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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】前立腺がん処置判断を行う方法
(51)【国際特許分類】
   G01T 1/161 20060101AFI20230801BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230801BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20230801BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20230801BHJP
   A61K 51/00 20060101ALI20230801BHJP
   A61K 51/04 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
G01T1/161 A
A61P35/00
A61P35/04
A61P13/08
A61K51/00 200
A61K51/04 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501491
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 US2021041000
(87)【国際公開番号】W WO2022011207
(87)【国際公開日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】63/090,561
(32)【優先日】2020-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/051,797
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/050,371
(32)【優先日】2020-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521156022
【氏名又は名称】プロゲニクス ファーマシューティカルズ,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】PROGENICS PHARMACEUTICALS, INC
【住所又は居所原語表記】One World Trade Center, 47th Floor Suite J, New York, NY 10007, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ヴィヴィアン
【テーマコード(参考)】
4C085
4C188
【Fターム(参考)】
4C085HH03
4C085KB56
4C085LL18
4C188EE02
4C188FF07
4C188KK24
(57)【要約】
本明細書に提供されるのは、前立腺がんを有する対象をアセスメントするための方法である。方法は、前記アセスメントしたことに基づいて対象を処置することおよび/または処置管理判断を行うことにもまた向けられてもよく、または方法がそれをさらに含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象における前立腺がんを処置するかまたはそれについての処置管理判断を行う方法であって、
方法が:
18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、および
イメージングに基づいて対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うこと、
を含み、
対象が、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは2ng/ml未満のPSAレベルを有するか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある、
前記方法。
【請求項2】
イメージングが1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在または不在を決定するためであり、処置することまたは処置管理判断を行うことが、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在または不在に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
イメージングが対象における前立腺がんのステージを決定するためである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
対象がステージT、N(例えばN1)またはMl(例えばM1a、M1b、M1c)前立腺がんを有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
対象が、前立腺外病変を有するものであるか、または前立腺外病変を有する疑いがある、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
対象が骨盤転移を有するものであるか、または骨盤転移を有する疑いがある、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
対象が骨盤外転移を有するものであるか、または骨盤外転移を有する疑いがある、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
対象が遠隔転移を有するものであるか、遠隔転移を有する疑いがある、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
対象がリンパ節、骨、および/または内臓/軟組織転移を有するものである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
転移の1つ以上が4mmよりも大きい、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
リンパ節転移平均または中央値が、>4mmである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
18F-DCFPyLが対象にPET/CTに1~2時間先行して投与される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLが単回IVボーラス注射によって10mL以下の総体積で対象に投与される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
方法が、さらに、決定に基づいて対象を処置することを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
処置が本明細書に提供される処置のいずれか1つである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
処置管理判断を行うことが、本明細書に提供される処置管理判断のいずれか1つ以上を包含する、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
処置管理判断を行うことが、放射線照射、フォーカルセラピー、救済、または全身療法を用いる判断を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
処置管理判断を行うことが、対象を観察する判断を含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
処置管理判断を行うことが、対象の処置を変更する判断を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
変更が全身から局所救済治療への変更である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
変更が局所救済治療から全身療法への変更である、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
変更が観察から処置への変更である、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
変更が処置から観察への変更である、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
変更が放射線照射からホルモン/ADT治療への変更である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
処置管理判断を行うことが、対象の処置を差し控える判断を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
判断がホルモン/ADT治療を差し控えることである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
対象が本明細書に記載される対象のいずれか1つである、請求項1~26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
対象が、先行する診断検査、例えばPSA検査または従来のイメージング検査を受けさせられた、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
先行する診断検査が、従来のイメージングによる前立腺がんについての陰性のまたは境界域の所見であった、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
方法が、さらに、対象についての追加の診断検査、例えばPSA検査または従来のイメージング検査を遂行するステップを含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
PSA検査結果が、対象における根治的前立腺切除術後に検出可能なまたは上昇しているPSAであった、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
PSA検査結果が、対象における放射線治療、凍結治療、または小線源治療後のPSAレベルの増加であった、請求項30または31に記載の方法。
【請求項33】
対象が1~2ng/mlのPSAレベルを有する、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
対象が0.5~1ng/mlまたは0.5~2ng/mlのPSAレベルを有する、請求項1~33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
方法が、さらに、それぞれイメージング前および/または後に例えば例10の問診票に記入することを含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスが、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して(例えば、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在を決定すること、または対象における前立腺がんのステージを決定することについて)、類似のまたは増加したPPV、NPV、特異度、および/または感度を有する、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
PPVが少なくとも2倍または3倍高い、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
特異度が90%または95%よりも大きい、請求項36または37に記載の方法。
【請求項39】
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスが、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節転移(N1)を決定することについて、少なくとも2倍もしくは3倍高いPPV、改善されたNPV、高いもしくは完璧に近い特異度(例えば、67.3%に対してそれぞれ少なくとも95%、96%、もしくは97%、または97.9%)、および/または類似のもしくはより大きい感度(例えば~40%または少なくとも40%)を実証する、請求項1~38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスが、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節(N1)を決定することについて、2倍高いよりも大きいPPV、改善されたNPV、および90%または95%よりも大きい特異度を実証する、請求項1~39のいずれか1項に記載の方法。
【請求項41】
前立腺がんを有する男性をイメージングするために18F-DCFPyLを用いる方法であって、
(i)対象、例えば本明細書に提供される対象のいずれか1つを18F-DCFPyLまたはPyLARIFYと接触させること、および
(ii)例えばPET/CTイメージングによって対象をイメージングすること、
を含み;
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究が、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して(例えば、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在を決定すること、または対象における前立腺がんのステージを決定することについて)、類似のまたは増加したPPV、NPV、特異度、および/または感度を有する、
前記方法。
【請求項42】
PPVが少なくとも2倍または3倍高い、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
特異度が90%または95%よりも大きい、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究が、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節転移(N1)を決定することについて、少なくとも2倍もしくは3倍高いPPV、改善されたNPV、高いもしくは完璧に近い特異度(例えば、67.3%に対してそれぞれ少なくとも95%、96%、もしくは97%、または97.9%)、および/または類似のもしくはより大きい感度(例えば、~40%または少なくとも40%)を実証する、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究が、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節(N1)を決定することについて、2倍高いよりも大きいPPV、改善されたNPV、および90%または95%よりも大きい特異度を実証する、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
対象における前立腺がんを再ステージングする方法であって、
前立腺がんが従来のイメージングによって初期にステージングされ、方法が:
18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、および
18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングに基づいて対象における前立腺がんを再ステージングすること、
を含み、
対象が、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある、
前記方法。
【請求項47】
方法が、さらに、18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングによって決定された再ステージを、従来のイメージングによって初期に決定されたステージと比較することを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
対象が比較に基づいてアップステージングされる(例えば、M0からM1、M1aからM1bもしくはM1c、またはM1bからM1cに)、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
対象が比較に基づいてダウンステージングされる(例えばM1からM0に)、請求項46または47に記載の方法。
【請求項50】
方法が、さらに、18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングによって決定された再ステージおよび/または比較に基づいて、対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うことを含む、請求項46~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
処置管理判断を行うことが、本明細書に提供される処置管理判断のいずれか1つ以上を包含する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
処置管理判断を行うことが、放射線照射、フォーカルセラピー、救済、または全身療法を用いる判断を含む、請求項50または51に記載の方法。
【請求項53】
処置管理判断を行うことが、対象を観察する判断を含む、請求項50または51に記載の方法。
【請求項54】
処置管理判断を行うことが、対象の処置を変更する判断を含む、請求項50または51に記載の方法。
【請求項55】
変更が全身から局所救済治療への変更である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
変更が局所救済治療から全身療法への変更である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
変更が観察から処置への変更である、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
