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特表2023-533642回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ
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  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図1
  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図2a
  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図2b
  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図3a
  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図3b
  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図4
  • 特表-回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッド及びブレード・ホルダ
(51)【国際特許分類】
   B64C 11/04 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
B64C11/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567110
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 EP2021059970
(87)【国際公開番号】W WO2021223984
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】00537/20
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522299894
【氏名又は名称】コプター グループ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カミナダ、マリオ
(72)【発明者】
【氏名】スクジンスキー、ミハエル
(57)【要約】
開示された本発明は、少なくともピッチ制御ユニットと尾部ロータ・ハブ8とを備える回転翼航空機の尾部ロータ・ヘッドについて説明しており、多数の尾部ロータ・ブレード・ホルダ6が、尾部ロータ・ヘッド3で尾部ロータ・ハブ8及びピッチ制御ユニットの開口部を通って接続可能に伸びており、尾部ロータ・ブレード2が尾部ロータ・ブレード・ホルダ6の第1の側で着脱可能に接続され、テンション・トーション・ストラップが尾部ロータ・ブレード・ホルダ6の第2の側で着脱可能に取り付けられるようになっており、テンション・トーション・ストラップは、尾部ロータ・ヘッド3から少なくとも部分的に尾部ロータ・ブレード・ホルダ6を通って尾部ロータ・ブレード2の方向に半径方向外向きに伸びており、単一のロータ・ブレードの交換を容易にすることができ、尾部ロータ・ヘッドのメンテナンスをより簡素化することができる。これは、ストラップ保持部60と、成形されたブレード保持部61とを備えるブレード・ホルダ6を用いて実現され、テンション・トーション・ストラップが、接続ボア600内で1つの接続アイを有するストラップ保持ボルト601によって管状のストラップ保持部60内に固定される一方で、尾部ロータ・ブレード2の一端は、少なくとも1本のブレード・ボルト7がブレード保持部61内のボア612を通っている状態で、取付けブラケット611のブラケット内部6111で、テンション・トーション・ストラップから独立及び離間して着脱可能に固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともピッチ制御ユニット(5)と尾部ロータ・ハブ(8)とを備える回転翼航空機のシュラウド付き尾部ロータ(1)の尾部ロータ・ヘッド(3)であって、多数の尾部ロータ・ブレード・ホルダ(6)が、前記尾部ロータ・ヘッド(3)で前記尾部ロータ・ハブ(8)及び前記ピッチ制御ユニット(5)の開口部を通って接続可能に伸びており、尾部ロータ・ブレード(2)が前記尾部ロータ・ブレード・ホルダ(6)の第1の側で着脱可能に接続され、テンション・トーション・ストラップ(TT)が前記尾部ロータ・ブレード・ホルダ(6)の第2の側で着脱可能に取り付けられるようになっており、前記テンション・トーション・ストラップ(TT)は、前記尾部ロータ・ヘッド(3)から少なくとも部分的に前記尾部ロータ・ブレード・ホルダ(6)を通って前記尾部ロータ・ブレード(2)の方向に半径方向外向きに伸びている、尾部ロータ・ヘッド(3)において、
