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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】自己作動式把持デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20230731BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20230731BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A61B17/29
A61B1/307
A61B1/018 515
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023500362
(86)(22)【出願日】2021-07-06
(85)【翻訳文提出日】2023-02-09
(86)【国際出願番号】 US2021040435
(87)【国際公開番号】W WO2022010838
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/048,289
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518220969
【氏名又は名称】プロデオン・メディカル・コーポレイション
【住所又は居所原語表記】116 Hougang Street 7F, Taipei, 11170 Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ジェン・ジミー
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ケネス・チー-ピン
(72)【発明者】
【氏名】パーディー・クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ザレツカ・ゲーリー・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】リー・ポ-ファ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160GG24
4C160MM53
4C160NN11
4C161AA15
4C161FF43
4C161GG15
(57)【要約】
自動的にロックする把持デバイス、および患者の身体内の場所から異物を回収するために把持デバイスを使用する対応する方法。この把持デバイスは、自己作動式機構を有するハンドルと、アクチュエータワイヤに結合されたハンドル上のアクチュエータと、ハンドルから遠位に延びており、中に作動ワイヤが同軸に配された、細長いシャフト部材と、細長いシャフト部材の遠位端部にあり、作動ワイヤに結合されて、開放構成と閉鎖構成との間で枢動する、対向するジョーと、を有する。自己作動式機構は、作動ワイヤを通じて対向するジョーに閉鎖力を付与する付勢を有する。アクチュエータの作動は、作動ワイヤを通じて対向するジョーに開放力を付与するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持デバイスであって、
自己作動式機構を有するハンドルと、
アクチュエータワイヤに結合された前記ハンドル上のアクチュエータと、
前記ハンドルから遠位に延びており、中に前記作動ワイヤが同軸に配された、細長いシャフト部材と、
前記細長いシャフト部材の遠位端部にあり、前記作動ワイヤに結合されて、開放構成と閉鎖構成との間で枢動する、対向するジョーと、
を含み、
前記自己作動式機構は、前記作動ワイヤを通じて前記対向するジョーに閉鎖力を付与する付勢を有し、
前記アクチュエータの作動は、前記作動ワイヤを通じて前記対向するジョーに開放力を付与するように構成されている、把持デバイス。
【請求項2】
前記自己作動式機構は、前記作動ワイヤに結合され、かつ前記ハンドルのバレル内に配されたプランジャを含み、
前記プランジャは、ばねによって閉鎖力を加えるように付勢されている、請求項1に記載の把持デバイス。
【請求項3】
前記プランジャが近位方向に付勢され、前記閉鎖力が前記作動ワイヤに加えられる引き出し力であるように、前記ばねは、圧縮ばねである、請求項2に記載の把持デバイス。
【請求項4】
前記アクチュエータは、ユーザが前記アクチュエータに遠位方向の力を加えたときに遠位方向に前記開放力を付与するように構成されている、請求項3に記載の把持デバイス。
【請求項5】
前記アクチュエータは、ユーザが前記アクチュエータに引き出し力を加えたときに遠位方向に前記開放力を付与するように構成されている、請求項3に記載の把持デバイス。
【請求項6】
前記アクチュエータの延長部が、前記アクチュエータを通じて加えられる力の方向を逆転させる回転リンクによって、前記プランジャに結合されている、請求項2に記載の把持デバイス。
【請求項7】
前記アクチュエータは、前記開放力に関連する方向とは反対の方向で前記アクチュエータに力が加えられたときに閉鎖力を増大させるように構成されている、請求項1に記載の把持デバイス。
