(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】高精度付加製造装置及び高スループット付加製造システム
(51)【国際特許分類】
B29C 64/209 20170101AFI20230801BHJP
B29C 64/241 20170101ALI20230801BHJP
B29C 64/232 20170101ALI20230801BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20230801BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20230801BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230801BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20230801BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230801BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230801BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230801BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230801BHJP
A61J 3/06 20060101ALI20230801BHJP
B29C 64/106 20170101ALI20230801BHJP
【FI】
B29C64/209
B29C64/241
B29C64/232
B29C64/393
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/02
A61K9/20
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/12
A61J3/06 E
B29C64/106
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501094
(86)(22)【出願日】2021-06-08
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 CN2021098797
(87)【国際公開番号】W WO2022007570
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/101343
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517420511
【氏名又は名称】トリアステック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デン, フェイファン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ハイリー
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ペン
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ハオフイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, センピン
(72)【発明者】
【氏名】リー, シャオリン
【テーマコード(参考)】
4C047
4C076
4F213
【Fターム(参考)】
4C047CC15
4C047DD22
4C047DD27
4C047LL09
4C076AA36
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4C076GG14
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4F213AP13
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4F213WL24
4F213WL29
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4F213WL74
4F213WL85
(57)【要約】
本開示は概して、付加製造システムに関する。システムは、印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、マイクロスクリュー印刷ヘッドであって、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、ねじ付きステム部分に体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、スリーブと、ノズルであって、ノズルの遠位端が円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、ノズルの円錐形内面がマイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触してノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように構成されている、ノズルとを備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、駆動モジュールであって、マイクロスクリューの回転運動を駆動するための回転モータと、マイクロスクリューの垂直運動を駆動するためのアクチュエータと、を備える、駆動モジュールとを備える。
【選択図】
図2E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造システムであって、
印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、
マイクロスクリュー印刷ヘッドであって、
ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、前記ねじ付きステム部分に、体積測定のために長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、
スリーブと、
ノズルであって、前記ノズルの遠位端が、
円錐形内面、及び
前記印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、
前記ノズルの前記円錐形内面が、前記マイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分と接触して前記ノズルにおける前記印刷材料の吐出を停止するように構成されている、ノズルと、を備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、
駆動モジュールであって、
前記マイクロスクリューの回転運動を駆動するための回転モータと、
前記マイクロスクリューの垂直運動を駆動するためのアクチュエータと、を備える、駆動モジュールと、を備える、システム。
【請求項2】
前記スリーブと前記ノズルとの間にz軸位置決めシーリングリングを更に備え、前記z軸位置決めシーリングリングが、前記ノズルの垂直位置を調整するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記マイクロスクリュー印刷ヘッドが、加熱スリーブ又は温度センサを更に備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記マイクロスクリュー印刷ヘッドが、断熱スリーブを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、前記ノズルの前記円錐形内面によって形成される第2のテーパ角以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分の前記第1のテーパ角が、60°以下である、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2のテーパ角と前記第1のテーパ角との比が、1:1~4:1に等しいか若しくは1:1~4:1であるか、1:1~3:1に等しいか若しくは1:1~3:1であるか、又は1:1~2:1に等しいか若しくは1:1~2:1である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分が、円錐台形又は切頭円錐形である、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分が、1つ以上のマッチングパターンを介して前記ノズルの前記円錐形内面に嵌るように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の長さが、10~80mmに等しいか、又は10~80mmである、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の直径が、1~10mmに等しいか、又は1~10mmである、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記材料供給モジュールが、前記印刷材料を溶融させるための押出デバイスと、加圧デバイスとを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記押出デバイスが、シングルピストン押出機構、単軸押出機構、二軸押出機構、円錐形二軸押出機構、又はそれらの任意の組み合わせを備える、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記加圧デバイスが、ピストン押出機構、単軸押出機構、スクリューポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記材料供給モジュールが、前記溶融された印刷材料の温度を検出するための1つ以上の温度センサを備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記溶融された印刷材料の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサをフローチャネル又は前記マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口に更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の最上部ねじセグメントに基づいて位置合わせされる、請求項1~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記マイクロスクリュー印刷ヘッドの前記入口に入口シーリングリングを更に備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記駆動モジュールが、前記アクチュエータ及び前記回転モータを独立して制御するように構成されている、請求項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
前記駆動モジュールが、前記アクチュエータ及び前記回転モータの複合制御を行なうように構成されている、請求項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記アクチュエータが、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータである、請求項1~20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記電気モータが、前記マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度及び/又は前記マイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記回転モータが、前記マイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている、請求項1~22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
結合に使用されるクロスコネクタ又はカルダンシャフトを更に備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項25】
前記印刷材料が、前記材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される、請求項1~24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記印刷材料が、前記ノズルによって50℃~400℃で吐出される、請求項1~25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記印刷材料が非フィラメント状材料であり、前記ノズルによって吐出されたときの前記印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、請求項1~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記印刷材料が、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
印刷プラットフォームと、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて、前記印刷プラットフォームを移動させるためのコントローラとを更に備える、請求項1~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
マイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造方法であって、
前記マイクロスクリュー印刷ヘッドが、
ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備えるマイクロスクリューと、
ノズルであって、前記ノズルの遠位端が、
円錐形内面、及び
前記印刷材料を吐出するための出口ポートを備える、ノズルと、を備え、
前記方法が、
前記マイクロスクリューを上昇させて、前記ノズルの前記出口ポートを開くことと、
前記マイクロスクリューを回転させて、前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の溝に、溶融され加圧された印刷材料を導入することであって、前記溶融され加圧された印刷材料が、前記ノズルの前記遠位端に向かって流れるように構成されている、導入することと、
前記ノズルの前記円錐形内面が前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分と接触して前記出口ポートを閉じ、前記ノズルにおける前記印刷材料の吐出を停止するように、前記マイクロスクリューを下降させることと、を含む、方法。
【請求項31】
前記印刷材料を溶融し加圧することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
電気モータを介して、前記マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度、及び/又は前記マイクロスクリューの走行変位を調整することを更に含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
回転モータを介して、前記マイクロスクリューの回転速度を調整して、吐出される前記印刷材料の体積を制御することを更に含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
電気モータ及び回転モータが、前記マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている、請求項30~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記マイクロスクリューの回転速度を低下させながら、前記マイクロスクリューを下降させて前記出口ポートを閉じることを更に含む、請求項30~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記マイクロスクリューを回転させることが、前記マイクロスクリューを第1の方向に回転させることを含み、前記方法が、
前記マイクロスクリューを下降させて前記出口ポートを閉じる前に、前記マイクロスクリューを前記第1の方向と反対方向に回転させて、前記ノズルの前記遠位端からある量の前記印刷材料を除去することを含む、請求項30~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
印刷プラットフォームの移動及び前記ノズルによって吐出される前記印刷材料の量を調整することを更に含む、請求項30~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
ラダースキームに従って前記印刷材料を加熱することを更に含み、
前記印刷材料が、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、
前記印刷材料が、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、
前記印刷材料が、前記ノズルにおいて第3の温度まで加熱される、請求項30~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の温度が50℃であり、前記第2の温度が70℃であり、前記第3の温度が105℃である、請求項30~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
フローチャネル又は前記マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口における前記印刷材料の前記圧力を測定することと、閉ループ制御システムを介して前記印刷材料の前記圧力を制御することを更に含む、請求項30~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記印刷材料が非フィラメント状材料であり、前記ノズルによって吐出されたときの前記印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、請求項30~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記マイクロスクリューが、医薬投与単位を製造するように制御される、請求項30~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
付加製造システムであって、
印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、
流量分布プレートを備える流量分布モジュールであって、前記流量分布プレートが、前記溶融され加圧された印刷材料の単一の流れを複数の流れに均等に分割するための複数のチャネルを備える、流量分布モジュールと、
複数の流れを吐出するように構成されている複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドであって、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドの各々が、
ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、前記ねじ付きステム部分に、体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、
スリーブと、
ノズルであって、前記ノズルの遠位端が、円錐形内面及び前記印刷材料を吐出するための出口ポートを含み、前記ノズルの前記円錐形内面が、前記それぞれのマイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに、前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分と接触して前記ノズルにおける前記印刷材料の吐出を停止するように構成されている、前記ノズルと、を備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、
駆動モジュールであって、
前記複数のマイクロスクリューの回転運動を駆動するための1つ以上の回転モータと、
前記複数のマイクロスクリューの垂直方向の動きを駆動するための1つ以上のアクチュエータと、を備える、駆動モジュールと、を備える、システム。
【請求項44】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、前記スリーブと前記ノズルとの間にz軸位置決めシーリングリングを更に含み、前記z軸位置決めシーリングリングが、前記ノズルの垂直位置を調整するように構成されている、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、加熱スリーブ又は温度センサを更に備える、請求項43又は44に記載のシステム。
【請求項46】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、断熱スリーブを更に備える、請求項43~45のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項47】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、前記ノズルの前記円錐形内面によって形成される第2のテーパ角以下である、請求項43~46のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項48】
前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分の前記第1のテーパ角が、60°以下である、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記第2のテーパ角と前記第1のテーパ角との比が、1:1~4:1に等しいか若しくは1:1~4:1であるか、1:1~3:1に等しいか若しくは1:1~3:1であるか、又は1:1~2:1に等しいか若しくは1:1~2:1である、請求項47に記載のシステム。
【請求項50】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分が、円錐台形又は切頭円錐形である、請求項43~49のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項51】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分が、1つ以上のマッチングパターンを介して前記ノズルの前記円錐形内面に嵌るように構成されている、請求項43~50のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項52】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の長さが、10~80mmに等しいか、又は10~80mmである、請求項43~51のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項53】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の直径が、1~10mmに等しいか、又は1~10mmである、請求項43~52のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項54】
前記材料供給モジュールが、前記印刷材料を溶融させるための押出デバイスと、加圧デバイスとを備える、請求項43~53のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項55】
前記押出デバイスが、シングルピストン押出機構、単軸押出機構、二軸押出機構、円錐形二軸押出機構、又はそれらの任意の組み合わせを備える、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記加圧デバイスが、ピストン押出機構、単軸押出機構、スクリューポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項57】
