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特表2023-534291冷媒漏れセンサおよび緩和装置ならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】冷媒漏れセンサおよび緩和装置ならびに方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20230801BHJP
   F24F 11/36 20180101ALI20230801BHJP
   F25B 45/00 20060101ALI20230801BHJP
【FI】
F25B49/02 520M
F24F11/36
F25B45/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503067
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-07
(86)【国際出願番号】 US2021041866
(87)【国際公開番号】W WO2022016003
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】16/930,993
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.SWIFT
3.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】511158339
【氏名又は名称】エマーソン クライメイト テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アルファノ,デイビッド・エイ
(72)【発明者】
【氏名】モーガン,スチュアート・ケイ
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA52
3L260FC31
(57)【要約】
冷媒漏れを検出して緩和するシステムは、構成要素制御装置に制御信号を送信するように構成された温度制御装置と、空気を循環させるように構成された送風機とを備える。システムは、温度制御装置および構成要素制御装置に電気的に結合された漏れ緩和制御装置を備える。漏れ緩和制御装置は、温度制御装置に流入電力を導く。漏れ緩和制御装置は、冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、(i)温度制御装置を流入電力に接続するか、または(ii)送風機を流入電力に接続するかを選択的に行うよう構成されたリレーとを備える。漏れ緩和制御装置は、センサで冷媒濃度を測定し、測定された冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、送風機を流入電力に接続するようにリレーを作動させるように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒漏れを検出および緩和するためのシステムであって、
構成要素制御装置に制御信号を送信するように構成された温度制御装置と、
空気を循環させるように構成された送風機と、
前記温度制御装置に電気的に結合された漏れ緩和制御装置であって、前記漏れ緩和制御装置は前記温度制御装置に流入電力を導き、前記漏れ緩和制御装置は、
冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、
(i)前記温度制御装置を前記流入電力に接続するか、または(ii)前記送風機を前記流入電力に接続するかを選択的に行うように構成されたリレーと、を備え、
前記漏れ緩和制御装置は、
前記センサで前記冷媒濃度を測定し、
測定された前記冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、前記送風機を前記流入電力に接続するように前記リレーを作動させるように構成される、漏れ緩和制御装置と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記リレーは、測定された前記冷媒濃度が前記閾値を超えるまで、前記温度制御装置と前記漏れ緩和制御装置を介した前記流入電力との間の接続を維持する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記漏れ緩和制御装置は、
測定された前記冷媒濃度が前記閾値を下回ることに応答して、
前記送風機を閾値期間動作させ、
前記閾値期間の経過に応答して前記温度制御装置を前記流入電力に接続するように前記リレーを制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記温度制御装置は、前記漏れ緩和制御装置によって常開位置において前記流入電力に選択的に接続され、
前記送風機は、常閉位置において前記流入電力に接続され、
前記センサは、測定された前記冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記リレーのコイルへの通電を停止する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記リレーは、(i)単極双投リレー、(ii)二極双投リレーのうちの少なくとも1つである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記リレーは、2つ以上のリレーまたはスイッチを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
圧縮機であって、前記構成要素制御装置は、冷却要求を示す前記温度制御装置からの制御信号の受信に応答して前記圧縮機を作動させるように構成される、圧縮機
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
測定された前記冷媒濃度の冷媒は、毒性ではなく可燃性である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記漏れ緩和制御装置とインターフェース接続された遠隔監視装置であって、前記遠隔監視装置は、
前記漏れ緩和制御装置の前記センサから測定された前記冷媒濃度を受信し、
測定された前記冷媒濃度を、測定された前記冷媒濃度が測定された対応する時間と共に記憶するように構成される、遠隔監視装置
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記遠隔監視装置は、
前記リレーのコイルの通電回数を監視し、
前記コイルの前記通電回数が閾値数を超えることに応答して、警告を生成し、事業体に関連するユーザ装置に送信するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記遠隔監視装置は、
測定された前記冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して送風機の稼働時間を監視し、
前記送風機の稼働時間が送風機の稼働時間閾値を超えることに応答して、警告を生成し、事業体に関連するユーザ装置に送信するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記遠隔監視装置は、前記漏れ緩和制御装置に含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記遠隔監視装置は、前記温度制御装置によって操作され、前記温度制御装置に含まれる、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記漏れ緩和制御装置と直列のバックアップ漏れ緩和制御装置であって、前記バックアップ漏れ緩和制御装置は、前記漏れ緩和制御装置とは別の区画内に配置される、バックアップ漏れ緩和制御装置
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
暖房、換気、冷凍、および/または空調(HVAC-R)システムであって、
請求項1に記載の冷媒漏れを検出および緩和するためのシステムを備える、システム。
【請求項16】
