P. Rhinitis medicamentosa: a review of causes and treatment.Treat Respir Med. 2005; 4: 21-29
【非特許文献13】Graf P. Rhinitis medicamentosa: aspects of pathophysiology andtreatment. Allergy. 1997; 52 (40 suppl): 28-34
【非特許文献14】Ramey JT, Bailen T, Lockey RF. Rhinitis medicamentosa. J InvestigAllergol Clin Immunol. 2006; 16(3): 148-155
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、ヒト鼻腔の突発性の鼻づまり及び慢性の鼻づまりの両方を、OTCうっ血除去薬血管収縮剤鼻スプレーと同じ有効性で治療するが、うっ血のリバウンド/RMが発生するリスクを実質的に低減する。OTCうっ血除去薬鼻スプレー、生理食塩水鼻スプレー、及び鼻拡張器は、先行技術において個別に見出されているけれども、本発明では、新しく、新規で、非自明性の方法で組み合わされ:生理食塩水ベースのスプレーミストの実質的な適用は、鼻腔の後部領域内の鼻粘膜を薄くし且つゆるめ;うっ血除去薬ベースのスプレーミストの推奨治療量のうちごく一部を投与することで、鼻腔の後部領域のうっ血は除去され;鼻拡張器は、その前部領域において鼻腔を機械的に開くことによって鼻の空気の流れを増加させ;数分間の遅延時間によって、補完的なアクションがゆっくりと最大の効果を達成するのを可能にする。
【0018】
血管収縮剤鼻スプレーの推奨治療量のうちごく一部と、実質的により多い量の生理食塩水鼻スプレーを組み合わせることによって、予想外の結果を得た。約5~20分間の遅延後、うっ血除去状態は、推奨用量(スクイーズボトル又は定量ポンプからの2~3作動、オキシメタゾリンHCl重量/体積比0.05%)のうっ血除去薬スプレーを単独で投与した場合と少なくとも実質的に同じであるように見えた。特に、共通の中心から外側に伸びる複数の弾性ばねの枝を有する改良型のENDの適用によって、鼻スプレーの投与、静止期間、及び結果として生じるうっ血除去効果を高めることができる。一回の連続した使用期間で、うっ血除去状態を、最大約60夜連続して夜間の睡眠サイクルを通して繰り返し維持した。他の使用期間は、平均して約5夜から約10夜連続であった。いずれの場合も、鼻汁はいかなる有意量も増加せず、本発明の方法は、本明細書において記載されているようなうっ血のリバウンドをトリガーすることは全くなかった。
【課題を解決するための手段】
【0019】
ユーザが、無制限量の生理食塩水スプレーと、予め決定された制限量の血管収縮剤鼻スプレーとを投与するのを可能にするように、生理食塩水スプレーが第1のスプレー装置に提供され、血管収縮剤うっ血除去薬スプレーが第2のスプレー装置に提供される。或いは、単一のスプレー装置が、生理食塩水スプレーと血管収縮剤うっ血除去薬スプレーの両方を組み合わせてもよい。本発明は、キットの形で同梱された鼻拡張器、第1のスプレー装置及び第2のスプレー装置(又は組み合わされた単一のスプレー装置)も提供し、それによって、ユーザは本発明の方法を実施することができる。
【0020】
鼻スプレー、関連装置、及びその使用を記載する際に、本明細書において「送達される」及び「放出される」という用語は、スプレー装置が作動時に送達又は放出するように構成されている量又は体積を指す。「投与される」という用語は、本明細書において、スプレー装置の1つ以上の意図されたユーザ操作から生じる総量又は総体積を指す。
【0021】
本発明の方法は、製品パッケージのラベル上で推奨されているように単独で使用されるOTC血管収縮剤うっ血除去薬鼻スプレーと実質的に同じ有効性を提供すると考えられるが、本発明の方法は、2~3日のうっ血除去薬鼻スプレーの安全期間よりも大幅に長く毎日使用することができ、うっ血のリバウンドのリスクは少なくとも実質的に減少する。本発明は、特に病理学的原因による影響を受ける場合に、本明細書において記載されているように、自然に引き起こされる慢性の鼻づまりに対して最大の潜在的利益を有する可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】ヒトの顔の一部として示されているヒトの鼻の側面図であり、その鼻腔を点描で描くことによって断面が表されている。
【
図2】
図1及び3において描かれているヒトの鼻の透視図であり、鼻弁領域の断面を点描で描くことによって示している。
【
図3】
図1に描かれているヒトの鼻の下側からの正面図である。
【
図4】ヒトの鼻にENDを適用した状態の斜視図である。
【
図5】オキシメタゾリンベースのOTCうっ血除去薬鼻スプレーに対するラベルの平面図である。
【
図6】長期又は慢性の鼻づまりの治療に使用するための、本発明によるキットに存在し得る物品を例示した図である。
【
図7】ヒトの鼻にENDを適用した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
ヒトの鼻10のいくつかの図が
