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特表2023-533654ユーザ認証を伴うエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】ユーザ認証を伴うエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20230728BHJP
   A24F 40/53 20200101ALI20230728BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/53
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573574
(86)(22)【出願日】2021-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2021069038
(87)【国際公開番号】W WO2022013067
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】20186326.3
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェラーン, セオ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AC34
4B162AC50
4B162AD03
4B162AD08
4B162AD12
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD22
4B162AD40
(57)【要約】
エアロゾル発生装置。この装置は、エアロゾル発生装置の使用を許可するように構成された検証制御回路と、ユーザからの少なくとも1つの行動的態様を測定するための少なくとも1つの行動センサと、ユーザからの少なくとも1つの生理学的態様を測定するための少なくとも1つの生理学的センサとを含む。検証制御回路は、少なくとも1つの行動的態様及び少なくとも1つの生理学的態様を検証することにより、エアロゾル発生装置をロック解除するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
前記エアロゾル発生装置の使用を許可するように構成された検証制御回路と、
ユーザからの少なくとも1つの行動的態様を測定するための少なくとも1つの行動センサと、
ユーザからの少なくとも1つの生理学的態様を測定するための少なくとも1つの生理学的センサと、
を含み、
前記検証制御回路は、前記少なくとも1つの行動的態様及び前記少なくとも1つの生理学的態様を検証することにより、前記エアロゾル発生装置をロック解除するように構成される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
基準データのセットを含むメモリを更に含み、前記基準データは、基準行動データのセットと、基準生理学的データのセットとを含み、
前記検証制御回路は、前記少なくとも1つの行動的態様及び前記少なくとも1つの生理学的態様を、それぞれ前記基準行動データ及び基準生理学的データに対して比較することによって検証するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記検証制御回路は、合格スコアを算出、記憶及び/又は出力するように構成され、前記合格スコアは、前記行動的態様及び前記生理学的態様の各検証の精度を表す、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記検証制御回路は、前記少なくとも1つの行動的態様及び前記少なくとも1つの生理学的態様を順次検証するように構成され、好ましくは、前記少なくとも1つの生理学的態様は、最初に検証され、及びその後、前記少なくとも1つの行動的態様は、前記少なくとも1つの生理学的態様が検証された後に検証される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記検証制御回路は、前記少なくとも1つの生理学的態様及び前記少なくとも1つの行動的態様を同時に検証するように構成され、及び前記検証制御回路は、前記検証が同時に行われたことを特定するための信号を出力及び/若しくは記憶するように更に構成されるか、又は