変更が処置から観察への変更である、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
変更が放射線照射からホルモン/ADT治療への変更である、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
処置管理判断を行うことが、対象の処置を差し控える判断を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
判断がホルモン/ADT治療を差し控えることである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
18F-DCFPyLが対象にPET/CTに1~2時間先行して投与される、請求項46~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLが単回IVボーラス注射によって10mL以下の総体積で対象に投与される、請求項46~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
方法が、さらに、18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングによって決定された再ステージおよび/または比較に基づいて対象を処置することを含む、請求項46~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
処置が本明細書に提供される処置のいずれか1つである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
対象が本明細書に記載される対象のいずれか1つである、請求項46~65のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
対象が2ng/ml未満のPSAレベルを有する、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
方法が、さらに、それぞれイメージング前および/または後に例えば例10の問診票に記入することを含む、請求項46~67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
対象における前立腺がんを処置するかまたはそれについての処置管理判断を行う方法における使用のための18F-DCFPyLであって、
方法が:
18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、およびイメージングに基づいて対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うこと、
を含み、
対象が、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは2ng/ml未満のPSAレベルを有するか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある、
前記使用のための18F-DCFPyL。
【請求項70】
(a)イメージングが請求項1~69のいずれか1項に記載の通りである;(b)対象が請求項1~69のいずれか1項に記載の通りである;(c)18F-DCFPyLが請求項1~69のいずれか1項に記載の通り投与される;(d)方法が請求項1~69のいずれか1項に記載の通りである;(e)対象が請求項1~69のいずれか1項に記載の通りである;(f)方法が、さらに、請求項1~69のいずれか1項に記載の追加の診断検査を含む;および/または(g)診断パフォーマンスが請求項1~69のいずれか1項に記載の通りである、請求項69に記載の使用のための18F-DCFPyL。
【請求項71】
(i)対象、例えば本明細書に提供される対象のいずれか1つを18F-DCFPyLと接触させること、および(ii)例えばPET/CTイメージングによって対象をイメージングことを含む、前立腺がんを有する男性をイメージングする方法における使用のための18F-DCFPyL。
【請求項72】
18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究が、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して(例えば、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在を決定すること、または対象における前立腺がんのステージを決定することについて)、類似のまたは増加したPPV、NP、特異度、および/または感度を有する、請求項71に記載の使用のための18F-DCFPyL。
【請求項73】
方法が請求項1~72のいずれか1項に記載の通りである、請求項1~72のいずれか1項に記載の使用のための18F-DCFPyL。
【請求項74】
対象における前立腺がんを再ステージングする方法における使用のための18F-DCFPyLであって、
前立腺がんが従来のイメージングによって初期にステージングされ、方法が:
18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、および
18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングに基づいて対象における前立腺がんを再ステージングすること、
を含み、
対象が、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある、
前記使用のための18F-DCFPyL。
【請求項75】
方法が請求項1~74のいずれか1項に記載の通りである、請求項74に記載の使用のための18F-DCFPyL。
【請求項76】
18F-DCFPyLが、4.5から7.5のpHを有する静脈内注射のための無菌の透明の無色溶液の形態であり、これの各ミリリットルが:<1マイクログラムのDCFPyL、較正日時において37から2960MBq(1から80mCi)フロルカルピロイックF18、および≦78.9mgエタノールを0.9%塩化ナトリウム注USP中に含有する、請求項1~75のいずれか1項に記載の使用のための18F-DCFPyL。
【請求項77】
請求項1~76のいずれか1項に記載の方法における使用のための、医薬の製造のための18F-DCFPyLの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年7月10日出願の米国仮出願第63/050,371号;2020年7月14日出願の第63/051,797号;および2020年10月12日出願の第63/090,561号の35U.S.C.§119(e)による優先権の利益を主張する;それぞれの内容全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
前立腺がんは、米国の男性に影響を及ぼすがんの2番目に一般的な形であり:推定7人に1人の男性が、一生のうちに前立腺癌と診断される。米国がん学会は、各年におよそ164,609人の前立腺癌の新しいケースが診断されて、約26,730の男性が該疾患で死ぬであろうと推定している。米国のおよそ2,900,000人の男性が、現在前立腺癌の生存者の中に加えられる。処置および処置管理の選択肢を広げるためには、新しい方法が必要である。
【発明の概要】
【0003】
一側面において、対象における前立腺がんを処置するかまたはそれについての処置管理判断を行う方法が提供され、方法は、18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすることを含む。かかる方法の一態様において、イメージングは、1つ以上の前立腺がん病変、例えばいくつかの態様においては転移の存在または不在を対象において18F-DCFPyL-PET/CTによって決定するためであり、提供される。一態様において、前立腺がん病変は前立腺において起こる。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、イメージングは、前立腺がんのステージを、例えば、高リスク前立腺がんを有する対象において初期治療について評価されているリンパ節もしくは遠隔転移について、または前立腺がん再発もしくは転移を有する対象において治療のクール(単数または複数)後に、対象において18F-DCFPyL-PET/CTによって決定するためであり、提供される。かかる方法の一態様において、方法は、さらに、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在、および/または前立腺がんのステージを決定するイメージングに基づいて、対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うことを含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、1つ以上の転移の存在もしくは不在または前立腺がんのステージを決定することは、本明細書に提供されるイメージングまたはアセスメントの方法のいずれか1つの結果を得ることまたは与えられることに基づく。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、1つ以上の転移の存在もしくは不在または前立腺がんのステージを決定することは、本明細書に提供されるイメージングまたはアセスメントの方法のいずれか1つを遂行することに基づく。
【0004】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、イメージングは、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在または不在を決定するためであり、処置するかまたは処置管理判断を行うことは、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在または不在に基づく。
【0005】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、イメージングは、対象における前立腺がんのステージを決定するためである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象はステージT、N(例えば、N1)、またはM1(例えば、M1a、M1b、M1c)前立腺がんを有する。
【0006】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、本明細書に提供される対象のいずれか1つ、例えば転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は生化学的再発性の前立腺がんを有する。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は高リスク前立腺がんを有する。
【0007】
本明細書において用いられる「高リスク前立腺がん」はNCCNガイドラインバージョン3.2016によって定められる通りである(臨床ステージ≧T3aまたはPSA>20ng/mLまたはグリソンスコア≧8)。高リスク前立腺がんの対象は、前立腺の腺癌の生検確認された存在をもまた有し得、および/または骨盤リンパ節郭清ありの根治的前立腺切除術を受けさせられるようにスケジューリングされ得るかもしくはスケジューリングされるであろう。
【0008】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象のいずれか1つは、2未満、1.5未満、1未満、または0.5ng/mL未満のPSAレベルを有し得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象のいずれか1つは、0.2~0.5ng/mLの間、0.5~1ng/mL、0.5~2ng/ml、1~2ng/mL、または2ng/mLに等しいかもしくはより大きいPSAレベルを有し得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象のいずれか1つは、2~5の間の、または5ng/mLに等しいかもしくはより大きいPSAレベルを有し得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象のいずれか1つは、0.2ng/mLに等しいかもしくはより大きいPSAレベルを有し得るか、または0.2~5ng/mLの間である。前述のいずれか1つのある態様において、PSAレベルは5ng/mLに等しいかまたは未満であり得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象のいずれか1つは、前立腺がん治療および/または陰性のもしくは境界域のイメージング後に、上昇しているPSAレベルまたはPSAレベルの変化を有し得る。
【0009】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある。
【0010】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、前立腺の病変を有するものであるか、または前立腺の病変を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、前立腺床病変を有するものであるか、または前立腺床病変を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、前立腺外転移を有するものであるか、または前立腺外転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、骨盤(例えばリンパ節)転移を有するものであるか、または骨盤(例えばリンパ節)転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、骨盤外(例えばリンパ節)転移を有するものであるか、または骨盤外(例えばリンパ節)転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、遠隔転移を有するものであるか、または遠隔転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、この対象は、リンパ節、骨、内臓、軟組織、腸骨、後腹膜傍大動脈/大動脈周囲リンパ節、限局型骨、直腸もしくは直腸周囲、胸椎、または腰椎転移を有するものであるか、または有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象はリンパ節転移を有するものである。
【0011】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、本明細書に提供される採用および/または除外基準のセットのいずれか1つを満たすものである。
【0012】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、転移の1つ以上は、4mmよりも大きい。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、リンパ節転移の中央値は、>4mmである。
【0013】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、18F-DCFPyLは、対象へ、PET/CTの1~2時間前に投与される。
【0014】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLが対象へIV注射により投与される。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLが単回IVボーラス注射によって10mL以下の総体積で対象に投与される。
【0015】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、方法は、さらに、イメージングに基づいて対象を処置すること、1つ以上の転移の存在または不在を決定すること、前立腺がんのステージを決定することなどを含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、処置は、本明細書に提供される処置のいずれか1つである。
【0016】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、方法は、処置管理判断を行うことをさらに含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、処置管理判断を行うことは、本明細書に提供される処置管理判断のいずれか1つ以上を包含する。
【0017】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、処置管理判断を行うことは、放射線照射、フォーカルセラピー、救済、または全身療法を用いる判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、処置管理判断を行うことは、対象を観察する判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、処置管理判断を行うことは、対象の処置を変更する判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、変更は全身から局所救済治療へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、変更は局所救済治療から全身療法へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、変更は観察から処置へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、変更は処置から観察へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、変更は放射線照射からホルモン/ADT治療へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、処置管理判断を行うことは、対象の処置を差し控える判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、判断は、ホルモン/ADT治療を差し控えることである。