前記材料供給モジュールが、前記溶融された印刷材料の温度を検出するための1つ以上の温度センサを備える、請求項43~56のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項58】
前記溶融された印刷材料の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサを前記流量分布プレート又は前記印刷ヘッドの入口に更に備える、請求項43~57のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項59】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、前記マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の最上部ねじセグメントに基づいて位置合わせされる、請求項43~58のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項60】
前記1つ以上の回転モータが、複数の回転モータを備え、前記複数の回転モータの各々が、前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのそれぞれのマイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている、請求項43~59のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項61】
前記1つ以上の回転モータが、前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューの回転速度を同時に制御するように構成されている単一回転モータを備える、請求項43~60のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項62】
前記アクチュエータが、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータを含む、請求項43~61のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項63】
前記1つ以上のアクチュエータが、複数の電気モータを備え、前記複数の電気モータの各々が、それぞれのマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに/又はそれぞれのマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている、請求項43~62のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項64】
前記1つ以上の電気モータが、前記複数のマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに前記複数のマイクロスクリューの走行変位を、プッシュプレート機構を介して同時に制御するように構成されている単一の電気モータを備える、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記プッシュプレート機構が、スライディングプレート、プッシュプレート、及びカム機構を含む、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記カム機構が、前記スライディングプレートの水平方向の移動を前記プッシュプレートの垂直方向の移動に変換するように構成されている、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記駆動モジュールが、前記1つ以上のアクチュエータ及び前記1つ以上の回転モータを独立して制御するように構成されている、請求項43~66のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項68】
前記駆動モジュールは、前記1つ以上のアクチュエータ及び前記1つ以上の回転モータの複合制御を行なう、請求項43~67のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項69】
前記1つ以上の回転モータ及び前記1つ以上のアクチュエータのうちの少なくとも1つが、ステッピングモータである、請求項43~68のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項70】
結合に使用されるクロスコネクタ又はカルダンシャフトを更に備える、請求項43~69のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項71】
前記流量分布モジュールがベースプレートを備え、前記流量分布プレート及び前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが前記ベースプレート内に配置される、請求項43~70のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項72】
前記流量分布プレートが、上部プレート及び下部プレートを備える、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記ベースプレート及び前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドの前記スリーブが一体化されている、請求項71に記載のシステム。
【請求項74】
前記流量分布プレートの外側に温度制御システムを更に備え、前記温度制御システムが、加熱デバイス及び冷却デバイスを備える、請求項43~73のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項75】
前記流量分布プレートの入口が、シーリング機構を備える、請求項43~74のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項76】
マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、シーリング機構を備える、請求項43~75のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項77】
前記シーリング機構がシーリングリングである、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、自然平衡レイアウト又はレオロジー平衡レイアウトに配置されている、請求項43~77のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項79】
前記流量分布プレートが、前記単一の流れを4つの流れ又は8つの流れに分割するように構成されている、請求項43~78のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項80】
前記流量分布プレートが、1つ以上の1対4又は1対8サブプレートを介して前記単一流れを16個の流れ又は32個の流れに分割するように構成されている、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記流量分布プレートが、前記単一の流れを、レオロジー平衡レイアウトを介して、3つの流れ、5つの流れ、又は7つの流れに分割するように構成されている、請求項43~80のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項82】
前記印刷材料が、前記材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される、請求項43~81のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項83】
前記印刷材料が、前記ノズルによって50℃~400℃で吐出される、請求項43~82のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項84】
前記印刷材料が非フィラメント状材料であり、前記ノズルによって吐出されたときの前記印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、請求項43~83のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項85】
前記印刷材料が、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む、請求項43~84のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項86】
印刷プラットフォームと、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて、前記印刷プラットフォームを移動させるためのコントローラとを更に備える、請求項43~85のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項87】
複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造方法であって、前記複数の各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、
ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備えるマイクロスクリューと、
ノズルであって、前記ノズルの遠位端が、円錐形内面、及び前記印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、
前記方法が、
流量分布プレートを介して、溶融され加圧された印刷材料の単一の流れを複数の流れに分配することと、
前記複数の流れの各々を前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューヘッドに到達させることと、
各マイクロスクリュー印刷ヘッドにおいて、
前記マイクロスクリューを上昇させて、前記ノズルの前記出口ポートを開くことと、
前記マイクロスクリューを回転させて、前記マイクロスクリューの前記ねじ付きステム部分の溝に前記それぞれの流れを導入することであって、前記溶融され加圧された印刷材料が、前記ノズルの前記遠位端に向かって流れるように構成されている、導入することと、
前記ノズルの前記円錐形内面が前記マイクロスクリューの前記円錐形ヘッド部分と接触して前記出口ポートを閉じ、前記ノズルにおける前記印刷材料の吐出を停止するように、前記マイクロスクリューを下降させることと、を含む、方法。
【請求項88】
前記印刷材料を溶融し加圧することを更に含む、請求項87に記載の方法。
【請求項89】
電気モータが、前記複数のマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに前記複数のマイクロスクリューの走行変位を、プッシュプレート機構を介して同時に制御するように構成されている、請求項87又は88に記載の方法。
【請求項90】
複数の電気モータの各々が、それぞれのマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びにそれぞれのマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている、請求項87~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
複数の回転モータの各々が、モータアダプタシャフトを介してそれぞれのマイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている、請求項87~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
単一回転モータが、1つ以上の歯車及びベルトを介して前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューの回転速度を同時に制御するように構成されている、請求項87~91のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項93】
アクチュエータ及び回転モータが、前記マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている、請求項87~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記マイクロスクリューの回転速度を低下させながら、前記マイクロスクリューを下降させて前記出口ポートを閉じることを更に含む、請求項87~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記マイクロスクリューを回転させることが、前記マイクロスクリューを第1の方向に回転させることを含み、前記方法が、
前記マイクロスクリューを下降させて前記出口ポートを閉じる前に、前記マイクロスクリューを前記第1の方向と反対方向に回転させて、前記ノズルの前記遠位端からある量の前記印刷材料を除去することを含む、請求項87~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
印刷プラットフォームの移動及び前記ノズルによって吐出される前記印刷材料の量を調整することを更に含む、請求項87~95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
ラダースキームに従って前記印刷材料を加熱することを更に含み、
前記印刷材料が、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、
前記印刷材料が、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、
前記印刷材料が、各ノズルにおいて第3の温度まで加熱される、請求項87~96のいずれか一項に記載の方法。
【請求項98】
前記第1の温度が50℃であり、前記第2の温度が70℃であり、前記第3の温度が105℃である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口、又は前記流量分布プレートにおける前記印刷材料の前記圧力を測定することと、閉ループ制御システムを介して前記印刷材料の前記圧力を制御することと、を更に含む、請求項87~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記印刷材料が非フィラメント状材料であり、前記ノズルによって吐出されたときの前記印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、請求項87~99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、医薬投与単位を製造するように構成されている、請求項87~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
付加製造システムであって、
第1の印刷ステーションであって、
第1の印刷材料を溶融し加圧するための第1の材料供給モジュールと、
前記溶融され加圧された第1の印刷材料の単一の流れを第1の複数の流れに均等に分割する第1の流量分布モジュールと、
前記第1の複数の流れを吐出するように構成されているニードル弁印刷ヘッドのセットを備える第1の印刷モジュールと、を備える第1の印刷ステーションと、
第2の印刷ステーションであって、
第2の印刷材料を溶融し加圧するための第2の材料供給モジュールと、
前記溶融され加圧された第2の印刷材料の単一の流れを第2の複数の流れに均等に分割する第2の流量分布モジュールと、
前記第2の複数の流れを吐出するように構成されているマイクロスクリュー印刷ヘッドのセットを備える第2の印刷モジュールと、を備える、第2の印刷ステーションと、を備える、システム。
【請求項103】
前記第1の印刷ステーション及び前記第2のステーションが、製品の同じバッチを印刷するように構成されている、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記第1の印刷モジュール及び前記第2の印刷モジュールの各々が、異なる数の印刷ヘッドを収容するように延長可能であるように構成されている、請求項102又は103に記載のシステム。
【請求項105】
前記第1及び第2の印刷ステーションの各々が、異なるタイプの印刷モジュールを収容するように延長可能であるように構成されている、請求項102~104のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項106】
液滴放出印刷ヘッドのセット、インジェクション印刷ヘッドのセット、インクジェット印刷ヘッドのセット、又はそれらの任意の組み合わせを更に含む、請求項102~105のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項107】
方法30~42のいずれか1つの方法によって、付加製造システムの1つ以上のマイクロスクリュー印刷ヘッドを使用して調製された複数の医薬錠剤。
【請求項108】
前記複数の医薬錠剤のうちで、重量が300mg未満の全ての医薬錠剤が、相対偏差が±7.5%以下である、請求項107に記載の複数の医薬錠剤。
【請求項109】
前記複数の医薬錠剤のうちで、重量が300mg以上である全ての医薬錠剤が、相対偏差が±5%以下である、請求項107に記載の複数の医薬錠剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、付加製造技術に関し、より具体的には、高スループット及び高精度3D印刷技術に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造は、三次元印刷(「3D印刷」)とも呼ばれ、材料を接合又は固化して三次元物体を製造するプロセスが関与するラピッドプロトタイピング技術である。具体的には、材料が、デジタルモデルに基づいて、通常は層ごとに、一緒に付加される(液体分子又は粉末粒子が一緒に融合されるなど)。コンピュータシステムが、付加製造システムを動作させて、所望の形状が形成されるまで、材料の流れ及び印刷ノズルの移動を制御する。現在、3D印刷技術には、光硬化手法、粉末結合手法、及び溶解堆積モデリング(FDM)手法が含まれる。
【0003】
印刷ねじを使用する既存の付加製造システムには、いくつかの欠点がある。既存のシステムの多くは、正確で瞬時の開閉機構を備えていない。例えば、印刷ねじが回転を停止しても、依然として少量の印刷材料が吐出/漏出されることがある。そのため、特に印刷セッションの開始時と終了時に、吐出される印刷材料の量を正確に制御することができない。
【0004】
更に、多くの既存のシステムの印刷ねじは比較的大きく(例えば、センチメートルのスケールの直径)、印刷材料の流れを正確に制御及び追跡することが困難であるため、これらの印刷ねじは、小さく複雑な対象の印刷には適していない。これらのシステムの印刷ねじは、印刷材料を導入するように構成されているセクション、印刷材料を加圧するように構成されているセクション、及び吐出された印刷材料の体積を測定するように構成されているセクション(すなわち、計量)の3つのセクションを有する。複数のセクションが、複数の用途向けに設計されているので、印刷ねじのサイズを縮小することは困難である。
【0005】
更に、多くの既存のシステムの印刷ねじは、対応するノズルとうまく一致するように設計されておらず、ノズルを閉じたときでもノズル内に空間が残る。その結果、各印刷セッションの後、印刷材料の残留物が空間内に残され、したがって、現在及び将来の印刷セッションについての体積追跡に影響を与えることがある。
【0006】
したがって、長期にわたって高いスループットを維持しつつ、比較的小さく、込み入った、複雑な対象を正確に、精密に、かつ費用効率的に印刷することのできる3D印刷のシステム及び方法が必要である。複数の3Dプリンタの動作を調和させて、製品のバッチを印刷することができるシステムも必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
例示的な付加製造システムが、印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、マイクロスクリュー印刷ヘッドであって、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、ねじ付きステム部分に、体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、スリーブと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、ノズルの円錐形内面が、マイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触してノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように構成されている、ノズルとを備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、駆動モジュールであって、マイクロスクリューの回転運動を駆動するための回転モータと、マイクロスクリューの垂直運動を駆動するためのアクチュエータ(例えば、電気モータ)と、を備える、駆動モジュールと、を備える。
【0008】
いくつかの実施形態では、システムが、スリーブとノズルとの間にz軸位置決めシーリングリングを更に備え、z軸位置決めシーリングリングが、ノズルの垂直位置を調整するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドが、加熱スリーブ又は温度センサを更に備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドが、断熱スリーブを更に備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、ノズルの円錐形内面によって形成される第2のテーパ角以下である。
【0012】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、60°以下である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2のテーパ角と第1のテーパ角との比が、1:1~4:1に等しいか若しくは1:1~4:1であるか、1:1~3:1に等しいか若しくは1:1~3:1であるか、又は1:1~2:1に等しいか若しくは1:1~2:1である。
【0014】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、円錐台形又は切頭円錐形である。
【0015】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、1つ以上のマッチングパターンを介してノズルの円錐形内面に嵌るように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の長さが、10~80mmに等しいか、又は10~80mmである。
【0017】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の直径が、1~10mmに等しいか、又は1~10mmである。
【0018】
いくつかの実施形態では、直径が、3mm、3.5mm、3.6mm、4mm、又は4.5mm、4.6mmである。
【0019】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールが、印刷材料を溶融させるための押出デバイスと、加圧デバイスと、を備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、押出デバイスが、シングルピストン押出機構、単軸押出機構、二軸押出機構、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、加圧デバイスが、ピストン押出機構、単軸押出機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールが、溶融された印刷材料の温度を検出するための1つ以上の温度センサを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、システムは、溶融された印刷材料の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサをフローチャネル又はマイクロスクリュー印刷ヘッドの入口に更に備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の最上部ねじセグメントに基づいて位置合わせされる。