前記ブレード・ホルダ(6)が、ストラップ保持部(60)と、成形されたブレード保持部(61)とを備え、前記テンション・トーション・ストラップ(TT)が、接続ボア(600)内で1つの接続アイを有するストラップ保持ボルト(601)によって前記管状のストラップ保持部(60)内に固定される一方で、前記尾部ロータ・ブレード(2)の一端は、少なくとも1本のブレード・ボルト(7)が前記ブレード保持部(61)内のボア(612)を通っている状態で、取付けブラケット(611)のブラケット内部(6111)で、前記テンション・トーション・ストラップ(TT)から独立及び離間して着脱可能に固定されており、前記ブレード保持部(61)は、前記尾部ロータ・ハブ(8)の外側にあることを特徴とする、尾部ロータ・ヘッド(3)。
【請求項2】
前記ブレード(2)が、ボア(70)と割りピン・レセプタクル(71)と割りピン(72)とを備える前記少なくとも1本のブレード・ボルト(7)によって、前記取付けブラケット(611)において固定可能であり、前記尾部ロータ・ハブ(8)の外側から前記ストラップ保持部(60)で前記テンション・トーション・ストラップ(TT)を固定することとは無関係に、着脱可能な割りピン接続を形成する、請求項1に記載の尾部ロータ・ヘッド(3)。
【請求項3】
2本のブレード・ボルト(7)が、前記尾部ロータ・ブレード取付け装置(6)に対するねじれを防ぐように固定された前記ブレード(2)を取付けるために使用される、請求項1から2までのいずれか一項に記載の尾部ロータ・ヘッド(3)。
【請求項4】
前記尾部ロータ・ハブ(8)で前記尾部ロータ・ブレード(2)を取り付けた後に、各ブレード・ボルト(7)は、容易に前記尾部ロータ・ハブ(8)のバランスを取るために、重り取付け手段(11)と、少なくとも1つの釣り合い重り(12)とを備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載の尾部ロータ・ヘッド(3)。
【請求項5】
前記重り取付け手段(11)が、前記ブレード・ボルト(7)における延長された円筒状部分である、請求項4に記載の尾部ロータ・ヘッド(3)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの釣り合い重り(12)が、前記ブレード・ボルト(7)における着脱可能な割りピン接続によって固定される、請求項4又は5のいずれか一項に記載の尾部ロータ・ヘッド(3)。
【請求項7】
第1の側で尾部ロータ・ハブ(8)内の尾部ロータ・ブレード(2)を着脱可能に固定し、第2の側でテンション・トーション・ストラップ(TT)を保持し、ピッチ制御ユニット(5)に接続された、回転翼航空機のシュラウド付き尾部ロータ(1)の尾部ロータ・ヘッド(3)内のブレード・ホルダ(6)において、
前記ブレード・ホルダ(6)は、挿入する前記テンション・トーション・ストラップ(TT)のための管状に形成されたカバーを有するストラップ保持部(60)と、前記テンション・トーション・ストラップ(TT)の1つの接続アイがストラップ保持ボルト(601)によって着脱可能に固定され得る接続ボア(600)と、ピッチ制御ユニット(5)に取り付けられるピッチ・ホーン(602)とを備える一方で、前記ブレード保持部(61)は前記ストラップ保持部(60)に成形され、前記保持部(61)は、ブラケット・アーム(6110)を有する取付けブラケット(611)を備え、そこを通って少なくとも1つのボア(612)が切り開かれ、前記尾部ロータ・ブレード(2)の一端は、前記少なくとも1本のブレード・ボルト(7)が前記少なくとも1つのボア(612)を通っている状態で、前記テンション・トーション・ストラップ(TT)から独立及び離間して着脱可能に固定されていることを特徴とする、ブレード・ホルダ(6)。
【請求項8】
