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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】基板装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20230731BHJP
   B65G 57/04 20060101ALI20230731BHJP
   B65G 57/09 20060101ALN20230731BHJP
【FI】
H01L21/68 P
B65G57/04
B65G57/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501110
(86)(22)【出願日】2021-06-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-06
(86)【国際出願番号】 US2021039528
(87)【国際公開番号】W WO2022010690
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/049,852
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】キャヴァレロ,ニコラス ドミニク ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】リウ,アンピン
(72)【発明者】
【氏名】シー,ウェンユィ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,シー
【テーマコード(参考)】
3F029
5F131
【Fターム(参考)】
3F029BA09
3F029CA06
3F029CA82
5F131AA03
5F131AA12
5F131CA09
5F131DA02
5F131DA32
5F131DA42
5F131DA62
5F131EA22
5F131EA23
5F131EB02
5F131GA02
5F131GA33
5F131KA33
5F131KA56
5F131KA72
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
基板支持装置は、複数の吸引デバイスのうちの或る吸引デバイスの位置を監視するように構成された監視デバイスを備えることができる。いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックをパッケージ化するための基板パッケージ装置は、基板支持構造体と締固めデバイスとを備えることができる。いくつかの実施形態では、方法は、複数の基板を積み重ねて、傾斜基板スタックを形成するステップと、傾斜基板スタックの特徴を撮像するステップと、当該撮像するステップで得た情報を用いて、傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、を含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、追加の基板を傾斜基板スタック上に積み重ねるステップと、当該追加の基板に基板支持装置が係合した状態で、基板支持装置により、傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部と、
各吸引デバイスが前記基部に移動可能に取り付けられている、複数の吸引デバイスと、
前記複数の吸引デバイスのうちの或る吸引デバイスの位置を監視するように構成された監視デバイスと、
を備える基板支持装置。
【請求項2】
前記監視デバイスが、前記基部に対する前記吸引デバイスの相対位置を監視するように構成されている、請求項1に記載の基板支持装置。
【請求項3】
前記複数の吸引デバイスの各吸引デバイスは、前記基部に対して相対的に調整方向に並進移動するように、前記基部に移動可能に取り付けられている、請求項1又は2に記載の基板支持装置。
【請求項4】
傾斜基板スタックをパッケージ化するための基板パッケージ装置であって、
前記傾斜基板スタックを支持するように構成された基板支持構造体であって、前記傾斜基板スタックの基板の主面を支持するように構成された後面、及び前記後面から離れる方向に延びるとともに、前記傾斜基板スタックの前記基板の下縁を支持するように構成された下面、を有する基板支持構造体と、
前記後面の幅方向に延びる締固め軸を有する締固めデバイスと、
を備える基板パッケージ装置。
【請求項5】
前記締固めデバイスが、前記傾斜基板スタックの下部に前記締固め軸に沿って力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備える、請求項4に記載の基板パッケージ装置。
【請求項6】
前記締固めデバイスが、前記傾斜基板スタックの下部に前記締固め軸に沿って変化する力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備える、請求項4に記載の基板パッケージ装置。
【請求項7】
基板支持構造体上に複数の基板を積み重ねて、傾斜基板スタックを形成するステップと、
前記傾斜基板スタックの特徴を撮像するステップと、
前記撮像するステップで得た情報を用いて、前記傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
前記傾斜基板スタックの前記特性が、前記傾斜基板スタックの扇状度を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
基板支持装置で追加の基板を支持した状態で、該追加の基板を前記傾斜基板スタック上に積み重ねるステップと、
前記追加の基板を締固めデバイスに係合させることによって前記傾斜基板スタックを締固めるステップと、をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固めデバイスが、締固め軸に沿って圧力を印加する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
追加の基板に基板支持装置が係合した状態で、該追加の基板を傾斜基板スタック上に積み重ねるステップと、
前記追加の基板に前記基板支持装置が係合した状態で、該基板支持装置により、前記傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記追加の基板を前記傾斜基板スタックに積み重ねるステップにおいて、前記基板支持装置の複数の吸引デバイスが、該追加の基板に着脱可能に取り付けた状態とされる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記特性を特定するステップが、前記複数の吸引デバイスのうちの1つの吸引デバイスを、前記複数の吸引デバイスのうちの他の吸引デバイスに対して相対的に移動させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記特性を特定するステップが、前記1つの吸引デバイスの位置を監視するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
締固めデバイスで前記追加の基板をプレスして、前記傾斜基板スタックを締固めるステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権】
【0001】
本出願は、2020年7月9日を出願日とする米国仮特許出願第63/049852号の米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、この仮出願のすべての開示内容は、本明細書の依拠するところとし、参照することにより本明細書の一部をなすものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、基板装置及び方法に関し、より詳細には、基板支持装置及び方法、基板パッケージ装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
基板を傾斜基板スタック(leaning stack of substrates)として保管することが知られている。一般に、傾斜基板スタックの製造は、スタックが完成するまで、個別の基板を1枚ずつ次々に上に載せることにより行われる。いくつかの実施形態では、出荷、保管及び/又は作業用に、傾斜基板スタックをパッケージ化する場合がある。しかし、基板を積み重ねるプロセスの間に、望ましくない扇状化(fanning)が発生し、傾斜基板スタックの1つ以上の基板が、当該基板スタックの1つ以上の他の基板と平行ではなくなり、よって、傾斜基板スタックの厚さが、傾斜基板スタックの或る位置と傾斜基板スタックの他の位置とで異なる状態となってしまう場合があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
よって、傾斜基板スタックの扇状化を制御して、これにより、傾斜基板スタック内のすべての基板を適切な位置に維持する、及び/又は、傾斜基板スタックの1つ以上の基板を、過度の扇状化につきものの過度な応力集中に起因する損傷から守ることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下に、本開示の簡単な要約を示す。これにより、発明の詳細な説明に記載のいくつかの実施形態の基本的な理解が得られるであろう。
【0006】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックに基板を積み重ねるために使用する基板支持装置を、傾斜基板スタックの特性(例えば、扇状度(fanning))を特定する目的でも使用することもできる。この二重機能性により、基板支持装置で傾斜基板スタックに各基板を積み重ねる度ごとに、基板支持装置により特性を特定することが可能となる。したがって、特性の特定を、短時間で、且つ、追加の基板を1枚積み重ね終える度ごとに行うことができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、締固め(compacting)デバイスを使用して扇状化を抑えながら、基板を積み重ねて傾斜基板スタックを形成することができる。いくつかの実施形態では、締固めサイクルを1サイクルずつ行うことができ、これは、締固め処理の実施に要する時間を最小限に抑えながら、扇状化を抑えるのに有益と考えられる。さらなる実施形態では、締固め処理において、各基板の積み重ねを終える度に締固めサイクルを2サイクルずつ行うこともできる。締固めサイクルを2サイクルずつ行うことにより、締固めサイクルを1サイクルずつ行う場合と比べて、さらに扇状化を抑えることができる。また、締固めサイクルを2サイクルずつ行う際の各サイクルで使用する締固め圧力を小さくすることにより、より大きな締固め圧力で1サイクルずつ締固めサイクルを行う場合と比較して、応力破壊の可能性を低減することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、基板支持装置は、基部と、複数の吸引デバイスと、を備えることができる。複数の吸引デバイスの各吸引デバイスは、基部に移動可能に取り付けることができる。また、基板支持装置は、複数の吸引デバイスのうちの或る吸引デバイスの位置を監視するように構成された監視デバイスをさらに備えることができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、監視デバイスは、基部に対する吸引デバイスの相対位置を監視するように構成される。
【0010】
