(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-07
(54)【発明の名称】ガスを濃縮するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20230731BHJP
G05B 23/02 20060101ALI20230731BHJP
B01D 53/047 20060101ALI20230731BHJP
【FI】
A61M16/10 B
G05B23/02 Z
B01D53/047
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502664
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021041717
(87)【国際公開番号】W WO2022015907
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503351836
【氏名又は名称】インバケア コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤヒヤ, ハニーン ワイ.
【テーマコード(参考)】
3C223
4D012
【Fターム(参考)】
3C223BA01
3C223CC01
3C223DD01
3C223EB01
3C223FF04
3C223FF05
3C223FF52
3C223FF53
3C223GG01
4D012BA01
4D012BA02
4D012CA05
4D012CB16
4D012CD07
4D012CE03
4D012CF10
4D012CG01
4D012CG02
4D012CG05
4D012CJ01
4D012CJ03
4D012CJ07
4D012CK05
(57)【要約】
ガス濃縮システムおよび方法の実施形態が、提供される。これらのシステムおよび方法は、本明細書に説明されるようにガスを濃縮するシステムおよび方法と関連付けられる種々のセンサを監視するためのハードウェアおよびソフトウェア構成要素の構成を備える。これらのハードウェアおよびソフトウェア構成要素はさらに、本システム全体を通してセンサから取得された情報を利用し、あるデータ分析タスクを実施するように構成される。分析を通して、本システムは、例えば、1つまたはそれを上回るシステム構成要素に関する故障までの時間を計算する、差し迫る構成要素故障をユーザに警告するためのアラームを発生させる、異なる環境条件において機能性を改良するためにシステム設定を修正する、エネルギーを節約するためにシステム動作を修正する、および/またはセンサフィードバックに基づいて、最適な設定構成を決定し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを濃縮するためのシステムであって、
複数のシーブ床と、
酸素センサと、
圧力センサと、
コントローラであって、
酸素および圧力データを収集するための論理と、
前記酸素および圧力データに関する線形回帰を計算するための論理と、
酸素線形回帰計算および所定の閾値酸素純度レベルに基づいて、1つまたはそれを上回るガス濃縮構成要素に関する故障までの予測時間を決定するための論理と、
圧力線形回帰計算の傾きを決定するための論理と、
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理と
を備える、コントローラと
を備える、システム。
【請求項2】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理は、
前記酸素線形回帰計算を使用し、前記構成要素の予測される故障前の時間窓を発生させる論理
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが前記時間窓の間に正であるかまたは負であるかを決定するための論理
を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の開始時に正である場合、第1のシーブ床アラームを発生させるための論理
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の終了時に正である場合、第2のシーブ床アラームを発生させるための論理
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の開始時に負である場合、第1のコンプレッサアラームを発生させるための論理
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の終了時に負である場合、第2のコンプレッサアラームを発生させるための論理
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の開始時に負である場合、第1のフィルタアラームを発生させるための論理
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項9】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の終了時に負である場合、第2のフィルタアラームを発生させるための論理
を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項10】
ガス濃縮器のための健全性監視システムであって、
コントローラであって、
酸素および圧力データを収集するための論理と、
前記酸素および圧力データに関する線形回帰を計算するための論理と、
酸素線形回帰計算および所定の閾値酸素純度レベルに基づいて、1つまたはそれを上回るガス濃縮器構成要素に関する故障までの予測時間を決定するための論理と、
圧力線形回帰計算の傾きを決定するための論理と、
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理と
を備える、コントローラ
を備える、システム。
【請求項11】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理は、
前記酸素線形回帰計算を使用し、前記構成要素の予測される故障前の時間窓を発生させる論理
を備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが前記時間窓の間に正であるかまたは負であるかを決定するための論理
を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の開始時に正である場合、第1のシーブ床アラームを発生させるための論理
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の終了時に正である場合、第2のシーブ床アラームを発生させるための論理
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の開始時に負である場合、第1のコンプレッサアラームを発生させるための論理
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記酸素線形回帰計算および前記圧力線形回帰計算の傾きに基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理はさらに、
前記圧力線形回帰計算の傾きが、前記時間窓の終了時に負である場合、第2のコンプレッサアラームを発生させるための論理
を備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
ガス濃縮システムであって、
複数のシーブ床と、
酸素センサと、
圧力センサと、
コントローラであって、
酸素および圧力データを収集する論理と、
前記酸素および圧力データに関する線形回帰を計算する論理と、
酸素線形回帰計算および所定の閾値酸素純度レベルに基づいて、1つまたはそれを上回るガス濃縮器構成要素に関する故障までの第1の予測時間を決定する論理と、
圧力線形回帰計算および所定の閾値圧力レベルに基づいて、1つまたはそれを上回るガス濃縮器構成要素に関する故障までの第2の予測時間を決定する論理と、
前記故障までの第1および第2の予測時間を比較する論理と、
前記比較に基づいて、時間窓を設定する論理と、
前記システムが前記時間窓内にあるとき、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理と
を備える、コントローラと
を備える、システム。
【請求項18】
前記故障までの第1および第2の予測時間を比較する論理は、前記故障までの第1および第2の予測時間のうちのどちらがより早く生じるであろうかを決定する論理を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記比較に基づいて、時間窓を設定する論理は、前記より早く生じる故障までの予測時間に基づいて、前記時間窓を設定する論理を備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムが前記時間窓内にあるとき、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させるための論理は、前記システムが30日時間窓内にあるとき、1つまたはそれを上回る構成要素アラームを発生させる論理を備える、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「System and Method for Concentrating Gas」と題され、2020年7月16日に出願された米国仮特許出願第63/052,869号(弁理士整理番号第12873-07041号)の優先権を主張する。
