(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】送信電力の指示及び決定方法、装置、端末、機器および媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 52/42 20090101AFI20230728BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20230728BHJP
H04W 72/50 20230101ALI20230728BHJP
H04W 72/21 20230101ALI20230728BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20230728BHJP
【FI】
H04W52/42
H04W16/28
H04W72/50
H04W72/21
H04W74/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580815
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 CN2020110501
(87)【国際公開番号】W WO2022036685
(87)【国際公開日】2022-02-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】李 明菊
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG08
5K067JJ16
5K067KK02
(57)【要約】
【要約】
本開示は、送信電力の指示及び決定方法、装置、端末、機器および媒体に関し、通信技術の分野に属する。前記方法は、端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力であるステップと、少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップとを含む。当該方法は、上り伝送性能の向上に有利である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信電力の指示方法であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であるステップと、
少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップとを含む、
ことを特徴とする送信電力の指示方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって、前記第1の指示情報を送信するステップ、又は
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって、前記第1の指示情報を送信するステップ、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り電力残量レポート(PHR)によって、前記第1の指示情報を送信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって、前記第1の指示情報を送信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を送信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップであって、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの前記上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであるステップを含み、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報参照信号CSI-RS ID、測位参照信号PRS ID、追跡参照信号TRS ID、検出参照信号SRS IDのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップと、
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップは、
前記端末に記憶された第2の指示情報を取得するステップ、又は、
ネットワーク機器によって送信された第2の指示情報を受信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
第1の送信電力による第1の放射量を決定するステップと、
第1の放射量とMPE値との差に基づいて、第1の送信電力と最大許容送信電力との電力差を決定するステップと、
前記電力差と第1の送信電力とに基づいて最大許容送信電力を決定するステップとを含み、
前記第1の送信電力は設定値であり、又は、前記第1の送信電力は、ネットワーク機器によって送信された配置情報に基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
前記上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達すると、前記送信電力を前記上りビームの最大許容送信電力とするステップを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
送信電力の決定方法であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であるステップと、
前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む、
ことを特徴とする送信電力の決定方法。
【請求項14】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り電力残量レポート(PHR)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を受信する、
ことを特徴とする請求項13~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップを含み、
前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであり、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項13~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項13~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報参照信号CSI-RS ID、測位参照信号PRS ID、追跡参照信号TRS ID、検出参照信号SRS IDのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
送信電力の指示装置であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定する決定モジュールであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である決定モジュールと、
少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する送信モジュールとを含む、
ことを特徴とする送信電力の指示装置。
【請求項22】
送信電力の決定装置であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信する受信モジュールであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である受信モジュールと、
前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定する決定モジュールとを含む、
ことを特徴とする送信電力の決定装置。
【請求項23】
端末であって、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能な命令を格納するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令をロードして実行して、請求項1~12のいずれかに記載の送信電力の指示方法を実現するように構成される、
ことを特徴とする端末。
【請求項24】
ネットワーク機器であって、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能な命令を格納するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令をロードして実行して、請求項13~20のいずれかに記載の送信電力の決定方法を実現するように構成される、
ことを特徴とするネットワーク機器。
【請求項25】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の命令がプロセッサによって実行される場合、請求項1~12のいずれかに記載の送信電力の指示方法、または、請求項13~20のいずれかに記載の送信電力の決定方法を実行する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術の分野に関し、特に送信電力の指示及び決定方法、装置、端末、機器および媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
5Gニューラジオ(NR,New Radio)技術では、特に通信周波数帯域が周波数範囲2(Frequency Range 2,FR2)の場合、高周波チャネルの減衰が速いため、カバー範囲を確保するためにビームに基づく送受信を使用する必要がある。
【0003】
関連技術では、端末がアンテナパネルを介してビームを送信する際、人体に危害を与えないように最大許容放射量(Maximum Permissible Exposure、MPE)制限がある。送信ビームに使用される送信電力による放射量がMPE制限を超える場合、当該ビームの送信電力を制限する必要があり、例えば、当該ビームの送信電力のバックオフを制御する必要があり、これは端末の上り伝送性能に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例は、送信電力の指示及び決定方法、装置、端末、機器および媒体を提供する。前記技術案は以下のとおりである。
【0005】
本開示の実施例による一態様は、送信電力の指示方法を提供し、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力であるステップと、
少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップとを含む。
【0006】
可能な実施形態では、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって、前記第1の指示情報を送信するステップ、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって、前記第1の指示情報を送信するステップを含む。
