(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】冷蔵庫の温度制御方法及び冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20230731BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20230731BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
F25D29/00 Z
F25D17/08 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500360
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 CN2021105500
(87)【国際公開番号】W WO2022012431
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】202010670624.X
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520514425
【氏名又は名称】青島海尓電冰箱有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER REFRIGERATOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】姫 立勝
(72)【発明者】
【氏名】戚 斐斐
(72)【発明者】
【氏名】崔 展鵬
(72)【発明者】
【氏名】韓 志強
(72)【発明者】
【氏名】李 鵬
(72)【発明者】
【氏名】王 凱
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045CA06
3L045DA02
3L045EA01
3L045MA02
3L045NA08
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA16
3L345BB04
3L345DD04
3L345EE33
3L345FF36
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
冷蔵庫の温度制御方法及び冷蔵庫を提供する。冷蔵庫(100)は、箱体(110)と、解凍室(120)と、冷凍システムと、マイクロダクトディスク(180)と、を含み、箱体(110)は、貯蔵区画室が区画されており、貯蔵区画室は貯蔵ゾーン(112)と解凍ゾーン(111)を含み、解凍室(120)は解凍ゾーン(111)に設けられ、冷凍システムは冷気流を発生させるように構成され、マイクロダクトディスク(180)は冷気流を貯蔵ゾーン(112)と解凍室(120)に選択的に入れるように構成される。本技術的解決手段によれば、貯蔵ゾーン(112)の温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上である場合、冷凍システムを起動させて冷気流を発生させ、解凍室(120)の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較して冷気流の案内方向を決定し、マイクロダクトディスク(180)を介して冷気流を所定の方向に案内し、これによって、貯蔵ゾーン(112)及び解凍室(120)による様々な冷凍要件を満たし、区画室の温度を制御するときに、電磁弁を頻繁に切り替える必要がなく、電磁弁の耐用年数を効果的に延ばす。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫の温度制御方法であって、
前記冷蔵庫は、
貯蔵ゾーンと解凍ゾーンを含む貯蔵区画室が区画されている箱体と、前記解凍ゾーンに設けられる解凍室と、冷気流を発生させるように構成される冷凍システムと、前記冷気流を前記貯蔵ゾーンと前記解凍室に選択的に入れるようにするマイクロダクトディスクと、を含み、
前記貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上である場合、前記冷凍システムを制御して起動させるステップと、
前記解凍室の温度を取得して、前記解凍室の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較するステップと、
前記解凍室の温度が前記予め設定された解凍停止温度閾値以上である場合、前記マイクロダクトディスクを制御して、前記冷気流を前記貯蔵ゾーンと前記解凍室の両方に案内するステップと、
前記解凍室の温度が前記予め設定された解凍停止温度閾値未満である場合、前記マイクロダクトディスクを制御して、前記冷気流をすべて前記貯蔵ゾーンに案内し、前記貯蔵ゾーンのみを冷凍するステップと、を含む冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項2】
前記マイクロダクトディスクを制御して、前記冷気流を前記貯蔵ゾーンと前記解凍室のステップの両方に案内する前記ステップの後、
前記貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下し、前記解凍室の温度が前記予め設定された解凍停止温度閾値よりも高いままである場合、前記マイクロダクトディスクを制御して前記冷気流をすべて前記解凍室に案内するステップをさらに含み、
前記解凍室の温度が前記予め設定された解凍停止温度閾値に低下する場合、前記マイクロダクトディスクを制御して前記冷気流をすべて前記貯蔵ゾーンに案内する前記ステップは、