【0002】
本願は、以下の特許出願、すなわち、全て2020年7月16日に出願された、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,694号(弁理士整理番号第12873-07004号)、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,700号(弁理士整理番号第12873-07033号)、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,869号(弁理士整理番号第12873-07041号)、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,533号(弁理士整理番号第12873-07043号)、および「System and Method for Managing Medical Devices」と題された米国仮特許出願第63/052,647号(弁理士整理番号第12873-07044号)を参照することによって組み込む。
【背景技術】
【0003】
種々の用途が、ガス状混合物の分離に関して存在する。例えば、大気空気からの窒素の分離は、高濃度の酸素源を提供することができる。これらの種々の用途は、医療患者および飛行人員のための高濃度の酸素の提供を含む。したがって、ある濃度の酸素を伴う呼吸ガス等の濃縮製品ガスを提供するために、ガス状混合物を分離するシステムを提供することが、望ましい。
【0004】
例えば、いくつかの既存の製品ガスまたは酸素濃縮システムおよび方法が、Invacare Corporation(Elyria, Ohio)に共同譲渡され、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる、米国特許第4,449,990号、第5,906,672号、第5,917,135号、第5,988,165号、第7,294,170号、第7,455,717号、第7,722,700号、第7,875,105号、第8,062,003号、第8,070,853号、第8,668,767号、第9,132,377号、第9,266,053号、および第10,010,696号に開示されている。
【0005】
そのようなシステムは、定常、輸送可能、またはポータブルのいずれかであることが公知である。定常システムは、例えば、ユーザの寝室または居間等の1つの場所に留まることを意図している。輸送可能システムは、場所から場所に移動されることを意図しており、多くの場合、移動を促進するための車輪または他の機構を含む。ポータブルシステムは、例えば、肩ストラップまたは類似する付属品を介して等、ユーザとともに携行されることを意図している。
【0006】
これらのシステムの1つまたはそれを上回る構成要素の故障は、システムが多くの事前通知を伴わずに修理または交換のいずれかを行われることを必要とする結果をもたらす。システムが、迅速に修理または交換されることができない場合、好適な代替物が、ユーザのために見出されなければならない。そのようなシステムは、種々のセンサを監視するように構成されるハードウェアおよびソフトウェアを有するが、本監視は、ガス濃縮プロセスおよび限定された診断と関連付けられている。したがって、限定ではないが、構成要素故障までの時間を含む、改良されたデータ/診断分析および制御能力を伴うシステムおよび方法を提供することが、所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ガス濃縮システムおよび方法が、提供される。本システムおよび方法は、例えば、1つまたはそれを上回るシステム構成要素に関する故障までの時間を計算する、差し迫る構成要素故障をユーザに警告するためのアラームを発生させる、異なる環境条件において機能性を改良するためにシステム設定を修正する、エネルギーを節約するためにシステム動作を修正する、および/またはセンサフィードバックに基づいて、最適な設定構成を決定してもよい。構成要素特有アラームは、医療デバイスプロバイダレベルにおける診断に役立ち、点検および修理の効率を増加させ、構成要素が誤って交換される確率を低減させることによって費用を節約することができる。
【0008】
一実施形態では、ガス濃縮システムの少なくとも1つの構成要素に関する故障までの時間を計算するためのシステムおよび方法が、提供される。本システムおよび方法は、動作圧力および/または酸素濃縮時間傾き線形回帰を使用し、故障までの推定時間を決定するステップを含む。他の実施形態では、本決定は、故障までの推定時間を更新またはリフレッシュするために、周期的に行われることができる。さらに、構成要素故障は、例えば、圧力および/または酸素の傾き傾向(正または負)および酸素純度の減衰/線形回帰によって識別されることができる。本識別に基づいて、警告、アラーム、および同等物が、問題のある構成要素に関してユーザおよび点検人員にアラートするために発生されることができる。
【0009】
別の実施形態では、本システムおよび方法は、高度値に基づいて、ベースライン読取値を作成する。これは、少なくとも平均酸素値、平均圧力値、および高度値を含む、ガス濃縮システムの動作に関連する初期値を決定するステップを含む。一実施形態では、本システムおよび方法はさらに、所与の高度値に関する値のベースラインを確立するステップと、高度の変化が生じたかどうかを決定するステップとを含む。高度の変化が、決定される場合、本システムおよび方法は、測定された高度に関する値の第2のベースラインを確立する。いかなる高度の変化も、決定されない場合、本システムおよび方法は、ガス濃縮システムの動作に関連する値に基づいて、データの収集に進む。別の実施形態では、本システムおよび方法はさらに、データ分析閾値が満たされているかどうかを決定するステップと、該当する場合、分析を実施し、構成要素故障までの推定時間を計算するステップとを含む。
【0010】
別の実施形態では、本システムおよび方法はさらに、保守時間窓を決定するステップと、保守時間窓の間にデータを収集するステップと、データ分析閾値が満たされているかどうかを決定するステップと、第2の分析を実施し、構成要素故障までの推定時間を計算するステップと、故障構成要素を診断するステップと、診断された故障構成要素に基づいて、アラートを発生させるステップとを含んでもよい。
【0011】
したがって、ガス濃縮システムの1つまたはそれを上回る構成要素の故障までの時間または健全性を決定することが、本発明の目的である。
【0012】
少なくとも1つの構成要素の故障までの時間または健全性分析に基づいて、1つまたはそれを上回る構成要素故障アラームまたは警告を提供することが、別の目的である。
【0013】
構成要素故障に先立って、1つまたはそれを上回る構成要素故障または健全性アラームまたは警告を提供することが、別の目的である。
【0014】
本システムの少なくとも1つの構成要素の故障までの時間または健全性分析を実施し、その情報を使用し、点検が現在要求される、または近い将来に必要とされることをユーザに知らせる、ガスを濃縮するためのシステムおよび方法を提供することが、別の目的である。
【0015】
本システムの少なくとも1つの構成要素の故障までの時間または健全性分析を実施し、その情報を使用し、1つまたはそれを上回る構成要素が現在または近い将来に点検または修理を要求することを点検または修理人員に知らせる、ガスを濃縮するためのシステムおよび方法を提供することが、別の目的である。
【0016】
本システムの少なくとも1つの構成要素の故障までの時間または健全性分析を実施し、その情報を使用し、構成要素またはシステムの有用寿命を延ばすために本システムおよび方法の性能を修正する、ガスを濃縮するためのシステムおよび方法を提供することが、別の目的である。
【0017】
これらおよび他の目的は、本明細書の上記および下記に提供される図面および説明から明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本明細書に組み込まれ、その一部を成す付随の図面では、本発明の実施形態が、図示され、これは、上記に与えられる本発明の一般的説明および下記に与えられる詳細な説明とともに、本発明の原理を例示する役割を果たす。
【0019】
【
図1】
図1は、ガス濃縮システムおよび方法の一実施形態を示す。
【0020】
【
図2】
図2は、ガス濃縮システムおよび方法の空気圧ブロック図の一実施形態である。
【0021】
【
図3】
図3は、例示的ガス濃縮システムおよび方法のコントローラの一実施形態である。
【0022】
【
図4】
図4は、ガス濃縮システムの少なくとも1つの構成要素に関する故障までの時間を計算するための例示的方法の一実施例である。
【0023】
【
図5】
図5は、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障を診断するための例示的方法の一実施例である。
【0024】
【
図6A】
図6A-6Bは、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障、予測される故障、および/または健全性を診断するための方法および論理の種々の実施形態を図示する。
【
図6B】
図6A-6Bは、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障、予測される故障、および/または健全性を診断するための方法および論理の種々の実施形態を図示する。
【0025】
【
図7】
図7は、酸素生成プロセスの偏移時間を修正するときの極端な環境条件(例えば、海抜10,000フィート)における酸素純度の例示的値を図示する、チャートである。
