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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】堆積厚さのその場観測
(51)【国際特許分類】
   G01B 7/00 20060101AFI20230731BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
G01B7/00 101F
C23C16/52
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022568425
(86)(22)【出願日】2021-08-10
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 US2021045300
(87)【国際公開番号】W WO2022046400
(87)【国際公開日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】63/069,960
(32)【優先日】2020-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ポールソン,チャールズ アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】テーレン,ディーン マイケル
【テーマコード(参考)】
2F063
4K030
【Fターム(参考)】
2F063AA16
2F063BA30
2F063DA01
2F063DA05
2F063GA08
4K030BA18
4K030BA38
4K030BA41
4K030HA11
4K030KA05
4K030KA39
(57)【要約】
堆積処理により堆積されている被膜の厚さをその場測定する方法は、堆積チャンバ内で堆積を開始することで堆積チャンバ内に配備された短針の外面上に第1被膜が形成されるようにするにあたり、探針は少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えており、探針が堆積チャンバ内に配備された基板から或る距離だけ離隔している状態で堆積を開始する工程と、コイル集成体を第1交流電流で励振して第1の経時変化する磁場を生成するにあたり、第1の経時変化する磁場が第1被膜に渦電流を発生させる状態でコイル集成体を励振する工程と、測定基準をコイル集成体のインダクタンスまたは抵抗に相関的に判定するにあたり、測定基準の値が第1被膜の第1厚さに相関的であるとともに第1被膜の渦電流によって生じた渦電流磁場に少なくとも部分的に起因しているような状態で測定基準を判定する工程と、第1被膜の第1厚さを基板の表面上に堆積されている第2被膜の第2厚さと相互に関連付ける工程とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
或る堆積処理法で堆積されている被膜の厚さをその場測定する方法は、
堆積チャンバ内で堆積を開始することで堆積チャンバ内に配備された短針の外面上に第1被膜が形成されるようにするにあたり、探針は少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えており、探針が堆積チャンバ内に配備された基板から或る距離だけ離隔している状態で堆積を開始する工程と、
コイル集成体を第1交流電流で励振して第1の経時変化する磁場を生成するにあたり、第1の経時変化する磁場が第1被膜に渦電流を発生させる状態でコイル集成体を励振する工程と、
測定基準をコイル集成体のインダクタンスまたは抵抗に相関的に判定するにあたり、測定基準の値が第1被膜の第1厚さに相関的であるとともに第1被膜の渦電流によって生じた渦電流磁場に少なくとも部分的に起因しているような状態で測定基準を判定する工程と、
第1被膜の第1厚さを基板の表面上に堆積されている第2被膜の第2厚さと相互に関連付ける工程とを含んでいる。
【請求項2】
被膜の厚さを測定するための電気探針は、
軸線の周りに第1方向に第1巻回数で巻かれている第1コイルと、
該軸線の周りに第2方向に第2巻回数で巻かれている第2コイルとを備えており、第1コイルが第2コイルから離隔されていることで両コイル間に空隙を画定し、第1方向が第2方向と反対であることで、第1コイルを通って流れる第1交流電流によって生成される第1の経時変化する磁場が第2コイルを通って流れる第2交流電流によって生成される第2の経時変化する磁場を該空隙においては減少させるよう図っており、
電気探針は、第1コイルと第2コイルとの間の空隙に配置されている第3コイルを更に備えており、電気探針の外面に堆積された被膜は動作中に測定基準を第3コイルと第1コイルの間および第3コイルと第2コイルの間の相互インダクタンスに相関的に測定可能に変動させる。
【請求項3】
堆積厚さをその場測定できるようにする堆積システムは、
基板を受容するように寸法設定されているうえに基板の表面に被膜を付与するための化学気相物質を受け取る入口が設けられている堆積チャンバと、
化学気相成長チャンバ内に配備されている電気探針であって、その外面が化学気相物質によって被膜されるように構成されており、少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えているとともに基板から或る距離だけ離隔された状態にある電気探針と、
コイル集成体に交流信号を供給することで第1の経時変化する磁場を生成し、電気探針の表面の被膜に渦電流を発生させるよう構成された信号発生器とを備えている。
【請求項4】
電気探針は第1コイルおよび第2コイルを備えている、請求項3に記載の堆積システム。
【請求項5】
第1コイルおよび第2コイルは軸線の周りに巻かれ、第1コイルを第2コイルから離隔することで両コイル間に空隙を画定し、第1コイルと第2コイルの間の該空隙に第3コイルが配置されており、電気探針の外面に堆積された被膜は測定基準を第3コイルと第1コイルの間および第3コイルと第2コイルの間の相互インダクタンスに相関的に測定可能に変動させる、請求項4に記載の堆積システム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との相互参照】
【0001】
本願は、合衆国法典第35編第119条(米国特許法)に基づき、2020年8月25日出願の米国特許仮出願第63/069960号の優先権を主張するものであるが、斯かる仮出願はここで参照することによりその全体が本願の一部を構成しているものとする。
【技術分野】
【0002】
本願は、広義には、堆積厚さをその場観測することに関するものであり、より具体的には、押出成形用の金型などの基板の上の耐摩耗性被膜の厚さを、基板を堆積チャンバに配置したままの状態で判定する、堆積厚さをその場観測するシステムに関連している。
【背景技術】
【0003】
耐摩耗性被膜は各種の製造過程で利用されることがあるが、その目的は、例えば、セラミックハニカム体製造過程における押出成形用の金型などのようなツールの寿命を延ばすことである。そのような被膜を付与するための各種の加工処理法、例えば、化学気相成長法などは、ツールやそれ以外の基板の上に堆積した被膜材の厚さの測定の実行を阻む高温と過酷な諸環境を要件とすることがある。
【発明の概要】
【0004】
以下で説明する各実施例と特徴は全て、技術的に可能であればどのような態様で組み合わされても構わない。
