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特表2023-534295皮下テロメラーゼ阻害剤組成物及びそれらを使用するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】皮下テロメラーゼ阻害剤組成物及びそれらを使用するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/47 20060101AFI20230801BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20230801BHJP
   A61K 47/54 20170101ALI20230801BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230801BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230801BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20230801BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20230801BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20230801BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230801BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230801BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20230801BHJP
   C12N 9/26 20060101ALN20230801BHJP
   C12N 15/11 20060101ALN20230801BHJP
   C12N 15/56 20060101ALN20230801BHJP
【FI】
A61K38/47 ZNA
A61K31/7088
A61K47/54
A61K47/26
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/20
A61K31/7125
A61P35/00
A61P43/00 121
A61P35/02
C12N9/26
C12N15/11 Z
C12N15/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503097
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-16
(86)【国際出願番号】 US2021041755
(87)【国際公開番号】W WO2022015935
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】63/053,455
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/128,708
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595161223
【氏名又は名称】ジェロン・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】GERON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カプール, アニル
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, パトリック
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB16
4C076CC27
4C076DD22
4C076DD22Z
4C076DD23
4C076DD51
4C076DD55
4C076DD60
4C076DD67
4C076EE23
4C076FF11
4C084AA02
4C084AA03
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084CA18
4C084DC22
4C084MA02
4C084MA66
4C084NA04
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC191
4C084ZC192
4C084ZC202
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA66
4C086NA04
4C086NA05
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
(57)【要約】
本開示の態様は、皮下投与のために製剤化されたテロメラーゼ阻害剤組成物を含む。特定の実施形態による組成物は、ヒアルロニダーゼ酵素と、オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を含む。腫瘍の治療などにおける、テロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法もまた、記載される。皮下注射器を有する又は有しないキットもまた、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下投与のために製剤化された組成物であって、
オリゴヌクレオチド並びに前記オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含む、テロメラーゼ阻害剤と、
ヒアルロニダーゼ酵素と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
PH20の前記バリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42の前に位置する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483として示される群から選択されるポリペプチドを含む、請求項4~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、請求項4~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドである、請求項4~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドである、請求項4~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ヒアルロニダーゼが、前記組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記1つ以上の糖類が、前記組成物中に、10mM~500mMの量で存在する、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記アミノ酸が、メチオニン及びヒスチジンから選択される、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記1つ以上のアミノ酸が、前記組成物中に、1mM~100mMの量で存在する、請求項18又は19に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物が、緩衝液を更に含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記緩衝液が、前記組成物中に、前記組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在する、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記緩衝液が、前記組成物中に、1~100mMの量で存在する、請求項21又は22に記載の組成物。
【請求項24】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、リンカーを介して前記オリゴヌクレオチドの前記5’及び/又は3’末端に結合されている、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、請求項1~26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩である、請求項1~27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記組成物中に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で存在する、請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記組成物中に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物が、凍結乾燥されている、請求項1~31のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
腫瘍を有する対象を治療する方法であって、前記対象に組成物を皮下投与することを含み、前記組成物が、
オリゴヌクレオチド並びに前記オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含む、テロメラーゼ阻害剤と、
ヒアルロニダーゼ酵素と、を含む、方法。
【請求項34】
前記腫瘍が、骨髄線維症(MF)、骨髄異形成症候群(MDS)、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される血液腫瘍である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
対象が血液腫瘍を有すると診断することを更に含む、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
前記組成物が、前記対象に7日ごとに1回皮下投与される、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記組成物が、前記対象に21日ごとに1回皮下投与される、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記組成物が、前記対象に28日ごとに1回皮下投与される、請求項33~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記方法が、1回以上繰り返される、請求項33~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記対象に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で投与される、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記対象に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で投与される、請求項33~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、請求項38~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、請求項38~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
PH20の前記バリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置する、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42の前に位置する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項44に記載の方法。
【請求項48】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483として示される群から選択されるポリペプチドを含む、請求項43~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、請求項43~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、請求項42に記載の方法。
【請求項52】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドである、請求項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドである、請求項43~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記ヒアルロニダーゼが、前記組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、請求項33~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項33~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、請求項33~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記1つ以上の糖類が、前記組成物中に、10mM~500mMの量で存在する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、請求項33~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記アミノ酸が、メチオニン及びヒスチジンから選択される、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記1つ以上のアミノ酸が、前記組成物中に、1mM~100mMの量で存在する、請求項57又は58に記載の方法。
【請求項61】
前記組成物が、緩衝液を更に含む、請求項33~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記緩衝液が、前記組成物中に、前記組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在する、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記緩衝液が、前記組成物中に、1~100mMの量で存在する、請求項61又は62に記載の方法。
【請求項64】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、請求項33~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、リンカーを介して前記オリゴヌクレオチドの前記5’及び/又は3’末端に結合されている、請求項33~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、請求項33~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩である、請求項33~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
ヒアルロニダーゼ酵素と、オリゴヌクレオチド並びに前記オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を含む、単位剤形。
【請求項71】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、請求項70に記載の単位剤形。
【請求項72】
前記組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、請求項70に記載の単位剤形。
【請求項73】
PH20の前記バリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、請求項70~72のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項74】
切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置する、請求項73に記載の単位剤形。
【請求項75】
前記切断は、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42の前に位置する、請求項74に記載の単位剤形。
【請求項76】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項75に記載の単位剤形。
【請求項77】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項76に記載の単位剤形。
【請求項78】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483として示される群から選択されるポリペプチドを含む、請求項72~77のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項79】
前記N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、請求項70~78のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項80】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、請求項70に記載の単位剤形。
【請求項81】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドである、請求項72~79のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項82】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドである、請求項72~79のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項83】
前記ヒアルロニダーゼが、前記組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、請求項70~82のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項84】
前記組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項70~83のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項85】
前記組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、請求項84に記載の単位剤形。
【請求項86】
前記1つ以上の糖類が、前記組成物中に、10mM~500mMの量で存在する、請求項85に記載の単位剤形。
【請求項87】
前記組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、請求項84~86のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項88】
前記アミノ酸が、メチオニン及びヒスチジンから選択される、請求項87に記載の単位剤形。
【請求項89】
前記1つ以上のアミノ酸が、前記組成物中に、1mM~100mMの量で存在する、請求項87又は88に記載のc単位剤形。
【請求項90】
前記組成物が、緩衝液を更に含む、請求項84~89のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項91】
前記緩衝液が、前記組成物中に、前記組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在する、請求項90に記載の単位剤形。
【請求項92】
前記緩衝液が、前記組成物中に、1~100mMの量で存在する、請求項90又は91に記載の単位剤形。
【請求項93】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、請求項70~92のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項94】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、リンカーを介して前記オリゴヌクレオチドの前記5’及び/又は3’末端に結合されている、請求項70~93のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項95】
前記リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、請求項94に記載の単位剤形。
【請求項96】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、請求項70~95のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項97】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩である、請求項70~96のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項98】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項97に記載の単位剤形。
【請求項99】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記組成物中に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で存在する、請求項70~98のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項100】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記組成物中に、約
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、請求項70~98のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項101】
前記組成物が、液体である、請求項70~100のいずれか一項に記載の単位剤形。
【請求項102】
ヒアルロニダーゼ酵素を含む組成物と、
オリゴヌクレオチド並びに前記オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤を含む組成物と、を含む、キット。
【請求項103】
注射器を更に含む、請求項102に記載のキット。
【請求項104】
前記テロメラーゼ阻害剤を含む組成物が、凍結乾燥されている、請求項102又は103に記載のキット。
【請求項105】
前記キットが、再構成された液体組成物を生成するための緩衝液を更に含む、請求項102~104のいずれか一項に記載のキット。
【請求項106】
皮下注射器が、針及びシリンジを含む、請求項102~105のいずれか一項に記載のキット。
【請求項107】
前記皮下注射器が、所定量の前記組成物を皮下送達するように構成されたボーラス注射器である、請求項102~105のいずれか一項に記載のキット。
【請求項108】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、請求項102~107のいずれか一項に記載のキット。
【請求項109】
前記組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、請求項102~108のいずれか一項に記載のキット。
【請求項110】
PH20の前記バリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、請求項109に記載のキット。
【請求項111】
切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置する、請求項110に記載のキット。
【請求項112】
前記切断が、前記N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、前記N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42の前に位置する、請求項111に記載のキット。
【請求項113】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項110に記載のキット。
【請求項114】
前記切断は、前記C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、前記C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、請求項113に記載のキット。
