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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(54)【発明の名称】UV放射装置およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20230728BHJP
   A61N 7/02 20060101ALI20230728BHJP
   A61N 5/04 20060101ALI20230728BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20230728BHJP
   A61L 12/06 20060101ALI20230728BHJP
   A61L 12/02 20060101ALI20230728BHJP
   A61L 2/08 20060101ALI20230728BHJP
   A61L 2/025 20060101ALI20230728BHJP
【FI】
A61N5/06 B
A61N5/06 Z
A61N7/02
A61N5/04
A61L2/10
A61L12/06 100
A61L12/02 102
A61L2/08 106
A61L2/025
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502947
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2021070000
(87)【国際公開番号】W WO2022013435
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】63/052,625
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/176,722
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523015091
【氏名又は名称】フォトン セラピューティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】PHOTON THERAPEUTICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】シャー、スニル
(72)【発明者】
【氏名】ディーン、サイモン
【テーマコード(参考)】
4C058
4C082
4C160
【Fターム(参考)】
4C058AA09
4C058AA28
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD02
4C058DD03
4C058DD11
4C058KK02
4C058KK05
4C058KK07
4C058KK27
4C082MC03
4C082ME02
4C082ME27
4C082MJ02
4C082MJ04
4C082ML12
4C082ML13
4C082PA01
4C082PA03
4C082PC07
4C082PE09
4C082PG13
4C082PJ01
4C082PL02
4C082PL05
4C082PL10
4C160JJ11
4C160MM22
(57)【要約】
本発明は、UVCまたはUVA放射などの、治療用または殺菌用の紫外線(UV)放射を伝達するための装置、システム、およびそれらの使用方法、を特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置としての装置であって、
前記ヘッド構成要素は遠位部分および近位部分を備えており、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分は、対象の眼瞼に接触するように構成されており、
前記ヘッド構成要素の前記近位部分は、前記ベース構成要素に取り付けられるように構成されており、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分は、遠紫外線(UVC)放射源、赤外線(IR)放射源、および超音波源、を備えている複数のエネルギー源から、治療線量のエネルギーを伝達するように構成されており、
前記複数のエネルギー源は、前記ヘッド構成要素の前記遠位部分が前記眼瞼に接触したときに、前記対象の前記眼瞼に所定出力で前記治療線量のエネルギーを伝達するように構成されている、
装置。
【請求項2】
UVC放射は、約100nm~約280nmの波長を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
UVC放射は、約20mW/cm~約1,000mW/cmの放射強度を有する、
請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
IR放射は約750nm~約1,000,000nmのピーク波長を有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
IR放射は約20mW/cm~1,000mW/cmの放射強度を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
超音波は約1MHz~約10MHzの周波数を有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記装置はさらに、温度センサおよび/または熱源を備えている、
請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記装置はさらに、マイクロ波放射源および/または強力パルス光源を備えている、
請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記装置はさらに、接触センサを備えている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置としての装置であって、
前記ヘッド構成要素は遠位部分および近位部分を備えており、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分は、UVC放射源から治療線量のUVC放射を対象の眼に伝達するように構成されており、
前記ヘッド構成要素の前記近位部分は、前記ベース構成要素に取り付けられるように構成されており、
前記装置はさらに、
前記UVC放射源と前記眼の治療部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素と、
前記近接判定要素による前記所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素であって、前記信号は、前記UVC放射源を起動することで前記治療線量のUVC放射を所定出力で前記対象の前記眼に伝達するように構成されている、前記信号生成要素と、
を備えている、装置。
【請求項11】
前記装置はさらに、近位部分および遠位部分を有する光ガイドを備えており、
前記光ガイドの前記近位部分は、前記ヘッド構成要素の前記遠位部分に取り付けられるように構成されており、
前記光ガイドの前記遠位部分は、前記治療線量のUVC放射を伝達するように構成されている、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記治療線量のUVCは、硝子体切除要素を介して前記対象の前記眼に伝達されるように構成されている、
請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記UVC放射源は、前記硝子体切除要素に挿入され、前記治療線量のUVC放射を前記対象の前記眼に直接伝達するように構成されている、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記UVC放射源は、前記硝子体切除要素の中空領域に挿入されて前記対象の前記眼の内部領域に入るように構成された光ガイドを通して、前記治療線量のUVC放射を前記対象の前記眼の前記内部領域に伝達するように構成されている、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記装置はさらに眼安定要素を備えており、
前記眼安定要素は、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分に取り付けられるように構成された近位端と、
前記眼に接触することで安定させるように構成された遠位端と、
を備えている、
請求項10~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記眼安定要素は円錐形であり、前記近位端に第1直径を有するとともに、前記遠位端に第2直径を有する、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記眼安定要素の前記遠位端は、前記対象の前記眼を固定するように構成された複数の歯を備えている、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記眼安定要素は実質的に中空であり、前記ヘッド構成要素からの治療線量のUVC放射が前記対象の前記眼の治療部位に移動できる体積を提供する、
請求項15~17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記装置はさらに、前記対象の眼瞼を開いた状態に維持するべく使用される構成要素を備えている、
請求項15~18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている殺菌装置としての装置であって、
前記ヘッド構成要素は遠位部分および近位部分を備えており、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分は、UVC放射源から殺菌線量のUVC放射を対象に伝達するように構成されており、
前記ヘッド構成要素の前記近位部分は、前記ベース構成要素に取り付けられるように構成されており、
前記装置はさらに、
近位部分および遠位部分を有する光ガイドであって、前記光ガイドの前記近位部分は、前記ヘッド構成要素の前記遠位部分に取り付けられるように構成されており、前記光ガイドの前記遠位部分は、前記殺菌線量のUVC放射を伝達するように構成されている、前記光ガイドと、
前記光ガイドの前記遠位部分と前記対象の治療部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素と、
前記近接判定要素による前記所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素であって、前記信号は、前記UVC放射源を起動することで前記殺菌線量のUVC放射を所定出力で前記光ガイドを介して伝達するように構成されている、前記信号生成要素と、
を備えている、装置。
【請求項21】
前記ヘッド構成要素は、UVC放射の線量を調節するように構成された開口制御要素を備えている、
請求項1~20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記開口制御要素は、1つまたは複数の取り外し可能なコーンを備えている、
請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記光ガイドの前記遠位部分は、硝子体腔領域、網膜領域、脈絡膜領域、黄斑領域、眼内レンズ領域、毛様体筋領域、視神経領域、損傷部位、または前記対象の眼の異物によって影響を受けた部位に、治療線量のUVCを伝達するように構成されている、略中空管を備えている、
請求項20~22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置としての装置であって、
前記ヘッド構成要素は遠位部分および近位部分を備えており、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分は、治療線量の近紫外線(UVA)放射をUVA放射源から対象の眼に伝達するように構成されており、
前記ヘッド構成要素の前記近位部分は、前記ベース構成要素に取り付けられるように構成されており、
前記装置はさらに、
前記UVA放射源と前記対象の治療部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素と、
前記近接判定要素による前記所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素であって、前記信号は、前記UVA放射源を起動することで前記治療線量のUVA放射を所定出力で前記対象の前記眼に伝達するように構成されている、前記信号生成要素と、
を備えている、装置。
【請求項25】
前記UVA放射は、約315nm~約400nmの波長を有する、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記UVA放射は、約0.5mW/cm~約100mW/cmの放射強度を有する、
請求項24または25に記載の装置。
【請求項27】
前記装置はさらに、前記治療部位の画像を表示するように構成された撮像モジュールを備えている、
請求項1~26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
前記近接判定要素は、2つ以上のレーザーを備えている、
請求項24~27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
前記近接判定要素は、前記2つ以上のレーザーの収束時に信号生成要素を起動するように構成されている、
請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記信号生成要素は、聴覚、視覚、または触覚信号、を提供するように構成されている、
請求項24~29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている装置であって、
前記ヘッド構成要素は遠位部分および近位部分を備えており、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分は、或る線量のUVC放射をUVC放射源からコンタクトレンズまたは眼鏡に伝達するように構成されており、
前記ヘッド構成要素の前記近位部分は、前記ベース構成要素に取り付けられるように構成されており、
前記装置はさらに、超音波源を備えているコンタクトレンズケースまたは眼鏡ケースを備えており、
前記コンタクトレンズケースまたは眼鏡ケースは、前記ヘッド構成要素の前記遠位部分に取り付けられるとともに、或る線量の超音波を伝達するように構成されている、
装置。
【請求項32】
複数のエネルギー源を組織部位に伝達するためのシステムであって、
前記システムはベース構成要素を備えており、
前記ベース構成要素は近位部分および遠位部分を備えており、
前記遠位部分は、
(a)UVC放射源を備えている第1ヘッド、
(b)IR放射源を備えている第2ヘッド、
(c)超音波源を備えている第3ヘッド、
(d)UVA放射源を備えている第4ヘッド、
(e)UVC放射源、IR放射源、超音波源、を備えている第5ヘッド、および、
(f)マイクロ波放射源および強力パルス光源を備えている第6ヘッド、
のうちの2つ以上から選択される複数の交換可能なヘッドのうちの1つに嵌合するように構成されている、
システム。
【請求項33】
前記第1ヘッドはさらに、
前記エネルギー源と投与部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素と、
前記近接判定要素による前記所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素と、
エネルギーの線量を調節するための開口制御用モジュール、光ガイド、および、撮像モジュールと、
のうちの1つまたは複数を備えている、
請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
眼瞼炎またはマイボーム腺疾患(MGD)を治療するための方法であって、前記方法は、
請求項1~9のいずれか1項に記載の装置を提供する工程と、
前記ヘッド構成要素の前記遠位部分が前記眼瞼に接触することを可能にする工程と、
前記治療線量のエネルギーを複数のエネルギー源から前記眼瞼に投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項35】
前記方法はさらに、熱を伝達する工程を備えている、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
眼感染症または眼瞼癌、眼癌、眼窩癌、もしくは付属器癌から選択される癌を治療するための方法であって、前記方法は、
(a)請求項10~19のいずれか1項に記載の装置を提供するとともに、前記装置を前記治療部位の近くに配置する工程と、
(b)前記近接判定要素によって前記所定距離を検出する工程と、
(c)前記UVC放射源を起動するべく前記信号生成要素によって前記信号を生成する工程と、
(d)前記治療線量のUVC放射を前記治療部位に投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項37】
前記眼瞼癌または眼癌は、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、ブドウ膜黒色腫、または結膜黒色腫であるか、または
前記眼感染症は眼内炎である、
請求項36に記載の方法。
【請求項38】
対象の組織を殺菌する方法であって、前記方法は、
(a)請求項20~23のいずれか1項に記載の装置を提供するとともに、前記光ガイドを前記治療部位の近くに配置する工程と、
(b)前記近接判定要素によって前記所定距離を検出する工程と、
(c)前記UVC放射源を起動するべく前記信号生成要素によって前記信号を生成する工程と、
(d)前記光ガイドを介して治療線量のUVC放射を、前記対象の前記組織の前記治療部位に投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項39】
前記組織は、眼、鼻腔、口腔、皮膚組織、および管腔、から選択される、
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記対象は、潰瘍、ヒト免疫不全ウイルス感染、ヘルペスウイルス感染、またはヒトパピローマウイルス感染、を有するかまたは有する疑いがある、
請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
対象における角膜拡張症を治療する方法であって、前記方法は、
(a)請求項24~29のいずれか1項に記載の装置を提供するとともに、前記装置を前記治療部位の近くに配置する工程であって、前記対象は前記治療部位に或る用量の光活性剤を投与されている、配置する工程と、
(b)前記近接判定要素によって前記所定距離を検出する工程と、
(c)前記UVA放射源を起動するべく前記信号生成要素によって前記信号を生成する工程と、
(d)前記治療線量の前記UVA放射を前記眼の前記治療部位に投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項42】
前記光活性剤は、リボフラビン、ローズベンガル、ポルフィリンベースの光増感剤、ソラレン、キノン、アントラサイクリン、アントラセンジオン、キサンテン、フルオレセイン、ローダミン、フタレイン、シアニン、カルコゲナピリリウム染料、トリアリールメタン染料、フェノチアジン、フェノキサジン、アクリジン、ヒペリシン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、5-アミノレブリン酸、シプロフロキサシン、またはキニーネである、
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
コンタクトレンズまたは眼鏡を殺菌する方法であって、前記方法は、
請求項31に記載の装置を提供する工程と、
前記コンタクトレンズまたは眼鏡をケースに入れる工程と、
前記コンタクトレンズまたは眼鏡に前記UVC放射源および超音波源を投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項44】
近位端および遠位端を備えているコンタクトレンズであって、
前記コンタクトレンズは、治療線量のUVC放射を対象の眼に向けるように構成されている、
コンタクトレンズ。
【請求項45】
前記コンタクトレンズは、UVC放射源を備えている、
請求項44に記載のコンタクトレンズ。
【請求項46】
前記UVC放射源は、表面実装装置(SMD)LEDを備えている、
請求項45に記載のコンタクトレンズ。
【請求項47】
複数のLEDは、
前記コンタクトレンズに取り付けられるように構成されているか、
前記コンタクトレンズ内に組み込まれるように構成されているか、または
前記コンタクトレンズを通して集束されるように構成されている、
請求項46に記載のコンタクトレンズ。
【請求項48】
眼感染症を治療する方法であって、前記方法は、
(a)請求項44に記載のコンタクトレンズを提供するとともに、前記コンタクトレンズを眼の感染部位に配置する工程と、
(b)眼瞼または前記眼の治療部位に前記治療線量のUVC放射を投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項49】
対象における創傷を治療する方法であって、前記方法は、
(a)請求項10または11に記載の装置を提供する工程と、
(b)前記治療線量のUVC放射を前記創傷に投与する工程と、
を備えている、方法。
【請求項50】
癌を治療する方法であって、前記方法は、
(a)請求項10~19のいずれか1項に記載の装置を提供するとともに、前記装置を前記治療部位の近くに配置する工程と、
(b)前記近接判定要素によって前記所定距離を検出する工程と、
(c)前記UVC放射源を起動するべく前記信号生成要素によって前記信号を生成する工程と、
(d)前記治療線量のUVC放射を前記治療部位に投与する工程と、
を備えている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はUV放射装置およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
適切な強度、エネルギー、および波長、の紫外線(UV)放射を使用することで、周囲の健康な細胞に大きな損傷を与えることなく、望ましくない細胞または微生物を不活性化または殺すことができる。しかし、適切な時期に適切な部位に紫外線を照射することは、困難な試みであることが証明されている。したがって、複数の適応症のためにUV放射を伝達するための、新しい装置および方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2019-530559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書に記載されるのは、治療用および殺菌用の紫外線(UV)放射を伝達するのに有用な装置、方法、およびシステム、である。さらに、赤外線、熱、および超音波、はさまざまな疾患を治療するための構成で、本明細書に記載の装置を使用することで任意に伝達される。記載された装置、方法、およびシステム、は組織ならびにコンタクトレンズおよび眼鏡などの表面を滅菌するように構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、一態様では、本発明は、ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置を特徴とし、ヘッド構成要素は、遠位部分および近位部分を有しており、ヘッド構成要素の遠位部分は、対象の眼瞼に接触するように構成されており、ヘッド構成要素の近位部分は、ベース構成要素に取り付けられるように構成されている。ヘッド構成要素の遠位部分は、遠紫外線(UVC)放射源、赤外線(IR)放射源、および超音波源を備えている複数のエネルギー源から治療線量のエネルギーを伝達するように構成することができる。複数のエネルギー源は、ヘッド構成要素の遠位部分が眼瞼に接触したときに、対象の眼瞼に所定出力(所定パワー)で治療線量のエネルギーを伝達するように構成することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置はさらに温度センサを備えている。装置はさらに、熱源を備えていることができる。赤外線放射源は、熱を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、熱源は抵抗線要素を備えている。いくつかの実施形態では、装置は、マイクロ波放射源をさらに備えている。いくつかの実施形態では、装置は、強力パルス光源をさらに備えている。いくつかの実施形態では、装置は、眼瞼との装置の接触を感知する接触センサをさらに備えている。
