(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】ソース材料の蒸発レートを制御する方法、ソース表面上において反射される電磁放射を計測する検出器、及び、電磁放射による熱蒸発用のシステム
(51)【国際特許分類】
C23C 14/24 20060101AFI20230801BHJP
C23C 14/28 20060101ALI20230801BHJP
G01J 1/02 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
C23C14/24 U
C23C14/28
G01J1/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022574392
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2020068404
(87)【国際公開番号】W WO2022002371
(87)【国際公開日】2022-01-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512247223
【氏名又は名称】マツクス-プランク-ゲゼルシヤフト ツール フエルデルング デル ヴイツセンシヤフテン エー フアウ
【氏名又は名称原語表記】MAX-PLANCK-GESELLSCHAFT ZUR FOeRDERUNG DER WISSENSCHAFTEN E.V.
【住所又は居所原語表記】Hofgartenstrasse 8,80539 Muenchen, Bundesrepublik Deutschland
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ウルフギャング
【テーマコード(参考)】
2G065
4K029
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AB02
2G065AB04
2G065AB05
2G065AB09
2G065BA12
4K029CA01
4K029CA02
4K029DA03
4K029DB08
4K029DB13
4K029DB17
4K029DB20
4K029EA02
(57)【要約】
本発明は、電磁放射(120)による熱蒸発用のシステム(10)内においてソース材料(20)の蒸発レートを制御する方法に関し、システム(10)は、電磁放射(120)を提供する電磁放射ソース(110)と、反応雰囲気(16)を収容する真空チャンバ(12)と、電磁放射(120)を計測するメイン検出器(40、100)と、を有し、ソース材料(20)及び被覆対象のターゲット材料(18)は、真空チャンバ(12)内において配置されており、電磁放射ソース(110)は、その電磁放射(120)が、プラズマ閾値未満におけるソース材料(20)の熱蒸発及び/又は昇華のために、ソース材料(20)のソース表面(22)上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、電磁放射(120)を計測するメイン検出器(40、100)は、ソース表面(22)上において反射された電磁放射(120)がメイン検出器(40、100)に到達するように構成されており、更には、ソース材料(20)は、ソース要素(24)によって提供され、ソース表面(22)は、ソース要素(24)において電磁放射(120)にとってアクセス可能な状態において配置されており、これにより、ソース要素(24)は、保持構造(28)内において配置されており、ソース表面(22)に垂直の状態において保持構造(28)によって運動可能である。更には、本発明は、電磁放射(120)を計測する検出器(40)であって、好ましくは本発明による方法に適する検出器(40)と、更には、本発明による方法に適する電磁放射(120)を有する熱蒸発用のシステム(10)と、にも関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射(120)による熱蒸発用のシステム(10)内においてソース材料(20)の蒸発レートを制御する方法であって、
前記システム(10)は、電磁放射(120)を提供する電磁放射ソース(110)と、反応雰囲気(16)を収容する真空チャンバ(12)と、電磁放射(120)を計測するメイン検出器(40、100)と、を有し、
ソース材料(20)及び被覆対象のターゲット材料(18)は、前記真空チャンバ(12)内において配置されており、
前記電磁放射ソース(110)は、その電磁放射(120)が、前記プラズマ閾値未満における前記ソース材料(20)の熱蒸発及び/又は昇華のために、前記ソース材料(20)のソース表面(22)上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、
電磁放射(120)を計測する前記メイン検出器(40、100)は、前記ソース表面(22)上において反射された電磁放射(120)が前記メイン検出器(40、100)に到達するように構成されており、更には、
前記ソース材料(20)は、ソース要素(24)によって提供されており、
前記ソース表面(22)は、前記ソース要素(24)において前記電磁放射(120)とってアクセス可能な状態において配置されており、これにより、前記ソース要素(24)は、保持構造(28)内において配置されており、前記ソース表面(22)に対して垂直に前記保持構造(28)によって運動可能であり、
前記方法は、
a)前記電磁放射ソース(110)によって前記電磁放射(120)を提供するステップと、
b)前記メイン検出器(40、100)によって前記ソース表面(22)上において反射された電磁放射(120)を計測するステップと、
c)ステップb)において得られた前記計測されたデータを分析するステップと、
d)前記電磁放射(120)との関係において前記ソース要素(24)を運動させ、及び/又は、前記電磁放射(120)の前記パワーを調節し、及び/又は、前記電磁放射(120)の断面の前記サイズ及び/又は形状を調節する、ことによりステップc)の前記分析の前記結果に基づいて前記蒸発レートを調節するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
ステップd)において、前記ソース要素(24)は、前記ソース表面(22)に垂直及び/又は平行な状態において運動している、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ソース要素(24)は、前記ソース要素(24)、特にロッド(30)、の上部端部において配置された前記ソース表面(22)を有するソース材料(20)を有する、特にこれから構成された、自己支持型の構造として、特に前記ロッド(30)として、提供されている、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ロッド(30)には、円形又は少なくとも基本的に円形のロッド(30)断面が提供されており、
前記電磁放射(120)には、楕円ビーム断面が提供されており、これにより、前記ロッド(30)断面及び前記ビーム断面は、相互に適合された状態において選択されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ソース要素(24)は、前記ソース材料(20)を収容しているるつぼ(34)を有し、これにより、前記るつぼ(34)は、前記ソース表面(22)が前記るつぼ(34)内において配置された状態において、前記電磁放射(120)について透明である又は少なくとも部分的に透明である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記電磁放射(120)光として、特に100nm~1400nmの波長を有するレーザー光が使用されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ステップb)において、2つ以上のセンサ要素(50)を有するメイン検出器(40、100)が使用されており、これにより、前記2つ以上のセンサ要素(50)は、相互に隣接しており、熱的に結合解除されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ステップb)において、第1の更なる検出器(40、102)は、前記ソース表面(22)とは異なる、特に前記ソース表面(22)に対して垂直である、前記ソース要素(24)の側部表面(26)上において反射された電磁放射(120)を計測するために使用されており、これにより、前記第1の更なる検出器(40、102)によって計測された前記データは、ステップc)及びd)において使用されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ソース要素(24)の前記側部表面(26)は、フラットな状態において提供されている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記フラットな側部表面(26)は、前記ソース表面(22)上において入射し反射される前記電磁放射(120)の前記方向によってカバーされるプレーンに対して垂直に方向付けされている、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップb)において、第2の更なる検出器(40、104)は、前記ソース要素(24)の前記ソース表面(22)を逃した電子放射(120)を計測するために使用されており、これにより、前記第2の更なる検出器(40、104)によって計測された前記データは、ステップc)及びd)において使用されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
吸収ボディ(52)を有するセンサ要素(50)を有する、ソース表面(22)上において反射された電磁放射(120)を計測する検出器(40)であって、
前記吸収ボディ(52)は、前記電磁放射(120)を少なくとも部分的に吸収する吸収表面(60)を有し、
前記センサ要素(50)は、前記吸収された電磁放射(120)による前記吸収ボディ(52)内において生成される絶対温度及び/又は温度変化を検出するために前記吸収ボディ(52)の温度を計測する熱検知要素(70)を更に有し、
前記吸収ボディ(52)は、前記吸収ボディ(52)の能動的な冷却のための冷却システム(80)を有しており、これにより、前記冷却システム(80)は、前記吸収ボディ(52)を通じたクーラント(84)、好ましくは、水、のフローための前記吸収ボディ(52)内の少なくとも1つの冷却ダクト(82)を有しており、
