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特表2023-533779放射線検査装置のための放射線検査用保持装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】放射線検査装置のための放射線検査用保持装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230728BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230728BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
A61B6/03 323Z
A61B6/00 330Z
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501776
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2021069364
(87)【国際公開番号】W WO2022013162
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020118448.4
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523011451
【氏名又は名称】フィブロメツ ゲーエムベーハー ウント コー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ブローマン,フーベルト
【テーマコード(参考)】
4C093
4C096
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093AA22
4C093CA15
4C093CA33
4C093ED04
4C096AB44
4C096AD19
4C096AD23
4C096FC20
(57)【要約】
【課題】作動を容易にする放射線検査用保持装置を提供することを目的とする。
【解決手段】放射線検査用保持装置(1)であって、取付装置(2)に枢動可能に収容された、軸部(4)及び支持部品(5)を含む支持アーム(3)とを備え、前記軸部(4)は、前記取付装置(2)上に枢動可能に収容され、前記支持アーム(3)をロックするためのロック装置(6)と、前記ロック装置(6)を作動させるための伝送部品(11)及び作動部品(12)を含む作動機構(8)であって、前記伝送部品(11)が可撓性プル部品(19)として構成されている前記作動機構(8)を備え、前記作動機構(8)が、前記ロック装置(6)を作動させるために前記可撓性プル部品(19)に導入された操作力を前記ロック装置(6)に伝達するように、力の伝達を一方向にロックする少なくとも1つの力誘導ユニット(200)を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にX線装置(51)、MRT装置(52)、CT装置(53)又は放射線治療装置(54)などの放射線検査装置(50)用の放射線検査用保持装置(1)であって、
取付装置(2)と、
前記取付装置(2)に枢動可能に収容された、少なくとも1つの軸部(4)及び少なくとも1つの支持部品(5)を含む少なくとも1つの支持アーム(3)と
を備え、
前記支持アーム(3)の前記軸部(4)は、前記支持アーム(3)を枢動させるために、前記取付装置(2)上に枢動可能に収容され、
前記支持アーム(3)を少なくとも1つのロック位置(7)にロックするためのロック装置(6)と、
前記ロック装置(6)を作動させるための少なくとも1つの伝送部品(11)及び少なくとも1つの作動部品(12)を含む作動機構(8)であって、前記伝送部品(11)が少なくとも部分的に、可撓性プル部品(19)として構成されている前記作動機構(8)と、
前記支持アーム(3)に取り付けるために設けられ、例えば患者が座ること、移動することのための、少なくとも1つの保持具(9)と、
を備え、
前記作動機構(8)が、前記ロック装置(6)を作動させるために前記可撓性プル部品(19)に導入された操作力を前記ロック装置(6)に伝達するように、力の伝達を一方向にロックする少なくとも1つの力誘導ユニット(200)を備えることを特徴とする、放射線検査用保持装置(1)。
【請求項2】
前記作動機構(8)は、少なくとも2つの前記作動部品(12)によって互いに独立して作動可能である、請求項1に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項3】
前記作動機構(8)は、少なくとも2つ以上の前記力誘導ユニット(200)を備える、請求項1又は2に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項4】
前記ロック装置(6)を作動させるための前記可撓性プル部品(19)の作動範囲(19a)が前記作動部品(12)の直径の2倍未満であり、及び/又は前記作動範囲(19a)が前記ロック装置(6)を作動させるためのストローク長に実質的に対応している、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項5】
前記力誘導ユニット(200)は、前記支持アーム(3)上に配置された少なくとも1つのストッパ部(201)を備え、
前記可撓性プル部品(19)は、特に前記ストッパ部(201)に収容されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項6】
前記ストッパ部(201)の輪郭(202)は、回転軸(4a)からの半径方向の距離(34a)が増加するにつれて拡大することを特徴とする請求項5に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記ストッパ部(201)は、前記支持アーム(3)の前記回転軸(4a)からの半径方向において、前記支持アーム(3)の最大の半径方向の長さ(34)の少なくとも20%に対応する、前記回転軸(4a)からの半径方向の距離(34a)に配置され、
及び/又は、少なくとも1つの前記ストッパ部(201)は、前記取付装置(2)の半径方向外側に配置されている、請求項6に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項8】
前記力誘導ユニット(200)は、前記可撓性プル部品(19)に収容される少なくとも1つのブロック部(203)を備える、請求項7に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項9】
前記ブロック部(203)は、前記可撓性プル部品(19)に固定されるか、又は前記ブロック部(203)の前記可撓性プル部品(19)に対する可動性が少なくとも1つの方向に制限されている、請求項8に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項10】
前記ブロック部(203)は、前記ストッパ部(201)に突き当て可能であることを特徴とする請求項8又は9に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項11】
前記作動機構(8)は、少なくとも2つの前記伝送部品(11)を備え、
少なくとも2つの前記伝送部品(11)は、少なくとも1つの結合ユニット(206)によって力動的に相互接続されている、請求項1乃至10の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項12】
前記結合ユニット(206)は、
少なくとも1つのスリーブ部(207)と、
少なくとも1つのねじユニット(208)と
を備え
前記伝送部品(11)と、特に前記可撓性プル部品(19)とが配置される、
請求項11に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項13】
前記伝送部品(11)は、前記軸部(4)の少なくとも1つの中空部(10)に通される、請求項1乃至12の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項14】
前記ロック装置(6)は、少なくとも1つの固定部品(13)を備え、
前記固定部品(13)は、前記ロック位置(7)から回転位置に移行可能であり、
前記回転位置において、前記取付装置(2)に対する前記支持アーム(3)の角度位置が変更可能である、請求項8乃至13の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項15】
前記作動部品(12)の作動に伴い、作動した前記作動部品(12)よりも大きな半径方向の距離(34a)に配置される前記ストッパ部(201)が、前記ブロック部(203)によって、前記可撓性プル部品(19)として構成された前記伝送部品(11)の移動をロックし、
前記可撓性プル部品(19)へ導かれた操作力が、前記ロック装置(6)の前記固定部品(13)に実質的に作用するようにした、請求項14に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項16】
少なくとも1つのバイアス装置(17)を備え、
前記バイアス装置(17)によって、前記固定部品(13)が前記ロック位置(7)にバイアスされる、請求項14又は15に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項17】
少なくとも1つの回転角度を制限するための、制限装置(25)を備える、請求項1乃至16の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項18】
少なくとも1つの受容レール(23)が、前記支持アーム(3)に沿って少なくとも1つのフックポイント(24)を有するように構成され、
前記受容レール(23)が、前記支持アーム(3)の半径方向の長さ(34)の少なくとも大部分に渡って延びる、請求項1乃至17の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項19】
少なくとも1つの前記保持具(9)は、前記受容レール(23)の少なくとも1つの前記フックポイント(24)に掛けられることができ、相互に接続された複数の前記フックポイント(24)が、特に前記受容レール(23)に設けられる、請求項18に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項20】
前記保持具(9)は、少なくとも1つの前記フックポイント(24)に引っ掛けるための少なくとも1つのフック部(29)を備え、及び/又は、
前記保持具(9)は、前記保持具(9)の長さを可変に調節可能な少なくとも1つのベルトユニット(32)を備え、及び/又は、
前記ベルトユニット(32)は、使用準備ができたときに、水平に対して横向きに配向した少なくとも1つの軸を中心に回転可能に支持される、請求項19に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項21】
前記放射線検査用保持装置(1)は、少なくとも一部が、まったく磁化されない又は磁化され難い材料で製造される、請求項1乃至20の何れか1項に記載の放射線検査用保持装置(1)。
【請求項22】
放射線検査システム(100)であって、
少なくとも1つの放射線検査装置(50)と、
請求項1乃至21の何れか1項に記載の、少なくとも1つの前記放射線検査用保持装置(1)と