【0025】
いくつかの実施形態では、システムが、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口に入口シーリングリングを更に備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、駆動モジュールが、アクチュエータ及び回転モータを独立して制御するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、駆動モジュールが、アクチュエータ及び回転モータの複合制御を行なうように構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態では、アクチュエータが、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、電気モータが、マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度及び/又はマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、回転モータが、マイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、システムが、結合に使用されるクロスコネクタ又はカルダンシャフトを更に備える。
【0032】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される。
【0033】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、ノズルによって50℃~400℃で吐出される。
【0034】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、非フィラメント状材料であり、印刷材料がノズルによって吐出されたときの粘度が800Pa・s以上である。
【0035】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、システムが、印刷プラットフォームと、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて印刷プラットフォームを移動させるためのコントローラとを更に備える。
【0037】
マイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造の例示的な方法であって、マイクロスクリュー印刷ヘッドが、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備えるマイクロスクリューと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備える、ノズルと、を備える、方法が、マイクロスクリューを上昇させてノズルの出口ポートを開くことと、マイクロスクリューを回転させて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の溝に、溶融され加圧された印刷材料を導入することであって、溶融され加圧された印刷材料が、ノズルの遠位端に向かって流れるように構成されている、導入することと、ノズルの円錐形内面がマイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触して出口ポートを閉じ、ノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように、マイクロスクリューを下降させることと、を含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、方法が、印刷材料を溶融し加圧することを更に含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法が、アクチュエータ(例えば、電気モータ)を介して、マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度及び/又はマイクロスクリューの走行変位を調整することを更に含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、方法が、回転モータを介して、マイクロスクリューの回転速度を調整して、吐出されている印刷材料の体積を制御することを更に含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ(例えば、電気モータ)及び回転モータが、マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法が、マイクロスクリューの回転速度を低下させながら、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じることを更に含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューを回転させることが、マイクロスクリューを第1の方向に回転させることを含み、方法が、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じる前に、マイクロスクリューを第1の方向と反対方向に回転させて、ノズルの遠位端からある量の印刷材料を除去することを更に含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法が、印刷プラットフォームの移動及びノズルによって吐出される印刷材料の量を調和させることを更に含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法が、ラダースキームに従って印刷材料を加熱することを更に含み、印刷材料が、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、印刷材料が、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、印刷材料が、ノズルにおいて第3の温度まで加熱される。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の温度が50℃であり、第2の温度が70℃であり、第3の温度が105℃である。
【0047】
いくつかの実施形態では、方法が、フローチャネル又はマイクロスクリュー印刷ヘッドの入口において印刷材料の圧力を測定することと、閉ループ制御システムを介して印刷材料の圧力を制御することとを更に含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、非フィラメント状材料であり、印刷材料がノズルによって吐出されたときの粘度が800Pa・s以上である。
【0049】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューは、薬学的投与単位を製造するように制御される。
【0050】
例示的な付加製造システムが、印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、流量分布プレートを備える流量分布モジュールであって、流量分布プレートが、溶融され加圧された印刷材料の単一の流れを複数の流れに均等に分割するための複数のチャネルを備える、流量分布モジュールと、複数の流れを吐出するように構成されている複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドであって、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドの各々が、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、ねじ付きステム部分に、体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、スリーブと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、ノズルの円錐形内面が、それぞれのマイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触してノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように構成されている、ノズルと、を備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、駆動モジュールであって、複数のマイクロスクリューの回転運動を駆動するための1つ以上の回転モータと、複数のマイクロスクリューの垂直運動を駆動するための1つ以上のアクチュエータ(例えば、電気モータ)と、を備える、駆動モジュールと、を備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、スリーブとノズルとの間にz軸位置決めシーリングリングを更に含み、z軸位置決めシーリングリングが、ノズルの垂直位置を調整するように構成されている。
【0052】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、加熱スリーブ又は温度センサを更に備える。
【0053】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、断熱スリーブを更に備える。
【0054】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、ノズルの円錐形内面によって形成される第2のテーパ角以下である。
【0055】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角度が、60°以下である。
【0056】
いくつかの実施形態では、第2のテーパ角と第1のテーパ角との比が、1:1~4:1に等しいか若しくは1:1~4:1であるか、1:1~3:1に等しいか若しくは1:1~3:1であるか、又は1:1~2:1に等しいか若しくは1:1~2:1である。
【0057】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、円錐台形又は切頭円錐形である。
【0058】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、1つ以上のマッチングパターンを介してノズルの円錐形内面に嵌るように構成されている。
【0059】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の長さが、10~80mmに等しいか、又は10~80mmである。
【0060】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の直径が、1~10mmに等しいか、又は1~10mmである。
【0061】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールが、印刷材料を溶融させるための押出デバイスと、加圧デバイスと、を備える。
【0062】
いくつかの実施形態では、押出デバイスが、シングルピストン押出機構、単軸押出機構、ツインスクリュー押出機構、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、加圧デバイスが、ピストン押出機構、単軸押出機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュールが、溶融された印刷材料の温度を検出するための1つ以上の温度センサを備える。
【0065】
いくつかの実施形態では、システムは、溶融された印刷材料の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサを印刷ヘッドの流量分布プレート又は入口に更に備える。
【0066】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の最上部ねじセグメントに基づいて位置合わせされる。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上の回転モータが、複数の回転モータを備え、複数の回転モータの各々が、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのそれぞれのマイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ以上の回転モータが、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューの回転速度を同時に制御するように構成されている単一の回転モータを備える。
【0069】
いくつかの実施形態では、アクチュエータが、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つ以上のアクチュエータが、複数の電気モータを備え、複数の電気モータの各々が、それぞれのマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに/又はそれぞれのマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている。
【0071】
いくつかの実施形態では、1つ以上の電気モータが、複数のマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに複数のマイクロスクリューの走行変位を、プッシュプレート機構を介してプッシュプレート機構を介して同時に制御するように構成されている単一の電気モータを備える。
【0072】
いくつかの実施形態では、プッシュプレート機構は、スライディングプレート、プッシュプレート、及びカム機構を含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、カム機構が、スライディングプレートの水平移動をプッシュプレートの垂直移動に変換するように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、駆動モジュールが、1つ以上のアクチュエータ及び1つ以上の回転モータを独立して制御するように構成されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、駆動モジュールが、1つ以上のアクチュエータ及び1つ以上の回転モータの複合制御を行なう。
【0076】
いくつかの実施形態では、1つ以上の回転モータ及び1つ以上のアクチュエータのうちの少なくとも1つがステッピングモータである。
【0077】
いくつかの実施形態では、システムが、結合に使用されるクロスコネクタ又はカルダンシャフトを更に備える。
【0078】
いくつかの実施形態では、流量分布モジュールが、ベースプレートを備え、流量分布プレート及び複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、ベースプレート内に配置される。
【0079】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートが、上部プレート及び下部プレートを備える。
【0080】
いくつかの実施形態では、ベースプレート及び複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのスリーブが一体化されている。
【0081】
いくつかの実施形態では、システムが、流量分布プレートの外部に温度制御システムを更に含み、温度制御システムが、加熱デバイス及び冷却デバイスを備える。
【0082】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートの入口が、シーリング機構を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、シーリング機構を含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、シーリング機構が、シーリングリングである。
【0085】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、自然平衡レイアウト又はレオロジー平衡レイアウトに配置されている。
【0086】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートが、単一の流れを4つの流れ又は8つの流れに分割するように構成されている。
【0087】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートが、単一の流れを1つ以上の1対4又は1対8サブプレートを介して16個の流れ又は32個の流れに分割するように構成されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートは、レオロジー平衡レイアウトを介して単一の流れを3つの流れ、5つの流れ、又は7つの流れに分割するように構成されている。
【0089】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される。
【0090】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、ノズルによって50℃~400℃で吐出される。
【0091】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、非フィラメント状材料であり、印刷材料がノズルによって吐出されたときの粘度が800Pa・s以上である。
【0092】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、システムが、印刷プラットフォームと、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて印刷プラットフォームを移動させるためのコントローラとを更に備える。
【0094】
複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造の例示的な方法であって、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドの各々が、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備えるマイクロスクリューと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備える、ノズルと、を備える、方法が、流量分布プレートを介して溶融され加圧された印刷材料の単一の流れを複数の流れに分配することと、複数の流れの各々を、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューヘッドに到達させることと、各マイクロスクリュー印刷ヘッドにおいて、マイクロスクリューを上昇させて、ノズルの出口ポートを開くことと、マイクロスクリューを回転させて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の溝にそれぞれの流れを導入することであって、溶融され加圧された印刷材料が、ノズルの遠位端に向かって流れるように構成されている、導入することと、ノズルの円錐形内面が円錐形ヘッド部分と接触して出口ポートを閉じ、ノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように、マイクロスクリューを下降させることと、を含む。
【0095】
いくつかの実施形態では、方法が、印刷材料を溶融及び圧縮することを更に含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、電気モータが、複数のマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに複数のマイクロスクリューの走行変位を、プッシュプレート機構を介して同時に制御するように構成されている。
【0097】
いくつかの実施形態では、複数の電気モータの各々が、それぞれのマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度、及びそれぞれのマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている。
【0098】
いくつかの実施形態では、複数の回転モータの各々が、モータアダプタシャフトを介してそれぞれのマイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている。
【0099】
いくつかの実施形態では、単一の回転モータが、1つ以上の歯車及びベルトを介して複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューの回転速度を同時に制御するように構成されている。
【0100】
いくつかの実施形態では、アクチュエータ及び回転モータが、マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている。
【0101】
いくつかの実施形態では、方法が、マイクロスクリューの回転速度を低下させながら、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じることを更に含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューを回転させることが、マイクロスクリューを第1の方向に回転させることを含み、方法が、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じる前に、マイクロスクリューを第1の方向と反対方向に回転させて、ノズルの遠位端からある量の印刷材料を除去することを更に含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、方法が、印刷プラットフォームの移動及びノズルによって吐出される印刷材料の量を調和させることを更に含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、方法が、ラダースキームに従って印刷材料を加熱することであって、印刷材料が、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、印刷材料が、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、印刷材料が、各ノズルにおいて第3の温度まで加熱される、加熱することを更に含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、第1の温度が50℃であり、第2の温度が70℃であり、第3の温度が105℃である。
【0106】
いくつかの実施形態では、方法が、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口又は流量分布プレートにおいて印刷材料の圧力を測定することと、閉ループ制御システムを介して印刷材料の圧力を制御することとを更に含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、印刷材料が、非フィラメント状材料であり、印刷材料がノズルによって吐出されたときの粘度が800Pa・s以上である。
【0108】
いくつかの実施形態では、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、医薬投与単位を製造するように構成されている。
【0109】
例示的な付加製造システムが、第1の印刷ステーションであって、第1の印刷材料を溶融し加圧するための第1の材料供給モジュールと、溶融され加圧された第1の印刷材料の単一の流れを第1の複数の流れに均等に分割するように構成されている第1の流量分布モジュールと、第1の複数の流れを吐出するように構成されているニードル弁印刷ヘッドのセットを備える第1の印刷モジュールと、を備える、第1の印刷ステーションと、第2の印刷ステーションであって、第2の印刷材料を溶融し加圧するための第2の材料供給モジュールと、溶融され加圧された第2の印刷材料の単一の流れを第2の複数の流れに均等に分割するように構成されている第2の流量分布モジュールと、第2の複数の流れを吐出するように構成されているマイクロスクリュー印刷ヘッドのセットを備える第2の印刷モジュールと、を備える、第2の印刷ステーションと、を備える。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1の印刷ステーション及び第2の印刷ステーションが、製品の同じバッチを印刷するように構成されている。