冷媒漏れを検出および緩和するための方法であって、
漏れ緩和制御装置を介して、流入電力を温度制御装置に導くことであって、前記漏れ緩和制御装置は、
センサと、
(i)前記温度制御装置を前記流入電力に接続するか、または(ii)送風機を前記流入電力に接続するかを選択的に行うリレーであって、前記送風機は空気を循環させる、リレーと、を含む、導くことと、
前記センサを介して冷媒濃度を測定することと、
測定された前記冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、前記送風機を前記流入電力に接続するように前記リレーを作動させることと、
を含む、方法。
【請求項17】
前記リレーを使用して、測定された前記冷媒濃度が前記閾値を超えるまで、前記温度制御装置と前記漏れ緩和制御装置を介した前記流入電力との間の接続を維持すること
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
測定された前記冷媒濃度が前記閾値を下回ることに応答して、
前記送風機を閾値期間動作させることと、
前記閾値期間の経過に応答して、前記温度制御装置を前記流入電力に接続するように前記リレーを制御することと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
測定された前記冷媒濃度が前記閾値を超えることに応答して、前記リレーのコイルの通電を停止すること
をさらに含み、
前記温度制御装置は、前記漏れ緩和制御装置によって常開位置において前記流入電力に選択的に接続され、
前記送風機は、常閉位置において前記流入電力に接続される、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記リレーは、(i)単極双投リレー、および(ii)二極双投リレーのうちの少なくとも1つである、
請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月16日に出願された米国特許出願第16/930,993号の優先権を主張する。上記出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、暖房、換気、および空調(HVAC)システムに関し、より詳細には、HVACシステムの検出および緩和システムに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示の文脈を一般的に提示することを目的としている。本発明者らの研究は、この背景技術の項に記載されている限りにおいて、ならびに出願時に先行技術として認められない可能性がある説明の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0004】
最も一般的に使用される工業用ガスは、地球の大気中の温室効果ガスの世界的な蓄積に寄与し、地球温暖化の速度を加速させている。世界的には、地球温暖化係数の高い冷媒の使用を制限する動きが続いている。
【0005】
A1冷媒(非毒性かつ不燃性)がHVACおよび冷凍システムで従来使用されてきたが、A2L冷媒(非毒性かつ微燃性)は、地球温暖化への影響が低減されたため、商業用および住宅用建物のA1冷媒に取って代わりつつある。A2L冷媒は、伝搬の減少のために部分的にしか可燃性ではないが、A2L冷媒は依然として燃焼リスクをもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
冷媒漏れを検出して緩和するシステムは、構成要素制御装置に制御信号を送信するように構成された温度制御装置と、空気を循環させるように構成された送風機とを備える。システムは、温度制御装置および構成要素制御装置に電気的に結合された漏れ緩和制御装置を備える。漏れ緩和制御装置は、温度制御装置に流入電力を導く。漏れ緩和制御装置は、冷媒濃度を測定するように構成されたセンサと、(i)温度制御装置を流入電力に接続するか、または(ii)送風機を流入電力に接続するかを選択的に行うよう構成されたリレーとを備える。漏れ緩和制御装置は、センサで冷媒濃度を測定し、測定された冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、送風機を流入電力に接続するようにリレーを作動させるように構成される。
【0007】
さらなる態様では、リレーは、測定された冷媒濃度が閾値を超えるまで、温度制御装置と漏れ緩和制御装置を介した流入電力との間の接続を維持する。さらなる態様では、漏れ緩和制御装置は、測定された冷媒濃度が閾値を下回ることに応答して、送風機を閾値期間動作させ、閾値期間の経過に応答して温度制御装置を流入電力に接続するようにリレーを制御するように構成される。
【0008】
さらなる態様では、温度制御装置は、漏れ緩和制御装置によって常開位置において流入電力に選択的に接続される。さらなる態様では、送風機は、常閉位置において流入電力に接続され、センサは、測定された冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、リレーのコイルの通電を停止する。さらなる態様では、リレーは、(i)単極双投リレー、(ii)二極双投リレーのうちの少なくとも1つである。さらなる態様では、リレーは、2つ以上のリレーまたはスイッチを含む。
【0009】
さらなる態様では、システムは圧縮機を備える。さらなる態様では、構成要素制御装置は、冷却要求を示す温度制御装置からの制御信号の受信に応答して圧縮機を作動させるように構成される。さらなる態様では、測定された冷媒濃度の冷媒は、毒性ではなく可燃性である。さらなる態様では、システムは、漏れ緩和制御装置とインターフェース接続された遠隔監視装置を備える。遠隔監視装置は、漏れ緩和制御装置のセンサから測定された冷媒濃度を受信し、測定された冷媒濃度を、測定された冷媒濃度が測定された対応する時間と共に記憶するように構成される。
【0010】
さらなる態様では、遠隔監視装置は、リレーのコイルの通電回数を監視し、コイルの通電回数が閾値数を超えることに応答して、警告を生成し、事業体に関連するユーザ装置に送信するように構成される。さらなる態様では、遠隔監視装置は、測定された冷媒濃度が閾値を超えることに応答して送風機の稼働時間を監視し、送風機の稼働時間が送風機の稼働時間閾値を超えることに応答して、警告を生成し、事業体に関連するユーザ装置に送信するように構成される。
【0011】
さらなる態様では、遠隔監視装置は、漏れ緩和制御装置に含まれる。さらなる態様では、遠隔監視装置は、温度制御装置によって操作され、温度制御装置に含まれる。さらなる態様では、システムは、漏れ緩和制御装置と直列のバックアップ漏れ緩和制御装置を備える。さらなる態様では、バックアップ漏れ緩和制御装置は、漏れ緩和制御装置とは別の区画内に配置される。
【0012】
暖房、換気、冷凍、および/または空調(HVAC-R)システムであって、請求項1に記載の冷媒漏れを検出および緩和するためのシステムを備える、システム。
【0013】
冷媒漏れを検出および緩和するための方法であって、漏れ緩和制御装置を介して、流入電力を温度制御装置から構成要素制御装置に導くことを含む、方法。漏れ緩和制御装置は、センサと、(i)温度制御装置を流入電力に接続するか、または(ii)送風機を流入電力に接続するかを選択的に行うリレーであって、送風機は空気を循環させる、リレーと、を含む。本方法は、センサを介して冷媒濃度を測定することと、測定された冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、送風機を流入電力に接続するようにリレーを作動させることとを含む。
【0014】
さらなる態様では、本方法は、リレーを使用して、測定された冷媒濃度が閾値を超えるまで、温度制御装置と漏れ緩和制御装置を介した流入電力との間の接続を維持することを含む。さらなる態様では、本方法は、測定された冷媒濃度が閾値を下回ることに応答して、送風機を閾値期間動作させることと、閾値期間の経過に応答して、温度制御装置を流入電力に接続するようにリレーを制御することとを含む。
【0015】