いくつかの実施形態では、監視デバイスは、超音波センサを備えることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、超音波センサを、基部に固定的に取り付けることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイスの各吸引デバイスは、基部に対して相対的に調整方向に並進移動するように、基部に移動可能に取り付けることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイスは、吸引デバイス列を含むことができる。吸引デバイス列の各吸引デバイスは、調整方向に垂直な列軸に沿って、吸引デバイス列の他の吸引デバイスから間隔を空けて配置することができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイスのうちの少なくとも1つの吸引デバイスを、複数の吸引デバイスのうちの少なくとも1つのさらなる吸引デバイスに対して相対的に独立して移動可能とすることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックをパッケージ化するための基板パッケージ装置は、傾斜基板スタックを支持するように構成された基板支持構造体を備えることができる。基板支持構造体は、傾斜基板スタックの基板の主面を支持するように構成された後面を有することができる。さらに、基板支持構造体は、後面から離れる方向に延びるとともに、傾斜基板スタックの基板の下縁を支持するように構成された下面を有することができる。また、基板パッケージ装置は、後面の幅方向に延びる締固め軸を有する締固めデバイスをさらに備えることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、締固めデバイスは、傾斜基板スタックの下部に締固め軸に沿って力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備えることができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、締固めデバイスは、傾斜基板スタックの下部に締固め軸に沿って変化する力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備えることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータは、複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つの他のアクチュエータに対して独立して動作することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、締固めデバイスは、流体圧力チャンバに連通する複数の孔を有することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、基板支持構造体上に複数の基板を積み重ねて、傾斜基板スタックを形成するステップを含むことができる。また、本方法は、傾斜基板スタックの特徴を撮像するステップと、撮像するステップで得た情報を用いて、傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、をさらに含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックの特性は、傾斜基板スタックの扇状度を含むことができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、本方法は、基板支持装置で追加の基板を支持した状態で、該追加の基板を傾斜基板スタック上に積み重ねるステップと、追加の基板を締固めデバイスに係合させることによって傾斜基板スタックを締固めるステップと、をさらに含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固めデバイスが、締固め軸に沿って圧力を印加することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固め軸を傾斜基板スタックの下部に沿うように位置決めすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固めデバイスは、追加の基板に締固め軸に沿って変化する圧力を印加することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固めデバイスが、追加の基板と該締固めデバイスとの間に流体クッションを生成することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、締固めるステップを、基板支持装置が追加の基板を支持している状態で行うことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、本方法は、基板支持装置を追加の基板から切り離すステップをさらに含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、基板支持装置を追加の基板から切り離すステップを、傾斜基板スタックを締固めデバイスで締固めるステップの最中に行うことができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本方法は、締固めデバイスを追加の基板から切り離すステップをさらに含むことができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、本方法は、追加の基板を締固めデバイスに再係合させるステップをさらに含むことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、方法は、追加の基板に基板支持装置が係合した状態で、該追加の基板を傾斜基板スタック上に積み重ねるステップを含むことができる。また、本方法は、追加の基板に基板支持装置が係合した状態で、該基板支持装置により、傾斜基板スタックの特性を特定するステップを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、追加の基板を傾斜基板スタックに積み重ねるステップにおいて、基板支持装置の複数の吸引デバイスを、該追加の基板に着脱可能に取り付けた状態とすることができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、特性を特定するステップは、複数の吸引デバイスのうちの1つの吸引デバイスを、複数の吸引デバイスのうちの他の吸引デバイスに対して相対的に移動させるステップを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、特性を特定するステップは、該1つの吸引デバイスの位置を監視するステップを含むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、1つの吸引デバイスの位置を、超音波センサで監視することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、本方法は、締固めデバイスで追加の基板をプレスして、傾斜基板スタックを締固めるステップをさらに含むことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップは、締固めデバイスで追加の基板に締固め軸に沿って圧力を印加するステップを含むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固め軸を傾斜基板スタックの下部に沿うように位置決めすることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固めデバイスは、追加の基板に締固め軸に沿って変化する圧力を印加することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、締固めデバイスが、傾斜基板スタックと該締固めデバイスとの間に流体クッションを生成することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、締固めるステップを、基板支持装置が追加の基板に係合している状態で行うことができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、本方法は、締固めデバイスによる追加の基板への圧力印加を一定時間にわたり休止するステップと、その後、締固めデバイスで追加の基板に締固め軸に沿って圧力を再印加するステップと、をさらに含むことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、本方法は、圧力を再印加するステップの前に、基板支持装置を、追加の基板から切り離すステップを含むことができる。圧力を再印加するステップは、基板支持装置を追加の基板から切り離した状態で行うことができる。
【0045】
以下の詳細な説明において、本明細書に開示の実施形態のさらなる特徴及び利点を示す。下記のさらなる特徴及び利点は、当業者であれば、ある程度はその説明から明らかであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、及び添付の図面を含む本明細書に記載の実施形態を実施することによって理解するであろう。上述の概略的な説明及び以下の詳細な説明はいずれも、実施形態を提示するものであり、本明細書に開示する実施形態の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することを意図するものであることを理解されたい。また、添付の図面は、さらなる理解のために添付するものであり、本明細書に組み込まれ、その一部をなすものとする。図面は、本開示の種々の実施形態を例示的に示すものであり、以下の詳細な説明と併せて、種々の実施形態の原理及び作用を説明するためのものである。
【0046】
上記及び上記以外の特徴、態様及び利点は、以下の添付図面を参照しながら、後述の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本開示の態様に係る、基板支持装置が、支持している基板を傾斜基板スタック上に載せる様子を示す模式図
図2図1の傾斜基板スタックに載せる基板を示す平面図
図3】撮像装置を使用して傾斜基板スタックの特性を特定する様子を示す模式図
図4】本開示の態様に係る、他の基板支持装置が、支持している基板を傾斜基板スタック上に載せる様子を示す模式図
図5図1及び図4の5-5線方向から見た、基板支持装置の基部の模式図
図6図4に示す基板支持装置を使用して傾斜基板スタックの特性を特定する様子を示す模式図
図7】支持している基板を傾斜基板スタック上に載せた後の、締固めデバイスを傾斜基板スタックから切り離した状態の図4の基板支持装置を示す模式図
図8】支持している基板を傾斜基板スタック上に載せた後の、締固めデバイスで当該支持している基板をプレスして傾斜基板スタックを締固めている状態の図7の基板支持装置を示す模式図
図9】締固めデバイス及び傾斜基板スタックを模式的に示す、図7の9-9線断面図
図10】締固めデバイス及び傾斜基板スタックを模式的に示す、図8の10-10線断面図
図11図7図10に示す締固めデバイスで傾斜基板スタックを締固める工程の実施形態を示す図
図12図7図10に示す締固めデバイスで傾斜基板スタックを締固める工程の実施形態を示す図
図13】締固めデバイスの他の実施形態及び傾斜基板スタックを模式的に示す、図7の9-9線断面図
図14図13に示す締固めデバイス及び傾斜基板スタックを模式的に示す、図8の10-10線断面図
図15図13及び図14に示す締固めデバイスを示す、図13の15-15線から見た部分正面図
図16図13図15に示す締固めデバイスを模式的に示す、図15の16-16線断面図
図17】先ほどまで支持していた基板から基板支持装置を切り離した状態で、傾斜基板スタックの上にある、先ほどまで支持されていた基板を、締固めデバイスでプレスし続ける様子を示す模式図
