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特表2023-533839人の視力を評価する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】人の視力を評価する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 3/028 20060101AFI20230728BHJP
【FI】
A61B3/028
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502809
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2021069909
(87)【国際公開番号】W WO2022013410
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】20315350.7
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ブティノン
(72)【発明者】
【氏名】マリウス・プルー
(72)【発明者】
【氏名】マリオン・スウィタル
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ピノー
(72)【発明者】
【氏名】マリー-ヴィルジニ・ベルベット
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA13
4C316FA01
4C316FB01
4C316FB11
4C316FC04
(57)【要約】
少なくともフロントカメラ及び画面を備えるモバイルデバイスを使用して人の視力を評価する方法であって、方法は、-モバイルデバイスのユーザが、所定の距離d/2にあるミラーの前に自分自身を位置決めする、ユーザ位置決めステップと、-モバイルデバイスが、モバイルデバイスのフロントカメラがミラーに面するように位置決めされる、モバイルデバイス位置決めステップと、-モバイルデバイスのフロントカメラとミラー内のモバイルデバイスの仮想画像との間の距離dが測定される、距離測定ステップと、-モバイルデバイスの画面が視標を表示する、表示ステップと、-ユーザの視力が評価される、評価ステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともフロントカメラ及び画面を備えるモバイルデバイスを使用して人の視力を評価する方法であって、
-モバイルデバイスのユーザが、所定の距離d/2にあるミラーの前に自分自身を位置決めする、ユーザ位置決めステップと、
-前記モバイルデバイスが、前記モバイルデバイスの前記フロントカメラが前記ミラーに面するように位置決めされる、モバイルデバイス位置決めステップと、
-前記モバイルデバイスの前記フロントカメラと前記ミラー内の前記モバイルデバイスの仮想画像との間の距離dが測定される、距離測定ステップと、
-前記モバイルデバイスの前記画面が視標を表示する、表示ステップと、
-前記ユーザの前記視力が評価される、評価ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記表示ステップの前に、前記測定された距離dが前記所定の距離d/2と比較される、距離制御ステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記測定された距離dと前記所定の距離d/2との前記比較に基づいて前記ユーザに通知が送信される、通知ステップを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記表示ステップの間に表示される前記視標のサイズ及び/又は角度サイズが、前記測定された距離dに基づいて適合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記フロントカメラと前記ミラーとの間の前記距離d/2が、前記表示ステップ及び前記評価ステップ中に定期的に測定され、
前記表示ステップ中に表示される前記視標の前記サイズ及び/又は角度サイズが、前記測定された距離d/2に基づいてリアルタイムで適合される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
モバイルデバイスデータが受信される、モバイルデバイスデータ受信ステップを更に含み、前記モバイルデバイスデータが、少なくとも前記モバイルデバイスの前記画面の物理的サイズに関連する画面データ、及び少なくとも前記フロントカメラの画素の角度分解能に関連するカメラデータを少なくとも含み、
前記距離dが、少なくとも前記モバイルデバイスデータに基づいて測定される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記表示される視標に応じて前記ユーザから指示が受信される、入力受信ステップを更に含み、
前記ユーザの前記視力が、前記ユーザから受信される前記指示に基づいて評価される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記表示ステップ中に前記モバイルデバイスの前記画面上に表示される前記視標が、方向が変化する単一のランドルトCを含み、