図1~3において示されている。
図1における破線によって境界が定められた点描部分は、鼻孔開口部18から喉の奥まで延びる鼻腔のおおよその断面レンダリングを描いている。鼻10の鼻腔は、鼻孔開口部(又は外鼻弁)18から内鼻弁領域30に延びる鼻前庭20としても知られる前部領域と、鼻弁領域30を超えて延びる後部領域40とを含んでいる。弓状の破線は、前部領域及び後部領域と鼻弁領域とのおおよその境界を描いている。
図2における濃い破線は、鼻弁領域30を逆円錐形としてより詳細に描いている(鼻中隔の片側のみに例示されている)。さらなる視点として、
図2は、上外側軟骨12及び鼻骨14も例示している。
図3も、破線で境界が定められた点描によって、
図1において示されているものに対して垂直な方向からの鼻弁領域30の断面を示している。鼻孔開口部18と比較して、鼻弁領域30では鼻腔はより狭いことに留意されたい。
【0024】
図4は、鼻10に使用されている一般的なEND110を示している。鼻拡張器の使用は本発明に厳密には必要ではないが、本明細書において記載される理由により最も好ましい。加えて、鼻腔内の内鼻拡張器のまさにその存在が、その場所における気道抵抗を増加させるため、ENDはあらゆるタイプの内鼻拡張器(図示せず)よりも最も好ましい。END110によって提供されるばね付勢力の一般的な構成及び範囲は、好ましくは、広く市販されている鼻拡張器と一致している。しかし、本明細書においてすでに記載したように、END110は主に鼻腔の鼻弁領域30に作用し、構成される方法に応じて、その前部領域20のかなりの部分だけでなく、その後部領域40にわずかに延びる部分にも作用し得る。END技術は継続的に進んでおり;例えば、参照により本明細書に援用する特許文献3には、鼻弁の上下の鼻腔の部分に作用するENDの例が開示されている。このタイプのEND120は、一般的なEND110よりも本発明の方法に大きな有益な効果があり、内鼻拡張器よりもはるかに大きな効果があると考えられている。鼻拡張器の適用は、一連のステップのどの時点でも行うことができるが、本明細書において以下に記載されるように、第1の鼻スプレーを投与する前に適用されるのが最も好ましい。本明細書において留意するように、吸入される鼻スプレーは、主に後部領域40に作用する。
【0025】
自身でスクイーズボトル又はポンプアクチュエータを介して鼻スプレーを投与するため、又は医療従事者によって患者へ投与するための指示が、例えばthe University of Illinois-Chicago Drug Information Grop(https://www.healthline.com/healh/general-use/how-to-use-nasal-spray)によってオンラインで公開されており、その全体を参照により本明細書において援用する。ENDは、鼻梁の中心線に沿って水平方向に、及び実質的に鼻弁領域30にわたって垂直方向にその中心を置くことによって適用される。その幅に応じて、ENDは、鼻弁に隣接する鼻前庭20にわたって部分的に延びてもよい。
【0026】
ENDを適用するステップにもかかわらず、ユーザは、第1のスプレー装置を作動させ、第1の水溶液の第1のスプレーミストを鼻の少なくとも一方の鼻孔開口部に吸入する。第1の水溶液は、当技術分野で見られ得るように、生理食塩水において塩化ナトリウム及び水を含み、鼻腔への吸入に適しており、その後部領域40内の粘膜堆積物を薄くし且つゆるめるように作用する。投与される総ミスト量は、1回の作動からであれ複数回の作動からであれ、制限されないが、好ましくは、第2の水溶液から投与される所定量よりも少なくとも有意に多い。これは、ユーザによって、さらには使用によってかなり異なることがある。しかし、第1のスプレーミストと第2のスプレーミストとの適した開始比率は、例えば、おおよそ1桁であってもよい。すなわち、第1のスプレーミストからの約100マイクロリットル(μl)のミストプルームの総量(単一の放出プルームによるか複数の放出プルームによるかを問わない)は、第2のスプレーミストからの約10μlに対応し得る。さもなければ、第1の水溶液の投与量は、ユーザにより決定されてもよい。
【0027】
第1のスプレー装置は、例えば
図6において見られるように、プラスチック製のスクイーズボトル(図示せず)、定量スプレーポンプ112、又は加圧された金属製のスプレーキャニスター114を含んでもよい。スクイーズボトルからのスプレーミスト量は、どのくらい強く圧迫されるかに応じて変わり得るため、適した量又は所望の量の生理食塩水ミストを送達するために、ある程度の繰り返しが必要な場合がある。しかし、スプレーキャニスター114は、アクチュエータが押し下げられている限り、連続してミストプルーム又は液体スプレーを送達するため、最も好まれる。例えば、1回の作動を1回の長く鋭い鼻の吸入の間持続させることができ、結果として、実質的にかなりの量のスプレー又はミストが放出され、これは、上述の1桁分により容易に対応し得る。
【0028】
次に、ユーザは第2のスプレー装置を作動させ、第2の水溶液の第2のスプレーミストを少なくとも一方の鼻孔開口部に吸入する。第2の水溶液は、交感神経刺激血管収縮剤、最も好ましくはオキシメタゾリンHClの形で薬剤的に活性の成分をその中に含む。第2の水溶液の不活性成分は、先行技術で広く見られるものと一致する。