を備えることを特徴とする放射線検査システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に放射線検査装置のための放射線検査用保持装置と、放射線検査用保持装置と、CT(Computer Tomograph)、MRT(Magnetic Resonance Tomograph)、X線装置、放射線治療装置等の放射線診断装置とを有する放射線診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ断層撮影装置や磁気共鳴断層撮影装置は、必要な画像を撮影するために患者が入れられ、通過する一種の管を含む傾向がある。以下、磁気共鳴式断層撮影装置又はコンピュータ断層撮影装置又はX線装置等を一般にX線装置という用語で説明する。
【0003】
寝たきりの患者に対してX線撮影やMRT・CT撮影を行う場合、寝たきりの患者をベッドや車椅子に座ったままX線撮影装置のある部屋に運び込み、ストレッチャーや治療台の横に位置させる。そして、MRTやCTを行う前に、患者をベッドや車いす、ストレッチャーから治療台へ移さなければならない。この移動と正しい位置決めには、大きな力と時間が必要である。
【0004】
特許文献1及び特許文献2は、これらの動作を支援及び補助する放射線検査用保持装置を開示している。回転可能な支持アームは、患者がしがみつくための保持グリップを含む。支持アームは、回転可能であり、その角度は固定することができる。グリップボールが取り付けられたケーブルを引っ張ると、ボルトがホールサークルから解放され、支持アームが解放され、その作動により回動することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許公開公報DE 20 2016 106 093 U1号明細書
【特許文献2】独国特許公開公報DE 10 2019 119 025 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2では、プルロープは、ガイドスリーブによって、支持アームに沿って半径方向外側に水平に案内され、中心方向だけでなく半径方向外側にも作動可能である。これは有利であり、操作を簡略化することができる。しかし、その欠点は、ロープのたるみである。ボルトが支持アームの回転のために解放される前に、ロープを締める必要がある。ロープが引っ張られる場所では、解除ボルトを動かすことなく、ロープがガイドから(後方に)引っ張られることもある。ボルトを解放するために弛緩ロープがカバーしなければならない作動距離は、引っ張る力が加えられる位置に依存する。また、弛緩ロープを引っ張ると、支持アームの枢軸から離れた位置に連結されている隣接する握り玉の位置が変化し、握り玉が手の届かない位置に移動してしまうことがある。ボルトを開放するための引張り移動量は定義されておらず、特に複数回作動させる場合、ユーザにとって予測不可能である。従って、人物移動の際に、ボルトの開放が予測できない危険性がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、放射線検査用保持装置の作動を容易にする放射線検査用保持装置を提供することである。好ましくは、信頼性の高い作動が可能になることである。特に、衛生面も改善されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有する放射線検査用保持装置と、請求項22の特徴を有する放射線検査システムによって解決される。本発明の好ましい具体的な実施形態は、副請求項の主題である。本発明の更なる利点と特徴は、一般的な説明と例示的な実施形態の説明から汲み取ることができる。
【0009】
本発明による放射線検査用保持装置は、特に、少なくとも1つの放射線検査装置、好ましくは、少なくとも1つのX線装置、MRT装置、CT装置、若しくは放射線治療装置、又は類似若しくは同等の装置に対して提供される。放射線検査用保持装置は、取付装置と、その上に回転可能に収容された少なくとも1つの支持アームとからなる。支持アームは、少なくとも1つの軸部と少なくとも1つの支持部品からなる。1又は2以上の支持アームの軸部は、回転可能に、取付装置上において特に支持される。放射線検査用保持装置は、支持アームを、複数の角度位置それぞれに対応する回転位置の少なくとも1つにロックするための少なくとも1つのロック装置を備えている。支持アームがロックされることができる角度位置は、ロック位置である。
【0010】
少なくとも1つの伝送部品と少なくとも2つの作動部品を備えた少なくとも1つの作動機構が、ロック装置を作動させ、特に解除及び/又はロックするために提供される。伝送部品は、少なくとも部分的に、柔軟な引っ張り部材として構成されている。
【0011】
少なくとも1つの保持装置が、例えば患者を保持するために、支持アームの取り付けのために提供される。したがって、患者は、例えば、自分自身の引き上げ、移動、再配置、又は移動を補助する保持装置を握ることができる。これは特に、支持アームを異なる作動位置に配置するように容易に回転させることを可能にする。作動機構は、ロック装置を作動させるために可撓性プル部品(端部の間)に導入される操作力を、それぞれロック装置に向けて制御するための少なくとも1つの力誘導ユニットを有する。力誘導ユニットは、(可撓性プル部品による)一方向の力の伝達を阻止する。特に、半径方向内側への力の伝達が阻止される。好ましくは、プル部材の可動性は、半径方向内側でブロックされ得る。
【0012】
力誘導ユニットは、一方向への力の伝達を遮断するため、ブロックユニットとして構成されることがある。
【0013】
可撓性プル部品は、特に、(少なくとも部分的に)ロープ状部材から構成される。可撓性プル部品は、特に、少なくとも部分的に、ロープ、バンド、コード、可撓性ワイヤ等の少なくとも1つとして構成されてもよいし、それらから構成されてもよい。好ましくは、可撓性プル部品は、少なくとも部分的に弾性的に構成されている。また、可撓性プル部品は、特定の範囲内で塑性変形するように設けてもよい。好ましくは、可撓性プル部品は、少なくとも部分的に、ナイロン又は別の合成材料、特にナイロン繊維、金属、特に金属、合成繊維、ストランド、さらには、綿、麻等の天然繊維から構成されている。可撓性プル部品は、特に、引っ張りロープ、バンド、糸、ゴムバンド及び/又は鎖として構成される。
【0014】
伝送部品は、複数の要素で構成されてもよい。少なくとも1つの要素は、剛体ロッドとして構成されてもよく、剛体ロッドを含んでもよい。
【0015】
本発明による放射線検査用保持装置は、多くの利点を有する。力誘導ユニットは、ロック装置を作動させるために(可撓性プル部材に)導入された操作力を、ロック装置に直接伝達し、ロック装置を作動させるために(特に)導入された操作力を利用することを可能にする。特に患者を移動させるときに、ロック装置が作動不能になる、又は非常に長い及び/又は不定の作動ストロークを伴ってのみ作動可能になる危険性が、最小限に抑えられるか、又は完全に排除される。
【0016】
力誘導ユニットは、特に有利には、ロック装置の制御された作動のために、伝送部品、特に可撓性プル部材に沿った任意の所望の位置それぞれに操作力を導入することを可能にする。力は、力誘導ユニット(それぞれブロックユニット)によって、所望の方向に曲げられ、及び/又は向けられる。ロープとして構成された可撓性プル部品は、ガイド路から引き抜くことができない。可撓性プル部品は、意図しないたるみを示すことが防止される。この結果、実質的に規定された作動範囲が得られる。
【0017】
可撓性プル部品それぞれの伝送部品は、ロック装置から水平方向に大きく離れて、特に利用者の腕の長さよりも大きな距離で配置される。特に回転軸からかなりの距離を与えられたような、可撓性プル部品が長く水平なガイドとして構成された場合でも、導入された牽引力又は作動移動量のうち、ロック機構の作動に寄与しない割合は最小にされる。
【0018】
可撓性プル部品がたるむ場合や、複数の可撓性プル部品及び/又は作動部品の場合であっても、(可撓性プル部品に沿った作動位置とは無関係に)定められた作動範囲が設定される。いずれにせよ、操作力を加える前に、作動点の半径方向後方(それぞれ枢軸点からさらに離れた位置)にたるみの範囲を(最初に)締め付ける必要はない。
【0019】
力誘導方向ユニット(それぞれブロックユニット)は、(少なくとも)1つの方向への動きの少なくとも1つの局所的なロックを引き起こす。これは、作動点が力誘導ユニットよりも半径方向内側に配置されている場合、可撓性プル部材のセクションの内方への移動を防止する。この結果、ロック装置が作動するとき、作動は直接的であり、ロック装置が実際に作動する前に、可撓性プル部材の細長い、例えばたるんだ部分を締め、それを半径方向外側から内側に移動させる必要はない。これにより、操作時の信頼性と安全性が向上する。
【0020】
全体として、放射線検査用保持装置、特に支持アームの操作性が改善される。作動機構の信頼性は明らかに向上する。
【0021】
伝送部品と可撓性プル部品の位置が決まっているため、これらを過度の汚染から守ることができる。作動部品は、有利には、常に同じ場所で把持される。これは、特に放射線検査用保持装置の衛生を補助し、促進する。さらに、作動機構は、主として操作が容易である。使用が容易になる。
【0022】
少なくとも一つの力誘導ユニット(阻止ユニットとして構成される)が構成されている。力誘導ユニットは、ロック装置を作動させるために導入された操作力をロック装置に直接伝達し、ロック装置を作動させるために操作力及び作動範囲を(ほぼ)完全に利用することを可能にする。力誘導ユニットは、作動部材に加えられた操作力を好ましい方向へ伝達する。つまり、伝送部品は、好ましい方向(反対方向)に移動する。複数の作動部品が異なる位置に直列に設けられ、中間(両端の間)の1つの作動部品が作動する場合、力誘導ユニットは、実質的に一方向にのみ力を導く。伝送部品の移動は(実質的に)一方向に行われる。反対方向への移動は(ほぼ)阻止される。これにより、力誘導ユニットは、ロック装置を作動させるために加えられる力及び移動の方向を明確に方向付け、それを所望の方向に効果的に制御するので、必要な作動移動が減少する。
【0023】
意図された通りの、適切で通常通り設定され、使用可能な状態においては、支持アームの回転軸は、少なくとも実質的に垂直又は実質的にほぼ垂直又は(ほぼ又は正確に)垂直又は水平に配向される。取付装置は、特に、例えば放射線科の部屋の天井に取り付けられる取付コンソールとして構成されることが好ましい。取付装置は、特に、例えば実質的に垂直である部屋の壁に支持される壁掛けとして構成されてもよい。
【0024】
保持具は、特に保持グリップであるか、又は保持グリップを含む。保持具(保持グリップ)は、特に高さ調節可能であり、したがって背の低い人や高い人に適合させることができる。好ましくは、保持具や少なくとも1つの保持グリップは、少なくとも100mm、特に200mm又は300mm、さらに、500mm、又は1m又はそれ以上に高さ調節可能である。
【0025】
支持部品はそれぞれその底面が、地面から約2000mm、又は2250mm以上の高さに配置されることが好ましい。特に調整可能な保持具は、好ましくは、2000mm以上の高さに配置され得る。高さが高いほど、ヘッドの空間が広くなる。
【0026】
取付装置はまた、放射線検査装置上に直接配置されることができ、及び/又は特に放射線検査装置と一体に形成されることができ、及び/又は放射線検査装置に取り付けられることができる。この場合及び他の場合において、支持アームの回転軸の向きは、アダプタによって調節可能であることができる。代替的に、作動装置は、壁又は床上に取り付けることができ、又は、別の方法で床上のそれぞれ地面に配置することができる。
