(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム用のナビゲーションマップ
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20230728BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20230728BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230728BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G09B29/00 Z
G09B29/10 A
B60K35/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502766
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2021069971
(87)【国際公開番号】W WO2022013426
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020208946.9
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(71)【出願人】
【識別番号】595007530
【氏名又は名称】ロバート ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Robert Bosch GmbH
【住所又は居所原語表記】Postfach 30 02 20 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】アン キックトン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘイル
【テーマコード(参考)】
2C032
3D344
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
3D344AA19
3D344AA20
3D344AA26
3D344AA30
5H181AA01
5H181AA25
5H181AA26
5H181AA27
5H181FF14
5H181FF22
5H181LL01
5H181LL09
(57)【要約】
【解決手段】少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム(130)用のナビゲーションマップが提供され、複数の車線(120)におけるコースの記述であり、複数の車線の各車線(120)は、複数の車線セグメント(150)を有する、上記複数の車線(120)におけるコースの記述と、複数の車線(120)のオフロード環境(140)データであり、オフロード環境データは、各車線(120)の各車線セグメント(150)に割り当てられ、オフロード環境データは、各車線セグメント(150)のオフロード環境(140)に関する緊急運転可能性評価を含む、複数の車線(120)のオフロード環境(140)データとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム(130)用のナビゲーションマップであって、
・複数の車線(120)におけるコースの記述であり、前記複数の車線の各車線(120)は、複数の車線セグメント(150)を有する、前記複数の車線(120)におけるコースの記述と、
・前記複数の車線(120)のオフロード環境(140)データであり、該オフロード環境データは、前記各車線(120)の各車線セグメント(150)に関連付けられ、前記オフロード環境データは、前記各車線セグメント(150)のオフロード環境(140)に関する緊急運転可能性評価を含む、前記複数の車線(120)のオフロード環境(140)データと、
を備える、ナビゲーションマップ。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションマップであって、該ナビゲーションマップは、高解像度のデジタルナビゲーションマップである、ナビゲーションマップ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のナビゲーションマップであって、前記オフロード環境(140)の前記各データは、前記オフロード環境(140)を指定するための複数のパラメータを含み、前記各パラメータは、運転可能性評価に関連付けられている、ナビゲーションマップ。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーションマップであって、前記複数のパラメータは、前記オフロード環境(140)の範囲及び/又はアクセス可能性及び/又は潜在的危険性を記述する、ナビゲーションマップ。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のナビゲーションマップであって、前記複数のパラメータは、