【0026】
【
図8】
図8は、酸素濃縮システムに関する最適な流率設定を予測するための一例示的方法を図示する。
【0027】
【
図9】
図9は、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障、予測される故障、および/または健全性を診断するための方法および論理の別の実施形態を図示する。
【0028】
【
図10】
図10は、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障、予測される故障、および/または健全性を診断するための方法および論理のまた別の実施形態を図示する。
【0029】
【
図11】
図11は、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障、予測される故障、および/または健全性を診断するための方法および論理のさらなる実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
説明
本明細書に説明されるように、1つまたはそれを上回る構成要素が、接続される、継合される、添着される、結合される、取り付けられる、または別様に相互接続されるものとして説明される、または示されるとき、そのような相互接続は、構成要素の間として直接的であってもよい、または1つまたはそれを上回る中間構成要素の使用を通して等、間接的であってもよい。また、本明細書に説明されるように、部材、構成要素、または部分の言及は、単一の構造的部材、構成要素、要素、または部分に限定されるものとせず、構成要素、部材、要素、または部分の集合体を含むことができる。
【0031】
本発明の実施形態は、例えば、例示的ガス濃縮システムの動作と関連付けられるセンサを監視する能力を提供し、本システム全体を通してセンサから取得された情報を利用し、あるデータ分析タスクを実施する。分析を通して、本システムは、例えば、1つまたはそれを上回るシステム構成要素に関する故障までの時間を計算する、差し迫る構成要素故障をユーザに警告するためのアラームを発生させる、異なる環境条件において機能性を改良するためにシステム設定を修正する、エネルギーを節約するためにシステム動作を修正する、および/またはセンサフィードバックに基づいて、最適な設定構成を決定してもよい。これらの実施例はそれぞれ、本明細書にさらに詳細に説明されるであろう。
【0032】
実施例として、酸素濃縮器は、空気から酸素を生成するために、圧力スイング吸着法PSA技術を利用する。プロセスは、圧力が高い状態から低い状態に(逆もまた同様である)推移することを可能にする、サイクルステップに基づく。圧力差は、酸素の発生および吸着剤の再生のための原動力である。いくつかのユニットは、全てのサイクルが同一の持続時間を要する、固定された偏移時間に基づいて動作する。ユニット寿命の開始時に、シーブは、新しく、床における圧力降下は、最小限である。他のユニットは、吸着時間の終了が製品タンクにおいて検出される不純物量によって決定される、破過条件下で動作する。それらのユニットでは、偏移時間は、ユニットの寿命にわたって緩慢に減少する。吸着剤性能は、その選択性、窒素容量、および拡散性に依存する。分子シーブ再生は、濃縮器寿命および生成される酸素量に不可欠である。吸収体は、水蒸気および二酸化炭素等の汚染物質によって、経時的に飽和状態になる。本飽和は、汚染物質が、ゼオライト構造における部位を占有し、窒素を閉じ込める容量を低減させる傾向があるため、材料容量を劣化させる。汚染の主要な結果は、不純物(窒素ガス)の破過である。シーブ材料性能の劣化は、生成される純酸素の量、したがって、患者に送達される酸素純度に直接影響を及ぼす。シーブ床健全性の劣化は、酸素純度の減少およびタンクを加圧する率の漸進的な増加を引き起こし得る。製品タンク圧力、酸素純度、および時間フィードバックは、シーブ床に関連する問題を監視することに役立つことができる。
【0033】
シーブ床における吸着容量が、(水分、汚染物質、または摩滅からの摩耗に起因して)減少するにつれて、通常、シーブ床における各サイクルにおいて吸着され、閉じ込められる通常のN2の量は、減少し(より少ない床容量)、吸着されなかった過剰な窒素をシーブ床の酸素側から破過させるであろう。本破過は、製品タンク(リザーバまたはアキュムレータ)における不純物ガスの合計量を増加させ、したがって、製品タンクにおける圧力を増加させ、合計体積からのO2留分を減少させる。製品タンクから出る量は、通常、ポータブル酸素濃縮器における微量のためのコンサーバ弁タイミングまたは定常酸素濃縮器における流量計によって制御および固定される。圧力偏移機械では、各偏移の圧力は、制御され、したがって、変化する変数は、その標的圧力に到達する率である。シーブ床が摩耗するにつれて、偏移時間は、タンク内により多い体積の不純物を伴って標的圧力により早く到達することに起因して、減少するであろう。O2低下が他の故障ではなく、シーブ床摩耗に起因することを検出するために、製品タンクにおける(時間偏移デバイスにおける)圧力は、監視されることができる。O2の減少と組み合わせた圧力の漸進的増加は、シーブ床摩耗の場合にのみ存在する。圧力、O2変化、および時間の率は、シーブ床健全性監視のためのフィードバックとして使用されることができる。他の一意の構成要素故障(例えば、ポンプ、弁等)もまた、圧力および/または酸素センサ信号の分析を通して決定され、アラーム、警告、および故障までの時間の推定値を発生させることができる。
【0034】
実施例として、構成要素故障、故障している構成要素、または故障までの時間と関連付けられる1つまたはそれを上回る構成要素特有アラームが、1つまたはそれを上回るセンサ信号を利用することによって決定されることができる。例えば、酸素および/または圧力センサが、シーブ床および/またはコンプレッサ故障を決定する、および/または故障までの時間を予測するために使用されることができる。圧力信号が、主要弁故障を決定する、および/または故障までの時間を予測するために使用されることができる。酸素製品タンクの内外への圧力波形が、低酸素純度レベルと組み合わせて、逆止弁故障を決定する、および/または故障までの時間を予測するために使用されることができる。圧力対時間傾きデータに適用される線形回帰分析が、動作圧力が許容可能な値を超えるであろうとき、システム(またはシーブ床)故障までの予測時間を決定することができる。同様に、酸素濃度対時間傾きデータに適用される線形回帰分析が、酸素濃度が許容可能な値を下回るであろうとき、システム(またはシーブ床)故障までの予測時間を決定することができる。酸素および圧力センサを含む、種々のセンサの電気出力信号(その不在および/または範囲外の信号を含む)が、センサ故障を決定する、および/または故障までの時間を予測するために使用されることができる。
【0035】
一実施形態では、故障までの時間は、本システムおよび/または構成要素がもはや適正な出力または動作パラメータを提供しないであろう時間を予測するために、線形回帰分析を使用することによって決定される。例えば、システム圧力および/または酸素データ(例えば、高い、低い、経時的に減衰する、経時的に上昇する、前述の組み合わせ等)の線形回帰分析が、1つまたはそれを上回る構成要素の故障までの時間を識別および予測するために使用されることができる。これは、弁、モータ、ポンプ、シーブ床、およびセンサ等のシステム構成要素が、故障し始める、または故障すると、それぞれ、全体的システム挙動および機能に対する一意の効果または効果の組み合わせを引き起こし、線形回帰分析を通して故障している構成要素および故障までの予測時間の識別を可能にする。これらの一意の効果または効果の組み合わせは、下記により詳細に議論される。
【0036】
図1に図示されるものは、構成要素故障分析および/またはアラームを含む、酸素システム100の一実施形態である。本システムは、例えば、病院または患者の自宅における使用のため等、定常であってもよい。本システムはまた、例えば、患者が自宅から離れているときの患者による使用のため等、歩行性または可動性であり得る。本システムは、患者が、例えば、肩掛けストラップを通して、またはそれによって本システムが取っ手および車輪を含む配列を通して等、本システムを携行することを可能にする様式で構成されることができる。他の可動性構成もまた、含まれる。
【0037】
酸素システム100は、1つまたはそれを上回る区分にあり得る、筐体102を含む。筐体102は、例えば、室内空気の吸入および窒素および他のガスの排出等の種々のガスの吸入および排出のための複数の開口部を含む。酸素システム100は、概して、大部分が酸素および窒素から成る室内空気を吸入し、酸素から窒素を分離する。酸素は、1つまたはそれを上回る内部または外部貯蔵または製品タンク内に貯蔵され、窒素は、室内空気に戻るように排出される。例えば、酸素ガスは、ポート104を通して、管類および鼻カニューレを通して患者に排出されてもよい。代替として、酸素ガスは、補助ポートを通して、Invacare Corp.(Elyria, Ohio, USA)によって製造されるHOMEFILL(登録商標)等の酸素ボンベ充填デバイスに排出されてもよい。
【0038】
図2は、圧力スイング吸着法(PSA)を使用するガス濃縮システム200に関する例示的空気圧ブロック図の一実施形態を図示する。本システムは、複数のガス分離シーブ床206aおよび206bと、複数の弁204a、204b、204c、および204dと、1つまたはそれを上回る製品タンク208a、208bと、コンサーバ弁/デバイス218とを含むことができる。本実施形態では、製品タンク208a、208bは、接続されて示され、したがって、それらは、1つの製品タンクとして作用するが、また、2つの製品タンクとして作用するように配列されてもよい。本システムはまた、コンプレッサ/ポンプ203と、1つまたはそれを上回るフィルタ201と、マフラ202とを含む。