【請求項8】
前記プランジャが遠位方向に付勢され、前記閉鎖力が前記作動ワイヤに付与される遠位方向の力であるように、前記ばねは、引張ばねである、請求項2に記載の把持デバイス。
【請求項9】
前記アクチュエータは、引き出し方向に前記開放力を付与するように構成されている、請求項8に記載の把持デバイス。
【請求項10】
膀胱鏡への直接接続を提供するように構成されたアダプタをさらに含む、請求項1に記載の把持デバイス。
【請求項11】
前記アダプタは、前記膀胱鏡に対する前記把持デバイスの位置を調整することを可能にする、本体内に入れ子式に配されたバレル延長部を含む、請求項10に記載の把持デバイス。
【請求項12】
前記バレル延長部は、調整された位置でロックされるように構成されている、請求項11に記載の把持デバイス。
【請求項13】
前記アダプタは、灌注ポートをさらに含む、請求項10に記載の把持デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2020年7月6日に出願された米国仮出願第63/048,289号に対する優先権を主張する。本出願の優先権は明示的に主張され、これによりその開示は参照によって全体として組み込まれる。
【0002】
〔本開示の分野〕
本開示は、中空の身体管腔を塞ぐ身体組織、例えば尿道を塞ぐ前立腺葉組織を管理または治療するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
前立腺はクルミの形をした腺で、尿が膀胱から排出される尿道を包んでおり、男性の生殖系において重要な役割を果たしている。この腺は最初は小さいが、男性の加齢と共に肥大する傾向がある。前立腺が過度に肥大すると、良性前立腺肥大症(BPH)として知られる疾患が生じる。良性前立腺肥大症(BPH)は、加齢男性に非常によくみられる、異常ではあるが非悪性(非がん性)の前立腺の成長を指す。BPHは慢性疾患であり、尿流出路閉塞または前立腺部尿道の管腔狭窄の発症と関連する。膀胱下尿道閉塞(BOO)とは、尿道への尿の流れを減少または停止させる、膀胱底部における閉塞を指し、BPHに続発することがある。下部尿路症状(LUTS)と総称される一連の関連する病気が生じ得、これには、排尿症状もしくは閉塞症状、例えば、排尿躊躇、尿速減少および/もしくは尿線途絶(poor and/or intermittent stream)、腹圧排尿、苒延性排尿、残尿感、滴下など、ならびに、蓄尿症状もしくは刺激症状、例えば、頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失禁、および夜間頻尿が含まれる。また、これらの症状は、性機能障害、尿閉、尿漏れ、ならびに尿路感染症および膀胱感染症を引き起こし得、これらは、前立腺の異常な成長が進行するにつれて悪化し得る。
【0004】
従来の外科的介入が行われ得るが、低侵襲性技術は、尿道の直径を広げるように設計されたデバイスを前立腺部尿道内に植え込むことを含む。前立腺インプラントの設置は、泌尿器科医が、肥大した前立腺組織によって狭くなっている前立腺部尿道内に小さなデバイスを挿入する手技を伴う。このインプラントは、いったん正しい位置にくると、拡張し、組織葉を押し出すことによって尿道を開いたままにするのに役立つと共に、肥大した前立腺組織を尿道の全体的な衝突および開口(total impingement and opening of the urethra)から保護するように設計されている。理想的には、前立腺インプラントは、前立腺組織を外科的に除去する必要性を排除し、低侵襲性外科的アプローチにも固有かつ伝統的である、血尿、カテーテル挿入、性機能障害、および失禁のリスクを低下させることが期待される。この手技はまた、インプラントが除去され得、かつ追加の外科的処置が将来実施され得るので、可逆的であるように設計され得る。ステントまたは前立腺組織エキスパンダーのような前立腺インプラントの除去は、典型的には、全体が参照により本明細書に組み込まれる2020年12月2日出願の同時係属中の共同所有の米国特許出願第17/109,814号に記載のように、シースと共に膀胱鏡の作業内腔を通して挿入され得る把持器を使用して達成される。膀胱鏡はシースを通して挿入され、これらは双方、膀胱鏡を用いた直接画像化の下、システムとして、尿道内に挿入される。ユーザは、把持器を用いてインプラントを固定し、シースの中に引き込む。他の文脈では、把持器は、尿道、膀胱、尿管および腎臓における石または結石など、閉塞または障害の原因となるものを含む、他の種類の異物を尿路から回収するために使用され得る。さらに、把持器は、膵臓、食道、胆嚢、腎臓などを含むがこれらに制限されない身体の他の部分からそのような異物を除去するための低侵襲手技において使用され得ることも理解されるべきである。
【0005】
