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特表2023-533896燃料電池自動車トラクションシステム用アノードバルブ
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  • 特表-燃料電池自動車トラクションシステム用アノードバルブ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】燃料電池自動車トラクションシステム用アノードバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20230731BHJP
   H01F 7/16 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
F16K31/06 305J
H01F7/16 C
H01F7/16 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564783
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 IB2021056189
(87)【国際公開番号】W WO2022013695
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】102020000017074
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522176953
【氏名又は名称】オエンメビ・サレリ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ-ソチエタ・ベネフィット
【氏名又は名称原語表記】OMB SALERI S.P.A.- SOCIETA’ BENEFIT
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100109139
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 孝弘
(72)【発明者】
【氏名】ボシオ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ペローニ,ダヴィデ
(72)【発明者】
【氏名】サントゥッリ,レナート
【テーマコード(参考)】
3H106
5E048
【Fターム(参考)】
3H106DA07
3H106DA12
3H106DA23
3H106DB02
3H106DB12
3H106DB23
3H106DB32
3H106DC02
3H106DC17
3H106DD02
3H106EE39
3H106EE45
3H106GA13
3H106GA15
3H106GA23
3H106KK17
5E048AA08
5E048AB01
5E048AC08
5E048AD02
(57)【要約】
自動車トラクションシステムの下流燃料電池回路用のアノードバルブ(1)は、バルブ本体(2)、シャッタ(8)、およびソレノイド装置を備える。前記ソレノイド装置の電機子(68)はC字形であり、可動コア(48)はステム(44)上をスライドする。前記ソレノイド装置は、可動コア(48)と一体で、ステム(44)と同軸で、ステム(44)が貫通し、ステム(44)の側面を摺動する少なくとも1つのブッシング(55)を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車トラクションシステムの燃料電池の下流の回路用のアノードバルブ(1)は、
入ってくる流体のための入口ダクト(4)、入口ダクト(4)に接続可能な流体を排出するための出口ダクト(6)、および本体コンパートメント(5)を有するバルブ本体(2)と、
閉鎖構成から開放構成へ移行するのに適したシャッタ(8)であって、前記入口ダクト(4)から前記出口ダクト(6)への流体の通過を防ぎ、開放構成になり、前記入口ダクト(4)から前記出口ダクト(6)への流体の移動を可能にするシャッタ(8)と、
前記シャッタ(8)を閉鎖構成から開放構成に移動させるための電動式ソレノイド装置とを備え、
前記ソレノイド装置は、
固定コア(36’)、前記シャッタ(8)と一体の平行移動可能な可動コア(48)、巻線(70)、および前記巻線(70)を支持する固定電機子(68)を備え、
前記電機子(68)はC字形であり、前記巻線(70)の側面(70a)に面する主壁(69)を含み、
前記主壁(69)から突出する一対の底壁(71)と、その間に前記巻線(70)が保持され、
前記可動コア(48)は、ステム(44)と同軸であり、ステムと交差する軸方向貫通コア穴(53)を有し、
前記コア穴(53)の側面と前記ステム(44)の側面との間には、前記可動コア(48)がステム(44)上を摺動できる隙間があり、
前記ソレノイド装置は、前記可動コア(48)と一体であり、前記ステム(44)と同軸であり、前記ステム(44)と交差し、前記コア穴(53)の入口に配置され、前記ステム(44)の側面上を摺動可能である少なくとも1つのブッシング(55)を備える。
【請求項2】
前記ソレノイド装置は2つのブッシング(55)を含み、最初のブッシングはコア穴(53)の入口に配置され、固定コア(36’)に面し、もう1つはコア穴(53)の別の入口にあり、シャッタ(8)に面している、
請求項1に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項3】