前記熱検知要素(70)は、前記吸収ボディ(52)内の前記冷却ダクト(82)を通じた前記クーラント(84)の前記フローを計測するためのフローセンサ(72)と、前記吸収ボディ(52)内の前記冷却ダクト(82)を通じた流れによって誘発される前記クーラント(84)の絶対温度及び/又は前記クーラント(84)の温度変化を計測するための温度センサ(74)と、を有する、検出器(40)。
【請求項13】
1つ又は複数の検出器は、メイン検出器(40、100)として及び/又は第1の更なる検出器(40、102)として及び/又は第2の更なる検出器(40、104)として請求項1~10のいずれか1項に記載の方法において使用可能である、請求項12に記載の検出器(40)。
【請求項14】
前記吸収表面(60)は、100nm~1400nmの波長を有する光、特にレーザー光、を吸収している、請求項12又は13に記載の検出器(40)。
【請求項15】
前記熱検知要素(70)は、前記吸収ボディ(52)内のボア(54)内において配置された温度センサ(74)、特に熱電対要素(76)、を有しており、前記ボア(54)は、前記吸収ボディ(52)内において、好ましくは、前記吸収表面(60)の近傍において、終端している、請求項12~14のいずれか1項に記載の検出器(40)。
【請求項16】
前記吸収ボディ(52)は、金属、特に銅又はアルミニウム、を有し、特にこれらから構成されている、請求項12~15のいずれか1項に記載の検出器(40)。
【請求項17】
前記吸収ボディ(52)は、一端において中空吸収容積(56)を封入しており、これにより、前記吸収容積(56)の前記内側側壁(58)は、前記吸収表面(60)を形成し、
前記吸収容積(56)は、吸収オリフィス(62)を有し、これにより、前記吸収オリフィス(62)は、計測対象の前記電磁放射(120)の仮定及び/又は判定された入射方向(122)に対してアライメントさせることができる、請求項12~16のいずれか1項に記載の検出器(40)。
【請求項18】
前記吸収表面(60)は、前記吸収容積(56)内において部分的に円錐状に成形されており、
前記円錐状に成形された吸収表面(60)の円錐体は、前記吸収オリフィス(62)と対向している、請求項17に記載の検出器(40)。
【請求項19】
前記吸収オリフィス(62)の縁部(64)を形成している前記吸収容積(56)の前記部分は、前記吸収容積(56)との関係において内向きに傾斜している、請求項17又は18に記載の検出器(40)。
【請求項20】
前記検出器は、アパーチャ開口部(92)を有するアパーチャ(90)を有し、前記アパーチャ(90)は、計測対象の前記電磁放射(120)の前記仮定及び/又は判定された入射方向(122)に沿って前記センサ要素(50)との関係において上流に配置されている、請求項12~19のいずれか1項に記載の検出器(40)。
【請求項21】
前記アパーチャ開口部(92)のサイズは、前記アパーチャ開口部(92)を通じて到来する電磁放射(120)が、前記吸収ボディ(52)の前記吸収表面(60)上において、特に前記吸収オリフィス(62)を通じて、入射するように、前記吸収ボディ(52)に対して、特に前記吸収オリフィス(62)に対して、適合されている、請求項20に記載の検出器(40)。
【請求項22】
前記検出器は、シールド要素(94)を有し、
前記シールド要素(94)は、前記アパーチャ(90)と前記吸収ボディ(52)との間において計測対象の前記電磁放射(120)の前記仮定された入射方向(122)に沿って延在している、請求項20又は21に記載の検出器(40)。
【請求項23】
前記シールド要素(94)は、前記吸収ボディ(52)に沿って前記電磁放射(120)の前記仮定された入射方向(122)に沿って更に延在している、請求項22に記載の検出器(40)。
【請求項24】
前記検出器は、2つ以上のセンサ要素(50)を有し、これにより、前記2つ以上のセンサ要素(50)は、相互に隣接しており、熱的に結合解除されている、請求項12~23のいずれか1項に記載の検出器(40)。
【請求項25】
前記2つ以上のセンサ要素(50)は、計測対象の前記電磁放射(120)の前記仮定及び/又は判定された入射方向(122)に対して垂直の又は少なくとも基本的に垂直のプレーン内において、回転対称パターンにおいて、又は行において、又はマトリックスにおいて、構成されている、請求項24に記載の検出器(40)。
【請求項26】
計測対象の前記電磁放射(120)の前記仮定及び/又は判定された入射方向(122)に対して垂直の又は少なくとも基本的に垂直のプレーン内において、前記2つ以上のセンサ要素(50)は、
矩形、正方形、円形、円形リング、円形リングセグメント、
という形状のうちの1つを有する、請求項24又は25に記載の検出器(40)。
【請求項27】
前記検出器は、真空フィードスルー(14)において前記吸収ボディ(52)を構成するための構成要素(42)を有する、請求項12~16のいずれか1項に記載の検出器(40)。
【請求項28】
前記構成要素(42)は、前記真空フィードスルー(14)との関係において前記吸収ボディ(52)の位置を変更するための位置決め要素(44)を有する、請求項27に記載の検出器(40)。
【請求項29】
電磁放射(120)を提供する電磁放射ソース(110)と、反応雰囲気(16)を収容する真空チャンバ(12)と、電磁放射(120)を計測するメイン検出器(40、100)と、を有する、電磁放射(120)による熱蒸発用のシステム(10)であって、
ソース材料(20)及び被覆対象のターゲット材料(18)は、前記真空チャンバ(12)内において配置されており、
前記電磁放射ソース(110)は、その電磁放射(120)が、前記プラズマ閾値未満における前記ソース材料(20)の熱蒸発及び/又は昇華のために、前記ソース材料(20)の前記ソース表面(22)の上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、
電磁放射(120)を計測する前記メイン検出器(40、100)は、前記ソース表面(22)上において反射された電磁放射(120)が前記メイン検出器(40、100)に到達するように構成されており、
前記システム(10)は、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法を実行するように適合されているシステム(10)。
【請求項30】
前記メイン検出器(40、100)、好ましくは電磁放射(120)用のすべての検出器(40)、は、請求項12~28のいずれか1項に従って構築されている、請求項29に記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁放射による熱蒸発用のシステム内においてソース材料の蒸発レートを制御する方法に関し、システムは、電磁放射を提供する電磁放射ソースと、反応雰囲気を収容する真空チャンバと、電磁放射を計測するメイン検出器と、を有し、ソース材料及び被覆対象のターゲット材料は、真空チャンバ内において配置されており、電磁放射ソースは、その電磁放射が、プラズマ閾値未満におけるソース材料の熱蒸発及び/又は昇華のために、ソース材料のソース表面上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、電磁放射を計測するメイン検出器は、ソース表面上において反射された電磁放射がメイン検出器に到達するように構成されており、更には、ソース材料は、ソース要素によって提供されており、ソース表面は、ソース要素において電磁放射にとってアクセス可能な状態において配置されており、これにより、ソース要素は、保持構造内において配置されており、保持構造によって運動可能である。
【0002】
更には、本発明は、吸収ボディを有するセンサ要素を有する、ソース表面上において反射された電磁放射を計測する検出器に関し、吸収ボディは、電磁放射を少なくとも部分的に吸収する吸収表面を有し、センサ要素は、吸収された電磁放射によって吸収ボディ内において生成される絶対温度及び/又は温度変化を検出するために吸収ボディの温度を計測する熱検知要素を更に有する。
【0003】
これに加えて、本発明は、電磁放射を提供する電磁放射ソースと、反応雰囲気を収容する真空チャンバと、電磁放射を計測するメイン検出器と、を有する、電磁放射による熱蒸発用のシステムに関し、ソース材料及び被覆対象のターゲット材料は、真空チャンバ内において配置されており、電磁放射ソースは、その電磁放射が、プラズマ閾値未満におけるソース材料の熱蒸発及び/又は昇華のために、ソース材料の表面上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、電磁放射を計測するメイン検出器は、ソース表面上において反射された電磁放射がメイン検出器に到達するように構成されている。
【背景技術】
【0004】
ソース材料の蒸発用の電磁放射、特に可視、赤外線、又は紫外線範囲内の波長を有するレーザー、の使用が一般的に知られている。このようなレーザー蒸発システムは、前側から連続波レーザーによってソース材料のブロックの中心を加熱することにより、低圧における材料の薄膜の堆積を許容している。例えば、シリコンは、望ましい蒸発した材料の流動を実現し、これにより、同一のソース材料の固体部分の内側において溶解プールを形成するために必要とされる温度において溶解している。従って、固体のSiは、液体のSi用のるつぼを形成し、これにより、ソース材料とるつぼの間の熱膨張不整合の欠如に起因して、非常に大きな加熱及び冷却レートを許容している。同時に、異なるるつぼ材料によるソース材料の任意の汚染が回避されている。また、この代わりに、蒸発対象の材料とは異なる材料から構成されたるつぼも使用されている。
【0005】
但し、ソース材料が、入射する電磁放射によって消耗するのに伴って、例えば、溶解したプールが凹入形態をなし及び/又は昇華スポットがソース材料内に益々深く掘り込まれることから、ソース表面は、その形状を変化させることになる。従って、ソース表面の形状が上述の蒸発レート及び蒸発材料の流動分布に直接的に影響を及ぼすことから、蒸発したソース材料の蒸発レート及び流動分布は、本質的に不安定な状態にある。
【0006】