【0005】
一局面によれば、或る堆積処理法で堆積されている被膜の厚さをその場測定する方法は、堆積チャンバ内で堆積を開始することで堆積チャンバ内に配備された短針の外面上に第1被膜が形成されるようにするにあたり、探針は少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えており、探針が堆積チャンバ内に配備された基板から或る距離だけ離隔している状態で堆積を開始する工程と、コイル集成体を第1交流電流で励振して第1の経時変化する磁場を生成するにあたり、第1の経時変化する磁場が第1被膜に渦電流を発生させる状態でコイル集成体を励振する工程と、測定基準をコイル集成体のインダクタンスまたは抵抗に相関的に判定するにあたり、測定基準の値が第1被膜の第1厚さに相関的であるとともに第1被膜の渦電流によって生じた渦電流磁場に少なくとも部分的に起因しているような状態で測定基準を判定する工程と、第1被膜の第1厚さを基板の表面上に堆積されている第2被膜の第2厚さと相互に関連付ける工程とを含んでいる。
【0006】
一例では、測定基準はコイル集成体のインピーダンスまたはトランスインピーダンスである。
【0007】
一例では、測定基準は、共鳴ピークが生じる際の周波数である。
【0008】
一例では、測量基準は、複数の周波数におけるコイル集成体のインピーダンスの曲線またはトランスインピーダンスの曲線に適合する多項式の係数である。
【0009】
一例では、探針は本体およびキャップから成る収容体を備えており、探針の外面は収容体の外面でもあり、コイル集成体は収容体内に配置されている。
【0010】
一例では、少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つのコンデンサに動作可能に接続されていることで共振回路を形成している。
【0011】
一例では、上記距離は、上記少なくとも1つのコイルの半径の少なくとも3倍である。
【0012】
一例では、ねじを切った心棒の周囲に上記少なくとも1つのコイルを巻き付けることで、少なくとも1つのコイルが軸線方向に拘束されるように図っている。
【0013】
一例では、コイル集成体は、第1コイルおよび第2コイルを備えている。
【0014】
一例では、第1コイルおよび第2コイルは軸線の周りに巻かれており、第1コイルを第2コイルから離隔させることで両コイル間に空隙を画定し、第3コイルは第1コイルと第2コイルとの間の該空隙に配置されている。
【0015】
一例では、上記方法は、第2コイルを第2交流電流で励振するにあたり、第2交流電流が第1交流電流とは反対の向きに流れることで、第1コイルと第2コイルの間の上記空隙における第1の経時変化する磁場を少なくとも軽減する第2の経時変化する磁場を生じるように第2コイルを励振する工程を更に含んでおり、その場合、第1交流電流は第1コイルを励振する。
【0016】
一例では、第1コイルは軸線の周りに第1方向に巻かれ、第2コイルは軸線の周りに第2方向に巻かれている。
【0017】
一例では、第1コイルと第2コイルが同じ導線から形成されていることで、第1交流電流と第2交流電流が同じになるように図っている。
【0018】
もう1つ別の局面によれば、被膜の厚さを測定するための電気探針は、軸線の周りに第1方向に第1巻回数で巻かれている第1コイルと、該軸線の周りに第2方向に第2巻回数で巻かれている第2コイルとを備えており、第1コイルが第2コイルから離隔されていることで両コイル間に空隙を画定し、第1方向が第2方向と反対であることで、第1コイルを通って流れる第1交流電流によって生成される第1の経時変化する磁場が第2コイルを通って流れる第2交流電流によって生成される第2の経時変化する磁場を該空隙においては減少させるよう図っており、電気探針は、第1コイルと第2コイルとの間の空隙に配置されている第3コイルを更に備えており、電気探針の外面に堆積された被膜は動作中に測定基準を第3コイルと第1コイルの間および第3コイルと第2コイルの間の相互インダクタンスに相関的に測定可能に変動させる。
【0019】
一例では、第1コイルと第2コイルは同じワイヤによって形成されていることで、第1交流電流と第2交流電流が同じになるように図っている。
【0020】
一例では、第1巻回数は第2巻回数と同じである。
【0021】
一例では、第1コイル、第2コイル、および、第3コイルのうちの少なくとも1つは少なくとも1つのコンデンサに動作可能に接続されていることで共振回路を形成している。
【0022】
一例では、第1コイル、第2コイル、および、第3コイルは、本体およびキャップから成る収容体に収容されている。
【0023】
一例では、キャップは本体に着脱自在である。
【0024】
一例では、ねじを切った心棒の周りに第1コイル、第2コイル、および、第3コイルを巻き付けることで、第1コイル、第2コイル、および、第3コイルが軸線方向に拘束されるように図っている。
【0025】
更にもう1つ別の局面に従って、堆積厚さをその場測定できるようにする堆積システムは、基板を受容するように寸法設定されているうえに基板の表面に被膜を付与するための化学気相物質を受け取る入口が設けられている堆積チャンバと、化学気相成長チャンバ内に配備されている電気探針であって、その外面が化学気相物質によって被膜されるように構成されており、少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えているとともに基板から或る距離だけ離隔された状態にある電気探針と、コイル集成体に交流信号を供給することで第1の経時変化する磁場を生成し、電気探針の表面の被膜に渦電流を発生させるよう構成された信号発生器とを備えている。
【0026】
一例では、電気探針は収容体を備えており、その外面は収容体の外面でもあり、コイル集成体は収容体内に配置されている。
【0027】
一例では、収容体は本体およびキャップから成る。
【0028】
一例では、上記少なくとも1つのコイルは少なくとも1つのコンデンサに動作可能に接続されていることで共振回路を形成している。
【0029】
一例では、上記距離は上記少なくとも1つのコイルの半径の少なくとも3倍である。
【0030】
一例では、ねじを切った心棒の周りに上記少なくとも1つのコイルを巻くことで、少なくとも1つのコイルが軸線方向に拘束されるよう図っている。
【0031】
一例では、上記電気探針は第1コイルおよび第2コイルを備えている。
【0032】
一例では、第1コイルおよび第2コイルは軸線の周りに巻かれ、第1コイルを第2コイルから離隔することで両コイル間に空隙を画定し、第1コイルと第2コイルの間の該空隙に第3コイルが配置されており、電気探針の外面に堆積された被膜は測定基準を第3コイルと第1コイルの間および第3コイルと第2コイルの間の相互インダクタンスに相関的に測定可能に変動させる。
【0033】
一例では、第1コイルは軸線の周りに第1方向に巻かれており、第2コイルは軸線の周りに第2方向に巻かれている。
【0034】
一例では、第1コイルと第2コイルを同じ導線から形成することで、第1交流電流と第2の交流電流が同じになるように図っている。
【0035】
1つ以上の実施形態の詳細を添付の図面および後段以降の説明に明示している。上記以外の各種の特徴、目的、および、利点は、詳細な説明および図面、ならびに、特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1A】一実施例による、基板上の被膜厚さをその場測定するための堆積チャンバおよび探針の概略図。