前記ブッシングが自己潤滑強化ポリマーで作られていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項4】
前記シャッタは、前記可動コア(48)と案内手段とが内部ケーシング(20)内に収容された内部ケーシング(20)を備え、これらは、可動コア(48)と一体であり、前記可動コア(48)を並進的に案内するのに適している、
請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項5】
前記可動コア(48)と一体のソケット(54)を備え、前記案内手段が前記ソケット(54)に適用される、
請求項4に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項6】
前記案内手段は、前記ソケット(54)によって支持され、前記内部ケーシング(20)の第1の壁(24)の内側面(24a)上を滑って、前記ソケット(54)の移動を案内する少なくとも1つのスキッド(65)を含む、
請求項5に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項7】
前記スキッド(65)が、PTFEまたはPURで作られている、
請求項6に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項8】
前記可動コア(48)を閉鎖構成に近づけるために、前記可動コア(48)上で恒久的に作動するのに適した弾性復帰手段を備える、
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のアノードバルブ(1)。
【請求項9】
前記ソケット(54)には、環状のソケット壁(56)およびソケットベース(58)が設けられ、前記可動コア(48)とともにソケットコンパートメント(60)を画定し、前記弾性復帰手段は、前記ソケットコンパートメント(60)に収容される、
請求項8に記載のアノードバルブ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素燃料電池自動車システム用の部品の分野に関し、特に、本発明は、アノードバルブ、すなわち、燃料電池に水素を供給するシステムの低圧分岐を遮断するバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池自動車トラクションシステムでは、水素が高圧でタンクに送り込まれ、高圧ラインを通って圧力調整器に供給され、圧力調整器の下流では、燃料電池に供給する低圧ラインが始まる。電気モータを駆動するために使用される電気の生成につながる化学反応の生成物として、燃料電池は、水素、窒素、水蒸気、および液体の水からなる混合物を排出する。混合物は、再循環される予定の水素を他の成分から分離する陽極(アノード)水分離器(AWS)で処理される。窒素、水蒸気、および液体の水によって形成された混合物は、処理される混合物に応じて異なる名前を持つ1つまたは複数のアノードバルブに送られる。
通常、一般的な液体成分との混合物を処理するバルブは、アノードドレンバルブ(ADV)と呼ばれる。一般的なガス成分との混合物を処理するバルブは、アノードパージバルブ(APV)と呼ばれる。ADVバルブの上流に配置された、一般的なガス成分との混合物を処理するバルブは、アノードドレインバルブヘッダ(ADVH)と呼ばれる。
【発明の概要】
【0003】
アノードバルブは高い信頼性を確保する必要があり、要求される耐用年数と、処理される気体と液体の混合物との接触に費やされる時間によって厳しくテストされる。
本発明の目的は、信頼性の高いアノードバルブを提供することにある。
【0004】
前記目的は、請求項1によるアノードバルブによって達成される。それに従属する請求項は、本発明の追加の有利な実施形態を特定する。
【0005】
本発明によるアノードバルブの特徴および利点は、添付図面に従って非限定的な例として与えられる以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態によるアノードバルブを別々の部分で示す。
図2図1のアノードバルブの断面図である。
図3】本発明によるアノードバルブのソレノイド装置の電機子を示す図である。
図4図4は、本発明によるアノードバルブのソレノイド装置の電機子および巻線を含むアセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付図面を参照すると、参照符号1は、燃料電池の下流のラインに沿って動作し、バルブの用途に応じて、水素、窒素、水蒸気、または水などの、主にガス状成分で構成される流体が供給されるアノードバルブを示すために使用されている。
【0008】
アノードバルブ1はバルブ本体2を備え、バルブ本体2は、通常、例えば工具によってバーから得られる、アルミニウムから単一部品で作られる。バルブ本体2は、アノードバルブ1に流入する流体のための入口ダクト4と、流体を排出するための出口ダクト6とを有し、出口ダクト6は入口ダクト4に接続可能である。
【0009】
バルブ本体2はまた、いくつかの成分を収容するためのコンパートメント5有する。前記コンパートメント5は、入口ダクト4と出口ダクト6との間の通路の底部に、以下に説明する支持面16を有する。
【0010】
少なくとも部分的に弾性的に変形可能なシャッタ8は、入口ダクト4と出口ダクト6との間で作動可能である。閉じた構成では、シャッタ8は、入口ダクト4から出口ダクト6への流体の通路を密封して閉じ、一方、開いた構成では、シャッタ8は、流体が入口ダクト4から出口ダクト6に通過することを可能にする通路を少なくとも部分的にクリアする。