この問題を克服するための既知の方式は、エネルギー蓄積の、及び、従って、蒸発したソース材料の、相対的に均一な分布を取得するように、ソース材料上において電磁放射のスポットを運動させるというものである。更には、ソース材料用の支持地点が、ほとんどの場合に、蒸発表面に近接したその外側縁部において配置されていることから、ソースの全体表面から蒸発又は昇華することが実際的ではない。また、これに加えて、蒸発表面が、依然として、少なくとも時間的に一定の形状及び/又は向きを厳格に有してはいないことから、ソース自体の運動は、変動をも導入している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の内容に鑑み、当技術分野における従来技術の上述の欠点を有していないソース材料の蒸発レートを制御する改善された方法、ソース表面上において反射された電磁放射を計測する改善された検出器、及び電磁放射による熱蒸発用の改善されたシステムを提供することが本発明の目的である。具体的には、特に容易な且つ費用効率的な方式で電磁放射による熱蒸発用のシステムにおいてソース材料の蒸発レートの制御を許容する方法、検出器、及びシステムを提供することが本発明の目的であり、好ましくは、蒸発レートは、特に閉ループ制御において、それぞれ、大きい且つ小さい値の両方について調節することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、個々の独立特許請求項によって充足されている。具体的には、この目的は、請求項1に記載の方法により、請求項12に記載の検出器により、及び、請求項29に記載のシステムにより、充足されている。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態について記述している。また、本発明の第1の態様による方法との関係において記述されている詳細及び利点は、本発明の第2の態様による検出器及び本発明の第3の態様によるシステムをも参照しており、技術的意味を有する場合には、逆もまた真である。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、目的は、電磁放射による熱蒸発用のシステムにおいてソース材料の蒸発レートを制御する方法によって充足されており、システムは、電磁放射を提供する電磁放射ソースと、反応雰囲気を収容する真空チャンバと、電磁放射を計測するメイン検出器と、を有し、ソース材料及び被覆対象のターゲット材料は、真空チャンバ内において配置されており、電磁放射ソースは、その電磁放射が、プラズマ閾値未満におけるソース材料の熱蒸発及び/又は昇華のために、ソース材料のソース表面上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、電磁放射を計測するメイン検出器は、ソース表面上において反射された電磁放射がメイン検出器に到達するように構成されており、更には、ソース材料は、ソース要素によって提供されており、ソース表面は、ソース要素において電磁放射にとってアクセス可能な状態において配置され、これにより、ソース要素は、保持構造内において配置されており、保持によって運動可能である。
【0010】
本発明による方法は、
a)電磁放射ソースによって電磁放射を提供するステップと、
b)メイン検出器により、ソース表面上において反射された電磁放射を計測するステップと、
c)ステップb)において得られた計測データを分析するステップと、
d)電磁放射との関係においてソース要素を運動させ、及び/又は、電磁放射のパワーを調節し、及び/又は、電磁放射の断面のサイズ及び/又は形状を調節する、ことにより、ステップc)の分析の結果に基づいて蒸発レートを調節するステップと、
を含む。
【0011】
本発明による方法は、電磁放射によるソース材料の熱蒸発用のシステムにおいて、及び、これにより、使用され得る。蒸発したソース材料は、好ましくは、例えば、薄膜の形態において、ターゲット材料を被覆するために使用することができる。ソース材料及びターゲット材料は、システムの真空チャンバ内において配置されており、真空チャンバは、ターゲット材料の望ましい被覆に適した反応雰囲気を収容している。例えば、反応雰囲気は、真空として提供することが可能であり、或いは、酸素及び/又は窒素のような必要とされている反応ガスを収容することもできる。
【0012】
蒸発プロセスの場合には、電磁放射ソースが電磁放射を提供しており、電磁放射は、真空チャンバ内に導かれ、ソース材料のソース表面上において入射している。電磁放射のエネルギー蓄積は、ソース材料を蒸発又は昇華させる。エネルギー蓄積は、ソース材料のプラズマ閾値に到達しないように選択されている。従って、特になんらのプラズマの形成をも伴わないソース材料の純粋に熱的な蒸発を提供することができる。所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射することにより、ソース及び/又はターゲット保持要素などの真空チャンバ内のその他の構造を有する真空チャンバ内の電磁放射の経路の衝突を回避することができる。
【0013】
ソース表面上において入射した電磁放射の一部分のみが、ソース材料によって吸収され、蒸発プロセスのために使用されている。電磁放射の残りの部分は、ソース表面上において反射されている。換言すれば、電磁放射の吸収された部分及び反射された部分は、互いに直接的にリンクされている。反射された部分を検出することにより、ソース材料によって吸収された電磁放射の量を推定することができる。反射された電磁放射の検出のために、本発明による方法においては、反射された電磁放射の経路内において真空チャンバ内において適切に位置決めされたメイン検出器が使用されている。
【0014】
上述のように、計測された反射電磁放射は、ソース材料内へのエネルギー蓄積と、従って、ソース材料の蒸発レートと、の推定を許容している。望ましい蒸発レートが既知であることから、実際の蒸発レートが過大であるのか又は過小であるのかを識別することができる。
【0015】
具体的には、本発明による方法用のシステムは、ソース要素用の保持構造を有し、この保持構造は、電磁放射との関係においてソース要素を運動させることができる。従って、実際の蒸発レートを変更するために及び実際の蒸発レートによって望ましい蒸発レートを近似するために、計測された反射電磁放射及び推定された実際の蒸発レートに基づいてソース表面の相対的位置及び入射する電磁放射を変更することができる。
【0016】
以下、本発明による方法の個々のステップについて詳述する。
【0017】
本発明による方法の第1ステップa)において、電磁放射が電磁放射ソースによって提供されている。電磁放射ソースは、真空チャンバに直接的に装着することができる。或いは、この代わりに、電磁放射ソースは、真空チャンバから離隔した状態において、場合によっては異なる部屋又は建物内などのように遠くにおいて、位置決めすることもできる。電磁放射は、例えば、光ファイバなどの適切なガイド要素により、真空チャンバにガイドすることができる。その結果、電磁放射は、ソース材料のソース表面上において入射し、プラズマ閾値未満においてソース材料を熱的に蒸発又は昇華させている。
【0018】
同時に、ソース材料によって吸収されなかった電磁放射の部分は、ソース表面上において反射されている。本発明による方法の後続のステップb)においては、この反射された電磁放射がシステムのメイン検出器によって計測されている。これを目的として、メイン検出器は、真空チャンバ内において適切に位置決めされている。
【0019】
本発明による方法のステップb)において得られた計測データは、後続のステップc)において分析されている。検出器の応答関数、入射した電磁放射のプロパティ、及び望ましい蒸発レートが既知であることから、残りの必要とされている吸収電磁放射と、従って、更には、電磁放射の反射された部分と、が判定される。ステップb)のメイン検出器の計測と反射された電磁放射との関係における予測を比較することにより、望ましい蒸発レートが充足されているかどうかを推定することができる。
【0020】
ステップc)において推定された実際の蒸発レートが、望ましい蒸発レートと異なっている場合には、本発明による方法の最後のステップd)において、仕様を充足するように、蒸発レートを調節することができる。この調節は、様々な手段によって提供することができる。
【0021】
例えば、ソース要素を運動させることにより、入射電磁放射によるソース表面の照明を変更することができる。また、この結果、蒸発レートが、それぞれ、増大及び縮小することになる。
【0022】
或いは、この代わりに、又はこれに加えて、パワー、特にパワー密度、及び/又は、電磁放射の断面のサイズ及び/又は形状を調節することもできる。相対的に大きなパワーが相対的に大きなエネルギー蓄積を結果的にもたらすことから、電磁放射のパワーは、蒸発レートに対して直接的に影響を及ぼすことになる。電磁放射の断面のサイズ及び/又は形状を変更することにより、ソース表面のサイズ及び/又は形状に対する入射電磁放射の適合を変更、特に改善、することができる。また、電磁放射によるソース表面の相対的に良好な、好ましくは完全な、照明は、蒸発レートの増大をもたらすことになる。
【0023】
要すれば、上述の本発明による方法は、実際の計測に基づいて個々の蒸発システムの動作の際の蒸発レートの能動的な調節を許容している。従って、蒸発レートの制御が可能である。この結果、更には、ターゲット材料の被覆を本発明による方法によって改善することができる。
【0024】
更には、本発明による方法は、ステップd)において、ソース要素がソース表面に対して垂直及び/又は平行の状態において運動することを有することができる。ソース表面に対して垂直の状態におけるソース要素の運動は、入射電磁放射の中心に向かうように又はこれから離れるようにソース表面をシフトさせることになる。ソース表面に対して平行にソース要素を運動させることにより、反射される放射の部分を極大化させることが可能であり、これは、最大吸収に対応しており、これは、しばしば、ソース表面上のビームのセンタリングに一致している。
【0025】