前記検証制御回路は、前記少なくとも1つの生理学的態様及び前記少なくとも1つの行動的態様を所定の期間内に検証するように構成され、及び前記検証制御回路は、前記検証が前記所定の期間内に行われたことを特定するための信号を出力及び/若しくは記憶するように更に構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの行動センサは、運動センサ、重力センサ、圧力センサ、モーメンタリスイッチ、タッチスクリーンセンサ、計時装置、光感応スイッチ及びインピーダンスセンサの少なくとも1つを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの行動的態様は、前記ユーザに起因する前記装置の動き、前記ユーザによって前記装置に加えられた圧力及び前記ユーザによって前記装置上で行われたタップパターンの少なくとも1つの指示を提供する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの生理学的センサは、指紋スキャナ、血管スキャナ、可視光カメラ、赤外線又は紫外線カメラ、携帯型DNA検査及び生体インピーダンスセンサの少なくとも1つを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの生理学的態様は、指紋認識、血管認識、顔の特徴認識、全体的顔認識、虹彩認識、手形状認識、DNA認識の少なくとも1つの指示を提供する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの行動センサの少なくとも1つは、複数の行動的態様を測定するように構成され、及び/又は前記生理学的センサの少なくとも1つは、複数の生理学的態様を測定するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
エアロゾル発生装置認証方法であって、
少なくとも1つの行動センサと、少なくとも1つの生理学的センサとを含むエアロゾル発生装置において、ユーザの少なくとも1つの行動的態様及び前記ユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定するステップと、
前記エアロゾル発生装置の検証制御回路により、前記行動的及び生理学的態様を検証するステップと、
前記検証制御回路により、前記行動的及び生理学的態様に応じて使用のために前記エアロゾル発生装置をロック解除するステップと、
を含むエアロゾル発生装置認証方法。
【請求項12】
前記生理学的及び行動的態様は、同時に又は所定の期間内に測定される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記行動的及び生理学的態様を測定する前記ステップは、
前記少なくとも1つの生理学的センサにより、前記ユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定することと、その後、
前記少なくとも1つの行動センサにより、前記ユーザの少なくとも1つの行動的態様を測定することと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置において、前記検証制御回路のために前記生理学的及び行動的態様を定義するための識別シーケンスを開始することを更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、エアロゾル発生装置によって実行されると、
少なくとも1つの行動センサと、少なくとも1つの生理学的センサとを含むエアロゾル発生装置において、ユーザの少なくとも1つの行動的態様及び前記ユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定することと、
前記エアロゾル発生装置の検証制御回路により、前記行動的及び生理学的態様を検証することと、
前記検証制御回路により、前記行動的及び生理学的態様に応じて使用のために前記エアロゾル発生装置をロック解除することと、
を含むステップを前記エアロゾル発生装置に実行させる実行可能命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タバコなどのエアロゾル発生装置と、かかる装置のユーザ認証のための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
電子タバコは、多くの場合、誤使用又は不正使用を防止するためにロック機構を有する。このような機構は、指紋又は顔認識データなどの生理学的生体認証情報を利用し、生体認証情報を検出するために電子タバコに適切なセンサを設けることにより、電子タバコに実装することができる。他のロック機構は、ボタンを押圧又はスワイプしてロック解除するなどのアクションを行うことにより、使用前にユーザが装置を物理的にロック解除する必要があり得る行動的技法を用いる。
