(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】再循環油潤滑システムを有する回転機
(51)【国際特許分類】
F16N 7/16 20060101AFI20230728BHJP
F16N 7/24 20060101ALI20230728BHJP
F16N 7/32 20060101ALI20230728BHJP
F16N 31/00 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
F16N7/16
F16N7/24
F16N7/32 A
F16N31/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562928
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 IB2021056042
(87)【国際公開番号】W WO2022009087
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】102020000016636
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597031047
【氏名又は名称】アツィオナリア コストルツィオーニ マッキーネ アウトマティケ ア.チ.エンメ.ア.ソチエタ ペル アツィオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルボーニ,サルヴァトーレ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィターリ,アントニオ
(57)【要約】
回転機(10)は、回転機の主回転軸(X)に関して延在し、主回転軸に対して固定される内部本体(11)と、内部本体(11)の外側で回転可能に支持され、主回転軸(X)を中心に回転する外部本体(12)と、内部本体または外部本体の少なくとも1つの構成要素(15、16、17)に潤滑剤を塗布するように設けられる潤滑システム(18)と、を備える。潤滑システム(18)は、内部本体(11)内に形成され、回転機(10)内に潤滑剤を導く潤滑剤のための入口導管(19)と、潤滑剤のための少なくとも1つの分配導管(20)と、外部本体(12)と内部本体(11)との間に画定される、潤滑剤のための回収チャンバ(21)と、回収チャンバ(21)と連通し、内部本体(11)内に形成され、回転機(10)の外部に潤滑剤を導く出口導管(22)と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機(10)であって、
前記回転機の主回転軸(X)に関して延在し、前記主回転軸に対して固定される内部本体(11)と、
前記内部本体(11)を中心に半径方向外側の位置に回転可能に支持され、前記主回転軸(X)を中心に回転するように配置される外部本体(12)と、
前記内部本体(11)を中心とした前記外部本体(12)の回転中に、前記内部本体または前記外部本体の少なくとも1つの構成要素(15、16、17)に潤滑剤を塗布するように設けられる潤滑システム(18)と、
を備え、
前記潤滑システム(18)は、
前記内部本体(11)内に形成され、前記回転機(10)内に潤滑剤を導くように設けられる、潤滑剤のための入口導管(19)と、
前記入口導管(19)から潤滑対象である前記少なくとも1つの構成要素(15、16、17)まで潤滑剤を導くように設けられる、潤滑剤のための少なくとも1つの分配導管(20)と、
前記外部本体(12)と前記内部本体(11)との間に画定され、潤滑対象である前記構成要素の下流側で潤滑剤を回収するように設けられる、潤滑剤のための回収チャンバ(21)と、
前記回収チャンバ(21)と連通し、前記内部本体(11)内に形成され、前記回転機(10)の外部に潤滑剤を導くように設けられる出口導管(22)と、
を備える、
回転機。
【請求項2】
前記出口導管(19)は、前記内部本体(11)内に形成されて前記回収チャンバ(21)に開口する吸気チャネル(23)によって、前記回収チャンバ(21)と連通し、前記吸気チャネルは、前記回収チャンバ内に存在し且つ前記外部本体によって回転されて前記出口導管(22)に向けて分流される潤滑剤に接するように形成される、請求項1に記載の回転機。
【請求項3】
前記主回転軸(X)は、水平である、請求項1または2に記載の回転機。
【請求項4】
前記吸気チャネルは、前記内部本体(11)の下部領域に形成される、請求項2または3に記載の回転機。
【請求項5】
前記吸気チャネル(23)は、前記回収チャンバ(21)に開口する第1の入口ブランチ(24)を備え、前記第1の入口ブランチ(24)は、前記主回転軸(X)を中心とする前記外部本体(12)の回転方向(R)に関して前記第1の入口ブランチ(24)の上流側および下流側にそれぞれ位置する第1の壁(27)および第2の壁(28)によって区切られており、前記第2の壁(28)は、前記主回転軸(X)を中心とする前記外部本体(12)の回転方向(R)に対して上流側に傾斜している、請求項2~4のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項6】