【0018】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、PSA試験または従来型のイメージング試験などの、先行の診断試験(prior diagnostic test)を経ている。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、先行の診断試験は、従来型のイメージング試験では、前立腺がんについて陰性または曖昧な所見であったものである。
【0019】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、方法は、PSA試験または従来型のイメージング試験などの、対象に対する追加の診断試験を遂行するステップをさらに含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、PSA試験結果は、対象における根治的前立腺切除術後の検出可能であるかまたは上昇しているPSAであったものである。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、PSA試験結果は、対象における放射線療法後、凍結療法後、または小線源療法後のPSAレベルの増加であったものである。
【0020】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、方法は、さらに、それぞれイメージング前および/または後に例えば例10の問診票に記入することを含む。
【0021】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスは、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して(例えば、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在を決定すること、または対象における前立腺がんのステージを決定することについて)、類似のまたは増加したPPV、NPV、特異度、および/または感度を有する。
【0022】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、PPVは少なくとも2倍または3倍高い。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、特異度は90%または95%よりも大きい。
【0023】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスは、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節転移(N1)を決定することについて、少なくとも2倍または3倍高いPPV、改善されたNPV、高いもしくは完璧に近い特異度(例えば、67.3%に対してそれぞれ少なくとも95%、96%、もしくは97%、または97.9%)、および/または類似のもしくはより大きい感度(例えば、~40%または少なくとも40%)を実証する。
【0024】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスは、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節(N1)を決定することについて、2倍高いよりも大きいPPV、改善されたNPV、および90%または95%よりも大きい特異度を実証する。
【0025】
一側面において、合成終了時(EOS)に1~90mCi/mL(37~3330MBq/mL)の18F-DCFPyLの組成物が提供される。本明細書に提供される組成物のいずれか1つの一態様において、組成物は例えば本明細書に提供される濃さの透明な微粒子不含の注射用溶液である。本明細書に提供される組成物のいずれか1つの一態様において、組成物はユニットドーズシリンジである。
【0026】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、PPVは本明細書に提供されるPPV値のいずれか1つである。
【0027】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、NPVは本明細書に提供されるNPV値のいずれか1つである。
【0028】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、感度値は本明細書に提供される感度値のいずれか1つである。
【0029】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、特異度値は本明細書に提供される特異度値のいずれか1つである。
【0030】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、PPVの増加は(従来のイメージングと比較して)、本明細書に提供されるPPV値の増加の少なくともいずれか1つであるか、またはそれに等しい。
【0031】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、NPVの増加は(従来のイメージングと比較して)、本明細書に提供されるNPV値の増加の少なくともいずれか1つであるか、またはそれに等しい。
【0032】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、感度値の増加は(従来のイメージングと比較して)、本明細書に提供される感度値の増加の少なくともいずれか1つであるか、またはそれに等しい。
【0033】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、特異度値の増加は(従来のイメージングと比較して)、本明細書に提供される特異度値の増加の少なくともいずれか1つであるか、またはそれに等しい。
【0034】
一側面において、前立腺がんを有する男性をイメージングするために18F-DCFPyLを用いる方法が提供され、(i)対象、例えば本明細書に提供される対象のいずれか1つを18F-DCFPyLまたはPyLARIFYと接触させること、および(ii)例えばPET/CTイメージングによって対象をイメージングすることを含み、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究は、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して(例えば、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在を決定すること、または対象における前立腺がんのステージを決定することについて)、類似のまたは増加したPPV、NPV、特異度、および/または感度を有する。
【0035】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、PPVは少なくとも2倍または3倍高い。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、特異度は90%または95%よりも大きい。
【0036】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究は、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節転移(N1)を決定することについて、少なくとも2倍または3倍高いPPV、改善されたNPV、高いもしくは完璧に近い特異度(例えば、67.3%に対してそれぞれ少なくとも95%、96%、もしくは97%、または97.9%)、および/または類似のもしくはより大きい感度(例えば、~40%または少なくとも40%)を実証する。
【0037】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究は、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して、骨盤リンパ節(N1)を決定することについて、2倍高いよりも大きいPPV、改善されたNPV、および90%または95%よりも大きい特異度を実証する。
【0038】
一側面において、対象における前立腺がんを再ステージングする方法が提供され、前記の前立腺がんは従来のイメージングによって初期にステージングされ、方法は:18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングこと、および18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングに基づいて対象における前立腺がんを再ステージングすることを含み、対象は、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある。
【0039】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、方法は、さらに、18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングによって決定された再ステージを、従来のイメージングによって初期に決定されたステージと比較することを含む。
【0040】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象は比較に基づいてアップステージングされる(例えば、M0からM1、M1aからM1bもしくはM1c、またはM1bからM1cに)。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象は比較に基づいてダウンステージングされる(例えばM1からM0に)。
【0041】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、方法は、さらに、18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングおよび/または比較によって決定された再ステージに基づいて、対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うことを含む。
【0042】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うことは、本明細書に提供される処置管理判断のいずれか1つ以上を包含する。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うことは、放射線照射、フォーカルセラピー、救済、または全身療法を用いる判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うことは、対象を観察する判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うことは、対象の処置を変更する判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、変更は全身から局所救済治療へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、変更は局所救済治療から全身療法へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、変更は観察から処置へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、変更は処置から観察へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、変更は放射線照射からホルモン/ADT治療へである。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うことは、対象の処置を差し控える判断を含む。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、判断はホルモン/ADT治療を差し控えることである。
【0043】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、18F-DCFPyLは対象にPET/CTに1~2時間先行して投与される。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLが単回IVボーラス注射によって10mL以下の総体積で対象に投与される。
【0044】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、方法は、さらに、18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングによって決定された再ステージおよび/または比較に基づいて、対象を処置することを含む。
【0045】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置は本明細書に提供される処置のいずれか1つである。
【0046】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象は本明細書に記載される対象のいずれか1つである。
【0047】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象は2ng/ml未満のPSAレベルを有する。
【0048】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、方法は、さらに、それぞれイメージング前および/または後に例えば例10の問診票に記入することを含む。
【0049】
一側面において、対象における前立腺がんを処置するかまたはそれについての処置管理判断を行う方法における使用のための18F-DCFPyLが提供され、方法は:18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、およびイメージングに基づいて対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うことを含み、対象は、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは2ng/ml未満のPSAレベルを有するか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある。
【0050】
一態様において、18F-DCFPyLは:(a)イメージングが本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである;(b)対象が本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである;(c)18F-DCFPyLが本明細書のいずれか1つの態様に定められる通り投与される;(d)方法が本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである;(e)対象が本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである;(f)方法が、さらに、本明細書のいずれか1つの態様に定められる追加の診断検査を含む;および/または(g)診断パフォーマンスが本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである使用のためである。
【0051】
一側面において、前立腺がんを有する男性をイメージングする方法における使用のための18F-DCFPyLが提供され:(i)対象、例えば本明細書に提供される対象のいずれか1つを18F-DCFPyLと接触させること、および(ii)例えばPET/CTイメージングによって対象をイメージングすることを含む。
【0052】
一態様において、18F-DCFPyLは、18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの診断パフォーマンスの研究が、例えば中央読影されるときに、中央読影される従来のイメージングと比較して(例えば、1つ以上の前立腺がん病変、例えば1つ以上の転移の存在もしくは不在を決定すること、または対象における前立腺がんのステージを決定することについて)、類似のまたは増加したPPV、NP、特異度、および/または感度を有する使用のためである。
【0053】
一側面において、18F-DCFPyLは本明細書のいずれか1つの態様に従う使用のためであり、方法は本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである。
【0054】
一側面において、対象における前立腺がんを再ステージングする方法における使用のための18F-DCFPyLが提供され、前記の前立腺がんは従来のイメージングによって初期にステージングされ、方法は:18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、および18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングに基づいて対象における前立腺がんを再ステージングすることを含み、対象は、転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または転移性のもしくは再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは生化学的再発性の前立腺がんを有するか、または生化学的再発性の前立腺がんを有する疑いがあるか;あるいは非転移性の再発前立腺がんを有するか、または非転移性の再発前立腺がんを有する疑いがある。
【0055】
一態様において、18F-DCFPyLは、方法が本明細書のいずれか1つの態様に定められる通りである使用のためである。
【0056】
一態様において、18F-DCFPyLは、本明細書のいずれか1つの態様に従う使用のためであり、18F-DCFPyLは、4.5から7.5のpHを有する静脈内注射のための無菌の透明の無色溶液の形態であり、これの各ミリリットルは:<1マイクログラムのDCFPyL、較正日時において37から2960MBq(1から80mCi)フロルカルピロイックF18、および≦78.9mgエタノールを0.9%塩化ナトリウム注USP中に含有する。