【0027】
支持アームは、放射線検査用保持装置の取付装置に、特に少なくとも回転可能に、配置及び/又は収容され、好ましくは固定される。伝送部品は、作動機構が作動されると、回転軸に沿って、又は回転軸に密接に隣接して、特に少なくとも部分的に、実質的に軸方向に移動する。好ましくは、伝送部品は、少なくとも部分的に、支持アームの軸部を通って中心方向に移動する。
【0028】
伝送部品は、非磁性体及び/又は電気的に非導電性の材料で作られていることが好ましい。これにより、伝送部品によるアンテナ効果が回避される。これは、特に、軸部を通過する領域、遮蔽体を通過する領域、隣接する領域又はすぐ近傍の領域に適用される。
【0029】
軸部及び/又は支持部品は、好ましくは、長手方向軸に沿って、少なくとも部分的、又はセクションで、断面で、円形及び/又は楕円形及び/又は正方形の断面を示す(周方向に閉じた)管部として構成されている。この管部は、少なくとも一部及び/又はセクションが、円形、楕円形及び/又は正方形の断面を示す。断面は、特に円形、三角形、四角形又は多角形であってもよい。また、軸部及び/又は支持部品は、少なくとも断面及び/又は部分的に、開いたU字型及び/又はV字型に形成されてもよい。チューブ部及び/又は開いた形状の部分的な構成は、非常に頑丈でねじれ剛性の高い構造を提供する。それにより、良好な力の導入と伝達が可能となり、単純で堅牢な構造を実現することができる。少なくとも、軸部は、取付装置において、少なくとも軸部の回転可能な軸受の領域で(又は長さの本質的な部分にわたって、又は全長にわたって)丸く構成される。
【0030】
軸部及び/又は支持部品は、特に好ましくは、ステンレス金属材料、特に「VA鋼」又は他のステンレス鋼合金で製造される。特に、材料表面は、塗料コーティングを省くことができるように構成されている。したがって、塗料又は塗料粒子は、汚染の原因となる機械的負荷及び応力による剥離、規模縮小及び/又は磨耗が防止される。硬質又は硬化した表面と、摩耗防止により、考えられる汚染は最小限に抑えられ、及び/又は発生しない。
【0031】
放射線検査用保持装置は、特に重力方向において、好ましくは少なくとも1350N、1500N、1700N、2000N又は3000Nの荷重を受けることができる。重負荷構成において、好ましくは最大5000N又はそれ以上の荷重を受けることができる。
【0032】
放射線医学保持装置は、特に、少なくとも5.5kNm、6.5kNm、又は重負荷構成では、少なくとも10.0kNm、またはさらに高い負荷モーメントを支持する。放射線検査用保持装置は、好ましくは、より低い又はより高い力及び/又は荷重モーメントを支持するように構成されてもよい。これは、何よりも、予想される負荷に依存する。主に、又は唯一、子供又は特に小型で軽量な人に適用される場合、荷重制限は、かなり低く構成されてもよい。非常に太った人のための特別な放射線検査システムの場合、放射線検査用保持装置は、かなり高い負荷に対して構成されてもよい。
【0033】
放射線検査用保持装置の作動機構が、少なくとも2つの作動部材によって作動されることが特に有利である。作動部材は特に、少なくとも部分的には、互いに独立して作動させることができる。つまり、ロック装置は、少なくとも1つの作動部材によって別々に作動させることができる。簡単な例では、伝送部品の少なくとも1つの部分又は範囲は、ケーブル又は糸などによって形成することができる。少なくとも1つの作動部材は、特に好ましくは、ボタン、ノブ、及び/又はハンドルのような形状要素として構成されてもよく、又はそれらを含んでもよい。これに替えて、ケーブルループ及び/又はケーブル端部によって作動部材を形成してもよい。他の幾何学的形状又は本体も同様に考えられる。特に、3、4、5、又はそれ以上の数の作動部材を設けることができる。有利には、作動部材は、少なくとも1つの伝送部品上に少なくとも部分的に配置され、及び/又は構成される。有利には、作動部材は、作動機構の快適な、特に安全な操作を可能にする。そして、操作者は、例えば作動部材を引くことで、従って、例えばケーブルとして構成された伝送部品を引き、ロック装置を解除し、作動と同時に、支持アームを所望の位置まで枢動させることができる。
【0034】
さらに、少なくとも1つの作動部材が、特に、支持アームの支持部品上で、保持具の近傍に配置されている。これにより、有利には、保持具を用いて直ちに操作することができる。従って、特に作動の快適性がかなり改善される。
【0035】
また、さらなる作動部材は、電気センサ及び/又はスイッチとして構成されてもよい。この場合、ロック装置は、作動機構を介して電気的に作動される。この場合、伝送部品は、好ましくは、導電性ケーブルとして構成され、及び/又は、導電性ケーブルを含む。使用される物は、好ましくは、モータ駆動又は電気駆動ではなく、機械的な構成要素によって駆動される。
【0036】
好ましくは、作動機構は、互いに独立した少なくとも2つの作動部材によって作動する。特に、2つ以上の作動部材が設けられ、それによって作動機構を別々に作動させることができる。少なくとも2つの作動部材はそれぞれ、直列及び/又は並列スイッチの伝送部品上に配置され、それぞれ移送部材と接続されることができる。作動部材は、支持アーム上の異なる位置からの作動が有利に実現可能であるように配向させることができる。また、作動部材は、伝送部品自体によって形成されてもよい。この目的のために、作動部材は伝送部品のほぼ水平な部分によって形成されてもよい。
【0037】
少なくとも1つの有利な具体的実施形態において、作動機構は、少なくとも2つの力誘導ユニット(各々がブロックユニットとして構成されている)を含んでいる。特に、3、4、5、又はさらに多くの力誘導ユニットが構成されてもよい。有利には、作動部材ごとに少なくとも1つの力誘導ユニットが構成される。さらに、長い可撓性プル部品の場合や、伝送部品の場合には、ロック装置の作動の信頼性を確保するために、1、2又はそれ以上の力誘導ユニットを設けることが有利である。有利には、複数の力誘導ユニットにより、伝送部品、特に可撓性プル部材の意図しないたるみ、又は伸張をそれぞれ防止し、補償することができる。これにより、実質的に規定された作動範囲における作動の信頼性がさらに改善される。
【0038】
可撓性プル部品の作動範囲は、作動部材の直径の2倍未満が好ましい。有利には、作動範囲は、作動部材の直径の少なくとも4倍未満、8倍未満、又は20倍未満とすることができる。
【0039】
少なくとも1つの有利な具体的実施形態において、少なくとも2つの作動部材における作動範囲は、ロック装置の作動機構の作動のために最低限必要な範囲に実質的に対応する。これは、最小作動範囲である。好ましくは、少なくとも1つの他の作動部材における作動範囲は、最小作動範囲の5倍以下、特に3倍以下、又は2倍以下である。
【0040】
移送部材の(最小)作動範囲のストローク長は、好ましくは100mm未満、特に50mmから5mm、好ましくは約15mmである。さらに、作動範囲は、30mmまで、60mmまで、さらには120mmまで、又はさらに長くてもよい。有利なことに、短く設定された作動範囲により、放射線検査用保持装置の取り扱いを改善することができる。ユーザは、繰り返し操作する場合でも、設定されていない作動範囲を想定する必要がない。したがって、有利には、事故も防止することができる。
【0041】
好ましくは、少なくとも2つ、ほぼすべて、又はすべての、異なる作動部材の間の作動に必要な作動範囲は、150mm未満又は100mm未満、好ましくは50mm未満、特に好ましくは25mm未満で変化する。
【0042】
好ましくは、少なくとも2つ、ほぼすべて、又はすべての、異なる作動部材の間の作動に必要な作動範囲は、300%又は200%未満、好ましくは100%未満、特に好ましくは50%又は26%未満で変化する。より短い(絶対的な)作動範囲は、より長い作動範囲よりも大きな割合の偏差を示してもよい。
【0043】
具体的な構成では、第1の作動部材に沿った作動範囲は15mmであり、構造及び設定に応じて最大10mm長くても短くてもよい。そして、第2の作動部材の作動範囲、又は他の(ほぼ)全ての作動部材の作動範囲からの偏差は、特に75mm未満又は50mm未満、好ましくは20mm未満、より好ましくは作動範囲の200%未満である。しかしながら、通常の作動範囲が既に100mmである場合、第2の作動部材の作動範囲からの偏差は、特に100mm未満、好ましくは50mm未満である。
【0044】
有利には、力誘導ユニットは、少なくとも1つの保持部それぞれのストッパ部を含んでいる。用語「ストッパ部」は、本明細書において、用語「保持部」の同義語として使用され、本明細書において一貫してそれによって置き換えることができる。逆に、本明細書では、用語「ストッパ部」を用語「保持部」に置き換えることができる。以下、ストッパ部という用語を使用する。ストッパ部は、特に、支持アームに配置される。好ましくは、可撓性プル部材は、少なくとも部分的に、ストッパ部上に収容され、特に少なくとも案内され、及び/又は、取り付けられてもいる。また、少なくとも1つのストッパ部は、特に軸部上に配置され、及び/又は、特に好ましくは、支持アームの支持部品上に配置される。ストッパ部品は、特に、可撓性プル部品を構成し、包囲し、又はガイドする。ストッパ部品は、可撓性プル部品を曲げることもできる。この場合、可撓性プル部品をガイドするための別個のガイド部材は必要ない。好ましくは、ストッパ部品は、ガイドのために、角やエッジのない滑らかな輪郭を有する。さらに、ストッパ部は、周囲の部品又は物体に支持され、又は配置されることができる。有利には、ストッパ部は、導入された操作力をロック装置に実質的に直接伝達することを可能にする。
【0045】
少なくとも1つの有利な構成では、ストッパ部は、回転軸からの半径方向の距離が増加するにつれて拡大する輪郭を有する。有利には、拡大する輪郭の配置によって、可撓性プル部品をガイドし、たわませることが可能になる。さらに、良好な力の反転が可能であるため、操作力をロック装置に直接作用させることができる。
【0046】
好ましくは、少なくとも1つのストッパ部は、回転軸から半径方向の距離で、支持アームの半径方向の最大長さの少なくとも20%に相当する位置に配置される。有利には、少なくとも1つのストッパ部は、支持アームの最大長さの少なくとも30%、50%、70%、又はそれ以上の割合に相当する半径方向の距離に配置される。特に、ストッパ部は、支持アームの半径方向の端部に配置される。有利には、少なくとも1つのストッパ部は、取付装置の半径方向外側に配置される。有利には、作動部材が、保持具の近傍に配置される。有利には、放射線検査用保持装置の作動は、このように特に快適である。さらに、支持アームの枢動は、有利には、回転軸に対して特に長いレバーアームを示す半径方向位置で実現可能であり、そのため、ユーザは、わずかな力を加えるだけでよい。
【0047】
特に好ましくは、ロック装置を作動させることができる少なくとも1つの作動部材が、取付装置の半径方向外側に配置され、及び/又は取り付けられる。保持具は、好ましくは、半径方向の端部の近傍に、又は半径方向の端部に、すなわち、大きな支持アームの半径を与えられて配置されてもよい。有利には、作動は、保持具の近傍から行われることができる。
【0048】
