(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】空気浄化デバイス
(51)【国際特許分類】
A61L 9/20 20060101AFI20230731BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20230731BHJP
B01D 39/14 20060101ALI20230731BHJP
F24F 8/22 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/108 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/158 20210101ALI20230731BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20230731BHJP
【FI】
A61L9/20
A61L9/16 F
B01D39/14 G
F24F8/22
F24F8/108 120
F24F8/108 110
F24F8/108 220
F24F8/158
F24F8/80 135
F24F8/108 320
F24F8/108 310
F24F8/80 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501635
(86)(22)【出願日】2021-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-02-28
(86)【国際出願番号】 EP2021069259
(87)【国際公開番号】W WO2022013119
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523009986
【氏名又は名称】レスパイアード リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクセン,ヘンリック ヴィクター
【テーマコード(参考)】
4C180
4D019
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180DD03
4C180DD09
4C180EA14X
4C180HH05
4C180KK01
4C180LL04
4C180LL11
4D019AA01
4D019BC05
4D019BC06
4D019BD01
4D019CA02
4D019CA03
4D019CB03
4D019CB04
(57)【要約】
吸入空気(4)を殺菌及び濾過するための、浄化デバイス(2)が開示される。浄化デバイス(2)は、吸入空気(4)が入るのを可能にするための、いくつかの入口穴(8)、及び浄化デバイス(2)によって浄化された空気(6)が離れるのを可能にするための、いくつかの出口穴(8’)、が設けられたハウジング(10)を、備える。さらに浄化デバイス(2)は、ハウジング(10)の内側に配置され、吸入空気(4)をハウジング(10)の中に吸い込んで、浄化された空気(6)をハウジング(10)から吹き出す、ファン(12)を備える。浄化デバイス(2)は、ハウジング(10)の内側に配置され、吸入空気(4)を照射する、紫外線放射ランプ(14)をさらに備える。浄化デバイス(2)は、吸入空気(4)が浄化された空気(6)としてハウジング(10)を離れる前に、吸入空気(4)を濾過するよう配置された、高効率粒子空気(HEPA)フィルタ(20)をさらに備える。フィルタ(20)は、隣接する襞(32)間の角度(θ)が30°以下となるよう配置された複数の襞(32)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入空気(4)を殺菌及び濾過するための浄化デバイス(2)であって、
吸入空気(4)が入るのを可能にするための、いくつかの入口穴(8)、及び前記浄化デバイス(2)によって浄化された空気(6)が離れるのを可能にするための、いくつかの出口穴(8’)、が設けられた、ハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)の内側に配置され、吸入空気(4)を前記ハウジング(10)の中に吸い込んで、浄化された空気(6)を前記ハウジング(10)から吹き出す、ファン(12)と、
前記ハウジング(10)の内側に配置され、吸入空気(4)を照射する、紫外線放射ランプ(14)と、
前記紫外線放射ランプ(14)を囲み、吸入空気(4)が浄化された空気(6)として前記ハウジング(10)を離れる前に、吸入空気(4)を濾過するよう配置された、高効率粒子空気(HEPA)フィルタ(20)と、を備え、
ここで前記浄化デバイス(2)は、前記フィルタ(20)が、隣接する襞(32)間の角度(θ)が30°以下で配置された複数の襞(32)を備えることを特徴とする、浄化デバイス(2)。
【請求項2】
前記UVランプ(14)の最下部位置は、前記UVランプ(14)の遠位部分であること、及び空隙(44)が、前記ハウジング(10)の底板(46)と前記UVランプ(14)の遠位部分との間に設けられること、を特徴とする、請求項1に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項3】
前記ハウジング(10)は、底部分(16)と、前記底部分(16)に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分(18)と、を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項4】
前記ファン(14)は、前記上部分(18)に配置されること、及び前記UVランプ(14)の光照射部分は、前記底部分(16)に配置されること、を特徴とする、請求項3に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項5】
前記入口穴(8)は、前記上部分(18)に設けられ、その一方で前記出口穴(8’)は、前記底部分(16)に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項6】
前記ファン(12)は、水平に向けられた吸入部分と、前記ファン(12)によって加圧された空気(4)が、下方の垂直方向に前記ファン(12)を離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有することを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項7】
追加の層(40)は、前記ハウジング(10)と前記フィルタ(20)との間に挟まれ、前記追加の層(40)は活性炭を備えることを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項8】
前記上部分(18)は粗いフィルタ(26)を備え、前記粗いフィルタ(26)は、前記上部分(18)の縁の近くで軸方向に延びた、1つまたは複数のフィルタ用軌道に、摺動可能に配置されることを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項9】
空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを備えることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項10】
煙感知器を備えることを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項11】
検出された空気中の粒子のレベルに依拠して、前記ファン(12)のスピードを制御するよう構成された、制御ユニットを備えることを特徴とする、請求項9または10に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項12】
吸入空気(4)を殺菌及び濾過するための方法であって、
ハウジング(10)の内側に配置されたファン(12)によって、吸入空気(4)を前記ハウジング(10)の中に吸い込み、吸入空気(4)を、前記ハウジング(10)に設けられたいくつかの入口穴(8)を通して前記ハウジングに入れるステップと、
浄化された空気(6)を、前記ファン(12)によって、前記ハウジング(10)に設けられたいくつかの空気出口穴(8’)を通して前記ハウジング(10)から吹き出すステップと、
前記ハウジング(10)の内側に配置された紫外線放射ランプ(14)によって、吸入空気(4)を照射するステップと、
吸入空気(4)が浄化された空気(6)として前記ハウジング(10)を離れる前に、前記紫外線放射ランプ(14)を囲んだHEPAフィルタ(20)によって、吸入空気(4)を濾過するステップと、を含み、
ここで前記方法は、隣接する襞(32)間の角度(θ)が30°以下で配置された複数の襞(32)を備えたフィルタ(20)を適用するステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項13】
照射はUVランプ(14)を使用することによって実行され、前記UVランプ(14)の最下部位置は、前記UVランプ(14)の遠位部分であり、空隙(44)が、前記ハウジング(10)の底板(46)と前記UVランプ(14)の遠位部分との間に設けられることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハウジング(10)は、底部分(16)と、前記底部分(16)に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分(18)と、を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記ファン(14)は、前記上部分(18)に配置されること、及び前記UVランプ(14)の光照射部分は、前記底部分(16)に配置されること、を特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入口穴(8)は、前記上部分(18)に設けられ、その一方で前記出口穴(8’)は、前記底部分(16)に設けられることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項17】
前記ファン(12)は、水平に向けられた吸入部分と、前記ファン(12)によって加圧された空気(4)が、下方の垂直方向に前記ファン(12)を離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有することを特徴とする、請求項12~16のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
追加の層(40)は、前記ハウジング(10)と前記フィルタ(20)との間に挟まれ、前記追加の層(40)は活性炭を備えることを特徴とする、請求項12~17のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
吸入空気(4)がファン(12)の中に吸い込まれる前に、吸入空気(4)を濾過するための粗いフィルタ(26)を適用するステップを含むことを特徴とする、請求項12~18のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを適用するステップを含むことを特徴とする、請求項12~19のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
空気中の煙含有量を検出するための煙感知器を適用するステップを含むことを特徴とする、請求項12~20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
空気中の粒子の、検出したレベルに依拠して、前記ファン(12)のスピードを制御するステップを含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気浄化デバイスに関する。本発明は、より詳細には移動可能な空気浄化デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
急激な都市化を伴い構成される人口増加は、細菌及びウィルスが急激に拡がる可能性を増幅する。したがって、影響を受けやすい入院患者及び介護施設の住人が感染するリスクを排除するために、空気の浄化及び殺菌の必要性は増している。コロナウィルス感染症COVID-19は、影響を受けやすい老人または入院患者、ならびに介護施設の住人に、様々な病気に焦点を合わせて、感染するリスクをもたらしている。
【0003】
したがって、コロナウィルス感染症COVID-19を発生させるコロナウィルスなどのウィルスに、影響を受けやすい人が感染するリスクを軽減させることができる、空気浄化デバイスの必要性が存在する。
【0004】
ほとんどのウィルスは、20~400nmの径で変化する。したがって、多くの先行技術の空気浄化デバイスが、高効率粒子空気(HEPA)フィルタなど、効率基準の空気フィルタを備えるが、これらの浄化デバイスは、ウィルスが小さいサイズであるために、効果的にウィルスを殺菌することはできない。したがって、先行技術の空気浄化デバイスを、浮遊またはエアロゾル化した病原菌から守るために使用することはできない。
【0005】