図18】締固めデバイスを傾斜基板スタックから切り離した後の、締固めた状態の図17に示す傾斜基板スタックを示す模式図
図19】基板を積み重ねて傾斜基板スタックとする際の、基板枚数に対する扇状度を比較した実験の結果をプロットしたグラフ
図20】基板を積み重ねて傾斜基板スタックとする際の、基板枚数に対する扇状度を比較した実験の結果をプロットしたグラフ
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、添付の図面を参照して、実施形態についてより詳細に説明する。添付の図面は、例示的な実施形態を示すものである。図面全体を通して、同一または類似の箇所は、可能な限り同一の参照番号を用いて示す。なお、本開示は、多種多様な形態で実施することができるものであり、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈すべきではない。
【0049】
いくつかの実施形態では、基板スタックの状態を監視し、基板スタックの品質を高めるのに役立つ、基板パッケージプロセスにおける基板の処理方法を提供することができる。本開示の基板はガラス基板で構成することができる。ただし、本開示の基板を、ガラスセラミック基板、セラミック基板、シリコン基板などの基板材料で構成することもできる。いくつかの実施形態では、基板は、様々な組成のガラス基板で構成することができる。かかるガラスとしては、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、アルミノホウケイ酸塩ガラス、アルカリ含有ガラス、又は無アルカリガラスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。いくつかの実施形態では、ガラス基板の製造を、ガラスリボンからガラス基板を分離することによって行うことができる。ガラスリボンは、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置、アップドロー装置、プレス圧延装置などのガラスリボン製造装置によって製造される。ガラス基板で構成した基板は、所望の用途、例えばディスプレイ用途にさらに加工を行うのに適していると考えられる。ガラス基板は、幅広いディスプレイ用途に使用することができ、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、電気泳動ディスプレイ(EPD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)などの用途に使用することができる。ガラス基板は、ある場所から他の場所ヘの搬送が必要となる場合がある。基板(例えば、ガラス基板)の搬送は、本出願を通して説明する傾斜基板スタックの形で行うことができる。さらに、任意選択的に、各基板(例えば、ガラス基板)の間に間紙(interleaf)材を敷くこともでき、これにより接触を防止することで、基板の清浄面を保護することができる。
【0050】
図1及び図2に示すように、基板101(例えば、ガラス基板)は、長さ「L」と、この長さ「L」に垂直な幅「W」とを有することができる。図2に示すように、基板101は、矩形形状を有する外周縁を有することができ、2本の平行な端縁201a、201bの間に長さ「L」を画定することができ、2本の平行な側縁203a、203bの間に幅「W」を画定することができる。図示するように、各端縁201a、201bの延在方向は、各側縁203a、203bの延在方向に垂直とすることができる。いくつかの実施形態では、基板101の幅「W」は、約20mm以上とすることができ、例えば約50mm以上、例えば約100mm以上、例えば約500mm以上、例えば約1000mm以上、例えば約2000mm以上、例えば約3000mm以上、例えば約4000mm以上とすることができる。ただし、さらなる実施形態では、上述の幅より小さい幅や大きい幅も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、基板101の幅「W」は、約20mm~約4000mmとすることができ、例えば約50mm~約4000mm、例えば約100mm~約4000mm、例えば約500mm~約4000mm、例えば約1000mm~約4000mm、例えば約2000mm~約4000mm、例えば約3000mm~約4000mm、例えば約20mm~約3000mm、例えば約50mm~約3000mm、例えば約100mm~約3000mm、例えば約500mm~約3000mm、例えば約1000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約3000mm、例えば約2000mm~約2500mm、及びこれらの間の全ての範囲及び部分範囲とすることができる。
【0051】
基板101(例えば、ガラス基板)は、第1の主面103aと第2の主面103bとを有することができる。第1の主面103aと第2の主面103bとは、反対方向に面しており、基板101の厚さ「T」(例えば、平均厚さ)を画定する。いくつかの実施形態では、基板101の厚さ「T」は、約2ミリメートル(mm)以下、約1ミリメートル以下、又は約0.5ミリメートル以下とすることができ、例えば、約300マイクロメートル(μm)以下、約200マイクロメートル以下、又は約100マイクロメートル以下とすることができる。ただし、さらなる実施形態では、他の厚さも可能である。例えば、いくつかの実施形態では、基板101の厚さ「T」は、約50μm~約750μm、約100μm~約700μm、約200μm~約600μm、約300μm~約500μm、約50μm~約500μm、約50μm~約700μm、約50μm~約600μm、約50μm~約500μm、約50μm~約400μm、約50μm~約300μm、約50μm~約200μm、約50μm~約100μm(これらの間のすべての範囲及び部分範囲の厚さを含む)とすることができる。
【0052】
図1図3図4図6図8図17、及び図18は、本開示の態様に係る基板パッケージ装置105、401の実施形態の基板支持ラック107の実施形態を示す図である。基板支持ラック107は、基板101の傾斜スタック109を支持するように構成することができる。基板支持ラック107は、基板101の傾斜スタック109の1つの基板101の主面103bを支持するように構成された後面111を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、図示するように、後板113が後面111を有することができる。後板113は、後面111を画定する切れ目のない板又は支持部材の格子で構成することができる。また、基板支持ラック107は、後面111から離れる方向に延びるとともに、基板101の傾斜スタック109の基板101の下縁を支持するように構成された下面115をさらに有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、図示するように、下板117が下面115を有することができる。下板117は、下面115を画定する切れ目のない板又は支持部材の格子で構成することができる。図示するように、下面115は、後面111から実質90°で離れる方向に延びることができる。ただし、さらなる実施形態では、下面115は、後面111から他の角度で離れる方向に延びることもできる。後板113及び/又は下板117は、ステンレス鋼、プラスチック、木材などの基板101の傾斜スタック109を支持することが可能な材料で構成することができる。図1にさらに示すように、後面111は、重力方向「G」に対して角度「A」で延びることができる。角度「A」は、0°超~約60°の範囲とすることができ、例えば0°超~約45°、例えば0°超~約30°、例えば0°超~20°、例えば0°超~20°の範囲、及びこれらの間の全ての範囲及び部分範囲とすることができる。さらなる実施形態では、角度「A」は、約10°~約60°の範囲とすることができ、例えば約10°~約45°、例えば約10°~約30°、例えば約10°~20°の範囲、及びこれらの間の全ての範囲及び部分範囲とすることができる。さらなる実施形態では、角度「A」は、約20°~約60°の範囲とすることができ、例えば約20°~約45°、例えば約20°~約30°、及びこれらの間の全ての範囲及び部分範囲とすることができる。本出願の目的上、基板スタックの基板の主面が、重力「G」に対して上記の角度「A」のいずれか1つの角度をなす向きとされる場合に、この基板スタックを「傾斜基板スタック」と見なすものとする。したがって、重力方向「G」に対して上述の範囲内の角度「A」で延びる後面111に対して基板を積み重ねて基板スタックとすることにより、基板支持ラック107に支持された状態の傾斜基板スタックを構成することができる。例えば、傾斜基板スタックの最後方の基板の主面を、後面111で支持することができ、よって、最後方の基板の主面を、後面111と同様に、重力方向「G」に対して上述の範囲内の角度「A」で延びる向きで支持することができる。その結果、最後方の基板の少なくとも主面は、重力方向「G」に対して上述の範囲内の角度「A」で延びることになるため、この基板スタックは傾斜基板スタックと認められる。
【0053】
図示するように、スタンド119は、後面111を所望の角度「A」で支持するように設計することができる。例えば、スタンド119は、後板113と下板117との間の相対的な位置を支持するとともに、後板113、下板117、及び基板101の傾斜スタック109の質量を支持することができる。いくつかの実施形態では、スタンド119は、支持面120を有することができ、支持面120は、重力方向「G」に垂直となるように、水平面上に載置することができる。いくつかの実施形態では、支持面120と後面111との間の角度「B」は、90°から角度「A」を引いた角度と等しくなると考えられる。
【0054】
図1に示す基板パッケージ装置105は、基板支持装置121を備えることができる。基板支持装置121は、基板支持ラック107上に基板101の傾斜スタック109を構築するのを支援するように構成されている。いくつかの実施形態では、図示するように、基板支持装置121は、基部125に取り付けられた複数の吸引デバイス123を備えることができる。図5は、図1の5-5線方向から見た基部125の一実施形態を示す図である。図示するように、基部125は、平行サイドレール503a、503bを備えることができ、サイドレール503a、503bは、各吸引デバイス列に並ぶ吸引デバイス123を支持することができる。平行サイドレール503a、503bは、中央レール505に取り付けることができ、この中央レール505を、ロボット129(図1参照)が操作することができる。いくつかの実施形態では、吸引デバイス123はそれぞれ、吸盤127を備えることができる。吸盤127は、流体源と連通して配設することができ、これにより、各吸盤127が関与する吸引を制御し、基板101の第1の主面103aへの着脱を選択的に行うことが可能となる。いくつかの実施形態では、(例えば、負圧源からの)真空を、1つ以上の吸盤に関連付けることができる。真空を利用することにより、吸盤と第1の主面103aとの間の付着力を高めることができる。さらなる実施形態では、付着力を増減するように、真空源を調整可能とすることができる。いくつかの実施形態では、流体源は、傾斜基板スタック上に基板を適切に載せた時点でその基板を吸盤から取り外すための正圧源を備えることもできる。いくつかの実施形態では、流体源(例えば、正圧源及び/又は負圧源)は、各列のすべての吸盤に対して同一の正圧力/真空力を付与することができ、又はすべての列のすべての吸盤に対して同一の正圧力/真空力を付与することもできる。さらなる実施形態では、1つ以上の吸盤が、他の吸盤とは独立して作用可能な吸引力を有することもできる。
【0055】