【0111】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の印刷モジュールの各々が、異なる数の印刷ヘッドを収容するように延長可能であるように構成されている。
【0112】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の印刷ステーションの各々が、異なるタイプの印刷モジュールを収容するように延長可能であるように構成されている。
【0113】
いくつかの実施形態では、システムが、液滴放出印刷ヘッドのセット、インジェクション印刷ヘッドのセット、インクジェット印刷ヘッドのセット、又はそれらの任意の組み合わせを更に含む。
【0114】
いくつかの実施形態では、複数の医薬錠剤が、本明細書に記載の方法のいずれか1つによって、付加製造システムの1つ以上のマイクロスクリュー印刷ヘッドを使用して調製される。いくつかの実施形態では、複数の医薬錠剤のうちで、重量が300mg以下の全ての医薬錠剤が、相対偏差が±7.5%以下である。いくつかの実施形態では、複数の医薬錠剤のうちで、重量が300mg以上である全ての医薬錠剤が、相対偏差が±5%以下である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
種々の記載された実施形態のより良い理解のために、同様の参照番号が図面全体にわたって対応する部分を指す以下の図面と併せて、以下の実施形態の説明を参照すべきである。
【0116】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの概略図を示す。
【
図1B】いくつかの実施形態による、印刷ヘッドの2つの例示的なセットの概略図を示す。
【
図1C】いくつかの実施形態による、流量分布プレート内のチャネルの例示的な構成を示す。
【
図2A】いくつかの実施形態による、印刷ヘッドの例示的なセットの概略図を示す。
【
図2B】いくつかの実施形態による、セット200の上面図を示す。
【
図2C】いくつかの実施形態による、8つの印刷ヘッドのセットの断面図を示す。
【
図2D】いくつかの実施形態による、8つの印刷ヘッドのセットの断面図を示す。
【
図2E】いくつかの実施形態による、単一の印刷ヘッドの断面図を示す。
【
図2F】いくつかの実施形態による、4つの印刷ヘッドの断面図を示す。
【
図3A】いくつかの実施形態による、2つのマイクロスクリュー印刷ヘッドA及びBの例示的な断面図を示す。
【
図3B】いくつかの実施形態による、例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。
【
図3C】いくつかの実施形態による、別の例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。
【
図3D】いくつかの実施形態による、例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態による、3D印刷のための例示的な方法を示す。
【
図5A】いくつかの実施形態による、医薬単位用の標準化されたマルチステーション印刷システムの例示的なレイアウトを示す。
【
図5B】いくつかの実施形態による、例示的なマルチステーションシステム800の部分側面図を示す。
【
図6】いくつかの実施形態による、例示的な電子デバイスを示す。
【
図7A】いくつかの実施形態による、32個の印刷ヘッドの例示的なレイアウトを示す。
【
図7B】いくつかの実施形態による、32個の印刷ヘッドの例示的なレイアウトを示す。
【
図7C】いくつかの実施形態による、32個の印刷ヘッドの例示的なレイアウトを示す。
【
図8A】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。
【
図8B】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。
【
図8C】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。
【
図9】いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの概略図を示す。
【
図10】いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの例示的な出力を示す。
【
図11】いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの例示的な出力を示す。
【
図12A】いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)を示す。
【
図12B】いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)の断面図を示している。
【
図13A】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。
【
図13B】いくつかの実施形態による、プッシュプレート機構の断面図を提示する。
【
図13C】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。
【
図13D】いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。
【
図14A】いくつかの実施形態による、例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。
【
図14B】いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0117】
本明細書では、長期にわたって高いスループットを維持しながら、対象を正確に、精密に、かつ費用効率的に付加製造(例えば、3D印刷)するための装置、デバイス、システム、方法、及び非一時的記憶媒体について説明する。本開示の実施形態は、医薬投与単位(例えば、錠剤カプレット、プリントレット)、医療デバイス、埋め込みステントなどの比較的小さく、コンパクトで、及び/又は複雑な対象の印刷に適している。
【0118】
いくつかの実施形態では、例示的な印刷システムは、1つ以上のマイクロスクリュー印刷ヘッドを含む。各マイクロスクリュー印刷ヘッドは、印刷プロセス全体にわたって(例えば、材料が導入されたときから材料が吐出されるときまで)印刷材料(例えば、加圧され溶融された印刷材料)を正確に制御することを可能にする。例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドは、ステム部分と円錐形ヘッド部分とを含むマイクロスクリューを備えることができ、ステム部分は、体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている。マイクロスクリュー印刷ヘッドは、ノズルを更に備えることができ、ノズルの遠位端は、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備える。印刷中、印刷材料は、ステム部のねじ山によって形成される溝を通ってノズルに到達することができる。マイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるとき、ノズルの円錐形内面は、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触して、ノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように構成することができる。いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるとき、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分は、ノズル内に空間がないか、又は非常に少なく、したがって、ノズル内の残留物の量が少なくなる。
【0119】
いくつかの実施形態では、印刷システムは、マイクロスクリューの回転運動を駆動するための1つ以上の回転モータ(例えば、ブラシレスDCモータ、ステッピングモータ、サーボモータ)と、マイクロスクリューの垂直運動を駆動するための1つ以上のアクチュエータ(例えば、ステッピングモータ、サーボモータ)とを更に備える。アクチュエータは、ノズルを開閉し、マイクロスクリューの速度、加速度、及び走行変位を制御することができ(これによって、ノズルを完全に開くか、完全に閉じるか、又は任意の量の部分的な開口を有させることができる)、一方、回転モータは、吐出される印刷材料の速度/量を制御することができる。いくつかの実施形態では、回転モータ及びアクチュエータは、マイクロスクリューが回転及び垂直方向への移動を同時に行うか、回転のみを行なうか、又は垂直方向への移動のみを行うことができるように制御することができる。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、印刷システムは、印刷材料の単一の流れを複数の流れに分割するための流量分布モジュールを利用する。複数の流れは、精密に制御されて複数のノズルによって吐出されて、製品のバッチ(例えば、薬学的投与単位)を3D印刷し、したがって、高いスループットを維持しながら、単一のバッチにおける単位及び複数のバッチにわたる単位間の一貫性を実現する。
【0121】
更に、印刷システムは、医薬投与単位を付加製造(例えば、3D印刷)するための環境(例えば、恒温オーブンなどの閉鎖環境、印刷プラットフォームなどの開放環境)を備える。複数の閉ループ制御システムを使用して、製造プロセスの複数の段階での環境内の温度、圧力、流量、重量、体積、及び他の関連パラメータを制御する。特に、ノズルの出力間の一貫性を確保するために、ノズルの開口を精密に調整するための制御システム及び方法が実装されている。いくつかの実施形態では、単位重量の非一貫性(すなわち、同じバッチ内の単位の重量間の非一貫性)は、10%より小さい(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、9.5%、10%)。いくつかの実施形態では、バッチ重量の非一貫性(すなわち、バッチの重量間の非一貫性)は、10%より小さい(例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、9.5%、10%)。
【0122】
異なるタイプの印刷材料と必要な組成とに基づいて、システムは、制御パラメータを調整することができる。このように、印刷システムを使用して、様々な高品質の製品を製造することができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、材料は非フィラメント状(例えば、粉末、ペレット、又は液体)である。いくつかの実施形態では、材料がシステムから吐出されたときの粘度は0.01~10000Pa・sである。例えば、材料がデバイスから吐出されたときの粘度は約100Pa・s以上である。いくつかの実施形態では、材料がデバイスから吐出されたときの粘度は約400Pa・s以上である。いくつかの実施形態では、材料がデバイスから吐出されたときの粘度が約800Pa・s以上である。いくつかの実施形態では、材料は約50℃~約400℃で溶融する。いくつかの実施形態では、材料は、約50℃~約400℃の温度でノズルから吐出される。いくつかの実施形態では、材料は、約90℃~約300℃の温度でノズルから吐出される。
【0124】
いくつかの実施形態では、印刷システムは、複数の印刷ステーションを備える。各印刷ステーションを使用して、製品のバッチの一部(例えば、シェル、下半分、頂部、上半分)を印刷することができる。いくつかの実施形態では、複数の印刷ステーションを並行して動作させることができ、それによって、製品の複数のバッチを同時に印刷することができる。いくつかの実施形態では、異なる印刷ステーションは、異なるタイプの印刷ヘッド(例えば、ニードル弁印刷ヘッド、マイクロスクリュー印刷ヘッド)を含むことができる。印刷ヘッドのタイプは、吐出される印刷材料のタイプに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、マルチステーションシステムは、洗浄及び維持が容易であり、したがって、製品の規格化生産の要件に準拠している。
【0125】
以下の説明は、当業者が様々な実施形態を作成及び使用することができるようにするために提示されている。特定のデバイス、手法、及び用途の説明は、例としてのみ提供されている。本明細書で説明する例に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般原理は、様々な実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の例及び用途に適用されてもよい。したがって、様々な実施形態は、本明細書に説明され示される例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲と一致する範囲を与えられるべきである。
【0126】
以下の説明では、例示的な方法、パラメータなどについて説明する。しかしながら、そのような説明は、本開示の範囲の限定として意図されるのではなく、代わりに例示的な実施形態の説明として提供されることを理解されたい。
【0127】
以下の説明では、「第1」、「第2」などの用語を使用して様々な要素を説明するが、これらの要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、説明する様々な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1のグラフィック表現を第2のグラフィック表現と呼んでもよく、同様に、第2のグラフィック表現を第1のグラフィック表現と呼んでもよい。第1のグラフィック表現及び第2のグラフィック表現は両方ともグラフィック表現であるが、同じグラフィック表現ではない。
【0128】
本明細書で説明する様々な実施形態の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定することを意図するものではない。説明する様々な実施形態及び添付の特許請求の範囲の説明で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそれ以外を示さない限り、複数形も含むことを意図するものである。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、関連するリストされたアイテムのうちの1つ以上の任意及び全ての可能な組み合わせを指し、それを包含することも理解されよう。本明細書で使用される場合、「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」、及び/又は「備える(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を規定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解されよう。
【0129】
「~場合(if)」という用語は、文脈に応じて、任意選択的に、「~とき(when)」又は「~されると(upon)」又は「判定に応答して」又は「検出に応答して」を意味すると解釈される。同様に、「判定された場合」又は「[記載された状態又はイベント]が検出された場合」という表現は、文脈に応じて、任意選択的に、「判定されると」又は「判定に応答して」又は「[記載された状態又はイベント]が検出されると」又は「[記載された状態又はイベント」の検出に応答して」を意味すると解釈される。
【0130】
図1Aは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)100の概略図を示している。システム100は、印刷材料のセットを32個の印刷ヘッドに搬送(例えば、連続的に搬送)するための材料供給モジュール102を備える。いくつかの実施形態では、32個の印刷ヘッドのうちのいくつか又は全ては、本明細書で詳細に説明するマイクロスクリュー印刷ヘッドである。
【0131】
材料供給モジュール102は、印刷材料を、供給チャネル104を介して搬送する前に印刷材料のセットを前処理するように構成されている。いくつかの実施形態では、前処理は、所定の設定(例えば、目標温度範囲の設定、目標圧力範囲の設定)に基づいて印刷材料を溶融し加圧することを含む。次いで、前処理された材料は、供給チャネル104を介して搬送される。いくつかの実施形態では、印刷材料の連続的な流れが、供給チャネル104を介して供給される。いくつかの実施形態では、材料供給モジュール102は、連続的に印刷材料を前処理することができる。例えば、システムが動作している間、印刷材料を(例えば、一定又は実質的に一定の速度で)材料供給モジュールに連続的に導入し前処理することができる。いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、後述のように、印刷ヘッドがいかなる印刷材料も吐出していないとき(例えば、印刷ヘッドの下方で印刷ステーションを入れ替えるとき)に、溶融され加圧された印刷材料を保持することができる緩衝機構(例えば、緩衝ピストン)を備える。
【0132】
いくつかの実施形態では、材料供給モジュール102は、印刷材料を溶融するように構成されている1つ以上のヒータ(例えば、加熱コイル又は加熱ジャケット)を備える。いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、材料供給モジュール102内の溶融された印刷材料の温度を検出するように構成されている1つ以上の温度センサを備える。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度センサは、1つ以上の温度センサによって報告された温度に応答して1つ以上のヒータを動作させるコンピュータシステムに接続されている。
【0133】
いくつかの実施形態では、システム内の1つ以上のヒータは、システム内の材料を、材料の溶融温度以上の温度まで加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、約70℃以上、80℃以上、100℃以上、120℃以上、150℃以上、200℃以上、又は250℃以上など、約60℃以上の温度まで加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、約260℃以下、200℃以下、150℃以下、100℃以下、又は80℃以下など、約300℃以下の温度まで加熱する。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、材料を、デバイスの異なる場所で異なる温度に加熱する。例えば、いくつかの実施形態では、材料は、バレル内で第1の温度まで加熱され、給送チャネル内で第2の温度まで加熱され、及びノズル内で第3の温度まで加熱され、これらは、各々、同じ温度であり得るか又は異なる温度であり得る。いくつかの実施形態では、ノズルにおける材料の温度は、給送チャネル及び流量分布プレート内のチャネルより、例えば、0~10℃又は0~20℃高い。例として、材料はバレル及び給送チャネル内で140℃に加熱され得るが、ノズル内では160℃に加熱され得る。フィードバック制御システムにより、高精度の温度が可能になる。いくつかの実施形態では、温度は、目標温度の0.1℃以内、目標温度の0.2℃以内、目標温度の0.5℃以内、目標温度の1℃以内、又は目標温度の10℃以内に制御される。
【0134】
本明細書に説明される温度センサは、熱電対センサ(例えば、タイプJ、タイプK)又は抵抗温度計を含むことができる。いくつかの実施形態では、温度センサは、200℃未満の温度を測定するように構成されている。本明細書で説明する圧力センサは、ピエゾ抵抗タイプのトランスデューサ又はひずみゲージセンサを含む。いくつかの実施形態では、小範囲ひずみゲージセンサが使用される。温度又は圧力センサの場所(例えば、材料供給モジュール、流量分布プレート、又はノズル内又はそれに近接する場所)に応じて、異なるタイプのセンサを使用することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、1つ以上の圧力センサが、材料供給モジュールを動作させて、圧力センサによって報告された圧力に応答して印刷材料を所望の圧力に加圧するコンピュータシステムに接続されている。いくつかの実施形態では、印刷の圧力は、所望の圧力の約0.05MPa以内である。いくつかの実施形態では、材料供給モジュールは、ピストン機構、ねじ機構(一軸ねじ、二軸ねじ、3ねじ、4ねじ、5ねじ、8ねじ)、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、シングルピストン機構、単軸機構、二軸機構、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、材料供給モジュールの加圧デバイスは、ピストン機構、ねじ機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定値ポンプ機構)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、システムは、(例えば、流量分布プレート又はノズル内の圧力センサからの)圧力読取値に基づいて、材料供給モジュール(例えば、ねじ機構の回転速度)を調整して、目標圧力を実現し維持する圧力閉ループ制御システムを備える。いくつかの実施形態では、複数の圧力センサからの圧力読取値の平均が使用される。
【0137】
いくつかの実施形態では、圧力センサは、ノズル内又はノズルに近接する給送チャネル内の材料の圧力を検出するように構成されている。いくつかの実施形態では、圧力センサは、ノズル内に位置決めされるか、又は給送チャネルに隣接しノズルに近接して位置決めされる。圧力センサは、閉ループフィードバックシステム内の圧力コントローラとともに動作して、デバイス内の材料にほぼ一定の圧力を提供することができる。例えば、圧力センサが圧力の低下を検出すると、フィードバックシステムは、圧力コントローラに信号を送って材料の圧力を増大させることができる(例えば、ピストンを下降させる、バレル内の空気圧を増大させる、圧力ねじを回すことなどによって)。同様に、圧力センサが圧力の増大を検出すると、フィードバックシステムは、圧力コントローラに信号を送って材料の圧力を低減させることができる(例えば、ピストンを上昇させる、バレル内の空気圧を低減させる、圧力ねじを回すことなどによって)。一定の圧力により、ノズルが開位置にあるときに、デバイス内の溶融された材料が確実に、ノズルの押出ポートを通って一定の速度で吐出される。しかしながら、ノズルが閉位置にあるときは、一定の圧力の増大(例えば、ピストンを上昇させる、バレル内の空気圧を低減させる、圧力ねじを回すことなどによる)により、溶融された材料がノズルを通って漏れる可能性がある。また、圧力センサ及び圧力コントローラを含むフィードバックシステムは、マイクロスクリューが開位置から閉位置に、又は閉位置から開位置に再位置決めされたときに、システム内でほぼ一定の圧力を保つ。これにより、システム内の材料の圧力をランプアップする必要がないので、シーリングニードルが閉位置から開位置に位置決めされたときの押出速度の「ランプアップ」が最小限に抑えられる。フィードバックシステムは、比例・積分・微分(PID)コントローラ、バンバンコントローラ、予測コントローラ、ファジー制御システム、エキスパートシステムコントローラ、又は他の任意の好適なアルゴリズムを使用して動作することができる。いくつかの実施形態では、圧力センサのサンプルレートは、約10ms以下、約5ms以下、又は約2ms以下など、約20ms以下である。いくつかの実施形態では、圧力は、目標圧力の0.01MPa以内、目標圧力の0.05MPa以内、目標圧力の0.1MPa以内、目標圧力の0.2MPa以内、目標圧力の0.5MPa以内、又は目標圧力の1MPa以内に制御される。
【0138】
材料供給モジュールの追加の詳細及び印刷システムのいくつかの他の特徴は、「PRECISION PHARMACEUTICAL 3D PRINTING DEVICE」という名称のPCT/CN2018/071965及び「3D PRINTING DEVICE AND METHOD」という名称のWO2018/210183に提示することができる。その内容はその全体が組み込まれている。