前記ユーザから受信される前記指示が、前記ユーザが知覚する前記ランドルトCの開口の方向に関連する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ランドルトCの開口の前記知覚された方向が、音声認識及び/若しくはジェスチャ認識、並びに/又は前記モバイルデバイスの動作を使用して、ユーザによって示される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記表示される視標が、可動カーソルを更に含み、前記モバイルデバイスの前記画面上の前記ランドルトCの前記知覚された方向が、前記可動カーソルの位置によって示される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記モバイルデバイスが、物理的なプラス及びマイナスの音量ボタンを備え、
前記可動カーソルが、前記モバイルデバイスの前記物理的なプラス及びマイナスの音量ボタンを使用して、前記ユーザによって制御される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記モバイルデバイスが片手で保持することができ、例えば、スマートフォン、ファブレット、又はタブレットである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって読み取り可能であり、方法を実行するために前記コンピュータにより実行可能な命令のプログラムを有形に具体化する、非一時的プログラム記憶装置であって、前記方法が、
-モバイルデバイスのフロントカメラと前記モバイルデバイスの前記フロントカメラに面するミラーとの間の距離dを測定することと、
-前記モバイルデバイスの画面上に視標を表示することと、
-前記モバイルデバイスのユーザから入力を受信することと、
-前記受信した入力に基づいて、前記ユーザの視力を評価することと、
を含む、非一時的プログラム記憶装置。
【請求項14】
モバイルデバイスであって、
-画面と、
-少なくとも1つのフロントカメラと、
-命令のシーケンスを記憶するように構成されたメモリと、
-前記メモリ、前記画面、及び前記少なくとも1つのカメラに結合されたプロセッサであって、
-前記フロントカメラと前記フロントカメラに面するミラーとの間の距離dを測定し、
-前記モバイルデバイスの前記画面上に視標を表示し、
-前記モバイルデバイスのユーザから入力を受信し、且つ
-前記受信した入力に基づいて、前記ユーザの視力を評価する、
命令のシーケンスを実行するように構成された、プロセッサと、
を備える、モバイルデバイス。
【請求項15】
人の視力を判定するために使用される表示システムであって、
-入力データを識別及び処理する制御手段であって、前記入力データが前記人から受信される、制御手段と、
-少なくとも1つの視標及び少なくとも1つの可動カーソルを表示する表示手段であって、前記視標が所定の向きのリストから選択された方向に向けられ、前記可動カーソルが前記所定の方向のリストのうちのいずれかの方向に表示されるように構成され、表示される前記可動カーソルの前記向きが前記制御手段によって処理される前記入力に基づく、表示手段と、
を備える、表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人の視力の評価に関する。特に、本開示は、モバイルデバイスを使用して人の視力を評価する方法に関する。本開示は更に、人の視力を測定するためのモバイルデバイスに関する。
【0002】
更に、本開示は、人の視力を判定するために使用される表示システムに関する。
【背景技術】
【0003】
通常、人の裸眼視力又は矯正視力は、アイケア専門家によって評価される。そのため、眼科医との予約を設定する必要があり、これは、定期的且つ頻繁にその視力をチェックすることを困難にする。
【0004】
従来の方法では、アイケア専門家の介入を必要とすることなく視力をチェックするためのソリューションを開発しようと試みられてきた。
【0005】
しかしながら、これらの方法では、通常、人口の一部の人にとってはアクセスしにくくなる、ラップトップを使用する必要がある。更に、従来技術の方法の大部分は、視力を測定するための手順の前に、例えばクレジットカード又は靴のサイズを使用して、ラップトップとユーザとの間の距離を判定及び設定する、較正手順を必要とする。そのため、距離は、視力の測定の誤差につながる可能性がある手順中には、適切に制御されない。
【0006】
従来技術のいくつかの方法は、例えばスマートフォンアプリケーションを使用する、自己測定ソリューションを提案している。しかしながら、スマートフォンを手に保持している間の腕の長さで測定が行われるため、視力の評価は近方視力に限定される。一般的に業務用として提案されている他のスマートフォンアプリケーションは、遠方視力で人の視力を測定することを可能にするが、一般的にはアイケア専門家である、第2の人の介入を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、人の視力を簡単に、迅速に、且つ正確に評価するためのソリューションが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のために、本開示は、少なくともフロントカメラ及び画面を備えるモバイルデバイスを使用して人の視力を評価する方法を提案し、方法は、
-モバイルデバイスのユーザが、所定の距離d/2にあるミラーの前に自分自身を位置決めする、ユーザ位置決めステップと、
-モバイルデバイスが、モバイルデバイスのフロントカメラがミラーに面するように位置決めされる、モバイルデバイス位置決めステップと、
-モバイルデバイスのフロントカメラとミラー内のモバイルデバイスの仮想画像との間の距離dが測定される、距離測定ステップと、
-モバイルデバイスの画面が視標を表示する、表示ステップと、
-ユーザの視力が評価される、評価ステップと、
を含む。
【0009】