図1B】一実施例による、探針の表面上に堆積された被膜および基板の表面上に堆積された被膜の拡大断面図。
図2】一実施例による、基板上の被膜厚さをその場測定するための具体例の探針の断面図。
図3A】一実施例による、基板上の被膜厚さをその場測定するためのコイル集成体の側面図。
図3B】一実施例による、基板上の被膜厚さをその場測定するためのコイル集成体の側面図。
図3C】一実施例による、基板上の被膜厚さをその場測定するためのコイル集成体の側面図。
図4】一実施例による、探針の茎状部の断面図。
図5】一実施例による、経時的なインピーダンス曲線のグラフ。
図6】一実施例による、堆積処理の過程に亘って得られた複数の共振曲線を重ね合わせたグラフ。
図7】一実施例による、整合回路網を示す。
図8】一実施例による、堆積処理の過程に亘って得られた複数のインピーダンス曲線を重ね合わせたグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0037】
各種のセラミックハニカム体、例えば、触媒コンバータ、微粒子フィルタ、または、その両方で使用されるもの等は、セラミック成形バッチ混合物に金型を通過させて押し出すことによって製造することができる。セラミック成形バッチ混合物中の原材料次第では、押出成形処理は非常に研磨性が高くなる可能性があり、その場合、金型を耐摩耗性被膜で被覆するのが有益となることがある。例えば、窒化チタン(TiN)、炭窒化チタン(TiCN)、または、これら以外の窒化物類などの被膜材や各種の耐摩耗性材料と化学気相蒸着法(CVD)とを併用して被膜を付与することで、金型を摩耗から保護し、押出成形処理持続中ずっと寸法精度を維持し、更に、金型の寿命を延ばすことができる。被膜は金型を摩耗から保護するのに加えて、セラミック成形バッチ材料を押出成形する際に通過させる金型のスロット幅を微調整する (すなわち、狭くする) 役割も果たす。スロット幅は非常に厳密な厚さに調整されているため、付与される被膜の厚さは通例はわずか50μm未満であることからも、被膜の厚さは堆積処理持続中に入念に観測しなければならない。
【0038】
しかしながら、例えば、被膜中の高温と過酷な諸条件のせいで、堆積処理持続中に被膜の厚さを測定するのは実行できそうにない。厚さを測定する代わりに、おおよその堆積速度に基づいたおおよその厚さに事前に関連付けしておいた設定時間に亘って被膜を付与するとよい。ひとたび金型を堆積チャンバから取り出してしまい、例えば、室温まで冷却することができてしまえば、被膜の厚さは光学的に測定することができる。
【0039】
図1Aは、堆積チャンバ100を、その内部に配置された基板104上の被膜の厚さをその場で測定するための探針102と一緒に例示した概略図である。図1の実施例においては、堆積チャンバ100は化学気相成長チャンバであり、そのため、化学気相物質を受け取るための入口106と堆積処理中に蒸気を排出するための出口108が設けられている。探針102は化学気相成長法に特に好適であるが、探針102はそれ以外の各種の被膜法、例えば、被膜処理持続中に被膜の厚さの測定の実行を阻む高温と過酷な諸環境を要件とするような被膜処理法と併用することができる。上記以外のそのような堆積法には、例えば、スパッタリングや蒸着などが挙げられる。さらに、一例では、基板104は、例えば、ハニカム体素材などのようなセラミック体素材を押出成形するための押出成形用金型であるが、代替の実施例では、基板104は堆積された被膜を溜めるのであればどのような基板であってもよく、例えば、ツールや被加工物片などであっても構わない。
【0040】
探針102は、少なくとも一部がチャンバ100内に配置されていることで堆積処理持続中に被膜も溜めるように構成されている。探針102それ自体に直に堆積された被膜の厚さは基板104上に堆積された被膜の厚さに相関性があり、そのため、基板104上に堆積された被膜の厚さを測定する代用に役立てることができる。このようにして、基板104上の被膜の厚さのその場での測定は、探針102上の被膜の厚さを測定することによって判定が実施される。
【0041】
図1Bは、探針102の表面上の被膜および基板104の表面上の被膜(探針102の表面および基板104の表面を比較する目的で互いに密接して図示されている)の概略拡大図である。図示のように、堆積処理持続中に、探針102は厚さTの被膜Cを溜め、基板104は厚さTの被膜Cを溜めている。探針102も堆積チャンバ100内に配置されているため、厚さTは厚さTに相関的であり、従って、堆積処理持続中に厚さTを観測することにより、Tを効果的に観測することができる。例えば、厚さTは或る倍率で乗算したり、或る定数を加算したりすることにより、もしくは、線形関数または非線形関数により、厚さTに関係付けることができるが、上記数理的諸手順は、例えば、堆積チャンバ100や基板104や探針102の特定の幾何学的形状に基づいて、堆積チャンバ100の内側における基板104および探針102の位置設定に基づいて、被膜材の種類や温度や流速などの堆積パラメータに基づいて、または、これらの各種組合せに基づいて実験的にまたは数理モデル化によって決定することができる。
【0042】
実施形態によっては、探針102は電気反応性探針であって、少なくとも1つの誘導性素子、少なくとも1つの容量性素子、または、それら両素子の各種組合せが設けられているものもある。被膜Cが探針102の表面上に堆積されると、探針102を通って流れる交流電流に反応して、被膜Cによって磁場または電場が生じた結果として少なくとも1つの容量性素子のリアクタンス、少なくとも1つの誘導素子のリアクタンス、または、それら両素子の各種組合せのリアクタンスが変動する。リアクタンスの変化は、探針の表面に堆積された被膜の厚さの変化に相関的となり、従って、探針102のリアクタンス変動を観測することにより、基板104上に堆積された被膜の厚さを堆積処理持続中に概算することができる。以下により詳細に説明してゆくが、探針102のリアクタンスまたは抵抗に相関的な多様な測定基準に従って、基板被膜厚さを判定することができる。これらの測定基準は、多様な実施例に応じて、インピーダンスであったりトランスインピーダンスであったり、共振ピークが生じる際の周波数であったり、或いは、或る範囲の周波数に亘って探針102のインピーダンス曲線またはトランスインピーダンス曲線に適合する多項式の少なくとも1つの係数であったりするが、但し、上記以外の各種の測定基準を採用することができる場合もあると考えられる。本件開示においては、探針のリアクタンスまたは探針の抵抗に相関性がある測定基準とは、リアクタンスと共に再現可能に(したがって予測可能に)変化するものであり、尚且つ、そこから被膜の厚さを推定できるものである。
【0043】
