(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】ポンプボディ組立体、圧縮機及びエアコン
(51)【国際特許分類】
F04C 18/356 20060101AFI20230801BHJP
F04C 29/00 20060101ALI20230801BHJP
F16C 9/04 20060101ALI20230801BHJP
F16C 35/02 20060101ALI20230801BHJP
F16C 17/02 20060101ALI20230801BHJP
F16C 9/02 20060101ALN20230801BHJP
【FI】
F04C18/356 J
F04C18/356 Z
F04C29/00 G
F16C9/04
F16C35/02 Z
F16C17/02 Z
F16C9/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581529
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(85)【翻訳文提出日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 CN2021110096
(87)【国際公開番号】W WO2022105304
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011297079.0
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514027919
【氏名又は名称】グリー グリーン リフリジレーション テクノロジー センター カンパニー リミテッド オブ ズーハイ
【氏名又は名称原語表記】GREE GREEN REFRIGERATION TECHNOLOGY CENTER CO., LTD. OF ZHUHAI
【住所又は居所原語表記】Science and Technology Building, No. 789 Qianshan Jinji Road, Zhuhai, Guangdong, 519070, P.R. CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 余生
(72)【発明者】
【氏名】魏 会軍
(72)【発明者】
【氏名】苗 旺
(72)【発明者】
【氏名】闕 沛禎
(72)【発明者】
【氏名】胡 艶軍
(72)【発明者】
【氏名】▲ざい▼ 元彬
【テーマコード(参考)】
3H129
3J011
3J033
3J117
【Fターム(参考)】
3H129AA04
3H129AB03
3H129BB01
3H129BB44
3H129CC04
3H129CC18
3H129CC32
3J011AA03
3J011AA20
3J011BA02
3J011KA02
3J011MA12
3J011NA01
3J011RA03
3J033AA05
3J033BA12
3J033BB03
3J033GA01
3J033GA20
3J117AA10
3J117CA01
3J117DB07
3J117DB10
3J117HA01
(57)【要約】
ポンプボディ組立体であって、軸方向において離間して設けられた第1の偏心部(12)、支持軸(13)及び第2の偏心部(15)を含むクランクシャフト(1)と、第1の偏心部(12)と第2の偏心部(15)との間に順次設けられた第1のセパレータ(6)及び第2のセパレータ(7)と、を含み、第1のセパレータ(6)には第1の円穴(17)が開けられ、支持軸(13)は、第1のセパレータ(6)と支持軸(13)がセパレータ軸受をなすように、第1の円穴(17)内に設けられ、セパレータ軸受は、支持軸(13)と第1のセパレータ(6)との間の接触応力を減少させる応力緩和構造を有する。それに、ポンプボディ組立体を含む圧縮機及びエアコンを提供する。このようなポンプボディ組立体は、局所応力の過大による軸受摩耗の問題を緩和してセパレータ軸受の使用寿命を延長することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプボディ組立体であって、
軸方向において離間して設けられた第1の偏心部(12)、支持軸(13)及び第2の偏心部(15)を含むクランクシャフト(1)と、
前記第1の偏心部(12)と前記第2の偏心部(15)との間に順次設けられた第1のセパレータ(6)及び第2のセパレータ(7)と、を含み、
前記第1のセパレータ(6)には第1の円穴(17)が開けられ、前記支持軸(13)は、前記第1のセパレータ(6)と前記支持軸(13)がセパレータ軸受をなすように、前記第1の円穴(17)内に設けられ、
前記セパレータ軸受は、前記支持軸(13)と前記第1のセパレータ(6)との間の接触応力を減少させる応力緩和構造を有する
ポンプボディ組立体。
【請求項2】
前記応力緩和構造は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の偏心部(12)に向かう側に設けられた第1の可撓溝(16)を含み、