【0003】
既知の認証技術は、既知の方法の信頼性が偽陰性又は偽陽性につながる可能性があり、許可されたユーザが装置にアクセスして装置を使用することができないか、又は更に許可されていない人が電子タバコ装置のロック解除に成功することができる、検出に関する問題に直面する可能性があることが分かっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、例えば、許可されたユーザの検出に成功する可能性が高く、許可されていないユーザによるロック解除が成功する可能性が低く、簡単であり、使いやすく、実装が安価である、信頼性の高い認証機構を有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、エアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生装置の使用を許可するように構成された検証制御回路と、ユーザからの少なくとも1つの行動的態様を測定するための少なくとも1つの行動センサと、ユーザからの少なくとも1つの生理学的態様を測定するための少なくとも1つの生理学的センサとを含み、検証制御回路は、少なくとも1つの行動的態様及び少なくとも1つの生理学的態様を検証することにより、エアロゾル発生装置をロック解除するように構成される、エアロゾル発生装置が提供される。
【0006】
行動的及び生理学的識別の結果を組み合わせて認証の判定を行う混合態様生体認証検出システムをエアロゾル発生装置で使用することにより、認証の精度が大幅に高められることが分かっている。結果として、使いやすさを維持し、実装コストを抑制する一方、認証の信頼性を向上させた極めてより安全なエアロゾル発生装置が得られる。有利には、本発明は、検出についてスマートフォン又は無線ネットワークなどの補助装置に依存することなく、検出及び検証方法を改善する。3つ以上の態様も可能であり、より多くの態様が潜在的な精度の向上をもたらし得ることが理解されるべきである。
【0007】
少なくとも1つの行動的態様及び少なくとも1つの生理学的態様は、測定結果を処理することによって検証され得る。このために、装置は、対応するデータ処理動作を実行するためのプロセッサを含み得る。代替的に、装置は、送信機を含み得、測定結果は、測定された態様の遠隔処理及び検証のために、サーバなどの外部装置に送信され得る。
【0008】
好ましくは、装置は、基準データのセットを含むメモリを更に含み得、基準データは、基準行動データのセットと、基準生理学的データのセットとを含む。装置の検証制御回路は、少なくとも1つの行動的態様及び少なくとも1つの生理学的態様を、それぞれ基準行動データ及び基準生理学的データに対して比較することによって検証するように構成され得る。測定された態様を基準データと比較する1つの例示的な方法では、測定された態様(又は複数の態様)を表す値が、メモリに記憶された基準データを表す値と等しい場合、検証が達成され得る。このような検証手法は、装置をロック解除しようとするユーザの試みの真正性を検証する簡単且つ容易に実施可能な方法を提供する。
【0009】
好ましくは、基準データセットは、所定のユーザプロファイルに基づく。好ましくは、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置における複数のユーザプロファイルから所定のユーザプロファイルを選択するように構成されたスイッチを更に含み得、所定のユーザプロファイルは、基準データセットを決定する。このように、エアロゾル発生装置は、複数のユーザが、有効な認証を確保するために、それぞれユーザ自身の行動的及び生理学的態様で装置にアクセスすることを可能にする。いくつかの例では、行動的態様は、異なるユーザが同じ行動的態様を使用してロック解除し得るように、異なる生理学的態様を有する複数のプロファイル間で共有され得る。ユーザプロファイルは、装置をロック解除するために行動及び生理学的属性の予め定められたデータセットを提供する。いくつかの例では、生理学的態様の測定は、記憶されたユーザプロファイルの作動をトリガし得る。すなわち、認識された生理学的態様が、特定の行動的態様に関連する記憶されたユーザプロファイルに起因する場合、装置は、特定の関連する行動的態様に対して待機状態になり、他の全ての入力された行動的態様を無視し得る。
【0010】