有利にも、本開示による方法により、人の視力を容易且つ正確に評価することを可能にする。
【0010】
有利にも、この方法による評価は、ユーザが自宅で行うことができる。遠隔場所にいる検眼医は、検査が正確に行われたかどうかをチェックすることができる。
【0011】
ユーザは、視力評価検査を行うために、もはやアイケア専門家センターに行く必要はない。これは、評価を行うために移動又は時間の制約がなくなったユーザにとって、より便利である。
【0012】
単独又は組み合わせとして想到可能な更なる実施形態によれば、
-モバイルデバイス位置決めステップ中に、モバイルデバイスがユーザの眼の上方に垂直に位置決めされ、及び/又は
-評価ステップ中に、ユーザの両眼視力が測定され、及び/又は
-評価ステップ中に、ユーザの単眼視力が測定され、及び/又は
-方法は、表示ステップの前に、測定された距離dが所定の距離d/2と比較される、距離制御ステップを更に含み、及び/又は
-方法は、測定された距離dと所定の距離d/2との比較に基づいてユーザに通知が送信される、通知ステップを更に含み、及び/又は
-通知は、測定された距離dが2×(d/2)-Δ1以下であるときに、人がミラーに対して近すぎることを示し、及び/又は
-通知は、測定された距離dが2×(d/2)+Δ2以上であるときに、人がミラーに対して遠すぎることを示し、及び/又は
-表示ステップ中に表示される視標のサイズは、測定された距離dに基づいて適合され、及び/又は
-表示ステップ中に表示される視標の角度サイズは、測定された距離dに基づいて適合され、及び/又は
-フロントカメラとミラーとの間の距離d/2は、表示ステップ及び評価ステップ中に定期的に測定され、表示ステップ中に表示される視標のサイズ及び/又は角度サイズは、測定された距離d/2に基づいてリアルタイムで適合され、及び/又は
-方法は、モバイルデバイスデータが受信される、モバイルデバイスデータ受信ステップを更に含み、モバイルデバイスデータは、少なくともモバイルデバイスの画面の物理的サイズに関連する画面データ、及び少なくともフロントカメラの画素の角度分解能に関連するカメラデータを少なくとも含み、距離dは、少なくともモバイルデバイスデータに基づいて測定され、及び/又は
-方法は、モバイルデバイスのフロントカメラがシーンのデータを取得し、距離dが少なくともカメラデータに基づいて測定される、カメラデータ受信ステップを更に含み、及び/又は
-所定の距離d/2は、1.5m以上、好ましくは2.0m以上であり、視力は、遠方視力状態に対して評価され、及び/又は
-所定の距離d/2は、0.5m以下、好ましくは0.25m以下であり、視力は、近方視力状態に対して評価され、及び/又は
-方法は、表示される視標に応じてユーザから指示が受信される、入力受信ステップを更に含み、ユーザの視力は、ユーザから受信される指示に基づいて評価され、及び/又は
-表示ステップ中にモバイルデバイスの画面上に表示される視標は、方向/向きが変化する単一のランドルトCを含み、ユーザから受信される指示は、ユーザが知覚するランドルトCの開口の方向/向きに関連し、及び/又は
-ランドルトCの開口の知覚された方向は、音声認識及び/若しくはジェスチャ認識、並びに/又はモバイルデバイスの動作を使用して、ユーザによって示され、及び/又は
-表示される視標は、可動カーソルを更に含み、モバイルデバイスの画面上のランドルトCの知覚された方向は、可動カーソルの位置によって示され、及び/又は
-モバイルデバイスは、物理的なプラス及びマイナスの音量ボタンを備え、可動カーソルは、モバイルデバイスの物理的なプラス及びマイナスの音量ボタンを使用して、人によって制御され、及び/又は
-モバイルデバイスは片手で保持することができ、例えば、スマートフォン、ファブレット、又はタブレットであり得る。
【0013】
本開示は更に、その上に記録されたプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体に関し、プログラムは、本開示による方法をコンピュータに実行させる。
【0014】
本開示はまた、コンピュータによって読み取り可能であり、方法を実行するためにコンピュータにより実行可能な命令のプログラムを有形に具体化する、非一時的プログラム記憶装置に関し、方法は、
-モバイルデバイスのフロントカメラとモバイルデバイスのフロントカメラに面するミラーとの間の距離dを測定することと、
-モバイルデバイスの画面上に視標を表示することと、
-モバイルデバイスのユーザから入力を受信することと、
-受信した入力に基づいて、ユーザの視力を評価することと、
を含む。
【0015】
本開示は更に、
-画面と、
-少なくとも1つのフロントカメラと、
-命令のシーケンスを記憶するように構成されたメモリと、
-メモリ、画面、及び少なくとも1つのカメラに結合されたプロセッサであって、
-フロントカメラとフロントカメラに面するミラーとの間の距離dを測定し、
-モバイルデバイスの画面上に視標を表示し、
-モバイルデバイスのユーザから入力を受信し、且つ
-受信した入力に基づいて、ユーザの視力を評価する、
命令のシーケンスを実行するように構成された、プロセッサと、
を備える、モバイルデバイスに関する。
【0016】
更に、本開示は、人の視力を判定するために使用される表示システムに関し、表示システムは、
-入力データを識別及び処理する制御手段であって、入力データが人から受信される、制御手段と、
-少なくとも1つの視標及び少なくとも1つの可動カーソルを表示する表示手段であって、視標が所定の向きのリストから選択された方向に向けられ、可動カーソルが所定の方向のリストのうちのいずれかの方向に表示されるように構成され、表示される可動カーソルの向きが制御手段によって処理される入力に基づく、表示手段と、