HEPA基準を満たすフィルタは、フィルタを通過する空気から、径が0.3μmと等しい粒子の、少なくとも99.95%(欧州規格)または99.97%(米国機械学会、米国エネルギー省)それぞれについて除去しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ウィルスを含んだ空気を効果的に浄化でき、それによって影響を受けやすい人が、感染症を発生させるウィルスに感染するリスクを軽減させることができる、空気浄化デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目標は、請求項1で定義した浄化ユニットによって、及び請求項12で定義した方法によって、実現させることができる。好ましい実施形態は従属請求項で定義され、以下の記載で説明し、添付の図面に例示する。
【0008】
本発明による浄化デバイスは、吸入空気を殺菌及び濾過するための浄化デバイスであり:
-吸入空気が入るのを可能にするための、いくつかの入口穴、及び浄化デバイスによって浄化された空気が離れるのを可能にするための、いくつかの出口穴、が設けられたハウジングと;
-このハウジングの内側に配置され、吸入空気をハウジングの中に吸い込んで、浄化された空気をハウジングから吹き出す、ファンと;
-ハウジングの内側に配置され、吸入空気を照射する、紫外線放射ランプと;
-この紫外線放射ランプを囲み、吸入空気が浄化された空気としてハウジングを離れる前に、吸入空気を濾過するよう配置され、隣接する襞間の角度が30°以下で配置された複数の襞を備えた、高効率粒子空気(HEPA)フィルタと、
を備える。
【0009】
小さい鋭角θのため、フィルタの保持能力を増加させることができる。したがって、浄化デバイスは、ウィルスを含んだ空気の、より効率的な浄化を提供する。このように、(例えば病室または介護室において)影響を受けやすい人に曝される空気を浄化する、浄化デバイスを使用することによって、影響を受けやすい人が感染症を発生させるウィルスに感染するリスクを、軽減させることが可能である。
【0010】
1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は28°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は26°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は24°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は22°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は20°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は18°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は16°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は15°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は14°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は12°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は10°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は8°以下である。
【0011】
襞の数は、隣接する襞間の角度と逆相関する。したがって、多くの数の襞を適用することによって、隣接する襞間の小さい角度を実現することが可能である。
【0012】
さらに、合計フィルタ面積は、襞の数に比例する。したがって、襞の数を増やすことによって、合計フィルタ面積を増加させることが可能である。大きいフィルタ面積を有することが有利である。なぜなら、濾過能力(最大流速)は、フィルタ面積に比例するからである。
【0013】
隣接する襞間の小さい角度は、ウィルスがHEPAフィルタの内面に固着するのを可能にする。フィルタが紫外線放射ランプを囲むので、紫外線放射を照射することによって、ウィルスを排除するための多くの時間が存在する。したがって、この浄化ユニットは、ウィルス粒子を、フィルタで囲まれた空間内に保持して、ウィルス粒子を死滅させる紫外線放射を用いてウィルス粒子を照射するための、独特の能力を有する。
【0014】
フィルタは、いかなるウィルス粒子もフィルタを通過させないので、かつ、フィルタの内面に存在する、いかなるウィルス粒子も、紫外線放射ランプからの放射によって殺されるので、(保守中に)フィルタを交換する必要があるとき、フィルタはウィルス粒子を含まない。したがって、サービス要員は、フィルタを交換するときに、防護服またはバイオハザード防護服を着用する必要はない。さらに、サービス要員は、感染するリスクなしでフィルタを取り外すことができる。フィルタは、浄化デバイスをオフにしたときに、いかなるウィルス粒子も含まないことになる。したがって、浄化デバイスを、ある部屋から別の部屋へ移動させることは安全である。
【0015】
ウィルス粒子を、フィルタで囲まれた空間内に保持して、ウィルス粒子を死滅させる紫外線放射を用いてウィルス粒子を照射するための独特の能力は、驚くべき有効性の向上をもたらす。試験プロトコルは、このデバイスが、部屋のウィルス浮遊粒子の数を、15分後に99.98%低減することができること、及び30分後にはウィルス粒子を検出できないこと、を示す。
【0016】
HEPAフィルタは、15分後に検出制限を下回るウィルス量を有することも確認することができる。このように本発明は、領域を確実に浄化し、かつ保守を実施する要員の安全を確保する、効率的な方法を提供する。
【0017】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、20cm未満である。
【0018】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、18cm未満である。
【0019】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、16cm未満である。
【0020】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、14cm未満である。
【0021】
1つの実施形態において、ハウジングは円筒形である。
【0022】
1つの実施形態において、ハウジングは箱形である。
【0023】
1つの実施形態において、HEPAフィルタ面積は2平方メートル以上である。
【0024】
1つの実施形態において、HEPAフィルタ面積は3平方メートル以上である。
【0025】
1つの実施形態において、HEPAフィルタ面積は4平方メートル以上である。
【0026】
1つの実施形態において、UVランプの最下部位置は、UVランプの遠位部分であり、空隙が、ハウジングの底板とUVランプの遠位部分との間に設けられる。
【0027】
これによって、影の領域(照射されない吸入空気がハウジングを離れること)を、回避できる。さらに、ハウジングの底板に落下した粒子は、UVランプからのUV照射に曝されることになる。このように、底板上の粒子は、UV照射によって死滅されることになる。
【0028】
1つの実施形態において、UVランプの光照射部分は垂直に延びる。
【0029】
1つの実施形態において、ハウジングは、底部分と、この底部分に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分と、を備える。
【0030】
これによって、ハウジングの内側の構造にアクセスすることが容易になる。これは、保守中及び交換中に有利である。
【0031】
1つの実施形態において、ファンは上部分に配置され、UVランプの光照射部分は、底部分に配置される。これによって、吸入空気をハウジングの上部分の中に導入し、この吸入空気をハウジングの底部分の中に吹き込んで、ハウジングの底部分の中に吹き込まれた空気に、UV照射処置を実行することが可能である。
【0032】
1つの実施形態において、入口穴が上部分に設けられ、その一方で出口穴が底部分に設けられる。これによって、吸入空気を、入口穴を通してハウジングの上部分の中に誘導し、浄化された空気を、出口穴を通してハウジングの底部分から吹き出すことが可能である。このように、空気フローのパターンを、簡単かつ信頼できる方法で、制御することができる。
【0033】
1つの実施形態において、ファンは、水平に向けられた吸入部分と、ファンによって加圧された空気が下方の垂直方向にファンを離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有する。吸入空気が浄化デバイスの上部分に入るので、この吸入空気は、床の高さから粒子を吸い込まずに浄化デバイスの中に入ることになる。浄化された空気は、吸入空気が浄化デバイスに入る高さよりも低い高さにおいて、浄化デバイスを離れることになる。
【0034】
吸入空気が、床の高さから200mmよりも上方で浄化デバイスの上部分に入るので、この浄化デバイスは、床ゾーン、及び床ゾーンの上方200mmに拡がるゾーンは汚染されることになると考慮される北欧の病院で、使用する要件を満たす。
【0035】
1つの実施形態において、吸入空気は、床の高さから400mmよりも上方で、浄化デバイスの上部分に入る。
【0036】
吸入空気は、床の高さから500~700mmの範囲よりも上方で、浄化デバイスの上部分に入る。
【0037】
1つの実施形態において、浄化デバイスの高さは60~100cmである。
【0038】
1つの実施形態において、浄化デバイスの高さは70~90cmである。
【0039】
1つの実施形態において、浄化デバイスの高さは75~85cm、例えば80cmである。
【0040】
1つの実施形態において、浄化デバイスは円筒形で、30~55cmの範囲の径である。
【0041】
1つの実施形態において、浄化デバイスは円筒形で、35~50cmの範囲の径である。
【0042】
1つの実施形態において、浄化デバイスは円筒形で、40~45cmの範囲、例えば42cmの径である。
【0043】
1つの実施形態において、ファンは、600m3/時間までのフローを送達するよう構成される。
【0044】
1つの実施形態において、ファンは、560m3/時間までのフローを送達するよう構成される。
【0045】
1つの実施形態において、追加の層が、フィルタの外側に配置される。
【0046】
1つの実施形態において、この追加の層は活性炭を備える。
【0047】
追加の層が、ハウジングとフィルタとの間に挟まれ、この追加の層が活性炭を備えると、有利となり得る。これによって、活性炭は、吸着剤として作用して、望ましくない臭気を除去することができる。この吸着剤は、活性炭の内側に臭気を捕捉して保持する。さらに、追加の層は、UV光が周囲に逃げるのを防止できる。
【0048】
1つの実施形態において、上部分は粗いフィルタを備える。この粗いフィルタは、上部分の縁の近くで軸方向に延びた、1つまたは複数のフィルタ用軌道に摺動可能に配置される。これによって、粗いフィルタの交換が容易になる。
【0049】
1つの実施形態において、上部分は、粗いフィルタを構成する、2つ、3つ、または4つの別個のフィルタセグメントを備える。これらのフィルタセグメントは、上部分の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。
【0050】
1つの実施形態において、上部分は4つの粗いフィルタセグメントを備え、それらは、上部分の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。
【0051】
1つの実施形態において、浄化デバイスは、空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを備える。
【0052】
1つの実施形態において、粒子センサは、ハウジングの内側に配置される。これによって、粒子センサは、ハウジングに入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0053】
1つの実施形態において、粒子センサは、ハウジングの上部分の内側に配置される。これによって、粒子センサは、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0054】
1つの実施形態において、粒子センサは、ハウジングの底部分の内側に配置される。これによって、粒子センサは、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0055】
1つの実施形態において、浄化デバイスは煙感知器を備える。それによって、浄化デバイスは、火災の場合に、浄化デバイスと同じ部屋にいる人に警告することができる。
【0056】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングに入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0057】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの上部分の内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0058】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの底部分の内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0059】