エアロゾル発生装置は、測定のために少なくとも1つの行動センサ及び/又は少なくとも1つの生理学的センサを作動させるように構成された作動ボタンを含み得る。このように、誤測定及び/又は装置の誤ったロック解除が最小限に抑えられ得る。作動ボタンは、誤った又は望ましくない動き/アクションの測定で浪費されるバッテリの電力を低減するために、装置に資源節約技術も提供し得る。
【0011】
検証制御回路は、合格スコアを算出、記憶及び/又は出力するように構成され得、合格スコアは、行動的態様及び生理学的態様の各検証の精度を表す。各検証の精度は、測定された態様と基準データとの一致の近さの算出から得ることができる。例えば、基準データとの大きい重複又は同一性により、測定値が高い合格スコアとみなされ得る。このような合格スコアは、装置をロック解除する要件を各検証がどの程度満たすかの指標となる。この合格スコアは、例えば、装置のセキュリティ履歴の記録を維持する際に特に重要である。例えば、低スコアは、不正の可能性があるロック解除が作動したことをユーザに警告し得る。代替的に、ユーザは、いずれのログイン試行が他のログイン試行よりも効果的であったか又はなかったかを知ることができる。メモリが装置内に設けられる例では、合格スコアは、オンボードメモリに記憶され得る。
【0012】
本発明の重要な特徴は、制御回路が、装置をロック解除するための混合態様認証機構を提供するために少なくとも1つの行動的態様及び少なくとも1つの生理学的態様を検証するように構成されることである。典型的には、検証制御回路は、少なくとも1つの行動的態様及び少なくとも1つの生理学的態様を順次検証するように構成され得る。順次検証の利点は、各測定が別の測定に影響されないことであり、別の利点は、検証の設定がより容易であることである。理論上、任意のシーケンスを実施できるが、典型的には、少なくとも1つの生理学的態様は、最初に検証され、及びその後、少なくとも1つの行動的態様は、少なくとも1つの生理学的態様が検証された後に検証される。このような配置は、各測定が独立しており、よりロバストであることを確実にする。測定が順次行われる場合、制御回路は、検証が順次行われたことを特定するための信号を出力及び/又は記憶するように更に構成され得る。
【0013】
代替的に、検証制御回路は、少なくとも1つの生理学的態様及び少なくとも1つの行動的態様を同時に検証するように構成され得る。測定が同時に行われる場合、検証制御回路は、検証が同時に行われたことを特定するための信号を出力及び/又は記憶するように更に構成され得る。このように、少なくとも2つの態様が同時に検出され得るため、より効率的な検証方法を提供することができる。エアロゾル発生装置は、行動的及び生理学的態様が同時に測定されたことを判定できるように、かかる態様が測定される期間、すなわち時間周期を決定するためのタイマを更に含み得る。
【0014】
代替的に、検証制御回路は、少なくとも1つの生理学的態様及び少なくとも1つの行動的態様を所定の期間内に検証するように構成され得る。かかる測定は、所定の期間内に行われる限り、順次又は同時に行われ得る。測定が所定の期間内に行われる場合、検証制御回路は、検証が所定の期間内に行われたことを特定するための信号を出力及び/又は記憶するように更に構成され得る。エアロゾル発生装置は、行動的及び生理学的態様が所定の期間内に測定されたことを判定できるように、かかる態様が測定される期間、すなわち時間周期を決定するためのタイマを更に含み得る。
【0015】
行動的態様は、実質的に身体が「行う」こととして定義され得る人間の行動的生体認証として定義され得る。エアロゾル発生装置の少なくとも1つの行動センサは、運動センサ、重力センサ、圧力センサ、モーメンタリスイッチ、タッチスクリーンセンサ、計時装置、光感応スイッチ及びインピーダンスセンサからなる群からの1つ又は複数のセンサを含み得る。
【0016】
特に、エアロゾル発生装置において行動的態様を検出することが可能なセンサの例としては、以下が挙げられる:
・装置の動きを検出するための、加速度計、重力センサ又は運動センサなどの運動センサ。これらは、装置の両方の大きい動きを測定することができるか、又は例えばタップのような小さい動き及び衝撃を検出するために使用される。
・空間内の装置の位置を決定するために、絶対位置測定値を検出するための重力センサ又は位置センサ。
・ユーザの手及び又は指と相互作用して、センサにかかる圧力を測定するための圧力センサ。
・タッチ作動を検出するためのモーメンタリスイッチ又はタッチセンサ。
・タッチ領域内における位置/動きなど、全ての既知の入力特徴を測定するためのタッチスクリーンセンサ。タッチスクリーンセンサには、圧力センサも組み込まれ得る。