【0007】
選択的に、前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む。
【0008】
可能な実施形態では、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り電力残量レポートによって、前記第1の指示情報を送信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって、前記第1の指示情報を送信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む。
【0009】
選択的に、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を送信するステップを含む。
【0010】
選択的に、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップであって、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの前記上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであるステップを含み、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0011】
選択的に、前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である。
【0012】
選択的に、前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報参照信号CSI-RS ID、測位参照信号PRS ID、追跡参照信号TRS ID、検出参照信号SRS IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
選択的に、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップと、
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む。
【0014】
選択的に、前記端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップは、
前記端末に記憶された第2の指示情報を取得するステップ、又は、
ネットワーク機器によって送信された第2の指示情報を受信するステップを含む。
【0015】
選択的に、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
第1の送信電力による第1の放射量を決定するステップと、
第1の放射量とMPE値との差に基づいて、第1の送信電力と最大許容送信電力との電力差を決定するステップと、
前記電力差と第1の送信電力とに基づいて最大許容送信電力を決定するステップとを含み、
前記第1の送信電力は設定値であり、又は、前記第1の送信電力は、ネットワーク機器によって送信された配置情報に基づいて決定される。
【0016】
選択的に、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
前記上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達すると、前記送信電力を前記上りビームの最大許容送信電力とするステップを含む。
【0017】
本開示の実施例による一態様は、送信電力の決定方法を提供し、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であるステップと、
前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む。
【0018】
可能な実施形態では、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップを含む。
【0019】
選択的に、前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む。
【0020】
可能な実施形態では、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り電力残量レポート(PHR)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって送信された前記第1の指示情報を受信する、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む。
【0021】
選択的に、物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を受信する。
【0022】
選択的に、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップを含み、
前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであり、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0023】
選択的に、前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である。
【0024】
選択的に、前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロック(Synchronization Signal and PBCH Block、SSB)識別子、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information - Reference Signal、CSI-RS)識別子、追跡参照信号(Tracking Reference Signal、TRS)識別子、測位参照信号(Positioning Reference Signal、PRS)識別子のうちの少なくとも1つを含む。
【0025】
本開示の実施例による一態様は、送信電力の指示装置を提供し、前記装置は、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定する決定モジュールであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である決定モジュールと、
少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する送信モジュールとを含む。
【0026】
本開示の実施例による一態様は、送信電力の決定装置を提供し、前記装置は、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信する受信モジュールであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である受信モジュールと、
前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定する決定モジュールとを含む。
【0027】
本開示の実施例による一態様は、端末を提供し、前記端末は、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能な命令を格納するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令をロードして実行して、上記のいずれかに記載の送信電力の指示方法を実現するように構成される。
【0028】
本開示の実施例による一態様は、ネットワーク機器を提供し、前記ネットワーク機器は、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能な命令を格納するためのメモリとを含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令をロードして実行して、上記のいずれかに記載の送信電力の決定方法を実現するように構成される。
【0029】
本開示の実施例による一態様は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の命令がプロセッサによって実行される場合、上記の第1の態様のいずれかに記載の送信電力の指示方法、または、上記の第2の態様のいずれかに記載の送信電力の決定方法を実行する。
【0030】
本開示の実施例では、端末の上りビームの最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であり、少なくとも1つの上りビームの最大送信電力を指示するための第1の指示情報をネットワーク機器に送信することにより、ネットワーク機器は、第1の指示情報に基づいて端末の対応する上りビームが達することができる最大送信電力を決定し、当該最大送信電力に基づいてリソーススケジューリングを行うことができ、端末の上り伝送性能を向上することができる。
【0031】
上記の一般的な説明および後述の詳細な説明は、例示的および説明的なものであり、本開示を制限するものではないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本明細書に記載された図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本開示の実施例が図示されており、本明細書と共に本開示の原理を説明するために使用される。
【
図1】本開示の1つの例示的な実施例によって提供される通信システムのブロック図である。
【
図2】一例示的な実施例による送信電力の指示方法のフローチャートである。
【
図3】一例示的な実施例による送信電力の決定方法のフローチャートである。
【
図4】一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。
【
図5】一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。
【
図6】一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。
【
図7】一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。
【
図8】一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。
【
図9】一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。
【
図10】一例示的な実施例による送信電力の指示装置の概略構成図である。
【
図11】一例示的な実施例による送信電力の決定装置の概略構成図である。
【
図12】一例示的な実施例による端末のブロック図である。
【