前記ブレード・ボルト(7)が、ボア(70)と、割りピン・レセプタクル(71)と、割りピン(72)とを備え、簡単で安定した接続のために着脱可能な割りピン接続を形成する、請求項7に記載のブレード・ホルダ(6)。
【請求項9】
前記ブレード・ボルト(7)が重り取付け手段(11)を備える、請求項8に記載のブレード・ホルダ(6)。
【請求項10】
前記尾部ロータ・ハブ(8)で前記尾部ロータ・ブレード(2)を取り付けた後に、少なくとも1つの釣り合い重り(12)は、容易に前記尾部ロータ・ハブ(8)のバランスを取るために、前記ブレード・ボルト(7)に取り付け可能である、請求項9に記載のブレード・ホルダ(6)。
【請求項11】
前記重り取付け手段(11)が前記ブレード・ボルト(7)における延長された円筒状部分である、請求項9に記載のブレード・ホルダ(6)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの釣り合い重り(12)が、前記ブレード・ボルト(7)における着脱可能な割りピン接続によって固定される、請求項10又は11のいずれか一項に記載のブレード・ホルダ(6)。
【請求項13】
前記ブレード保持部(61)が、円周が前記尾部ロータ・ハブ(8)内の開口部に適合した前記ストラップ保持部(60)に合体される前に成形されたフランジ(610)を示す、請求項7から12までのいずれか一項に記載のブレード・ホルダ(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくともピッチ制御ユニットと尾部ロータ・ハブとを備える回転翼航空機のシュラウド付き尾部ロータの尾部ロータ・ヘッドについて説明しており、多数の尾部ロータ・ブレード・ホルダが、尾部ロータ・ヘッドで尾部ロータ・ハブ及びピッチ制御ユニットの開口部を通って接続可能に伸びており、尾部ロータ・ブレードが尾部ロータ・ブレード・ホルダの第1の側で着脱可能に接続され、テンション・トーション・ストラップが尾部ロータ・ブレード・ホルダの第2の側で着脱可能に取り付けられるようになっており、テンション・トーション・ストラップが、尾部ロータ・ヘッドから少なくとも部分的に尾部ロータ・ブレード・ホルダを通って尾部ロータ・ブレードの方向に半径方向外向きに伸びている。本発明はまた、第1の側で尾部ロータ・ハブ内に尾部ロータ・ブレードを着脱可能に固定し、第2の側でテンション・トーション・ストラップを保持するための、及び、ピッチ制御ユニットに接続されたブレード・ホルダについても説明している。
【背景技術】
【0002】
EP3315403から、本質的に管状の形状を有するブレード・ホルダを備えた尾部ロータ・ブレード取付け装置又はブレード・ホルダが知られている。尾部ロータ・ブレードは、テンション・トーション・ストラップの1つの接続アイに直接取り付けられ、テンション・トーション・ストラップは、ブレード・ホルダを通って部分的に突出している。尾部ロータ・ブレード及びブレード・ホルダは、ピッチ制御ユニットが挿入されたロータ・ハブでテンション・トーション・ストラップの第2の接続アイによって接続され、一部がハブ・キャップによって覆われている。管状ブレード・ホルダには、ピッチ制御ユニットの一部に接続されたピッチ・ホーン又は制御レバーが示され、ブレード・ホルダは、ハブの内部でフランジを取り付けられる。したがって、ブレード・ホルダ、テンション・トーション・ストラップ及び尾部ロータ・ブレード全体は、回転翼航空機が動作している間、偏向することができる。管状ブレード・ホルダ及びテンション・トーション・ストラップは、少なくとも部分的にハブに挿入され、さらに安定性の理由のために内部に取り付けられている。先行技術の概要は、図6に示されており、それはEP3315403の図9を示している。尾部ロータ・ヘッドを設計するとともに、コンパクトな構造が実現され、最も高い安定性を示しているが、メンテナンスは重要な点ではなかった。先行技術は、容易なブレード交換と、両方の部品に最適な材料を自由に選択する柔軟性とに焦点を当てていなかった。
【0003】
管状のブレード・ホルダと、接続されたテンション・トーション・ストラップと、尾部ロータ・ブレードとは、尾部ロータ・ハブのカバーを取り外して、前述のほとんどすべての構成部品を分解した後に、尾部ロータ・ヘッドから取り外すことしかできない。
【0004】