前記第2の壁(28)は、前記回転機内で画定されている半径方向に対して傾斜しており、前記回収チャンバ(21)を区切る前記内部本体(11)の外面(11a)と45°~80°の範囲の角度をなす、請求項5に記載の回転機。
【請求項7】
前記第1の壁(27)は、前記主回転軸(X)を中心とする前記外部本体(12)の回転方向(R)に対して上流側に傾斜している、請求項5または6に記載の回転機。
【請求項8】
前記吸気チャネル(23)は、前記回収チャンバ(21)に開口する第2の入口ブランチ(25)を備え、前記第2の入口ブランチ(25)は、前記第1の入口ブランチ(24)に接続される、請求項5~7のいずれか1項に記載の回転機。
【請求項9】
前記第2の入口ブランチ(25)は、前記主回転軸(X)を通って延在する垂直面(Y)に関して前記第1の入口ブランチ(24)とは反対側に位置する、請求項8に記載の回転機。
【請求項10】
前記出口導管(22)は、前記吸気チャネル(23)から少なくとも1つの垂直成分を有する方向に延在する第1のブランチ(29a)を備える、請求項2~9のいずれか1項に記載の回転機
【請求項11】
前記第1のブランチ(29a)は、前記吸気チャネル(23)から半径方向に延在する、請求項10に記載の回転機。
【請求項12】
前記出口導管(22)は、前記出口導管(22)の共通部分(29c)の領域において前記第1のブランチ(29a)に接合されるために前記吸気チャネル(23)から延在する第2のブランチ(29b)を備える、請求項10または11に記載の回転機。
【請求項13】
回転機(10)の潤滑方法であって、前記回転機は、固定された内部本体(11)と、前記回転機の主回転軸(X)を中心に回転する外部本体(12)と、を備え、前記方法は、
前記内部本体(11)に形成された入口導管(19)を介して前記回転機内に潤滑剤を導入するステップと、
分配導管(20)を介して前記潤滑剤を分配するステップと、
前記内部本体(11)と前記外部本体(12)との間に画定された回収チャンバ(21)内で前記潤滑剤を回収するステップと、
前記内部本体(11)内に形成され且つ前記回収チャンバ(21)と連通する出口導管(22)を介して、前記回転機(10)からの潤滑剤を排出するステップと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記潤滑剤は、前記主回転軸(X)を中心とする前記外部本体(12)の回転によって、前記回収チャンバ(21)内で回転し、吸気チャネル(23)によって、回転している前記潤滑剤の一部を分流させることで、前記出口導管(22)を介して前記回転機から排出され、前記吸気チャネル(23)は、前記内部本体(11)内に形成され、前記回収チャンバ(21)に開口する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか1項に従って作製された少なくとも1つの回転機(10)を備える装置(100)であって、前記少なくとも1つの回転機の潤滑剤の入口導管(19)と潤滑剤の出口導管(22)は、前記回転機に対して外部にある、潤滑剤のための回収タンクおよび潤滑剤のためのポンプ装置に接続される、装置。
【請求項16】
請求項1~12のいずれか1項に従って作製された複数の回転機(10)を備え、潤滑剤のための前記回収タンクおよび潤滑剤のための前記ポンプ装置は、前記複数の回転機(10)のすべてについて共通である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記装置は、物品を梱包するための装置である、請求項15または16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機に関し、回転機内で低い潤滑油量での動作を可能にする再循環油潤滑システムを備える回転機に関する。
【0002】
また、本発明は、再循環油潤滑システムによる回転機の潤滑方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明は、排他的ではないが、固定される内部本体と、内部本体に対して回転するように延在する外部本体と、を備える機械の構造の機械分野に好ましい用途を見出すものである。
【0004】
このタイプの機械は、例えば、工場内にあるステーションから別のステーションへ物体を移動させたり、回転させたまま作業を行ったり、作業工具を回転させたりするために、多くの産業分野で広く使用されている。
【0005】
例えば、上述したタイプの回転機は、梱包および包装の分野における半製品の移動に有利に使用される。
【0006】
回転機は、その機能を正しく発揮させるために、内部本体に対する外部本体の回転運動において、互いに摺動するベアリングおよびブッシュなどの構成要素に潤滑油を塗布する必要がある場合がある。
【0007】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、特定の用語および表現は、明示されていない限り、以下の定義で示されている意味を有するとみなすことができる。
【0008】