好ましくは、力誘導ユニットは、少なくとも1つの支持部を含んでいる。支持部は、好ましくは、可撓性プル部品に取り付けられるか、又は可撓性プル部品上に配置される。特に有利には、支持部は、可撓性プル部品を少なくとも部分的に取り囲むか、又は包囲する。好ましくは、支持部は、可撓性プル部品を支持し、特に引っ張る役割を果たす。好ましくは、可撓性プル部品の、特に作動部材の、実質的に規定された位置が、こうして達成され得る。支持部は、有利には「ケーブルストッパー」の機能を果たし、特にケーブルとして構成された可撓性プル部品を少なくとも部分的にバイアスし、意図しない方向へのその動きをロックする。したがって、操作力は、実質的に直接的にロック装置に伝達される。したがって、支持部は、可撓性プル部品の一方向への動きを阻止するので、ブロック部とも呼ばれることがある。したがって、「ブロック部」という用語は、「支持部」という用語と同義に使用され、本明細書においては、それによって置き換えることが可能である。逆に、本明細書において、用語「ブロック部」は、用語「支持部」に置き換えることができる。以下、「ブロック部」という用語を使用する。
【0049】
ブロック部は、特に、可撓性プル部品に取り付けられ、また可撓性プル部品上に(少なくとも部分的に強制嵌合及び/又は形状嵌合で)受けられ、又は配置される。少なくとも1つの有利な具体的実施形態では、ブロック部は、可撓性プル部品の少なくとも1つのノード部及び/又はループ部及び/又はねじユニットを介して可撓性プル部品に接続され、特に可撓性プル部品上に受容される。
【0050】
ブロック部はまた、可撓性プル部品の(局所的な)膨出部によって形成されてもよい。ブロック部は、例えば、ノードとして形成されてもよいし、可撓性プル部品の中又は上に受容された、堅固又は弾性的に構成された膨出体を有する区間拡大部として形成されてもよい。
【0051】
特に好ましくは、ブロック部は可撓性プル部品に取り付けられ、可撓性プル部品に対するブロック部の可動性は少なくとも一方向に制限される。
【0052】
有利には、ブロック部は、少なくとも部分的に閉じることができる少なくとも1つの受容ユニットを含む。可撓性プル部品は、好ましくは、ロック可能な受容ユニット上に配置される。有利なことに、ブロック部と、可撓性プル部品の間の恒久的で安定した接続をこのように達成することができる。ブロック部は、特に、可撓性プル部品上にロックすることができる。この目的のために、受容ユニット、特にねじユニットは、好ましくは、少なくとも1つの止めねじを含むことができる。これによって、可撓性プル部品は、少なくとも部分的にブロック部上にロックされる。可撓性プル部品上のブロック部の位置は、好ましくは自由に調整可能である。好ましくは、接続部は着脱可能であり、すべての構成部品を交換することができる。これにより、特に高い衛生要件を実現できる。有利には、ブロック部は、少なくとも部分的にストッパ部上に突出させることができる。ブロック部は、特に、ストッパ部の輪郭及び輪郭レイアウトに適合される。したがって、ブロック部は、ストッパ部が受容するテーパー状の輪郭レイアウトを示すことができる。ブロック部は、ストッパ部上で中心になるように、回転対称に構成される。有利には、ブロック部は、少なくとも操作力の導入の間、ストッパ部上に突出される。有利なことに、可撓性プル部品は、このようにして、可撓性プル部品に導入された操作力をロック装置に直接伝達する。特に好ましくは、ブロック部を使用することにより、力誘導ユニットと作動機構の安全で再現性のある機能が保証される。
【0053】
実現可能な全ての有利な構成において、作動機構は、少なくとも2つの伝送部品から構成され得る。好ましくは、伝送部品は、少なくとも1つの、特に着脱可能な結合ユニットによって接続されている。結合ユニットは、伝送部品を延長することができ、また、様々な伝送部品間の交換を可能にすることもできる。したがって、有利には、結合ユニットを用いて力学的な接続を確立することができる。また、例えばロッド部材として構成された伝送部品を、結合ユニットによって、可撓性プル部品で接続することもできる。
【0054】
好ましくは、結合ユニットは、少なくとも1つのスリーブ部を含んでいてもよい。有利には、結合ユニットは、少なくとも1つのねじユニットから構成される。有利には、伝送部品は、特に可撓性プル部品として構成される。好ましくは、スリーブ部及びねじユニットは、伝送部品を少なくとも部分的に包む。ねじユニットは、特に止めネジとして構成することができ、その中を伝送部品が少なくとも部分的に通過する。特に、可撓性プル部品は、少なくとも1つのノード部を有するように構成される。有利には、ノード部は、可撓性プル部品を結合ユニット上に、好ましくはスリーブ部及び/又はねじユニット上に収容する。結合ユニットの構成は、迅速な交換のために、複数の伝送部品の接続を可能にする。好ましくは、結合ユニットそれぞれを開閉するための工具は必要ない。
【0055】
少なくとも1つの有利な具体的実施形態において、伝送部品は、軸部の少なくとも1つの中空部に通される。
【0056】
伝送部品材が軸部の中空部を通過するので、放射線検査用保持装置の全体、特に支持アームは、特にコンパクトで省スペースである。支持アームが回動している間、伝送部品は、支持アームの回動軸の周りに沿って回動する必要がない。その結果、磁気シールドの通過が特に容易となる。遮蔽体や仕切り壁がある場合でも、伝送部品を回転可能に通過させるために、スロットや細長い穴、直線状の開口部などを必要としない。また、遮蔽体の封止も非常に容易かつ単純である。
【0057】
磁気シールド(ファラデーケージ)を備えた吊り天井を放射線検査用保持装置が通過する場合、通過面は軸部の断面積に制限される。したがって、遮蔽体は、最小限の断面にわたって開口及び/又は通過されればよい。いずれにせよ、遮蔽体の穴を塞ぐことはそれほど複雑ではなく、また不要としてもよい。
【0058】
好ましくは、放射線検査用保持装置のロック装置は、支持アームと取付装置との間の力学的及び/又は形状的な接続を確立する。ロック装置は、特に、摩擦ブレーキ及び/又はベルトブレーキ等として力学的に構成される。ロック位置は、収容部上の摩擦膜及び/又はベルトの相互作用により力学的に決定される。好ましくは、摩擦膜が、収容部に収容又は構成され(例えば、一体的に)、摩擦膜が、支持アームに収容される。この場合、支持アームは、それぞれロック位置で回転不能にクランプされる。代替的に、ロック位置は、例えば磁気的に作用するロック装置によって、力による嵌合で実施することができる。この実施形態では、支持アームのロック装置は、例えば磁力によって直接、所望のロック位置に保持されるか、又は磁力が固定部品をロック位置に移動させ、及び/又はそれをロック位置に保持するために利用される。これらの場合、任意の所望のロック位置は、任意の所望の角度位置で実現可能である。この場合、支持アームは、それぞれロック位置で回転不能にクランプされる。代替的に、ロック位置は、例えば磁気的に作用するロック装置によって、力学的に実装される。この実施形態では、支持アームのロック装置は、例えば磁力によって直接、所望のロック位置に保持されるか、又は磁力が固定部品をロック位置に移動させ、及び/又はそれをロック位置に保持するために利用される。これらの場合、任意の所望のロック位置は、任意の所望の角度位置で実現可能である。この実施形態では、支持アームのロック装置は、例えば磁力によって直接、所望のロック位置に保持されるか、又は磁力が固定部品をロック位置に移動させ、及び/又はそれをロック位置に保持するために利用される。これらの場合、任意の所望のロック位置は、任意の所望の角度位置で実現可能である。
【0059】
しかし、ロック装置は、形状的に適合することが特に好ましい。この場合、角度位置は、連動する、形状的な要素によってロックされる。連動要素、歯止め、又は別の形状的な輪郭レイアウトによって、形状的な接続を構成することが可能である。
【0060】
有利には、ロック装置は、ロック装置をロックするための少なくとも1つの固定部品を含んでいる。好ましくは、伝送部品は、ロック位置から回転位置に伝送することができ、その際、支持アームの角度位置は、取付装置に対して変化させることができる。特に、支持アームは、回転位置において、自由に回転可能であるか、又は予め定められた角度範囲において枢動可能である。特に好ましくは、格子点が設けられる。
【0061】
好ましくは、作動部品の作動に伴い、作動した作動部品よりも大きな半径方向距離に配置されたストッパ部による伝送部品の伝送が、ブロック部によってロックされ、作動力が実質的にロック装置の固定部品に作用するようにする。このように、簡易なブロック装置が実現される。
【0062】
伝送部品は、固定部品と間接的及び/又は直接的に、力学的及び/又は形状的に接続される。これに替えて、伝送部品は、導電体及び/又はアクチュエータとして構成されてもよい。この場合及び他の場合において、少なくとも1つの追加のアクチュエータ又は作動装置が構成されてもよい。例えば、固定部品をロック位置から回転位置(及びその逆)に移送することができる位置決めモータが設けられてもよい。
【0063】
放射線検査用保持装置が、少なくとも1つの作動装置によって、特にモータ、好ましくは電気モータによって、枢動及び/又は回転されることが可能である。この場合、放射線用保持装置は、特に、作動装置との無線又は有線接続を備えた遠隔制御によって枢動する。この場合、放射線検査用保持装置は、好ましい変形例では、安全なロック位置にロックされている間、作動装置によってのみ枢動させることができる。このような安全機能は、好ましくは、少なくとも1つの安全スイッチによって実現される。このようなスイッチを作動させることにより、放射線検査用保持装置がロック位置にない場合でも、放射線検査用保持装置を枢動させることができる。
【0064】
すべての構成において、ロック装置は、複数のクリックイン要素のうちの少なくとも1つと噛み合う少なくとも1つの固定部品を含むことが好ましい。固定部品は、特に、固定のための複数のロック位置を可能にするように、取付装置上に構成され、及び/又は配置される。クリックイン要素は、特に窪みとして構成され、好ましくは穴として構成される。少なくとも1つの固定部材(固定部品に一括置換)は、特に、取付装置との形状的な接続を可能にする、又は確立する係合部品として構成される。少なくとも1つの係合部品は、有利には、ボルトとして構成され、取付装置の適合する穴とロック位置で構造的に係合する。
【0065】
クリックイン要素と固定部品は、好ましくは、ロック位置を可能にするように作用し合う。クリックイン要素と固定部品とが互いに係合すると、回転が阻止され、係合が解除されると、支持アームが回動できるようになる。特に好ましくは、クリックイン要素が窪みとして構成され、固定部品が窪みに挿入するためのボルト等から構成される。固定部品が例えば窪みを示し、そこに例えばボルト形状のクリックイン要素がロック位置で係合するような逆方向の動作も考えられる。また、固定部品とクリックイン要素を、力学的に(及び/又は形状的に)係合するように適合された成形部品として構成することも可能である。ロック装置の構成要素としての固定部品は、好ましくは、支持アーム上に配置される。複数の適切なクリックイン要素(窪み)は、好ましくは、取付装置上に構成され、及び/又は配置される。
【0066】
また、構造上必要であれば、ボルトと窪みを支持アームと取付装置の正反対に対向させることも可能である。
【0067】
円状の孔に係合する係合部材をそれぞれ固定部材とする、少なくとも1つのボルトによるロック装置の構成は、ロック装置の製造が特に簡単で安価であるという利点を提供する。構造は非常に頑丈である。形状的な接続は、横方向の力及びトルクを吸収するのに適しており、支持アームをロック位置に確実に固定することができる。機構は、支持アームの回転軸の周りの中心に、かつ省スペースで配置することができる。
【0068】