・動きセンサ又はスイッチのような、他のセンサと連動して使用できる計時装置。
・例えば、手で覆われている装置の特定の領域を検出するための光感応スイッチ。
・インピーダンスセンサ:これらは、装置がどのように把持されているかを判断するために使用することができる。これらのセンサは、生体インピーダンス(生理学的生体認証特性である)の測定に適していないことに留意されたい。
【0017】
本発明の装置を用いて測定可能な行動の例:
・ユーザの手の中にある間の装置の動き、
・ボタンを押圧したときのユーザの指によるボタン押圧力、
・装置を取り扱う際に装置かかる把持圧力、及び
・タッチスクリーンディスプレイ上の固定パターンのタップ。
【0018】
生理学的態様は、実質的に身体の「ありのまま」の様子として定義され得る人間の生理学的生体認証として定義され得る。エアロゾル発生装置内の少なくとも1つの生理学的センサは、指紋スキャナ、血管スキャナ、可視光カメラ、赤外線又は紫外線カメラ、携帯型DNA検査及び生体インピーダンスセンサの少なくとも1つを含み得る。
【0019】
本発明の生理学的センサにより認識できる生理学的生体認証の例としては、以下が挙げられる:
・(例えば、指先における)血管認識を含む指紋認識。
・部分的顔認識(例えば、口の形状などの顔特徴の一部の認識)及び虹彩走査を含む顔認識。
・例えば、1つ又は複数のカメラでの光学検出による手形状認識。
・例えば、携帯型DNA検査装置、手で持てる大きさのDNA検査装置によるDNA検査。
・身体又は身体の一部の抵抗の生体インピーダンス測定。
【0020】
いくつかの例では、複数の態様を検出するために、同じセットのセンサ、例えば動きセンサが使用され得ることに留意すべきである。これは、行動センサと生理学的センサとの両方に当てはまる。すなわち、少なくとも1つの行動センサの少なくとも1つは、複数の行動的態様を測定するように構成され得、及び/又は生理学的センサの少なくとも1つは、複数の生理学的態様を測定するように構成され得る。このような配置では、個々の態様を分離するように測定結果が処理される必要がある場合がある。これは、例えば、タップと組み合わされた全体的な手のジェスチャであり得る。小さいタップインパルスが装置全体のより大きい動きから分離され、同じデータセットから2つの測定値が生成され得る。これにより、有利には、使用されるセンサの数が低減されるが、場合によりデータ処理能力に関して効率が犠牲になる可能性がある。
【0021】
第2の態様によれば、エアロゾル発生装置認証方法であって、少なくとも1つの行動センサと、少なくとも1つの生理学的センサとを含むエアロゾル発生装置において、ユーザの少なくとも1つの行動的態様及びユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定するステップと、エアロゾル発生装置の検証制御回路により、行動的及び生理学的態様を検証するステップと、検証制御回路により、行動的及び生理学的態様に応じて使用のためにエアロゾル発生装置をロック解除するステップとを含むエアロゾル発生装置認証方法が提供される。
【0022】
本発明の別の態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体であって、エアロゾル発生装置によって実行されると、少なくとも1つの行動センサと、少なくとも1つの生理学的センサとを含むエアロゾル発生装置において、ユーザの少なくとも1つの行動的態様及びユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定することと、エアロゾル発生装置の検証制御回路により、行動的及び生理学的態様を検証することと、検証制御回路により、行動的及び生理学的態様に応じて使用のためにエアロゾル発生装置をロック解除することとを含むステップをエアロゾル発生装置に実行させる実行可能命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
【0023】
第1の態様に関して上で説明した特徴は、対応する効果及び利点を有する第2又は第3の態様に対して等しく適用できることが理解されるであろう。
【0024】
生理学的及び行動的態様を測定するステップは、同時に又は順次行われ得る。これらは、所定の期間内に行われ得る。行動的及び生理学的態様をそれぞれ測定するステップが順次行われる場合、典型的には、行動的及び生理学的態様を測定するステップは、少なくとも1つの生理学的センサにより、ユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定することと、その後、少なくとも1つの行動センサにより、ユーザの少なくとも1つの行動的態様を測定することとを含み得る。