【0139】
図1Bは、いくつかの実施形態による、印刷ヘッドの例示的な2つのセットの概略図を示す。図示された例では、印刷ヘッドのうちの2つのセットはセットA及びセットBであり、各セットは同じ支持フレームを共有する8つの印刷ヘッドを備える。例えば、セットBの8つの印刷ヘッドは全て同じ支持フレーム108を共有している。セットA及びBは、付加製造システム100(
図1A)の一部を形成することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、付加製造システム100の材料供給モジュール102は、供給チャネル106を介して、
図1Bの印刷ヘッドに加圧され溶融された材料を供給することができる。供給チャネル106は、
図1Aの供給チャネル104と同一であるか、供給チャネル104の一部であるか、又は供給チャネル104の延長部であることができる。
【0141】
加圧され溶融された印刷材料は、供給チャネル106を介して流量分布モジュール110に搬送することができる。いくつかの実施形態では、シーリング機構は、流量分布モジュール110の入口に設けられる。流量分布モジュール110は、印刷材料(例えば、材料供給モジュールによって供給される)の単一の流れを複数の流れに分割するように構成されている分岐チャネル(図示せず)を有する流量分布プレートを備える。いくつかの実施形態では、流量分布モジュール110は、単一の流れを2つの流れに分割することができ、2つの流れは4つの流れに分割され、4つの流れは8つの流れに分割され、8つの流れは16個の流れに分割され、16個の流れは32個の流れに分割される。いくつかの実施形態では、流量分布モジュールは、単一の流れを2つの流れ、3つの流れ、4つの流れ、5つの流れ、...、又はn個の流れに直接分割することができる。いくつかの実施形態では、流量分布モジュールは、単一の流れを3つの流れに分割することができ、3つの流れは9つの流れに分割され、9つの流れは27個の流れに分割される。
【0142】
いくつかの実施形態では、流量分布モジュール110は、流量分布プレート、温度制御機構、圧力センサ、温度センサ、又はこれらの任意の組み合わせを含む。流量分布プレートは、印刷材料の単一の流れを受け取るために材料供給モジュールの供給チャネルに接続された単一のチャネルを備える。流量分布プレートは、単一の流れを、それぞれ、複数の印刷ヘッドの複数のノズルを介して吐出される複数の流れに分割するように構成されている複数の分岐チャネルを備える。各ノズルは、(例えば、マイクロスクリュー機構を介し、ニードル弁機構を介して)制御されて印刷材料の流れを吐出するように構成されている。
【0143】
図12Aは、本開示のいくつかの実施形態による、別の例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)1200の概略図を示している。システム1200は、2つの印刷ヘッドモジュール1202及び1204を備える。各印刷ヘッドモジュールは、1つ又は複数の印刷ヘッドを備える。図示の例では、印刷ヘッドモジュール1202は、4つの流れを吐出するための4つの印刷ヘッドを備え、同様に、印刷ヘッドモジュール1204は、4つの流れを吐出するための4つの印刷ヘッドを備える。いくつかの実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、1つ、2つ、8つ、16個の印刷ヘッドなどの任意の数の印刷ヘッドを備えることができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、付加製造システムに取り付けるか、又は付加製造システムから取り外すことができる別個のユニットである。例えば、ユーザは、任意の数の印刷ヘッドモジュール(例えば、2、3、4、8、16)をシステムに取り付けることによって、付加製造システムを組み立てることができ、したがって、印刷ヘッドの数が容易に設定可能になる。別の例として、ユーザは、単一の印刷ヘッドモジュールをシステムに取り付けることによって、付加製造システムを組み立てることができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、印刷ヘッドモジュールは、モジュール固有の流量分布プレートを備えることができる。例えば、印刷ヘッドモジュール1202は、モジュールが単一の流れを受け入れ、モジュール内の4つの印刷ヘッドによって吐出される4つの流れに分割できるように、モジュール固有の流量分布プレートを備えることができる。
図12Aを参照すると、システム1200は、単一の流れを印刷ヘッドモジュール1202及び1204によってそれぞれ受け取られる2つの流れに分割するためのシステム全体の流量分布プレート1206を備える。更に、各印刷ヘッドモジュールは、受け取った単一の流れを更に4つの流れに分割するためのモジュール固有の流量分布プレートを有する。このため、システム1200は、8つの流れを吐出するための8つの印刷ヘッドに対応する。印刷ヘッドモジュール1202及び1204は、8つの流れを同時に一様に吐出することができるように、同じプッシュプレートを共有することができる。
【0146】
図12Bは、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システム(例えば、3D印刷システム)1250の概略図を示している。システムは、システム全体の流量配分プレート1251を有する。流量分布プレート1251は、単一の流れを2つの流れに分割する。2つの流れの各々は、接合部1252及び1262においてそれぞれ2つの流れに更に分割され、したがって、4つの流れを生成する。4つの流れの各々は、それぞれ、接合部1254、1256、1264、及び1266において2つの流れに更に分割され、したがって、8つの流れを生成する。8つの流れの各々を印刷ヘッドモジュールに提供することができる。例えば、
図12Aの印刷ヘッドモジュール1202が8つ、8つの流れを分配するように取り付けられている場合、システムは、32個の流れを吐出するための合計32個の印刷ヘッドを有することになる。
【0147】
図1Cは、いくつかの実施形態による、流量分布プレート内のチャネルの例示的な構成を示している。各構成では、単一の流れを複数の流れに分割することができ、これらの流れは、複数のノズルで均等に(例えば、重量の観点から)吐出される。流量分布プレート内のチャネル及び接合部の配置に起因して、複数の流れの各々は、例えば、供給チャネルから流量分布プレートへの単一の流れを受け取るための上部入口から始まり、対応するノズルまで延在する固有の流路を横断する。いくつかの実施形態では、複数の流れの流路は、幾何学的に対称である(例えば、等しい長さ、等しい幾何学的形状)。いくつかの実施形態では、複数の流れの流路は幾何学的に対称ではないが、流路の異なる部分に沿って流路の直径を調整することによって均等な分配が実現される。いくつかの実施形態では、これらの接合部のうちのいくつか又は全ては、同じ又は実質的に同じ平面(例えば、同じXY平面)の上に位置決めされる。いくつかの実施形態では、これらの接合部のうちのいくつか又は全ては、異なる平面(例えば、異なるXY平面)の上に位置決めされる。
【0148】
いくつかの実施形態では、ノズルは、自然平衡レイアウト又はレオロジー平衡レイアウトに配置することができる。流量分布プレートは、単一の流れを4つの流れ又は8つの流れに分割するように構成することができる。流量分布プレートは、単一の流れを1つ以上の1対4若しくは1対8サブプレートを介して16個の流れ又は32個の流れに分割するように構成することができる。流量分布プレートは、単一の流れを、レオロジー平衡レイアウトを介して3つの流れ、5つの流れ、又は7つの流れに分割するように構成することができる。
【0149】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートは、(例えば、水平、垂直、及び/又は対角方向に)複数の構成要素に分割することができる。例えば、流量分布プレートは、上部プレート及び下部プレートを備えることができる。複数の構成要素をねじによって一緒に保持することができる。分解されると、個々の構成要素の各々が流量分布プレート内の1つ以上のチャネル及び接合部の内面を露出させ、したがって、流量分布プレートのチャネル及び接合部の洗浄をより容易に行なうことができる。
【0150】
いくつかの実施形態では、動作中、流量分布プレートのチャネル内の圧力を0~20MPa(例えば、0~5MPa、0~10MPa、0~20MPa)とすることができる。材料が流量分布プレートを横断するのに必要な時間を5分~5時間とすることができる。いくつかの実施形態では、ノズルにおける吐出量を0.1~10μL/秒(例えば、2~3μL/秒)とすることができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートは、流量分布プレートの温度を所望のレベルに維持するための温度制御機構を備える。いくつかの実施形態では、温度制御機構は、1つ以上のヒータ及び1つ以上のクーラを備え、ヒータ及びクーラは、流量分布プレートの内部温度を維持するように連動して動作するように構成されている。
【0152】
1つ以上のヒータは、流量分布プレート内に配置するか、又は流量分布プレートに近接して配置することができる。例えば、流量分布プレートは、高熱伝導率の材料で作られた1つ以上のヒータ(例えば、ワイヤ、プレート)を収容するための内部スロットを備える。1つ以上の加熱ワイヤは、流量分布プレート内の内部スロットを通って延びている。流量分布プレートは、プレートの内側の温度が一定した温度に維持されるように、プレート全体に加熱ワイヤを均等に分散させることを可能にするために、内部スロットの複数の行及び列を備えることができる。
【0153】
1つ以上の冷却チューブは、流量分布プレート内に配置するか、又は流量分布プレートに近接して配置することができる。いくつかの実施形態では、温度制御デバイスは、水循環を介して冷却を実現する。例えば、各々が流水用の内部チャネルを有する冷却プレートの対が、流量分布プレートの上下に位置決めされ、したがって、水流、空気、冷却剤などが流量分布プレートに近接して発生して、プレートの温度を調節することが可能になる。いくつかの実施形態では、流量分布プレートは、流量分布プレート内に1つ以上のクーラを収容するための内部スロットを備える。例えば、流量分布プレート及び流量分布プレートの上下の冷却プレートは全て、冷却剤を受け取るための入口を備えている。
【0154】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートは、1つ以上の温度センサによって報告された温度に応答して1つ以上のヒータ及びクーラを動作させるコンピュータシステムに接続された1つ以上の温度センサを備える。
【0155】
いくつかの実施形態では、流量分布プレートは、流量分布プレートのチャネル内の印刷材料の圧力を検出するように構成されている1つ以上の圧力センサを備える。いくつかの実施形態では、圧力センサは、流量分布プレートに近接して(例えば、角の周り、周縁の周り、中心の周りに)位置決めされるか、又は流量分布プレートのチャネル内に位置決めされる。いくつかの実施形態では、ひずみセンサが使用される。
【0156】
図1A及び1Bを参照すると、以下に詳細に説明するように、複数の流れの各々をそれぞれ、システム100の対応する印刷ヘッドによって吐出して、印刷プラットフォームの上に対象(例えば、3D印刷医薬投与単位)を生成することができる。
【0157】
図2Aは、いくつかの実施形態による、印刷ヘッドの例示的なセット200の概略図を示す。図示される例では、セットは、同じ支持フレーム208を共有する8つの印刷ヘッドを備える。セット200は、付加製造システム100(
図1A)の一部を形成することができるセットA及びBのいずれか1つとすることができる。セット200の上面図が
図2Bに提示されている。
【0158】
図2Aを参照すると、印刷ヘッドのセットは、駆動モジュール202を備える。図示の例では、駆動モジュール202は、8つの回転モータ204を備える。8つの回転モータは、それぞれ8つの印刷ヘッドを制御するように構成されている。具体的には、各回転モータは、マイクロスクリュー印刷ヘッドの対応するマイクロスクリューの回転速度を制御することができる。いくつかの実施形態では、駆動モジュール202は、複数の(例えば、8つ)印刷ヘッドの間で共有される回転モータを含み、回転モータは、複数のマイクロスクリューの回転を同時に(例えば、歯車及び/又はベルトを介して)駆動することができる。
【0159】
駆動モジュールは、アクチュエータ206を更に備える。図示の例では、アクチュエータは、8つの印刷ヘッドを同時に制御するように構成されている。具体的には、アクチュエータは、マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度を生じさせることができ、したがって、ノズルの開閉及びマイクロスクリューの走行変位(これによって、ノズルを完全に開くか、完全に閉じるか、又は任意の量の部分的な開口を有させることができる)を制御する。図示の例では、アクチュエータは、プッシュプレート機構210を介して8つのマイクロスクリューを同時に制御することができ、これによって、アクチュエータの動きを一度に8つのマイクロスクリューの全てに変換することができる。いくつかの実施形態では、別個のアクチュエータを各マイクロスクリュー印刷ヘッドに割り当てることができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、駆動モジュール内のモータ及びアクチュエータは、1つ以上のステッピングモータを含む。駆動モジュールは、アクチュエータ及び回転モータを独立して制御するか、又はアクチュエータ及び回転モータの複合制御を行なうことができる。例えば、駆動モジュールは、マイクロスクリューが垂直に走行せずに回転するように、アクチュエータを駆動せずに回転モータ(例えば、回転速度)を独立して制御することができる。駆動モジュールは、回転モータ(例えば、回転速度)及びアクチュエータ(例えば、走行速度)を同時に制御することによって複合制御を行なうことができ、それによって、マイクロスクリュー及び垂直方向に移動しながら回転する。
【0161】
いくつかの実施形態では、アクチュエータを空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータとすることができる。電気モータは、マイクロスクリューの垂直移動(例えば、速度、加速度)及びマイクロスクリューの変位を制御することができる。
【0162】
印刷ヘッドのセットは、流量分布モジュール212を更に備える。流量分布モジュールは、ベースプレート213を備える。いくつかの実施形態では、流量分布プレート及びマイクロスクリュー印刷ヘッドの少なくとも一部は、ベースプレート内に収容される。図示の例では、流量分布モジュールは、印刷材料の単一の流れを複数の流れに分割することができる。流量分布モジュール212は、より大きな流量分布モジュール(例えば、
図1A及び1Bに示される分布モジュール)の一部とすることができる。例えば、流量分布モジュール212は、より大きな流量分布プレートの一部を形成するサブプレートを含むことができる。
図1A及び1Bの流量分布モジュールはまず、単一の流れ(例えば、供給チャネル104によって搬送される流れ)を4つの流れに分割することができ、4つの流れのうちの1つは、
図2Aの8つの印刷ヘッドによって吐出される8つの流れに更に分割される。
【0163】
図2C及び2Dはそれぞれ、いくつかの実施形態による、8つの印刷ヘッド200のセットの断面図を示す。
図2Dを参照すると、回転モータ204は、モータアダプタシャフト220を介してマイクロスクリュー230の回転速度を制御するように構成されている。アクチュエータは、変換シャフト222を介して、垂直移動の速度及び加速度並びにマイクロスクリューの走行変位(これによって、ノズルを完全に開くか、完全に閉じるか、又は任意の量の部分的な開口を有させることができる)を制御するように構成されている。変換シャフト222は、変換軸継手226及び軸受座224を介してマイクロスクリュー230に結合される。
【0164】
図2Eは、いくつかの実施形態による、単一の印刷ヘッドの断面図を示す。回転モータ204は、モータアダプタシャフト220を介してマイクロスクリュー230の回転速度を制御するように構成されている。モータアダプタシャフト220は、回転モータがマイクロスクリューを駆動できるように、接続機構を用いてマイクロスクリュー230に結合される。図示の例では、接続機構はクロスコネクタ221である。接続機構は、z軸上のマイクロスクリューとモータアダプタシャフトとの間の結合にある程度の柔軟性をもたせ、マイクロスクリューとモータアダプタシャフトとの間のわずかな位置ずれを許容する。
【0165】
アクチュエータ206は、変換シャフト222を介して垂直移動の速度及びマイクロスクリューの位置を制御するように構成されている。変換シャフト222は、接続シャフトアダプタプレート223、変換軸継手226、及び軸受座224を介してマイクロスクリュー230と結合される。図示の例では、印刷材料の流れは、チャネル240を介して搬送され、マイクロスクリュー230によって吐出される。
【0166】
図2Fは、いくつかの実施形態による、4つの印刷ヘッドの断面図を示す。各印刷ヘッドについて、回転モータ及びマイクロスクリューを接続するために、クロスコネクタ(例えば、242)が使用される。クロスコネクタは、z軸上のマイクロスクリューとモータアダプタシャフトとの間の結合にある程度の柔軟性をもたせる。クロスコネクタはまた、モータアダプタシャフト及びマイクロスクリューを完全に同心円状に位置合わせすることを不要にし、マイクロスクリューとモータアダプタシャフトとの間のわずかな位置ずれを許容する。いくつかの実施形態では、接続機構は、ユニバーサルコネクタを含むことができる。
【0167】
図2Fの実施形態は、
図2Dの実施形態(変換シャフト222及びマイクロスクリュー230が変換軸継手226を介してともに結合された2つの別個の構成要素である)とは異なる。
図2Fの実施形態では、変換シャフト及びマイクロスクリューは、単一の構成要素として一体化されており、したがって、必要な結合構成要素の数が減少し、アセンブリの堅牢性が向上し、システムが動作しているときの位置ずれが低減する。
【0168】
図3Aは、いくつかの実施形態による、2つのマイクロスクリュー印刷ヘッドの例示的な断面図を示す。いくつかの実施形態では、2つのマイクロスクリュー印刷ヘッドを
図2Dに示される2つのヘッドとすることができる。図示の例では、2つの印刷ヘッドは同一である。
【0169】
図3Aを参照すると、各マイクロスクリュー印刷ヘッドは、マイクロスクリュー(例えば、マイクロスクリュー302)を備える。マイクロスクリューは、ねじなしステム部分、ねじなしステム部分の下のねじ付きステム部分(例えば、302a)、及び円錐形ヘッド部分(例えば、302b)を備える。ねじ付きステム部分は、体積測定(すなわち、計量)を目的としてその長さにわたってねじ山が設けられている。いくつかの実施形態では、ねじ付きステム部分は、その長さ全体にわたって同一のねじ山が設けられており、したがって、ねじ付き部分の上部からねじ込み部分の遠位端に至る(例えば、幅、深さ、及び曲率において)一様な溝を形成する。
【0170】
各マイクロスクリュー印刷ヘッドは、スリーブ(例えば、スリーブ306)及びノズル(例えば、ノズル308)を更に備える。スリーブは、マイクロスクリューが垂直に動き、回転することができる垂直チャンバーを形成する。
図3Aに示すように、ノズルの遠位端は、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備える。出口ポートを閉じるために、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分がノズルの円錐形内面と接触するまで、マイクロスクリューを(例えば、アクチュエータを介して)下方に駆動することができる。このようにして、出口ポートは密封され、ノズルは印刷材料の吐出を停止する。
【0171】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドは、スリーブ306とノズル308との間にz軸位置決めシーリングリング310(又は入口シーリングリング)を備えることができる。z軸位置決めシーリングリングは、ノズルの高さがシステムの他のノズルと一致するように、ノズルの垂直位置を調整するように構成されている。いくつかの実施形態では、シーリングリングは、フルオロゴム、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標)、イグリドゥール、又はそれらの任意の組み合わせで作製することができる。
【0172】
いくつかの実施形態では、各マイクロスクリュー印刷ヘッドは、加熱スリーブ(例えば、312)、断熱スリーブ(例えば、314)、温度センサ、圧力センサ、又はそれらの任意の組み合わせを更に備える。いくつかの実施形態では、加熱スリーブ、断熱スリーブ、温度センサ、及び/又は圧力センサは、各ノズルに配置するか又は各ノズルの周囲に配置することができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、1つ以上のヒータは、ノズルの外側に配置される。1つ以上のヒータは、加熱スリーブ、加熱リング、加熱ロッド、又はそれらの任意の組み合わせを含むことができる。加熱電力は、30~50Wとすることができる。
【0174】
いくつかの実施形態では、断熱スリーブは、絶縁材料(例えば、PEEK、ポリテトラフルオロエチレン)を含む。
【0175】
図3Aを参照すると、流量分布モジュールは、流量分布プレートを備え、流量分布プレートは、フローチャネル301を備える。フローチャネル301は、溶融され加圧された印刷材料の2つの流れを、それぞれ2つのマイクロスクリュー印刷ヘッドに搬送する。ランナーシーリングリング330は、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口332の周りのフローチャネル301に位置決めされ、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口と流量分布プレートとの間に追加のシーリングを形成する。
【0176】
図示の例では、流量分布プレートは、上部プレート320及び下部プレート322を備える。2つのプレートは、ねじによって一緒に保持することができる。分解されると、個々のプレートの各々は、流量分布プレート内の1つ以上のチャネル及び接合部の内面を露出させ、したがって、流量分布プレートのチャネル及び接合部の洗浄をより容易に行なうことができる。流量分布モジュールは、上部加熱プレート324及び326などの温度制御システムを備えることができる。
【0177】
図3Bは、いくつかの実施形態による、例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。マイクロスクリュー印刷ヘッドは、マイクロスクリュー302を備える。マイクロスクリュー302は、ねじ付きステム部分と、ステム部分の下にある円錐形ヘッド部分302bとを備える。ねじ付きステム部分は、体積測定を目的としてその長さ全体にわたってねじ山が設けられている。いくつかの実施形態では、ねじ付きステム部分は、その長さ全体にわたって同一のねじ山が設けられており、したがって、ねじ付きステム部分の上部からねじ付きステム部分の遠位端に至る(例えば、幅、曲率、深さにおいて)一様な溝を形成する。
【0178】
図3Dは、いくつかの実施形態による、例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。図示の例では、マイクロスクリューのステム部分のねじ山は、矩形状である。更に、ねじ山は、ねじ付きステム部分の長さに沿って様々な幅を有する。図示されるように、ねじ付きステム部分の上部に向かう矩形のねじ山は、ねじ付きステムの下部に向かうねじ山より広い。図示の構成は、印刷材料の入力を迅速にすることができ、したがって、印刷速度を向上させる。ねじ山は、半円形、円筒形、円錐形、台形、矩形、及び三角形などの任意の形状を有することができることを理解されたい。
【0179】
マイクロスクリュー印刷ヘッドは、スリーブ306及びノズル308を更に備える。スリーブは、マイクロスクリューが垂直に移動し、回転することができる垂直チャンバーを備える。
