(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】サンプル前処理チューブ
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20230801BHJP
【FI】
G01N1/00 101K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022579874
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-02-21
(86)【国際出願番号】 KR2021005348
(87)【国際公開番号】W WO2022014830
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】10-2020-0087199
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518071442
【氏名又は名称】アブソロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,ジェ ウン
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ジュン ソク
(72)【発明者】
【氏名】リ,ソン ホ
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AD26
2G052CA18
2G052DA02
2G052DA12
2G052DA22
(57)【要約】
本発明に係るサンプル前処理チューブは、1次試薬を収容する第1チューブと、2次試薬を収容する第2チューブとを含み、第1チューブの下端に備えられた分離膜を破損させ、1次反応液を第1チューブから第2チューブに直接排出し、順次反応を容易に行うことができ、第1チューブの内部に備えられたストッパーによってピペットの挿入が制限され、第2チューブの損傷を防止することができ、第1チューブの内部に空間が形成され、1次反応液の排出を容易にし、2次反応を直ぐ行えるサンプル前処理チューブを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋;
上部に前記蓋が結合され、下部には一定厚さの分離膜が形成され、内部に1次試薬を収容する第1チューブ;及び
前記第1チューブの下部に結合され、内部に2次試薬を収容する第2チューブ;を含み、
前記第1チューブの内部に挿入されるピペットの挿入深さを制限し、反応液の流れを容易にするストッパーが形成されたことを特徴とするサンプル前処理チューブ。
【請求項2】
前記ストッパーは、前記第1チューブの半径方向の内側に突出形成される複数個のストッパー羽根からなり、前記ストッパー羽根は、放射状に一定間隔で配置されることを特徴とする、請求項1に記載のサンプル前処理チューブ。
【請求項3】
前記第1チューブは、
前記第1チューブの上部の外側面に第1チューブねじ山が備えられる蓋結合部;
前記第1チューブの下部の内側面に連結ねじ山が備えられる第2チューブ結合部;及び
前記第1チューブの下部の外側面に備えられる取っ手;をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサンプル前処理チューブ。
【請求項4】
前記第1チューブと前記第2チューブとの間に備えられ、下部には一定厚さの分離膜が形成され、内部に追加試薬を収容する追加チューブをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサンプル前処理チューブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サンプル前処理チューブに関し、より詳細には、1次試薬を収容する第1チューブと、2次試薬を収容する第2チューブとを含み、第1チューブの下端に分離膜を備えており、使用時に分離膜がピペットによって破損することによって1次反応液が第1チューブから第2チューブに直接排出され、2次反応を迅速且つ正確に行えるサンプル前処理チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、分析のためのサンプルの前処理過程は、分離、濃縮、試薬処理などの多くの段階を経るようになる。特に、極少量の血液及びその他のサンプルを取り扱うにおいて、作業者がピペットを直接用いて極少量のサンプルと試薬を別途に採取し、試験管又はマイクロチューブなどの小型容器で反応を誘導する過程と、反応液を再び採取し、他の容器で他の試薬との反応を誘導する過程などを繰り返し行うようになるが、このような過程を繰り返し行う度に、ユーザーがピペットに正確に定量を注入できないので、エラーが度々発生するようになる。
【0003】
また、競争免疫分析法のように多数の試薬を用いる場合、それぞれの試薬を定量だけ採取し、試験管又はマイクロチューブなどの小型容器にそれぞれ別途に準備しなければならなく、順次的な反応のために、1番目の反応を行った後で定量を採取し、再び他の試薬の容器に移さなければならないが、この場合、採取しなければならない定量が極少量であると、ユーザーが正確に極少量を採取することも困難である。
【0004】