用語「回転機」は、機械装置を意味し、ここでは、第1の本体が、少なくとも部分的に、装置の第2の本体を中心に回転され、その中を第1の本体の回転軸が延在する。好ましくは、第1の本体は、第2の本体上に支持され、より好ましくは、第2の本体は、回転軸に対して固定されている。
【0009】
回転機の好ましい実施例として、ドラム、ホイール、カルーセル、コンベア、およびその他の同様の材料移動装置が挙げられる。
【0010】
「垂直」方向は、重力に平行な方向を意味し、「水平」方向は、垂直方向に垂直な平面における任意の方向を意味する。
【0011】
一貫して、特定の要素の位置は、上述した垂直方向を基準として、他の要素の位置に対して「下」または「底」または「高い」または「上」と定義される。
【0012】
例えば回転方向などの移動方向に関して、この移動を行う本体が最初に第1の要素に出会い、次に第2の要素に出会うとき、第1の要素は、第2の要素に対して「下流」にあるといえる。
【0013】
同様に、この移動を行う本体が最初に第2の要素に出会い、次に第1の要素に出会うとき、第1の要素は、第2の要素に対して「上流」にあるといえる。
【0014】
移動方向と一致する方向に向けられた成分をもつ方向に沿って要素が傾いている場合、要素は、例えば回転方向などの移動方向に対して「下流側」に傾いているといえる。
【0015】
同様に、例えば回転方向、移動方向とは反対の方向に向けられた成分をもつ方向に沿って要素が傾いている場合、要素は、例えば回転方向などの移動方向に対して「上流側」に傾いているといえる。「半径方向」は、回転軸に実質的に垂直な方向を意味する。
【0016】
第1の方向は、第2の方向に対して80°~100°の範囲の角度で互いに傾斜している場合、第2の方向に「実質的に」垂直であるといえる。同様に、2つの方向が最大10°のまでの範囲で互いに傾斜している場合、「実質的に」平行であるといえる。
【0017】
第2の方向に対する第1の方向の「成分」という用語は、両方向を同一平面上としたときに、第1の方向が第2の方向に対して直交する状態を意味する。
【0018】
「潤滑剤」または「潤滑油」または単に「油」という用語は、使用温度で液体状態の物質を意味する。これは、通常、機械的要素の潤滑に用いられるものであり、潤滑経路に沿って導くのに十分に低い粘度を有するものである。この物質は、通常、鉱油をベースに適切な添加剤を加えたものであるが、シリコーンなどの別のポリマーベースを有することもできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本出願人は、回転機に使用される潤滑システムタイプが、回転機の正常運転時のみならず、その保守作業を効果的に管理する上で重要な要素となり得ることに注目していた。
【0020】
特に、本出願人は、固定された内部本体に対して外部本体が回転される上述したタイプの回転機において、先行技術によって提案されてきた潤滑システムは、使用される潤滑剤のタイプにおいて異なる2つの群に実質的に分けられることを観察した。
【0021】
第1の群は、相互に接触する部分に直接塗布し、回転機の動作中はそのまま残されるグリスの使用に関するものである。
【0022】
しかしながら、本出願人は、この解決策では、一定の頻度で回転機を停止させてグリス塗布対象である回転機の構成要素を分解した後、慎重に洗浄してから再度グリスを塗布する必要があり、グリス交換作業が特に負担が大きく問題があることを確認した。そのため、このタイプの作業には長いダウンタイムが必要となり、それが設置される工場全体での生産性を損なわないために、保守が行われている回転機を同様の代替機械に交換しなければならないことが多く、その結果、コストが上昇してしまう。
【0023】
また、潤滑物質としてのグリスは高速で回転する機械で使用するのに不向きである。食品加工工場の場合、このような加工に使用できるグリスは必ずしも満足のいく品質をもたない。
【0024】
潤滑システムの第2の群は、最も一般的で簡単な使用方法において、潤滑される部品を少なくとも部分的に油浴に浸すことを必要とする油の使用に関するものである。
【0025】
しかしながら、本出願人は、このシステムが、機械内部に相当量の油を供給しなければならないという事実、ならびに時間の経過とともに密封に問題が生じて潤滑油が漏れる可能性があるという事実など、多くの欠点を含んでいることを観察した。この最後の欠点は、特に食品製造専用の機械では望ましくないと同時に、高速な回転機では、避けられない内部摩擦のために高温が生じ、シールガスケットの摩耗を促進させる場合がある。
【0026】
また、本出願人は、上述した両方の潤滑システムが、例えば、特に回転速度が速い場合に、潤滑剤が必要なすべての表面に実際に存在することを確認することができないなど、ある共通の欠点を有していることを観察した。
【課題を解決するための手段】
【0027】
そのため、本出願人は、上述した欠点を解決するために、再循環油潤滑システムを用いることが有益であることを理解した。ここでは、機械内部で潤滑対象である構成要素の領域に潤滑油が直接通されて、その後、機械外部で特殊なポンプによって油が再循環される。
【0028】
