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  • 特表-作動液の切替手段 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】作動液の切替手段
(51)【国際特許分類】
   F15B 13/042 20060101AFI20230731BHJP
【FI】
F15B13/042
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581724
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 AT2021060221
(87)【国際公開番号】W WO2022000008
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】A50556/2020
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523002987
【氏名又は名称】ベーベーゲー バウゲレータ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトフング
(74)【代理人】
【識別番号】110000095
【氏名又は名称】弁理士法人T.S.パートナーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100082887
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 利春
(74)【代理人】
【識別番号】100181331
【弁理士】
【氏名又は名称】金 鎭文
(74)【代理人】
【識別番号】100183597
【弁理士】
【氏名又は名称】比企野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100161997
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 大一郎
(72)【発明者】
【氏名】カインドルバウアー ステファン
【テーマコード(参考)】
3H002
【Fターム(参考)】
3H002BA02
3H002BB02
3H002BD04
(57)【要約】
本発明は、機器用の作動液の供給及び回収部の独立した極性のための、作動液の切替手段に関する。油圧ネットワークにおいて誤った極性の接続部の場合に、機器の必要な供給を確保するために、本発明によれば、切替手段が提供される。切替手段は、実質的に、コネクタ(1)と、作動媒体の注入口P及び排出口T用の接続部を備えるバルブ本体(2)と、バルブ本体において軸方向に一定限度変位可能な管状の切替部(3)であって、2つの軸方向に離間された平面に径方向の孔(B1,B2)を備える切替部(3)と、切替部(3)のための変位限界を形成するベース部(4)及び上部(5)と、から構成される。バルブ本体(2)の内表面及び切替部(3)の外表面の領域において協働する環状空間R1,R2,R3,R4,R5が、作動液を誘導するために形成されており、環状空間R1及びR3の永久流体接続Vにおいて、切替部(3)において上部(5)に向かって圧力流体が作用し得る環状面A1,A4,A6が、次の寸法関係、すなわち、I.A2=A3>0.5×A1;II.A4>A5+A7;III.A3+A7>A4+A6;IV.A1=2A2-A4+A5-A6+A7を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる供給極性(E1,E2)に無関係な、機器用の作動媒体又は作動液の供給及び回収部の極性のための切替手段であって、実質的に、
コネクタ(1)と、
前記作動媒体の注入口(P)及び排出口(T)用の接続部を、それぞれ一つ又は複数備えるバルブ本体(2)と、
前記バルブ本体(2)において軸方向に一定限度変位可能な管状の切替部(3)であって、2つの軸方向に離間された平面に径方向の孔(B1,B2)を備える切替部(3)と、
前記切替部(3)のための変位限界を形成するベース部(4)及び上部(5)と、から構成される、切替手段において、
前記バルブ本体(2)の内表面及び前記切替部(3)の外表面の領域において協働する環状空間(R1,R2,R3,R4,R5)が、作動液を誘導するために形成されており、
前記環状空間(R1)及び前記環状空間(R3)が、永久流体接続(V)する場合に、前記切替部(3)において上部(5)に向かって圧力流体が作用し得る環状面(A2,A3,A5,A7)、及び、前記切替部(3)において前記ベース部(4)に向かって圧力流体が作用し得る環状面(A1,A4,A6)が、次の寸法関係、すなわち、
