(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】カートンスタック供給装置
(51)【国際特許分類】
B65B 43/12 20060101AFI20230731BHJP
B65G 17/32 20060101ALI20230731BHJP
B65B 59/02 20060101ALI20230731BHJP
B31B 50/04 20170101ALI20230731BHJP
【FI】
B65B43/12
B65G17/32 C
B65G17/32 E
B65B59/02
B31B50/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501849
(86)(22)【出願日】2021-07-05
(85)【翻訳文提出日】2023-01-12
(86)【国際出願番号】 SE2021050682
(87)【国際公開番号】W WO2022015219
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509066156
【氏名又は名称】ノルデン・マシーナリー・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ペータル・ヨンソン
【テーマコード(参考)】
3E030
3E056
3E075
【Fターム(参考)】
3E030AA02
3E030BA04
3E030BB05
3E030DA06
3E030GA01
3E056AA07
3E056DA01
3E056EA05
3E056GA07
3E056HA01
3E075AA15
3E075BA02
3E075CA07
3E075DA02
3E075DA16
3E075GA01
(57)【要約】
起立したフラットに折り畳まれたカートンのスタックを受入ステーションに供給するための供給装置であって、該スタックを支持するように構成された平坦なベアリング面を有するコンベヤトラックを含み、該コンベヤトラックは少なくとも2列の歯を含み、各列の歯は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを支持するように構成された複数の離間した歯を含み、該歯は、起立位置または折畳み位置のいずれかに位置決め可能であり、供給装置は、ベアリング面に沿って配置され、歯を選択された位置に保持するように構成されガイドトラックを含み、該ガイドトラックはコンベヤトラックの端部領域で終端し、該端部領域では歯が支持されないようにされている供給装置が提供される。本発明の利点は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックが、送出領域で連続的に合流され得ることである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立したフラットに折り畳まれたカートンのスタック(2)を受入ステーションに供給するための供給装置(1)であって、該スタックを支持するように構成された平坦なベアリング面(3)を有するコンベヤトラック(30)を含み、該コンベヤトラック(30)は少なくとも2列の歯(5、6、7)を含み、各列の歯(5、6、7)は、フラットに折り畳まれたカートンのスタック(2)を支持するように構成された複数の離間した歯(17)を含み、該歯(17)は、起立位置または折畳み位置のいずれかに位置決め可能であり、前記供給装置(1)は、前記ベアリング面(3)に沿って配置され、前記歯(17)を選択された位置に保持するように構成されたガイドトラック(24)を含み、該ガイドトラック(24)が、前記コンベヤトラック(30)の端部領域(15)で終端し、前記歯(17)が前記端部領域(15)で支持されていない、ことを特徴とする供給装置。
【請求項2】
前記供給装置(1)は、戻り経路にスライドレール(35)を備え、該スライドレール(35)は、全ての歯(17)を前記折畳み位置に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の供給装置。
【請求項3】
前記供給装置は、選択された歯(17)を前記折畳み位置から前記起立位置に切り替えるように構成されたスイッチ(25)を備える、ことを特徴とする請求項2に記載の供給装置。
【請求項4】
前記供給装置(1)は、前記戻り経路に、全ての歯(17)を起立位置に設定するように構成された起立部材(33)を更に備える、ことを特徴とする請求項2に記載の供給装置。
【請求項5】
前記供給装置は、選択された歯(17)を前記起立位置から前記折畳み位置に切り替えるように構成されたスイッチ(25)を備える、ことを特徴とする請求項4に記載の供給装置。
【請求項6】
前記供給装置(1)は、押し込み部材(16)を備え、前記押し込み部材(16)に歯(17)が設けられている、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項7】