さらなる態様では、本方法は、測定された冷媒濃度が閾値を超えることに応答して、リレーのコイルの通電を停止することを含む。さらなる態様では、温度制御装置は、漏れ緩和制御装置によって常開位置において流入電力に選択的に接続され、送風機は、常閉位置において流入電力に接続される。さらなる態様では、リレーは、(i)単極双投リレー、および(ii)二極双投リレーのうちの少なくとも1つである。
【0016】
本開示のさらなる適用領域は、詳細な説明、特許請求の範囲および図面から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0017】
図面の簡単な説明
本開示は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】例示的な暖房、換気、および空調(HVAC)システムのブロック図である。
図2】漏れ緩和制御モジュールを含む例示的なHVACシステムの上昇流エアハンドラユニットの機能ブロック図である。
図3】複数の漏れ緩和制御モジュールを含む例示的なHVACシステムの上昇流エアハンドラユニットの機能ブロック図である。
図4】複数の漏れ緩和制御モジュールを含む例示的なHVACシステムの下降流エアハンドラユニットの機能ブロック図である。
図5】例示的なHVACシステムの漏れ緩和制御モジュールの機能ブロック図である。
図6】例示的なHVACシステムの複数の漏れ緩和制御モジュールの機能ブロック図である。
図7A】エアハンドラユニットの蒸発器内の漏れ緩和制御回路の機能ブロック図である。
図7B】エアハンドラユニットの蒸発器内の漏れ緩和制御回路の機能ブロック図である。
図8】HVACシステムの例示的な漏れ緩和制御装置の例示的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために参照番号を再利用することができる。
【0020】
詳細な説明
本開示によれば、漏れ緩和制御モジュールは、暖房、換気、空調、および冷凍(HVAC-R)システムの冷媒漏れを検出し、HVAC-Rシステムの構成要素を無効にし、漏れが緩和されるまで緩和構成要素を作動させるように構成される。漏れ緩和制御モジュールは、リレーを通電または作動させて、HVACシステムのシステム構成要素の電力を無効にし、冷媒の濃度が閾値を下回るまでHVACシステムのファンまたは送風機を(送風機を電力に直接接続することによって)オンにする。
【0021】
漏れ緩和制御モジュールは、特定の領域における冷媒の濃度を検出するための漏れセンサを含む。冷媒漏れを検出するために、漏れセンサは、HVACシステムの蒸発器コイルを含む領域または場所に配置される。漏れセンサは、HVACシステムの蒸発器区画内の冷媒の濃度または体積百分率を検出する。したがって、漏れセンサは、蒸発器コイルを含む区画のサイズまたは容積に基づいて較正することができる。
【0022】
漏れ緩和制御モジュールの漏れセンサは、蒸発器区画内の冷媒濃度が閾値、例えば、可燃限界下限値(LFL)の25%を超えることに応じて冷媒漏れを検出する。次いで、漏れ緩和制御モジュールのリレーは、サーモスタットなどの温度制御装置および/または制御モジュールへの電力を切断することによってHVACシステム構成要素からの電力を無効にし、流入電力を送風機(および/または他の緩和装置)に直接接続して、送風機を強制的に作動させる。漏れ緩和制御モジュールも電力に直接接続されているため、漏れセンサは、蒸発器区画内の冷媒の濃度を判定し続ける。安全な動作状態を維持するために、HVACシステムの電源がオンになったときにリレーが通電され、冷媒濃度が閾値を超えることに応答してリレーの通電が停止される。例えば、記載された構成は、HVACシステムが電力を失うと安全に故障する。
【0023】
冷媒濃度が閾値を下回ると、漏れ緩和制御モジュールは、閾値期間、例えば5分間、送風機を動作させ続ける。閾値期間が経過すると、漏れ緩和制御モジュールのリレーが通電され、送風機を停止し、温度制御装置および/または制御モジュールに電力を戻す。従来、制御モジュールは、温度制御装置を介して変圧器への接続を介してHVACシステム構成要素に電力を供給するため、漏れ緩和制御モジュールは、温度制御装置と制御モジュールとの間の電力接続に直列に接続され、電力接続を遮断することができる。
【0024】
漏れセンサは、特定のタイプの冷媒を検出するように構成することができる。漏れ緩和制御モジュールによって他のタイプの冷媒センサが使用されてもよいが、漏れセンサは、A2L冷媒を検出するように構成されてもよい。様々な実施態様において、漏れ緩和制御モジュールは、他の種類の可燃性冷媒を検出し、上述の緩和を実行する。漏れ緩和制御モジュールはまた、例えば、漏れセンサがA1冷媒などの不燃性冷媒の漏れを検出した場合にのみ、漏れを検出、監視、および通信するように動作することができる。例示的な実施態様では、漏れ緩和制御モジュールは、2つ以上のタイプの冷媒を検出することができる。漏れ緩和制御モジュールはまた、追加のセンサを含んでもよい。例えば、漏れ緩和制御モジュールは、漏れセンサ出力の較正を支援することができる温度および湿度センサを含むことができる。
【0025】
様々な実施態様において、漏れ緩和制御モジュールは、送風機を最大容量で動作させるために送風機を電力に直接接続する。他の実施態様では、送風機は、より低い容量で動作することができる。さらに、リレーは単極双投(SPDT)リレーとして示されているが、双極双投(DPDT)リレー、複数のSPDTリレーなどの他のリレーを使用してもよい。様々な実施態様において、漏れ緩和制御モジュールは、すべてではないが、いくつかのHVACシステム構成要素を切断または無効化するように動作することができる。
【0026】
漏れ緩和制御モジュールは、温度制御装置とHVACシステム制御モジュールとの間の電力接続を制御するために、温度制御モジュールと、HVACシステムの炉制御ボードまたはエアハンドラボードなどの制御モジュールとの間に電気的に結合される。通常動作下では、HVACシステム制御モジュールは、HVACシステム構成要素の作動を指示するために温度制御装置から制御信号を受信する。漏れ緩和制御モジュールが許容できないレベルの冷媒を検出した場合、漏れ緩和制御モジュールは、温度制御装置とHVACシステム制御モジュールとの間の、しばしばRまたはRCワイヤと呼ばれる電力接続を切断し、温度制御装置が圧縮機などのHVACシステム構成要素用の制御回路を完成させて動作することを防止し、それによってHVACシステム構成要素の動作を阻止する。
【0027】
様々な実施態様において、漏れ緩和制御モジュールは、HVACシステムが正常に動作していること、またはHVACシステム構成要素を無効にして送風機を作動させる直前に冷媒漏れが検出されたことの指示を温度制御装置または遠隔監視装置に送信することができる。指示は、冷媒漏れの頻度および程度を監視するために遠隔監視装置に記憶されてもよい。追加的にまたは代替的に、温度制御装置は、冷媒漏れが発生したことを示す、HVACシステムに関連する住宅所有者または事業体に対する通知を生成することができる。同様に、漏れ緩和制御モジュールは、リレーが温度制御装置および/または制御モジュールに電力を再接続したときに冷媒漏れが緩和されたという指示を温度制御装置または遠隔監視装置に送信することができる。緩和指示は、遠隔監視装置のメモリに記憶され、漏れと緩和との間の経過時間、および冷媒漏れの程度を含み、HVACシステムに関連する住宅所有者または事業体に送信されてもよい。
【0028】
漏れ緩和制御モジュールは、本制御モジュールまたはスキーマに対するいかなる変更も必要としないので、既存のHVACシステムに容易に組み込まれる。代わりに、漏れ緩和制御モジュールは単純にHVACシステムに追加され、温度制御装置、HVACシステム制御モジュール、および送風機の間の接続をわずかに変更する。本開示は、漏れ緩和制御モジュールがHVACシステムに含まれるように説明したが、漏れ緩和制御モジュールは、冷凍ユニットまたは冷媒を使用する他のシステムで使用されてもよい。
【0029】
部分的に可燃性のA2L冷媒が商業用および住宅用の建物において利用されるにつれて、標準化委員会は、A2L冷媒漏れを検出および緩和する方法を管理するための一連の規則および規制を作成することに取り組んでいる。漏れ緩和制御モジュールは、標準的な24ボルト(V)AC HVAC変圧器によって電力を供給される能力を有し、漏れが発生した場合に、送風機を含む緩和装置を同時にオンにしながらすべてのHVAC機器をロックアウトすることができる。