これに加えて、本発明による方法は、ソース要素が、ソース要素の、特にロッドの、上部端部において配置されたソース表面を有するソース材料を有する、特にこれから構成された、自己支持型の構造として、特にロッドとして、提供されているという点において特徴付けることができる。この実施形態において、ソース要素は、自己支持状態にあり、換言すれば、真空チャンバ内においてソース材料を提供するために、更なるるつぼが必要とされてはいない。従って、るつぼの材料との間の反応に起因したソース材料の汚染を回避することができる。具体的には、自己支持型のソース要素は、その上部端部上においてソース表面を担持している。例えば、なんらかの適切に構成されたホイール又はプーリーなどの保持構造をソース表面から離隔した状態において配置することができる。これは、ロッドとしてのソース要素の実施形態において特に容易に提供することができる。ソース要素、特にロッド、は、電磁放射によるその上部端部上におけるソース表面の照明を調節するために、本発明による方法のステップd)において上昇及び降下させることが可能であり、従って、蝋燭と同様に機能しており、放射は、蝋燭の芯の位置を占めており、芯及び蝋燭の直径の適切な相対的調節が、縁部における滴り又は壁の形成を伴うことなしに蝋の静的な消費をもたらすことになる。
【0026】
本発明による方法の更なる改善された実施形態においては、ロッドには、少なくとも基本的に円形のロッド断面が提供されており、電磁放射には、楕円ビーム断面が提供されており、これにより、ロッド断面及びビーム断面は、相互に適合された状態において選択されている。電磁放射が所定の角度において、好ましくは45°の角度において、ソース表面上において入射するのに伴って、楕円断面がソース表面上に投射されている。好ましくは、ソース表面上の電磁放射の上述の投射がこちらも円形になるように、ソース表面の円形の断面との関係における電磁放射の断面の適合を選択することができる。換言すれば、ソース表面の完全な照明を提供することが可能であり、これに加えて、電磁放射によるソース表面のアウトシャイニングをも防止することができる。これに加えて、電磁放射の楕円断面の適合は、ソース表面の特に均等な且つ適合した照明を提供することになる。
【0027】
本発明による方法の代替実施形態によれば、ソース要素は、ソース材料を収容するるつぼを有しており、これにより、るつぼは、ソース表面がるつぼ内において配置されている状態において、透明であり、或いは、電磁放射について少なくとも部分的に透明である。この実施形態は、自己支持型のソース要素として提供することができないソース材料の場合に、特に好適である。特に、るつぼは、例えば、サファイアを有する又はこれから構成されているるつぼを使用するなどにより、電磁放射について透明になるように選択されている。従って、ソース材料の蒸発は、例えば、ソース材料のなんらかの蒸発の後にソース表面がるつぼ内において配置されている場合にも、るつぼによって妨げられることがない。また、この実施形態においては、るつぼは、ソース表面に対して垂直のソース材料の運動を提供するように、上昇及び降下させることができる。従って、更なる且つ別個のるつぼを有するこの特別な実施形態においては、上述の方法の利点、具体的には、ソース表面上において反射された電磁放射の計測に基づいた蒸発レートの調節、を提供することもできる。
【0028】
更には、本発明による方法は、電磁放射光として、100nm~1400nmの波長を有する特にレーザー光が使用されることを有することができる。光、特にレーザー光、は、提供が容易であり、特に、真空チャンバから離れた光源から真空チャンバまで容易にガイドすることができる。また、具体的には、光には、広い範囲のエネルギー密度を提供することが可能であり、従って、特定のソース材料のプラズマ閾値未満の蒸発用の電磁放射の提供を容易に提供することができる。
【0029】
具体的には、本発明による方法は、ステップb)において2つ以上のセンサ要素を有するメイン検出器が使用され、これにより、2つ以上のセンサ要素は、互いに隣接し、熱的に結合解除されているという点により、改善することができる。蒸発の際に、ソース表面は、その空間的形状を変更する場合があり、特に、ソース表面は、凸又凹状の形状を確立し得る。また、ソース表面のこの空間的形状は、合焦及び脱合焦効果が発生し、反射された電磁放射の一部分がメイン検出器を単純に逃すことから、メイン検出器の計測結果に対して影響を及ぼすことになる。2つ以上のセンサ要素を有するメイン検出器を提供することにより、反射された電磁放射の相対的に正確な計測を取得することができる。具体的には、ソース表面の空間的形状の変化を検出することが可能であり、その理由は、これらの変化が2つ以上のセンサ要素によって計測される反射電磁放射の検出可能な差を結果的にもたらすからである。熱的に結合解除されたこれらの2つ以上のセンサ要素を提供することにより、それぞれのセンサ要素の独立的な計測を提供することができる。相互に隣接したセンサ要素の構成は、反射された電磁放射がその内部においてメイン検出器を逃れるセンサ要素の間のギャップの極小化を保証している。
【0030】
更には、本発明による方法は、ステップb)において、第1の更なる検出器が、ソース表面とは異なる、特にソース表面に対して垂直の、ソース要素の側部表面上において反射された電磁放射を計測するために使用され、これにより、第1の更なる検出器によって計測されたデータがステップc)及びd)において使用されることにより、特徴付けることができる。完全にアライメントされた位置において、電磁放射は、その全体断面により、ソース表面上において入射している。この結果、到来した電磁放射のパワーは、ソース材料に吸収されるか又はメイン検出器の方向において反射されている。但し、ソース表面が、上述のこの理想的な位置の上方に位置している場合には、入射電磁放射の一部分は、ソース要素の、例えば、自己支持型のロッド又はさもなければ透明なるつぼの適切な提供された部分の、前面において反射されることになる。このケースにおいては、ソース表面上において反射され、メイン検出器によって後から計測される電磁放射の強度は、ソース要素上において反射された到来電磁放射の量だけ、引き下げられる。但し、第1の更なる検出器を提供することにより、ソース要素の側部表面上において反射された到来電磁放射のこの部分を計測することが可能であり、本発明による方法のステップd)において提供されている必要な調節の判定により、後から考慮することができる。これにより、蒸発レートの調節を改善することができる。
【0031】
これに加えて、本発明による方法は、ソース要素の側部表面をフラットな状態において提供することにより、更に改善することができる。フラットな表面は、特に予測可能な方式により、到来電磁放射を反射することになる。具体的には、円弧状の表面上における反射によって発生する反射電磁放射の分散を回避することができる。従って、本発明による方法のステップc)において実行されている第1の更なる検出器の計測の分析を単純化することができる。
【0032】
本発明による方法の更なる実施形態によれば、フラットな側部表面は、ソース表面に入射し、これによって反射される電磁放射の方向によってカバーされているプレーンに対して垂直な状態において方向付けられている。換言すれば、電磁放射は、ソース表面上において反射された電磁放射と同一のプレーン内において側部表面上において反射されている。グレージング反射によって発生し得るフラットな側部表面上において反射された電磁放射の断面の歪が回避され得ると共に、個々の断面は、特に小さく且つ歪んでいない状態において留まっている。
【0033】
或いは、この代わりに、又は好ましくはこれに加えて、本発明による方法は、ステップb)において、第2の更なる検出器がソース要素のソース表面を逃れた電磁放射を計測するために使用され、これにより、第2の更なる検出器によって計測されたデータがステップc)及びd)において使用されることを有することができる。以上において既に指摘されているように、完全にアライメントされた位置において、電磁放射は、その全体断面により、ソース表面上において入射し、到来した電磁放射のパワーは、ソース材料によって吸収されるか又はメイン検出器の方向において反射されている。但し、ソース表面が上述のこの理想的な位置の下方において位置している場合には、入射電磁放射の一部分が、ソース表面、特に全体ソース要素、を逃すことになる。このケースにおいては、ソース表面上において反射され、メイン検出器によって後から計測される電磁放射の強度は、ソース要素を逃した到来電磁放射の量だけ、引き下げられることになる。但し、第2の更なる検出器を提供することにより、ソース要素を逃した到来電磁放射のこの部分を計測することが可能であり、本発明による方法のステップd)において提供されている必要な調節の判定により、後から考慮することができる。これにより、蒸発レートの調節を改善することができる。
【0034】
上述のように、第1の更なる検出器は、理想的な位置の上方のソース要素の位置を識別するために使用することが可能であり、第2の更なる検出器は、理想的な位置の下方のソース要素の位置を識別するために使用することができる。この結果、それぞれ、第1の更なる検出器及び第2の更なる検出器の両方を提供することが特に好ましい。第1の更なる検出器における計測された強度は、ソース要素の上向きの逸脱を増大させることにより、増大し、第2の更なる検出器における強度は、ソース要素の下向きの逸脱の増大に伴って増大する。両方の信号を組み合わせることにより、ソース要素の確実な且つ明確な位置制御を実装することができる。検出器の相対強度を関係付けることにより、到来する電磁放射の変化を検出器のペアの又はすべての3つのものの信号の比例した変化として検出することができる。これは、ソース要素の補正運動をトリガすることなしに、すべての電磁放射の大きさの変動及び制御と、これにより、両方の量の独立的な制御及び最適化と、を許容している。同様に、電磁放射の合焦又は脱合焦も、メイン検出器及び更なる検出器の間の反比例した強度変動をもたらし、これにより、電磁放射の焦点及びソース要素の位置を弁別し、これによって独立的に制御することを可能にしている。
【0035】
これに加えて、一定ではない入射レーザー強度の場合に、例えば、流動の変動及び制御のために必要とされる検出器強度は、ソース要素の位置のみならず、入射レーザー強度にも依存している。但し、2つの未知のもの、即ち、電磁放射のソースの位置及び初期強度、の3つの計測値により、方程式系が一意に判定され、入射レーザー強度及びソース要素の位置の両方の明確な判定を実施することができる。但し、相対的に不正確な動作の場合には、或いは、一般的に更なる検証の場合には、これに加えて、それ自体が計測されている電磁放射ソースによって提供及び計測される電磁放射のプライマリ強度を使用することができるが、これは、その被覆に起因してエントランスウィンドウ内における可能な可変損失の影響を受けることになる。
【0036】