前記押し込み部材は、支点(22)を介して前記コンベヤトラック(30)に取り付けられ、前記歯(17)は、前記支点(22)の一方側に設けられ、前記支点(22)の他方側にフレーム(20)が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載の供給装置。
【請求項8】
前記フレーム(20)は、歯(17)が起立されたときに前記コンベヤトラック(30)の隙間を埋めるカバー面(21)を有する、ことを特徴とする請求項7に記載の供給装置。
【請求項9】
前記供給装置(1)は、前記供給装置の端部領域(15)で合流されるスタックを支持するように適合された、送出領域(13)での摺動トラック(14)を含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項10】
前記供給装置(1)は、前記送出領域(13)に配置され、合流されたフラットに折り畳まれたカートンスタック(2)を前記受入ステーションに搬送するように構成された送出コンベヤ(31)を更に備える、ことを特徴とする請求項9に記載の供給装置。
【請求項11】
前記コンベヤトラック(30)の速度は、前記受入ステーションにおけるピックアップ速度に適合される、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の供給装置。
【請求項12】
供給装置によって、フラットに折り畳まれた起立状態のカートンのスタックを、前記供給装置の送り込み領域から、スタックが合流される受入ステーションに供給する方法であって、前記供給装置は、異なる長さを有するスタックを搬送するように構成されており、前記スタックは、複数の歯を有するコンベヤトラックによって搬送され、
- 前記供給装置によって搬送されるフラットに折り畳まれたカートンのスタックの長さを決定し、該長さを制御ユニットに保存するステップと、
- フラットに折り畳まれたカートンの前記スタックの決定された前記長さに応じて、選択された数の歯を起立位置に設定するステップと、
- 前記送り込み領域で、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを前記歯の間に挿入するステップと、
- 前記コンベヤトラックのベアリング面に沿って配置されたガイドトラックによって、前記歯を選択された位置に保持するステップと、
- 前記歯を前記供給装置の端部領域で前記選択された位置から解放し、これによって前記歯がガイドトラックによって支持されず、前記歯がフラットに折り畳まれたカートンの前記スタックによって支持されるようにするステップと、
- 前記歯を垂直方向に引き抜くステップと、
- 前記供給装置の送出領域でスタックを前のスタックと合流させるステップと、
を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記供給装置の戻り経路において全ての歯が折畳み位置に設定され、選択された数の歯がスイッチによって起立位置に設定される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
全ての歯は、前記供給装置の戻り経路内の起立位置に設定され、選択された数の歯は、スイッチによって折畳み位置に設定される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記コンベヤトラックの速度を前記受入ステーションにおけるピックアップ速度に調整する追加のステップを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カートンスタック(carton stack)をカートン展開機(carton unfolding machine)に供給するように適合された装置に関し、ここで、カートンスタックは、起立したフラットに折り畳まれたカートン(standing flat-folded carton)又はカートンブランクを含む。この装置は、異なる長さのカートンスタックを供給し、それらを送出領域で合流する(merge)ように構成されている。その装置は梱包産業(packing industry)で使用される。
【背景技術】
【0002】
物品が梱包されるとき、それらを単独で又は別々のパッケージに一緒に梱包することがしばしば望ましい。従って、高度に自動化された梱包設備では、このような物品は、物品の梱包として機能するカートンに移送されることがある。これらのカートンは、カートン内に物品を梱包する前に、フラットに折り畳まれたカートンから最終カートンを形成するように起立される(erected)。フラットに折り畳まれたカートンは、通常、何百ものフラットに折り畳まれたカートンブランクを含むマガジンとして梱包ステーションに到着し、ここでカートンはマガジンからフラットに折り畳まれたカートンを梱包機に搬送する搬送送り込みコンベヤ(transport infeed conveyor)に移送される。フラットに折り畳まれたカートンは、カートンの側壁が互いに接続されるように、側部で互いに接着されるカートンブランクから作られる。