1つの実施形態において、浄化デバイスは制御ユニットを備える。この制御ユニットは、検出した空気中の粒子のレベルに依拠して、ファンのスピードを制御するよう構成される。
【0060】
1つの実施形態において、制御ユニットは、煙感知器によって成される測定に依拠して、ファンのスピードを制御するよう構成される。
【0061】
1つの実施形態において、制御ユニットは、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファンをオンにするよう構成される。
【0062】
1つの実施形態において、制御ユニットは、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、UVランプをオンにするよう構成される。
【0063】
1つの実施形態において、制御ユニットは、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファン及びUVランプをオンにするよう構成される。
【0064】
1つの実施形態において、制御ユニットは、(粒子センサによって検出された)粒子含有量の検出レベルに依拠して、ファンのスピードを調節するよう構成される。
【0065】
1つの実施形態において、制御ユニットは、ゼロ以外の、2つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するために、ファンのスピードを調整するよう構成される。
【0066】
1つの実施形態において、制御ユニットは、ゼロ以外の、3つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するために、ファンのスピードを調整するよう構成される。
【0067】
1つの実施形態において、制御ユニットは、粒子含有量の検出レベルに基づいて、非段階的にファンのスピードを調整するよう構成される。これは、永久磁石モータ及び周波数変換器を用いて、ファンを適合させることによって成され得る。さらにこれは、考えられる最も小さいエネルギー消費の対策を可能にすることになる。
【0068】
1つの実施形態において、所定の粒子含有量レベルは初期設定量である。しかし別の実施形態において、所定の粒子含有量レベルは、浄化デバイスの制御ユニットを使用することによって、調整することができる。
【0069】
本発明による方法は、吸入空気を殺菌及び濾過するための方法であり、以下のステップを含む:
-ハウジングの内側に配置されたファンによって、吸入空気をハウジングの中に吸い込み、この吸入空気を、ハウジングに設けられたいくつかの入口穴を通してハウジングに入れるステップ;
-浄化された空気を、ファンによって、ハウジングに設けられたいくつかの空気出口穴を通してハウジングから吹き出すステップ;
-ハウジングの内側に配置された紫外線放射ランプによって、吸入空気を照射するステップ;
-吸入空気が浄化された空気としてハウジングを離れる前に、HEPAフィルタによって吸入空気を濾過するステップ、
を含む。
本方法は、隣接する襞間の角度が30°以下で配置された複数の襞を備えたフィルタを適用するステップを含む。
【0070】
このように本方法は、向上した方法で、影響を受けやすい人に曝された空気(例えば病室または介護施設の部屋)を浄化する方法を提供する。したがって、本方法は、影響を受けやすい人が、感染症を発生させるウィルスに感染するリスクを軽減させることを可能にする。
【0071】
1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は28°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は26°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は24°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は22°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は20°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は18°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は16°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は15°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は14°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は12°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は10°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は8°以下である。
【0072】
襞の数は、隣接する襞間の角度と逆相関する。したがって、より多くの襞を適用することによって、隣接する襞間の小さい角度を実現することが可能である。
【0073】
さらに、合計フィルタ面積は襞の数に比例するので、襞の数を増やすことによって合計フィルタ面積を増加させることが可能である。
【0074】
1つの実施形態において、照射はUVランプを使用することによって実行される。UVランプの最下部位置は、UVランプの遠位部分であり、空隙が、ハウジングの底板とUVランプの遠位部分との間に設けられる。
【0075】
これによって、影の領域(照射されない吸入空気がハウジングを離れること)を、回避できる。さらに、ハウジングの底板に落下した粒子は、UVランプからのUV照射に曝されることになる。
【0076】
1つの実施形態において、光照射は、垂直に延びたUVランプを使用することによって実行される。
【0077】
1つの実施形態において、本方法は、底部分と、この底部分に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分と、を備えたハウジングを適用する。
【0078】
1つの実施形態において、本方法は、上部分に配置されたファンを適用するステップを含み、UVランプの光照射部分は、底部分に配置される。
【0079】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの上部分に設けられた入口穴、及びハウジングの底部分に設けられた出口穴、を使用して実行される。
【0080】
1つの実施形態において、本方法は、水平方向に向けられた吸入部分と、ファンによって圧力を加えられた空気が、下方の垂直方向にファンを離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有するファンを適用するステップを含む。
【0081】
1つの実施形態において、本方法は、フィルタの外側に配置された追加の層を適用するステップを含む。
【0082】
1つの実施形態において、本方法は、活性炭を備えた追加の層を適用するステップを含む。
【0083】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングとフィルタとの間に挟まれ、かつ活性炭を備えた追加の層を適用するステップを含む。
【0084】
これによって、活性炭は、吸着剤として作用して、望ましくない臭気を除去することができる。この吸着剤は、活性炭の内側に臭気を閉じ込めて保持する。さらに、追加の層は、UV光が周囲に逃げるのを防止できる。
【0085】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気がファンの中に吸い込まれる前に、吸入空気を濾過するための粗いフィルタを適用するステップを含む。
【0086】
1つの実施形態において、本方法は、空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを適用するステップを含む。
【0087】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの内側に配置された粒子センサを適用するステップを含む。これによって、粒子センサは、ハウジングに入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0088】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの上部分の内側に配置された粒子センサを適用するステップを含む。これによって、粒子センサは、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0089】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの底部分の内側に配置された粒子センサを適用するステップを含む。これによって、粒子センサは、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0090】
本方法は、空気中の煙含有量を検出するために配置された、煙感知器を適用するステップを含む。
【0091】
本方法は、ハウジングの内側に配置された煙感知器を適用するステップを含む。これによって、煙感知器は、ハウジングに入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0092】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの上部分の内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0093】
本方法は、ハウジングの底部分の内側に配置された煙感知器を適用するステップを含む。これによって、煙感知器は、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0094】
1つの実施形態において、本方法は、検出した空気中の粒子のレベルに依拠して、ファンのスピードを制御するステップを含む。
【0095】
1つの実施形態において、本方法は、煙感知器によって成される測定に依拠して、ファンのスピードを制御するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0096】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファンをオンにするよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0097】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、UVランプをオンにするよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0098】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファン及びUVランプをオンにするよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0099】
1つの実施形態において、本方法は、(粒子センサによって検出された)粒子含有量の検出レベルに依拠して、ファンのスピードを調節するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0100】
1つの実施形態において、制御ユニットは、ゼロ以外の、2つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するために、ファンのスピードを調整するよう構成される。
【0101】
1つの実施形態において、本方法は、ゼロ以外の、3つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するための、ファンのスピードを調整するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0102】
1つの実施形態において、本方法は、粒子含有量の検出レベルに基づいて、非段階的にファンのスピードを調整するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。これは、永久磁石モータ及び周波数変換器を用いて、ファンを適合させることによって成され得る。さらにこれは、考えられる最も小さいエネルギー消費の対策を可能にすることになる。
【0103】
1つの実施形態において、所定の粒子含有量レベルは初期設定量である。しかし別の実施形態において、所定の粒子含有量レベルは、浄化デバイスの制御ユニットを使用することによって、調整することができる。
【0104】
本発明は、以下で与えられた「発明を実施するための形態」から、より完全に理解されよう。添付の図面は、例示のみに与えられるため、本発明を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】本発明による空気浄化デバイスの側面斜視図である。