前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の偏心部(12)に向かう端面において、前記第1の可撓溝(16)は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の円穴(17)の内縁に近い側に位置する
請求項1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項3】
前記ポンプボディ組立体は第1のシリンダ(5)をさらに含み、
前記第1の偏心部(12)は前記第1のシリンダ(5)内に設けられ、前記第1のシリンダ(5)にはベーン溝(18)がさらに設けられ、
前記クランクシャフト(1)の回転方向において、前記第1の可撓溝(16)の開始位置と前記ベーン溝(18)との間の夾角αは、100°≦α≦115°である
請求項2に記載のポンプボディ組立体。
【請求項4】
前記第1の可撓溝(16)の開始位置と終了位置との間の夾角βは、100°≦α+β≦170°を満たす
請求項3に記載のポンプボディ組立体。
【請求項5】
前記第1のセパレータ(6)に含まれる前記第1の可撓溝(16)の幅dは、0.8mm≦d≦1.5mmを満たす
請求項2~4のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項6】
前記第1の可撓溝(16)は円弧状溝であり、前記円弧状溝の円心は前記支持軸(13)の軸線と重なる
請求項2~4のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項7】
前記第1のセパレータ(6)の軸方向における高さHと前記第1の円穴(17)の直径Dは、0.38≦H/D≦0.6を満たす
請求項1~6のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項8】
前記第1のセパレータ(6)には排気口(22)が設けられ、前記排気口(22)は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第2のセパレータ(7)に近い側に設けられる
請求項1~7のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項9】
前記支持軸(13)には油ガイド穴(13a)が径方向に沿って設けられており、前記クランクシャフト(1)には、軸方向に沿って延びる中心油穴(21)が設けられており、前記油ガイド穴(13a)と前記中心油穴(21)とは連通する
請求項1~8のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項10】
前記応力緩和構造は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第2のセパレータ(7)に向かう側に設けられた第2の可撓溝(14)を含み、
前記第1のセパレータ(6)の、前記第2のセパレータ(7)に向かう端面において、前記第2の可撓溝(14)は前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の円穴(17)の内縁に近い側に位置する
請求項1~9のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項11】
前記第2の可撓溝(14)は環状溝である
請求項10に記載のポンプボディ組立体。
【請求項12】
前記応力緩和構造は、前記第1の円穴(17)内に設けられた軸受ブッシュ(20)を含み、
前記軸受ブッシュ(20)は、前記支持軸(13)に外嵌される
請求項1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項13】
前記第1の円穴(17)の、前記第1の偏心部(12)に近い一端には環状の径方向突起(23)が設けられ、
前記軸受ブッシュ(20)は前記径方向突起(23)に係止される
請求項12に記載のポンプボディ組立体。
【請求項14】
前記径方向突起(23)の軸方向における高さhは、h≧1mmである
請求項13に記載のポンプボディ組立体。
【請求項15】
前記第1の円穴(17)の高さはHであり、前記第1の円穴(17)と前記軸受ブッシュ(20)が係合する取り付け高さはH1であり、前記軸受ブッシュ(20)の高さはH2であり、
ここで、H2≦H1≦Hである
請求項12~14のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項16】
前記軸受ブッシュ(20)の一側には切断構造(19)が設けられており、
前記切断構造(19)は、その両側の前記軸受ブッシュ(20)が完全に切断されるように設けられる
請求項12~15のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体。
【請求項17】
前記切断構造(19)は切断切欠きである
請求項16に記載のポンプボディ組立体。
【請求項18】
ポンプボディ組立体を備える圧縮機であって、
前記ポンプボディ組立体は請求項1~17のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体である