このシステムについては、例えば、機械に導入される油を加圧することができること、所定の位置に正確に注入ができること、ならびに機械に戻す前に循環する潤滑剤を冷却および洗浄することができることなどの利点がいくつかあるにもかかわらず、本出願人は、上述したタイプの回転機にこのような再循環油潤滑システムを実装すると重大な問題が生じることを発見した。これは、潤滑対象である構成要素の下流側で潤滑剤を集め、それを回転機の外部に向けて連続的且つ効果的に導く必要性に関連する。
【0029】
特に、回転軸が水平な回転機において、その困難さが顕著になる。
【0030】
本出願人は、潤滑対象である構成要素が、重力の影響により、回転機の下部に集まる傾向があることを見出した。実際、回転軸が水平な回転機において、固定された内部本体と、回転する外部本体との間の空間に潤滑剤が集まることを検証した。
【0031】
しかしながら、本出願人は、潤滑剤が外部本体を通過して(例えば、適切なスロットを通って)半径方向外側の位置に固定されたケーシングに集められるようにすると、回転する本体に対するケーシングの気密性の点でさらなる困難が生じることを確認した。
【0032】
そこで、本出願人は、固定された内部本体に直接形成された出口導管を介して潤滑剤を回転機の外部に戻すように導くことができ、これにより、回転する外部本体に対して固定されるように配置された潤滑剤回収構造を設ける必要がないことを見出した。
【0033】
したがって、本発明の第1の態様において、本発明は、内部本体と外部本体とを備える回転機に関する。
【0034】
好ましくは、内部本体は、回転機の主回転軸を中心に延在する。
【0035】
好ましくは、内部本体は、主回転軸に対して固定される。
【0036】
好ましくは、外部本体は、内部本体を中心に半径方向外側の位置に回転可能に支持される。
【0037】
好ましくは、外部本体は、主回転軸を中心に回転するように配置される。
【0038】
好ましくは、回転機は、潤滑システムを備える。潤滑システムは、内部本体を中心とした外部本体の回転中に、内部本体または外部本体の少なくとも1つの構成要素に潤滑剤を塗布するように設けられる。
【0039】
好ましくは、潤滑システムは、潤滑剤のための入口導管を備える。入口導管は、回転機内に潤滑剤を導くように設けられる。
【0040】
好ましくは、入口導管は、内部本体内に形成される。
【0041】
好ましくは、潤滑システムは、潤滑剤のための少なくとも1つの分配導管を備える。分配導管は、入口導管から潤滑対象である少なくとも1つの構成要素まで潤滑剤を導くように設けられる。
【0042】
好ましくは、潤滑システムは、潤滑剤のための回収チャンバを備える。回収チャンバは、潤滑対象である構成要素の下流側で潤滑剤を回収するように設けられる。
【0043】
好ましくは、回収チャンバは、外部本体と内部本体との間に画定される。
【0044】
好ましくは、潤滑システムは、出口導管を備える。出口導管は、回転機の外部に潤滑剤を導くように設けられる。
【0045】
好ましくは、出口導管は、回収チャンバと連通している。
【0046】
好ましくは、出口導管は、内部本体内に形成される。
【0047】
これらの特徴により、再循環油潤滑システムを使用して本発明の回転機に潤滑油を塗布することができ、従来のグリスまたは油浴潤滑システムの課題を克服して、上述した保守および潤滑効率の側面から重要な利点を達成することができる。
【0048】
本発明の第2の態様において、本発明は、固定された内部本体と、回転機の主回転軸を中心に回転する外部本体と、を備える回転機の潤滑方法に関する。
【0049】
好ましくは、該方法は、内部本体に形成された入口導管を介して回転機内に潤滑剤を導入するステップを含む。
【0050】
好ましくは、該方法は、分配導管を介して潤滑剤を分配するステップを含む。
【0051】
好ましくは、該方法は、内部本体と外部本体との間に画定された回収チャンバ内で潤滑剤を回収するステップを含む。
【0052】
好ましくは、該方法は、内部本体内に形成され且つ回収チャンバと連通する出口導管を介して、回転機からの潤滑剤を排出するステップを含む。
【0053】
本発明の第3の態様において、本発明は、上述した第1の態様に従って作製された少なくとも1つの回転機を備える装置に関する。
【0054】
好ましくは、少なくとも1つの回転機の潤滑剤の入口導管と潤滑剤の出口導管は、回転機に対して外部にある潤滑剤のための回収タンクに接続される。
【0055】
好ましくは、少なくとも1つの回転機の潤滑剤の入口導管と潤滑剤の出口導管は、回転機に対して外部にある潤滑剤のためのポンプ装置に接続される。
【0056】
これらの特徴により、本発明による装置は、再循環油潤滑システムによって上述したタイプの回転機に潤滑剤を塗布することができる。ここで、潤滑剤は、回転機に対して外部にあるタンクから開始して必要な潤滑動作のために回転機内を通過した後にタンクに戻る経路に沿って導かれる。
【0057】
上述した態様のうちの少なくとも1つにおける本発明は、以下に記載の好ましい特徴のうちの少なくとも1つをさらに有することができる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、出口導管は、内部本体内に形成されて回収チャンバに開口する吸気チャネルによって、回収チャンバと連通する。
【0059】
好ましくは、潤滑剤は、主回転軸を中心とする外部本体の回転によって、回収チャンバ内で回転する。