信号発生器110は探針102を通る交流電流を供給することができるが、この交流が被膜に磁場または電場を誘導し、これが今度は探針102のリアクタンスを変化させる。交流電流を探針102に送達するのに好適であればどのような信号発生器を使用してもよい。更に、探針102のリアクタンスまたは抵抗に相関的な測定基準を判定する材料となり得る1つ以上のパラメータを測定するのに好適であれば、どのような測定装置112を使用してもよい。一例では、ベクトル電子回路網解析器114により、信号発生器110と測定装置112を一緒に供与するようにしてもよい。しかしながら、当業者なら本件開示を再検討すると同時に、信号発生器を実現する無数の方法があるとともに測定基準を判定する材料となる各種パラメータを測定するのにも無数の方法があることを理解すると思われる。例えば、信号発生器110はそれに代わるものとして局所発振器によって実現することもできる。同様に、測定装置112は、インピーダンスブリッジ回路またはロックイン増幅器として実現されてもよい。
【0044】
図示のように、探針102は、例えば、気密型フィードスルーなどのような電流導入端子116により、堆積チャンバ100に挿入することができる。電流導入端子116は、それにより探針102を堆積チャンバ100内に挿入できるようにする一方で、堆積チャンバ100に生じた真空を維持する。一例では、電流導入端子116はクラインフランシュ(KF)規格フランジであるが、例えば、気密を維持する等の目的で、コンフラット(CF)規格フランジを採用してもよいし、或いは、堆積チャンバ100の内部に存在する温度に耐えることができるのであれば、どのようなO字型リングを採用しても構わない。
【0045】
図1Aに示すように、探針102を基板104から離して配備することで、探針102と基板104との間に距離dが存在するように図っている。基板104から離して探針102を配置することが有用となる理由は、基板104上の堆積の摂動を低減するせいである。例えば、堆積処理過程が化学気相成長によって達成される場合、堆積チャンバ100内の被堆積表面積が付加されると、基板104から化学気相物質を「奪う」恐れがあり、堆積チャンバ100内の化学気相物質の濃度を低下させるとともに堆積速度を低減してしまう。何かもう1つ別の物体、例えば、探針102を基板104の近くに配置することで境界流効果を生じるか、そうでなければ、基板104付近の流れパターンを妨げ、遮断し、変え、または、途絶させるなどする恐れがあり、従って、基板104上の多様な部位の成膜を妨げ、遮断し、変え、または、途絶させてしまう。探針102を基板104から離して配置することで上記のような摂動が減少し、従って、基板104付近の化学気相物質の化学物質濃度を維持するのに役立つとともに、基板104の全面に亘って一貫した堆積速度を維持するのに役立つ。一例では、距離dは探針102の半径r(探針102が円筒形ではない実施例では、半径ではなく探針の幅)の少なくとも3倍である。
【0046】
化学気相物質の流れの摂動を更に減少させるために、探針102の具体例の断面図として図2に示されているが、探針102は気相物質の流れに平行に配向された長軸線Aがあるような形状にすることができる。更に、探針102の半径r(または、探針102が円筒形でない実施例ではその幅)を最小化することで、結果として化学気相物質の流れへの影響を最小限に抑える幾何学的形状のプロファイルが得られる。
【0047】
図2は、探針102の一実施例の断面図を示している。この実施例では、探針102は、中にコイル集成体202が配備された収容体200を特徴的に配した誘導性探針である。代替の実施例では、コイル集成体202ではなく容量性集成体を、または、コイル集成体202に付加した容量性集成体を収容体の内部に配備するようにしてもよい。堆積処理持続中は、収容体200の外面204とは、堆積処理中に被膜されている探針102の表面のことである。収容体200は、本体206と、コイル集成体202に被せて本体206に着脱自在に取り付けられているキャップ208から構成されているとよい。キャップ208を着脱自在に取りつける構成により、次回の被膜付与までの転換時間を迅速化することができるようになる。例えば、堆積処理の後、キャップ208を迅速に取外してから、二択で、洗浄(例えば、エッチング浴、物理的な力、または、それら以外の剥離処理を採用して被膜Cを除去)して収容体200に取付けし直すか、または、さっきとは異なるキャップ208(例えば、新しいもの、または、事前に洗浄しておいたもの)を収容体200に取付けるとよい。一例ではキャップ208はネジを切った接続部に本体206を取付けることができるが、これに代わる多様な実施例においては、堆積処理の全過程に亘り維持することができるのであれば、どのような機械的接続を採用してもよい。
【0048】
探針102の収容体200、キャップ208、および、それ以外の誘導素子や容量性素子を除く各構成部は、堆積チャンバ100の高温環境で良好に機能するという理由から、熱膨張係数の低いセラミックまたはそれ以外の材料で形成するとよい。
【0049】
不変の幾何学的なコイル形状を維持するのが有益となり得る理由は、試験期間中も幾多の試験ごとにも精度を保てるからであり、例えば、堆積処理持続中に高温が採用される事情では特に有益となる。図2に示すように、コイル集成体202のコイル(単数または複数)は、ねじを切った心棒210の周りに巻かれるが、少なくとも1回転巻いたコイルが個々のねじ筋に収まり、従って、堆積処理持続中にコイル集成体202が軸線方向に動く(すなわち、長軸線Aに沿って動く)ことが無いようにしている。堆積チャンバ100は900℃にも達することがあるため、熱膨張の結果として多重巻きしたコイル集成体202が横滑りする傾向が生じる。ねじを切った心棒210はこのような軸線方向の横滑りをなくし、なくさない迄も低減し、従って、コイル集成体202の個々の巻きと巻きの間の距離を保つ。更に、収容体200(例えば、キャップ208)がコイル集成体202の上にしっかりと取り付けられていることで、コイル集成体202の半径方向の膨張をなくす、または、減少させることができる。これに代わる実施例では、熱膨張によりコイルが横滑りしないようにする目的で、コイル集成体202をポッティング材(例えば、熱硬化性可塑材やエポキシ樹脂など)でポッティングしてあってもよい。
【0050】
図3Aないし図3Cは、コイル集成体202の幾つかの代替例の位相幾何学的なコイル形状を示している。図3Aないし図3Cの位相幾何学的形状は、該形状の各々が容易に観察できるように、収容体200およびねじを切った心棒210から取り外された状態で図示されている。最初に図3Aに着目すると、第1コイル302から成る具体例の単一コイルの位相幾何学的形状が示されている。この実施例では、第1コイル302を通って流れる交流電流が経時変化する磁場を生じるが、この磁場は外面204上に形成されている被膜Cに渦電流を生じる。すると今度はこの渦電流が、第1コイル302の自己インダクタンスを変動させる反対向きの磁場を生じる。渦電流の大きさと渦電流が生成する磁場の大きさは、少なくとも部分的には、外面204上に形成されている被膜の厚さに基づいて判定されることになり、従って、被膜Cの厚さTは、第1コイル302の自己インダクタンスまたは抵抗に関係付けられた測定基準(例えば、インピーダンスなど)の変化を判定することにより観測することができる。
【0051】