【請求項115】
前記ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、請求項108に記載のキット。
【請求項116】
前記N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、請求項108~115のいずれか一項に記載のキット。
【請求項117】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドである、請求項108~114のいずれか一項に記載のキット。
【請求項118】
PH20の前記バリアント又は断片が、配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドである、請求項108~114のいずれか一項に記載のキット。
【請求項119】
前記ヒアルロニダーゼが、前記組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、請求項102~118のいずれか一項に記載のキット。
【請求項120】
前記組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、請求項102~119のいずれか一項に記載のキット。
【請求項121】
前記組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、請求項102~120のいずれか一項に記載のキット。
【請求項122】
前記1つ以上の糖類が、前記組成物中に、10mM~500mMの量で存在する、請求項121に記載のキット。
【請求項123】
前記組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、請求項102~122のいずれか一項に記載のキット。
【請求項124】
前記組成物が、メチオニン又はヒスチジンから選択されるアミノ酸を含む、請求項123に記載のキット。
【請求項125】
前記1つ以上のアミノ酸が、前記組成物中に、1mM~100mMの量で存在する、請求項123又は124に記載のキット。
【請求項126】
前記組成物が、緩衝液を更に含む、請求項102~125のいずれか一項に記載のキット。
【請求項127】
前記緩衝液が、前記組成物中に、前記組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在する、請求項126に記載のキット。
【請求項128】
前記緩衝液が、前記組成物中に、1~100mMの量で存在する、請求項126又は127に記載のキット。
【請求項129】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記オリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、請求項102~128のいずれか一項に記載のキット。
【請求項130】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、リンカーを介して前記オリゴヌクレオチドの前記5’及び/又は3’末端に結合されている、請求項102~129のいずれか一項に記載のキット。
【請求項131】
前記リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、請求項130に記載のキット。
【請求項132】
前記テロメラーゼ阻害剤の前記脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、請求項102~131のいずれか一項に記載のキット。
【請求項133】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩である、請求項102~132のいずれか一項に記載のキット。
【請求項134】
前記テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、請求項133に記載のキット。
【請求項135】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記組成物中に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で存在する、請求項102~134のいずれか一項に記載のキット。
【請求項136】
前記テロメラーゼ阻害剤が、前記組成物中に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、請求項102~134のいずれか一項に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月17日に出願された米国仮特許出願第63/053,455号及び2020年12月21日に出願された米国仮特許出願第63/128,708号の利益を主張し、それらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
序論
血液悪性腫瘍は、骨髄などの造血組織の細胞、又は免疫系の細胞に始まるがんの形態である。血液がんの例は、急性及び慢性白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、並びに骨髄異形成症候群である。
【0003】
骨髄増殖性腫瘍(MPN)は、体が白血球若しくは赤血球、又は血小板を産生しすぎると生じる血液障害の群である。骨髄における血液細胞のこの過剰産生は、血流に問題を生じさせ、様々な症状につながり得る。MPNは、骨髄における骨髄細胞系列の前駆体から生じ得る。MPNは、異形成、骨髄細胞過形成、並びに血栓症、出血、及び骨髄線維症の素因を伴わない骨髄増殖を特徴とする。慢性骨髄増殖性障害には様々なタイプがある。MPNの疾患スペクトルには、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄線維症(MF)、慢性好酸球性白血病、慢性好酸球性白血病及び急性骨髄性白血病(AML)が含まれる。骨髄異形成症候群(MDS)は、血液及び骨髄のがんを含む一群の症状である。骨髄異形成症候群(MDS)には、不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単血球系異形成を伴う不応性血球減少症、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾患が含まれる。
【0004】
イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムは、テロメラーゼのRNA成分のテンプレート領域に対して高い親和性で結合するテロメラーゼ阻害剤である。研究は、イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムが、テロメラーゼ活性を阻害し、多くの異なるがん細胞株及びヒト腫瘍(例えば、米国特許第7,494,982号に記載のもの)における細胞増殖に対して有効であることを示している。イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムは、骨髄異形成症候群及び骨髄増殖性腫瘍、並びに固形腫瘍を含む、血液悪性腫瘍を有する患者の臨床試験で使用されている。リスクがより低い骨髄異形成症候群を有する患者の臨床試験では、静脈内投与されたイメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムが、特定の患者において持続的な輸血非依存性を達成することができることが示された。加えて、骨髄線維症を有する患者の臨床試験は、静脈内投与されたイメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムが、悪性クローンの変異負荷及び細胞遺伝学的異常の低減と相関する全生存期間及び骨髄線維症の改善を達成することができることを示した。
【0005】
皮下投与の場合、有効量を達成するために、テロメラーゼ阻害剤の液体組成物が大量に投与される。皮下という用語は、皮下組織層などの皮膚の皮下層を指す。皮下間質マトリックスは、グリコサミノグリカンの粘弾性ゲル中の線維性タンパク質で構成されている。皮下組織中のグリコサミノグリカンには、非硫酸化繰り返し直鎖二糖であるグリコヒアルロナン(HA)が含まれる。大量の液体を皮下組織に送達することは、制限及び/又は痛みを伴う場合がある。ヒアルロニダーゼ酵素(例えば、可溶性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質)は、皮下の細胞外空間におけるヒアルロナンの迅速な脱重合を促進し、間質の粘度を減少させ、透水性(hydraulic conductance)を増加させ、より多量の液体を皮下組織に投与することを可能にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の態様は、皮下投与のために製剤化されたテロメラーゼ阻害剤組成物を含む。特定の実施形態による組成物は、ヒアルロニダーゼ酵素と、オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を含む。がんの治療及びがんと関連する症状の緩和のためのテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法が記載される。血液悪性腫瘍の治療においてテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法もまた、記載される。不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単血球系異形成を伴う不応性血球減少症、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾患を含む、骨髄異形成症候群(MDS)の治療においてテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法もまた、記載される。本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄線維症(MF)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、及び急性骨髄性白血病(AML)などの骨髄増殖性腫瘍の治療においてテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法もまた、記載される。リンパ系腫瘍の治療におけるテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法もまた、記載される。固形腫瘍の治療においてテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法もまた、記載される。ヒアルロニダーゼ酵素と、テロメラーゼ阻害剤と、を含む、液体又は凍結乾燥単位剤形が記載される。テロメラーゼ阻害剤とヒアルロニダーゼ酵素との組み合わせを有するキットもまた、提供される。テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素と皮下注射器(subcutaneous injector)との組み合わせを有するキットも提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、組換えヒトヒアルロニダーゼである。特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、rHuPH20である。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤皮下組成物は、1つ以上の可溶性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質を含む。実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、組成物中に100U~50,000Uの量で存在する。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼ酵素は、組成物中に100U/mL~50,000U/mLの量で存在する。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼ酵素は、組成物中に100U/mL~2,000U/mLの量で存在する。いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素(例えば、可溶性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質)は、対象のテロメラーゼ阻害剤組成物の皮下投与を促進する量で存在する。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼ酵素は、皮下組織の細胞外空間におけるヒアルロナンの迅速な脱重合を促進し、それによって、間質の粘度を減少させ、透水性を増加させ、より多量のテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下組織に投与することを可能にする量で存在する。
【0008】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、組換えヒトヒアルロニダーゼのバリアントである。特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、野生型PH20のアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換を有するヒアルロニダーゼPH20のバリアントであり、例えば、成熟野生型PH20のアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換を有するヒアルロニダーゼPH20のバリアントである。特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、野生型ヒアルロニダーゼPH20の断片である。特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、野生型ヒアルロニダーゼPH20のアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換を有する野生型ヒアルロニダーゼPH20の断片である。
【0009】
本組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の糖類を含む。いくつかの事例では、糖類は、1つ以上の単糖類を含む。単糖類は、1mM~1000mM(例えば、10mM~500mM)の量で組成物中に存在してもよい。いくつかの事例では、糖類は、1つ以上の多糖類を含む。いくつかの事例では、多糖類は、スクロースを含む。他の事例では、多糖類は、トレハロースを含む。多糖類は、1mM~1000mM(例えば、10mM~500mM)の量で組成物中に存在してもよい。特定の事例では、多糖類は、100mM~300mMの量で組成物中に存在する。
【0010】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のアミノ酸を含む。特定の実施形態では、組成物は、一定量のメチオニンを含む。他の実施形態では、組成物は、一定量のヒスチジンを含む。これらの実施形態では、アミノ酸は、1mM~200mM(例えば、1mM~100mM)の量で組成物中に存在し得る。特定の実施形態では、アミノ酸は、1mM~50mMの量で組成物中に存在する。
【0011】
組成物はまた、1つ以上の緩衝液を含んでもよい。いくつかの事例では、緩衝液は、組成物を所定のpHで維持する量で組成物中に存在する。例えば、1つ以上の緩衝液は、組成物を3.0~9.0のpH(例えば、5.5~7.5のpH)で維持するために組成物中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、緩衝液は、1mM~250mM(例えば、1~100mM、及び1mM~50mM)を含む量で組成物中に存在する。特定の事例では、緩衝液は、ヒスチジン緩衝液である。特定の事例では、組成物は、メチオニン及びポリソルベート80又はポリソルベート20を含む。
【0012】
本明細書の実施形態のいずれかにおいて、テロメラーゼ阻害剤は、オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、テロメラーゼのRNA成分に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、10~20塩基対長である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列TAGGGTTAGACAAを含む。本明細書の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。本明細書の実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、全てのN3’→P5’チオホスホルアミデートヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態によるテロメラーゼ阻害剤は、オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合された脂質部分を含むオリゴヌクレオチドである。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の脂質部分は、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合されている。いくつかの事例では、リンカーは、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである。特定の事例では、テロメラーゼ阻害剤の脂質部分は、パルミトイル(C16)部分である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩である。特定の実施形態では、組成物は、イメテルスタットナトリウムを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、皮下組成物中のテロメラーゼ阻害剤の量は、約0.5~約5mg、約5~約10mg、約10~約15mg、約15~約20mg、約20~約25mg、約20~約50mg、約25~約50mg、約50~約75mg、約50~約100mg、約75~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約175mg、約175~約200mg、約200~約225mg、約225~約250mg、約250~約300mg、約300~約350mg、約350~約400mg、約400~約450mg、約450~約500mg、約500mg~約600mg、約600mg~約700mg、約700mg~約800mg、約800mg~約900mg、約900mg~約1000mg、約1100mg~約1200mg、約1200mg~約1300mg、約1300mg~約1400mg、約1400mg~約1500mg、約1500mg~約1600mg、約1600mg~約1700mg、約1700mg~約1800mg、約1800mg~約1900mg、約1900mg~約2000mg、約2000mg~約2100mg、約2100mg~約2200mg、約2200mg~約2300mg、約2300mg~約2400mg、約2400mg~約2500mgである。
【0014】
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の量は、約5mg~約1000mg、5mg~約500mg、例えば、約30mg~約300mg、又は約50mg~約200mgの範囲の量を有する単位剤形である。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の量は、約500mg~約3000mg、750mg~約2500mg、例えば、約1000mg~約2000mg、又は約50mg~約200mgの範囲の量を有する単位剤形である。単位剤形は、液体又は凍結乾燥であり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、組成物中のテロメラーゼ阻害剤の濃度は、希釈液(約0.1mg/ml)又は濃縮液(約300mg/ml)であり、例えば、約0.1~約300mg/ml、約0.1~約200mg/ml、約0.1~約180mg/ml、約0.1~約160mg/ml、約0.1~約140mg/ml、約0.1~約120mg/ml、約0.1~約100mg/ml、約0.1~約80mg/ml、約0.1~約60mg/ml、約0.1~約40mg/ml、約0.1~約20mg/ml、約0.1~約10mg/ml、約2~約40mg/ml、約4~約35mg/ml、約6~約30mg/ml、約8~約25mg/ml、約10~約20mg/ml、約12~約15mg/mlのうちのいずれか、又は約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2mg/ml、2.1mg/ml、2.2mg/ml、2.3mg/ml、2.4mg/ml、若しくは2.5mg/mlのうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の濃度は、少なくとも約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、33.3mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、250mg/ml、260mg/ml、270mg/ml、280mg/ml、290mg/ml、又は300mg/mlのうちのいずれかである。特定の実施形態では、組成物は、約2.0mg/kg~約20.0mg/kg、約3.0mg/kg~約15.0mg/kg(例えば、約4.0mg/kg~約10mg/kg、約7.5mg/kg~9.4mg/kg、約9mg/kg~約11mg/kg、及び約11mg/kg~約14mg/kg)の投与量で、イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤を含むように製剤化される。特定の実施形態では、組成物は、4.0mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5.0mg/kg、5.1mg/kg、5.2mg/kg、5.3mg/kg、5.4mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、5.7mg/kg、5.8mg/kg、5.9mg/kg、6.0mg/kg、6.1mg/kg、6.2mg/kg、6.3mg/kg、6.4mg/kg、6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7.0mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8.0mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9.0mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10.0mg/kg、10.5mg/kg、11.0mg/kg、11.5mg/kg、12.0mg/kg、12.5mg/kg、13.0mg/kg、13.5mg/kg、14.0mg/kg、14.5mg/kg、15.0mg/kg、15.5mg/kg、16.0mg/kg、16.5mg/kg、17.0mg/kg、17.0mg/kg、17.5mg/kg、18.0mg/kg、18.5mg/kg、19.0mg/kg、19.5mg/kg、又は20.0mg/kgの投与量で、イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤を含むように製剤化される。
【0016】
本開示の態様はまた、対象にテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法を含む。特定の実施形態による実施方法では、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素を有する組成物が、対象に皮下投与される。いくつかの実施形態では、組成物が、皮下注射によって対象に投与される。他の実施形態では、組成物は、皮下に植め込まれたカテーテルなどの植め込みデバイスから対象に投与され得る。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、対象に所定量の組成物を皮下送達するように構成された皮下ボーラス注射器(subcutaneous bolus injector)を用いて、対象に投与される。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素が、同時に投与される。例えば、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素は、投与前に、一緒に混合され得る。いくつかの事例では、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素が、順次投与される。例えば、ヒアルロニダーゼ酵素を、テロメラーゼ阻害剤の前に投与することができる。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼ酵素が、最初に投与され、続いて、テロメラーゼ阻害剤が投与される。例えば、ヒアルロニダーゼ酵素が、テロメラーゼ阻害剤の投与直後に投与され得る。