【0025】
本方法は、エアロゾル発生装置において、少なくとも1つの生理学的態様を、測定された生理学的データのセットとして記憶するステップと、エアロゾル発生装置において、少なくとも1つの行動的態様を、測定された行動データのセットとして記憶するステップとを更に含み得る。
【0026】
このように、測定された生理学的データ及び測定された行動データがエアロゾル発生装置に記憶される場合、本方法は、エアロゾル発生装置により、測定された生理学的データを処理するステップと、エアロゾル発生装置により、測定された行動データを処理するステップと、エアロゾル発生装置により、測定された生理学的データと、測定された行動データとを組み合わせるステップとを更に含み得る。
【0027】
更に、行動的及び生理学的態様を検証するステップは、測定された生理学的データ及び測定された行動データを基準データのセットと比較すること、又は組み合わせた測定された及び生理学的データを基準データのセットと比較することを含み得る。
【0028】
本方法は、エアロゾル発生装置において、検証制御回路のために生理学的及び行動的態様を定義するための識別シーケンスを開始するステップを更に含み得る。
【0029】
ここで、添付の図面を参照して、例示的なエアロゾル発生装置について例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】組み立てられた構成での例示的なエアロゾル発生装置を概略的に示す。
図2】例示的なエアロゾル発生装置認証方法で行われるステップを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、バッテリ6と電子構成要素8とが内部に設けられた本体4を有する電子タバコ2を示す。カプセル12、すなわちポッドを含むマウスピース10は、本体4に挿入することができる。カプセル12は、ユーザによる吸入のためのエアロゾルを発生させるために、カプセル12内のエアロゾル発生媒体を加熱するように構成されたヒータ要素を含む。電子構成要素8は、熱を発生させるためにバッテリ6からヒータ要素に電気エネルギーを伝達するための電気回路を含む。
【0032】
電子タバコは、「加熱式タバコ装置」、「加熱非燃焼式タバコ装置」、「タバコ製品気化用装置」などと等しく呼ぶことができるエアロゾル発生装置であり、これらの効果を実現するのに好適な装置として解釈されることが理解されるべきである。本明細書に開示される特徴は、任意のエアロゾル発生媒体を気化させるように設計された装置に等しく適用可能である。
【0033】
エアロゾル発生媒体は、エアロゾルを発生させ得るように媒体を装置内に送達するのに好適な成分として理解されるべきである。例えば、カプセル12は、加熱されたときに液体を気化させることができる液体貯蔵部を含み得る。別の例は、加熱されてエアロゾル発生媒体を燃焼させずに蒸気を放出するように構成されたタバコロッド、スティック又は他の形状の消耗品であり得る。
【0034】
電子タバコ2は、ユーザの少なくとも1つの行動的態様を測定及び検出するように構成された行動センサを含む。この場合、行動センサは、装置の相対的な動きを検出できる加速度センサ16である。装置は、本体4の外表面に設けられたボタン14も含む。ボタン14は、ユーザにより押下される又は押されるように構成され、加速度センサ16は、ボタン14の下に配置され、電子タバコ2の全体的な動きと、ボタン14が押下されたときの下方への動きとを検出するように構成される。したがって、センサ16は、ユーザが大きいスイープ動作で電子タバコ2を振ることを検出して、またボタン14が押された又はタップされたときの小さい衝撃又はタップ動作を検出し得ることが理解されるべきである。他の例では、複数のボタンを本体4上に設けることができ、異なる行動的態様/ユーザアクションを検出するために、複数の行動センサを設けることができる。例えば、圧力センサには、ボタン14の押圧に関する追加の力データを提供するために、加速度センサ16も組み込まれ得る。
【0035】
タバコ2は、ユーザの少なくとも1つの生理学的態様を測定及び検出するように構成された生理学的センサを更に含む。この場合、生理学的センサは、指紋スキャナ15である。指紋スキャナ15は、ユーザがスキャナ15に指を置いたときを検出し、ユーザの指紋の特徴を検証するために測定を行うことができる。いくつかの例では、指紋スキャナ15は、スイッチを含み得、押下可能であり得、その結果、ユーザは、指で押し下げることによりスキャナ15を作動させることができる。