【0029】
第2のスプレー装置は、最も好ましくは、例えばAptargroup(Congers,NY)によって提供され得るようなスプレーポンプを含む。第2の水溶液は、最も好ましくは、スプレー装置の構成によって、及び/又は、水溶液の体積に対する重量による薬剤的に活性の成分の量若しくは割合によって調節又は制限される。例えば、第2のスプレー装置機構(ポンプ又はオリフィス)は、OTC鼻うっ血除去薬に典型的に見られるよりも少ないミストプルーム量を送達し、従って、その治療上推奨される用量のうちわずかな量を送達するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、第2の水溶液は、OTC鼻うっ血除去薬に典型的に見られるよりも低い濃度の薬剤的に活性の成分を有してもよく、従って、その推奨される用量のうちわずかな量が送達される。
【0030】
広く入手可能な、スクイーズボトル又はスプレーポンプ内のOTC鼻うっ血除去薬スプレーは、典型的には、重量/体積比で0.05%のオキシメタゾリンHClを含む。1回の完全なまっすぐの作動(スクイーズ又はプランジ)は、28.9±6.8μlのミストプルーム(28,900±6,800マイクログラム)を送達すると考えられており、従って、その中には約14.45±3.4マイクログラム(mcg)のオキシメタゾリン(その0.05重量%)が含まれている。
図5において見られるように、OTCオキシメタゾリンベースのうっ血除去薬鼻スプレーの治療上推奨される用量は、合計で約29乃至43mcgのオキシメタゾリンを得るために、そのような作動を2~3回行うことである。
【0031】
本発明による薬剤的に活性の成分の最小有効フラクショナルドーズは、ユーザによって及び使用によって変わり得る範囲内にある。薬剤的に活性の成分の好ましい範囲は、約1mcgから約10mcgであると推定され、より好ましい範囲は、約2mcgから約8mcgであり、さらにより好ましい範囲は、約3mcgから約6mcgであり得る。ここでも、本発明の予想外の結果は、比較的多量の生理食塩水スプレーの適用と組み合わされると、非常に少ない薬剤的に活性の成分が効果的であり得るということである。
【0032】
いずれの場合も、ユーザは、上述の好ましい範囲に対応する所定のスプレー回数を超えないように使用するよう注意される。例えば、第2のスプレー装置が、0.005重量%の薬剤的に活性の成分をその中に含む30μl(30,000mcg)のプルームを1回の作動あたり放出するように構成されている場合、ユーザは、1回の作動あたり1.5mcgの血管収縮剤を投与することになる。一実施形態によると、ユーザは、このようにして、1回、2回、又は3回のスプレー作動で適した用量(それぞれ1.5、3.0、又は4.5mcg)を都合よく投与することができる。有益なことに、これは、広く入手可能なOTC鼻うっ血除去薬スプレーを使用する際に、ユーザが既に慣れている可能性のある作動の数と類似している。従って、一実施形態は、その標準的なパッケージに標準的な交感神経刺激血管収縮剤を含んでもよいが、実質的に希釈された濃度(0.005重量%)であり、治療上効果的であると典型的に予想される濃度(0.05重量%)よりもはるかに低い。
【0033】
第2のスプレー装置及び第2の水溶液が、投与される薬剤的に活性の成分の好ましい範囲内にありながら、互いに対して様々な構成/濃度を有してもよいことは、当業者には明らかになる。
【0034】
或いは、第2のスプレー装置は、オキシメタゾリンHCl0.05%を含むスクイーズボトル又はスプレーポンプ装置を有する典型的に広く入手可能なOTC鼻うっ血除去薬スプレーから選択されてもよい。しかし、本発明の方法の目的のために、ユーザは、スプレー装置が構成されているものよりも少ない体積のスプレーミスト、従って、より少ない量のオキシメタゾリンを1回の作動から送達するために、装置をあまり強く作動させないように慎重にならなければならない。従って、部分的な単一のプランジは、約2.5mcgから約10mcgのオキシメタゾリンをその中に(その0.05%)含む、例えば約5μl(5,000マイクログラム)から約20μl(20,000マイクログラム)の範囲のミストプルームを送達することができる。精度は低いけれども、この代替的なステップは実行可能であることがわかっている。
【0035】
さらに、代替的に、第1及び第2のスプレーミストを組み合わせて、単一のスプレーミスト又はアトマイザ装置から投与される単一の水溶液を形成することもできる。組み合わされた水溶液の有効成分は、本質的に、例えば適した範囲に存在する、最も好ましくは0.65重量%の塩化ナトリウム又は塩化カリウム等の塩から成る。交感神経刺激血管収縮剤の濃度は、典型的には、例えばオキシメタゾリンHCl等の化合物の塩酸塩として存在し、単一の完全な作動で好ましくは約0.5mcgから約2mcgのオキシメタゾリンが送達されるような低い濃度で存在する。単一のスプレー装置は、好ましくは、投与される薬剤的に活性の成分の好ましい範囲を超えることなく作動を数回繰り返すことができるように、約30μlを超えるミストプルームを放出するように構成される。