【0007】
別の態様では、本発明は、ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置を特徴とし、ヘッド構成要素は、遠位部分および近位部分を有しており、ヘッド構成要素の遠位部分は、UVC放射源から治療線量のUVC放射を対象の眼に伝達するように構成されており、ヘッド構成要素の近位部分は、ベース構成要素に取り付けられるように構成されている。装置はさらに、UVC放射源と眼の治療部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素(近接判定素子)を備えていることができる。装置はまた、近接判定要素による所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素を備えていることができ、信号は、UVC放射源を起動することで治療線量のUVC放射を所定出力で対象の眼に伝達するように構成されている。治療装置は、近位部分および遠位部分を有する光ガイドをさらに備えていることができ、光ガイドの近位部分は、ヘッド構成要素の遠位部分に取り付けられるように構成されており、光ガイドの遠位部分は、治療線量のUVC放射を伝達するように構成されている。
【0008】
別の態様では、本発明は、ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている殺菌装置を特徴とし、ヘッド構成要素は、遠位部分および近位部分を有しており、ヘッド構成要素の遠位部分は、UVC放射源から殺菌線量のUVC放射を対象に伝達するように構成されており、ヘッド構成要素の近位部分は、ベース構成要素に取り付けられるように構成されている。装置は、近位部分および遠位部分を有する光ガイドをさらに備えていることができ、光ガイドの近位部分は、ヘッド構成要素の遠位部分に取り付けられるように構成されており、光ガイドの遠位部分は、殺菌線量のUVC放射を伝達するように構成されている。装置はさらに、光ガイドの遠位部分と対象の治療部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素を備えていることができる。装置はまた、近接判定要素による所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素を備えていることができ、信号は、UVC放射源を起動することで殺菌線量のUVC放射を所定出力で光ガイドを介して伝達するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、ヘッド構成要素は、UVC放射の線量を調節するように構成された開口制御要素を備えている。開口制御要素は、1つまたは複数の取り外し可能なコーンを備えていることができる。開口制御要素は、ヘッド構成要素内に一体化することができる。UVC放射源の開口は、約1mm~約50mm(例えば、約2mm~約40mm、約4mm~約40mm、例えば、約25mm、例えば、約4mm)であり得る。
【0010】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、UVC放射源は、前領域、後領域、硝子体腔領域(ヴィトゥリアスチャンバーリージョン)、網膜領域、脈絡膜領域、黄斑領域、レンズ領域(例えば、眼内レンズ領域)、毛様体筋領域、視神経領域、損傷部位、または眼の異物によって影響を受けた部位に、治療線量のUVCを伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、治療線量のUVCは、硝子体切除要素を介して対象の眼に伝達されるように構成されている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、硝子体切除要素に挿入されて対象の眼の内部領域に入るように構成された光ガイドを通して、UVC放射の治療線量を対象の眼の内部領域に伝達するように構成されている。
【0011】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、UVC放射源は、治療線量のUVCを創傷に伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、治療線量のUVCは、創傷治癒を改善する(例えば、治癒の速度、治癒の程度、および/または瘢痕の減少)。
【0012】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、装置は、ヘッド構成要素の遠位部分に取り付けられるように構成された近位端と、眼に接触することで安定させるように構成された遠位端と、を備えている眼安定要素(眼安定化要素)を備えている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、近位端に第1直径を有しており、遠位端に第2直径を有する円錐形である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1直径は第2直径よりも小さいか、または第1直径は第2直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、眼安定要素の遠位部分は、対象の眼を固定するように構成された複数の歯を備えている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、UVC光を透過しない材料から構成されている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は実質的に中空であり、ヘッド構成要素からの治療線量のUVC放射が対象の眼の治療部位に移動できる体積を提供する。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、UVC放射が対象の眼の健康な部位を照射するのを遮断するように構成されている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は使い捨てである。いくつかの実施形態では、眼安定要素は単回使用のみであり、眼安定要素の再使用を防止するためのタグ(例えば、無線周波数識別(RFID))を備えている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は滅菌可能ではない。いくつかの実施形態では、眼安定要素はプラスチックから構成されている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は可視光に対して透過的である。
【0014】
別の態様では、本発明は、ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置を特徴とし、ヘッド構成要素は、遠位部分および近位部分を有しており、ヘッド構成要素の遠位部分は、治療線量の近紫外線(UVA)放射をUVA放射源から対象の眼に伝達するように構成されており、ヘッド構成要素の近位部分は、ベース構成要素に取り付けられるように構成されている。装置は、UVA放射源と対象の治療部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素をさらに備えていることができる。装置はまた、近接判定要素による所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素を備えていることができ、信号は、UVA放射源を起動することで治療線量のUVA放射を所定出力で対象の眼に伝達するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、装置は、治療部位の画像を表示するように構成された撮像モジュールをさらに備えている。
いくつかの実施形態では、装置は細隙灯(スリットランプ)に取り付けられるように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、装置は、電源(例えば、電池)をさらに備えている。
いくつかの実施形態では、装置は、制御機構、例えば、制御ボタンをさらに備えている。いくつかの実施形態では、制御機構はベース構成要素上に存在する。
【0017】
いくつかの実施形態では、近接判定要素は、2つ以上のレーザーを備えている。近接判定要素は、2つ以上のレーザーの収束時に信号生成要素を活性化するように構成することができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、信号生成要素は、聴覚信号、視覚信号、または触覚信号を提供するように構成されている。
別の態様では、本発明は、ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている装置を特徴とし、ヘッド構成要素は、遠位部分および近位部分を有しており、ヘッド構成要素の遠位部分は、UVC放射源から、或る線量のUVC放射をコンタクトレンズまたは眼鏡に伝達するように構成されており、ヘッド構成要素の近位部分は、ベース構成要素に取り付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、装置は、超音波源を備えているコンタクトレンズまたは眼鏡ケースをさらに備えており、コンタクトレンズまたは眼鏡ケースは、ヘッド構成要素の遠位部分に取り付けられるとともに、或る線量の超音波を伝達するように構成されている。
【0019】
別の態様では、本発明は、組織部位に複数のエネルギー源を伝達するためのシステムを特徴とする。システムはベース構成要素を備えており、ベース構成要素は近位部分および遠位部分を有しており、遠位部分は、UVC放射源を備えている第1ヘッド;赤外線IR放射源を備えている第2ヘッド;超音波源を備えている第3ヘッド;UVA放射源を備えている第4ヘッド;UVC放射源、赤外線IR放射源、および超音波源を備えている第5ヘッド;マイクロ波放射源および強力パルス光源を備えている第6ヘッドのうちの2つ以上から選択される複数の交換可能なヘッドの1つに嵌合するように構成されている。第1ヘッドは、エネルギー源と投与部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素、近接判定要素による所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素、エネルギーの線量を調節するための開口制御用モジュール、光ガイド、および撮像モジュールのうちの1つまたは複数をさらに備えていることができる。いくつかの実施形態では、複数のエネルギー源を組織部位に伝達するためのシステムは、マイクロ波放射源および強力パルス光源を備えており、UVC放射、赤外線IR放射、超音波、マイクロ波放射、および強力パルス光を同時に投与することができる。いくつかの実施形態では、複数のエネルギー源を組織部位に伝達するためのシステムは、マイクロ波放射源および強力パルス光源を備えており、UVC放射、赤外線IR放射、超音波、マイクロ波放射、および強力パルス光を順次に投与することができる。
【0020】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、UVC放射源はLEDを備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、複数のLEDを備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射は、約100nm~約290nm(例えば、約200nm~約290nm、例えば、約220nm~約290nm、例えば、約240nm~約280nm、例えば、約250nm~約280nm、または約260nm~約280nm、例えば、約254nm、約265nm、または約275nm)のピーク波長を備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射は、約20mW/cm~約1,000mW/cmの放射強度を有する。
【0021】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、UVC放射源はLEDを備えている。いくつかの実施形態では、UVA放射源は、複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のLEDを備えている。UVA放射は、約315nm~約400nm、例えば、約365nmまたは約370nmの波長を有することができる。いくつかの実施形態では、UVA放射は、約0.5mW/cm~約100mW/cm、例えば約1mW/cm~約90mW/cm、約2mW/cm~約80mW/cm、約5mW/cm~約70mW/cm、約10mW/cm~約60mW/cm、約15mW/cm~約50mW/cm、約20mW/cm~約45mW/cm、約25mW/cm~約35mW/cmの放射強度を有する。いくつかの実施形態では、ヘッド構成要素は、UVA放射の線量を調節するように構成された開口制御要素をさらに備えている。
【0022】
いくつかの実施形態では、赤外線IR放射源はLEDを備えている。赤外線IR放射源は、複数のLEDを備えていることができる。赤外線IR放射は、約750nm~約1,000,000nmのピーク波長を備えている。赤外線IR放射は、約20mW/cm~約1,000mW/cmの放射強度を有し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、超音波は、約1MHz~約10MHzの周波数を有する。
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヘッド構成要素とベース構成要素は一体である。
【0024】
上記の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、ヘッド構成要素とベース構成要素は分離可能である。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置を提供するとともに、ヘッド構成要素の遠位部分を眼瞼に接触させるだけでなく、眼瞼に複数のエネルギー源から治療線量のエネルギーを投与することによって、眼瞼炎またはマイボーム腺疾患(MGD)を治療する方法を特徴とする。
【0025】
いくつかの実施形態では、UVC放射、赤外線IR放射、超音波、マイクロ波放射、および強力パルス光、を同時に投与することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、UVC放射、赤外線IR放射、超音波、マイクロ波放射、および強力パルス光、を順次に投与することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法は、熱を伝達する工程をさらに備えている。
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置を提供するとともに、装置を治療部位の近くに配置することによって、眼感染症(例えば、眼内炎)、癌(例えば、眼瞼癌または眼癌)を治療する方法を特徴とする。本方法は、近接判定要素によって所定距離を検出する工程と、信号生成要素によって信号を生成することでUVC放射源を起動する工程と、および治療線量のUVC放射を眼瞼または眼の治療部位に投与する工程と、を備え得る。
【0027】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置を提供するとともに、装置を治療部位の近くに配置し、近接判定要素によって所定距離を検出し、信号生成要素によって信号を生成することでUVC放射源を起動し、治療線量のUVC放射を治療部位に投与することによって、癌を治療する方法を特徴とする。
【0028】
いくつかの実施形態において、癌は、眼瞼または眼球癌である。いくつかの実施形態では、癌は、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫、ブドウ膜黒色腫、結膜黒色腫、眼窩癌、または付属器癌、である。
【0029】
本明細書に記載の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、例えば、癌細胞または前癌細胞を含んでいる、癌、異常増殖、および/または異形成、を治療するための装置および方法が使用され得る。
【0030】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置を提供するとともに、光ガイドを治療部位に近接して配置することによって、対象の組織を殺菌する方法を特徴とする。本方法は、近接判定要素によって所定距離を検出する工程と、信号生成要素によって信号を生成することでUVC放射源を起動する工程と、および治療線量のUVC放射を、光ガイドを介して対象の組織の治療部位に投与する工程と、を備え得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、組織は、眼、鼻腔、口腔、皮膚組織、および管腔から選択される。いくつかの実施形態では、対象は、細菌感染(例えば、クラミジア・トラコマチス、肺炎連鎖球菌、インフルエンザ菌)、真菌感染、アメーバ感染、寄生虫感染(例えば、トキソカラ、トキソプラズマ、感染性網膜炎)、またはウイルス感染(例えば、呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザウイルス、またはSARS-CoV2)を有するか、または有する疑いがある。いくつかの実施形態では、対象は尋常性ざ瘡および/または酒さ性ざ瘡を有する。いくつかの実施形態では、対象は、例えばピロリ菌によって引き起こされる潰瘍を有する。いくつかの実施形態において、対象は、ヘルペスウイルス感染を有するか、または有する疑いがある。いくつかの実施形態では、対象は、ヒト免疫不全ウイルス感染を有するか、または有する疑いがある。いくつかの実施形態では、ヘルペスウイルス感染は、上皮組織、例えば生殖器組織、唇、または皮膚の他の部分に位置する。いくつかの実施形態において、対象は、ヒトパピローマウイルス感染を有するか、または有する疑いがある。いくつかの実施形態では、ヒトパピローマウイルス感染は、子宮頸部の組織に位置する。
【0032】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置を提供するとともに、装置を治療部位の近くに配置することによって、対象の角膜拡張症(例えば、円錐角膜)を治療する方法を特徴とし、対象は、或る用量の光活性剤を投与されている。適切な光活性剤には、リボフラビン、ローズベンガル、ポルフィリンベースの光増感剤、ソラレン、キノン、アントラサイクリン、アントラセンジオン、キサンテン、フルオレセイン、ローダミン、フタレイン、シアニン、カルコゲナピリリウム染料、トリアリールメタン染料、フェノチアジン、フェノキサジン、アクリジン、ヒペリシン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、5-アミノレブリン酸、シプロフロキサシン、およびキニーネ、が含まれるが、これらに限定されない。光活性剤は、治療部位に投与することができる。いくつかの実施形態では、方法は、近接判定要素によって所定距離を検出する工程、信号生成要素によって信号を生成することでUVA放射源を起動する工程、および治療線量のUVA放射を眼の治療部位に投与する工程、を備えている。
【0033】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の装置を提供する工程、コンタクトレンズまたは眼鏡をケースに入れる工程、およびコンタクトレンズまたは眼鏡にUVC放射源および超音波源を投与する工程を備えている、コンタクトレンズまたは眼鏡を殺菌する方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、UVC放射および超音波が同時に投与される。いくつかの実施形態では、UVC放射および超音波が順次に投与される。
【0034】
別の態様では、本発明は、近位端および遠位端を有しており、UVC放射源からUVC放射の治療線量を対象の眼に向けるように構成されたコンタクトレンズを特徴とする。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズはUVC放射源を備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射源はLEDを備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上)のLEDを備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、複数の表面実装装置(SMD)LEDを備えている。いくつかの実施形態では、複数のLEDは、コンタクトレンズに取り付けられるように構成されているか、レンズ内に組み込まれるように構成されているか、またはレンズを通して集束されるように構成されている。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズの近位端は、対象の眼に接触するように構成されており、遠位端は、UVC放射の外部源に結合するように構成されている。いくつかの実施形態では、UVC放射の外部供給源は、光ガイドを通して治療線量のUVCをコンタクトレンズの遠位端に伝達する。いくつかの実施形態では、UVC放射は、約100nm~約290nm(例えば、約200nm~約290nm、例えば、約220nm~約290nm、例えば、約240nm~280nm、例えば、約250nm~約280nm、または約260nm~約280nmまで、例えば、約254nm、約265nm、または約275nm)のピーク波長を備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射は、約20mW/cm~約1,000mW/cmの放射強度を有する。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、電池、エネルギー伝達アンテナ、太陽電池、慣性パワーハーベスタ、または電気プラグ、である電源を備えている。
【0035】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載のUVC放射源を有するコンタクトレンズを提供する工程、眼感染部位にコンタクトレンズを配置する工程、および治療線量のUVC放射を眼瞼または目の治療部位に投与する工程を備えている、眼感染症を治療する方法を特徴とする。
【0036】
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の治療装置を提供するとともに、治療線量のUVC放射を創傷に投与する工程を備えている、対象の創傷を治療する方法を特徴とする。
【0037】
<定義>
本発明の理解を容易にするべく、多数の用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する分野の当業者によって一般的に理解される意味を有する。「a」、「an」、および「the」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図したものではなく、実例として特定の例に使用できる一般的なクラスを備えている。本明細書における用語は、本発明の特定の実施形態を説明するべく使用されるが、それらの使用は、特許請求の範囲で概説される場合を除き、本発明を限定しない。