圧縮機。
【請求項19】
エアコンであって、
請求項1~17のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体又は請求項18に記載の圧縮機を含む
エアコン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は、中国出願番号が202011297079.0であり、出願日が2020年11月18日である出願を基礎とし、その優先権を主張し、該中国出願の開示内容は全体として本出願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、空気調節の技術分野に関し、具体的には、ポンプボディ組立体、圧縮機及びエアコンに関する。
【背景技術】
【0003】
エアコンの冷房量及び暖房量に対するユーザのニーズがますます向上していることに応えて、回転式ローター圧縮機の吐出量もそれに伴って大きく設計されている。エアコンの室外機の大きさ制限により、圧縮機のハウジングの直径はできるだけ小さくすべきであり、そのため、ポンプボディのシリンダの高さは高く設計される必要がある。特に大吐出量のシリンダの両端にそれぞれ排気口を設ける必要がある場合には、セパレータに排気口が設けられ、それに応じてセパレータを高く設計する必要がある。したがって、ポンプボディの2つのシリンダ間において、クランクシャフトの偏心部のスパンがより大きくなってしまう。
【0004】
関連技術において、ロータリ圧縮機の2つの偏心部の間の部分はぶら下がっている状態であり、作動中には、2つの偏心部の間の撓みが大き過ぎるため、偏心部とローラーが傾斜して、ローラーとベーンヘッドが摩耗してしまい、圧縮機の信頼性が大幅に低下してしまう。このような問題を解決するために、関連技術では一般にクランクシャフトの2つの偏心部の間に中間セパレータ軸受を設けて支持することにより、クランクシャフトの偏心部の間の撓みを低減する。しかしながら、セパレータ軸受の局所応力が大きすぎると、軸受の摩耗を招きやすく、セパレータ軸受の使用寿命を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑み、本開示は、局所応力の過大による軸受摩耗の問題を緩和してセパレータ軸受の使用寿命を延長することができる、ポンプボディ組立体、圧縮機及びエアコンを提供する。
【0006】
本開示の1つの態様によれば、ポンプボディ組立体を提供する。該ポンプボディ組立体は、軸方向において離間して設けられた第1の偏心部、支持軸及び第2の偏心部を含むクランクシャフトと、第1の偏心部と第2の偏心部との間に順次設けられた第1のセパレータ及び第2のセパレータと、を含み、第1のセパレータには第1の円穴が開けられ、支持軸は、第1のセパレータと支持軸がセパレータ軸受をなすように、第1の円穴内に設けられ、セパレータ軸受は、支持軸と第1のセパレータとの間の接触応力を減少させる応力緩和構造を有する。
【0007】
いくつかの実施例において、応力緩和構造は、第1のセパレータの、第1の偏心部に向かう側に設けられた第1の可撓溝を含み、第1のセパレータの、第1の偏心部に向かう端面において、第1の可撓溝は第1のセパレータの、第1の円穴の内縁に近い側に位置する。
【0008】
いくつかの実施例において、ポンプボディ組立体は第1のシリンダをさらに含み、第1の偏心部は第1のシリンダ内に設けられ、第1のシリンダにはベーン溝がさらに設けられ、クランクシャフトの回転方向において、第1の可撓溝の開始位置とベーン溝との間の夾角はαであり、100°≦α≦115°である。
【0009】
いくつかの実施例において、第1の可撓溝の開始位置と終了位置との間の夾角βは、100°≦α+β≦170°を満たす。
【0010】
いくつかの実施例において、第1のセパレータに含まれる第1の可撓溝の幅dは、0.8mm≦d≦1.5mmを満たす。
【0011】
いくつかの実施例において、第1の可撓溝は円弧状溝であり、円弧状溝の円心は支持軸の軸線と重なる。
【0012】
いくつかの実施例において、第1のセパレータの軸方向における高さHと第1の円穴の直径Dは、0.38≦H/D≦0.6を満たす。
【0013】
いくつかの実施例において、第1のセパレータには排気口が設けられ、排気口は第1のセパレータの、第2のセパレータに近い側に設けられる。
【0014】
いくつかの実施例において、支持軸には、径方向に沿って油ガイド穴が設けられ、クランクシャフトには、軸方向に沿って延びる中心油穴が設けられ、油ガイド穴と中心油穴とは連通する。
【0015】
いくつかの実施例において、応力緩和構造は、第1のセパレータの、第2のセパレータに向かう側に設けられた第2の可撓溝を含み、第1のセパレータの、第2のセパレータに向かう端面において、第2の可撓溝は第1のセパレータの、第1の円穴の内縁に近い側に位置する。
【0016】
いくつかの実施例において、第2の可撓溝は環状溝である。
【0017】
いくつかの実施例において、応力緩和構造は第1の円穴内に設けられた軸受ブッシュを含み、軸受ブッシュは支持軸に外嵌される。
【0018】