ここでも、ある範囲の代替的な血管収縮剤濃度/ミストプルーム量が実行可能であってもよいことは、当業者には明らかであり得る。組み合わされた水溶液に対する不活性成分は、生理食塩水鼻スプレー及びオキシメタゾリンベースのうっ血除去薬鼻スプレーに典型的に見られ得る数ある成分の中から選択されてもよく、当該不活性成分は実質的に類似している。例えば、水溶液は、殺菌剤、殺真菌剤、及び/又は防腐剤を含むこともできる。この代替的な「オールインワン」薬物投与装置は、ユーザにとってより簡単且つ便利であり、小売市場で提供されるより実用的な製品であり得る。必要に応じて、ユーザは、スプレーキャニスター114等の別の専用スプレー装置からさらなる生理食塩水鼻スプレーを依然として投与することができるということも、当業者には明らかであり得る。
【0036】
第1及び第2のスプレー又は組み合わされたスプレーのいずれかによって鼻スプレーを投与した後で、ユーザは、約5分から約20分、好ましくは仰臥位で、鼻拡張器によって強化された第1及び第2のスプレーミストが効力を発揮するのを可能にするのを遅らせる。仰臥位は、喉の奥への排出をより可能にする。遅延期間が終了すると、うっ血の状態が再評価され、一部又は全ての以前のステップを繰り返すことができる。しかし、鼻づまりに対する効果は、単独で使用した場合の交感神経刺激血管収縮剤鼻スプレーの推奨された用量の瞬間的効果と実質的に類似し得るため、さらなる繰り返しは不要であると考えられている。
【0037】
ユーザは、本発明の方法を繰り返すことができ、最も好ましくは1日1回以下であるが、許容範囲で、3日又は3夜を超えて連続して繰り返すことができ、その場合、うっ血のリバウンド又は薬物性鼻炎のリスクは少なくとも実質的に減少する。
【0038】
本発明の方法の状況に応じた実施の例とその結果は、以下のようになり得る:ユーザは、就寝時にENDを適用する。一方の側で眠っていると、ユーザは後に「低い」側の鼻腔の実質的なうっ血によって目を覚ますが、これはおそらく自然のネーザルサイクルの結果であり、おそらく軽度の病的原因によって悪化する。ユーザは、背筋を伸ばして座り、本明細書において記載されているように、第1及び第2の鼻スプレー(又は組み合わされたスプレー)をうっ血した鼻腔に投与し、仰臥位で再び横になる。一部の部分的なうっ血除去が数分以内に起こり、その後の数分で、後鼻部への排液と実質的な鼻の中の不要物の除去と共に鋭い吸入の衝動を伴って、より顕著なうっ血除去が起こる。一方の側に戻ると、ユーザはかなりの気流の改善を感じ、睡眠に戻る。治療された鼻腔は、ユーザがどちら側に寝そべっても、睡眠サイクルの残りの期間はうっ血除去状態のままである。
【0039】
図6においてさらに見られるように、本発明の方法を使用して鼻づまりを治療するためのキット100は、本明細書においてすでに記載したようにスプレー装置内の少なくとも1つの水溶液と、少なくとも1つの鼻拡張器とを含む。本明細書において記載されているようなENDが好ましく;その複数が、例えば、第2の鼻スプレー装置の計量された用量の数にほぼ対応することができる。キットには、本明細書において記載されているように、第1及び第2の又は組み合わせた鼻スプレーミストを投与するための指示、及び鼻拡張器を適用するための指示がさらに含まれてもよい。
【0040】
本実施形態に従った鼻づまり治療キットは、各構成要素が実施形態に従った使用順に配置される、図示されていない適した容器に同梱されてもよい。指示ガイドは色分けされてもよく、さもなければ、ユーザが方法を正確に実行しやすいように提示されてもよい。さらに、以前の使用を通して消耗したいかなる個々の構成要素も交換するために、リフィル構成要素を提供することができる。追加のスプレー装置(生理食塩水スプレー、薬剤的に活性のスプレー、又はスプレー装置の組み合わせ)及び複数の鼻拡張器が、キット容器に適合するように包装されてもよい。
【0041】
本発明の用途は、主に特定の例を参照することによって、及び、特定の物理的構成要素又は構成要素のコレクションに対する機能の特定の割り当てに関して記載されている。しかし、当業者は、本発明の実施形態の機能を、本明細書において記載されているものとは異なる方法で分配する装置及びキットによって、うっ血のリバウンド又は薬物性鼻炎を引き起こすリスクを低減して、鼻づまりも効果的に治療することができるということを認識することになる。そのような異形及び実施は、添付の特許請求の範囲に従って捕らえられると理解される。
【0042】
上記の開示は、特に以下のように要約することができる。
【0043】
実施形態1:
薬剤的に不活性の溶液をスプレーミストとしてヒトの鼻の鼻腔内に投与するための少なくとも1つの第1の鼻スプレー装置;
測定量の薬剤的に活性の溶液をスプレーミストとして上記の鼻腔内に投与するための少なくとも1つの第2の鼻スプレー装置;及び
少なくとも1つの鼻拡張器;
を含む鼻づまり治療キット。
【0044】
実施形態2:
上記の測定量の半分以上であり、且つ上記の測定量の5倍以下である上記の薬剤的に活性の溶液の量は、上記の薬剤的に活性の溶液の有効量を構成する、実施形態1に記載の鼻づまり治療キット。
【0045】
実施形態3:
上記の測定量以上であり、且つ上記の測定量の3倍以下である上記の薬剤的に活性の溶液の量は、上記の薬剤的に活性の溶液の有効量を構成する、実施形態1又は2に記載の鼻づまり治療キット。
【0046】
実施形態4:
各第2の鼻スプレー装置は、上記の薬剤的に活性の溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、それぞれの第2の鼻スプレー装置の少なくとも1回の完全な作動を必要とするように構成されている、実施形態1乃至3のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0047】
実施形態5:
各第2の鼻スプレー装置は、上記の薬剤的に活性の溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、それぞれの第2の鼻スプレー装置の3回以下の完全な作動を必要とするように構成されている、実施形態1乃至4のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0048】
実施形態6:
上記の少なくとも1つの鼻拡張器は、Mの鼻拡張器から成り、
上記の少なくとも1つの第2の鼻スプレー装置は、合計でNの有効量の上記の薬剤的に活性の溶液を有し、
Mは、4×N以下であり、
Mは、N÷2以上である、
実施形態1乃至5のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0049】
実施形態7:
Mは、2×N以下である、実施形態6に記載の鼻づまり治療キット。
【0050】
実施形態8:
上記の少なくとも1つの鼻拡張器は、複数の外鼻拡張器であり、各々が、上記のヒトの鼻の外面に適用された場合に、上記の鼻腔の領域を広げるのに適している、実施形態1乃至7のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0051】
実施形態9:
各第1の鼻スプレー装置は、上記の薬剤的に不活性の溶液の第1のリザーバを含む、実施形態1乃至8のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0052】
実施形態10:
各第1の鼻スプレー装置は、それぞれの第1の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、第1の量の上記の薬剤的に活性の溶液が上記の第1のリザーバから輸送され、スプレーミストとしての上記の第1の量の上記の薬剤的に不活性の溶液の放出をもたらすように構成され、さらに、
上記の第1の量は、上記の測定量の少なくとも5倍であり、且つ上記の測定量の20倍未満である、
実施形態9に記載の鼻づまり治療キット。
【0053】
実施形態11:
各第1の鼻スプレー装置は、それぞれの第1の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、スプレーミストとしての第1の量の上記の薬剤的に不活性の溶液の放出をもたらすように構成され、さらに、
上記の第1の量は、上記の測定量の少なくとも5倍であり、且つ上記の測定量の20倍未満である、
実施形態1乃至9のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0054】
実施形態12:
上記の第1の量は、上記の測定量の少なくとも8倍であり、且つ上記の測定量の12倍未満である、実施形態11に記載の鼻づまり治療キット。
【0055】
実施形態13:
各第2の鼻スプレー装置は、上記の薬剤的に活性の溶液の第2のリザーバを含む、実施形態1乃至12のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0056】
実施形態14:
各第2の鼻スプレー装置は、それぞれの第2の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、上記の測定量の上記の薬剤的に活性の溶液が上記の第2のリザーバから輸送され、スプレーミストとしての上記の測定量の上記の薬剤的に活性の溶液の放出をもたらすように構成されている、実施形態13に記載の鼻づまり治療キット。
【0057】
実施形態15:
各第2の鼻スプレー装置は、それぞれの第2の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、スプレーミストとしての上記の測定量の上記の薬剤的に活性の溶液の放出をもたらすように構成されている、実施形態1乃至13のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0058】
実施形態16:
上記の薬剤的に活性の溶液は、重量によって0.002%以上且つ0.02%以下の薬剤的に活性の成分を含む水溶液である、実施形態1乃至15のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0059】
実施形態17:
上記の薬剤的に活性の溶液は、重量によって0.004%以上且つ0.008%以下の薬剤的に活性の成分を含む、実施形態1乃至16のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0060】
実施形態18:
上記の薬剤的に活性の溶液の有効量は、1μg以上且つ10μg以下の薬剤的に活性の成分を含む、実施形態1乃至17のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0061】
実施形態19:
上記の薬剤的に活性の溶液の有効量は、3μg以上且つ6μg以下の薬剤的に活性の成分を含む、実施形態1乃至18のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0062】
実施形態20:
上記の薬剤的に活性の溶液は、薬剤的に活性の成分として交感神経刺激血管収縮剤を含む、実施形態1乃至19のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0063】
実施形態21:
上記の薬剤的に活性の成分は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択される、実施形態16乃至20のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0064】
実施形態22:
上記の薬剤的に不活性の溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含む水溶液である、実施形態1乃至21のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0065】
実施形態23:
上記の薬剤的に不活性の溶液は、重量当たり0.5%以上且つ0.8%以下の上記の塩を含む、実施形態22に記載の鼻づまり治療キット。
【0066】
実施形態24:
上記の薬剤的に不活性の溶液は、重量当たり0.6%以上且つ0.7%以下の上記の塩を含む、実施形態22又は23に記載の鼻づまり治療キット。
【0067】
実施形態25:
少なくとも2つの第1の鼻スプレー装置を含む、実施形態1乃至24のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0068】
実施形態26:
少なくとも2つの第2の鼻スプレー装置を含む、実施形態1乃至25のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0069】
実施形態27:
測定量の水溶液をスプレーミストとしてヒトの鼻の鼻腔内に投与するための鼻スプレー装置;及び
少なくとも1つの鼻拡張器;
を含む鼻づまり治療キットであって、
上記の水溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含み、
上記の水溶液は、重量によって0.002%以上且つ0.02%以下の薬剤的に活性の成分を含み、
上記の薬剤的に活性の成分は、交感神経刺激血管収縮剤である、
鼻づまり治療キット。
【0070】
実施形態28:
上記の測定量の半分以上であり、且つ上記の測定量の5倍以下である上記の水溶液の量は、上記の水溶液の有効量を構成する、実施形態27に記載の鼻づまり治療キット。
【0071】
実施形態29:
上記の測定量以上であり、且つ上記の測定量の3倍以下である上記の水溶液の量は、上記の水溶液の有効量を構成する、実施形態27又は28に記載の鼻づまり治療キット。
【0072】
実施形態30:
上記の鼻スプレー装置は、上記の水溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、上記の鼻スプレー装置の少なくとも1回の完全な作動を必要とするように構成されている、実施形態27乃至29のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0073】
実施形態31:
上記の鼻スプレー装置は、上記の水溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、上記の鼻スプレー装置の3回以下の完全な作動を必要とするように構成されている、実施形態27乃至30のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0074】
実施形態32:
上記の少なくとも1つの鼻拡張器は、Mの鼻拡張器から成り、
上記の鼻スプレー装置は、合計でNの有効量の上記の水溶液を有し、
Mは、4×N未満であり、
Mは、N÷2よりも大きい、
実施形態27乃至31のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0075】
実施形態33:
Mは、2×N未満である、実施形態32に記載の鼻づまり治療キット。
【0076】
実施形態34:
上記の少なくとも1つの鼻拡張器は、複数の外鼻拡張器であり、各々が、上記のヒトの鼻の外面に適用された場合に、上記の鼻腔の領域を広げるのに適している、実施形態27乃至33のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0077】
実施形態35:
上記の鼻スプレー装置は、上記の水溶液のリザーバを含む、実施形態27乃至34のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0078】
実施形態36:
上記の鼻スプレー装置は、上記の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、上記の測定量の上記の水溶液が上記のリザーバから輸送され、上記のスプレーミストとしての上記の測定量の上記の水溶液の放出をもたらすように構成されている、実施形態27乃至35のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0079】
実施形態37:
上記の鼻スプレー装置は、上記の第2の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、上記のスプレーミストとしての上記の測定量の上記の水溶液の放出をもたらすように構成されている、実施形態27乃至35のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0080】
実施形態38:
上記の水溶液は、重量によって0.004%以上且つ0.008%以下の上記の薬剤的に活性の成分を含む、実施形態27乃至37のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0081】
実施形態39:
上記の水溶液の有効量は、1μg以上且つ10μg以下の上記の薬剤的に活性の成分を含む、実施形態27乃至38のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0082】
実施形態40:
上記の水溶液の有効量は、3μg以上且つ6μg以下の上記の薬剤的に活性の成分を含む、実施形態27乃至39のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0083】
実施形態41:
上記の薬剤的に活性の成分は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択される、実施形態27乃至40のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0084】
実施形態42:
上記の水溶液は、重量当たり0.5%以上且つ0.8%以下の上記の塩を含む、実施形態27乃至41のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0085】
実施形態43:
上記の薬剤的に不活性の溶液は、重量当たり0.6%以上且つ0.7%以下の上記の塩を含む、実施形態27乃至42のいずれか1つに記載の鼻づまり治療キット。
【0086】
実施形態44:
容器に水溶液を分注するステップと、
上記の容器を微粒化機構に組み立てて、上記の水溶液の一部をスプレーミストとしてヒトの鼻の鼻腔内に投与するための鼻スプレー装置を得るステップと、
を含む方法であって、
上記の水溶液は、重量によって0.002%以上且つ0.02%以下の薬剤的に活性の成分を含み、
上記の薬剤的に活性の成分は、交感神経刺激血管収縮剤である、
方法。
【0087】
実施形態45:
上記の水溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含む、実施形態44に記載の方法。
【0088】
実施形態46:
少なくとも1つの鼻拡張器と共に上記の鼻スプレー装置を包装するステップを含む、実施形態44又は45に記載の方法。
【0089】
実施形態47:
第2の鼻スプレー装置及び少なくとも1つの鼻拡張器と共に上記の鼻スプレー装置を包装するステップを含み、
上記の第2の鼻スプレー装置は、薬剤的に不活性の溶液のリザーバを含み、上記の薬剤的に不活性の溶液の一部をスプレーミストとして上記の鼻腔内に投与するように構成されている、実施形態44に記載の方法。
【0090】
実施形態48:
上記の薬剤的に不活性の溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含む水溶液である、実施形態47に記載の方法。
【0091】
実施形態49:
上記の薬剤的に不活性の溶液は、重量当たり0.5%以上且つ0.8%以下の上記の塩を含む、実施形態48に記載の方法。
【0092】
実施形態50:
上記の少なくとも1つの鼻拡張器は、複数の外鼻拡張器であり、各々が、上記のヒトの鼻の外面に適用された場合に、上記の鼻腔の領域を広げるのに適している、実施形態46乃至49のいずれか1つに記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻づまり
治療キットであって、
薬剤的に不活性の
溶液をスプレーミスト
としてヒトの鼻の鼻腔内に投与するための
少なくとも1つの第1の鼻スプレー装置と、
測定量の薬剤的に活性の
溶液をスプレーミスト
として前
記鼻腔内に投与するための
少なくとも1つの第2の鼻スプレー装置と、
少なくとも1つの鼻拡張器と、
を含み、
前記
薬剤的に活性の溶液は、重量によって0.002%以上且つ0.02%以下の薬剤的に活性の成分を含む水溶液である、鼻づまり治療キット。
【請求項2】
各第2の鼻スプレー装置は、前記薬剤的に活性の溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、それぞれの第2の鼻スプレー装置の少なくとも1回の完全な作動を必要とするように構成され、