【
図2】
図1に示された浄化デバイスの上部斜視図である。
【
図3A】本発明によるフィルタの概略上面図である。
【
図4】本発明による浄化デバイスのフィルタによって囲まれた、内部空間の一部の、引き伸ばし(拡大)図である。
【
図5】本発明による浄化デバイスの底部分の断面図である。
【
図6】本発明による浄化デバイスが、いかにして粒子センサによって自動的に制御され得るかを例示する、フローチャートである。
【
図7A】時間に応じた濃度を例示するグラフである。
【
図7B】時間に応じた相対濃度を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0106】
次に、本発明の好ましい実施形態を例示する目的の図面を、詳細に参照すると、本発明の空気浄化デバイス2が
図1に示される。
【0107】
図1は、本発明による空気浄化デバイス2の側面斜視図である。空気浄化デバイス2は、底部分16と、底部分16に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分18と、を有するハウジング10を備える。
【0108】
底部分16には、空気浄化デバイス2の可動性を向上させるために、ホイール24が装備される。
【0109】
上部分18は円筒形で、上部分18の頂部に設けられたパネル28を備える。1つの実施形態において、両方はディスプレイ及び1つまたは複数のボタンを備える。
【0110】
上部分18は4つのフィルタセグメントに分離された粗いフィルタ26を備え、それらは、上部分18の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。複数の空気入口穴8は、上部分18の円筒形外面に設けられる。粗いフィルタ26は、所定のサイズ(例えば5~20μm)よりも大きい物体が、上部分18の内部空間に入るのを防止するよう適応される。
【0111】
電気駆動式ファン12は、上部分18の内部空間の内側に配置される。ファン12は、吸入空気4が、ファン12のブレードが回転するシャフトに対して平行である軸方向に、ファン12を通って流れるように設計された、軸流ファンである。ファン12は、水平に向けられた吸入部分と、ファン12によって加圧された空気が下方の垂直方向にファン12を離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有する。
【0112】
底部分16は、包囲する円筒形の高効率粒子空気(HEPA)フィルタによって画定された、内部空間22を備える。紫外線放射ランプ14は、内部空間22で中央に配置される。好ましい実施形態において、紫外線放射ランプ14は殺菌ランプ(紫外線Cランプ)である。これは、紫外線Cランプ(100~280nmの波長範囲)が細菌、ウィルス、及び原虫を死滅させて不活性化するので、有利となり得る。
【0113】
UVCランプ14は、底部分16の内部空間22に流れ込む吸入空気4を照射するよう、配置される。このように、UVCランプ14は、底部分16の内部空間22に流れ込む吸入空気4を殺菌できる。
【0114】
浄化デバイスは、空気入口穴8を通して吸入空気4を受入れ、この吸入空気4がフィルタ20を流れ抜けて、ハウジング10に設けられた空気出口穴8’を通して底部分16を離れるよう、構成される。上部分18において、4つの粗いフィルタセグメント26は、上部分の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。
【0115】
図2は、
図1に示された浄化デバイス2の上部斜視図を例示する。浄化デバイス2は、浄化デバイス2を電気供給源に電気接続するための電気プラグ30を備えることが、確認できる。これによって、浄化デバイス2のハウジング10の内側におけるファンに、電力を供給することができる。上部分には、複数の空気入口穴8が設けられることが、確認できる。底部分には、複数の空気出口穴8’が設けられることが、確認できる。
【0116】
図3Aは、本発明によるフィルタ20の概略上面図を例示する。フィルタ20は、複数の襞を備える。
【0117】
図3Bは、
図3Aに示されたフィルタ20の拡大図を例示し、
図3Cは、先行技術のフィルタ20’を例示する。
図3Bに示された、空気フロー方向42と、フィルタ20の隣接した襞32の側部分との間の角度αは、
図3Cに示された先行技術のフィルタ20における、空気フロー方向42と、隣接した襞32の側部分との間の角度βよりも小さい。さらに、本発明による浄化デバイス2における、フィルタ20の隣接した襞32間の角度θは、
図3Cに示された先行技術の、フィルタ20の隣接した襞32間の角度ωよりも小さい。
【0118】
小さい鋭角θのため、フィルタ20の保持能力は、
図3Cに示された先行技術のフィルタと比較して、増加した数の襞32を有することで増加される。
【0119】
1つの実施形態において、角度θは30°以下である。
【0120】
1つの実施形態において、角度θは28°以下である。1つの実施形態において、角度θは26°以下である。1つの実施形態において、角度θは24°以下である。1つの実施形態において、角度θは22°以下である。1つの実施形態において、角度θは20°以下である。1つの実施形態において、角度θは18°以下である。1つの実施形態において、角度θは16°以下である。1つの実施形態において、角度θは14°以下である。1つの実施形態において、角度θは12°以下である。1つの実施形態において、角度θは10°以下である。1つの実施形態において、角度θは8°以下である。襞32の数は、角度θと逆相関する。したがって、より多くの襞32を適用することによって、小さい角度θを実現することが可能である。
【0121】
さらに、合計フィルタ面積は、襞32の数に比例する。したがって、襞32の数を増やすことによって、合計フィルタ面積を増加させることが可能である。
【0122】
図4は、本発明による浄化デバイスのフィルタ20によって囲まれた、内部空間の一部の、引き伸ばし拡大図を例示する。フィルタ20が、貫通開口部38を備えることが確認できる。貫通開口部38は、内部空間の内側で大きいサイズのウィルス粒子を保持して、小さいサイズの粒子が、貫通開口部38を通してフィルタ20を通過するのを可能にするよう、構成される。
【0123】
多くのウィルス粒子36は、貫通開口部38への入口近くに位置付けられる。ウィルス粒子36は、ウィルス粒子36及び粘液を含んだ雲形構成34で、相互接続及び配置される。それによって、雲形構成34は、個々のウィルス粒子36のサイズが、貫通開口部38の幅Dよりも小さくても、貫通開口部38を抜けて逃げることはできない。実際、ウィルス粒子36及び粘液を備えた雲形構成34は、フィルタ20の内面に固着することになる。
【0124】
ウィルス粒子36は、内部空間に存在する空気及び粒子を照射するよう配置された、UV(好ましくはUVC)ランプからのUV光で、照射される。ウィルス粒子36は、フィルタ20の内面によって画定された空間の内側で捕捉されるので、紫外線(UV)光50によってウィルス粒子36を死滅させるために利用できる、十分な時間が存在する。
【0125】
図5は、本発明による浄化デバイス2の底部分の断面図である。浄化デバイス2は、浄化された空気6が浄化デバイス2を離れるのを可能にする、複数の空気出口穴8’が設けられた、ハウジング10を備える。
【0126】
浄化デバイス2は、吸入空気4を、浄化デバイス2の底部分における内部空間の中に、下方に吹き込むよう構成される。吸入空気4が浄化デバイス2の上部分に入るので、この吸入空気4は、通常は床の高さから粒子を吸い込まずに浄化デバイス2の中に入ることになる。浄化された空気6は、吸入空気4が浄化デバイス2に入る高さよりも低い高さにおいて、浄化デバイス2を離れる。
【0127】
浄化デバイス2は、浄化デバイス2の底部分における内部空間22の中に流れ込む吸入空気4を、照射するよう構成された、UV光源(好ましくはUVCランプ)14を備える。これによって、浄化デバイス2の底部分における内部空間22の、内側の吸入空気を、殺菌することが可能である。
【0128】
浄化デバイス2は、HEPAフィルタ20を備える。HEPAフィルタ20は、小さい角度α(例えば
図3Bを参照して示され説明したように、15°以下)、及び大きい合計フィルタ面積を実現するために、(
図3Bを参照した説明のように)多くの数の襞を有する。
【0129】
UVランプ14の最下部位置は、UVランプ14の遠位部分であり、ハウジング10の底板44の上方に距離がおかれる。したがって、空隙44が、ハウジング10の底板46と、UVランプ14の遠位部分との間に設けられる。ホイールは、底板46に回転可能に装着される。
【0130】
追加の層40は、任意選択で、フィルタ20の外側に配置され得る。1つの実施形態において、追加の層40は、活性炭を備えた層であってもよい。活性炭は、吸着剤として作用して、望ましくない臭気を除去することができる。この吸着剤は、活性炭の内側に臭気を捕捉して保持する。
【0131】
さらに追加の層40は、UV光50が、周囲へ逃げるのを防止し得る。
【0132】
好ましい実施形態において、追加の層40は、ハウジング10とフィルタ20との間に挟まれた追加の層40であり、この追加の層40は活性炭を備える。
【0133】
図6は、本発明による浄化デバイスが、いかにして粒子センサによって自動的に制御され得るかを例示する、フローチャートである。
【0134】
初めに、浄化デバイスがオンにされる。1つの実施形態において、浄化デバイスの粒子センサは、初期設定としてオンにされる。1つの実施形態において、浄化デバイスの粒子センサはオンにされ、オフにすることはできない。
【0135】
浄化デバイスの粒子センサは、吸入空気の粒子含有量を測定するよう構成される。吸入空気の粒子含有量が、所定のレベルを超過した場合、浄化デバイスのファンはオンにされる(または、ファンが既にオンにされている場合、オンのままにされる)。
【0136】
他方で、吸入空気の粒子含有量が、所定のレベルを超過しない場合、浄化デバイスのファンはオフにされる(または、ファンが既にオフにされている場合、オフのままにされる)。
【0137】
1つの実施形態において、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファン及びUVランプの両方はオンにされる。
【0138】
1つの実施形態において、ファンのスピードは、粒子含有量の検出レベルに依拠して選択される。
【0139】
1つの実施形態において、ファンのスピードを、ゼロ以外の、2つ以上の所定のレベルに設定することができる。
【0140】
1つの実施形態において、ファンのスピードを、ゼロ以外の、3つ以上の所定のレベルに設定することができる。
【0141】
1つの実施形態において、ファンのスピードは、粒子含有量の検出レベルに基づいて、無段階に調整できる。これは、永久磁石モータ及び周波数変換器を用いて、ファンを適合させることによって成され得る。さらにこれは、考えられる最も小さいエネルギー消費の対策を可能にすることになる。
【0142】
1つの実施形態において、所定の粒子含有量レベルは初期設定量である。しかし別の実施形態において、所定の粒子含有量レベルは、浄化デバイスの制御ユニットを使用することによって、調整することができる。
【0143】
図7A及び
図7Bは、活性エアロゾル化されたエメスウィルスジンデリ(Emesvirus zinderi:MS2)バクテリオファージの濃度を減少させるための、本発明(空気浄化デバイス)の有効性を判断する目的で、修正されたISO 16000-36:2018 methodを使用して、デンマーク国技術協会(Danish Technologic Institute)によって実施された研究結果を表わすグラフを示す。
【0144】
図7Aは、製品試験及び基準実験の、経時的な活性MS2濃度を表わすグラフを示す。y軸の目盛は対数である。
【0145】
30分後に、空気浄化デバイスは、活性エアロゾル化されたMS2バクテリオファージの濃度を、検出制限を下回るまで減少させられることが認められる。
【0146】
図7Bは、相対濃度が時間に対してプロットされたグラフを示す。減少率は、ISO 16000-36:2018 section8.3に記載されるように計算される。
【0147】
相対濃度の変化は、ほぼ100%であることが認められる。
【0148】
特に、この研究は、15分における減少率は99.98%、及び30分における減少率は99.99%であると、結論付けている。
【0149】
図8は、空気浄化機であるUV-C光分解システムの殺ウィルス作用を判断するための、試験結果の表を示す。
【0150】
試験において、ウィルスは、デバイスがエアロゾル化されたMS2バクテリオファージを空気から除去した際に、デバイスのHEPAフィルタで捕捉され、その後ウィルスは、デバイスの内側にあるUV-C光に曝された。この試験は、ウィルスを空気から除去した後のフィルタにおいて、ウィルスが活性を保つかどうかを調べるよう設計されている。
【0151】
サンプルは、空気浄化が30分間作動した前後に取られた。この試験は、
図7A及び
図7Bに示された他の試験の後に実施された。
【0152】
サンプルは、デンマーク国技術協会の方法:MIA-216に従って分析された。
【0153】
(本発明の)空気浄化デバイスの使用後30分で、ウィルス量は、検出制限を下回るまで減少した。
【0154】