【0060】
好ましくは、潤滑剤は、吸気チャネルによって、回転している潤滑剤の一部を分流させることで、出口導管を介して回転機から排出される。
【0061】
好ましくは、吸気チャネルは、回収チャンバ内に存在し且つ外部本体によって回転されて出口導管に向けて分流される潤滑剤に接するように形成される。
【0062】
これらの特徴により、回収チャンバ内で回転している潤滑剤の一部を主流から分流させて出口導管に導くことができる。
【0063】
有利には、この特徴を設けることで、上述したタイプの回転機にみられる重要な欠点を容易且つ効果的に克服することができる。
【0064】
この欠点は、外部本体が内部本体を中心に回転して潤滑剤を回転させ、遠心力の影響力により出口導管が形成されている内部本体から外部本体が遠ざかる傾向があるため、潤滑剤が出口導管に入りにくいことに起因する。
【0065】
この状況は、出口導管に向けた潤滑剤の流出を妨げ、潤滑剤の循環ポンプを停止させる危険性がある。
【0066】
その一方で、回収チャンバ内に存在する潤滑剤の一部と接触して分流させるように特別に形成された吸気チャネルを設けて、外部本体が潤滑剤を回転させる速度を利用して潤滑剤を出口導管に沿って押し出すことにより、外部本体が内部本体を中心に回転している間であっても、回転機からの潤滑剤の流出を適切に保証することができる。
【0067】
なお、この特徴により、問題の解決策が、その問題を決定する同じ原因から導き出されることに留意されたい。そのため、問題そのものの程度に応じた対応ができるなど、明白な利点を得ることができる。
【0068】
つまり、外部本体の回転速度(すなわち油の流出を妨げる遠心力)が速いほど、吸気チャネル内の分流させた油の速度が出口導管に向けて押し出される速度が速くなる。
【0069】
上述したような吸気チャネルを設ける代わりに、またはそれに加えて、潤滑剤を回収チャンバから出口導管に向けて押し出すための空気圧手段が設けられてもよい。
【0070】
好ましくは、主回転軸は、水平である。
【0071】
好ましくは、吸気チャネルは、内部本体の下部領域に形成される。
【0072】
好ましくは、吸気チャネルは、出口導管よりも低い位置に形成される。
【0073】
好ましくは、吸気チャネルは、外部本体が回転していないときに潤滑剤の所定レベル以下となるように内部本体内に形成される。
【0074】
このようにして、吸気チャネルは、小さい潤滑剤タンクを構成し、回転機の始動時に潤滑システムを正しく動作させるために有効である。
【0075】
好ましい実施形態において、吸気チャネルは、回収チャンバに開口する第1の入口ブランチを備える。
【0076】
好ましくは、第1の入口ブランチは、主回転軸を中心とする外部本体の回転方向に関して第1の入口ブランチの上流側に位置する第1の壁によって区切られている。
【0077】
好ましくは、第1の入口ブランチは、主回転軸を中心とする外部本体の回転方向に関して第1の入口ブランチの下流側に位置する第2の壁によって区切られている。
【0078】
好ましくは、第2の壁は、主回転軸を中心とする外部本体の回転方向に対して上流側に傾斜している。このようにして、第2の壁に接触する潤滑剤は、吸気チャネルの第1の入口ブランチ内に向けて有利に分流される。
【0079】
好ましくは、第2の壁は、回収チャンバを区切る内部本体の外面に入射している。
【0080】
好ましくは、第2の壁は、回転機内で画定されている半径方向に対して傾斜しており、回収チャンバを区切る内部本体の外面と45°~80°の範囲の角度をなす。
【0081】
これらの特徴により、第2の壁によって行われる潤滑剤の流れの分流作用が最適化される。
【0082】
好ましくは、第1の壁は、主回転軸を中心とする外部本体の回転方向に対して上流側に傾斜している。
【0083】
このようにして、吸気チャネルへの潤滑剤の進入が促進される。
【0084】
好ましくは、第1の壁は、回収チャンバを区切る内部本体の外面に実質的に接続されている。
【0085】
このようにして、第1の壁のすぐ近くで起こり得る潤滑剤の流れの乱れ現象が低減されて、吸気チャネルへの潤滑剤の進入がさらに促進される。
【0086】
好ましくは、第1の入口ブランチは、回収チャンバの開口部から吸気チャネル内に向けて、テーパ状の通路部を有する。
【0087】
このようにして、第1の入口ブランチは、実質的に漏斗形状の部分を有する。
【0088】
好ましくは、回収チャンバの開口部の領域における第1の入口ブランチは、30mm~40mmの範囲の円周方向寸法を有する。
【0089】
好ましくは、第1の入口ブランチは、10mm~30mmの範囲の円周方向寸法で、回収チャンバから離れるにつれて狭くなっている。
【0090】
好ましくは、吸気チャネルは、回収チャンバに開口する第2の入口ブランチを備える。
【0091】
これにより、吸気チャネルに分流される潤滑剤の量が増加する。
【0092】
好ましくは、第2の入口ブランチは、第1の入口ブランチに接続される。
【0093】
好ましくは、第2の入口ブランチは、実質的に円周方向に沿って第1の入口ブランチと第2の入口ブランチとの間に延在する接続部によって、第1の入口ブランチに接続される。
【0094】