【0038】
本明細書中で使用する場合、用語「約」とは、記載する値から10%以内で上回るかまたは下回る値を指す。
本明細書で使用される「癌」という用語は、制御されない細胞分裂、および細胞が転移する能力、または追加の部位で新たな成長を確立する能力によって引き起こされる疾患を指す。癌という用語には、例えば、白血病、セミノーマ、黒色腫、奇形腫、リンパ腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、副腎癌、甲状腺癌、血液癌、皮膚癌、脳癌、子宮頸癌、腸癌、肝臓癌、結腸癌、胃癌、腸癌、頭頸部癌、消化器癌、リンパ節癌、食道癌、結腸直腸癌、膵臓癌、耳鼻咽喉癌(ENT)、乳癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、肺癌とその転移が含まれる。その例は、肺癌腫、乳癌腫、前立腺癌腫、結腸癌腫、腎細胞癌腫、子宮頸癌腫、または上記の種類の癌または腫瘍からの転移である。本発明による癌という用語は、癌転移および/または周囲組織の癌、例えば、眼窩癌または付属器癌も包含する。本明細書で使用される場合、癌には、例えば、癌性および前癌性の細胞または組織を備えている、新形成および異形成も含まれる。
【0039】
本明細書で使用される「エネルギーの殺菌線量」という用語は、例えば、標的部位の微生物負荷(例えば、細菌負荷、真菌、原生動物、寄生虫、またはウイルス負荷)を減らすべく、適切な治療レジメンで使用した場合に意図した殺菌の効果を達成するのに適した電磁エネルギー(例えば、UV)、機械エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、熱エネルギー、またはそれらの任意の組み合わせの量を指す。
【0040】
本明細書で使用する「エネルギーガイド」という用語は、任意の種類のエネルギー(例えば、電磁エネルギー、機械エネルギー、熱エネルギー)を一方の端から他方の端まで運ぶことができる任意の要素を指す。一実施形態では、光ガイドは光ファイバーであり得る。よく知られている光ファイバーには、溶融シリカ、純粋なシリカ、有機シリコン、中空チューブ、クラッドおよび非クラッドファイバーで作られたファイバーが含まれており、ファイバーは単数または束である。光ファイバーは、透明な導電性材料、例えばSrNbO3で作成することもできる。他の光ファイバーには、水ベースの液体ファイバー、またはアルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、および有効波長の伝送に適した他の液体などの他の希釈剤を備えており、赤外線エネルギーを備えている熱エネルギーを減らすことができるものもある。
【0041】
本明細書で使用される「エネルギー源」という用語は、電磁放射、機械的エネルギー(例えば、音または超音波)、熱エネルギー、またはそれらの任意の組み合わせの源を指す。エネルギー源には複数のエネルギー源を含めることができ、エネルギー源からのエネルギーは、標的部位に直接投与するか、エネルギーガイドを介して投与することができる。
【0042】
本明細書で使用される「撮像モジュール」という用語は、ビデオ信号を生成するべく使用される撮像素子(撮像要素)および処理回路を表す。
本明細書で使用される「一体型」という用語は、装置全体の一部としての、関連する、または属することを指し、つまり、全体の完全性に必要である、または全体を構成する部分からなる、または構成することを指す。
【0043】
本明細書で使用される「強力パルス光」または「IPL」という用語は、様々な波長範囲を有しており、強力なパルスの形態で周期的に放射される非レーザー光を指す。例えば強力パルス光IPLは、約300~1200nm(強力パルス光IPL装置によって異なる)の波長範囲の光であり、強いパルスの形で周期的に放出される。強力パルス光IPL照射装置は、約300~1,200nmの波長の光を発するランプフラッシュを使用することで、フィルタによって発せられる光の波長を制御する。強力パルス光IPLエネルギーは、パルス持続時間が2~25ms、パルス間遅延が10~500msの一連のシングル、ダブル、またはトリプルパルスシーケンスとして供給される。強力パルス光IPL放射エネルギー密度は5J/cm~60J/cmの範囲であり得る。
【0044】
本明細書で使用される「光ガイド」という用語は、入力端で光を受け取り、大きな損失なしに出力端または抽出機構に光を伝播する物品を指す。一般に、光ガイドは全反射の原理に基づき動作し、これによって、光ガイドを通過する光は、光ガイドの材料および、例えば、空気、クラッディングなど光ガイドのすぐ周囲の材料の屈折率の違いに基づき、光ガイドの表面で反射される。
【0045】
本明細書で使用される「近接判定要素」(近接判定素子)という用語は、本明細書に記載の装置から、治療または投与部位の表面までの距離を測定できる任意の装置を指す。
本明細書で使用される「呼吸器感染症」という用語は、例えば、肺、喉頭蓋、気管、気管支、細気管支、または肺胞、などの気道の1つまたは複数の構成要素における病原性微生物(例えば、細菌およびウイルス)による侵入および/または増殖および/またはコロニー形成を備えている。
【0046】
本明細書で使用される「分離可能」という用語は、作業インタフェースで接続を係合または解放することによって容易に接続または切断することができる、装置構成要素、モジュール、要素、またはそれらの任意のバリエーション、を指す。
【0047】
本明細書で使用される場合、「信号生成要素」という用語は、例えば、本明細書に記載の装置の近接判定要素によって測定される、測定された距離に応じて検出可能な信号(例えば、報知音、視覚的な合図、触覚フィードバック)を提供することができる装置の構成要素を指す。
【0048】
本明細書で使用される「消毒」および「殺菌」という用語、またはその変形、は生体組織または対象の体の一部の上または内部、または無生物の物体上または内部の微生物の負荷(例えば、病原菌および/または非病原性)の減少を指す。本明細書で使用されるこれらの用語は、交換可能に使用することができる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、状態または後遺症の治療を必要とする、またはそれらの影響を受けやすいヒトを含んでいる哺乳動物を指す。対象には、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、マウス、およびヒト、が含まれる。「対象」という用語は、あらゆる点で正常な個人を除外するものではない。
【0050】
本明細書で使用される「十分な距離および時間」という用語は、装置によって生成される光または他のエネルギーが形成される(例えば、機械的または熱的)標的部位(例えば、身体の一部、表面、または物体)が、治療線量のエネルギーを伝達するべく照射される時間および距離を指す。一実施形態では、約0.01秒~約30分である。一実施形態では、シャッターを利用することで、エネルギー源から標的部位へのエネルギーの通過を開閉および調節する。照射は、特に、治療線量のエネルギーを身体の内腔に直接または対象の皮膚を通じて投与するべく、エネルギー源の端から直接行うことも、エネルギーガイドの端に存在するエネルギーガイド(例えば、光ガイド)を介して延長することもできる。
【0051】
本明細書で使用される「治療線量のエネルギー」という用語は、例えば、疾患の症状または状態の重症度を軽減するための適切な治療レジメンの意図した治療的効果を達成するべく適切な電磁エネルギー、機械的エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、熱エネルギー、またはそれらの組み合わせの量を指す。印加されるエネルギー線量が次の効果をもたらすのに十分である場合、その線量は、癌または転移の治療のための治療線量と見なすことができる:腫瘍または転移の増殖が遅くなるまたは停止する、または腫瘍または転移のサイズの減少が見つかる、および/または患者の寿命がより長くなる。印加されるエネルギー量が次の効果をもたらすのに十分である場合、その線量は、細菌感染症、真菌感染症、原虫感染症、またはウイルス感染症の治療のための治療線量と見なすことができる:感染が遅くなるまたは停止する、および/または患者の寿命がより長くなる。適切な治療線量は、一般に、治療が有益であるという条件で、例えば副作用および毒性が許容される場合、治療効果と、許容される毒性と、の間のバランスをとる。
【0052】
本明細書で使用される「治療」(トリートメント)(「治療する」(トリート)または「治療すること」(トリーティング)ともいう)という用語は、その最も広い意味で、特定の疾患、障害、または状態の1つまたは複数の症状、特徴、または原因の発症を、部分的または完全に緩和させる、改善させる、回復させる、阻害させる、発病を遅延させる、重症度を軽減させる、または発生率を低下させる治療薬(例えば、紫外線)の任意の投与を指す。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連疾患、障害、もしくは状態の兆候を示さない対象、または疾患、障害、または状態の初期徴候のみを示す対象に投与され得る。代替的にまたは付加的に、いくつかの実施形態では、治療は、関連疾患、障害、または状態のうちの1つまたは複数の確立された徴候を示す対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、または状態を患っていると診断された対象のものであり得る。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、または状態の発症リスクの増加に統計的に相関する1つまたは複数の感受性因子を有することが知られている対象のものであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】治療装置の制御側を示す概略図である。ベース構成要素、制御ボタン、および交換可能なヘッド構成要素(アスタリスクで示される)が示されている。
図2】治療装置の治療面を示す概略図である。ベース構成要素、UVCLED源、および交換可能なヘッド構成要素(アスタリスクで示される)が示されている。
図3】治療装置および充電ドッキングステーションの側面図を示す概略図である。
図4】治療伝達装置の内部構成要素を示す概略図である。制御ボタン、制御回路、充電コネクタ、バッテリー、およびUVCLED構成要素が示されている。
図5】エネルギー伝達ヘッド構成要素を示す概略図である。複数のUVCLEDが描かれており、加熱要素と蓋検鏡を備えているモジュールに接続することができる。
図6】超音波変換器および加熱要素で構成されたエネルギー伝達ヘッド構成要素を示す概略図である。
図7】UVC光、超音波、および熱、を伝達するように構成されたエネルギー伝達ヘッドモジュールの複数の画像を示す概略図である。図7のA部分は超音波変換器を示し、B部分は加熱要素を示し、C部分およびD部分はUVCLEDを示す。
図8】UVC光、超音波、および熱、を伝達するように構成されたエネルギー伝達ヘッドモジュールを示す概略図である。
図9】治療装置の制御側を示す概略図である。ヘッド構成要素、制御ボタン、電源ボタン、およびベース構成要素が表示されている。
図10】ベース構成要素およびヘッド構成要素を備えている治療装置の側面図を示す概略図である。
図11】治療装置の治療側を示す概略図である。撮像モジュール(HDカメラ)、UVCLED源、近接測定要素、およびベース構成要素、が示されている。
図12】治療装置の制御側を示す概略図である。ビデオ画面、ヘッドモジュール、制御ボタン、電源ボタン、およびベース構成要素が表示されている。
図13】治療装置の制御側を示す概略図である。ビデオ画面、ヘッドモジュール、制御ボタン、電源ボタン、およびベース構成要素、が表示されている。
図14】治療装置の治療側を示す概略図である。撮像モジュール(HDカメラ)、UVCLED源、近接測定要素、およびベース構成要素、が示されている。
図15】治療装置の制御側を示す概略図である。信号生成要素(ビデオ画面)、制御ボタン、電源ボタン、およびベース構成要素、が示されている。
図16】治療装置の治療側を示す総合的な概略図である。近接測定要素およびUVALEDのアレイが示されている。
図17】治療装置の治療側を示す概略図である。近接測定要素およびUVALEDのアレイが示されている。
図18】UVC殺菌装置の概略図である。複数のUVCLED源、超音波を伝達するように構成されたベース構成要素、およびコンタクトレンズウェル、が示されている。
図19】UVC殺菌装置の概略図である。複数のUVCLED源、超音波を伝達するように構成されたベース構成要素、およびコンタクトレンズウェル、が示されている。
図20】UVC殺菌装置の上面図の概略図である。複数のUVCLED源、超音波を伝達するように構成されたベース構成要素、およびコンタクトレンズウェル、が示されている。
図21】UVC殺菌装置の側面図の概略図である。超音波およびUVCを伝達するように構成された制御回路コンパートメントならびにバッテリーコンパートメントが表示されている。
図22】UVC殺菌装置のベースの内部構成要素の概略図である。超音波およびUVCを伝達するように構成された制御回路コンパートメント、バッテリーコンパートメント、ならびに超音波変換器、が表示されている。
図23】UVC滅菌装置のヘッド構成要素の遠位端に接続されて示される硝子体切除要素の実施形態の概略図である。硝子体プローブおよび硝子体プローブ開口部が表示されている。この実施形態では、UVC放射は、硝子体切除要素の一端から入るとともに、眼の内部領域に挿入されるように構成された硝子体プローブ開口部から出る。
図24A】直径6mmのベース、長さ12mmの硝子体プローブ、および直径1mmの硝子体プローブ開口部、有する硝子体切除要素の実施形態の側面図の概略図である。
図24B】直径1mmの硝子体プローブ開口部を有する硝子体切除要素の一実施形態の斜視図の概略図である。
図25】眼の硝子体にUVC光を伝達する光ガイドの実施形態を示す概略図である。硝子体の一部を摘出するべく針が併用され得る。
図26】近位端から遠位端までの長さが10mmである眼安定要素の実施形態の概略図である。遠位端は滑らかなエッジとして示されている。眼安定要素は、遠位端よりも近位端でより大きな直径を有する円錐の形状で示されている。遠位端は対象の眼に接触することで眼を安定させ、眼球運動を最小限に抑える。近位端は、装置のヘッド構成要素の遠位端に取り付けられるように構成されている。図26のA部分は側面図であり、B部分は斜視図である。遠位端は直径6mmで示され、近位端は直径10mmで示されている。
図27A】眼安定要素の一実施形態の概略図である。遠位端は滑らかなエッジを有するものとして示されている。眼安定要素は、遠位端よりも近位端でより大きな直径を有する円錐の形状で示されている。遠位端は対象の眼に接触することで眼を安定させ、眼球運動を最小限に抑える。近位端は、装置のヘッド構成要素の遠位端に取り付けられるように構成されている。
図27B】眼安定要素の一実施形態の概略図である。遠位端は、歯付きの城郭状の縁を有するものとして示されている。眼安定要素は、遠位端よりも近位端でより大きな直径を有する円錐の形状で示されている。遠位端は対象の眼に接触することで眼を安定させ、眼球運動を最小限に抑える。近位端は、装置のヘッド構成要素の遠位端に取り付けられるように構成されている。
図28A】治療線量のUVCを対象の口に伝達する(例えば、歯肉炎を治療する)ために使用される光ガイドの実施形態の概略図である。この例示的な実施形態は、近位端から遠位端までの長さが40mmであり、近位端で直径が15mmであることが示されている。光ガイドは、近位端で装置のヘッド構成要素に取り付けられるように構成されている。光ガイドは、遠位端でUVCLEDと共に構成されている。
図28B】治療線量のUVCを対象の口に伝達する(例えば、歯肉炎を治療する)ために使用される光ガイドの実施形態の上面図の概略図である。UVCLEDが表示されている。
図28C】治療線量のUVCを対象の口に伝達する(例えば、歯肉炎を治療する)ために使用される光ガイドの実施形態の側面図の概略図である。近位端および遠位端、ならびに遠位端のUVCLEDが示されている。
図28D】治療線量のUVCを対象の口に伝達する(例えば、歯肉炎を治療する)ために使用される光ガイドの実施形態の側面図である。ヘッド構成要素とベース構成要素とUVCLEDと、に取り付けられている光ガイドが示されている。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明は、治療用または殺菌用の紫外線(UV)放射を伝達するための装置、システム、およびそれらの使用方法を特徴とする。本明細書に記載の装置およびシステムは、眼瞼炎、マイボーム腺疾患(MGD)、眼癌、眼感染症、および円錐角膜などの眼の状態の治療を備えている、さまざまな目的に使用することができる。本明細書に記載の装置を使用することで、対象の目、鼻腔、口腔、皮膚組織、または管腔などの様々な組織に殺菌または治療用放射を伝達することができる。装置はまた、癌(例えば、眼または眼瞼の癌)、新形成、および/または異形成、を治療するべく使用することができる。一般に、装置は、ベース構成要素およびそれに取り付けられたヘッド構成要素を備えており、ヘッド構成要素は、対象の治療部位に、または装置に治療用または殺菌用のUV放射(例えば、UVAまたはUVC)を伝達するように構成されている。装置はまた、単一の装置を複数の交換可能なヘッドと共に使用できるように多機能に設計することもでき、各ヘッドは所望の目的または機能に応じて使用することができる。装置およびシステムの構成要素については、以下でより詳細に説明する。
【0055】
<ベース構成要素>
本明細書に記載の装置のベース(基部)構成要素は、遠位部分および近位部分を備えており、近位部分は、ヘッド(頭部)構成要素を接続するように構成されている。ベース構成要素は、その上にヘッド構成要素を収容するように適切に構成されているように、任意の適切なサイズおよび形状を有することができる。ベース構成要素は、ハンドヘルド装置を簡単に制御できるように、人間工学に基づく設計にすることができる。例えば、ベース構成要素は、例えば医療提供者などのユーザが装置を容易に操作できるように、ハンドルを備えていることができる。ベース構成要素は、顕微鏡、細隙灯(スリットランプ)、電源、またはエネルギー源(例えば、UV(例えば、UVAまたはUVC)、赤外線IR、熱、および超音波)などの別の装置または機器に取り付けられるように構成することができる。ベース構成要素は、ヘッド構成要素または他のアクセサリ構成要素を取り付けるべく、例えばその遠位部分にハウジングを備えていることができる。ベース構成要素は、ベース構成要素を別の器具、例えば細隙灯に取り付けるためのハウジングを備えていることができる。ベース構成要素は、ヘッド構成要素に取り外し可能に取り付けられる(例えば、分離可能とされる)ように設計することができ、ベース構成要素およびヘッド構成要素はシステムを形成する。代替的に、ベース構成要素は、ヘッド構成要素とで一体になるように設計することができる。
【0056】
<ヘッド構成要素>
本明細書に記載される装置のヘッド構成要素は、遠位部分および近位部分を備えており、遠位部分は、治療エネルギー源(例えば、UV、赤外線IR、熱、マイクロ波、強力パルス光、および/または超音波)を治療または滅菌の部位に伝達する。ヘッド構成要素の近位部分は、ベース構成要素に取り付けられるか、または装着されるように構成されている。ヘッド構成要素は、例えば、治療エネルギーを適切な部位(例えば、目、眼瞼、鼻腔、口腔、歯腔、歯周組織、皮膚組織、または内腔(例えば、胃腸管腔、口腔咽頭管腔、生殖器管腔、または尿管腔))に伝達するべく、任意の好適なジオメトリを有することができる。例えば、眼瞼に治療エネルギーを伝達するように構成された装置は、対象の眼瞼または眼瞼のセットに適合するように構成されたサイズおよび形状(例えば、曲率)を有するヘッド構成要素を備えていることができる。いくつかの実施形態では、ヘッド構成要素は、治療部位に接触するように構成されたアタッチメントを備えていることができる。いくつかの実施形態では、ヘッド構成要素は、歯、歯の一部、虫歯、または歯腔(例えば、根管または抜歯処置中)に治療用UV放射を伝達するように構成された光ガイドを備えている。いくつかの実施形態では、光ガイドは、歯またはその一部が以前に除去された領域にUV放射を伝達するように構成されている。
【0057】
ヘッド構成要素は、治療エネルギー源を収容することができ、例えば、治療エネルギー源(例えば、UV)は、ヘッド内またはヘッド上に一体化される。代替的に、ヘッド構成要素は、エネルギー源を介して治療エネルギー源を適用部位に向ける送出機として機能することができる。いくつかの実施形態では、装置は、UV放射を伝達するための光ガイドをさらに備えている。光ガイドはヘッド構成要素に取り付けられることができ、光ガイドを介して源から適用部位に治療エネルギーを伝達する。
【0058】
<UV放射>
本明細書に記載の装置は、UV放射源を備えている。UV放射は、例えば、UVC放射、UVA放射、またはそれらの組み合わせであり得る。UVC放射は、約100nm~約280nm(例えば、約200nm~約280nm、例えば、約220nm~約280nm、例えば、約240nm~270nm、例えば、約250nm~約270nm、または約260nm~約270nmまで、例えば、約254nm、約255nm、または約265nm)の波長を有することができる。UVA放射は、約315nm~約400nmまの波長を有することができる。UV放射源は、複数の波長で放射を放出するように構成することができる。放射源は、選択された波長で放射を放出するように調整可能である。UV放射源は、UV放射を放出する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)または複数のLEDを備えていることができる。例えば、放射源は、UV放射を放出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のLEDを備えていることができる。一実施形態では、UV放射源は8個のLEDを備えている。
【0059】
いくつかの実施形態では、UV放射源は、約0.005mW~約50mW(例えば、約0.005mW~約5mW、例えば、約0.01mW~約1mW)の電力出力(パワーアウトプット)を有する。例えば、UV放射源は、約0.005mW~約0.01mW、例えば、約0.006mW、0.007mW、0.008mW、0.009mW、または0.01mW、例えば、約0.01mW~約0.01mW、0.1mW、例えば、約0.02mW、0.03mW、0.04mW、0.05mW、0.06mW、0.07mW、0.08mW、0.09mW、または0.1mW、例えば、約0.1mW~約1mW、例えば、約0.2mW、0.3mW、0.4mW、0.5mW、0.6mW、0.7mW、0.8mW、0.9mW、または1mW、例えば、約1mW~約10mW、例えば、約2mW、3W、4mW、5mW、6mW、7mW、8mW、9mW、または10mW、例えば、約10mW~約50mW、例えば、約15mW、20mW、25mW、30mW、35mW、40mW、45mWmW、または50mWの電力出力を有することができる。放射源の電力(パワー)は、所望の電力出力を放出するように調整可能である。
【0060】