図3Bに示すように、ノズル308の遠位端は、円錐形内面308a及び印刷材料を吐出するための出口ポート308bを備える。出口ポートを閉じるために、マイクロスクリュー302は、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分302bがノズルの円錐形内面308bと接触するまで(例えば、アクチュエータを介して)下向きに駆動することができる。したがって、ノズルは、印刷材料の吐出を停止する。
【0180】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドは、スリーブ306とノズル308との間にz軸位置決めシーリングリング310を備えることができる。z軸位置決めシーリングリングは、ノズルの垂直位置を調整するように構成されている。
【0181】
図3Bに示す例では、マイクロスクリュー印刷ヘッダが閉位置にあるとき、円錐形内面309aとマイクロスクリューの遠位端との間のノズル内に空間が存在する。いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの遠位端は、
図3Cに示されるように、閉位置においてほとんど又はまったく空間がなくなるように、ノズルに嵌ることができる。このようにして、ノズルが閉じられているときにノズル内に残留物がほとんど又はまったく残存しないため、吐出体積を正確に追跡することが可能になる。
【0182】
図3Cは、いくつかの実施形態による、別の例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。マイクロスクリューの遠位端は、マイクロスクリュー印刷ヘッダが閉位置にあるときに、円錐形内面309aとマイクロスクリューとの間のノズル/スリーブ内にほとんど又はまったく空間が存在しなくなるように、ノズルに合致することができる。固定ナットは、ノズルを結合するように構成されている。図示されるように、マイクロスクリュー印刷ヘッドは、上記のように、入口シーリング330、入口332、マイクロスクリュースリーブ306、断熱スリーブ314、加熱スリーブ312を更に備える。
図3Aに示すように、マイクロスクリュースリーブ306は、ノズルのX-Y位置を固定できるようにベースプレートと一体化されている。いくつかの実施形態では、入口シーリングリングは、ポリテトラフルオロエチレンを含む。入口シーリングリング330は、流量分布プレートとスリーブとの間に可撓性結合機構を形成し、流量分布プレートの膨張に起因する(例えば、熱に起因する)ノズルのX-Y移動を防止する。
【0183】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー(例えば、302)の円錐形ヘッド部分のテーパ角は、ノズルの円錐形内面によって形成されるテーパ角以下である。いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分のテーパ角は、60°(例えば、40°)以下である。いくつかの実施形態では、ノズルの円錐形内面によって形成されるテーパ角と円錐形ヘッド部分のテーパ角との比は、1:1~4:1に等しいか若しくは、1:1~3:1に等しいか、又は1:1~2:1に等しいか、又は1:1~2:1である。
【0184】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分は、円錐台形又は切頭円錐形である。いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分は、1つ以上のマッチングパターン又は構造を介してノズルの円錐形内面に嵌るように構成されている。
【0185】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の長さは、10~80mm(例えば、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、70mm)に等しいか、又は10~80mmである。
【0186】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の直径は、1~10mm(例えば、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm)に等しいか、又は1~10mmである。
【0187】
いくつかの実施形態では、ノズル開口部の直径は、0.1~1mmである。
【0188】
いくつかの実施形態では、マイクロスクリューは、ノズルを開くために任意の所望の高さまで上昇させることができる。例えば、マイクロスクリューは、0.05~1mm(例えば、0.1mm、0.2mm、0.3mm)上昇させることができる。
【0189】
ノズルが開いた後、回転速度を一定の速度に設定して、印刷材料を一定の体積で吐出することができる。回転速度は、所望の出力体積(例えば、1~260回転/分、3~5回転/分、6~12回転/分、13~20回転/分)に基づいて選択することができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、印刷材料は、材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される。いくつかの実施形態では、印刷材料は、ノズルによって50℃~400℃で吐出される。いくつかの実施形態では、印刷材料は非フィラメント状材料であり、ノズルによって吐出されたときの印刷材料の粘度は800Pa・s以上である。いくつかの実施形態では、印刷材料は、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む。
【0191】
図14Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なマイクロスクリュー印刷ヘッドの断面図を示す。いくつかの実施形態では、マイクロスクリュー印刷ヘッドは、印刷ヘッドモジュール(例えば、
図14Bのモジュール1450)の一部である。
図12A~12Bを参照して本明細書で説明するように、印刷ヘッドモジュールは、中毒性のある製造システムに取り付け、そこから取り外すことが可能な別個のユニットとすることができる。更に、各モジュールは、独自のモジュール固有の流量分布プレートを有することができる。
【0192】
図14Aを参照すると、モジュール固有の分布プレートは、上部プレート1420及び下部プレート1422を含む。動作中、上部プレート及び下部プレートは結合され、流れを分割し分配するためのチャネルを形成する。いくつかの実施形態では、下部プレート1422、スリーブ1406、及びベースプレートは一体化されており、互いに対して移動せず、したがって、ノズルのX-Y位置を固定する。一体化によって、密封がより適切に実現され、モジュール内の(例えば、フローチャネルからの)漏れが防止される。
【0193】
図14Aを参照すると、マイクロスクリューは、3つの部分、すなわち、ねじ付きステム部分、より細くされたねじなし中央部分(「H
2」として示されている)、及び円錐形ヘッド(「H
1」として示されている)を備える遠位部分を備える。いくつかの実施形態では、遠位部分は、
図3Bに示される対応する部分とサイズ及び形状を同一にすることができる。いくつかの実施形態では、H
2とH
1との比を1~5とすることができる。より細くされたねじなし中央部分は、マイクロスクリューにある程度の弾性をもたらし、圧力が加えられたときにマイクロスクリューの遠位端がX方向及びY方向に沿ってわずかに変形することを可能にする。したがって、円錐形ヘッドがノズルと接触すると、円錐形ヘッドをノズルとより適切に位置合わせすることができ、したがって、より適切な密封を実現し、漏れを防止する。
【0194】
本明細書に記載されるマイクロスクリューには、一条ねじ又は多条ねじなど、任意の方法でねじ山が設けられてもよい。マルチねじは、二条ねじ、三条ねじ、四条ねじなどを有することができる。多条は、印刷材料を(例えば、マイクロスクリューの回転によって)より一貫した速度で印刷ヘッドに導入することを可能にし、印刷材料の品質及び精度を向上させることができる。
【0195】
図4は、いくつかの実施形態による、マイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造の例示的なプロセス400を示す。プロセス400では、いくつかのブロックが任意選択的に組み合わされ、いくつかのブロックの順序が任意選択的に変更され、いくつかのブロックが任意選択的に省略される。いくつかの例では、プロセス400と組み合わせて追加のステップが行われてもよい。したがって、図示される(及び以下により詳細に説明する)動作は、本質的に例示的なものであり、したがって、限定的であると見なされるべきではない。
【0196】
ブロック402において、システムは、マイクロスクリューを上昇させてノズルの出口ポートを開く。ブロック404で、システムは、マイクロスクリューを(例えば、回転モータを介して)回転させ、溶融され加圧された印刷材料を、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の溝に導入する。例えば、
図3Cに示すように、溶融され加圧された印刷材料の流れを、入口332を介して導入することができる。いくつかの実施形態では、マイクロスクリューの垂直位置は、最上部のねじセグメントが入口で露出するように入口と位置合わせされる。このようにして、印刷材料は、ねじ山によって形成された溝の先頭に送り込まれ、印刷材料が溝内を上向きに移動し、溝内の残留物となるのを防ぐことができる。
【0197】
溶融され加圧された印刷材料は、ノズルの遠位端に向かって溝を介して流れるように構成されている。マイクロスクリューの回転が速いほど、ノズルにおいてより多くの印刷材料が吐出される。回転速度及び溝の既知のサイズに基づいて、システムは、吐出された印刷材料の体積を計算することができる。上記のように、ねじ付きステム部分全体に、その長さ全体にわたって同一のねじ山が設けられ、したがって、吐出された体積を容易に計算できるように(例えば、幅、深さ、及び曲率において)一様な溝を形成する。
【0198】
印刷セッションの終了時に、ブロック404において、システムは、ノズルの円錐形内面がマイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触するようにマイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じ、ノズルにおける印刷材料の吐出を停止する。いくつかの実施形態では、接触は、表面間接触であり、したがって、接触が生じたときの構成要素への影響が低減する。いくつかの実施形態では、マイクロスクリューが下降している間、マイクロスクリューの回転も制御されて減速され、吐出される印刷材料の量を減少させる。
【0199】
いくつかの実施形態では、印刷材料が入口332を介して導入されるとき、印刷材料は既に溶融され、所望のレベルまで加圧されている。によれば、マイクロスクリューのねじ付きステム部分は、吐出体積を追跡することのみを目的として、その長さ全体にわたって一様にねじ山が設けられている。
【0200】
いくつかの実施形態では、方法は、アクチュエータを介して、マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度を調整し、マイクロスクリューの走行変位を制御すること(これによって、ノズルを完全に開くか、完全に閉じるか、又は任意の量の部分的な開口を有させることができる)を更に含むことができる。いくつかの実施形態では、方法は、回転モータを介して、マイクロスクリューの回転速度を調整して、吐出されている印刷材料の体積を制御することを更に含む。いくつかの実施形態では、アクチュエータ及び回転モータは、マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている。
【0201】
いくつかの実施形態では、システムは、マイクロスクリューを第1の方向に回転させて印刷材料を吐出する。システムは、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じる前に、マイクロスクリューを第1の方向と反対方向に回転させて、ノズルの遠位端からある量の印刷材料を除去することができる。
【0202】
いくつかの実施形態では、システムは、ラダースキームに従って印刷材料を加熱する。ラダースキームによれば、印刷材料は、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、印刷材料は、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、印刷材料は、ノズルにおいて第3の温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、第1の温度が50℃であり、第2の温度が70℃であり、第3の温度が105℃である。これにより、印刷材料が長時間の加熱によって定性的に変化する可能性が低下する。
【0203】
いくつかの実施形態では、システムは、ノズルの遠位端及び/又は入口(例えば、入口332)における印刷材料の圧力を測定し、閉ループ制御システムを介して印刷材料の圧力を制御する。
【0204】
いくつかの実施形態では、システムは、印刷プラットフォームの上に印刷材料を吐出する。印刷プラットフォームへのコントローラを使用して、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて印刷プラットフォームを移動させることができる。システムは、高精度印刷を実現するために、印刷プラットフォームの移動及びノズルによって吐出される印刷材料の量を調和させることができる。
【0205】
図5Aは、いくつかの実施形態による、医薬単位用の標準化されたマルチステーション印刷システムの例示的なレイアウトを示す。
図5Aを参照すると、マルチステーション印刷システム500は、複数の印刷ステーション502A、502B、502C、及び502Dを備える。複数の印刷ステーションは、直線状に配置されている。
図5Aに示す上面図では、ステーション502A~502Dの各々は、ノズルのセット(32個のノズル)を備え、これらのノズルは、印刷プレートの上に印刷材料の複数の流れを吐出して製品のバッチ(例えば、錠剤のバッチ)を印刷するように構成されている。
【0206】
いくつかの実施形態では、印刷ステーション502A~502Dの各々は、対応する座標系を参照して、x軸、y軸、及びz軸に沿って印刷プレートを移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、印刷ステーション502A~Dの座標系は互いに異なり、したがって、印刷ステーション502A~Dを独立して(例えば、1つ以上のコントローラを介して)制御することができる。
【0207】
更に
図5Aを参照すると、マルチステーションシステム500は、プレート搬送機構506を備える。図示のように、プレート搬送機構506は、チャネル504A及び504Bに沿って走行するように構成されている。プレート搬送機構506は、印刷ステーションとともに動作して、印刷プレートを1つの印刷ステーション(例えば、502A)からプレート搬送機構の2つの端部のうちの1つに(矢印508A及び508Bによって示されるように)移動させ、いずれかのチャネルに沿って、印刷プレートを(矢印510A及び510Bによって示されるように)搬送し、印刷プレートを別の印刷ステーション上に移動させるように構成されている。いくつかの実施形態では、印刷ステーション及びプレート搬送機構の動作は、製造速度を最大にし、印刷ステーションのアイドル時間を最低限に抑えるように調和される。
【0208】
システム506内の複数のステーションは、他のレイアウトに配置することができる。いくつかの実施形態では、複数のステーションを円又は正方形の周りに配置することができる。
【0209】
いくつかの実施形態では、プレート搬送機構は、ある印刷ステーションから別の印刷ステーションに印刷プレートを搬送することができるように、円形状又は正方形状を有する1つ以上のチャネルを備えることができる。いくつかの実施形態では、プレート搬送機構は、1つの印刷ステーションから印刷プレートを取り出し、その印刷プレートを別の印刷ステーションに移動させるための1つ以上のグリッパ及び/又はロボットアームを備える。
【0210】
図5Bは、いくつかの実施形態による、例示的なマルチステーションシステム500の部分側面図を示す。マルチステーションシステム500は、印刷ステーション502A及び502Bを含む、複数の印刷ステーションを備える。印刷ステーション502Aは、印刷プラットフォーム506Aと、印刷プラットフォームの上方に配置されたノズルのセット(例えば、ノズルのアレイ)と、を備える。動作中、ノズルのセットは、印刷材料の流れのセットを、印刷プラットフォーム506A上に置かれた印刷プレート上に同時に吐出して、製品のバッチ(例えば、医薬投与単位)を形成することができる。印刷ステーション502Bは、1つ以上のノズルの異なるセットを備え、印刷ステーション502Bと同様に動作する。いくつかの実施形態では、印刷ステーション502A及び502Bは、協動して、医薬投与単位の同じバッチを製造する。例えば、t0において、印刷ステーション502Aは、印刷プラットフォーム506A上に配置されたプレートの上に医薬投与単位のシェルのバッチを印刷する。プレートは次いで、印刷ステーション502Bに搬送され(例えば、プレート搬送機構を介して)、印刷プラットフォーム506B上に配置される。t1において、印刷ステーション502Bは、シェルのバッチ内の内部構成要素を印刷する。
【0211】
いくつかの実施形態では、印刷ステーション502Aは、第1の印刷材料を溶融し加圧するための第1の材料供給モジュールと、溶融され加圧された第1の印刷材料の単一の流れを第1の複数の流れに均等に分割するように構成されている第1の流量分布モジュールと、第1の複数の流れを吐出するように構成されているニードル弁印刷ヘッドのセットを備える第1の印刷モジュールとを備える。印刷ステーション502Bは、第2の印刷材料を溶融し加圧するための第2の材料供給モジュールと、溶融され加圧された第2の印刷材料の単一の流れを第2の複数の流れに均等に分割するように構成されている第2の流量分布モジュールと、第2の複数の流れを吐出するように構成されているマイクロスクリュー印刷ヘッドのセットを備える第2の印刷モジュールとを備える。
【0212】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の印刷モジュールの各々は、異なる数の印刷ヘッドを収容するように延長可能であるように構成されている。印刷ヘッドは、対応する流量分布モジュールと協働して、対応する印刷材料を吐出することができる。
【0213】
いくつかの実施形態では、2つの印刷ステーションの各々は、異なるタイプの印刷モジュールを収容するように延長可能であるように構成されている。
【0214】
いくつかの実施形態では、マルチステーションシステムは、ジェット/ドロップオンデマンド印刷ヘッドのセット、インジェクション印刷ヘッドのセット、インクジェット印刷ヘッドのセット、又はそれらの任意の組み合わせを更に含む。
【0215】
上記のマルチステーションシステムが有利であることを理解されたい。例えば、異なるタイプの材料は、異なるタイプの印刷ヘッドによりよく適している場合がある。したがって、異なるタイプの印刷ヘッドを収容することによって、システムは、異なるタイプの材料を最適に印刷することができる。
【0216】
本明細書で説明する印刷材料は、粘性材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、印刷材料は、医薬材料若しくは熱可塑性材料、又はこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、材料は、約25℃~約400℃の温度でノズルから吐出される。いくつかの実施形態では、材料の粘度は、0.001~10000Pa・sである。
【0217】
いくつかの実施形態では、材料は、粉末、顆粒、ゲル、又はペーストなどの非フィラメント状材料である。非フィラメント状材料は、ノズルの押出ポートを通して吐出することができるように、溶融され加圧される。本明細書で更に説明するように、特に粘性のある材料の圧力は、材料の精密かつ正確な堆積を確実にするために注意深く制御される。材料は、材料を含有しているバレル、給送チャネル、及び/又はノズル内又はその周囲など、材料供給モジュール内に配設された1つ以上のヒータを使用して、材料供給モジュール内で溶融することができる。いくつかの実施形態では、材料の溶融温度は、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、又は約250℃以上など、約30℃以上である。いくつかの実施形態では、材料の溶融温度は、約350℃以下、約300℃以下、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下など、約400℃以下である。ノズルから吐出される材料は、材料の溶融温度以上の温度で吐出することができる。いくつかの実施形態では、材料は、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、約120℃以上、約150℃以上、約200℃以上、又は約250℃以上など、約50℃以上の温度で吐出される。いくつかの実施形態では、材料は、約350℃以下、約300℃以下、約260℃以下、約200℃以下、約150℃以下、約100℃以下、又は約80℃以下など、約400℃以下の温度で吐出される。
【0218】
本明細書に説明するシステムは、粘性材料を正確かつ精密に吐出するのに有用である。いくつかの実施形態では、材料は、デバイスから吐出されたときの粘度が、約200Pa・s以上、約300Pa・s以上、約400Pa・s以上、約500Pa・s以上、約750Pa・s以上、約800Pa・s以上、又は約1000Pa・s以上など、約100Pa・s以上である。いくつかの実施形態では、材料は、粘度が約1000Pa・s以下、約750Pa・s以下、約500Pa・s以下、約400Pa・s以下、約300Pa・s以下、又は約200Pa・s以下など、約4000Pa・s以下、約3000Pa・s以下、約2000Pa・s以下である。
【0219】
いくつかの実施形態では、印刷材料は医薬的に許容される材料である。いくつかの実施形態では、材料は不活性であるか、又は生物学的に不活性である。いくつかの実施形態では、材料は侵食性材料又は生体侵食性材料である。いくつかの実施形態では、材料は非侵食性材料又は非生体侵食性材料である。いくつかの実施形態では、材料は医薬的に許容される材料である。いくつかの実施形態では、材料は、1つ以上の熱可塑性材料、1つ以上の非熱可塑性材料、又は1つ以上の熱可塑性材料と1つ以上の非熱可塑性材料との組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、材料はポリマー又はコポリマーである。
【0220】