【0039】
シーブ床206aおよび206bは、物理的分離媒体または材料を用いて充填される。分離材料は、1つまたはそれを上回る吸着可能成分を選択的に吸着させ、ガス状混合物の1つまたはそれを上回る非吸着可能成分を通過させる。概して、物理的分離材料は、均一なサイズおよび本質的に同一の分子寸法の細孔を伴う分子シーブである。これらの細孔は、分子形状、極性、飽和度、および同等物に従って、分子を選択的に吸着させる。一実施形態では、物理的分離媒体は、4~5ANG.(オングストローム)の細孔を伴うアルミナシリケート組成物である。より具体的には、分子シーブは、5A型ゼロライト等のアルミナシリケートのナトリウムまたはカルシウム形態である。代替として、アルミナシリケートは、より高いシリコン対アルミニウム比、より大きい細孔、および極性分子に対する親和性、例えば、13x型ゼオライトを有してもよい。ゼオライトは、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、および空気の他の有意な成分を吸着させる。他のタイプの分離媒体もまた、使用されてもよい。また、2つを上回るシーブ床が、使用されることができる。他の実施形態では、シーブ床206aおよび206bは、米国特許第8,668,767号(本特徴および他の特徴に関して参照することによって完全に本明細書に組み込まれる)に説明されるように、1つまたはそれを上回る製品タンク208aおよび208bと構造的に統合されることができる。
【0040】
動作時、
図2の実線によって示されるように、分離床206aの例示的充填サイクルの間、ポンプ/コンプレッサ203は、室内空気を、フィルタ201を通して、弁204dおよび分離床206aに引き込み、これは、その出力において、弁210aを通して製品タンク208a、208bの中に酸素を生成する。ポンプ/コンプレッサ203は、充填段階の間に1平方インチあたり最大約32ポンドの空気をシーブ床に供給する。他の作業圧力範囲は、1平方インチあたり約15~34ポンドを含む。弁210aおよび210bは、逆止弁または一方向流動のみを可能にする任意の他の同様に機能する弁であってもよい。
【0041】
分離床206aが、充填サイクルを受けている間、分離床206bは、以前の充填サイクルからのいずれの窒素ガスも排出するために、パージサイクルを受けてもよい。パージサイクルの間、以前に加圧された分離床206bは、弁204aを通して、かつマフラ202を通して大気中に窒素ガスを排出する。分離床206bは、その以前の充填サイクルから加圧されている。パージサイクルの間、分離床206aまたは製品タンク208a、208bからのある量の酸素が、
図2に破線で示される、随意のブリード弁212および固定されたオリフィス214によって制御されるように、分離床206bを酸素を用いて事前装填または事前充填するために、分離床206bの中に給送されることができる。
【0042】
図2の破線によって示されるように、いったん分離床206aが充填される、および/または分離床206aがパージされると、制御システム220は、分離床206bが充填サイクルに入る一方、分離床206aがパージサイクルに入るように、弁204a、204b、204c、および204dを切り替える。本状態では、ポンプ203は、室内空気を分離床206bの中に指向し、これは、その出力において、弁210bを通して製品タンク208a、208bの中に酸素を生成する。分離床206aは、パージサイクルを受け、それによって、これは、窒素および他のガスを弁204cおよびマフラ202から外に、大気または室内に排出する。パージサイクルの間、分離床206bまたは製品タンク208a、208bからのある量の酸素が、ここでは以前のサイクルと比較して反対方向に流動する酸素を用いて分離床206aを事前装填または事前充填するために、分離床206aの中に給送されることができる。図示されるシステムはまた、例示的圧力均等化弁216を含み、これは、パージ/充填サイクル変更に先立って、2つの分離床内の圧力を均等化する。
【0043】
圧力均等化弁216は、その充填サイクルの終わりに近い分離床(例えば、206a)およびそのパージサイクルの終わりに近い分離床(例えば、206b)の出力の間で圧力を均等化することによって、酸素のより効率的な発生を可能にすることができる。例えば、圧力均等化弁216は、各パージ/充填サイクルの終わりに近い分離床206aおよび分離床206bの出力の間で圧力を均等化するようにアクティブ化されてもよい。米国特許第4,449,990号および第5,906,672号(参照することによって本明細書に完全に組み込まれる)はさらに、圧力均等化弁の動作を説明している。このように、各分離床206a、206bは、制御システム220によって制御されるように交互する充填およびパージサイクルを周期的に受け、それによって、酸素を発生させる。
【0044】
図2に示されるように、随意のコンサーバ弁/デバイス218が、ユーザ222への製品ガスの送達を制御するために使用されてもよい。コンサーバ弁218は、製品タンク208a、208bから濃縮製品ガスを提供することまたは室内空気に通気することの間で切り替えてもよい。例えば、コンサーバ弁218は、制御システム220によって決定される量および時間において濃縮酸素製品ガスの種々の連続的またはパルス化流動を選択的に提供するために使用されてもよい。本時間は、典型的には、ユーザによる吸息を感知することに基づき、典型的には、ユーザの鼻または口に近接する圧力の低下または(流動の増加)を感知することによって決定される。
【0045】
本実施形態では、制御システム220は、例えば、圧力源203および弁204a、204b、204c、204d、216、および212のアクティブ化、レベル、および相対的タイミングを制御することによって、濃縮製品ガスの生成および送達を最適化するために、種々の制御プロセスを利用してもよい。これは、1つまたはそれを上回る圧力センサ224および/または酸素濃度センサ226の使用によって遂行される。一実施形態では、圧力および酸素センサ224および226は、製品タンク208Aおよび208(b)に進入する圧力および酸素濃度を監視する。他の実施形態では、時間指定サイクルの使用が、採用されることができ、サイクル時間は、工場において設定される。さらなる実施形態では、サイクル時間は、流動設定および/または感知された患者流動要求から決定されることができる。またさらなる実施形態では、サイクル時間は、酸素濃縮器がオンにされる、または電源オンにされるときの始動診断手順の間に決定されることができる。
【0046】
図2は、圧力スイング吸着法(PSA)サイクルを図示するが、真空スイング吸着法(VSA)、真空-圧力スイング吸着法(VPSA)、または他の類似するモードを含む、他のガス濃縮サイクルもまた、使用されてもよい。特定のガス濃縮モードは、それらがユーザへの酸素等の濃縮ガスを生成することが可能である限り、本明細書に説明される本発明の実施形態にとって重要ではない。上記の動作モードの実施例が、例えば、米国特許第9,266,053号および第9,120,050号(参照することによって完全に組み込まれている)に開示されている。
【0047】
システム構成要素のうちの多くの機械的性質に起因して、構成要素摩耗および故障が、生じ得る。しかしながら、故障までの時間を決定し、どの構成要素が故障したかを診断することは、時間がかかり、非効率的である。本発明の実施形態は、酸素純度および/または動作圧力を変化させ得る因子および構成要素故障を分析する。一実施形態では、本システムおよび方法は、圧力および/または酸素センサデータを分析し、シーブ床摩耗を決定し、故障までの時間を予測する。一実施例では、経時的な酸素純度の減少と組み合わせた分離またはシーブ床の動作圧力の漸進的増加は、シーブ床摩耗と関連付けられる明確な故障モードである。他の実施例では、動作圧力が、圧力対時間傾きデータに対する線形回帰分析を使用し、これが閾値(例えば、34PSIまたはある他の値)を超えて増加するであろうときを決定することによって、システムまたはシーブ床故障までの予測時間を決定するために、単独で使用されることができる。同様に、酸素濃度/純度が、酸素純度対時間傾きデータに対する線形回帰分析を使用し、これが閾値(例えば、85%またはある他の値)を下回って減少するであろうときを決定することによって、システムまたはシーブ床故障までの予測時間を決定するために、単独で使用されることができる。また他の実施例では、圧力および酸素線形回帰の両方が、別個に決定されることができ、故障までの予測時間は、2つの決定(例えば、低い酸素閾値に到達する時間または高い圧力閾値に到達する時間)のうちのより早いものであるように設定されることができ、これは、次いで、シーブ床が交換またはすぐに交換される必要があるという警告をトリガするであろう。
【0048】