動作時には、ロボット129が、基部125と対応する吸引デバイス123とを移動させて、積み重ねる対象の基板101をピッキングすることができる。基板のピッキングは、コンベア移動中や、リボン製造後にリボンから基板を分離した位置などの場所で行うことができる。基板101をピッキングするため、ロボット129は、基部125を操作して、吸引デバイス123の吸盤127を基板101の第1の主面103aに係合させることができる。なお、理解されるように、基板101の主面103aの中央部の清浄性を保つため、吸盤127の係合は、基板の外側縁203a、203b(図2参照)に隣接した位置で行うことができる。そして、図1に示すように、ロボットは、基板101を移動させて、当該基板101の位置を、傾斜した向きで基板101の傾斜スタック109に追加できる位置にとすることができる。
【0056】
しかし、基板101を何枚も積み重ねた結果、傾斜スタック109に扇状化が発生してしまう場合がある。扇状化が発生すると、傾斜スタック109の或る場所における後面111に垂直な方向の最大厚さ「T1」が、傾斜スタック109の他の場所における後面111に垂直な方向の最小厚さ「T2」より大きくなる。図示するように、最大厚さ「T1」の場所は、傾斜スタック109の中間部に位置すると考えられる。ただし、最大厚さ「T1」が、傾斜スタック109の上端付近若しくは上端、又は傾斜スタック109の下端付近若しくは下端に位置する場合もある。なお、本出願全体にわたり,最大厚さ「T1」と最小厚さ「T2」との差を、扇状度としている。
【0057】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタック109の表面領域全域にわたって全体的扇状化(overall fanning)が存在している場合がある。その場合、傾斜基板スタック109全体で、最大厚さ「T1」と最小厚さ「T2」とをそれぞれ単独で有している。そして、この傾斜基板スタック109の全体的扇状度(overall fanning)は、当該単独の最大厚さ「T1」と単独の最小厚さ「T2」との差とされる。さらなる実施形態では、長さ方向の扇状度(lengthwise fanning)が、基板101の幅「W」方向の位置によって変化する場合もある。例えば、基板101の傾斜スタック109の外側にある基板101の長さ「L」の方向に直線状に延びる軸を長さ方向軸とすると、幅方向の或る場所において、長さ方向の扇状化(lengthwise fanning)が、その場所を通って延びる直線状の長さ方向軸に沿って存在している場合がある。このような例では、幅「W」方向の或る位置での長さ方向の扇状度は、その場所を通る直線状の長さ方向軸上の最大厚さ「T1」と、その場所を通る直線状の長さ方向軸上の最小厚さ「T2」との差とされる。
【0058】
図4及び図6図8は、さらなる実施形態である基板パッケージ装置401の基板支持装置403を示す図である。基板支持装置403は、(例えば、図5を参照して図示及び説明するような)基部125と、複数の吸引デバイス405とを備えることができる。複数の吸引デバイス405の各吸引デバイス405は、基部125に移動可能に取り付けられている。いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイスの各吸引デバイス405は、基部125に対して調整方向に沿って並進移動するように、基部125に移動可能に取り付けることができる。例えば、図4に示すように、複数の吸引デバイス405の各吸引デバイス405は、第1の調整方向407aに並進移動して、基部125に対して相対的に伸長すること、及び/又は第2の調整方向407bに並進移動して、基部125に対して相対的に後退することができる。図示するように、いくつかの実施形態では、各吸引デバイス405は、ガイドロッド409を備えることができる。ガイドロッド409は、その一端に吸盤127を配置した状態で、基部125に摺動可能に取り付けられる。また、図示は省略するが、いくつかの実施形態では、各吸引デバイス405は、付勢デバイス(例えば、圧縮ばね)を備えることもできる。各付勢デバイスは、対応する吸引デバイス405が図4に示す伸長位置となるように、吸引デバイス405を第1の調整方向407aに付勢することができる。
【0059】
また、図4に示すように、基板支持装置403は、基部をさらに備えることができる。例えば、上記の図5に関して説明した基部125により、図4の5-5線方向から見た基板支持装置403の基部を構成することもできる。基部125は、平行サイドレール503a、503bを備えることができ、サイドレール503a、503bは、各吸引デバイス列に並ぶ吸引デバイス405を支持することができる。なお、図では、2本の吸引デバイス列を示しているが、さらなる実施形態では、3本以上の吸引デバイス列を設けることができる。例えば、基部125は、吸引デバイスを支持することができる3本以上の平行サイドレールを備えることもできる。いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイス405(図4参照)は、吸引デバイス405の第1の列を含むことができる。第1の列の吸引デバイス405は、第1の列の第1の列軸501aに沿って配置される。いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイス405は、吸引デバイス405の第2の列を含むことができる。第2の列の吸引デバイス405は、第2の列の第2の列軸501bに沿って配置される。図示は省略するが、いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイスは、3本以上の吸引デバイス列を含むこともでき、各列の吸引デバイスを対応する列軸に沿って配置することができる。図5に示すように、複数の吸引デバイス405の各吸引デバイス405は、他の吸引デバイス405から間隔を空けて配置することができる。例えば、各吸引デバイス405は、自身が隣接する一対の吸引デバイス405の間に位置することができる。列軸501a、501bは、吸引デバイス405の調整方向407a、407bに対して垂直な方向とすることができる。いくつかの実施形態では、平行サイドレール503a、503bは、中央レール505に取り付けることができ、この中央レール505を、ロボット129が操作することができる。なお、図では、2本の平行サイドレール503a、503bを図示しているが、さらなる実施形態では、ロボット129による操作が可能な平行サイドレールを3本以上設ける(例えば、中央レール505に取り付ける)ことができる。そして、各平行サイドレールに対応して列軸を設けることができ、各列の吸引デバイスを、対応する列軸に沿って間隔を空けて配置することができる。いくつかの実施形態では、吸引デバイス405はそれぞれ、吸盤127を備えることができる。吸盤127は、流体源と連通して配設することができ、これにより、基板101の第1の主面103aへの着脱を選択的に行うことが可能となる。
【0060】
いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイス405のうちの少なくとも1つの吸引デバイスを、複数の吸引デバイス405のうちの少なくとも1つのさらなる吸引デバイスに対して相対的に独立して移動可能とすることができる。例えば、図4に示す少なくとも1つの吸引デバイス405を調整方向407a、407bに移動させる際に、複数の吸引デバイスの残りの吸引デバイスのうちの1つ以上の吸引デバイスを基部125に対して静止したままとすることができる。いくつかの実施形態では、各吸引デバイスを、残りの吸引デバイスに対して独立して(例えば、調整方向407a、407bに)移動可能とすることができる。
【0061】
図4及び図6図8に示すように、基板支持装置403は、複数の吸引デバイス405のうちの或る吸引デバイス405の位置を監視するように構成された監視デバイス411をさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、監視デバイス411は、基部125に対する吸引デバイス405の相対位置を監視するように構成することができる。例えば、監視デバイスを、基部125に対するガイドロッド409の相対位置を監視するように設計することができる。いくつかの実施形態では、監視デバイスを、吸引デバイス405の吸盤127を監視するように設計することができる。なお、吸盤127の監視は、直接行ってもよく、又は基部125に対するガイドロッド409の相対位置を監視することにより行ってもよい。いくつかの実施形態では、監視デバイスは、物理的接触を行わずに基部125に対する吸引デバイス405の相対位置を監視することが可能な近接センサを備えることができる。ただし、本開示の態様に従って、物理的接触センサを組み込むこともできる。近接センサの実施形態としては、光センサ(例えば、レーザセンサ)、超音波センサ、又は他の種類の近接センサを挙げることができる。図4に模式的に示すように、いくつかの実施形態では、監視デバイス411は、超音波センサ413を備えることができる。超音波センサ413は、基部125に対する吸引デバイス405の相対位置を監視する際に、吸引デバイス405と基部125との間に物理的接触を必要することなく、当該位置を監視するように構成される。いくつかの実施形態では、近接センサ(例えば、超音波センサ413)を、基部125に固定的に取り付けて、基部に対する吸引デバイス405の或る部分の相対位置を監視することができる。いくつかの実施形態では、ガイドロッド409の端部に、近接センサの感知経路を横切って延びる旗部415を設けることができる。例えば、図示のように、超音波417aは、超音波センサ413の感知経路を横切るように配置された旗部415と交差するように進むことができる。そして、旗部415で反射した反射超音波417bが戻り、それを超音波センサ413が感知する。次に、信号がプロセッサ137に送り返され、プロセッサ137により、基部125に対する吸引デバイス405の旗部415の相対位置を計算することができる。なお、図示は省略するが、超音波センサを、ガイドロッド(例えば、ガイドロッドの端部)に取り付け、基部125が超音波を反射するように構成することもできる。しかし、超音波センサを基部125に固定的に取り付ければ、超音波センサ413からプロセッサ137までの通信経路を基部125で支持することができるため、デバイス構造を簡素化することができる。
【0062】
図示するように、監視デバイスは、複数の吸引デバイスのうちの1つ又は任意の複数の吸引デバイスの位置を監視することができる。例えば、図4に示すように、監視デバイス411は、複数の吸引デバイス405の各吸引デバイス405の基部125に対する相対位置を監視することができる。例えば、図示のように、複数の吸引デバイス405の各吸引デバイス405に、近接センサ(例えば、超音波センサ)を設けることができる。各吸引デバイス405にセンサ(例えば、近接センサ)を設けることにより、吸引デバイス405の1つ又はすべてが互いに対して相対的に独立して移動することができる実施形態において、各吸引デバイスを独立に追跡することが可能となる。
【0063】