・前記オフロード環境への通過可能性、
・前記オフロード環境の表面材料の種類、
・前記オフロード環境の横断勾配、
・前記オフロード環境の植生の種類、
・危険に晒された交通路使用者が存在する確率値、
・前記運転可能なオフロード環境の面積、
・車道の境界に対して垂直かつ運転可能な前記オフロード環境の範囲、
・前記車線に対して平行かつ運転可能な前記オフロード環境の範囲、
・前記オフロード環境で安全に降りることの潜在的危険性、
のうちの1つ以上を含む、ナビゲーションマップ。
【請求項6】
請求項3~5の何れか一項に記載のナビゲーションマップであって、緊急運転可能性評価は、前記各オフロード環境(140)における前記複数のパラメータの前記運転可能性評価によって決定される、ナビゲーションマップ。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーションマップであって、前記緊急運転可能性評価は、前記各オフロード環境(140)における前記複数のパラメータを使用して決定されることにより、前記オフロード環境の運転可能性の基準値が所定の閾値を下回った場合に、前記各オフロード環境(140)の運転可能性が不可能であると判定される、ナビゲーションマップ。
【請求項8】
移動プラットフォーム(130)用の緊急軌道を決定するための方法であって、該方法は、
・前記移動プラットフォーム(130)の位置を決定するステップと、
・ナビゲーションマップにおける関連の車線セグメント(150)を、前記移動プラットフォーム(130)の前記位置に決定するステップと、
・前記決定した車線セグメント(150)の隣接する車線セグメント(150)に、関連付けられると共に、隣接するオフロード環境(140)を識別するステップと、
・前記隣接するオフロード環境(140)に、緊急運転可能性評価を割り当てるステップと、
・前記移動プラットフォーム(130)の前記決定した位置から開始して停止位置までの、少なくとも1つの隣接するオフロード環境(140)を含む前記緊急軌道を、前記少なくとも1つの隣接するオフロード環境(140)の前記緊急運転可能性評価を考慮しつつ決定するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記緊急軌道の前記停止位置を、隣接するオフロード環境(140)で決定し、前記緊急軌道は、前記隣接するオフロード環境(140)とは異なる他の隣接するオフロード環境を含む、方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の方法であって、前記緊急軌道を決定するために、前記移動プラットフォーム(130)の環境認識における環境の表現を付加的に考慮する、方法。
【請求項11】
少なくとも部分的に自動化されたプラットフォーム(130)用のルートを、請求項1~7の何れか一項に記載のナビゲーションマップにより選択するための方法であって、前記ルートは、複数の車線セグメント(150)を有し、前記ルートに関して、前記複数の車線セグメント(150)におけるオフロード環境(140)の想定可能な各ルートに沿う緊急運転可能性評価を決定し、かつ、前記ルートに沿う前記車線セグメント(150)の累積緊急運転可能性評価を考慮しつつ最適化されるよう、前記ルートを選択する、方法。
【請求項12】
方法であって、請求項8~11の何れか一項に記載の決定した緊急軌道に基づいて、少なくとも部分的に自動化された乗物(130)を制御するための制御信号を提供し、及び/又は、前記決定した緊急軌道に基づいて、乗物の乗員に警告するための警告信号を提供する、方法。
【請求項13】
請求項8~12の何れか一項に記載の方法を実施するよう構成されている、装置。
【請求項14】
コンピュータプログラムがコンピュータによって実行される際に、前記コンピュータプログラムに請求項8~12の何れか一項に記載の方法を実施させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム、及び/又は、請求項1~7の何れか一項に記載のナビゲーションマップが格納されている、機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム用のナビゲーションマップに関する。
【背景技術】
【0002】
自動運転移動プラットフォーム(ADS:自動運転システム)用に、道路、車線、車線の境界、ゾーン等の情報を提供する高解像度(HD)マップが開発されている。
【0003】
自動運転に関する規格(SAE J3016)においては、リスクを最小限に抑えるための条件を以下のように規定している。即ち、「特定のルートにおける運転を完了できないか又は完了すべきでない場合に、事故のリスクを低減するために、動的運転タスク(DDT)のフォールバックが実行された後に、使用者又はADSが乗物を移行させるべき状態」のことである。更に、「これは、乗物を現在の走行経路で自動的に停止させることを意味する場合もあれば、乗物をアクティブ車線から移動させること、及び/又は、乗物を配送施設に戻すことを目的とした、より包括的な操作を必要とすることを意味する場合もある」とされている。