これによって、有効な浄化が、フィルタ及び周囲の空気の両方について行なわれ、本発明によって提供された解決策の驚くべき有効性を証明することが、認められた。
【0155】
これによって、本発明は、ウィルス粒子の空気浄化のための有効な手段を提供し、さらに人による保守を実施するのに安全なデバイスを提供する。
【0156】
図9は試験に使用した設定を示す。この試験は、20m
3の容量を有する気密室で実施された。部屋に配置された噴霧器54が、エアロゾルを生成するために使用された。撹拌用ファン52が、空気循環を提供するために、部屋に設置された。浄化デバイス2は、部屋内の床上の中央に配置され、サンプリングポイント56は、部屋の壁に位置された。
【符号の説明】
【0157】
2 浄化デバイス
4 吸入空気
6 浄化された空気
8 空気入口穴
8’ 空気出口穴
10 ハウジング
12 ファン
14 紫外線放射ランプ
16 底部分
18 上部分
20 フィルタ
22 内部空間(エンクロージャ)
24 ホイール
26 粗いフィルタ
28 制御パネル
30 電気プラグ
32 襞
34 雲形構成
36 ウィルス粒子
38 貫通開口部
40 追加の層
42 空気フロー方向
44 空隙
46 底板
50 紫外線(UV)光
52 撹拌用ファン
54 噴霧器
56 サンプリングポート
α、β、θ、ω 角度
D 幅
【手続補正書】
【提出日】2023-03-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気浄化デバイスに関する。本発明は、より詳細には移動可能な空気浄化デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
急激な都市化を伴い構成される人口増加は、細菌及びウィルスが急激に拡がる可能性を増幅する。したがって、影響を受けやすい入院患者及び介護施設の住人が感染するリスクを排除するために、空気の浄化及び殺菌の必要性は増している。コロナウィルス感染症COVID-19は、影響を受けやすい老人または入院患者、ならびに介護施設の住人に、様々な病気に焦点を合わせて、感染するリスクをもたらしている。
【0003】
したがって、コロナウィルス感染症COVID-19を発生させるコロナウィルスなどのウィルスに、影響を受けやすい人が感染するリスクを軽減させることができる、空気浄化デバイスの必要性が存在する。
【0004】
ほとんどのウィルスは、20~400nmの径で変化する。したがって、多くの先行技術の空気浄化デバイスが、高効率粒子空気(HEPA)フィルタなど、効率基準の空気フィルタを備えるが、これらの浄化デバイスは、ウィルスが小さいサイズであるために、効果的にウィルスを殺菌することはできない。したがって、先行技術の空気浄化デバイスを、浮遊またはエアロゾル化した病原菌から守るために使用することはできない。
【0005】
HEPA基準を満たすフィルタは、フィルタを通過する空気から、径が0.3μmと等しい粒子の、少なくとも99.95%(欧州規格)または99.97%(米国機械学会、米国エネルギー省)それぞれについて除去しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ウィルスを含んだ空気を効果的に浄化でき、それによって影響を受けやすい人が、感染症を発生させるウィルスに感染するリスクを軽減させることができる、空気浄化デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目標は、請求項1で定義した浄化ユニットによって、及び請求項12で定義した方法によって、実現させることができる。好ましい実施形態は従属請求項で定義され、以下の記載で説明し、添付の図面に例示する。
【0008】
本発明による浄化デバイスは、吸入空気を殺菌及び濾過するための浄化デバイスであり:
-吸入空気が入るのを可能にするための、いくつかの入口穴、及び浄化デバイスによって浄化された空気が離れるのを可能にするための、いくつかの出口穴、が設けられたハウジングと;
-このハウジングの内側に配置され、吸入空気をハウジングの中に吸い込んで、浄化された空気をハウジングから吹き出す、ファンと;
-ハウジングの内側に配置され、吸入空気を照射する、紫外線放射ランプと;
-この紫外線放射ランプを囲み、吸入空気が浄化された空気としてハウジングを離れる前に、吸入空気を濾過するよう配置され、隣接する襞間の角度が30°以下で配置された複数の襞を備えた、高効率粒子空気(HEPA)フィルタであって、浄化デバイスは、吸入空気を径方向にハウジングの中に吸い込むよう配置及び構成され、吸入空気は床の上方における第1の所定の距離で吸い込まれ、さらに、浄化された空気は、床の上方における、第1の距離よりも短い第2の所定の距離でハウジングから離れる、高効率粒子空気(HEPA)フィルタと、
を備える。
【0009】
小さい鋭角θのため、フィルタの保持能力を増加させることができる。したがって、浄化デバイスは、ウィルスを含んだ空気の、より効率的な浄化を提供する。このように、(例えば病室または介護室において)影響を受けやすい人に曝される空気を浄化する、浄化デバイスを使用することによって、影響を受けやすい人が感染症を発生させるウィルスに感染するリスクを、軽減させることが可能である。
【0010】
1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は28°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は26°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は24°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は22°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は20°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は18°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は16°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は15°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は14°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は12°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は10°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は8°以下である。
【0011】
襞の数は、隣接する襞間の角度と逆相関する。したがって、多くの数の襞を適用することによって、隣接する襞間の小さい角度を実現することが可能である。
【0012】
さらに、合計フィルタ面積は、襞の数に比例する。したがって、襞の数を増やすことによって、合計フィルタ面積を増加させることが可能である。大きいフィルタ面積を有することが有利である。なぜなら、濾過能力(最大流速)は、フィルタ面積に比例するからである。
【0013】
隣接する襞間の小さい角度は、ウィルスがHEPAフィルタの内面に固着するのを可能にする。フィルタが紫外線放射ランプを囲むので、紫外線放射を照射することによって、ウィルスを排除するための多くの時間が存在する。したがって、この浄化ユニットは、ウィルス粒子を、フィルタで囲まれた空間内に保持して、ウィルス粒子を死滅させる紫外線放射を用いてウィルス粒子を照射するための、独特の能力を有する。
【0014】
フィルタは、いかなるウィルス粒子もフィルタを通過させないので、かつ、フィルタの内面に存在する、いかなるウィルス粒子も、紫外線放射ランプからの放射によって殺されるので、(保守中に)フィルタを交換する必要があるとき、フィルタはウィルス粒子を含まない。したがって、サービス要員は、フィルタを交換するときに、防護服またはバイオハザード防護服を着用する必要はない。さらに、サービス要員は、感染するリスクなしでフィルタを取り外すことができる。フィルタは、浄化デバイスをオフにしたときに、いかなるウィルス粒子も含まないことになる。したがって、浄化デバイスを、ある部屋から別の部屋へ移動させることは安全である。
【0015】
ウィルス粒子を、フィルタで囲まれた空間内に保持して、ウィルス粒子を死滅させる紫外線放射を用いてウィルス粒子を照射するための独特の能力は、驚くべき有効性の向上をもたらす。試験プロトコルは、このデバイスが、部屋のウィルス浮遊粒子の数を、15分後に99.98%低減することができること、及び30分後にはウィルス粒子を検出できないこと、を示す。
【0016】
HEPAフィルタは、15分後に検出制限を下回るウィルス量を有することも確認することができる。このように本発明は、領域を確実に浄化し、かつ保守を実施する要員の安全を確保する、効率的な方法を提供する。
【0017】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、20cm未満である。
【0018】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、18cm未満である。
【0019】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、16cm未満である。
【0020】
1つの実施形態において、UVランプ、及びHEPAフィルタの内側部分からの距離は、14cm未満である。
【0021】
1つの実施形態において、ハウジングは円筒形である。
【0022】
1つの実施形態において、ハウジングは箱形である。
【0023】
1つの実施形態において、HEPAフィルタ面積は2平方メートル以上である。
【0024】
1つの実施形態において、HEPAフィルタ面積は3平方メートル以上である。
【0025】
1つの実施形態において、HEPAフィルタ面積は4平方メートル以上である。
【0026】
1つの実施形態において、UVランプの最下部位置は、UVランプの遠位部分であり、空隙が、ハウジングの底板とUVランプの遠位部分との間に設けられる。
【0027】
これによって、影の領域(照射されない吸入空気がハウジングを離れること)を、回避できる。さらに、ハウジングの底板に落下した粒子は、UVランプからのUV照射に曝されることになる。このように、底板上の粒子は、UV照射によって死滅されることになる。
【0028】
1つの実施形態において、UVランプの光照射部分は垂直に延びる。
【0029】
1つの実施形態において、ハウジングは、底部分と、この底部分に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分と、を備える。
【0030】
これによって、ハウジングの内側の構造にアクセスすることが容易になる。これは、保守中及び交換中に有利である。
【0031】
1つの実施形態において、ファンは上部分に配置され、UVランプの光照射部分は、底部分に配置される。これによって、吸入空気をハウジングの上部分の中に導入し、この吸入空気をハウジングの底部分の中に吹き込んで、ハウジングの底部分の中に吹き込まれた空気に、UV照射処置を実行することが可能である。
【0032】
1つの実施形態において、入口穴が上部分に設けられ、その一方で出口穴が底部分に設けられる。これによって、吸入空気を、入口穴を通してハウジングの上部分の中に誘導し、浄化された空気を、出口穴を通してハウジングの底部分から吹き出すことが可能である。このように、空気フローのパターンを、簡単かつ信頼できる方法で、制御することができる。
【0033】
1つの実施形態において、ファンは、水平に向けられた吸入部分と、ファンによって加圧された空気が下方の垂直方向にファンを離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有する。吸入空気が浄化デバイスの上部分に入るので、この吸入空気は、床の高さから粒子を吸い込まずに浄化デバイスの中に入ることになる。浄化された空気は、吸入空気が浄化デバイスに入る高さよりも低い高さにおいて、浄化デバイスを離れることになる。
【0034】
吸入空気が、床の高さから200mmよりも上方で浄化デバイスの上部分に入るので、この浄化デバイスは、床ゾーン、及び床ゾーンの上方200mmに拡がるゾーンは汚染されることになると考慮される北欧の病院で、使用する要件を満たす。
【0035】
1つの実施形態において、吸入空気は、床の高さから400mmよりも上方で、浄化デバイスの上部分に入る。
【0036】
吸入空気は、床の高さから500~700mmの範囲よりも上方で、浄化デバイスの上部分に入る。
【0037】
1つの実施形態において、浄化デバイスの高さは60~100cmである。
【0038】
1つの実施形態において、浄化デバイスの高さは70~90cmである。
【0039】
1つの実施形態において、浄化デバイスの高さは75~85cm、例えば80cmである。
【0040】
1つの実施形態において、浄化デバイスは円筒形で、30~55cmの範囲の径である。
【0041】
1つの実施形態において、浄化デバイスは円筒形で、35~50cmの範囲の径である。
【0042】
1つの実施形態において、浄化デバイスは円筒形で、40~45cmの範囲、例えば42cmの径である。
【0043】