前記解凍室の温度が前記予め設定された解凍停止温度閾値に低下し、前記貯蔵ゾーンの温度が前記予め設定された貯蔵停止温度閾値よりも高いままである場合、前記マイクロダクトディスクを制御して前記冷気流をすべて前記貯蔵ゾーンに案内するステップを含む請求項1に記載の冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項3】
前記マイクロダクトディスクを制御して前記冷気流をすべて前記解凍室のステップに案内する前記ステップの後、
前記解凍室の温度が前記予め設定された解凍停止温度閾値に低下する場合、前記解凍室に対する冷凍を停止するステップをさらに含み、
前記マイクロダクトディスクを制御して前記冷気流をすべて前記貯蔵ゾーンに案内する前記ステップの後、
前記貯蔵ゾーンの温度が前記予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下する場合、前記貯蔵ゾーンに対する冷凍を停止するステップをさらに含む請求項2に記載の冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項4】
前記冷蔵庫は、前記解凍室を解凍するように構成される加熱ユニットをさらに含み、前記解凍室に対する冷凍を停止したときに、前記解凍室の処理対象物収納イベントを検出するステップと、
前記解凍室に処理対象物が収納されたと検出した場合、前記処理対象物の属性情報を取得するステップと、
前記属性情報に基づいて前記加熱ユニットの運転パラメータを決定するステップと、
前記運転パラメータに基づいて前記加熱ユニットを制御して運転させるステップと、をさらに含む請求項3に記載の冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項5】
前記属性情報は、処理対象物の種類、処理対象物の外形寸法、処理対象物温度のいずれか1つを含む請求項4に記載の冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項6】
前記属性情報には処理対象物温度が含まれている場合、前記属性情報に基づいて前記加熱ユニットの運転パラメータを決定する前記ステップは、
前記処理対象物温度と前記解凍室シャットダウン温度閾値との温度差を算出するステップと、
前記温度差に基づいて前記加熱ユニットのオン時間を決定するステップと、を含む請求項5に記載の冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項7】
前記処理対象物温度は前記処理対象物の表面温度及び/又は中心温度を含む請求項6に記載の冷蔵庫の温度制御方法。
【請求項8】
冷蔵庫であって、
少なくとも1つの貯蔵区画室が区画されている箱体と、
前記少なくとも1つの貯蔵区画室内に設けられる解凍室と、
作動する際に冷気流を発生させるように構成される冷凍システムと、
前記冷気流を前記少なくとも1つの貯蔵区画室及び前記解凍室に選択的に入れるように構成されるマイクロダクトディスクと、
メモリとプロセッサを含み、前記メモリ内には、前記プロセッサによって実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の冷蔵庫の温度制御方法を実現する制御プログラムが記憶されている制御モジュールと、を含む冷蔵庫。
【請求項9】
前記貯蔵区画室内に設けられ、前記貯蔵区画室を前記貯蔵ゾーンと前記解凍ゾーンに分けるように構成される断熱板をさらに含む請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記貯蔵ゾーン内に設けられ、該貯蔵ゾーンの温度を検出するように構成される第1温度センサと、
前記解凍ゾーン内に設けられ、該解凍ゾーンの温度を検出するように構成される第2温度センサと、をさらに含む請求項9に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷凍の分野に関し、特に冷蔵庫の温度制御方法及び冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍食材を冷凍保存する際に、冷凍食材の鮮度、栄養価、本来の風味を最大限に保つことができるようにする。従来の冷蔵庫での冷凍食材の保存には、主に-14~-24℃での長期低温保存と、-4℃程度でのソフト冷凍短期保存の2つの方法がある。しかし、食材を低温で長期保存する場合、食材を処理するに先立って長時間解凍する必要があり、ユーザーが食材を迅速に処理するのに便利ではないが、食材をソフト冷凍で短期保存する場合、食材が冷凍する際に氷晶帯を通過する時間が長く、鮮度保持効果が低く、保存時間が短いという問題がある。そのため、氷晶帯を迅速に通過することができるとともに、インスタント食用・使用を実現できる食材保存形態を提供することが急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の1つの目的は従来技術の少なくとも1つの技術的欠点を解決し、氷晶帯を迅速に通過することとインスタント食用・使用のような利点を兼ね備える冷蔵庫の温度制御方法及び冷蔵庫を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は貯蔵区画室の貯蔵ゾーン及び解凍ゾーンのいずれも正常な温度に制御されることを確保することである。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、マイクロダクトディスクを利用して貯蔵ゾーン及び解凍ゾーンによる冷凍要件を満たし、電磁弁の切り替えを効果的に減少させ、電磁弁の耐用年数を延ばすことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