特に好ましくは、複数の窪み、特に孔は、ディスク又は例えばリング上の円周にわたって、特に取付装置上に配置された(周期的、均等な)サークル状の孔として分布する。
【0069】
特に好ましくは、孔は、互いに好ましくは5°、10°、15°、及び/又は特に30°、及び/又は特に好ましくは45°、及び/又は特に90°間隔で等距離に配置される。他のピッチも同様に考えられる。孔は、さらに、非均等な間隔で円周上に分布してもよい。例えば、複数の窪みが円周上の小さなセクションに与えられ、一方、対応する円周上のセクションに少量の可能なロック位置が配置される。
【0070】
有利な構成の変形例では、窪みは、軸部の直径よりも大きい直径で(ほぼ円形に)配置されている。特に好ましくは、窪みは、軸部(外側の)直径の1.5倍又は2倍より大きい直径の円形に配置される。これは、窪みにおけるボルトの係合を特に容易に実施するために有利である。円形に配置された窪みを有するロック装置、及びボルト、コーン、コーンの柱筒等として構成された固定部品は、特に容易に到達可能である。これは、主にメンテナンス及び修理作業において有利である。したがって、ロック装置は、好ましくは、軸部のすぐ隣に配置される。
【0071】
好ましくは、放射線検査用保持装置は、係合部材をロック位置に偏らせることができる少なくとも1つのバイアス装置を含んでいる。バイアス装置は、特に好ましくは、作動機構がそれを回転位置に位置させない限り、ロック装置を、定期的に又は(ほぼ)常に、ロック位置に位置させる。バイアスは、特に、少なくとも1つのバイアスバネによって実現可能であり、このバネは、適切な角度位置で固定部品としてのボルトを、係合するロック位置の孔の中に付勢する。バイアス装置は、好ましくは、圧縮ばね、コイルばね、らせんばね、板ばね、又は他の弾力性部材として構成されるか、又は少なくともこれらを含んでもよい。固定部品をバイアスするために、他の部材の弾力的特性を利用することも可能である。バイアス装置は、特に、磁気機構又は空気圧機構として構成されることができる。
【0072】
回転位置での運動の場合、バイアス装置は、好ましくは、回転運動中に固定部材が窪みに係合すると、固定部品を自動的に定位置にロックする。このようにして、支持アームは、有利には、定期的に、又は常に、固定された、角度位置にバイアスされる。
【0073】
固定部材をロック位置でバイアスすることで、放射線検査用持装置の支持アームは、ロック位置でそれぞれその角度位置で回転不能にロックされる。人は、放射線検査用保持装置上で安全に自分自身を引き上げることができ、及び/又は自分自身を支えることができる。したがって、放射線検査用保持装置は、人を移動させるために回転不能に利用される。放射線検査用保持装置のいずれかの構成要素の衝撃及び/又はぎこちない動きの場合、支持アームの角度位置は確実にロックされ、衝撃によって動かされることがない。
【0074】
好ましくは、軸部は、少なくとも長手方向軸線に沿った中程度の範囲において、軸部に対して特に横方向に、好ましくは垂直に延びるシールド又はカバー装置を示す。シールドは、特に、少なくとも1つの中間の天井及び/又は磁気シールドを通る通路を覆う又は密閉する役割を果たす。中間の天井内及び/又は中間の天井上には、特に、動作中の放射線検査装置から放射される放射線を十分に遮蔽する磁気遮蔽体が設けられている。遮蔽体は、特に、放射線検査機器の安全で信頼できる操作を可能にするように、磁気遮蔽体を閉鎖する。遮蔽体は、特に、放射線検査装置の安全で信頼できる操作を可能とすべく磁気遮蔽体を閉鎖する。この目的のために、遮蔽のための適切な材料が、特に、シールドの中及び/又は上に加工及び/又は組み込まれることができる。シールドと少なくとも1つの中間の天井との接続は、潜在的に、軸部を追加的に支持するのに適したものとなり得る。これは、システム剛性を向上させる。多数のシールドが軸部上に配置されてもよい。
【0075】
シールドのない構成も同様に可能である。この構成の変形例は、放射線検査用保持装置が、中間の天井のない部屋及び/又は壁上に取り付けられる場合に特に好ましい。特に取付装置とロック機構を完全に覆う追加の被覆装置を設けてもよい。
【0076】
作動部品は、特に、追加の保護スリーブを備えてもよく、この保護スリーブは、伝送部品及び作動機構を、主にユーザの手による汚染から保護する。保護スリーブは、特に好ましくは、円筒形及び/又は環状に構成される。他の構成も同様に考えられる。好ましくは、スリーブは伝送部品を単に取り囲めばよい。隣接する作動部材がノブとして構成されている場合、スリーブが重力によって位置決めされるように、スリーブを容易に支持することができる。スリーブは、特に好ましくは、抗菌加工を施した材料またその材料の組み合わせで製造され、容易に洗浄することができる。材料は、有利には、汚れが沈殿しないように、滑らかな表面が形成されている。好ましくは、保護スリーブは、5mmより大きく、特に10mmより大きい長さを有する。好ましくは、保護スリーブは、5mmと100mmの間、特に10mmと60mmの間の長さに構成される。
【0077】
特に有利な変形例では、伝送部品は、軸部の内部から車軸部品の半径方向外側の領域まで通される。そして、伝送部品は、車軸に(特にスペースを取らずに)通される。したがって、伝送部品は、別に密閉されるべき、中間の天井における開口を通って、軸に沿って分かれて通過する必要はない。従って、必要な開口部は、軸部とその断面に限られる。支持アームが枢動している間、伝送は軸部の周りに沿って回転する必要はない。伝送部品は、実質的に軸部を中心に枢動する。
【0078】
特に好ましくは、伝送部品は、支持部品の少なくとも4分の1又は少なくとも半分の長さ、特に支持部材の少なくとも3分の2の長さ、及び/又は有利には支持部品の少なくとも4分の3の長さにわたって支持部品上に収容され、及び/又はガイドされる。これにより、特に好ましくは、作動部材を保持具の近傍に配置することができる。作動機構は、任意に、患者による作動のために提供されてもよい。いずれにせよ、操作者は、作動部材を引っ張り、ロック装置を解除するために、半径方向外側に遠く離れて保持することができ、同時に、操作者は、支持アームの支持部材をガイドし、回転させることができる。
【0079】
好ましくは、伝送部品は、軸部の中の少なくとも1つのガイドユニットを介して、及び/又は少なくとも1回内側から外側へ、軸部を通過する。伝送部品は、特に好ましくは、軸部の内部で、ガイドレールとして構成されたガイドユニットを通過する。ガイドレールは、特に、3、4、5、及び/又はそれ以上の角を有する、円形及び/又は楕円形及び/又は多角形の断面を示す管部として構成される。
【0080】
また他の例としては、ガイドユニットは、U字形及び/又はV字形の断面を有する開放型の輪郭に構成されてもよい。ガイドユニットは、特に好ましくは、軸部の内側で軸方向に沿った少なくとも1つの範囲にわたって伝送品をガイドする。ガイドユニットは、伝送部品を、半径方向の内側から外側に少なくとも1回及び/又は半径方向の外側から内側に少なくとも1回通過させる。
【0081】
ガイドユニットは、1つの部品及び/又は複数のピースで構成され得る。それはまた、複数の材料から構成されてもよい。伝送部品が通過する側には、伝送部品の移動を容易にし、改善するために、特に摩擦を抑制する表面が設けられ、及び/又は摩擦を抑制するコーティング又は層、例えばグラファイトを設けることができる。また、オイル及び/又はグリースによる自己潤滑性コーティングを設けてもよい。ガイドユニットは、伝送部品を半径方向に内側から外側に少なくとも1回通過し、及び/又は半径方向に外側から内側に少なくとも1回通過する。
【0082】
ガイドユニットは、有利には、プラスチックで構成され、伝送部品が滑るために特に滑らかな表面を提供する。ガイドユニットの別の側面及び/又は位置は、ガイドユニットを軸部の内部に吊り下げるか、又は取り付けるために特に適した材料、例えば鋼から構成されてもよい。
【0083】
伝送部品を機械的な引き部材又はケーブル、チェーン又はバンドとして構成すると、その端部に作動部材としてのボタン及び/又はノブを取り付けることができ、それによって作動機構を作動させることができるという利点がある。作動機構は、簡単かつ直接的に操作することができる。操作において、可撓性プル部品は、操作者の手のわずかな位置の変化を容易に補うことができるので、作動部材は、患者及び/又は操作者の手の動きをトレースすることができる。可撓性プル部品の方向及び/又は配向及び/又は局所的な進行は、利用者の有利なように、可変的に配置することができ、ケーブルの端部を作動部材として直接に利用することもできる。
【0084】
伝送部品を機械的なプル部品として構成することにより、少なくとも2つの作動部材を移送部材と直列及び/又は並列に容易に接続することができるというさらなる利点がもたらされる。したがって、作動機構は、有利には、少なくとも2つの作動部材によって作動する。伝送部品の可撓性プル部品は、同様に、支持アームに沿って設置され、特に支持部材に沿って設置されてもよい。伝送部品は、それ自体が作動部材として利用されてもよい。様々な作動部材は、支持アームに沿った、特に支持アームの支持部材に沿った様々な位置からの作動を可能にするように、互いに半径方向に離間されていてもよい。
【0085】
有利には、伝送部品は、軸部の外側に配置された少なくとも1つのガイドローラ及び/又は軸部の内側に配置された少なくとも1つのガイドローラによってたわまされ、及び/又はガイドされる。たわみローラは、好ましくは、支持アームの軸部に配置される。これにより、少なくとも1つのロック装置に対する可撓性の伝送部品のガイドが特に有利になる。伝送部品の動きにより、簡単かつ直接的に所望の方向へたわませることができる。作動機構を作動させるときのたわみローラの動きによって、伝送部品の移動方向を特に低摩擦でガイドすることができる。特に好ましくは、少なくとも1つのたわみローラは、伝送部品が軸部の半径方向外側に渡される、当該軸部に隣接して配置される。たわみローラはまた、支持アーム上に配置され、支持アームに沿って伝送部品の可撓性プル部品をガイドしてもよい。
【0086】
特に好ましくは、伝送部品は、少なくとも1つのたわみスリーブによってたわむように構成される。たわみスリーブは、特に、好ましくは円形、楕円形及び/又は多角形の断面を示す管部として構成される。これにより、伝送部品の作動方向を効果的に適合させることができ、特に好ましくは、小半径の内部を含む。たわみスリーブはまた、U字形及び/又はV字形の断面を示す少なくとも部分的に開いた輪郭で構成されてもよい。ガイドは、特に、中空の軸部の内部で伝送部品の向きを変更するため、及び軸部に出入りするときに使用することができる。
【0087】
特に好ましい変形例では、伝送部品は、少なくとも下向きに軸部の外に軸方向に通されている。伝送部品を軸方向において、軸部から移動させることは、有利には、可撓性プル部品の方向をたわませることを可能にする。したがって、伝送部品は、支持アームの回転軸の下の中心で車軸部品から出ることができるので、作動機構を実質的に中心で作動させることができる。したがって、伝送部品は、支持アームの回転軸の下の中心で軸部から出ることができるので、作動機構を実質的に中心で作動させることができる。
【0088】
たわみスリーブは、小半径の場合やたわみローラが配置できない場所でも伝送部品をたわませることができるため、有利である。
【0089】