いくつかの実施例において、第1の円穴の、第1の偏心部に近い一端には、環状の径方向突起が設けられ、軸受ブッシュは径方向突起に係止される。
【0019】
いくつかの実施例において、径方向突起の軸方向における高さはhであり、h≧1mmである。
【0020】
いくつかの実施例において、第1の円穴17の高さはHであり、第1の円穴17と軸受ブッシュが嵌合する取り付け高さはH1であり、軸受ブッシュの高さはH2であり、H2≦H1≦Hである。
【0021】
いくつかの実施例において、軸受ブッシュの一側には、切断構造であって、その両側の軸受ブッシュが完全に切断されるようにする切断構造が設けられている。
【0022】
いくつかの実施例において、切断構造は、切断切欠きである。
【0023】
本開示の別の態様によれば、圧縮機を提供する。該圧縮機はポンプボディ組立体を備え、該ポンプボディ組立体は上述したポンプボディ組立体である。
【0024】
本開示の別の態様によれば、エアコンを提供する。該エアコンは上述したポンプボディ組立体又は上述の圧縮機を含む。
【0025】
本開示の実施例によれば、ポンプボディ組立体は、クランクシャフト、第1のセパレータ及び第2のセパレータを含み、クランクシャフトは、軸方向において離間して設けられた第1の偏心部、支持軸及び第2の偏心部を含み、第1の偏心部と第2の偏心部との間には第1のセパレータ及び第2のセパレータが順次設けられ、第1のセパレータには第1の円穴が開けられ、支持軸は、第1のセパレータと支持軸がセパレータ軸受をなすように、第1の円穴内に設けられ、セパレータ軸受には、支持軸と第1のセパレータとの間の接触応力を減少させる応力緩和構造が設けられている。ポンプボディ組立体は、2つの偏心部の間におけるセパレータ軸受によってクランクシャフトの中部に対して効果的な支持作用を発揮することができ、クランクシャフトの撓みを大幅に低減して、撓みが大きいことによるベーンヘッドとローラーの摩耗の難題を回避することができる。セパレータ軸受による、支持軸と第1のセパレータとの間の接触応力を減少させる応力緩和構造は、セパレータ軸受の負荷が過大になる時に、支持軸と第1のセパレータの端部エッジ部における接触応力を減少させ、セパレータ軸受の摩耗を低減し、セパレータ軸受の信頼性を向上させ、セパレータ軸受の使用寿命を延長することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体の縦断面構造図である。
【
図2】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体の第1のセパレータの構造概略図である。
【
図4】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体の第1のセパレータの背面構造概略図である。
【
図5】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体のクランクシャフトの局部断面構造図である。
【
図6】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体の縦断面構造図である。
【
図7】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体の第1のセパレータの分解構造概略図である。
【
図8】本開示の一実施例に係るポンプボディ組立体の第1のセパレータの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1乃至
図9に示すように、本開示の実施例によれば、ポンプボディ組立体はクランクシャフト1、第1のセパレータ6及び第2のセパレータ7を含み、クランクシャフト1は、軸方向において離間して設けられた第1の偏心部12、支持軸13及び第2の偏心部15を含み、第1の偏心部12と第2の偏心部15との間には第1のセパレータ6及び第2のセパレータ7が順次に設けられる。第1のセパレータ6には第1の円穴17が開けられ、第1の円穴17内に設けられることにより、第1のセパレータ6と支持軸13がセパレータ軸受を構成する。セパレータ軸受は、支持軸13と第1のセパレータ6との間の接触応力を減少させる応力緩和構造を有する。
【0028】
ポンプボディ組立体は、2つの偏心部の間におけるセパレータ軸受によってクランクシャフト1の中部に対して効果的な支持作用を発揮し、クランクシャフト1の撓みを大幅に低減して、大きな撓みにより招来されるベーンヘッドとローラーの摩耗の難題を回避することができる。セパレータ軸受が有する、支持軸13と第1のセパレータ6との間の接触応力を減少させる応力緩和構造は、セパレータ軸受の負荷が過大になる時に支持軸13と第1のセパレータ6の端部エッジ部における接触応力を減少させ、セパレータ軸受の摩耗を低減してセパレータ軸受の信頼性を向上させて、セパレータ軸受の使用寿命を延長することができる。
【0029】