特に、本発明は、
冷蔵庫の温度制御方法であって、
冷蔵庫は、貯蔵ゾーンと解凍ゾーンを含む貯蔵区画室が区画されている箱体と、解凍ゾーンに設けられる解凍室と、冷気流を発生させるように構成される冷凍システムと、冷気流を貯蔵ゾーンと解凍室に選択的に入れるようにするマイクロダクトディスクと、を含み、
貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上である場合、冷凍システムを制御して起動させるステップと、
解凍室の温度を取得して、解凍室の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較するステップと、
解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値以上である場合、マイクロダクトディスクを制御して、冷気流を貯蔵ゾーンと解凍室の両方に案内するステップと、
解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値未満である場合、マイクロダクトディスクを制御して、冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内し、貯蔵ゾーンのみを冷凍するステップと、を含む冷蔵庫の温度制御方法を提供する。
【0007】
好ましくは、マイクロダクトディスクを制御して、冷気流を貯蔵ゾーンと解凍室のステップの両方に案内するステップの後、該方法は、
貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下し、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値よりも高いままである場合、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて解凍室に案内するステップをさらに含み、
解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下する場合、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内するステップは、
解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下し、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値よりも高いままである場合、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内するステップを含む。
【0008】
好ましくは、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて解凍室のステップに案内するステップの後、該方法は、
解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下する場合、解凍室に対する冷凍を停止するステップをさらに含み、
マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内するステップの後、
貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下する場合、貯蔵ゾーンに対する冷凍を停止するステップをさらに含む。
【0009】
好ましくは、冷蔵庫は、解凍室を解凍するように構成される加熱ユニットをさらに含み、
上記の冷蔵庫の温度制御方法は、
解凍室に対する冷凍を停止したときに、解凍室の処理対象物収納イベントを検出するステップと、
解凍室に処理対象物が収納されたと検出した場合、処理対象物の属性情報を取得するステップと、
属性情報に基づいて加熱ユニットの運転パラメータを決定するステップと、
運転パラメータに基づいて加熱ユニットを制御して運転させるステップと、をさらに含む。
【0010】
好ましくは、属性情報は、処理対象物の種類、処理対象物の外形寸法、処理対象物温度のいずれか1つを含む。
【0011】
好ましくは、属性情報には処理対象物温度が含まれている場合、属性情報に基づいて加熱ユニットの運転パラメータを決定するステップは、
処理対象物温度と解凍室シャットダウン温度閾値との温度差を算出するステップと、
温度差に基づいて加熱ユニットのオン時間を決定するステップと、を含む。
【0012】
好ましくは、処理対象物温度は処理対象物の表面温度及び/又は中心温度を含む。
【0013】
同一の発明構想に基づいて、本発明はまた、
少なくとも1つの貯蔵区画室が区画されている箱体と、
少なくとも1つの貯蔵区画室内に設けられる解凍室と、
作動する際に冷気流を発生させるように構成される冷凍システムと、
冷気流を少なくとも1つの貯蔵区画室及び解凍室に選択的に入れるように構成されるマイクロダクトディスクと、
メモリとプロセッサを含み、メモリ内には、プロセッサによって実行されると、上記のいずれか1項に記載の冷蔵庫の温度制御方法を実現する制御プログラムが記憶されている制御モジュールと、を含む冷蔵庫を提供する。
【0014】
好ましくは、上記の冷蔵庫は、
貯蔵区画室内に設けられ、貯蔵区画室を貯蔵ゾーンと解凍ゾーンに分けるように構成される断熱板をさらに含む。
【0015】
好ましくは、上記の冷蔵庫はまた、
