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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/04 20060101AFI20230801BHJP
   B60N 2/10 20060101ALI20230801BHJP
   A47C 1/025 20060101ALI20230801BHJP
   A61G 5/10 20060101ALI20230801BHJP
   A61G 5/12 20060101ALI20230801BHJP
   A61G 9/00 20060101ALI20230801BHJP
   B60N 2/08 20060101ALN20230801BHJP
【FI】
A61G15/04
B60N2/10
A47C1/025
A61G5/10 704
A61G5/10 703
A61G5/12 706
A61G9/00 A
B60N2/08
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022577116
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(85)【翻訳文提出日】2023-02-03
(86)【国際出願番号】 NZ2021050082
(87)【国際公開番号】W WO2022015177
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】766176
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520181906
【氏名又は名称】ロラパル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スカーレット、ロイドン マーク
【テーマコード(参考)】
3B087
3B099
4C341
【Fターム(参考)】
3B087BB24
3B087BC25
3B099AA03
3B099BA05
3B099CA24
3B099CA27
3B099CA29
4C341JJ02
4C341JK02
4C341MN05
4C341MP06
4C341MQ03
4C341MS04
(57)【要約】
シートの傾きを調節可能な、姿勢ケアを必要とする身体障害のあるユーザ用のシートを提供することが知られている。そのようなシートの問題は、傾き調節機構が特に滑らかでなかったり、または使用しづらかったりすることである。本発明の好ましい実施形態の目的は、これに対応することである。そのために、背もたれと、人間のユーザの臀部を受けるための台座と、傾き調節装置とを備えるシートが存在する。傾き調節装置は、不均一に湾曲したトラック6と、それぞれローラ16を支持している少なくとも1対の離隔したブラケット27とを有する。前記背もたれおよび前記台座の傾きを調節するために、前記トラック6が前記ローラ16上を走っており、かつ前記トラックの異なる湾曲部分に前記ブラケットがある間に、前記ブラケット27のうちの少なくとも一方が他方に対して傾斜できるように、前記傾き調節装置はアクティブ化されるように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートであって、
背もたれと、
人間のユーザの臀部を受けるための台座と、
傾き調節装置であって、
不均一に湾曲したトラックと
それぞれローラを支持している少なくとも1対の離隔したブラケットと
を有する傾き調節装置とを備え、
前記背もたれおよび前記台座の傾きを調節するために、前記トラックが前記ローラ上を走っており、かつ前記トラックの異なる湾曲部分に前記ブラケットがある間に、前記ブラケットのうちの少なくとも一方が他方に対して傾斜できるように、前記傾き調節装置がアクティブ化されるように適合されている、シート。
【請求項2】
前記トラックおよび前記ブラケットが、前記シートの片側にあり、実質的に同一の第2のトラックおよび実質的に同一の少なくとも1対の第2のブラケットが、前記シートの反対側において、それぞれの側の前記トラックおよび前記ブラケットが互いに対して実質的に同様に機能するように、配置されている、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記トラックが、湾曲レールを備える、請求項1または2に記載のシート。
【請求項4】
それぞれのブラケットが、前記ローラのセット、または2つ、3つ、または4つの前記ローラを有し、それぞれのセットの前記ローラの全てが前記トラックに係合する、請求項1、2、または3のいずれか一項に記載のシート。
【請求項5】
前記トラックが、少なくとも2つの半径円弧の形態の湾曲を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のシート。
【請求項6】
室内用便器の一部を形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載のシート。
【請求項7】
車椅子の一部を形成する、請求項1から5のいずれか1項に記載のシート。
【請求項8】
実質的に図5を参照しながら本明細書に記載した通りのシート。
【請求項9】
実質的に図6図9を参照しながら本明細書に記載した通りのシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば特別な姿勢ケアを必要とするユーザのためのシートに関する。
【背景技術】
【0002】