従来技術(韓国公開特許第10-2015-0112216号公報)は、メインチューブと、メインチューブ内に分離可能な軟質の回収チューブとを含む二重サンプルチューブに関するものであって、少量の試料が収容された軟質の回収チューブをメインチューブから分離することによって、少量の試料を損失することなく採取できる二重サンプルチューブに対する内容を開示している。しかし、従来技術は、一つの反応の場合は便利であるが、1次反応に続いて2次反応を行う場合は、別途のマイクロチューブを複数個準備しなければならないという煩雑さがあり、試料が収容された軟質の回収チューブも複数個であるので、これを取り扱いにくいという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2015-0112216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明で解決しようとする課題、従来技術の問題を解決するために、1次試薬を収容する第1チューブと、2次試薬を収容する第2チューブと、第1チューブの下端に備えられた分離膜とを含んで構成されており、ユーザーが使用時にピペットで第1チューブの下端に備えられた分離膜を破損させることによって、第1チューブでの1次反応液が直接第2チューブに排出され、順次反応を容易に行うことができ、第1チューブの内部に備えられたストッパーによってピペットの挿入が一定深さに制限され、第2チューブの損傷を防止することができ、第1チューブの内部に反応液が流れ得る空間が形成され、1次反応液の排出を容易に行えるサンプル前処理チューブを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明に係るサンプル前処理チューブは、蓋と、上部には前記蓋が結合され、下部には一定厚さの分離膜が形成され、内部に1次試薬を収容する第1チューブと、前記第1チューブの下部に結合され、内部に2次試薬を収容する第2チューブとを含み、前記第1チューブの内部には、挿入されるピペットの挿入深さを制限し、反応液の流れを容易にするストッパーが形成されたことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記ストッパーは、前記第1チューブの半径方向の内側に突出形成される複数個のストッパー羽根からなり、前記ストッパー羽根は、放射状に一定間隔で配置されることを特徴とする。
【0009】
また、前記第1チューブは、前記第1チューブの上部の外側面に第1チューブねじ山が備えられる蓋結合部と、前記第1チューブの下部の内側面に連結ねじ山が備えられる第2チューブ結合部と、前記第1チューブの下部の外側面に備えられる取っ手とをさらに含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記第1チューブと前記第2チューブとの間に備えられ、下部には一定厚さの分離膜が形成され、内部に追加試薬を収容する追加チューブをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るサンプル前処理チューブは、第1チューブで1次反応が行われた後、ピペットによって第1チューブの下端に備えられた分離膜が破損することによって、第1チューブの下部に連結された第2チューブに1次反応液が直接排出され得るので、順次反応を便利に行えるという利点を有する。
【0012】
また、本発明に係るサンプル前処理チューブは、ピペットが挿入されるとき、第1チューブの内部に備えられたストッパーによってピペットの挿入が一定深さに制限され、ピペットの端部が第2チューブの端部に当接しないので、ピペットによる第2チューブの損傷を防止することができ、ピペットの端部が閉鎖されないので2次反応液の採取を容易に行えるという利点を有する。
【0013】
また、ストッパーが第1チューブの半径方向の内側に突出形成されるストッパー羽根からなり、前記ストッパー羽根は、放射状に一定間隔を置いて形成され、ピペットが第1チューブの下端の分離膜を貫通するとき、第1チューブの内壁とピペットとの間に空間が形成され、内部に収容された1次反応液が第2チューブにスムーズに排出され得るという利点を有する。
【0014】
また、第1チューブと第2チューブとの間に追加試薬を収容する複数個の追加チューブを備えることによってn次反応まで行えるので、別途のマイクロチューブを複数個準備しなければならないという煩雑さを減少させ、チューブの取り扱いが楽になるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】(a)は、本発明に係るサンプル前処理チューブを概略的に示した斜視図であり、(b)は、(a)のサンプル前処理チューブに対する分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの第1チューブを概略的に示した図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係るサンプル前処理チューブのストッパーを概略的に示した図である。
【
図5】本発明の他の実施例に係るサンプル前処理チューブのストッパーを概略的に示した図である。
【
図6】
図1の第2チューブを概略的に示した図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの作用図である。
【
図8】本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの作用図である。
【