図13】一例示的な実施例によるネットワーク機器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面に示す例示的な実施例について詳細に説明する。以下の説明が図面に関連する場合、特に示されない限り、異なる図面における同じ数字は同じ要素または類似する要素を表す。以下の例示的な実施例で説明する実施形態は、本開示と一致するすべての実施形態を意味するものではない。むしろ、これらは、添付の特許請求の範囲に詳述するような、本開示のいくつかの態様と一致する装置および方法の例にすぎない。
【0034】
本開示の実施例で使用する用語は、特定の実施例を説明することのみを目的としており、本開示の実施例を制限することを意図するものではない。本開示の実施例および添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1つの」および「当該」も、文脈が明確に他の意味を示さない限り、多数の形を含むことを意図している。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つまたは複数の関連付けられたリストアイテムの任意のまたはすべての可能な組み合わせを意味し、含まれることも理解されるべきである。
【0035】
なお、本開示の実施例では、第1、第2、第3の用語を用いる各種の情報を記述することができるが、これらの情報はこれらの用語に限定されるものではない。これらの用語は、同じタイプの情報を区別するためにのみ使用される。例えば、本開示の実施例の範囲を逸脱することなく、第1の情報を第2の情報と呼ぶことができ、同様に、第2の情報を第1の情報と呼ぶこともできる。文脈にもよりますが、ここで使われるような「すれば」および「もし」は、「…の場合に」または「…の時に」または「決定に応じて」と解釈される。
【0036】
なお、本開示の実施例では、理解を容易にするために、ステップに番号を付けて説明したが、これらの番号はステップの実行順序を示すものではない、また、順序番号を付けたステップを一緒に実行する必要があることを示すものでもない。連番を付けた複数のステップのうちの1つまたは複数は、それぞれの技術的な問題を解決し、所定の技術的解決策を達成するために個別に実行されてもよいことが理解されるべきである。添付図面で例示されているいくつかのステップであっても、これらのステップが一緒に実行されなければならないことを意味するものではない。図面は理解を容易にするために例としてこれらのステップをまとめたものである。
【0037】
図1は本開示1つの例示的な実施例によって提供される通信システムのブロック図であり、
図1に示すように、当該通信システムは、ネットワーク側12と端末13を含む。
【0038】
ネットワーク側12には、いくつかのネットワーク機器120が含まれる。ネットワーク機器120は、端末に無線通信機能を提供するためにアクセスネットワークに配備された装置である基地局であってもよい。当該基地局は、端末13のサービングセルの基地局であってもよいし、端末13のサービングセル隣接セルの基地局であってもよい。基地局には、さまざまな形式のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局、アクセスポイント、送受信ポイント(Transmission Reception Point、TRP)などが含まれる。異なる無線アクセス技術を採用するシステムでは、基地局機能を備えた機器の名称が異なる場合があり、5G NRシステムでは、gNodeBまたはgNBと呼ばれる。通信技術の発展に伴い、「基地局」という名称は記述が変化する可能性がある。ネットワーク機器120は、測位管理機能エンティティ(Location Management Function、LMF)であってもよい。車両ネットワークまたはd2d(device to device、機器から機器へ)通信において、ネットワーク機器は車載機器端末、または端末13であるもよい。
【0039】
端末13は、無線通信機能を有する様々なハンドヘルド機器、車載機器、ウェアラブル機器、コンピューティング機器、または無線モデムに接続された他の処理機器、ならびに様々な形態のユーザ機器、移動局(Mobile Station、MS)、端末、モノネットワーク機器(Internet of Things、IoT)、産業モノネットワーク機器(Industry Internet of Things、IIoT)などを含むことができる。説明を容易にするために、上述の装置は総称して端末と呼ばれる。ネットワーク機器120と端末13との間は、Uuインタフェースなどの何らかのエアインターフェース技術を介して相互に通信する。
【0040】
本開示の実施例では、ネットワーク機器12は、1つ以上の送受信ポイント(Transmission Reception Point、TRP)、または伝送ポイントとも呼ばれ、各TRPは1つ以上のアンテナパネル(panel)を有する。複数のTRPは同時に1つの端末13とデータ伝送を行うことができる。
【0041】
端末13は少なくとも1つのアンテナパネルを有し、アンテナパネルのパラメータを調整することにより、当該アンテナパネルの送信ビーム及び/又は受信ビームの方向を変えることができる。端末13が少なくとも2つのアンテナパネルを有する場合、端末は異なるアンテナパネルを介してビームを同時に送信または受信することができる。
【0042】
本開示の実施例で説明する通信システムおよびサービスシナリオは、本開示の実施例の技術案をより明確に説明するためのものであり、本開示の実施例によって提供される技術案を限定するものではなく、本開示の実施形態によって提供される技術案は、通信システムの進化と新たなサービスシナリオの出現に伴う、同様の技術的課題に対して同様に適用できることが当業者には理解されよう。
【0043】
本開示の実施例の理解を容易にするために、以下では、本開示の実施例に係るいくつかの名詞について説明する。
【0044】
MPE:管理機関(連邦通信委員会(Federal Communications Commission、FCC)など)と国際非電離放射線防護委員会(International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection、ICNIRP))によって規定され、無線機器からの無線周波数放射を制限するために使用される。MPE制限は通常、6GHz以上で通信を行う無線機器に適用され、6GHz以上の高い周波数が人体皮膚表面と相互作用するため、MPE制限は面積に基づく照射量の監督管理尺度である。例えば、ミリ波システムの場合、MPEは1mW/cm2に制限され、人体が受ける電力密度は1mW/cm2を超えてはならないことを示す。また、ミリ波システムの場合、MPEは20mW/cm2に制限される。
【0045】
最大許容送信電力:MPE制限を満たす端末の最大送信電力である。
【0046】
いくつかの実施例では、端末は、端末のアンテナパネルと使用者の身体部分(たとえば、手)との間の距離に基づいて、最大許容送信電力を決定することができる。例えば、同じMPE制限の下では、距離が近いほど最大許容送信電力は小さくなる。他の実施形態では、最大許容送信電力は同じMPEの制限の下で一定値となる。
【0047】
端末の最大送信電力:MPE制限を考慮しない場合の端末の最大送信電力である。
【0048】
いくつかの実施例では、端末の最大送信電力はネットワーク機器によって配置された最大送信電力である。別の実施例では、端末の最大送信電力は端末の能力がサポート可能な最大送信電力である。
【0049】
上りビーム:端末がアンテナパネルによって送信されたビームは、送信ビームとも呼ばれる。同じタイミングで、1つのアンテナパネルは1つの上りビームしか送信できない。
【0050】
いくつかの実施例では、端末の1つのアンテナパネルは1つの上りビームしか送信せず、すなわち、送信する上りビームの指向性は固定不変であり、この場合、当該アンテナパネルの上りビームの最大許容送信電力を決定し、つまり、当該アンテナパネルの最大許容送信電力を決定する。最大許容送信電力はアンテナパネル単位で決定できると見なすことができる。
【0051】
いくつかの実施例では、端末の1つのアンテナパネルが異なる指向性の複数の上りビームを送信することができ、当該場合、当該アンテナパネルに対応する複数の上りビームの最大許容送信電力はそれぞれ決定され、異なる上りビームの最大許容送信電力は同じであっても異なっていてもよい。
【0052】
図2は一例示的な実施例による送信電力の指示方法のフローチャートである。当該方法は、端末によって実行され、
図2を参照し、当該方法は、以下のステップを含む。
【0053】
ステップ201では、端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0054】
当該最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。
【0055】
ステップ202では、少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する。
【0056】
可能な実施形態では、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り制御情報(uplink control information、UCI)によって前記第1の指示情報を送信するステップ、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって、前記第1の指示情報を送信するステップを含む。
【0057】
選択的に、前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む。
【0058】
可能な実施形態では、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り電力残量レポート(Power Headroom Report、PHR)によって前記第1の指示情報を送信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって、前記第1の指示情報を送信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップとを含む。
【0059】
選択的に、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
物理上り制御チャネル(Physical Uplink Control Channel、PUCCH)又は物理上り共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)によって前記第1の指示情報を送信するステップを含む。
【0060】
選択的に、前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップであって、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの前記上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであるステップを含み、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0061】