UV放射源は、目の表面全体を照射するように構成することができる。UV放射源は、約10cm未満、例えば、約9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4cm、3cm、2cm、1cm、0.9cm、0.8cm、0.7cm、0.6cm、0.5cm、0.4cm、0.3cm、0.2cm、または0.1cm未満の最大寸法を有する組織のゾーンを照射するように構成することができる。放射源は、組織の実質的に円形のゾーン、組織の細長いゾーン、または身体組織の環状ゾーンを照射するように構成することができる。いくつかの実施形態では、放射源は、サイズおよび/または照射されるゾーンの形状を調整するべく調整可能であるように構成されている。装置は、体組織のゾーン全体でUV放射をスキャンするように構成することができる。これは、例えば、ベース構成要素またはその上のハンドルを動かすことによって、または例えばヘッド構成要素内の構成要素を回転または移動させることによって達成することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、UV放射源は、約0.01mW/cm~約500mW/cm、例えば、約0.01mW/cm~約50mW/cm、例えば、約0.01mW/cm~約5mW/cmの放射強度を生成する。例えば、UV放射源は、約0.01mW/cm~約0.1mW/cm、例えば、約0.02mW/cm、0.03mW/cm、0.04mW/cm、0.05mW/cm、0.06mW/cm、0.07mW/cm、0.08mW/cm、0.09mW/cm、0.1mW/cm、例えば、約0.1mW/cm~約1mW/cm、例えば約0.2mW/cm、0.3mW/cm、0.4mW/cm、0.5mW/cm、0.6mW/cm、0.7mW/cm、0.8mW/cm、0.9mW/cm、または1mW/cm、例えば、約1からmW/cm~約10mW/cm、例えば、約2mW/cm,3mW/cm、4mW/cm、5mW/cm、6mW/cm、7mW/cm、8mW/cm、9mW/cm、10mW/cm、例えば、約10mW/cm~約100mW/cm、例えば、約20mW/cm、30mW/cm、40mW/cm,50mW/cm、60mW/cm,70mW/cm、80mW/cm、90mW/cm、または100mW/cm、例えば、約100mW/cm~約500mW/cm、例えば、約150mW/cm、200mW/cm、250mW/cm、300mW/cm、350mW/cm、400mW/cm、450mW/cm、または500mW/cmの放射強度を生成することができる。
【0062】
UV放射源は、一定期間にわたって投与することができる。線量は、連続線量またはパルスとして投与することができる。線量は、例えば、約0.01秒~約600秒、例えば、約0.01秒~約0.1秒、例えば、約0.02秒、0.03秒、0.04秒、0.05秒、0.06秒、0.07秒、0.08秒、0.09秒、または0.1秒、例えば、約0.1秒~約1秒、例えば、約0.2秒、0.3秒、0.4秒、0.5秒、0.6秒、0.7秒、0.8秒、0.9秒、または1秒、例えば、約1秒~約10秒、例えば、約2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、または10秒、例えば、約10秒~約100秒、例えば、約20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、または100秒、例えば、約100秒~約600秒、例えば、約110秒、120秒、150秒、180秒、240秒、270秒、300秒、330秒、360秒、390秒、420秒、450秒、480秒、510秒、540秒、570秒、または600秒投与することができる。放射のパルス線量は、例えば、約0.01~約100、例えば、約0.01~約0.1、例えば、約0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1、例えば、約0.1~約1、例えば、約0.2、0.3、0、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1、例えば、約1~約10、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、または10、例えば、約10~約100、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、または100のオン時間とオフ時間の比を備えていることができる。放射のパルス線量は、正方形、三角形、正弦波、のこぎり波、およびそれらの重ね合わせまたは組み合わせからなる群から選択されるパルス形状または波形を備えていることができる。
【0063】
UV放射源は、約0.01mJ/cm~約500mJ/cm、例えば、約0.01mJ/cm~約250mJ/cm、例えば、約0.01mJ/cm~約15mJ/cm、例えば約1mJ/cm~約15mJ/cmの線量で投与することができる。例えば、放射源は、約0.01mJ/cm~約0.1mJ/cm、例えば、約0.02mJ/cm、0.03mJ/cm、0.04mJ/cm、0.05mJ/cm、0.06mJ/cm、0.07mJ/cm、0.08mJ/cm、0.09mJ/cm、または0.1mJ/cm、例えば、約0.1mJ/cm~約1mJ/cm、例えば、約0.2mJ/cm、0.3mJ/cm、0.4mJ/cm、0.5mJ/cm、0.6mJ/cm、0.7mJ/cm、0.8mJ/cm、0.9mJ/cm、または1mJ/cm、例えば、約1mJ/cm~約10mJ/cm、例えば、約2mJ/cm、3mJ/cm、4mJ/cm、5mJ/cm、6mJ/cm、7mJ/cm、8mJ/cm、9mJ/cm、または10mJ/cm、例えば、約10mJ/cm~約100mJ/cm、例えば、約20mJ/cm、30mJ/cm、40mJ/cm、50mJ/cm、60mJ/cm,70mJ/cm、80mJ/cm、90mJ/cm、または100mJ/cm、例えば、約100mJ/cm~約250mJ/cm、例えば、約125mJ/cm、150mJ/cm、175mJ/cm、200mJ/cm、225mJ/cm、または250mJ/cmの線量で投与することができる。いくつかの実施形態では、UV放射源は、UV放射の焦点を調整するように構成された適応光学構成要素を備えている。
【0064】
<赤外線IR放射>
本明細書に記載の装置は、赤外線IR放射源を備えていることができる。赤外線IR放射は、約750nm~約1,000,000nm(例えば、約800nm~約900,000nm、約810nm~約500,000nm、約820nm~約250,000nm、約830nm~約100,000nm、約850nm~約50,000nm、約860nm~約25,000nm、約870nm~約10,000nm、約880nm~約9,000nm、約890nm~約8,000nm、約900nm~約7,000nm、約910nm~約6,000nm、約920nm~約5,000nm、約930nm~約4,000nm、約940nm~約3,000nm、約950nm~約2,500nm、約960nm~約2,400nm、約970nm~約2,300nm、約980nm~約2,200nm、約990nm~約2,100nm、または約1,000nm~約2,000nm)の波長を有することができる。赤外線IR放射源は、複数の波長で放射を放出するように構成することができる。放射源は、選択された波長で放射を放出するように調整可能である。赤外線IR放射源は、赤外線IR放射を放出する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)または複数のLEDを備えていることができる。例えば、放射源は、赤外線IR放射を放出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のLEDを備えていることができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、赤外線IR放射源は、約0.005mW~約50mW(例えば、約0.005mW~約5mW、例えば、約0.01mW~約1mW)の電力出力を有する。例えば、赤外線IR放射源は、約0.005mW~約0.01mW、例えば、約0.006mW、0.007mW、0.008mW、0.009mW、または0.01mW、例えば、約0.01mW~約0.01mW、0.1mW、例えば、約0.02mW、0.03mW、0.04mW、0.05mW、0.06mW、0.07mW、0.08mW、0.09mW、または0.1mW、例えば、約0.1mW~約1mW、例えば、約0.2mW、0.3mW、0.4mW、0.5mW、0.6mW、0.7mW、0.8mW、0.9mW、または1mW、例えば、約1mW~約10mW、例えば、約2mW、3W、4mW、5mW、6mW、7mW、8mW、9mW、または10mW、例えば、約10mW~約50mW、例えば、約15mW、20mW、25mW、30mW、35mW、40mW、45mWmW、または50mWの電力出力を有することができる。放射源の電力は、所望の電力出力を放出するように調整可能である。
【0066】
赤外線IR放射源は、約10cm未満(例えば、約90mm、80mm、70mm、60mm、50mm、40mm、30mm、20mm、または10mm、例えば、約9mm、8mm、7mm、6mm、5m、4mm、3mm、2mm、または1mm未満)の最大寸法を有する組織のゾーンを照射するように構成することができる。放射源は、組織の実質的に円形のゾーン、組織の細長いゾーン、または身体組織の環状ゾーンを照射するように構成することができる。いくつかの実施形態では、放射源は、サイズおよび/または照射されるゾーンの形状を調整するべく調整可能であるように構成されている。装置は、体組織のゾーン全体で赤外線IR放射をスキャンするように構成することができる。これは、例えば、ベース構成要素またはその上のハンドルを動かすことによって、または例えばヘッド構成要素内の構成要素を回転または移動させることによって達成することができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、赤外線IR放射源は、約0.01mW/cm~約500mW/cm、例えば、約0.01mW/cm~約50mW/cm、例えば、約0.01mW/cm~約5mW/cmの放射強度を生成する。例えば、赤外線IR放射源は、約0.01mW/cm~約0.1mW/cm、例えば、約0.02mW/cm、0.03mW/cm、0.04mW/cm、0.05mW/cm、0.06mW/cm、0.07mW/cm、0.08mW/cm、0.09mW/cm、0.1mW/cm、例えば、約0.1mW/cm~約1mW/cm、例えば約0.2mW/cm、0.3mW/cm、0.4mW/cm、0.5mW/cm、0.6mW/cm、0.7mW/cm、0.8mW/cm、0.9mW/cm、または1mW/cm、例えば、約1~mW/cm~約10mW/cm、例えば、約2mW/cm,3mW/cm、4mW/cm、5mW/cm、6mW/cm、7mW/cm、8mW/cm、9mW/cm、10mW/cm、例えば、約10mW/cm~約100mW/cm、例えば、約20mW/cm、30mW/cm、40mW/cm,50mW/cm、60mW/cm,70mW/cm、80mW/cm、90mW/cm、または100mW/cm、例えば、約100mW/cm~約500mW/cm、例えば、約150mW/cm、200mW/cm、250mW/cm、300mW/cm、350mW/cm、400mW/cm、450mW/cm、または500mW/cmの放射強度を生成することができる。
【0068】
赤外線IR放射源は、一定期間にわたって投与することができる。線量は、連続線量またはパルスとして投与することができる。線量は、例えば、約0.01秒~約600秒、例えば、約0.01秒~約0.1秒、例えば、約0.02秒、0.03秒、0.04秒、0.05秒、0.06秒、0.07秒、0.08秒、0.09秒、または0.1秒、例えば、約0.1秒~約1秒、例えば、約0.2秒、0.3秒、0.4秒、0.5秒、0.6秒、0.7秒、0.8秒、0.9秒、または1秒、例えば、約1秒~約10秒、例えば、約2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、または10秒、例えば、約10秒~約100秒、例えば、約20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、または100秒、例えば、約100秒~約600秒、例えば、約110秒、120秒、150秒、180秒、240秒、270秒、300秒、330秒、360秒、390秒、420秒、450秒、480秒、510秒、540秒、570秒、または600秒投与することができる。放射のパルス線量は、例えば、約0.01~約100、例えば、約0.01~約0.1、例えば、約0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1、例えば、約0.1~約1、例えば、約0.2、0.3、0、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1、例えば、約1~約10、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、または10、例えば、約10~約100、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、または100のオン時間とオフ時間の比を備えていることができる。
【0069】
赤外線IR放射源は、約0.01mJ/cm~約500mJ/cm、例えば、約0.01mJ/cm~約250mJ/cm、例えば、約0.01mJ/cm~約15mJ/cm、例えば約1mJ/cm~約15mJ/cmの線量で投与することができる。例えば、放射源は、約0.01mJ/cm~約0.1mJ/cm、例えば、約0.02mJ/cm、0.03mJ/cm、0.04mJ/cm、0.05mJ/cm、0.06mJ/cm、0.07mJ/cm、0.08mJ/cm、0.09mJ/cm、または0.1mJ/cm、例えば、約0.1mJ/cm~約1mJ/cm、例えば、約0.2mJ/cm、0.3mJ/cm、0.4mJ/cm、0.5mJ/cm、0.6mJ/cm、0.7mJ/cm、0.8mJ/cm、0.9mJ/cm、または1mJ/cm、例えば、約1mJ/cm~約10mJ/cm、例えば、約2mJ/cm、3mJ/cm、4mJ/cm、5mJ/cm、6mJ/cm、7mJ/cm、8mJ/cm、9mJ/cm、または10mJ/cm、例えば、約10mJ/cm~約100mJ/cm、例えば、約20mJ/cm,30mJ/cm,40mJ/cm,50mJ/cm、60mJ/cm、70mJ/cm、80mJ/cm、90mJ/cm、または100mJ/cm、例えば、約100mJ/cm~約250mJ/cm、例えば、約125mJ/cm、150mJ/cm、175mJ/cm、200mJ/cm、225mJ/cm、または250mJ/cmの線量で投与することができる。
【0070】
<強力パルス光>
記載された装置は、強力パルス光源(IPL)を備えていることができる。強力パルス光IPL源には、さまざまな波長の光を放射し、強力なパルスの形で光のバーストを生成する非レーザー光源が含まれる。強力パルス光IPL源は、約300nm~約1,200nm(例えば、約400nm~約1100nm、約500nm~約1000nm、約600nm~約900nm、または約700nm~約800nm)の波長の光を生成することができる。強力パルス光IPLによって放出される波長は、強力パルス光IPL装置によって異なる。いくつかの実施形態では、強力パルス光IPL源は、広帯域の波長の光のバーストを生成し、光は、強力パルス光IPL源から出ることができる波長範囲を制御するべくフィルタリングされる。いくつかの例では、フィルタは、ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、またはバンドパスフィルタとして構成されている光学フィルタである。いくつかの実施形態では、フィルタは、小さい帯域幅の光(例えば、500nm、400nm、300nm、200nm、100nm、50nm、25nm、20nm、10nm、5nm、または2nm未満だけ異なる波長の光)のフィルタを通る光透過を可能にするノッチを有するように構成することができる。強力パルス光IPLエネルギーは、パルス持続時間が約2ms~約25ms(例えば、約2ms、約3ms、約4ms、約5ms、約6ms、約7ms、約8ms、約9ms、約10ms、約11ms、約12ms、約13ms、約14ms、約15ms、約16ms、約17ms、約18ms、約約19ms、約20ms、約21ms、約22ms、約23ms、約24ms、または約25ms)、およびパルス間遅延が約10ms~約500ms(例えば、約10ms、約20ms、約30ms、約40ms、約50ms、約60ms、約70ms、約80ms、約90ms、約100ms、約110ms、約120ms、約130ms、約140msms、約150ms、約160ms、約170ms、約180ms、約190ms、約200ms、約210ms、約220ms、約230ms、約240ms、約250ms、約260ms、約270ms、約280ms、約290ms、約300ms、約310ms、約320ms、約330ms、約340ms、約350ms、約360ms、約370ms、約380ms、約390ms、約400ms、約410ms、約420ms、約430ms、約440ms、約450ms、約460ms、約470ms、約480ms、約490ms、または約500ms)の一連の単一、二重、三重パルスシーケンスとして伝達することができる。強力パルス光IPL放射エネルギー密度は、約5J/cm~60J/cm(例えば、約5J/cm、約6J/cm、約7J/cm、約8J/cm、約9J/cm、約10J/cm、約11J/cm、約12J/cm、約13J/cm、約14J/cm、約15J/cm、約16J/cm、約17J/cm、約18J/cm、約19J/cm、約20J/cm、約21J/cm、約22J/cm、約23J/cm、約24J/cm、約25J/cm、約26J/cm、約27J/cm、約28J/cm、約29J/cm、約30J/cm、約31J/cm、約32J/cm、約33J/cm、約34J/cm、約35J/cm、約36J/cm、約37J/cm、約38J/cm、約39J/cm、約40J/cm、約41J/cm、約42J/cm、約43J/cm、約44J/cm、約45J/cm、約46J/cm、約47J/cm、約48J/cm、約49J/cm、約50J/cm、約51J/cm、約52J/cm、約53J/cm、約54J/cm、約55J/cm、約56J/cm、約57J/cm、約58J/cm、約59J/cm、または約60J/cm)の範囲を有し得る。
【0071】
<超音波>
本明細書に記載の装置は、超音波変換器などの超音波源を備えていることができる超音波は、約20Hz~約20MHzの周波数を有することができる。超音波変換器は、複数の周波数で超音波を放出するように構成することができる。超音波源は、選択された周波数で超音波を放出するように調整可能である。超音波源は、超音波を放出する少なくとも1つの変換器または複数の変換器を備えていることができる。例えば、超音波源は、超音波を放出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の変換器を備えていることができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、超音波源は、約20Hz~約20MHz、例えば、約20Hz~約100kHz、例えば、約20kHz~約100kHz、約20kHz~約80kHz、または約40kHz~約80kHz、例えば、約20kHzまたは約40kHzの周波数を有する。例えば、超音波源は、約20Hz~約100Hz、例えば、30Hz、30Hz、40Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、または100Hz、例えば、約100Hz~約1kHz、例えば、約200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、または1kHz、例えば、約1kHz~約10kHz、例えば、約2kHz、3kHz、4kHz、5kHz、6kHz、7kHz、8kHz、9kHz、または10kHz、例えば、約10kHz~約100kHz、例えば、約20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、60kHz、70kHz、80kHz、90kHz、または100kHz、例えば、約100kHz~約1MHz、例えば、約200kHz、300kHz、400kHzkHz、500kHz、600kHz、700kHz、800kHz、900kHz、または1MHz、例えば、約1MHz~約20MHz、例えば、約2MHz、3MHz、4MHz、5MHz、6MHz、7MHz、8MHz、9MHz、10MHz、11MHz、12MHz、13MHz、14MHz、15MHz、16MHz、17MHz、18MHz、19MHz、または20MHzの周波数を有することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、超音波の低周波数範囲、例えば、20kHz~約100kHzが提供される。いくつかの実施形態では、供給される超音波の周波数範囲は約40kHzである。他の構成では、供給される超音波の周波数範囲は約20kHzである。本明細書に記載の低周波超音波範囲(100kHz未満)は一意的であり、細胞の刺激および細胞膜透過性の増加(例えば、キャビテーション)に対するその効果によって、他の範囲の超音波とは異なる。特に、100kHzの周波数未満の超音波は、有利には、キャビテーション、マイクロキャビテーション、マイクロジェットの形成、および処理された細胞に対する音響ストリーミング効果などの熱効果に依存しない位置的な特性を示すことができることが理解される。これらの効果は、例えば、マイボーム腺など、眼の一部に詰まった、または固化した脂質障害を分解するのに役立つ。
【0074】
いくつかの実施形態では、超音波変換器は、コンタクト(接触)フットプレートを形成するべく、例えば、末端で90°に曲げられたステンレス鋼プレートに取り付けられる。コンタクトフットプレートは、例えば、対象の眼瞼に接触するように構成することができる。フットプレートは、独立して、約10mm~約100mm、例えば、約15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、または100mmの長さと幅を有することができる。いくつかの実施形態では、コンタクトフットプレートは幅約45mm、高さ約20mmである。
【0075】
<熱>
本明細書に記載の装置は、熱源、例えば赤外線IR、または抵抗線を備えていることができる。加熱要素(加熱素子)は、約10J~約10,000Jの熱出力を有することができる。熱源は、複数の個々の要素から熱を放出するように構成することができる。例えば、熱源は、熱を放出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の熱要素を備えていることができる。いくつかの実施形態では、加熱要素は、発光ダイオード(LED)で構成することができる。
【0076】
いくつかの実施形態では、加熱は、約1500nm~約2,000,000nm、例えば、約2000nm~約1,000,000nm、約10,000nm~約500,000nm、約20,000nm~約100,000nm、約50,000nm~約100,000nmnm、約1,000,000nm~約2,000,000nm、1,100,000nm~約1,900,000nm、1,200,000nm~約1,800,000nm、約1,800,000nm~約1,800,000nm、1,400,000nm~1,700,000nm、約1,500,000nm~約1,600,000nm、約1,100,000nm、約1,200,000nm、約1,300,000nm、約1,400,000nm、約1,500,000nm、約1,600,000nm、約1,700,000nm、約1,800,000nm、約1,900,000nm、または2,000,000nmの放射波長を使用することで行うことができる。
【0077】