ステントまたは組織エキスパンダーを除去するための泌尿器科手技の間に使用されるように構成された把持器の実施形態については、把持器は可撓性であり、特定の可撓性または剛性の膀胱鏡との必要な適合性に応じて、約2~3mm以下の外径を有する。これらの特性は、他の手技のためまたは身体の他の部分にアクセスするために必要に応じて適合され得る。従来利用可能な把持器は、図1に示す先行技術例のような押し引きハンドル作動機構に依存している。遠位ジョーを作動させて異物を把持するため、ユーザは、遠位ジョーを開くために親指ハンドルを引き、ジョーを閉じるために押さなければならない。典型的には、把持器ジョーは自由であり、開放位置または閉鎖位置にあることができる。ユーザがジョーを閉鎖位置に継続的に保持したい場合、すなわち、組織エキスパンダーまたは任意の異物を固定した後、ユーザは、ハンドルに一定の前方圧力を加える必要があり、これは、ユーザにとって望ましくない。例えば、この要件は、臨床手技中、手の疲労を増加させ、かつ/またはオペレータの能力を制限し、望ましくない結果をもたらす可能性がある。時には、疲労を最小限にするために、アシスタントまたは第2のユーザが、把持器を操作し、それを閉鎖位置に保持することが要求されるであろう。臨床手技中に2人のオペレータが必要であると、今度は、異物を把持して回収するための協調的な動作が必要となり、手技が長くなり、また、資源の使用量の増加が必要となる。これに対応して、手の疲労を軽減し、1人のオペレータが尿路、泌尿器系または身体の他の部分から異物を回収することを可能にする、異物を把持した後にロックされたままとなる自己作動式把持器を提供することは有益であろう。本開示の技術は、これらおよび他のニーズを満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、自己作動式機構を有するハンドルと、アクチュエータワイヤに結合されたハンドル上のアクチュエータと、ハンドルから遠位に延びており、中に作動ワイヤが同軸に配された、細長いシャフト部材と、細長いシャフト部材の遠位端部にあり、作動ワイヤに結合されて、開放構成と閉鎖構成との間で枢動する、対向するジョーと、を有する、把持デバイスに関する。自己作動式機構は、作動ワイヤを通じて対向するジョーに閉鎖力を付与する付勢を有し、アクチュエータの作動は、作動ワイヤを通じて対向するジョーに開放力を付与するように構成される。
【0007】
一態様において、自己作動式機構は、作動ワイヤに結合され、かつハンドルのバレル内に配されたプランジャであってよく、プランジャは、ばねによって閉鎖力を加えるように付勢されている。プランジャが近位方向に付勢され、閉鎖力が作動ワイヤに加えられる引き出し力であるように、ばねは、圧縮ばねであってよい。アクチュエータは、ユーザがアクチュエータに遠位方向の力を加えたときに遠位方向に開放力を付与するように構成され得る。あるいは、アクチュエータは、ユーザがアクチュエータに引き出し力を加えたときに遠位方向に開放力を付与するように構成されてもよい。
【0008】
一態様では、アクチュエータの延長部が、アクチュエータを通じて加えられる力の方向を逆転させる回転リンクによって、プランジャに結合され得る。
【0009】
一態様では、アクチュエータは、開放力に関連する方向とは反対の方向でアクチュエータに力が加えられたときに閉鎖力を増大させるように構成され得る。
【0010】
一態様では、プランジャが遠位方向に付勢され、閉鎖力が作動ワイヤに付与される遠位方向の力であるように、ばねは、引張ばねである。アクチュエータは、引き出し方向に開放力を付与するように構成され得る。
【0011】
一態様では、把持デバイスは、医療手技で使用される膀胱鏡または他の撮像機器もしくはデバイスへの直接接続を提供するように構成されたアダプタも有する。アダプタは、膀胱鏡に対する把持デバイスの位置を調整することを可能にする、本体内に入れ子式に配されたバレル延長部を有して、異なる膀胱鏡の長さに対応するか、または異物および膀胱鏡に対する把持器の位置を固定することができる。バレル延長部は、調整された位置でロックされるように構成され得る。また、アダプタは、灌注ポートを有し得る。
【0012】
本開示はまた、患者の身体内の場所から異物を回収するための方法を含む。この方法は、自己作動式機構を有するハンドルと、アクチュエータワイヤに結合されたハンドル上のアクチュエータと、ハンドルから遠位に延びており、中に作動ワイヤが同軸に配された、細長いシャフト部材と、細長いシャフト部材の遠位端部にあり、作動ワイヤに結合されて、開放構成と閉鎖構成との間で枢動する、対向するジョーと、を有する、把持デバイスを提供することを含み得る。把持デバイスは、対向するジョーが異物に隣接するまで、医療デバイスの内腔を通って前進され得る。開放力が、アクチュエータにより、作動ワイヤを通じて対向するジョーに加えられ得る。異物は、ジョーが開放構成にあるとき、ジョーの範囲内に位置付けられ得る。閉鎖力が、異物を固定するために自己作動式機構によって対向するジョーに加えられ得る。その後、把持デバイスが引き出されて異物を回収することができる。
【0013】
一態様では、自己作動式機構は、閉鎖力が対向するジョーに加えられ、アクチュエータに力が付与されないときには対向するジョーが独立した状態で閉鎖したままであるように、付勢されている。
【0014】
一態様では、アクチュエータにより開放力を加えることは、アクチュエータに遠位方向の力を加えることを含み得る。
【0015】