好ましくは、接続部は、第1の入口ブランチおよび第2の入口ブランチに対して上方の位置で第1の入口ブランチと第2の入口ブランチとの間に延在し、第1の入口ブランチおよび第2の入口ブランチと出口導管との間に介在する。
【0095】
このようにして、接続部は、タンクとして機能し、2つの入口ブランチからの潤滑剤が出口導管に送られる前に均等化される。
【0096】
好ましい実施形態において、第2の入口ブランチは、第1の入口ブランチと実質的に同一である。
【0097】
好ましくは、第2の入口ブランチは、主回転軸を通って延在する垂直面に関して第1の入口ブランチとは反対側に位置する。
【0098】
このようにして、潤滑剤は、水平面に関して、すなわち回転機が静止しているときの潤滑剤のレベルに関して実質的に同じ高さのまま、可能な限り離れた2つの位置から吸気チャネルに向けて分流される。
【0099】
好ましくは、出口導管は、吸気チャネルから少なくとも1つの垂直成分を有する方向に延在する第1のブランチを備える。
【0100】
好ましくは、第1のブランチは、吸気チャネルから半径方向に延在する。
【0101】
好ましくは、出口導管は、出口導管の共通部分の領域において第1のブランチに接合されるために吸気チャネルから延在する第2のブランチを備える。
【0102】
好ましくは、第2のブランチは、主回転軸を通って延在する垂直面に関して第1のブランチと実質的に対称である。
【0103】
好ましくは、回収チャンバの領域における内部本体と外部本体との間の空間は、2mm~6mmの範囲、より好ましくは約3mmである。
【0104】
好ましくは、装置は、上述した第1の態様に従って実現される複数の回転機を備える。
【0105】
好ましくは、潤滑剤のための回収タンクは、複数の回転機のすべてについて共通である。
【0106】
好ましくは、潤滑剤のためのポンプ装置は、複数の回転機のすべてについて共通である。
【0107】
好ましくは、装置は、物品を梱包するための装置である。
【0108】
好ましくは、回転機は、半製品を移動させるためのドラムである。
【図面の簡単な説明】
【0109】
本発明の特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的に例示された実施形態に関する以下の詳細な説明からより明確になるであろう。
【
図1】本発明に従って実現された回転機が設けられた、物品を梱包するための装置を上方から模式的に示す平面図である。
【
図2】
図1の梱包装置の一部を拡大して模式的に示す側面立面図であり、回転機がより詳細に示されている。
【
図3】
図2の回転機の要部を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図3の半径方向平面IV-IVに沿った模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0110】
まず、
図1を参照すると、本発明に従って実現された回転機10が設けられた梱包装置が全体として参照符号100によって示されている。
【0111】
梱包装置100は、最終的な梱包とその後の出荷に備えた完成した梱包を準備するように、束ねられていない複数の物品1を箱30内に梱包するために設けられる。
【0112】
好ましい本実施形態において、物品1は、浸出による飲料、特にコーヒーの作製のためのカプセルである。
【0113】
最も一般的な形態に置いて、梱包装置100は、箱30の成形ユニット101と、物品1の選別ユニット110と、選別ライン110からの物品1を成形ライン101からの箱30に配置する梱包ユニット150と、を備える。
【0114】
選別ユニット110には、2列の物品1を直立状態で搬送する第1のコンベア111からの物品1が供給される。また、選別ユニット110は、例えば1対のスクリューコンベアを含む第1の選別ステーション112を備える。ここで、2列の物品を含む物品1は、互いに正確に離間されており、2列のうちの一方の物品1は、上下反転されている。
【0115】
第1の選別ステーション112を出た物品1は、次に第2の選別ステーション114に供給され、1対の選別ロボット116の機能により、物品1を格子縞パターンなどの所定の取り除きパターンに従って配列しながら第1のコンベアベルト115上に移送される。
【0116】
梱包ユニット150において、第1のコンベアベルト115上を搬送される物品1は、成形ユニット101から来る、特に第2のコンベアベルト107上を搬送される箱30に移載および配置される。
【0117】
この動作は、複数の搬送装置200によって行われる。搬送装置200の各々は、第1のコンベアベルト115から複数の物品1を取り除いて箱30に配置するように設けられる。
【0118】
有利には、梱包ユニット150の領域において、第1のコンベアベルト115と第2のコンベアベルト107は互いに並んでおり、実質的に平行であるが反対方向であるそれぞれの前進方向F1およびF2に沿って直線的に移動し、搬送装置200は、第1のコンベアベルト115と第2のコンベアベルト107との間で整列される。
【0119】
物品1が配置される箱30は、成形ユニット101において、対応するブランク31から形成される。ブランクの各々は、折り畳み可能で半剛性の材料、例えば段ボールからなる平坦な半製品であり、適切に切断されて折り目がつけられる。