【0017】
特定の実施形態では、本発明の方法は、腫瘍を治療することを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍は、固形腫瘍がんであり得る。本開示の実施形態による治療のためのがんの例としては、例えば、副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん(肝外)、膀胱がん、骨がん(例えば、ユーイング肉腫、骨肉腫、及び悪性線維性組織球腫など)、脳幹神経膠腫、脳腫瘍(例えば、星状細胞腫、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系生殖細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫、上皮腫など)、乳がん(例えば、女性乳がん、男性乳がん、小児乳がんなど)、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍(例えば、小児、消化管など)、原発不明癌、心臓(心)腫瘍、子宮頸がん、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、管(例えば、胆管、肝外など)、非浸潤性乳管がん(DCIS)、胎児性腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽腫など)、骨の線維性組織球腫(例えば、悪性、骨肉腫など)、胆嚢がん、胃(胃)がん、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣、精巣など)、妊娠性絨毛性疾患、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞がん(肝臓)がん、組織球増殖症(例えば、ランゲルハンス細胞など)、下咽頭がん、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍(例えば、膵神経内分泌腫瘍など)、腎臓がん(例えば、腎細胞、ウィルムス腫瘍、小児腎臓腫瘍など)、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、口唇がん及び口腔がん、肝臓がん(原発性)、非浸潤性小葉がん(LCIS)、肺がん(例えば、非小細胞、小細胞など)、骨及び骨肉腫の悪性線維性組織球腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部がん、口腔がん、潜伏原発性口腔がん、多発性内分泌腫瘍症候群、鼻腔及び副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽腫、非小細胞肺がん、口腔がん、口腔がん(例えば、唇など)、中咽頭癌がん、骨肉腫及び骨の悪性線維性骨組織球腫、卵巣がん(例えば、上皮、生殖細胞腫瘍、低悪性度腫瘍など)、膵臓がん、膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔がん及び鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎臓)がん、腎盂・尿管がん、移行細胞がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、セザリー症候群、皮膚がん(例えば、小児、黒色腫、メルケル細胞がん、非黒色腫など)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮頸部がん(例えば、原発不明、転移性など)、胃(胃)がん、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫及び胸腺がん、甲状腺がん、腎盂・尿管の移行上皮がん、尿管・腎盂がん、尿道がん、子宮がん(例えば、子宮内膜など)、子宮肉腫、膣がん、外陰部がん、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、方法は、米国特許第7,494,982号に記載される腫瘍を有する対象を治療することを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、腫瘍は、血液腫瘍であり得る。特定の実施形態では、本発明の方法は、骨髄増殖性腫瘍を有する対象を治療することを含む。いくつかの事例では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄線維症(MF)、例えば、原発性骨髄線維症、又は以前のET若しくはPV後の骨髄線維症(ET後MF若しくはPV後MF)である。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、及び急性骨髄性白血病(AML)を含む。他の事例では、血液腫瘍は、骨髄異形成症候群(MDS)である。更に他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、単独del(5q)を伴わない骨髄異形成症候群(MDS)である。骨髄異形成症候群(MDS)には、不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単血球系異形成を伴う不応性血球減少症、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾患が含まれる。特定の実施形態による方法は、骨髄増殖性腫瘍を有する対象を診断することも含む。一例では、方法は、原発性骨髄線維症などの骨髄線維症(MF)を有する対象を診断することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、以前にテロメラーゼ阻害剤を投与されていない(例えば、テロメラーゼ阻害剤ナイーブである)。いくつかの実施形態では、対象は、エリスロポエチン刺激剤(ESA)に対して再発性又は難治性である、より低リスクの輸血依存性MDSを有する対象である。いくつかの実施形態では、対象は、以前に低メチル化剤(HMA)による治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、レナリドミドによる治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、5qではない対象である。いくつかの実施形態では、対象は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤に再発性又は難治性である対象である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、米国特許第9,375,485号及び国際特許公開第2019/023667号及び同第2020/028261号(それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような骨髄増殖性腫瘍を有する対象を治療することを含む。
【0019】
特定の実施形態では、本発明の方法は、リンパ系腫瘍を有する対象を治療することを含む。いくつかの実施形態では、リンパ系腫瘍(例えば、リンパ腫)は、B細胞腫瘍である。いくつかの実施形態では、リンパ系腫瘍(例えば、リンパ腫)は、T細胞腫瘍及び/又は推定NK細胞腫瘍である。
【0020】
特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素は、対象に皮下投与される。テロメラーゼ阻害剤組成物及びヒアルロニダーゼ酵素は、1日当たり1回以上(例えば、1日当たり2回以上、例えば、1日当たり3回以上、例えば、1日当たり4回以上、及び1日当たり5回以上を含む)、対象に皮下投与され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、7日以上、例えば、10日以上、例えば、14日以上、例えば、21日以上、対象に皮下投与される。投薬は、テロメラーゼ阻害剤組成物及びヒアルロニダーゼ酵素の投与サイクルで投与され得る。いくつかの実施形態では、サイクルは、毎日1回である。いくつかの実施形態では、サイクルは、1日おきに1回(すなわち、2日ごとに1回)である。いくつかの実施形態では、サイクルは、3日ごとに1回である。いくつかの実施形態では、サイクルは、4日ごとに1回である。いくつかの実施形態では、サイクルは、5日ごとに1回である。いくつかの実施形態では、サイクルは、6日ごとに1回である。いくつかの実施形態では、サイクルは、7日ごとに1回である。いくつかの実施形態では、サイクルは、14日ごとに1回であり、いくつかの事例では、サイクルは、21日ごとに1回であり、他の事例では、サイクルは、28日以上に1回である。テロメラーゼ阻害剤組成物の投与サイクルは、1、2、3、4、5、6、7、8回、又は8回を超える投薬サイクルで、合計6ヶ月、又は1年、又は2年、又は3年、又は4年、又は5年、又は6年、又は7年、又は8年、又は9年、又は10年以上の期間繰り返すことができる。例えば、投与サイクルを実施し、続いて、組成物を1日以上投与せず、次いで、その後の投与サイクルを実施することができる。投与サイクル間の時間は、1日以上、2日以上、3日以上、4日以上、5日以上、6日以上、7日以上、10日以上、14日以上、21日以上、又は28日以上であり得る。
【0021】
理論に拘束されることを望むものではないが、本発明は、腫瘍を有する対象の皮下投与による治療方法における使用のための適合性及び安定性を有する、本明細書に定義されるテロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素の両方を含む組成物、単位剤形、及びキットを提供する。本発明はまた、皮下投与のために製剤化されたかかる組成物を提供し、組成物が、治療される対象にとって安全かつ耐容性であり、ヒアルロニダーゼ酵素と共製剤化された場合、テロメラーゼ阻害剤のための有効な薬物動態プロファイルを可能にする。本発明は更に、皮下投与のための十分な用量のテロメラーゼ阻害剤を含有する適切な液体量を有する剤形を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】特定の実施形態による、ラットにおける皮下注射及び静脈内送達後のイメテルスタットナトリウムの血漿中濃度の時間プロファイルを示す。
図2】特定の実施形態による、様々な試料製剤の治療濃度(μM)に対するテロメラーゼ活性の阻害(%)を示す。
【0023】
定義を選択する
「ヌクレオシド」という用語は、一般的な構造:
【化1】
を有する部分を指し、式中、Bは、核酸塩基を表し、2’炭素は、以下に記載されるように置換することができる。オリゴマー又はポリマーに組み込まれる場合、3’炭素は、酸素又は窒素原子に更に結合される。ヌクレオシドは、2’-デオキシ及び2’-ヒドロキシル(すなわち、デオキシリボース及びリボース)形態、並びにそれらの類似体を含み得る。特定の事例では、5’-NH基は、5’-酸素に置換することができる。「類似体」は、ヌクレオシドに関して、修飾核酸塩基部分(以下の「核酸塩基」の定義を参照されたい)及び/又は他の類似体のなかでも、2’-フルオロ糖などの、修飾糖部分を有する合成ヌクレオシドを含む。そのような類似体は、典型的には、結合特性、例えば、安定性、特異性などに影響を与えるように設計される。ヌクレオシドという用語は、例えば、Komberg and Baker,DNA Replication,2nd Ed.(Freeman,San Francisco,1992)に記載されるような、2’-でオキシ及び2’-ヒドロキシ形態を含む、天然ヌクレオシド、並びに類似体を含む。「類似体」は、ヌクレオシドに関して、修飾核酸塩基部分(以下の「核酸塩基」の定義を参照されたい)及び/又は一般にScheit,Nucleotide Analogs(John Wiley,New York,1980)によって記載される、修飾糖部分を有する合成ヌクレオシドを含む。そのような類似体は、例えば、Uhlmann and Peyman,Chemical Reviews 90:543-584,1990)によって開示されるような、結合特性、例えば、安定性、特異性などを増強するように設計された合成ヌクレオシドを含む。そのようなヌクレオシドを含有し、典型的には合成ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合を含有するオリゴヌクレオチドは、それ自体が「類似体」と称され得る。
【0024】
「ポリヌクレオチド」又は「オリゴヌクレオチド」は、約2~約200個の連続したサブユニットを有する、リボース及び/又はデオキシリボースヌクレオシドサブユニットポリマー又はオリゴマーを指す。ヌクレオシドサブユニットは、これらに限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、P3’→N5’ホスホロアミデート、N3’→P5’ホスホロアミデート、N3’→P5’チオホスホロアミデート、及びホスホロチオエート結合を含む、様々なサブユニット間結合によって結合することができる。用語には、糖(例えば、2’置換)、塩基、並びに3’及び5’末端などへの修飾を有するそのようなポリマー又はオリゴマーも含まれる。オリゴヌクレオチド部分が複数のサブユニット間結合を含む実施形態では、各結合は同じ化学物質を使用して形成してもよく、又は結合化学物質の混合物を使用してもよい。オリゴヌクレオチドが「ATGUCCTG」などの一連の文字によって表される場合、ヌクレオチドが左から右へ5’→3’の順序であることが理解されるであろう。この様式でオリゴヌクレオチドの塩基配列を表すことは、オリゴヌクレオチドにおける任意の特定のタイプのヌクレオシド間サブユニットの使用を意味しない。
【0025】
「核酸塩基」としては、(i)天然DNA及びRNA核酸塩基(ウラシル、チミン、アデニン、グアニン、及びシトシン)、(ii)修飾核酸塩基又は核酸塩基類似体(例えば、5-メチルシトシン、5-ブロモウラシル、又はイノシン)、並びに(iii)核酸塩基類似体が挙げられる。核酸塩基類似体は、その分子構造が典型的なDNA又はRNA塩基の分子構造を模倣する化合物である。
【0026】
「脂質」という用語は、本明細書では、有機溶媒中に可溶性であるが、水中に存在する場合、難溶性である物質を包含するために広く使用される。脂質という用語には、これらに限定されないが、炭化水素、油、脂肪(脂肪酸及びグリセリドなど)、ステロール、ステロイド、及びこれらの化合物の誘導体形態が含まれる。いくつかの実施形態では、脂質は、脂肪酸及びそれらの誘導体、炭化水素及びそれらの誘導体、並びにコレステロールなどのステロールである。脂肪酸は、通常、直鎖(一般的には12~24個の炭素)に偶数個の炭素原子を含有し、飽和であっても不飽和であってもよく、様々な置換基を含有することができるか、又は含有するように修飾され得る。単純化するために、「脂肪酸」という用語はまた、脂肪又はエステルなどの、脂肪酸誘導体を包含する。いくつかの実施形態では、「脂質」という用語は、脂質部分及び親水性部分の両方を含有する両親媒性化合物も含む。
【0027】
「個体」又は「患者」又は「対象」は、任意の一般的な実験室モデル生物などの、哺乳動物であり得る。哺乳動物としては、ヒト及び非ヒト霊長類、農場動物、スポーツ動物、ペット、マウス、ラット、並びに他のげっ歯類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、個体又は患者又は対象は、ヒトである。特定の実施形態では、対象又は患者は、特定の実施形態の前に、テロメラーゼ阻害剤療法を以前に受けたことがなく、そのような患者は、「テロメラーゼ阻害剤ナイーブ」である。
【0028】
「有効量」又は「治療有効量」又は「臨床有効量」は、哺乳動物対象に、所望の治療効果をもたらすのに有効である、単回用量として、又は一連の用量の一部としてのいずれかで投与される、テロメラーゼ阻害剤の量を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「腫瘍」、又は「腫瘍形成」、又は「腫瘍性」という用語は、異常な新規細胞増殖指す。過形成とは異なり、腫瘍性増殖は、元の刺激の不在下でも継続する。「腫瘍細胞」は、細胞増殖の制御の著しい喪失を特徴とする異常な増殖表現型を示すように、比較的自律的な増殖を示す細胞を指す。腫瘍細胞は、能動的に複製し得るか、又は一時的な非複製静止状態(G又はG)にあり得る細胞を含み、同様に、腫瘍細胞は、よく分化した表現型、あまり分化していない表現型、又は両方のタイプの細胞の混合物を有する細胞を含み得る。よって、全ての腫瘍細胞が、所与の時点で複製細胞であるとは限らない。「腫瘍細胞」は、良性腫瘍におけるそのような細胞及び悪性腫瘍における細胞を包含する。「腫瘍性前駆細胞」は、腫瘍性になる能力を有する細胞組成物の細胞を指す。
【0030】
「増殖性障害」は、細胞が正常な組織増殖よりも急速に増殖する任意の細胞障害である。したがって、「増殖細胞」は、通常の細胞よりも急速に増殖している細胞である。増殖性障害としては、腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。「腫瘍」は、異常な組織増殖であり、概して、正常な組織増殖よりも細胞増殖によってより速く増殖する明確な塊を形成する。腫瘍は、部分的又は全体的な構造的構成及び正常組織との機能的協調の欠如を示す。これらは、大きく3つのタイプに分類することができる。上皮構造から生じる悪性腫瘍は、がん腫と呼ばれ、結合組織(例えば、筋肉、軟骨、脂肪、又は骨)から生じる悪性腫瘍は、肉腫と呼ばれ、免疫系の構成要素を含む造血構造(血液細胞の形成に関連する構造)に影響を及ぼす悪性腫瘍は、白血病及びリンパ腫と呼ばれる。腫瘍は、がん疾患の腫瘍性増殖である。本明細書で使用される場合、「腫瘍(tumor)」とも称される腫瘍(neoplasm)は、造血腫瘍並びに固形腫瘍を包含することが意図される。他の増殖性障害としては、神経線維腫症が挙げられるが、これに限定されない。
【0031】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段に示されない限り、複数の参照物を含む。
【0032】
本明細書全体を通して与えられる全ての最大数値制限は、そのような下限数値制限が本明細書に明示的に記述されたかのように、全ての下限数値制限を含むことが意図される。本明細書全体を通して与えられる全ての最小数値制限は、そのような上限数値制限が本明細書に明示的に記述されたかのように、全ての上限数値制限を含むであろう。本明細書全体を通して与えられる全ての数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記述されたかのように、そのようなより広い数値範囲内に収まる全てのより狭い数値範囲を含むであろう。
【0033】
本発明を更に記載する前に、そのようなものは当然ながら変動し得るので、本発明は記載の特定の実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本発明の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ制限されるので、本明細書で使用される用語は、単に特定の実施形態を記載する目的のためであり、制限することを意図しないことも理解されるべきである。
【0034】
値の範囲が提供される場合、別段文脈が明確に指示しない限り、上限と下限との間の各介在値、及びその記載された範囲の任意の他の値又は介在値の下限の単位の10分の1までが、本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれ得、また、本発明内に包含され、記載された範囲の任意の具体的に除外される制限の対象となる。記載された範囲が、制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方又は両方を除外する範囲もまた、本発明に含まれる。
【0035】
明確にするために、別個の実施形態の文脈に記載される本発明のある特定の特色はまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈に記載される発明の様々な特色はまた、別個に又は任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。本発明に関連する実施形態の全ての組み合わせは、本発明によって具体的に包含され、各々及び全ての組み合わせが個々にかつ明示的に開示されたかのように、そのような組み合わせが、例えば、安定な化合物である化合物(すなわち、生物学的活性について作製、単離、特徴評価、及び試験され得る化合物)である主題を包含する程度まで、本明細書に開示される。加えて、様々な実施形態及びそれらの要素(例えば、そのような変数を記載する実施形態に列挙される化学基の要素)の全ての部分的組み合わせもまた、本発明によって具体的に包含され、各々及び全てのそのような部分的組み合わせが本明細書で個々にかつ明示的に開示されたかのように、本明細書に開示される。
【0036】
別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似の又は同等な任意の方法及び材料もまた、本発明の実施又は試験に使用することができるが、目的の方法及び材料は、以下に記載される。本明細書で言及される全ての刊行物は、引用された刊行物に関連する方法及び/又は材料を開示及び記載するために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別段文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことが留意されるべきである。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように記載され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求項の要素の記載に関連する「単に」、「のみ」などの排他的な用語の使用、又は「否定的」な限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0038】
明確にするために、別個の実施形態の文脈に記載される本発明のある特定の特色はまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈に記載される本発明の様々な特色はまた、別個に又は任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。
【0039】
本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前のそれらの開示についてのみ提供される。本明細書におけるいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような公開に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、刊行物の実際の日付とは異なり得、個々に確認される必要があり得る。
【0040】
本明細書に記載の化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィー、及びイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー手段を含む、当該技術分野で既知の手段のうちのいずれかによって精製することができる。順相及び逆相、並びにイオン性樹脂を含む、任意の好適な固定相を使用することができる。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography,2nd Edition,ed.L.R.Snyder and J.J.Kirkland,John Wiley and Sons,1979、及びThin Layer Chromatography,ed E.Stahl,Springer-Verlag,New York,1969を参照されたい。
【0041】