複雑な構造によって、及び、通常は覆われている尾部ロータ・ヘッドにおける構成部品の取付けが隠れていることによって、メンテナンス作業は、実際には難しい。既知の尾部ロータ・ブレード取付け装置は、尾部ロータ・ブレードとブレード・ホルダとテンション・トーション・ストラップとの接続が完了すると、ロータ・ハブ・キャップの下のロータ・ハブで常に覆われている。メンテナンス、及び、特に単一の尾部ロータ・ブレードの交換は、多くの作業ステップが実行された後にのみ可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】EP3315403
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、多数の尾部ロータ・ブレード取付け装置を備えた回転翼航空機のシュラウド付き尾部ロータ・ヘッド及び1つの尾部ロータ・ブレード取付け装置を作成することであり、それらにより、単一のロータ・ブレードを容易に交換することができ、尾部ロータ・ヘッド及びそれを有する回転翼航空機のメンテナンスをより簡素化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ハブ・キャップ、ロータ・ハブ又は制御スパイダーなどのさらなる構成部品は、簡素化された固定手段を使用することによって、個別に単一の尾部ロータ・ブレードを交換するために取り外したり分解したりする必要がない。これにより、メンテナンスの手間が大幅に軽減される。
【0008】
さらに、ブレードの取付け位置の配置、及び、ブレードのボルトの1本を延長することによって、尾部ロータのそれぞれのロータ・ヘッドのバランスを取りやすくなる。
【0009】
尾部ロータ・ブレード取付け装置の一部は、それぞれの尾部ロータ・ヘッドの外側から尾部ロータ・ハブにいつでもアクセス可能であり、尾部ロータ・ハブにすべての尾部ロータ・ブレードを設置した後に、尾部ロータのバランスを取るためにブレード・ホルダに少なくとも1つの釣り合い重りを接続するという可能性も与えられる。
【0010】
ブレード・ホルダの我々の分割設計は、容易なブレード交換と、両方の部分にとって最適な材料、例えば、ブレード用に複合繊維強化プラスチック及びブレード・ホルダ用にアルミニウムなどの金属を自由に選択する柔軟性とに、より焦点を当てている。
【0011】
本発明の様々な態様のさらなる理解は、以下に簡単に説明される関連する図面と併せて、以下の詳細な説明を参照することにより、得ることができる。
【0012】
なお、図面において、必ずしも異なる実施例を表しているわけではなく、同一の部品には同一の参照符号又は同一の構成部品名が付されていることに留意されたい。本明細書全体に含まれる開示は、同一の部品に対して同一の参照符号又は同一の構成部品符号を用いて、類似的に適用することができる。
【0013】
いくつかの追加の任意選択的な特徴を有する本発明の主題の好ましい例示的な実施例は、添付の図面と併せて以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】シュラウドによって部分的に覆われた回転翼航空機の尾部ロータの斜視図を示している。
図2a】尾部ロータ・ヘッドと、尾部ロータ・ブレードと、尾部ロータ・ブレード取付け装置とが部分的に分解された尾部ロータの分解図である。
図2b図2aによる尾部ロータ・ブレードの一部及び尾部ロータ・ブレード取付け装置の詳細図を示している。
図3a】尾部ロータ・ブレード取付け装置に接続する前のブレードの分解図を示している。
図3b】接続された尾部ロータ・ブレードを側面図で示している。
図4】適切な手段による均衡が示されている尾部ロータ・ブレード取付け装置を側面図で示している。
図5】EP3315403からの先行技術の図9を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
回転翼航空機のシュラウド付き尾部ロータ1は、図1に示されており、ここでは、回転軸Lから離間して包囲された周方向のシュラウド4を示している。尾部ロータ1の中心には、多数の部品を備えた尾部ロータ・ヘッド3が示され、ここでは、ハブ8及びそれを覆っているハブ・キャップ9だけが見えている。多数の尾部ロータ・ブレード取付け装置6又はブレード・ホルダ6が尾部ロータ・ヘッド3に取り付けられる。尾部ロータ・ブレード2は、ブレード・ホルダ6に直接取り付けられ、ブレード・ホルダ6によって、尾部ロータ・ヘッド3に間接的に取り付けられる。ブレード・ホルダ6の形状及びブレード・ホルダ6の位置は、本明細書に記載の発明の有利な特徴を保証する。