【0057】
一側面において、本明細書に提供されるいずれか1つの態様に定められる方法における使用のための医薬の製造のための18F-DCFPyLの使用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0058】
図1図1は、OSPREY研究デザインおよびコホートを示す。
図2図2は、骨盤リンパ節における診断パフォーマンスを示す。
図3図3は研究のデザインを示す。USおよびCAに14施設があった。中央イメージングコアラボ:3人の盲検化された独立した18F-DCFPyL-PET/CT読影者;2人の個別の正解のパネルの読影者、一致した読影。
図4図4は選ばれたベースライン特性を示す。
図5図5は正しい局在判定率(CLR)を示す。
図6図6はベースラインイメージングモダリティによるCLRを示す。
図7図7は正解の標準(SOT)によるCLRを示す。
図8図8は読影者の一致を示す。
図9図9はPSA群によるCLR(%)を示す。
図10図10A~10Cはケーススタディ1の結果を示す。図10Aはケーススタディ1を実証する:71yo男性、グリソン4+3=7前立腺がん、RPおよびEBRT後、PSA1.92ng/mLを呈し、ベースライン18F-FACBC-PET/CTでは疾患の証拠なし;18F-DCFPyL-PET/CTはL総腸骨および複数の後腹膜リンパ節病変を示した;後腹膜LNのCTガイド下生検が病理学によって陽性確認された;AEは報告されなかった;意図される管理計画は観察(治療なし)からADT開始に変更された。図10B~10Cはスキャン結果を示す。
図11図11A~11Cはケーススタディ2の結果を示す。図11Aはケーススタディ1を実証する:76yo男性、グリソン4+5=9前立腺がん、PLNDおよびADTありのRP後、PSA1.27ng/mLを呈し、ベースライン18F-FACBC-PET/CTでは疾患の証拠なし;18F-DCFPyL-PET/CTは腰椎転移を示し、これは腰椎の標的化造影MRIによって確認された;AEは報告されなかった;意図される管理計画は局所RTのみからADT+アビラテロン+計画されたRTポータルの修正に変更された。図11B~11Cはスキャン結果を示す。
図12図12A~12Fはケーススタディ3の結果を示す。図12Aはケーススタディ1を実証する:69yo男性、グリソン4+4=8前立腺がん、骨盤リンパ節郭清ありの根治的前立腺切除術の既往、今は1.78のPSA、造影による骨盤の11C-コリンPETおよびMRIによるベースラインの従来のイメージングによって疾患の証拠なし;18F-DCFPyLスキャンは胸椎病変を示し、これは前立腺がんについて陽性であることが生検によって確認された;AEは報告されなかった;投与されるべき放射線療法のボリュームおよびドーズの変更による、この患者の意図される管理の変更があった。図12B~12Fはスキャン結果を示す。
図13図13は意図される管理の変更の結果を示す。
図14図14は安全性をまとめている。先行するOSPREY研究に類似の安全性プロファイル;有意なアレルギー既往を有する患者における過敏が、単一の薬物に関係するグレード3AEであった。
図15図15はケーススタディ1~3の概要をまとめている。
図16図16は複合的な正解の標準(SOT)バリデーションによるSTARDフロー図を示す。
図17図17はベースラインPSAレベルによるCLRを示す。
図18図18はベースラインPSA群による検出率を示す。
図19図19A~19Bは解剖学的領域(図19A)および骨盤外領域(図19B)によるPPVを示す。
図20図20は計画される医学的管理の変更を示す。
図21図21は陰性のまたは境界域のベースラインイメージングを示す。
図22図22は参加者の流れを示す。
図23図23A~23BはそれぞれPyL前および後の医学的管理問診票を示す。
図24図2418F-DCFPyL臨床開発プログラムを示す。
図25図25A~25Cはケーススタディからの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
本明細書ではPyLともまた言われる18F-DCFPyLは、フッ素化されたPSMAを標的とする陽電子放出断層撮影/コンピュータ断層撮影(「PET/CT」)造影剤であり、これは前立腺、骨盤リンパ節、骨、および軟組織転移などにおける前立腺がん病変の可視化を可能にする。驚くべきことに、かかる薬剤によるイメージングは、本明細書に提供される通り対象の高レベルの診断パフォーマンス、例えば感度、特異度、陰性適中率、および/または陽性適中率によって前立腺がん患者をイメージングするために用いられ得るということが見いだされた。
【0060】
化学的特性
18F-DCFPyLはフッ素18(F18)を含有し、放射性標識された前立腺特異的膜抗原阻害剤である。化学的には、18F-DCFPyL(USAN名称:フロルカルピロイックF18)は2-(3-{1-カルボキシ-5-[(6-[18F]フルオロ-ピリジン-3-カルボニル)-アミノ]-ペンチル}ウレイド)-ペンタン二酸である。分子量は一般的に441.4であり、構造式は:
【化1】
である。
【0061】
18F-DCFPyLはPyLARIFY(登録商標)として提供され得、これは静脈内注射のための無菌の透明の無色溶液である。各ミリリットルは、<1マイクログラムのDCFPyL、較正日時において37から2960MBq(1から80mCi)フロルカルピロイックF18、および≦78.9mgエタノールを0.9%塩化ナトリウム注USP中に含有し得る。溶液のpHは4.5から7.5である。
【0062】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、18F-DCFPyL、またはその結果としての投与もしくはイメージングは、次のいずれか1つ以上もしくは全てまたはいずれかの組み合わせを有する:
(i)透明の無色溶液として提供される;
(ii)37MBq/mLから2960MBq/mL(1mCi/mLから80mCi/mL)のフロルカルピロイックF18を合成終了時に含有する;
(iii)333MBq(9mCi)のPETイメージングのために投与される放射能の量;
(iv)例えば10mL以下の総体積で単回ボーラス静脈内注射として投与される;
(v)画像取得のスタート時間は注射の約60分(または60~120分)後である;
(vi)画像取得は大腿中央部から頭頂部へとスタートする;
(vii)12から40分のスキャン所要時間;および
(viii)2~5分のベッドポジションあたり取得時間。
【0063】
18F-DCFPyLは、前立腺がん細胞において過剰発現される前立腺特異的膜抗原(PSMA)の活性部位に結合する。18F-DCFPyLはインビトロのPSMA酵素活性を例えば1.1±0.1nMのKiで用量依存的に阻害する。マウスゼノグラフトでは、18F-DCFPyLは、PSMA陰性のPC3flu腫瘍ではなくPSMA陽性のPC3PIP腫瘍のみにおいて取り込まれ、18F-DCFPyLの取り込みはPSMA特異的であるということを実証する。
【0064】
本明細書に提供される対象は、PSMAが発現される転移性のまたは再発性の前立腺がんを有するものであるか、または有する疑いがある。PSMAは前立腺がんにおいては増加した量で発現される(Rochon et al., 1994, Prostate 25:219-223;Murphy et al., 1995, Prostate 26:164-168;およびMurphy et al., 1995, Anticancer Res. 15:1473-1479)。
【0065】
本明細書において用いられる「転移性」は、原発がんまたは原発がん部位から進展したがんを指す。前立腺がんでは、転移は前立腺外である。転移は骨盤内で例えば骨盤リンパ節において起こり得るか、または骨盤から遠隔の部位にあり得る(本明細書においては「遠隔転移」ともまた言われる)。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、転移は骨盤リンパ節転移または他の遠隔部位における転移である。そのため、転移は骨盤、リンパ節、前立腺外、骨盤外、骨、または内臓もしくは軟組織などであり得る。
【0066】
本明細書において用いられる「再発性」は、前立腺がん初期治療が起こった後に起こる前立腺がんを指すか、または処置を生き延びた前立腺がん細胞を指す。「生化学的再発」は、初期の最適治療後の疾患再発(上昇しているPSA)を指し、前立腺切除術後に≧0.2ng/mLまたは放射線療法後に最低値よりも≧2ng/mL上の確認されたPSA値として定められる。一般的に、再発性の前立腺がんは、対象に1つ以上の前立腺がん病変があるものである。再発性の前立腺がん病変は局所、領域内、または遠隔であり得る。前立腺がん病変は転移であり得る。
【0067】
「非転移性の再発」前立腺がんは、体の他の部分に進展していない、テストステロンを低くするものなどの医学的または外科的処置に対してもはや応答していない再発性の前立腺がんを指す。換言すると、前立腺がんは去勢抵抗性と考えられ得る。
【0068】
本明細書において用いられる「ステージング」は、対象における前立腺がんの程度および/または局在判定を決定することを指す。ステージングはリンパ節または転移性の疾患の程度を決定し得る。そのため、本明細書に提供される方法のいずれか1つは、本明細書に提供される対象のいずれか1つにおける前立腺がんをステージングするために用いられ得る。方法は、対象における前立腺がんのステージが例えば前立腺(T)、骨盤LN(N)(例えばN1)、骨盤外LN(M1a)、骨(M1b)、&他の内臓/軟組織(M1c)であるかどうかを決定するために用いられ得る。「再ステージング」は、何らかの他の方法、例えば従来のイメージングを用いる先行する、最初の、または初期のステージング後に起こる例えば18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングによって遂行されるいずれかのステージングである。再ステージングは、治療のクール(単数または複数)後に前立腺がんの再発または転移後に遂行されるいずれかのステージングを包含し得る。本明細書において用いられる「アップステージング」は、対象において別の方法によって、例えば従来のイメージングによって先行して、最初に、または初期に割り当てられたかまたは決定されたステージよりも進行しているかまたは高い陰性のアウトカムのリスクに関連している例えば18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングからの前立腺がんのステージを対象に割り当てることを指す。「ダウンステージング」は、対象において別の方法によって、例えば従来のイメージングによって先行して、最初に、または初期に割り当てられたかまたは決定されたステージよりも進行していないかまたは低い陰性のアウトカムのリスクに関連している例えば18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングから前立腺がんのステージを対象に割り当てることを指す。
【0069】
一側面において、本明細書に提供される対象のいずれか1つを処置するかまたはそれについての処置管理判断を行う方法が提供され、18F-DCFPyL-PET/CTによって対象をイメージングすること、およびイメージングに基づいて対象を処置するかまたはそれについての処置管理判断を行うことを含む。方法は、前立腺がん病変、例えば転移の存在または不在を決定、前立腺がんをステージング、前立腺がんを再ステージングするためなどであり得る。
【0070】
本明細書において用いられる「処置」は、対象における前立腺がんを低減もしくは消去するために、または前立腺がんを有する結果としての症状の低減などのいずれかの利益を対象に提供するために、または対象における前立腺がんの進行を限定、阻害、もしくはストップするために取られるかまたは取られることを推奨されるいずれかの臨床行為を指す。前立腺がんの処置は、フォーカルセラピー、全身療法、救済治療、手術(例えば前立腺切除術)、放射線照射、凍結治療、小線源治療、化学療法、またはホルモン/アンドロゲン枯渇療法(ADT)治療を包含するが、これに限定されない。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象を処置することまたはその処置は、本明細書に提供される処置の形態のいずれか1つ、またはかかる処置を対象に提供する推奨を含み得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象を処置することまたはその処置は、放射線療法などの本明細書に提供される治療のいずれか1つのボリュームおよび/またはドーズの変更を含み得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象を処置することまたはその処置は、ADTおよびアビラテロン、またはADTおよびアビラテロンならびに放射線療法の変更を含み得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、対象を処置することまたはその処置は、ADTおよびアビラテロン、またはADTおよびアビラテロンならびに放射線療法からの変更を含み得る。
【0071】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、放射線照射は、前立腺もしくは前立腺床、骨盤の放射線照射であるか、または骨盤外である。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、フォーカルセラピーは凍結手術、強力集束超音波、または小線源治療である。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、救済治療は前立腺切除術、骨盤リンパ節/病変郭清、または転移巣切除術/遠隔リンパ節/病変郭清である。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、全身療法はアンドロゲン枯渇療法、抗アンドロゲン薬(例えば、アビラテロン、アパルタミド、ダロルタミド、エンザルタミド)、または化学療法である。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象を処置することまたはその処置は、I-131-1095をエンザルタミドとの組み合わせで含む。
【0072】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、救済治療は前立腺切除術である。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、TまたはN前立腺がんを処置することまたはその処置管理判断は骨盤リンパ節/病変郭清、転移巣切除術/遠隔リンパ節/病変郭清、および/または全身療法開始である。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、M疾患を処置することまたはその処置管理判断は全身療法である。
【0073】
本明細書において用いられる「処置管理判断を行う」は、対象における前立腺がんをモニタリングおよび/または処置するために、臨床医が前立腺がんを有する対象について行い得るいずれかの判断を指す。処置管理判断は、生検が遂行されるということを決定すること、生検を遂行するべき位置を変更すること、生検を遂行する頻度を変更すること、手術が遂行されるということを決定すること、遂行されるべき手術のタイプを変更すること、手術を遂行するべき位置を変更すること、手術を遂行するタイミングを変更すること、放射線照射が投与されるということを決定すること、投与するべき放射線照射のタイプを変更すること、投与するべき放射線照射のドーズを決定すること、放射線照射を投与するべき位置(例えば、局所、領域内、局所領域)を決定すること、投与するべき放射線照射のドーズを変更すること、放射線照射を投与するべき位置を変更すること、化学療法が遂行されるということを決定すること、投与するべき化学療法のタイプを変更すること、投与するべき化学療法のドーズを決定すること、投与するべき化学療法のドーズを変更すること、化学療法を投与するためのレジメンを変更すること、ホルモン/ADT治療が投与されるということを決定すること、投与するべきホルモン/ADT治療のタイプを変更すること、投与するべきホルモン/ADT治療のドーズを決定すること、投与するべきホルモン/ADT治療のドーズを変更すること、ホルモン/ADT治療を投与するためのレジメンを変更すること、および治療を置換することまたは補助的な治療を追加すること、例えば全身療法による置換、または他の治療の補助として全身療法を追加することを包含するが、これに限定されない。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うステップは前述のいずれか1つ以上を包含し得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うステップは、全身療法から局所または局所救済治療に、局所または局所救済治療から全身療法に、観察から治療開始に、治療開始または維持から観察に変更することを包含し得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、方法は、さらに、処置管理判断に従って対象を処置またはモニタリングする(または処置もしくはモニタリングを対象に推奨する)ステップを含み得る。
【0074】
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、処置管理判断を行うステップは、方法は、18F-DCFPyLによるイメージング前および/または後の問診票、例えば、例えば例10の本明細書に提供される問診票の1つまたは両方に記入することを含み得る。
【0075】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの対象は、転移性のまたは再発性の前立腺がんを有するものであり得る(または、転移性のもしくは再発性の前立腺がんが疑われるものであり得る)。本明細書に提供される方法のいずれか1つの対象は、生化学的再発性の前立腺がんを有するものであり得る(または生化学的再発が疑われるものであり得る)。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は例えばOSPREY治験に従う高リスク前立腺がんを有する。