【0011】
シャッタ8は、入口ダクト4と出口ダクト6との間の通路を閉鎖するためのバルブ本体2のシール面との少なくとも1つの接触面を有するシャッタ本体10と、シャッタ本体10に結合された弾性的に変形可能なシャッタダイヤフラム12とを備える。シャッタ本体およびシャッタダイヤフラムは、好ましくは、例えばEPDM(エチレン-プロピレンジエンモノマー)などの合成ゴムで一体に作られる。
【0012】
例えば、シャッタ本体10は、形状が円筒形であり、シャッタダイヤフラム12は、シャッタ本体10から半径方向にリング状に延在する。
【0013】
好ましくは、シャッタダイヤフラム12は、そのシール特性を改善するために環状拡大部14を周辺に有する。
【0014】
シャッタダイヤフラム12は、支持面16上に載る。
【0015】
好ましくは、アノードバルブ1はさらに、アノード体2の本体コンパートメント5に収容された、例えば環状で、通常は金属材料で作られた圧力要素18をさらに備え、圧力要素18とシャッタダイヤフラム12との間、およびシャッタダイヤフラム12とバルブ本体2の支持面16との間の流体シールを達成するためにシャッタダイヤフラム12を押すのに適している。
【0016】
その結果、本体コンパートメント5は、入口ダクト4および出口ダクト6から気密に密閉される。
【0017】
好ましくは、アノードバルブ1は、本体コンパートメント5内に少なくとも部分的に収容された、例えば管状の内部ケーシング20をさらに備える。
【0018】
特に、内部ケーシング20は、本体コンパートメント5に収容される第1の部分22を備え、圧力要素18と接触し、第1のチャンバ26を囲む第1の管状壁24を備える。
【0019】
第1の部分22では、外側でナット28が作動し、本体コンパートメント5の口でバルブ本体2にねじ込まれ、第1の部分22に対するスラストで作動し、それによってスラスト作用が圧力要素18に伝達される。
【0020】
内部ケーシング20は、第1の部分22から軸方向に延びてナット28を通って本体コンパートメント5から出る第2の部分30をさらに備える。第2の部分30は、第2のチャンバ34を取り囲む第2の管状壁32を含む。壁端部32aで終わる第2の壁32は、強磁性金属材料、例えば11SMn37などの炭素鋼でできている。
【0021】
最後に、内部ケーシング20は、第2のチャンバ34を閉じる、本体コンパートメント5の外側の第2の部分30に結合された第3の部分36を備える。一実施形態によれば、前記第3の部分36は、電磁作動によってシャッタ8のシャッタ本体10を動かすのに適したソレノイド装置の固定コア36’をさらに備える。
【0022】
第3の部分36は、強磁性金属材料、例えば、11SMn37鋼などの炭素鋼でできている。
【0023】
内部ケーシング20はさらに、非磁性材料、例えばCuAl8などの銅合金または一般的には青銅で作られた環状バンド38を含み、壁端32aに適用され、第3の部分36または固定コア36’との磁気的連続性を遮断する。例えば、バンド38は、第2の壁32と第3の部分36または固定コア36’との間に行われた溶接の残りの部分を含む。
【0024】
アノードバルブ1はさらに、第2のチャンバ34内に収容された固定ガイド40を備える。前記ガイド40は、第3の部分36に固定された足42と、足42から主軸Xに沿って延びるステム44と、足42とは反対側のステム44の端部に接合されたヘッド46とを備える。
【0025】
アノードバルブ1はさらに、強磁性金属材料で作られ、第2のチャンバ34に収容され、ガイド40のステム44に摺動可能に取り付けられた、ソレノイド装置の可動コア48を備える。可動コア48は、第3の部分36(固定コア)に面する第1の端部50と、迫持受けを形成するヘッド46に面する第2の端部52との間の主軸Xに沿って延びる。
【0026】
ステム44上で適切な摺動を可能にするために、可動コア48は、ステム44と同軸で貫通する軸方向貫通コアボア53を有する。コアボア53の表面とステム44の表面との間にはギャップがあり、このギャップは小さいが、可動コア48が動かなくなることなくスライドすることを可能にする。
【0027】
ソレノイド装置は、可動コア48と一体であり、ステム44と同軸であり、それによって貫通され、コアボア53の入口に配置され、ステム44の側面上で摺動可能な少なくとも1つのブッシング55をさらに備える。
【0028】
好ましくは、ソレノイド装置は、2つのブッシング55を備え、第1のものは、コアボア53の入口に位置し、固定コア36’に面し、他方はコアボア53の入口にあり、シャッタ8またはガイド40のヘッド46に面している。
【0029】
好ましくは、前記ブッシングは、自己潤滑強化ポリマーで作られる。
【0030】
好ましくはねアノードバルブ1は、可動コア48と一体のソケット54をさらに含み、例えば、第2の端部52で前記可動コア48に適用される。ソケット54は、環状のソケット壁56とソケットベース58とを含み、これらは、可動コア48と共にソケットコンパートメント60を画定し、そのヘッド46内にガイド40が配置される。
【0031】
アノードバルブ1はさらに、ソケット54上で恒久的に作動してソケット54を閉構成に近づけるのに適した弾性復帰手段を備える。例えば、前記復帰手段は、ソケットコンパートメント60に収容され、ガイド40の間で圧縮され、特にヘッド46とソケットベース58に適用されるばね62を備える。
【0032】