一態様では、開放力は、アクチュエータに反対方向の力を加えることによって、作動ワイヤに加えられ得る。
【0016】
一態様では、自己作動式機構によって加えられる閉鎖力は、アクチュエータに力を加えることによって増大され得る。
【0017】
一態様では、把持デバイスは、アダプタを使用して膀胱鏡または他の撮像機器もしくは医療デバイスに直接接続され得る。アダプタは、膀胱鏡または他の撮像機器もしくは医療デバイスに対する把持デバイスの所望の位置を設定するために入れ子式に調整され得、アダプタはその位置でロックされ得る。
【0018】
一態様では、異物は、患者の前立腺部尿道、膀胱、尿路または泌尿器系に位置し得る。異物は、インプラントとすることができる。
【0019】
さらなる特徴および利点は、添付図面に示されるような、本開示の好ましい実施形態の以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。添付図面では、同様の参照符号は、一般に、図全体を通して同じ部品または要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】先行技術の把持器の例である。
図2】一実施形態による自己作動式把持器の等角図を概略的に描いている。
図3】一実施形態による自己作動式把持器の断面図を概略的に描いている。
図4】一実施形態による自己作動式把持器の遠位端部の詳細図を概略的に描いている。
図5】一実施形態による例示的な寸法を示す自己作動式把持器の概観を概略的に描いている。
図6】一実施形態による別の自己作動式把持器のハンドル端部の詳細図を概略的に描いている。
図7】一実施形態による膀胱鏡に直接接続する別の自己作動式把持器の近位部分を概略的に描いている。
図8】一実施形態による自己作動式把持器の分解組立詳細図を概略的に描いている。
図9a】開放構成にある、一実施形態による自己作動式把持器の遠位端部の詳細図を概略的に描いている。
図9b】閉鎖構成にある、一実施形態による自己作動式把持器の遠位端部の詳細図を概略的に描いている。
図9c】閉鎖構成にある、一実施形態による自己作動式把持器の遠位端部の詳細図を概略的に描いている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
最初に、本開示は、具体的に例示された材料、アーキテクチャ、ルーチン、方法または構造に限定されず、それは、それらが変化し得るためであることを理解すべきである。したがって、本明細書に記載したものと類似するかまたは同等である、いくつかのこのようなオプションを、本開示の実施または実施形態において使用することができるが、好ましい材料および方法を本明細書に記載する。
【0022】
また、本明細書で使用される用語は、本開示の特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことを理解されたい。
【0023】
添付図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態の説明として意図されており、本開示を実施することができる唯一の例示的な実施形態を表すことを意図していない。この説明全体を通して使用される用語「例示的」は、「実施例、実例、または例証として役立つこと」を意味し、必ずしも他の例示的な実施形態よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきではない。詳細な説明は、明細書の例示的な実施形態の完全な理解を提供する目的で、特定の詳細を含む。本明細書の例示的な実施形態が、これらの特定の詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0024】
便宜上および明確にする目的のためにのみ、上部、底部、左、右、上、下、上方(over)、上方(above)、下方(below)、下方(beneath)、後方、後ろ、および前のような、方向を示す用語が、添付図面に関して使用され得る。これらおよび同様の方向を示す用語は、いかなる方法であっても開示の範囲を制限するものと解釈されてはならない。
【0025】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が関係する分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、内容に明確な異なる規定のない限り、複数の指示対象を含む。
【0026】
本明細書に記載される様々な構造および解剖学的基準の向きに関して、用語「近位」および「遠位」は、本明細書に記載されるインプラントを展開するために本開示の送達システムを操作している泌尿器科医などの医療専門家の観点に相対的である。したがって、泌尿器科医の手によって保持される送達システムの特徴部は、「近位」端部にあり、組み立てられたシステム、および最初は圧縮構成にあるインプラントは、送達システムの「遠位」端部に位置する。
【0027】