を備える。
【0017】
有利には、表示システムは、人の視力を評価する方法を実施するための簡単でアクセス可能な方法を提供する。
【0018】
モバイルデバイスシステムは、表示システムを備え得る。表示手段は、モバイルデバイスの画面によって形成され得る。モバイルデバイスは、表示システムの制御手段を更に備えることができ、その制御手段は、入力データを識別及び処理するように構成され、入力データは人から受信される。
【0019】
ここで本発明の複数の実施形態について、ほんの一例として以下の図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】モバイルデバイスを使用して人の視力を評価する方法のフローチャート実施形態を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による、自分の視力を測定している人を示す図である。
図3a】本開示の一実施形態による、自分の視力を測定している人を示す図である。
図3b】本開示の一実施形態による、自分の視力を測定している人を示す図である。
図4】本開示の一実施形態による、モバイルデバイスの一例を示す図である。
図5】本開示の一実施形態による、自分の視力を測定している人を示す図である。
図6】本開示の一実施形態による、人の視力を判定するために使用される表示システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面内の構成要素は、簡略化及び明確化のために示されており、必ずしも正確な縮尺で描かれてはいない。例えば、本発明の実施形態を分かり易くするため図のいくつかの素子のサイズを他の素子に比べて誇張している場合がある。
【0022】
本開示は、モバイルデバイス2を使用して人の視力を評価する方法に関する。視力は、一般的に視覚の明瞭さを指すが、技術的には、細部を正確に認識する人の能力を評価付けするものである。視力は、眼鏡の有無にかかわらずユーザに対して評価することができる。
【0023】
本発明の意味において、モバイルデバイスは、独立して使用することができ、ユーザが容易に持ち運んで手で操作するのに十分小さい、ポータブルコンピュータデバイスである。例えば、モバイルデバイスは、スマートフォン、ファブレット、又はタブレットであり得る。
【0024】
明確且つ簡単にするために、モバイルデバイスは、以下の開示ではスマートフォンを使用して例示されることになる。しかしながら、当業者であれば、以下の例を、本開示によって定義される任意の他のモバイルデバイスに容易に適合させることができるであろう。
【0025】
図4に示されるように、モバイルデバイス2は、少なくとも画面4とフロントカメラ6とを備える。画面4及びフロントカメラ6は、モバイルデバイス2の同じ面上に配置されている。
【0026】
モバイルデバイス2は、命令のシーケンスを記憶するように構成されたメモリ8と、メモリ10に結合され、メモリ10内に記憶された命令のシーケンスを実行するように構成されたプロセッサ12と、を更に備える。
【0027】
図1に示されるように、人の視力を評価する方法は、ユーザ位置決めステップS2を含む。ユーザ位置決めステップS2の間、モバイルデバイスのユーザは、ミラーから所定の距離d/2にあるミラーの前に自分自身を位置決めする。
【0028】
図2及び図3に示されるように、ユーザは、ミラー20に面する所定の距離d/2に位置決めされて、ミラーの表面上に反射された光によって生成される仮想画像を見る。好ましくは、ミラー20は平面ミラーである。ユーザが所定の距離d/2に位置決めされると、そのユーザとユーザがミラー内で見ている仮想画像との間の距離は、所定の距離d/2の2倍に等しいと定義され得る。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、所定の距離d/2は、1.5m以上、好ましくは2.0m以上である。有利には、所定の距離d/2は、より良好にリラックスした調節のために2.5m以上である。そのような条件で、本開示の方法は、遠方視力に対してユーザの視力を評価する。
【0030】
或いは、所定の距離d/2は、0.5m以下、好ましくは0.25m以上であり得る。そのような条件で、本開示の方法は、近方視力に対してユーザの視力を評価する。
【0031】
図1に示されるように、人の視力を評価する方法は、モバイルデバイス位置決めステップS4を更に含む。モバイルデバイス位置決めステップS4の間、ユーザは、フロントカメラ6がミラーに面するようにモバイルデバイス2を位置決めする。
【0032】
図2及び図3に示されるように、ユーザは、フロントカメラ6がミラー20に面するようにモバイルデバイス2を位置決めする。好ましくは、モバイルデバイス2は、ミラー20の平面に対して実質的に平行になるように垂直に位置決めされる。より好ましくは、モバイルデバイス2は、ユーザの頭部に可能な限り近くに位置決めされる。
【0033】
本開示の一実施形態によれば、モバイルデバイス2は、ユーザの一方の眼の上方に垂直に位置決めされ、他方の眼の視力が評価される。有利にも、ユーザの眼を覆っているモバイルデバイスを有することにより、ユーザの覆われていない眼の単眼視力の評価を容易にすることを可能にする。
【0034】
図1に示されるように、人の視力を評価する方法は、距離測定ステップS8を更に含む。距離測定ステップS8の間、モバイルデバイスのフロントカメラとモバイルデバイスの仮想画像との間の距離dが測定される。
【0035】