選択的に、前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である。
【0062】
選択的に、前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロック(Synchronization Signal and PBCH Block、SSB)識別子、チャネル状態情報参照信号(Channel State Information - Reference Signal、CSI-RS)識別子、追跡参照信号(Tracking Reference Signal、TRS)識別子、測位参照信号(Positioning Reference Signal、PRS)識別子のうちの少なくとも1つを含む。
【0063】
選択的に、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップと、
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む。
【0064】
選択的に、前記端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップは、
前記端末に記憶された第2の指示情報を取得するステップ、又は、
ネットワーク機器によって送信された第2の指示情報を受信するステップを含む。
【0065】
選択的に、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
第1の送信電力による第1の放射量を決定するステップと、
第1の放射量とMPE値との差に基づいて、第1の送信電力と最大許容送信電力との電力差を決定するステップと、
前記電力差と第1の送信電力とに基づいて最大許容送信電力を決定するステップとを含み、
前記第1の送信電力は設定値であり、又は、前記第1の送信電力は、ネットワーク機器によって送信された配置情報に基づいて決定される。
【0066】
選択的に、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
前記上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達すると、前記送信電力を前記上りビームの最大許容送信電力とするステップを含む。
【0067】
なお、前記ステップ201~ステップ202と前記オプションステップとは任意に組み合わせてもよい。
【0068】
図3は一例示的な実施例による送信電力の決定方法のフローチャートである。当該方法はネットワーク機器によって実行され、
図3を参照し、当該方法は、以下のステップを含む。
【0069】
ステップ301では、端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信する。
【0070】
前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である。
【0071】
ステップ302では、前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0072】
可能な実施形態では、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップを含む。
【0073】
選択的に、前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む。
【0074】
可能な実施形態では、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り電力残量レポート(PHR)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む。
【0075】
選択的に、物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を受信する。
【0076】
選択的に、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップを含み、
前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであり、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0077】
選択的に、前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である。
【0078】
選択的に、前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報参照信号CSI-RS ID、測位参照信号PRS ID、追跡参照信号TRS ID、検出参照信号SRS IDのうちの少なくとも1つを含む。
【0079】
なお、前記ステップ301~ステップ302と、前記オプションステップとは任意に組み合わせてもよい。
【0080】
図4は、一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。当該方法は、ネットワーク機器と端末が共同で実行することができる。
図4に示すような実施例では、端末は、上りビームを介してランダムアクセスメッセージを送信し、それに応じて、端末は、ランダムアクセスプロセス中のPUSCHを介して、少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報をネットワーク機器に送信する。
図4を参照し、当該方法は、以下のステップを含む。
【0081】
ステップ401では、端末が、ランダムアクセスリソース配置情報を受信する。
【0082】
ランダムアクセスリソースの配置情報は、ランダムアクセスリソースの位置情報と上り送信電力情報とを含む。ランダムアクセスリソースは、時間領域リソース、周波数領域リソース、およびランダムアクセスプリアンブルリソースのうちの少なくとも1つを含む。上り送信電力情報には、初期送信電力と電力増加粒度が含まれる。
【0083】
端末は、SSBを受信し、受信したSSBに基づいてランダムアクセスリソース配置情報を取得する。
【0084】
各SSBは最適な受信ビームに対応することができる。
【0085】
ステップ402では、端末が、ランダムアクセスリソース配置に基づいて第1の上りビームを用いてランダムアクセスメッセージを送信する。
【0086】
当該第1の上りビームは、参照信号受信電力(Reference Signal Receiving Power、RSRP)が閾値より高い受信ビームに対応する上りビームであってもよい。受信ビームのRSRPはSSB測定によって得られる。
【0087】
ステップ403では、端末が、フィードバック時間ウィンドウ内にランダムアクセス応答メッセージを受信しなかった場合、新しい送信電力を計算する。
【0088】
いくつかの実施例では、当該新しい送信電力は前回の送信電力と電力増加粒度の和に等しい。例えば、ランダムアクセスメッセージを初めて送信した後、時間ウィンドウ内にランダム応答メッセージを受信しなかった場合、新しい送信電力は初期送信電力と電力増加粒度の和に等しい。3回目にランダムアクセスメッセージを送信した後、時間ウィンドウ内にランダム応答メッセージを受信しなかった場合、新しい送信電力は2回目の送信に使用される送信電力と電力増加粒度の和、すなわち初期送信電力と2倍の電力増加粒度の和に等しい。これを類推する。
【0089】
なお、算出された新たな送信電力が端末最大送信電力を超えると、端末最大送信電力を新たな送信電力とする。当該端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0090】
ステップ404では、端末が、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定し、前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。
【0091】
ステップ405では、新しい送信電力が最大許容送信電力より大きくない場合、第1の上りビームを用いて新しい送信電力でランダムアクセスメッセージを再送信する。
【0092】
ステップ406では、新しい送信電力が最大許容送信電力より大きい場合、第1の上りビームを用いて最大許容送信電力でランダムアクセスメッセージを再送信する。
【0093】
他の実施例では、当該ステップ406は、代わりに、第2の上りビームを再選択してランダムアクセスリソース配置に基づいてランダムアクセスメッセージを送信することができる。つまり、第1の上りビームを用いたランダムアクセスメッセージの送信はもはや継続されない。
【0094】
ステップ407では、端末が、第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する。
【0095】
例として、当該第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報とを含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含む。前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0096】
選択的に、前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号の識別子は、SSB ID、CSI-RS ID、PRS ID、TRS ID、SRS IDのうちの少なくとも1つを含む。さらに、前記参照信号識別子は、参照信号に対応するTRP識別子及び/又は物理セル識別子をさらに含む。
【0097】
可能な実施形態では、端末は4ステップランダムアクセスプロセスを用いてランダムアクセスを行う場合、ランダムアクセスメッセージは4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ1(msg.1)である。当該場合、端末は、第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力より小さい、すなわち最大許容送信電力が端末の上りビームの最大送信電力を制限していると決定すると、ランダムアクセス応答メッセージであるメッセージ2(msg.2)を受信した後、メッセージ3(msg.3)によって第1の指示情報を送信する。
【0098】
別の可能な実施形態では、端末が2ステップランダムプロセスを用いてランダムアクセスを行う場合、ランダムアクセスメッセージは2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージA(msg.A)であり、そして、端末はmsg.AにおけるPUSCHを介して、当該第1の指示情報を送信する。
【0099】
ステップ408では、ネットワーク機器第1の指示情報を受信する。
【0100】
ステップ409では、ネットワーク機器は、第1の指示情報に基づいて、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0101】