【0016】
分解図である図2aは、より詳細に構成部品を示しており、これにより、尾部ロータ・ヘッド3の尾部ロータ・ハブ8及びピッチ制御ユニット5上のテンション・トーション・ストラップTTの上の1つのブレード・ホルダ6による、1枚のロータ・ブレード2の取付けのみが一例としてここに示されている。回転翼航空機の制御システムからの信号は、ピッチ制御ユニット5を介して尾部ロータ・ブレード2に伝達される。
【0017】
尾部ロータ・ヘッド3は、後で取り付けられるブレード・ホルダ/尾部ロータ・ブレード取付け装置6と尾部ロータ・ブレード2とに従って、少なくとも、ハブ・キャップ9と、ピッチ制御ユニット5と、尾部ロータ・ハブ8と、いくつかのテンション・トーション・ストラップTTとによって形成される。より一般的には、テンション・トーション要素を使用する先行技術から可能な既知の実施例がある。
【0018】
テンション・トーション・ストラップTTは、ハブ8において1つの接続アイによって固定され、テンション・トーション・ストラップTTのそれぞれは、ハブ8内の割り当てられた穴を通って突出している。ハブ8は、ブレード・ホルダ6用の支持体を提供する。
【0019】
ピッチ制御ユニット5は、ハブ8の内部に配置され、尾部ロータ・ブレード取付け装置又はブレード・ホルダ6の一部を接続するための接続リンクを示している。ピッチ制御ユニット5には開口部又は凹部も示され、ブレード・ホルダ6が半径方向に突出することができるようになっている。
【0020】
各ブレード・ホルダ6は、割り当てられたテンション・トーション・ストラップTTと、ピッチ制御ユニット5の割り当てられたリンクとにおいて接続可能である。ブレード・ホルダ6をハブ8に間接的に取り付けた後に、ハブ・キャップ9がハブ8を覆っている。ブレード・ホルダ6の一部は、ハブ8から突出する。2本のボルト7を用いて、尾部ロータ・ブレード2は、それらの割り当てられたブレード・ホルダ6に固定される。少なくとも1本のボルト7が必要である。
【0021】
ブレード・ホルダ6は、ストラップ保持部60と、ブレード保持部61とを備え、これらは、互いに直線距離で一体成型されている。ストラップ保持部60は、管状の形状を有し、第1の側では、ストラップ保持ボルト601が貫通することが可能な接続ボア600が凹設されている。実際には、ストラップ保持部60は、図2bには示されていないテンション・トーション・ストラップTTに被せられている。ストラップ保持ボルト601を用いて、テンション・トーション・ストラップTTは、ブレード・ホルダ6に着脱可能に接続される。ストラップ保持部60ではピッチ・ホーン602を用いて、ブレード・ホルダ6がピッチ制御ユニット5に着脱可能に接続され、ピッチ制御ユニット5からブレード・ホルダ6への回転運動の伝達を可能にする。また、この接続は、ねじ接続によっても実現することができる。
【0022】
図2bに示すように、ハブ8の壁には、開口部80が示されており、そこを通って、ブレード・ホルダ6が入れられる。ストラップ保持部60が尾部ロータ・ハブ8内に完全に収まっているが、一方で、ブレード保持部61は、完全にハブ8から外に突出している。ブレード保持部61は、円盤状の形状を有するフランジ610と、2つの平行なブラケット・アーム6110を有する一体的に形成された取付けブラケット611とを備える。フランジ610は、ストラップ保持部60に成形されており、ストラップ保持部60に合体するブレード保持部61の一部を形成する。フランジ610の円周は、尾部ロータ・ハブ8内の開口部80に適合する。
【0023】
ブレード保持部61の取付けブラケット611には、完全に横断するボア612が配置され、そこを通ってブレード・ボルト7が到達することができる。もちろん、対応する貫通穴20は、各尾部ロータ・ブレード2上に配置されなければならない。2本のブレード・ボルト7を使用することによって、ねじれ防止接続が可能である。これは、尾部ロータ・ブレード2がブレード・ホルダ6に対して回転することができず、それにより、ハブ8に対して回転することができず、ブレード2とブレード・ホルダ6との間の接続が固定されるためである。ブレード・ホルダ6自体は、遠心力方向と一致して、その縦軸の周りを回転することができる。尾部ロータ・ハブ8に対して、尾部ロータ・ブレード2は、回転翼航空機の推力制御のためにブレード・ピッチで回転することができ、且つ、回転しなければならない。