いくつかの実施例において、応力緩和構造は、第1のセパレータ6において第1の偏心部12に向かう側に設けられた第1の可撓溝16を含む。第1のセパレータ6の、第1の偏心部12に向かう端面において、第1の可撓溝16は、第1のセパレータ6の、第1の円穴17の内縁に近い側に位置する。本実施例において、第1の可撓溝16を設けることにより、第1のセパレータ6における第1の偏心部12に近い第1の側に変形しやすい構造を形成することができる。これにより、第1のセパレータ6の第1の側と支持軸13との間の接触応力が過大になる時に、該接触位置においては、第1の可撓溝16によって第1のセパレータ6が変形し、それにより該位置における接触応力が緩和されて、セパレータ軸受の摩耗が低減してセパレータ軸受の信頼性が向上し、したがってセパレータ軸受の使用寿命が延長する。
【0030】
ここでの第1の可撓溝16とは、第1のセパレータ6の、第1の円穴17の内縁に近い位置に設けられる溝構造である。溝構造により、第1のセパレータ6は内外の2つの部分に分けられる。ここで、溝構造の内側に位置する部分は厚さが比較的に薄い。第1のセパレータ6が該位置で受ける接触応力が大きい場合、溝構造による薄肉化効果によって、該位置の構造は変形しやすくなって、該位置での第1のセパレータ6の柔軟性が増大する。増大した柔軟性を利用して、該位置での第1のセパレータ6の接触応力を低減させる。
【0031】
第1の可撓溝16による応力緩和効果を保証するために、該第1の可撓溝16は、できるだけ第1の円穴17の周壁に近接すべきである。それとともに、第1の可撓溝16の内側構造がある程度の支持作用を果たせることを保証するために、第1の可撓溝16の内側における第1のセパレータ6は、厚さが無限に小さくなってはいけない。いくつかの実施例において、第1の可撓溝16の内側における第1のセパレータ6の厚さは1.5mm~3mmである。
【0032】
ポンプボディ組立体は第1のシリンダ5をさらに含み、第1の偏心部12は第1のシリンダ5内に設けられ、第1のシリンダ5にはベーン溝18がさらに設けられる。クランクシャフト1の回転方向に沿って、第1の可撓溝16の開始位置とベーン溝18との間の夾角αは、100°≦α≦115°である。これにより、第1の可撓溝16とベーン溝18との間に十分な角度差を持たせることができる。圧縮機が間欠的な吸排気時に受ける力に対する分析によれば、このような構造設計によって、圧縮機の運転中に第1の可撓溝16でガス漏れが発生することを効果的に回避することができ、圧縮機の運転時の信頼性を向上させることができる。
【0033】
いくつかの実施例において、第1の可撓溝16の開始位置と終了位置との間の夾角βは、100°≦α+β≦170°を満たす。第1の可撓溝16の開始位置とベーン溝18との間の夾角αに基づいて、第1の可撓溝16の終了位置を規定することができる。これにより、第1の可撓溝16の開始位置と終了位置がいずれも適切な位置にあるようにして、第1の可撓溝16でガス漏れが発生する問題をより効果的に回避することができる。
【0034】
いくつかの実施例において、第1のセパレータ6が第1の可撓溝16を含む場合、第1の可撓溝16の幅dは、0.8mm≦d≦1.5mmを満たす。これにより、第1の可撓溝16に十分な変形幅を持たせることができて、該位置での第1のセパレータ6の構造強度を効果的に低減させ、第1の可撓溝16の内側にある第1のセパレータ6が十分な変形能力を有するように保証して、第1のセパレータ6の第1の側に対する第1の可撓溝16による応力緩和効果を向上させることができる。
【0035】
第1の可撓溝16は円弧状溝である。第1の可撓溝16の構造が支持軸13の構造に合致するように、該円弧状溝の円心は支持軸13の軸線と重なる。これにより、第1の可撓溝16からなる応力緩和構造と支持軸13との間の係合効果がより良好になって、セパレータ軸受の、作動中に応力によって発生する摩耗をさらに減少させる。
【0036】
いくつかの実施例において、第1のセパレータ6の軸方向の高さHと第1の円穴17の直径Dは、0.38≦H/D≦0.6を満たす。第1のセパレータ6が厚すぎると、セパレータ軸受のエッジ部における接触応力が大きくなって軸受の信頼性に悪影響を与えてしまうが、第1のセパレータ6が薄すぎると、セパレータ軸受はクランクシャフト1を確実に支持できない。このため、第1のセパレータ6の高さHと内円穴の直径Dは0.38≦H/D≦0.6の関係を満たす必要がある。これにより、第1のセパレータ6が厚すぎてセパレータ軸受の両端のエッジ部における接触応力が過大になることを回避するとともに、セパレータ軸受による支持効果を保証することができる。
【0037】
第1のセパレータ6には排気口22が設けられることができる。排気口22は、第1のセパレータ6の、第2のセパレータ7に近い側に設けられることによって、大吐出量の圧縮機の排気抵抗を低減させて圧縮機の作動性能を向上させることができる。排気口22の下端には排気一方向遮断弁が設けられ、これによりガス流れ抵抗が低減されて圧縮機の作動エネルギー効率が向上することができる。
【0038】
いくつかの実施例において、支持軸13には、油ガイド穴13aが径方向に沿って設けられ、クランクシャフト1には、軸方向に沿って延びる中心油穴21が設けられ、油ガイド穴13aと中心油穴21とは互いに連通する。これにより、圧縮機が運転時、中心油穴21を流れる潤滑油が油ガイド穴13aを介して支持軸13と第1のセパレータ6との隙間にバイパスして軸受摩擦対に対して良好な潤滑及び冷却作用を発揮するように保証することができる。