各第2の鼻スプレー装置は、前記薬剤的に活性の溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、それぞれの第2の鼻スプレー装置の3回以下の完全な作動を必要とするように構成されている、請求項
1に記載の
鼻づまり治療キット。
【請求項3】
前記少なくとも1つの鼻拡張器は、Mの鼻拡張器から成り、
前記少なくとも1つの第2の鼻スプレー装置は、合計でNの有効量の前記薬剤的に活性の溶液を有し、
Mは、4×N以下であり、
Mは、N/2以上である、
請求項
1に記載の
鼻づまり治療キット。
【請求項4】
各第1の鼻スプレー装置は、それぞれの第1の鼻スプレー装置の単一の完全な作動により、スプレーミストとしての第1の量の前記薬剤的に不活性の溶液の放出をもたらすように構成され、
前記第1の量は、前記測定量の少なくとも5倍であり、且つ前記測定量の20倍未満である、請求項
1に記載の
鼻づまり治療キット。
【請求項5】
前記薬剤的に活性の溶液の有効量は、1μg以上且つ10μg以下の前記薬剤的に活性の成分を含む、請求項
1に記載の
鼻づまり治療キット。
【請求項6】
前記薬剤的に活性の成分は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択される、請求項
1に記載の
鼻づまり治療キット。
【請求項7】
前記薬剤的に不活性の溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含む水溶液であり、
前記薬剤的に不活性の溶液は、重量当たり0.5%以上且つ0.8%以下の前記塩を含む、請求項
1に記載の
鼻づまり治療キット。
【請求項8】
測定量の水溶液をスプレーミストとしてヒトの鼻の鼻腔内に投与するための鼻スプレー装置と、
少なくとも1つの鼻拡張器と、
を含む鼻づまり治療キットであって、
前記水溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含み、
前記水溶液は、重量によって0.002%以上且つ0.02%以下の薬剤的に活性の成分を含み、
前記薬剤的に活性の成分は、交感神経刺激血管収縮剤である、
鼻づまり治療キット。
【請求項9】
前記鼻スプレー装置は、前記水溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、前記鼻スプレー装置の少なくとも1回の完全な作動を必要とするように構成され、
前記鼻スプレー装置は、前記水溶液の有効量のスプレーミストとしての放出が、前記鼻スプレー装置の3回以下の完全な作動を必要とするように構成されている、請求項8に記載の鼻づまり治療キット。
【請求項10】
前記少なくとも1つの鼻拡張器は、Mの鼻拡張器から成り、
前記鼻スプレー装置は、合計でNの有効量の前記水溶液を有し、
Mは、4×N未満であり、
Mは、N/2よりも大きい、
請求項8に記載の鼻づまり治療キット。
【請求項11】
前記少なくとも1つの鼻拡張器は、複数の外鼻拡張器であり、各々が、前記ヒトの鼻の外面に適用された場合に、前記鼻腔の領域を広げるのに適している、請求項8に記載の鼻づまり治療キット。
【請求項12】
前記水溶液の有効量は、1μg以上且つ10μg以下の前記薬剤的に活性の成分を含む、請求項8に記載の鼻づまり治療キット。
【請求項13】
前記薬剤的に活性の成分は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択される、請求項8に記載の鼻づまり治療キット。
【請求項14】
前記水溶液は、重量当たり0.5%以上且つ0.8%以下の前記塩を含む、請求項8に記載の鼻づまり治療キット。
【請求項15】
容器に水溶液を分注するステップと、
前記容器を微粒化機構に組み立てて、前記水溶液の一部をスプレーミストとしてヒトの鼻の鼻腔内に投与するための鼻スプレー装置を得るステップと、
を含む方法であって、
前記水溶液は、重量によって0.002%以上且つ0.02%以下の薬剤的に活性の成分を含み、
前記薬剤的に活性の成分は、交感神経刺激血管収縮剤である、方法。
【請求項16】
前記水溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの鼻拡張器と共に前記鼻スプレー装置を包装するステップを含む、請求項
15に記載の方法。
【請求項18】
第2の鼻スプレー装置及び少なくとも1つの鼻拡張器と共に前記鼻スプレー装置を包装するステップを含み、
前記第2の鼻スプレー装置は、薬剤的に不活性の溶液のリザーバを含み、前記薬剤的に不活性の溶液の一部をスプレーミストとして前記鼻腔内に投与するように構成されている、請求項
15に記載の方法。
【請求項19】
前記薬剤的に活性の成分は、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びキシロメタゾリンを含む群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記水溶液は、塩化ナトリウム及び塩化カリウムを含む群から選択された塩を含み、
前記水溶液は、重量当たり0.5%以上且つ0.8%以下の前記塩を含む、請求項
15に記載の方法。
【国際調査報告】