シートの傾きを調節可能な、特定の姿勢ケアを必要とする身体障害のあるユーザ用のシートを提供することが知られている。そのようなシートの問題は、傾き調節機構が特に滑らかでなかったり、または使用しづらかったりすることである。
(目的)
【0003】
本発明の好ましい実施形態の目的は、上記の問題への対応を少なくともいくらか支援することである。これは好ましい実施形態に適用されるが、その一方で、本発明の目的そのものは、それに限定されない。本発明の目的は単に、有用な選択肢を提供することである。したがって、好ましい実施形態に適用可能な任意の目的または利点は、より広く表現された特許請求の範囲に対する限定とみなされるべきではない。
(定義)
【0004】
「備え(comprise)」および「有し(have)」という用語は、もし特徴の組み合わせに関して使用されるときは、言及されていない他の特徴を有する組み合わせの可能性を除外するものと受け取られるべきでない。これらの単語の派生語、例えば「備える(comprising)」および「有する(having)」にも同じことが当てはまる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によれば、シートであって、
背もたれと、
人間のユーザの臀部を受けるための台座と、
傾き調節装置であって、
不均一に湾曲したトラックと
それぞれローラを支持している少なくとも1対の離隔したブラケットと
を有する傾き調節装置とを備えるシートにおいて、
前記背もたれおよび前記台座の傾きを調節するために、前記トラックが前記ローラ上を走っており、かつ前記トラックの異なる湾曲部分に前記ブラケットがある間に、前記ブラケットのうちの少なくとも一方が他方に対して傾斜できるように、前記傾き調節装置がアクティブ化されることが可能であることを特徴とする、シートが提供される。
【0006】
オプションとして、前記トラックおよび前記ブラケットは、前記シートの片側にあり、実質的に同一の第2のトラックおよび実質的に同一の少なくとも1対の第2のブラケットが、前記シートの反対側において、それぞれの側の前記トラックおよび前記ブラケットが互いに対して実質的に同様に機能するように、配置されている。
【0007】
オプションとして、それぞれのトラックは湾曲レールを備える。
【0008】
オプションとして、それぞれのブラケットは、前記ローラのセット、または2つ、3つ、もしくは4つの前記ローラを有し、それぞれのセットの前記ローラの全てが前記トラックに係合する。
【0009】
オプションとして、前記トラックは、少なくとも2つの半径円弧の形態の湾曲を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ここで、本発明のいくつかの好ましい形態を、例として、添付図面を参照しながら記載する。
【0011】
図1】シートの等角図である。
図2】角度調節装置の側面図である。
図3】角度調節装置の部分断面側面図である。
図4】傾斜レールの等角図である。
図5】代替的なシートの構成要素の細部を示す側面図である。
図6】車椅子のいくつかの構成要素の側面図である。
図7】車椅子の構成要素の細部を示す側面図である。
図8】同じく車椅子の構成要素の細部を示す側面図である。
図9】車椅子の構成要素の細部を示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、本発明の好ましい実施形態において、シート1は、背もたれ2と、ユーザが座るための台座3と、傾き調節装置4とを備える。この例において、シートは室内用便器であるが、他の実施形態において、本発明は異なる形態であってよく、例えばそれは、車椅子または何らかの他の形態の身体障害者用シートであってよい。
【0013】
図2は、傾き調節装置4の内部部分が隠れているときのシートを示し、図3はそれらが露出しているときのシートを示す。傾き調節装置4は、支持ベースまたはシャシベース5と、湾曲傾斜レール6と、ローラ取付け部7と、足操作ペダル8とを有する。ペダル8は、傾斜ロッド9に接続されており(図3を参照)、さらにこの傾斜ロッド9が、レバーまたは傾斜ロックカム10に接続されている。カム10と第2のレバーまたは傾斜ロックカム12とを接続するために、コネクタロッド(図示せず)が空間11内にある。
【0014】
それぞれのカム10、12は、傾斜ロック従動子13に接触している。レール6は、好ましくは管状であり、レール6内に取り囲まれた湾曲ラック15を有する。従動子13は、ラック15の対応する歯15aと噛み合う複数の歯14を有する。
【0015】
ローラ取付け部7は、シャシベース5に配置されており、その頂部近くに4対のローラ16を有する。いくつかの実施形態において、ローラは、キャスタの形態であってよい。
【0016】
従動子13の歯14がラック15の歯15aと係合しているとき、調節装置4はロック位置にある。レール6は移動することができず、レール6に接続された背もたれ2および台座3は、固定位置にある。
【0017】
背もたれ2および台座3の角度を調節するために、ユーザはペダル8を踏み、それによりロッド9が右から左に移動する。これにより、さらにロッド9がカム10の下部を押し、さらにこれにより、カム10が枢動点17を中心として時計回りに移動する。カム10が回転するとき、その上部が従動子13に係合する。
【0018】
ロッド9の移動は、第2のカム12に向けてコネクタロッド(図示していないが空間11内に置かれている)も付勢し、それによりカム12も、従動子13のより遠い部分に向かって第2の枢動点18を中心として時計回りに移動する。コネクタロッドは、ばね19を圧縮し、ばね19は、ペダル8が押下されている間に圧力がかかった状態に保たれる。