いくつかの実施形態では、材料は熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、材料は熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、材料は、侵食性の熱可塑性材料であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は食用である(すなわち、個人による消費に好適である)。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、親水性ポリマー、疎水性ポリマー、膨潤性ポリマー、非膨潤性ポリマー、多孔性ポリマー、非多孔性ポリマー、侵食性ポリマー(溶解性ポリマーなど)、pH感受性ポリマー、天然ポリマー、ワックス様材料、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、熱可塑性材料は、セルロースエーテル、セルロースエステル、アクリル樹脂、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、C12~C30脂肪酸のモノ又はジグリセリド、C12~C30脂肪アルコール、ワックス、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルカプロラクタムーポリ酢酸ビニルーポリエチレングリコールグラフトコポリマー57/30/13、ポリビニルピロリドン-co-ビニル-アセテート(PVP-VA)、ポリビニルピロリドン-ポリ酢酸ビニルコポリマー(PVP-VA)60/40、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)及びポリビニルピロリドン(PVP)80/20、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(VA64)、ポリエチレングリコール-ポリビニルアルコールグラフトコポリマー25/75、kollicoat IR-ポリビニルアルコール60/40、ポリビニルアルコール(PVA又はPV-OH)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)、ポリ(ブチルメタクリレート-co-(2-ジメチルアミノエチル)メタクリレート-co-メチルメタクリレート)1:2:1、ポリ(ジメチルアミノエチルメタクリレート-co-メタクリル酸エステル)、ポリ(エチルアクリレート-co-メチルメタクリレート-co-トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリド)、ポリ(メチルアクリレート-co-メチルメタクリレート-co-メタクリル酸)7:3:1、ポリ(メタクリル酸-co-メチルメタクリレート)1:2、ポリ(メタクリル酸-co-エチルアクリレート)1:1、ポリ(メタクリル酸-co-メチルメタクリレート)1:1、ポリ(エチレンオキシド)(PEO)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ハイパーブランチポリエステルアミド、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒプロメロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又はヒプロメロース(HMPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートコハク酸塩又はヒプロメロースアセテートコハク酸塩(HPMCAS)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、カルボマー、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレン(PE)、及びポリカプロラクトン(PCL)、ヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)、ポリオキシル40水添ヒマシ油、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ポロキサマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ポロキサマー、水添ヒマシ油、水添大豆油、グリセリルパルミトステアレート、カルナウバワックス、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、酢酸酪酸セルロース(CAB)、フタル酸ポリビニルアセテート(PVAP)、ワックス、ミツロウ、ヒドロゲル、ゼラチン、水添植物油、ポリビニルアセタールジエチルアミノラクテート(AEA)、パラフィン、シェラック、アルギン酸ナトリウム、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、アラビアガム、キサンタンガム、モノステアリン酸グリセリン、オクタデカン酸、熱可塑性デンプン、それらの誘導体(塩、アミド、又はそれらのエステルなど)、又はこれらの組み合わせである。
【0221】
いくつかの実施形態では、侵食性材料は非熱可塑性材料を含む。いくつかの実施形態では、侵食性材料は非熱可塑性材料である。いくつかの実施形態では、非熱可塑性材料は、非熱可塑性デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム(CMS-Na)、スクロース、デキストリン、ラクトース、微結晶性セルロース(MCC)、マンニトール、ステアリン酸マグネシウム(MS)、粉末シリカゲル、二酸化チタン、グリセリン、シロップ、レシチン、大豆油、茶油、エタノール、プロピレングリコール、グリセロール、Tween(登録商標)、動物性脂肪、シリコーン油、カカオバター、脂肪酸グリセリド、ワセリン、キトサン、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリメタクリル酸、非毒性ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、又はこれらの組み合わせである。
【0222】
本明細書で説明するデバイス又は本明細書で説明する方法とともに使用することができる例示的な材料には、ポリ(メタ)アクリレートコポリマー(アミノアルキルメタクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、及び/又は、商標名Eudragit(登録商標)RSPOで販売されているコポリマーなどのアンモニオアルキルメタクリレートのうちの1つ以上を含有するコポリマーなど)、及びヒドロキシルプロピルセルロース(HPC)が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、材料は薬物を含む。いくつかの実施形態では、材料は薬物と混合される。
【0223】
印刷システムの特徴の更なる詳細は、「PRECISION PHARMACEUTICAL 3D PRINTING DEVICE」という名称のPCT/CN2018/071965、「3D PRINTING DEVICE AND METHOD」という名称のWO2018/210183、「Precision pharmaceutical 3D printing device」という名称の米国特許第10201503B1号(現米国特許第10201503号)、「HIGH-THROUGHPUT AND HIGH-PRECISCION PHARMACEUTICAL ADDITIVE MANUFACTURING SYSTEM」という名称のPCT/CN2019/101621、「PRECISION PHARMACEUTICAL 3D PRINTING DEVICE」という名称のPCT/2019/13733に提示することができ、これらの内容全体が組み込まれている。
【0224】
図7Aは、いくつかの実施形態による、32個の印刷ヘッドの別の例示的なレイアウトを示す。システムは、供給チャネル704から溶融され加圧された印刷材料の流れを受け取ることができる。システムは、4つの支持構造A、B、C、及びDを備える。各支持構造について、8つの印刷ヘッドのセットは、支持構造を共有する。
図7Bは、システムの上面図を示す。
【0225】
図7Cは、いくつかの実施形態による、支持構造の側面図を示す。各支持構造は、単一の流れを8つの流れに分割するように構成されている流量分布プレートを備え、8つの流れを8つの印刷ヘッドを介して吐出することができる。
【0226】
図8A~Cは、いくつかの実施形態による、例示的なプッシュプレート機構を示す。プッシュプレート機構は、プッシュプレート810、カム機構808(4つのカムを含む)、スライディングプレート806、スライディングトラック812、及びアクチュエータ802を含む。動作中、アクチュエータ802は、
図8Bの水平矢印によって示されるように、(例えば、ボールねじを介して)スライディングプレートを水平方向に滑らせる。スライディングプレートは、カム機構に結合されており、したがって、カム機構を水平方向に滑らせる。
【0227】
カム機構は、4つのカムを含み、各カムは、プッシュプレート810に結合されたピンを収容するための水平方向に傾斜したスロットを含む。プッシュプレート(プッシュプレートに結合されたピンとともに)は、垂直方向に動くことができるが水平方向に動くことができないように支持構造物に固定されている。カムが水平方向に滑ると、ピンが傾斜したスロット内で滑り、プッシュプレートを水平方向に移動させる。カム機構は、スライディングプレートの水平移動をプッシュプレートの垂直移動に変換することに加えて、押し力を増強することもできる。したがって、プッシュプレートは、アレイ内の複数のマイクロスクリューを同時に動かすことができる。これにより、アレイにおける複数のマイクロスクリューの同期のとれた一貫した動きが可能になり、それによって、複数のマイクロスクリューによって製造される製品間の一貫性及び精度が確保される。
【0228】
図13Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なプッシュプレート機構を示す。プッシュプレート機構は、プッシュプレート1308、スライディングプレート1306、及びアクチュエータ1302を備える。スライディングプレート1306は、2つのスライディングトラック1312a及び1312bを含む。図示のように、2つのスライディングトラックは水平ではなく、傾斜している。プッシュプレート1308は、スライディングトラックに沿って滑るように構成されている支持体を備える。例えば、支持体1314は、スライディングトラック1312aに沿って滑るように構成されている。
図13Bは、プッシュプレート機構の断面図を提示する。
【0229】
動作中、アクチュエータ1302は、
図13A及び
図13Bの水平矢印によって示されるように、(例えば、ボールねじを介して)スライディングプレート1306を水平方向に滑らせる。プッシュプレートは垂直方向へ移動することができるが、水平方向へは移動できない。したがって、スライディングプレート1306がプッシュプレート1308に向かって滑ると、プッシュプレート1308は、傾斜したスライディングトラックに起因して効果的に上方に上昇する。更に、スライディングプレート1306がプッシュプレート1308から離れる方向に滑ると、プッシュプレート1308は、傾斜したスライディングトラックに起因して効果的に下降する。したがって、プッシュプレートは、アレイ内の複数のマイクロスクリューを同時に動かすことができる。これにより、アレイにおける複数のマイクロスクリューの同期のとれた一貫した動きが可能になり、それによって、複数のマイクロスクリューによって製造される製品間の一貫性及び精度が確保される。
【0230】
図13C及び13Dは、
図13A及び13Bに示されるものと同様の追加の例示的なプッシュプレート機構を示す。
図13C及び13Dにおいて、2つの印刷ヘッドモジュール1362及び1364(
図12Aのモジュール1202及び1204と同様)は、同じプッシュプレート1358、同じスライディングプレート1356、及び同じモータ1350を共有している。モジュール1362及び1364は、
図13A及びBを参照して説明したのと同じプッシュプレート機構を使用して垂直方向に駆動することができる。
【0231】
図13A~Dを参照して説明した機構は、カムシステムを含まず、したがって、潜在的な機械的及びハードウェアエラーを低減させる。したがって、この機構は、印刷ヘッドの垂直方向の移動をより正確に制御することを可能にし、したがって、印刷製品の品質及び精度を向上させる。
【0232】
図9は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの概略図を示す。システムは、二軸押出デバイス902、重量損失スケール904、緩衝ピストン906、及び複数のマイクロスクリュー印刷ヘッド908を含む。二軸押出デバイス902及び緩衝ピストン906は、材料供給モジュールの一部である。動作中、印刷材料を押出デバイス902に導入し、押出デバイス902が、印刷材料を所望の温度に溶融させる。次いで、溶融された印刷材料を緩衝ピストン906に搬送し、緩衝ピストン906が溶融された印刷材料を加圧する。
【0233】
緩衝ピストン906は、印刷ヘッド908が印刷材料を吐出していないとき(例えば、印刷ヘッド908の下方で印刷ステーションを入れ替えるとき)に、溶融され加圧された印刷材料を保持することができる。動作中、印刷ヘッド908の下方で印刷プラットフォームを入れ替えているとき、印刷ヘッドは、印刷材料の吐出を停止するが、押出デバイス902は、引き続き溶融された印刷材料を受け取り加圧する。溶融され加圧された印刷材料は、印刷が再開するまで緩衝ピストン906に保持される。このようにして、単に印刷ヘッドにおいて印刷が一時的に中断されるという理由で材料供給モジュールをオフにする必要はなく、したがって、材料供給モジュールをオフにして再起動し、再初期化することは不要になる。
【0234】
本開示の実施形態は、単一のマイクロスクリュー印刷ヘッドによって一貫した造形物を生成することができる。マイクロスクリュー印刷ヘッドを使用して、印刷材料のセット(例えば、60%Eudragit RSPO、20%エチルセルロースエトース(EC)、及び20%ステアリン酸)を使用して、32本のフィラメントのバッチを印刷した。印刷材料のセットを、材料供給モジュールにおいて100℃に加熱し、供給チャネルにおいて105℃に加熱し、印刷ヘッドにおいて105℃に加熱した。印刷ヘッドは、0.4mmの開口部を有するステンレス鋼ノズルを備える。印刷材料のセットを1MPaに加圧した。圧力は、圧力センサからの読み取りに基づいて圧力コントローラによって制御することができる。マイクロスクリューを0.5mm上昇させ、1r/秒で10秒間回転させた。バッチにおいて得られた錠剤の重量を
図10に示す。図示のように、32本のフィラメントの平均は12.32mgである。
【0235】
図11は、いくつかの実施形態による、例示的な付加製造システムの例示的な出力を示す。いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロスクリュー印刷ヘッドを使用して、医薬錠剤の異なる構成要素(例えば、シェル、コア)を印刷した。いくつかの実施形態では、同じマイクロスクリュー印刷ヘッドを使用して、医薬錠剤の全ての構成要素を印刷した。
【0236】
得られた錠剤の重量を
図11に示す。図示のように、付加製造システムは、医薬錠剤の2つのバッチを印刷した。1つのバッチは20個の医薬錠剤を含み、20個の医薬錠剤の平均は204.32mgであり、別のバッチは15個の医薬錠剤を含み、15個の医薬錠剤の平均は208.13mgである。
【0237】
いくつかの実施形態では、医薬錠剤の重量が300mg未満であるとき、重量の相対偏差は、約±9%以下、約±8%以下、約±7.5%以下、約±7%以下、約±6%以下、約±5%以下、約±4%以下、又は約±3%以下、又は約±2%以下、又は約±1%以下など、約±10%以下である。
【0238】
いくつかの実施形態では、医薬錠剤の重量が300mg以上であるとき、重量の相対偏差は、約±4%以下、約±3%以下、約±2%以下、約±1%以下など、約±5%以下である。
【0239】
図6は、一実施形態による、コンピューティングデバイスの例を示している。デバイス600は、ネットワークに接続されたホストコンピュータとすることができる。デバイス600は、クライアントコンピュータ又はサーバとすることができる。
図6に示されるように、デバイス600は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバ、又はハンドヘルドコンピューティングデバイス(携帯電子デバイス)などの任意の好適なタイプのマイクロプロセッサベースのデバイスとすることができる。デバイスは、例えば、プロセッサ610、入力デバイス620、出力デバイス630、ストレージ640、及び通信デバイス660のうちの1つ以上を含むことができる。入力デバイス620及び出力デバイス630は一般に、上記の入力デバイス及び出力デバイスに対応することができ、コンピュータに接続可能とするか、又はコンピュータと一体化することができる。
【0240】
入力デバイス620は、タッチスクリーン、キーボード若しくはキーパッド、マウス、又は音声認識デバイスなど、入力を提供する任意の好適なデバイスとすることができる。出力デバイス630は、タッチスクリーン、触覚デバイス、又はスピーカなど、出力を提供する任意の好適なデバイスとすることができる。
【0241】
ストレージ640は、RAM、キャッシュ、ハードドライブ、又はリムーバブルストレージディスクを含む電気的、磁気的又は光学的メモリなどのストレージを提供する任意の好適なデバイスとすることができる。通信デバイス660は、ネットワークインターフェースチップ又はデバイスなど、ネットワークを介して、信号を送受信することができる任意の好適なデバイスを含むことができる。コンピュータの構成要素は、物理バスを介するか、又はワイヤレスを用いるなど、任意の好適な方法で接続することができる。
【0242】
ストレージ640に格納され、プロセッサ610によって実行され得るソフトウェア650は、例えば、本開示の機能を(例えば、上記のようにデバイスにおいて具体化されるように)具体化するプログラミングを含むことができる。
【0243】
ソフトウェア650はまた、上記のような命令実行システム、装置、又はデバイスからソフトウェアと関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらに関連して使用するために、任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に格納及び/又は搬送することができる。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラミングを含む又は記憶することができる、ストレージ640などの任意の媒体とすることができる。
【0244】
ソフトウェア650はまた、上記のような命令実行システム、装置、又はデバイスからソフトウェアと関連付けられた命令をフェッチし、命令を実行することができる、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらに関連して使用するために、任意の搬送媒体内に伝播することができる。本開示の文脈において、搬送媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はそれらに関連して使用するためのプログラミングを通信する、伝播する、又は搬送することができる任意の媒体とすることができる。搬送可読媒体には、電子、磁気、光、電磁気、又は赤外線の有線若しくは無線の伝播媒体を含めることができるが、これらに限定されない。
【0245】
デバイス600はネットワークに接続されてもよく、ネットワークは、任意の好適なタイプの相互接続された通信システムとすることができる。ネットワークは、任意の好適な通信プロトコルを実装することができ、任意の好適なセキュリティプロトコルによって安全にすることができる。ネットワークは、無線ネットワーク接続、T1若しくはT3回線、ケーブルネットワーク、DSL、又は電話回線などのネットワーク信号の送受信を実施できる任意の好適な配置のネットワークリンクを備えることができる。
【0246】
デバイス600は、ネットワーク上での動作に好適な任意のオペレーティングシステムを実装することができる。ソフトウェア650は、C、C++、Java(登録商標)、Pythonなどの任意の好適なプログラミング言語で記述することができる。様々な実施形態では、本開示の機能を具体化するアプリケーションソフトウェアは、例えば、クライアント/サーバ構成において展開するか、又はウェブベースのアプリケーション若しくはウェブサービスとしてウェブブラウザを介して展開するなど、異なる構成で展開することができる。
【0247】
例示的な実施形態
本発明は、以下の実施形態を提供する。
1.付加製造システムであって、印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、マイクロスクリュー印刷ヘッドであって、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、ねじ付きステム部分に、体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、スリーブと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、ノズルの円錐形内面が、マイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触してノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように構成されている、ノズルと、を備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、駆動モジュールであって、マイクロスクリューの回転運動を駆動するための回転モータと、マイクロスクリューの垂直運動を駆動するためのアクチュエータと、を備える、駆動モジュールと、を備える、システム。
2.スリーブとノズルとの間にz軸位置決めシーリングリングを更に備え、z軸位置決めシーリングリングが、ノズルの垂直位置を調整するように構成されている、実施形態1に記載のシステム。
3.マイクロスクリュー印刷ヘッドが、加熱スリーブ又は温度センサを更に備える、実施形態1又は2に記載のシステム。
4.マイクロスクリュー印刷ヘッドが、断熱スリーブを更に備える、実施形態1~3のいずれか1つに記載のシステム。
5.マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、ノズルの円錐形内面によって形成される第2のテーパ角以下である、実施形態1~4のいずれか1つに記載のシステム。
6.マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、60°以下である、実施形態5に記載のシステム。
7.第2のテーパ角と第1のテーパ角との比が、1:1~4:1に等しいか若しくは1:1~4:1であるか、1:1~3:1に等しいか若しくは1:1~3:1であるか、又は1:1~2:1に等しいか若しくは1:1~2:1である、実施形態5に記載のシステム。
8.マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、円錐台形又は切頭円錐形を有する、実施形態1~7のいずれか1つに記載のシステム。
9.マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、1つ以上のマッチングパターンを介してノズルの円錐形内面に嵌るように構成されている、実施形態1~8のいずれか1つに記載のシステム。
10.マイクロスクリューのねじ付きステム部分の長さが、10~80mmに等しいか、又は10~80mmである、実施形態1~9のいずれか1つに記載のシステム。
11.マイクロスクリューのねじ付きステム部分の直径が、1~10mmに等しいか、又は1~10mmである、実施形態1~10のいずれか1つに記載のシステム。
12.材料供給モジュールが、印刷材料を溶融させるための押出デバイスと、加圧デバイスとを備える、実施形態1~11のいずれか1つに記載のシステム。
13.押出デバイスが、シングルピストン押出機構、単軸押出機構、二軸押出機構、円錐形二軸押出機構、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態12に記載のシステム。
14.加圧デバイスが、ピストン押出機構、単軸押出機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態12に記載のシステム。
15.材料供給モジュールが、溶融された印刷材料の温度を検出するための1つ以上の温度センサを含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載のシステム。
16.溶融された印刷材料の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサをフローチャネル又はマイクロスクリュー印刷ヘッドの入口に更に備える、実施形態1~15のいずれか1つに記載のシステム。
17.マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の最上部ねじセグメントに基づいて位置合わせされる、実施形態1~16のいずれか1つに記載のシステム。
18.マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口に入口シーリングリングを更に備える、実施形態17に記載のシステム。
19.駆動モジュールが、アクチュエータ及び回転モータを独立して制御するように構成されている、実施形態1~18のいずれか1つに記載のシステム。
20.駆動モジュールが、アクチュエータ及び回転モータの複合制御を行なうように構成されている、実施形態1~19のいずれか1つに記載のシステム。
21.アクチュエータが、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータである、実施形態1~20のいずれか1つに記載のシステム。