1つの実施形態において、ファンは、600m3/時間までのフローを送達するよう構成される。
【0044】
1つの実施形態において、ファンは、560m3/時間までのフローを送達するよう構成される。
【0045】
1つの実施形態において、追加の層が、フィルタの外側に配置される。
【0046】
1つの実施形態において、この追加の層は活性炭を備える。
【0047】
追加の層が、ハウジングとフィルタとの間に挟まれ、この追加の層が活性炭を備えると、有利となり得る。これによって、活性炭は、吸着剤として作用して、望ましくない臭気を除去することができる。この吸着剤は、活性炭の内側に臭気を捕捉して保持する。さらに、追加の層は、UV光が周囲に逃げるのを防止できる。
【0048】
1つの実施形態において、上部分は粗いフィルタを備える。この粗いフィルタは、上部分の縁の近くで軸方向に延びた、1つまたは複数のフィルタ用軌道に摺動可能に配置される。これによって、粗いフィルタの交換が容易になる。
【0049】
1つの実施形態において、上部分は、粗いフィルタを構成する、2つ、3つ、または4つの別個のフィルタセグメントを備える。これらのフィルタセグメントは、上部分の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。
【0050】
1つの実施形態において、上部分は4つの粗いフィルタセグメントを備え、それらは、上部分の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。
【0051】
1つの実施形態において、浄化デバイスは、空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを備える。
【0052】
1つの実施形態において、粒子センサは、ハウジングの内側に配置される。これによって、粒子センサは、ハウジングに入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0053】
1つの実施形態において、粒子センサは、ハウジングの上部分の内側に配置される。これによって、粒子センサは、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0054】
1つの実施形態において、粒子センサは、ハウジングの底部分の内側に配置される。これによって、粒子センサは、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0055】
1つの実施形態において、浄化デバイスは煙感知器を備える。それによって、浄化デバイスは、火災の場合に、浄化デバイスと同じ部屋にいる人に警告することができる。
【0056】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングに入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0057】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの上部分の内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0058】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの底部分の内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0059】
1つの実施形態において、浄化デバイスは制御ユニットを備える。この制御ユニットは、検出した空気中の粒子のレベルに依拠して、ファンのスピードを制御するよう構成される。
【0060】
1つの実施形態において、制御ユニットは、煙感知器によって成される測定に依拠して、ファンのスピードを制御するよう構成される。
【0061】
1つの実施形態において、制御ユニットは、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファンをオンにするよう構成される。
【0062】
1つの実施形態において、制御ユニットは、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、UVランプをオンにするよう構成される。
【0063】
1つの実施形態において、制御ユニットは、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファン及びUVランプをオンにするよう構成される。
【0064】
1つの実施形態において、制御ユニットは、(粒子センサによって検出された)粒子含有量の検出レベルに依拠して、ファンのスピードを調節するよう構成される。
【0065】
1つの実施形態において、制御ユニットは、ゼロ以外の、2つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するために、ファンのスピードを調整するよう構成される。
【0066】
1つの実施形態において、制御ユニットは、ゼロ以外の、3つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するために、ファンのスピードを調整するよう構成される。
【0067】
1つの実施形態において、制御ユニットは、粒子含有量の検出レベルに基づいて、非段階的にファンのスピードを調整するよう構成される。これは、永久磁石モータ及び周波数変換器を用いて、ファンを適合させることによって成され得る。さらにこれは、考えられる最も小さいエネルギー消費の対策を可能にすることになる。
【0068】
1つの実施形態において、所定の粒子含有量レベルは初期設定量である。しかし別の実施形態において、所定の粒子含有量レベルは、浄化デバイスの制御ユニットを使用することによって、調整することができる。
【0069】
本発明による方法は、吸入空気を殺菌及び濾過するための方法であり、以下のステップを含む:
-ハウジングの内側に配置されたファンによって、吸入空気をハウジングの中に吸い込み、この吸入空気を、ハウジングに設けられたいくつかの入口穴を通してハウジングに入れるステップ;
-浄化された空気を、ファンによって、ハウジングに設けられたいくつかの空気出口穴を通してハウジングから吹き出すステップ;
-ハウジングの内側に配置された紫外線放射ランプによって、吸入空気を照射するステップ;
-吸入空気が浄化された空気としてハウジングを離れる前に、HEPAフィルタによって吸入空気を濾過するステップ、
を含む。
本方法は、隣接した襞間の角度が30°以下で配置された複数の襞を備えたフィルタを適用するステップを含み、本方法は、吸入空気を径方向にハウジングの中に吸い込むよう配置及び構成された、浄化デバイスを適用するステップを含み、吸入空気は、床の上方における第1の距離で吸い込まれ、さらに、浄化された空気は、床の上方における、第1の距離よりも短い第2の所定の距離で、ハウジングから離れる。
【0070】
このように本方法は、向上した方法で、影響を受けやすい人に曝された空気(例えば病室または介護施設の部屋)を浄化する方法を提供する。したがって、本方法は、影響を受けやすい人が、感染症を発生させるウィルスに感染するリスクを軽減させることを可能にする。
【0071】
1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は28°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は26°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は24°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は22°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は20°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は18°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は16°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は15°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は14°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は12°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は10°である。1つの実施形態において、隣接する襞間の角度は8°以下である。
【0072】
襞の数は、隣接する襞間の角度と逆相関する。したがって、より多くの襞を適用することによって、隣接する襞間の小さい角度を実現することが可能である。
【0073】
さらに、合計フィルタ面積は襞の数に比例するので、襞の数を増やすことによって合計フィルタ面積を増加させることが可能である。
【0074】
1つの実施形態において、照射はUVランプを使用することによって実行される。UVランプの最下部位置は、UVランプの遠位部分であり、空隙が、ハウジングの底板とUVランプの遠位部分との間に設けられる。
【0075】
これによって、影の領域(照射されない吸入空気がハウジングを離れること)を、回避できる。さらに、ハウジングの底板に落下した粒子は、UVランプからのUV照射に曝されることになる。
【0076】
1つの実施形態において、光照射は、垂直に延びたUVランプを使用することによって実行される。
【0077】
1つの実施形態において、本方法は、底部分と、この底部分に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分と、を備えたハウジングを適用する。
【0078】
1つの実施形態において、本方法は、上部分に配置されたファンを適用するステップを含み、UVランプの光照射部分は、底部分に配置される。
【0079】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの上部分に設けられた入口穴、及びハウジングの底部分に設けられた出口穴、を使用して実行される。
【0080】
1つの実施形態において、本方法は、水平方向に向けられた吸入部分と、ファンによって圧力を加えられた空気が、下方の垂直方向にファンを離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有するファンを適用するステップを含む。
【0081】
1つの実施形態において、本方法は、フィルタの外側に配置された追加の層を適用するステップを含む。
【0082】
1つの実施形態において、本方法は、活性炭を備えた追加の層を適用するステップを含む。
【0083】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングとフィルタとの間に挟まれ、かつ活性炭を備えた追加の層を適用するステップを含む。
【0084】
これによって、活性炭は、吸着剤として作用して、望ましくない臭気を除去することができる。この吸着剤は、活性炭の内側に臭気を閉じ込めて保持する。さらに、追加の層は、UV光が周囲に逃げるのを防止できる。
【0085】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気がファンの中に吸い込まれる前に、吸入空気を濾過するための粗いフィルタを適用するステップを含む。
【0086】
1つの実施形態において、本方法は、空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを適用するステップを含む。
【0087】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの内側に配置された粒子センサを適用するステップを含む。これによって、粒子センサは、ハウジングに入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0088】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの上部分の内側に配置された粒子センサを適用するステップを含む。これによって、粒子センサは、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0089】
1つの実施形態において、本方法は、ハウジングの底部分の内側に配置された粒子センサを適用するステップを含む。これによって、粒子センサは、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、粒子のレベルを検出することができる。
【0090】
本方法は、空気中の煙含有量を検出するために配置された、煙感知器を適用するステップを含む。
【0091】
本方法は、ハウジングの内側に配置された煙感知器を適用するステップを含む。これによって、煙感知器は、ハウジングに入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0092】
1つの実施形態において、煙感知器は、ハウジングの上部分の内側に配置される。これによって、煙感知器は、ハウジングの上部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0093】