有利には、放射線検査用保持装置は、回転角度を制限するための少なくとも1つの制限装置を備えている。回転角度制限装置は、特に好ましくは、ストッパとして、例えば取付装置上に配置され、及び/又は、アタッチメント装置として取り付けられてもよい。回転角度を制限するための制限装置は、特に好ましくは、支持アームの回転角度を、例えば、全回転角度、270°、180°、又は90°の回転角度に制限する役割を果たす。具体的な角度は、特定のケース及び具体的な条件によって決まる。従って、回転角度は、機械室内における設定及び/又はピッチ及び実現可能なロック位置の量から導かれるより小さい角度に制限され得る。制限装置なしで放射線検査用保持装置を構成することも、同様に実現可能である。
【0090】
特に好ましくは、回転角度制限装置は、ソフトに減衰された停止を可能とするダンパー部品で構成される。ダンパー部品は、好ましくは、ゴムパッド、ガススプリング及び/又はゴム引きとして構成される。これにより、放射線検査用保持装置は、特に、放射線検査システム、患者又はオペレータの要件及び必要性、ならびに部屋の幾何学的寸法に適合させるように、放射線検査室に配置され、組み込まれることが可能である。好ましくは、ロック装置は、そのための少なくとも1つのストッパ部を備えることができる。制限装置は、特に、部屋の壁に取り付けることができる。この場合、制限装置はロック装置には組み込まれない。このようにして、放射線検査用保持装置の作動領域が画定される。
【0091】
特に有利な変形例では、放射線検査用保持装置は、バンパーユニットを備える。このバンパーユニットは、放射線検査用保持装置を特に広い面積で、及び/又は特に完全に囲み、回転中に、放射線検査用保持装置を衝撃及び放射線室内の他の装置との衝突から(大部分又はほぼ完全に)保護する。
【0092】
このようなバンパーユニットは、特に、放射線検査用保持装置及び/又は放射線検査システムの他の構成要素を、操作中に与えられる損傷から保護するのに適している。ダンパーユニットは、特に好ましくは、少なくとも100又は150mm、特に250mm及び/又は350mmの(外)径を有する。しかしながら、利用可能な取付けスペース及び放射線検査室の条件に応じて、より小さな直径も同様に考えられる。バンパーユニットは、特に、支持アームの支持部品上に構成され、及び/又は、支持アームの支持部品を完全に包囲する。バンパーユニットは、特に、少なくとも部分的に、支持アームの軸部を取り囲むこともできる。有利なことに、損傷からの効果的な保護が与えられる。
【0093】
有利には、バンパーユニットは、弾性材料、好ましくはゴム及び/又はプラスチックからなる。ダンパー部材は、特に好ましくは、複数の材料から構成されることも可能である。また、バンパーユニットが、特に好ましくは、硬質プラスチック又は金属材料の補強部材からなることも可能である。
【0094】
特に有利には、放射線検査用保持装置は、少なくとも1つの保持具を引っかけることのできる、少なくとも1つのフックポイント又はフックスポットを有する少なくとも1つの受容レールを備える。有利には、受容レールは、支持アームの半径方向の長さの少なくとも実質的な部分にわたって延びている。少なくとも1つの受容レールは、支持アームに沿って構成される。受容レールは、支持アームの半径方向の長さが少なくとも25%、50%、75%、又は100%までにわたって延びるように、ねじれ剛性を有するように構成されてもよい。しかし、受容レールの長さは、支持アームの長さよりも明らかに短くてもよい。特に、複数の受容レールが、支持部品に沿って配置されてもよい。これにより、構成が特にねじれ剛性になり、法線力、横力及び/又は曲げモーメントでの負荷の場合に、高い抵抗モーメントを提供することができる。
【0095】
保持具は、特に、受容レールに引っ掛けるための少なくとも1つのフック部から構成される。フック部は、特に少なくとも1つのフック部材及び特にスナップフック(カラビナ)、又は、開放フックから構成されている。開放フックの場合、フックの脚部は、好ましくは、45°以上の非常に大きな保持角度が実現されるように寸法決めされる。
【0096】
好ましくは、保持具は、少なくとも45°の保持角度を可能にする。保持角度は、有利には、垂直方向に対して測定される。好ましくは、保持角度は、重力加速度ベクトルの方向に開かれている。好ましくは、最大で60°以上の保持角度が可能である。したがって、考えられるほぼすべての位置において、安定した支持が特に有利に達成される。好ましくは、開放フックとして構成されたフック部は、垂直方向に対して30°以上、特に45°以上、特に好ましくは60°以上の回動角度においてのみ、受容レールから取り外すことが可能である。そして、短い脚が上方に押し上げられ、開放フックを有する保持具が取り外される。適切な角度で、保持具の開放フックを受容レールの別の位置又は別の受容レールに再挿入し、保持具が別の位置に配置されることも可能である。
【0097】
特に、複数のフックポイント又はフックスポットは、受容レールに沿って配置及び/又は構成される。受容レールは、特に好ましくは、両端で支持アームと接続される。
【0098】
特に、少なくとも2つの受容レールが支持アームの全長にわたって配置されているので、主として円形の動作範囲内の各点に保持具が到達できる。
【0099】
保持具を有利に支持するために、少なくとも1つの追加の支持フックを、例えば支持アームの最端部に、又は保持具を(使用しないときに)支持するための様々な長手方向のスポットに配置することができる。保持具を支持フックに引っ掛けることにより、保持具は、支持アームの枢動運動の間、障害物となることはない。これにより、特に有利には、簡単で、安全で、容易な保持具が実現する。
【0100】
フックポイント又はフックスポットは、保持具のロック位置を定めることができる。受容レールの機能は、フック装置に限定されない。特に、輸液バッグ及び/又は輸液ホルダのそれぞれの輸液を保持するために使用することも可能である。他の機能への利用も同様に考えられる。別体の輸液ホルダも考えられる。
【0101】
受容レールは、特に好ましくは、ステンレス、金属材料、特に「VA鋼」又は他のステンレス合金で形成されている。特に、材料表面は、塗装を省き、機械的摩耗による磨耗をほとんど発生させないか、全く発生させないように構成される。他の例としては、受容レールは、支持アーム、特に支持部品に対して横方向又は斜め方向に構成することができる。また、少なくとも1つの支持アームに2つ以上の受容レールを配置することも可能である。受容レールは、有利には、保持具全体を受容レールから外すことを必要とせずに、保持具が複数の異なるフックポイント又はフックスポットの間で移動できるように構成される。特に好ましくは、支持アームの半径方向全長において、2つの受容レールが構成される。これにより、フックを外すのは、例えば保持具を1つの受容レールから他の受容レールに移さなければならない場合にのみ必要となる。3本以上の受容レールの場合も同様に考えられる。
【0102】
フックポイントは、好ましくは、引張荷重の場合に有利に、保持具の環状部材が係合する形状部材によって形成される。フックポイント又はフックスポットは、受容レールの局所的な「谷」によって形成されてもよく、その間の局所的な「丘」によって制限されてもよい。したがって、保持具の位置は、受容レールと保持具との間の形状的な接続の解除を必要とせずに、支持アームに沿って変更することができる。これにより、保持具の位置を複数の位置の間で簡単かつ迅速に適合させ、かつ変更することができる。この目的のために、保持具は、次の丘の上に持ち上げられて、次のフックポイントに挿入される。保持具は、複雑な脱着作業を必要としないので、フック位置の変更中に落下することがない。利用者が怪我をする可能性を最小限に抑えることができる。
【0103】
特に有利には、保持具は、ベルトユニットを含んで構成される。ベルトユニットは、特に有利には、フック部とグリップ部との間に配置される。ベルトユニットは、主に患者の立ち上がり、移動を容易にする役割を果たす。この目的のために、包囲されたベルト部材の長さは、特にモータアシストでは、利用者の要求及び条件に合わせて変更することができる。
【0104】
特に好ましくは、使用準備が整ったときに、ベルトユニットは、水平を横断する方向に向けられた軸を中心に回転するように支持される。特に好ましくは、ベルトユニットは、保持具又は保持具の保持グリップが回転すると、ベルトユニットがその支持点の周りを回転し、ベルト自体をねじらないように、又は、最小限にとどめるように、容易に滑動できるように支持されている。好ましくは、ベルトユニットは、保持具が回転すると、ベルトがねじられるよりもかなり多く、その支持点の周りを回転する。
【0105】
ベルトは、好ましくは、幅の広い布バンドによって形成される。有利には、ベルトは、意図されたとおりに使用される場合、まったくねじれないか、又はわずかにしかねじれない。長さを調節することは、主として、保持具の長さを利用者者及びその位置に有利に適合させ、様々な位置での有利な支持及び/又は移動を可能にするために役立つ。
【0106】
ベルトユニットのモータアシスト駆動は、特に好ましくは、巻きばね、又は、特に位置決めモータとして構成された電気モータによって提供される。保持具の制御は、特に有利には、保持具を直接又は遠隔で操作及び/又は操作できる制御装置によって、行われる。モータアシスト駆動の他の構成としては、空気圧式及び/又は油圧式のモータを使用することも可能である。
【0107】
すべての構成により、患者が独立して自分自身を移動又は搬送させることを支援することが可能である。さらに、ベルトユニットは、特に有利には、患者が移動する際に、患者が支持ユニット又は保持グリップの助けを借りて自分自身を持ち上げることを可能とする。したがって、患者は、担架、椅子及び/又は移送布として構成されたシフトユニットによってシフトされることができる。他のタイプ及び実施形態のシフトユニットも同様に可能である。
【0108】
有利なことに、移動の際に看護師や放射線技師から必要とされる支援も最小化される。理想的なケースでは、看護師がシフトを支援する必要は実質的にない。このようにして、バクテリア、ウィルス、細菌による感染の危険性を最小限に抑えることができる。移動中のセクシャルハラスメントの可能性は明らかに最小化される。精神的ストレスや菌の感染による労働時間のロスを最小限に抑えることができる。これにより、放射線検査システムの操作性が向上し、収益性も改善される。
【0109】
有利には、放射線検査用保持装置は、全く磁化することができない材料、又は磁化が困難な材料、及び/又はわずかな程度にのみ磁化することができる材料で少なくとも部分的に製造される。放射線検査装置を操作すると、高強度の磁場が発生する。そのため、特定の分子構造を示す金属材料が磁化され、放射線検査装置との相互作用を引き起こす可能性がある。したがって、放射線検査用保持装置のすべての構成要素及び部品は、プラスチック、アルミニウム及び/又はステンレス鋼などの、わずかに、特には、まったく磁化可能でない材料で製造されるのが好ましい。しかしながら、有利には、放射線検査用保持装置の少なくとも大部分は、全く磁化できないか又は磁化が困難な材料で製造される。これにより、放射線検査用保持装置と放射線検査装置との間の磁気的相互作用(したがって画像におけるアーチファクト)を排除し、及び/又は少なくとも最小にすることができる。これは主に、放射線検査装置の安全で信頼できる操作と、それによって作られる画像の高画質のために役立つ。
【0110】
少なくとも1つの有利な具体的実施形態において、少なくとも1つの伝送部品は、少なくとも部分的に、支持部品の中空部に通される。
【0111】
有利には、力誘導ユニットも、支持部品の内部に少なくとも部分的に配置されてもよい。このように、特に、可撓性プル部品を汚染から衛生的に保護することができる。
【0112】
特に好ましくは、本発明による放射線検査システムは、少なくとも1つの放射線検査装置と、少なくとも1つの放射線検査用保持装置とからなる。