上述したように、本開示の技術は、自動ロック機能を有する把持器を特徴とする。ハンドルは、デバイスの遠位端部にあるジョーに把持力を自動的に加えるための自己作動式機構を含み、先行技術の把持器に特徴的である上記の一定の前方圧力をユーザが加える必要性を低減または排除する。特に、本開示の特徴を具現化する把持器は、遠位ジョーを閉鎖し、遠位ジョーの閉鎖を維持するために、自己作動式機構を採用する。
【0028】
本開示の態様の説明を助けるために、例示的な把持器の近位端部にあるハンドルおよび自己作動式機構は、図2の等角図において概略的に描かれている。図示のとおり、把持器10の近位端部はハンドル12を有し、これは、親指ループ14と、バレル18の中に同軸に延びるプランジャ16と、を含む。親指ループ14は、ユーザによって起動される作動可能な要素であり、他の実施形態は、スライダ、レバー、ボタン、または当技術分野で知られているような他のものなど、異なる構成を採用することができる。細長いシャフト部材20が、ハンドル12から遠位に延びる。フランジ22は、ユーザによって把持され、かつ、特に親指ループ14または他のアクチュエータに係合する際に、把持器10の操作および使用に役立つことができる、要素を提供する。さらに、図3は、自己作動式機構の詳細を示すために、ハンドル12を断面図で概略的に描いている。具体的には、プランジャ16は、接続部26において作動ワイヤ24に結合される。描かれた実施形態では、この接続部26は、摩擦嵌めであるが、任意の適切な取り付けを使用することができる。作動ワイヤ24は、以下に記載されるように、シャフト部材20を通って把持器10の遠位端部まで同軸に延びる。ハンドル12は、ユーザの親指を親指ループ14内に、ユーザの指をフランジ22の周りに配置することができるように構成される。自己作動式機構は、圧縮ばね28によって駆動され、圧縮ばねの一端部は、プランジャ16の遠位端部に固定され、他端部は、バレル18に固定される。したがって、自己作動式機構は、プランジャ16に、作動ワイヤ24へ引き出し力を伝達させる。逆に、フランジ22を保持しながら親指ループ14を押し下げると、ばね28によって付与される引き出し力に打ち勝つことができる。所望により、親指ループ14は、スナップ嵌め接続部30によってプランジャ16に固定され得、パッケージング、滅菌または他の目的を容易にするために、ハンドル12の部分的な分解および/または再組み立てを可能にする。あるいは、永続的な取り付けを含む任意の他の適切な取り付け手段を使用することができ、または、親指ループ14およびプランジャ16は、一体構造であることができる。シャフト部材20の近位端部32は、バレル18に対してシャフト部材20を固定し位置付けるのを助けるために、フランジのような特徴部を含むことができる。次に図4に目を向けると、把持器10の遠位端部の詳細図が示されており、ここでは、対向するジョー34が、鋏ピボット(scissor pivot)36によって中間場所で接続されており、開放構成と閉鎖構成との間で移行し得る。作動ワイヤ24が、ジョー34の近位端部38に結合されており、引き出し力は、閉鎖力であり、作動ワイヤ24に加えられるとジョー34を閉鎖位置に枢動させ、一方、遠位方向の力の適用は、開放力であり、作動ワイヤ24に加えられるとジョー34を図示の開放位置に枢動させる。理解されるように、ばね28の力は、ジョー34のクランプ力に直接関連する。所望により、ユーザは、フランジ22を保持しながら親指ループ14を手動で押し下げることによって、閉鎖圧力を選択的に増大させることができる。また、この設計は、圧縮ばね28の代わりに引張ばね28を用いることによって、引き出し力とは対照的に遠位方向の力によって閉鎖されるジョー34を採用するように適合され得ることが、理解されるべきである。この変更により、ばね28は依然として自動的に閉鎖力を供給し、ユーザは、親指ループ14を引き出すことによって開放力を加えることができる。
【0029】
シャフト部材20は、望ましくは、薄く、可撓性で、柔らかく、かつ、ねじれることなく前進を促進するのに十分に強いと共に、作動ワイヤ24を通じて力を伝達するのに十分な柱状強度も提供する。一実施形態では、シャフト部材20は、強化ポリマー押出物から形成される。例えば、ポリマー押出物は、PEBA(ポリエーテルブロックアミド)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの材料で作製され得る。また、押出物は、異なるポリマーまたは硬度が異なる同じポリマーを使用した多層構造であってもよい。強化材は、ステンレス鋼、ニチノールなどの金属製でもよいし、または、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ナイロンなどのポリマーであってもよい。強化材は、コイルまたは編組パターンで配置され得、必ずしもシャフト部材20の全長にわたって延びていなくてもよい。あるいは、シャフト部材20は、押し出しポリマーのみから構成されてもよい。シャフト部材20は、作動ワイヤ24との摩擦を低減するためにその内径に沿ってライナーを有することもでき、このライナーは、PTFE、ナイロン、または摩擦係数の低い他の材料で作られ得る。シャフト部材20はまた、尿路または身体内の他の場所を通る前進を容易にするのを助けるために、その外径上が追加の潤滑性または親水性材料でコーティングされ得る。シャフト部材20の好適な壁厚は、0.0254~0.635mm(0.001~0.025”)、または、より好ましくは0.0762~0.381mm(0.003~0.015”)である。一実施形態では、把持器10の好適な寸法は、図5に示すとおりであってよいが、これらの寸法は、意図された用途に合うように所望により変更され得ることが認識されるであろう。