図9】本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの作用図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の利点、特徴、及びそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述している各実施例を参照すれば明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で開示する各実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現可能である。但し、本実施例は、本発明の開示を完全にし、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであって、本発明は、請求項の範疇によって定義されるものに過ぎない。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を称する。
【0017】
以下、本発明の各実施例によって、サンプル前処理チューブを説明するための各図面を参考にして本発明に対して説明する。
【0018】
まず、本明細書において、ピペットとは、液体試料を採取又は分注するときに使用される試験室の道具であって、一般に、上部は広く、下部は狭くなる管の形状を有し、ガラス又はプラスチック材質で形成され、上端には内部の圧力を調整できるポンプ装置が結合され、ポンプ装置の作動により、下端に形成された微細管に液体試料を採取又は分注することができる。
【0019】
図1(a)は、本発明に係るサンプル前処理チューブを概略的に示した斜視図で、
図1(b)は、
図1(a)のサンプル前処理チューブに対する分解斜視図である。
【0020】
図1によると、本発明に係るサンプル前処理チューブ10は、蓋100、第1チューブ200及び第2チューブ300を含むことができる。
【0021】
前記蓋100は、前記第1チューブ200の上部に結合され、前記第1チューブ200を密閉することができ、前記蓋100の開閉により、前記第1チューブ200の内部に1次試薬510又はサンプル500が投入されたり、前記第1チューブ200内部の流体が外部に漏れることを防止することができる。また、前記蓋100と前記第1チューブ200との間、及び前記第1チューブ200と前記第2チューブ300との間にOリング400がさらに含まれてもよく、前記Oリング400は、密封のための弾性部材であってもよく、前記蓋100、前記第1チューブ200及び第2チューブ300は、それぞれ結合されるときに前記Oリング400によって密封され得る。
【0022】
【0023】
図2によると、本発明に係る前記蓋100は、第1チューブ支持台110及び蓋Oリング溝120を含むことができる。
【0024】
前記第1チューブ支持台110は、円形管の形状を有し、前記蓋100の内部から下側の長さ方向に一定長さだけ突出して形成され、前記蓋100と前記第1チューブ200とが結合されるとき、前記第1チューブ支持台110が前記第1チューブ200の内部に挿入され、前記第1チューブ200を支持することができる。また、前記第1チューブ支持台110は、内部に剛性支持台をさらに備えることができる。
【0025】
前記蓋Oリング溝120は、前記第1チューブ支持台110の上端の外部側面に沿って半径方向の一定深さの溝に形成されてもよく、前記Oリング400が前記蓋Oリング溝120に挿入されて固定されてもよい。
【0026】
また、前記蓋100の内部側面に沿って蓋ねじ山(図示せず)が形成され、前記第1チューブ200の上部にねじ結合されてもよく、結合突起(図示せず)が形成され、前記第1チューブ200の上部に加圧で結合されてもよい。
【0027】
図3は、本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの第1チューブを概略的に示した図である。
【0028】
図3によると、本発明の一実施例に係る前記第1チューブ200は、ストッパー220を含むことができる。
【0029】
前記ストッパー220は、前記第1チューブ200の内部に半径方向の内側に複数個のストッパー羽根221が突出して形成され、放射状に一定間隔で配置されてもよく、前記ストッパー220により、外部から挿入されるピペット20が一定の長さまで挿入されるように制限され得る。
【0030】
また、前記第1チューブ200は、第1収容部230、第2収容部240及び流体流れ誘導部250を含むことができ、前記ストッパー220の少なくとも2個以上の前記ストッパー羽根221は、前記第1収容部230又は流体流れ誘導部250に備えられてもよい。
【0031】
ここで、前記第1収容部230は、第1直径230aを有する円筒状に形成され、開放された上端には前記ピペット20が挿入され、前記サンプル500が投入されたり、前記1次試薬510が投入されて収容されてもよく、前記第2収容部240は、前記第1直径230aより小さい第2直径240aを有する円筒状に形成され、前記第2収容部240の下端部に分離膜210が備えられてもよい。前記分離膜210によって前記第1チューブ200の下部が閉鎖されることによって、前記第1チューブ200の内部に前記1次試薬510又は前記サンプル500が収容され得、前記第1チューブ200の内部で1次反応が行われることによって1次反応液520が生成され得る。
【0032】
前記流体流れ誘導部250は、前記第1収容部230と前記第2収容部240との間にテーパー状に形成され、上端は前記第1直径230a、下端は前記第1直径230aより小さい前記第2直径240aで形成され、前記第1収容部230と第2収容部240との間を斜面で連結できるので、前記1次反応液520が前記第1収容部230から前記第2収容部240に流れるように誘導することができる。