【0003】
カートンは、カートンのタイプに応じて、マガジン内で異なる方法でグループ化されても良い。いくつかのタイプのフラットに折り畳まれたカートンは、同時に送り込みコンベヤに配置される数百のフラットに折り畳まれたカートンを含む、フラットに折り畳まれたカートンの1つの大きなスタックを構成することができる。このタイプのフラットに折り畳まれたカートンは、通常の長方形のフラットに折り畳まれたカートンであり、フラットに折り畳まれたカートンの両端は同じ厚さを有している。これらは、スタックの上端または下端が他の端部よりも厚くなること無く、大きなスタックに積み重ねることができる。いくつかのフラットに折り畳まれたカートンは、より小さなスタックで配送され、例えば、カートンの背面パネルから延在している突出した二層表示パネルを有する5パネルカートンと呼ばれるタイプであり、製品の追加の表示領域に適合するか、または製品を吊り下げることができるようになっている。2枚の層が接着されているため、ディスプレイパネルは、フラットに折り畳まれたカートンの他の部分よりも厚くなっている。従って、このタイプのフラットに折り畳まれたカートンは、例えば約50個のフラットに折り畳まれたカートンからなるより小さなスタックで配送される。
【0004】
供給コンベヤは、好ましくは、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを保持するように適合された突出した保持歯(holding teeth)を備える。フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、マガジンからコンベヤへ、手動またはピックアップ装置によって供給されても良い。ピックアップ装置は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックをマガジンからピックアップし、それをコンベヤの保持歯の間に位置決めしている。保持歯の間の距離は、カートンスタックのサイズによって決定される。フラットに折り畳まれたカートンの規則的な大きなスタックの場合、保持歯の間の距離は、500mm以上であり得、フラットに折り畳まれた5枚のパネルカートンのスタックの場合、保持歯の間の距離は、約100mmであり得る。
【0005】
送り込みコンベヤが異なるサイズのフラットに折り畳まれたカートンスタックを搬送する場合、保持歯の間の距離を変更しなければならない。コンベヤによっては、コンベヤの中間歯と外歯との間の距離が変化することがある。この解決策は、主に、幅があまり異ならない、異なる幅の起立されたカートンを保持するのに適している。より長い距離に対しては、保持歯間の距離をより長くするために、歯の一部、例えば、1つおきの歯を除去することが知られている。コンベヤベルトまたはチェーンを、必要な距離の歯を有する別のコンベヤベルトまたはチェーンと交換することも可能である。このソリューションには、あまり柔軟性が無い。
【0006】
特許文献1は、異なるサイズの部分的に形成されたカートンを供給するように適合された機械を開示している。この装置は折畳み可能なラグ(lug)を有する頭上コンベヤ(overhead conveyor)を備え、各ラグは選択的に作動されて、カートンを搬送するためにコンベヤから外に延在するか、または折り畳まれる。
【0007】
特許文献2には、単一のカートンブランクを搬送するための調節可能なシステムが開示されており、このシステムは、複数の押し込み要素(pusher element)を備えている。各押し込み要素は、プッシャが搬送面の下に位置する非アクティブ位置、またはプッシャが搬送面から突出するアクティブ位置のいずれかに設定することができる。異なるサイズのカートンブランクに対してシステムを適合させるために、選択された数の押し込み要素を周期的に起立させることが可能である。カートンブランクが解放されて受入ステーション(receiving station)に移送されることができるように、能動的な押し込み要素が、輸送トラックの端部領域の前に輸送表面を離れる。
【0008】
これらの解決策は特定の状況ではうまく機能するが、異なるサイズを有するフラットに折り畳まれたカートンスタックのためのフレキシブルな供給装置を達成するためには、依然として改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8182406号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2001/0032775号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、異なるサイズのカートンスタックを供給して合流するための改良された装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る課題を解決するための手段は、請求項1に記載の供給装置及び請求項12の特徴部分に記載されている。他の請求項は、供給装置及び方法の有利な更なる発展を含む。