他の明確な構成要素故障もまた、識別されることができる。これらは、空気側(主要)弁(例えば、204a、204b、204c、および/または204d)が閉鎖または開放されたまま動かなくなることを含む。これらの故障は、シーブ床の入力(または出力)に対する即時の圧力変化(すなわち、漸進的ではない)とともに、酸素純度を低下させる(例えば、85%を下回る、73%を下回る等)。空気側(主要)弁漏出が、シーブ床から出る低酸素純度(例えば、85%を下回る、73%を下回る等)およびより低い(範囲外)シーブ床動作圧力によって明確に識別されることができる。逆止弁漏出が、低酸素純度(例えば、85%を下回る、73%を下回る等)および製品タンク圧力の「v」形減少によって明確に識別されることができる。管類漏出が、低酸素純度(例えば、85%を下回る、73%を下回る等)および低い(例えば、範囲外)システム圧力によって識別されることができる。コンプレッサ摩耗が、低酸素純度(例えば、85%を下回る、73%を下回る等)および低い入力および出力(例えば、範囲外)シーブ床圧力によって明確に識別されることができる。流動に対する障害/制限が、同一のままである、またはより高くなる、即時の高いシステム圧力(例えば、範囲外)および酸素純度を引き起こす。流動出力設定変化が、圧力および酸素純度によって識別されることができ、すなわち、流動設定の増加は、圧力(例えば、システムまたは製品タンク)を下げさせ、酸素純度をわずかに下げさせ、流動設定の減少は、圧力(例えば、システムまたは製品タンク)を上げさせ、酸素純度を上げさせる。これらおよび他の感知されたパラメータが、構成要素故障および/または故障までの時間を診断するために使用されることができる。
【0049】
図3は、構成要素故障論理を有する、制御システム220の一実施形態の詳細図を図示する。例示的ガス濃縮システムを具体的に参照して本明細書に説明されるが、制御システム220が、付加的システムとの併用のために容易に適合され得ることを理解されたい。ある実施形態では、制御システム220は、1つまたはそれを上回るセンサ、例えば、圧力センサ224、酸素センサ226、および/または高度センサ312に動作的に接続される、および/またはそれとデータ通信してもよい。例えば、流動および/または温度センサを含む、他のセンサもまた、使用されてもよい。圧力センサ224は、例示的ガス濃縮システム(例えば、ガス濃縮システム200)の種々の構成要素と関連付けられてもよく、リアルタイムまたはほぼリルタイムで圧力を測定するように構成される。ある実施形態では、圧力センサ224は、複数の構成要素からの圧力データを監視および収集するように構成される、個々のセンサを備えてもよい。同様に、酸素センサ224は、例示的ガス濃縮システム(例えば、ガス濃縮システム200)の種々の構成要素と関連付けられてもよく、リアルタイムまたはほぼリルタイムで酸素値を測定するように構成される。ある実施形態では、酸素センサ226は、複数の構成要素からの圧力データを監視および収集するように構成される、個々のセンサを備えてもよい。高度センサ312は、ガス濃縮システムの物理的高度を測定するように構成される、高度計、気圧センサ、または同等物を備えてもよい。付加的センサが、制御システム220に動作的に接続される、および/またはそれとデータ通信し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、制御システム220は、圧力源203、およびいくつかの実施形態では、弁204a、204b、204c、204d、216、および212(
図2参照)のアクティブ化、レベル、および相対的タイミングを制御することによって、濃縮製品ガスの生成および送達を最適化する制御スキームを実装するように構成される。制御システム220は、加えて、ユーザ設定モジュール314に動作的に接続される、および/またはそれとデータ通信してもよい。ユーザ設定モジュール314は、種々のユーザ設定を制御システム220に通信するように構成される。いくつかの実施形態では、ユーザ設定モジュール314は、例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォン、または同等物等のユーザ入力デバイスからユーザ入力を受信してもよい。他の実施形態では、ユーザ設定モジュール314は、例示的ガス濃縮システム(例えば、ガス濃縮システム200)と関連付けられる制御パネルまたは同等物を介してユーザ入力を受信してもよい。いくつかの実施形態では、初期設定は、メモリ、例えば、メモリ306内に記憶され得る「デフォルト」設定として製造業者によって設定されてもよい。
【0050】
制御システム220はまた、種々の入力/出力デバイス316と通信する。入力および出力デバイスは、酸素濃縮器の筐体上のプッシュボタン、無線デバイス(例えば、タブレット、スマートフォン、ラップトップ、遠隔サーバ、RFIDタグ、リーダ、ライタ等)、1つまたはそれを上回る通信ポート(例えば、シリアルバスポート(例えば、USB等)、メモリカードスロット(例えば、SD等)等)を通して接続されるデバイス、発光デバイス(例えば、ランプ、LED等)、オーディオ出力のためのスピーカ、オーディオ入力のためのマイクロホン、カメラ等を含む。
【0051】
一実施形態では、圧力センサは、シーブ床206a、206bの入力および/または出力と関連付けられる。圧力センサはさらに、1つまたはそれを上回る製品タンク208a、208bの入力および/または出力と関連付けられることができる。同様に、酸素センサは、1つまたはそれを上回る製品タンク208a、208bの入力および/または出力と関連付けられることができる。酸素センサはまた、1つまたはそれを上回るシーブ床206a、206bの出力と関連付けられることができる。他の構成要素もまた、圧力および/または酸素センサを同様にそれらと関連付けられることができる。
【0052】
制御システム220は、構成要素故障分析のための少なくとも論理304と、メモリ306とを備える。論理304はさらに、例えば、回帰分析等の計算および他のデータ分析を実施するように動作可能な1つまたはそれを上回るプロセッサまたは同等物を備えてもよい。付加的タイプのデータ分析、例えば、線形回帰(例えば、Y=bx+a)、指数近似曲線(例えば、Y=aebx)、対数近似曲線(例えば、Y=a×ln(x)+b)、多項式近似曲線(例えば、Y=b6x6+…+b1x+a)、べき乗近似曲線等が、論理304を介して使用する制御システム220によって実施され得ることを理解されたい。ある実施形態では、複数のデータ分析が、組み合わせて使用されてもよく、例えば、線形回帰が、多項式モデルの小区分に関して実施されてもよい。いくつかの実施形態では、制御システム220は、ガス濃縮システムと関連付けられるセンサ、例えば、圧力センサ224、酸素センサ226、および/または高度センサ312から受信されたデータの分析を実施するために、論理304を利用してもよい。そのようなセンサから受信されたデータの分析を通して、制御システム220は、完全な故障の前に故障している構成要素を識別および診断し、より良好な診断保守および修理、より効率的な点検および修理、および構成要素を誤って交換することに関連する費用節約(例えば、標的化された修理)を可能にし得る。
【0053】
図4-6は、コントローラ220によって実施可能なそのようなデータ分析方法に関する論理の種々の実施例を図示する。図示される方法および関連付けられるステップが、異なる順序で実施される、図示されるステップが省略される、付加的ステップが追加される、または再順序付けされる、組み合わせられる、省略される、または付加的ステップの組み合わせを伴い得ることを理解されたい。
【0054】
図4では、ガス濃縮システムの少なくとも1つの構成要素に関する故障までの時間を計算するための方法400の一実施形態が、示される。方法400は、402において開始され、初期値が、決定される。初期値は、1つまたはそれを上回る酸素センサ(例えば、酸素センサ226)によって測定されるような酸素レベル、1つまたはそれを上回る圧力センサ(例えば、圧力センサ224)によって測定されるような圧力レベル、および/または高度センサ(例えば、高度センサ312)によって測定されるような高度を備えてもよい。初期値が、具体的時間(例えば、ガス濃縮システムが動作できる状態になってから30秒後)に決定され得る、または代替では、初期値が、ガス濃縮システムが動作できる状態になった後に得られたいくつかの測定値の平均を備え得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ブロック402は、加えて、ウォームアップ後の始動チェック、例えば、これが所定の準備閾値(例えば、85%)に到達した後ではなく、これが増加し終わった後の酸素の定常状態を決定するステップを含む。定常状態動作へのウォームアップまたは始動として数サイクルを要求することは、本システムにとって珍しくない。
【0055】
ブロック404において、値のベースラインが、ガス濃縮システムの高度に基づいて確立される。本値のベースラインは、本システム全体を通した1つまたはそれを上回る場所(例えば、シーブ床、製品タンク、弁、コンプレッサ等)における酸素および圧力レベルを備えてもよい。高度は、測定された高度に基づいて決定されてもよい、またはいくつかの実施形態では、ユーザ設定(例えば、「高高度」または低または「海抜」等の高度区域)に基づいて決定されてもよい。一実施例では、例示的ガス濃縮システムは、6つの高度区域、すなわち、海抜、4,000フィート、6,000フィート、8,000フィート、10,000フィート、13,000フィートを有し、それぞれ、±500フィート範囲を伴うことができる。各範囲は、種々の流動設定、すなわち、1、2、3、4、または5LPMを伴う複数の組み合わせを有することができる。これらの設定では、最大30個の状態が、存在することができる。状態毎に、あるデータ点が、減衰方程式を推定するために収集される。高度区域は、必要に応じて圧力を増加させるためのフィードバックとして使用されることができる(例えば、充填/パージ偏移時間が短くなるときのより低い流動設定において、高高度区域フィードバックが、時間、したがって、タンク内の圧力を増加させ、弁が最小動作限界を下回って動かなくなることを回避するために使用されることができる)。いったん値のベースラインが、所与の高度において決定されると、ベースラインは、(例えば、メモリ306内に)記憶され、方法400は、ブロック406に進む。ブロック406において、高度の変化が存在しているかどうかが、決定される。高度の変化が、存在している場合、方法400は、ブロック404に戻り、新しい高度に基づいて、新しいベースラインを確立する。高度の変化が、測定され得る、または高度と関連付けられるユーザ設定の変化(例えば、高度区域設定の変化)を備え得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、高度は、所定の増分の間に(例えば、24時間毎に)測定される。ある実施形態では、高度の変化は、高度の種々の閾値に従って、例えば、所定の高度区域に従って測定されてもよい。そのような実施形態では、高度の変化は、測定された高度が、具体的高度区域を定義する高度の範囲を変化させる場合にのみ決定されるであろう。いくつかの実施形態では、高度変化は、所与の区域(例えば、±500フィート)に関するヒステリシスおよび許容範囲を考慮してもよい。