後続の通信プロセスでは、ネットワーク機器は、第1の上りビームの最大許容送信電力に基づいてリソーススケジューリングを行うことができる。例えば、最大許容送信電力の大きいビームを使って上り送信するように端末に優先的に指示する。
【0102】
なお、
図4に示すような実施例では、端末は、決定された送信電力が最大許容送信電力より大きい場合、ステップ407を実行し、すなわち最大許容送信電力が端末の最大送信電力より小さい上りビームに対応する第1の指示情報のみを送信する。別の実施例では、端末によって決定された送信電力が最大許容送信電力より大きいか否かにかかわらず、ステップ407を実行し、すなわち、すべての上りビームに対応する第1の指示情報を送信する。
【0103】
本開示の実施例では、端末の上りビームの最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であり、少なくとも1つの上りビームの最大送信電力を指示するための第1の指示情報をネットワーク機器に送信することにより、ネットワーク機器は、第1の指示情報に基づいて端末の対応する上りビームが達することができる最大送信電力を決定し、当該最大送信電力に基づいてリソーススケジューリングを行うことができ、端末の上り伝送性能を向上することができる。
【0104】
図5は、一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。当該方法は、端末とネットワーク機器が共同で実行することができる。当該方法は端末とネットワーク機器が共同で実行する。当該方法と
図4に示す方法との違いは、
図4に示す実施例では、端末の第1の上りビームの送信電力が対応する最大許容送信電力を超えそうな場合にランダムアクセスメッセージで最大許容送信電力を送信し、
図5に示す実施例では、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力より小さいと決定された場合にランダムアクセスメッセージで最大許容送信電力を送信することである。
【0105】
図5に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0106】
ステップ501では、端末が、ランダムアクセスリソース配置情報を受信する。
【0107】
関連内容については、ステップ401を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0108】
ステップ502では、端末は端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0109】
前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。
【0110】
第1の上りビームは、ランダムアクセスメッセージを送信するための上りビームである。当該第1の上りビームは、RSRPが閾値より高い受信ビームに対応する上りビームとすることができる。受信ビームのRSRPはSSB測定によって得られる。
【0111】
ステップ503では、端末が、ランダムアクセスリソース配置に基づいて第1の上りビームを用いてランダムアクセスメッセージを送信する。
【0112】
端末の第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力より小さい場合、ランダムアクセスメッセージには第1の指示情報が含まれる。
【0113】
例として、端末は2ステップランダムプロセスを使用し、2ステップランダムアクセスプロセスにおけるメッセージA(msg.A)であり、端末はmsg.AにおけるPUSCHを介して当該第1の指示情報を送信する。
【0114】
ステップ504では、ネットワーク機器がランダムアクセスメッセージを受信する。
【0115】
ネットワーク機器は、ランダムアクセスメッセージを受信すると、ランダムアクセスメッセージにおける第1の指示情報を取得する。
【0116】
ステップ505では、ネットワーク機器が、第1の指示情報に基づいて、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0117】
なお、
図5に示すような実施例では、端末は、第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい場合にのみ、第1の指示情報を送信し、他の実施例では、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さいか否かにかかわらず、第1の指示情報を送信し、すなわち、いずれの上りビームに対しても、第1の指示情報を送信する。
【0118】
図6は一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。当該方法は、端末とネットワーク機器が共同で実行することができる。当該方法と
図5に示す実施例との違いは、
図5に示す実施例が2ステップランダムアクセスプロセスを対象とし、
図6に示す実施例が4ステップランダムアクセスプロセスを対象としていることである。
【0119】
図6に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0120】
ステップ601では、端末が、ランダムアクセスリソース配置情報を受信する。
【0121】
関連内容については、ステップ401を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0122】
ステップ602では、端末が、ランダムアクセスリソース配置に基づいて第1の上りビームを用いてランダムアクセスメッセージを送信する。
【0123】
当該第1の上りビームは、RSRPが閾値より高い受信ビームに対応する上りビームとすることができる。受信ビームのRSRPはSSB測定によって得られる。
【0124】
例として、ランダムアクセスメッセージは4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ1(msg.1)である。
【0125】
ステップ603では、ネットワーク機器がランダムアクセスメッセージを受信する。
【0126】
ステップ604では、ネットワーク機器が、ランダムアクセス応答を送信する。
【0127】
当該ランダムアクセス応答は4ステップランダムアクセスプロセス中のmsg.2である。
【0128】
ステップ605では、端末が、ランダムアクセス応答を受信する。
【0129】
ステップ606では、端末が、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0130】
前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。
【0131】
なお、ステップ606は、ステップ602からステップ605のいずれかと同時に実行することができ、あるいはステップ602からステップ605のうちの任意の隣接する2つのステップの間で実行することができる。
【0132】
ステップ607では、端末がmsg.3を送信する。
【0133】
端末の第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい場合、msg.3は第1の指示情報を含む。
【0134】
ステップ608では、ネットワーク機器がmsg.3を受信する。
【0135】
ネットワーク機器はmsg.3を受信した後、msg.3の第1指示情報を取得する。
【0136】
ステップ609では、ネットワーク機器が、第1の指示情報に基づいて、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0137】
なお、
図6に示す実施例では、端末は、第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力より小さい場合にのみ、第1の指示情報を送信し、他の実施例では、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力が端末の最大送信電力より小さいか否かにかかわらず、第1指示情報を送信し、すなわちいずれの上りビームに対しても第1指示情報を送信する。
【0138】
いくつかの実施例では、ネットワーク機器はビーム測定のための下り参照信号を送信し、端末は当該下り参照信号を受信してビーム測定を行い、ビーム測定結果を送信する。当該場合、端末は、ビーム測定レポートを介して第1の指示情報とビーム測定結果を送信することができる。
【0139】
図7は一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。当該方法は、端末とネットワーク機器が共同で実行することができる。
図7に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0140】
ステップ701では、ネットワーク機器が、ビーム測定のための下り参照信号を送信する。
【0141】
ビーム測定のための下り参照信号には、SSB、CSI-RS、PRSが含まれるが、これらに限定されない。
【0142】
ステップ702では、端末が、ビーム測定のための下り参照信号を受信する。
【0143】
ステップ703では、端末が、受信した下り参照信号に基づいてビーム測定を行う。
【0144】
下り参照信号に対して、ビーム測定を行って、各下り参照信号に対応する測定値を取得する。例として、測定値は、参照信号受信電力(Reference Signal Received Power、L1-RSRP)、および信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、L1-SINR)のうちの少なくとも1つを含む。
【0145】
ステップ704では、端末が、第1の上りビームの最大許容送信電力を決定し、前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。
【0146】
ステップ705では、端末が、ビーム測定レポートを送信する。
【0147】
当該ビーム測定レポートは、ステップ703で取得されたビーム測定結果と第1の指示情報を含む。
【0148】
選択的に、端末がビーム測定レポートを送信する方法は、周期的なレポート、semi-static(半静的)報告、または非周期的なレポートを含むが、これらに限定されない。選択的に、ビーム測定レポートはUCIで送信することができ、UCIはPUCCHまたはPUSCHで報告することができる。
【0149】
選択的に、ビーム測定レポートを送信する方法は、ネットワーク機器によって示され、例えば、RRCシグナリング、メディアアクセス制御(Medium Access Control、MAC)シグナリング、下り制御情報(Downlink Control Information、DCI)シグナリングのうちの1つ以上の組み合わせによってネットワーク機器によって示される。
【0150】
第1の指示情報の関連内容については、上記のステップ407を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0151】