【0012】
起立したフラットに折り畳まれたカートンのスタックを受入ステーションに供給するための供給装置であって、スタックを支持するように構成された平坦なベアリング面を有するコンベヤトラックを含み、コンベヤトラックは少なくとも2列の歯を含み、各列の歯は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを支持するように構成された複数の離間した歯を含み、歯は、起立位置または折畳み位置のいずれかに位置決め可能であり、供給装置は、ベアリング面に沿って配置され、歯を選択された位置に保持するように構成されたガイドトラックを含む供給装置において、本発明の目的は、ガイドトラックがコンベヤトラックの端部領域で終端し、歯が端部領域で支持されていないようにすることで達成される。
【0013】
本発明に係る供給装置の第1の実施形態によれば、長さの異なるフラットに折り畳まれたカートンのスタックを受入ステーションに搬送することができる供給装置が提供され、この供給装置は、異なるタイプのフラットに折り畳まれたカートンに適応することができる。フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、供給装置の送出領域で連続的に合流される。通常の長方形のフラットに折り畳まれたカートンのようないくつかのフラットに折り畳まれたカートンは、完全に折り畳まれたカートン全体にわたって実質的に同じ厚さを有し、これにより、100カートン以上を含む比較的長いスタックにこれらを積み重ねることが可能になる。このようなフラットに折り畳まれたカートンのスタックは、500mm以上の長さを有することができる。追加の表示パネルを有する5パネルカートンのような他のタイプのフラットに折り畳まれたカートンでは、折り畳まれたカートン上の厚さは変化し、表示パネルでの厚さが大きくなる。これらのフラットに折り畳まれたカートンは、例えば50カートン以下からなるより短いスタックでのみ積み重ねることができる。スタックはファンにいくらか似ているため、スタックの追加的なサポート無しでは、長いスタックを処理することは困難である。
【0014】
供給装置は、所定の距離だけ離間された少なくとも2列の歯を含む。一列の2つの歯の間の距離は、使用されるフラットに折り畳まれたカートンの最も短いスタックに対応することが好ましく、例えば100mmであっても良い。各列の歯はコンベヤチェーンに取り付けられ、各列のコンベヤチェーンは他のコンベヤチェーンと平行に駆動される。コンベヤチェーンは、フラットに折り畳まれたカートンのスタックが、歯によって支持され、起立するコンベヤトラックを形成している。コンベヤトラックは、スタックを送り込み領域(infeed region)から搬送し、送り込み領域では、オペレータによって手動で、または産業用ロボット等の配置装置によってスタックが歯の間に挿入される。スタックは送出領域に搬送され、そこでスタックは連続した流れで互いに合流される。送出領域では、歯は供給装置によって支持されておらず、従って、フラットに折り畳まれたカートンのスタックによって支持されることができ、すなわち、歯はスタック間に保持され、歯の向きはスタックの向きによって決まる。このようにして、歯の向きは、スタックの合流を妨げない。送出領域において、フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、歯及びコンベヤトラックを離れて、最初にスライドトラックに入り、次に、スタックを例えばカートンの起立ステーション(carton erecting station)に搬送する送出コンベヤに入る。押し込み部材には歯が設けられ、この歯には、ベアリング表面と押圧表面とが設けられている。
【0015】
供給装置の歯は、歯のベアリング表面がコンベヤトラックのベアリング面より下にある折畳み位置、または歯がベアリング面より上に延在している起立位置のいずれかに配置することができる。このようにして、使用されるフラットに折り畳まれたカートンのスタックの長さに対応するように、歯列の起立された歯の間の距離を延長することができる。一例では、歯の間の距離が100mmである場合、例えば、一列に2つおきの歯を起立位置に配置することによって200mmの長さのスタックを支持すること、または一列に5つおきの歯を起立位置に配置することによって500mmの長さのスタックを支持することが可能である。供給装置は、歯を選択された位置に折り畳むように適合されたスイッチを含む。
【0016】