【0004】
現在の自動運転システム(ADS)は、基本的に、通常運転用の軌道を計算するのみならず、安全な「通常軌道」における運転継続を不可能にするシステムエラーが発生した場合にのみ実現される「フォールバック軌道」も同時に計算する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら「フォールバック軌道」の計算も、主に、周囲の認識及びマップデータの組み合わせに基づいている。特に、オフロードで終了する軌道の場合、そのロードサイド領域を観察し分類するための付加的な認識コストがかかることを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様によれば、各独立請求項の特徴に係る、少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム用のナビゲーションマップ、緊急軌道を決定するための方法、ルートを選択するための方法、作動方法、装置、コンピュータプログラム、並びに機械可読記憶媒体が提案され、これらによって上述した課題が少なくとも部分的に解決される。有利な実施形態は、従属請求項及び以下に記載したとおりである。
【0007】
本発明の明細書全体において、方法ステップの順序は、方法が容易に理解できるよう記載されている。ただし、当業者であれば、方法ステップの多くは、異なる順序で実施可能であり、同じ結果又は対応する結果につながることを理解するであろう。この意味において、方法ステップの順序は、必要に応じて変更することができる。
【0008】
一態様によれば、少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム用のナビゲーションマップが提案され、複数の車線におけるコースの記述を備える。この場合、複数の車線のそれぞれは、複数の車線セグメントを有する。更に、ナビゲーションマップは、複数の車線のオフロード環境データを有する。この場合、オフロード環境データは、各車線の各車線セグメントに関連付けられ、そのオフロード環境データは、各車線セグメントのオフロード環境に関する緊急運転可能性評価を含む。
【0009】
有利には、オフロード環境を各車線セグメントに関連付けることにより、ナビゲーションマップに必要なデータ量を減少させることができる。なぜなら、必要になり得るオフロード環境は、関連する特徴付け、特に緊急軌道を決定するために、車線に加えて、緊急運転可能性評価で特徴付けられるか又は分類されるからである。これにより、車道に隣接するオフロード環境の詳細な記述が不要になる。
【0010】
また、移動プラットフォームの環境認識は、通常の動作に関連しないオフロード環境のオンラインオブジェクトを判定することから解放される。更に、そのようなナビゲーションマップでは、道路に隣接する環境の詳細度が低くてもよい。なぜなら、オフロード環境に関する本質的な情報は、緊急運転可能性評価によって抽象的に纏められているからである。
【0011】
これに加えて、緊急運転可能性評価を車線セグメントの各オフロード環境に関連付けることにより、環境認識に関する冗長な記述が提供される。なぜなら、緊急軌道を決定するために、環境認識に関する完全性を適宜確認又は改善することができるからである。
【0012】
更に、移動プラットフォームの環境認識が部分的又は完全に機能しない場合、緊急軌道に関する安全情報が提供され、その安全情報を軌道計画に使用することができる。
【0013】
更に有利には、少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム用システム(ADS)は、特定の条件下、例えば、自動運転システムが、先行する環境条件或いは交通条件又はセンサの劣化によってその認識能力が安全値未満に低下すると予測する場合、橋などの特定の車線セグメント又はゾーンを運転することが安全であるか否かを確認することができ、これにより進行方向における特定の距離で、移動プラットフォームを道路の対応する車線セグメントの路肩に移動させることができる。
【0014】
これに加えて、そのようなナビゲーションマップは、回避運転範囲を拡大するのに使用することができる。なぜなら、このデータは、移動プラットフォームにおける環境認識システムを超える車線セグメントが関わっている場合、又は移動プラットフォームの環境認識システムの認識に欠陥或いは制限がある場合であっても、道路上におけるより離れた安全な回避ルートを計算するのに使用できるからである。
【0015】
移動プラットフォームの環境認識は、各車線セグメントに割り当てられると共に、オフロード環境に関する緊急運転可能性評価を事前に使用することにより、改善又は確実にすることができる。
【0016】