ステップ706では、ネットワーク機器が、ビーム測定レポートを受信する。
【0152】
ステップ707では、ネットワーク機器が、第1の指示情報に基づいて第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0153】
いくつかの実施例では、ネットワーク機器はチャネル状態情報の測定のための下り参照信号を送信し、端末は当該下り参照信号を受信してチャネル状態情報の測定を行い、チャネル状態情報の測定結果を送信する。当該場合、端末は、チャネル状態情報レポートにより、第1の指示情報とチャネル状態情報の測定結果を送信することができる。
【0154】
図8は一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。当該方法は、端末とネットワーク機器が共同で実行することができる。
図8に示すように、当該方法は以下のステップを含む。
【0155】
ステップ801では、ネットワーク機器が、チャネル状態情報の測定のための下り参照信号を送信する。
【0156】
例として、チャネル状態情報の測定のための下り参照信号には、SSB、CSI-RS、PRSが含まれるが、これらに限定されない。
【0157】
ステップ802では、端末が、チャネル状態情報の測定のための下り参照信号を受信する。
【0158】
ステップ803では、端末が、受信した下り参照信号に基づいてチャネル状態情報の測定を行う。
【0159】
下り参照信号に対してチャネル状態情報の測定を行うことにより、各下り参照信号に対応する測定値を取得する。例として、測定値は、チャネル質量指示(Channel Quality Indicator、CQI)を含む。
【0160】
ステップ804では、端末が、第1の上りビームの最大許容送信電力を決定し、前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。
【0161】
ステップ805では、端末が、チャネル状態情報の測定レポートを送信する。
【0162】
当該チャネル状態情報の測定レポートには、ステップ803で取得されたチャネル状態情報の測定結果と第1の指示情報を含む。
【0163】
第1の指示情報の関連内容については、上記のステップ407を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0164】
選択的に、当該チャネル状態情報の測定レポートは、ランク指示(rank indication、RI)、プリコーディング行列指示(Precoding Matrix Indicator、PMI)などの情報をも含む。
【0165】
選択的に、端末がチャネル状態情報の測定レポートを送信する方法は、周期的レポート、半静的(semi-static)レポート、または非周期的レポートを含むが、これらに限定されない。選択的に、チャネル状態情報の測定レポートはUCIで送信してもよく、UCIはPUCCHまたはPUSCHで報告してもよい。
【0166】
選択的に、チャネル状態情報の測定レポートを送信する方法は、ネットワーク機器によって示され、例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、DCIシグナリングのうちの1つまたは複数の組み合わせによって示される。
【0167】
ステップ806では、ネットワーク機器が、チャネル状態情報の測定レポートを受信する。
【0168】
ステップ807では、ネットワーク機器が、第1の指示情報に基づいて第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0169】
いくつかの実施例では、端末は、第1の上りビームを介して上り参照信号を送信し、ネットワーク機器は上り参照信号を受信し、上り参照信号に基づいてビーム測定及び/又はチャネル状態情報測定及び/又は測位測定を行う。当該場合、端末は、ビーム測定レポートを介して第1の指示情報(即ち、ビーム測定結果とともに第1の指示情報を送信することができる)を送信してもよいし、チャネル状態情報の測定レポートを介して第1の指示情報(即ち、チャネル状態情報の測定結果とともに第1の指示情報を送信することができる)を送信してもよいし、チャネル状態情報測定結果とともに第1の指示情報を送信してもよいし、専用のシグナリングを介して第1の指示情報を送信してもよい。
【0170】
図9は一例示的な実施例による送信電力の指示および決定方法のフローチャートである。当該方法は、端末とネットワーク機器が共同で実行することができる。
図9に示すように、当該方法は、以下のステップを含む。
【0171】
ステップ901では、ネットワーク機器が、上り参照信号リソース配置情報を送信する。
【0172】
当該参照信号配置情報は、上り参照信号を運ぶためのリソースを指示するために使用される。例として、当該上り参照信号はSRSである。選択的に、SRSは、上りビーム管理のためのSRS、またはチャネル状態情報測定のためのSRS、あるいは位置測定のためのSRSである。
【0173】
選択的に、上り参照信号リソース配置情報は、上りリソースの位置情報及び上り送信電力相関情報を含む。上りリソースの位置情報は、時間領域リソースの位置情報と周波数領域リソースの位置情報のうちの少なくとも1つを含む。例として、上り送信電力情報は、初期送信電力と電力増加粒度を含む。
【0174】
ステップ902では、端末が上り参照信号リソース配置情報を受信する。
【0175】
ステップ903では、端末が上り参照信号リソース配置情報に基づいて、送信電力を決定する。
【0176】
端末は、上り送信電力相関情報に基づいて、送信電力を決定する。決定方法は、前述のステップ403を参照することができ、ここでの詳細な説明は省略する。
【0177】
ステップ904では、端末が、第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0178】
前記最大許容送信電力は、前記端末のMPE制限を満たす最大送信電力である。当該第1の上りビームは、当該上り参照信号を送信するための上りビームである。
【0179】
ステップ905では、決定された送信電力が最大許容送信電力よりも大きい場合、第1のビームにより最大許容送信電力で上り参照信号を送信する。
【0180】
ステップ906では、決定された送信電力が最大許容送信電力よりも大きくない場合、第1のビームにより決定された送信電力で上り参照信号を送信する。
【0181】
ステップ907では、端末が、第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する。
【0182】
第1の指示情報の関連内容については、上記のステップ407を参照し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0183】
当該ステップ907では、端末が、第1の上りビームに対応する受信ビームを決定し、受信ビームに対応する下り参照信号の識別子を決定し、決定された下り参照信号の識別子を第1の上りビームの識別子とする。あるいは、端末は、第1の上りビームに対応する上り参照信号の識別子を決定し、決定された上り参照信号の識別子を上りビームの識別子とする。
【0184】
選択的に、前記下り参照信号の識別子は、SSB ID、CSI-RS ID、PRS ID、TRS IDのうちの少なくとも1つを含み、前記上り参照信号の識別子は、SRS IDを含む。
【0185】
いくつかの実施例では、当該第1の指示情報は、次回のチャネル状態情報の測定結果とともに送信されてもよい。関連内容については、上記のステップ705を参照することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0186】
いくつかの実施例では、当該第1の指示情報は、次回のチャネル状態情報の測定結果とともに送信されてもよい。関連内容については、上記のステップ705を参照することができ、ここでは詳細な説明を省略する。
【0187】
別の実施例では、当該第1の指示情報は、特別なシグナリングによって送信されてもよい。当該特別なシグナリングは、PUCCHまたはPUSCHで運ぶことができる。
【0188】
いくつかの実施例では、端末は、決定された送信電力が最大許容送信電力より大きい場合、ステップ907を実行する。別の実施形態では、端末によって決定された送信電力が最大許容送信電力より大きいか否かにかかわらず、ステップ907が実行される。
【0189】
ステップ908では、ネットワーク機器が、第1の指示情報を受信する。
【0190】
ステップ909では、ネットワーク機器が、第1の指示情報に基づいて、端末の第1の上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0191】
代わりに、ビーム測定レポートとチャネル状態情報の測定レポート以外、上り電力残量レポートによって第1の指示情報を送信することもできる。つまり、上り電力残量レポートには、端末がPUSCH伝送に使用される現在の送信電力と端末の最大送信電力との間の電力残量以外、第1の指示情報も含まれる。電力残量が正の値である場合、端末は現在の送信電力よりも高い電力でより多くの情報を送信できることを示し、電力残量が負の値である場合、端末が許容制限を超えていることを示す。ネットワーク機器は電力残量に基づいて端末のための上りリソースを割り当てることができる。例えば、電力の残量が大きいほど、端末に割り当てられる上りリソースが多くなり、例えば、RBの数が多くなる。上り電力残量レポートはPUCCHまたはPUSCHで送信することができる。
【0192】
代わりに、前記第1の指示情報は、ビーム測定レポートとチャネル状態情報の測定レポート以外、MPE制限による電力制限を示す上り電力制限レポートによって送信されてもよい。当該上り電力制限レポートは、新たに定義されたレポートであってもよく、MAC制御要素(MAC Control Element, MAC CE)またはUCIによって送信され、PUCCHまたはPUSCHによって伝送されてもよい。
【0193】
上記のいずれかの実施例では、端末は、第1の上りビームの最大許容送信電力を決定するために、以下の方式を採用することができ、
端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得し、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0194】
選択的に、前記端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップは、前記端末に記憶された第2の指示情報を取得するステップ、又は、ネットワーク機器によって送信された第2の指示情報を受信するステップを含む。
【0195】
例として、第2の指示情報は、第2の指示情報に基づいてMPE値を決定することができれば、MPE値、または、MPE値に対応するインデックス、またはMPE値が属する区間などであってもよい。
【0196】
選択的に、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