また、更には、その断面が理想的なセットアップの場合にも既定でソース表面をアウトシャイニングしている入射電磁放射を使用することもできる。このケースにおいては、第1及び第2の更なる検出器は、常になんらかの電磁放射を検出している。また、この実施形態においては、ソース要素の位置を調節するために及び従って蒸発レートを制御するために、すべての3つの実装された検出器における検出された電磁放射の量を使用することができる。通常のガウス形状のビームによって動作している際に、ソースをアウトシャイニングしている部分は、ビームの中心におけるものよりも強度において格段に小さく、これにより、大きなパワー損失及び関連する効率の低減を伴うことなしに、この好適な動作モードを許容している。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、目的は、吸収ボディを有するセンサ要素を有する、ソース表面上において反射された電磁放射を計測する検出器によって充足されており、吸収ボディは、電磁放射を少なくとも部分的に吸収する吸収表面を有し、センサ要素は、吸収された電磁放射によって吸収ボディ内において生成される絶対温度及び/又は温度変化を検出するために吸収ボディの温度を計測する熱検知要素を更に有しており、吸収ボディは、吸収ボディの能動的な冷却のための冷却システムを有し、これにより、冷却システムは、吸収ボディを通じてクーラント、好ましくは水、のフロー用の吸収ボディ内の少なくとも1つの冷却ダクトを有しており、熱検知要素は、吸収ボディ内の冷却ダクトを通じたクーラントのフローを計測するためのフローセンサと、吸収ボディ内の冷却ダクトを通じて流すことによって誘発されるクーラントの絶対温度及び/又はクーラントの温度変化を計測するための温度センサと、を有する。
【0038】
本発明による検出器は、電磁放射による熱蒸発用のシステムにおいて使用することができる。具体的には、このような検出器は、電磁放射、例えば、ソース材料のソース表面上において反射された電磁放射、を計測するために使用することができる。
【0039】
計測対象の電磁放射は、吸収ボディ上において、特に吸収表面上に、入射し、吸収表面によって少なくとも部分的に吸収されている。換言すれば、電磁放射のエネルギーの少なくとも一部分は、吸収ボディ内に蓄積されている。従って、吸収ボディの温度の、それぞれ、計測及び監視は、吸収ボディ内へのエネルギー蓄積を判定ことと、これにより、吸収表面上において入射した電磁放射の量を判定することと、を許容している。
【0040】
吸収表面は、少なくとも部分的にソース表面と対向している。従って、吸収表面は、ソースから蒸発又は昇華したソース材料によって被覆された状態になる。従って、十分に長い蓄積の後に、検出器は、ソースと同一の吸収性及び反射性を有しており、これは、また、これらが一定であることをも意味している。
【0041】
吸収表面は、例えば、計測対象の電磁放射の仮定された入射方向に対して垂直の状態においてアライメントすることができる。入射した電磁放射の一部分のみが吸収されることになるのに伴って、残りの部分は、同一の方向に反射されて戻ることになる。本発明による検出器がソース表面上において反射された電磁放射を計測するために使用されている熱蒸発用のシステムにおいては、このような吸収表面上において反射された電磁放射は、ソース表面上に戻るように導かれており、2回目の熱蒸発のために使用することができる。
【0042】
但し、ソース表面上における後続の第2の反射は、電磁放射ソースに戻るように電磁放射を導き、混乱を生成し得る。例えば、89°などの、90°をわずかに下回る角度において互いに隣接した状態において構成された2つのフラットなセクションを有する吸収表面の一実施形態が、この課題を解決し得る。電磁放射は、依然として、ソース表面上に反射されて戻り得るが、正確に同一の方向においてではなく、これにより、電磁放射ソースを逃すことになる。これに加えて、2倍型の吸収表面(two-fold absorption surface)上において入射する電磁放射は、2回にわたって反射されていることから、吸収表面による入射電磁放射の吸収も、2倍となる。これにより、吸収ボディ内へのエネルギー蓄積と、従って、計測の精度と、が改善され得る。
【0043】
入射電磁放射によって吸収ボディ内において蓄積されたエネルギーの量を計測及び/又は監視するために、吸収ボディの絶対温度及び/又は温度の変化を計測及び/又は監視することができる。本発明による検出器において、この計測は、検出器の冷却システムを使用することにより、実行されている。
【0044】
冷却システムの冷却ダクトは、吸収ボディを通じて延在しており、吸収ボディを通じたクーラントのフローを許容している。クーラントは、流体であることが可能であり、好ましくは、水がクーラントとして使用されている。吸収ボディを通じて流れることにより、クーラントは、吸収ボディを冷却している。好ましくは、冷却システムは、供給を一定の温度において維持している。換言すれば、吸収ボディ内の冷却ダクトを通じて流れるクーラントは、好ましくは、入射電磁放射によって吸収ボディ内において蓄積された任意のエネルギーを吸収している。これにより、クーラントの温度は、吸収されたエネルギーの量に従って変化している。
【0045】
クーラントのこの温度及び/又は温度の変化を計測するために、本発明による検出器の検知要素は、2つの異なるタイプのセンサ、即ち、フローセンサ及び温度センサ、を有する。具体的には、フローセンサは、冷却ダクトを通じて流れているクーラントの流量を計測している。温度センサは、クーラントの温度を計測している。具体的には、クーラントの温度は、冷却ダクトの少なくとも出口において、好ましくは、更に冷却ダクトの入口においても、計測されている。出口温度は、クーラントが一定の温度によって入口において提供されていることを仮定した状態において、時間に伴う温度の変化を検出することを許容している。これに加えてクーラントの入口温度を計測することにより、この相対的な温度変化の計測を改善することができる。特に、温度計測を上述のフロー計測と組み合わせることにより、吸収ボディ内への吸収電磁放射によって生成されるエネルギー蓄積の絶対値を判定することができる。特に、例えば、ソース表面上において反射された電磁放射の本発明による検出器の計測に基づいて、ソース材料の蒸発レートを推定することが可能であり、後から制御することができる。
【0046】
好ましくは、本発明による検出器は、1つ又は複数の検出器がメイン検出器として及び/又は第1の更なる検出器として及び/又は第2の更なる検出器として本発明の第1の態様による方法において使用可能であることを有する。従って、本発明の第1の態様による方法との関係において詳述されているすべての特徴及び利点は、メイン検出器、第1の更なる検出器、又は第2の更なる検出器として使用されている本発明の第2の態様による検出器によっても、提供することができる。
【0047】
これに加えて、本発明による検出器は、吸収表面が、100nm~1400nmの波長を有する光、特にレーザー光、を吸収していることによって特徴付けることができる。本発明の第1の態様による方法との関係において上述されているように、光、特にレーザー光、は、様々な可能なソース材料の蒸発及び/又は昇華のために適している。光を吸収する能力を有する吸収表面を提供することにより、本発明による検出器をこの特別な電磁放射に対して適合させることができる。適合は、例えば、吸収表面がその上部において構成されている、吸収ボディのために選択された適切な材料を含み得る。また、これに加えて、又はこの代わりに、光の吸収の改善用の吸収表面の適合可能な状態において選択された被覆を使用することもできる。
【0048】
本発明による検出器の別の実施形態によれば、熱検知要素は、吸収ボディ内のボア内において配置された温度センサ、特に熱電対要素、を有しており、ボアは、吸収ボディ内において、好ましくは吸収表面の近傍において、終端している。ボアは、吸収表面の近傍において温度センサを配置することと、従って、温度計測の精度を改善することと、を許容している。吸収ボディ内の温度センサにより、吸収ボディの実際の温度及び/又はこの温度の変化を直接的に計測することができる。この付加的に計測された温度値は、クーラント温度の計測をチェックするために及び/又は温度計測の全体的な精度を改善するために使用することができる。これに加えて、クーラントに基づいた温度計測に失敗した又はこれを完全に欠いている場合にも、吸収ボディの温度の、及び、従って、電磁放射によって吸収ボディ内に堆積されたエネルギーの、計測が依然として可能である。
【0049】
更には、本発明による検出器は、好ましくは、吸収ボディが金属、特に銅又はアルミニウム、を有する又は特にこれらから構成されていることを有することができる。吸収ボディ用の材料としての金属は、いくつかの利点を提供している。まず第1に、金属、特に銅又はアルミニウム、は、大きな熱伝導を有する。本発明による検出器は、ボロメータとして設計されており、これは、入射する電磁放射を吸収し、この吸収によって生成された温度及び/又は温度変化を計測するためのセンサ要素を有する。大きな熱伝導を有する材料が、このようなボロメータに特に適している。更には、金属は、超高真空状態下における使用のために適合した材料である。従って、本発明による検出器による反応雰囲気としてのこのような超高真空の汚染が回避され得ると共に、逆もまた真である。
【0050】
本発明による検出器の更なる好適な実施形態によれば、吸収ボディは、一端において中空の吸収容積を封入し、これにより、吸収容積の内側側壁は吸収表面を形成しており、吸収容積は、吸収オリフィスを有し、これにより、吸収オリフィスは、計測対象の電磁放射の仮定及び/又は判定された入射方向に対してアライメントすることができる。また、上述のように、ケースの大部分において、吸収表面は、入射する電磁放射の、少なくとも検出器上において直接的に入射する電磁放射の、一部分のみを吸収している。本発明による検出器のこの好適な実施形態においては、吸収表面は、中空吸収容積の内側側壁として提供されている。検出器上において入射する電磁放射は、吸収オリフィスを通じて吸収容積に進入している。吸収容積内において、電磁放射は、吸収表面上において入射し、部分的に吸収され、部分的に反射されている。吸収オリフィスとの関係において好ましくは大きいこの反射が吸収容積内において発生するのに伴って、反射された電磁放射が、吸収オリフィスを逃し、吸収容積の内側側壁、換言すれば、吸収表面の別のセクション、に衝突する大きな確率が存在している。理想的なケースにおいては、この手順は、入射する電磁放射が完全に又は少なくとも基本的に完全に吸収ボディによって吸収される時点まで、それ自体を反復している。このケースにおいては、吸収ボディ内へのエネルギー蓄積は、入射する電磁放射の合計エネルギーを表している。特に、これにより、蒸発したソース材料を有する吸収表面の任意の被覆が、効果を伴うことなしに生成されることになる。