【0120】
成形ユニット101は、供給ステーション103を含む。ここで、入口102で供給されるブランクのスタックから単一ブランク31が抽出される。ブランク31は、そのフラップの一部が予め折り畳まれてからブランクコンベア105に搬送される。
【0121】
ブランクコンベア105は、接着ステーション106を横切る。ここで、複数のホットグルーディスペンサガンまたはノズルがブランク31上に適切な接着スポットを形成する。
【0122】
さらに、成形ユニット101は、成形カルーセル120を備える。これは、複数の成形装置121が設けられたブランクコンベア105によって供給される。
【0123】
成形カルーセル120の湾曲路の一部の移動期間において、ブランク31は、成形装置121内で好適に折り畳まれて、接着スポットが設けられた部分が互いに密着させられて、開放位置においてそれぞれの上部閉鎖パネルを有するそれぞれの箱30が形成される。
【0124】
成形カルーセル120の湾曲路の終端において、箱30は、開口部を上に向けた状態で第2のコンベアベルト107上に供給され、上記梱包ユニット150に送られる。
【0125】
上述したように、梱包装置100において、複数の回転機を設けることができる。
【0126】
特に、
図2でより詳細に示す供給ステーション103において、1対の移動ドラム104aが設けられる。その各々は、半径方向外側位置において、複数の把持装置104bを支承している。複数の把持装置104bは、それぞれのブランク31を保持し、それがブランクコンベア105上に配置されるまで様々な処理と事前折りステーションとの間で移動するのに適している。
【0127】
各移動ドラム104aは、本発明の回転機10として特定することができ、以下の説明ではそのように呼ぶ。
【0128】
特に
図3および
図4を参照すると、回転機10の各々は、内部本体11と、内部本体11を中心に半径方向外側位置に回転可能に支持された外部本体12と、を備える。
【0129】
特に、外部本体12は、回転機10の主回転軸Xを中心に回転方向Rに回転可能に設けられる。内部本体11は、主回転軸Xを中心に延在するが、これに対して固定されている。
【0130】
特に、内部本体11は、回転機10の支持構造13に固定され、その中で延在するシャフト14がベアリング15によって支持構造13に回転可能に支持されている。
【0131】
シャフト14は、水平面上に位置し、その長手方向軸が回転機10の主回転軸Xを画定する。
【0132】
外部本体12は、ベアリング16によって内部本体11に支持され、内部本体11内には、
図3に模式的に示す他のベアリングまたは回転機17が設けられる。これらは、把持装置104bの正しい移動を制御するために設けられる。
【0133】
回転機10の半径方向の寸法は、外部本体12および内部本体11の直径500mm~800mmの範囲で規定される。例えば本明細書に記載の実施形態において、外部本体12は外径約650mm、内径約630mmであり、内部本体11は外径約624mmであり、内部本体11と外部本体12との間の半径方向の間隔は約3mmである。
【0134】
回転機10の各々は、モータ部材(図示せず)を備える。モータ部材は、主回転軸Xを中心に外部本体12を回転させるように設けられる。特に、外部本体12は、4rpm~50rpmの範囲の速度で回転される。
【0135】
回転機10の各々は、潤滑システム18を備える。潤滑システム18は、内部本体11を中心とした外部本体12の回転中に、少なくともベアリング15、16および17を含む固定部品と接触して回転する回転機10のすべての部分を潤滑するために設けられる。
【0136】
潤滑剤は、目的に適した任意の組成の液状物質であり、例えば鉱油系のものである。
【0137】
各回転機10の潤滑システム18は、
・ 潤滑剤を回転機10に導入させるための入口導管19と、
・ 入口導管19から潤滑剤を少なくともベアリング15、16および17まで導くために設けられた分配導管20と、
・ 内部本体11と外部本体12との間に画定され、ベアリング15、16および17の下流側の潤滑剤を回収するための回収チャンバ21と、
・ 潤滑剤を回転機10の外部に出すための出口導管22と、
を備える。
【0138】
入口導管19、分配導管20および出口導管22は、いずれも回転機の固定部分、特に内部本体11およびそれが固定される支持構造13に形成される。
【0139】
回収チャンバ21は、内部本体11と外部本体12との間の空間によって画定され、上述したように、2mm~6mm、例えば約3mmの半径方向の測定値を有する。
【0140】
回収チャンバ21内に開口し、出口導管22と連通する吸気チャネル23は、内部本体11内に形成される。
【0141】
吸気チャネル23は、垂直方向に関して最も低い高さを有する内部本体の領域に配置され、特に、回転機10が静止しているときに存在する潤滑油のレベルLよりも低い位置に配置されることが好ましい。
【0142】
吸気チャネル23は、回収チャンバ21内に存在し且つ外部本体12によって回転されている潤滑剤が出口導管22に向けて分流するように、潤滑剤と接触するように形成される。
【0143】