第1の送信電力による第1の放射量を決定する第1のステップと、
第1の放射量とMPE値との差に基づいて、第1の送信電力と最大許容送信電力との電力差を決定する第2のステップと、
前記電力差と第1の送信電力とに基づいて最大許容送信電力を決定する第3のステップとを含む。
【0197】
前記第1の送信電力は設定値であり、又は、前記第1の送信電力は、ネットワーク機器によって送信された配置情報に基づいて決定される。
【0198】
例えば、電力差と第1の送信電力の和を最大許容送信電力とする。
【0199】
選択的に、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
前記上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達すると、前記送信電力を前記上りビームの最大許容送信電力とするステップを含む。
【0200】
上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達するということは、上りビームの送信電力による放射量とMPE値との差が十分に小さいということであり、例えば約0である。
【0201】
可能な実施形態では、第2の指示情報は、MPE値に対応する送信電力閾値であってもよい。当該実施形態では、送信電力閾値を当該まま最大許容送信電力とすることができる。
【0202】
図10は、一例示的な実施例による送信電力の指示装置の概略構成図である。当該装置は、上述方法の実施例における端末を実現する機能を有し、当該機能はハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。
図10に示すように、当該装置10は、決定モジュール1001と、送信モジュール1002と、を含む。
【0203】
決定モジュール1001は、端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定し、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である。送信モジュール1002は、少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する。
【0204】
可能な実施形態では、送信モジュール1002は、
上り制御情報(UCI)によって、前記第1の指示情報を送信し、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって、前記第1の指示情報を送信する。
【0205】
選択的に、前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む。
【0206】
可能な実施形態では、送信モジュール1002は、
上り電力残量レポートによって、前記第1の指示情報を送信し、又は、
上り電力制限レポートによって、前記第1の指示情報を送信し、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用される。
【0207】
選択的に、送信モジュール1002は、PUCCH又はPUSCHによって、前記第1の指示情報を送信する。
【0208】
選択的に、送信モジュール1002は、第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信し、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの前記上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであり、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0209】
選択的に、前記決定モジュール1001は、取得サブモジュール10011と決定サブモジュール10012を含み、
取得サブモジュール10011は、端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得し、
決定サブモジュール10012は、前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0210】
選択的に、取得サブモジュール10011は、前記端末に記憶された第2の指示情報を取得し、又は、ネットワーク機器によって送信された第2の指示情報を受信する。
【0211】
選択的に、決定サブモジュール10012は、第1の送信電力による第1の放射量を決定し、第1の放射量とMPE値との差に基づいて、第1の送信電力と最大許容送信電力との電力差を決定する前記電力差と第1の送信電力とに基づいて最大許容送信電力を決定し、前記第1の送信電力は設定値であり、又は、前記第1の送信電力は、ネットワーク機器によって送信された配置情報に基づいて決定される。
【0212】
選択的に、決定サブモジュール10012は、前記上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達すると、前記送信電力を前記上りビームの最大許容送信電力とする。
【0213】
図11は一例示的な実施例による送信電力の指示装置の概略構成図である。当該装置は、上述方法の実施例における端末を実現する機能を有し、当該機能はハードウェアによって実現されてもよく、ハードウェアが対応するソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。
図10に示すように、当該装置1100は、受信モジュール1101と決定モジュール1102と、を含む。
【0214】
受信モジュール1101は、端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信し、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である。決定モジュール1102は、前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定する。
【0215】
可能な実施形態では、受信モジュール1101は、
上り制御情報(UCI)によって送信された前記第1の指示情報を受信し、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって送信された前記第1の指示情報を受信する。
【0216】
選択的に、前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む。
【0217】
可能な実施形態では、受信モジュール1101は、
上り電力残量レポート(PHR)によって送信された前記第1の指示情報を受信し、又は、
上り電力制限レポートによって送信された前記第1の指示情報を受信し、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用される。
【0218】
選択的に、受信モジュール1101は、物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を受信する。
【0219】
選択的に、受信モジュール1101は、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信し、
前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであり、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である。
【0220】
図12は一例示的な実施例による端末1200のブロック図であり、
図12に示すように、当該端末1200は、プロセッサ1201、受信機1202、送信機1203、メモリ1204およびバス1205を含む。
【0221】
プロセッサ1201は、一つまたはそれ以上の処理コアを含み、プロセッサ1201は、ソフトウェアプログラムおよびモジュールを実行することによって、様々な機能アプリケーションおよび情報処理を実行する。
【0222】
受信機1202と送信機1203は、通信コンポーネントとして実装することができ、当該通信コンポーネントは、通信チップであってもよい。
【0223】
メモリ1204は、バス1205を介してプロセッサ1201と接続する。
【0224】
メモリ1204は、本開示の一実施例において提供される方法において、端末により実行される方法を実行するために、プロセッサ1201が実行する少なくとも1つの命令を記憶するために使用される。
【0225】
さらに、メモリ1204は、任意のタイプの揮発性または不揮発性記憶機器、あるいはこれらの組み合わせによって実現することができ、揮発性または不揮発性記憶機器には、磁気ディスクまたは光ディスク、電気消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、静的随時アクセスメモリ(SRAM)、読取専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)が含まれるが、これらに限定されない。
【0226】
例示的な実施例では、上記の様々な方法の実施例によって提供される送信電力を実現するためにプロセッサによりロードされ実行される少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶するコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0227】
図13は、例示的な実施例によるネットワーク機器1300を示すブロック図であり、
図13に示すように、ネットワーク機器1300は、プロセッサ1301、受信機1302、送信機1303、及びメモリ1304を含むことができる。受信機1302、送信機1303及びメモリ1304は、それぞれバスを介してプロセッサ1301に接続する。
【0228】
プロセッサ1301は、1つまたは複数の処理コアを含み、プロセッサ1301は、ソフトウェアプログラムおよびモジュールを実行することによって、本開示の一実施形態において提供される方法においてネットワーク機器によって実行される方法を実行する。メモリ1304は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを記憶するために使用することができる。具体的には、メモリ1304は、オペレーティングシステム13041、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションモジュール13042を記憶することができる。受信機1302は他の機器から送信された通信データを受信するためのものであり、送信機1303は他の機器に通信データを送信するためのものである。
【0229】
例示的な実施例では、上記の各方法の実施例によって提供される送信電力の決定方法を実現するために、プロセッサによってロードされ実行される少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶するコンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0230】