I. A2=A3>0.5×A1
II. A4>A5+A7
III. A3+A7>A4+A6
IV. A1=2A2-A4+A5-A6+A7、を有する、切替手段。
【請求項2】
前記バルブ本体(2)において移動可能な前記切替部(3)は、供給極性(E1,E2)に応じて、高圧流体が作用する前記環状面(A1~A7)の前記寸法関係に基づいて、前記ベース部(4)又は前記上部(5)に接して配置され、前記流体の前記切替部(3)における誘導が、機器用の前記注入口及び排出口(P,T)がそれぞれ同じ極性を有することを確保するように行われることを特徴とする、請求項1に記載の切替手段。
【請求項3】
前記バルブ本体(2)において、機器用の作動液の前記注入口(P)が、前記環状空間(R4)と接続しており、前記環状空間(R4)は、考えられる供給極(E1,E2)の前記環状空間(R1)と前記環状空間(R4)との間に軸方向に配置されており、前記切替部(3)の各位置は、高圧の、すなわち実際の供給極(E1,E2)から機器の注入口(P)まで、及び、排出口(T)から回収極への流体接続を確保することを特徴とする、請求項1又は2に記載の切替手段。
【請求項4】
一つの供給極(E1)に接続する前記環状空間(R1)は、前記バルブ本体(2)において、前記バルブ本体(2)と前記切替部(3)との間の環状空間(R3)との永久流体接続(V)を有し、前記切替部(3)は、前記上部(5)に向かって作用し得る環状面(A3)を有して構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の切替手段。
【請求項5】
一つの供給極(E2)に接続する環状空間(R2)が、ベース部(4)に向かって作用し得る切替部(3)の環状面(A1)を備え、前記切替部(3)を前記ベース部(4)に配置することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の切替手段。
【請求項6】
前記機器の前記作動液の排出口(T)のために、前記バルブ本体(2)において環状空間(R5)が形成されており、前記環状空間(R5)において、軸方向の止まり穴(S)と径方向の導入孔(L)とを有する上部(5)が孔壁の中に突出しており、前記孔壁の正面は、管状の前記切替部(3)の変位限界であり、前記切替部(3)は、最終位置において、アクティブにされた径方向孔(B1,B2)によって、環状空間R1又はR2、及び、アクティブな回収極への流体接続を確保することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の切替手段。
【請求項7】
前記環状空間が次の寸法関係、すなわち、
A1=1
A2=A3≒2/3A1
A4=1.63×A1
A5=A6≒1/4A1
A7=1.30×A1、を有していることを特徴とする、先行する請求項に記載の切替部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給極性に無関係な、機器用の作動液の供給及び回収部の極性のための切替手段に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、油圧ハンマー機構といった油圧利用機器は、同じ接続手段、例えば、同じ種類のネジ部及び同様のものを備える、場合によっては、高圧の作動液用接続部と作動液を回収するための接続部とを有している。油圧ハンマー機構を取り付ける際、又は、具体的には、修理や実際の使用時のメンテナンスのために交換する際に、作動液の供給部の接続部及び回収部の接続部の取り違えが発生する場合があり、これは都合が悪い。
【0003】
このようなハンマー機構や機器は、多くの場合、8バールの最大許容戻り圧力、すなわち最大圧力を作動媒体の排出口の領域において有しているので、誤った接続の場合に、この戻り領域に高圧が印加されると、機器の動作の機能妨害や損傷が生じ得る。
【0004】