【0030】
上記の開示に照らして、把持器10を動作させる1つの例示的な例の間、ユーザは、ハンドル12を操作し、例えば、除去すべき異物、例えば尿道内に位置するインプラントの近位に隣接してジョー34を位置付けることによって、シャフト部材20を患者の身体内の所望の場所に前進させることが理解されるであろう。次いで、ユーザは、フランジ22を保持しながら親指ループ14を押し下げ、ばね28の付勢に打ち勝ってジョー34を開放し得る。シャフト部材20のさらなる前進により、次いで、ジョー34の範囲内に異物が位置付けられ得る。次に、親指ループ14への圧力を解除すると、ばね28がその本来の長さに戻ろうとし、作動ワイヤ24に引き出し力を与え、それに対応して、ジョー34を閉鎖位置に向かって枢動させて、異物を把持させる。上述した自己作動式機構は、親指ループ14を再び引き出すことによって力圧力(force pressure)がユーザによって解除されるまで、力または圧力を維持し、把持器10を閉鎖位置に保持する。この設計は、現在利用可能な把持器に使用される作動方法で一定の圧力を加える必要性を最小にし、ユーザの手の疲労を軽減する。理解されるように、自己作動式機構は、単にばね駆動設計に限定されない。カム機構または同様の機構も、同様の結果を達成するために当業者によって採用され得る。説明した自己作動式把持器10は、機構、ジョーの形状、および圧縮ばね28のばね定数に応じて、ジョー34のほぼ垂直方向に、1~20ニュートン、または、より好ましくは1~5ニュートンの把持またはグリップ力を達成することが可能である。いったん前立腺インプラント、前立腺組織エキスパンダーまたは異物が把持されると、自己作動式把持器10は、シャフト部材20の軸に沿って長手方向に加えられる、5~50ニュートン、または、より好ましくは5~20ニュートンの回収力に耐えることが可能である。
【0031】
別の実施形態では、把持器40が、図6に概略的に描かれており、同様の要素には同じ参照符号が採用されている。この実施形態において、自己作動式機構は、ユーザがジョー34を開放するために引き出し力を加えるように構成される。ここで、プランジャ42が、作動ワイヤ24に結合され、ハンドル12の本体44内に全体的に収容されている。先の実施形態と同様に、プランジャ42は、ばね28によって近位方向に付勢され、それによって、(この図には示されていない)ジョー34に閉鎖力を提供する。ユーザによって加えられる力の方向を逆転させるために、プランジャ42は、回転リンク48によって親指ループ14の延長部46に結合される。したがって、ユーザは、親指ループ14に開放力として引き出し力を加える。回転リンク48のギアサイズを変更することによって、親指ループ14に加えられる力に対して異なる梃子比を得ることができる。前の実施形態と同様に、ユーザは、ユーザが加える力の方向がこの構成において逆転されることを考慮して、親指ループ14を手動で引き出すことによって閉鎖力を増大させることができる。また、前の実施形態と同様のこの実施形態の修正は、圧縮ばねの代わりに引張ばねを用いることによって達成され得る。もう一度繰り返すが、ばねは自動的に閉鎖力を供給し、ユーザは、親指ループ14を押し下げることによって開放力を加えることができる。
【0032】
さらに別の実施形態では、把持器50が、図7に概略的に描かれており、膀胱鏡に直接接続するためのアダプタを組み込んでいる。ハンドル12は、上述した自己作動式機構のいずれかを組み込むことができるが、第1の実施形態が示されている。バレル18の延長部52は、膀胱鏡アダプタ55の本体54内に入れ子式配置で同軸に配されている。前述したのと同様に、シャフト部材20は、バレル18から延長部52を通って同軸に延びている。アダプタ55の本体54は、膀胱鏡に接続するための、遠位端部にあるルアーロックリング56を特徴とし、灌注ラインが、灌注接続部58を通じて把持器50に結合され得る。バレル18の延長部52とアダプタ55の本体54の入れ子式配置により、膀胱鏡に対する把持器50の相対的な位置付けを調整し、異なる設計に対応することができる。膀胱鏡内の適切な位置が達成されると、把持器50は膀胱鏡に対して固定されることができる。特に、ここに示す実施形態は、延長部52の外径に沿ったラック状の歯62を特徴とする。ロックレバー60が、本体54に枢動可能に接続されており、圧縮ばね64によって延長部52上の歯と係合するように付勢される、対応するラック状の歯62を備える。ユーザがロックレバー60を押し下げると、アダプタ55の本体54内に配されたバレル18の延長部52の長さが、入れ子式に調整され得、ロックレバー60が解放されると、ばね64は、レバー60を枢動させ、歯62を延長部52上の歯と係合させて把持器50と膀胱鏡の相対位置を固定する。摩擦コレットもしくはクランプ、本体54に沿った長手方向に分布する複数の穴の1つに係合する押し下げ可能な突起、または当業者に知られている他の方法など、他の適切な技術が、延長部52を本体54内において延長部52の所望の程度でロックするために採用されてもよい。