本明細書に記載の化合物は、1つ以上のキラル中心及び/又は二重結合を含有し得、したがって、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、鏡像異性体、又はジアステレオマーなどの立体異性体として存在し得る。したがって、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、鏡像異性体的に純粋、又はジアステレオマー的に純粋)、並びに鏡像異性体の混合物及び立体異性体の混合物を含む、化合物の全ての可能な鏡像異性体及び立体異性体は、本明細書の化合物の記載に含まれる。エナンチオマーの混合物及び立体異性体の混合物は、当業者に周知の分離技法又はキラル合成技法を使用して、それらの構成要素のエナンチオマー又は立体異性体に分解することができる。化合物はまた、エノール形態、ケト形態、及びそれらの混合物を含む、いくつかの互変異性体形態で存在し得る。したがって、本明細書に示される化学構造は、例示される化合物の全ての可能な互変異性形態を包含する。記載の化合物はまた、1つ以上の原子が、自然界で従来見出される原子質量とは異なる原子質量を有する、同位体標識された化合物を含む。本明細書に開示の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、限定されないがH、H、11C、13C、14C、15N、18O、17Oなどが挙げられる。化合物は、非溶媒和形態、並びに水和形態を含む溶媒和形態で存在し得る。一般に、化合物は、水和又は溶媒和され得る。ある特定の化合物は、複数の結晶性又は非晶質形態で存在し得る。一般に、全ての物理的形態は、本明細書で企図される使用について同等であり、本開示の範囲内であることが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0042】
皮下テロメラーゼ阻害剤組成物
本開示の態様は、皮下投与のために製剤化されたテロメラーゼ阻害剤組成物を含む。「皮下」という用語は、その従来の意味で、皮下組織層などの皮膚の皮下層を指すように本明細書で使用される。皮下間質マトリックスは、グリコサミノグリカンの粘弾性ゲル中の線維性タンパク質で構成されている。皮下組織中のグリコサミノグリカンには、非硫酸化繰り返し直鎖二糖であるグリコヒアルロナン(HA)が含まれる。
【0043】
本開示の組成物は、ヒアルロニダーゼ酵素を含む。いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、哺乳類型ヒアルロニダーゼ、例えば、四糖類及び六糖類を主要な最終生成物として有するエンドβ-N-アセチルヘキソサミニダーゼである。いくつかの事例では、哺乳類ヒアルロニダーゼは、加水分解活性及びトランスグリコシダーゼ活性の両方を有し、ヒアルロナン及びコンドロイチン硫酸を分解することができる。他の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、ベータ脱離によって二糖最終生成物を生成する、エンドβ-N-アセチルヘキソサミニダーゼなどの細菌ヒアルロニダーゼである。更に他の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、β-1-3結合の加水分解を通して四糖及び六糖最終生成物を生成するエンドβ-グルクロニダーゼである。いくつかの実施形態では、本発明のテロメラーゼ阻害剤組成物中のヒアルロニダーゼ酵素は、中性活性部位又は酸性活性部位を有する哺乳類ヒアルロニダーゼを含む。特定の実施形態では、目的の組成物は、組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素を含む。特定の事例では、組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素は、PH20組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素(rHuPH20)である。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤皮下組成物は、1つ以上の可溶性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)を含む。いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素(例えば、可溶性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質)は、本発明の組成物の皮下投与を促進する。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼ酵素は、細胞外空間におけるヒアルロナンの迅速な脱重合を促進し、間質の粘度を減少させ、透水性(hydraulic conductance)を増加させ、より多量を皮下組織に投与することを可能にする量で存在する。特定の実施形態では、減少した間質の粘度を介してヒアルロニダーゼ酵素によって誘導される透水性の増加は、より大きな分散を可能にし、本明細書に記載の皮下投与されるテロメラーゼ阻害剤の全身的な生物学的利用能を増加させる。
【0044】
特定の実施形態では、組成物は、国際特許公開第2004/078140号及び同第2006/091871号、並びに米国特許第7,767,429号(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載のものなどの1つ以上のヒアルロニダーゼ酵素(例えば、可溶性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質)を含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、組換えヒトヒアルロニダーゼのバリアント又は断片であり、活性であり、ヒアルロナンを分解することができる。野生型ヒトPH20ヒアルロニダーゼ酵素の配列(配列番号1)を、以下の表1に示す。
表1-野生型ヒトPH20ヒアルロニダーゼ酵素の、シグナル配列を含む前駆体のアミノ酸配列(配列番号1)
【表1】
【0046】
特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼは、可溶性ヒアルロニダーゼである。可溶性ヒアルロニダーゼとしては、細胞から発現及び分泌されると、可溶性形態で存在する任意のヒアルロニダーゼが挙げられる。そのような可溶性ヒアルロニダーゼとしては、非ヒト可溶性ヒアルロニダーゼ、細菌可溶性ヒアルロニダーゼ、ウシPH20、ヒツジPH20、及びそれらのバリアントが挙げられるが、これらに限定されない。可溶性ヒアルロニダーゼには、可溶性であるように修飾されたヒトPH20ポリペプチドが含まれる。例えば、グリコホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーを含む、ヒトPH20などのヒアルロニダーゼは、GPIアンカーの全て又は一部分の切断及び除去によって可溶性にすることができる。一例では、通常、ヒトヒアルロニダーゼPH20は、GPIアンカーを介して膜にアンカーされており、そのC末端でのGPIアンカーの全て又は一部分の切断及び除去によって可溶性となる。
【0047】
可溶性ヒアルロニダーゼには、可溶性ヒトPH20ポリペプチドなどの中性活性ヒアルロニダーゼも含まれる。特定の例では、本明細書における組成物、組み合わせ、及び方法における使用のためのヒアルロニダーゼは、可溶性中性活性ヒアルロニダーゼである。ヒアルロニダーゼの例示的な形態としては、PH20の可溶性形態など、任意の種由来のPH20の可溶性形態が挙げられる。PH20の可溶性形態は、当該技術分野で既知であり、これらには、ヒツジ及びウシPH20ポリペプチド、並びに配列番号1のヒトPH20の可溶性形態が含まれる。配列番号1のヒトPH20の可溶性形態。かかる可溶性形態には、ヒアルロニダーゼが可溶性で(発現時に分泌される)、ヒアルロニダーゼ活性が保持されている限り、C末端GPIアンカーの全て又は一部分を欠くその切断型が含まれる。かかる形態はまた、典型的には、細胞で発現された場合、シグナルペプチドを欠く成熟形態である。完全長成熟ヒトPH20(配列番号1の残基36~509)は、GPIアンカーポリペプチドとして生じる。当該技術分野で既知であるように、C末端での切断によって可溶性になる。かかる切断は、GPIアンカー付着配列の全てを除去することができ、又はGPIアンカー付着一部のみを除去することができる。しかしながら、得られるポリペプチドは、可溶性である。可溶性ヒアルロニダーゼがGPIアンカー付着シグナル配列の一部分を保持する場合、ポリペプチドが可溶性である限り、GPIアンカー付着シグナル配列の1、2、3、4、5、6、7つ以上のアミノ酸残基が保持され得る。GPIアンカーの1つ以上のアミノ酸を含むポリペプチドは、拡張可溶性ヒアルロニダーゼ(extended soluble hyaluronidases)と呼ばれる。当業者は、当該技術分野で周知の方法を使用して、ポリペプチドがGPIアンカーされているかどうかを決定することができる。かかる方法としては、既知のアルゴリズムを使用して、GPIアンカー付着シグナル配列及びω部位の存在及び位置を予測すること、並びにホスファチジルイノシトール特異的ホスホリパーゼC(PI-PLC)又はD(PI-PLD)による消化の前後で溶解度分析を行うことが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
可溶性ヒアルロニダーゼの例は、可溶性ヒトPH20である。組換えヒトPH20の可溶性形態が産生されており、本明細書に記載される組成物、組み合わせ、及び方法に使用することができる。かかる可溶性形態のPH20の記載及び産生は、例えば、米国特許第7,767,429号、同第8,202,517号、同第8,431,380号、同第8,431,124号、同第8,450,470号 同第8,765,685号、同第8,772,246号、同第7,871,607号、同第7,846,431号、同第7,829,081号、同第8,105,586号、同第8,187,855号、同第8,257,699号、同第8,580,252号、同第9,677,061号、及び同第9,677,062号に記載されている(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0049】
ヒトPH20の組換え可溶性形態が生成されており、本明細書に提供される組成物、組み合わせ、及び方法に使用することができる。例えば、シグナル配列(残基1~35)を含む完全長前駆体PH20の配列を示す配列番号1を参照して、可溶性形態としては、これらに限定されないが、配列番号1に示されるアミノ酸配列のC末端アミノ酸残基467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、若しくは500を有する配列番号1に示されるヒトPH20のC末端切断ポリペプチド、又はそれと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくはそれ超の配列同一性を示すポリペプチドが挙げられ、中性pHで活性を有し、可溶性である(哺乳動物細胞で発現された場合、培地中に分泌される)。ヒトPH20の可溶性形態としては、一般に、配列番号1に示されるアミノ酸36~464を含有するものが挙げられる。例えば、哺乳動物細胞で発現された場合、プロセシング中に35アミノ酸N末端シグナル配列が切断され、成熟形態のタンパク質が分泌される。したがって、成熟可溶性ポリペプチドには、配列番号1のアミノ酸36~467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、及び483を含有するものが含まれる。可溶性ヒアルロニダーゼの例は、442、443、444、445、446、又は447アミノ酸長である可溶性ヒトPH20ポリペプチド、例えば、配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483として示されるアミノ酸配列を有する可溶性PH20ポリペプチド、並びにヒアルロニダーゼ活性を保持し、かつ例えば、配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483として示されるアミノ酸の配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性を有するそのバリアントである。かかる組換えヒトPH20の可溶性形態は、例えば、米国特許第7,767,429号、同第8,202,517号、同第8,431,380号、同第8,431,124号、同第8,450,470号 同第8,765,685号、同第8,772,246号、同第7,871,607号、同第7,846,431号、同第7,829,081号、同第8,105,586号、同第8,187,855号、同第8,257,699号、同第8,580,252号、同第9,677,061号、及び同第9,677,062号に記載されている(これらは、参照により本明細書に組み込まれる)。一般に、可溶性の形態のPH20は、ポリペプチドが活性を保持することを確実にするように正しいN-グリコシル化を促進するタンパク質発現系を使用して産生される。これは、グリコシル化がヒアルロニダーゼの触媒活性及び安定性に重要であるためである。かかる細胞としては、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞(例えば、DG44CHO細胞)が挙げられる。
【0050】
可溶性組換えヒトPH20は、組換え産生することができ、これには、ヒトPH20の組換え形態が含まれる。かかる産物の1つは、rHuPH20と称され、rHuPH20は、一般に、天然又は異種のシグナル配列(配列番号1の残基1~35)に連結された配列番号1の残基36~482をコードする核酸の、CHO細胞などの細胞で発現される際に産生される組成物を指す。rHuPH20は、アミノ酸1~482(配列番号1に示される)などをコードする核酸分子の発現によって産生される。翻訳後処理により、35アミノ酸のシグナル配列が除去され、ポリペプチド又はポリペプチドの混合物が残る。培地中で産生される場合、rHuPH20と称される生成物が、配列番号1を参照して、残基477、478、479、480、481、及び482に終結する種の混合物を様々な存在量で含むように、C末端に不均一性が存在する。ヒアルロニダーゼrHuPH20は、配列番号1を参照して、アミノ酸残基36~477、アミノ酸残基36~478、cアミノ酸残基36~479、アミノ酸残基36~480、アミノ酸残基36~481、及びアミノ酸残基36~482に対応するポリペプチドからなる群から選択される。一般に、最も豊富な種は、配列番号1の残基36~481に対応する446アミノ酸のポリペプチドである。
【0051】
可溶性ヒトPH20ポリペプチドとしては、拡張可溶性ヒアルロニダーゼと称されるものが挙げられる。拡張可溶性ヒアルロニダーゼは、得られるポリペプチドが、可溶性であり、かつGPIアンカー付着シグナル配列からの1つ以上のアミノ酸残基を含有するように、任意の天然GPIアンカーヒアルロニダーゼに対してC末端切断を行うことによって産生され得る(例えば、米国特許第8,927,249号を参照されたい)。拡張可溶性ヒトPH20ポリペプチドには、配列番号1の残基約495~500のうちのいずれかで終結するものが含まれる。成熟形態は、残基36から始まる。拡張可溶性ヒトPH20ポリペプチドは、中性で活性であり、可溶性である。それらは、アミノ酸置換を含有することができ、拡張可溶性PH20ポリペプチドと少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%を有する。
【0052】
ヒアルロニダーゼは、組換えによって産生され得るか、又は、例えば、精巣抽出物などの天然源から、精製若しくは部分的に精製され得る。組換えヒアルロニダーゼを含む組換えタンパク質の産生方法は、当該技術分野で周知である。可溶性PH20は、活性を保持するための正しいN-グリコシル化を促進する、CHO細胞(例えば、DG44 CHO細胞)などの細胞で産生される。
【0053】
可溶性PH20ヒアルロニダーゼを含む、いくつかのヒアルロニダーゼのN結合及びO結合グリコシル化を含むグリコシル化は、それらの触媒活性及び安定性に重要であり得る。いくつかのヒアルロニダーゼの場合、N結合グリコシル化の除去は、ヒアルロニダーゼ活性のほぼ完全な不活性化をもたらし得る。N結合オリゴ糖は、いくつかの主要なタイプ(オリゴマンノース、複合体、ハイブリッド、硫酸化)に分類され、これらは全て、(Man)3-GlcNAc-GlcNAc-コアを有し、-Asn-Xaa-Thr/Ser-配列(XaaはProではない)内にあるAsn残基のアミド窒素を介して結合されている。-Asn-Xaa-Cys部位でのグリコシル化は、凝固タンパク質Cについて報告されている。いくつかの事例では、PH20ヒアルロニダーゼなどのヒアルロニダーゼは、N-グリコシド結合及びO-グリコシド結合を含有することができる。例えば、PH20は、O結合オリゴ糖、並びにN結合オリゴ糖を有する。配列番号1に例示されるヒトPH20のN82、N166、N235、N254、N368、N393に、6つの潜在的なN結合グリコシル化部位が存在する。
【0054】
特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼ酵素は、野生型PH20のアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換を有するヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片であり、例えば、成熟野生型PH20のアミノ酸配列に1つ以上のアミノ酸残基の付加、欠失、又は置換を有するヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片である。いくつかの実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、PH20のαヘリックス8領域に位置する1つ以上のアミノ酸置換、付加、又は欠失を含む。いくつかの実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、PH20のαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域に位置する1つ以上のアミノ酸置換、付加、又は欠失を含む。特定の実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、野生型PH20のL36~S490(すなわち、配列番号1のL36~S490)のアミノ酸配列を含む。
【0055】
実施形態では、PH20バリアント又はその断片は、配列番号1の野生型PH20酵素のアミノ酸配列と少なくとも80%のアミノ酸配列相同性を有し、例えば、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、及び少なくとも99%を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、T341~N363の中から選択される1つ以上の位置、例えば、これらに限定されないが、T341、L342、S343、I344、M345、S347、M348、K349、L352、L353、L354、D355、N356、E359、I361、及びN363から選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む。例えば、T341、L342、S343、I344、M345、S347、M348、K349、L352、L353、L354、D355、N356、E359、I361、及びN363から選択される1つ以上の位置でのアミノ酸残基の置換は、これらに限定されないが、T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、D355K、E359D、I361T、及びN363Gから選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換であり得る。実施形態では、アミノ酸残基の置換は、コード番号及び文字によって記載され、例えば、「T455S」は、所与の配列番号の数値位置455にあるアミノ酸残基スレオニン(「T」)がアミノ酸残基セリン(「S」)で置換されていることを意味する。特定の実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む。特定の実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含み、これらに限定されないが、T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、及びN363Gからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を更に含み得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、以下から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む:(a)T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、(b)L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、(c)M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、I361T、及びN363G、(d)T341G、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、(e)T341A、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、(f)T341C、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、(g)T341D、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、(h)I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、並びに(i)S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T。
【0058】
いくつかの実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、N末端のF38の前の配列番号1のアミノ酸配列の切断を含む。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、M1~P42から選択されるアミノ酸残基の前の配列番号1のアミノ酸配列の切断を含む。例えば、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、N末端で1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42の前の切断を含む。実施形態では、N末端のM1~P42から選択されるアミノ酸残基の前のフレーズ切断(phrase truncation)は、N末端のアミノ酸残基M1~P42の直前のアミノ酸残基が切断され、欠失されることを意味する。
【0059】
いくつかの実施形態では、バリアント又は断片ヒアルロニダーゼPH20は、V455~S490から選択されるアミノ酸の後の、配列番号1のアミノ酸配列の切断を含む。例えば、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、アミノ酸残基V455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490の後の、配列番号1のアミノ酸配列の切断を含む。実施形態では、C末端のV455~S490から選択されるアミノ酸残基の後のフレーズ切断は、C末端のアミノ酸残基V455~S490の直後のアミノ酸残基が切断され、欠失されることを意味する。
【0060】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有し得、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、並びにN末端のF38の前の切断、及びC末端のF468の後の切断(HP46、配列番号99、以下の表2を参照)を含み得る。いくつかの例では、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有し得、T341A、T341C、T341G、S343E、M345T、K349E、L353A、L354I、N356E、及びI361Tから選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含み得る。特定の場合では、1つ以上のアミノ酸残基の置換は、αヘリックス8領域(S347~C381)及び/又はαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域(A333~R346)に位置する。例えば、αヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域におけるアミノ酸置換は、アミノ酸残基T341~N363、T341~I361、L342~I361、L342~I361、S343~I361、I344~I361、M345~I361、又はM345~N363からなる領域における1つ以上のアミノ酸残基の置換を含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、野生型PH20(例えば、成熟野生型PH20)のαヘリックス8領域(S347~C381)及び/又はαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域(A333~R346)に位置する1つ以上のアミノ酸残基の置換を有し、表2及び表3に示されるように、配列番号2を有するヒトHYAL1の領域のアミノ酸配列のいくつかのアミノ酸残基で置換され得る。