モバイルデバイス2のフロントカメラと、そのモバイルデバイスが反射されているミラー20によって作成される仮想画像2’との間の距離dは、モバイルデバイス2自体を使用して測定することができる。
【0036】
図1に示される本開示の一実施形態によれば、人の視力を評価する方法は、モバイルデバイスデータが受信される、モバイルデバイスデータ受信ステップS0を含み得る。モバイルデバイスデータには、少なくともモバイルデバイスの画面の物理的サイズに関連する画面データと、少なくともフロントカメラの画素の角度分解能に関連する少なくともカメラデータと、が含まれる。
【0037】
画面データは、視標の表示、より具体的には、モバイルデバイスの画面の物理的サイズに基づく視標の位置決め及び寸法を適合させることを可能にする。
【0038】
画面データは、距離測定ステップS8中に、既知の寸法を有する、表示される要素のサイズを判定することを可能にする。
【0039】
一実施形態では、距離測定ステップ中に表示される要素は、視標である。
【0040】
図4に示されるように、物理的な画面の幅をw、物理的な画面の高さをhとして、w×hで表される画面の物理的サイズは、画面の解像度m×n及び(ドット/インチ又はdpiで表される)画面の画素密度Dp,sに基づいて任意のモバイルデバイス2から取得することができる。画面の解像度及び画素密度は、モバイルデバイスのオペレーティングシステム(OS)又は製造者のデータから容易に取得することができる。
【0041】
、n、及びDp.sの値を知ることにより、以下の式を使用してw及びhの値を判定することができる。
【数1】
【0042】
非限定的な例として、モバイルデバイス2の画面の物理的サイズの計算は、1440×3040に等しい画面解像度m×n、及び550dpiに等しい画素密度Dp,sを有する、特定のスマートフォンSに対して例示されている。式(1)を使用することにより、66.5mmに等しい物理的な画面の幅ws、及び140.4mmに等しい物理的な画面の高さが得られる。
【0043】
或いは、物理的な画面のサイズは、画面の対角線の物理的サイズ及び解像度から計算することができる。
【0044】
フロントカメラの画素pc、θの角度分解能は、(メートルで表される)フロントカメラの画素サイズp及び焦点距離fから取得することができる。同様に、フロントカメラの画素サイズ及び焦点距離は、モバイルデバイスのオペレーティングシステム(OS)から又は製造者のデータから取得することができる。
【0045】
値p及びfを知ることにより、値pc、θは、以下の式を使用して判定することができる。
【数2】
【0046】
ミラーに面するフロントカメラを有するモバイルデバイスの画面上に、既知の寸法を有する要素を表示することにより、距離測定ステップS8中に、フロントカメラの角度分解能に基づいて、距離dを推定することが可能になる。
【0047】
一実施形態では、距離測定ステップ中に表示される要素は、視標である。
【0048】
非限定的な例として、モバイルデバイス2のフロントカメラの画素の角度分解能の計算は、フロントカメラの画素のサイズpが1.22μmに等しく、焦点距離が3.34mmに等しい特定のスマートフォンSに対して例示されている。式(2)を使用することにより、0.021°に等しいフロントカメラの画素の角度分解能pc,θを取得した。
【0049】
簡単にするために、カメラの画素の物理的サイズpは、水平方向及び垂直方向において同じ値を有すると見なされている。しかしながら、この条件が真でない場合、推論は容易に拡張することができる。フロントカメラの指定された作動距離は無限に設定されていない可能性が高いため、精度をより良くするために、値fをモバイルデバイスのレンズとカメラのセンサとの間の実際の距離に置き換えることができる。しかしながら、本発明者らは、式(2)が十分な精度をもたらすことを観察した。或いは、レンズとカメラのセンサとの間の実際の距離は、カメラが0.5m~1.0mの有限の距離、好ましくは0.8mに設定されていると想定することによって計算することができる。
【0050】
モバイルデバイス2のフロントカメラと、そのモバイルデバイスが反射されているミラー20によって作成される仮想画像との間の距離dは、モバイルデバイスデータ、及びモバイルデバイス2のフロントカメラ6によって受信されるデータに基づいて測定することができる。有利には、本開示による距離の測定は、較正のステップを必要としない。
【0051】
有利には、距離測定ステップS8において、モバイルデバイスデータ、及び距離測定ステップS8中にモバイルデバイスの画面上に表示される要素の寸法に基づいて距離dを推定することにより、距離較正ステップを必要とするのを回避することを可能にする。
【0052】
モバイルデバイスの画面上に表示される要素が最初にミラーから既知の距離において表示される較正ステップは、もはや必要とされない。或いは、モバイルデバイスの画面を較正するために、モバイルデバイス以外の物体(例えば、クレジットカード)を使用することは、もはや必要とされない。
【0053】
フロントカメラと要素の仮想画像との間の距離dの直接測定は、画面上に表示される要素の既知のサイズ、及びモバイルデバイスのデータに基づいて実行される。
【0054】
一実施形態では、視力評価方法中に、モバイルデバイスの画面の幅を知り、モバイルデバイスの画面の幅に基づいて表示される視標の寸法を適合させることによって、距離dを連続的に推定することができる。
【0055】
一実施形態では、画面上に視標を表示している間、視力評価方法中に、表示される視標の寸法及びモバイルデバイスデータが既知であるため、距離dを連続的に推定することができる。例えば、視標サイズは、モバイルデバイスの画面の幅に基づいて定義され得る。
【0056】