【0033】
さらに別の実施形態では、例示的な把持器10の近位端部におけるハンドル12および自己作動式機構は、輸送および保管中の遠位ジョー34アセンブリへの損傷を防止するための安全特徴部を組み込んでいる。図2図4で分かるように、それは、プランジャ16、シャフト部材20に接続され、圧縮ばね28によって起動される親指ループ14を含む。図8を参照すると、これらの構成要素は、ねじ山付きインサート71、止めねじ72、解放ピン73、ばねピン74、およびカウリング(またはカバー)75によって、組み立てられ、所定の位置に保持される。解放ピン73は、圧縮ばね28を圧縮状態でロックし、使用前の輸送および保管中にパッケージ構成で把持器10を保護する。ばね28をロックすることにより、図9に示すシャフト部材20の遠位端部のジョー34の間の小さなピン継手への損傷を防ぐ。使用前に、ユーザは解放ピン73を押し、圧縮ばね28は、シャフト部材20に自由に力を加えることができ、これにより、次に、ユーザに向かう親指ループ14の近位移動が起動され、把持器ジョー34が閉鎖される。把持器を使用するために、ユーザは親指ループ14を遠位に押し込み、これにより圧縮ばね28が圧縮され、ハンドル12と親指ループ14との間の距離が短縮され、ジョー34が開く。
【0034】
図9は、(図9aに示すような)完全開放状態および(図9bおよび図9cに示すような)完全閉鎖状態における自己作動式把持器10の別の実施形態の遠位端部の詳細図を示す。この実施形態では、対向するジョー34は、鋸歯のない滑らかなものとすることができる。ジョー34の内面に鋸歯がないことで、対向するジョー34の間に、より大きな隙間ができ、エキスパンダーインプラント、ステント、または異物の固定および回収を支援することができる。ジョー34はまた、エキスパンダー、インプラントまたは他の異物に噛み合いそれを固定するために、端部に特徴部を備えて設計されている。一方のジョー34の端部は、中央に突起を有し、反対側のジョー34は、突起と噛み合う溝を有する。閉鎖状態においては、完全閉鎖状態にある噛み合ったジョー34の間に、ある程度の隙間または開口部が存在することに留意されたい。ジョー34間の隙間は、把持器10がエキスパンダー、インプラント、または身体からの任意の他の異物を確実につかんで引っかけたり、回収したりする能力を向上させる。
【0035】
上記の議論および図から理解されるように、本開示の自己作動式把持器の設計は、他の好適な用途に加えて、前立腺部尿道、膀胱、尿管、腎臓尿路または泌尿器系からの、ステント、エキスパンダーもしくは他のインプラント、または石もしくは結石などの自然に生じる堆積物を含む異物の回収を補助するために使用され得る。本開示の技術を採用することにより、そのような把持器は、以下を含むがそれらに限定されない、いくつかの有益な特性を示すことができる:1)異物を確実に把持して回収を容易にする能力;2)異物の回収中に尿道および他の解剖学的構造に対して非外傷性であること;3)医療手技で使用される、一般的に使用される可撓性および剛性の膀胱鏡、他の医療撮像機器および補助医療デバイスと適合性があること;4)自動的にロックする自己作動と、所望に応じてロック解除する能力を可能にすること;5)適切なトルク伝達を有することなどにより、回収のために異物と係合する位置まで軸方向に回転する能力;6)回収手技中に、必要に応じて膀胱鏡の作業チャネルを通して灌注しながら、連続的な撮像を可能にすること;7)回収手技中に、損失を生じることなく、異物をしっかりと保持する十分なロック力を有すること。
【0036】
上記に開示された例示的な実施形態は、単に、本開示の様々な有用性を例示することを意図しているにすぎない。本開示の機能的要素および特徴部の多数の改変、変形、および組み合わせが、上記の教示に照らして可能であり、したがって、添付の特許請求の範囲内で、本開示が、具体的に開示されたのとは別様に実施され得、本開示の原理が、適切な改変によって他の出願に容易に拡張され得ることが理解される。
【0037】
すべての特許および刊行物は、個々の各刊行物が、参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同じ程度に、参考のために本明細書に組み込まれる。本開示は、好ましい実施形態およびオプションの特徴部によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示された概念の改変および変更が、当業者によってなされてもよく、そのような改変および変更は、本開示の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) 把持デバイスであって、
自己作動式機構を有するハンドルと、
アクチュエータワイヤに結合された前記ハンドル上のアクチュエータと、
前記ハンドルから遠位に延びており、中に前記作動ワイヤが同軸に配された、細長いシャフト部材と、