熱源は、一定期間にわたって投与することができる。線量は、連続線量またはパルスとして投与することができる。線量は、例えば、約0.01秒~約600秒、例えば、約0.01秒~約0.1秒、例えば、約0.02秒、0.03秒、0.04秒、0.05秒、0.06秒、0.07秒、0.08秒、0.09秒、または0.1秒、例えば、約0.1秒~約1秒、例えば、約0.2秒、0.3秒、0.4秒、0.5秒、0.6秒、0.7秒、0.8秒、0.9秒、または1秒、例えば、約1秒~約10秒、例えば、約2秒、3秒、4秒、5秒、6秒、7秒、8秒、9秒、または10秒、例えば、約10秒~約100秒、例えば、約20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、70秒、80秒、90秒、または100秒、例えば、約100秒~約600秒、例えば、約110秒、120秒、150秒、180秒、240秒、270秒、300秒、330秒、360秒、390秒、420秒、450秒、480秒、510秒、540秒、570秒、または600秒投与することができる。放射のパルス線量は、例えば、約0.01~約100、例えば、約0.01~約0.1、例えば、約0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、または0.1、例えば、約0.1~約1、例えば、約0.2、0.3、0、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、または1、例えば、約1~約10、例えば、約2、3、4、5、6、7、8、9、または10、例えば、約10~約100、例えば、約20、30、40、50、60、70、80、90、または100のオン時間とオフ時間の比を備えていることができる。
【0078】
いくつかの実施形態では、熱源は、加熱要素のフィードバック制御のためにサーミスタセンサに電気的に接続されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御ループフィードバック機構、例えば比例積分微分(PID)コントローラをサーミスタセンサに接続して、ユーザおよび/または熱の受け手の安全のために加熱要素出力を連続的に監視することができる。熱源は、一定の温度(例えば、約30℃~約50℃、例えば、約31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、または50℃)を提供するように構成することができる。他の熱源は当技術分野で知られている。熱源は、例えば、対象の眼瞼または組織部位に接触するように構成された、ヘッド構成要素上に配置することができる。
【0079】
<マイクロ波放射>
本明細書に記載の装置は、マイクロ波変換器などのマイクロ波源を備えていることができる。マイクロ波は、約300MHz~約300GHz(例えば、約400MHz、約500MHz、約600MHz、約700MHz、約800MHz、約900MHz、約1GHz、約2GHz、約3GHz、約4GHz、約5GHz、約6GHz、約7GHz、約8GHz、約9GHz、約10GHz、約20GHz、約50GHz、約100GHz、約200GHz、約300GHz)の周波数を有することができる。マイクロ波変換器は、複数の周波数でマイクロ波放射を放出するように構成することができる。マイクロ波源は、選択された周波数でマイクロ波を放出するように調整可能である。マイクロ波源は、マイクロ波放射を放出する少なくとも1つの変換器または複数の変換器を備えていることができる。例えば、マイクロ波源は、マイクロ波放射を放出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の変換器を備えていることができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、マイクロ波源は、約1mm~約1,000mm、例えば、約2mm~約900mm、約5mm~約800mm、約10mm~約700mm約20mm~約600mm、約50mm~約500mm、約100mm~約400mm、約200mm~約300mm、約10mm、約20mm、約30mm、約40mm、約50mmmm、約60mm、約70mm、約80mm、約90mm、約100mm、約110mm、約120mm、約130mm、約140mm、約150mm、約160mm、約170mm、約180mm、約190mm、約200mm、約200mm、約210mm、約220mm、約230mm、約240mm、約250mm、約260mm、約270mm、約280mm、約290mmmm、約300mm、約310mm、約320mm、約330mm、約340mm、約350mm、約360mm、約370mm、約380mm、約390mm、約400mm、約410mm、約420mm、約430mm、約440mm、約450mm、約460mm、約470mmmm、約480mm、約490mm、約500mm、約510mm、約520mm、約530mm、約540mm、約550mm、約560mm、約570mm、約580mm、約590mm、約600mm、約610mm、約620mm、約630mm、約640mm、約650mm、約660mm、約670mm、約680mm、約690mm、約700mm、約710mm、約720mmmm、約730mm、約740mm、約750mm、約760mm、約770mm、約780mm、約790mm、約800mm、約810mm、約820mm、約830mm、約840mm、約850mm、約860mm、約870mm、約880mm、約890mm、約900mm、約910mm、約920mm、約930mm、約940mm、約950mm、約960mm、約970mmmm、約980mm、約990mm、または約1,000mmの波長のマイクロ波放射を放出するように構成することができる。
【0081】
<光ガイド>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、治療用(例えば、UVC)放射を伝達するための光ガイドを備えている。光ガイドは、光源からの光(UVなど)を特定の領域に分配するべく使用される装置である。光ガイドは、UVC放射を透過する材料を備えている透明な材料(例えば、ガラスまたはプラスチック)で作ることができる。光ガイドは、内部反射によって光信号を伝送できる細いフィラメントを内部に備えていることができる。光ガイドはヘッド構成要素に取り付けられることができ、光ガイドを介してUV源から適用部位にUVエネルギーを伝達する。光ガイドは、例えば、導波路、光ファイバー、液体光ガイド、中空管(図28A図28D)であり得る。光ガイドは、光源に嵌合するように構成することができる。光ガイドは、例えばUV源に接続された受入端と、眼、鼻腔、口腔、皮膚組織、または対象の管腔などの様々な組織などの所望の領域に光を伝達するように構成された送出端(図28A図28D)と、を有する。
【0082】
光ガイドは、UV光を投与部位に効果的に伝達できるのであれば、任意の適切な幅および/または長さを有することができる。例えば、光ガイドは、例えば、約1mm~約1m、例えば、約1mm~約10mm、例えば、約2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、または10mm、例えば、約10mm~約100mmまで、例えば、約20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、または100mm、例えば、約100mm~約1m、例えば、約200mm、300mm、400mm、500mm、600mm、700mm、800mm、900mm、または1mの長さを有することができる。
【0083】
光ガイドの厚さ(例えば、直径)または内部に位置するフィラメントは、例えば、約1mm~約50mm、例えば、約2mm~約25mm、例えば、約4mm~約15mm、例えば、約1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、または50mmであり得る。
【0084】
光ガイドは、ファイバー光ガイドであるか、またはファイバー光ガイドを備えていることができ、ファイバー光ガイドは、任意の種類のUV光を一端から他端まで運ぶことができる任意のファイバーを指す。一実施形態では、ファイバー光ガイドは、約180nm~465nmの光を運ぶ。周知の光ファイバーは、溶融シリカ、純シリカ、有機シリコン、中空チューブ、クラッドおよび非クラッドファイバーで作られたファイバーを備えており、これらのファイバーは単数または束である。他の光ファイバーは、水ベース、またはアルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、および有効波長の伝送に適した他の液体などの他の希釈剤の液体ファイバーを備えており、赤外線エネルギーを備えている熱エネルギーを減らすことができるものもある。
【0085】
<硝子体切除要素>
本発明の装置および方法は、硝子体切除要素(例えば、硝子体切除ポート、硝子体プローブ、またはトロカール)を備え得る(図23図24A図24B、および図25)。硝子体切除要素は、眼の強膜に穴を開けて貫通するべく遠位端に1つまたは複数の鋭いエッジを有する中空管であるか、またはそれを備えており、眼の内部領域(例えば、前領域、後領域、硝子体領域、網膜領域、脈絡膜領域、黄斑領域、眼内レンズ領域、毛様体筋領域、または視神経領域)に治療線量の放射を伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、硝子体を切断するように構成された高周波切断装置(例えば、硝子体切除機械)として構成されている。いくつかの実施形態では、針は、硝子体切除要素によって生成された開口部を通して眼の硝子体領域に挿入され得る(図25)。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、光ガイドが硝子体切除要素内で眼の内部領域に通されることを可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、眼安定要素に取り付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素の近位端はヘッド構成要素に取り付けられるように構成されており、遠位端は眼安定要素に取り付けられるように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、ヘッド構成要素に配置された放射源から治療線量の放射(例えば、UVC)を受け入れるように構成されており、治療線量は、安定要素の遠位端で硝子体切除要素を出る。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、ヘッド構成要素の放射源に接続するように構成された硝子体プローブを備えて構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、直径が約1mm~約10mm(例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、または約10mm)であるベースを有し得る。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、硝子体切除要素のベースに取り付けられるように構成された硝子体プローブを備えているように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体プローブは、約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mm~約12mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、または約20mm)の長さを有するように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体プローブは、約0.05mm~約10mm(例えば、約0.05mm、約0.06mm、約0.07mm、約0.08mm、約0.09mm、約0.1mm、約0.2mm、約0.3mm、約0.4mm、約0.5mm、約0.6mm、約0.7mm、約0.8mm、約0.9mm、約1.0mm、約1.1mm、約1.2mm、約1.3mm、約1.4mm、約1.5mm、約1.6mm、約1.7mm、約1.8mm、約1.9mm、約2.0mm、約2.1mm、約2.2mm、約2.3mm、約2.4mm、約2.5mm、約2.6mm、約2.7mm、約2.8mm、約2.9mm、約3.0mm、約3.1mm、約3.2mm、約3.3mm、約3.4mm、約3.5mm、約3.6mm、約3.7mm、約3.8mm、約3.9mm、約4.0mm、約4.1mm、約4.2mm、約4.3mm、約4.4mm、約4.5mm、約4.6mm、約4.7mm、約4.8mm、約4.9mm、約5.0mm、約5.1mm、約5.2mm、約5.3mm、約5.4mm、約5.5mm、約5.6mm、約5.7mm、約5.8mm、約5.9mm、約6.0mm、約6.1mm、約6.2mm、約6.3mm、約6.4mm、約6.5mm、約6.6mm、約6.7mm、約6.8mm、約6.9mm、約7.0mm、約7.1mm、約7.2mm、約7.3mm、約7.4mm、約7.5mm、約7.6mm、約7.7mm、約7.7mm、約7.9mm、約8.0mm、約8.1mm、約8.2mm、約8.3mm、約8.4mm、約8.5mm、約8.6mm、約8.7mm、約8.8mm、約8.9mm、約9.0mm、約9.1mm、約9.2mm、約9.3mm、約9.4mm、約9.5mm、約9.6mm、約9.7mm、約9.8mm、約9.9mm、または約10.0mm)の直径を有するように構成されている。いくつかの実施形態では、硝子体切除要素は、直径約6mm、長さ約12mm、およびプローブ直径約1mmのベースを有する硝子体プローブとして構成されている。
【0086】
<近接判定要素>
本明細書に記載の装置は、近接判定要素を備えていることができる。近接判定要素は、エネルギー源(例えば、UV放射、例えば、UVC放射)と、投与部位、例えば治療との間の距離を検出するように構成された構成要素である。本明細書に記載の装置は治療用放射を提供するため、安全かつ効果的なエネルギー投与を提供するべく装置を適切な距離に配置することが望ましい。いくつかの実施形態では、装置は投与部位に直接接触しない。したがって、装置は、エネルギー源が活性化されるべき投与部位からの所定距離を検出する近接判定要素を備えていることができる。近接判定要素は、ヘッド構成要素上またはベース構成要素上に配置することができる。
【0087】
近接判定要素として、任意の適切なメカニズムを使用することができる。例えば、光センサを使用することで、エネルギー源と投与部位との間の距離を検出することができる。一実施形態では、近接判定要素は、所定距離に達すると収束して整列する2つ以上の光ビーム(例えば、レーザー)を備えている。例えば、装置が投与部位から所定距離に優先的に配置される場合、装置が適切に配置されると、2つの光ビームは収束し、照射される身体組織のゾーンを照らすことができる。所定距離は、例えば、投与部位から約1mm~約100cm、例えば、約1mm~約100mm、約1mm~約50mm、約1mm~約25mm、約2mm~約20mm、または約5mm~約10mm、例えば、約8mmであり得る。
【0088】
<眼安定要素>
本明細書に記載の装置は、眼安定要素を備えていることができる。眼安定要素は、ヘッド構成要素の遠位端に取り付けられるように構成された近位端と、対象の眼に接触するように構成された遠位端と、を有することができる。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、近位端および遠位端にそれぞれ第1直径および第2直径を有する円錐または円柱の形状を有する(図26のA部分および図26のB部分)。いくつかの実施形態では、第1直径は第2直径よりも小さい。いくつかの実施形態では、第1直径は第2直径よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1直径は第2直径に等しい。いくつかの実施形態では、第1直径および第2直径は、ビーム直径が約1mm~約15mm(例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、または約15mm、例えば、約4.5mm)であるUVC放射のビームを収容するのに十分な大きさの直径を有する。いくつかの実施形態では、第1直径および第2直径は、約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mm~約12mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、または約20mm)である。
【0089】
いくつかの実施形態では、眼安定要素は、約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mm~約12mm、または約10mm~約11mm)の第1直径;約1mm~約10mm(例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、または約10mm)の第2直径;約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mmから約12mm、または約10mmから約11mm)の長さ、5mm~約11mm(例えば、約6mm~約10mm、約7mm~約9mm、または約8mm)の治療距離、約1mm~約3mm(例えば、約2mm)の長さを有するベースを有する円錐の形状に構成されており、約1mm~約5mm(例えば、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、または約5mm)のビーム径に対応する。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、約4.5mmのビーム直径に対応するべく、約10mmの第1直径、約6mmの第2直径、約10mmの長さ、約8mmの治療距離、約2mmのUV放射源の遠位端への取り付けのためのベースを有する円錐の形状に構成されている。
【0090】
いくつかの実施形態では、眼安定要素の遠位端は滑らかな縁を有する(図27Aおよび図27B)。いくつかの実施形態では、眼安定要素の遠位端は、成形された縁(例えば、城郭状の縁)を有しており、目に接触することで安定させる歯などの複数(例えば、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10個)の突起および/または溝を備えている(図28B)。いくつかの実施形態では、歯は、眼安定要素の遠位端の円周に沿って均等に分布している。いくつかの実施形態では、歯は、先端で終わる三角形の形状を有しており、歯の先端は、約1°~約179°(例えば、1°、2°、3°、4°、5°、6°、7°、8°、9°、10°、11°、12°、13°、14°、15°、16°、17°、18°、19°、20°、21°、22°、23°、24°、25°、26°、27°、28°、29°、30°、31°、32°、33°、34°、35°、36°、37°、38°、39°、40°、41°、42°、43°、44°、45°、46°、47°、48°、49°、50°、51°、52°、53°、54°、55°、56°、57°、58°、59°、60°、61°、62°、63°、64°、65°、66°、67°、68°、69°、70°、71°、72°、73°、74°、75°、76°、77°、78°、79°、80°、91°、92°、93°、94°、95°、96°、97°、98°、99°、100°、101°、102°、103°、104°、105°、106°、107°、108°、109°、110°、111°、112°、113°、114°、115°、116°、117°、118°、119°、120°、121°、122°、123°、124°、125°、126°、127°、128°、129°、130°、131°、132°、133°、134°、135°、136°、137°、138°、139°、140°、141°、142°、143°、144°、145°、146°、147°、148°、149°、150°、151°、152°、153°、154°、155°、156°、157°、158°、159°、160°、161°、162°、163°、164°、165°、166°、167°、168°、169°、170°、171°、172°、173°、174°、175°、176°、177°、178°、または179°)の角度を有する。いくつかの実施形態では、眼安定要素はまた、ヘッド構成要素から対象の眼の最適な距離を確立する。いくつかの実施形態では、最適な距離は、約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mm~約12mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、または約20mm)である。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、UVC光を透過しない材料から構成されている。いくつかの実施形態では、安定要素は、近位端から遠位端まで中空である。いくつかの実施形態では、眼安定要素は使い捨てであり、単回使用のみであり、眼安定が再使用されることを防止するタグ(例えば、無線周波数識別(RFID)タグ)を備えている。いくつかの実施形態では、眼安定要素の遠位端は、眼安定要素を洗浄することを不可能にする実質的に小さいサイズの特徴(例えば、突起、溝、または歯)を有する形状である。いくつかの実施形態では、眼安定要素は滅菌可能ではない。いくつかの実施形態では、眼安定要素は可視光に対して透過的である材料で作られる。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、プラスチック材料(例えば、熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、およびポリウレタン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリカーボネート、アクリルプラスチック、ポリオキシメチレン、ナイロン、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン)で作られる。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、対象の眼瞼を開いた状態に維持するべく使用される構成要素(例えば検鏡)を備えている。いくつかの実施形態では、眼安定要素は、グリップおよび/またはハンドリングの安定性の向上を提供する機能を備えている(例えば、尾根、溝、線、くぼみ、またはカーブ)。
【0091】
<信号生成要素>
本明細書に記載の装置は、信号生成要素(信号発生素子)を備えていることができる。信号生成要素は、所定距離を検出すると、警告または刺激などの信号を提供する。信号生成要素は、近接判定要素が所定距離を検出したときに信号を生成するべく、近接判定要素に動作可能に接続することができる。信号は、聴覚信号、視覚信号、または触覚信号であり得る。例えば、信号生成要素は、所定距離に到達すると振動を発生させることで、例えば装置を保持しているユーザに、所定距離に到達するとUV放射源を投与するように警告することができる。別の実施形態では、信号生成要素は、例えば、開口部を開くかまたはUV源に電力を供給することによって、UV源の活性化を自動的にトリガする。この実施形態では、信号生成要素は、聴覚、視覚、または触覚信号も生成することができる。代替的に、電気信号を生成することもできる。
【0092】
<開口制御要素>
本明細書に記載の装置は、UV放射源(例えば、UVC放射)の開口サイズを調節するように構成された開口制御要素を備えていることができる。開口制御要素は、ヘッド構成要素上に存在することができる。例えば、開口制御要素は、例えば、UV放射源の近くでヘッドに嵌合する付属機能であり得る。代替的に、開口制御要素は、ヘッド内に一体化することができる。一実施形態では、開口制御要素は、ヘッド構成要素に取り付けられた1つのコーンまたは複数のコーンである。開口サイズを制御するべくコーンごとに異なるサイズを有し得る。開口の直径は、例えば、約1mm~約50mm、例えば、約2mm~約40mm、例えば、約4mm、約8mm、または約25mmであり得る。いくつかの実施形態では、開口制御要素は、例えば、喉頭鏡と共に使用される場合、360°の照射を可能にするように構成されている。いくつかの実施形態では、本発明は、複数の開口制御要素を備えているシステムを特徴とし、各開口制御要素(例えば、コーン)は、投与に必要な強度、出力、および距離に応じて、治療の異なる用途または方法のために構成されている。