貯蔵ゾーン内に設けられ、該貯蔵ゾーンの温度を検出するように構成される第1温度センサと、
解凍ゾーン内に設けられ、該解凍ゾーンの温度を検出するように構成される第2温度センサと、をさらに含む。
【0016】
本発明は、冷蔵庫の温度制御方法及び冷蔵庫を提供し、本発明による冷蔵庫の温度制御方法では、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上である場合、冷凍システムを起動させて冷気流を発生させ、解凍室の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較して冷気流の案内方向を決定し、マイクロダクトディスクを介して冷気流を所望の方向に案内し、これによって、貯蔵ゾーン及び解凍ゾーンによる様々な冷凍要件を満たし、冷凍過程で電磁弁の使用を減少させるだけではなく、電磁弁を切り替える回数を効果的に減らし、電磁弁の耐用年数を延ばすことができる。
【0017】
さらに、本発明は、処理対象物温度と予め設定された解凍停止温度閾値との温度差に基づいて加熱ユニットのオン時間を決定し、解凍時間を合理的に制御することによって、必要以上の解凍による食物品質の低下を回避することができる。
【0018】
さらに、本発明では、断熱板が設けられて、貯蔵区画室を貯蔵ゾーンと解凍ゾーンに分け、解凍室が解凍ゾーンに設けられることによって、解凍室と貯蔵ゾーンとの熱交換を効果的に遮断し、貯蔵ゾーンによる冷凍が解凍室に与える影響を効果的に低減させることができる。
【0019】
以下で図面を参照して本発明の特定実施例を詳細に説明し、これによって、本発明の上記及び他の目的、利点及び特徴が当業者によってより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
以下では、本発明のいくつかの特定実施例は図面を参照して限定的ではなく例示的に説明される。図面における同じ符号は同一又は類似の部材又は部分を表す。当業者にとって明らかなように、これらの図面は必ずしも比例して描かれたものではない。
【
図1】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の概略断面図であり、貯蔵ゾーン及び解凍ゾーンを冷凍する冷気流の流動経路が示されている。
【
図2】本発明の一実施例に係るダクトカバーの概略断面図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法の概略図である。
【
図4】本発明の別の実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法の概略図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
【
図6】本発明の別の実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
【
図7】本発明の更なる実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は本発明の一実施例に係る冷蔵庫の概略断面図であり、貯蔵ゾーン及び解凍ゾーンを冷凍する冷気流の流動経路が示されている。
図1に示すように、冷蔵庫100は箱体110と、解凍室120と、冷凍システムと、マイクロダクトディスク180と、制御モジュールと、を含んでもよい。
【0022】
箱体110は、1つ又は複数の貯蔵ゾーン112と1つの解凍ゾーン111を含んでもよい貯蔵区画室が区画されていてもよい。解凍室120は解凍ゾーン111内に設けられてもよい。いくつかの実施例では、貯蔵区画室は複数であってもよく、図に示す実施例では、箱体110は2つの貯蔵区画室が区画されている。貯蔵区画室はすべて開口したものである。他のいくつかの実施例では、貯蔵区画室は上方へ開口したものであってもよい。
【0023】
箱体110には2つの貯蔵区画室が区画されている場合、貯蔵区画室は冷蔵区画室と冷凍区画室を含んでもよい。当業者により知られているように、冷蔵区画室とは食材の保存温度が0~+8℃である貯蔵区画室であり、冷凍区画室とは食材の保存温度が-24~-14℃である貯蔵区画室である。解凍室120は、解凍又はソフト冷凍温度の維持が貯蔵区画室内の保存食材に及ぼす影響を低減させるように、冷蔵区画室内に設けられてもよい。
【0024】
冷凍システムは冷気流を発生させるように構成されてもよい。具体的には、冷凍システムは圧縮機、凝縮器、絞り要素及び蒸発器を含んでもよい。
【0025】
マイクロダクトディスク180は、冷気流を貯蔵ゾーン112及び解凍室120に選択的に入れるように構成されてもよい。冷気流は、貯蔵区画室及び解凍室120による冷凍の要件を満たすように、貯蔵ゾーン112又は解凍室120内の空気と熱交換を行うことで、貯蔵ゾーン112又は解凍室120の温度を低下させるようにしてもよい。
【0026】
さらに、冷蔵庫100は、貯蔵区画室内に設けられ、貯蔵区画室を貯蔵ゾーン112と解凍ゾーン111に分けるように構成される断熱板130をさらに含んでもよい。解凍室120は解凍ゾーン111に設けられる。図に示す実施例では、断熱板130はすべて水平方向に延びるように構成される。本発明の実施例では、断熱板130が設けられることにより、解凍室120が位置する貯蔵区画室を1つの解凍ゾーン111と少なくとも1つの貯蔵ゾーン112に分けることができ、さらに、解凍室120が解凍ゾーン111に設けられることによって、解凍室120と貯蔵ゾーン112の熱交換を効果的に遮断し、貯蔵ゾーン112による冷凍が解凍室120に及ぼす影響を低減させることができる。解凍ゾーン111は貯蔵ゾーン112の下方に設けられてもよい。