いくつかの実施形態では、基板パッケージ装置105、401に、締固めデバイスを設けることもできる。説明の都合上、以下では、図4及び図6図18に示す基板パッケージ装置401の実施形態が、任意選択的に、締固めデバイス701(図9図12)、1301(図13図16)を備えるものとして説明を行う。ただし、図示は省略するが、図1及び図3に示す基板パッケージ装置105も、以下により詳細にする締固めデバイス701、1301と類似又は同一の特徴及び機能を有する締固めデバイス701、1301をさらに備えることができる。図9及び図13に示すように、締固めデバイス701、1301は、後面111の幅「WR」の方向に延びる締固め軸901を有することができる。いくつかの実施形態では、プレス部材の外面が、締固め軸を含むことができる。図9及び図13に示すように、後面111の幅「WR」は、基板101の幅「W」(図2参照)と実質的に同一とすることができる。ただし、さらなる実施形態では、後面111の幅「WR」は、基板101の幅「W」よりも大きい幅又は小さい幅とすることもできる。後面111の幅「WR」を基板101の幅「W」以上とすることにより、基板101の幅全体を十分に支持することを支援し、これにより、応力の集中を抑え、基板101が損傷する可能性を低減することができる。いくつかの実施形態では、締固め軸901は、実質的に真っ直ぐな締固め軸901で構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、後面111を、実質的に平坦な面で構成することができる。この構成では、実質的に真っ直ぐな締固め軸901により、締固め処理時に基板101の幅全体に均等に締固め力を分散させることを支援することができる。さらなる実施形態では、後面111を、凸面又は凹面で構成することができる。かかる凸面又は凹面は、(図9及び図13において真っ直ぐな線「111」で表している)平坦面を湾曲させることにより得られ、図示するとすれば弓状の線で表されることになる。後面を凸面又は凹面とすることにより、基板スタックを凸状又は凹状の後面に従った湾曲形状に曲げる支援をすることができる。基板を曲げて湾曲した姿勢とすることにより、基板を強化することができ、及び/又は、後面111からの基板の位置ずれ防止に役立つ。後面111が凹面又は凸面である実施形態では、締固め軸901を、後面の幅「WR」に沿って後面の凸面形状又は凹面形状の湾曲に一致する形状を有する曲線軸で構成することができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、締固めデバイスは、少なくとも1つのアクチュエータを備えることができる。例えば、図7に示すように、締固めデバイスの基部部材703が、締固めデバイス701、1301の締固め軸901を画定するプレス部材705、1305を伸縮させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを備えることができる。図示するように、いくつかの実施形態では、締固めデバイス701、1301は、当接デバイス904、1304を備え、当接デバイス904、1304がプレス部材705、1305を備えることができる。いくつかの実施形態では、基部部材703のアクチュエータにより、当接デバイス904、1304の方向707aへの伸長と方向707bへの後退を実現することができる。いくつかの実施形態では、方向707a、707bは、後面111に対して実質的に垂直とすることができる。さらなる実施形態では、基部部材のアクチュエータに加えて又は代えて、当接デバイス904、1304が1つ以上のアクチュエータ903(図9参照)を備えることもできる。アクチュエータ903は、プレス部材705、1305を、支持部材907に対して相対的に、方向707a、707bに伸縮させるように構成される。いくつかの実施形態では、図示するように、1つ以上のアクチュエータ903が、ロッド902、そしてロッド902に連結されたプレス部材705、1305を、選択的に方向707aに伸長させることができる。図示するように、いくつかの実施形態では、締固めデバイス701、1301は、基板101の傾斜スタック109の下部に、締固め軸901に沿って力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備えることができる。
【0065】
図9及び図13に示すように、いくつかの実施形態では、締固めデバイス701、1301の1つ以上のアクチュエータ903を、複数のアクチュエータ903で構成することができる。図示するように、いくつかの実施形態では、複数のアクチュエータ903を、一列のアクチュエータ903で構成することができる。その場合、各アクチュエータ903を、1つの隣接するアクチュエータの隣又は2つの隣接するアクチュエータの間に配置することにより、複数のアクチュエータを、間隔を空けて順次並べて一列とする。そして、いくつかの実施形態では、複数のアクチュエータ903の各アクチュエータは、基板101の傾斜スタック109の下部に、締固め軸901に沿って変化する力を加えるように構成される。ただし、さらなる実施形態では、各アクチュエータが同一の力を加えることもできる。これに加えて又は代えて、いくつかの実施形態では、複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータ又はすべてのアクチュエータが、少なくとも1つの他のアクチュエータ(例えば、他のすべてのアクチュエータ)に対して依存又は独立して動作することができる。例えば、プレス部材を、単一の剛性プレス部材で構成する場合には、複数のアクチュエータ903のうちのすべてのアクチュエータが同時に動作するとともに同一の力を付与して、プレス部材の全長を伸縮方向707a、707bに移動させることができる。さらなる実施形態では、図11及び図12に示すように、プレス部材705を可撓性プレス部材で構成することができ、その場合、プレス部材の一部がプレス部材の他の部分に対して相対的に伸縮方向707a、707bに移動することができる。さらに他の実施形態では、プレス部材を、分割プレス部材で構成し、プレス部材の複数のセグメントが互いに相対移動するように構成することができる。例えば、図13に示すように、プレス部材1305は、伸縮方向707a、707bに互いに相対移動可能なセグメント1307a、1307b、1307cを備えることができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、図10に示すように、プレス部材705を、基板101の傾斜スタック109の下部に力を加える際に、基板101の傾斜スタック109の外側にある基板の下部に物理的に接触するように設計することができる。代替的な実施形態では、図14に示すように、プレス部材1305が流体クッション1401を生成して、流体クッション1401で傾斜基板スタック109の外側にある基板の下部に力を加えるようにプレス部材1305を設計することにより、プレス部材1305を、基板101の傾斜スタック109の外側にある基板に物理的な接触を行うことなく、非接触で基板101の傾斜スタック109の下部に力を加えるように設計することもできる。非接触で力を加えることにより、プレス部材が基板に物理的に接触した場合に発生する恐れのあった基板への損傷を防ぐことができる。図15及び図16に示すように、締固めデバイスを、プレス部材1305に、流体圧力チャンバ1601と連通する複数の孔1501を設けた構成とすることができる。図15に示すように、複数の孔1501は、使用時に所望の流体クッション構成を実現するように間隔を空けて配置された孔パターンを成すことができる。さらに、図16に示すように、いくつかの実施形態では、流体圧力チャンバ1601を、複数の流体圧力チャンバで構成することができる。ただし、さらなる実施形態では、流体圧力チャンバを単独で設けることもできる。各圧力チャンバ1601は、加圧した流体を圧力チャンバ1601に入れるための1つ以上の入口ポート1602を備えることができる。複数の圧力チャンバを設ける場合、各チャンバ内の加圧流体を、チャンバ同士で相対的に調整することにより、プレス部材1305の全長に沿って特性が変化する流体クッションを設けることができる。図16に示すように、各セグメント1307a、1307bが1つ以上の圧力チャンバを備え、セグメントごとに圧力チャンバの加圧を独立に行って、各セグメント独自の流体クッションを適用することもできる。1つの圧力チャンバに対して複数の孔1501を設けることは、流体クッションの特性(例えば、流体クッションが加える圧力プロファイル)の制御性を高めるためにも有益である。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、複数の基板101を基板支持構造体(例えば、基板支持ラック107)上に積み重ねて、基板101の傾斜スタック109を形成するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、ロボット129を設けることができる。ロボット129は、コンベアベルトなどの場所からガラス基板などの個々の基板101をピッキングすること、又はリボン(例えば、ガラスリボン)形成プロセスにおいてリボンから基板を分離する際に基板を支持することができる。次に、ロボット129は、基板を操作して適切な向きとすることができる。この適切な向きとは、基板支持装置121が支持している基板101が、図1に示すように、後面111及び/又は既存の傾斜スタック109と実質的に平行となる向きである。図1に示すように、いくつかの実施形態では、基板101に複数の吸盤127を着脱可能に取り付けた状態で、基板101を支持、移動させて、傾斜基板スタック109の他の基板に積み重ねることができる。いくつかの実施形態では、負圧源を吸盤の吸引領域と連通して配設することができ、これにより、吸盤の基板への取り付けをさらに強化及び維持し、吸盤が基板101から誤って外れてしまう事態を防止できるようにすることができる。ロボット129が、現在支持している基板を適切に載せ終えると、基板を吸盤から外すことができる。例えば、適切な位置で吸盤から基板が外れるように、正圧源で吸盤の吸引領域内の圧力を上げることができる。その後、図3に示すように、ロボットを後退させて、傾斜基板スタック109の近傍から出すことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、いずれの基板101にも接触することなく、傾斜基板スタックの特性を特定するステップをさらに含むことができる。例えば、図3に示すように、まず、ロボット129を、傾斜基板スタック109の近傍から出すことができる。そして、撮像装置131を用いて基板101(例えば、最も外側にある基板)の特徴を撮像し、撮像時に取得した情報を用いて、基板101の傾斜スタック109の特性を特定することができる。いくつかの実施形態では、このような基板101の傾斜スタック109の特性に、基板101の傾斜スタック109の扇状度が含まれ得る。いくつかの実施形態では、扇状度が、基板101の傾斜スタック109の全体的扇状度を含み得る。例えば、全体的扇状度は、基板101の傾斜スタック109の最大厚さ「T1」と最小厚さ「T2」が、長さ「L」の方向に延びる同一の直線軸上に並んでいない場合の「T1」から「T2」を引いた差分で構成することができる。したがって、全体的扇状度は、最も外側にある基板の主面の表面領域に関連する1つの値で構成することができる。さらなる実施形態では、扇状度が、長さ方向の扇状度を含み得る。長さ方向の扇状度は、「T1」と「T2」が、長さ「L」の方向に延びる同一の直線軸上に並んでいる場合の「T1」から「T2」を引いた差分で構成することができる。かかる実施形態では、基板101の傾斜スタック109は、基板101の傾斜スタック109の幅方向の各場所において、長さ方向の扇状化を含み得る。
【0069】