【0036】
図1は、例示的な装置の概略図を提示し、したがって、含まれる特徴の各々の相対位置は、異なる可能性があることが理解されるであろう。例えば、いくつかの例では、指紋スキャナは、ボタン14と一体とすることができ、その結果、ユーザは、ボタン14を押圧して、指紋スキャナ15と加速度計16との両方を同時に作動させることができる。
【0037】
電子構成要素8は、メモリ18と、プロセッサ20とを更に含む。メモリ18は、少なくとも1つの行動的態様及び/又は少なくとも1つの生理学的態様に関する、プロセッサ20により処理された、検証データ、例えば動きデータ及び指紋データを記憶するように構成される。検証データは、装置の動きの速度及び装置の動きに関連するボタン押圧のタイミングも含む。したがって、検証データは、ユーザのアクションが比較される基準データセットとして使用される。メモリ18は、検証データと同様に測定データを記憶するようにも構成され、測定データは、電子タバコ2をロック解除することを望むユーザにより行われる生理学的及び行動的態様に関する。測定データを記録した後、プロセッサ20は、測定データを検証データと比較し、使用のために装置をロック解除するか、ロック状態を維持するかを決定する。
【0038】
電子構成要素8は、ユーザがユーザプロファイルを選択することを可能にする制御盤22を更に含み、ユーザプロファイルは、所望の検証データを定義する。ユーザプロファイル情報もメモリ18に記憶される。いくつかの例では、複数のユーザプロファイルが電子タバコ2において提供される。
【0039】
電子タバコ2は、生理学的センサ15と行動センサ16とを作動させるためのスイッチ24を更に含み、ユーザは、センサ15、16の測定検出を開始するために、スイッチ24を押圧することができる。別の例では、スイッチ24にはボタン14が組み込まれ、ボタン14の第1の押下により、測定記録のために行動センサ16が作動する。別の例では、ボタン14又はスイッチ24は、測定周期、すなわち測定期間を終わらせるためにも使用され得る。測定周期の終わり/終了は、測定及び検証のためのユーザの行動的態様及び/又は生理学的態様が完了したという指示を提供し、それにより測定データの処理を開始し得る。
【0040】
別の例示的なプロセスは、以下の通りであり得る。運動センサシステムは、押しボタンに伴う動きを検出するために、エアロゾル発生装置又は電子タバコ内に設けられる。ユーザプロファイル識別シーケンスが第1のボタン押圧で作動される。これにより、センサによる動きの測定が開始される。更に4回のボタン押圧がユーザにより行われる。これらのボタン押圧は、装置によりカウントされ、測定周期は、第5のボタン押圧で終了する。次いで、上で説明したように、測定データが評価される。この例では、第1の態様は、装置の動きであり、第2の態様は、ボタン押圧の回数である。追加の態様、例えばボタンの押圧間隔及び/又はボタン押圧力(追加の圧力センサが利用され得る場合)を含めることもできる。
【0041】
図2は、電子タバコ2の認証方法において行われる一連のステップを示すフロー図である。ステップ50において、所定のユーザプロファイルが開始される。これは、ユーザプロファイルを制御盤22で選択し、且つ/又はスイッチ24を押下することにより達成され得る。ユーザプロファイルを開始することにより、センサ15、16が作動され、ユーザの行動的態様及び/又は生理学的態様を測定する準備をする。いくつかの例では、作動/開始により、計時装置も開始される。
【0042】
ステップ52及び54において、ユーザは、生理学的センサ15及び行動センサ16によりそれぞれ測定される、生理学的態様及び行動的態様を行う。生理学的及び行動的態様は、センサ15、16が態様を同時に又は所定の期間内に測定するように重複して行われる。期間は、計時装置の開始又は生理学的態様の検出から決定され得る。別の例では、生理学的及び行動的態様は、互いに迅速に連続して行われ、所定の期間内に行われ得る。
【0043】
ステップ56において、測定された生理学的及び行動的態様は、測定データとしてメモリ18に記憶される。
【0044】
ステップ58において、測定された生理学的及び行動的態様から設定された測定データは、正規化して測定誤差を取り除くために処理することができる。この処理は、生じ得るバックグラウンドノイズを除去するために行われ得る。フィルタリングは、繰り返される急速なイベント(例えば、繰り返される加速/減速)を識別することなど、測定データにおける異なる態様を識別することと、繰り返されるイベントを第2の態様としてグループ化することとを伴う可能性がある。データ処理ステップ58は、例えば生の測定データをメモリ18に記憶する前又は記憶した後、異なる順序で行うことができる。