【0019】
カム10、12が時計回りに回転するとき、それらは従動子13を下方に移動させ、それにより歯14がラック歯15aから係合解除される。次いでレール6は、ローラ16上を自由に前後に走ることができる。
【0020】
ロック解除されると、ユーザは、レール6を手動で移動させて、背もたれ2および台座3の傾きの量を調節することができる。所望の角度に到達すると、ユーザはペダル8から足を外し、それによりばね19にかかる圧力を解放する。これにより、コネクタロッドおよびロッド9が、左から右に移動し、カム10、12を反時計回りに回転させる。その結果、歯14が歯15aと再係合し、それにより取付け部7に対してレール6をロックする。
【0021】
図1を再び参照すると、クロス部材またはバー20が、第2の傾き調節装置に接続されるように第2の枢動点18から延在している。第2の調節装置は、同様または同一の第2のローラ取付け部およびロック機構(図1には示さず)と、同一の第2の傾斜レール21とを、シート1の他方の側に備える。言及した第1の調節装置4が操作されると、第2の調節装置はそれに合わせて移動する。これら2つは同様にまたは実質的に同様に構築されており、ペダル8が押下および解放されることに応答して、両方がロックまたは解放される。
【0022】
図4は、通常なら内側にあるラック15がない状態のレール6の断面を示している。レール6の下側には、シート1が組み立てられたときに取付け部7を入れるための開口22がある。ローラ16のそれぞれの対は、この開口22の両側にある溝23に沿って走る。スロット24は、ラック15と、従動子歯14に係合および係合解除することが可能な歯15aとを受けるようにサイズ設定されている。
【0023】
図2および図3を再び参照すると、ロッド9およびばね19は、シャシベースパネル5a内に収容されており、取付け部7は、取付けパネル7a内に収容されている。上に示してあるように、ラック15は、レール6内に収容されている。従動子13は、取付け部7に取り付けられている一方で、従動子歯14がラック歯15aに係合するときに部分的にレール6内に延在する。この場合も、ローラ16は、溝に沿ってレール6内に収容されている。したがってシート1が組み立てられ使用されるとき、調節装置4の移動部分は、実質的に取り囲まれている。これにより、露出した部分を損傷するか他の態様で傷つけることがある汚れ、湿気、体液の溢流、および様々な他の汚染物質から、これらの部分を保護しやすくなる。このことは、シート1の傾きを調節するときに、ユーザの指が偶発的に移動部分に挟まれるリスクにも対応している。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、レール6は、不均一に湾曲していてよい。例えば、それぞれのレール6の湾曲は、異なる半径を有する円弧が結合されたものを含んでよい。これは図5に示してあり、レールの円弧は、より小さい半径の湾曲部26になっているより大きい半径の湾曲部25に基づいている。
図5の実施形態は車椅子であるが、原理上、各部分は、上に記載したのと同様にまたは実質的に同様に機能する。しかし、湾曲が変化していることから、ローラ16の配置が修正されている。示してあるように、シートのそれぞれの側において、ローラは、2つのセットに4個ずつ分けられている。それぞれのセットのローラは、これらの上をレール6がスムーズに走るように、通常どおりに回転することができる。しかしこの場合、それぞれのセットのローラ16は、それぞれ別個のブラケット27で軸止され、それぞれのブラケットは、それぞれの枢動点28を中心として枢動することができる。このことは、一方のブラケット27したがってそのローラ16が、他方のブラケットおよびローラとは異なる角度で傾斜できることを意味する。様々な時点で、ローラのセットのうちの一方は他方のセットよりも、レール6のよりきつい湾曲部分に存在することになるので、このことは有用である。この配置により、それぞれのブラケット27は前後に傾斜することができ、ローラ上でレール6が動かなくなるのを防止することができる。したがって、この配置により、シートの傾きの滑らかな調節が容易になる。
【0025】
図6は、図5について言及したのと同じ実施形態を示しているが、ローラのそれぞれのセットが三角形状に配置されたローラ16を3つのみ有している点が異なっている。図7および図8は、図6の実施形態のいくつかの構成要素を示しており、同様の参照番号が同様の部分を指示するために使用されている。図9は、図6の従動子13の歯14がラック15の歯15aに係合する様子を示す。図6図9は、見やすくするために特定の特徴を省略しているが、好ましくは他の構成要素は、上記の他の実施形態のいずれかについて記載したものと同じまたは実質的に同じである。図5図9に記載の機構は、好ましくは、シートの両側について同じである。
【0026】
本開示に関して、本明細書はこれにより、本明細書に言及したそれぞれのアイテム、特徴、または段階が、本明細書に開示した任意の同じまたは他のアイテム、特徴、もしくは段階のうちの1つまたは複数と組み合わされることを想定しており、いずれの場合も、その組み合わせが特許請求されているがどうかを問わない。
【0027】
本発明のいくつかの好ましい形態が例として記載されてきたが、その一方で、添付の特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく、修正および改良を実施してよいことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】