オフロード環境情報は、緊急運転可能性評価を決定するパラメータの変化が生じる可能性が低いか又はパラメータの変化が生じる頻度が低い環境、例えば、負傷のリスクに晒された交通路使用者(VRU)の出現又は存在が想定し難く、かつ高速道路に隣接する環境で最も信頼性が高い。これに加えて、オフロード環境に関する情報は、自動化されたプラットフォーム用のノード(ハブ)間に位置する車道セグメントにとって重要である。
【0017】
一態様によれば、ナビゲーションマップは、高解像度のデジタルナビゲーションマップであることが提案される。
【0018】
一態様によれば、各オフロード環境データは、オフロード環境を記述するための複数のパラメータを含み、各パラメータには、運転可能性評価が割り当てられることが提案される。
【0019】
一態様によれば、複数のパラメータは、オフロード環境の範囲及び/又はアクセス可能性及び/又は潜在的危険性を記述することが提案される。
【0020】
一態様によれば、複数のパラメータは、オフロード環境への通過可能性、オフロード環境の表面材料の種類、オフロード環境の横断勾配、オフロード環境の植生の種類、危険に晒された交通路使用者、特に負傷のリスクに晒された交通路使用者、例えば歩行者が存在する確率値、運転可能なオフロード環境の面積、車道の境界に対して垂直かつ運転可能なオフロード環境の範囲、車線に対して平行かつ運転可能なオフロード環境の範囲、並びにオフロード環境で安全に降りることの潜在的危険性のうちの1つ以上を含むことが提案される。
【0021】
これに関して、上述した複数のパラメータのそれぞれは、特に緊急運転可能性評価を決定するために、互いに任意に組み合わせることができる。
【0022】
これに関して、パラメータの1つである通過可能性(トラバーサビリティ)は、オフロード環境への移動プラットフォームの通過可能性を表す基準値(a measure)を指定する。例えば、基準値を有するオフロード環境へのそのような通過可能性は、車道とオフロード環境との間の障害物を克服しなければならないこと、又は車道からオフロード環境へ変更する際に、潜在的危険性、特に危険に晒された交通路使用者或いは負傷のリスクに晒された交通路使用者に関して潜在的危険性が存在し得ることを表すことができる。特に、バイナリ基準値を有する通過可能性は、オフロード環境への変更の可能性又は不可能性を示すことができる。
【0023】
一態様によれば、緊急運転可能性評価は、各オフロード環境における複数のパラメータの運転可能性評価によって決定されることが提案される。
【0024】
これに関して、各パラメータは、これらパラメータの現実的な利用可能性に従って、上述したリストから選択できると共に、単一の集約パラメータ、特に緊急運転可能性評価に纏めることができる。この場合、そのような集約をするために、個々のパラメータは、特にオフラインの重み付け集約に従って、重み付けを異ならせることができる。
【0025】
換言すれば、各運転可能性評価により、オフロード環境を記述するための複数のパラメータのそれぞれが緊急運転可能性評価の決定にどの程度強く含まれるかが判定される。
【0026】
一態様によれば、緊急運転可能性評価は、各オフロード環境における複数のパラメータを使用して決定されることにより、各オフロード環境への運転可能性の基準値が所定の閾値を下回った場合に、各オフロード環境の運転可能性が不可能であると判定されることが提案される。
【0027】
これに関して、複数のパラメータ及び関連付けられた各運転可能性の組み合わせを使用して緊急運転可能性評価を決定するために、オフロード環境への運転可能性の基準値は、運転可能性の基準値が所定の閾値運転可能性評価を下回った場合に、緊急運転可能性評価の基準値によって各オフロード環境の運転可能性が不可能であることが示されるよう決められる。
【0028】
移動プラットフォーム用の緊急軌道を決定するための方法が提案され、以下のステップを含む。1つのステップにおいては、移動プラットフォームの位置を決定する。更なるステップにおいては、上述したナビゲーションマップにおける関連の車線セグメントを、移動プラットフォームの位置に決定する。更なるステップにおいては、決定した車線セグメントに隣接する車線セグメントに、割り当てられると共に、隣接するオフロード環境を識別する。更なるステップにおいては、隣接するオフロード環境に、緊急運転可能性評価を割り当てるステップと、移動プラットフォームの決定した位置から開始して停止位置までの、少なくとも1つの隣接するオフロード環境を含む緊急軌道を、少なくとも1つの隣接するオフロード環境の緊急運転可能性評価を考慮しつつ決定するステップとを含む。
【0029】
これに関して、緊急軌道を決定するためにコスト関数を使用することができ、そのコスト関数は、コスト関数の計算において、個々の運転可能性評価パラメータを含むか又は重み付けされた組み合わせを含む。
【0030】
換言すれば、オフロード環境をそこで運転するリスクに関してこのように事前に分類することにより、運転可能性評価を、緊急軌道を計算するための入力として明確に提供することができる。
【0031】