ソケット54はシャッタ8に接続され、それによって、ソケット54の平行移動は、閉じた構成と開いた構成との間でシャッタ本体10の変位をもたらす。
【0033】
例えば、シャッタ8は、例えばシャッタ本体10との同時成形または同時射出によって作られるシャッタ本体10と一体のペグ64を含み、前記主軸Xに沿って延びるペグ64は、ソケットベース58に、例えばねじ止めされる。
【0034】
アノードバルブ1は、可動コア48と一体の、内部ケーシング20、特に第1のチャンバ26に収容された案内手段を備え、特にソケット54に適用され、前記ソケット54を並進的に案内するのに適している。
【0035】
好ましくは、前記案内手段は、ソケット54によって支持され、前記ソケット54の平行移動を案内するために第1の壁24の内側面24a上でスライド可能な少なくとも1つのスキッド65を備える。例えば、スキッド65は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはPUR(ポリウレタン)から作られる。
【0036】
ソレノイド装置は、磁場を生成するために電力供給される巻線70を支持する固定電機子68をさらに備える。巻線70内には少なくとも部分的に固定コア36’が含まれ、固定コア内には少なくとも部分的に可動コア48が含まれる。非磁性金属材料で作られたバンド38は、巻線70と第2のチャンバ34との間に配置され、磁場を偏向させ、それを可動コア48に運ぶ。
【0037】
電機子68は、好ましくは鋼で作られ、C字形であり、巻線70の側面70aに面する主壁69を備え、主壁69から突出する一対の底壁71があり、その間に巻線70が保持される。
【0038】
最後に、ソレノイド装置は、巻線70および固定コア36’を備えた電機子68を取り囲む外側ケーシング72を備えることが好ましい。
【0039】
さらに、一実施形態によれば、アノードバルブ1は、バルブ本体2を加熱し、低温で形成された氷堆積物を溶かすために、電力供給可能な少なくとも1つのヒータ74を備える。
【0040】
アノードバルブ1の通常の動作では、前記アノードバルブは最初閉じた構成にあり、ソレノイド装置は、巻線70に電力が供給されていない停止状態にある。その結果、固定コア36’と可動コア48との間に磁気吸引作用は存在せず、復帰手段、特にばね62の作用により、シャッタ本体は入口ダクト4から出口ダクト6への流体の通過を妨害する。この構成では、可動コア48は閉位置にあり、第1の端部50が固定コア36’とギャップGを形成する。
【0041】
アノードバルブ1が閉鎖構成にあるとき、流体は入口ダクト4内に蓄積し、シャッタを持ち上げる傾向にある圧力を開放構成に向かってシャッタに加える。したがって、復帰手段の動作は、シャッタを閉じた構成に保つために特にエネルギー的でなければならない。
【0042】
システムが流体の排出を要求するとき、ソレノイド装置が作動状態になるように巻線70に電力が供給される。磁場によって生成される可動コアと固定コアとの間の引力の作用は、可動コア48を固定コア36’に向かって引き寄せる。次に、可動コア48は、ギャップGが最小に減少する開位置に移動する。これにより、シャッタ本体10は、入口ダクト4と出口ダクト6との間の通路を空ける。したがって、バルブ1は開構成をとり、流体は下流に排出され得る。
【0043】
上述のように、ばね62の作用は、閉じた構成で確実に閉じるために非常に強力でなければならないので、可動コアと固定コアとの間の引力作用は、開いた構成に移行するために等しく強力でなければならない。この目的のために、バンド38は、巻線から可動コアへの磁束を適切に導くことを可能にし、磁束が内部ケーシングに導かれるのを防止し、それによって固定コアと可動コアとの間の吸引作用を増加させる。
【0044】
有利なことに、ダイヤフラムを備えたシャッタは、本体コンパートメント5を入口ダクト4から隔離することを可能にし、それによって入口ダクト内の加圧流体の水素または他の成分が内部ケーシングを通ってバンド38まで移動しないようにすることができ、そのようなガスと接触すると、その材料は特に劣化しやすい。実際には、シャッタダイヤフラムによって、入口ダクト4および出口ダクト6は、本体コンパートメントおよび非磁性材料で作られたバンド38に面する第2のチャンバから気密に分離される。
【0045】
また、C型電機子の存在により、可動コアに作用するアクションが非対称になり、したがって、これは軸外動作でステム44を押し、長期的には、ステムの摩耗および可動コアのジャミングを引き起こす。しかしながら、有利なことに、アノードバルブは、並進中に可動コアを案内する案内手段を提供する。
【0046】
さらに、スキッド、特に材料と特殊な形状により、同じく鋼製の内部ケーシング壁の表面上で鋼製の可動コアが滑るのを有利に防ぎ、摩擦を減らし、力の散逸を制限する。その結果、同じサイズのソレノイド デバイスを使用して、より重要な温度または電源条件の下でバルブを開いた状態にすることができる。
【0047】
さらに、ブッシングは、電機子によって生成される軸外のアクションによって強調される、ステムと可動コアの間のスライドによる粉塵の形成を回避または大幅に制限する。
【0048】
したがって、革新的に、本発明によるアノードバルブは、前述の信頼性要件を満たすことを可能にする。
【0049】
当業者は、偶発的な必要性を満たすために、上記のアノードバルブに変更を加えることができることを理解されたい。これらのすべては、以下の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】