【0030】
全体として、漏れ緩和制御モジュールは、冷媒が漏れた場合に、温度制御装置またはHVACシステム制御モジュールなどの他のHVAC制御装置への電力供給を選択的に切断し、その電力を意図する緩和装置、この場合は送風機に直接再ルーティングすることによって動作する。これは、単純かつ費用効果の高い方法で非緩和装置をロックアウトする。様々な実施態様において、特定のHVAC構成要素を選択的にロックアウトするために、2つの単極双投リレーを漏れ緩和制御モジュールに実装することができる。
【0031】
ブロック図
図1は、HVACシステムのブロック図である。この特定の例では、ガス炉を備えた強制空気システムが示されている。建物からの戻り空気は、サーキュレータ送風機108によってフィルタ104を介して引き出される。ファンとも呼ばれるサーキュレータ送風機108は、制御モジュール112によって制御される。制御モジュール112は、サーモスタットなどの温度制御装置116から信号を受信する。例えば、温度制御装置116は、ユーザによって指定された1つ以上の設定温度を含むことができる。前述のように、温度制御装置116は、温度センサおよび湿度センサを含むことができる。
【0032】
温度制御装置116は、サーキュレータ送風機108の常時点灯を指示してもよいし、暖房要求または冷却要求がある場合にのみオンになるよう指示してもよい(自動ファンモード)。様々な実施態様では、サーキュレータ送風機108は、1つ以上の個別の速度で、または所定の範囲内の任意の速度で動作することができる。例えば、制御モジュール112は、サーキュレータ送風機108を制御するため、および/またはサーキュレータ送風機108の速度を選択するために、1つ以上の切替リレー(図示せず)を切り替えてもよい。
【0033】
温度制御装置116は、暖房および/または冷却要求を制御モジュール112に提供する。暖房要求が行われると、制御モジュール112はバーナ120に点火する。燃焼からの熱は、熱交換器124内のサーキュレータ送風機108によって供給される戻り空気に導入される。加熱された空気は、建物に供給され、給気と呼ばれる。
【0034】
1つの点火オプションは、ガスが導入されると、加熱された表面がガスの燃焼を開始するのに十分高い温度まで表面を加熱する高温表面点火器を含む。天然ガスなどの燃焼用の燃料は、ガス弁128によって供給することができる。
【0035】
燃焼生成物は建物の外部に排出され、インデューサ送風機132は、バーナ120の点火に先立ってオンにされてもよい。高効率炉では、燃焼生成物は、伝導によって排出するのに十分な浮力を有するほど十分に高温ではない場合がある。したがって、インデューサ送風機132は、燃焼生成物を排出するためのドラフトを形成する。インデューサ送風機132は、バーナ120が動作している間、作動したままであってもよい。また、インデューサ送風機132は、バーナ120がオフになった後、設定された時間だけ作動を継続してもよい。
【0036】
エアハンドラユニット136と呼ばれる単一のエンクロージャは、フィルタ104、サーキュレータ送風機108、HVACシステム制御モジュール112、バーナ120、熱交換器124、インデューサ送風機132、膨張弁140、蒸発器144、および凝縮液パン146を含むことができる。様々な実施態様では、エアハンドラユニット136は、バーナ120の代わりに、またはそれに加えて、電気加熱装置(図示せず)を含む。バーナ120に加えて使用される場合、電気加熱装置は、バーナ120にバックアップまたは二次(余分な)熱を提供することができる。
【0037】
図1に示すように、HVACシステムは、分割空調システムを含む。冷媒は、圧縮機148、凝縮器152、膨張弁140、蒸発器144の蒸発器コイル172を循環している。蒸発器144は、蒸発器コイル172を含む区画である。蒸発器144は、冷却が望まれるときに蒸発器コイル172が供給空気から熱を除去することによって供給空気を冷却するように、供給空気と直列に配置される。冷却中、蒸発器コイル172は冷媒を循環させており、蒸発器コイル172を低温(例えば、戻り空気温度未満)にして、水蒸気を凝縮させる。この水蒸気は、凝縮液パン146に収集され、排水されるか、または汲み出される。
【0038】
制御モジュール156は、制御モジュール112から冷却要求を受信し、それに応じて圧縮機148を制御する。制御モジュール156はまた、凝縮器152と外気との間の熱交換を増加させる凝縮器ファン160を制御することができる。このような分割システムでは、圧縮機148、凝縮器152、制御モジュール156、および凝縮器ファン160は、一般に建物の外側に、しばしば単一の凝縮ユニット164に配置される。
【0039】
様々な実施態様において、制御モジュール156は、ランキャパシタ、始動キャパシタ、および接触器またはリレーを含むことができる。様々な実施態様では、凝縮ユニット164が往復圧縮機の代わりにスクロール圧縮機を含む場合など、始動キャパシタは省略されてもよい。圧縮機148は、可変容量圧縮機であってもよく、マルチレベル冷却要求に応答してもよい。例えば、冷却要求は、中容量の冷却要求または高容量の冷却要求を示すことができる。圧縮機148は、冷却要求に従ってその容量を変えることができる。
【0040】
凝縮ユニット164に提供される電線は、240ボルトの商用電源線および24ボルトの切換制御線を含むことができる。24ボルト制御線は、図1に示す冷却要求に対応してもよい。24ボルト制御線は、制御モジュール112および制御モジュール156の動作を制御する。制御線が圧縮機148がオンであるべきことを示すとき、制御モジュール156は、240ボルト電源を圧縮機148のモータに接続するか、または圧縮機148を動作させるための駆動装置に圧縮機148のモータを接続するようにスイッチのセットを動作させる。さらに、制御モジュール156は、240ボルト電源を凝縮器ファン160に接続することができる。凝縮ユニット164が地熱システムの一部として地面に配置される場合などの様々な実施態様では、凝縮器ファン160は省略されてもよい。240ボルトの商用電源は、米国で一般的であるように、脚部の両方が圧縮機148のモータに接続されるように、2つの脚部に到着する。
【0041】
図1はACのみのユニットを示しているが、他の実施態様は、蓄圧器、逆止弁、補助熱源、および屋外膨張装置をさらに含むヒートポンプユニットを含むことができる。
【0042】
温度制御装置116は、暖房(加熱)モードのときに、温度センサによって測定された温度が下限温度未満である場合に暖房要求を生成する。温度制御装置116は、冷房(冷却)モードのときに、温度センサによって測定された温度が上限温度を超えた場合に冷却要求を生成する。上限および下限温度は、それぞれ設定温度プラスマイナス閾値量(例えば、華氏1、2、3、4、5度)に設定することができる。設定温度は、デフォルトで温度に設定されてもよく、ユーザ入力の受信を介して調整されてもよい。閾値量は、デフォルトで設定されてもよく、ユーザ入力の受信を介して調整されてもよい。
【0043】
様々な実施態様では、制御モジュール156または温度制御装置116は、外気温度(OAT)センサ168から信号を受信することができる。温度制御装置116は、WiFiまたはネットワーク機能を有する通信温度制御装置であってもよい。様々な実施態様では、OATセンサ168は、エンクロージャ内に配置され、直射日光から遮蔽され、および/または日光によって直接加熱されない空洞に曝されてもよい。代替的または追加的に、建物の地理的位置に基づくオンライン(温度制御装置116を介したインターネットベースを含む)気象データを使用して、太陽負荷、OAT、相対湿度、微粒子、VOC、二酸化炭素などを決定することができる。
【0044】