【0056】
いかなる高度の変化も、ブロック406において決定されない場合、本方法は、ブロック408に進む。ブロック408において、データ、例えば、付加的酸素および圧力値が、収集され、(例えば、メモリ306内に)記憶される。酸素および圧力値が、個々に、または組み合わせて、ガス濃縮システムの構成要素に関して収集され得ることを理解されたい。例えば、データは、個々の値に関して、および/または経時的に、および/またはある時間間隔において弁の集合に関して収集されてもよい。いくつかの実施形態では、データ値は、所定のサンプル時間(例えば、1時間毎)に従って捕捉および記憶される。いくつかの実施形態では、サンプル時間は、動作条件および/または測定値に基づいて、コントローラ220によって修正されてもよい。例えば、測定された酸素値が、閾値を下回る場合、サンプル時間は、測定値の変化をより注意深く監視するように増加されてもよい。一例示的実施形態では、測定された酸素値が、89%を下回る場合、サンプル時間は、1時間毎の代わりに、10分毎にサンプルを収集するために増加されてもよい。付加的サンプル間隔および閾値が、想定され、上記が、実施例としてのみもたらされることを理解されたい。
【0057】
ブロック410において、データ分析閾値が満たされているかどうかが、決定される。データ分析に関する閾値は、動作条件、工場設定、および/またはユーザ設定に従って変動し得る。付加的サンプルサイズが、より精密な分析をもたらすことを理解されたい。閾値が、満たされていない場合、本方法は、ステップ408に戻り、付加的データ点を収集する。いったん十分な数のデータ点が、収集されると、本方法は、ブロック412に進む。
【0058】
ブロック412において、データ点の分析が、制御システム220によって(例えば、論理304を介して)実施され、故障までの時間が、計算される。データ分析の種々の方法が、本明細書に想定される。いくつかの実施形態では、分析は、線形回帰関数を実施するステップ(例えば、時間の関数として酸素および圧力の傾きおよび切片を計算するステップ)を含む。酸素値(O
2)に関する例示的線形回帰分析が、式1に表される。
【化1-1】
【化1-2】
【0059】
圧力値(圧力)に関する例示的線形回帰分析が、式2に表される。
【化2】
【0060】
上記の線形回帰計算から、故障までの時間値を決定することが、可能である。故障までの時間は、ガス濃縮システムの1つまたはそれを上回る構成要素が故障するまでの時間の数として表されてもよい。ある実施形態では、線形回帰計算は、個々に、または組み合わせて、ガス濃縮システムの構成要素に関して実施されることができる。いくつかの実施形態では、線形回帰計算は、更新されたデータが収集される際、例えば、データ分析のために十分ないくつかのデータ点が収集された後(例えば、20個の新しいデータ点毎)、複数回計算されてもよい。各線形回帰計算は、メモリ(例えば、メモリ306)内に記憶されてもよい。記憶された回帰計算は、ガス濃縮システムの1つまたはそれを上回る構成要素に関連する問題についての結論を導く、および/またはそれを診断するために、比較される、または同様に分析されてもよい。ガス濃縮システムのある構成要素が、ガス濃縮システムの準最適な動作につながり得る構成要素の劣化または故障を示す、ある特性(例えば、異常な酸素または圧力値)を呈し得ることを理解されたい。ある実施形態では、故障までの時間が、単一の構成要素に関して計算される。他の実施形態では、故障までの時間が、複数の構成要素に関して計算される。ある他の実施形態では、故障までの時間が、データが収集される全ての構成要素に関して計算される。データのさらなる分析を通して、ガス濃縮システムの具体的構成要素の故障を診断することが、可能である。
【0061】
図5は、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障を診断するための例示的方法500を図示する。方法500が、ブロック502において開始され、方法400が、実施される。本明細書に説明されるように、方法400は、分析を実施し、ガス濃縮システムの少なくとも1つの構成要素に関する故障までの時間を計算することで終わる。ブロック504において、保守時間窓が、決定される。保守時間窓を決定するステップは、計算された故障までの時間の前の時間窓を計算するステップを含む。本保守時間窓は、潜在的に、チェックされないままである(例えば、故障までの予測時間の前の30日または720時間窓)場合、最終的に構成要素の故障につながるであろう問題の軽減を可能にし得る。ある実施形態では、保守時間窓は、「移動時間」において計算され、時間窓が、更新されたデータまたは故障までの時間に応じて変化し得ることを意味する。
【0062】
ブロック506において、データが、保守時間窓の間に収集される。ブロック506において収集されるデータは、酸素および/または圧力データを備えてもよい。ブロック508において、データ分析閾値が満たされているかどうかが、決定される。いくつかの実施形態では、データ分析閾値は、保守時間窓の開始時に得られる単一の測定値のみを要求してもよい。いったん十分な量のデータが収集されると、本方法は、ブロック510に進む。ブロック510において、データ分析が、実施され、更新された故障までの時間が、計算される。ある実施形態では、ブロック510は、ガス濃縮システムの1つまたはそれを上回る構成要素に関する酸素および/または圧力データに関する線形回帰を計算するステップを含む(例えば、上記の式1および2参照)。ブロック512において、本方法は、故障構成要素を診断する。
【0063】
収集されたデータの分析および線形回帰計算に基づいて、故障構成要素を識別し、該構成要素に伴う問題を診断することが、可能である。例えば、保守時間窓の開始時に計算された圧力データの線形回帰が、負の傾きをもたらす場合、酸素読取値の減衰は、コンプレッサまたはフィルタ故障に関連付けられることができる。代替として、保守時間窓の開始時の圧力データの線形回帰が、正の傾きをもたらす場合、酸素読取値の減衰は、シーブ床故障を示す。別の実施例として、保守時間窓の終了時に計算された圧力データの線形回帰が、負の傾きをもたらす場合、酸素読取値の減衰は、コンプレッサまたはフィルタ故障に関連付けられることができる。代替では、保守時間窓の終了時に計算された圧力データの線形回帰が、正の傾きをもたらす場合、酸素読取値の減衰は、シーブ床故障に関連付けられることができる。
【0064】
多くの付加的診断が、本明細書で想定される。例えば、酸素純度の測定された低下および即時の圧力変化は、空気側弁故障(例えば、開放/閉鎖されたまま動かない)を示すことができる。同様に、低酸素純度が、シーブ床の片側上のより低い圧力に付随する場合、これは、空気側弁のうちの1つが漏出していることを示すことができる。低酸素純度が、製品タンク圧力が「V」形減少を被ることとともに観察されるとき、これは、逆止弁漏出を示す。低酸素純度が、低圧力とともに観察されるとき、これは、管漏出を示すことができる。低酸素および低圧力が、シーブ床の両側上で観察されるとき、これは、コンプレッサ故障を示す。即時の圧力増加が、酸素純度が同一のままである、または増加する間に観察されるとき、これは、流動に対する障害(例えば、制限)を示す。圧力が、酸素純度とともに直ちに増加するとき、これは、流動設定変化を示す。観察された圧力が、経時的な酸素の減少と組み合わせた漸進的な増加を被るとき、これは、シーブ床故障を示す。上記の実施例が、例証目的のみのためにもたらされ、本実施形態の範囲への限定ではないことを理解されたい。
【0065】
いくつかの実施形態では、構成要素故障は、電気信号から観察されたデータを使用して診断されてもよい。例えば、各構成要素の駆動部上の電圧信号の低下が、弁内のコイルが不良であるかどうかを評価するために使用されることができる。同様に、電圧の低下が、構成要素が印刷回路基板(PCB)において弛んだ、または切断されたワイヤを有することを示してもよい。
【0066】
ブロック512が、構成要素故障の診断をさらに支援するために、付加的データ分析(例えば、最後の保守以降の時間、構成要素製造日等)を備え得ることを理解されたい。
【0067】
診断が行われた後、本方法は、ブロック514に進む。ステップ514において、アラートまたは警告が、診断に基づいて発生される。いくつかの実施形態では、アラートは、例えば、識別された構成要素、最新の計算された故障までの時間、具体的故障(エラーコードまたはメッセージを表示するステップを含み得る)、故障の重大度等の診断に関連する情報を備える。アラートは、ガス濃縮システムと関連付けられるある活動をトリガしてもよい。例えば、アラートは、ユーザに検出された故障をアラートするために、チャイム、ブザー、または類似する音を引き起こしてもよい。ある実施形態では、アラートは、ガス濃縮システムと関連付けられるディスプレイ上に表示される。いくつかの実施形態では、故障アラートが、ユーザのスマートフォンに送信されるべき通知をトリガしてもよい。同様に、通知はまた、ガス濃縮システムの点検および保守に関与するプロバイダに送信されてもよい。ある実施形態では、アラート情報は、プロバイダまたは製造業者による記憶および分析のために、インターネット接続または同等物を介してサーバに伝送されてもよい。アラート情報の分析は、異なる環境におけるガス濃縮システムの動作に関連する有益な情報を提供することができる。