本発明の課題は、この欠点を排除して、接続部の極性とは無関係に、機器の規定の接続極性を確保する切替手段を提供することにある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この課題は、本発明によれば、切替手段によって解決される。この切替手段は、実質的に、作動媒体の注入及び排出用の接続部をそれぞれ一つ又は複数含む、バルブ本体へのコネクタと、バルブ本体において軸方向に一定限度変位可能な管状の切替部であって、軸方向に離間された2つの平面に径方向の孔を有する切替部と、切替手段の変位限界をそれぞれ形成するベース部及び上部と、を備える。ここで、バルブ本体の内表面及び切替部の外表面の領域において協働する環状空間が、作動液を誘導するために形成されており、切替手段において上部に向かって流体が作用し得る環状面、及び、ベース部に向かって流体が作用し得る環状面が、所定の寸法関係を有する。これは、次の条件、すなわち、接続極と接続する環状空間、及び、上部に向かって流体が作用し得るバルブ本体の環状面を有する環状空間により、永久流体接続が提供されるという条件を有している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従って、上部及びベース部に向かって高圧流体が作用し得る、切替部の環状面の寸法関係を一方側で限定することは、値のアンバランス性が大きくなった時に、機器に求められる供給の極性を有する油圧式切替装置の強度が上昇するという利点を有している。換言すると、機器に求められる供給極性を生成する際のいわゆる開閉サージを、切替部の軸方向の環状面の寸法関係を選択することによって設定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明に係る切替手段の構造的設計は、特許請求の範囲、及び、図1及び図2の基本的な図面より明らかとなろう。
【0008】
図1】本発明に係る切替手段の切替部の位置決め位置を示す概略図である。
図2】本発明に係る切替手段の切替部の他の位置決め位置を示す概略図である。
【0009】
以下の参照番号一覧は、切替手段の機能部に関する概要の理解を容易にするためのものである。
1 コネクタ
E1、E2 接続部
P 機器への高圧注入口
T 機器からの作動液の排出口
2 バルブ本体
3 切替部
4 ベース部
5 上部
R1 E1に接続された環状空間
R2 E2に接続された環状空間
R3 R1Λに接続された環状空間
R4 Pに接続された環状空間
R5 Tに接続された環状空間
V 永久流体接続
A 切替部3における環状面(部材の方向に高圧流体を作用させることが可能)
A1 部材4の方向
A2 部材5の方向
A3 部材5の方向
A4+A6 部材4の方向の環状面
A5+A7 部材5の方向の環状面
B1 3に形成されたR1への孔
B2 3に形成されたR2への孔
S 5に形成された軸方向の止まり穴
L 5の孔壁Sに形成された導入孔
【発明を実施するための形態】
【0010】
機器の前段に配置される、本発明に係る切替手段の異なる供給極性における、接続段階を原理的に図示する。
【0011】
コネクタ1において、高圧流体が、コネクタ1の接続部E2に与えられると(図1)、ベース部4における切替部3の一つの位置において、環状空間R2への接続が形成される。この環状空間2は、切替部3とバルブ本体2との間に、環状空間R4つまり機器の高圧注入口への同軸の通路を有する。
【0012】
機器からの作動液の排出口Tは、バルブ本体2において、環状空間R5と接続されている。環状空間R5の中に、上部5が突出している。上部5は、軸方向の止まり穴Sと孔壁を通る導入孔Lとを備え、これらの中空空間は、油圧流体を管状の切替部3の中に誘導する誘導部を形成する。ベース部4に配置された切替部3は、軸方向に離間された2つの平面において、径方向の孔B1及びB2を有している。これらの孔B1及びB2のうちの孔B1だけが、環状空間R1及びさらに接続部E1への接続を有し、作動液を低圧で回収するようになっている。
【0013】
続いて(図2)、接続部E1への高圧流体の導入を説明する。このように切替部3が上部5に当接した場合、高圧流体は、環状空間R1にさらに搬送され、この環状空間R1から同軸の通路を通って、環状空間R4、ひいては、機器の高圧注入口Pに供給される。
【0014】
機器からの排出口Tにおける低圧の作動液が、環状空間R5に導かれ、導入孔Lを通って上部5の軸方向の止まり穴Sの中にさらに導かれ、その後、管状の切替部3の中に入る。切替部3が上部5に当接した場合、孔B2が、環状空間R2への接続、及び、結果的に接続部E2のへの接続を形成し、機器から作動液を回収するようになっている。
【0015】
切替部3のベース部4における位置決めは、環状面A1から環状面A2を引いたものに高圧流体Pが作用することに基づいており、この際に、環状面(A4+A6)から環状面(A3+A5+A7)を引いたものに低圧の排出流体が作用することが考慮される。
【0016】
切替部3の上部における位置決めは、環状面(A2+A3)から環状面A1を引いたものに高圧流体Pが作用することに基づいており、この際に、環状面(A5+A7)から環状面(A6+A4)を引いたものに低圧の排出流体が作用することが考慮される。
図1
図2
【国際調査報告】