一例では、供給装置は、全ての歯を折畳み位置に設定する戻り経路内のスライドレールを含む。この場合、スイッチは、選択された歯を折畳み位置から起立位置に切り替える。送り装置は、スライドレールの後方に配置された戻り経路内に起立部材(erecting member)を更に備え、起立部材は、全ての歯を起立位置に設定している。この場合、スイッチは、選択された歯を起立位置から折畳み位置に切り替える。
【0017】
スイッチは、歯を平行な組の歯に同時に折ることができ、または全ての歯を個々に折ることができる。各歯を別々に折ることで、歯の列の一部だけを使用することができる。一例では、供給装置が3列の歯を備える場合、より狭い幅を有するより小さなカートンに対して、2つの隣接する列の歯のみを使用することが可能である。この例では、一列の歯の全ての歯が折り畳まれている。
【0018】
歯のローラは、コンベヤトラックのベアリング面に沿って配置されたガイドトラックによって支持されている。ここで、歯は起立されているか、または折り畳まれている。コンベヤトラックの端部領域で、ローラはガイドトラックを離れるので、歯は支持されず、押し込み部材の支点を中心に自由に枢動できる。これにより、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを移動させたり邪魔したりすること無く、フラットに折り畳まれたカートンのスタックから垂直方向に穏やかに歯を引き抜くことができる。フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、このようにして、送出コンベヤへのフラットに折り畳まれたカートンの長手方向の流れに互いに合流している。供給装置の搬送速度は、好ましくは、送出領域におけるカートンの起立機(carton erecting machine)のピックアップ速度に適合される。
【0019】
ここに示される供給装置では、全ての歯が供給装置の戻り経路で折り畳み状態に折り畳まれる。これにより、戻り経路の最初の部分でスペースが節約される。その後、戻り経路に配置された起立部材によって全ての歯が起立される。その後、スイッチは、起立された歯の間の望ましい距離に応じて、歯を起立させたままにするか、または歯を折り畳んだ状態に折り畳む。全ての歯を起立させることにより、全ての歯が同じ向きになることが保証され、歯の起立と折り畳みの両方を行う必要が無いため、スイッチをシンプルにすることができる。示されている例では、スイッチは折り畳む必要がある歯のみを折り畳んでいる。別の例では、起立部材を使用せず、スイッチをコンベヤチェーンの内側に配置し、起立させるべき歯だけを起立させている。
【0020】
歯が折り畳まれると、歯の押圧表面は、2本のコンベヤチェーンの間の空隙、またはコンベヤチェーンと供給装置のサイドレールとの間の空隙を覆う。押し込み部材には、歯が起立された場合に空隙を覆うカバー面も設けられる。このようにして、人が、例えば誤ってコンベヤパスに指を挿入する可能性はなくなる。
【0021】
供給装置の送り込み領域からスタックが合流される受入ステーションまで、供給装置によって、フラットに折り畳まれた起立状態のカートンのスタックを供給する方法において、供給装置は、異なる長さを有するスタックを搬送するように構成されており、スタックは、複数の歯を含むコンベヤトラックによって搬送され、
- 供給装置によって搬送されるフラットに折り畳まれたカートンのスタックの長さを決定し、その長さを制御ユニットに保存するステップと、
- フラットに折り畳まれたカートンのスタックの決定された長さに応じて、選択された数の歯を起立位置に設定するステップと、
- 送り込み領域で、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを歯の間に挿入するステップと、
- コンベヤトラックのベアリング面に沿って配置されたガイドトラックによって、歯を選択された位置に保持するステップと、
- 歯を供給装置の端部領域で選択された位置から解放し、これによって歯がガイドトラックによって支持されず、歯がフラットに折り畳まれたカートンのスタックによって支持されるようにするステップと、
- 歯を垂直方向に引き抜くステップと、
- 供給装置の送出領域でスタックを前のスタックと合流させるステップと、を含む。
【0022】
本発明の方法によれば、供給装置によって、長さの異なるフラットに折り畳まれたカートンのスタックを搬送して合流させることができる。これにより、異なる長さのフラットに折り畳まれたカートンのスタックに容易に適合させることができるフレキシブルな供給装置が可能になる。このようにして、生産ラインは、異なるタイプのカートン、例えば、通常の長方形カートン及び5パネルカートンに使用することができる。供給装置はまた、異なる幅を有するカートンに適合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による短いカートンスタック用に構成された供給装置を示す図である。
【
図2】本発明による長いカートンスタックのために構成された供給装置を示す図である。