【0045】
ステップ60において、測定データセットは、メモリ18内の基準データセットと比較される。例えば、生理学的センサ15が指紋センサを含み、行動センサ16が加速度計を含む場合、測定された指紋データ及び測定された動きデータは、予め読み込まれた指紋データ及び動きデータのセットと比較される。測定された指紋データは、どの程度厳密にデータが一致するかを計算するために、予め読み込まれた指紋と比較される。この比較は、視覚的比較、すなわち露出比較又は数学的比較として行うことができる。この例では、データ一致の強さを特徴付ける合格スコアがステップ60において算出される。合格スコアは、行動的態様と生理学的態様との両方の一致の近さを表す単一の値を含むことができるか、又はこれらの態様の各々についての複数の値を含むことができる。合格スコアは、制御盤に表示されるか又はメモリ18に記憶され、且つ検証の履歴及び詳細を保持できるように、検証の状況(例えば、ログイン試行番号、日付、時刻、場所を含み得る、ログイン試行ID)に関連付けられ得る。行動的態様は同様の方式で比較され、そのため、加速度計16の例では、測定動きデータは、予め読み込まれた動きデータと比較され、合格スコアを提供する(又は合格スコアに寄与する)ように比較される。
【0046】
ステップ62において、検証が成功したか否かが判定される。ステップ60において合格スコアが算出された上記の例では、検証は、合格スコアを閾値と比較することを伴い得る。合格スコアが閾値よりも高い場合、検証が成功したことを示す信号を生成することができる。他の例では、合格スコアは、検証に直接使用されるのではなく、一致の近さの記録としてのみ使用され得る。このような例では、検証は、検証が成功したか否かを示す信号をデータセット間の比較により直接生成できるステップ60に統合することができる。
【0047】
検証データセットの検証が肯定的である場合、プロセッサ20は、ステップ64において、使用のために電子タバコをロック解除する。このロック解除は、エアロゾル発生のために電気エネルギーがバッテリ6からカプセル12に流れることを許容することを伴い得る。理解されるように、肯定的な検証は、測定された行動的態様に関連する検証データセットと所定のユーザプロファイルにおける検証情報との一致であり得る。
【0048】
いくつかの例では、検証の精度及び方式は、電子タバコの動作に影響を及ぼす可能性がある。例えば、合格スコアは、エアロゾル発生のためにバッテリ6からカプセル12に流れることを許容される電気エネルギーの量又は信号を調整するために使用することができる。いくつかの例では、合格スコアなど、検証に使用されるパラメータは、タバコ装置の電気的動作に比例させることができる。すなわち、弱い検証は、エアロゾルの弱い発生(すなわちバッテリからカプセルに流れることが許容される低電力をもたらす低い合格スコア)につながり得、強い検証は、強い発生につながり得る。別の実施は、弱い検証(低い合格スコア)が電子タバコの限られた作動時間につながること、すなわち低い合格スコアがバッテリ6からカプセル12への短い電気パルスをもたらすことであり得る。
【0049】
生理学的センサ15が指紋検出器であり、行動センサ16が加速度計である、上記の例について説明してきた。装置は、指紋スキャナと運動センサとを備える。検出された指紋が基準指紋と比較され、その間、運動センサは、手の固有の動きを検出し、これを基準となる動きプロファイルと比較する。例えば、この場合、指紋センサの押圧により、ある程度の動きが生じるため、後続の運動検出により、より正確な測定結果がもたらされることに留意されたい。
【0050】
異なる生理学的センサ及び行動センサの異なる組み合わせを組み込んだ他の例も可能である。例えば、生理学的センサ15は、顔認識検出器を含み得、行動センサ16は、ボタン押圧検出器を含み得る。このような装置は、ユーザの顔の特徴を測定するための光学検出器を備え得る。ボタン押圧センサ16は、例えば、ボタン押圧間隔及び/又はボタンにかかる圧力の測定により、行動的態様を検査し得る。このような例では、1つの態様を測定するために、複数のセンサを組み合わせることができる。例えば、ボタンにかかる圧力の信頼性の高い測定を行うために、ボタン押圧センサを圧力センサと組み合わせることができる。
図1
図2
【国際調査報告】