【0076】
提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、高いまたは上昇している前立腺特異的抗原(PSA)レベルを有するかまたは有し得、例えば、0.2ng/mLに等しいかまたはより大きい検出可能なまたは上昇しているPSAを有するものであり、0.2ng/mLに等しいかまたはより大きい確認的なPSAを有する。提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、高いまたは上昇している前立腺特異的抗原(PSA)レベルを有し得、例えば、最低値よりも0.2ng/mL上に等しいかまたはより大きい高値PSAを有するものである。提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、2未満、1.5未満、1未満、または0.5ng/mL未満のPSAレベルを有するかまたは有し得る。提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、0.2~0.5ng/mLの間、0.5~1ng/mL、0.5~2ng/ml、1~2ng/mL、または2ng/mLに等しいかもしくはより大きいPSAレベルを有するかまたは有し得る。提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、2~5の間、または5ng/mLに等しいかもしくはより大きいPSAレベルを有するかまたは有し得る。提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、0.2ng/mLに等しいかもしくはより大きいPSAレベルを有するかもしくは有し得るか、または0.2~5ng/mLの間である。前述のいずれか1つのある態様において、PSAレベルは5ng/mLに等しいかまたは未満でもまたあり得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象のいずれか1つは、前立腺がん治療および/または陰性のもしくは境界域のイメージング後に、上昇しているPSAレベルまたはPSAレベルの変化を有し得る。
【0077】
本明細書に提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象はPSAレベル検査を受けさせられたものであるか、または方法は対象のPSAレベルを検査するステップを包含する。
【0078】
かかる対象のいくつかの態様において、対象は、根治的前立腺切除術を経たものであってもよい。本明細書に提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象が、根治的前立腺切除術を経たものであるか、または、方法が、対象を根治的前立腺切除術で処置するステップを包含する。
【0079】
提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は、従来のイメージング、例えば標準治療精密検査の一部として遂行される従来のイメージングによって、前立腺がんについての陰性のまたは境界域の所見を有し得る。従来のイメージング方法は、超音波、CT/MRI(例えば骨盤)、PET/CT、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴イメージング(MRI)、骨スキャン(例えば、99mTcネチレンジホスホン酸(MDP)骨スキャン)、全身スキャン、全身骨スキャン、全身骨シンチグラフィー、骨シンチグラフィー、NaF、フルシクロビン(例えば18F-フルシクロビン)、18F-FACBC(アキュミン)、18F-FDG、またはコリン(例えば11C-コリン)PETを包含するが、これに限定されない。本明細書に提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は従来のイメージングを受けさせられたものであるか、または方法は従来のイメージングによって対象をアセスメントするステップを包含する。
【0080】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、前立腺の病変を有するものであるか、または前立腺の病変を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、前立腺床病変を有するものであるか、または前立腺床病変を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、前立腺外転移を有するものであるか、または前立腺外転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、骨盤(例えばリンパ節)転移を有するものであるか、または骨盤(例えばリンパ節)転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、骨盤外(例えばリンパ節)転移を有するものであるか、または骨盤外(例えばリンパ節)転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、遠隔転移を有するものであるか、または遠隔転移を有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、この対象は、骨、内臓、軟組織、腸骨、後腹膜傍大動脈/大動脈周囲リンパ節、限局型骨、胸椎、または腰椎転移を有するものであるか、または有する疑いがある。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象はリンパ節転移を有するものである。
【0081】
かかる対象のいくつかの態様において、対象は、放射線療法、凍結治療、または小線源治療を受けさせられたものである。本明細書に提供される方法のいずれか1つのいくつかの態様において、対象は放射線療法、凍結治療、もしくは小線源治療を受けさせられたものであるか、または方法は放射線療法、凍結治療、もしくは小線源治療によって対象を処置するステップを包含する。
【0082】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、アビラテロンによるなどの、先行する抗アンドロゲン治療を受けていた。本明細書に提供される方法のいずれか1つの別の態様において、かかる対象は、アビラテロンによるなどの、先行する抗アンドロゲン治療を受けていたが、タキサン化学療法によるなどの、先行する細胞毒性化学療法を受けていなかった。本明細書に提供される方法のいずれか1つの別の態様において、かかる対象のいずれか1は、これらの先行する処置(単数または複数)にもかかわらず進行した前立腺がんを有する。本明細書に提供される方法のいずれか1つの別の態様において、かかる対象のいずれか1は、これらの先行する処置(単数または複数)にもかかわらず進行したmCRPCを伴うものである。
【0083】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、アビラテロンによるなどの、先行する抗アンドロゲン治療の複数のラウンドを受けていた。本明細書に提供される方法のいずれか1つの別の態様において、対象は、アビラテロンによるなどの、先行する抗アンドロゲン治療を受けていたが、タキサン化学療法によるなどの、先行する細胞毒性化学療法を受けていなかった。本明細書に提供される方法のいずれか1つの別の態様において、かかる対象のいずれか1は、これらの先行する処置(単数または複数)にもかかわらず進行した前立腺がんを有する。本明細書に提供される方法のいずれか1つの別の態様において、かかる対象のいずれか1は、これらの先行する処置(単数または複数)にもかかわらず進行したmCRPCを伴うものである。
【0084】
本明細書において用いられる「抗アンドロゲン」は、アンドロゲンホルモンおよびアンドロゲンによって制御される分子の作用をブロックする(例えば阻害する)薬剤を指す。アドレナリン受容体アンタゴニストは本明細書においては抗アンドロゲンであると考えられる。用語「抗アンドロゲン」は抗アンドロゲン、抗アンドロゲンアナログ、および抗アンドロゲン誘導体を包含する。前立腺がんでは、抗アンドロゲンはテストステロンの活性をブロックし、これは典型的には前立腺がん成長を遅める。いくつかの態様において、抗アンドロゲンはCYP17A遺伝子によってコードされる酵素シトクロムP450-17A1をブロックする。抗アンドロゲンはステロイド性または非ステロイド性(「純粋」ともまた言われる)であり得る。抗アンドロゲンの例は、限定なしに、アビラテロン(ZYTIGA(登録商標))、エンザルタミド(XTANDI(登録商標))、ニルタミド(NILANDRON(登録商標))、フルタミド(EULEXIN(登録商標))、ビカルタミド(CASODEX(登録商標))、オルテロネル(TAK-700、Tokai Pharmaceuticals, Inc.)、アパルタミド(Janssen)、およびダロルタミド(Bayer)を包含する。
【0085】
「進行」は、本明細書に使用されるとき、本明細書に言及される、先行する処置またはそれらの組み合わせのいずれか1つなどの処置などによって低減していない前立腺がんの細胞増殖を指す。疾患進行は、上昇するPSAレベル(例として、ベースラインまたは先行する測定からの≧25%の、および最低値の≧2ng/ml超の増加であって、≧3週間後に進行の第2のかかるアセスメントを伴うかまたは伴わない)、RECIST1.1により定義される軟部組織の疾患進行、骨スキャン上の2以上の新たな病変によって定義される骨疾患進行、および/またはX線写真上明白な疾患のエリアの新たな疼痛によって示され得る。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、進行している前立腺がんは、それらの先行する処置または組み合わせによって実質的に阻害されず、および、臨床医によって無反応性と見なされる。
【0086】
本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、先行するアビラテロン治療の間にまたはアビラテロンからの中断の後に遂行された比較スキャンに対して相対的に進行を示すスキャンによってなどの、軟部組織もしくは骨の進行を有するかまたは有していた。本明細書に提供される方法のいずれか1つの一態様において、対象は、先行するアビラテロン治療の間にまたはアビラテロンからの中断の後に遂行された以前のスキャンの結果に対して相対的に進行を示すスキャンによってなどの、軟部組織もしくは骨の進行を有するかまたは有していた。
【0087】

例1- 前立腺がんを有する患者における18F-DCFPyL PET/CTイメージングの前向きフェーズ2/3多施設研究-診断的確性の検査(A PrOspective Phase 2/3 Multi-Center Study of 18F-DCFPyL PET/CT Imaging in Patients with PRostate Cancer - Examination of Diagnostic AccuracY)(OSPREY)
背景
前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、前立腺がん(PCa)細胞によって過剰発現させられる膜貫通タンパク質であり、および、新規のPET放射性追跡子18F-DCFPyLを使用して標的化することができる。この例は、PCaを有する男性における骨盤リンパ節転移および他の離れた疾患部位を検出するための18F-DCFPyL PET/CTの診断パフォーマンスを決定することを目指すものであった。
【0088】
方法
根治的前立腺切除術およびリンパ節切除術を予定された高リスクPCaを有する(コホートA、n=268)、または生検を実行可能である転移性PCaの放射線学的証拠を有する(コホートB、n=117)、385人の男性において、18F-DCFPyL PET/CTを評価した。9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLをPET/CTの1~2時間前に投与した。骨盤リンパ節転移を検出するための18F-DCFPyL PET/CTの感度および特異度という複数主要エンドポイント(coprimary endpoints)を、コホートAにおいて評価した。副次的エンドポイントは、両方のコホートにおいて安全性を、コホートAにおいて陽性的中度(PPV)および陰性的中度(NPV)を、およびコホートBにおいて感度およびPPVを包含した。3の中心的な、盲検化された、かつ独立したリーダー(readers)が、18F-DCFPyLスキャンを評価した。組織病理学は、イメージング所見と比較された参照基準としての役割を果たした。図1は、研究デザインおよびコホートに関して情報を提供する。
【0089】
結果
コホートA(n=252が評価可能)において、18F-DCFPyL PET/CTの感度は、3のリーダーの間で30.6~41.9%の範囲にわたっており(95%CIの下限:19.2~29.7%)、96.3~98.9%(95%CIの下限:93.6~96.0%)の特異度の範囲を伴っていた。加えて、PPVおよびNPVは、夫々78.1~90.5%および81.4~83.8%の範囲にわたっていた。分析をリンパ節転移の中央値>4mmに限ると、感度において顕著な改善があった(51.7~65.5%の範囲にわたる;95%CIの下限:33.5~48.0%)。遠隔転移PCaを有する患者(コホートB、n=93が評価可能)において、感度およびPPVの値は、夫々92.9~98.6%(95%CIの下限:84.0~91.6%)および81.2~87.8%の範囲にわたっていた。薬剤関連の重篤な有害事象は観察されず、および、27人(7.0%)の男性が、≧1の薬剤関連有害事象を経験し、味覚障害(2.1%)および頭痛(2.1%)が最もよく見られた。
【0090】
診断パフォーマンス概要(評価可能なセット)
骨盤リンパ節診断概要
・ 第一の複数主要エンドポイントである特異度は、96~99%の範囲にわたり、および、前もって特定された限界である80%で統計的に有意であった
・ 第二の複数主要エンドポイントである感度は、31~42%の範囲にわたり、および、前もって特定された信頼限界である40%を満たさなかった
・ 高いPPV(78~91%)およびNPV(81~84%)パフォーマンスは、18F-DCFPyL PET/CTの強い臨床的実用性を実証し、医師に試験結果を信頼するだけの信頼性を提供する
転移診断概要
・ 骨盤外(例として、骨、軟組織、およびリンパ節)の再発性または転移性疾患を表す副次的な効能のエンドポイント
・ この患者集団において、高い感度(93~99%)およびPPV(81~88%)は、遠隔転移病変を的確に検出する強い臨床的実用性を与える
【0091】
前立腺外診断概要
・ 拡大骨盤リンパ節郭清からの骨盤リンパ節および標的とされた生検からの遠隔転移または再発病変を包含する前立腺外病変を検出する18F-DCFPyLのパフォーマンスは、全ての診断パラメーターにわたって統計的に有意であった
・ このプールされた分析は、転移病変(骨盤および遠隔の両方)を検出するPyLの全体的な感度を改善させる
コホートAおよびB
【0092】
前立腺概要
・ これは、PyLが完璧に近い感度およびPPVで前立腺がんを検出するということを実証する予備的なエンドポイントである
・ これらが高リスク前立腺がん患者であることを確認する
【0093】
対象のケアの医学的管理の変更(例えば、以下のうちの1つ以上における変更として定義される):
表1
【0094】
【表1】
【0095】
中心的に読み取られた前PyLイメージングおよび臨床特性の一連のレビューとこれに続くPyLイメージング結果に基づく再レビュー、に基づく管理における変更
・ 一例において、管理の変更は、PyL PET/CT画像をレビューした後の対象の~43%において示されたと見受けられ、予定されたホルモン治療に最も大きな変更があった
コホートA
【0096】
結論
18F-DCFPyL PET/CTは、良好な耐容性を示し、および、その高い特異度およびPPVによって裏付けられるとおり、骨盤リンパ節転移および他の離れた転移性疾患の部位の検出において高い全体的な診断パフォーマンスを実証した。これらのデータは、前立腺がんを有する男性における、より的確に情報を知らされた処置選択を可能にさせることができるということを提案する。
【0097】
例2- 前立腺がんの再発の疑いがある患者における18F-DCFPyL PET/CTイメージングの研究(CONDOR)
表2
【0098】
【表2】
【0099】
成果測定
主な成果測定:
1.18F-DCFPyL PET/CTイメージング上で同定された少なくとも1つの病変と、評価可能な組織病理学、情報性のある相関イメージング、または放射線療法の後のPSA応答のいずれかとして定義された複合の真の基準(composite truth standard)との、1対1対応を伴う対象のパーセンテージとして定義される、正確なローカライゼーションのレート(Correct Localization Rate)(CLR)。
PyL PET/CTイメージングに続く60日以内に、PyLによる疑いのある病変(単数または複数)の、生検/手術、従来型のイメージング、または局所領域放射線療法のいずれかが遂行される。
【0100】
副次的な成果測定:
2.意図していた前立腺がん処置計画における18F-DCFPyL PET/CTイメージング結果に起因する変更を伴う対象のパーセンテージ。
意図していた前立腺がん処置計画における変更は、PyL PET/CTイメージングの前および後に完了させた医学管理アンケート(Medical Management Questionnaires)に基づく。
【0101】
適格性
最低年齢:18歳
最高年齢:
性別:男性
性別に基づく:そうである-男性の対象のみがこの研究に登録される。
健康なボランティアの受け入れ:なし
基準: 採用基準:
・ 男性>/=年齢18歳の
・ 元々の診断について組織病理学的に確認された前立腺癌であって、後続する根治療法を伴う
・ 以下に基づいた根治療法の後の上昇しているPSAに基づいて前立腺がんの再発の疑いがある:
a.根治的前立腺切除術後:≧0.2ng/mLである検出可能なまたは上昇しているPSAであって、確認的なPSA≧0.2ng/mLを伴う(米国泌尿器科学会[AUA]);あるいは
b.放射線療法後、凍結療法後、または小線源療法後:最下点≧2ng/mLを超えて高くなったPSAレベルの増加(アメリカ腫瘍放射線治療学会[ASTRO]-Phoenix)
・ 第1日に対して60日以内前に標準治療精密検査の一部として遂行された従来型のイメージング試験での前立腺がんについて陰性または曖昧な所見
・ 制度的な標準治療(SOCスキャン(単数または複数)(例として、骨盤CT/MRI、全身骨スキャン、NaF、フルシクロビンまたはコリンPET)ごとに、従来型のイメージング所見は第1日に対して60日以内前に完了した。第1日に対して60日前よりも前に遂行したSOCスキャン(単数または複数)は研究のスクリーニング手続として繰り返され得、および第1日よりも前に検査担当医によってレビューされ得る。
・ 検査担当医によって決定されるとおりの余命≧6か月
・ インフォームドコンセントを提供し、およびプロトコル要件を遵守する、能力および意思
【0102】
排除基準:
・ 何らかの高エネルギー(>300KeV)ガンマ線放射ラジオアイソトープを第1日に対して物理的半減期5回以内前に投与された対象
・ 前立腺がんのための、何らかの全身療法(例として、ADT、抗アンドロゲン物質、GnRH、LHRHアゴニストまたはアンタゴニスト)での継続中の処置
・ 第1日に対して過去3か月中におけるADTでの処置
・ 第1日に対して60日以内前に前立腺がんのための治験の治療を受けたこと
・ 検査担当医の意見において、信頼できるデータを生み出すのにまたは研究を完了させるのに対象の安全またはコンプライアンスを損なうような何らかの病状または他の事情がある対象。
【0103】
例3- OSPREYトライアルからの結果:前立腺がんを有する患者における18F-DCFPyL PET/CTイメージングの前向きフェーズ2/3多施設研究-診断的確性の検査
背景
前立腺特異的膜抗原(PSMA)は、前立腺がん(PCa)細胞によって過剰発現させられる膜貫通タンパク質である。PSMAベースのイメージングは、PCa検出に大いに有望であると見なされており、および、新規のPET放射性追跡子18F-DCFPyLを使用して標的化することができる。この前向きな多施設トライアルは、PCaを有する男性における、骨盤リンパ節転移、および遠隔転移の部位を検出するための、18F-DCFPyL PET/CTの安全性および診断パフォーマンスを決定するためにデザインされた。
【0104】
方法
リンパ節切除術を伴う根治的前立腺切除術を予定された高リスクPCaを有する(コホートA)、または生検を予定されていた者であって再発性もしくは転移性PCaの放射線学的証拠を有する(コホートB)、385人の男性において、18F-DCFPyL PET/CTを評価した。9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLをPET/CTの1~2時間前に投与した。骨盤リンパ節における前立腺がん転移を検出するための18F-DCFPyL PET/CTの感度および特異度という複数主要エンドポイントを、コホートAにおいて評価した。主要な副次的エンドポイントは、有害事象の発生率、コホートAにおける骨盤リンパ節転移を検出するための18F-DCFPyL PET/CTイメージングの陽性的中度(PPV)および陰性的中度(NPV)、コホートBにおける転移または再発の部位内で前立腺がんを検出するための18F-DCFPyL PET/CTイメージングの感度およびPPVであった。3の中心的な、盲検化された、かつ独立したリーダーが、18F-DCFPyLスキャンを評価した。イメージング所見を、参照基準としての組織病理学と比較した。
【0105】
結果
コホートA(n=252が評価可能)における骨盤リンパ節転移の検出については、18F-DCFPyL PET/CTイメージングは、感度の中央値40.3%(95%CI:28.1~52.5%)、特異度の中央値97.9%(95%CI:94.5~99.4%);および、PPVおよびNPVの中央値夫々86.7%(95%CI:69.7~95.0%)および83.2%(95%CI:78.0~88.0%)を有していた。コホートB(n=93が評価可能)においては、感度の中央値およびPPVは、夫々95.8%(95%CI:87.8~99.0%)および81.9%(95%CI:73.7~90.2%)であった。18F-DCFPyL PET/CTの感度およびPPVを、コホートBにおいては、領域レベル上の異なる病変位置(前立腺、骨盤および骨盤外)において評価した。骨盤領域についての感度およびPPVの中央値は夫々100%(95%CI:N/A)および79.5%(95%CI:67.0~92.0%)であり;および骨盤外領域についての感度およびPPVの中央値は夫々94.9%(95%CI:82.0~99.0%)および86.1%(95%CI:76.0~96.0%)であった。分析のための前立腺領域への局所再発を有する評価可能な対象はいなかった。個々のリーダーによるアセスメントは、下の表に示される。薬剤関連の重篤な有害事象は観察されなかった。27人(7.0%)の男性が、≧1の薬剤関連有害事象を経験し、味覚障害(2.1%)および頭痛(2.1%)が最も多かった。
【0106】
結論
18F-DCFPyL PET/CTは、良好な毒性プロファイルを有し、および、PCaを有する患者において一般的に良好な耐容性を示した。18F-DCFPyL PET/CTは、遠隔転移性前立腺がんを信頼性よく検出することにおける高い感度、および骨盤リンパ節転移がないことを確認することにおける高い特異度を実証した。これらの疾患セッティングにおける18F-DCFPyLイメージングの、関連した強いPPVおよびNPVは、その潜在的に高い臨床的実用性を示唆する。
【0107】
表3 領域による診断パフォーマンス(コホートB)
【表3】
【0108】
例4- OSPREYトライアルにおける18F-DCFPyLの診断パフォーマンス:転移性前立腺がん(mPC)と分かっているかまたは疑いのある患者(Pts)における18F-DCFPyL PET/CTイメージングの前向きフェーズ2/3多施設研究
背景
前立腺がんの的確な検出は、患者管理に必須であるが、それでも未だ標準的なイメージング法は、的確にmPCを検出するパフォーマンスが悪い。18F-DCFPyLは、前立腺がんについての認識されている標的である前立腺特異的膜抗原に選択的に結合する、新規なPET造影剤である。OSPREYは、新たに診断された高リスクの前立腺がんのある(コホートA)、またはmPCと分かっているかもしくは疑いのある(コホートB)、いずれかの患者における、前向きな多施設研究であった。ここでは我々はコホートBに注目する。
【0109】
方法
再発性またはmPCの生検を予定されていた117人の男性に18F-DCFPyLを受けさせた。患者は、画像誘導生検を経た。18F-DCFPyL PET/CTの感度、陽性的中度(PPV)、および安全性が、コホートBについての主要なエンドポイントであった。18F-DCFPyL PET/CTスキャンを、3の独立した、盲検化された中心的なリーダーによって評価し;および、真の基準(truth standard)としての組織病理学と結果を比較した。
【0110】
結果
組織病理学と比較したときの18F-DCFPyL PET/CTの感度およびPPVは、夫々92.9~98.6%(95%CIの下限:84.0~91.6%)および81.2~87.8%にわたっていた。解剖学的位置による診断パフォーマンスは、全ての疾患部位において高い感度および高いPPVを示した(下の表を参照)。2人(1.7%)のみのコホートB患者が≧1の薬剤関連AE(味覚障害および全身性発疹)を経験し、両方とも、重症度では軽症(グレード1)であった。
【0111】
結論
18F-DCFPyL-PET/CTは良く忍容され、リンパ節、骨、および/または内臓/軟組織の転移を精確に検出することにおける高い感度およびPPVを実証した。陽性の18F-DCFPyL-PET/CTスキャンは、病理学的に証明された遠隔の疾患に該当し得、処置計画に良い影響を与えるPET造影剤としての18F-DCFPyLを実証する。
【0112】
【表4】
【0113】
例5-生化学的再発性の前立腺がんを有する男性におけるPSMA標的化18F-DCFPyL-PET/CTの診断パフォーマンス:フェーズ3多施設CONDOR研究からの結果
【0114】
背景
現行で利用可能なイメージングモダリティは、とりわけ低い前立腺特異的抗原(PSA)レベルを有する男性において、生化学的再発性の(BCR)前立腺がん(PCa)の程度を確かに局在判定および決定することにおいて不十分である。BCRを有する男性において潜在性の疾患を同定することは処置計画にとって重要である。18F-DCFPyLはPCaをイメージングするための新規のPET薬剤であり、これは細胞表面蛋白質の前立腺特異的膜抗原(PSMA)に高い親和性で選択的に結合する。
【0115】
対象の基準
採用基準
RP後:PSA≧0.2ng/mL、または
RTまたは凍結治療後:PSA最低値よりも≧2ng/mL上
施設のSOC精密検査によって陰性のまたは境界域のイメージング(例えば、全身骨スキャン、CT、MRI、18F-フルシクロビンまたは11C-コリンPET、18F-FDG-PET)
除外基準
いずれかの全身療法による継続中の処置
18F-DCFPyL投与に先行して3ヶ月以内にADTによる処置
【0116】
方法
最適PCa治療および陰性のまたは境界域のイメージング後に上昇しているPSAを有する>18歳の男性を登録した。単回の~9mCi(333MBq)ドーズの18F-DCFPyLを投与し、次に、1~2時間後に大腿中央部から頭頂部までのPET/CTをした。この研究の一次エンドポイントは正しい局在判定率(CLR)であった。CLRは、18F-DCFPyL-PET/CTによって同定された少なくとも1つの病変の局在判定および複合的な正解の標準(SOT)の間の1対1対応を有する患者のパーセンテージとして定められる。SOTは2人の中央読影者によって決定され、組織病理学もしくは別の標準的なイメージングモダリティ(すなわち、フルシクロビン-PET/CT、CT/MRI、骨スキャン)どちらか、または代替的には処置後のPSA変化を照射後病変について包含した。CLRの95%信頼区間の下限が3人の独立した盲検化された18F-DCFPyL-PET/CT判定者のうち2人で20%を超えた場合には、トライアルは成功と見なされた。総体的な研究デザインが図3に示され、選ばれたベースライン特性が図4に示されている。
【0117】
結果
0.8ng/mLのベースラインPSA中央値(範囲:0.2~98.4ng/mL)を有する208人の男性が、18F-DCFPyL-PET/CTを受けさせられた。対象の総数で59%から66%は、3人の盲検化された独立した読影者によって18F-DCFPyL-PET/CTによって検出された少なくとも1つの病変を有した。これらの患者では、84.8%~87.0%のCLRが観察された(95%CIの下限:77.8%~80.4%)。単一の重篤な有害事象(AE)が治験薬に関係して報告された(過敏)。報告された最も普通のAEは4人の患者における頭痛であった(1.9%)。結果が図5~9、10A~12F、13、および15に示されている。安全性は図14にまとめられている。
【0118】
結論
18F-DCFPyL-PET/CTは、陰性のまたは境界域のベースラインイメージングを有する男性において再発性のPCaを局在判定することにおいて、最高で87%のCLRでその一次エンドポイントを達成した。これらのデータは、PSMA標的化18F-DCFPyL-PET/CTの強い診断パフォーマンスを実証し、再発性のPCaを有する男性における処置選択に情報提供するためのその使用を支持する。
【0119】
例6-前立腺がんを有する患者におけるPSMA標的化18F-DCFPyL-PET/CTイメージングの前向きフェーズII/III多施設研究(OSPREY):18F-DCFPyL-PET/CTによる初期ステージングにおける領域内および遠隔転移の検出率のサブ解析
【0120】
背景
現行のイメージングモダリティは、潜在性の転移性前立腺がん(PCa)を持っているリスクがある男性の初期ステージングには準至適である。PSMAに基づくイメージングはPCa検出にとって高度に有望と考えられる。18F-DCFPyLは陽電子放出断層撮影(PET)のための新規のPSMA標的化放射性医薬品であり、これは高リスクPCaを有するptsのステージングに有用であり得る。ここでは、高リスクPCaを有する患者のステージングに対して18F-DCFPyLが有し得る検出率およびもたらされるインパクトを報告する。
【0121】
方法
18F-DCFPyL-PET/CTを、リンパ節切除ありの根治的前立腺切除術(RP-PLND)を計画された高リスクPCaを有する252人の男性において評価した。9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLをPET/CTに1~2時間先行して投与した。TNMステージングに基づいて、病変計数:前立腺(T)、骨盤LN(N)、骨盤外LN(M1a)、骨(M1b)、&他の内臓/軟組織(M1c)を包含する18F-DCFPyL-PET/CT検出率を体系的に分析した。3人の盲検化された独立した中央読影者が18F-DCFPyLスキャンを評価した。
【0122】
結果
研究のエントリーにおいて、全ての評価可能なptsの97%および99%は、標準的な断面イメージングに基づいて、それぞれ既知のリンパ節または転移性の疾患を有さなかった。これらのうち、18F-DCFPyL-PET/CTは、37人の(14.7%)ptsをN1疾患、27人の(10.7%)ptsをM1疾患(1人[0.4%]M1a、23人[9.1%]M1b、および3人[1.2%]M1c)にステージングした。総数で、患者の56人(22%)は18F-DCFPyLによってN1またはM1疾患にアップステージングされた。骨盤LNについての組織病理学的バリデーションに基づく18F-DCFPyLの陽性適中率は86.7%であった(95%CI:70、95)。コホートAの1人の患者のみが、それらの18F-DCFPyL検出されたM1所見の生検を受けさせられた;組織病理学は背骨の転移性の病変が真陽性であることを確認した。
【0123】
結論
RP-PLNDを計画された高リスクPCaを有するptsの総数で22%が、18F-DCFPyL-PET/CTによって検出される領域内または遠隔の転移性病変を有した。これらの結果は、最適化された処置パラダイムを開発するための、新たに診断された高リスクPCaを有する男性のステージングにおける18F-DCFPyL-PET/CTの有用性を支持する。
【0124】
例7-高リスク前立腺がんを有する男性における術前のPSMA標的化18F-DCFPyL-PET/CTの臨床的有用性:OSPREY前向き多施設トライアルにおける骨盤CTまたはMRIとの診断パフォーマンス比較
【0125】
序論
領域内リンパ節転移(N1)を検出するための骨盤CT/MRIの低い陽性および陰性適中率(PPVおよびNPV)ゆえに、現行のイメージングモダリティは、潜在性の転移性の前立腺がん(PCa)を持っているリスクがある男性の初期ステージングには準至適である。前立腺特異的膜抗原(PSMA)はPCa細胞によって過剰発現され、PSMAに基づくPETは領域内および遠隔転移を同定することについて高いPPVおよびNPVを実証している。18F-DCFPyLは新規のPSMA標的化PET放射性医薬品であり、これは初期治療計画をガイドするために高リスク患者をステージングする精度を改善し得る。
【0126】
方法
18F-DCFPyL-PET/CTを、骨盤リンパ節切除ありの根治的前立腺切除術(RP-PLND)を受けさせられるはずの高リスクPCaを有する252人の男性において評価した。~9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLをPET/CTに1~2時間先行して投与した。腺および骨盤リンパ節の転移において原発腫瘍を検出することについての18F-DCFPyL-PET/CTの感度、特異度、PPV、およびNPVを、従来のイメージング(CI)のCTまたはMRIどちらかと比較した。3人の盲検化された独立した中央読影者が18F-DCFPyLスキャンを評価し、1人の盲検化された中央読影者がCIを解釈した。イメージング結果は正解の標準としての外科的な病理学と比較した。
【0127】
結果
腺および骨盤リンパ節におけるPCaを決定するための18F-DCFPyL-PET/CTおよびCIの診断パフォーマンス特性が下の表に示されている。N1疾患を検出することにおいての類似の感度(18F-DCFPyL-PET/CTでは40.3%、CIでは41.7%)にもかかわらず、18F-DCFPyL-PET/CTのPPV(86.7%)は、真の骨盤リンパ節転移を同定することにおいてCI(29.1%)よりも3倍近く高かった。18F-DCFPyL-PET/CTはCIよりも特異的であり(97.9%対67.3%)、CIよりも高いNPVを有する(83.2%対78.3%)。18F-DCFPyL-PET/CTは前立腺の原発腫瘍を検出することにおいてもまたより高感度であり、PyLでは98%、CIでは36%の感度を有した)。
【0128】
【表5】
【0129】
結論
正解の標準として組織病理学を用いて前立腺および骨盤リンパ節疾患を決定することについて骨盤CTまたはMRIと比較したときには、18F-DCFPyL-PET/CTの診断パフォーマンスは疾患の真の程度を同定することにおいて優れており、高リスクPCaを有する患者における初期治療をガイドし得る。
【0130】
例8-生化学的再発性の(BCR)前立腺がん(PCa)を有する患者(pts)の臨床管理に対する18F-DCFPyL-PET/CTによるPSMA標的化イメージングのインパクト:フェーズIII前向き多施設研究(CONDOR)からの結果
【0131】
背景