【0039】
いくつかの実施例において、応力緩和構造は、第1のセパレータ6の、第2のセパレータ7に向かう側に設けられた第2の可撓溝14を含む。第1のセパレータ6の、第2のセパレータ7に向かう端面において、第2の可撓溝14は、第1のセパレータ6の、第1の円穴17の内縁に近い側に位置する。
【0040】
本実施例においては、第2の可撓溝14を設けることにより、第1のセパレータ6の、第2の偏心部15に近い第1の側において変形しやすい構造を形成することができる。これにより、第1のセパレータ6の第1の側と支持軸13との間の接触応力が過大になる時に、該接触位置では第2の可撓溝14によって第1のセパレータ6が変形して、該位置の接触応力が相対的に緩和される。したがって、セパレータ軸受の摩耗が低減し、セパレータ軸受の信頼性が向上し、セパレータ軸受の使用寿命が長くなる。
【0041】
第1の可撓溝16と第2の可撓溝14を併設する場合、第1のセパレータ6の両側にそれぞれ応力緩和構造を形成することができ、それによってセパレータ軸受の接触応力をより全面的で効果的に低減して、セパレータ軸受の摩耗を低減し、セパレータ軸受の信頼性を向上させることができる。
【0042】
いくつかの実施例において、第2の可撓溝14は環状溝であり、第2の可撓溝14は支持軸13に対して同軸に設けられる。第2の可撓溝14は、第1のセパレータ6における第2のセパレータ7に向かう側に設けられ、且つローラーの端面ではなくて第2のセパレータ7に係合するので、ローラーのシール問題は存在しない。それにより、第2の可撓溝14は、環状溝として形成されることができ、第1のセパレータ6の、第2のセパレータ7に近い側において軸方向全体にわたって応力緩和作用を発揮して、第1のセパレータ6による応力緩和効果を向上させることができる。
【0043】
図5乃至
図9に示すように、いくつかの実施例において、応力緩和構造は、第1の円穴17内に設けられた軸受ブッシュ20を含む。軸受ブッシュ20は支持軸13に外嵌される。
図1に係る実施例に対して、本実施例の差異点としては、本実施例において、第1のセパレータ6の両端には可撓溝が設けられておらず、セパレータ軸受の耐摩耗性を向上させるために、第1の円穴17内に耐摩耗材で支持される軸受ブッシュ20を追加する。それにより、セパレータ軸受の信頼性をさらに向上させる。
【0044】
第1の円穴17における第1の偏心部12に近い一端には、環状の径方向突起23が設けられ、軸受ブッシュ20は径方向突起23に係止される。径方向突起23の内径は第1の円穴17の内径より小さく、それにより、径方向突起23は漏洩防止構造をなして、第1のシリンダ5内の第1のローラー4と第1のセパレータ6とのシール距離が小さすぎることによる漏洩の問題を防止することができるとともに、軸受ブッシュ20の取り付けに対する位置決めの役割を果たすことができる。位置決め及び漏洩防止のために用いられる径方向突起23の構造強度を保証するために、径方向突起の軸方向の高さhをh≧1mmにする。
【0045】
いくつかの実施例において、第1の円穴17の高さがHであり、第1の円穴17と軸受ブッシュ20が係合する取り付け高さがH1であり、軸受ブッシュ20の高さがH2である場合、H2≦H1≦Hにする。これにより、第1の円穴17内に圧入された軸受ブッシュ20が第1の円穴17の外側に突出しないように保証して、第2のセパレータ7が装着される時に軸受ブッシュ20と干渉することを回避して、取り付け構造全体の信頼性を確保することができる。
【0046】
いくつかの実施例において、軸受ブッシュ20の一側には切断構造19が設けられる。切断構造19は、その両側の軸受ブッシュ20が完全に切断されるように設けられ、これにより、軸受ブッシュ20が第1の円穴17内に圧入される際、軸受ブッシュ20は切断構造19の作用により収縮することができ、軸受ブッシュ20が容易に第1の円穴17内に圧入されることができる。その後、軸受ブッシュ20は弾性力の作用により回復して、第1の円穴17と締まり嵌めになる。
【0047】
いくつかの実施例において、切断構造19は、切断切欠きである。
【0048】
いくつかの実施例において、ポンプボディ組立体は、第1の消音器3と、第1のローラー4と、第2のシリンダ9と、第2のフランジ10と、第2の消音器11と、第2のローラー8とをさらに含む。ここで、第1のローラー4は、第1の偏心部12に外嵌され且つ第1のシリンダ5内に位置し、第1の偏心部12により駆動されて回動する。第2のローラー8は、第2の偏心部15に外嵌され且つ第2のシリンダ9内に位置し、第2の偏心部15により駆動されて回動する。第1の消音器3は、第1のフランジ2の、第1の偏心部12から離れた側に位置し、第2の消音器11は、第2のフランジ10の、第2の偏心部15から離れた側に位置する。第1の消音器3は、第1のフランジ2における排気工程に対して消音・騒音削減を行うことができ、第2の消音器11は、第2のフランジ10における排気工程に対して消音・騒音削減を行うことができ、これにより、ポンプボディ組立体の運転中の騒音を削減することができる。