一実施形態では、図1及び図3に示すように、撮像装置131によって扇状度を特定することができる。いくつかの実施形態では、撮像装置131は、図示のデジタル画像相関デバイスを備えることができ、デジタル画像相関デバイスは、光源133と一対のカメラ135とを備えることができる。利用可能な撮像装置131の1つとして、Trilion Quality Systems社から入手可能なデジタル画像相関デバイスARAMISを挙げることができる。デジタル画像相関デバイスは、基板101の傾斜スタック109の外面に関連付けられた種々のマーカの3次元位置を特定するように設計することができる。いくつかの実施形態では、マーカは、基板101の主面に付着させた反射タブで構成することができる。例えば、図2を参照すると、複数のマーカ205を、長さ「L」の方向211に延びる直線軸209a、209bに沿った2列207a、207bに並べることができる。かかる例では、撮像装置131は、基板101の幅「W」方向の2つの位置で、長さ方向の扇状度を特定することができる。いくつかの実施形態では、マーカ205を、1つ以上の基板101上に設けることができる。さらなる実施形態では、繰り返し定期的に測定を行うため、マーカ205付き基板を再利用することもできる。例えば、マーカ205付き基板を基板支持装置121でスタックに載せることにより、扇状度の測定を行うことができる。そして、撮像装置131が測定を終えると、基板支持装置121は、マーカ205付き基板を取り外し、その後は、必要に応じて継続して追加の基板を積み重ねることができる。かかる測定は、扇状度の測定を、選択された枚数の基板を積み重ねた後(例えば、10枚、20枚、40枚、60枚などの基板を積み重ねた後)に行うように設計することができる。さらに、マーカ付き基板は、傾斜基板スタック109の基板と同一の種類の基板で構成することもできるが、さらなる実施形態では、マーカ205付き基板を異なる材料で構成することもでき、基板101の傾斜スタック109に積み重ねる基板よりも耐久性が高い材料又は安価な材料で構成することもできる。
【0070】
図3に示すように、マーカ205付き基板をスタックに載せると、デジタル画像相関デバイスの照明デバイス133から発した光301を各マーカ205が反射し、それを、幅「W」の方向に互いに間隔を空けて配置した一対のカメラ135(図示せず)で検出することができる。そして、カメラ135が受光した反射光をプロセッサ137で処理してマーカ205の位置を特定し、記憶ユニット又はディスプレイデバイスなどの出力デバイス303に出力して、データのデジタル保存又はデータの視覚的表示などを行う。そして、図示するように、デジタル画像相関デバイスによる定期測定の各結果は、縦軸305にマーカ番号、横軸307に基板101の傾斜スタック109の厚さをとったグラフで表示することができる。図では、最終測定時のスタックの厚さは、マーカ#5で約46の最大厚さ「T1」、マーカ#1で約32の最小厚さ「T2」を示しており、この場合、最終測定時の長さ方向の扇状度は約14(すなわち、46-32)となる。いくつかの実施形態では、扇状度が所定の最大許容扇状度に達すると、アラームを鳴らすことができる。さらなる実施形態では、基板支持装置121は、扇状度が所定の最大許容扇状度に達すると、基板101の追加載置をやめることができる。
【0071】
図4及び図6に、基板101の傾斜スタック109の特性を特定するさらなる実施形態を示す。図示するように、基板支持装置403を使用して複数の基板101を積み重ねることができ、傾斜スタック109に次の基板を積み重ねながら、特性の特定を行うことができる。例えば、図4は、基板支持装置403が支持、係合している追加の基板101を、傾斜基板スタック109に積み重ねる様子を示している。いくつかの実施形態では、第1の列及び第2の列の吸盤127(図5参照)を、基板101の主面の一部(例えば、主面の外縁部)に選択的に取り付けることができる。外縁部に係合することにより、吸盤127による擦れなどの不備により主面の中央部に損傷を与えてしまう恐れがないため、主面の中央部の清浄性を保つことができる。いくつかの実施形態では、吸盤127を流体源と連通して配設することができ、これにより、各吸盤127が関与する吸引を制御し、基板101の第1の主面103aへの着脱を選択的に行うことが可能となる。いくつかの実施形態では、真空源を、1つ以上の吸盤に関連付けることができる。真空源を使用して、吸盤と第1の主面103aとの間の付着力を高めるように吸引を行うことができる。さらなる実施形態では、付着力を増減するように、真空源を調整可能とすることができる。いくつかの実施形態では、流体源は、傾斜基板スタック上に基板を適切に載せた時点でその基板を吸盤から取り外すための正圧源を備えることもできる。いくつかの実施形態では、流体源(例えば、圧力源及び/又は真空源)は、各列のすべての吸盤に対して同一の圧力/真空力を付与することができ、又はすべての列のすべての吸盤に対して同一の圧力/真空力を付与することもできる。さらなる実施形態では、1つ以上の吸盤が、他の吸盤とは独立して作用可能な吸引力を有することもできる。
【0072】
動作時には、ロボット129が、基部125と対応する吸引デバイス405とを移動させて、積み重ねる対象の基板101をピッキングすることができる。基板のピッキングは、コンベア移動中や、リボン製造後にリボンから基板を分離した位置などの場所で行うことができる。基板101をピッキングするため、ロボット129は、基部125を操作して、吸引デバイス405の吸盤127を基板101の第1の主面103aに係合させることができる。なお、理解されるように、基板101の主面103aの中央部の清浄性を保つため、吸盤127の係合は、基板の外側縁203a、203bに隣接した位置で行うことができる。そして、図4に示すように、ロボットは、基板101を移動させて、当該基板101の位置を、傾斜した向きで基板101の傾斜スタック109に追加できる位置とすることができる。
【0073】
図6に示すように、追加の基板101を載せ終えて基板支持装置403から当該追加の基板101を取り外す前の、基板支持装置403が追加の基板101に係合している状態で、基板支持装置403により傾斜基板スタック109の特性を特定することができる。上述したように、追加の基板を傾斜基板スタックに積み重ねる際、基板支持装置403の複数の吸引デバイス405は、この追加の基板に着脱可能に取り付けた状態とすることができる。図4に示すように、まず、ロボット129により、基板支持装置403を方向402に移動させることができる。そして、いくつかの実施形態では、複数の吸引デバイス405の各吸引デバイスが、複数の吸引デバイス405の1つ以上の他の吸引デバイスに対して相対的且つ基部125に対して相対的に、第1の調整方向407a又は第2の調整方向407bに移動することができる。したがって、吸引デバイス405が互いに対して相対的且つ基部125に対して相対的に、独立して移動することで、支持している追加の基板101を、傾斜基板スタック109の外側に積み重ねられた基板の形状に合わせることができる。実際には、各吸引デバイス405を、(例えば、圧縮ばねによって)伸長方向に付勢することができる。これにより、吸引デバイスが圧縮することによって、支持している追加の基板101を、基板スタックの最も外側にある基板の形状に合わせることができる。図6に模式的に示すように、「T1」では、基板101の傾斜スタック109の厚さが増しているため、これに対応する吸引デバイス405が第2の調整方向407bに移動し、よって、これに対応する吸盤127が基部125に向かって後退する。吸引デバイス405が第2の調整方向407bに移動すると、対応するガイドロッド409が、対応する旗部415を第2の調整方向407bに移動させ、基部125から離間させる。いくつかの実施形態では、図示の超音波センサ413などのセンサで、吸引デバイス405の位置を監視することができる。例えば、図4に示すように、超音波センサ413から発した超音波417aが旗部415に跳ね返され、反射超音波417bとして超音波センサ413に向かって戻り、それを超音波センサ413が感知することができる。次に、信号がプロセッサ137に送り返され、プロセッサ137により、基部125に対する吸引デバイス405の旗部415の相対位置を計算することができる。このように、各吸引デバイス405の位置を監視することで、対応する特性(例えば、扇状度)を特定することができる。いくつかの実施形態では、吸引デバイス405の位置を、上述した記憶ユニット又はディスプレイデバイスなどの出力デバイス303に中継して、データのデジタル保存又はデータの視覚的表示などを行うことができる。いくつかの実施形態では、扇状度が所定の最大許容扇状度に達すると、アラームを鳴らすことができる。さらなる実施形態では、基板支持装置403は、扇状度が所定の最大許容扇状度に達すると、基板101の追加載置をやめることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、図1に示す撮像装置131又は図4に示す監視デバイス411のいずれかから選択して、傾斜基板スタック109の特性(例えば、扇状度)の特定を行うことができる。ただし、いくつかの実施形態では、監視デバイス411で、傾斜基板スタック109に基板101を追加する度に基板101の監視を行うことができ、その場合、マーカ205付き基板をスタックに載せて定期監視を行う必要がなくなる。したがって、監視デバイス411であれば、連続的にフィードバックを返すことができるため、問題が顕在化する前に迅速に扇状化を発見することができるとともに、定期検査を適切に行うことに特化したマーカ205付き基板を導入することに伴う処理の中断や追加費用も不要となる。
【0075】
また、本開示の方法では、傾斜基板スタックの扇状化を抑えるように設計された締固めデバイスをさらに利用することができる。いくつかの実施形態では、本開示の締固めデバイスを、図1図3に示す撮像装置131と組み合わせて使用することができる。さらなる実施形態では、本開示の締固めデバイスを、図4に示す基板支持装置403及び監視デバイス411と組み合わせて使用することもできる。
【0076】
以下では、締固めデバイス701、1301を図4に示す基板支持装置403及び監視デバイス411と組み合わせて使用する実施形態について説明する。なお、締固めデバイス701、1301を図1図3に示す撮像装置131と組み合わせて用いる場合も、下記の説明と同様又は同一に使用することができることを理解されたい。図7を参照すると、基板支持装置403は、吸引デバイス405が係合、支持する追加の基板101を、基板101の傾斜スタック109上に載せることができる。追加の基板101を載せると、図7及び図9に示すように、基部部材703のアクチュエータにより当接デバイス904、1304を方向707aに伸長させて、プレス部材705、1305を基板101の傾斜スタック109に近づけることができる。図10に示すように、1つ以上のアクチュエータ903が、ロッド902によりプレス部材705、1305を方向707aに出し、基板支持装置403が係合、支持する基板101をプレス部材705、1305でプレスして、当該基板101に力を加えることができる。図8及び図10に示すように、プレス部材705、1305により加えられる力は、基板101の傾斜スタック109を締固めるように作用する。
【0077】
図8に示すように、締固めデバイス701、1301のプレス部材705、1305で基板101をプレスして、基板101の傾斜スタック109を締固めることにより、当該基板101を基板支持装置403に係合及び/又は支持した状態のまま、基板101の傾斜スタック109を締固めることができる。図示は省略するが、いくつかの代替的な実施形態では、現在支持している基板から基板支持装置403を切り離した後に初めて、先ほどまで支持していたこの基板に締固めデバイス701、1301のプレス部材705、1305を接触させることもできる。しかしながら、傾斜基板スタックを締固めデバイスで締固めている最中に、基板支持装置403を基板から切り離すことにより、基板支持装置を取り外す際に、誤って傾斜基板スタックから1枚以上の基板を引き離してしまうことを回避しながら、傾斜基板スタックから基板支持装置403を取り外すことを支援することができる。実際、プレス部材705、1305は、基板支持装置403を基板101の傾斜スタック109から引き離す間、支持していた基板を所定の位置に保持するように作用し、これにより、締固め状態を保って、基板支持装置403を傾斜基板スタックとの接触から引き離す際に、誤って扇状化させてしまうことを抑えることができる。図17は、締固めデバイス701、1301のプレス部材705で、基板101の傾斜スタック109の外側にある基板をプレスし続けている状態で、基板支持装置403の引き離しを行う実施形態を示している。