様々な実施態様では、エアハンドラユニット136は、制御モジュール112および温度制御装置116にAC電力を供給するために、流入AC電力線に接続された変圧器(図2図7に示す)を含むことができる。例えば、変圧器は、10対1変圧器であってもよく、したがって、エアハンドラユニット136が公称120ボルト電力で動作しているか公称240ボルト電力で動作しているかに応じて、12Vまたは24VのいずれかのAC電源を提供する。追加的または代替的に、変圧器は、エアハンドラが公称120ボルト電力で動作している場合に24VのAC電源を提供するための5対1変圧器であってもよい。本実施態様では、温度制御装置116は、閾値条件が満たされることに応答して、HVACシステムの構成要素に24VAC電力を供給する。
【0045】
制御線は、一次加熱または一次冷却が不十分であるときに作動され得る二次加熱および/または二次冷却の要求をさらに搬送することができる。電気または天然ガスのいずれかから動作するシステムなどの二重燃料システムでは、燃料の選択に関連する制御信号を監視することができる。
【0046】
これらの(制御線上の)制御信号のうちの1つ以上もまた、凝縮ユニット164に送信される。様々な実施態様において、凝縮ユニット164は、温度データを生成する周囲温度センサを含むことができる。なお、凝縮ユニット164が屋外にある場合、周囲温度は、外部(または屋外)の周囲温度を意味する。周囲温度を提供する温度センサは、凝縮ユニット164のエンクロージャの外側に配置されてもよい。
【0047】
図2は、漏れ緩和制御モジュール176を含む例示的なHVACシステムの上昇流エアハンドラユニットの機能ブロック図である。図1のエアハンドラユニット136は、参照および文脈のために示されている。上昇流システムは、エアハンドラユニット136を通って戻り空気を上方に導く。
【0048】
多くのシステムでは、エアハンドラユニット136は建物の内側に配置され、凝縮ユニット164は建物の外側に配置される。しかしながら、本開示は、その配置に限定されず、単なる例として、エアハンドラユニット136および凝縮ユニット164の構成要素が互いに近接して、またはパッケージユニットと呼ばれることが多い単一のエンクロージャ内に配置されるシステムを含む他のシステムに適用される。単一のエンクロージャは、建物の内側または外側に配置されてもよい。様々な実施態様では、エアハンドラユニット136は、地下室、ガレージ、または天井裏に配置されてもよい。熱が地面と交換される地中熱システムでは、エアハンドラユニット136および凝縮ユニット164は、地下室、クロールスペース、ガレージ、または1階がコンクリートスラブのみによって地面から分離されている場合などの1階など、地面の近くに配置されてもよい。
【0049】
図2では、AC電力をHVACシステム制御モジュール112、漏れ緩和制御モジュール176、および温度制御装置116に供給するために、変圧器212をAC線に接続することができる。例えば、変圧器212は、制御モジュール112および温度制御装置116を含むHVACシステム構成要素に24VのAC電力を供給することができる。制御モジュール112は、制御線を介して受信される温度制御装置116からの信号に応答して動作を制御する。制御線は、冷房の要求(冷却要求)、暖房の要求(加熱要求)、およびファンの要求(ファン要求)を含んでもよい。制御線は、ヒートポンプシステムの逆止弁の状態に対応する線を含むことができる。
【0050】
漏れ緩和制御モジュール176は、蒸発器コイル172によって蒸発器144内に配置される。蒸発器144は、蒸発器コイル172を含む区画である。漏れ緩和制御モジュール176は、漏れセンサと、例えば安全リレーなどのリレーとを含む。漏れセンサは、蒸発器144内の冷媒濃度を計測する。漏れセンサは、非毒性で部分的に可燃性の冷媒であるA2Lの濃度を測定する。しかしながら、漏れセンサは、代わりに、A1などの非毒性で可燃性ではない冷媒、A2などの非毒性かつ可燃性の冷媒、A3などの非毒性かつ高可燃性の冷媒、または毒性の冷媒の同様のバージョンを測定してもよい。さらに、漏れ緩和制御モジュール176は、温度、相対湿度、または気圧などのパラメータを測定するための他のセンサを含むことができる。
【0051】
漏れセンサは、既知の空間、ここでは蒸発器144における空気混合冷媒の割合として冷媒濃度を測定する。漏れセンサは、特定のHVACシステムおよび漏れ緩和制御モジュール176が配置される区画のサイズに合わせて較正されてもよい。漏れ緩和制御モジュール176は、所与の冷媒の可燃限界下限(LFL)または爆発限界下限(LEL)を超える蒸発器144内の空気混合冷媒の割合に応じて、HVACシステム構成要素から電力を切断するようにリレーを制御する。両方の限界は、空気と混合されたときに点火され得る冷媒または任意の可燃性ガスの割合濃度の下限を表す。例えば、漏れ緩和制御モジュール176の漏れセンサは、測定された冷媒が蒸発器144内の所与の冷媒のLFLの25%を超えることに応答して、リレーの通電を停止するか、またはスイッチを作動させることができる。リレーは、測定された冷媒が閾値を超えることに応答して通電を停止される単極双投リレーであってもよい。リレーは通常動作時に通電される。しかしながら、検出されたLFLが閾値を超える場合、リレーは通電を停止される。同様に、エアハンドラユニット136または制御モジュール112への電力が遮断されると、リレーは非通電になり、その結果、制御モジュール112またはHVACシステム全体への電力損失の場合にシステムは「フェールセーフ」になる。
【0052】
漏れ緩和制御モジュール176は、変圧器212から直接電力を受け取る。様々な実施態様において、漏れ緩和制御モジュール176は、(適切な電力回路が漏れ緩和制御モジュール176に含まれる限り)流入AC電力または線間電圧から直接電力を受け取る。様々な実施態様では、漏れ緩和制御モジュール176は、ほとんどの制御モジュールが既に有するオンボード電力調整を活用して、HVACシステム制御モジュール112によって供給される電力を有することができる。そのような実施態様では、制御モジュール112が例えば3.3V~12VのDCを供給すると仮定すると、漏れ緩和制御モジュール176は、24V ACを多くのデジタル装置が必要とする使用可能なDC電力信号に変換するためのより広範な電力調整をもはや必要としない。他の実施形態は、漏れ緩和制御モジュール176に電力を供給する外部AC-DC電源を含むことができ、それにより、広範な電力調整をオンボードに含める必要がない。
【0053】
制御モジュール112を含むHVACシステム構成要素は、変圧器212から電力を受け取る。温度制御装置116は、例えば、制御モジュール112を介してHVACシステム構成要素を電力に接続するためのスイッチのセットを使用して、HVACシステム構成要素の動作を制御する。様々な実施態様では、温度制御装置116は、制御モジュール112への制御信号を介してHVACシステム構成要素への電力の流れを依然として調整しながら、バッテリ駆動されてもよい。漏れ緩和制御モジュール176は、漏れ緩和制御モジュール176のリレーが常閉状態のときに、温度制御装置116に供給される電力を接続する。すなわち、冷媒濃度が閾値未満である場合、漏れ緩和制御モジュール176のリレーは、電力を温度制御装置116に接続する。様々な実施態様では、漏れ緩和制御モジュール176は、温度制御装置116と共に、またはその代わりに、制御モジュール112からの電力を選択的に接続および切断することができる。
【0054】
したがって、バーナ120、サーキュレータ送風機108などのHVACシステム構成要素を作動および停止させるために制御信号を制御モジュール112に送信するための変圧器212から温度制御装置116への電力は、漏れ緩和制御装置リレーを介して温度制御装置116に接続される。漏れ緩和制御モジュール176の漏れセンサが閾値を超える冷媒濃度を測定すると、リレーの通電が停止され、リレーの常閉端子上に回路が完成し、変圧器212の電力を(温度制御装置116を介して、または直接)サーキュレータ送風機108に接続し、リレーの常開端子上に開回路が形成され、温度制御装置116への電力を切断し、他のすべてのHVACシステム構成要素を無効にする。
【0055】