図3Bは、2つのコイル、すなわち、第1コイル302’および第2コイル304を特徴的に配した代替例を示している。交流電流が第1コイル302'および第2コイル304のうち一方を通って流れているとき、結果として生じた経時変化する磁場はコイル302’であれコイル304であれ、他方のコイルにかかる電圧を生じる。従って、例えば、交流電流が第1コイル302’を通って流れているとした場合、結果として生じた経時変化する磁場により第2コイル304にかかる電圧が生じ、これが第2コイル304を通る電流を誘導して第2の経時変化する磁場を生じることとなる。第1の経時変化する磁場または第2の経時変化する磁場のいずれかから最終的に生じる被膜Cの渦電流は、コイル302’およびコイル304それぞれの自己インダクタンスを個別的に変化させ、コイル302’とコイル304の間の相互インダクタンスを変化させるが、その原因は、渦電流由来の磁場が、そのような磁場が生じなければ第1コイル302’または第2コイル304を磁気結合することになったかもしれない経時変化する磁場を奪い去るから、すなわち、そのような経時変化する磁場に付加されるからである。従って、被膜Cの厚さTは、コイル302’およびコイル304それぞれの自己インダクタンスまたは抵抗に個別に関係付けられる測定基準(例えば、インピーダンス)またはコイル302’とコイル304の間の相互インダクタンスに関係付けられる測定基準(例えば、トランスインピーダンス)を監視することにより観測することができる。
【0052】
図3Bの実施例においては、第1コイル302’および第2コイル304はその双方が同じ長軸線Aに沿って配置された状態で示されているが、但し、これに代わる実施例では、第1コイル302’および第2コイル304は別々の軸線に沿って配置されていてもよい。例えば、或る代替の実施例では、第1コイル302’および第2コイル304は互いに平行な軸線に沿って配置されているとよい。
【0053】
図3Cは、コイル集成体202の位相幾何学的形状のもう1つ別の実施例において、第3コイル306が配置されている空隙Gを設けている幾ばくかの距離だけ第1コイル302”と第2コイル304’とが離れているのを描いている。この実施例に示されてるように、第1コイル302”および第2コイル304’を同じ導線から形成することで、同じ電流がそれぞれを通って流れるよう図っている。この実施形態の各コイルは、空隙に互いに向きが反対である磁場を生成する目的で、互いに反対の向きに巻いてある。互いに向きが反対の磁場は、第1コイル302”および第2コイル304’によって空隙Gの内部に生じた経時変化する各磁場の影響を低減し、従って、別個の導線で形成された第3コイル306に及ぼす影響を低減し、それにより、第3コイル306と第1コイル302”の間および第3コイル306と第2コイル304’の間の相互インダクタンスを相殺(または低減)することになる。被膜が全く存在しないときには相互インダクタンスが第3コイル306で相殺されてしまうせいで、第3コイル306の自己インダクタンスまたは抵抗に相関的な各測定基準 (例えば、インピーダンス) に加わる僅少の変化でさえ容易に検出することができ、或いは、第3コイル306と第1コイル302”の間および第3コイル306と第2コイル304’の間の相互インダクタンスに相関的な各測定基準(例えば、トランスインピーダンス)が原因である僅少の変化でさえ容易に検出できる。
【0054】
図3Cの位相幾何学的形状は、第3コイル306の相互インダクタンスを相殺または低減する方法の一実施例にすぎない。これに代わる実施例では、共通の導線から形成されているが互いに逆向きに巻いたコイルを使用するのではなく、第1コイル302”と第2コイル304’を別々の導線から形成するとともに同じ方向に巻きはするが、反対向きに流れる電流を受け取るようにしてもよい(すなわち、第1コイル302”を流れる交流電流は第2コイル212’を流れる交流電流と位相が約180°ずれている)。電流の位相が互いから約180°(±10°)ずれてはいるが大きさは互いに等しいと仮定すると、図3Cの実施例と同様に、第3コイル306の経時変化する磁場の影響は減少する。これらに代わる多様な実施例では、第1コイル302”と第2コイル304’を通る電流は、位相が互いから約180°以外の何らかの値だけずれているようにしてもよいし、同じ大きさの電流を受け取る必要がないようにしてもよいし、または、その両方を成立させても構わない。更に、もう1つ別の実施例では、第1コイル302”と第2コイル304’を個別の導線で形成して互いに反対向きに巻くことで、各々を流れる大きさも位相も同じ電流により、第3コイル306の相互インダクタンスを上記と同様に相殺または減少させるようにするとよい。
【0055】
探針102を信号発生器110および測定装置112に接続する各導線の幾何学的形状は、不変の形状に保たれているとよい。一実施例を図4に示しているが、同図は図1Aの線B-Bに沿って破断した探針102の断面を描いている。図示のとおり、第1導線400、第2導線402、第3導線404、および、第4導線406は、第1コイル302および第2コイル304(例えば、図3B図3Cの幾何学的形状で配置されている)のリード線から形成されているが、探針102の茎状部212の長軸線Aに平行に延びている多数のチャネル408内にそれぞれ配置されてる。第1導線400は第1コイル302の入力リード線を、第2導線402は該コイルの出力リード線を構成している一方で、第3導線404は第2コイル304の入力リード線を、第4導線406は該コイルの出力リード線を構成している。図4に例示した態様で配置されている場合、バックグラウンドの伝送結合はかなり低減するが、その理由は、第1コイル302または第2コイル304に交流電流を伝送することにより生じる各磁場は、その同じ電流が対向位置の導線を帰還することによりに効果的に相殺されるからである。従って、第1導線400によって第1コイル302に入力された交流電流によって生じた経時変化する磁場は全て、その同じ電流が第2導線402を帰還することにより生じた経時変化する磁場によって、第3導線404および第4導線406において効果的に相殺される。同様に、第3導線404に入力された交流電流によって生じた経時変化する磁場は、その同じ交流電流が第4導線406を帰還することにより、第1導線400および第2導線404において効果的に相殺される。こうした相殺作用は、各導線が各チャネル408に通されて保持されているという不変の幾何学的形状により維持されている。更に、相殺されずにいるバックグラウンドの伝送結合効果が探針102に及ぼす影響を低減または最小限にするのに十分となる距離に亘って上記のような相殺作用の効果が維持されるような長さを探針102の茎状部212が備えているような構成にするとよい。従って、一例では、茎状部212の長さは少なくとも0.5メートルであるが、但し、上記のような相殺作用を可能にし、或いは、向上させるような上記以外の多様な長さも、本件開示の範囲に入る。
【0056】
前述のように、堆積チャンバ内の温度は900℃にも達することがある。そのため、長尺の茎状部212の(少なくとも0.5メートルを超える)長さは、高温の堆積チャンバ100内の温度勾配を管理するのにも更に役立つ。
【0057】
ここで、探針102のリアクタンスまたは抵抗に相関的な測定基準の判定に着目する。上述のように、本件開示のために、探針のリアクタンス(例えば、自己インダクタンスまたは相互インダクタンスなどのインダクタンス、もしくは、静電容量)または探針の抵抗に相関的な測定基準とは、リアクタンスまたは抵抗に付随して予測可能に変動する測定基準であって尚且つそれを判断材料にして被膜の厚さを推測できる、あらゆる測定基準のことである。リアクタンスは、容量性リアクタンス (容量性探針の場合)、誘導性リアクタンス (誘導性探針の場合)、または、容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスの何らかの組み合わせ(例えば、LC回路など)であってもよい。