【0027】
他のいくつかの実施例では、冷蔵庫100においては、垂直方向に延びている断熱板がさらに設けられてもよく、水平方向に延びている断熱板と垂直方向に延びている断熱板は両端が接続されて解凍室120の外側に周設されてもよい。これによって、解凍室120と貯蔵ゾーン112との熱交換をさらに遮断し、解凍室120の保温性能を確保することができる。
【0028】
制御モジュールはメモリ及びプロセッサを含んでもよい。メモリ内には、プロセッサによって実行されると、本発明の実施例のいずれかに係る冷蔵庫の温度制御方法を実現する制御プログラムが記憶されていてもよい。制御モジュールは、モジュールの取り付けやメンテナンスを制御するために、冷蔵庫の電気制御パネルに設けられてもよい。
【0029】
いくつかの実施例では、冷蔵庫100は第1温度センサと第2温度センサを含んでもよい。第1温度センサは貯蔵ゾーン112内に設けられて、該貯蔵ゾーン112の温度を検出してもよい。第2温度センサは解凍室120内に設けられて、解凍室120の温度を検出してもよい。第1温度センサ及び第2温度センサによって貯蔵ゾーン及び解凍室の温度をそれぞれ検出することができ、貯蔵ゾーン112及び解凍室120の温度を制御しやすくする。
【0030】
いくつかの実施例では、冷蔵庫100は加熱ユニットをさらに含んでもよい。加熱ユニットは解凍室120を解凍するように構成されてもよい。具体的には、加熱ユニットは、少なくとも一部が解凍室120に設けられるか、又は解凍室120内まで導通している電磁波発生システムを含んでもよい。電磁波発生システムは電磁波を発生させて処理対象物を解凍することに用いられ得る。電磁波発生システムは、発生させる熱による区画室の温度波動を避けるように、少なくとも一部が箱体110の外側に設けられてもよい。ここでは、箱体110の外側とは箱体110の環境空気に露出した側であり、箱体110の内側は貯蔵区画室である。
【0031】
電磁波発生システムは、電磁波信号を発生させるための電磁波発生モジュールと、電磁波発生モジュールに電気的に接続され、電磁波発生モジュールに電気エネルギーを供給して、電磁波発生モジュールに電磁波信号を発生させるための給電モジュールと、電磁波発生モジュールに電気的に接続され、電磁波信号に応じて、対応する周波数の電磁波を放射し、解凍室120内の処理対象物を解凍するための放射アンテナと、電磁波の特徴パラメータを検出するための信号処理及び監視回路と、を含んでもよい。
【0032】
電磁波発生モジュール及び給電モジュールは箱体110の外側に設けられてもよい。信号処理及び監視回路は解凍室120の底部に設けられてもよい。信号処理及び監視回路は、信号処理及び監視回路の取り付けやメンテナンスを容易にするために、1つの回路基板に集積されてもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、冷蔵庫100は風冷型冷蔵庫であってもよい。貯蔵区画室ごとに、1つのダクトカバー140が設けられて、それぞれの貯蔵区画室の内部で冷凍ダクト150を区画してもよい。冷凍システムが単独して1つの貯蔵区画室を冷凍できるように、冷凍ダクト150ごとに、1つの蒸発器160及び1つの冷凍ファン170がそれぞれ設けられてもよい。もちろん、箱体において複数の貯蔵区画室が区画されている場合、これらのうちの1つの冷凍ダクト150のみに1つの蒸発器160と1つの冷凍ファン170が設けられ、しかも、蒸発器160が位置する冷凍ダクト150は他の冷凍ダクト150に選択的に連通しているようにしてもよい。本実施例では、蒸発器160が位置する冷凍ダクト150が他の冷凍ダクト150に選択的に連通することにより、冷凍システムは蒸発器160が位置する貯蔵区画室のみを冷凍するか、又は複数の貯蔵区画室を同時に冷凍することができる。
【0034】
ここで、ダクトカバー140には、貯蔵区画室内の空気を循環させて冷凍することから、少なくとも1つの送風口141と1つの還風口142が開けられてもよい。送風口141の数は複数であってもよい。解凍室120には、解凍室120内の空気を循環させて冷凍することから、1つの送風口141と1つの還風口142が設けられてもよい。還風口142は、冷凍をより十分に行うように、複数の送風口141の下方に設けられてもよい。
【0035】
他のいくつかの実施例では、冷蔵庫100は直冷型冷蔵庫であってもよく、すなわち、貯蔵区画室ごとに1つの蒸発器160が設けられ、冷気が自然対流を通じて行われるようにしてもよい。
【0036】
図2は本発明の一実施例に係るダクトカバー140の概略断面図である。
図2に示すように、いくつかの実施例では、ダクトカバー140は貯蔵区画室の後壁と隙間をなして配置されて冷凍ダクト150の還風部を構成してもよく、蒸発器160は還風部に設けられてもよい。ダクトカバー140自体には区画室のダクトの少なくとも1つの送風部が設けられてもよく、送風部ごとに、少なくとも1つの送風口141及び1つの吹込み口143が設けられてもよい。
【0037】
マイクロダクトディスク180は冷凍ファン170を容置する渦巻ケーシングとして構成されてもよい。渦巻ケーシングは、吹き出し口を1つの送風部の吹込み口143に合わせるように回転し、蒸発器160で冷却された冷気流を1つの送風部に送って該送風部の送風口141から吹き出すように構成されてもよい。
【0038】
図3は本発明の一実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法の概略図である。