表2-野生型ヒトHYAL1のアミノ酸配列(配列番号2)
【表2】
表3-PH20とHYAL1との間のα-ヘリックス及びアミノ酸配列の比較
【表3】
【0062】
特定の実施形態では、ヒアルロニダーゼPH20のバリアント又は断片は、表4に示されるように、配列番号60~115から選択されるアミノ酸配列を有する。
表4
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【表4-10】
【表4-11】
【表4-12】
【表4-13】
【表4-14】
【表4-15】
【表4-16】
【表4-17】
【表4-18】
【表4-19】
【表4-20】
【表4-21】
【表4-22】
【表4-23】
【表4-24】
【表4-25】
【表4-26】
【表4-27】
【0063】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼのバリアント又は断片は、N末端が、M1~T35からなる野生型PH20のシグナルペプチドの代わりに、以下の表5に示されるように、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモンシグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミンシグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1シグナルペプチドを更に含むが、これらに限定されない。実施形態では、野生型PH20のシグナルペプチド(アミノ酸残基M1~T35)は、部分的に又は完全に欠失される。いくつかの実施形態では、N末端の一部分が更に欠失される場合、例えば、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42残基の前に切断が生じ、そのため、野生型PH20のシグナルペプチドの欠失と共に、N末端の更なる欠失が生じる。
表5-ヒト成長ホルモン、ヒト血清アルブミン、又はヒトHyal1のシグナルペプチドのアミノ酸配列
【表5】
【0064】
いくつかの実施形態では、ヒアルロニダーゼのバリアント又は断片は、6×Hisタグが結合したC末端を有するバリアント(HMとして表記)、6×Hisタグを有しないバリアント(HPとして表記)、6×Hisタグが結合したC末端を有する成熟野生型PH20(L36~S490)(WTとして表記)、及び6×Hisタグを含まず、Y482後に切断が生じるC末端を有する成熟野生型PH20(L36~Y482)(HW2として表記)を含む。
【0065】
特定の実施形態では、組成物は、欧州特許公開第EP3636752A1号及び国際特許公開第2020/197230号(それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているものなど、ヒアルロニダーゼ酵素の1つ以上のバリアント又は断片を含む。
【0066】
実施形態では、組成物中に存在するヒアルロニダーゼ酵素の量は、変化し得、100U以上、例えば、250U以上、例えば、500U以上、例えば、750U以上、例えば、1000U以上、例えば、1500U以上、例えば、2000U以上、例えば、2500U以上、例えば、3000U以上、例えば、3500U以上、例えば、4000U以上、例えば、4500U以上、例えば、5000U以上、例えば、10,000U以上、例えば、20,000U以上、例えば、30,000U以上、例えば、40,000U以上、並びに50,000U以上のヒアルロニダーゼ酵素が含まれ得る。いくつかの実施形態では、組成物は、約500Uのヒアルロニダーゼ酵素、約600U、約700U、約800U、約900U、約1,000U、約1,100U、約1,200U、約1,300U、約1,400U、約1,500U、約1,600U、約1,700U、約1,800U、約1,900U、約2,000U、約2,100U、約2,200U、約2,300U、約2,400U、約2,500U、約2,600U、約2,700U、約2,800U、約2,900U、約3,000U、約3,100U、約3,200U、約3,300U、約3,400U、約3,500U、約3,600U、約3,700U、約3,800U、約3,900U、約4,000U、約4,100U、約4,200U、約4,300U、約4,400U、約4,500U、約4,600U、約4,700U、約4,800U、約4,900U、又は約5,000Uのヒアルロニダーゼ酵素を含む。例えば、組成物中のヒアルロニダーゼ酵素の量は、50U~50,000U、例えば、100U~45,000U、例えば、250U~40,000U、例えば、500U~35,000U、例えば、750U~30,000U、例えば、1000U~25,000U、例えば、1500U~20,000U、例えば、2000U~15,000U、例えば、2500U~10,000U、及び3000U~5000Uを含むヒアルロニダーゼ酵素の範囲であり得る。例えば、組成物中のヒアルロニダーゼ酵素の量は、50U~50,000U、例えば、100U~40,000U、例えば、300U~30,000U、例えば、500U~20,000U、例えば、700U~10,000U、例えば、800U~5,000U、例えば、900U~4,000U、例えば、1,000U~3,000U、例えば、1,500U~2,500U、及び1,700U~2,200Uを含むヒアルロニダーゼ酵素の範囲であり得る。
【0067】
特定の実施形態では、組成物中のヒアルロニダーゼ酵素の濃度は、50U/mL以上、例えば、100U/mL以上、例えば、250U/mL以上、例えば、500U/mL以上、例えば、750U/mL以上、例えば、1000U/mL以上、例えば、2000U/mL以上、例えば、2500U/mL以上、例えば、3000U/mL以上、例えば、3500U/mL以上、例えば、4000U/mL以上、例えば、4500U/mL以上、例えば、5000U/mL以上である。いくつかの事例では、ヒアルロニダーゼ酵素の濃度は、約100U/mL、200U/mL、300U/mL、400U/mL、500U/mL、約600U/mL、約700U/mL、約800U/mL、約900U/mL、約1,000U/mL、約1,100U/mL、約1,200U/mL、約1,300U/mL、約1,400U/mL、約1,500U/mL、約1,600U/mL、約1,700U/mL、約1,800U/mL、約1,900U/mL、約2,000U/mL、約2,100U/mL、約2,200U/mL、約2,300U/mL、約2,400U/mL、約2,500U/mL、約2,600U/mL、約2,700U/mL、約2,800U/mL、約2,900U/mL、約3,000U/mL、約3,100U/mL、約3,200U/mL、約3,300U/mL、約3,400U/mL、約3,500U/mL、約3,600U/mL、約3,700U/mL、約3,800U/mL、約3,900U/mL、約4,000U/mL、約4,100U/mL、約4,200U/mL、約4,300U/mL、約4,400U/mL、約4,500U/mL、約4,600U/mL、約4,700U/mL、約4,800U/mL、約4,900U/mL、又は約5,000U/mLである。例えば、組成物中のヒアルロニダーゼ酵素の濃度は、50U/mL~5000U/mL、100U/mL~4500U/mLなど、250U/mL~4000U/mLなど、500U/mL~3500U/mLなど、750U/mL~3000U/mLなど、1000U/mL~2000U/mLを含み、1500U/mL~2500U/mLを含む範囲であり得る。
【0068】
実施形態による組成物はまた、オリゴヌクレオチドと、オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合された脂質部分と、を有するテロメラーゼ阻害剤も含む。実施形態では、本明細書で使用されるテロメラーゼ阻害剤という用語は、哺乳動物細胞におけるテロメラーゼ逆転写酵素の活性を低減又は阻害することができる化合物を指す。目的のテロメラーゼ阻害剤は、いくつかの事例では、オリゴヌクレオチドを含むhTRテンプレート阻害剤を含む。「hTRテンプレート阻害剤」は、ヒトテロメラーゼのRNA成分のテンプレート領域を遮断し、酵素の活性を阻害することができる化合物である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列5’-CUAACCCUAAC-3’を有する、この領域のより特異的な部分にハイブリダイズするのに有効な配列を含む。
【0069】
目的のテロメラーゼ阻害剤は、オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、細胞外及び細胞内ヌクレアーゼによる、非ハイブリダイゼーション又はハイブリダイゼーション形態で、ヌクレアーゼ切断に実質的に耐性であるサブユニット結合を有する骨格を有する「ヌクレアーゼ耐性結合」を有するオリゴヌクレオチドを含む。いくつかの事例では、オリゴヌクレオチドは、生理的条件下でヌクレアーゼ切断をほとんど又は全く示さない。
【0070】
hTR配列を標的とする治療用オリゴヌクレオチドの領域は、いくつかの実施形態では、対応するhTR配列に相補的である。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの塩基配列は、hTR標的に相補的である8ヌクレオチド以上など、10ヌクレオチド以上など、12ヌクレオチド以上など、15ヌクレオチド以上など、hTR標的に相補的である5ヌクレオチド以上の配列を含む。特定の実施形態では、本開示のテロメラーゼ阻害剤中のオリゴヌクレオチドは、hTR標的配列に完全に相補的であり、例えば、オリゴヌクレオチドの全長がhTR標的配列に相補的である。
【0071】
テロメラーゼ阻害剤は、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、P3’→N5’ホスホロアミデート、N3’→P5’ホスホロアミデート、N3’→P5’チオホスホロアミデート、及びホスホロチオエート結合などの、ヌクレオシド間結合を含む。特定の実施形態では、目的のテロメラーゼ阻害剤は、少なくとも1つのN3’→P5’ホスホロアミデート(NP)又はN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)結合を含み、この結合は、構造:3’-(-NH--P(=O)(--XR)--O-)-5’によって表すことができる(式中、Xは、O又はSであり、Rは、水素、アルキル、及びアリールからなる群から選択され、XRがOH又はSHである場合、それらの薬学的に許容される塩である)。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、全てのNP、又はいくつかの実施形態では、全てのNPS結合を含む。一実施形態では、hTRテンプレート阻害剤オリゴヌクレオチドの配列は、配列番号6のヌクレオチド42~54に相補的な配列である(GGGUUGCGGAGGGUGGGCCUGGGAGGGGUGGUGGCCAUUU UUUGUCUAACCCUAACUGAGAAGGGCGUAGGCGCCGUGCUUUUGCUCCCC GCGCGCUGUUUUUCUCGCUGACUUUCAGCGGGCGGAAAAGCCUCGGCCUG CCGCCUUCCACCGUUCAUUCUAGAGCAAACAAAAAAUGUCAGCUGCUGGC CCGUUCGCCUCCCGGGGACCUGCGGCGGGUCGCCUGCCCAGCCCCCGAAC CCCGCCUGGAGCCGCGGUCGGCCCGGGGCUUCUCCGGAGGCACCCACUGC CACCGCGAAGAGUUGGGCUCUGUCAGCCGCGGGUCUCUCGGGGGCGAGGG CGAGGUUCACCGUUUCAGGCCGCAGGAAGAGGAACGGAGCGAGUCCCGCC GCGGCGCGAUUCCCUGAGCUGUGGGACGUGCACCCAGGACUCGGCUCACA CAUGCAGUUCGCUUUCCUGUUGGUGGGGGGAACGCCGAUCGUGCGCAUCC GUCACCCCUCGCCGGCAGUGGGGGCUUGUGAACCCCCAAACCUGACUGAC UGGGCCAGUGUGCU)。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列5’-CUAACCCUAAC-3’を有する11ヌクレオチド領域のある部分に相補的又はほぼ相補的である配列を含む。この配列(TAGGGTTAGACAA、配列番号17)及びN3’→P5’チオホスホロアミデート(NPS)結合を有するオリゴヌクレオチドは、本明細書ではGRN163と表される。例えば、Asai et al.,Cancer Research 63:3931-3939(2003)及びGryaznov et al.,Nucleosides Nucleotides Nucleic Acids 22(5-8):577-81(2003)を参照されたい。別の標的領域は、hTRのヌクレオチド137~179にわたる領域である(Pruzan et al.,Nucl.Acids Research,30:559-568,2002を参照されたい)。この領域内では、141~153にわたる配列が好ましい標的である。PCT公開第WO98/28442号は、テロメラーゼを阻害するための少なくとも7ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドの使用を記載しており、オリゴヌクレオチドは、hTRのヌクレオチド137~196、290~319、及び350~380を含む、テンプレート領域の外側のhTR配列のアクセス可能な部分に相補的であるように設計される。好ましいhTR標的配列を以下に示し、配列番号7~27によって特定する。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドは、ヒトテロメラーゼRNA(hTR)を標的とする配列を有し、以下の配列を含むが、これに限定されない。
【表6】
【0072】
本開示のテロメラーゼ阻害剤は、オリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含む。いくつかの事例では、構造基は、非修飾形態と比較してより少量のコンジュゲートされたオリゴヌクレオチドを使用して同等の生物学的効果が得られ得るように、優れた細胞取り込み特性を提供する。脂質部分は、炭化水素及び脂肪酸の誘導体などの、脂肪族炭化水素又は脂肪酸であり得る。例えば、脂質部分は、ミリスチン酸(テトラデカン酸)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸)、及びステアリン酸(オクタデカン酸)、並びにそれらの対応する脂肪族炭化水素形態、テトラデカン、ヘキサデカン、及びオクタデカンなどの14~20個の炭素を有する飽和直鎖化合物であり得る。他の脂質部分の例としては、コレステロールなどのステロール、並びに置換脂肪酸及び炭化水素、特にこれらの基のポリフッ素化形態が挙げられる。特定の実施形態では、脂質部分は、脂質部分のアミン、アミド、エステル、及びカルバメート誘導体などの1つ以上の誘導体を含む。一例では、脂質部分は、パルミトイルアミドなどの、パルミトイル(C16)部分である。脂質部分は、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーなどの、リンカーを通してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、米国特許第9,375,485号に記載される化合物であり、その開示は参照によって本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤は、イメテルスタット(配列5’-TAGGGTTAGACAA-3’で構成される5’パルミトイル化13-merチオホスホロアミデートオリゴヌクレオチド、配列番号17)又はイメテルスタットナトリウム:
【化2】
などの薬学的に許容される塩である。
【0074】
いくつかの実施形態では、皮下組成物中の、イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤の量は、約0.5~約5mg、約5~約10mg、約10~約15mg、約15~約20mg、約20~約25mg、約20~約50mg、約25~約50mg、約50~約75mg、約50~約100mg、約75~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約175mg、約175~約200mg、約200~約225mg、約225~約250mg、約250~約300mg、約300~約350mg、約350~約400mg、約400~約450mg、又は約450~約500mg、約500mg~約600mg、約600mg~約700mg、約700mg~約800mg、約800mg~約900mg、約900mg~約1000mg、約1100mg~約1200mg、約1200mg~約1300mg、約1300mg~約1400mg、約1400mg~約1500mg、約1500mg~約1600mg、約1600mg~約1700mg、約1700mg~約1800mg、約1800mg~約1900mg、約1900mg~約2000mg、約2000mg~約2100mg、約2100mg~約2200mg、約2200mg~約2300mg、約2300mg~約2400mg、約2400mg~約2500mgである。
【0075】
いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の量は、約5mg~約1000mg、5mg~約500mg、例えば、約30mg~約300mg、又は約50mg~約200mgの範囲の量を有する単位剤形である。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の量は、約200mg~約3000mg、750mg~約2500mg、例えば、約1000mg~約2000mg、又は約500mg~約2000mgの範囲の量を有する単位剤形である。単位剤形は、液体又は凍結乾燥であり得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、個体に投与されるテロメラーゼ阻害剤の濃度は、希釈液(約0.1mg/ml)又は濃縮液(約300mg/ml)であり、例えば、約0.1~約300mg/ml、0.1~約200mg/ml、約0.1~約180mg/ml、約0.1~約160mg/ml、約0.1~約140mg/ml、約0.1~約120mg/ml、約0.1~約100mg/ml、約0.1~約80mg/ml、約0.1~約60mg/ml、約0.1~約40mg/ml、約0.1~約20mg/ml、約0.1~約10mg/ml、約2~約40mg/ml、約4~約35mg/ml、約6~約30mg/ml、約8~約25mg/ml、約10~約20mg/ml、約12~約15mg/mlのうちのいずれか、又は約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2mg/ml、2.1mg/ml、2.2mg/ml、2.3mg/ml、2.4mg/ml、又は2.5mg/mlのうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の濃度は、少なくとも約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、33.3mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、又は250mg/ml、260mg/ml、270mg/ml、280mg/ml、290mg/ml、300mg/mlのうちのいずれかである。
【0077】
特定の実施形態では、組成物は、約2.0mg/kg~約20.0mg/kg、例えば、約3.0mg/kg~約15.0mg/kg、例えば、約4.0mg/kg~約10mg/kg、例えば、約6mg/kg~約14mg/kg、例えば、約7mg/kg~約13mg/kg、例えば、約8mg/kg~約12mg/kg、例えば、約7.5mg/kg~9.4mg/kg、約9mg/kg~約11mg/kgを含み、及び約11mg/kg~約14mg/kgを含む範囲の投与量で、イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤を含むように製剤化される。いくつかの実施形態では、組成物は、約7.5mg/kg~約9.4mg/kgの範囲の投与量で、イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤を含むように製剤化される。例えば、テロメラーゼ阻害剤の投与量は、4.0mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5.0mg/kg、5.1mg/kg、5.2mg/kg、5.3mg/kg、5.4mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、5.7mg/kg、5.8mg/kg、5.9mg/kg、6.0mg/kg、6.1mg/kg、6.2mg/kg、6.3mg/kg、6.4mg/kg、6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、13mg/kg、10.5mg/kg、11.0mg/kg、11.5mg/kg、12.0mg/kg、12.5mg/kg、13.0mg/kg、13.5mg/kg、14.0mg/kg、14.5mg/kg、15.0mg/kg、15.5mg/kg、16.0mg/kg、16.5mg/kg、17.0mg/kg、17.0mg/kg、17.5mg/kg、18.0mg/kg、18.5mg/kg、19.0mg/kg、19.5mg/kg、又は20.0mg/kgであり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、皮下テロメラーゼ阻害剤組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体も含む。例示的な薬学的に許容される担体は、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張化剤及び吸収遅延剤、水性若しくは非水性担体、又はそれらの組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、組成物は、薬学的組成物の一部として、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含み得る。賦形剤としては、炭水化物、無機塩、抗菌剤、安定化剤、抗酸化剤、界面活性剤、アミノ酸、緩衝液、酸、塩基、及びそれらの組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。例えば、皮下注射用組成物に好適な賦形剤は、水、アルコール、ポリオール、単糖類、多糖類、安定化剤、緩衝液、アミノ酸、及び界面活性剤のうちの1つ以上を含んでもよい。各薬学的に許容される賦形剤又は担体の量は、変化し得、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む範囲であり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、組成物は、緩衝液を含む。使用され得る緩衝液の例は、酢酸、クエン酸、ギ酸、コハク酸、リン酸、炭酸、リンゴ酸、アスパラギン酸、ヒスチジン、ホウ酸、Tris緩衝液、HEPPSO、及びHEPESである。いくつかの事例では、緩衝液は、組成物を所定のpHで維持する量で組成物中に存在する。例えば、1つ以上の緩衝液は、組成物を、3.0~9.0のpH、例えば、3.5~8.5のpH、例えば、4.0~8.0のpH、例えば、4.5~7.5のpH、例えば、5.0~7.0のpH、及び5.5~7.5のpHを含むpHを維持するように、組成物中に存在し得る。例えば、組成物は、3.0のpH、3.1のpH、3.2のpH、3.3のpH、3.4のpH、3.5のpH、3.6のpH、3.7のpH、3.8のpH、3.9のpH、4.0のpH、4.1のpH、4.2のpH、4.3のpH、4.4のpH、4.5のpH、4.6のpH、4.7のpH、4.8のpH、4.9のpH、5.0のpH、5.1のpH、5.2のpH、5.3のpH、5.4のpH、5.5のpH、5.6のpH、5.7のpH、5.8のpH、5.9のpH、6.0のpH、6.1のpH、6.2のpH、6.3のpH、6.4のpH、6.5のpH、6.6のpH、6.7のpH、6.8のpH、6.9のpH、7.0のpH、7.1のpH、7.2のpH、7.3のpH、7.4のpH、7.5のpH、7.6のpH、7.7のpH、7.8のpH、7.9のpH、8.0のpH、8.1のpH、8.2のpH、8.3のpH、8.4のpH、8.5のpH、8.6のpH、8.7のpH、8.8のpH、8.9のpH、又は9.0のpHを有し得る。緩衝液は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む量で存在し得る。