したがって、漏れが検出されると、温度制御装置116は電源から切断され、制御モジュール112に制御信号を送信することができず、したがってHVACシステム構成要素を動作不能にする。この電力は、温度制御装置116を迂回してサーキュレータ送風機108に直接供給され、領域内の冷媒濃度を低下させて冷媒漏れを緩和する。漏れ緩和制御モジュール176は、冷媒漏れが発生する場所、すなわち蒸発器コイル172に基づいて配置される。様々な実施態様では、漏れ緩和制御モジュール176は、HVACシステム全体の他の場所に配置されてもよい。
【0056】
図3は、複数の漏れ緩和制御モジュールを含む例示的なHVACシステムの上昇流エアハンドラユニットの機能ブロック図である。図2の漏れ緩和制御モジュール176、ならびに電気的に結合された別の漏れ緩和制御モジュール180が示されている。第2の漏れ緩和制御モジュール180は、HVACシステム内のより低い地点に配置され、この地点は、冷媒が空気よりも重く、冷媒がシステムから漏れると降下するため、漏れが検出され得る別の場所である。第1の漏れ緩和制御モジュール176または第2の漏れ緩和制御モジュール180は、サーキュレータ送風機108を動作させてもよく、または別の送風機(図示せず)がHVACシステムに含まれる場合、漏れ緩和制御モジュール180は、漏れ緩和制御モジュール180に最も近い送風機に電力を接続するように構成されてもよい。例えば、商業用途では、複数の蒸発器コイルをシステムに含めることができる。したがって、複数の漏れ緩和制御モジュールを含み、最も近い送風機を動作させるように構成することができる。
【0057】
図4は、複数の漏れ緩和制御モジュールを含む例示的なHVACシステムの下降流エアハンドラユニットの機能ブロック図である。下降流エアハンドラユニットは、図2および図3の上昇流エアハンドラユニット136と同様に動作するが、戻り空気を下方に引き込むように再配置される。したがって、下降流エアハンドラユニットでは、漏れ緩和制御モジュール180は、冷媒が下方に降下するときに冷媒漏れを検出するように、給気端の通気口の底部に配置されてもよい。HVACシステムは、漏れが発生する冷媒漏れを検出するために、蒸発器144内に漏れ緩和制御モジュール176を含む。漏れ緩和制御モジュール176と漏れ緩和制御モジュール180とを接続する電力線は、変圧器212または温度制御装置116と制御モジュール112との間に電気的に接続され、直列に接続されてもよい。すなわち、閾値を超える冷媒濃度を測定する漏れ緩和制御モジュール176または180の一方のみが、HVACシステム構成要素を(電源を切断することによって)ロックアウトし、ファンを強制的にオンにする。
【0058】
図5は、例示的なHVACシステムの漏れ緩和制御モジュール176の機能ブロック図である。制御モジュール112および漏れ緩和制御モジュール176は、実線の接続電力線によって示すように、変圧器212から電力を受け取る。様々な実施態様では、漏れ緩和制御モジュール176は、破線の制御線で示すように、例えばシステム制御回路を介してサーキュレータ送風機108に電気的に接続される。漏れ緩和制御モジュール176はまた、実線の電力線によって示すように、温度制御装置116に電気的に結合される。
【0059】
漏れ緩和制御モジュール176が閾値を超える冷媒濃度を検出しない限り、温度制御装置116は制御信号を制御モジュール112に送信し続け、例えばスイッチのセットを介して作動を指示して、指示通りにHVACシステム構成要素を流入AC電力に接続する。しかしながら、閾値を超える冷媒濃度を検出したことに応答して、漏れ緩和制御モジュール176は、温度制御装置116から変圧器212への電力接続をロックアウトし、HVAC構成要素が電力に接続されることを防止し、動作を不能にする。すなわち、漏れ緩和制御モジュール176が流入AC電力から温度制御装置116を切断すると、制御モジュール112はもはや温度制御装置116から信号を受信することができない。
【0060】
漏れ緩和制御モジュール176は、温度制御装置116を迂回し、サーキュレータ送風機108を変圧器212によって供給される電力に直接接続して、サーキュレータ送風機108をオンにして冷媒の濃度を低下させる。サーキュレータ送風機108は、漏れ緩和制御モジュール176が閾値を超える冷媒濃度を検出したことに応答して起動される。漏れ緩和制御モジュール176が閾値を下回る冷媒の濃度を測定すると、漏れ緩和制御モジュール176は、閾値時間、例えば5分間、サーキュレータ送風機108の作動を維持する。閾値時間が満了すると、制御モジュール176は、以前に確立されたサーキュレータ送風機108への温度制御装置116の迂回を無効にするとともに、温度制御装置116を変圧器212に再接続し、それにより、すべてのHVAC構成要素の制御を温度制御装置116に戻す。漏れ緩和制御モジュール176は、リレーを用いて接続および切断を行う。任意選択で、様々な実施態様では、制御モジュール112および漏れ緩和制御モジュール176は、例えば、冷媒漏れが検出されたためにHVACシステム構成要素がいつ無効化または有効化されるかを示す制御信号を送信することができる。
【0061】
図6は、例示的なHVACシステムの複数の漏れ緩和制御モジュールの機能ブロック図である。第1の漏れ緩和制御モジュール304は、変圧器212および第2の漏れ緩和制御モジュール308に電気的に結合されている。第2の漏れ緩和制御モジュール308は、実線の接続線で示すように、電力接続線を介して温度制御装置116に電気的に結合されている。第1の漏れ緩和制御モジュール304および第2の漏れ緩和制御モジュール308は、変圧器212を温度制御装置116またはサーキュレータ送風機108に選択的に接続するために直列に接続される。第1の漏れ緩和制御モジュール304および第2の漏れ緩和制御モジュール308の両方は、閾値を超える冷媒濃度の測定に応答して、温度制御装置116を迂回し、変圧器212をサーキュレータ送風機108に直接接続する。
【0062】
図3および図4に示すように、第1の漏れ緩和制御モジュール304および第2の漏れ緩和制御モジュール308は、HVACシステムの異なる空間に配置される。様々な実施態様では、異なるサーキュレータ送風機がHVACシステムに含まれてもよく、第2の漏れ緩和制御モジュール308は、緩和中に異なるサーキュレータ送風機に選択的に接続してもよい。
【0063】
遠隔監視装置312(または遠隔制御装置)が含まれ、第1の漏れ緩和制御モジュール304および第2の漏れ緩和制御モジュール308に接続されてもよい。遠隔監視装置312はまた、ただ1つの漏れ緩和制御モジュールを有する実施態様に含まれてもよい。様々な実施態様では、第1の漏れ緩和制御モジュール304および第2の漏れ緩和制御モジュール308は、測定値を遠隔監視装置312に断続的にまたはリアルタイムで送信してもよい。遠隔監視装置312は、双方向通信を含むことができ、現在の冷媒濃度を監視するとともに、漏れセンサまたは漏れ緩和制御モジュール176にコマンドを送信して、例えば、漏れセンサを較正するか、または漏れセンサをリセットする。様々な実施態様では、遠隔監視装置312は、温度制御装置116および/または制御モジュール112に含まれてもよい。
【0064】
第1の漏れ緩和制御モジュール304および第2の漏れ緩和制御モジュール308はまた、閾値を超えた時点および漏れが緩和された時点(すなわち、第1の漏れ緩和制御モジュール304または第2の漏れ緩和制御モジュール308が制御モジュール112を変圧器212に再接続した時点)で、遠隔監視装置312に通知を送信してもよい。遠隔監視装置312はまた、冷媒センサが故障しているか、またはその寿命に達したという指示などの診断情報を送信することができる。遠隔監視装置312は、WiFi、Bluetooth(登録商標)、ZigBee、Z-Wave、Modbus、BACnet、または任意の他のデジタルまたはアナログ通信チャネルを介して、住宅所有者または事業体などの遠隔装置316に通知を送信することができる。遠隔装置316は、コンピューティング装置またはモバイルコンピューティング装置であってもよい。さらに、遠隔監視装置312は、HVACシステム状態を監視するために有線または無線接続(図示せず)を介して温度制御装置116と通信することができる。
【0065】