【0068】
図6Aは、ガス濃縮システムにおける1つまたはそれを上回る構成要素の故障を診断するための別の例示的方法600を図示する。方法600が、ブロック602において開始され、方法400が、実施される。本明細書に説明されるように、方法400は、分析を実施し、ガス濃縮システムの少なくとも1つの構成要素に関する故障までの時間を計算することで終わる。ブロック604において、保守時間窓が、決定される。保守時間窓を決定するステップは、計算された故障までの時間の前の時間窓を計算するステップを含み、これは、潜在的に、チェックされないままである(例えば、故障までの30日または720時間)場合、最終的に構成要素の故障につながるであろう問題の軽減を可能にし得る。ある実施形態では、保守時間窓は、「移動時間」において計算され、時間窓が、更新されたデータに応じて変化し得ることを意味する。
【0069】
ブロック606において、データが、保守時間窓の間に収集される。ブロック606において収集されるデータは、酸素および/または圧力データを備えてもよい。ブロック608において、データ分析閾値が満たされているかどうかが、決定される。いくつかの実施形態では、データ分析閾値は、保守時間窓の開始時に得られる単一の測定値のみを要求してもよい。いったん十分な量のデータが収集されると、本方法は、ブロック610に進む。ブロック610において、データ分析が、実施され、更新された故障までの時間が、計算される。ある実施形態では、ブロック610は、ガス濃縮システムの1つまたはそれを上回る構成要素に関する酸素および/または圧力データに関する線形回帰を計算するステップを含む。ブロック612において、本方法は、故障構成要素を診断する。診断に基づいて、本方法は、ブロック614に進んでもよく、軽減活動が、実施される。軽減活動は、ガス濃縮システムの1つまたはそれを上回る構成要素に伴う問題を潜在的に解決するために従事する任意の活動を備えてもよい。例えば、高高度は、全体的作業圧力が減少するため、より低い酸素純度の原因となり得る。これらの条件が、存在し、関連する故障が、検出および/または診断される場合、酸素濃縮システムは(コントローラ220を介して)、弁偏移時間を修正し、それによって、環境条件を前提として、酸素純度生成を最適化することができる。圧力均等化時間および偏移時間を調節することは、極端な環境条件(例えば、高高度)、シーブ床の摩耗および/または故障の結果としての高圧力増加、コンプレッサの摩耗および/または故障の結果としての低圧力、および/または一般に低い酸素において酸素純度を増加させるために行われることができる。これらの状況毎に、圧力は、弁タイミングを変更することによって、維持され、高度とともに主要フィードバックとして使用されることができる。例えば、偏移時間/圧力均等化時間の増加は、システムおよび/または構成要素圧力を増加させることができる一方、偏移時間/圧力均等化時間の減少は、システムおよび/または構成要素圧力を減少させることができる。
図7は、偏移時間を修正するときの極端な環境条件(例えば、海抜10,000フィート)における酸素純度の例示的値を図示する。
【0070】
図6Bは、シーブ床および/またはコンプレッサの健全性を分析するための論理の一実施形態620を図示する。本実施形態は、前述で説明されるような回帰分析を使用し、故障までの予測時間を決定し、移動傾き分析を使用し、故障している、またはすぐに故障することが予測される構成要素(例えば、シーブ床および/またはコンプレッサ)を識別する。論理は、ブロック622および644において開始され、酸素および圧力センサデータが、ウォームアップまたは通常のシステム動作の間に収集される。ブロック624および648において、前述で説明されるような線形回帰分析が、データの各セットに対して実施される。ブロック626において、論理は、酸素純度レベルが、回帰分析に従って、83%純度(例えば、濃度)になる、またはそれを下回るであろうときを決定することによって、故障までの予測時間(例えば、時間単位)を計算する。ブロック638において、論理は、故障までの予測時間に先行する30日移動窓を計算する。窓は、一実施形態では、論理が、本システムの使用によってブロック624および648において線形回帰を繰り返し計算および更新するため、移動している。30日窓は、本システムが構成要素故障を受ける前に点検がスケジューリングされることを可能にするために、予測される故障時間に先立って事前通知を確立する。ブロック630において、論理は、30日窓の開始時に、圧力傾向(例えば、ブロック648における圧力線形回帰分析の移動する傾き)をチェックする。正の圧力傾き傾向が、ブロック632において示される(例えば、圧力が経時的に増加している)場合、論理は、ブロック634および636に進み、酸素純度の減衰は、シーブ床の健全性と関連付けられ、アラームが、提供される。負の圧力傾き傾向が、ブロック638において示される(例えば、圧力が経時的に減少している)場合、論理は、ブロック640および642に進み、酸素純度の減衰は、コンプレッサ(および/または入口フィルタ)の健全性と関連付けられ、アラームが、提供される。
【0071】
ブロック650において、論理は、再び、30日窓の終了時に、圧力傾向(例えば、ブロック648における圧力線形回帰分析の移動する傾き)をチェックする。正の圧力傾き傾向が、ブロック652において示される(例えば、圧力が経時的に増加している)場合、論理は、ブロック654および656に進み、酸素純度の減衰は、シーブ床の健全性と関連付けられ、アラームが、提供される。負の圧力傾き傾向が、ブロック658において示される(例えば、圧力が経時的に減少している)場合、論理は、ブロック660および662に進み、酸素純度の減衰は、コンプレッサ(および/または入口フィルタ)の健全性と関連付けられ、アラームが、提供される。本実施形態は、30日窓の開始および終了時にシステム健全性をチェックすることを例証するが、任意の適切な間隔が、使用されることができ、任意の回数の健全性チェックが、実施されることができる。このように、ユーザおよび/またはプロバイダは、どのシステム構成要素が故障することが予測される、または故障しているかの具体的な事前警告を与えられる。
【0072】
図9は、シーブ床等のシステム構成要素の健全性および/または故障までの予測時間を分析するための方法および論理900の別の実施形態を図示する。方法および論理900は、酸素データの使用を伴わずに(但し、
図6Bのもの等の他の実施形態では、酸素データもまた、それと併用されることができる)、圧力/時間傾き線形回帰に基づいて、シーブ床の故障までの時間を決定する。監視される圧力データは、シーブ床の退出口および/または製品タンクへの進入口における圧力を監視する、圧力センサ224から取得されることができる。他の圧力監視場所も、同様に使用されることができる。方法および論理900は、線形回帰(式2のもの等)を使用し、その時点で本システムが過剰なシーブ床圧力に起因して停止し、故障するであろう、シーブ床圧力が34PSIの高閾値に到達するであろうとき(例えば、時間単位)を決定する。過剰なシーブ床圧力は、シーブ床が、任意の数の因子(例えば、発塵、劣化、水分、汚染等)に起因して故障していることを示す。アラームが、好ましくは、点検が要求されることを警告するために、予測される故障時間の前に発生される。
【0073】
方法および論理900は、
図6Bに関連して前述で説明されたブロック644において開始され、それによって、シーブ床と関連付けられる圧力センサデータが、種々の時間/間隔において収集される。ブロック648において、圧力/時間データが、
図6Bに関連して前述で説明されるように、式2に基づいて、圧力線形回帰を発生させるために使用される。線形回帰は、ブロック902において、シーブ床圧力が34PSIの閾値(他の値もまた、本システムのサイズ、容量、および動作パラメータに基づいて選定され得る)に到達するであろうときの故障までの予測時間(例えば、時間単位)を決定するために使用される。閾値は、シーブ床の通常の動作圧力範囲を超える圧力(例えば、34PSI)を表す。ブロック904において、故障前の30日窓が、故障している構成要素(例えば、シーブ床)の事前警告を提供するために決定される。30日窓は、方法および論理900が実施される度に更新される移動窓であってもよく、これは、任意の所望の時間間隔(例えば、各始動に応じて、12または24時間毎等)においてであり得る。ブロック908において、本システムが、30日窓に入ると、アラームが、トリガされ、システム構成要素(例えば、シーブ床)が故障に近いという警告を提供する。したがって、圧力/時間傾きデータの線形回帰が、故障までの予測時間を決定するために使用されることができる。
【0074】
図10は、シーブ床等のシステム構成要素の健全性および/または故障までの予測時間を分析するための方法および論理1000の別の実施形態を図示する。方法および論理1000は、酸素純度線形回帰に基づいて、圧力データの使用を伴わずに(但し、