【0078】
図18は、基板101の傾斜スタック109の外側にある基板から締固めデバイス701、1301を切り離した状態を示す図である。いくつかの実施形態では、プロセスは、1サイクルの締固めサイクルを行うことを含み、スタックの外側に載せた基板に対し、締固めデバイス701、1301でプレスを1回行うことができる。そして、締固めデバイス701、1301を切り離した後(図18参照)、基板支持装置403は、基板101の傾斜スタック109上にさらに追加の基板を載せて、上述と同様の処理を進め、締固めサイクルを1サイクル行って、基板101の傾斜スタック109を締固めデバイス701、1301で再び締固めることができる。その後、所定枚数の基板を積み重ねたこと又は所定の最大扇状度を検出したことを受けてスタック完成となるまで、処理を続行する。
【0079】
代替的な実施形態では、傾斜基板スタックに載せた基板に対して、2サイクル以上の締固めサイクルを行うこともできる。例えば、締固めデバイス701、1301のプレス部材705、1305を基板101の傾斜スタック109の外側にある基板から切り離した後に、2サイクル目の締固めサイクルとして、プレス部材705、1305を、図17に示すようにもう一度、方向707aに伸ばすことによって、スタック外側にある先ほどと同じ基板にプレス部材705、1305を再度係合させることができる。いくつかの実施形態における方法では、一定時間にわたって締固めデバイス701、1301のプレス部材705、1305で基板101の傾斜スタック109の外側にある基板に圧力を印加して、基板101の傾斜スタック109の締固めを行い、次に、一定時間にわたって、(例えば、図18に示すようにプレス部材705、1305を後退させることによって)締固めデバイス701、1301による基板への圧力印加を休止し、その後また、(図17に示すように)締固めデバイス701、1301による基板への圧力印加を、締固め軸901に沿って同じ基板に対して再度行うことができる。いくつかの実施形態では、この圧力の再印加を行う前に、外側の基板から基板支持装置を切り離し、基板支持装置を追加の基板から切り離した状態で圧力の再印加を行うこともできる(例えば、図17を参照)。代替的な実施形態では、2サイクル以上の締固めサイクル全体を通して、基板支持装置を外側の基板と係合したままの状態とすることもできる(例えば、図8を参照)。
【0080】
図19及び図20は、傾斜基板スタックの基板枚数(横軸のX軸に示す)に対する扇状度(縦軸のY軸に(例えば、ミリメートル単位で)示す)を比較した実験の結果をプロットしたグラフである。図19は、330枚の基板を積み重ねて傾斜基板スタックとする2つの実験を行った結果を表している。この実験では、一定数を積み重ね終えた後定期的にパッケージ化性能の測定を行った。グラフ1901は、締固めを行なわなかった場合の実験結果を表し、グラフ1903は、各基板を積み重ね終える度ごとに、傾斜基板スタックの下部に対して、1平方インチ(約645.2mm)当たり30ポンド(207キロパスカル)を印加する締固めサイクルを1サイクル行った場合の実験結果を表している。図示するように、1サイクルの締固めサイクルを行って積み重ねた場合(グラフ1903参照)と締固めを行わずに積み重ねた場合(グラフ1901参照)とを比較すると、1サイクルの締固めサイクルを行うことによって、扇状度を7ミリメートル(mm)超から4mm未満に大幅に低減させることができている。
【0081】
図20は、110枚の基板を積み重ねて傾斜基板スタックとする2つの実験を行った結果を表している。この実験でも、一定数を積み重ね終えた後定期的にパッケージ化性能の測定を行った。グラフ2001は、各基板を積み重ね終える度ごとに、傾斜基板スタックの下部に対して、1平方インチ(約645.2mm)当たり30ポンド(207キロパスカル)を印加する締固めサイクルを1サイクル行った場合の実験結果を表している。グラフ2003は、各基板を積み重ね終える度ごとに2サイクルの締固めサイクルを行った場合の実験結果を表している。この2サイクルの締固めサイクルでは、傾斜基板スタックの下部に対して、1平方インチ(約645.2mm)当たり10ポンド(69キロパスカル)を印加する締固めサイクルを2サイクル、締固めサイクル間に5秒の待ち時間を設けて行っている。図示するように、2サイクルの締固めサイクルを行って積み重ねた場合(グラフ2003参照)と、1サイクルの締固めサイクルを行って積み重ねた場合(グラフ2001参照)とを比較すると、2サイクルの締固めサイクルを行って積み重ねることによって、扇状度を12mmから約6mmに大幅に低減させることができている。
【0082】
したがって、図19が示すように、傾斜スタックの下部に対して1平方インチ(約645.2mm)当たり30ポンド(207キロパスカル)の圧力を印加する締固めサイクルを1サイクル行うことにより、締固めサイクルを1サイクルも行わずに積み重ねる場合に比べて、扇状度を低減することができる。さらに、図20が示すように、傾斜スタックの下部に対してその1/3の圧力を印加する締固めサイクルを2サイクル行うことにより、さらに性能を向上させることができる。いくつかの実施形態では、扇状度を改善しながら基板スタックを迅速に形成することが望まれる場合に、1サイクルの締固めサイクルを採用することができる。さらに、より低い圧力を用いた締固めサイクルを、傾斜基板スタックに各基板を載せ終えるごとに2サイクル行うことにより、基板スタックの製造時間が長くなる恐れはあるものの、扇状度をさらに低減できるとともに、傾斜基板スタックを締固める際に低い圧力を使用していることから、締固め時の応力破壊の危険性を抑えることもできる。
【0083】
上述したように、1サイクルで行う締固めサイクルでは、プレス部材を使用して、傾斜基板スタックに1平方インチ(約645.2mm)当たり30ポンド(207キロパスカル)の圧力を印加することができるが、いくつかの実施形態では、この圧力を、1平方インチ(約645.2mm)当たり約10ポンド(69キロパスカル)~約80ポンド(552キロパスカル)の範囲の任意の値とすることができ、例えば、1平方インチ(約645.2mm)当たり約20ポンド(138キロパスカル)~約40ポンド(276キロパスカル)とすることができる。また、上述したように、2サイクルで行う締固めサイクルの各サイクルでは、プレス部材を使用して、傾斜基板スタックに1平方インチ(約645.2mm)当たり10ポンド(69キロパスカル)の圧力を印加することができるが、いくつかの実施形態では、この圧力を、1平方インチ(約645.2mm)当たり約5ポンド(34キロパスカル)~約20ポンド(138キロパスカル)の範囲の任意の値とすることができ、例えば、1平方インチ(約645.2mm)当たり約8ポンド(55キロパスカル)~約12ポンド(83キロパスカル)とすることがでる。
【0084】
いくつかの実施形態では、締固め軸901を、プレス部材705、1305の外面に沿って延びる軸とすることができる。さらなる実施形態では、プレス部材705、1305の外面が、締固め軸901を含むことができ、基板101の傾斜スタック109を締固めるステップが、基板支持装置403が支持する基板に対して、締固めデバイス701、1301により締固め軸901に沿って圧力を印加するステップを含む。図7及び図8に示すように、基板101の傾斜スタック109を締固める際に、締固め軸901を傾斜基板スタックの下部に沿うように位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、この傾斜基板スタックの下部が、基板101の傾斜スタック109の長さ「L」のうち下側の50%、40%、30%、20%又は10%を占めることができる。なお、図示は省略するが、締固め軸901を、傾斜基板スタック109の中央部又は上部に配置することもできる。さらに他の実施形態では、複数のプレス部材を、傾斜基板スタック109の下部、中央部、及び/又は上部に設けることもできる。
【0085】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固める際、締固めデバイスは、締固め軸の長さに沿って実質的に一定の圧力を印加することができる。例えば、図9に示すように、いくつかの実施形態では、すべてのアクチュエータ903が、実質的に均等な伸長方向707aの力をプレス部材705に加えて、プレス部材705の外面全域を、傾斜スタック109の外側にある基板101の外面に(例えば、傾斜基板スタック109の幅「W」全体に沿って)同時に係合させることができる。図10に示すように、プレス部材705は、傾斜基板スタック109の幅「W」に沿って実質的に一定の締固め圧力を保つことができ、これにより、傾斜スタック109の幅「W」に沿って均一にパッケージ化することができる。いくつかの実施形態では、プレス部材705を、実質的に剛性とすることができ、これにより、プレス部材705のロッド902とロッド902との間にある部分も、他の部分と均一な圧力を印加できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、プレス部材705は、プラスチック又は金属などの材料を含むことができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、傾斜基板スタックを締固める際、締固めデバイスは、追加の基板に、締固め軸901に沿って変化する圧力を印加することができる。例えば、いくつかの実施形態では、プレス部材705を可撓性又は分割型とすることができ、これにより、プレス部材705の外側部分が異なるタイミングで外側の基板に係合できるようにすることができる。例えば、図11及び図12に示すように、プレス部材705は、外側の基板の一方の側端から接触し始めて、その後、もう一方の側端に到達するまで、幅「W」を横断して逐次的に当該外側基板への係合を続けることができる。また、代替的な実施形態では、プレス部材705は、外側の基板の中間部分にまず係合してから、当該外側基板の両側端に向かって反対方向に、逐次的に係合する部分を増やすように係合を続けることもできる。このようにすることで、ガス(例えば、空気)をスタックから絞り出し、スタック内にガスを閉じ込めてしまうガス溜まりを起こさないため、扇状化を抑えることができる。いくつかの実施形態では、係合が完了してから、傾斜基板スタック109の幅「W」全体にわたって一定の圧力を保ち、傾斜スタック109を均一に締固めることができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、本方法は、プレス部材を外側の基板に直接接触させることなく締固めを行うステップを含むことができる。例えば、図15に示すように、プレス部材1305は、プレス部材1305と外側の基板との間に流体クッションを設けるように設計された複数の孔1501を有することができる。動作時には、入口ポートから流体圧力チャンバ1601に、ガス(例えば、圧縮空気)を導入することができる。そして、流体圧力チャンバ1601により、流体圧力チャンバに流体連通する孔1501から、均一な圧縮ガス流を供給することができる。図示するように、いくつかの実施形態では、プレス部材1305が、複数のセグメント1307a、1307b、1307cを備えることができる。いくつかの実施形態では、各セグメント1307a、1307b、1307cは、同様の構造とすることができる。ただし、さらなる実施形態では、異なる構造とすることもできる。さらに、図では、複数のセグメントを示しているが、さらなる実施形態では、セグメントを1つ設けることもできる。ただし、セグメントを複数設けることにより、各セグメントの各圧力チャンバ1601内の圧力を独立して制御することができるため、加圧ガスの孔1501を通過する際の流速をセグメントごとに変え、セグメントごとにプロファイルの異なるエアクッションを生成することが可能となる。また、セグメントを複数設けることにより、各セグメント1307a、1307b、1307cを独立して方向707aに移動させることも可能となり、これにより、(例えば、ガスの閉じ込めによるガス溜まりを回避して、過度の扇状化を防ぐため)逐次的に、プレス部材1305を外側の基板に係合させることが可能となる。図14に示すように、プレス部材1305は、基板101の傾斜スタック109を締固める際に、基板101の傾斜スタック109と締固めデバイス1301のプレス部材1305との間に流体クッション1401(例えば、エアクッション)を生成することができる。いくつかの実施形態では、流体クッション1401は、基板のいずれにも実際に機械的な接触を行うことなく、基板101の傾斜スタック109に対して力を加えることを支援することができる。