本方法は、ハウジングの底部分の内側に配置された煙感知器を適用するステップを含む。これによって、煙感知器は、ハウジングの底部分に入ってくる吸入空気の、煙のレベルを検出することができる。
【0094】
1つの実施形態において、本方法は、検出した空気中の粒子のレベルに依拠して、ファンのスピードを制御するステップを含む。
【0095】
1つの実施形態において、本方法は、煙感知器によって成される測定に依拠して、ファンのスピードを制御するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0096】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファンをオンにするよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0097】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、UVランプをオンにするよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0098】
1つの実施形態において、本方法は、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファン及びUVランプをオンにするよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0099】
1つの実施形態において、本方法は、(粒子センサによって検出された)粒子含有量の検出レベルに依拠して、ファンのスピードを調節するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0100】
1つの実施形態において、制御ユニットは、ゼロ以外の、2つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するために、ファンのスピードを調整するよう構成される。
【0101】
1つの実施形態において、本方法は、ゼロ以外の、3つ以上の所定のレベルのうち1つを採用するための、ファンのスピードを調整するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。
【0102】
1つの実施形態において、本方法は、粒子含有量の検出レベルに基づいて、非段階的にファンのスピードを調整するよう構成された制御ユニットを、適用するステップを含む。これは、永久磁石モータ及び周波数変換器を用いて、ファンを適合させることによって成され得る。さらにこれは、考えられる最も小さいエネルギー消費の対策を可能にすることになる。
【0103】
1つの実施形態において、所定の粒子含有量レベルは初期設定量である。しかし別の実施形態において、所定の粒子含有量レベルは、浄化デバイスの制御ユニットを使用することによって、調整することができる。
【0104】
本発明は、以下で与えられた「発明を実施するための形態」から、より完全に理解されよう。添付の図面は、例示のみに与えられるため、本発明を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【
図1】本発明による空気浄化デバイスの側面斜視図である。
【
図2】
図1に示された浄化デバイスの上部斜視図である。
【
図3A】本発明によるフィルタの概略上面図である。
【
図4】本発明による浄化デバイスのフィルタによって囲まれた、内部空間の一部の、引き伸ばし(拡大)図である。
【
図5】本発明による浄化デバイスの底部分の断面図である。
【
図6】本発明による浄化デバイスが、いかにして粒子センサによって自動的に制御され得るかを例示する、フローチャートである。
【
図7A】時間に応じた濃度を例示するグラフである。
【
図7B】時間に応じた相対濃度を例示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0106】
次に、本発明の好ましい実施形態を例示する目的の図面を、詳細に参照すると、本発明の空気浄化デバイス2が
図1に示される。
【0107】
図1は、本発明による空気浄化デバイス2の側面斜視図である。空気浄化デバイス2は、底部分16と、底部分16に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分18と、を有するハウジング10を備える。
【0108】
底部分16には、空気浄化デバイス2の可動性を向上させるために、ホイール24が装備される。
【0109】
上部分18は円筒形で、上部分18の頂部に設けられたパネル28を備える。1つの実施形態において、両方はディスプレイ及び1つまたは複数のボタンを備える。
【0110】
上部分18は4つのフィルタセグメントに分離された粗いフィルタ26を備え、それらは、上部分18の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。複数の空気入口穴8は、上部分18の円筒形外面に設けられる。粗いフィルタ26は、所定のサイズ(例えば5~20μm)よりも大きい物体が、上部分18の内部空間に入るのを防止するよう適応される。
【0111】
電気駆動式ファン12は、上部分18の内部空間の内側に配置される。ファン12は、吸入空気4が、ファン12のブレードが回転するシャフトに対して平行である軸方向に、ファン12を通って流れるように設計された、軸流ファンである。ファン12は、水平に向けられた吸入部分と、ファン12によって加圧された空気が下方の垂直方向にファン12を離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有する。
【0112】
底部分16は、包囲する円筒形の高効率粒子空気(HEPA)フィルタによって画定された、内部空間22を備える。紫外線放射ランプ14は、内部空間22で中央に配置される。好ましい実施形態において、紫外線放射ランプ14は殺菌ランプ(紫外線Cランプ)である。これは、紫外線Cランプ(100~280nmの波長範囲)が細菌、ウィルス、及び原虫を死滅させて不活性化するので、有利となり得る。
【0113】
UVCランプ14は、底部分16の内部空間22に流れ込む吸入空気4を照射するよう、配置される。このように、UVCランプ14は、底部分16の内部空間22に流れ込む吸入空気4を殺菌できる。
【0114】
浄化デバイスは、空気入口穴8を通して吸入空気4を受入れ、この吸入空気4がフィルタ20を流れ抜けて、ハウジング10に設けられた空気出口穴8’を通して底部分16を離れるよう、構成される。上部分18において、4つの粗いフィルタセグメント26は、上部分の縁の近くで軸方向に延びたフィルタ用軌道に、摺動可能に配置される。
【0115】
図2は、
図1に示された浄化デバイス2の上部斜視図を例示する。浄化デバイス2は、浄化デバイス2を電気供給源に電気接続するための電気プラグ30を備えることが、確認できる。これによって、浄化デバイス2のハウジング10の内側におけるファンに、電力を供給することができる。上部分には、複数の空気入口穴8が設けられることが、確認できる。底部分には、複数の空気出口穴8’が設けられることが、確認できる。
【0116】
図3Aは、本発明によるフィルタ20の概略上面図を例示する。フィルタ20は、複数の襞を備える。
【0117】
図3Bは、
図3Aに示されたフィルタ20の拡大図を例示し、
図3Cは、先行技術のフィルタ20’を例示する。
図3Bに示された、空気フロー方向42と、フィルタ20の隣接した襞32の側部分との間の角度αは、
図3Cに示された先行技術のフィルタ20における、空気フロー方向42と、隣接した襞32の側部分との間の角度βよりも小さい。さらに、本発明による浄化デバイス2における、フィルタ20の隣接した襞32間の角度θは、
図3Cに示された先行技術の、フィルタ20の隣接した襞32間の角度ωよりも小さい。
【0118】
小さい鋭角θのため、フィルタ20の保持能力は、
図3Cに示された先行技術のフィルタと比較して、増加した数の襞32を有することで増加される。
【0119】
1つの実施形態において、角度θは30°以下である。
【0120】
1つの実施形態において、角度θは28°以下である。1つの実施形態において、角度θは26°以下である。1つの実施形態において、角度θは24°以下である。1つの実施形態において、角度θは22°以下である。1つの実施形態において、角度θは20°以下である。1つの実施形態において、角度θは18°以下である。1つの実施形態において、角度θは16°以下である。1つの実施形態において、角度θは14°以下である。1つの実施形態において、角度θは12°以下である。1つの実施形態において、角度θは10°以下である。1つの実施形態において、角度θは8°以下である。襞32の数は、角度θと逆相関する。したがって、より多くの襞32を適用することによって、小さい角度θを実現することが可能である。
【0121】
さらに、合計フィルタ面積は、襞32の数に比例する。したがって、襞32の数を増やすことによって、合計フィルタ面積を増加させることが可能である。
【0122】
図4は、本発明による浄化デバイスのフィルタ20によって囲まれた、内部空間の一部の、引き伸ばし拡大図を例示する。フィルタ20が、貫通開口部38を備えることが確認できる。貫通開口部38は、内部空間の内側で大きいサイズのウィルス粒子を保持して、小さいサイズの粒子が、貫通開口部38を通してフィルタ20を通過するのを可能にするよう、構成される。
【0123】
多くのウィルス粒子36は、貫通開口部38への入口近くに位置付けられる。ウィルス粒子36は、ウィルス粒子36及び粘液を含んだ雲形構成34で、相互接続及び配置される。それによって、雲形構成34は、個々のウィルス粒子36のサイズが、貫通開口部38の幅Dよりも小さくても、貫通開口部38を抜けて逃げることはできない。実際、ウィルス粒子36及び粘液を備えた雲形構成34は、フィルタ20の内面に固着することになる。
【0124】
ウィルス粒子36は、内部空間に存在する空気及び粒子を照射するよう配置された、UV(好ましくはUVC)ランプからのUV光で、照射される。ウィルス粒子36は、フィルタ20の内面によって画定された空間の内側で捕捉されるので、紫外線(UV)光50によってウィルス粒子36を死滅させるために利用できる、十分な時間が存在する。
【0125】
図5は、本発明による浄化デバイス2の底部分の断面図である。浄化デバイス2は、浄化された空気6が浄化デバイス2を離れるのを可能にする、複数の空気出口穴8’が設けられた、ハウジング10を備える。
【0126】
浄化デバイス2は、吸入空気4を、浄化デバイス2の底部分における内部空間の中に、下方に吹き込むよう構成される。吸入空気4が浄化デバイス2の上部分に入るので、この吸入空気4は、通常は床の高さから粒子を吸い込まずに浄化デバイス2の中に入ることになる。浄化された空気6は、吸入空気4が浄化デバイス2に入る高さよりも低い高さにおいて、浄化デバイス2を離れる。
【0127】
浄化デバイス2は、浄化デバイス2の底部分における内部空間22の中に流れ込む吸入空気4を、照射するよう構成された、UV光源(好ましくはUVCランプ)14を備える。これによって、浄化デバイス2の底部分における内部空間22の、内側の吸入空気を、殺菌することが可能である。
【0128】
浄化デバイス2は、HEPAフィルタ20を備える。HEPAフィルタ20は、小さい角度α(例えば
図3Bを参照して示され説明したように、15°以下)、及び大きい合計フィルタ面積を実現するために、(
図3Bを参照した説明のように)多くの数の襞を有する。
【0129】
UVランプ14の最下部位置は、UVランプ14の遠位部分であり、ハウジング10の底板44の上方に距離がおかれる。したがって、空隙44が、ハウジング10の底板46と、UVランプ14の遠位部分との間に設けられる。ホイールは、底板46に回転可能に装着される。
【0130】
追加の層40は、任意選択で、フィルタ20の外側に配置され得る。1つの実施形態において、追加の層40は、活性炭を備えた層であってもよい。活性炭は、吸着剤として作用して、望ましくない臭気を除去することができる。この吸着剤は、活性炭の内側に臭気を捕捉して保持する。
【0131】
さらに追加の層40は、UV光50が、周囲へ逃げるのを防止し得る。
【0132】
好ましい実施形態において、追加の層40は、ハウジング10とフィルタ20との間に挟まれた追加の層40であり、この追加の層40は活性炭を備える。
【0133】
図6は、本発明による浄化デバイスが、いかにして粒子センサによって自動的に制御され得るかを例示する、フローチャートである。
【0134】
初めに、浄化デバイスがオンにされる。1つの実施形態において、浄化デバイスの粒子センサは、初期設定としてオンにされる。1つの実施形態において、浄化デバイスの粒子センサはオンにされ、オフにすることはできない。
【0135】
浄化デバイスの粒子センサは、吸入空気の粒子含有量を測定するよう構成される。吸入空気の粒子含有量が、所定のレベルを超過した場合、浄化デバイスのファンはオンにされる(または、ファンが既にオンにされている場合、オンのままにされる)。
【0136】
他方で、吸入空気の粒子含有量が、所定のレベルを超過しない場合、浄化デバイスのファンはオフにされる(または、ファンが既にオフにされている場合、オフのままにされる)。
【0137】