22.電気モータが、マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度及び/又はマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている、実施形態21に記載のシステム。
23.回転モータが、マイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている、実施形態1~22のいずれか1つに記載のシステム。
24.結合に使用されるクロスコネクタ又はカルダンシャフトを更に備える、実施形態1~23のいずれか1つに記載のシステム。
25.印刷材料が、材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される、実施形態1~24のいずれか1つに記載のシステム。
26.印刷材料が、ノズルによって50℃~400℃で吐出される、実施形態1~25のいずれか1つに記載のシステム。
27.印刷材料が非フィラメント状材料であり、ノズルによって吐出されたときの印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、実施形態1~26のいずれか1つに記載のシステム。
28.印刷材料が、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~27のいずれか1つに記載のシステム。
29.印刷プラットフォームと、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて印刷プラットフォームを移動させるためのコントローラとを更に備える、実施形態1~28のいずれか1つに記載のシステム。
30.マイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造方法であって、マイクロスクリュー印刷ヘッドが、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備えるマイクロスクリューと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備える、ノズルと、を備え、方法が、マイクロスクリューを上昇させてノズルの出口ポートを開くことと、マイクロスクリューを回転させて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の溝に、溶融され加圧された印刷材料を導入することであって、溶融され加圧された印刷材料が、ノズルの遠位端に向かって流れるように構成されている、導入することと、ノズルの円錐形内面がマイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触して出口ポートを閉じ、ノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように、マイクロスクリューを下降させることと、を含む、方法。
31.印刷材料を溶融し加圧することを更に含む、実施形態30に記載の方法。
32.電気モータを介して、マイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度及び/又はマイクロスクリューの走行変位を調整することを更に含む、実施形態30又は31に記載の方法。
33.回転モータを介して、マイクロスクリューの回転速度を調整して、吐出される印刷材料の体積を制御することを更に含む、実施形態30~32のいずれか1つに記載の方法。
34.電気モータ及び回転モータが、マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている、実施形態30~33のいずれか1つに記載の方法。
35.マイクロスクリューの回転速度を低下させながら、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じることを更に含む、実施形態30~34のいずれか1つに記載の方法。
36.マイクロスクリューを回転させることが、マイクロスクリューを第1の方向に回転させることを含み、方法が、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じる前に、マイクロスクリューを第1の方向と反対方向に回転させて、ノズルの遠位端からある量の印刷材料を除去することを更に含む、実施形態30~35のいずれか1つに記載の方法。
37.印刷プラットフォームの移動及びノズルによって吐出される印刷材料の量を調和させることを更に含む、実施形態30~36のいずれか1つに記載の方法。
38.ラダースキームに従って印刷材料を加熱することを更に含み、印刷材料が、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、印刷材料が、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、印刷材料が、ノズルにおいて第3の温度まで加熱される、実施形態30~37のいずれか1つに記載の方法。
39.第1の温度が50℃であり、第2の温度が70℃であり、第3の温度が105℃である、実施形態30~38のいずれか1つに記載の方法。
40.フローチャネル又はマイクロスクリュー印刷ヘッドの入口における印刷材料の圧力を測定することと、閉ループ制御システムを介して印刷材料の圧力を制御することを更に含む、実施形態30~39のいずれか1つに記載の方法。
41.印刷材料が非フィラメント状材料であり、ノズルによって吐出されたときの印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、実施形態30~40のいずれか1つに記載の方法。
42.マイクロスクリューが、医薬投与単位を製造するように制御される、実施形態30~41のいずれか1つに記載の方法。
43.付加製造システムであって、印刷材料を溶融し加圧するための材料供給モジュールと、流量分布プレートを備える流量分布モジュールであって、流量分布プレートが、溶融され加圧された印刷材料の単一の流れを複数の流れに均等に分割するための複数のチャネルを備える、流量分布モジュールと、複数の流れを吐出するように構成されている複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドであって、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドの各々が、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備え、ねじ付きステム部分に、体積測定のためにその長さ全体にわたってねじ山が設けられている、マイクロスクリューと、スリーブと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備え、ノズルの円錐形内面が、それぞれのマイクロスクリュー印刷ヘッドが閉位置にあるときに、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分と接触してノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように構成されている、ノズルと、を備える、マイクロスクリュー印刷ヘッドと、駆動モジュールであって、複数のマイクロスクリューの回転運動を駆動するための1つ以上の回転モータと、複数のマイクロスクリューの垂直運動を駆動するための1つ以上のアクチュエータと、を備える、駆動モジュールと、を備える、システム。
44.各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、スリーブとノズルとの間にz軸位置決めシーリングリングを更に備え、z軸位置決めシーリングリングが、ノズルの垂直位置を調整するように構成されている、実施形態43に記載のシステム。
45.各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、加熱スリーブ又は温度センサを更に備える、実施形態43又は44に記載のシステム。
46.各マイクロスクリュー印刷ヘッドが、断熱スリーブを更に備える、実施形態43~45のいずれか1つに記載のシステム。
47.各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、ノズルの円錐形内面によって形成される第2のテーパ角以下である、実施形態43~46のいずれか1つに記載のシステム。
48.マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分の第1のテーパ角が、60°以下である、実施形態47に記載のシステム。
49.第2のテーパ角と第1のテーパ角との比が、1:1~4:1に等しいか若しくは1:1~4:1であるか、1:1~3:1に等しいか若しくは1:1~3:1であるか、又は1:1~2:1に等しいか若しくは1:1~2:1である、実施形態47に記載のシステム。
50.各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、円錐台形又は切頭円錐形である、実施形態43~49のいずれか1つに記載のシステム。
51.各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューの円錐形ヘッド部分が、1つ以上のマッチングパターンを介してノズルの円錐形内面に嵌るように構成されている、実施形態43~50のいずれか1つに記載のシステム。
52.各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の長さが、10~80mmに等しいか、又は10~80mmである、実施形態43~51のいずれか1つに記載のシステム。
53.各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の直径が、1~10mmに等しいか、又は1~10mmである、実施形態43~52のいずれか1つに記載のシステム。
54.材料供給モジュールが、印刷材料を溶融させるための押出デバイスと、加圧デバイスとを備える、実施形態43~53のいずれか1つに記載のシステム。
55.押出デバイスが、シングルピストン押出機構、単軸押出機構、二軸押出機構、円錐形二軸押出機構、又はこれらの任意の組み合わせを含む、実施形態54に記載のシステム。
56.加圧デバイスが、ピストン押出機構、単軸押出機構、ねじポンプ機構、歯車機構、プランジャーポンプ機構(例えば、バルブレス測定ポンプ機構)、又はそれらの任意の組み合わせを含む、実施形態54に記載のシステム。
57.材料供給モジュールが、溶融された印刷材料の温度を検出するための1つ以上の温度センサを含む、実施形態43~56のいずれか1つに記載のシステム。
58.溶融された印刷材料の圧力を検出するための1つ以上の圧力センサを印刷ヘッドの流量分布プレート又は入口に更に備える、実施形態43~57のいずれか1つに記載のシステム。
59.各マイクロスクリュー印刷ヘッドについて、マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口が、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の最上部ねじセグメントに基づいて位置合わせされる、実施形態43~58のいずれか1つに記載のシステム。
60.1つ以上の回転モータが複数の回転モータを備え、複数の回転モータの各々が、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのそれぞれのマイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている、実施形態43~59のいずれか1つに記載のシステム。
61.1つ以上の回転モータが、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューの回転速度を同時に制御するように構成されている単一の回転モータを備える、実施形態43~60のいずれか1つに記載のシステム。
62.アクチュエータが、空気圧式アクチュエータ、機械式アクチュエータ、電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、又は電気モータを含む、実施形態43~61のいずれか1つに記載のシステム。
63.1つ以上のアクチュエータが、複数の電気モータを備え、複数の電気モータの各々が、それぞれのマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに/又はそれぞれのマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている、実施形態43~62のいずれか1つに記載のシステム。
64.1つ以上の電気モータが、複数のマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに複数のマイクロスクリューの走行変位を、プッシュプレート機構を介して同時に制御するように構成されている単一の電気モータを備える、実施形態63に記載のシステム。
65.プッシュプレート機構が、スライディングプレート、プッシュプレート、及びカム機構を含む、実施形態64に記載のシステム。
66.カム機構が、スライディングプレートの水平方向の移動をプッシュプレートの垂直方向の移動に変換するように構成されている、実施形態65に記載のシステム。
67.駆動モジュールが、1つ以上のアクチュエータ及び1つ以上の回転モータを独立して制御するように構成されている、実施形態43~66のいずれか1つに記載のシステム。
68.駆動モジュールは、1つ以上のアクチュエータ及び1つ以上の回転モータの複合制御を行なう、実施形態43~67のいずれか1つに記載のシステム。
69.1つ以上の回転モータ及び1つ以上のアクチュエータのうちの少なくとも1つが、ステッピングモータである、実施形態43~68のいずれか1つに記載のシステム。
70.結合に使用されるクロスコネクタ又はカルダンシャフトを更に備える、実施形態43~69のいずれか1つに記載のシステム。
71.流量分布モジュールが、ベースプレートを備え、流量分布プレート及び複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、ベースプレート内に配置される、実施形態43~70のいずれか1つに記載のシステム。
72.流量分布プレートが、上部プレート及び下部プレートを備える、実施形態71に記載のシステム。
73.ベースプレート及び複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのスリーブが一体化されている、実施形態71に記載のシステム。
74.流量分布プレートの外側に温度制御システムを更に備え、温度制御システムが、加熱デバイス及び冷却デバイスを備える、実施形態43~73のいずれか1つに記載のシステム。
75.流量分布プレートの入口が、シーリング機構を備える、実施形態43~74のいずれか1つに記載のシステム。
76.マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口がシーリング機構を備える、実施形態43~75のいずれか1つに記載のシステム。
77.シーリング機構がシーリングリングである、実施形態76に記載のシステム。
78.複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、自然平衡レイアウト又はレオロジー平衡レイアウトに配置されている、実施形態43~77のいずれか1つに記載のシステム。
79.流量分布プレートが、単一の流れを4つの流れ又は8つの流れに分割するように構成されている、実施形態43~78のいずれか1つに記載のシステム。
80.流量分布プレートが、単一の流れを1つ以上の1対4若しくは1対8サブプレートを介して16個の流れ若しくは32個の流れに分割するように構成されている、実施形態79に記載のシステム。
81.流量分布プレートが、単一の流れを、レオロジー平衡レイアウトを介して、3つの流れ、5つの流れ、又は7つの流れに分割するように構成されている、実施形態43~80のいずれか1つに記載のシステム。
82.印刷材料が、材料供給モジュールによって50℃~400℃で溶融される、実施形態43~81のいずれか1つに記載のシステム。
83.印刷材料が、ノズルによって50℃~400℃で吐出される、実施形態43~82のいずれか1つに記載のシステム。
84.印刷材料が非フィラメント状材料であり、ノズルによって吐出されたときの印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、実施形態43~83のいずれか1つに記載のシステム。
85.印刷材料が、薬学的に許容される材料、不活性材料、又はそれらの組み合わせを含む、実施形態43~84のいずれか1つに記載のシステム。
86.印刷プラットフォームと、デカルト座標系、極座標系、又は円筒座標系に基づいて印刷プラットフォームを移動させるためのコントローラとを更に備える、実施形態43~85のいずれか1つに記載のシステム。
87.複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドを介した付加製造方法であって、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドの各々が、ねじ付きステム部分及び円錐形ヘッド部分を備えるマイクロスクリューと、ノズルであって、ノズルの遠位端が、円錐形内面及び印刷材料を吐出するための出口ポートを備える、ノズルと、を備え、方法が、流量分布プレートを介して溶融され加圧された印刷材料の単一の流れを複数の流れに分配することと、複数の流れの各々を、複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューヘッドに到達させることと、各マイクロスクリュー印刷ヘッドにおいて、マイクロスクリューを上昇させて、ノズルの出口ポートを開くことと、マイクロスクリューを回転させて、マイクロスクリューのねじ付きステム部分の溝にそれぞれの流れを導入することであって、溶融され加圧された印刷材料が、ノズルの遠位端に向かって流れるように構成されている、導入することと、ノズルの円錐形内面を円錐形ヘッド部分と接触して出口ポートを閉じ、ノズルにおける印刷材料の吐出を停止するように、マイクロスクリューを下降させることと、を含む、方法。
88.印刷材料を溶融し加圧することを更に含む、実施形態87に記載の方法。
89.電気モータが、複数のマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びに複数のマイクロスクリューの走行変位を、プッシュプレート機構を介して同時に制御するように構成されている、実施形態87又は88に記載の方法。
90.複数の電気モータの各々が、それぞれのマイクロスクリューの垂直移動の速度及び加速度並びにそれぞれのマイクロスクリューの走行変位を制御するように構成されている、実施形態87~89のいずれか1つに記載の方法。
91.複数の回転モータの各々が、モータアダプタシャフトを介してそれぞれのマイクロスクリューの回転速度を制御するように構成されている、実施形態87~90のいずれか1つに記載の方法。
92.単一回転モータが、1つ以上の歯車及びベルトを介して複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドのマイクロスクリューの回転速度を同時に制御するように構成されている、実施形態87~91のいずれか1つに記載のシステム。
93.アクチュエータ及び回転モータが、マイクロスクリューの複合移動を駆動するように構成されている、実施形態87~92のいずれか1つに記載の方法。
94.マイクロスクリューの回転速度を低下させながら、マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じることを更に含む、実施形態87~93のいずれか1つに記載の方法。
95.マイクロスクリューを回転させることが、マイクロスクリューを第1の方向に回転させることを含み、方法が、
マイクロスクリューを下降させて出口ポートを閉じる前に、マイクロスクリューを第1の方向と反対方向に回転させて、ノズルの遠位端からある量の印刷材料を除去することを含む、請求項87~94のいずれか1つに記載の方法。
96.印刷プラットフォームの移動及びノズルによって吐出される印刷材料の量を調和させることを更に含む、実施形態87~95のいずれか1つに記載の方法。
97.ラダースキームに従って印刷材料を加熱することを更に含み、印刷材料が、材料供給モジュールにおいて第1の温度まで加熱され、印刷材料が、流量分布モデルにおいて第2の温度まで加熱され、印刷材料が、各ノズルにおいて第3の温度まで加熱される、実施形態87~96のいずれか1つに記載の方法。
98.第1の温度が50℃であり、第2の温度が70℃であり、第3の温度が105℃である、実施形態97に記載の方法。
99.マイクロスクリュー印刷ヘッドの入口、又は流量分布プレートにおける印刷材料の圧力を測定することと、閉ループ制御システムを介して印刷材料の圧力を制御することと、を更に含む、実施形態87~98のいずれか1つに記載の方法。
100.印刷材料が非フィラメント状材料であり、ノズルによって吐出されたときの印刷材料の粘度が800Pa・s以上である、実施形態87~99のいずれか1つに記載の方法。
101.複数のマイクロスクリュー印刷ヘッドが、医薬投与単位を製造するように構成されている、実施形態87~100のいずれか1つに記載の方法。
102.付加製造システムであって、第1の印刷ステーションであって、第1の印刷材料を溶融し加圧するための第1の材料供給モジュールと、溶融され加圧された第1の印刷材料の単一の流れを第1の複数の流れに均等に分割するように構成されている第1の流量分布モジュールと、第1の複数の流れを吐出するように構成されているニードル弁印刷ヘッドのセットを備える第1の印刷モジュールと、を備える、第1の印刷ステーションと、第2の印刷ステーションであって、第2の印刷材料を溶融し加圧するための第2の材料供給モジュールと、溶融され加圧された第2の印刷材料の単一の流れを第2の複数の流れに均等に分割するように構成されている第2の流量分布モジュールと、第2の複数の流れを吐出するように構成されているマイクロスクリュー印刷ヘッドのセットを備える第2の印刷モジュールと、を備える、第2の印刷ステーションと、を備える、システム。
103.第1の印刷ステーション及び第2の印刷ステーションは、製品の同じバッチを印刷するように構成されている、実施形態102に記載のシステム。
104.第1の印刷モジュール及び第2の印刷モジュールの各々が、異なる数の印刷ヘッドを収容するように延長可能であるように構成されている、実施形態102又は103に記載のシステム。
105.第1の印刷ステーション及び第2の印刷ステーションの各々が、異なるタイプの印刷モジュールを収容するように延長可能であるように構成されている、実施形態102~104のいずれか1つに記載のシステム。
106.液滴放出印刷ヘッドのセット、インジェクション印刷ヘッドのセット、インクジェット印刷ヘッドのセット、又はそれらの任意の組み合わせを更に含む、実施形態102~105のいずれか1つに記載のシステム。
107.方法30~42のいずれか1つの方法によって、付加製造システムの1つ以上のマイクロスクリュー印刷ヘッドを使用して調製された複数の医薬錠剤。
108.複数の医薬錠剤のうちで、重量が300mg以下の全ての医薬錠剤が、相対偏差が±7.5%以下である、実施形態107に記載の複数の医薬錠剤。
109.複数の医薬錠剤のうちで、重量が300mg以上である全ての医薬錠剤が、相対偏差が±5%以下である、実施形態107に記載の複数の医薬錠剤。
【0248】
本開示及び実施例について、添付の図を参照して十分に説明したが、様々な変更及び修正が当業者に明らかになることに留意されたい。そのような変更及び修正は、特許請求の範囲によって定義される開示及び実施例の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。
【0249】
説明の目的で、前述の説明では、特定の実施形態を参照した。しかしながら、上記の例示的な考察は、網羅的であること、又は本発明を開示された精密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態については、手法の原理及びそれらの実際の応用を最もよく説明するものを選択し説明した。これにより、当業者は、企図される特定の使用に適した様々な修正を加えた手法及び様々な実施形態を最もよく利用することが可能になる。
【国際調査報告】