【0051】
本発明による検出器の更に改善された一実施形態は、円錐状に成形された吸収表面の円錐体が吸収オリフィスに対向する状態において、吸収表面が吸収容積内において部分的に円錐状に成形されることを有することができる。円錐体は、それぞれ、突出及び凹入の両方として成形することが可能であり、これにより、突出実施形態においては、円錐体の先端が吸収オリフィスに対向しており、凹入実施形態においては、円錐体の基部が吸収オリフィスに対向している。換言すれば、吸収オリフィスにわたって入射する電磁放射は、まず、吸収表面の円錐状に成形された部分に入射している。円錐体は、吸収オリフィスに対向していることから、円錐体の側部において反射された任意の電磁放射は、吸収容積のどこかの内部に導かれ、間違いなく吸収オリフィスを逃すことになる。従って、吸収容積内における入射電磁放射の完全な吸収という上述の理想的なケースを相対的に容易に到達することができる。
【0052】
これに加えて、本発明による検出器は、吸収オリフィスの縁部を形成している吸収容積の一部分を吸収容積との関係において内向きに傾斜させることにより、改善することができる。また、吸収オリフィスとは反対型の上述の円錐体と同様に、吸収オリフィスの周りにおける内向きに傾斜した縁部も、電磁放射の反射が吸収容積内に確実に戻ることを支援している。従って、これにより、本発明による検出器のこの実施形態においても、吸収容積内の入射する電磁放射の完全な吸収という上述の理想的なケースに相対的に容易に到達することができる。
【0053】
好ましくは、本発明による検出器は、吸収オリフィスの反対側の円錐状に成形されたセクション及び吸収オリフィスを取り囲む傾斜した縁部の両方を有する。
【0054】
本発明による検出器の別の実施形態は、検出器が、アパーチャ開口部を有するアパーチャを有しているという点において特徴付けることが可能であり、アパーチャは、計測対象の電磁放射の仮定及び/又は判定された入射方向に沿ってセンサ要素との関係において上流に配置されている。このようなアパーチャは、本発明に従って検出器によって計測され得る立体角を定義することを支援することができる。また、立体角の定義を改善するために、それぞれ、仮定及び/又は判定された入射方向に沿って上流においてアライメント及び積層された2つ以上のアパーチャを使用することができる。好ましくは、アパーチャは、例えば、電磁放射ソースによって照明されているソース表面が、検出器の視点から可視状態となるように、及び、従って、ソース表面上において反射された電磁放射が検出器に到達し得るように、サイズ設定及び構成されている。これに加えて、真空チャンバ内のその他の場所に由来する電磁放射は、アパーチャによって阻止され、従って、本発明による検出器の計測の全体的な精度を改善することができる。
【0055】
本発明による検出器の更なる改善された実施形態によれば、アパーチャ開口部のサイズは、アパーチャ開口部を通じて到来する電磁放射が吸収ボディの吸収表面上において、特に吸収オリフィスを通じて、入射するように、吸収ボディに対して、特に吸収オリフィスに対して、適合されている。この実施形態においては、検出器の視野の上述の制限が更に改善されている。アパーチャ開口部及び吸収ボディ、特に吸収オリフィス、が相互に適合された状態において構築されていることから、アパーチャオリフィスを通じて到来する電磁放射のすべてが検出器によって記録され得ることを保証することができる。これにより、情報の喪失を回避することが可能であり、或いは、少なくとも極小化することができる。
【0056】
視野を更に制限及び最適化するために、複数の連続的なアパーチャを使用することができる。これは、ソースから大きな距離において計測する必要がある一緒に近接配置された強力なソースの場合に、特に有用である。
【0057】
これに加えて、本発明による検出器は、検出器がシールド要素を有することによって改善することも可能であり、シールド要素は、アパーチャと吸収ボディの間における計測対象の電磁放射の仮定された入射方向に沿って延在している。アパーチャと共に、シールド要素は、アパーチャオリフィスを通じて到来する電磁放射の場合にのみアクセス可能である検出器の前面の容積を形成している。アパーチャを完全に逃した且つそれにも拘らず吸収ボディ上において入射することになる散乱した電磁放射は、シールド要素によって阻止されている。これにより、改善された精度によって検出器の視野を定義することができる。
【0058】
更には、本発明による検出器の別の改善された実施形態においては、シールド要素は、吸収ボディに沿った電磁放射の仮定された入射方向に沿って更に延在している。但し、吸収表面から離れるように吸収ボディ上において入射する電磁放射は、エネルギーを吸収ボディ内に蓄積することが可能であり、これにより、検出器によって計測される結果を歪ませる可能性がある。吸収ボディに沿って更に延在するシールド要素は、吸収ボディをカバーしており、すべての到来する電磁放射を遮断している。従って、検出器の計測の歪を回避することが可能であり、或いは、少なくとも極小化することができる。
【0059】
別の好適な実施形態において、本発明による検出器は、検出器が2つ以上のセンサ要素を有し、これにより、2つ以上のセンサ要素は、相互に隣接しており、熱的に結合解除されているという点において特徴付けることができる。既に上述したように、蒸発の際に、ソース表面は、その空間的形状を変化させる場合があり、特に、ソース表面は、凸又は凹形状を確立する可能性がある。また、ソース表面のこの空間的形状は、反射された電磁放射の一部分がメイン検出器を単純に逃し及び/又はその他の部分が場合によっては検出器の方向において合焦されることから、検出器の計測結果に影響を及ぼすことになる。検出器に2つ以上のセンサ要素を提供することにより、反射された電磁放射の分布の相対的に正確な計測を取得することができる。具体的には、ソース表面の空間的形状及び/又は形態の変化さえも検出することが可能であり、その理由は、これらの変化が、2つ以上のセンサ要素によって計測される反射電磁放射の分布における検出可能な差を結果的にもたらすからである。熱的に結合解除されたこれら2つ以上のセンサ要素を提供することにより、それぞれのセンサ要素の独立的な計測を提供することができる。相互に隣接したセンサ要素の構成は、反射された電磁放射がその内部において検出器を逃れるセンサ要素の間のギャップが極小化されることを保証している。
【0060】
これに加えて、本発明による検出器は、2つ以上のセンサ要素を計測対象の電磁放射の仮定及び/又は判定された入射方向に対して垂直である或いは少なくとも基本的に垂直であるプレーン内において回転対称のパターンにおいて又は行として又はマトリックスとして構成することにより、改善することができる。様々なパターンが、異なる計測目的に対する検出器の適合を許容している。例えば、回転対称パターンは、電磁放射ソースによって提供される電磁放射における合焦課題の識別を許容しており、これにより、行における構成は、この電磁放射とソース表面の間のミスアライメントを発見するために特に有用である。特に複数のセンサ要素が使用されている際のマトリックスは、ソース表面上において反射された電磁放射の分布の更に詳細な計測を許容している。
【0061】
本発明による検出器の更なる改善された実施形態は、計測対象の電磁放射の仮定及び/又は判定された入射方向に対して垂直の又は少なくとも基本的に垂直のプレーン内において、2つ以上のセンサ要素が、以下の形状
矩形 正方形 円 円形リング 円形リングセグメント
の1つを有すること、を有することができる。
【0062】
このリストは、すべてを網羅したものではなく、更なる適切な形状によって拡張することができる。具体的には、上述の2つ以上のセンサ要素の構成パターンによれば、適用された現在のパターンに対して適合した状態において選択された個々のセンサ要素の形状は、別個のセンサ要素の間の回避可能なギャップを伴うことなしに、個々のセンサ要素のコンパクトな且つ連続的な構成を許容している。
【0063】
更には、本発明による検出器は、検出器が、真空フィードスルーにおいて吸収ボディを構成するための構成要素を有するという点において特徴付けることができる。本発明による検出器のこの特に好適な実施形態は、真空チャンバの真空フィードスルーにおいて及び/又はその内部において直接的に検出器を配置することを許容している。例えば、センサ要素のクーラントチャネル及び電気接続の入口及び出口ポートなどのすべての接続は、真空チャンバの外側からアクセス可能である。真空チャンバ内には、基本的に吸収ボディのみが、及び、存在する場合には、アパーチャ及び/又はシールド要素が、配置されている。これらの要素は、極高真空用の能力を有する実施形態において提供することができる。従って、検出器の一部分及び真空チャンバ内の反応雰囲気の相互の劣化を回避することができる。
【0064】
本発明による検出器の更なる改善された実施形態によれば、構成要素は、真空フィードスルーとの関係における吸収ボディの位置を変更するための位置決め要素を有する。真空チャンバ内における吸収ボディの位置を変更するための可能性は、例えば、ソース材料及び/又はターゲット材料を交換するために使用することができる。これにより、検出器による、特に吸収ボディによる、このような交換手順に対する干渉を回避することができる。具体的には、手順の完了の後に、カバーされている立体角を拡大させることにより、本発明による検出器の計測能力を改善するために吸収ボディをソース要素の近傍において再構成することができる。
【0065】
本発明の第3の態様によれば、目的は、電磁放射を提供する電磁放射ソースと、反応雰囲気を収容する真空チャンバと、電磁放射を計測するメイン検出器と、を有する電磁放射による熱蒸発用のシステムによって充足されており、ソース材料及び被覆対象のターゲット材料は、真空チャンバ内において配置されており、電磁放射ソースは、その電磁放射が、プラズマ閾値未満のソース材料の熱蒸発及び/又は昇華のためにソース材料のソース表面上において所定の角度において、好ましくは45°の角度において、入射するように構成されており、電磁放射を計測するメイン検出器は、ソース表面上において反射された電磁放射がメイン検出器に到達するように構成されており、本発明の第3の態様によるシステムは、本発明の第1の態様による方法を実行するように適合されている。従って、本発明の第1の態様による方法との関係において詳述されているすべての特徴及び利点を本発明の第1の態様による方法を実行するように適合された発明の第3の態様によるシステムによっても提供することができる。