【0058】
どのような個数の測定基準を採用してもよいが、被膜Cの厚さTに信頼に足る判定を下すように3種の測定基準を提示した。すなわち、(1)経時的なインピーダンスまたはトランスインピーダンスの変化、(2)共振ピークが生じる際の周波数、および、(3)周波数に対する探針のインピーダンスまたはトランスインピーダンスの曲率、である。
【0059】
まず、インピーダンスまたはトランスインピーダンスの変化、もしくは、時間の変化に着目する。図5に示すように、コイルのインピーダンスの変化または2つのコイル間のトランスインピーダンスの変化は、被膜の厚さに相関的である。このような変化は、堆積処理持続中の約80分の時間に対する1本のコイルのインピーダンスをグラフに作図した図5で見て取れる。この時間枠の持続中は、被膜の厚さの変化に応じて、インピーダンスは約132Ωから約137Ωまで変動する。
【0060】
次の測定基準に着目するが、探針102は幾ばくかの共振を示すようになり、探針102上の被膜の厚さ次第で変動する特定の周波数で共振ピークを示す。この点を理解するために、探針102を大雑把に具現化する際の模型となったLC回路の共振角周波数を
【0061】
と表したが、そうすると、共振ピークが生じる際の周波数は探針102のリアクタンス(インダクタンスまたは静電容量のいずれか)に付随して変化することになる。従って、被膜の厚さが増大してゆくのに伴って探針102のリアクタンスを変動させてゆくと、共振ピークは互いに関連し合う態様で推移する。
【0062】
より具体的に言うと、被膜Cの厚さTが経時的に増大するにつれて、共振ピークが生じる際の周波数fが大きくなってゆくことになる。この一実施例として、図6が描いているのは、堆積処理過程全体を通して別個の時間に得られた3種を重ね合わせた共振曲線群である。すなわち、時間t=0における第1曲線は、堆積が始まる前の或る時間において共振ピークが周波数約9.4MHzで生じる共振曲線を表しており、時間t=1における第2曲線は、堆積開始後のどこかの時点 (約20分後) において共振ピークが周波数約9.5MHzで生じる共振曲線を表しており、時間t=2に得られる第3曲線は、堆積処理過程の終了に向かう時間(第2共振曲線から約20分後)において共振ピークが周波数約9.6MHzで生じる共振曲線を表している。図示のように、第3共振曲線の共振ピーク周波数は第1共振曲線や第2共振曲線の共振ピーク周波数よりも高く、その理由は、探針102上に堆積された被膜の厚さの変化により共振ピークが推移したからである。従って、共振ピークが生じる際の周波数は、被膜Cの厚さに相関的な態様で時間経過とともに推移する。実験では、共振周波数は毎分約51nmの成膜速度に対して毎分約30kHz変化する傾向にある。
【0063】
共振ピークが生じる際の周波数は、一例では、共振ピークが生じると予測される或る範囲の周波数に亘って探針102を励振したうえで共振ピークが測定された際の周波数を記録することにより判定することができる。この周波数掃引を堆積処理の過程に亘って多数回反復実施することで、経時的な被膜Cの厚さの変化を追跡することができる。これに代わる例として、単一周波数の交流電流で探針102を励振するようにしてもよい。例えば、探針102が励振される際の周波数が共振曲線を逸脱していない限りは、その結果として生じるインピーダンス変化を測定したうえで共振曲線範囲内のそのような変化の相対位置に関連付けを行うことができる。被膜Cの厚さが増大しても共振曲線の幅は大幅には変動しないままであるせいで、測定されているインピーダンス変化は共振曲線範囲内におけるその変化の相対位置に容易に関連付けを行うことができ、従って、被膜Cの対応する厚さに相関性を求めることができる。
【0064】
いずれの場合も、早見表を使用して、共振ピークが生じる際の周波数fを被膜 Cの厚さTに関連付けるとよい。代替例では、ピークよりはむしろ、共振曲線の別な要素(例えば、3デシベル(dB)ポイント)の厚さTに対する相関性を求めるようにしてもよい。周波数掃引の代わりに単一周波数を使用する実施例では、共振曲線範囲内の或る位置を表している測定結果のインピーダンスを早見表への入力パラメータとして利用することで、厚さTを直接判定するようにしても構わない。
【0065】
一般に、レンツの法則を踏襲すれば、周波数が高くなるほど経時変化する磁場はより高い起電力を生み出す。従って、周波数が増大してゆくにつれて、より多くの電流が被膜に誘導された結果、探針102のリアクタンスの変化が大きくなり、より高い周波数値に対するほど感度がより良好となることとなる。しかし、表皮深さδ(すなわち、経時変化する磁場の被膜Cの内奥への侵入深度) は
【0066】
で表わされ、この場合μは透磁率を表しており、従って、周波数が高くなってゆくにつれて経時変化する磁場の侵入は減退する。経時変化する磁場が被膜の深さ全体に侵入し損なった場合は、被膜厚さが変化しても探針102のリアクタンスが引き続き変化するのを誘導することはない。ゆえに、周波数が高くなることで感度が高まるほど、同じ周波数における表皮深さが減退することに抗して平衡を保つことが必要となる。実験では、好適な周波数の範囲は100kHzから1GHzの間であると分かっているが、約10MHzの周波数が十分な表皮深さを維持しながら最良感度を達成すると分かっている。上記の各値は具体例として提示されているにすぎず、周波数範囲は、探針102の特定の幾何学的形状、被膜材料、それ以外の動作パラメータ、または、これらの各種組合せに応じて選択するとよい。
【0067】
望ましい周波数(すなわち、十分な表皮深さを維持する周波数、例えば、丁度10MHzまたは約10MHz)付近で共振ピークが生じるのを確実にする目的で、例えば、図7の回路概略図に示した整合回路網600などのような整合回路網を利用するとよい。整合回路網600には素子C1、素子C2、および、素子C3から形成されているLC回路が設けられており、各素子は測定装置102を使って見て取れる総リアクタンスを変動させることにより探針の共振ピークを約10MHzに効果的に推移させる。整合回路網600はT型整合回路網であるが、共振ピークを所望の値に変動させるのに好適であれば、どのような整合回路を使用してもよい。更に、整合回路網は図3Bに関連して既に説明したコイル集成体の第1コイル302’に取り付けられている状態で図示されているが、整合回路網は好適に取り付けられるのであればコイル集成体のどのコイルに取り付けられていても構わないものと解釈するべきである。例えば、図3Cのコイル集成体の実施例では、整合回路網は動作可能に接続されているのであれば、第1コイル302”、第2コイル304’、および、第3コイル306のうちのどれに接続されてもよい。(この実施例では、第1コイル302”に接続するのも第2コイル304’に接続するのも電気的には等価であり、というのも、両コイルとも同じ導線から形成されているからである。)