【0093】
<撮像モジュール>
本明細書に記載の装置は、治療または投与部位の画像を表示するように構成された画像モジュールを備えていることができる。撮像モジュールによって、ユーザはUV投与中に視覚的なフィードバックを受け取ることができる。撮像モジュールは、例えば、検出器(例えば、カメラ、例えば、CCDカメラ)およびディスプレイを備えていることができる。適切な検出器およびディスプレイは、当技術分野で知られている。撮像モジュールは、ヘッド構成要素またはベース構成要素に配置することができる。いくつかの実施形態では、検出器をヘッド構成要素上に配置することができるとともに、ディスプレイをベース構成要素上に配置することができる。光ガイドを有する実施形態では、撮像モジュールまたはその一部(例えば、検出器またはカメラ)を光ガイドの遠位端に配置することで、例えば、光ガイドの遠位端に最も近い領域を視覚化することができる。例えば、対象の管腔にエネルギーを伝達するように構成された光ガイドを有する装置は、遠位端に配置されたカメラを有しており、体腔(ボディキャビティ)内への投与前および投与中に管腔を視覚化することができる。この実施形態では、装置は、例えば、光ガイドを内部に備えており、撮像モジュールをその上に備えている内視鏡をさらに備えていることができる。
【0094】
ディスプレイは、治療エネルギーの投与中に使用者(例えば、臨床医)をガイドするための様々な機能を備えていることができる。例えば、UV源と投与部位との間の距離をリアルタイムで表示することができる。ディスプレイは、近接判定要素および/または信号生成要素に結合されていることで、UV源と投与部位との間の所定距離を検出すると、視覚信号を表示することができる。視覚信号は、所定距離を検出すると、使用者に治療エネルギーを投与するように指示することができる。
【0095】
<発光コンタクトレンズ>
本明細書に記載の装置は、UVC放射を対象の眼に向けるように構成されたコンタクトレンズを備えていることができる。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、UVC放射源を備えている(例えば、レンズ内に組み込まれるか、レンズに取り付けられる)。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、UVC放射の外部源から対象の眼にUVC放射を伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、対象の眼に向けられる。いくつかの実施形態では、放射源は、選択された波長で放射を放出するように調整可能であり得る。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、UVC放射を拡散させて、実質的に滑らかで均一に分布したプロファイルを有するUVCビームで眼を照らすように構成されている。UVC放射源は、UV放射(例えば、表面実装デバイスLED(SMD))を放出する少なくとも1つの発光ダイオード(LED)または複数のLEDを備えていることができる。例えば、放射源は、UV放射を放出する1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のLEDを備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC放射は、約100nm~約280nm(例えば、約200nm~約280nm、例えば、約220nm~約280nm、例えば、約240nm~270nm、例えば、約250nm~約270nm、または約260nm~約270nmまで、例えば、約254nm、約255nm、または約265nm)の波長を有することができる。いくつかの実施形態では、UV放射源は、約0.01mW/cm~約500mW/cm、例えば、約0.01mW/cm~約50mW/cm、例えば、約0.01mW/cm~約5mW/cmの放射強度を生成する。例えば、UV放射源は、約0.01mW/cm~約0.1mW/cm、例えば、約0.02mW/cm、0.03mW/cm、0.04mW/cm、0.05mW/cm、0.06mW/cm、0.07mW/cm、0.08mW/cm、0.09mW/cm、0.1mW/cm、例えば、約0.1mW/cm~約1mW/cm、例えば約0.2mW/cm、0.3mW/cm、0.4mW/cm、0.5mW/cm、0.6mW/cm、0.7mW/cm、0.8mW/cm、0.9mW/cm、または1mW/cm、例えば、約1からmW/cm~約10mW/cm、例えば、約2mW/cm,3mW/cm、4mW/cm、5mW/cm、6mW/cm、7mW/cm、8mW/cm、9mW/cm、10mW/cm、例えば、約10mW/cm~約100mW/cm、例えば、約20mW/cm、30mW/cm、40mW/cm,50mW/cm、60mW/cm,70mW/cm、80mW/cm、90mW/cm、または100mW/cm、例えば、約100mW/cm~約500mW/cm、例えば、約150mW/cm、200mW/cm、250mW/cm、300mW/cm、350mW/cm、400mW/cm、450mW/cm、または500mW/cmの放射強度を生成することができる。コンタクトレンズは、分離可能または一体型の電源(例えば、電池、エネルギー伝達アンテナ、太陽電池、慣性パワーハーベスタ、または電気プラグ)を備えていることができる。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、プラスチック材料(例えば、剛性ガス透過性レンズまたはハイブリッドレンズ)から構成されている。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは軟質材料(例えば、軟質レンズ)から構成されている。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは石英(例えば溶融シリカ)から構成されている。いくつかの実施形態では、コンタクトレンズは、UVC放射を治療部位に向ける一方で、UVC放射が周囲の健康な組織部位を照射するのを遮断する材料から構成されている。
【0096】
<追加構成要素>
本明細書に記載の装置は、装置の一部であるか、または装置とは別個であり得、キットまたはシステムとして提供され得る追加の要素をさらに含み得る。例えば、殺菌装置は、例えば、超音波および/またはUVを提供するように構成された、コンタクトレンズ、コンタクトレンズケースまたは眼鏡ケースを備えていることができる。本明細書に記載の装置は、温度センサをさらに備えていることができる。熱源は、一定の温度(例えば、約30℃~約50℃、例えば、約31℃、32℃、33℃、34℃、35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃、41℃、42℃、43℃、44℃、45℃、46℃、47℃、48℃、49℃、または50℃、例えば、約38℃~約40℃、例えば、約38.1℃、38.2℃、38.3℃、38.4℃、38.5℃、38.6℃、38.7℃、38.8℃、38.9℃、39℃、39.1℃、39.2℃、39.3℃、39.4℃、39.5℃、39.6℃、39.7℃、39.8℃、39.9℃、または40℃)を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、熱源は約40℃の温度を提供する。装置は、治療部位(例えば、眼瞼)との装置の接触を感知する接触センサを任意に備えていることができる。装置には、マイクロプロセッサを含めることができる。接触センサは、接触するとマイクロプロセッサに信号を送る赤外線IR接触感知フィードバックエミッタまたはセンサの組み合わせを備えていることができる。これは、ターゲット組織によって遮られていない場合に、UV透過を回避するべく使用できます。
【0097】
装置には、1つまたは複数の電源(例えば、バッテリ)、制御ボタン、ハンドルまたはグリップ、または別の人間工学的特徴を含めることができる。いくつかの実施形態では、装置は細隙灯を備えているシステムの一部である。例えば、装置は、エネルギー源(例えば、UVエネルギー、例えば、UVCエネルギー)を提供できる細隙灯に可逆的に取り付けられるように構成することができる。
【0098】
一実施形態では、複数のエネルギー源を組織部位に伝達するためのシステムが提供される。システムはベース構成要素を備えており、ベース構成要素は近位部分および遠位部分を有しており、遠位部分は、UVC放射源を備えている第1ヘッド;赤外線IR放射源を備えている第2ヘッド;超音波源を備えている第3ヘッド;UVA放射源を備えている第4ヘッド;UVC放射源、赤外線IR放射源、および超音波源を備えている第5ヘッド;マイクロ波放射源および強力パルス光源を備えている第6ヘッド、のうちの2つ以上から選択される複数の交換可能なヘッドの1つに嵌合するように構成されている。第1ヘッドは、エネルギー源と投与部位との間の所定距離を検出するように構成された近接判定要素、近接判定要素による所定距離の検出時に信号を生成するように構成された信号生成要素、エネルギーの線量を調節するための開口制御用モジュール、光ガイド、および撮像モジュールのうちの1つまたは複数をさらに備えていることができる。このシステムは、所望の用途(例えば、治療方法または殺菌技術)に基づきヘッド構成要素を選択するのに適し得る。
【0099】
<使用方法>
本明細書に記載の装置は、複数の医療適応症を治療するべく使用することができるおよび/または滅菌装置として使用することができる。装置は、いくつかの実施形態では、光、熱、および/または超音波の形でエネルギーの組み合わせを伝達するように構成された、1つまたは複数のヘッド構成要素を備えていることができる。
【0100】
<眼瞼炎およびマイボーム腺疾患>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、眼瞼炎およびマイボーム腺疾患(MGD)などのマイボーム腺の機能不全に関連する状態を治療するための治療装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、治療装置は、眼瞼炎および/またはマイボーム腺疾患MGDを治療するように構成されており、その構成は、装置のベース構成要素と、UVC光源、赤外線IR光源、および超音波源を備えていることができるヘッド構成要素と、を備えている。装置は、例えば、別の源の赤外線IR源を介して熱を提供することができる。いくつかの実施形態では、治療装置を使用する治療セッションは、約100nm~約280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光による患眼の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約20mW/cm~約1,000mW/cm、例えば、約30mW/cm~約900mW/cm、約50mW/cm~約850mW/cm、約100mW/cm~約800mW/cm、約150mW/cm~約750mW/cm、約200mW/cm~約700mW/cm、約250mW/cm~約650mW/cm、約300mW/cm~約600mW/cm、約350mW/cm~約550mW/cm、約400mW/cm~約500mW/cm、約50mW/cm、約100mW/cm、約150mW/cm、約200mW/cm、約250mW/cm、約300mW/cm、約350mW/cm、約400mW/cm、約450mW/cm、約500mW/cm、約550mW/cm、約600mW/cm、約650mW/cm、約700mW/cm、約750mW/cm、約800mW/cm、約850mW/cm、約900mW/cm、約950mW/cm、または約1,000mW/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。いくつかの実施形態では、治療セッションは、約750nm~1,000,000nm(例えば、760nm~900,000nm、770nm~800,000nm、780nm~700,000nm、790nmnm~600,000nm、800~500,000nm、810nm~400,000nm、820nm~300,000nm、830nm~200,000nm、840nm~100,000nm、850nm~90,000nm、860nm~80,000nm、870nm~70,000nm、880nm~60,000nm、890nm~50,000nm、900nm~40,000nm、1,000nm~30,000nm、1,100nm~20,000、1,200nm~10,000、1,300nm~5,000nm、1,400nm~4,000nm、1,500nm~3,000nm、1,600nm~2,500nm、1,700nm~2,400nm、1,800nm~2,300nm、1,900nm~2,200nm、または2,000nm~2,100nm)の波長の赤外線IR光による患眼の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、眼瞼炎および/またはマイボーム腺疾患MGDの治療は、約1MHz~約10MHz、例えば、1MHz、2MHz、3MHz、4MHz、5MHz、6MHz、7MHz、8MHz、9MHz、または10MHzの周波数、約0.1W/cm~約1.0W/cm、例えば0.1W/cm、0.2W/cm、0.3W/cm、0.4W/cm、0.5W/cm、0.6W/cm、0.7W/cm、0.8W/cm、0.9W/cm、または1.0W/cmの強度の超音波を必要とし得る。いくつかの実施形態では、赤外線IR光は約20mW/cm~約1,000mW/cm、例えば、約30mW/cm~約900mW/cm、約50mW/cm~約850mW/cm、約100mW/cm~約800mW/cm、約150mW/cm~約750mW/cm、約200mW/cm~約700mW/cm、約250mW/cm~約650mW/cm、約300mW/cm~約600mW/cm、約350mW/cm~約550mW/cm、約400mW/cm~約500mW/cm、約50mW/cm、約100mW/cm、約150mW/cm、約200mW/cm、約250mW/cm、約300mW/cm、約350mW/cm、約400mW/cm、約450mW/cm、約500mW/cm、約550mW/cm、約600mW/cm、約650mW/cm、約700mW/cm、約750mW/cm、約800mW/cm、約850mW/cm、約900mW/cm、約950mW/cm、または約1,000mW/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。いくつかの実施形態では、治療装置を使用する眼瞼炎および/またはマイボーム腺疾患MGDの治療は、複数の治療セッション(例えば、毎週、毎月、四半期ごと、半年ごと、または毎年)を備えており、前述の治療手順の任意の組み合わせを備えていることができる。いくつかの実施形態では、治療装置は、ステンレス鋼プレートに取り付けられた変換器で超音波を伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、治療を提供する医師は、超音波、加熱パッド、およびUVC光の起動を制御するコンタクトフットプレートを使用することができる。いくつかの実施形態では、ヘッド構成要素の遠位端は、UVC光を制御するマイクロプロセッサに通信する接触感知要素を備えていることができる。さらなる実施形態では、接触感知要素は、周囲の健康な組織へのUVC光の照射を回避するべく、治療部位との接触があるかどうかをマイクロプロセッサに信号で伝える。接触センサが起動すると、いくつかの実施形態では、UVC照射および超音波が開始される。いくつかの実施形態では、装置は、UVCの照射後も接触したままであり、熱および超音波を伝達し続ける。いくつかの実施形態では、治療のサイクルが完了すると、超音波および熱が停止するとともに、信号生成器(信号発生器)が操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が眼瞼から時期尚早に取り除かれるたびに、接触が再開されるまで、光および超音波のすべての放射が一時停止される。
【0101】
<癌>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、癌(例えば、白血病、セミノーマ、黒色腫、奇形腫、リンパ腫、神経芽細胞腫、神経膠腫、直腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌、副腎癌、甲状腺癌、血液癌、皮膚癌、脳癌、子宮頸癌、腸癌、肝臓癌、結腸癌、胃癌、腸癌、頭頸部癌、消化器癌、リンパ節癌、食道癌、結腸直腸癌、膵臓癌、耳鼻咽喉癌(ENT)、乳癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、肺癌とその転移の治療装置として使用することができる。それらの例は、肺癌腫、乳癌腫、前立腺癌腫、結腸癌腫、腎細胞癌腫、子宮頸癌腫、または上記の種類の癌または腫瘍からの転移)を治療するためのおよび/または、補助的治療を提供するための治療装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、例えば、癌細胞または前癌細胞を備えている、癌、異常増殖および/または異形成を治療するための装置および方法が使用され得る。いくつかの実施形態では、治療装置は、癌を治療するように構成されており、その構成は、装置のベース構成要素と、UVC光源を備えていることができるヘッド構成要素と、を備えている。装置は、近接判定要素および信号生成要素も備えていることができる。いくつかの実施形態では、装置は、光ガイドおよび/または撮像モジュールをさらに備えている。いくつかの実施形態では、治療装置を使用する治療セッションは、約100nm~約280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光による患部の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約20mW/cm~約1,000mW/cm、例えば、約30mW/cm~約900mW/cm、約50mW/cm~約850mW/cm、約100mW/cm~約800mW/cm、約150mW/cm~約750mW/cm、約200mW/cm~約700mW/cm、約250mW/cm~約650mW/cm、約300mW/cm~約600mW/cm、約350mW/cm~約550mW/cm、約400mW/cm~約500mW/cm、約50mW/cm、約100mW/cm、約150mW/cm、約200mW/cm、約250mW/cm、約300mW/cm、約350mW/cm、約400mW/cm、約450mW/cm、約500mW/cm、約550mW/cm、約600mW/cm、約650mW/cm、約700mW/cm、約750mW/cm、約800mW/cm、約850mW/cm、約900mW/cm、約950mW/cm、または約1,000mW/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。いくつかの実施形態では、癌の治療は、連続照明またはパルス照明であり得る。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約20Hz~約1,000Hz、例えば、約50Hz~約950Hz、約100Hz~約900Hz、約150Hz~約850Hz、約200Hz~約800Hz、約250Hz~約750Hz、約300Hz~約700Hz、約350Hz~約650Hz、約400Hz~約600Hz、約450Hz~約550Hz、約500HzHz~約525Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、装置を使用する癌の治療は、複数の治療セッションを備えていることができ、前述の治療手順の任意の組み合わせを備えていることができる。さらなる実施形態では、照明はフットプレートで制御することができる。いくつかの実施形態では、近接判定要素は光ガイドに接続されるとともに、照射を制御するマイクロプロセッサに通信する。いくつかの実施形態では、照射は、光ガイドの出力端が治療部位から所定距離に達したときにのみ起動される。いくつかの実施形態では、治療のサイクルが完了すると、UVC源が停止するとともに、信号生成器は操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が治療部位から時期尚早に取り除かれるたびに、所定距離が回復するまで、すべての光の放出および一時停止が行われる。
【0102】
<眼癌、眼窩癌、および/または付属器癌>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、眼癌、眼窩癌、および/または付属器癌(例、眼内二次腫瘍、網膜芽細胞腫、ブドウ膜黒色腫、結膜黒色腫、眼窩癌、眼瞼癌、または付属器癌)を治療するための、および/または補助的な治療を提供するための治療装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、治療装置は、眼癌を治療するように構成されており、その構成は、装置のベース構成要素と、UVC光源を備えていることができるヘッド構成要素と、を備えている。装置は、近接判定要素および信号生成要素も備えていることができる。いくつかの実施形態では、装置は、光ガイドおよび/または撮像モジュールをさらに備えている。いくつかの実施形態では、装置は、本明細書に記載のコンタクトレンズであり、眼癌を治療するべく治療線量のUVCを眼に伝達するべく使用される。いくつかの実施形態では、治療装置を使用する治療セッションは、約100nm~約280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光による患眼の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約20mW/cm~約1,000mW/cm、例えば、約30mW/cm~約900mW/cm、約50mW/cm~約850mW/cm、約100mW/cm~約800mW/cm、約150mW/cm~約750mW/cm、約200mW/cm~約700mW/cm、約250mW/cm~約650mW/cm、約300mW/cm~約600mW/cm、約350mW/cm~約550mW/cm、約400mW/cm~約500mW/cm、約50mW/cm、約100mW/cm、約150mW/cm、約200mW/cm、約250mW/cm、約300mW/cm、約350mW/cm、約400mW/cm、約450mW/cm、約500mW/cm、約550mW/cm、約600mW/cm、約650mW/cm、約700mW/cm、約750mW/cm、約800mW/cm、約850mW/cm、約900mW/cm、約950mW/cm、または約1,000mW/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。いくつかの実施形態では、眼癌の治療は、連続照明またはパルス照明であり得る。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約20Hz~約1,000Hz、例えば、約50Hz~約950Hz、約100Hz~約900Hz、約150Hz~約850Hz、約200Hz~約800Hz、約250Hz~約750Hz、約300Hz~約700Hz、約350Hz~約650Hz、約400Hz~約600Hz、約450Hz~約550Hz、約500HzHz~約525Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、装置を使用する眼癌の治療は、複数の治療セッションを備えていることができ、前述の治療手順の任意の組み合わせを備えていることができる。いくつかの実施形態では、治療装置は細隙灯装置に取り付けられることができる。さらなる実施形態では、照明はフットプレートで制御することができる。さらなる実施形態では、眼癌は、眼内、眼の表面、眼瞼、または眼窩癌であり得る。いくつかの実施形態では、光ガイドを眼の内部空間に導入することで、治療線量のUVC放射を眼内癌または眼窩癌に照射することができる。いくつかの実施形態では、近接判定要素は光ガイドに接続されるとともに、照射を制御するマイクロプロセッサに通信する。いくつかの実施形態では、照射は、光ガイドの出力端が治療部位から所定距離に達したときにのみ起動される。いくつかの実施形態では、治療のサイクルが完了すると、UVC源が停止するとともに、信号生成器は操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が治療部位から時期尚早に取り除かれるたびに、所定距離が回復するまで、すべての光の放出および一時停止が行われる。