【
図3】本発明に係る供給装置の送出領域の詳細を示す図である。
【
図4】本発明に係る供給装置の送り込み領域の詳細を示す図である。
【
図5】本発明に係る供給装置のスイッチの詳細を示す図である。
【
図6】本発明によるフラットに折り畳まれたカートンのスタックを供給する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、添付図面に示される実施形態を参照して、以下により詳細に説明される。
【0025】
以下に記載される更なる発展を伴う本発明の実施形態は、単に例とみなされるべきであり、特許請求の範囲によって提供される保護の範囲を限定するものではない。前方、後方、上方、下方、前方等の方向指定の使用は、カートンのスタックの方向を指している。カートンのスタックのためのベアリング面は、たとえベアリング面が例えば10度~20度のようにいくらか傾斜していても、示された例では水平であると言及されている。
【0026】
図1及び
図2は、供給装置の図を示し、
図3~
図5は、供給装置の詳細を示し、
図6は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを受入ステーションに供給する方法のフローチャートを示している。本発明に係る供給装置1は、平坦なベアリング面3を有する直線状のコンベヤトラック30を備えており、このコンベヤトラック30は、起立したフラットに折り畳まれたカートン2のスタックを送り込み領域32から送出領域13に供給するようになっており、供給装置によって搬送された隣接するスタックは互いに合流されて、フラットに折り畳まれたカートンの長い連続的なスタックを形成している。カートンスタック2は、コンベヤトラック30と送出コンベヤ31とを橋渡しするスライドトラック14を介して送出コンベヤ31を通って受入ステーション、例えばカートンの起立機に送られる。コンベヤトラックは、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを支持する複数の突出歯17を含む。
【0027】
コンベヤトラックは、少なくとも2列の歯を含む。図示の例では、コンベヤトラックは3列の歯、第1列の歯5、第2列の歯6及び第3列の歯7を含む。第1列の歯5は第1コンベヤチェーン8に取り付けられ、第2列の歯6は第2コンベヤチェーン9に取り付けられ、第3列の歯7は第3コンベヤチェーン10に取り付けられている。第1、第2及び第3のコンベヤチェーンは、同一の駆動ユニット11によって、それらが同一の速度で移動するように、また、互いに隣接する歯が同時に移動するように、平行に駆動されている。歯の各列の歯は、互いに隣接して配置された3つの歯がコンベヤトラックの移動方向に垂直なベアリング面を形成するように、並んで配置されている。
【0028】
フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、送り込み領域で歯の間に挿入される。フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、オペレータによって手動で、または産業用ロボット等の配置装置によって歯の間に挿入される。歯は、図示の例では、積層体が互いに隣接して配置された歯のベアリング表面18に対して支持されるように、垂直面に対して前方方向にわずかに傾斜している。歯はまた、例えば使用されるカートンのタイプに応じて、ベアリング面に対して垂直であっても良く、または垂直面に対して後方方向にわずかに角度を付けられていても良い。フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、それが歯の間に挿入されたときに拡張することができ、その結果、フラットに折り畳まれたカートンのスタックはまた、後続の歯の押圧表面19に当接している。
【0029】
フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、送出領域13に搬送され、送出領域13では、コンベヤトラックが戻り経路に向かって下方に回転すると、スタックはスライドトラック14上をスライドする。スライドトラックに続いて、例えば短いベルトコンベヤのような送出コンベヤ31があり、これはスタックを例えばカートンの起立ステーションに能動的に搬送している。スライドトラック及び送出コンベヤにおいて、フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、フラットに折り畳まれたカートン(図示せず)の連続的な流れに合流される。コンベヤトラックの速度は、例えば、フラットに折り畳まれたカートンの密度が送出コンベヤ上でほぼ一定であり、余分なバッファが必要とされないように、カートンの起立ステーションでのカートンのピックアップ速度に適合される。例えば、カートンの起立機のピックアップ速度で供給装置の駆動ユニット11を制御することができる。