【0049】
第2のセパレータ7の内円はクランクシャフト1により貫通され、且つ第2のセパレータ7は第1のセパレータ6の、第1の偏心部12から離れた一端に位置して、第2のシリンダ9に対するシール作用を果たすことができる。第2のセパレータ7としては、一般的な中間セパレータ構造を採用することができる。
【0050】
上述した実施例による第1のシリンダ5は、例えば上部シリンダであり、第1のフランジ2は、例えば上部フランジである。
【0051】
他の実施例において、第1のシリンダ5は下部シリンダであってもよく、第2のフランジ10は例えば下部フランジである。
【0052】
いくつかの実施例において、クランクシャフト1には複数の偏心部が設けられ、隣接する2つの偏心部の間にはいずれも支持軸13が設けられている。
【0053】
いくつかの実施例において、上述のセパレータによる支持の代わりに、ローラー軸受による支持を用いてもよい。
【0054】
本開示の実施例によれば、圧縮機はポンプボディ組立体を含み、該ポンプボディ組立体は上述したポンプボディ組立体である。
【0055】
本開示の実施例によれば、エアコンは、上述したポンプボディ組立体又は上述した圧縮機を含む。
【0056】
当業者であれば理解できるように、上述した各好適な態様は、矛盾しない限り、自由に組み合わせられるか重ね合わせられることが可能である。
【0057】
以上は本開示の好適な実施例にすぎず、本開示を制限するものではない。本開示の精神と原則の範囲内で行われる修正、均等置換、改善などはいずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。なお、以上は本開示の好適な実施形態にすぎず、当業者であれば、本開示の技術的原理を逸脱せずに様々な改良や変形を得ることができ、これらの改良や変形も本開示の保護範囲に属するべきである。
【符号の説明】
【0058】
1 クランクシャフト
2 第1のフランジ
3 第1の消音器
4 第1のローラー
5 第1のシリンダ
6 第1のセパレータ
7 第2のセパレータ
8 第2のローラー
9 第2のシリンダ
10 第2のフランジ
11 第2の消音器
12 第1の偏心部
13 支持軸
13a 油ガイド穴
14 第2の可撓溝
15 第2の偏心部
16 第1の可撓溝
17 第1の円穴
18 ベーン溝
19 切断構造
20 軸受ブッシュ
21 中心油穴
22 排気口
23 径方向突起
【手続補正書】
【提出日】2023-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプボディ組立体であって、
軸方向において離間して設けられた第1の偏心部(12)、支持軸(13)及び第2の偏心部(15)を含むクランクシャフト(1)と、
前記第1の偏心部(12)と前記第2の偏心部(15)との間に順次設けられた第1のセパレータ(6)及び第2のセパレータ(7)と、を含み、
前記第1のセパレータ(6)には第1の円穴(17)が開けられ、前記支持軸(13)は、前記第1のセパレータ(6)と前記支持軸(13)がセパレータ軸受をなすように、前記第1の円穴(17)内に設けられ、
前記セパレータ軸受は、前記支持軸(13)と前記第1のセパレータ(6)との間の接触応力を減少させる応力緩和構造を有する
ポンプボディ組立体。
【請求項2】
前記応力緩和構造は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の偏心部(12)に向かう側に設けられた第1の可撓溝(16)を含み、
前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の偏心部(12)に向かう端面において、前記第1の可撓溝(16)は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の円穴(17)の内縁に近い側に位置する
請求項1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項3】
前記ポンプボディ組立体は第1のシリンダ(5)をさらに含み、
前記第1の偏心部(12)は前記第1のシリンダ(5)内に設けられ、前記第1のシリンダ(5)にはベーン溝(18)がさらに設けられ、
前記クランクシャフト(1)の回転方向において、前記第1の可撓溝(16)の開始位置と前記ベーン溝(18)との間の夾角αは、100°≦α≦115°である
請求項2に記載のポンプボディ組立体。
【請求項4】
前記第1の可撓溝(16)の開始位置と終了位置との間の夾角βは、100°≦α+β≦170°を満たす
請求項3に記載のポンプボディ組立体。
【請求項5】
前記第1のセパレータ(6)に含まれる前記第1の可撓溝(16)の幅dは、0.8mm≦d≦1.5mmを満たす
請求項
2に記載のポンプボディ組立体。
【請求項6】
前記第1の可撓溝(16)は円弧状溝であり、前記円弧状溝の円心は前記支持軸(13)の軸線と重なる
請求項
2に記載のポンプボディ組立体。
【請求項7】
前記第1のセパレータ(6)の軸方向における高さHと前記第1の円穴(17)の直径Dは、0.38≦H/D≦0.6を満たす