例えば、緩衝液は、組成物中に、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、組成物は、糖などの炭水化物を含む。例示的な糖類としては、単糖類、二糖類、三糖類、多糖類、糖アルコール、還元糖類、非還元糖類(例えば、グルコース、スクロース、トレハロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デキストラン、グリセリン、デキストラン、エリスリトール、グリセロール、アラビトール、シリトール(sylitol)、ソルビトール、マンニトール、メリビオース(mellibiose)、メレジトース、ラフィノース、マンノトリオース、スタキオース、マルトース、ラクツロース、マルツロース、グルシトール、マルチトール、ラクチトール、又はイソイソ-マルツロース)が挙げられる。いくつかの事例では、組成物は、スクロースを含む。他の例では、組成物は、トレハロースを含む。炭水化物(例えば、スクロース又はトレハロースなどの糖)は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む量で存在し得る。例えば、炭水化物(例えば、スクロース又はトレハロースなどの糖類)は、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上のアミノ酸を含む。例示的なアミノ酸としては、ヒスチジン、イソロイシン、メチオニン、グリシン、アルギニン、リジン、L-ロイシン、トリ-ロイシン、アラニン、グルタミン酸、L-スレオニン、及び2-フェニルアミンが挙げられる。いくつかの事例では、組成物は、メチオニンを含む。他の事例では、組成物は、ヒスチジンを含む。アミノ酸(例えば、メチオニン又はヒスチジン)は、組成物中に、0.1mg/mL~約5mg/mL、例えば、0.1mg/mL~約2.5mg/mL、例えば、1mg/mL~約2mg/mL、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む量で存在し得る。例えば、アミノ酸(例えば、メチオニン又はヒスチジン)は、組成物中に、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.1mg/mL、約1.2mg/mL、約1.3mg/mL、約1.4mg/mL、約1.5mg/mL、約1.6mg/mL、約1/7mg/mL、約1.8mg/mL、約1.9mg/mL、約2.0mg/mL、約2.1mg/mL、約2.2mg/mL、約2.3mg/mL、約2.4mg/mL、約2.5mg/mL、約2.6mg/mL、約2.7mg/mL、約2.8mg/mL、約2.9mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、又は約5mg/mLの濃度で存在し得る。特定の実施形態では、組成物は、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.1mg/mL、約1.2mg/mL、約1.3mg/mL、約1.4mg/mL、約1.5mg/mL、約1.6mg/mL、約1/7mg/mL、約1.8mg/mL、約1.9mg/mL、約2.0mg/mL、約2.1mg/mL、約2.2mg/mL、約2.3mg/mL、約2.4mg/mL、約2.5mg/mL、約2.6mg/mL、約2.7mg/mL、約2.8mg/mL、約2.9mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、又は約5mg/mLの量でヒスチジンを含む。他の実施形態では、組成物は、組成物は、約0.5mg/mL、約1mg/mL、約1.1mg/mL、約1.2mg/mL、約1.3mg/mL、約1.4mg/mL、約1.5mg/mL、約1.6mg/mL、約1/7mg/mL、約1.8mg/mL、約1.9mg/mL、約2.0mg/mL、約2.1mg/mL、約2.2mg/mL、約2.3mg/mL、約2.4mg/mL、約2.5mg/mL、約2.6mg/mL、約2.7mg/mL、約2.8mg/mL、約2.9mg/mL、約3mg/mL、約3.5mg/mL、約4mg/mL、約4.5mg/mL、又は約5mg/mLの量でメチオニンを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の界面活性剤を含む。界面活性剤の例としては、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20又はポリソルベート80)、ポリオキサマー(例えば、ポロキサマー188)、トリトン、オクチルグリコシドナトリウム、ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、若しくはステアリル-スルホベタイン、ラウリル-、ミリスチル-、リノレイル-、若しくはステアリル-サルコシン、リノレイル-、ミリスチル-、若しくはセチル-ベタイン、ラウロアミドプロピル(lauroamidopropyl)-、コカミドプロピル-、リノレアミドプロピル-、ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、若しくはイソステラミドプロピル-ベタイン(例えば、ラウロアミドプロピル)、ミリスタミドプロピル-、パルミドプロピル-、若しくはイソステラミドプロピル-ジメチルアミン、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム又はオレイルメチルタウリン酸二ナトリウム、及びMONAQUA(商標)シリーズ(Mona Industries,Inc.,Paterson,N.J.)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、並びにエチレングリコール及びプロピレングリコールのコポリマー(例えば、PLURONICS(商標)、PF68など)が挙げられる。いくつかの事例では、組成物は、ポリソルベート界面活性剤を含む。界面活性剤は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む量で存在し得る。例えば、界面活性剤は、組成物中に、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0083】
組成物は、1つ以上の薬学的に許容される塩を含み得る。薬学的に許容される塩は、(1)無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)と形成される酸付加塩、又は有機酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3(4ヒドロキシ安息香酸)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2エタンジスルホン酸、2ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4クロロベンゼンスルホン酸、2ナフタレンスルホン酸、4トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4メチルビシクロ[2.2.2]オクト2エン1カルボン酸、グルコヘプトン酸、3フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸など)と形成される酸付加塩、あるいは(2)化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、若しくはアルミニウムイオン)で置換されたときに形成される塩、又は有機塩基(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、Nメチルグルカミンなど)との配位、であり得る。特定の実施形態では、組成物は、塩化ナトリウム塩又は他の薬学的に許容される塩(例えば、硫酸マグネシウム)を含む。薬学的に許容される塩は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む量で存在し得る。例えば、薬学的に許容される塩は、組成物中に、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0084】
酸又は塩基も、本発明の組成物中に存在し得る。例えば、酸としては、塩酸、酢酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、硝酸、過塩素酸、リン酸、硫酸、フマル酸、及びそれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。塩基の例としては、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、酢酸アンモニウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸ナトリウム一水和物、クエン酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、フマル酸カリウム、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。酸又は塩基は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む濃度で存在し得る。例えば、酸又は塩基は、組成物中に、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の抗酸化剤を含む。抗酸化剤は、組成物の酸化、したがって劣化を低減又は防止することができ、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、低リン酸、メチオニン、モノチオグリセロール、没食子酸プロピル、重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、及びそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。抗酸化剤は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む濃度で存在し得る。例えば、抗酸化剤は、組成物中に、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の防腐剤を含む。防腐剤は、微生物の増殖などによって組成物の分解を低減又は防止することができ、例えば、抗酸化剤、抗菌剤、及びキレート剤を含み得、メチル、エチル、プロピル、及びブチルパラベン、アリール及びアルキル酸、クエン酸、ソルビン酸、Na、K&Caソルビン酸、安息香酸、Na、K&Ca安息香酸、ベンジルアルコール、メタ重亜硫酸ナトリウム、ブロノポール、プロピレングリコール(15~30%)、BHT(ブチル化ヒドロキシトルエン)、BHA(ブチル化ヒドロキシアニソール)、没食子酸プロピル、EDTA、クロロブタノール、ベンズアルデヒド、フェノール、メタクレゾール、クロロクレゾール、塩化ベンジルコニウム(benzylkonium chloride)、塩化ベンゼトニウム、及び水銀化合物(例えば、チメロサール、硝酸フェニル水銀)、並びにそれらの任意の組み合わせを含み得る。防腐剤は、組成物中に、1mM~1000mM、例えば、2mM~900mM、例えば、3mM~800mM、例えば、4mM~700mM、例えば、5mM~600mM、例えば、6mM~500mM、例えば、7mM~400mM、例えば、8mM~300mM、例えば、9mM~200mM、及び10mM~100mMを含む濃度で存在し得る。例えば、防腐剤は、組成物中に、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約75mM、100mM、約110mM、約120mM、約130mM、約140mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、約310mM、約320mM、約330mM、約340mM、約350mM、約360mM、約370mM、約380mM、約390mM、約400mM、約410mM、約420mM、約430mM、約440mM、約450mM、約460mM、約470mM、約480mM、約490mM、又は約500mMの濃度で存在し得る。
【0087】
薬学的賦形剤は、本発明のテロメラーゼ阻害剤組成物に用いられ得る他の賦形剤と共に、A.Gennaro(2000)“Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,20th edition,Lippincott,Williams,& Wilkins、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(1999)H.C.Ansel et al.,eds 7th ed.,Lippincott,Williams,& Wilkins、及びHandbook of Pharmaceutical Excipients(2000)A.H.Kibbe et al.,eds.,3rd ed.Amer.Pharmaceutical Assoc.に記載されている(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0088】
テロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法
本開示の態様はまた、対象にテロメラーゼ阻害剤組成物を皮下投与するための方法を含む。特定の実施形態による実施方法では、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素を有する、本明細書に記載される1つ以上の組成物が、対象に皮下投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、皮下注射又は皮下注入によって対象に投与される。他の実施形態では、組成物は、皮下に植め込まれたカテーテルなどの植め込みデバイスから対象に投与され得る。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、対象に所定量の組成物を皮下送達するように構成された皮下ボーラス注射器を用いて、対象に投与される。
【0089】
いくつかの実施形態では、方法は、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素を有する、本明細書に記載される1つ以上の組成物を、対象に皮下投与して腫瘍を治療することを含む。いくつかの実施形態では、腫瘍は、固形腫瘍がんであり得る。本開示の実施形態による治療のためのがんの例としては、例えば、副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫/ラブドイド腫瘍、基底細胞がん、胆管がん(肝外)、膀胱がん、骨がん(例えば、ユーイング肉腫、骨肉腫、及び悪性線維性組織球腫など)、脳幹神経膠腫、脳腫瘍(例えば、星状細胞腫、中枢神経系胎児性腫瘍、中枢神経系生殖細胞腫瘍、頭蓋咽頭腫、上皮腫など)、乳がん(例えば、女性乳がん、男性乳がん、小児乳がんなど)、気管支腫瘍、カルチノイド腫瘍(例えば、小児、消化管など)、原発不明癌、心臓(心)腫瘍、子宮頸がん、結腸がん、大腸がん、頭蓋咽頭腫、管(例えば、胆管、肝外など)、非浸潤性乳管がん(DCIS)、胎児性腫瘍、子宮内膜がん、上衣腫、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼がん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽腫など)、骨の線維性組織球腫(例えば、悪性、骨肉腫など)、胆嚢がん、胃(胃)がん、消化管カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍(例えば、頭蓋外、性腺外、卵巣、精巣など)、妊娠性絨毛性疾患、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞がん(肝臓)がん、組織球増殖症(例えば、ランゲルハンス細胞など)、下咽頭がん、眼内黒色腫、膵島細胞腫瘍(例えば、膵神経内分泌腫瘍など)、腎臓がん(例えば、腎細胞、ウィルムス腫瘍、小児腎臓腫瘍など)、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、口唇がん及び口腔がん、肝臓がん(原発性)、非浸潤性小葉がん(LCIS)、肺がん(例えば、非小細胞、小細胞など)、骨及び骨肉腫の悪性線維性組織球腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、原発不明転移性扁平上皮頸部がん、口腔がん、潜伏原発性口腔がん、多発性内分泌腫瘍症候群、鼻腔及び副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽腫、非小細胞肺がん、口腔がん、口腔がん(例えば、唇など)、中咽頭癌がん、骨肉腫及び骨の悪性線維性骨組織球腫、卵巣がん(例えば、上皮、生殖細胞腫瘍、低悪性度腫瘍など)、膵臓がん、膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)、乳頭腫、傍神経節腫、副鼻腔がん及び鼻腔がん、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、褐色細胞腫、下垂体腫瘍、胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞(腎臓)がん、腎盂・尿管がん、移行細胞がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、セザリー症候群、皮膚がん(例えば、小児、黒色腫、メルケル細胞がん、非黒色腫など)、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮がん、扁平上皮頸部がん(例えば、原発不明、転移性など)、胃(胃)がん、精巣がん、咽頭がん、胸腺腫及び胸腺がん、甲状腺がん、腎盂・尿管の移行上皮がん、尿管・腎盂がん、尿道がん、子宮がん(例えば、子宮内膜など)、子宮肉腫、膣がん、外陰部がん、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、方法は、米国特許第7,494,982号に記載される腫瘍を有する対象を治療することを含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、方法は、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素を有する、本明細書に記載される1つ以上の組成物を、対象に皮下投与して血液腫瘍を治療することを含む。いくつかの事例では、血液腫瘍を治療することは、インビトロでの血液腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することなどの、血液腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することを含む。他の事例では、血液腫瘍を治療することは、対象における血液腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することを含む。いくつかの実施形態では血液腫瘍細胞は、悪性造血幹細胞(HSC)である。他の実施形態では、血液腫瘍細胞は、悪性造血前駆細胞(HPC)である。
【0091】
いくつかの実施形態では、方法は、テロメラーゼ阻害剤及びヒアルロニダーゼ酵素を有する、本明細書に記載される1つ以上の組成物を、対象に皮下投与して骨髄増殖性腫瘍を治療することを含む。いくつかの事例では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、インビトロでの骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することなどの、骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することを含む。他の事例では、骨髄増殖性腫瘍を治療することは、対象における骨髄増殖性腫瘍細胞のアポトーシスを誘導することを含む。いくつかの実施形態では、骨髄増殖性腫瘍細胞は、悪性造血幹細胞(HSC)である。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍細胞は、悪性造血前駆細胞(HPC)である。本方法に従って治療される骨髄増殖性腫瘍は、例えば、原発性骨髄線維症などの骨髄線維症(MF)、又は以前のET若しくはPV後の骨髄線維症(ET後MF若しくはPV後MF)を含み得る。他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、及び急性骨髄性白血病(AML)を含む。
【0092】
他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、骨髄異形成症候群(MDS)である。更に他の実施形態では、骨髄増殖性腫瘍は、単独del(5q)を伴わない骨髄異形成症候群(MDS)である。骨髄異形成症候群(MDS)には、不応性貧血、過剰芽球を伴う不応性貧血、多血球系異形成を伴う不応性血球減少症、単血球系異形成を伴う不応性血球減少症、及び慢性骨髄単球性白血病(CMML)などの疾患が含まれる。更に他の実施形態では、血液腫瘍は、リンパ系腫瘍である。
【0093】
特定の実施形態による方法はまた、腫瘍を診断することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象を、固形腫瘍を有すると診断することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象を、血液腫瘍を有すると診断することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、対象を、骨髄増殖性腫瘍を有すると診断することを含む。一例では、方法は、原発性骨髄線維症などの骨髄線維症を有する対象を診断することを含む。いくつかの実施形態では、対象は、以前にテロメラーゼ阻害剤を投与されていない(例えば、テロメラーゼ阻害剤ナイーブである)。いくつかの実施形態では、対象は、エリスロポエチン刺激剤(ESA)に対して再発性又は難治性である、より低リスクの輸血依存性MDSを有する対象である。いくつかの実施形態では、対象は、以前に低メチル化剤(HMA)による治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、レナリドミドによる治療を受けていない。いくつかの実施形態では、対象は、5qではない対象である。いくつかの実施形態では、対象は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤に再発性又は難治性である対象である。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、米国特許第9,375,485号及び国際特許公開第2019/023667号及び第2020/028261号(それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような骨髄増殖性腫瘍を有する対象を治療することを含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、リンパ系腫瘍(例えば、リンパ腫)は、B細胞腫瘍である。B細胞腫瘍の例としては、限定されないが、前駆B細胞腫瘍(例えば、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫)、並びに末梢B細胞腫瘍(例えば、B細胞慢性リンパ球性白血病、前リンパ球性白血病、小リンパ球性リンパ腫(小リンパ球性(SL)NHL)、リンパ形質細胞性リンパ腫/免疫細胞腫、マンテル細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫、濾胞性リンパ腫(例えば、細胞学的グレード:I(小細胞型)、II(小細胞及び大細胞の混合型)、III(大細胞型)、及び/又はサブタイプ:びまん性及び主に小細胞型)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、低グレード/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、中グレード/濾胞性NHL、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、節外性(MALT型+/-単球性B細胞)及び/又は結節性(例えば、+/-単球性B細胞))、脾辺縁帯リンパ腫(例えば、+/-絨毛リンパ球)、有毛細胞白血病、形質細胞腫/形質細胞性骨髄腫(例えば、骨髄腫及び多発性骨髄腫)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(例えば、原発性縦隔(胸腺)B細胞リンパ腫)、中グレードびまん性NHL、バーキットリンパ腫、高グレードB細胞リンパ腫、バーキット様、高グレード免疫芽球性NHL、高グレードリンパ芽球性NHL、高グレード小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大病変NHL、エイズ関連リンパ腫、及びワルデンストレームマクログロブリン血症が挙げられる。