このため、吸気チャネル23は、回収チャンバ21に開口する第1の入口ブランチ24および第2の入口ブランチ25と、回収チャンバ21において第1の入口ブランチ24と第2の入口ブランチ25とを互いに接続する接続部26と、を備える。
【0144】
第1の入口ブランチ24と第2の入口ブランチ25は、互いに間隔をあけて配置され、特に、主回転軸Xを含む垂直面Yに関して互いに反対側に配置される。
【0145】
また、第1の入口ブランチ24および第2の入口ブランチ25は、実質的に同一であるので、以下では第1の入口ブランチ24のみを詳細に説明するが、同様の考察が第2の入口ブランチ25についても直ちに繰り返し可能であることに留意されたい。説明を明確にするために、
図5では、第1の入口ブランチ24に類似する第2の入口ブランチ25の要素が、「a」を追加した第1の入口ブランチ24のものと同じ参照符号で示されている。
【0146】
主回転軸Xを中心とした外部本体12の回転方向Rに関して、第1の入口ブランチ24は、第1の入口ブランチ24を上流側と下流側にそれぞれ区切る第1の壁27および第2の壁28を備える。
【0147】
第1の壁27および第2の壁28の両方は、回転した潤滑剤の進入を有利にするために、回転方向Rに対して上流側に傾斜している。しかしながら、この機能をよりよく満たすために、それらは異なる構造を有している。
【0148】
実際、第1の壁27は、回収チャンバ21を区切る内部本体11の外面11aに実質的に接続され、第2の壁28は、外面11aに実質的に入射し、45°~80°の範囲の角度、例えば約60°の角度をなす。
【0149】
吸気チャネル23は、主回転軸Xと平行な方向において、例えば約20mmの実質的に一定の測定値を有する。
【0150】
第1の入口ブランチ24は、回収チャンバ21におけるその開口部から吸気チャネル23内に向けてテーパ状の通路部を有する。
【0151】
特に、第1の入口ブランチ24は、回収チャンバ21の開口部の領域において、30mm~40mmの範囲、例えば約35mmの円周方向寸法を有しており、吸気チャネル23内に向けて円周方向寸法が10mm~30mmの範囲、例えば約20mmまで減少する。
【0152】
約30mm~40mmの後、第1の入口ブランチ24および第2の入口ブランチ25は、第1の入口ブランチ24および第2の入口ブランチ25と、出口導管22の第1のブランチ29aおよび第2のブランチ29bとの間に介在する、実質的に円周方向に延在する接続部26につながる。
【0153】
出口導管22の第1のブランチ29aおよび第2のブランチ29bは、垂直面Yに関して互いに実質的に対称であり、出口導管22の共通部分29cまでそれぞれの半径方向に延在して、ここで収束して単一の流れとなる。
【0154】
特に、第1のブランチ29aおよび第2のブランチ29bは、例えば10mm~15mmの範囲、例えば約12mmの直径を有し、約150mm~200mmの範囲の長さを有する。
【0155】
主回転軸X、すなわち内部本体11を中心とした外部本体12の回転中に、入口導管19および分配導管20を介して回転機10に導入された潤滑剤は、回収チャンバ21に達し、そこでもその半径方向の寸法が減少した結果として、外部本体12によって回転方向Rに回転される。
【0156】
第1の入口ブランチ24または第2の入口ブランチ25の領域に達すると、潤滑剤の一部がそれぞれの第2の壁27、27aに当たり、それらの傾斜により、吸気チャネル23内に向けて接続部26まで分流される。
【0157】
ここで、2つの入口ブランチ24および25からの潤滑剤が合流し、流体力学的特性を均等化し、その残留運動エネルギーを利用して、出口導管22のブランチ29a、29bに導かれ、回転機10を出る。
【0158】
出口導管22の下流側で、回転機10の外部に潤滑剤吸引ポンプを設けることができる。
【0159】
このようにして、回転機10の再循環油潤滑システムの動作の連続性が確保され、潤滑剤吸引ポンプと循環ポンプが外れる可能性を回避し、回転機10内の潤滑油量を低く保つことができる。
【0160】
回転機10が梱包装置100の移動ドラム104aを表す本明細書に記載の特定の用途において、各移動ドラム104a(すなわち各回転機10)のそれぞれの潤滑システム18は、潤滑剤のための共通の回収タンクおよび潤滑剤のための共通のポンプ装置に接続されていることがさらに有利に想定される。
【0161】
これにより、回転機の分解が不要となり、潤滑剤の交換作業が非常に容易になる。
【0162】
本発明の別の利点として、回転機内の潤滑油量が最小限に抑えられているため、回転機における潤滑剤の漏れの可能性が大幅に制限されることが挙げられる。
【0163】
また、潤滑剤を回転機の外部に再循環させることができるため、必要に応じて冷却することができる。これにより、回転機内が過度に高温になり、シールガスケットおよび機械部品そのものが損傷するのを防ぐことができる。
【0164】
また、別の利点として、構成要素1つ1つに確実且つ信頼性高く、潤滑油を塗布することができることが挙げられる。
【0165】
なお、当業者であれば、特定の偶発的な要件を満たすために、上述した本発明を、添付の特許請求の範囲で定義される保護範囲内で修正および変形することができることは言うまでもない。
【国際調査報告】