更に別の実施例においては、厚さTは、探針102と被膜Cとの間の磁気結合が始まる際の周波数を含んでいる1組の周波数と対照して測定されたインピーダンスまたはトランスインピーダンスを表している曲線の形状から判定することができる。低周波数(直流電流を含む)では、探針102を通る電流は、探針102と被膜Cとの間に測定可能な結合を引き起こすには不十分となる。このような周波数でも増大すると結合が始まるが、その理由は、経時変化する磁場が被膜Cに達したうえに透過するからである。更に、励振周波数が変化すると周波数と対照して測定されたインピーダンスまたはトランスインピーダンスが変化することになるが、その理由は、(先に説明したようなレンツの法則に従えば)生成される起電力がより大きくなったせいで結合が増大するからである。周波数と対照してグラフに作図したインピーダンスは、厚さを判定する材料にすることのできる曲線を形成する。この曲線の形状は、結合が始まる際の周波数を含んでいる周波数帯域に亘って測定されたものであるが、厚さが増すにつれて変化することになる。従って、堆積処理の過程に亘って、多数回の周波数掃引により周波数対インピーダンスの曲線が得られるが、各曲線の形状は或る種のリアクタンスに独特の測定基準であり、従って、探針102上に堆積した被膜の厚さである。
【0068】
図8は、複数のインピーダンス曲線を重ね合わせたグラフを描いたものである(図8は、より広い周波数範囲を示していることを除いて、図6と同じである)。図示のとおり、第1曲線は、堆積処理前の時間t=0における探針102のインピーダンス曲線を表しており、第2曲線は、堆積処理持続中の第1時点である時間t=1における探針102のインピーダンス曲線を表しており、第3曲線は、堆積処理持続中の第2時点である時間t=2における探針102のインピーダンス曲線を表している。
【0069】
曲線の形状は、その曲線に最も近似した線を表している多項式の一組の係数として表される。例えば、多項式回帰の各係数を利用することで曲線を描写することができるが、但し、多項式をデータセットに適合させるのに好適であれば、どのような方法を採用してもよい。一例では、各係数を早見表に保存したうえで参照することで、所与の一組の多項式係数について、被膜Cのその時点の厚さを測定時点に判定することができる。
【0070】
先に述べたとおり、図8の曲線はインピーダンスまたはトランスインピーダンスをグラフに作図したものである。インピーダンス測定では、探針102の或る1つの特定の素子または特定の一組の素子を通る電流の反対を測定する。例えば、インピーダンス測定では、探針102の誘導性素子または容量性素子のインピーダンスを測定するとよい。これと対照的に、トランスインピーダンス測定では、或る1つのポートにおける、もう1つ別のポートに導入された電流に起因する電圧を測定する。これは、相互インダクタンスまたは相互静電容量の変化を測定する場合に特に有用となる。例えば、図3Bおよび図3Cに示された短針102の各実施例では、第1コイル302と第2コイル304の間または第1コイル302と第3コイル306の間の相互インダクタンスは、第1コイル302と第2コイル304の間または第1コイル302と第3コイル306の間のトランスインピーダンスにより測定することができる。このインピーダンスまたはトランスインピーダンスは、好適であればどのような方法で測定しても構わない。例えば、図1の電子回路網解析器を使用した場合、探針102のSパラメータ群を測定してからZパラメータ群に変換することができる。この実施例では、コイルとコイルの間のトランスインピーダンスはZ12またはZ21と表すことになる。しかし、これは一実施例として提示されているにすぎず、インピーダンスまたはトランスインピーダンスを測定する方法は何通り採用されても構わない。
【0071】
上述のように、探針102上の被膜Cの厚さTは、倍率や何らかの加算定数などの周知の関数によって、基板104上の被膜Cの厚さTに関係付けされることになる。従って、既に判定済みの厚さTを既知の関数によって厚さTに変換することにより、厚さTを判定することができる。これは、数学的演算によって、または、厚さTの厚さTに対する相関性を求める早見表によって達成することができる。これに代わる例では、早見表を利用してリアクタンス(例えば、共振曲線が生じる際の周波数や、インピーダンス曲線の各係数など)または抵抗に相関的に測定基準の関連付けを行えるようにする程度まで早見表に厚さTと厚さTの間の関係性を取り入れることで、入力パラメータが厚さTに直接関連付けされるよう図っている。
【0072】
幾つかの発明の実施例を本明細書中で説明および例証してきたが、本明細書に記載されている機能を実施し、その効果や各利点の1つ以上を獲得し、または、その両方を果たすための多様な上記以外の手段、各種構造、または、そのような手段や構造の各種組合せに当業者は容易に思い至るだろうし、そのような変形例、修正例、または、その両方の各種組合せの各々は、本明細書に記載の発明の実施例の範囲に入ると考えられる。より広義に、本明細書に記載された全てのパラメータ、寸法、材料、構成などは例となるよう意図されたものであること、また、実際のパラメータ、寸法、材料、構成、または、これらの各種組合せは本発明の1つまたは複数の教示内容を採用する目的となる特定の1つまたは多数の応用例次第で決まることを、当業者は容易に理解するだろう。型どおりの実験を利用するだけで、当業者は本明細書に記載の特定の発明の実施例の均等物を数多く認識するだろうし、確かめることもできるだろう。よって、前述の各実施例は単なる具体例として提示されているにすぎないこと、また、発明の各実施例は、明細書に具体的に記載されている以外の態様や請求の範囲に明示されている以外の態様であっても、添付の特許請求の範囲の各請求項とその均等物の範囲内で実施することができることを理解するべきである。本件開示の発明の各実施例は、本明細書に記載の個々の特徴、個々のシステム、個々の物品、個々の材料、個々の方法、または、これらの各種組合せの各々を目的としている。加えて、そのような各種特徴、各種システム、各種物品、各種材料、各種方法、または、これらの各種組合せのうち2つ以上からなる何らかの組合せは、そのような各種特徴、各種システム、各種物品、各種材料、各種方法、または、これらの各種組合せが相互に矛盾しない限り、本件開示の発明の範囲内に入る。
【0073】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0074】
実施形態1
或る堆積処理法で堆積されている被膜の厚さをその場測定する方法は、
堆積チャンバ内で堆積を開始することで堆積チャンバ内に配備された短針の外面上に第1被膜が形成されるようにするにあたり、探針は少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えており、探針が堆積チャンバ内に配備された基板から或る距離だけ離隔している状態で堆積を開始する工程と、
コイル集成体を第1交流電流で励振して第1の経時変化する磁場を生成するにあたり、第1の経時変化する磁場が第1被膜に渦電流を発生させる状態でコイル集成体を励振する工程と、
測定基準をコイル集成体のインダクタンスまたは抵抗に相関的に判定するにあたり、測定基準の値が第1被膜の第1厚さに相関的であるとともに第1被膜の渦電流によって生じた渦電流磁場に少なくとも部分的に起因しているような状態で測定基準を判定する工程と、
第1被膜の第1厚さを基板の表面上に堆積されている第2被膜の第2厚さと相互に関連付ける工程とを含んでいる。
【0075】
実施形態2
測定基準はコイル集成体のインピーダンスまたはトランスインピーダンスである、実施形態1の方法。
【0076】
実施形態3
測定基準は、共鳴ピークが生じる際の周波数である、実施形態1または実施形態2の方法。
【0077】
実施形態4