【0030】
歯17は、
図4に示されるように、押し込み部材16上に配置される。押し込み部材は、例えばネジを用いて、支点22でコンベヤチェーンに取り付けられ、その結果、押し込み部材を交換することが可能である。押し込み部材は、支点22の一方側に配置された歯17と、支点22の他方側に配置されたフレーム20とを備えている。フレームは、カバー面21を備える。ローラ23は、フレームに取り付けられている。ローラは、歯を選択された位置に保持するように適合され、ガイドトラック24内を走行するように適合される。ローラは、滑り軸受またはころ軸受を含むことができる。
【0031】
歯17は、起立位置または折畳み位置の2つの位置に位置決めすることができる。起立位置では、歯はコンベヤトラックのベアリング面から突出している。折畳み位置では、歯はコンベヤトラックのベアリング面の下に配置され、押圧表面19はベアリング面に近接している。この位置では、押圧表面は、2つのコンベヤチェーンと2つの隣接する押し込み部材の支点との間の領域をカバーしている。これにより、コンベヤチェーン間に作成された空間がカバーされ、例えば、指または他の物体がコンベヤトラックに挟まれるのを防止している。歯が起立されているとき、フレームのカバー面21がこの隙間を覆う。ベアリング面において、ローラは、ベアリング面3と平行に配置されたガイドトラック24内に案内され、歯を起立位置または折畳み位置のいずれかに確実に保持している。
【0032】
図3に示す端部領域15では、ガイドトラック24が終了し、歯がその所定の位置から解放される。歯が起立位置にあるとき、歯はわずかに角度のついた方向で続き、フラットに折り畳まれたカートンのスタックによって案内される。歯は、同時に、略垂直方向に下向きにベアリング面を離れ、フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、スライドトラック14において、平らに折り畳まれたカートンの前のスタックに接合している。フラットに折り畳まれたカートンのグループは、スライドトラックの次の歯によって前方に押される。
【0033】
送出領域では、コンベヤトラック30は、戻り経路に向かって駆動輪34上を走行している。ここで、歯は浮動しており(free-floating)、ローラはガイドトラックによって制御されていない。歯が戻り経路に到達すると、全ての歯は所定の位置に設定され、図示の例では、押圧表面19がスライドレール35に当接する折畳み位置に設定される。戻り経路の中間位置では、図示例では全ての歯が起立部材33によって起立状態に起立されており、全ての歯が同じ向きとなっている。
【0034】
図5に示すスイッチ25は、折畳み可能な歯の各列の戻り経路に配置され、スイッチは、スイッチシリンダ26と、スイッチ部材27と、作動タブ(actuating tab)28とを含む。スイッチ部材は支点29に配置され、シリンダが伸縮するときにスイッチ部材は支点29を中心にして枢動することができる。シリンダが引き戻されると、スイッチは、作動タブが起立された歯の経路内に伸長する作動状態になる。シリンダが伸長されると、スイッチは、作動タブが歯の経路から離れて枢動される受動状態になる。スイッチが作動状態にあると、歯の押圧表面19が作動タブに当たり、押圧されて折り畳まれた状態になる。スイッチが受動状態にあると、歯は起立状態を継続する。
【0035】
このようにして、各歯の状態をスイッチによって制御することができる。2つの起立された歯の間の距離は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックの長さに設定することができる。
図1に示す例では、各歯の間の縦方向の距離は、例えば100mmである。1つおきの歯を起立位置に位置決めすることによって、供給装置は、長さ200mmのフラットに折り畳まれたカートンのスタックを取り扱うように適合される。このようにして、供給装置は、異なる長さを有するフラットに折り畳まれたカートンのいくつかの異なるスタックに適合させることができる。例えば、供給装置を、スタックの長さが100mmである5パネルタイプのフラットに折り畳まれたカートンのスタックに使用することが可能であり、別の時点で、スタックの長さが例えば500mmである通常のフラットに折り畳まれたカートンのスタックに使用することが可能である。
図2は、折り畳まれたカートンの長いスタックに適合された供給装置の一例を示している。この例では、数個の歯のみが、スイッチによって起立位置に配置される。
【0036】
また、コンベヤトラックほど広くない、より小さなフラットに折り畳まれたカートンに対して、2列の折り畳み可能な歯のみを使用することも可能である。例えば、隣接する2列の歯を起立させ、3列目の歯を常に折り畳んだ状態にすることができる。これは、供給装置が、より小さなカートン、または、例えば、延長された側部フラップを有する、奇妙な形状を有するカートンに使用されることを可能にしている。図の例では、歯の列ごとに別々のスイッチが使用されている。スイッチはまた、全ての列に同時に作用する単一のスイッチ部材を使用して、平行な一組の歯を同時に折り畳むことができる。