【0113】
有利には、放射線検査システムは、放射線検査装置による患者の検査のための少なくとも1つの収容部を備え、この収容部は、少なくとも部分的に放射線検査用保持装置の動作範囲に配置される。好ましくは、患者の収容部は、放射線検査用保持装置の動作範囲の中心に配置され、放射線検査用保持装置の動作範囲を効率的に使用することができるようにする。
【0114】
本発明の更なる利点及び特徴は、図を参照して以下に説明される例示的な実施形態として示される。
【0115】
本出願人は、特に分娩用椅子、分娩用スツール、分娩用バス、又は分娩用ベッドなどの分娩装置用の分娩装置ホルダであって、少なくとも1つの支持アームを回動可能に収容する取付装置を備え、支持アームは少なくとも1つの軸部と少なくとも1つの支持部品からなり、支持アームの軸部は支持アームを回動するために取付装置に回動可能に収容されるものについての別の保護を主張する権利を保留する。分娩装置ホルダは、支持アームを少なくとも1つのロック位置にロックするためのロック装置と、ロック装置を作動させるための少なくとも1つの伝送部品と少なくとも1つの作動部材とを含む作動機構とを備え、伝送部品は、少なくとも部分的に、可撓性プル部品として構成される。分娩装置ホルダは、支持アームに取り付けるために設けられた少なくとも1つの保持装置からなり、例えば出産する女性に保持手段、例えば立ち上がったり、移動したり、つかまったりするための保持手段を提供するためのものである。支持アームの軸部は、支持アームを枢動させるために、取付装置に枢動可能に収容される。作動機構は、ロック装置を作動させるために具体的に可撓性プル部品に導入された操作力を伝達するように、力誘導ユニットを有する。作動機構は、特に、軸部の中空部を通過する少なくとも1つの伝送部品を含んでいる。特定の実施形態において、分娩装置ホルダは、放射線検査用保持装置を参照して本明細書に記載されているような特徴を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0116】
図1】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態を示す断面図と、放射線検査システムの正面図と、放射線検査装置の正面図である。
図2】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態と、動作範囲に配置された放射線検査装置とを有する放射線検査システムの上面図である。
図3】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態に係る、軸部の構成要素の拡大部分図である。
図4】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態に係る、力誘導ユニットの拡大断面図である。
図5】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態に係る、結合ユニットの詳細図である。
図6】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態に係る、ブロック部の詳細図である。
図7】本発明による放射線検査用保持装置の例示的な実施形態に係る、支持部品の拡大断面図である。
図8】本発明に係る放射線検査用保持装置の保持具の例示的な実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0117】
図1は、本発明に係る放射線検査システム100の構成を示す図である。放射線検査用保持装置1は断面図で示され、X線装置51、MRT装置52、CT装置53、放射線治療装置54などの放射線検査装置50は正面図で示される。放射線検査用保持装置1は、取付装置2から構成される。取付装置2は、支持アーム3を回転可能に収容して支持する。支持アーム3は、取付装置2に回転可能に固定された軸部4と、支持部品5とから構成されている。支持アーム3は、それぞれ回転軸4aを中心に回転可能である。
【0118】
取付装置2は、現状では、取付コンソールとして構成されており、放射線治療室(図示せず)の天井に固定的に取り付けられている。シールド18は、開口部を覆うように軸部4の中心に配置される。ここで、開口は、支持アーム3が磁気的に遮蔽された仮天井を通過することによって形成される。放射線検査用保持装置1が仮天井を通過しない場合、シールド18は、取付装置2を完全に囲むように構成されるのが好ましい。
【0119】
フックポイント24には、保持具9が設けられる。保持具9は、少なくとも1つのフック部29で形成される。保持具9は図8において詳細に示され、説明される。
【0120】
放射線検査用保持装置1は、X線装置51、MRT装置52、CT装置53又は放射線治療装置54などの放射線検査装置50の近傍に配置される。支持アーム3は、患者が保持具9に容易に届くように患者治療台26の上に枢動させることができる。
【0121】
輸液バッグ30は、受容レール23のフックポイント24に引っ掛けることもできる。受容レール23のフックポイント24は、受容レール23の輪郭の2つの「丘」の間の「谷」として構成される。通常の使用と同様に、保持具9に加えられる引張り荷重は、「谷」の幾何学的形状により、フックポイント24内の保持具9の位置をぴったりと固定する。保持具9は、好ましくは機械的にばね駆動されるベルトユニット32を備え、それによって保持具9の長さを可変的に調節することができる。保持具9は、少なくとも1つのフック部29によってフックポイント24に掛けられる。さらに、保持具9は、支持アーム3が回転した際にぶつからないように、支持フック(図示せず)を横切って配置することも可能である。
【0122】
作動部品12としてグリップノブに半径方向において隣接する支持部品5上に、2つの受容レール23が構成されている。受容レール23の各々は、複数のフックポイント24を構成している。フックポイント24は、受容レール23の輪郭の「谷」として構成される。グリップ部と2つのフック部とによって形成された保持具9は、端のフックポイント24に掛けられる。フックポイント24として機能する受容レール23の「谷」は、輪郭の「丘」によって互いに分離されている。通常の使用で加えられる引張荷重によって、保持具9のリングループの位置は、フックポイント24に固定される。保持具9は、フック部の脚を取り外すことなく、「丘」を越えて別のフックポイント24に容易に挿入される。これにより、耐荷重を示す安全な構造が得られる。作動機構8の作動により、ロック装置6によってロック位置7にロックされた支持アーム3を、バイアス装置17の力に対抗して、回転位置に移行させることができる。回転位置では、支持アーム3は、軸部4の回転軸4aを軸に回転可能である。
【0123】
作動機構8は、合計3つの伝送部品11からなる。いずれの伝送部品11も可撓性プル部品19、より正確には引っ張りロープとして構成されている。ここで、第1の伝送部品11がロック装置6と接続されている。ここで、第1の伝送部品11は、引っ張りロープとして構成されている。第1の伝送部品11は、軸部4の中空部を通って、軸方向下方に向けて軸部4から外側に導かれ、支持部品5に向かって半径方向にガイドされ、支持部品5に配置される。ここで、第1の伝送部品11は、結合ユニット206によって連結され、支持部品5に沿って半径方向さらに外側に渡された別の伝送部品11を示す。第2の可撓性プル部品19は、力誘導ユニット200までガイドされた支持部品5に沿って水平方向に延びている。可撓性プル部品19は、力誘導ユニット200でガイドされ、下方に向けられる。ここでは、2つの力誘導ユニット200は、可撓性プル部品19に伝えられた作動力がロック装置6の作動に直接伝達されるように配置される。中央の力誘導ユニット200は、別の結合ユニット206によって連結された別の伝送部品11を示す。力誘導ユニット200は、同様に、第3の伝送部品11のために設けられる。
【0124】
ここで、力誘導ユニット200は、ストッパ部201からなり、ストッパ部201は、支持アーム3の支持部品5と固定的に接続されている。ストッパ部201の近傍には、可撓性プル部品19上にブロック部203が配置され、可撓性プル部品19と嵌合状態で連結されている。ユーザが作動部品12を引っ張ると、作動部品12に対する半径方向の距離34aが長くなっている力誘導ユニット200のストッパ部201上でブロック部が移動する。したがって、伝送部品11の内部の力の伝達は、ロック装置6により、制御、伝達される。作動されると、可撓性プル部品19は、ストッパ部201により逆に引き出されることはない。このため、作動範囲19aを短くすることができる。
【0125】
作動部品12のグリップノブは、受容レール23のすぐ隣に配置されている。これにより、快適かつ簡単な作動が可能となる。ストッパ部201は、支持アーム3の支持部品5の長さ34の約半分の位置で、取付装置2の半径方向外側に配置されている。第2のストッパ部201は、放射線検査用保持装置1の支持アーム3の長さ34の約75%に相当する半径方向の距離に配置されている。これにより、保持具9の近傍にいるユーザが快適に作動させることができる。さらに、回転軸4aからの半径方向の距離34aが大きい場合、すなわち、長いレバーアームを伴う場合、回転力を導入することが可能である。
【0126】
回転軸4aに対してより短い半径方向の距離34aを示す第1の作動部品12によってロック装置6を作動させるとき、より大きな半径方向の距離34aに配置された力誘導ユニット200によって、可撓性プル部品がストッパ部201のガイドから引き出されないことが、有利に保証される。ブロック部203は、可撓性プル部品19の移動を阻止する。従って、作動力は、ロック装置6が作動するために直接伝達される。可撓性プル部品19は、力誘導ユニット200により、意図せず、又は不定に弛むことはない。作動範囲19aは、力誘導ユニット200によって規定され、定義可能である。実質的に、作動範囲19aは、支持アーム3を回転位置に移送するためにロック装置6の窪み14から引き出される固定部品13の作動に必要なストローク長に相当する。
【0127】
図2は、放射線検査装置50と支持アーム3からなる放射線検査システム100の平面図である。図1で示した取付装置2は図示されていないため、ロック装置6が上面視で見えるようになっている。支持アーム3は、筒部として構成された軸部4の回転軸4aを中心に回動可能である。
【0128】
ロック装置6は、固定部品13から構成される。固定部品13は、支持アーム3に固定され、バイアス装置17によってロック位置7にバイアスされる。固定部品13は、ロック装置6の円孔部の窪み14内に係合するボルトとして構成される。窪み14の直径15は、軸部4の直径16よりも顕著に大きい。従って、ロック装置6は、簡単な構造で軸部4の半径方向外側に配置され、安全な固定を可能にする。
【0129】
回転角度の制限装置25が設けられている。回転角度の制限装置25は、支持アーム3の回転角度を制限する機械的なストッパとして構成されている。ストッパは、窪み14に固定されている。
【0130】
衝撃装置28は、支持アーム3を衝撃から保護し、損傷から保護する。同時に、衝撃装置28は、他の物体の損傷に対する効果的な保護を構成する。
【0131】
保持具9上には、患者用の保持グリップ31が固定され、モータ駆動のベルトユニット32が上下方向に変位することができる。この場合、支持部品5上には、別の第2の保持具9が収容される。
【0132】