請求項
1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項8】
前記第1のセパレータ(6)には排気口(22)が設けられ、前記排気口(22)は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第2のセパレータ(7)に近い側に設けられる
請求項
1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項9】
前記支持軸(13)には油ガイド穴(13a)が径方向に沿って設けられており、前記クランクシャフト(1)には、軸方向に沿って延びる中心油穴(21)が設けられており、前記油ガイド穴(13a)と前記中心油穴(21)とは連通する
請求項
1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項10】
前記応力緩和構造は、前記第1のセパレータ(6)の、前記第2のセパレータ(7)に向かう側に設けられた第2の可撓溝(14)を含み、
前記第1のセパレータ(6)の、前記第2のセパレータ(7)に向かう端面において、前記第2の可撓溝(14)は前記第1のセパレータ(6)の、前記第1の円穴(17)の内縁に近い側に位置する
請求項
1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項11】
前記第2の可撓溝(14)は環状溝である
請求項10に記載のポンプボディ組立体。
【請求項12】
前記応力緩和構造は、前記第1の円穴(17)内に設けられた軸受ブッシュ(20)を含み、
前記軸受ブッシュ(20)は、前記支持軸(13)に外嵌される
請求項1に記載のポンプボディ組立体。
【請求項13】
前記第1の円穴(17)の、前記第1の偏心部(12)に近い一端には環状の径方向突起(23)が設けられ、
前記軸受ブッシュ(20)は前記径方向突起(23)に係止される
請求項12に記載のポンプボディ組立体。
【請求項14】
前記第1の円穴(17)の高さはHであり、前記第1の円穴(17)と前記軸受ブッシュ(20)が係合する取り付け高さはH1であり、前記軸受ブッシュ(20)の高さはH2であり、
ここで、H2≦H1≦Hである
請求項
12に記載のポンプボディ組立体。
【請求項15】
前記軸受ブッシュ(20)の一側には切断構造(19)が設けられており、
前記切断構造(19)は、その両側の前記軸受ブッシュ(20)が完全に切断されるように設けられる
請求項
12に記載のポンプボディ組立体。
【請求項16】
ポンプボディ組立体を備える圧縮機であって、
前記ポンプボディ組立体は請求項1~
15のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体である
圧縮機。
【請求項17】
エアコンであって、
請求項1~
15のいずれか一項に記載のポンプボディ組立体
を含む
エアコン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
図1乃至
図9に示すように、本開示の実施例によれば、ポンプボディ組立体はクランクシャフト1、第1のセパレータ6及び第2のセパレータ7を含み、クランクシャフト1は、軸方向において離間して設けられた第1の偏心部12、支持軸13及び第2の偏心部15を含み、第1の偏心部12と第2の偏心部15との間には第1のセパレータ6及び第2のセパレータ7が順次に設けられる。第1のセパレータ6には第1の円穴17が開けられ、
支持軸13が第1の円穴17内に設けられることにより、第1のセパレータ6と支持軸13がセパレータ軸受を構成する。セパレータ軸受は、支持軸13と第1のセパレータ6との間の接触応力を減少させる応力緩和構造を有する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
いくつかの実施例において、第2の可撓溝14は環状溝であり、第2の可撓溝14は支持軸13に対して同軸に設けられる。第2の可撓溝14は、第1のセパレータ6における第2のセパレータ7に向かう側に設けられ、且つローラーの端面ではなくて第2のセパレータ7に係合するので、ローラーのシール問題は存在しない。それにより、第2の可撓溝14は、環状溝として形成されることができ、第1のセパレータ6の、第2のセパレータ7に近い側において周方向全体にわたって応力緩和作用を発揮して、第1のセパレータ6による応力緩和効果を向上させることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
図
6乃至
図9に示すように、いくつかの実施例において、応力緩和構造は、第1の円穴17内に設けられた軸受ブッシュ20を含む。軸受ブッシュ20は支持軸13に外嵌される。
図1に係る実施例に対して、本実施例の差異点としては、本実施例において、第1のセパレータ6の両端には可撓溝が設けられておらず、セパレータ軸受の耐摩耗性を向上させるために、第1の円穴17内に耐摩耗材で
作製される軸受ブッシュ20を追加する。それにより、セパレータ軸受の信頼性をさらに向上させる。
【国際調査報告】