【0037】
全ての歯を起立させることにより、全ての歯が同じ方向を有することが保証され、各歯を起立及び/または折畳む必要が無いので、スイッチを簡単にすることができる。図の例では、スイッチは折り曲げが必要な歯のみを折り曲げている。別の例では、スイッチはコンベヤチェーンの内側に配置することができる。このような場合には、起立部材を使用せず、全ての歯が折り畳まれた状態でスイッチに到達する。この場合、スイッチは、起立すべき歯のみを起立させる。
【0038】
本発明の方法では、供給装置によって、起立したフラットに折り畳まれたカートンのスタックを、供給装置の送り込み領域から、スタックが合流される受入ステーションに供給するために、供給装置は、異なる長さを有するスタックを搬送して合流するように構成されている。スタックは、複数の歯を有するコンベヤトラックによって搬送される。
【0039】
ステップ100では、供給装置によって搬送されるべきフラットに折り畳まれたカートンのスタックの長さが決定され、供給装置の制御ユニットに保存される。
【0040】
ステップ110では、コンベヤトラックの選択された数の歯が、コンベヤトラックの戻り経路内の位置決め装置によって起立位置に連続的にセットされる。選択された歯の数は、カートンスタックの決定された長さに依存して設定される。スタックの長さは、2つの起立した歯の間の距離を設定し、これにより各歯の必要な位置が決定される。短いスタックでは、全ての歯を起立させなければならないことがある。より長いスタックでは、2つの起立された歯の間の距離がスタックの長さに対応するように、歯のいくつかは折り畳まれなければならない。
【0041】
ステップ120では、フラットに折り畳まれたカートンのスタックが、送り込み領域で歯の間に挿入される。スタックは、手またはスタック設置機によって挿入することができる。
【0042】
ステップ130では、歯は、コンベヤトラックのベアリング面に沿って配置されたガイドトラックによって選択された位置に保持される。
【0043】
ステップ140では、歯が供給装置の端部領域で選択された位置から解放され、これにより、歯がガイドトラックによって支持されないように、また、フラットに折り畳まれたカートンのスタックによって支持される。このようにして、歯は、送出領域でフラットに折り畳まれたカートンのスタックを押し付けたり、妨げたり、損傷したりしない。フラットに折り畳まれたカートンのスタックは、前のスタックと合流される。ここで、歯は、フラットに折り畳まれたカートンのスタックを押すのを止め、スタックは次のスタックと合流され、フラットに折り畳まれたカートンの完全な合流されたスタックは、そのスタックの歯によって押される。
【0044】
ステップ150では、歯が垂直方向に引き出される。コンベヤトラックの歯はガイドトラックを離れ、歯は戻り経路に向かって下方に後退する。
【0045】
ステップ160において、スタックは、供給装置の送出領域において前のスタックと合流する。
【0046】
追加のステップにおいて、コンベヤトラックの速度は、受入ステーションにおけるピックアップ速度に調整される。ピックアップ速度は、例えば、カートンの起立機が折り畳まれたカートンの合流されたパックから折り畳まれたカートンをピックアップする速度である。このようにして、フラットに折り畳まれたカートンの送出トラックにおける密度は、ほぼ一定であり、カートンの確実なピックアップが保証されるように、最前のカートンに対して十分な前方圧力(forward pressure)を与えている。同時に、フラットに折り畳まれたカートンは、倒れたり傾いたりしないように、その起立姿勢を維持することが保証される。
【0047】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の範囲内で、多くの追加的な変形及び修正が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 供給装置
2 フラットに折り畳まれたカートンのスタック
3 ベアリング面
4 ハウジング
5 第1列の歯
6 第2列の歯
7 第3列の歯
8 第1コンベヤチェーン
9 第2コンベヤチェーン
10 第3コンベヤチェーン
11 駆動ユニット
12 表示タブ
13 送出領域
14 スライドトラック
15 端部領域
16 押し込み部材
17 歯
18 ベアリング表面
19 押圧表面
20 フレーム
21 カバー面
22 支点
23 ローラ
24 ガイドトラック
25 スイッチ
26 スイッチシリンダ
27 スイッチ部材
28 作動タブ
29 支点
30 コンベヤトラック
31 送出コンベヤ
32 送り込み領域
33 起立部材
34 駆動輪
35 スライドレール
【国際調査報告】