【0103】
<尋常性ざ瘡と酒さ性ざ瘡>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、尋常性ざ瘡および/または酒さ性ざ瘡を治療するための治療装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、治療装置は、ざ瘡を治療するように構成されており、その構成は、装置のベース構成要素と、UVC光源を備えていることができるヘッド構成要素と、を備えている。いくつかの実施形態では、装置を使用する治療セッションは、100nm~280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光による皮膚患部の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約20mW/cm~約1,000mW/cm、例えば、約30mW/cm~約900mW/cm、約50mW/cm~約850mW/cm、約100mW/cm~約800mW/cm、約150mW/cm~約750mW/cm、約200mW/cm~約700mW/cm、約250mW/cm~約650mW/cm、約300mW/cm~約600mW/cm、約350mW/cm~約550mW/cm、約400mW/cm~約500mW/cm、約50mW/cm、約100mW/cm、約150mW/cm、約200mW/cm、約250mW/cm、約300mW/cm、約350mW/cm、約400mW/cm、約450mW/cm、約500mW/cm、約550mW/cm、約600mW/cm、約650mW/cm、約700mW/cm、約750mW/cm、約800mW/cm、約850mW/cm、約900mW/cm、約950mW/cm、または約1,000mW/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。いくつかの実施形態では、ざ瘡の治療は、連続照明またはパルス照明であり得る。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約20Hz~約1,000Hz、例えば、約50Hz~約950Hz、約100Hz~約900Hz、約150Hz~約850Hz、約200Hz~約800Hz、約250Hz~約750Hz、約300Hz~約700Hz、約350Hz~約650Hz、約400Hz~約600Hz、約450Hz~約550Hz、約500HzHz~約525Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、装置を使用するざ瘡の治療は、複数の治療セッション(例えば、毎週、毎月、四半期ごと、半年ごと、または毎年)を備えていることができ、前述の治療手順の任意の組み合わせを備えていることができる。いくつかの実施形態では、治療装置は細隙灯装置に取り付けられることができる。さらなる実施形態では、照明はフットプレートで制御することができる。いくつかの実施形態では、光ガイドを皮膚の患部に向けて、治療線量のUVC放射を照射することができる。いくつかの実施形態では、近接判定要素は光ガイドに接続されるとともに、照射を制御するマイクロプロセッサに通信する。いくつかの実施形態では、照射は、光ガイドの出力端が治療部位から所定距離に達したときにのみ起動される。いくつかの実施形態では、治療のサイクルが完了すると、UVC源が停止するとともに、信号生成器は操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が治療部位から時期尚早に取り除かれるたびに、所定距離が回復するまで、すべての光の放出が一時停止する。
【0104】
<創傷治癒(例えば、胃潰瘍または十二指腸潰瘍)>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、創傷を治療し、創傷治癒を改善するための治療装置として使用することができる(例えば、治癒の速度、治癒の程度、および/または瘢痕の減少)。いくつかの実施形態では、装置は、胃潰瘍または十二指腸潰瘍(例えば、H.pylori(ヘリコバクター・ピロリ)感染に起因する)、擦過傷、外科的切開、再発性角膜びらん、角膜潰瘍、感染症、火傷、眼瞼および皮膚の外傷、外傷または異物による擦り傷、美容整形、眼瞼形成術、白内障手術の切開、屈折矯正手術の切開および/またはフラップ、刺し傷、縫合関連の炎症、回転フラップ、ペディクルフラップ、または皮膚移植を治療するように構成されている。いくつかの実施形態では、治療装置は、胃潰瘍または十二指腸潰瘍を治療するように構成されており、その構成は、装置のベース構成要素と、UV源を備えていることができるヘッド構成要素と、を備えている。いくつかの実施形態では、治療装置の創傷治癒構成を使用する治療セッション(例えば、胃潰瘍または十二指腸潰瘍構成)は、100nm~280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光による創傷患部の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約1からmJ/cm~約5000mJ/cm、例えば、約50mJ/cm~約4500mJ/cm、約100mJ/cm~約4000mJ/cm、約200mJ/cm~約4000mJ/cm、約300mJ/cm~約3500mJ/cm、約500mJ/cm~約3000mJ/cm、約1,000mJ/cm~約2500mJ/cm、約1500mJ/cm~約2000mJ/cm、約100mJ/cm、約200mJ/cm、約300mJ/cm、約400mJ/cm、約500mJ/cm、約600mJ/cm、約700mJ/cm、約800mJ/cm、約900mJ/cm、約1,000mJ/cm、約1500mJ/cm、約2000mJ/cm、約2500mJ/cm、約3000mJ/cm、約3500mJ/cm、約4000mJ/cm、約4500mJ/cm、約5000mJ/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。いくつかの実施形態では、UVC光源は、0.2mW~0.3mWの光出力を有するLEDであり得る。いくつかの実施形態では、標的組織(例えば、創傷)上のUVCLED光の強度は、照射される標的組織の領域に依存し得る(例えば、約1cmの標的組織領域について、強度は約0.3mW/cmであり、約4.3mm2の標的組織面積に対して、強度は約2.07mW/cmである)。いくつかの実施形態では、標的組織に対する総UVC線量は、照明セッションの持続時間に依存する(例えば、約4.3mm2の面積を有する標的組織について、強度は約2.07mW/cmであり、15秒間にわたる総UVC線量は約31mJ/cmである)。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約20Hz~約1,000Hz、例えば、約50Hz~約950Hz、約100Hz~約900Hz、約150Hz~約850Hz、約200Hz~約800Hz、約250Hz~約750Hz、約300Hz~約700Hz、約350Hz~約650Hz、約400Hz~約600Hz、約450Hz~約550Hz、約500HzHz~約525Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、創傷、もしくは胃潰瘍または十二指腸潰瘍の治療は、複数の治療セッション(例えば、毎週、毎月、四半期ごと、半年ごと、または毎年)を備えていることができ、前述の治療手順の任意の組み合わせを備えていることができる。さらなる実施形態では、照明はフットプレートで制御することができる。いくつかの実施形態では、光ガイドは、治療線量のUVC放射を照射するべく、内部創傷(例えば、胃腸管の創傷)の患部に導入するか、またはその近くに配置することができる。いくつかの実施形態では、近接判定要素は光ガイドに接続されるとともに、照射を制御するマイクロプロセッサに通信する。いくつかの実施形態では、照射は、光ガイドの出力端が治療部位から所定距離に達したときにのみ起動される。いくつかの実施形態では、治療のサイクルが完了すると、UVC源が停止するとともに、信号生成器は操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が治療部位から時期尚早に取り除かれるたびに、所定距離が回復するまで、すべての光の放出が一時停止する。治療線量のUVC放射を伝達することによって創傷を治療する方法は、UVCおよび本明細書に記載の他のエネルギー源(例えば、赤外線IR放射、UVA放射、マイクロ波、および/または超音波)の任意の組み合わせを取り入れることができる。
【0105】
<組織の殺菌および/または有害微生物負荷の低減>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、組織を殺菌するための、または組織内の微生物(例えば、ウイルス、細菌、原生動物、共生、寄生虫、真菌、線虫、ウイロイド、またはそれらの任意の組み合わせ)負荷を低減するための殺菌装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、滅菌装置は、微生物負荷(例えば、Chlamydiatrachomatousの感染、Demodexfolliculorumの感染、眼内炎、細菌性結膜炎、アデノウイルス結膜炎、ヘルペスウイルス、ヒトパピローマウイルス、コロナウイルス、例えば、SARS-CoV-2)を減少させることができる。いくつかの実施形態では、殺菌装置は、組織(例えば、歯周炎を治療するべく、例えば、口の内部領域、および/または歯肉炎を治療するべく、口の外部領域、例えば、唇、鼻腔、口腔咽頭腔、生殖管腔、尿管腔、胃腸管、眼の外部領域、眼の内部領域、耳、生殖器、体管腔(ボディルーメン))を殺菌するように構成されており、構成には装置のベース構成要素と、UV源、近接判定要素、および光ガイドを備えていることができるヘッド構成要素と、が含まれる。いくつかの実施形態では、装置は、歯の感染または歯腔内の有害な微生物の滅菌および/または負荷を(例えば、少なくとも5%,10%,20%,30%,40%,50%,60%,70%,80%,90%,95%,97%,99%,また100%)減らすように構成されている。いくつかの実施形態では、装置は、口の内部領域(例えば、歯、歯の空洞、および/または歯を取り囲む領域)、例えば、根管処置のプロセス中に殺菌するように構成されている。いくつかの実施形態では、装置は、治療線量のUVCを眼に伝達することで眼のウイルスおよび/または細菌負荷を殺菌または減少させるべく、本明細書に記載のコンタクトレンズを備えている。いくつかの実施形態では、装置は、歯肉炎を治療するように構成されており、対象の歯肉組織に治療線量またはUVCを伝達する一方で、UVCが歯肉組織の外側に伝達されるのを防止するように成形されたシールドを備えている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、眼の前領域、後領域、硝子体腔領域、網膜領域、脈絡膜領域、黄斑領域、レンズ領域(例えば、眼内レンズ領域)、毛様体筋領域、または視神経領域に、治療線量のUVC放射を伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、治療線量のUVCは、硝子体切除要素を介して対象の眼に伝達される。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、硝子体切除要素に挿入され、治療線量のUVC放射を対象の眼に直接伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、UVC放射源は、光ガイドを使用することで硝子体切除要素を通して治療線量のUVC放射を伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、光ガイド(例えば、硝子体プローブ)は、約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mm~約12mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、または約20mm)の直径を有する。いくつかの実施形態では、光ガイドは、約1mm~約20mm(例えば、約2mm~約19mm、約3mm~約18mm、約4mm~約17mm、約5mm~約16mm、約6mm~約15mm、約7mm~約14mm、約8mm~約13mm、約9mm~約12mm、約1mm、約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、約16mm、約17mm、約18mm、約19mm、または約20mm)の長さ(例えば、硝子体プローブの長さ)を有する。いくつかの実施形態では、装置を使用する殺菌セッションは、100nm~280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光による皮膚患部の照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約20mW/cm~約1,000mW/cm、例えば、約30mW/cm~約900mW/cm、約50mW/cm~約850mW/cm、約100mW/cm~約800mW/cm、約150mW/cm~約750mW/cm、約200mW/cm~約700mW/cm、約250mW/cm~約650mW/cm、約300mW/cm~約600mW/cm、約350mW/cm~約550mW/cm、約400mW/cm~約500mW/cm、約50mW/cm、約100mW/cm、約150mW/cm、約200mW/cm、約250mW/cm、約300mW/cm、約350mW/cm、約400mW/cm、約450mW/cm、約500mW/cm、約550mW/cm、約600mW/cm、約650mW/cm、約700mW/cm、約750mW/cm、約800mW/cm、約850mW/cm、約900mW/cm、約950mW/cm、または約1,000mW/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約1Hz~約1,000Hz、例えば、約5Hz~約950Hz、約10Hz~約900Hz、約25Hz~約850Hz、約50Hz~約800Hz、約100Hz~約750Hz、約150Hz~約700Hz、約200Hz~約650Hz、約250Hz~約600Hz、約300Hz~約550Hz、約350HzHz~約525Hz、約400~約500,約450~475Hz、約2Hz、約5Hz、約10Hz、約25Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、組織の殺菌は、複数の殺菌セッションを備えていることができ、前述の手順の任意の組み合わせを備えていることができる。いくつかの実施形態では、殺菌装置は細隙灯装置に取り付けられることができる。さらなる実施形態では、照明はフットプレートで制御することができる。いくつかの実施形態では、治療線量のUVC放射を照射するべく光ガイドを身体の患部に導入することができる。いくつかの実施形態では、治療線量および殺菌線量のUVC放射を照射するべく、光ガイドを眼の内部の領域(例えば、硝子体、網膜、脈絡膜、黄斑、レンズ、毛様体筋、視神経)に導入することができる。いくつかの実施形態では、近接判定要素は光ガイドに接続されるとともに、照射を制御するマイクロプロセッサに通信する。いくつかの実施形態では、照射は、光ガイドの出力端が殺菌部位から所定距離に達したときにのみ起動される。いくつかの実施形態では、殺菌のサイクルが完了すると、UVC源が停止するとともに、信号生成器は操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が殺菌部位から時期尚早に取り除かれるたびに、所定距離が回復するまで、すべての光の放出が一時停止する。いくつかの実施形態では、組織の殺菌は、開口制御要素の使用を備えていることができる。組織の殺菌のための開口制御要素は、10mm~50mm(例えば、25mm)の開口直径の開口制御要素(例えば、コーン)を利用することで、標的組織の広視野照明を可能にする。いくつかの実施形態では、殺菌は、組織を円周方向(例えば、360°)に照明する開口制御要素を備えていることができる。
【0106】
<円錐角膜などの角膜拡張症の治療>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、角膜拡張症(例えば、円錐角膜)を治療するための治療装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、装置は、UVA光を投与するように構成されており、構成は、装置のベース構成要素と、UVA光源、近接判定要素、および信号生成要素光ガイドを備えていることができるヘッド構成要素と、を備えている。円錐角膜の治療は、近紫外線(UVA)光によるリボフラビンの架橋が含まれる。対象は、最初に、治療線量のリボフラビンなどの光活性剤を眼に投与され得る。適切な光活性剤には、リボフラビン、ローズベンガル、ポルフィリンベースの光増感剤、ソラレン、キノン、アントラサイクリン、アントラセンジオン、キサンテン、フルオレセイン、ローダミン、フタレイン、シアニン、カルコゲナピリリウム染料、トリアリールメタン染料、フェノチアジン、フェノキサジン、アクリジン、ヒペリシン、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)、5-アミノレブリン酸、シプロフロキサシン、およびキニーネが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、装置を使用する殺菌セッションは、約315nm~約400nmの波長(例えば、約316nm、317nm、318nm、319nm、320nm、321nm、322nm、323nm、324nm、325nm、326nm、327nm、328nm、329nm、330nm、331nm、332nm、333nm、334nm、335nm、336nm、337nm、338nm、339nm、340nm、341nm、342nm、343nm、344nm、345nm、346nm、347nm、348nm、349nm、350nm、351nm、352nm、353nm、354nm、355nm、356nm、357nm、358nm、359nm、360nm、361nm、362nm、363nm、364nm、365nm、366nm、367nm、368nm、369nm、370nm、371nm、372nm、373nm、374nm、375nm、376nm、377nm、378nm、379nm、380nm、381nm、382nm、383nm、384nm、385nm、386nm、387nm、388nm、389nm、390nm、391nm、392nm、393nm、394nm、395nm、396nm、397nm、398nm、399nm、または400nm)のUVA光による患部組織領域の照射を備え得る。いくつかの実施形態では、UVA光は約0.5mW/cm~約30mW/cm(例えば、約1.0mW/cm、約2.0mW/cm、約3.0mW/cm、約4.0mW/cm、約5.0mW/cm、約6.0mW/cm、約7.0mW/cm、約8.0mW/cm、約9.0mW/cm、約10mW/cm、約11mW/cm、約12mW/cm、約13mW/cm、約14mW/cm、約15mW/cm、約16mW/cm、約17mW/cm、約18mW/cm、約19mW/cm、約20mW/cm、約21mW/cm、約22mW/cm、約23mW/cm、約24mW/cm、約25mW/cm、約26mW/cm、約27mW/cm、約28mW/cm、約29mW/cm、または約30mW/cm)の電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約20Hz~約1,000Hz、例えば、約50Hz~約950Hz、約100Hz~約900Hz、約150Hz~約850Hz、約200Hz~約800Hz、約250Hz~約750Hz、約300Hz~約700Hz、約350Hz~約650Hz、約400Hz~約600Hz、約450Hz~約550Hz、約500HzHz~約525Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、円錐角膜などの拡張症の治療は、複数のセッションを備えていることができ、前述の手順の任意の組み合わせを備えていることができる。いくつかの実施形態では、装置は細隙灯装置に取り付けられることができる。さらなる実施形態では、照明はフットプレートで制御することができる。いくつかの実施形態では、光ガイドを使用することで、治療線量のUVC放射を照射することができる。いくつかの実施形態では、近接判定要素は光ガイドに接続されるとともに、照射を制御するマイクロプロセッサに通信する。いくつかの実施形態では、照射は、光ガイドの出力端が投与部位から所定距離に達したときにのみ起動される。いくつかの実施形態では、投与のサイクルが完了すると、UVA源が停止するとともに、信号生成器は操作者に装置を取り外すように通知する。さらなる実施形態では、装置が投与部位から時期尚早に取り除かれるたびに、所定距離が回復するまで、すべての光の放出が一時停止する。
【0107】
<コンタクトレンズ、コンタクトレンズケース、眼鏡、または眼鏡ケース、の殺菌>