現行のイメージングモダリティは、BCR-PCaを有する男性、特に低いPSA(<2ng/mL)を有する患者において潜在性の疾患を局在判定および特性評価するには不十分である。18F-DCFPyL(PyL)は新規のPET造影剤であり、これはPCa細胞において過剰発現されるPSMAに高い親和性で選択的に結合する。方法:最適治療後の上昇しているPSAおよび陰性のまたは境界域の標準治療イメージング(例えば、CT/MRI、骨シンチグラフィー)を有する≧18歳の男性を登録した。単回の9mCi(333MBq)±20%ドーズのPyLを注射し、次に1~2時間後にPET/CTをした。一次エンドポイントは正しい局在判定率(CLR)であり、PyL-PET/CTによって同定された少なくとも1つの病変と複合的な正解の標準:病理学、相関イメージング、またはPSA応答との間の1:1対応を有するptsのパーセンテージとして定められた。CLRの95%信頼区間の下限(LLCI)が3人の独立した盲検化されたPyL-PET/CT中央判定者のうち2人で20%を超えた場合には、トライアルは成功であった。二次エンドポイントのptsの臨床管理に対するPyL-PET/CTのインパクトは、PyL-PET/CT前および後の担当医師の文書化された臨床計画に基づいた。
【0132】
結果
208人の男性(PSA中央値0.8[0.2~98.4]ng/mL)がPyL-PET/CTを受けさせられた。研究は、その一次エンドポイント:3人のPyL-PET/CT読影者における84.8%から87.0%のCLRを達成した;全ての3人の判定者によるCLRのLLCIは>77%であった。局所ラジオロジーアセスメントに基づいて、PSMA高集積病変(単数または複数)をptsの69.3%(142/208)において同定した。63.9%(131/205)はPyL-PET/CT後に意図される管理の変更を有した。これらのうち78.6%(103/131)は陽性のPyL所見(単数または複数)に、21.4%(28/131)は陰性のPyLスキャンに起因した。変更は:局所救済治療から全身療法へ(n=58);治療開始前の観察(n=49);非治癒全身療法から局所救済治療へ(n=43);および計画されていた処置から観察へ(n=9)を包含した。PyLは良く忍容され、1つの薬物に関係するSAE(過敏)を有し、最も普通のAEは頭痛であった(n=4;1.9%)。
【0133】
結論
PSMA標的化PyL-PET/CTは、陰性のまたは境界域の従来のイメージングを呈するBCRを有するほとんどの男性において潜在性の疾患を検出および局在判定した。PyL-PET/CTは、患者の大多数において変更された管理計画に至り、そのため、再発性のまたは疑いがある転移性のPCaを有する男性において、臨床医がPSMA-PETイメージングを有用と見いだすという証拠を提供した。
【0134】
例9-生化学的再発性の前立腺がんでの18F-DCFPyL-PET/CTの診断パフォーマンス:CONDORフェーズ3前向き多施設研究からの結果
【0135】
背景
現行のFDA承認済みイメージングモダリティは、前立腺がんの生化学的再発(BCR)を有する男性、特に低いPSA値を有するものにおいて潜在性の疾患を局在判定するには不十分である。18F-DCFPyLは高度に選択的な小分子PSMA標的化PET放射性トレーサーである。CONDOR(NCT03739684)は前向きのフェーズ3トライアルであり、BCRおよび非インフォーマティブな標準的なイメージングを有する患者における18F-DCFPyL-PET/CTのパフォーマンスを決定するようにデザインされた。
【0136】
方法
手術後に≧0.2ng/mLまたは放射線療法後に最低値よりも≧2ng/mL上のPSAを有する男性が登録に適格であった。一次エンドポイントは正しい局在判定率(CLR)であり、18F-DCFPyL-PET/CTと複合的な正解の標準(SOT)との間の解剖学的病変共局在という追加の要件を有する陽性適中率として定められた。SOTは降りていく優先順で:1)組織病理学、2)2人の中央読影者によって決定された相関イメージング所見、または3)放射線照射後のPSA応答からなった。CLRの95%信頼区間の下限が3人の独立した盲検化された18F-DCFPyL-PET/CT読影者のうち2人で20%を超えた場合には、トライアルは成功と考えられた。管理の意図の変更によって定められる18F-DCFPyL-PET/CTのインパクトおよび安全性を二次エンドポイントとして評価した。
【0137】
所見
0.8ng/mLのベースラインPSA中央値(範囲:0.2~98.4ng/mL)を有する208人の男性が18F-DCFPyL-PET/CTを受けさせられた。CLRは84.8%~87.0%であった(95%CIの下限:77.8%~80.4%)。評価可能な患者の63.9%は、18F-DCFPyL-PET/CT後に意図される管理の変更を有した。疾患検出率は59%から66%であった(少なくとも1つの病変が中央読影者によって18F-DCFPyL-PET/CTによって患者あたり検出)。
【0138】
18F-DCFPyL-PET/CTのパフォーマンスは研究の一次エンドポイントを達成し、陰性の標準的なイメージングの条件においてさえも疾患局在判定を実証し、臨床的にアクショナブルな情報を臨床医に提供した。CONDOR研究からのデータは、再発性の前立腺がんを有する男性において疾患を局在判定するための18F-DCFPyL-PET/CTの使用をさらに支持する。
【0139】
序論
前立腺がんの管理における最も挑戦的な臨床的ジレンマの1つは、インフォーマティブなイメージングの不在下における手術または放射線療法後の上昇している前立腺特異的抗原(PSA)の発生である1-2。生化学的再発(BCR)として公知のこの状態は、その位置の知識なしの遺残性のまたは再発性の疾患の存在を言い表し、局所最適治療を受けさせられた男性の最高で50%において起こる3-6。疾患局在判定を定めることの不能は、PSAおよび標準的なイメージングモダリティ両方の短所を原因とする。PSAは高度に高感度であるが、疾患の位置または程度については情報提供しない。従来の解剖学的および機能的イメージングは、特にPSA値が低いときには、BCRを有する患者において疾患の部位を不良にのみ同定する7-911C-コリンおよび18F-フルシクロビンなどの代謝に基づく薬剤を包含する新規の陽電子放出断層撮影(PET)放射性トレーサーは有望性を示したが、それらのパフォーマンスさえもPSAレベル<2.0ng/mLでは悪くなる10-12。これらの限定は、細胞表面蛋白質の前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的化する放射性トレーサーを包含する他の薬剤の開発を刺激した13-17
【0140】
18F-DCFPyLは、高い親和性でPSMAの細胞外ドメインに結合する小分子であり18、組織病理学が参照の標準としての用をなした研究を包含する広範囲の疾患状態に渡って前立腺がんの検出を評価することに成功している13,14,19-21
【0141】
CONDORを、生化学的再発性の前立腺がんを有する男性における18F-DCFPyL-PET/CTのパフォーマンスを実証するようにデザインした。この研究の一次的な目的は、再発性の前立腺がんの検出における18F-DCFPyL-PET/CTの正しい局在判定率(CLR)を評価することであった。米国食品医薬品局(FDA)によって推奨される新規のエンドポイントのCLRは、解剖学的病変位置マッチング(共局在)を採用した患者レベルでの陽性適中率(PPV)の尺度である。二次的な目的は、計画された患者管理に対する18F-DCFPyL-PET/CTのインパクトをアセスメントすること、および18F-DCFPyLの安全性を評価することであった。探索的目的は、領域(前立腺/前立腺床、骨盤、骨盤外領域)によっておよびBCRの時のPSAとの関係で、18F-DCFPyL-PET/CTの検出率およびPPVを決定することであった。
【0142】
材料および方法
トライアルデザイン
CONDOR(NCT03739684)は、フェーズ3前向き多施設オープンラベルシングルアーム研究であり、施設の標準治療による陰性のまたは境界域の従来のイメージング(18F-フルシクロビンまたは11C-コリンPET、CT、MRI、および/または全身骨シンチグラフィーを包含する)を有する疑いがある再発性のまたは転移性の前立腺がんを有する患者において、18F-DCFPyL-PET/CTの診断パフォーマンスおよび安全性を評価するようにデザインされた(図21および表11)。診断精度の報告基準(STARD)フロー図が図16に図示されている。研究は米国の14施設およびカナダの1施設において実施され、各参加施設の施設審査委員会/研究倫理委員会によって承認された。
【0143】
研究集団
根治的前立腺切除術または放射線療法によって処置された前立腺の生化学的再発性の腺癌を有する≧18歳の男性が研究に適格であった。根治的前立腺切除術後のBCRは、≧0.2ng/mLへの上昇しているPSAとして定められた22。放射線療法によって処置された患者では、BCRは、所与の患者の最低値よりも≧2ng/mL上の放射線照射後のPSA値として定められた23。全ての登録患者は、治験薬注射の60日以内に遂行された標準治療イメージングによる前立腺がんについての陰性の/境界域の所見を要求した。研究登録に先行して、インフォームドコンセント書面を全ての患者から得た。
【0144】
除外基準は、治験薬注射に先行する5物理的半減期以内のいずれかの高エネルギー(>300KeV)ガンマ放射放射性同位体およびイメージングの3ヶ月以内の先行するアンドロゲン枯渇療法(ADT)の投与、または注射およびイメージングの日の60日以内の前立腺がんの治験の治療を受けることを包含した。前立腺がんを意図される全身療法による継続中の処置は禁止された。研究実施者の意見から、確かなデータを生ずるための患者の安全性もしくはコンプライアンスまたは研究を完了することを危うくするであろういずれかの他の医学的状態または状況を有する患者もまた除外された。
【0145】
スクリーニング
人口統計学的情報、ベースライン特性(生年月日、人種、民族、身長、および体重)、および臨床的に妥当する医学的既往を記録した。米国がん合同委員会(AJCC)ステージ、グリソンスコア、処置前PSA、および全ての過去の/現在の治療を包含する患者の前立腺がんの医学的既往を得た。現地診療によって決定されたかつ18F-DCFPyLの投与の60日以内に得られた標準治療イメージングを判定した。このイメージングは、標準的な断面イメージング、例えばCTもしくはMRI、骨シンチグラフィー、または他の分子イメージング検査、例えば18F-フルシクロビンまたは11C-コリンPETを包含し得た。全てのベースラインの従来の画像はアセスメントのために中央イメージングコアラボに提出した。総PSAのための血液サンプルが登録患者から得られ、中央コアラボによって分析された。
【0146】
医学的管理問診票
担当の研究実施者はPET前の医学的管理問診票(MMQ)に記入して、利用可能な臨床情報および現地の従来のイメージング結果に基づく患者の初期の意図される管理計画を文書化した。18F-DCFPyL-PET/CT後の60日以内に、担当の研究実施者はPET後MMQに記入して、初期の意図される管理計画の変更を要したかどうかを文書化した。
【0147】
18 F-DCFPyL投与およびPET/CT
18F-DCFPyLのプロトコールによって特定されたドーズは9mCi(333MBq)であり、PET/CTに1~2時間先行して静脈内(IV)投与された。患者はイメージングに先行して排尿し、PETおよび非造影CT画像が大腿中央部から頭頂部まで取得された。全ての18F-DCFPyL-PET/CTスキャンはアセスメントのために中央イメージングコアラボに提出した。現地解釈に基づく陽性の18F-DCFPyL-PET/CTスキャンを有する患者は、複合的な正解の標準(SOT)に基づく疑いがある病変(単数または複数)を検証するために、18F-DCFPyL-PET/CT後のフォローアップをスケジューリングされた(図16)。
【0148】
階層化された複合的なSOT
全ての患者における組織学的検証に適用可能な病変の予想される不在ゆえに、18F-DCFPyL-PET/CT後の60日以内に遂行または開始されたアセスメントに基づく複合的なSOTを採用した。これらの参照標準は、(降りていく優先順で)(1)前立腺切除術、救済骨盤リンパ節郭清、または生検からの評価可能な組織病理学結果;(2)18F-フルシクロビンもしくは11C-コリンPETまたはフォーカスMRIもしくはCTを用いるイメージング所見;あるいは(3)上のいずれも利用可能またはインフォーマティブではない場合には全てのPET陽性巣の放射線照射開始(併用ADTなし)の最高で9ヶ月後の確認されたPSA応答として定められた。PSA応答は、中央ラボ結果に基づいて4週以内の反復測定によって確認されたベースラインから>50%のPSA低下として定められた。
【0149】
中央イメージング判定
中央イメージングコアラボを採用して、画像取り扱い、読影者訓練、読影者セッション、およびデータ収集を独立して管理した。この判定は2つの別個のイメージング評価からなった:
1)18F-DCFPyL-PET/CTアセスメントが、18F-DCFPyL-PETの解釈について訓練された3人の独立した盲検化された核医学読影者によって遂行された。読影者は、患者について利用可能なPSA値または他のイメージングを包含するいずれかの臨床情報へのアクセスを有さなかった。各読影者は、他の2人の読影者のどちらかから情報提供されることなしに、かつ正解のパネル、現地研究実施者、または研究スポンサーからの入力なしに、1読影者パラダイムに従って患者の18F-DCFPyL-PET/CT研究を独立して評価した。
2)SOTの一部として得られた各画像が2人の独立した読影者(正解のパネル)によってアセスメントされた。これらは、これらの画像を前立腺がんの存在または不在についてアセスメントした。生検が遂行された場合には、これらの読影者は画像ガイド下生検における穿刺の精度をもまた審判した。正解のパネルのメンバーは18F-DCFPyL-PET中央読影者群のメンバーではなく、18F-DCFPyL-PET/CT中央読影者によって生成した全てのデータについて盲検化された。
【0150】
有効性アウトカム
研究の一次エンドポイントは18F-DCFPyL-PET/CTのCLRであった。米国食品医薬品局(FDA)によって推奨される新規のエンドポイントのCLRは、18F-DCFPyL-PET/CT中央読影者によって同定された病変と正解のパネルの中央読影者および/または病理学によって同定された病変との解剖学的病変位置マッチング(共局在)を採用した患者レベルでのPPVの尺度である。CLRは、中央読影者によって18F-DCFPyL-PET/CTによって同定された少なくとも1つの病変と複合的なSOTとの間の1対1対応を有する患者のパーセンテージとして定められた。二次エンドポイントは、18F-DCFPyL-PET/CT前および後に記入されたMMQに基づく18F-DCFPyL-PET/CT後に意図される前立腺がん処置計画の変更を有した患者のパーセンテージ、ならびに18F-DCFPyLの安全性であった。
【0151】
探索的エンドポイントは、領域レベル(すなわち、前立腺/前立腺床、骨盤、および骨盤外領域)での18F-DCFPyL-PET/CTの検出率およびPPV、ならびにベースラインPSA(<0.5、0.5~<1.0、1.0~<2.0、2.0~<5.0、または≧5.0ng/mL)の関数としての18F-DCFPyL-PET/CTの検出率の評価であった。
【0152】
統計的方法
サンプルサイズの決定は研究プロトコールに記載されている。分析のための安全性および有効性集団は18F-DCFPyLを受けた全ての患者からなった。
【0153】
一次エンドポイント分析
CLRは100×TP/(TP+FP)として算出され、ここで、各イメージング中央読影者について、TP=真陽性の結果、FP=偽陽性の結果である。TPの結果は、18F-DCFPyL-PET/CTによる陽性の病変(単数または複数)および統計分析計画に定められた同じ解剖学的位置における複合的な正解の標準による陽性の結果両方を有する患者として定められる。FPの結果は、複合的な正解の標準に従う前立腺がんの陰性の所見を有する中央読影者によって同定された18F-DCFPyL-PET/CTによる陽性の病変(単数または複数)を有する患者として定められる。イメージングされた患者の60%は陽性のスキャンを有することが予想され、60%の30%は陽性である確認的なSOTを有することが予想された。各読影者についてのCLRの両側95%信頼区間(CI)を単一の二項変数の正規近似を用いて計算した。一次エンドポイントの成功基準は、95%CIの下限が3人の読影者のうち少なくとも2人について20%を超えることであった。
【0154】
二次エンドポイント分析
18F-DCFPyL-PET/CT前および後の意図される前立腺がん処置計画の変更を有した患者のパーセンテージを、二項変数の正規近似を用いて対応する両側95%CIと共に報告した。
【0155】
探索的エンドポイント分析
PPVは、陽性の18F-DCFPyL-PET/CTスキャンを有する患者についてTP/(TP+FP)×100%として計算した。領域(すなわち前立腺/前立腺床、骨盤、骨盤外)によるおよびベースラインPSAの関数としての検出率およびPPVは、二項分布の正規近似に基づいて個別に各イメージング中央判定者および現地施設解釈について提示された両側95%CIを用いて分析された。
【0156】
安全性アウトカム
安全性アセスメントは、18F-DCFPyL投与の時からドーズの最高で7±3日後までの処置下の有害事象(AE)の発生率についてのモニタリングを包含した。AEの重症度グレード付けは国立がん研究所有害事象共通用語規準(NCI-CTCAE)バージョン4.03に従ってアセスメントした。処置前および後のアセスメントはバイタルサインおよび併用の薬/手続きをもまた包含した。
【0157】
結果
患者が米国の13施設およびカナダの1施設において登録された。217人の患者を適格性についてスクリーニングした;9人はスクリーニング不合格であり、208人の男性が登録された(図16および図22)。患者年齢中央値は68歳であり(範囲43~91)、67.8%は≧65歳であった。ベースラインPSAレベル中央値は0.8ng/mLであり(範囲0.2~98.4)、患者の大多数(68.8%)はPSAレベル<2.0ng/mLを有した。前立腺がん初期診断からの時間の中央値は71ヶ月であった(範囲3~356)。先行する処置は49.5%では根治的前立腺切除術、35.6%では根治的前立腺切除術および放射線療法、14.9%では放射線照射単独であった。ベースライン特性およびPETイメージングの詳細は表6にさらに要約されている。
【0158】