前述のように、遠隔監視装置312は、HVACシステムの障害を判定するために、冷媒漏れの頻度および程度を監視することができる。様々な実施態様では、遠隔監視装置312は、一定期間にわたる閾値数を超える漏れの総数およびそれらのそれぞれの程度に応じて、警告を生成し住宅所有者または事業体に送信することができる。遠隔監視装置312は、HVACシステムデータを分析し、記憶し、表示するためのプロセッサ、メモリ、およびユーザインターフェースを含むことができる。
【0066】
様々な実施態様では、遠隔監視装置312はまた、緩和中に送風機の稼働時間を監視することができる。例えば、送風機が閾値稼働時間を超えて動作しており、冷媒濃度が閾値を下回っていない場合、遠隔監視装置312は、緩和が冷媒漏れを解決していないという警告を住宅所有者または事業体に生成することができる。2つの漏れ緩和制御モジュールのみが示されているが、様々な場所で冷媒漏れを検出するために、HVACシステム全体に複数の漏れ緩和モジュールを含めることができる。様々な実施態様では、漏れ緩和制御モジュール176、第1の漏れ緩和制御モジュール304、および/または第2の漏れ緩和制御モジュール308は、漏れ緩和制御モジュールに含まれるプロセッサならびに関連するメモリおよびトランシーバを介して遠隔監視装置312の機能を含んでもよい。
【0067】
図7Aおよび図7Bは、エアハンドラユニットの蒸発器内の漏れ緩和制御回路404の機能ブロック図である。図7Aを参照すると、漏れ緩和制御回路404は、前述の漏れ緩和制御モジュールとして実装されてもよい。漏れ緩和制御回路404は、漏れセンサ408およびリレー412を含む。漏れセンサ408は、変圧器212とリレー412のコイル416の第1の端部とに接続されている。コイル416の第2の端部は、変圧器212の第2の端部に接続されている。リレー412のコイル416は、漏れセンサ408が閾値を超える冷媒濃度を検出したことに応答して通電を停止される。様々な実施態様では、漏れセンサ408は、別個のプロセッサ、関連するメモリなどを含む漏れ緩和制御回路404のサブアセンブリであってもよい。
【0068】
リレーは、共通端子420と、常開端子424と、常閉端子428とを含む。共通端子420は、変圧器212の第1の端部および制御モジュール112に接続される。リレー412のアーム432は、コイル416が通電を停止されているとき(冷媒濃度が閾値を超えた状態)に、共通端子420と常閉端子428とを接続する。アーム432は、コイル416が通電を解除されているとき(冷媒濃度が閾値未満の通常動作時)に、共通端子と常開端子424とを接続する。常開端子424は、温度制御装置116に接続されている。変圧器212の第2の端部は、温度制御装置116およびサーキュレータ送風機108にも接続されている。変圧器212は、制御モジュール112にさらに接続される。したがって、アーム432が共通端子420と常開端子424とを接続するとき(冷媒濃度が閾値を下回る状態)、温度制御装置116は変圧器212に接続され、制御モジュール112に電力を供給し、温度制御装置116がHVACシステム構成要素への電力の流れを調整することを可能にする。
【0069】
(冷媒濃度が閾値を超えたことに応答して)アーム432が共通端子420を常閉端子428に接続すると、変圧器212は、サーキュレータ送風機108に電力を供給し、温度制御装置116の電力を切断し、電力が制御モジュール112およびHVACシステム構成要素を動作させることを防止する。
【0070】
図7Bを参照すると、漏れ緩和制御回路404は、二極双投(DPDT)リレー450を含むことを除いて、同じであってもよい。DPDTリレー450は、第1の常開端子458および第1の常閉端子462を有する第1のスイッチ454を含む。第2のスイッチ466は、第2の常開端子470および第2の常閉端子474を有する。DPDTコイル478が通電されると(HVACシステムがオンであり、冷媒濃度が閾値を下回っていると)、第1のスイッチ454は第1の常開端子458に接続され、第2のスイッチ466は第2の常開端子470に接続される。これにより、DPDT共通端子482が温度制御装置116に接続される。冷媒濃度が閾値を超える場合、DPDTコイル478は通電を停止され、第1のスイッチ454は第1の常閉端子462に接続され、第2のスイッチは第2の常閉端子474に接続され、HVACシステム構成要素を無効にし、サーキュレータ送風機108の電源をオンにする。第1の常閉端子462および第2の常閉端子474の両方がサーキュレータ送風機108に電力を接続するので、DPDTリレー450を使用することはバックアップを提供する。さらに、HVACシステム構成要素の電力供給を可能にするために、第1のスイッチ454および第2のスイッチ466の両方をそれぞれ第1の常開端子258および第2の常開端子470に接続する必要がある。したがって、接点の一方が誤って溶断した場合、他方のスイッチはバックアップとして動作し、サーキュレータ送風機108の電源を入れ、HVAC構成要素を無効にする。
【0071】
フローチャート
図8は、HVACシステムの例示的な漏れ緩和制御装置の例示的な動作を示すフローチャートである。制御は、例えば上述の漏れセンサ408を介して冷媒濃度を測定するために504で開始する。制御は508に進み、測定された冷媒濃度が閾値、例えばLFLの25%を上回っているかどうかを判定する。いいえの場合、制御は504に戻る。そうではなく、測定された冷媒濃度が閾値を上回っている場合、制御は512に進み、漏れ通知を生成し、住宅所有者または事業体に送信する。その後、制御は516に進み、リレー412の通電を停止してHVACシステムの構成要素を電源から切断し、送風機を電源に接続する。上述したように、リレー412の通電を停止して、アーム432を、温度制御装置116および他のHVAC構成要素を電力に接続する第1の位置(常開)から、送風機を電力に接続する第2の位置(常閉)に移動させることができる。
【0072】
送風機が作動すると、制御は524に進み、冷媒濃度を測定する。528において、制御は、冷媒濃度が閾値を下回っているかどうかを判定する。いいえの場合、制御は532に進み、現在の送風機の稼働時間が閾値稼働時間よりも大きいかどうかを判定する。
【0073】
すなわち、制御は、冷媒濃度を閾値未満に低下させることなく、送風機が閾値稼働時間を超えて動作しているかどうかを判定する。例えば、閾値稼働時間は5分であってもよい。いいえの場合、制御は528に戻る。そうではなく、送風機が閾値稼働時間を超えて動作している場合、制御は536に続く。536において、制御は、送風機が閾値稼働時間を超えて動作しており、冷媒濃度が依然として閾値を超えていることを示す警告を生成して送信する。警告は、住宅所有者のユーザ装置または事業体のコンピューティングシステムまたはモバイル装置に送信されてもよい。
【0074】
536においてアラートが送信されると、制御は528に戻る。そうではなく、528において冷媒濃度が閾値を下回る場合、制御は540に続く。540において、制御は、送風機への電力接続を閾値期間維持する。制御は544に進み、リレーを再通電して送風機を電源から切断し、温度制御装置を電源に再接続してHVACシステム構成要素を電源に接続する。制御は548に進み、緩和完了通知を生成し、住宅所有者または事業体に送信する。様々な実施態様では、制御は、住宅所有者または事業体への漏れおよび緩和通知を除外することができる。追加的または代替的に、通知は、ローカルに、または上述の遠隔監視装置312に記憶されてもよい。
【0075】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、決して本開示、その用途、または使用法を限定することを意図するものではない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および添付の特許請求の範囲を検討すると他の修正が明らかになるので、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。本開示の原理を変更することなく、方法内の1つ以上のステップを異なる順序で(または同時に)実行することができることを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して説明されたそれらの特徴のうちの任意の1つ以上は、その組み合わせが明示的に説明されていなくても、他の実施形態のいずれかの特徴に実装および/またはそれらと組み合わせることができる。言い換えれば、記載された実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態の互いの置換は、本開示の範囲内に留まる。