図6Bのもの等の他の実施形態では、圧力データもまた、それと併用されることができる)、シーブ床の故障までの時間を決定する。監視される酸素純度(例えば、濃度)データは、シーブ床の退出口および/または製品タンクへの進入口における酸素純度を監視する、酸素センサ226から取得されることができる。他の酸素監視場所も、同様に使用されることができる。方法および論理1000は、線形回帰(式1のもの等)を使用し、その時点で本システムが低酸素純度に起因して停止し、故障するであろう、シーブ床酸素純度が85%の閾値を下回るであろうとき(例えば、時間単位)を決定する。低酸素純度は、シーブ床が、任意の数の因子(例えば、発塵、劣化、水分、汚染等)に起因して故障していることを示す。アラームが、好ましくは、点検が要求されることを警告するために、予測される故障時間の前に発生される。
【0075】
方法および論理1000は、
図6Bに関連して前述で説明されたブロック622において開始され、それによって、シーブ床と関連付けられる酸素純度データが、種々の時間/間隔において収集される。ブロック624において、酸素純度/時間データが、
図6Bに関連して前述で説明されるように、式1に基づいて、酸素純度線形回帰を発生させるために使用される。線形回帰は、ブロック626において、シーブ床圧力が85%の閾値純度値(他の値もまた、本システムのサイズ、容量、および動作パラメータに基づいて選定され得る)に到達するであろうときの故障までの予測時間(例えば、時間単位)を決定するために使用される。閾値は、本システムに関する許容可能な酸素純度の下限を下回る酸素純度(例えば、85%)を表す。ブロック628において、故障前の30日窓が、故障している構成要素(例えば、シーブ床)の事前警告を提供するために決定される。30日窓は、方法および論理1000が実施される度に更新される移動窓であってもよく、これは、任意の所望の時間間隔(例えば、各始動に応じて、12または24時間毎等)においてであり得る。ブロック636において、本システムが、30日窓に入ると、アラームが、トリガされ、システム構成要素(例えば、シーブ床)が故障に近いという警告を提供する。したがって、酸素純度/時間傾きデータの線形回帰が、故障までの予測時間を決定するために使用されることができる。
【0076】
図11は、シーブ床等のシステム構成要素の健全性および/または故障までの予測時間を分析するための方法および論理1100の別の実施形態を図示する。方法および論理1100は、圧力/時間傾き(
図9)および酸素純度/時間傾き(
図10)線形回帰分析に基づくより早い故障までの時間に基づいて、シーブ床の故障までの予測時間を決定する。方法および論理100は、ブロック902(
図9)からの圧力/時間傾き線形回帰分析に基づいて、故障までの予測時間を取得し、ブロック626(
図10)からの酸素純度/時間傾き線形回帰分析に基づいて、故障までの予測時間を取得する。ブロック1102において、2つの故障までの予測時間が、比較され、より早く生じる故障までの予測時間が、選定される。故障前の30日窓が、より早い故障までの予測時間に基づいて設定される。ブロック1104において、本システムが、30日窓に入ると、アラームが、トリガされ、システム構成要素(例えば、シーブ床)が故障に近いという警告を提供する。したがって、方法および論理1100は、2つの異なる線形回帰分析に基づくより早い故障までの予測時間に基づく。
【0077】
制御システム220がさらに、酸素濃縮システムに関する流率設定に基づいて動作を最適化することに関連する付加的利益を達成するために利用され得ることが、本開示の付加的機能である。
図8は、圧力および高度センサデータまたは設定に基づいて流率を予測するための方法800を図示する。これは、専用流動センサを要求する代わりに、製品タンク圧力センサデータまたはフィードバックを通して流率の測定を可能にすることによって、費用節約を可能にする。製品タンクから退出する流動の測定は、患者の必要性または要求と関連付けられるフィードバックに基づく濃縮システムのスマート動作のために使用されることができる。スマート動作は、ポンプまたはコンプレッサをより緩慢な速度で起動することによって、システム圧力およびサイクル時間を低減させることによって等、エネルギー消費を低減させることを含む。正確に推定または決定された流率はまた、ガス濃縮システムのLEDまたはLCD上に表示されることができる。また、患者要求または流率の観点からのシステム性能は、記憶され、具体的設定における傾向に関して分析されることができる。
【0078】
方法800は、空気弁(例えば、204bまたは204d)信号が0から1に(または開から閉に、または逆もまた同様である)なるとき、ブロック802において開始される。本弁遷移は、シーブ床(例えば、206aまたは206b)に関する高圧力から低圧力への偏移時間を示す。そのような変化または偏移の間、いかなる製品ガス(例えば、酸素ガス)も、シーブ床から製品タンク(例えば、208a、208b)に流動していない。したがって、この時点で、製品タンクにおける圧力のいずれの変化も、患者要求(または患者への製品ガスの流出)に起因する。
【0079】
ブロック804において、初期圧力値が、決定され、(例えば、メモリ306内に)記憶される。いくつかの実施形態では、初期値は、所定の待機時間後に決定される。初期値を記録する前に待機時間を実装することは、初期逆止弁漏出に起因する潜在的に誤解させる値を記録することを防止することができる。ブロック806において、動作の間の圧力データが、収集される。データ点は、所定の間隔(例えば、20分毎または20個の1分読取値毎(他の時間間隔もまた、使用されることができる))に従って収集されてもよい。一実施形態では、4つ(4)の圧力および時間読取値が、得られ、変数「Pressure(X):set_1」および「time stamp(Y):Time_1」において記憶される(下記の式3もまた参照)。ブロック808において、データ分析閾値が満たされているかどうかが、決定される。データ分析閾値が、満たされていない場合、本方法は、ブロック806に戻り、圧力データ収集を継続する。閾値が、満たされている場合、本方法は、ブロック810に進む。ブロック810において、分析が、実施され、回帰分析が、圧力データを使用して実施される。圧力データに関する例示的線形回帰分析が、式3に表される。
【化3-1】
【化3-2】
【0080】
ブロック812において、計算された圧力傾きbが所定の範囲内であるかどうかが、決定される(また、例えば、5つ(5)の連続する計算された傾きbの平均もまた、使用されることができる)。所定の範囲は、測定された条件因子に基づく予期される範囲であってもよい(例えば、5LPM流動設定に関して、所定の、または予期される範囲=(b<-2.5346)&&(b>-2.9577))。測定/計算された傾きb(または測定/計算された傾きbの平均)が、予期される範囲内である場合、本方法は、ブロック814に進み、初期タイミング値が、維持され、本方法は、ブロック824に進み、新しい圧力傾きが、各弁変化後に計算される。計算された圧力傾きが、患者流動設定に関する傾きの予期される所定の範囲(例えば、(b<-2.5346)&&(b>-2.9577)外である場合、本方法は、ブロック816に進む。ブロック816において、実際の圧力傾きと予期される圧力傾きとの間の差分が、傾きの予期される範囲の中点(例えば、中点=(最小値+最大値/2)を決定し、その中点を計算された圧力減衰傾きから減算することによって計算される(例えば、差分=中点-(計算された傾きb))。ブロック818において、傾きbが予期される圧力傾き範囲の最小値(すなわち、「最小」)または最大値(すなわち、「最大」)に向かうかどうかが、決定される。傾きbが、「最小」に向かう場合、本方法は、ブロック820に進み、差分は、全ての患者流動設定に関する全ての予期される傾き範囲から減算される。実際の傾きが、「最大」に向かう場合、本方法は、ブロック822に進み、差分は、全ての患者流動設定に関する全ての予期される傾き範囲に関して加算される。ブロック824において、新しい圧力傾きbが、新しい圧力および時間読取値に関して、式3に従って計算される。
【0081】
このように、いかなる製品ガスも製品タンクの中に流動していないときの製品タンクにおける圧力減衰が、製品タンクから出る製品ガスの流率を正確に測定するために使用されることができる。これは、単純な圧力センサが、流率測定値を提供するために、本明細書に開示される論理とともに使用されることを可能にする。流率測定値は、ガス分離システムのより効率的な起動、診断目的、患者要求傾向分析および使用等のために使用されることができる。
【0082】
本開示のまた別の付加的機能は、圧力フィードバックを利用し、低流動モードが検出されるときにコンプレッサに対する偏移圧力を低下させることによって、エネルギーを節約するために制御システム220を利用することである。例えば、異なる流率に関する異なる弁設定が、圧力データの線形回帰分析を使用して検出されることができる。より低い流率設定下で、電力消費は、低減され得る。これは、ユニットの動作圧力を低下させることによって、弁、コンプレッサ、およびシーブ床材料等の主要構成要素の寿命を増加させることができる。さらなる利点は、コンプレッサおよびその出力ガスに対する低減された温度である。
【0083】
本発明は、その実施形態の説明によって例証され、実施形態は、かなり詳細に説明されたが、添付される請求項の範囲をそのような詳細に制限する、またはいかなる方法でも限定することは、説明の意図ではない。付加的利点および修正が、当業者に容易に想起されるであろう。したがって、本発明は、それらのより広い側面において、示され、説明される具体的詳細、代表的な装置、および例証的実施例に限定されない。故に、一般的な発明的概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱が、行われることができる。
【国際調査報告】