【0066】
好ましくは、本発明によるシステムは、少なくともメイン検出器、好ましくは、電磁放射用のすべての検出器、を本発明の第2の態様に従って構築することにより、改善することができる。また、この特別な実施形態においては、本発明の第2の態様による検出器との関係において詳述されているすべての特徴及び利点を本発明の第2の態様による少なくとも1つの検出器を有する本発明の第3の態様によるシステムによっても提供することができる。
【0067】
以下、添付図面において示されている実施形態を参照し、本発明について更に説明する。以下の図面が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図2】本発明による検出器の第1の可能な実施形態である。
【
図4】2つのセンサ要素を有する本発明による検出器の一実施形態である。
【
図7】ソース表面の断面に対して適合された電磁放射の断面である。
【
図8】入射する電磁放射の第1状態を有する本発明によるシステムである。
【
図9】入射する電磁放射の第2状態を有する本発明によるシステムである。
【
図10】入射する電磁放射の第3状態を有する本発明によるシステムである。
【
図11】入射する電磁放射の第4状態を有する本発明によるシステムである。
【
図12】ロッドとして提供されたソース要素である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1には、本発明による電磁放射120によるソース材料20の熱蒸発用のシステム10のメインコンポーネントが示されている。ソース材料20は、真空チャンバ12内において配置されており、これにより、真空チャンバ12は、反応雰囲気16を閉じ込めている。真空チャンバ12自体は、真空フィードスルー14に隣接した状態においてのみ示されている。真空フィードスルー14の一方のものにおいては、電磁放射ソース110が配置されており、他方のものにおいては、本発明による検出器40が配置されている。
【0070】
システム10の動作の際に、電磁放射ソース110は、ソース材料20のソース表面22上において導かれ入射する電磁放射120を提供している。ソース材料20は、電磁放射120の一部分を吸収し、従って、ソース材料20の一部分は、
図1において破線の円形ラインによって示されているように、蒸発又は昇華している。ソース材料20の反対側には、ターゲット材料18が配置されている。蒸発したソース材料20は、ターゲット材料18に到達し、ターゲット材料18の表面上において被覆を形成している。
【0071】
電磁放射120の残りの部分は、ソース表面20上において反射されている。電磁放射ソース110の放出方向及びソース表面22の位置及び全般的な向きが既知であることから、反射された電磁放射120の仮定及び/又は判定された入射方向122において検出器40を配置することが可能である。また、電磁放射ソース110について上述したように、検出器、特に、その吸収ボディ52、は、真空チャンバ12の真空フィードスルー14において配置することができる。
【0072】
本発明による検出器40は、ボロメータとして機能している。電磁放射120は、吸収ボディ52の吸収表面60上に入射し、少なくとも部分的に吸収されることになる。描かれているように、吸収表面60は、ソース表面22と対向しており、従って、これも、
図1において描かれているように、蒸発したソース材料20によって被覆されることになる。従って、短い蓄積時間の後に、吸収表面60は、ソース表面22と同一の又は少なくとも類似の吸収及び反射プロパティを有することになる。
【0073】
吸収ボディ52内への上述のエネルギー蓄積は、吸収ボディ52の温度の変化又は少なくとも冷却の需要の増大をもたらすことになる。温度又はその変化する振る舞いを計測することにより、入射電磁放射120によって蒸発又は昇華するソース材料20の蒸発レート及び/又は流動分布を判定することができる。
【0074】
図2は、本発明による検出器40の可能な実施形態の断面を描いている。検出器40は、例えば、それぞれ、本発明による方法及びシステム10の両方においてメイン検出器100、第1の更なる検出器102、及び/又は第2の更なる検出器104として使用することができる(
図8~
図11を参照されたい)。
【0075】
検出器40は、好ましくは銅又はアルミニウムのような大きな熱伝導を有する金属から構成された吸収ボディ52を有する単一センサ要素50を有する。構成要素40は、本発明によるシステム10の真空チャンバ12の真空フィードスルー14において吸収ボディ52を構成することを許容している。具体的には、構成要素42は、真空チャンバ12の反応雰囲気16中における吸収ボディ52の実際の位置を変更するための位置決め要素44を有する。従って、例えば、ソース材料20として真空チャンバ12内において配置されているシステム10のその他の要素の運動を検出器40によって生成される任意の妨害を伴うことなしに提供することが可能あり、これについては、
図1を参照されたい。
【0076】
本発明による検出器40は、ボロメータの原理に基づいている。電磁放射120は、吸収ボディ52の吸収表面60上に入射し、少なくとも部分的に吸収されることになる。このエネルギー蓄積は、吸収ボディの絶対温度又はその温度の変化を計測することにより、計測することができる。
【0077】
これを目的として、本発明による図示の検出器40においては、2つの異なる計測方法及び個々の検知要素70が実装されている。個々の方法は、温度及びその変化を計測するために別個に使用することができる。但し、以下において記述されている2つの方法を組み合わせることにより、相対的に高い精度を提供することができる。
【0078】
第1の方法の場合には、吸収ボディ52は、能動的な冷却用の冷却システム80を有する。クーラント84は、吸収ボディ52を通じた冷却ダクト82を通じて流れており、これにより、入射した電磁放射120によって吸収ボディ80内に蓄積されたエネルギーを吸収している。
図2において描かれているように、それぞれ、冷却ダクト82の入口ポート及び出口ポートの両方において、フローセンサ72がクーラント84の流量を計測しており、温度センサ74がクーラント84の温度を計測している。要すれば、組み合わせられたこれらの計測が、吸収ボディ52内に蓄積されたエネルギーの量の正確な判定を許容している。
【0079】
第2の方法の場合には、温度センサ74、好ましくは熱電対要素74、が、吸収ボディ52のボア54内において、特に吸収表面60の近傍において、配置されている。上述のように、吸収表面60上において入射する電磁放射120によって堆積されるエネルギーは、吸収ボディ52の温度の上昇を生成することになる。吸収表面60の近傍において吸収ボディ52内において配置された熱電対76は、絶対温度として又は温度の変化としてこれを計測することができる。従って、この計測方法は、吸収ボディ52内に蓄積されたエネルギーの量を正確に判定することをも許容している。
【0080】
図3は、本発明による検出器40の、特にその吸収表面60の、回転対称である好適な実施形態の断面を示している。この実施形態によれば、図示のセンサ要素50の吸収ボディ52は、計測対象の電磁放射120の入射方向122に対向するその端部において、中空の吸収容積56を有する。この吸収容積56は、単一の開口部、即ち、吸収オリフィス62、を有し、これは、入射電磁放射120が吸収容積56に進入することを許容している。吸収容積56の内側側壁58は、吸収表面60を形成している。換言すれば、電磁放射120は、吸収容積120に進入し、矢印によって
図3において示されているように吸収容積56内において多数回にわたって反射され、これにより、それぞれの反射において、入射電磁放射120のエネルギーの一部分が吸収されている。理想的には、電磁放射120は、吸収容積56内において捕捉され、結果的に吸収表面60によって完全に吸収されている。この理想的なケースの確率を改善するために、吸収オリフィス62を取り囲む縁部64を形成している側壁の一部分が、吸収容積56との関係において内向きに傾斜している。この内向きに傾斜した表面は、これらの表面上に入射した電磁放射の入射方向に戻るような反射が回避され得るという更なる利点を提供している。これに加えて、吸収オリフィス62の反対側において配置されている吸収表面60の一部分が、円錐体の先端が吸収オリフィス62を指し示している状態において、円錐状に成形されている。
【0081】
図4には、2つのセンサ要素50を有する検出器40が示されている。センサ要素50は、相互に隣接した状態において配置され、熱的に結合解除されている。それぞれのセンサ要素50は、その独自の吸収ボディ52及び吸収表面60を有する。センサ要素50の残りの部分は示されていない。要すれば、2つ以上のセンサ要素50を提供することは、例えば、(図示されてはいない)蒸発したソース材料20の蒸発レート及び/又は流動の分布の判定などのために、吸収された電磁放射120についての相対的に詳細な情報を提供することができる。
【0082】
これに加えて、個々のセンサ要素50のそれぞれのものの上流には、2つの積層及びアライメントされたアパーチャ90が配置されている。アパーチャ開口部92は、個々のセンサ要素50の受け容れのための立体角を含んでいる。破線矢印によって示されているセンサ要素50の間のクロストークを回避することができる。更には、アパーチャ90と吸収ボディ52の間に、及び、場合によっては、更に個々のアパーチャボディ52に沿って、シールド要素94が配置されている。これらのシールド要素94は、一方においては、上述のクロストークを更に低減している。また、他方においては、吸収ボディ52の側部表面上において入射する電磁放射120が、阻止されており、計測結果を歪ませ得ないようになっている。
【0083】
図4との関係において言及されているように、本発明による検出器40は、2つ以上のセンサ要素50を有することができる。
図5には、センサ要素50及びその吸収表面60の形状及び構成パターンのいくつかの例が示されている。一限定として、電子カメラに類似した高分解能ピクセルアレイなどのその他の構成が可能であることが明らかである。要すれば、例えば、蒸発したソース材料20の蒸発レート及び/又は流動の分布の判定などの検出器40の計測の目的との関係において、異なる構成パターンのうちで最も適するものを選択することができる。