【0076】
要素間(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間等)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「隣に」、「上に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接的」であると明示的に記載されていない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係が上記開示に記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係とすることができるが、第1の要素と第2の要素との間に(空間的または機能的に)1つ以上の介在要素が存在する間接的な関係とすることもできる。本明細書で使用される場合、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用して論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、およびCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0077】
図では、矢印によって示される矢印の方向は、一般に、図が対象とする情報(データまたは命令など)の流れを示している。例えば、要素Aおよび要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信された情報が図に関連する場合、矢印は要素Aから要素Bを指すことができる。この一方向の矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを意味しない。さらに、要素Aから要素Bに送信される情報について、要素Bは、要素Aに情報の要求または受信確認を送信することができる。
【0078】
以下の定義を含む本出願では、「モジュール」という用語または「制御装置」という用語は、「回路」という用語と置き換えることができる。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、またはアナログ/デジタル混合集積回路、組み合わせ論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ回路(共有、専用、またはグループ)、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶するメモリ回路(共有、専用、またはグループ)、記載された機能を提供する他の適切なハードウェア構成要素、または上記の一部または全部の組み合わせ、例えばシステムオンチップを指すか、その一部であるか、または含むことができる。
【0079】
モジュールは、1つ以上のインターフェース回路を含むことができる。いくつかの例では、インターフェース回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの組み合わせに接続された有線または無線インターフェースを含むことができる。本開示の任意の所与のモジュールの機能は、インターフェース回路を介して接続された複数のモジュール間で分散されてもよい。例えば、複数のモジュールは、負荷分散を可能にし得る。さらなる例では、サーバ(遠隔またはクラウドとしても知られている)モジュールは、クライアントモジュールに代わっていくつかの機能を達成することができる。
【0080】
コードという用語は、上記で使用されるように、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことができ、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指すことができる。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つ以上のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への言及は、個別のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、または上記の組み合わせを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つ以上のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0081】
メモリ回路という用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットである。本明細書で使用されるコンピュータ可読媒体という用語は、媒体を通って(搬送波上などで)伝播する一時的な電気信号または電磁信号を包含しない。したがって、コンピュータ可読媒体という用語は、有形かつ非一時的であると考えることができる。非一時的有形コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ回路、またはマスク読み出し専用メモリ回路など)、揮発性メモリ回路(スタティックランダムアクセスメモリ回路またはダイナミックランダムアクセスメモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログまたはデジタル磁気テープまたはハードディスクドライブなど)、および光記憶媒体(CD、DVD、ブルーレイディスク等)である。
【0082】
本出願に記載された装置および方法は、コンピュータプログラムで具現化された1つ以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的または完全に実装されてもよい。上述した機能ブロック、フローチャート構成要素、および他の要素は、ソフトウェア仕様として機能し、これは、熟練した技術者またはプログラマの日常業務によってコンピュータプログラムに変換することができる。
【0083】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ可読媒体に記憶されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むか、またはそれに依存することができる。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと対話する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと対話するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを含むことができる。
【0084】
コンピュータプログラムは、(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、またはJSON(Java(登録商標)Script Object Notation)などの解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイルおよび実行のためのソースコードなどを含むことができる。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語バージョン5)、Ada、ASP(アクティブサーバページ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB(登録商標)、SIMULINK(登録商標)、およびPython(登録商標)を含む言語の構文を使用して書かれてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
【国際調査報告】