一実施形態では、モバイルデバイスデータを判定するモバイルデバイスの固有パラメータが既知である場合、画像処理の精度及び/又はロバスト性が改善される。
【0057】
したがって、人の視力を評価する方法は、カメラデータ受信ステップS6を更に含むことができ、その間、モバイルデバイス2のフロントカメラ6は、それが直面しているシーンに関連するデータを取得する。典型的には、モバイルデバイス2のフロントカメラ6は、シーン、特にミラーの、及びフロントカメラに面するミラーによって形成される仮想画像の画像及び/又はビデオをキャプチャする。画像及び/又はビデオは、ミラーによって反射されたモバイルデバイスの画面の仮想画像のサイズに関連するデータを抽出するために更に処理され得る。例えば、ミラーによって反射された仮想モバイルデバイスの画面の幅は、フロントカメラによって記録された写真/ビデオ上の画素数mc,dとして表すことができる。同様に、ミラーによって反射された仮想モバイルデバイスの画面の高さは、フロントカメラによって記録された写真/ビデオ上の画素数nc,dとして表すことができる。
【0058】
モバイルデバイス2のフロントカメラとミラー20によって生成される仮想画像との間の距離dは、以下の式を使用して判定することができる。
【数3】
【0059】
更に、
【数4】
【0060】
或いは、モバイルデバイス2の画面4上に、所定の既知の寸法の異なる形状を表示することによって、距離dを測定することができる。表示される図形の寸法を知ることにより、式(2)~(4)を使用して距離dを測定することができる。
【0061】
人の視力を評価する方法は、ミラー20に対するモバイルデバイス2の平行度が測定される、平行度測定ステップを更に含み得る。ミラーが垂直である場合、モバイルデバイスの平行度は、モバイルデバイスのIMUを使用して測定することができる。或いは、モバイルデバイス2の画面4上に、所定の形状、例えば長方形を表示し、表示される形状をミラー20によって作成される仮想画像の形状と比較することによって、モバイルデバイス2の平行度を測定することができる。例えば、モバイルデバイス2がミラー20に対して平行でない場合、画面上に表示され、ミラー20によって反射されている長方形は、台形の形状を生成することになる。
【0062】
図1に示されるように、人の視力を評価する方法は、距離制御ステップS10を更に含み得る。距離制御ステップの間、モバイルデバイス2のフロントカメラとミラー20によって作成される仮想画像との間で測定された距離dは、所定の距離d/2と比較される。
【0063】
同様に、人の視力を評価する方法は、ミラー20によって生成される仮想イメージの形状が、画面4によって表示される所定の形状と比較される、平行度制御ステップを更に含み得る。
【0064】
人の視力を評価する方法は、通知ステップS12を更に含み得る。通知ステップの間、測定された距離dと所定の距離d/2との比較に基づいて、ユーザに対して通知が送信される。
【0065】
例えば、モバイルデバイス2のフロントカメラとミラー20によって生成される仮想画像との間の測定された距離dが、所定の距離d/2の2倍よりも小さい場合、通知は、ユーザがミラーに対して近すぎることを示すことができる。加えて、偏差Δ1が考慮され得る。偏差Δ1は、所定の距離d/2の許容値を表す。測定された距離dが(2×(d/2)-Δ1)よりも小さい場合、通知は、ユーザがミラーに対して近すぎることを示すことができる。例えば、偏差Δ1は、所定の距離d/2の20%、好ましくは10%の変動に対応することができる。
【0066】
例えば、モバイルデバイス2のフロントカメラとミラー20によって生成される仮想画像との間の測定された距離dが、所定の距離d/2の2倍よりも大きい場合、通知は、ユーザがミラーに対して遠すぎることを示すことができる。加えて、偏差Δ2が考慮され得る。偏差Δ2は、所定の距離d/2の許容値を表す。測定された距離dが(2×(d/2)+Δ2)よりも小さい場合、通知は、ユーザがミラーに対して近すぎることを示すことができる。例えば、偏差Δ2は、所定の距離d/2の20%、好ましくは10%の変動に対応することができる。
【0067】
或いは、所定の距離d/2の値からの最大偏差ΔDが定義され得る。測定された距離dが(2×(d/2)-ΔD)よりも小さい場合、通知は、ユーザがミラーに対して近すぎることを示すことができる。同様に、測定された距離dが(2×(d/2)+ΔD)よりも大きい場合、通知は、ユーザがミラーから遠すぎることを示すことができる。最大偏差ΔDは、所定の距離d/2の20%、好ましくは10%の変動に対応することができる。
【0068】
加えて、通知ステップS12の間、ミラー20によって生成される仮想画像の形状と、画面4によって表示される所定の形状との比較に基づいて、ユーザに通知が送信されてもよい。例えば、比較された形状間の変動が重要すぎる、例えば10%程度の変動である場合、通知は、モバイルデバイス2がミラー20に対して平行でないことを示すことができる。
【0069】
図1に示されるように、人の視力を評価する方法は、表示ステップS14を更に含む。好ましくは、表示ステップは、距離制御ステップ及び通知ステップの後に実行される。表示ステップの間、視標は、モバイルデバイス2の画面4上に表示される。本開示の意味において、視標は、人の視力を検査するために一般的に使用される標準化された記号を指す。
【0070】
図2及び図3bに示されるように、モバイル2の画面4上に表示される視標は、視標の仮想画像を生成するミラー上に反射されている。好ましくは、表示される視標に対して対称性が適用される。有利には、ユーザは、表示される視標の仮想画像を正しい向きで知覚することになる。