ベルトユニット32のハウジングには、操作用のノブ31a(図8参照)を設けてもよい。ノブ31aは、例えば巻き上げバネ(内部に配置されているので見えない)により駆動される巻き上げユニットの作動のために機能する。ノブ31aを操作すると、ベルトは自動的に引き込まれ、巻き上げられる(負荷がかからない)か、又はベルトは巻き上げバネの力に逆らって引き出されることが可能である。好ましくは、少なくとも200mm又は300mmのベルト長さが提供される。有利な構成では、伸縮可能なベルトの長さは、500mm、750mm、又はそれ以上とすることができる。これにより、天井の高い部屋では、不使用時に、保持具9の保持グリップを邪魔にならないように十分に高くすることができ、頭を打つことが防止されるという利点を提供する。また、使用しない保持グリップをフック5aのいずれかに掛けることも可能である。
【0133】
図2には、支持アーム3が放射線検査装置50に収容又は構成される変形例が破線で示されている。その利点は、取付装置2が放射線検査装置50に直接収容されるため、全体としてコンパクトな構造を実現できることである。
【0134】
図1及び図2に示すフック5aは、物を掛けることができる。例えば、輸液バッグを取り付けたり、患者の書類を貼り付けたりすることができる。フック5aは、支持部品5の側面に取り付けられてもよく、例えば、溶接されてもよい。また、チューブクランプや特定の取り付けシステムによって、フック5aを支持部品に固定的又は変位可能に収容して取り付けることも可能である。
【0135】
3つの力誘導ユニット200は、支持アーム3の支持部品5に沿って横方向に配置されている。力誘導ユニット200のストッパ部201は、可撓性プル部品19を構成し、支持部品5に沿って水平方向にガイドする。力誘導ユニット200のストッパ部201は、可撓性プル部品19を構成し、支持部品5に沿って水平方向にガイドする。
【0136】
図3は、放射線検査用保持装置1の軸部4と支持部品5の一部を示す、.図1の領域I の拡大断面図である。取付装置2は、取り付けコンソールとして構成されている。取付装置2は、放射線治療室の天井(図示せず)にねじ接続によって固定可能である。回転可能な支持アーム3は、取付装置2に収容され支持されている。このために、回転可能な軸部4は、取付装置2と直接接続され、取付装置2上に配置される。支持部品5は、軸部4に対して横方向に延びている。支持アーム3は、軸部4の回転軸4aを中心に枢動可能である。
【0137】
ロック装置6は、固定部品13によって支持アーム3を図示のロック位置7にロックする。原則として、ロック装置6は、コイルばねとして構成され、バイアス装置17によってロック位置7にバイアスされている。支持アーム3は、ロック位置7において回転不能に固定されている。したがって、放射線検査用保持装置1の使用上の安全性を確保することができる。
【0138】
作動機構8は、ロック装置6を作動させることができる。固定部品13は、伝送部品11と接続されている。伝送部品11は、可撓性プル部品19として、より正確には引っ張りロープとして構成されている。
【0139】
伝送部品11は、ガイドローラ21によって軸部4に対し半径方向にガイドされる。伝送部品11は、ガイドローラ21によって曲げられる。伝送部品11はまた、ガイドユニットを通る軸部4の内部において、ガイドユニット20によりガイドされる。ガイドユニット20は、チューブで構成されている。このチューブは、伝送部品11を曲げるように曲げられている。
【0140】
伝送部品11は、軸部4の下端部から軸方向に出ている。軸部4の下端部には、たわみスリーブ22が取り付けられている。たわみスリーブ22は、円錐形の管部又はスリーブとして構成される。たわみスリーブ22は、摺動可能で滑らかな表面を示すプラスチックで製造され、したがって、低い摩擦抵抗を示すのが好ましい。これにより、伝送部品11を支持アーム3の支持部品5の方向に小半径で曲げることができる。支持部品5は、別部品であってもよいし、支持アーム3と一体的に構成されていてもよい。
【0141】
伝送部品11は、軸部4の内側において、天井まで通る。したがって、軸部4の外側において、天井まで通る別のガイドを必要としない。したがって、天井へ通じる開口部は、単に引き綱を軸部4の軸線と平行にまっすぐ垂らす場合よりも明らかに小さくなる。天井に通じる磁気シールドに必要な開口は、先行技術で知られている設計の場合よりも明らかに小さく、閉じるのが容易である。
【0142】
支持部品5において、伝送部品11は、支持部品5の軸に沿って水平方向に曲げられ、支持部品5の軸に沿ってさらにガイドされる。第2の伝送部品11は、結合ユニット206によって第1の伝送部品11と接続される。力誘導ユニット200は、作動力の最適な伝達を保証する。可撓性プル部品19の不確定で意図しない弛みが防止される。
【0143】
図4は、力誘導ユニット200が作動状態にある場合の支持アーム3の領域(図1の領域IIを参照)の拡大説明図である。力誘導ユニット200のストッパ部201は、支持アーム3の支持部品5と、例えばねじによる接続又は溶接によって強固に接続され、可撓性プル部品19をスリーブ状に閉鎖し、ガイドする。さらに、可撓性プル部品19は、ストッパ部201によってガイドされる。ブロック部203は、可撓性プル部品19に力により収容されている。可撓性プル部品19上のブロック部203の位置は、可変に調整可能である。
【0144】
ストッパ部201の輪郭202は、回転軸4aからの距離34aが増加するにつれて拡大する。これにより、ロック装置6の作動を可能にするように、ストッパ部201上の可撓性プル部品19を有利に曲げることができる。可撓性プル部品19は、図示しない作動部品12が配置される下方へ曲げられる。
【0145】
ブロック部203は、球状に構成され、内部は中空である。可撓性プル部品19は、ブロック部203を通る。可撓性プル部品19は、ブロック部203の内側に収容されるノード部204を備える。さらに、ブロック部203は、止めねじとして構成される受容ユニット205を備えている。可撓性プル部品19は、止めねじを通過する。止めねじは、ブロック部203を通過する。したがって、ブロック部203は、可撓性プル部品19と力で接続される。
【0146】
球状のブロック部203は、力誘導ユニット200のストッパ部201に収容されることが可能である。ブロック部203は、回転対称のスリーブ状のストッパ部201に中心が合わされている。可撓性プル部品19は、結合ユニット206によって別の可撓性プル部品19と接続される。この結合ユニット206は、ノード部204によって形成されている。更なる可撓性プル部品19は、ノード部204を介して、第1の可撓性プル部品19上に力により配置される。
【0147】
図5は、結合ユニット206の一実施形態を示す断面図である。結合ユニット206は、スリーブ部207から構成されている。2つの伝送部品11がスリーブ部207の内側に配置されている。伝送部品11には、それぞれ1つのノード部204が可撓性プル部品19として構成されている。結合ユニット206のスリーブ部207は、ねじユニット208によって閉じられている。ねじユニット208は、1つの可撓性プル部品19を通る止めねじとして構成される。閉じた状態では、2つの可撓性プル部品19は、力により連結されている。破線で示す可撓性プル部品19は、結合ユニット206上において、可撓性プル部品19の考えられる配置を説明するためのものである。さらに、可撓性プル部品19のさらなる配置及び接続が可能であり、考えられる。このことは、以下の図にも当てはまる。
【0148】
図6は、力誘導ユニット200のブロック部203を示す断面図である。ブロック部203は、グリップとして球状に構成されている。ブロック部203は、球状のスリーブ部207として構成されている。可撓性プル部品19は、そこに構成されたノード部204によってブロック部203に収容される。ブロック部203は、受容ユニット205により閉じられている。受容ユニット205は、力による接続が与えられるように、ねじユニット205として構成されている。ブロック部203は、可撓性プル部品19のほぼ任意の位置に配置されることが可能である。
【0149】
図7は、放射線検査用保持装置1の支持アーム3の支持部品5の、支持部品5の軸に直交する断面図であり、図1の領域IIIを示す。ストッパ部201は、支持部品5上に横方向に配置されている。ストッパ部201は、可撓性プル部品19を囲み、ガイドする。ブロック部203は図示されていない。また、可撓性プル部品19が支持部品5のチューブ要素36の中空部に通されることも可能である(破線参照)。したがって、伝送部品11は、効果的に汚染から保護される。使用者は、可撓性プル部品19に絡まることがない。怪我のリスクは最小限に抑えられる。
【0150】
図8は、本発明による放射線検査用保持装置1の保持具9を示す透視図である。保持具9は、フック部29から構成される。保持具9は、フック部29を用いることで、受容レール23のフックポイント24において受容することができる。保持具9には、輸液バッグ30のような追加の物体を収容するために、別の支持フック29aが配置されている。保持グリップ31は、有利には、反転して支持フック29aに引っ掛けられることができる。これにより、怪我や衝撃の危険性を最小限に抑えることができる。フックの脚が長いので、フックの脚が受容レール23から滑り落ちる危険性がなく、最大60°以上の大きな保持角度35が可能である。
【0151】
図8において、ベルトユニット32上に構成され、保持具9の保持グリップ上に構成されたノブ31aが確認でき、見えないが内部に配置された巻きばねを介して、又は巻きばねの引張り力に抗してベルト32eを引き出すことが可能である。保持グリップは、ベルトユニット32と一緒に回転するようにロッド32bに収容されている。ベルトユニット32は、摺動部材32cを介して回動可能に収容されている。摺動部材32cは軸受部となり、ホルダ32aの上部ブラケットとロッド32bの拡大頭部32dとの間に収容され、ベルトユニットを患者側に向かう方向に容易に摺動回転できるようにしている。ベルト32eは、基本的にその周りに撚ることができるが、ベルトが斜めに巻かれ、適切でない場合、動作に支障をきたすことがある。
【符号の説明】
【0152】
1 放射線検査用保持装置
2 取付装置
3 支持アーム
4 軸部
4a 回転軸
5 支持部品
5a フック
6 ロック装置
7 ロック位置
8 作動機構
9 保持具
10 軸部の狭い範囲
11 8の伝送部品
12 8の作動部品
13 8の固定部品
14 6の窪み
15 円孔部
16 軸部4の直径
17 バイアス装置
18 遮蔽
19 可撓性プル部品
19a 19の作動範囲
20 ガイドユニット
21 ガイドローラ
22 たわみスリーブ
23 受容レール
24 フックポイント
25 回転角度の制限装置
26 患者の処置台
27 保護スリーブ
28 バンパー装置
29 フック部
29a 支持フック
30 輸液バッグ
31 支持ユニット
31a ノブ
32 ベルトユニット
32a ホルダ
32b ロッド
32c 摺動部材
32d ベアリング
32e ベルト
34 3の長さ
34a 半径方向の距離
35 9の保持角度
36 チューブ要素
50 放射線検査装置
51 X線装置
52 MRT装置
53 CT装置
54 放射線治療装置
100 放射線検査システム
200 力誘導ユニット
201 ストッパ部
202 輪郭レイアウト
203 ブロック部
204 19のループ部、ノード部
205 203のネジ部、受容部
206 結合ユニット
207 スリーブ 部
208 固定ユニット、ネジユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】