測量基準は、複数の周波数におけるコイル集成体のインピーダンスの曲線またはトランスインピーダンスの曲線に適合する多項式の係数である、実施形態1から実施形態3のうちいずれか1つの方法。
【0078】
実施形態5
探針は本体およびキャップから成る収容体を備えており、探針の外面は収容体の外面でもあり、コイル集成体は収容体内に配置されている、実施形態1から実施形態4のうちいずれか1つの方法。
【0079】
実施形態6
少なくとも1つのコイルは、少なくとも1つのコンデンサに動作可能に接続されていることで共振回路を形成している、実施形態4の方法。
【0080】
実施形態7
前記距離は、前記少なくとも1つのコイルの半径の少なくとも3倍である、実施形態1から実施形態6のうちいずれか1つの方法。
【0081】
実施形態8
ねじを切った心棒の周囲に前記少なくとも1つのコイルを巻き付けることで、少なくとも1つのコイルが軸線方向に拘束されるように図っている、実施形態1から実施形態7のうちいずれか1つの方法。
【0082】
実施形態9
コイル集成体は、第1コイルおよび第2コイルを備えている、実施形態1から実施形態8のうちいずれか1つの方法。
【0083】
実施形態10
第1コイルおよび第2コイルは軸線の周りに巻かれており、第1コイルを第2コイルから離隔させることで両コイル間に空隙を画定し、第3コイルは第1コイルと第2コイルとの間の該空隙に配置されている、実施形態9の方法。
【0084】
実施形態11
第2コイルを第2交流電流で励振するにあたり、第2交流電流が第1交流電流とは反対の向きに流れることで、第1コイルと第2コイルの間の前記空隙における第1の経時変化する磁場を少なくとも軽減する第2の経時変化する磁場を生じるように第2コイルを励振する工程を更に含んでおり、その場合、第1交流電流は第1コイルを励振する、実施形態10の方法。
【0085】
実施形態12
第1コイルは軸線の周りに第1方向に巻かれ、第2コイルは軸線の周りに第2方向に巻かれている、実施形態11の方法。
【0086】
実施形態13
第1コイルと第2コイルが同じ導線から形成されていることで、第1交流電流と第2交流電流が同じになるように図っている、実施形態12の方法。
【0087】
実施形態14
被膜の厚さを測定するための電気探針は、
軸線の周りに第1方向に第1巻回数で巻かれている第1コイルと、
該軸線の周りに第2方向に第2巻回数で巻かれている第2コイルとを備えており、第1コイルが第2コイルから離隔されていることで両コイル間に空隙を画定し、第1方向が第2方向と反対であることで、第1コイルを通って流れる第1交流電流によって生成される第1の経時変化する磁場が第2コイルを通って流れる第2交流電流によって生成される第2の経時変化する磁場を該空隙においては減少させるよう図っており、
電気探針は、第1コイルと第2コイルとの間の空隙に配置されている第3コイルを更に備えており、電気探針の外面に堆積された被膜は動作中に測定基準を第3コイルと第1コイルの間および第3コイルと第2コイルの間の相互インダクタンスに相関的に測定可能に変動させる。
【0088】
実施形態15
第1コイルと第2コイルは同じワイヤによって形成されていることで、第1交流電流と第2交流電流が同じになるように図っている、実施形態14の電気探針。
【0089】
実施形態16
第1巻回数は第2巻回数と同じである、実施形態14または実施形態15のいずれか1つの電気探針。
【0090】
実施形態17
第1コイル、第2コイル、および、第3コイルのうちの少なくとも1つは少なくとも1つのコンデンサに動作可能に接続されていることで共振回路を形成している、実施形態14から実施形態16のいずれか1つの電気探針。
【0091】
実施形態18
第1コイル、第2コイル、および、第3コイルは、本体およびキャップから成る収容体に収容されている、実施形態14から実施形態17のいずれか1つの電気探針。
【0092】
実施形態19
キャップは本体に着脱自在である、実施形態18の電気探針。
【0093】
実施形態20
ねじを切った心棒の周りに第1コイル、第2コイル、および、第3コイルを巻き付けることで、第1コイル、第2コイル、および、第3コイルが軸線方向に拘束されるように図っている、実施形態14から実施形態19のうちいずれか1つの電気探針。
【0094】
実施形態21
堆積厚さをその場測定できるようにする堆積システムは、
基板を受容するように寸法設定されているうえに基板の表面に被膜を付与するための化学気相物質を受け取る入口が設けられている堆積チャンバと、
化学気相成長チャンバ内に配備されている電気探針であって、その外面が化学気相物質によって被膜されるように構成されており、少なくとも1つのコイルから成るコイル集成体を備えているとともに基板から或る距離だけ離隔された状態にある電気探針と、
コイル集成体に交流信号を供給することで第1の経時変化する磁場を生成し、電気探針の表面の被膜に渦電流を発生させるよう構成された信号発生器とを備えている。
【0095】
実施形態22
電気探針は本体およびキャップからなる収容体を備えており、その外面は収容体の外面でもあり、コイル集成体は収容体内に配置されている、実施形態21の堆積システム。
【0096】
実施形態23
前記少なくとも1つのコイルは堆積チャンバの外部に起点があって堆積チャンバ内に入り込ませた導線によって形成されており、導線は長さが少なくとも0.5メートルである、実施形態21および実施形態22のうちいずれか1つの堆積システム。
【0097】
実施形態24
コイル集成体の少なくとも1つのコイルは少なくとも1つのコンデンサに動作可能に接続されていることで共振回路を形成している、実施形態21から実施形態23のうちいずれか1つの堆積システム。
【0098】
実施形態25
前記距離は前記少なくとも1つのコイルの半径の少なくとも3倍である、実施形態21から実施形態24のうちいずれか1つの堆積システム。
【0099】
実施形態26
ねじを切った心棒の周りに前記少なくとも1つのコイルを巻くことで、少なくとも1つのコイルが軸線方向に拘束されるよう図っている、実施形態21から実施形態25のうちいずれか1つの堆積システム。
【0100】
実施形態27
前記電気探針は第1コイルおよび第2コイルを備えている、実施形態21から実施形態26のうちいずれか1つの堆積システム。
【0101】
実施形態28
第1コイルおよび第2コイルは軸線の周りに巻かれ、第1コイルを第2コイルから離隔することで両コイル間に空隙を画定し、第1コイルと第2コイルの間の該空隙に第3コイルが配置されており、電気探針の外面に堆積された被膜は測定基準を第3コイルと第1コイルの間および第3コイルと第2コイルの間の相互インダクタンスに相関的に測定可能に変動させる、実施形態27の堆積システム。
【0102】
実施形態29
第1コイルは軸線の周りに第1方向に巻かれており、第2コイルは軸線の周りに第2方向に巻かれている、実施形態28の堆積システム。
【0103】
実施形態30
第1コイルと第2コイルを同じ導線から形成することで、第1交流電流と第2の交流電流が同じになるように図っている、実施形態29の堆積システム。
【符号の説明】
【0104】
100 堆積チャンバ
102 電気探針
104 基板
106 入口
108 出口
110 信号発生器
112 測定装置
114 ベクトル電子回路網解析器
116 電流導入端子
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】