【0095】
いくつかの実施形態では、リンパ系腫瘍(例えば、リンパ腫)は、T細胞腫瘍及び/又は推定NK細胞腫瘍である。T細胞及び/又は推定NK細胞腫瘍の例としては、限定されないが、前駆T細胞腫瘍(前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病)並びに末梢性T細胞及びNK細胞腫瘍(例えば、T細胞性慢性リンパ球性白血病/前リンパ球性白血病、及び大顆粒リンパ球性白血病(LGL)(例えば、T細胞型及び/又はNK細胞型)、皮膚T細胞リンパ腫(例えば、菌状息肉症/セザリー症候群)、不特定原発性T細胞リンパ腫(例えば、細胞学的カテゴリー(例えば、中細胞型、中細胞及び大細胞混合型)、大細胞型、リンパ類上皮細胞、亜型肝脾γT細胞δリンパ腫、及び皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AILD)、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫(例えば、+/-腸症関連)、T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、(例えば、CD30+、T及びヌル細胞型)、未分化大細胞型リンパ腫、並びにホジキンリンパ腫が挙げられる。
【0096】
いくつかの実施形態では、リンパ系腫瘍(例えば、リンパ腫)は、ホジキン病である。例えば、ホジキン病は、リンパ球優位型、結節性硬化型、混合細胞型、リンパ球減少型、及び/又はリンパ球豊富型であり得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、がんは、白血病である。いくつかの実施形態では、白血病は、慢性白血病である。慢性白血病の例としては、慢性骨髄性I(顆粒球性)白血病、慢性骨髄性白血病、並びに慢性リンパ球性白血病(CLL)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、白血病は、急性白血病である。急性白血病の例としては、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、並びに急性骨髄球性白血病(例えば、骨髄芽球性、前骨髄球性、骨髄単球性、単球性、及び赤白血病性)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
いくつかの実施形態では、がんは、液体腫瘍又は形質細胞腫である。形質細胞腫としては、骨髄腫が挙げられるが、これに限定されない。骨髄腫としては、髄外性形質細胞腫、孤立性骨髄腫、及び多発性骨髄腫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、形質細胞腫は、多発性骨髄腫である。
【0099】
いくつかの実施形態では、がんは、多発性骨髄腫である。多発性骨髄腫の例としては、IgG多発性骨髄腫、IgA多発性骨髄腫、IgD多発性骨髄腫、IgE多発性骨髄腫、及び非分泌性多発性骨髄腫が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、IgG多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、IgA多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、くすぶり型多発性骨髄腫又は無症候性多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、進行性多発性骨髄腫である。いくつかの実施形態では、多発性骨髄腫は、限定されないが、ボルテゾミブ、デキサメタゾン(Dex-)、ドキソルビシン(Dox-)、及びメルファラン(LR)などの薬物に耐性であり得る。
【0100】
本発明の方法を説明するにあたって、「対象」という用語は、テロメラーゼ阻害剤組成物が皮下投与される人又は生物を意味する。したがって、本発明の対象には、哺乳動物、例えば、ヒト及び他の霊長類(例えば、チンパンジー及び他の類人猿及びサル種など)が含まれ得るが、これらに限定されない。特定の実施形態では、対象は、ヒトである。対象は、骨髄増殖性腫瘍を有すると診断された対象であってもよく、対象は、その状態を有すると医療専門家によって診断された対象であってもよい。
【0101】
対象に皮下投与されるイメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約2.0mg/kg~20.0mg/kg、例えば、約3.0mg/kg~約15.0mg/kg、例えば、約4.0mg/kg~約10mg/kg、例えば、約6mg/kg~約14mg/kg、例えば、約7mg/kg~約13mg/kg、例えば、約8mg/kg~約12mg/kg、例えば、約7.5mg/kg~9.4mg/kg、及び約9mg/kg~約11mg/kgを含み、及び約11mg/kg~約14mg/kgを含む範囲で変化し得る。いくつかの実施形態では、対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約7.5mg/kg~約9.4mg/kgである。いくつかの実施形態では、対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約9mg/kg~約11mg/kgである。いくつかの実施形態では、対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約11mg/kg~約14mg/kgである。例えば、テロメラーゼ阻害剤の投与量は、4.0mg/kg、4.1mg/kg、4.2mg/kg、4.3mg/kg、4.4mg/kg、4.5mg/kg、4.6mg/kg、4.7mg/kg、4.8mg/kg、4.9mg/kg、5.0mg/kg、5.1mg/kg、5.2mg/kg、5.3mg/kg、5.4mg/kg、5.5mg/kg、5.6mg/kg、5.7mg/kg、5.8mg/kg、5.9mg/kg、6.0mg/kg、6.1mg/kg、6.2mg/kg、6.3mg/kg、6.4mg/kg、6.5mg/kg、6.6mg/kg、6.7mg/kg、6.8mg/kg、6.9mg/kg、7mg/kg、7.1mg/kg、7.2mg/kg、7.3mg/kg、7.4mg/kg、7.5mg/kg、7.6mg/kg、7.7mg/kg、7.8mg/kg、7.9mg/kg、8mg/kg、8.1mg/kg、8.2mg/kg、8.3mg/kg、8.4mg/kg、8.5mg/kg、8.6mg/kg、8.7mg/kg、8.8mg/kg、8.9mg/kg、9mg/kg、9.1mg/kg、9.2mg/kg、9.3mg/kg、9.4mg/kg、9.5mg/kg、9.6mg/kg、9.7mg/kg、9.8mg/kg、9.9mg/kg、10mg/kg、10.1mg/kg、10.2mg/kg、10.3mg/kg、10.4mg/kg、10.5mg/kg、10.6mg/kg、10.7mg/kg、10.8mg/kg、10.9mg/kg、11mg/kg、11.1mg/kg、11.2mg/kg、11.3mg/kg、11.4mg/kg、11.5mg/kg、11.6mg/kg、11.7mg/kg、11.8mg/kg、11.9mg/kg、12mg/kg、12.1mg/kg、12.2mg/kg、12.3mg/kg、12.4mg/kg、12.5mg/kg、12.6mg/kg、12.7mg/kg、12.8mg/kg、12.9mg/kg、13mg/kg、13.5mg/kg、14.0mg/kg、14.5mg/kg、15.0mg/kg、15.5mg/kg、16.0mg/kg、16.5mg/kg、17.0mg/kg、17.0mg/kg、17.5mg/kg、18.0mg/kg、18.5mg/kg、19.0mg/kg、19.5mg/kg、又は20.0mg/kgであり得る。特定の実施形態では、対象に投与されるテロメラーゼ阻害剤の投与量は、約9.4mg/kgである。
【0102】
イメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤の投与量は、2日ごとに1回、1週間ごとに1回、2週間(14日)ごとに1回、3週間(21日)ごとに1回、又は4週間(28日)ごとに1回、6週間ごとに1回、8週間ごとに1回、10週間ごとに1回、12週間ごとに1回のサイクルで、対象に投与され得る。本方法の特定の実施形態では、イメテルスタットは、1、2、3、4、5、6、7、8回、又は8回を超える投与量サイクルで投与され、各サイクルは、3週間ごとに1回、約2~11mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、4週間ごとに1回、約2~11mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、2週間ごとに1回、約2~11mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、又は3週間ごとに1回、約7.5~9.4mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。特定の事例では、各投与量サイクルは、4週間ごとに1回、約7.5~9.4mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。いくつかの事例では、各投与量サイクルは、約3週間ごとに1回、約9.4mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。いくつかの事例では、各投与量サイクルは、約4週間に1回、約7.5mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。本方法の特定の実施形態では、イメテルスタットは、1、2、3、4、5、6、7、8回、又は8回を超える投与量サイクルで投与され、各サイクルは、3週間ごとに1回、約5~14mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、4週間ごとに1回、約5~14mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、2週間ごとに1回、約5~14mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、又は3週間ごとに1回、約7.5~14mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。特定の事例では、各投与量サイクルは、4週間ごとに1回、約7.5~14mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。いくつかの事例では、各投与量サイクルは、約3週間ごとに1回、約14mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。いくつかの事例では、各投与量サイクルは、約4週間に1回、約12mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、個体に投与されるイメテルスタット又はイメテルスタットナトリウムなどのテロメラーゼ阻害剤の量は、約0.5~約5mg、約5~約10mg、約10~約15mg、約15~約20mg、約20~約25mg、約20~約50mg、約25~約50mg、約50~約75mg、約50~約100mg、約75~約100mg、約100~約125mg、約125~約150mg、約150~約175mg、約175~約200mg、約200~約225mg、約225~約250mg、約250~約300mg、約300~約350mg、約350~約400mg、約400~約450mg、又は約450~約500mg、約500mg~約600mg、約600mg~約700mg、約700mg~約800mg、約800mg~約900mg、約900mg~約1000mg、約1100mg~約1200mg、約1200mg~約1300mg、約1300mg~約1400mg、約1400mg~約1500mg、約1500mg~約1600mg、約1600mg~約1700mg、約1700mg~約1800mg、約1800mg~約1900mg、約1900mg~約2000mg、約2000mg~約2100mg、約2100mg~約2200mg、約2200mg~約2300mg、約2300mg~約2400mg、約2400mg~約2500mgである。
【0104】
いくつかの実施形態では、個体に投与される有効量(例えば、単位剤形)のテロメラーゼ阻害剤の量は、約5mg~約1000mg、約5mg~約500mg、例えば、約30mg~約300mg、又は約50mg~約200mgの範囲である。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の量は、約500mg~約3000mg、750mg~約2500mg、例えば、約1000mg~約2000mg、又は約50mg~約200mgの範囲の量を有する単位剤形である。単位剤形は、液体又は凍結乾燥であり得る。本方法の特定の実施形態では、イメテルスタットは、1、2、3、4、5、6、7、8回、又は8回を超える投与量サイクルで投与され、各サイクルは、3週間ごとに1回、約200~3000mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、4週間ごとに1回、約200~3000mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、3週間ごとに1回、約750~2500mg/kgのイメテルスタットの皮下投与、又は4週間ごとに1回、約750~2500mg/kgのイメテルスタットの皮下投与を含む。
【0105】
いくつかの実施形態では、個体に投与されるテロメラーゼ阻害剤の濃度は、希釈液(約0.1mg/ml)又は濃縮液(約300mg/ml)であり、例えば、約0.1~約300mg/ml、0.1~約200mg/ml、約0.1~約180mg/ml、約0.1~約160mg/ml、約0.1~約140mg/ml、約0.1~約120mg/ml、約0.1~約100mg/ml、約0.1~約80mg/ml、約0.1~約60mg/ml、約0.1~約40mg/ml、約0.1~約20mg/ml、約0.1~約10mg/ml、約2~約40mg/ml、約4~約35mg/ml、約6~約30mg/ml、約8~約25mg/ml、約10~約20mg/ml、約12~約15mg/mlのうちのいずれか、又は約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、0.6mg/ml、0.7mg/ml、0.8mg/ml、0.9mg/ml、1mg/ml、1.1mg/ml、1.2mg/ml、1.3mg/ml、1.4mg/ml、1.5mg/ml、1.6mg/ml、1.7mg/ml、1.8mg/ml、1.9mg/ml、2mg/ml、2.1mg/ml、2.2mg/ml、2.3mg/ml、2.4mg/ml、又は2.5mg/mlのうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤の濃度は、少なくとも約0.1mg/ml、0.2mg/ml、0.3mg/ml、0.4mg/ml、0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、11mg/ml、12mg/ml、13mg/ml、14mg/ml、15mg/ml、16mg/ml、17mg/ml、18mg/ml、19mg/ml、20mg/ml、21mg/ml、22mg/ml、23mg/ml、24mg/ml、25mg/ml、26mg/ml、27mg/ml、28mg/ml、29mg/ml、30mg/ml、31mg/ml、32mg/ml、33mg/ml、33.3mg/ml、34mg/ml、35mg/ml、36mg/ml、37mg/ml、38mg/ml、39mg/ml、40mg/ml、50mg/ml、60mg/ml、70mg/ml、80mg/ml、90mg/ml、100mg/ml、110mg/ml、120mg/ml、130mg/ml、140mg/ml、150mg/ml、160mg/ml、170mg/ml、180mg/ml、190mg/ml、200mg/ml、210mg/ml、220mg/ml、230mg/ml、240mg/ml、250mg/ml、260mg/ml、270mg/ml、280mg/ml、290mg/ml、又は300mg/mlのうちのいずれかである。
【0106】
実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物の各投与量は、7日以上ごとに1回、例えば、10日以上ごとに1回、例えば、14日以上ごとに1回、例えば、21日以上ごとに1回、例えば、28日以上ごとに1回、及び35日以上ごとに1回を含め、対象に皮下投与される。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、2日ごとに1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、毎週1回、対象に投与される。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、2週間ごとに1回、対象に投与される。他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、3週間ごとに1回、対象に投与される。更に他の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、4週間ごとに1回、投与される。
【0107】
キット
キットも提供され、キットは、上記のように、少なくとも1つ以上(例えば、複数)の、本発明の皮下テロメラーゼ阻害剤組成物を含む。特定の実施形態では、キット中の本発明の皮下テロメラーゼ阻害剤組成物は、パッケージで提供され得る。例えば、キットの各組成物は、使用するまで組成物を保存するために、個々のパウチ、ボトル、又は類似の容器に提示され得る。キットは、本発明の組成物のうちの1つ以上を投与する前に皮膚を洗い流すための投与デバイス又は流体などの、本発明の方法を実施するための他の構成要素を更に含み得る。特定の実施形態では、キットは、皮下注射器を含み、対象に治療有効量の組成物を送達するように構成される。いくつかの事例では、注射器は、シリンジ及び針を含む。他の実施形態では、注射器は、ボーラス注射器であり、所定量の組成物を皮下送達するように構成される。特定の実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、皮下注射器に予め装填される。キットはまた、注射部位を洗浄するためのガーゼパッド又は他のデバイスを含み、本発明の方法を実施するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、テロメラーゼ阻害剤組成物は、固体又は凍結乾燥物として製剤化され、キットは、皮下注射のための本発明の組成物を再構成するための1つ以上の緩衝液組成物又は溶媒を更に含み得る。
【0108】
加えて、キットは、本発明のテロメラーゼ阻害剤組成物の使用方法の説明書を含んでもよく、説明書は、組成物の投与方法、投薬スケジュール、及び治療レジメンを実行するための記録保持デバイスに関する情報を含んでもよい。説明書は、好適な記録媒体に記録される。例えば、説明書は、基板(例えば、紙又はプラスチック)上に印刷されてもよい。したがって、説明書は、添付文書として、キット又はその構成要素の容器のラベル(すなわち、パッケージング又はサブパッケージングと関連付けられている)などとしてキット中に存在してもよい。他の実施形態では、説明書は、好適なコンピュータ可読記憶媒体(例えばCD-ROM、ディスケットなど)に存在する電子記憶データファイルとして存在する。更に他の実施形態では、実際の説明書はキット内に存在しないが、例えばインターネットを介してリモートソースから説明書を取得するための手段が提供される。本実施形態の一例は、説明書を閲覧することができ、かつ/又は説明書をダウンロードすることができるウェブアドレスを含むキットである。説明書と同様に、説明書を取得するためのプロトコルを好適な基板に記録することができる。
【実施例
【0109】
以下の実施例は、当業者に本発明の作製及び使用方法の完全な開示及び記載を提供するために提示されており、本発明者らが自分たちの発明とみなす範囲を限定することを意図するものではなく、また以下の実験が実施される全て又は唯一の実験であることを表すことを意図するものではない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関する正確性を確保するために努力がなされているが、いくつかの実験誤差及び偏差が考慮される必要がある。別段の指示がない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏度にあり、圧力はほぼ大気圧にある。「平均」とは、算術平均を意味する。標準的な略語、例えば、bp、塩基対;kb、キロベース;pl、ピコリットル、s又はsec、秒;min、分;h又はhr、時間;aa、アミノ酸;kb、キロベース;bp、塩基対;nt、ヌクレオチド;i.m.、筋肉内(の);i.p.、腹腔内(の);s.c.、皮下(の)などが使用され得る。
【0110】
実施例1:ラットにおけるイメテルスタットナトリウムの皮下経路及び静脈内経路による生物学的利用能の研究
材料及び方法
イメテルスタットナトリウムを、4匹の雄Sprague-Dawleyラット(約250g~260g)に静脈内投与し(IV体積37.5μL、30mg/kg)、4匹の雄Sprague-Dawleyラット(約250g~260g)に皮下投与した(SC体積113μL、90mg/kg)。イメテルスタットナトリウムは、配列5’-TAGGGTTAGACAA-3’で構成される5’パルミトイル化13-merチオホスホロアミデートオリゴヌクレオチドである。イメテルスタットナトリウムを、投与直前に、水に溶解させた。
【0111】
0.083時間(約5分)、0.25時間(15分)、1時間、2時間、4時間、8時間、及び24時間の時点で、ラットの各々から血液を採取した。全血1.5mL~2.0mLの体積を収集し、約700μL~1000μLの血漿を得た。IV投薬ラット(IV投与に使用したものとは異なる)の二次カテーテルを通して血液を採取した。
【0112】
血液試料をEDTAチューブに採取し、採取後直ちに遠心分離した。採取した血漿試料を、別のバイアルに移した。イメテルスタットナトリウムの血漿中濃度を、LC/MS/MSによって分析した。
【0113】
結果
図1に、24時間にわたって分析したイメテルスタットナトリウムの血漿中濃度を示す。イメテルスタットナトリウムの血漿中濃度を、非コンパートメントPK分析によって分析した。皮下(s.c.)生物学的利用能は、以下の式に基づいて計算した:F=(AUC(s.c.)/用量(s.c.))/(AUC(i.v.)/用量(i.v.))×100%。イメテルスタットの計算された皮下生物学的利用能は、約95.8%である。反復実験では、ラットにおけるイメテルスタットの計算された皮下生物学的利用能は、約81.5%であった。
【0114】
結論
図1に示される結果は、イメテルスタットナトリウムが皮下投与経路の後に全身循環に吸収され、IV投与と比較して、約80~95%の生物学的利用能を示したことを実証する。これは、皮下投与のためのイメテルスタット組成物の使用を支持する。
実施例2-ヒアルロニダーゼとインキュベートしたイメテルスタットナトリウムの適合性及び安定性
【表7】
【0115】
事前試験:
rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットの適合性の実証
以下の主な適合性及び安定性試験の事前試験として実施された初期の実現可能性試験から生成されたデータは、この事前試験のために調製された製剤D、F及びG(以下で定義されるように)によって表されるイメテルスタット+rHuPH20の共製剤の結果が、共製剤の調製に使用されたrHuPH20を含まないイメテルスタット原薬ロットの結果と類似していることを示し、rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットの適合性の支持を提供した(以下の表を参照)。
【0116】
以下の製剤を調製した
【表8】
【表9】
データは、イメテルスタット+rHuPH20共製剤を調製するために使用されたイメテルスタット原薬のロットについて利用可能な最新の安定性データを反映している。
【表10】
データは、イメテルスタット+rHuPH20共製剤を調製するために使用されたイメテルスタット原薬のロットについて利用可能な最新の安定性データを反映している。
【0117】
主な試験:
目的
この試験の目的は、様々な保管条件下でイメテルスタットナトリウムと共製剤化されたrHuPH20の適合性及び安定性を実証することである。
材料
・イメテルスタットナトリウム
・rHuPH20 Enhanze製剤(EDP):1mg/mL、110,000U/mL、5℃保管
・0.9%塩化ナトリウム
・L-ヒスチジン(≧99%(TLC))
・L-メチオニン(試薬グレード、≧98%(HPLC))
・ポリソルベート80