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、コンタクトレンズ、コンタクトレンズケース、眼鏡および/または眼鏡ケースを殺菌するための殺菌装置として使用することができる。いくつかの実施形態では、殺菌装置は、コンタクトレンズ、コンタクトレンズケース、眼鏡および/または眼鏡ケースを殺菌するように構成されており、構成には、装置のベース構成要素と、UV源を備えていることができるヘッド構成要素と、が含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の装置は、コンタクトレンズアクセサリアイテム(例えば、コンタクトレンズサッカ、プランジャー、フィンガーグローブ)を殺菌するべく構成されている。いくつかの実施形態では、装置を使用する殺菌セッションは、100nm~280nm(例えば、105nm~275nm、110nm~270nm、115nm~265nm、120nm~260nm、125nm~255nm、130nm~250nm、135nm~245nm、140nm~240nm、145nm~235nm、150nm~230nm、155nm~225nmnm、160nm~220nm、165nm~215nm、170nm~210nm、175nm~205nm、180nm~200nm、185nm~195nm、101nm、102nm、103nm、104nm、105nm、106nm、107nm、108nm、109、110nm、111nm、112nm、113nm、114nm、115nm、116nm、117nm、118nm、119、120nm、121nm、122nm、123nm、124nm、125nm、126nm、127nm、128nm、129、130nm、131nm、132nm、133nm、134nm、135nm、136nm、137nm、138nm、139、140nm、141nm、142nm、143nm、144nm、145nm、146nm、147nm、148nm、149、150nm、151nm、152nm、153nm、154nm、155nm、156nm、157nm、158nm、159、160nm、161nm、162nm、163nm、164nm、165nm、166nm、167nm、168nm、169、170nm、171nm、172nm、173nm、174nm、175nm、176nm、177nm、178nm、179、180nm、181nm、182nm、183nm、184nm、185nm、186nm、187nm、188nm、189、190nm、191nm、192nm、193nm、194nm、195nm、196nm、197nm、198nm、199、200nm、201nm、202nm、203nm、204nm、205nm、206nm、207nm、208nm、209、210nm、211nm、212nm、213nm、214nm、215nm、216nm、217nm、218nm、219、220nm、221nm、222nm、223nm、224nm、225nm、226nm、227nm、228nm、229、230nm、231nm、232nm、233nm、234nm、235nm、236nm、237nm、238nm、239、240nm、241nm、242nm、243nm、244nm、245nm、246nm、247nm、248nm、249、250nm、251nm、252nm、253nm、254nm、255nm、256nm、257nm、258nm、259、260nm、261nm、262nm、263nm、264nm、265nm、266nm、267nm、268nm、269、270nm、271nm、272nm、273nm、274nm、275nm、276nm、277nm、278nm、279、または280nm)の波長のUVC光によるコンタクトレンズ、コンタクトレンズケース、眼鏡および/または眼鏡ケースの照射を備えていることができる。いくつかの実施形態では、UVC光は約20mJ/cm~約5000mJ/cm、例えば、約50mJ/cm~約4500mJ/cm、約100mJ/cm~約4000mJ/cm、約200mJ/cm~約4000mJ/cm、約300mJ/cm~約3500mJ/cm、約500mJ/cm~約3000mJ/cm、約1,000mJ/cm~約2500mJ/cm、約1500mJ/cm~約2000mJ/cm、約100mJ/cm、約200mJ/cm、約300mJ/cm、約400mJ/cm、約500mJ/cm、約600mJ/cm、約700mJ/cm、約800mJ/cm、約900mJ/cm、約1,000mJ/cm、約1500mJ/cm、約2000mJ/cm、約2500mJ/cm、約3000mJ/cm、約3500mJ/cm、約4000mJ/cm、約4500mJ/cm、約5000mJ/cmの電力密度を有しており、連続照明またはパルス照明であり得る。照明がパルスであるいくつかの実施形態では、パルス周波数は、約20Hz~約1,000Hz、例えば、約50Hz~約950Hz、約100Hz~約900Hz、約150Hz~約850Hz、約200Hz~約800Hz、約250Hz~約750Hz、約300Hz~約700Hz、約350Hz~約650Hz、約400Hz~約600Hz、約450Hz~約550Hz、約500HzHz~約525Hz、約50Hz、約100Hz、約150Hz、約200Hz、約250Hz、約300Hz、約350Hz、約400Hz、約450Hz、約500Hz、約550Hz、約600Hz、約650Hz、約700Hz、約750Hz、約800Hz、約850Hz、約900Hz、約950Hz、約1,000Hz、Hz、デューティサイクルは、1~100%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%)であり得る。いくつかの実施形態では、殺菌は、複数の殺菌セッション(例えば、毎日、毎週、毎月、毎年)を備えていることができ、前述の手順の任意の組み合わせを備えていることができる。いくつかの実施形態では、殺菌装置をコンタクトレンズケースに接続することができる。いくつかの実施形態では、殺菌装置を眼鏡ケースに接続することができる。さらなる実施形態では、殺菌は、コンタクトレンズケースまたは眼鏡ケースによって放出される超音波と組み合わせて行われる。
【0108】
<実施例>
以下の実施例は、本明細書に記載の組成物および方法をどのように使用し、製造し、評価し得るかについての説明を当業者に提供するべく提示し、純粋に本発明を例示することを意図するものであり、発明者らが自身の発明と見なすものの範囲を限定することを意図しない。
【0109】
<実施例1.眼瞼炎および/またはマイボーム腺疾患MGDを治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、眼瞼炎および/またはマイボーム腺疾患MGDを治療するべく使用することができる。眼科医は、眼瞼炎および/またはマイボーム腺疾患MGDを治療するための装置を使用する(図1図8)。ヘッド構成要素には、UV源、および任意に、赤外線IR光源、熱源、強力パルス光源、および超音波源、のうちの1つまたは複数が装備される(図1図8)。眼科医は、ベース構成要素の制御ボタンを押すことで、ヘッド構成要素を患者の左眼の下眼瞼の近くに引き寄せる。眼科医は、ヘッド構成要素を患部眼瞼に接触させるだけでなく、装置のベース構成要素の制御ボタンを押すことで治療を開始する。波長265nmの治療線量UVC光は、2mW/cmの出力で30秒間、ヘッド構成要素の遠位端から放出される。UVCによる眼瞼の照射に続いて、眼科医は制御ボタンをもう一度押すことで、ヘッド構成要素の遠位端から放出される超音波と熱を選択する。0.7W/cmで3MHzの周波数の治療線量の超音波は、ヘッド構成要素の遠位端に存在する発熱要素による同時加熱とともに眼瞼に伝達されるので、マイボーム腺の温度を約40℃に上昇させることで、罹患した眼瞼のマイボーム腺を詰まらせている油性粒子を軟化および除去する。次に、眼科医は3回目のベース構成要素の制御ボタンを押すことで眼瞼の照射を起動させることで、波長2.0μmの赤外光を12分間照射し、治療照射同士の間に30秒のダウン期間を挟む。治療は毎月繰り返されることで、合計4回の治療セッションを行う。
【0110】
<実施例2.眼癌を治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、眼癌を治療するべく使用することができる。腫瘍専門医は、眼黒色腫を治療するための装置を使用する(図9図15)。ヘッド構成要素は、UV源、近接判定要素、および撮像モジュール、を備えている(図9図15)。腫瘍科医は、ベース構成要素の電源ボタンを押すことで近接判定要素を起動するとともに、装置を罹患した眼の近くに引き寄せる。ヘッド構成要素の遠位端に存在するUVC光源と黒色腫部位との間の所定距離に達すると、近接判定要素が腫瘍科医に信号を送る。近接判定要素は、装置が所定距離に存在するときには腫瘍科医に見える緑色の光を起動させる一方で、装置が所定距離の外に存在するときには腫瘍科医に見える赤色の光を作動させる。治療装置を腫瘍部位から所定距離に保持するとともに、腫瘍専門医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、5Hzのパルス周波数で10分間、波長265nmのUVC光の治療セッションを提供する。UVC療法を、1週間の休憩期間を挟んで1~10回投与する。
【0111】
<実施例3.口腔内のウイルス負荷を減らすための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、SARS-CoV-2に罹患した患者の口内のウイルス負荷を減らすべく使用することができる。歯科医は、口腔を殺菌するための装置を使用する。ヘッド構成要素には、UV源、UVC光ファイバー、近接判定要素、および信号生成要素、が装備されている。歯科医は、光ファイバーの入力端をヘッド構成要素のUVC光源の遠位端に取り付けることで、UVC光を口の中に伝達する。次に、歯科医は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。光ファイバーは、光ファイバーの出力端と治療部位との間の所定殺菌距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。光ファイバーの出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを歯科医に知らせる。光ファイバーを治療部位から所定距離に保持するとともに、歯科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、波長265nm、および20Hzのパルス周波数で30秒間、20mW/cmの出力でUVC光の治療セッションを提供する。将来の歯科治療のために、必要に応じてUVC療法を繰り返す。
【0112】
<実施例4.円錐角膜を治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、円錐角膜を治療するべく使用することができる。円錐角膜の治療には、近紫外線(UVA)光によるリボフラビンの架橋が含まれる。眼科医は、最初に患者の罹患した眼にリボフラビンの治療溶液を投与する。眼科医は、円錐角膜を治療するための装置を使用する(図16および図17)。ヘッド構成要素には、UVA光源、近接判定要素、および信号生成要素が装備されている(図16および図17)。眼科医は、ベース構成要素の電源ボタンを押すことで近接判定要素を起動するとともに、装置を患部角膜の近くに引き寄せる。ヘッド構成要素の遠位端に存在するUVA光源と患部角膜との間の所定距離に達すると、近接判定要素が眼科医に信号を送る。近接判定要素は、装置が所定距離に存在するときには眼科医に見える緑色の光を起動させる一方で、装置が所定距離の外に存在するときには眼科医に見える赤色の光を作動させる。患部角膜から所定距離に治療装置を保持するとともに、眼科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVA光を起動させることで、波長365nmのUVA光の線量を、電力9mW/cmで10分間伝達する。
【0113】
<実施例5.コンタクトレンズを殺菌するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、コンタクトレンズを殺菌するべく使用することができる。コンタクトレンズを殺菌するための装置を使用する作業者は、ヘッド構成要素を滅菌装置のベース構成要素に取り付ける(図18図22)。ヘッド構成要素は、UV源およびヘッド構成要素の遠位端をコンタクトレンズ収納ケースに接続するアタッチメントクリップを装備している。コンタクトレンズケースには超音波源も装備されている。作業者は、ベース構成要素およびコンタクトレンズ殺菌ヘッド構成要素を備えている殺菌装置を、コンタクトレンズケースに取り付ける。次に、作業者は滅菌装置のベース構成要素の電源ボタンを押すことで、波長220nmのUVC照射と、および20mW/cmの電力、および5Hzのパルス周波数で300秒間の3MHzの超音波とを組み合わせた所定殺菌プログラムを起動させる。UVC療法を毎日繰り返す。
【0114】
<実施例6.眼鏡を殺菌するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、眼鏡を殺菌するべく使用することができる。作業者は、眼鏡を殺菌するためのヘッド構成要素を使用することで、ヘッド構成要素を殺菌装置のベース構成要素に取り付ける。ヘッド構成要素は、UV源およびヘッド構成要素の遠位端を眼鏡収納ケースに接続するアタッチメントクリップを装備している。眼鏡ケースには超音波源も装備されている。作業者は、ベース構成要素および眼鏡殺菌ヘッド構成要素を備えている殺菌装置を、眼鏡ケースに取り付ける。次に、作業者は滅菌装置のベース構成要素の電源ボタンを押すことで、波長265nmのUVC照射と、20mW/cmの電力、300秒間の3MHzの超音波とを組み合わせた所定殺菌プログラムを起動させる。UVCおよび超音波療法を、眼鏡の使用後に繰り返す。
【0115】
<実施例7.眼と眼瞼を殺菌するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、外科的処置の前に、SARS-CoV-2に罹患した患者の眼と眼瞼のウイルス負荷を減らすべく使用することができる。眼科医は、眼と眼瞼を殺菌するための装置を使用する。ヘッド構成要素は、UV源、開口制御構成要素、近接判定要素、および信号生成要素を装備している。眼科医は、UVCLED送出ヘッドをヘッド構成要素に取り付けるとともに、UVCLEDの遠位端に直径50mmの開口制御構成要素を取り付けることで、UVC光を眼瞼に送達する。次に、眼科医は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。ヘッド構成要素は、開口制御構成要素の出力端と治療部位との間の所定殺菌距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。開口制御構成要素の出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを眼科医に知らせる。開口制御構成要素を治療部位から所定距離に保持するとともに、眼科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、波長265nm、および20Hzのパルス周波数で30秒間、UVC光の治療セッションを提供する。UVC療法を、その後の外科的処置の開始前にのみ繰り返す。
【0116】
<実施例8.鼻腔を殺菌するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、SARS-CoV-2に罹患した患者の鼻内のウイルス負荷を減らすべく使用することができる。耳鼻咽喉科医は、鼻腔を殺菌するための装置を選択する。ヘッド構成要素は、UV源、UVC光ファイバー、開口制御構成要素、近接判定要素、および信号生成要素を装備している。耳鼻咽喉科医は、光ファイバーの入力端をヘッド構成要素のUVC光源の遠位端、および360度照射の開口制御構成要素に取り付けることで、UVC光を鼻の中に送達する。次に、耳鼻咽喉科医は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。光ファイバーは、光ファイバーの出力端と治療部位との間の所定殺菌距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。光ファイバーの出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを耳鼻咽喉科医に知らせる。光ファイバーを治療部位から所定距離に保持するとともに、耳鼻咽喉科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、波長265nmの連続UVC光の治療セッションを提供する。
【0117】
<実施例9.治療用マルチヘッド装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、異なる医療適応症を治療するべく使用することができる。ベース構成要素と、さまざまな適応症を治療するように構成された複数の治療ヘッドと、を備えているその設計によって、医療提供者は異なる患者間で治療ヘッドを交換することができる。眼科医は、最初の患者の眼瞼炎を治療するためのヘッド構成要素を選択する。ヘッド構成要素には、UV源、赤外線IR光源、熱源、および超音波源が装備されている。眼科医は、ベース構成要素の電源ボタンを押すことで、ヘッド構成要素を患者の左眼の下眼瞼の近くに引き寄せる。眼科医は、ヘッド構成要素を患部眼瞼に接触させるだけでなく、装置のベース構成要素の制御ボタンを押すことで治療を開始する。波長265nmの治療線量UVC光は、10mW/cmの出力で30秒間、ヘッド構成要素の遠位端から放出される。UVCによる眼瞼の照射に続いて、眼科医は制御ボタンをもう一度押すことで、ヘッド構成要素の遠位端から放出される超音波と熱を選択する。0.7W/cmで3MHzの周波数の治療線量の超音波は発熱要素による同時加熱とともに眼瞼に伝達されるので、眼瞼の温度を40℃に上昇させることで、罹患した眼瞼のマイボーム腺を詰まらせている油性粒子を軟化させることによって、除去を容易にする治療は毎月繰り返されるとともに、腺の手動または自動圧搾によって補足される。次に、眼科医は第2患者を診察し、眼瞼を殺菌することで眼瞼のウイルス負荷を減らすためのヘッドを選択する。眼科医は、ベース構成要素のリリースボタンを押すことでベース構成要素から眼瞼炎治療用のヘッドを取り外すとともに、滅菌アプリケーション用のヘッドおよび光ファイバーと交換する。眼科医は、アタッチメントアダプタ要素を使用することでベース構成要素を細隙灯(スリットランプ)に固定することによって、手で光ファイバーを制御できるようにする。次に、眼科医は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。光ファイバーは、光ファイバーの出力端と治療部位との間の所定殺菌距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。光ファイバーの出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを歯科医に知らせる。光ファイバーを治療部位から所定距離に保持するとともに、眼科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、波長265nm、20mW/cmの出力で30秒間、連続的なUVC光の治療セッションを提供する。
【0118】
<実施例10.胃潰瘍を治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、H.pylori(ヘリコバクター・ピロリ)潰瘍に罹患した患者の胃腸管内の細菌負荷を低減するべく使用することができる。胃腸科医は、胃腸腔を殺菌するためのヘッド構成要素を選択するとともに、ヘッド構成要素を治療装置のベース構成要素に取り付ける。ヘッド構成要素には、遠紫外線(UVC)光源、UVC光ファイバー、近接判定要素、および信号生成要素が装備されている。胃腸科医は、光ファイバーの入力端をヘッド構成要素のUVC光源の遠位端に取り付けることで、UVC光を消化管腔内に送達する(これは内視鏡に取り付けられているか、内視鏡に組み込まれている場合がある)。次に、胃腸科医は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。光ファイバーは、光ファイバーの出力端と治療部位との間の所定殺菌距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。光ファイバーの出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを胃腸科医に知らせる。光ファイバーを治療部位から所定距離に保持するとともに、胃腸科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、波長265nm、および5Hzのパルス周波数で30秒間、UVC光の治療セッションを提供する。UVC療法を、300秒の休憩時間を挟んで最大10回まで繰り返す。
【0119】
<実施例11.歯肉炎を治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、患者の口内の歯肉炎を治療するべく使用することができる。歯科衛生士は、口腔を殺菌するための装置を使用する。ヘッド構成要素は、光ガイドの遠位端にUVCLEDを装備した光ガイドに取り付けられ(図28A図28B図28C、および図28D)、装置には近接判定要素および信号生成要素も装備されている。歯科衛生士は、光ガイドの近位端をヘッド構成要素に取り付けることで、口内にUVC光を伝達する。次に、歯科衛生士は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。光ガイドは、光ガイドの出力端と治療部位との間の所定治療距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。光ガイドの出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを歯科衛生士に知らせる。装置を治療部位から所定距離に保持するとともに、歯科衛生士は光ガイドの遠位端に配置されたUVCLED光を起動させることで、波長265nm、および20Hzのパルス周波数で30秒間、20mW/cmの出力でUVC光の治療セッションを提供する。将来の歯肉炎の治療のために、必要に応じてUVC療法を繰り返す。
【0120】
<実施例12.歯周炎および歯の感染症を治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、患者の口内の歯周炎および歯の感染症を治療するべく使用することができる。歯科専門家(例えば、歯科医または歯科衛生士)は、口腔および虫歯を殺菌するための装置を使用する。ヘッド構成要素は、光ガイドの遠位端にUVCLEDを装備した光ガイドに取り付けられ(図28A図28B図28C、および図28D)、装置には近接判定要素および信号生成要素も装備されている。歯科衛生士は、光ガイドの近位端をヘッド構成要素に取り付けることで、関心のある歯周領域と歯の感染領域にUVC光を伝達する。次に、歯科衛生士は装置のベース構成要素の電源ボタンを押す。光ガイドは、光ガイドの出力端と治療部位との間の所定治療距離に到達するまでUVC光をオフに維持する近接判定要素を備えている。光ガイドの出力端が治療部位から所定距離に達すると、近接判定要素は緑色の光を起動することで、所定距離が達成されたことを歯科衛生士に知らせる。装置を治療部位から所定距離に保持するとともに、歯科衛生士は光ガイドの遠位端に配置されたUVCLED光を起動させることで、20Hzのパルス周波数で30秒間、20mW/cmの出力で265nmUVC光の治療セッションを提供する。将来の歯周炎や歯の感染症の治療のために、必要に応じてUVC療法を繰り返す。
【0121】
<実施例13.癌を治療するための治療装置の使用>
本明細書に記載の治療装置は、癌を治療するべく使用することができる。乳腺外科医は、乳癌を治療するべく装置を使用する(図28A図28D)。ヘッド構成要素は、光ガイドの遠位端にUVCLEDを装備した光ガイドに取り付けられ(図28A図28D)、装置には近接判定要素および信号生成要素も装備されている。腫瘍科医は、ベース構成要素の電源ボタンを押すことで近接判定要素を起動するとともに、装置を腫瘍部位の近くに引き寄せる。ヘッド構成要素の遠位端に存在するUVC光源と腫瘍部位との間の所定距離に達すると、近接判定要素が腫瘍科医に信号を送る。近接判定要素は、装置が所定距離に存在するときに腫瘍科医に見える緑色の光を起動させる一方で、装置が所定距離の外に存在するときに腫瘍科医に見える赤色の光を作動させる。治療装置を腫瘍部位から所定距離に保持するとともに、腫瘍科医はヘッド構成要素の遠位端に配置されたUVC光を起動させることで、5Hzのパルス周波数で10分間、波長265nmのUVC光の治療セッションを提供する。UVC療法を、1週間の休憩期間を挟んで1~10回投与する。
【0122】
<他の実施形態>
本発明はその特定の実施形態と共に記載されているが、本発明は、さらなる修正が可能であり、かつ、本出願が、一般に、本発明の原理に従った、本発明のあらゆる変化、使用、または適応をカバーし、本発明が関係する当該技術で知られるようになる、または、習慣的に実践される、本発明からの逸脱を備えていることが意図され、上記で説明した本質的な特徴に適用可能であり、特許請求の範囲に従うことが理解されよう。他の実施形態は、特許請求の範囲に見出される。
図1
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図28D
【国際調査報告】