図3に示すように、本実施例では、冷蔵庫の温度制御方法はステップS302~ステップS308を含んでもよい。
【0039】
ステップS302、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上である場合、冷凍システムを制御して起動させ、ここで、冷凍システムは起動されると冷気流を発生させる。
ステップS304、解凍室の温度を取得して、解凍室の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較する。
ステップS306、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値以上である場合、マイクロダクトディスクを制御して冷気流を貯蔵ゾーンと解凍室の両方に案内する。
ステップS308、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値未満である場合、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内し、貯蔵ゾーンのみを冷凍する。
【0040】
本発明の実施例では、貯蔵ゾーンの温度が貯蔵起動温度閾値以上であるときに冷凍システムを起動させて冷気流を発生させ、解凍室の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較して冷気流の案内方向を決定し、マイクロダクトディスクによって冷気流を所望の方向に案内し、これによって、貯蔵ゾーン及び解凍室による様々な冷凍要件を満たし、区画室の温度を制御するときに、電磁弁を頻繁に切り替える必要がなく、電磁弁の耐用年数を効果的に延ばす。
【0041】
貯蔵ゾーン112又は解凍室120を冷凍するときに、貯蔵ゾーンの温度又は解凍室120の温度が低下する。このことを考慮して、ステップS306においては、いくつかの実施例では、マイクロダクトディスク180を制御して冷気流を案内貯蔵ゾーン112及び解凍室120の両方に案内した後、貯蔵ゾーン112の温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下し、解凍室120の温度が予め設定された解凍停止温度閾値よりも高いままである場合、マイクロダクトディスク180を制御して冷気流をすべて解凍室120に案内し、解凍室120を単独して冷凍することができ、このとき、解凍室120の温度が素早く低下し、解凍室120内の食材が氷晶帯を素早く通過し、食材の鮮度保持に有利である。
【0042】
更なるいくつかの実施例では、マイクロダクトディスク180を制御して冷気流をすべて解凍室120に案内した後、解凍室120の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下するときに、解凍室120に対する冷凍を停止してもよい。貯蔵ゾーン112の温度が最も早く予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下するので、まず、貯蔵ゾーン112に対する冷凍を停止し、次に、解凍室120の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下するときに、解凍室120に対する冷凍を停止し、これによって、貯蔵ゾーン112及び解凍室120がそれぞれの冷凍要件を満たし、貯蔵ゾーン及び解凍室120がいずれも正常な温度に制御されることが確保される。
【0043】
ステップS306においては、他のいくつかの実施例では、マイクロダクトディスク180を制御して冷気流を貯蔵ゾーン112及び解凍室120の両方に案内した後、解凍室120の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に停止し、貯蔵ゾーン112の温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値よりも高いままである場合、マイクロダクトディスク180を制御して、冷気流をすべて貯蔵ゾーン112に案内し、これによって、貯蔵ゾーン112のみを冷凍してもよい。
【0044】
更なるいくつかの実施例では、マイクロダクトディスク180を制御して、冷気流をすべて貯蔵ゾーン112に案内した後、貯蔵ゾーン112の温度が予め設定された貯蔵ゾーンシャットダウン温度閾値に低下する場合、貯蔵ゾーン112に対する冷凍を停止してもよい。解凍室120の温度が最初に予め設定された解凍停止温度閾値に低下するため、最初に解凍室120に対する冷凍を停止し、次に、貯蔵ゾーン112の温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下する場合、貯蔵ゾーン112に対する冷凍を停止し、これによって、貯蔵ゾーン及び解凍室120はいずれもそれぞれの冷凍要件を満たし、貯蔵ゾーン112及び解凍室120がいずれも正常な温度に制御されることが確保される。
【0045】
冷凍食材を解凍しやすくするために、いくつかの実施例では、冷蔵庫100は加熱ユニットをさらに含んでもよい。加熱ユニットは解凍室120を解凍するように構成されてもよい。
図4は本発明の別の実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
図4に示すように、本実施例では、冷蔵庫の温度制御方法はステップS402~ステップS408をさらに含んでもよい。
【0046】
ステップS402、解凍室120に対する冷凍を停止したときに、解凍室120の処理対象物収納イベントを検出する。処理対象物とは一般に冷蔵庫に収納して冷凍、解凍、又は冷蔵する食材/食物である。