【0071】
表示される視標は、ランドルトC若しくはスネレンE、又は他の標準化された視標、文字、若しくは図であり得る。視標は、表示ステップ中にモバイルデバイスの画面4上に1つずつ表示され得る。或いは、視標は、各行に複数の視標を1行ごとに表示され得る。各視標のサイズ及び/又は向き及び/又はコントラストは、表示ステップ中に変化され得る。或いは、視標の複数の行を同時に表示してもよく、各行に異なるサイズ及び/又は向き及び/又はコントラストの視標、例えば、ETDRSチャート様の、又は2行のVR800手順が表示され得る。或いは、表示される視標は、単語又は短い文章に対応してもよい。
【0072】
表示ステップの間、表示される視標のサイズは、測定された距離dに基づいて適合され得る。或いは、表示される視標のサイズは、ミラーからの所定の距離d/2に基づいて判定され得る。
【0073】
同様に、モバイルデバイス2の画面4上に表示される視標の角度サイズは、測定された距離dに基づいて適合され得る。
【0074】
非限定的な例として、以下の計算のために考慮される視標は、表示されるランドルト環の距離dにおける仮想画像が角度サイズΔθを有するような開口を有するランドルト環である。画面上に表示される開口の物理的サイズΔsは、以下の式で与えられる。
(5)Δs=d×tan(Δθ)
【0075】
例えば、測定された距離が4.0mの場合、10/10の視力に対して表示されるランドルト環の開口Δθは1’に等しくなるべきである。式(5)を使用することにより、画面上に表示される開口の物理的サイズΔsは、近似的に1.16mmに等しい。特定のスマートフォンSに対応するモバイルデバイス2の場合、画面上に表示される開口の物理的サイズΔsが1.16mmに等しいことは、画素数(Δs/p)が画面上の25の画素にほぼ等しいことに対応する。
【0076】
本開示の一実施形態によれば、フロントカメラとミラーとの間の距離dは、表示ステップ中に頻繁に測定される。例えば、距離dは、異なる視標又は一連の視標を表示する前に測定することができる。好ましくは、フロントカメラとミラーとの間の距離dは、リアルタイムで測定される。
【0077】
有利には、モバイルデバイスの画面上に表示される視標のサイズ及び/又は角度サイズを定期的に、例えばリアルタイムで更新し、それによって人の視力のより正確な評価を提供すること可能になる。
【0078】
図1に示されるように、人の視力を評価する方法は、評価ステップS18を更に含む。評価ステップの間、ユーザの視力が評価される。
【0079】
人の視力を評価する方法は、評価ステップの前に、入力受信ステップS16を更に含み得る。入力受信ステップの間、表示される視標に応じて、ユーザから指示が受信される。ユーザの指示は、音声認識及び/若しくはジェスチャ認識、並びに/又はモバイルデバイスの動作を使用して受信され得る。
【0080】
モバイルデバイス2の画面4上に表示される視標が単語又は短い文章である場合、ユーザは、文字を識別してもよいし、文章を読んでもよい。ユーザから受信されるこれらの指示は、例えば、モバイルデバイスのマイクロフォンを介して、音声認識を使用して取得され得る。
【0081】
また、モバイルデバイス2の画面4に表示される視標が、開口の方向が異なるランドルトCである場合、ユーザは、自分が認識した開口の方向を示すことができる。ユーザが知覚する開口の方向に関する指示は、モバイルデバイスのマイクロフォンを使用する音声認識、モバイルデバイスのIMU又はモバイルデバイスのフロントカメラを使用するモバイルデバイスの動作、並びにモバイルデバイスのフロントカメラを使用する頭部の動作及び/又は腕の動作によって取得され得る。
【0082】
図4に示されるように、モバイルデバイス2は、物理的なプラス音量ボタン8a及びマイナス音量ボタン8bを更に備え得る。好ましくは、プラス音量ボタン8a及びマイナス音量ボタン8bは、モバイルデバイス2の側面上、例えば、画面に面したときにモバイルデバイス2の左側面上に配置される。プラス音量ボタン8a及びマイナス音量ボタン8bは、入力受信ステップS16中に、ユーザが指示を提供するために使用され得る。
【0083】
図5に示されるように、表示される視標は、方向が異なる開口を有するランドルトCであり得る。表示される視標は、可動カーソル50を更に含み得る。可動カーソルは、例えば、ランドルトCの開口の異なる可能な方向に沿って移動する円形アートであり得る。そのような場合、ユーザは、モバイルデバイスの物理的なプラスボタン8a及びマイナスボタン及び8bを利用して、可動カーソル50の方向をランドルトCの知覚された開口と整列させることができる。次いで、カーソルの選択された位置は、例えば0.5秒~2.0秒で構成される短い待機時間後、好ましくは1.0秒の待機時間後に有効化され得る。
【0084】
ユーザの視力は、評価ステップ中に、ユーザからの受信される指示に基づいて評価され得る。
【0085】
本開示の実施形態によれば、表示ステップの間、例えば視力の第1のレベルに対応する、第1の一連の様々なランダム化視標が、ユーザに提示される。評価ステップS18の間、ユーザによって受信される指示が評価され、指示の正確さに対応するスコアがユーザに帰着され得る。ユーザが十分なスコアに達した場合、表示ステップS14、入力受信ステップS16、及び評価ステップS18は、視力の第2のレベルに対応する、様々なランダム化視標の第2のシリーズで繰り返され得る。
【0086】
本開示は更に、その上に記録されたプログラムを有するコンピュータ可読記憶媒体に関し、プログラムは、本開示による方法をコンピュータに実行させる。
【0087】