【0024】
図3aでは、尾部ロータ・ブレード2のブレード・ホルダ6との接続、及び尾部ロータ・ハブ8との間接的な接続が示されている。ハブ・キャップ9を接続した状態でさえも、尾部ロータ・ブレード・ホルダ6のブレード保持部61は、尾部ロータ・ハブ8の外側に到達可能であり、ブレード2は、2本のブレード・ボルト7を取り外すだけで、容易に交換することができる。2本のブレード・ボルト7によるボルト及びナットの接続のほかに、ブレード・ボルト7に割りピン72を用いたプラグ接続が、追加的に固定され得る。したがって、追加の固定割りピン接続が使用される場合、ボア70を有する適切なブレード・ボルト7と、適切な割りピン・レセプタクル71とが使用されなければならない。
【0025】
各ブレード・ボルト7は、取付けブラケット611のブラケット・アーム6110同士の間に挿入され、ブラケット内部6111を通って伸びる。
【0026】
ブレード・ホルダ6で接続されてしっかりと取り付けられ、且つ、尾部ロータ・ハブ8で間接的に接続された尾部ロータ・ブレード2は、図3bで、より詳細に示されている。尾部ロータ・ブレード2は、ブレード保持部61の取付けブラケット611のタン内部6111に完全に挿入されるように、且つ、少なくとも1本のブレード・ボルト7によって、及び/又は、少なくとも1本のブレード・ボルト7を用いた追加の着脱可能な割りピン接続によってそこに保持されるように形成される。最も好ましい2本のブレード・ボルト7が使用されるべきである。
【0027】
任意選択的に、少なくとも1本のブレード・ボルト7は、釣り合い重り12を接続するために、重り取付け手段11を備えることができる。このような釣り合い重り12は、尾部ロータ・ハブ8においてすべての尾部ロータ・ブレード2を取付けた後、尾部ロータ1のそれぞれの尾部ロータ・ヘッド3のバランスを取るために使用される。
【0028】
重り取付け手段11は、例えば、少なくとも1つの釣り合い重り12の設置を可能にするブレード・ボルト7における延長部であってもよい。通常、同心状の貫通穴を有する1つ又は複数の対称体が、重り12として使用される。このような釣り合い重り12は、ワッシャであってもよい。ここでは、ブレード・ボルト7は、延長された円筒状部分を有し、そこで着脱可能な割りピン接続を再度用いて、1つ又は複数の釣り合い重り12が取付けられ得る。釣り合い重り12は、ナットを用いても取り付けることができる。
【0029】
ブレード保持部61が、テンション・トーション・ストラップTTを保持するストラップ保持部60とは独立して尾部ロータ・ブレード2を保持することができるように、尾部ロータ・ブレード取付け装置6又はブレード・ホルダ6が形成される。それによって、多くの他の部品を取り外すことなく、残りの部品とは独立して尾部ロータ・ブレード2を取り外すことが可能である。尾部ロータ・ハブ8からブレード保持部61を突出させることにより、非常に容易なアクセスが可能になる。少なくとも1本のブレード・ボルト7のブレード・ホルダ6への最適化された迅速な連結は、単純なバランシング方法の形成と同様に有用である。もちろん、ヘリコプターの分野では特に接続の十分な安定性及び強度が提供されなければならない。
【符号の説明】
【0030】
1 尾部ロータ
2 尾部ロータ・ブレード
20 貫通穴
3 尾部ロータ・ヘッド
4 シュラウド
5 ピッチ制御ユニット
6 尾部ロータ・ブレード取付け装置/ブレード・ホルダ
60 ストラップ保持部/管状部
600 接続ボア
601 ストラップ保持ボルト
602 ピッチ・ホーン
61 ブレード保持部
610 フランジ
611 取付けブラケット
6110 ブラケット・アーム
6111 ブラケット内部
612 ボア
7 ブレード・ボルト
70 (ブレード・ボルト内の)ボア
71 割りピン・レセプタクル
72 割りピン
8 尾部ロータ・ハブ
80 開口部
9 ロータ・ハブ・キャップ
10 組立/分解方向
11 重り取付け手段
12 釣り合い重り
着脱可能な割りピン接続
TT テンション・トーション・ストラップ
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
【国際調査報告】