【0047】
ステップS404、解凍室120に処理対象物が収納されたと検出した場合、処理対象物の属性情報を取得する。属性情報は、処理対象物の種類、処理対象物の外形寸法、及び/又は処理対象物温度を含んでもよい。処理対象物温度は処理対象物の表面温度及び/又は中心温度を含む。
【0048】
ステップS406、属性情報に基づいて加熱ユニットの運転パラメータを決定する。運転パラメータは加熱ユニットのオン時間、オフ時間、電力を含むが、これらに限定されない。
【0049】
ステップS408、運転パラメータに基づいて加熱ユニットを制御して運転させる。
【0050】
本実施例では、解凍室120に処理対象物が収納されたときに、処理対象物の属性情報を取得し、属性情報に基づいて加熱ユニットの運転パラメータを決定し、この運転パラメータに従って加熱ユニットを制御して運転させ、これによって、優れた解凍効果が得られ、解凍に起因する食物品質の低下の問題が回避される。
【0051】
いくつかの実施例では、属性情報には処理対象物温度が含まれている場合、ステップS406は、処理対象物温度と解凍室シャットダウン温度閾値との温度差を算出するステップと、温度差に基づいて加熱ユニットのオン時間を決定するステップと、を含んでもよい。本実施例は処理対象物温度と解凍室シャットダウン温度閾値との温度差から加熱ユニットのオン時間を決定することで、解凍時間をより合理的なものとし、必要以上の解凍に起因する食物品質の低下の問題を回避する。
【0052】
第1予め設定された温度閾値、第2予め設定された温度閾値は解凍室120を解凍する実験を通じて決定されてもよく、第2予め設定された温度閾値は0℃に設定されてもよく、このようにして、解凍するときの解凍室120が負温度の解凍状態になる。もちろん、第1予め設定された温度閾値及び第2予め設定された温度閾値はまた、それぞれ所定の閾値範囲に設定されてもよい。
【0053】
図5は本発明の一実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
図5に示すように、本実施例では、冷蔵庫の温度制御方法はステップS502~ステップS524を含んでもよい。
【0054】
ステップS502、貯蔵ゾーンの温度を取得する。
ステップS504、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合、ステップS506を実行し、Noの場合、ステップS502の実行を持続する。
ステップS506、冷蔵庫の冷凍システムをオンにして、冷気流を発生させる。
ステップS508、解凍室の温度を取得する。
ステップS510、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合、ステップS512を実行し、Noの場合、ステップS522を実行する。
ステップS512、マイクロダクトディスクを制御して、冷気流を冷蔵区画室及び解凍室の両方に案内する。
ステップS514、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下したか否かを判断し、Yesの場合、ステップS516を実行し、Noの場合、ステップS520を実行する。
ステップS516、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下したか否かを判断し、Yesの場合、ステップS518を実行し、Noの場合、ステップS520を実行する。
ステップS518、冷蔵庫の冷凍システムをオフにする。
ステップS520、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて解凍室に案内する。
ステップS522、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内する。
【0055】
図6は本発明の別の実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
図6に示すように、本実施例では、冷蔵庫の温度制御方法はステップS602~ステップS626を含んでもよい。
【0056】
ステップS602、貯蔵ゾーンの温度を取得する。
【0057】
ステップS604、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合、ステップS606を実行し、Noの場合、ステップS602の実行を持続する。
【0058】
ステップS606、冷蔵庫の冷凍システムをオンにして、冷気流を発生させる。
【0059】
ステップS608、解凍室の温度を取得する。
【0060】
ステップS610、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合、ステップS612を実行し、Noの場合、ステップS626を実行する。
【0061】
ステップS612、マイクロダクトディスクを制御して冷気流を貯蔵ゾーン及び解凍室の両方に案内する。
【0062】
ステップS614、貯蔵ゾーンの温度を取得する。
【0063】
ステップS616、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下したか否かを判断し、Noの場合、ステップS608に戻り、Yesの場合、ステップS618を実行する。
【0064】
ステップS618、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて解凍室に案内する。
【0065】