本開示の実施例は、端末とネットワーク機器とを含む通信システムも提供する。前記端末は、
図12に示す実施例によって提供される端末である。ネットワーク機器は、
図13に示された実施例によって提供されるネットワーク機器である。
【0231】
当業者は、明細書およびここに開示発明を検討し、実践上、本開示の他の実施形態を容易に思いつくであろう。本願は、本開示の一般的な原理に従うものであり、本開示の当技術分野における公知の常識的または慣用的な技術的手段を含み、本開示の変形、用途、または適応的な変化を包含することを意図している。本明細書および実施形態は単なる例示とみなされ、本開示の真の範囲と精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0232】
本開示は、上述し図面に示した正確な構造に限定されるものではなく、当該範囲を逸脱しない範囲で種々の修正および変更が可能であることを理解されたい。本開示の範囲は、添付の請求項のみによって制限される。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信電力の指示方法であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であるステップと、
少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップとを含む、
ことを特徴とする送信電力の指示方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって、前記第1の指示情報を送信するステップ、又は
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって、前記第1の指示情報を送信するステップ、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
上り電力残量レポート(PHR)によって、前記第1の指示情報を送信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって、前記第1の指示情報を送信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を送信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信するステップであって、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの前記上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであるステップを含み、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項8】
前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報参照信号CSI-RS ID、測位参照信号PRS ID、追跡参照信号TRS ID、検出参照信号SRS IDのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップと、
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む、
ことを特徴とする請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
前記端末の最大許容放射量(MPE)値を指示するための第2の指示情報を取得するステップは、
前記端末に記憶された第2の指示情報を取得するステップ、又は、
ネットワーク機器によって送信された第2の指示情報を受信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
第1の送信電力による第1の放射量を決定するステップと、
第1の放射量とMPE値との差に基づいて、第1の送信電力と最大許容送信電力との電力差を決定するステップと、
前記電力差と第1の送信電力とに基づいて最大許容送信電力を決定するステップとを含み、
前記第1の送信電力は設定値であり、又は、前記第1の送信電力は、ネットワーク機器によって送信された配置情報に基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記MPE値に基づいて、前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定するステップは、
前記上りビームの送信電力による放射量が前記MPE値に達すると、前記送信電力を前記上りビームの最大許容送信電力とするステップを含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項13】
送信電力の決定方法であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力であるステップと、
前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定するステップとを含む、
ことを特徴とする送信電力の決定方法。
【請求項14】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り制御情報(UCI)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
4ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージ3又は2ステップランダムアクセスプロセス中のメッセージAによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記UCIは、ビーム測定結果又はチャネル状態情報の測定結果をさらに含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
上り電力残量レポート(PHR)によって送信された前記第1の指示情報を受信するステップ、又は、
上り電力制限レポートによって送信された前記第1の指示情報を受信するステップであって、前記上り電力制限レポートは、MPE制限による電力制限を指示するために使用されるステップを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
物理上り制御チャネル(PUCCH)又は物理上り共有チャネル(PUSCH)によって、前記第1の指示情報を受信する、
ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項18】
前記端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップは、
第1の上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信するステップを含み、
前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力よりも小さい上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、いずれかの上りビームであり、又は、前記第1の上りビームは、前記最大許容送信電力が端末の最大送信電力以下の上りビームであり、
前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記第1の上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記第1の上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の指示情報は、上りビームの識別子と上りビームの電力相関情報を含み、前記電力相関情報は、前記最大許容送信電力、又は、前記最大許容送信電力が属する電力区間、又は、前記最大許容送信電力に対応するレベル、又は、前記最大許容送信電力と端末の最大送信電力との差のうちの1つまたは複数を含み、前記端末の最大送信電力は、ネットワーク機器によって配置された前記上りビームに対応する最大送信電力であり、又は、前記端末の最大送信電力は、端末の能力がサポート可能な前記上りビームに対応する最大送信電力である、
ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項20】
前記上りビームの識別子は、参照信号識別子を含み、前記参照信号識別子は、同期信号ブロックSSB ID、チャネル状態情報参照信号CSI-RS ID、測位参照信号PRS ID、追跡参照信号TRS ID、検出参照信号SRS IDのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
送信電力の指示装置であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を決定する決定モジュールであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である決定モジュールと、
少なくとも1つの前記上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を送信する送信モジュールとを含む、
ことを特徴とする送信電力の指示装置。
【請求項22】
送信電力の決定装置であって、
端末の少なくとも1つの上りビームの最大許容送信電力を指示するための第1の指示情報を受信する受信モジュールであって、前記最大許容送信電力は、前記端末の最大許容放射量(MPE)制限を満たす最大送信電力である受信モジュールと、
前記第1の指示情報に基づいて、前記上りビームの最大許容送信電力を決定する決定モジュールとを含む、
ことを特徴とする送信電力の決定装置。
【請求項23】
端末であって、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能な命令を格納するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令をロードして実行して、請求項1~12のいずれかに記載の送信電力の指示方法を実現するように構成される、
ことを特徴とする端末。
【請求項24】
ネットワーク機器であって、
プロセッサと、
プロセッサが実行可能な命令を格納するためのメモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記実行可能な命令をロードして実行して、請求項13~20のいずれかに記載の送信電力の決定方法を実現するように構成される、
ことを特徴とするネットワーク機器。
【請求項25】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の命令がプロセッサによって実行される場合、請求項1~12のいずれかに記載の送信電力の指示方法、または、請求項13~20のいずれかに記載の送信電力の決定方法を実行する、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【国際調査報告】