前記細長いシャフト部材の遠位端部にあり、前記作動ワイヤに結合されて、開放構成と閉鎖構成との間で枢動する、対向するジョーと、
を含み、
前記自己作動式機構は、前記作動ワイヤを通じて前記対向するジョーに閉鎖力を付与する付勢を有し、
前記アクチュエータの作動は、前記作動ワイヤを通じて前記対向するジョーに開放力を付与するように構成されている、把持デバイス。
(2) 前記自己作動式機構は、前記作動ワイヤに結合され、かつ前記ハンドルのバレル内に配されたプランジャを含み、
前記プランジャは、ばねによって閉鎖力を加えるように付勢されている、実施態様1に記載の把持デバイス。
(3) 前記プランジャが近位方向に付勢され、前記閉鎖力が前記作動ワイヤに加えられる引き出し力であるように、前記ばねは、圧縮ばねである、実施態様2に記載の把持デバイス。
(4) 前記アクチュエータは、ユーザが前記アクチュエータに遠位方向の力を加えたときに遠位方向に前記開放力を付与するように構成されている、実施態様3に記載の把持デバイス。
(5) 前記アクチュエータは、ユーザが前記アクチュエータに引き出し力を加えたときに遠位方向に前記開放力を付与するように構成されている、実施態様3に記載の把持デバイス。
【0039】
(6) 前記アクチュエータの延長部が、前記アクチュエータを通じて加えられる力の方向を逆転させる回転リンクによって、前記プランジャに結合されている、実施態様2に記載の把持デバイス。
(7) 前記アクチュエータは、前記開放力に関連する方向とは反対の方向で前記アクチュエータに力が加えられたときに閉鎖力を増大させるように構成されている、実施態様1に記載の把持デバイス。
(8) 前記プランジャが遠位方向に付勢され、前記閉鎖力が前記作動ワイヤに付与される遠位方向の力であるように、前記ばねは、引張ばねである、実施態様2に記載の把持デバイス。
(9) 前記アクチュエータは、引き出し方向に前記開放力を付与するように構成されている、実施態様8に記載の把持デバイス。
(10) 膀胱鏡への直接接続を提供するように構成されたアダプタをさらに含む、実施態様1に記載の把持デバイス。
【0040】
(11) 前記アダプタは、前記膀胱鏡に対する前記把持デバイスの位置を調整することを可能にする、本体内に入れ子式に配されたバレル延長部を含む、実施態様10に記載の把持デバイス。
(12) 前記バレル延長部は、調整された位置でロックされるように構成されている、実施態様11に記載の把持デバイス。
(13) 前記アダプタは、灌注ポートをさらに含む、実施態様10に記載の把持デバイス。
(14) 患者の身体内の場所から異物を回収するための方法であって、
自己作動式機構を有するハンドルと、アクチュエータワイヤに結合された前記ハンドル上のアクチュエータと、前記ハンドルから遠位に延びており、中に前記作動ワイヤが同軸に配された、細長いシャフト部材と、前記細長いシャフト部材の遠位端部にあり、前記作動ワイヤに結合されて、開放構成と閉鎖構成との間で枢動する、対向するジョーと、を有する、把持デバイスを提供することと、
前記対向するジョーが前記異物に隣接するまで、医療デバイスの内腔を通して前記把持デバイスを前進させることと、
前記アクチュエータにより、前記作動ワイヤを通じて前記対向するジョーに開放力を加えることと、
前記対向するジョーが前記開放構成にあるとき、前記対向するジョーの範囲内に前記異物を位置付けることと、
前記異物を固定するために前記自己作動式機構によって前記対向するジョーに閉鎖力を加えることと、
前記把持デバイスを引き出し、前記異物を回収することと、
を含む、方法。
(15) 前記自己作動式機構は、前記閉鎖力が前記対向するジョーに加えられ、前記アクチュエータに力が付与されないときには前記対向するジョーが独立した状態で閉鎖したままであるように、付勢されている、実施態様14に記載の方法。
【0041】
(16) 前記アクチュエータにより前記開放力を加えることは、前記アクチュエータに遠位方向の力を加えることを含む、実施態様14に記載の方法。
(17) 前記開放力は、前記アクチュエータに反対方向の力を加えることによって、前記作動ワイヤに加えられる、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記アクチュエータに力を加えることにより、前記自己作動式機構によって加えられる前記閉鎖力を増大させることをさらに含む、実施態様14に記載の方法。
(19) アダプタを使用して前記把持デバイスを膀胱鏡または他の撮像機器もしくは医療デバイスに直接接続することをさらに含む、実施態様14に記載の方法。
(20) 前記膀胱鏡または他の撮像機器もしくは医療デバイスに対する前記把持デバイスの所望の位置を設定するために前記アダプタを入れ子式に調整することと、前記アダプタをロックすることと、をさらに含む、実施態様19に記載の方法。
【0042】
(21) 前記異物は、前記患者の前立腺部尿道、膀胱、尿路または泌尿器系に位置する、実施態様14に記載の方法。
(22) 前記異物は、インプラントである、実施態様21に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図9c
【国際調査報告】