ステップS620、解凍室の温度を取得する。
【0066】
ステップS622、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下したか否かを判断し、Noの場合、ステップS620に戻り、YesSの場合、ステップS624を実行する。
【0067】
ステップS624、冷蔵庫の冷凍システムをオフにする。
【0068】
ステップS626、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内する。
【0069】
本実施例では、貯蔵ゾーン112の温度が最初に予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下するため、最初に貯蔵ゾーン112に対する冷凍を停止し、冷気流をすべて解凍室120に案内し、次に、解凍室120の温度が予め設定された解凍停止温度閾値に低下する場合、冷凍システムをオフにして解凍室120に対する冷凍を停止し、これによって、貯蔵ゾーン112及び解凍室120はいずれもそれぞれの冷凍要件を満たし、解凍室120の食材が氷晶帯を素早く通過するだけではなく、貯蔵ゾーン及び解凍室120がいずれも正常な温度に制御されることが確保される。
【0070】
図7は本発明の更なる実施例に係る冷蔵庫の温度制御方法のフローチャートである。
図7に示すように、本実施例では、冷蔵庫の温度制御方法はステップS702~ステップS720を含んでもよい。
【0071】
ステップS702、貯蔵ゾーンの温度を取得する。
【0072】
ステップS704、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合、ステップS706を実行し、Noの場合、ステップS702の実行を持続する。
【0073】
ステップS706、冷蔵庫の冷凍システムをオンにして、冷気流を発生させる。
【0074】
ステップS708、解凍室の温度を取得する。
【0075】
ステップS710、解凍室の温度が予め設定された解凍停止温度閾値以上であるか否かを判断し、Yesの場合、ステップS712を実行し、Noの場合、ステップS714を実行する。
【0076】
ステップS712、マイクロダクトディスクを制御して冷気流を貯蔵ゾーン及び解凍室の両方に案内する。
【0077】
ステップS714、マイクロダクトディスクを制御して冷気流をすべて貯蔵ゾーンに案内する。
【0078】
ステップS716、貯蔵ゾーンの温度を取得する。
【0079】
ステップS718、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下したか否かを判断し、Noの場合、ステップS716に戻り、YESの場合、ステップS720を実行する。
【0080】
ステップS720、冷蔵庫の冷凍システムをオフにする。
【0081】
本実施例では、解凍室120の温度が最初に予め設定された解凍停止温度閾値に低下するため、最初に解凍室120に対する冷凍を停止し、冷気流をすべて貯蔵ゾーン112に案内し、次に、貯蔵ゾーン112の温度が予め設定された貯蔵停止温度閾値に低下する場合、冷凍システムをオフにして貯蔵ゾーン112に対する冷凍を停止し、これによって、貯蔵ゾーン112及び解凍室120はいずれもそれぞれの冷凍要件を満たし、貯蔵ゾーン112及び解凍室120がいずれも正常な温度に制御されることが確保される。なお、本発明の実施例の1つ又は複数の例は図面に示されている。各例は本発明を説明することにより提供され、本発明を制限するものではない。実際には、当業者にとって明らかなように、本発明の範囲又は趣旨を逸脱することなく、本発明に対して各種の修正や変形を行うことができる。例えば、一実施例の一部として示されるか又は説明される特徴は他の一実施例とともに使用されて、更なる実施例を構成してもよい。
【0082】
本発明の実施例は冷蔵庫の温度制御方法及び冷蔵庫を提供し、本発明に係る冷蔵庫の温度制御方法では、貯蔵ゾーンの温度が予め設定された貯蔵起動温度閾値以上である場合、冷凍システムを起動させて冷気流を発生させ、解凍室120の温度を予め設定された解凍停止温度閾値と比較して冷気流の案内方向を決定し、マイクロダクトディスクを介して冷気流を所望の方向に案内し、これによって、貯蔵ゾーン112及び解凍室120による様々な冷凍要件を満たし、冷凍中に電磁弁の使用を減少させるだけではなく、電磁弁を切り替える回数を効果的に減少させ、電磁弁の耐用年数を延ばす。
【0083】
さらに、本発明の実施例はまた、処理対象物温度と予め設定された解凍停止温度閾値との温度差から加熱ユニットのオン時間を決定し、解凍時間を合理的に制御し、必要以上の解凍に起因する食物品質の低下を回避する。
【0084】
さらに、本発明の実施例の冷蔵庫においては、断熱板130がさらに設けられて、解凍室120が位置する貯蔵区画室を解凍ゾーン111と貯蔵ゾーン112に分け、さらに、解凍室120が解凍ゾーンに設けられることによって、解凍室120と貯蔵ゾーン112との熱交換を効果的に遮断し、貯蔵ゾーン112の冷凍が解凍室120に与える影響を効果的に低減させることができる。
【0085】
以上より、当業者にとって明らかなように、本明細書は本発明の複数の例示的な実施例を示して説明したが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、本発明で開示された内容に基づいて本発明の原理に合致する多くの他の変形や修正を直接決定又は導出することができる。よって、本発明の範囲はこれらの他の変化や修正をカバーするものとして理解、確認すべきである。
【国際調査報告】