本開示はまた、コンピュータによって読み取り可能であり、本開示による方法を実行するためにコンピュータにより実行可能な命令のプログラムを有形に具体化する、非一時的プログラム記憶装置に関する。例えば、方法は、モバイルデバイスのフロントカメラと、モバイルデバイスのフロントカメラに面するミラーとの間の距離dを測定することと、モバイルデバイスの画面上に視標を表示することと、モバイルデバイスのユーザから入力を受信することと、受信した入力に基づいて、ユーザの視力を評価することと、からなるステップを含む。
【0088】
図4に示されるように、本開示は更に、少なくとも画面4と、少なくとも1つのフロントカメラ6であって、画面及びフロントカメラがモバイルデバイスの同じ面上に配置されている、フロントカメラ6と、命令のシーケンスを記憶するように構成されたメモリ10(図示せず)と、メモリ10、少なくとも1つの画面4、及び少なくとも1つのフロントカメラ6に結合されたプロセッサ12(図示せず)と、を備える、モバイルデバイス2に関する。
【0089】
プロセッサ12は、モバイルデバイスのフロントカメラと、モバイルデバイスのフロントカメラに面するミラーとの間の距離dを測定し、モバイルデバイスの画面上に視標を表示し、モバイルデバイスのユーザから入力を受信し、受信した入力に基づいてユーザの視力を評価する命令のシーケンスを実行するように構成されている。
【0090】
図6に示されるように、本開示は更に、人の視力を判定するために使用される表示システムに関する。例えば、表示システムは、グラフィカルユーザインタフェースを備えるシステムである。
【0091】
表示システムは、制御手段を備える。制御手段により、ディスプレイシステムのユーザから受信した入力データを識別及び処理することを可能にする。
【0092】
表示システムは、表示手段を更に備える。表示手段により、少なくとも1つの視標及び少なくとも1つの可動カーソルを表示することを可能にする。少なくとも1つの視標は、所定の向きのリストから選択された方向に向けられる。可動カーソルは、所定の方向のリストのうちのいずれかの方向に位置決め及び表示されるように構成されている。表示される可動カーソルの位置は、ユーザから受信した入力に基づいて判定され、制御手段によって識別及び処理される。
【0093】
以下の検討により明らかなように、特に明記のない限り、本明細書を通じて、「コンピューティング」、「計算」、又は「生成」などの用語を用いる検討は、コンピューティングシステムのレジスタ及び/又はメモリ内部の電子的などの物理的数量として表されるデータを、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、又は他のそのような情報記憶装置、転送、或いは表示デバイス内部の物理的数量として同様に表される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ又はコンピューティングシステム、又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又は処理を指すことは正しく理解される。
【0094】
本発明の実施形態は、本明細書中の操作を行うための装置を含んでいてもよい。この装置は、所望の目的のために特別に構築されてもよく、又はコンピュータ内に記憶されるコンピュータプログラムによって選択的に起動されるか又は再設定される汎用コンピュータ又はデジタル信号プロセッサ(「DSP」)を含んでもよい。かかるコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、光磁気ディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラム可能読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能及びプログラム可能読出し専用メモリ(EEPROM)、磁気又は光カードを含む任意の種類のディスク、又は電子的命令を格納するために適しており且つコンピュータシステムバスに結合することが可能なその他の種類の媒体などであるが、これらに限定されないコンピュータ可読記憶媒体内に格納されてもよい。
【0095】
本明細書中に提示する処理及び表示は、本質的に、いずれか特定のコンピュータ又は他の装置に関係しない。様々な汎用システムが本明細書中の教示に従うプログラムと共に使用される場合があり、又は所望の方法を行うためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明する場合がある。様々なこれらのシステムに対する所望の構造は以下の説明から出現することになる。加えて、本発明の実施形態は任意の特定のプログラミング言語を参照して説明しない。様々なプログラミング言語が本明細書中で説明するような本発明の教示を実施するために用いられてもよいことは、正しく理解されるであろう。
【0096】
上述の例示的実施形態を参照することで当業者には多くの更なる変更及び変形が明らかになるが、これらは例示目的で提供されるにすぎず、添付の請求項によってのみ決定される本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0097】
請求項において、単語「含む」は他の要素又はステップを除外せず、不定冠詞「a」又は「an」は複数を除外しない。互いに異なる従属請求項で異なる特徴が引用されていたとしても、これらの特徴の組み合わせが有利に使用できないことを意味しない。請求項におけるいかなる参照符号も本開示の範囲を限定するものと解釈してはならない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
【国際調査報告】