1つの実施形態において、吸入空気の粒子含有量が所定のレベルを超過した場合、ファン及びUVランプの両方はオンにされる。
【0138】
1つの実施形態において、ファンのスピードは、粒子含有量の検出レベルに依拠して選択される。
【0139】
1つの実施形態において、ファンのスピードを、ゼロ以外の、2つ以上の所定のレベルに設定することができる。
【0140】
1つの実施形態において、ファンのスピードを、ゼロ以外の、3つ以上の所定のレベルに設定することができる。
【0141】
1つの実施形態において、ファンのスピードは、粒子含有量の検出レベルに基づいて、無段階に調整できる。これは、永久磁石モータ及び周波数変換器を用いて、ファンを適合させることによって成され得る。さらにこれは、考えられる最も小さいエネルギー消費の対策を可能にすることになる。
【0142】
1つの実施形態において、所定の粒子含有量レベルは初期設定量である。しかし別の実施形態において、所定の粒子含有量レベルは、浄化デバイスの制御ユニットを使用することによって、調整することができる。
【0143】
図7A及び
図7Bは、活性エアロゾル化されたエメスウィルスジンデリ(Emesvirus zinderi:MS2)バクテリオファージの濃度を減少させるための、本発明(空気浄化デバイス)の有効性を判断する目的で、修正されたISO 16000-36:2018 methodを使用して、デンマーク国技術協会(Danish Technologic Institute)によって実施された研究結果を表わすグラフを示す。
【0144】
図7Aは、製品試験及び基準実験の、経時的な活性MS2濃度を表わすグラフを示す。y軸の目盛は対数である。
【0145】
30分後に、空気浄化デバイスは、活性エアロゾル化されたMS2バクテリオファージの濃度を、検出制限を下回るまで減少させられることが認められる。
【0146】
図7Bは、相対濃度が時間に対してプロットされたグラフを示す。減少率は、ISO 16000-36:2018 section8.3に記載されるように計算される。
【0147】
相対濃度の変化は、ほぼ100%であることが認められる。
【0148】
特に、この研究は、15分における減少率は99.98%、及び30分における減少率は99.99%であると、結論付けている。
【0149】
図8は、空気浄化機であるUV-C光分解システムの殺ウィルス作用を判断するための、試験結果の表を示す。
【0150】
試験において、ウィルスは、デバイスがエアロゾル化されたMS2バクテリオファージを空気から除去した際に、デバイスのHEPAフィルタで捕捉され、その後ウィルスは、デバイスの内側にあるUV-C光に曝された。この試験は、ウィルスを空気から除去した後のフィルタにおいて、ウィルスが活性を保つかどうかを調べるよう設計されている。
【0151】
サンプルは、空気浄化が30分間作動した前後に取られた。この試験は、
図7A及び
図7Bに示された他の試験の後に実施された。
【0152】
サンプルは、デンマーク国技術協会の方法:MIA-216に従って分析された。
【0153】
(本発明の)空気浄化デバイスの使用後30分で、ウィルス量は、検出制限を下回るまで減少した。
【0154】
これによって、有効な浄化が、フィルタ及び周囲の空気の両方について行なわれ、本発明によって提供された解決策の驚くべき有効性を証明することが、認められた。
【0155】
これによって、本発明は、ウィルス粒子の空気浄化のための有効な手段を提供し、さらに人による保守を実施するのに安全なデバイスを提供する。
【0156】
図9は試験に使用した設定を示す。この試験は、20m
3の容量を有する気密室で実施された。部屋に配置された噴霧器54が、エアロゾルを生成するために使用された。撹拌用ファン52が、空気循環を提供するために、部屋に設置された。浄化デバイス2は、部屋内の床上の中央に配置され、サンプリングポイント56は、部屋の壁に位置された。
【符号の説明】
【0157】
2 浄化デバイス
4 吸入空気
6 浄化された空気
8 空気入口穴
8’ 空気出口穴
10 ハウジング
12 ファン
14 紫外線放射ランプ
16 底部分
18 上部分
20 フィルタ
22 内部空間(エンクロージャ)
24 ホイール
26 粗いフィルタ
28 制御パネル
30 電気プラグ
32 襞
34 雲形構成
36 ウィルス粒子
38 貫通開口部
40 追加の層
42 空気フロー方向
44 空隙
46 底板
50 紫外線(UV)光
52 撹拌用ファン
54 噴霧器
56 サンプリングポート
α、β、θ、ω 角度
D 幅
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入空気(4)を殺菌及び濾過するための浄化デバイス(2)であって、
吸入空気(4)が入るのを可能にするための、いくつかの入口穴(8)、及び前記浄化デバイス(2)によって浄化された空気(6)が離れるのを可能にするための、いくつかの出口穴(8’)、が設けられた、ハウジング(10)と、
前記ハウジング(10)の内側に配置され、吸入空気(4)を前記ハウジング(10)の中に吸い込んで、浄化された空気(6)を前記ハウジング(10)から吹き出す、ファン(12)と、
前記ハウジング(10)の内側に配置され、吸入空気(4)を照射する、紫外線放射ランプ(14)と、
前記紫外線放射ランプ(14)を囲み、吸入空気(4)が浄化された空気(6)として前記ハウジング(10)を離れる前に、吸入空気(4)を濾過するよう配置された、高効率粒子空気(HEPA)フィルタ(20)と、を備え、
ここで前記浄化デバイス(2)は、前記フィルタ(20)が、接する襞(32)間の角度(θ)が30°以下で配置された複数の襞(32)を備える
ことと、前記浄化デバイス(2)が、吸入空気(4)を径方向に前記ハウジング(10)の中に吸い込むよう配置及び構成され、吸入空気(4)が、前記床の上方において第1の所定の距離で吸い込まれ、さらには、浄化された空気(6)が、前記床の上方における、前記第1の所定の距離よりも短い第2の所定の距離でハウジングから離れることと、を特徴とする、浄化デバイス(2)。
【請求項2】
前記UVランプ(14)の最下部位置は、前記UVランプ(14)の遠位部分であること、及び空隙(44)が、前記ハウジング(10)の底板(46)と前記UVランプ(14)の遠位部分との間に設けられること、を特徴とする、請求項1に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項3】
前記ハウジング(10)は、底部分(16)と、前記底部分(16)に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分(18)と、を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項4】
前記ファン(14)は、前記上部分(18)に配置されること、及び前記UVランプ(14)の光照射部分は、前記底部分(16)に配置されること、を特徴とする、請求項3に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項5】
前記入口穴(8)は、前記上部分(18)に設けられ、その一方で前記出口穴(8’)は、前記底部分(16)に設けられることを特徴とする、請求項3または4に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項6】
前記ファン(12)は、水平に向けられた吸入部分と、前記ファン(12)によって加圧された空気(4)が、下方の垂直方向に前記ファン(12)を離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有することを特徴とする、請求項1~5のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項7】
追加の層(40)は、前記ハウジング(10)と前記フィルタ(20)との間に挟まれ、前記追加の層(40)は活性炭を備えることを特徴とする、請求項1~6のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項8】
前記上部分(18)は粗いフィルタ(26)を備え、前記粗いフィルタ(26)は、前記上部分(18)の縁の近くで軸方向に延びた、1つまたは複数のフィルタ用軌道に、摺動可能に配置されることを特徴とする、請求項1~7のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項9】
空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを備えることを特徴とする、請求項1~8のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項10】
煙感知器を備えることを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項11】
検出された空気中の粒子のレベルに依拠して、前記ファン(12)のスピードを制御するよう構成された、制御ユニットを備えることを特徴とする、請求項9または10に記載の浄化デバイス(2)。
【請求項12】
吸入空気(4)を殺菌及び濾過するための方法であって、
ハウジング(10)の内側に配置されたファン(12)によって、吸入空気(4)を前記ハウジング(10)の中に吸い込み、吸入空気(4)を、前記ハウジング(10)に設けられたいくつかの入口穴(8)を通して前記ハウジングに入れるステップと、
浄化された空気(6)を、前記ファン(12)によって、前記ハウジング(10)に設けられたいくつかの空気出口穴(8’)を通して前記ハウジング(10)から吹き出すステップと、
前記ハウジング(10)の内側に配置された紫外線放射ランプ(14)によって、吸入空気(4)を照射するステップと、
吸入空気(4)が浄化された空気(6)として前記ハウジング(10)を離れる前に、前記紫外線放射ランプ(14)を囲んだHEPAフィルタ(20)によって、吸入空気(4)を濾過するステップと、を含み、
前記方法は、隣接する襞間の角度(θ)が30°以下で配置された複数の襞(32)を備えたフィルタ(20)を適用するステップを含み、
ここで前記方法は、吸入空気(4)を径方向に前記ハウジング(10)の中に吸い込むよう配置及び構成された、浄化デバイス(2)を適用するステップを含み、吸入空気(4)が、床の上方において第1の所定の距離で吸い込まれること、さらに、浄化された空気(6)は、前記床の上方における、前記第1の距離よりも短い第2の所定の距離で、前記ハウジング(10)から離れることを特徴とする、方法。
【請求項13】
照射はUVランプ(14)を使用することによって実行され、前記UVランプ(14)の最下部位置は、前記UVランプ(14)の遠位部分であり、空隙(44)が、前記ハウジング(10)の底板(46)と前記UVランプ(14)の遠位部分との間に設けられることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ハウジング(10)は、底部分(16)と、前記底部分(16)に取り外し可能に装着されるよう構成された上部分(18)と、を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記ファン(14)は、前記上部分(18)に配置されること、及び前記UVランプ(14)の光照射部分は、前記底部分(16)に配置されること、を特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記入口穴(8)は、前記上部分(18)に設けられ、その一方で前記出口穴(8’)は、前記底部分(16)に設けられることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
【請求項17】
前記ファン(12)は、水平に向けられた吸入部分と、前記ファン(12)によって加圧された空気(4)が、下方の垂直方向に前記ファン(12)を離れるための、垂直のアウトプット部分と、を有することを特徴とする、請求項12~16のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
追加の層(40)は、前記ハウジング(10)と前記フィルタ(20)との間に挟まれ、前記追加の層(40)は活性炭を備えることを特徴とする、請求項12~17のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
吸入空気(4)がファン(12)の中に吸い込まれる前に、吸入空気(4)を濾過するための粗いフィルタ(26)を適用するステップを含むことを特徴とする、請求項12~18のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
空気中の粒子のレベルを検出するために配置された、粒子センサを適用するステップを含むことを特徴とする、請求項12~19のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
空気中の煙含有量を検出するための煙感知器を適用するステップを含むことを特徴とする、請求項12~20のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
空気中の粒子の、検出したレベルに依拠して、前記ファン(12)のスピードを制御するステップを含むことを特徴とする、請求項20または21に記載の方法。
【国際調査報告】