【0033】
前記第1チューブ200は、蓋結合部260、第2チューブ結合部270、取っ手280及び第1チューブOリング溝290をさらに含むことができる。
【0034】
前記蓋結合部260は、前記第1チューブ200の上部に備えられ、前記蓋100に結合されてもよく、前記第1チューブ200の上部の外側面に第1チューブねじ山261が備えられ得るので、前記蓋100とのねじ結合で前記第1チューブ200を密閉することができる。
【0035】
前記第2チューブ結合部270は、前記第1チューブ200の下部に備えられ、前記第2チューブ300に結合されてもよく、前記第1チューブ200の下部の内側面に連結ねじ山271が備えられ得るので、前記第2チューブ300の上部とのねじ結合で結合され、前記第1チューブ200と第2チューブ300とを連結すると同時に、前記第2チューブ300を密閉することができる。
【0036】
ここで、前記第2チューブ結合部270は、好ましくは、前記第2収容部240から一定間隔だけ離れて前記第2収容部240を取り囲むように形成されてもよく、前記第1チューブ200が前記第2チューブ300と結合される場合、前記第2収容部240が前記第2チューブ300の内部に挿入されながら前記第2チューブ300を支持することができる。
【0037】
前記取っ手280は、前記第1チューブ200の下部外側面に備えられ、前記第2チューブ結合部270の外部側面に沿って下側の長さ方向に複数個の突起が一定間隔で突出して形成されてもよく、前記第1チューブ200と前記蓋100又は前記第2チューブ300との結合過程で発生する滑りを防止することができる。
【0038】
また、前記第1チューブ200は、前記第2チューブ結合部270の内部上端に半径方向の一定深さの溝に形成される第1チューブOリング溝290をさらに含むことができ、前記Oリング400が前記第1チューブOリング溝290に挿入され、前記第1チューブ200と前記第2チューブ300との結合によって前記第2チューブ300を密閉し、前記2次試薬511又は前記サンプル500が外部に漏れることを完全に遮断することができる。
【0039】
図4及び
図5は、本発明の他の実施例に係るサンプル前処理チューブのストッパーを概略的に示した図である。
【0040】
図4を参照すると、前記ストッパー羽根221は、前記流体流れ誘導部250に少なくとも2個以上備えられ、向かい合うように突出して形成されてもよく、前記ストッパー羽根の終端部間の距離221aが前記第2収容部240の第2直径240aで形成されてもよい。
【0041】
前記ストッパー羽根221が向かい合うように突出することによって、外部から挿入される前記ピペット20が前記ストッパー220によって支持されると同時に、前記第1チューブ200の内部で垂直に挿入され得るので、前記分離膜210を容易に貫通することができる。
【0042】
前記ピペット20は、上部は広く、下部は狭くなる管状を有し、前記第1チューブ200の内部に挿入され、前記分離膜210を加圧して貫通する場合、前記流体流れ誘導部250に備えられた前記ストッパー220により、前記ピペット20の直径が前記ストッパー220の前記ストッパー羽根の終端部間の距離221aに該当する直径まで挿入され得る。これによって、前記ストッパー羽根の終端部間の距離221aと同一の大きさの前記第2直径240aである前記流体流れ誘導部250の下端には、前記第2直径240aより小さい直径を有する前記ピペット20の下部が位置するようになる。前記ピペット20と前記流体流れ誘導部250の下端との間に空間が形成され得るので、前記1次反応液520が前記空間を介して前記第2チューブ300にスムーズに排出され得る。その結果、前記第1チューブ200の内部に収容された流体が溢れることを防止することができる。
【0043】
図5を参照すると、前記ストッパー羽根221’、221’’は、前記流体流れ誘導部250から一定間隔だけ離れた前記第1収容部230の内部側面に備えられてもよい。
【0044】
前記ストッパー羽根221’、221’’は、前記第1収容部230の内部側面部から半径方向の内側に突出し、多様な形状に一定間隔で形成され得る。向かい合う前記ストッパー羽根の終端部間の距離221’a、221’’aが前記第2直径240aで形成されてもよい。
【0045】
図6は、
図1の第2チューブを概略的に示した図である。
【0046】
図6によると、本発明に係る前記第2チューブ300は、第1チューブ結合部310、第2チューブ収容部320、第1チューブ支持台330及び第2チューブ取っ手340を含むことができる。
【0047】
前記第1チューブ結合部310は、前記第2チューブ300の上部に備えられ、前記第1チューブ200の下部に結合されてもよく、前記第2チューブ300の上部の外側面に第2チューブねじ山311が備えられてもよく、前記第1チューブ200とのねじ結合で前記第2チューブ300を密閉することができる。
【0048】
前記第2チューブ収容部320は、前記2次試薬511を収容し、前記1次反応液520が排出されることによって2次反応が行われ得、円筒状に形成される第2チューブ1収容部321と、前記第2チューブ1収容部321の下端からテーパー状に延長され、終端部が閉鎖される第2チューブ2収容部322とを含むことができる。
【0049】
前記第1チューブ支持台330は、前記第2チューブ300の外部側面に半径方向に沿って外側に一定長さだけ突出して形成され、前記第1チューブ結合部310の下部に備えられ、前記第1チューブ結合部310に結合される前記第1チューブ200を支持することができる。