【0088】
以上、種々の実施形態を、例示的な具体例に関連させて詳細に説明してきたが、本開示は、これらに限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲から逸脱しない範囲で、開示した各特徴の変形や組み合わせを多数行うことができることを理解されたい。
【0089】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0090】
実施形態1
基部と、
各吸引デバイスが前記基部に移動可能に取り付けられている、複数の吸引デバイスと、
前記複数の吸引デバイスのうちの或る吸引デバイスの位置を監視するように構成された監視デバイスと、
を備える基板支持装置。
【0091】
実施形態2
前記監視デバイスが、前記基部に対する前記吸引デバイスの相対位置を監視するように構成されている、実施形態1に記載の基板支持装置。
【0092】
実施形態3
前記監視デバイスが、超音波センサを備える、実施形態1又は2に記載の基板支持装置。
【0093】
実施形態4
前記超音波センサが、前記基部に固定的に取り付けられている、実施形態3に記載の基板支持装置。
【0094】
実施形態5
前記複数の吸引デバイスの各吸引デバイスは、前記基部に対して相対的に調整方向に並進移動するように、前記基部に移動可能に取り付けられている、実施形態1~4のいずれか1つに記載の基板支持装置。
【0095】
実施形態6
前記複数の吸引デバイスが、吸引デバイス列を含み、
前記吸引デバイス列の各吸引デバイスは、前記調整方向に垂直な列軸に沿って、前記吸引デバイス列の他の吸引デバイスから間隔を空けて配置されている、実施形態5に記載の基板支持装置。
【0096】
実施形態7
前記複数の吸引デバイスのうちの少なくとも1つの吸引デバイスが、前記複数の吸引デバイスのうちの少なくとも1つのさらなる吸引デバイスに対して相対的に独立して移動可能である、実施形態5又は6に記載の基板支持装置。
【0097】
実施形態8
傾斜基板スタックをパッケージ化するための基板パッケージ装置であって、
前記傾斜基板スタックを支持するように構成された基板支持構造体であって、前記傾斜基板スタックの基板の主面を支持するように構成された後面、及び前記後面から離れる方向に延びるとともに、前記傾斜基板スタックの前記基板の下縁を支持するように構成された下面、を有する基板支持構造体と、
前記後面の幅方向に延びる締固め軸を有する締固めデバイスと、
を備える基板パッケージ装置。
【0098】
実施形態9
前記締固めデバイスが、前記傾斜基板スタックの下部に前記締固め軸に沿って力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備える、実施形態8に記載の基板パッケージ装置。
【0099】
実施形態10
前記締固めデバイスが、前記傾斜基板スタックの下部に前記締固め軸に沿って変化する力を加えるように構成された複数のアクチュエータを備える、実施形態8に記載の基板パッケージ装置。
【0100】
実施形態11
前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータは、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つの他のアクチュエータに対して独立して動作する、実施形態9又は10に記載の基板パッケージ装置。
【0101】
実施形態12
前記締固めデバイスが、流体圧力チャンバに連通する複数の孔を有している、実施形態8に記載の基板パッケージ装置。
【0102】
実施形態13
基板支持構造体上に複数の基板を積み重ねて、傾斜基板スタックを形成するステップと、
前記傾斜基板スタックの特徴を撮像するステップと、
前記撮像するステップで得た情報を用いて、前記傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、
を含む方法。
【0103】
実施形態14
前記傾斜基板スタックの前記特性が、前記傾斜基板スタックの扇状度を含む、実施形態13に記載の方法。
【0104】
実施形態15
基板支持装置で追加の基板を支持した状態で、該追加の基板を前記傾斜基板スタック上に積み重ねるステップと、
前記追加の基板を締固めデバイスに係合させることによって前記傾斜基板スタックを締固めるステップと、をさらに含む、実施形態13又は14に記載の方法。
【0105】
実施形態16
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固めデバイスが、締固め軸に沿って圧力を印加する、実施形態15に記載の方法。
【0106】
実施形態17
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固め軸が前記傾斜基板スタックの下部に沿うように位置決めされる、実施形態16に記載の方法。
【0107】
実施形態18
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固めデバイスは、前記追加の基板に前記締固め軸に沿って変化する圧力を印加する、実施形態16又は17に記載の方法。
【0108】
実施形態19
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固めデバイスが、前記追加の基板と該締固めデバイスとの間に流体クッションを生成する、実施形態15~18のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
実施形態20
前記締固めるステップを、前記基板支持装置が前記追加の基板を支持している状態で行う、実施形態15~19のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
実施形態21
前記基板支持装置を前記追加の基板から切り離すステップをさらに含む、実施形態15~20のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
実施形態22
前記基板支持装置を前記追加の基板から切り離すステップを、前記傾斜基板スタックを前記締固めデバイスで締固めるステップの最中に行う、実施形態21に記載の方法。
【0112】
実施形態23
前記締固めデバイスを前記追加の基板から切り離すステップをさらに含む、実施形態15~22のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
実施形態24
前記追加の基板を前記締固めデバイスに再係合させるステップをさらに含む、実施形態23に記載の方法。
【0114】
実施形態25
追加の基板に基板支持装置が係合した状態で、該追加の基板を傾斜基板スタック上に積み重ねるステップと、
前記追加の基板に前記基板支持装置が係合した状態で、該基板支持装置により、前記傾斜基板スタックの特性を特定するステップと、
を含む方法。
【0115】
実施形態26
前記追加の基板を前記傾斜基板スタックに積み重ねるステップにおいて、前記基板支持装置の複数の吸引デバイスが、該追加の基板に着脱可能に取り付けた状態とされる、実施形態25に記載の方法。
【0116】
実施形態27
前記特性を特定するステップが、前記複数の吸引デバイスのうちの1つの吸引デバイスを、前記複数の吸引デバイスのうちの他の吸引デバイスに対して相対的に移動させるステップを含む、実施形態26に記載の方法。
【0117】
実施形態28
前記特性を特定するステップが、前記1つの吸引デバイスの位置を監視するステップを含む、実施形態27に記載の方法。
【0118】
実施形態29
前記1つの吸引デバイスの前記位置を、超音波センサで監視する、実施形態28に記載の方法。
【0119】
実施形態30
締固めデバイスで前記追加の基板をプレスして、前記傾斜基板スタックを締固めるステップをさらに含む、実施形態25~29のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
実施形態31
前記傾斜基板スタックを締固めるステップが、前記締固めデバイスで前記追加の基板に締固め軸に沿って圧力を印加するステップを含む、実施形態30に記載の方法。
【0121】
実施形態32
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固め軸が前記傾斜基板スタックの下部に沿うように位置決めされる、実施形態31に記載の方法。
【0122】
実施形態33
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固めデバイスは、前記追加の基板に前記締固め軸に沿って変化する圧力を印加する、実施形態31又は32に記載の方法。
【0123】
実施形態34
前記傾斜基板スタックを締固めるステップにおいて、前記締固めデバイスが、前記傾斜基板スタックと該締固めデバイスとの間に流体クッションを生成する、実施形態30~33のいずれか1つに記載の方法。
【0124】
実施形態35
前記締固めるステップを、前記基板支持装置が前記追加の基板に係合している状態で行う、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
実施形態36
前記締固めデバイスによる前記追加の基板への圧力印加を一定時間にわたり休止するステップと、
その後、前記締固めデバイスで前記追加の基板に前記締固め軸に沿って圧力を再印加するステップと、をさらに含む、実施形態30~35のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
実施形態37
前記圧力を再印加するステップの前に、前記基板支持装置を、前記追加の基板から切り離すステップをさらに含み、
前記圧力を再印加するステップを、前記基板支持装置を前記追加の基板から切り離した状態で行う、実施形態36に記載の方法。
【符号の説明】
【0127】
101 基板
103a 第1の主面
103b 第2の主面
105、401 基板パッケージ装置
107 基板支持ラック
109 傾斜基板スタック
111 後面
113 後板
115 下面
117 下板
119 スタンド
120 支持面
121、403 基板支持装置
123、405 吸引デバイス
125 基部
127 吸盤
129 ロボット
131 撮像装置
133 照明デバイス
135 カメラ
137 プロセッサ
205 マーカ
303 出力デバイス
407a 第1の調整方向
407b 第2の調整方向
409 ガイドロッド
411 監視デバイス
413 超音波センサ
415 旗部
503a、503b サイドレール
505 中央レール
701、1301 締固めデバイス
703 基部部材
705、1305 プレス部材
901 締固め軸
902 ロッド
903 アクチュエータ
904、1304 当接デバイス
1307a、1307b、1307c プレス部材のセグメント
1401 流体クッション
1501 孔
1601 流体圧力チャンバ
1602 入口ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】