【0084】
図5の上部左パネル内には、単純な円形の能動的表面を有する標準的な形状が示されている。
【0085】
電磁放射120の入射方向122の運動は、上部右パネル内において示されているように、4つの象限によって検出することができる。ここでは、センサ要素50は、正方形として成形されており、センサ要素50の数を小さなものに維持しつつ主にその対角線に沿って水平方向及び垂直方向における運動が検出され得るように構成されている。
【0086】
図5の下部左パネル内には、円形リングの回転対称パターンを形成しているセンサ要素50を有する第3の構成が示されている。このパターンは、電磁放射ソース110によって提供されている電磁放射120の合焦又は脱合焦に対して最も敏感である。
【0087】
位置及び脱合焦の両方は、このケースにおいては垂直方向におけるもののみであるが、
図5の下部右パネル内において示されているものなどの矩形に成形されたセンサ要素50のストライプ構成によって検出することができる。ソース表面22上において約45°の入射方向122において反射されている電磁放射120は、自身に対して垂直であるものよりも入射及び反射ビームを含むプレーン内において相対的に強力に影響を受けることから、これは、好ましいものであり得る。
【0088】
図6は、本発明によるシステム10の基本要素、即ち、電磁放射ソース110、ソース材料20、及び検出器40、特にメイン検出器100、を示している。電磁放射120光としては、100nm~1400nmの波長を有する特にレーザー光が使用されている。以下、本発明による方法について説明することとする。
【0089】
本発明による方法の第1ステップa)においては、電磁放射120が電磁放射ソース110によって提供されている。電磁放射120は、ソース材料20のソース表面22上において、好ましくは45°の角度において入射し、プラズマ閾値未満においてソース材料20を熱的に蒸発又は昇華させている。
【0090】
本発明による方法の後続のステップb)においては、ソース表面22上において反射された電磁放射120がシステム10のメイン検出器100によって計測されている。これを目的として、メイン検出器は、真空チャンバ12(図示されてはいない)内において適切に位置決めされている。
【0091】
後続のステップc)においては、本発明による方法のステップb)において得られた計測データが分析されている。検出器40の応答関数として、入射する電磁放射120のプロパティ及び望ましい蒸発レート、並びに、従って、必要とされている吸収電磁放射120が既知であることから、電磁放射120の残りの反射された部分を判定することもできる。ステップb)のメイン検出器100の計測を反射電磁放射120との関係において予想と比較することにより、望ましい蒸発レートが充足されているかどうかを推定することができる。
【0092】
ステップc)において推定された実際の蒸発レートが、望ましい蒸発レートと異なっている場合には、本発明による方法の最後のステップd)において、仕様を充足するように蒸発レートを調節することができる。この調節は、様々な手段によって提供することができる。
【0093】
図6において示されているように、ソース表面22に対して垂直及び/又は平行にソース要素20を運動させることにより、入射する電磁放射120によるソース表面22の照明を変更、特に、それぞれ、シフト、拡大、及びスケールダウンすることができる。また、この結果、蒸発レートが、それぞれ、上昇及び低減することになる。これを目的として、ソース材料20は、好ましくは、例えば、ロッド30などの自己支持型のソース要素24として提供されている。ソース表面22の上述の運動を提供するために、保持構造28を使用することができる。
【0094】
或いは、この代わりに、又はこれに加えて、及び、
図7において示されているように、電磁放射ソース110によって提供されている電磁放射120の断面のサイズ及び/又は形状を調節することもできる。電磁放射120の断面のサイズ及び/又は形状を変更することにより、ソース表面22のサイズ及び/又は形状に対する入射電磁放射120の適合を変更、特に改善、することができる。また、電磁放射120によるソース表面22の相対的に良好な、好ましくは完全な、照明は、蒸発レートの増大をもたらす。描かれているように、電磁放射120には、るつぼ32内において閉じ込められたソース材料20の溶解したプールとして提供されるソース表面22の円形の断面にマッチングするように、例えば、楕円断面を提供することが可能であり、これにより、るつぼ32は、電磁放射120について少なくとも部分的に透明である。
【0095】
また、更には、電磁放射120のパワー、特にパワー密度、を調節することができる。相対的に大きなパワーは、相対的に大きなエネルギー蓄積を結果的にもたらすことから、電磁放射120のパワーは、蒸発レートに対して直接的に影響を及ぼしている。
【0096】
要すれば、上述の本発明による方法は、実際の計測に基づいた個々の蒸発システム10の動作の際の蒸発レートの能動的な調節を許容している。従って、蒸発レートの制御が可能である。また、結果的に、ソース材料20を有するターゲット材料18の被覆を改善することもできる。
【0097】
後続の
図8~
図11は、本発明によるシステム10の一実施形態を示しており、これは、3つの検出器40、即ち、メイン検出器100、第1の更なる検出器102、及び第2の更なる検出器104、を有する。上述のように、メイン検出器100は、入射方向122においてソース表面22上において反射された電磁放射120を計測し得るように構成されている。第1の更なる検出器104は、ソース要素24の側部表面26上において反射された電磁放射120を検出し得るように構成されており、最後に、第2の更なる検出器104が、ソース要素24、特にソース表面22、を逃した電磁放射120を検出している。以下、図示のシステム10の動作の際に発生する様々な状況について説明する。
【0098】
図8には、システム10の動作の理想的なケースが示されている。電磁放射120は、ソース表面22を照明し、メイン検出器100に対して入射方向122において部分的に反射されている。電磁放射120は、残りの第1及び第2の更なる検出器102、104に到達してはいない。保持構造28についてのアクションは、必要とされていない。
【0099】
図9は、到来する電磁放射120の一部分がソース要素24を逃し、第2の更なる検出器104に到達するのに伴う異なる状態を示している。メイン検出器100の減少したセンサ出力との組合せにおける第2の更なる検出器104の計測信号に基づいて、ソース表面22が、到来する電磁放射120との関係において過剰に低い又は過剰に左に寄っているものと推定することができる。従って、これは、保持構造28の起動をトリガし、ソース要素24は、図示の矢印によって示されているように上向きに又は右に運動することになる。
【0100】
図10には、到来する電磁放射120の一部分がソース要素24の側部表面26において反射され、第1の更なる検出器102に到達するのに伴う反対の状態が描かれている。同様に、メイン検出器100の減少したセンサ出力との組合せにおける第1の更なる検出器102の計測信号に基づいて、ソース表面22が、到来する電磁放射120との関係において過剰に高い又は過剰に右に寄っているものと推定することができる。従って、これは、保持構造28の起動をトリガし、ソース要素24は、図示の矢印によって示されているように下方に又は左に運動することになる。
【0101】
図11は、本発明によるシステム10の動作の際の別の可能な静的状態を示している。この状態においては、到来する電磁放射120がソース表面22をアウトシャイニングしている。換言すれば、到来する電磁放射120の断面がソース表面22の断面超である。このケースにおいては、電磁放射120が、すべての3つの検出器40、即ち、メイン検出器100及び両方の更なる検出器102、104、に到達している。両方の更なる検出器102、104が、既定の又は少なくともある程度の電磁放射120を検出している限り、ソース表面22の完全な照明を仮定することができる。更なる検出器102、104の1つが電磁放射120の検出を休止した場合には、上述のように保持構造28をトリガすることにより、ソース要素24の位置を相応して変更することができる。
【0102】
検出器の相対的な強度を関係付けることにより、到来する電磁放射の変化を検出器のペア又はすべての3つのものの信号の比例した変化として検出することができる。これは、ソース要素24の補正運動をトリガすることのない全体的な電磁放射の大きさの変動及び制御と、これにより、両方の量の独立的な制御及び最適化と、を許容している。
【0103】
同様に、電磁放射の合焦及び脱合焦は、メイン検出器100と更なる検出器102、104の間の比例してはいない強度変動をもたらし、これにより、電磁放射120の焦点及びソース要素24の位置を弁別し、これにより、独立的に制御することを可能にしている。
【0104】
第1の更なる検出器102がソース要素24の側部表面26上において反射された電磁放射120を検出するのに伴って、この側部表面26は、好ましくはフラットな状態において提供されている。
図11には、これが描かれている。図示のソース要素24は、ソース材料20から構成された自己支持型のロッド30として提供されている。好ましくは、フラットな側部表面26は、ソース表面22及び電磁放射ソース110(図示されてはいない)によって提供されている到来する電磁放射120の両方に対して垂直方向において方向付けされている。
【符号の説明】
【0105】
10 システム
12 真空チャンバ
14 真空フィードスルー
16 反応雰囲気
18 ターゲット材料
20 ソース材料
22 ソース表面
24 ソース要素
26 側部表面
28 保持構造
30 ロッド
32 るつぼ
40 検出器
42 構成要素
44 位置決め要素
50 センサ要素
52 吸収ボディ
54 ボア
56 吸収容積
58 側壁
60 吸収表面
62 吸収オリフィス
64 リム
70 熱検知要素
72 フローセンサ
74 温度センサ
76 熱電対要素
80 冷却システム
82 冷却ダクト
84 クーラント
90 アパーチャ
92 アパーチャ開口部
94 シールド要素
100 メイン検出器
102 第1の更なる検出器
104 第2の更なる検出器
110 電磁放射ソース
120 電磁放射
122 入射方向
【国際調査報告】