【0050】
前記第2チューブ取っ手340は、前記第2チューブ収容部320の外部側面に沿って下側の長さ方向に複数個の突起が一定間隔で突出して形成されてもよく、前記第1チューブ200と前記第2チューブ300との結合過程で発生する滑りを防止することができる。
【0051】
また、前記第2チューブ300は、スカート350をさらに含み得るが、前記スカート350は、前記第2チューブ2収容部322を取り囲むように形成され、一定長さだけ垂直に延長されて形成されてもよく、地面から前記第2チューブ300を支持し、前記第2チューブ300が倒れずに単独で立つことができる。
【0052】
図7から
図9は、本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの作用図である。
【0053】
本発明の一実施例に係るサンプル前処理チューブの作用を説明すると、次の通りである。
【0054】
まず、
図7は、本発明に係るサンプル前処理チューブ10を示したものであって、前記サンプル前処理チューブ10においては、前記1次試薬510が収容された前記第1チューブ200と、前記2次試薬511が収容された前記第2チューブ300とが結合されてもよく、前記1次試薬510は、前記分離膜210によって前記第1チューブ200に収容されてもよく、前記蓋100が開放され、前記第1チューブ200に前記ピペット20で前記サンプル500が投入されると、前記1次試薬510と前記サンプル500との1次反応が行われることによって前記1次反応液520が生成され得る。
【0055】
図8は、前記ストッパー220が備えられていないサンプル前処理チューブ10’を示したものであって、前記1次反応液520を第2チューブ300’に排出するために、前記ピペット20が第1収容部230’の内部に挿入されることによって前記分離膜210’を貫通すると同時に、前記ピペット20が前記第1収容部230’を通過し、流体流れ誘導部250’の下端、すなわち、第2直径240’aである第2収容部240’の上端に嵌まり合う。これによって、前記流体流れ誘導部250’の下端が閉鎖され、前記1次反応液520が第2チューブ300’に排出されないので2次反応が行われ得なく、第1チューブ200’の内部に挿入された前記ピペット20の体積によって内部の空間が狭小になり、前記1次反応液520が前記第1チューブ200’の外部に溢れるという問題がある。
【0056】
また、前記分離膜210’を貫通した前記ピペット20は、前記第2チューブ300’まで挿入され、前記ピペット20の終端部が第2チューブ2収容部322’に当接するようになり、前記第2チューブ300’が損傷し得る。
【0057】
図9は、前記ストッパー220が備えられた前記サンプル前処理チューブ10を示したものであって、前記ピペット20が前記1次反応液520を前記第2チューブ300に排出するために前記分離膜210を加圧して貫通する場合、前記ピペット20は、前記流体流れ誘導部250に備えられた前記ストッパー220によって前記ストッパー羽根の終端部間の距離221aに係止されることによって挿入が制限され、前記ピペット20と前記流体流れ誘導部250の下端、すなわち、前記第2直径240aである第2収容部240の上端との間に空間が形成され、前記1次反応液520が前記第2収容部240に流れることができ、前記第2収容部240の下端に貫通した前記分離膜210を介して前記第2チューブ300に排出され、前記第1チューブ200の外部に前記1次水溶液が溢れるという問題を防止することができる。
【0058】
また、前記分離膜210を貫通した前記ピペット20は、前記ストッパー220によって一定長さまでのみ挿入され得るので、前記ピペットの終端部が前記第2チューブ2収容部322に当接しなくなり、前記第2チューブ300の損傷を防止することができ、前記1次反応液520と前記2次試薬511との反応によって生成された2次反応液521をスムーズに採取することができる。
【0059】
さらに、再び
図1を参照すると、前記第1チューブ200と前記第2チューブ300との間に備えられ、下部には一定厚さの分離膜が形成され、内部に追加試薬を収容する追加チューブ(図示せず)をさらに含むことができる。前記追加チューブ(図示せず)は、前記第1チューブ200と同一の形状になってもよく、また、内部に複数個の分離膜が形成されてもよい。前記追加チューブ(図示せず)は、前記第1チューブ200と前記第2チューブ300との間に複数個備えられてもよく、これによって、3次反応及び4次反応などのn次反応を行うことができる。
【0060】
また、追加チューブ(図示せず)を備えなくても、前記第1チューブ200内に複数個の分離膜を形成することによってn次反応を行うことができる。
【0061】
上述したように、図面を参照して本発明の好ましい実施例に対して図示及び説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨から逸脱することなく、当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって多様な変形実施が可能であることはもちろん、これらの変形実施は、本発明の技術的思想や展望から個別的に理解されてはならないだろう。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、サンプル前処理を繰り返し行うときに正確に定量を注入し、順次反応を容易に行えるサンプル前処理技術分野に産業上に利用可能である。
【国際調査報告】