18F-DCFPyL-PET/CTは、3人の独立した盲検化された中央読影者によってアセスメントされた59.1%から65.9%の患者において≧1病変を検出した。95%CIの下限が全ての3人の読影者によって20%を超えたので、CLRの一次エンドポイントは満たされた。CLRは3人の独立した盲検化された読影者において84.8%から87.0%の範囲であった(95%CIの下限は77.8%から80.4%の範囲であった)(表7)。
【0159】
組織病理学、相関イメージング、およびPSA応答に基づくSOTによってCLRおよびPPVについて分析されたときに、CLRは、3つのSOT方法において全ての3人の独立した盲検化された読影者について78.6%~100%であった(表8~10)。PSA応答がSOTであった1人の患者では、全ての3人の判定者が18F-DCFPyL-PET/CT陽性病変を同定した。この患者は93%のPSA低減(確認)をRT後3ヶ月に有した。
【0160】
ベースラインPSAによるCLRおよび検出率
ベースラインPSAレベル<0.5ng/mLを有する患者では、CLR中央値は73.3%であったが、≧5ng/mLのPSAを有する患者は96.4%のCLR中央値を有した(図17および表12)。病変検出率は増加していくPSAレベルと共に上昇し、検出率は36.2%(<0.5ng/mL)から96.7%.(≧5ng/mL)の範囲であった(図18および表13)。
【0161】
解剖学的領域による陽性適中率
18F-DCFPyL-PET/CTのPPVを、少なくとも1つの18F-DCFPyL陽性病変を有する患者における複合的なSOTから、解剖学的領域(前立腺/前立腺床、骨盤、および骨盤外領域)による再発性の疾患の検出において決定した。PPVは全ての解剖学的領域で一貫して高かった。前立腺の領域におけるPPVは3人の独立した読影者において75.0%および83.3%の間の範囲であった。類似に、骨盤リンパ節において、PPVは67.2%および72.7%の間であり、骨盤外領域において、それは67.3%から69.8%の範囲であった(図19A~19Bおよび表14~15)。
【0162】
計画されていた医学的管理の変更
担当医師は205人の患者について18F-DCFPyL-PET/CT前および後のMMQに記入した。これらの患者の三分の二近く(63.9%;n=131)は意図される疾患管理計画の変更を有した。これらの131人の患者のうち、103人(78.6%)は陽性の18F-DCFPyL-PET/CT所見に関連し、28人(21.4%)は陰性の所見に関連した。18F-DCFPyL-PET/CTイメージング結果後の処置管理計画の最も高頻度の変更は、全身療法によって補助または置換どちらかをされる局所救済治療(n=58;28.3%)、観察から治療開始へ(n=49;23.9%)、全身療法から局所救済治療へ(n=43;21.0%)、および計画されていた処置から観察へ(n=9;4.4%)を包含した(図20および表16)。
【0163】
安全性の結果
14人の(6.7%)患者が21のAEを経験し、頭痛(1.9%)、倦怠感(1.0%)、および高血圧(1.0%)が最も高頻度であった。1人の患者(0.5%)のみが、重症度がグレード3であり、重篤であるAE(過敏、頭痛、および錯感覚)を経験した。この患者はアレルギー反応の有意な既往を有した;全ての3つのSAEは解消した。グレード4のAEはなく、研究の停止に至る死亡またはAEもなかった。バイタルサインの臨床的に妥当する変化は投与前から投与後まで観察されず、併用の薬および手続きは特記なしであった。
【0164】
考察
前向きの多施設オープンラベルフェーズ3のCONDOR研究を、前立腺がんBCRおよび非インフォーマティブな標準治療イメージングを有する患者においてPET放射性医薬品としての18F-DCFPyLのパフォーマンスを評価するようにデザインした。CONDORは、厳格な中央読影者パラダイム、ロバストな臨床的なおよびデータモニタリングの標準、ならびに新規の有効性一次エンドポイントを複合的なSOTと共に用いた。研究はその一次エンドポイント閾値をかなり超え、高いCLRを実証した。これは、18F-DCFPyL-PET/CTがBCRを有する男性における疾患の部位の検出のための精確な方法であるということを示唆する。
【0165】
CONDOR集団は、患者が治癒の意図ありの局所もしくは転移指向的な救済治療、または治癒の意図なしの全身療法、または局所および全身処置の何らかの組み合わせを要するかどうかについて決定的な臨床判断が行われるときの低いPSA値(PSA中央値0.8ng/mL)を有するBCR患者に一般的に該当する。疾患の分布の精確な理解は合理的な処置計画の鍵である。我々の研究集団では、PSAは患者の68.8%では<2.0ng/mL、52.5%では<1.0ng/mL、34.2%では<0.5ng/mLであった。よって、研究は、現行で利用可能な従来のイメージングおよび承認済みの分子イメージングモダリティが準至適である患者において、前立腺がん再発または転移を確かに検出するための診断精度の前向きの証拠を提供する。特に、患者の総数で59.6%から65.9%は、3人の読影者によって検出された少なくとも1つの潜在性の病変を有し、CLRは、全てのSOT方法、解剖学的領域、およびPSA0.2から<2.0ng/mLを有する患者で一貫して高かった(>73%)。18F-DCFPyL-PET/CTのこのパフォーマンスは、その範囲内のPSA値を有する患者において18F-フルシクロビンおよび11C-コリンPETの検出率およびPPVよりも実質的に良好である11,12,15
【0166】
この研究は、臨床医が18F-DCFPyLスキャンに含有される情報を利用して、それらが非インフォーマティブな標準的なイメージングに基づいて元々作ったそれらの処置計画および計画についてのケアのゴールを見直し得るという直接的な証拠を供給する。ケアの意図されるゴールは、患者の21%では全身療法を用いる非治癒から局所救済治療による治癒に変更された。局所救済治療単独から全身療法による補助または置換どちらかへの意図された変更が、患者の28%で起こった。患者の24パーセントは観察から治療開始への変更を有し、4.4%は逆を有した。総体的に、18F-DCFPyL-PET/CTが疾患再発の程度を局在判定および検出する能力は、最終的には再発性の前立腺がんを有する男性における処置アウトカムを改善するというゴールを有して、処置管理計画に直接的にインパクトを及ぼすポテンシャルを医師に差し出す。この臨床的にアクショナブルな情報は、きわめて安全でもあるイメージングモダリティによって提供される。PET後の患者管理の変更の評価は、かかる変更が高頻度で起こるということを示した。
【0167】
BCRにおける18F-DCFPyL-PETイメージングによる前向き単施設トライアルが最近報告されたが、Mena et al.のみが複合的な正解の標準によって検証されたPPVについて報告した6,14,25,26。CONDORは、BCR集団について14施設において実施された18F-DCFPyL-PETの最初の多施設前向きトライアルに該当する。意図的に、研究はCLRに注目した。これは根本的にはPPVである。結果として、この研究の限定は、全く所見を有さない18F-DCFPyLスキャンの「正解」が未知であるということである。SOTデータが提出されなかったほとんどのケースは、研究のデザインに直接的に関係した。なぜなら、それらのスキャンが現地ラジオロジーアセスメントによって陰性であった患者では、18F-DCFPyL-PET/CT結果の検証は要求されなかったからである。PETによって検出されない潜在性の疾患を見いだそうとすることは、疾患が経時的に明らかになるかどうかを見るために処置なしでこれらの患者をフォローすることを要求したであろう;これは現実的なまたは倫理的なオプションではなかった。そのため、我々は、これらの偽陰性のケースが、PSMA陰性の疾患(これは前立腺がんの5~10%において起こる)27、現地読影者の経験不足、小さい体積の疾患(OSPREYコホートAにおける小リンパ節デポジットの不良な検出に類似)21、または18F-DCFPyLの高い取り込みを有する(例えば肝臓)もしくは排泄されたトレーサーを含有する(尿管、膀胱、尿道)組織のまたは隣接する病変の不明瞭化を反映しているかどうかを決定し得ない。従って、非インフォーマティブな標準的なイメージングを有するこの患者集団における18F-DCFPyL-PET/CTの陰性適中率はアセスメントし得なかった。
【0168】
68Ga標識PSMA-PET放射性トレーサーは学術的条件において主として大型医療施設において用いられ、有望な結果を有した13,2818F標識PSMA-PET造影剤は、一般的に、18Fのより長い半減期を原因とする製品分布の容易さ、サイクロトロンによる増加した製造キャパシティ、ならびに18Fによるより低い陽電子エネルギーおよびより高い造影分解能からのより良好なパフォーマンスを包含する、68Ga薬剤と比べて重要な利点を差し出し得る29-30
【0169】
パフォーマンスの見地から、直接比較はほとんどなく13、CONDORデザインを定めた前向きに定められたエンドポイント、インフォーマティブな標準的なイメージングなしの研究集団、およびバイアスを最小化するための独立した盲検化された読影者という厳格な方法論を含有するものは全然ない。
【0170】
概要として、前立腺がんのBCRを有する男性において複合的なSOTに対して18F-DCFPyL-PET/CTのパフォーマンスを評価するようにデザインされたこの前向き多施設トライアルは、高いCLRというその一次エンドポイントを満たし、18F-DCFPyL-PET/CTが疾患管理計画の高頻度の変更に関連するということをもまた実証した。これらのデータは、低いPSAレベルにおいてさえも再発性の前立腺がんを確かに検出し、そのため、別様には潜在性の疾患の局在判定による新たなアクショナブルな情報を提供するための安全なかつロバストなイメージングツールとしての18F-DCFPyL-PET/CTを支持する。一緒にすると、CONDORおよびOSPREYピボタル研究は、18F-DCFPyL-PETが、局在した高リスク疾患を有する患者から転移性疾患を有するものまでの前立腺がんのスペクトラム全体に渡って信頼性をもって疾患を検出するための非侵襲的な手段を差し出し、より精確な疾患局在判定に基づく最適化された処置パラダイムを開発するための確かなツールであり得るということを実証している。
【0171】
【表6】
【0172】
【表7】
【0173】
【表8】
【0174】
【表9】
【0175】
【表10】
【0176】
【表11】
【0177】
【表12】
【0178】
【表13】
【0179】
【表14】
【0180】
【表15】
【0181】
【表16】
【0182】
例10-例の医学的管理問診票(MMQ)
本明細書に提供される方法のいずれか1つにおいて、事前および/または事後MMQ問診票は、図23A~23Bに示される通り、それぞれ18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングに先行しておよび/または後に記入され得る。そのため、本明細書に提供される方法のいずれか1つは、本明細書に提供される通り、それぞれ18F-DCFPyL-PET/CTによるイメージングに先行しておよび/または後に、事前および/または事後MMQ問診票に記入するステップを含み得る。
【0183】
例11-再発性のまたは転移性の前立腺がんを有する患者におけるパフォーマンス
CONDORにおいて、初期治療後の高値PSAを有するかつ従来のイメージングに基づくがん再発または転移のラジオロジー的な証拠なしの208人の患者が、PyLARIFYイメージングを受けさせられた。生検を適用可能な病変の不在を原因として、中央読影者パフォーマンスは、31人の患者では生検または手術、100人の患者では相関イメージング、1人の患者では治療に対するPSA応答の複合的な正解の標準に対して比較した。ベースラインPSA中央値は0.8ng/mLであり(四分位範囲0.39~3)、患者の67%はPyLARIFYイメージングに先行してPSA<2.0ng/mLを有した。PyLARIFYイメージングは患者の59%(95%CI:53、66)から66%(59、72)において少なくとも1つの潜在性の前立腺がん病変を検出した。正しい局在判定率(95%CI)[すなわち、解剖学的病変位置マッチングによって定められるPPV]は患者レベルで85%(78、92)から87%(80、94)の範囲であった。PPVは、ベースラインPSA<2ng/mLを有する患者では77%から78%、PSA≧2ng/mLでは94%から95%の範囲であった。問診票によって評価された通り、意図される処置管理計画は患者の64%においてPyLARIFYイメージング後に変更された。
【0184】
再発または転移の検出についての読影者間の一致は、76%コンコーダンスおよび0.65(0.58、0.73)のフライスのカッパ係数(95%CI)を208人の患者において実証した。
【0185】
OSPREYにおいて、従来のイメージングに基づく推定される再発性のまたは転移性の前立腺がんを有する117人の患者がPyLARIFYイメージングを受けさせられた。これらのうち、93人の患者は推定される病変の解釈可能なスキャンおよび生検からの病理学結果を有した。PSA中央値は7ng/mLであり(範囲0.03~597)、32人の(27%)患者はPyLARIFYイメージングに先行してPSA<2ng/mLを有した。
【0186】
推定される再発性のまたは転移性の前立腺がんを検出することについての3人の中央読影者のパフォーマンスは、感度(95%CI)が93%(84、97)から99%(92、100)、PPV(95%CI)が81%(73、90)から88%(80、95)の範囲であった。潜在性の遠隔転移の検出は患者の58%(19/33)であり、骨盤外生検を有するこれらの患者の91%は病理学によって確認された。
【0187】
CONDORおよびOSPREYにおいて、患者レベルおよび領域レベルで前立腺がん再発または転移を検出することについてのPyLARIFYイメージングのPPVが表17に示されている。
【0188】
【表17】
【0189】
例12-高リスク前立腺がんを有する患者におけるパフォーマンス
OSPREYにおいて、初期最適治療を計画された骨盤リンパ節転移の高いリスクがある268人の患者がPyLARIFYイメージングを受けさせられた。これらのうち、252人の患者は解釈可能なスキャンおよび外科的ステージング両方を有した。PyLARIFYおよびベースラインの従来のイメージングの読影者解釈を骨盤リンパ節転移の病理学的ステージングと比較した。結果は表18に提示されている。
【0190】
【表18】
【0191】
骨盤リンパ節転移の検出についての読影者間の一致が評価され、読影者間の92%コンコーダンスを実証し、268人の患者において0.78(95%CI:0.71、0.85)の一般化された(フライスの)カッパ係数を有した。
【0192】
例13-前立腺がん(PCa)を有する患者(pts)におけるPSMA標的化18F-DCFPyL-PET/CTの前向きフェーズ2/3研究(OSPREY):従来のイメージングによる再発または転移を有するPCaのptsにおける疾患ステージング変更のサブ解析
【0193】
背景
従来のイメージングおよび骨シンチグラフィーはPCaを同定するためには準至適なモダリティである。PSMAに基づくイメージングはPCa検出にとって高度に有望である。18F-DCFPyLは陽電子放出断層撮影(PET)のためのPSMA標的化放射性医薬品であり、これはPCaのステージングに有用であり得る。高リスクPCaを有する患者のステージングに対する18F-DCFPyLの診断パフォーマンス、検出率、および可能性としてのインパクトを検討した。従来のイメージングによるPCa再発または転移を有する患者のステージングに対する18F-DCFPyLのインパクトをもまた検討した。
【0194】
方法
18F-DCFPyL-PET/CTを、ベースラインの解剖学的イメージング(CT、MRI)または全身骨シンチグラフィーによる局所再発または転移性の疾患のラジオロジー的な証拠を有し、かつ少なくとも1つの病変が生検を適用可能と見なされた117人の男性において評価した。9mCi(333MBq)の18F-DCFPyLのシングルドーズを静脈内注射によって投与し、次にその1から2時間後にPET/CT取得をした。TNMステージング:前立腺(T)、骨盤LN(N)、骨盤外LN(M1a)、骨(M1b)、および他の内臓/軟組織(M1c)に基づいて、病変計数を包含する18F-DCFPyL-PET/CT検出率を体系的に分析した。3人の盲検化された独立した中央読影者が18F-DCFPyLスキャンを評価した。
【0195】
結果
この研究では、82人の(70%)患者がベースラインのX線撮影のM1ステージ疾患を有し(M1aを有する14人の患者、M1bを有する50人の患者、M1cを有する18人の患者)、33人の(28%)患者は従来のイメージング中央判定によってベースラインにおいてM0ステージであった;2人の患者は評価不可能であった。18F-DCFPyL-PET/CTはptsの58%(19/33)をM0からM1にアップステージングした。骨盤外生検を受けさせられたそれらの91%(10/11)は、病理学によってM1疾患を有することが確認され、M1bを有する9人の患者およびM1aを有する1人の患者を包含した。ベースラインにおいてM1とステージングされた患者のうち、18F-DCFPyL-PET/CTは16%(10/64;M1aからM1bまたはM1cへ:n=4;M1bからM1cへ:n=6)のptsをより高いM1サブステージにアップステージングし、22%(18/82)をM0にダウンステージングした。
【0196】
結論
18F-DCFPyL-PET/CTは、別様には局所領域疾患を有した調べられた患者の大多数においてM1疾患を同定した。これらのデータは、18F-DCFPyL-PET/CTが、非転移性の再発疾患を有する男性を適切にステージングすることにおいて有用なツールであり得るということを示唆する。これは従来のイメージングを用いることよりも優れた処置パラダイムに至り得る(図24)。
【0197】
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図1
図2
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図25A-B】
図25C
【国際調査報告】