一態様によれば、緊急軌道の停止位置を、隣接するオフロード環境で決定し、緊急軌道は、隣接するオフロード環境とは異なる他の隣接するオフロード環境を含むことが提案される。
【0032】
一態様によれば、緊急軌道を決定するために、移動プラットフォームの環境認識における環境の表現を付加的に考慮することが提案される。
【0033】
少なくとも部分的に自動化されたプラットフォーム用のルートを、上述したナビゲーションマップを使用して選択するための方法が提案される。この場合、ルートは、複数の車線セグメントを有し、ルートに関して、複数の車線セグメントにおけるオフロード環境の想定可能な各ルートに沿う緊急運転可能性評価を決定し、かつ、ルートに沿う車線セグメントの累積緊急運転可能性評価を考慮しつつ最適化されるよう、ルートを選択する。
【0034】
換言すれば、移動プラットフォームをオフロード環境で停止させるのに十分な複数の機会を有するルートは、複数のパラメータ及び/又は緊急運転可能性評価又は各運転可能性評価を使用してオフラインで決定することができる。移動プラットフォームをオフロード環境で停止させるそのような機会が減少するルートは、ルート計画プロセスにおいて適宜回避することができる。
【0035】
上述の決定した緊急軌道に基づいて、少なくとも部分的に自動化された乗物を制御するための制御信号を提供し、及び/又は、決定した緊急軌道に基づいて、乗物の乗員に警告するための警告信号を提供する方法が提案される。
【0036】
用語「基づいて」は、制御信号が緊急軌道に基づいて提供されるという特徴に関して広義に理解されるべきである。これは、決定した緊急軌道が制御信号の任意の決定又は計算のために使用されるよう理解されるべきであり、このことは、他の入力変数も制御信号のその決定のために使用されることを排除しない。同様のことは、警告信号の提供にも当てはまる。
【0037】
一態様によれば、緊急軌道を決定するための上述した方法及び/又はルートを選択するための上述した方法のうちの1つを実行するよう構成された装置が提案される。そのような装置により、対応する方法を異なるシステムに容易に統合することができる。
【0038】
他の一態様によれば、コンピュータプログラムが開示され、そのコンピュータプログラムは、コンピュータによって実行される際に、上述した方法のうちの1つを実施させる命令を含む。そのようなコンピュータプログラムにより、記載された方法を異なるシステムで使用することができる。
【0039】
一態様によれば、上述したコンピュータプログラムが格納された機械可読記憶媒体が提案される。
【0040】
少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォームは、少なくとも部分的に自動化された移動システム及び/又は運転者支援システムであり得る。一例として、少なくとも部分的に自動化された乗物及び/又は運転者支援システムを備える乗物を挙げることができる。即ち、この文脈において、少なくとも部分的に自動化されたシステムは、少なくとも部分的に自動化された機能に関して移動プラットフォームを含むが、移動プラットフォームは、運転者支援システムを含む乗物及び他の移動マシンも含む。移動プラットフォームの他の例としては、マルチセンサ運転者支援システム、ロボット掃除機又は芝刈り機などのマルチセンサ移動ロボット、マルチセンサ監視システム、船舶、航空機、製造機械、パーソナルアシスタント、又はアクセス制御システムを挙げることができる。これらシステムの何れもが、完全又は部分的に自律的なシステムであり得る。
【0041】
以下、本発明の例示的な実施形態を
図1に基づいてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム用であると共に、複数の車線を備えるナビゲーションマップの一部分を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、少なくとも部分的に自動化された移動プラットフォーム130用のナビゲーションマップの例示的な一部分110を概略的に示し、その一部分110は、複数の車線120におけるコースの記述(説明)を備える。この場合、複数の車線の各車線120は、複数の車線セグメント150を有する。更に、ナビゲーションマップの部分110は、複数の車線120のオフロード環境データを備える。この場合、オフロード環境データは、各車線の各車線セグメント150に割り当てられ、そのオフロード環境データは、各車線セグメント150のオフロード環境140に関する緊急運転可能性評価を含む。
【0044】
ライン155は、車線120とオフロード環境140との間の境界を表している。更に、各車線セグメント150のオフロード環境140は、破線で示す車線セグメント150の延長に従って、各車線セグメントに割り当てられていることが例示されている。ライン160は、緊急運転可能性評価で分類された各オフロード環境140を、残部の環境に対して画定している。ライン155は、各車線セグメント150と関連するオフロード環境140との間の移行を表している。
【国際調査報告】