・NaCl(ACSグレード)
・濃塩酸(ACS試薬、37%)
・水
・ナイロン47mm濾過膜(0.2μm)
【表11】
【表12】
【0118】
rHuPH20Enhanze製剤(EDP)緩衝液の調製
約450mLの水を、500mLメスフラスコに添加する。約776mg(±15mg)のL-ヒスチジン、約3.80gのNaCl(±75mg)、及び約746mg(±15mg)のL-メチオニンを、メスフラスコに添加する。撹拌バーを使用して、成分を完全に溶解する。目視検査を使用して、成分が溶解していることを確認する。
【0119】
その溶液に、1mLの10.0%ポリソルベート80組成物を、メスフラスコに添加する。組成物を、撹拌バーを用いて混合する。濃HClを使用して、pHを最終pH6.5±0.3に調整する。最終体積を500mLにする。組成物を、ナイロン47mmフィルター膜(0.2μm)を通して濾過し、5℃で保管する(少なくとも2週間は安定である)。
【0120】
組成物を、直立配向で5℃、直立配向で25℃、及び直立配向で37℃で、20mLホウケイ酸ガラスシンチレーションバイアルに保管する。
安定性プロトコルスケジュール
次の表は、間隔/条件/製剤ごとに設定された試料数を要約する(初期間隔試料は、-20℃条件で保管される)
【表13】
【0121】
安定性プルと試験プロトコル
イメテルスタット+rHuPH20の共製剤の適合性及び安定性を評価するために、指定された時間間隔及び条件に従って、設定された試料に対して試験を実施する(下記の表を参照)。試験方法は、外観、pH、オリゴ濃度(UV)、HPLCによる純度、LC/MSによるアッセイ、rHuPH20酵素活性、及びTRAPアッセイによるイメテルスタットのテロメラーゼ活性の評価を含む(Mender and Shay,Bio Protoc.2015:5(22))。
【表14】
回収時にTRAPアッセイによって評価される条件A、D、及びFについてのT=0試料の1つのアリコート;他の条件及び/又は時点からの試料と共に、考えられる将来の析分のために保持される第2のアリコート。
A=rHuPH20の外観、pH、オリゴ濃度(UV)、RP-HPLC、酵素活性アッセイ
B=LC/MS
C=イメルスタットのテロメラーゼ活性(TRAP)アッセイ
R=必要に応じて試験する試料
【0122】
rHuPH20をイメテルスタットと共に混合した場合に、イメテルスタットのテロメラーゼ阻害活性に何らかの影響を及ぼすかどうかを試験するために、上記の試料製剤の表に示される3つの製剤、すなわち、イメテルスタットナトリウム単独(製剤A)又はrHuPH20と共に混合されたイメテルスタットナトリウム(製剤D及びF)を、イメテルスタット活性について、TRAP(テロメラーゼ反復増幅プロトコル)アッセイで試験した。簡潔には、がん細胞株であるHela細胞を、インビトロで、3重に、7つの異なる濃度(0.1、1、5、7.5、10、25、及び50μM)の各試験製剤、並びに1つの薬物なし(no-drug)対照で、24時間処理した。細胞ペレットを、タンパク質の抽出及び定量化のために溶解し、各濃度の製剤で処理した細胞からの同じ量のタンパク質を、TRAPアッセイによって試験した。定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)結果の各々についての相対的テロメラーゼ活性(RTA)を、標準曲線から決定した。標準曲線は、未処理のHela細胞からのタンパク質溶解物の段階希釈液のTRAPアッセイによって生成した。複製物からの平均RTAを、各濃度の所与の製剤について計算し、薬物なし対照の平均RTA値と比較して、テロメラーゼ活性阻害の割合(%)を生成し、処理濃度に対してプロットして、各製剤の薬物濃度を決定して、テロメラーゼ活性の50%阻害(IC50値)を達成した。図2の結果は、3つ全ての製剤のIC50値が非常に類似しており、1(10μM)の対数値に近いことを示し、イメテルスタットナトリウムをrHuPH20と共に混合することが、イメテルスタットのテロメラーゼ阻害活性に影響しないことを示した。
【0123】
実施例3-イメテルスタット及びrHuPH20の製剤におけるrHuPH20活性のアッセイ
概要
上記の実施例2に記載の主な適合性及び安定性試験の事前試験として実施された追加の実現可能性試験において、rHuPH20と共に混合されたイメテルスタットを含む製剤を、rHuPH20活性について試験した。rHuPH20とビオチン化ヒアルロン酸(HA)との反応に基づくアッセイの結果を提供し、rHuPH20活性が、共混合試料中のイメテルスタットの存在下で測定され得ることを実証する。
【0124】
結果
ビオチン化ヒアルロン酸を使用して、イメテルスタットの存在下及び不在下で、rHuPH20の活性を決定した。生理食塩水中に2000U/mLのrHuPH20を含む組成物を、ビオチン化ヒアルロン酸でアッセイして、rHuPH20によるヒアルロン酸の分解レベルを測定し、100mg/mLのイメテルスタットと2000U/mLのrHuPH20を含む組成物と比較した。各イメテルスタット+rHuPH20組成物について、試料で検出されたrHuPH20活性は、rHuPH20単独試料で見られた活性に基づく量に近かった(以下の表)。
【表15】
【0125】
実施例4-ラットにおける、rHuPH20を含む又は含まないイメテルスタットの皮下単回投与の生物学的利用能及び局所耐容性試験
目的
この試験の目的は、ラットにおける、イメテルスタット単独、又はrHuPH20(イメテルスタットと共同製剤化される組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素製品)との組み合わせの単回皮下(SC)注射後の、イメテルスタットの全身性取り込み(血漿中レベルに関して)及び局所(注射部位)耐容性を評価することである。イメテルスタットの皮下生物学的利用能は、この被験試料の静脈内用量を受ける群を含めることによって決定される。本試験は、rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットが耐容性であることを実証するように設計され、皮下投与経路を介して十分な用量のイメテルスタットを含む必要な液量を送達するために、rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットの臨床使用を示すイメテルスタットの薬物動態プロファイルを提供する。
【0126】
動物
Sprague-Dawleyラットは、各々、試験の開始時に標準的な齢を有する。
【0127】
被験試料
イメルスタットは、rHuPH20の有無で試験される。
【0128】
研究設計/投与
イメルスタットは、スロープッシュ静脈内注射(群1)又は皮下(単回用量)注射(群2)のいずれかによって、1日目に単回用量として投与される。rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットは、SC注射によって1日目に単回用量として投与される(群3a及び3b)。イメテルスタット用のビヒクルは、群2の動物に、異なるSC部位(対照注射部位)で同時に投与される。同様に、rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタット用のビヒクルは、別個の対照注射部位で群3a及び群3bの動物に投与される。
【0129】
以下の表に、群の割り当てを示す。
【表16】
SC:皮下
*:イメテルスタットの用量とは異なるSC部位に投与されるイメテルスタットのビヒクル対照試料(イメテルスタット単独と同じ用量で)
**:イメテルスタット/rHuPH20共製剤用のビヒクル対照試料は、イメテルスタット/rHuPH20共製剤の用量とは異なるSC部位で投与される。
【0130】
観察及び試料採取
臨床観察:試験観察には、標準的な臨床観察、局所注射部位の評価、食物摂取量及び体重が含まれる。
PK試料:
血液試料は、全ての動物から、投与後5分~8時間の様々な時間で、KEDTA含有チューブに採取する。試料を、冷蔵条件下で血漿に処理し、得られた血漿を、超低温冷凍(deep-frozen)保存する。
【0131】
PK試料のバイオアナリシスとデータの解釈:
ラット血漿試料を、検証済ハイブリダイゼーションELISA法を使用して、イメテルスタット濃度について分析する。血漿中のイメテルスタットについて、必要に応じて、AUC0-t、AUC0-inf、Cmax、Tmax、Kel、CL、V、及びt1/2などのPKパラメータを計算する。
【0132】
実施例5-サルにおける単回皮下投与の薬物動態及び局所耐容性試験
目的
この試験の目的は、カニクイザルにおける、イメテルスタット単独、又はrHuPH20(イメテルスタットと共同製剤化される組換えヒトヒアルロニダーゼ酵素製品)との組み合わせの単回皮下注射後の、イメテルスタットの全身性取り込み(血漿中レベルに関して)及び局所(注射部位)耐容性を評価することである。本試験は、rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットが耐容性であることを実証するように設計され、皮下投与経路を介して十分な用量のイメテルスタットを含む必要な液量を送達するために、rHuPH20と共製剤化されたイメテルスタットの臨床使用を示すイメテルスタットの薬物動態プロファイルを提供する。
【0133】
動物
試験の開始時の標準的な齢及び体重のカニクイザル。
【0134】
被験試料
イメルスタットは、rHuPH20の有無で試験される。
【0135】
研究設計/投与
イメルスタットは、SC注射により1日目に単回用量として投与され(群1)、rHuPH20と共製剤化されたイメルスタットは、皮下注射により1日目に単回用量として投与される(群2)。イメテルスタット用ビヒクルは、異なる皮下部位(対照注射部位)の群1の動物に同時に投与される。同様に、イメテルスタット及びrHuPH20の共製剤化のためのビヒクルは、群2の動物に、別個の対照部位で投与される。
【0136】
以下の表に、群の割り当てを示す。
【表17】
SC:皮下
*:イメテルスタット用のビヒクル対照試料は、イメテルスタットの用量とは異なるSC部位に投与される。
**:イメテルスタット/rHuPH20共製剤用のビヒクル対照試料は、イメテルスタット/rHuPH20共製剤の用量とは異なるSC部位で投与される。
【0137】
観察及び試料採取
臨床観察:
試験観察には、標準的な臨床観察、局所注射部位の評価(組織病理学的検査を含む)、食物摂取量及び体重が含まれる。
【0138】
PK試料:
血液試料は、全ての動物から、投与後5分~24時間の様々な時間で、KEDTA含有チューブに採取する。試料を、冷蔵条件下で血漿に処理し、得られた血漿を、超低温冷凍保存する。
【0139】
PK試料のバイオアナリシスとデータの解釈:
サル血漿試料を、検証済ハイブリダイゼーションELISA法を使用して、イメテルスタット濃度について分析する。血漿中のイメテルスタットについて、必要に応じて、AUC0-t、AUC0-inf、Cmax、Tmax、Kel、CL、V、及びt1/2などのPKパラメータを計算する。
【0140】
実施例6-健康なボランティア又は患者における安全性及び薬物動態試験
目的
本試験の目的は、皮下(SC)及び静脈内(IV)投与後のイメテルスタットの安全性、耐容性、及び薬物動態を評価することである。本試験は、イメテルスタットとrHuPH20の共製剤が、皮下投与経路を介してイメテルスタットの許容可能な安全性、耐容性、及び薬物動態プロファイルを示すために、十分な用量のイメテルスタットを含む必要な液量の皮下送達を提供することを実証するように設計されている。
【0141】
試験設計の概要
試験は、2つのパートに分けて実施される。パート1は、イメテルスタットの皮下投与を伴う用量漸増相である。パート1では、最大約4つのコホートが計画されている。対象は、1つのコホートのみに参加する。各コホートでは、対象は、1日目に単回皮下用量のイメテルスタットを受ける。パート2は、オープンラベル、無作為化、2処置、クロスオーバー、又は並行試験設計である。パート2の用量は、パート1の安全性及び薬物動態のデータを審査した後に選択される。
【0142】
パート2がクロスオーバー設計である場合、期間1及び期間2の1日目に、イメテルスタットの交互の皮下又は静脈内用量を無作為化スケジュールに従って投与し、続いて、48時間薬物動態サンプリングを行う。クロスオーバー設計では、パート2のイメテルスタット用量の間に、計画されたウォッシュアウト期間がある。パート2が並列設計である場合、患者を無作為化して、1日目に皮下又は静脈内のいずれかの用量のイメテルスタットを投与し、続いて、48時間の薬物動態サンプリングを行う。
【0143】
投与量、剤形、経路、及び投薬レジメン
皮下イメテルスタットは、適切なビヒクル中のヒアルロニダーゼ(rHuPH20)との共混合物として製剤化される。静脈内イメテルスタットは、ヒアルロニダーゼを含まず、0.9%塩化ナトリウム中で製剤化されている。
【0144】
パート1:
パート1で投与される単回皮下用量。コホート用量は、ラット及びサルにおける前臨床薬物動態及び局所耐容性試験からの安全性及び薬物動態データの審査に基づいて選択される。
【0145】
パート2:
対象は、以下の順序のうちの1つで、イメテルスタットを皮下投与又は静脈内投与される:
順序A(クロスオーバー設計):1日目に単回皮下用量のイメテルスタットを投与し、続いて、適切なウォッシュアウト期間の後に、単回静脈内用量のイメテルスタットを投与する、又は
順序B(クロスオーバー設計):1日目に単回静脈内用量のイメテルスタットを投与し、続いて、適切なウォッシュアウト期間の後に、単回皮下用量のイメテルスタットを投与する、又は
順序C(並列設計):1つのコホートの対象に、1日目に単回皮下用量のイメテルスタットを投与し、別のコホートの対象に、1日目に単回静脈内用量のイメテルスタットを投与する。
【0146】
皮下用量は、1箇所で1回の注射として投与され、静脈内用量は、2時間の注入として投与される。
【0147】
評価
薬物動態:
イメテルスタットの血漿中濃度のための血液試料は、投与前に、皮下投与又は注入開始の0.5~48時間後の様々な時間に採取される。
【0148】
必要に応じて、血漿中のイメテルスタットの以下のPKパラメータが計算される:AUC0-t、AUC0-inf、AUC%extrap、Cmax、Tmax、Kel、C、CL/F、及びt1/2
【0149】
安全性:
安全性及び耐容性の評価は、心電図(ECG)、身体検査、バイタルサイン測定、臨床検査、及び有害事象を含む、標準的な手順を通して監視される。要約統計量は、臨床的に適切とみなされる場合に計算され得る。
【0150】
前述の発明は、理解を明確にする目的のために例示及び例としていくらか詳細に記載されているが、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、特定の変更及び修正が行われ得ることが本発明の教示に照らして当業者には容易に明らかである。
【0151】
したがって、前述は、発明の原理を例示するにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる、様々な構成を考案することができるであろうことが理解されるであろう。更に、本明細書に列挙される全ての例及び条件付き言語は、主に、本発明の原理及び本発明者によって当該技術分野を促進するために寄与される概念を読者が理解するのを支援することを意図しており、そのような具体的に列挙される例及び条件への限定を含まないものとして解釈されるべきである。また、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにそれらの特定の例を列挙する本明細書における全ての記述は、それらの構造的及び機能的等価物の両方を包含することが意図される。加えて、そのような等価物は、現在既知の等価物及び将来開発される等価物の両方、すなわち、構造にかかわらず、同じ機能を行う任意の開発される要素を含むことが意図される。また、本明細書に開示されるいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲で明示的に列挙されるかにかかわらず、公衆に提供されることを意図しない。
【0152】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、記載される例示的な実施形態に限定されることが意図されるものではない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲では、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲における特徴について、特許請求の範囲においてそのような特徴の最初に正確な句「~のための手段」又は正確な句「~のためのステップ」が列挙される場合にのみ、援用されると明示的に定義され、そのような正確な句が特許請求の範囲において特徴に使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は援用されない。
【0153】
本発明の他の実施形態は、以下を含むことができる:
1.皮下投与のために製剤化された組成物であって、
オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含む、テロメラーゼ阻害剤と、
ヒアルロニダーゼ酵素と、を含む、組成物。
2.ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、パラグラフ1に記載の組成物。
3.ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、パラグラフ2に記載の組成物。
4.組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、パラグラフ1に記載の組成物。
5.配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20におけるT341A、T341C、T341G、S343E、M345T、K349E、L353A、L354I、N356E、及びI361Tからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ4に記載の組成物。
6.PH20のバリアント又は断片が、T341A、T341C、L354I、及びN356Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ5に記載の組成物。
7.PH20のバリアント又は断片が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20のαヘリックス領域又はリンカー領域に対応する領域における1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ4に記載の組成物。
8.αヘリックス領域が、アミノ酸残基S347~C381を含むαヘリックス8領域であり、リンカー領域が、αヘリックス7とαヘリックス8との間のアミノ酸残基A333~R346を含むリンカー領域である、パラグラフ7に記載の組成物。
9.αヘリックス領域及びリンカー領域が、アミノ酸残基T341~N363、T341~I361、L342~I361、S343~I361、I344~I361、M345~I361、又はM345~N363を含む、パラグラフ7に記載の組成物。
10.αヘリックス8領域及びαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域が、Hyal1の対応する領域の1つ以上のアミノ酸残基で置換される、パラグラフ7に記載の組成物。
11.PH20のバリアント又は断片が、T341、L342、S343、I344、M345、S347、M348、K349、L352、L353、D355、E359、I361、及びN363からなる群から選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ4に記載の組成物。
12.PH20のバリアント又は断片が、
L354I及びN356Eのうちの1つ以上のアミノ酸残基の置換、並びに
T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、D355K、E359D、I361T、及びN363Gからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ11に記載の組成物。
13.PH20のバリアント又は断片が、
(i)置換M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(ii)置換T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、及びN363G、又は
(iii)以下のアミノ酸残基の置換群:
(a)T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(b)L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(c)M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、I361T、及びN363G、
(d)T341G、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(e)T341A、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(f)T341C、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(g)T341D、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(h)I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、並びに
(i)S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択されるいずれか1つのアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ12に記載の組成物。
14.PH20のバリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、パラグラフ4~13のいずれか一項に記載の組成物。
15.切断が、
(i)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置するか、
(ii)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、若しくはP42の前に位置するか、
(iii)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置するか、又は
(iv)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、若しくはS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、パラグラフ14に記載の組成物。
16.N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、パラグラフ4~15のいずれか一項に記載の組成物。
22.PH20のバリアント又は断片が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドであり、
(ii)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドであり、
(iii)配列番号60~115から選択されるアミノ酸配列からなり、
(iv)配列番号99のアミノ酸配列を有する、パラグラフ4~21のいずれか一項に記載の組成物。
23.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、パラグラフ1~22のいずれか一項に記載の組成物。
24.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U/mL~50,000U/mLの量で存在する、パラグラフ1~23のいずれか一項に記載の組成物。
25.組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、パラグラフ1~24のいずれか一項に記載の組成物。
26.組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、パラグラフ1~25のいずれか一項に記載の組成物。
27.1つ以上の糖類が、単糖類を含む、パラグラフ26に記載の組成物。
28.1つ以上の糖類が、多糖類を含む、パラグラフ26又は27に記載の組成物。
29.1つ以上の多糖類が、トレハロース及びスクロースからなる群から選択される、パラグラフ28に記載の組成物。
30.1つ以上の糖類が、組成物中に、10mM~500mMの量で存在する、パラグラフ26~29のいずれか一項に記載の組成物。
31.組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、パラグラフ1~30のいずれか一項に記載の組成物。
32.アミノ酸が、メチオニン及びヒスチジンから選択される、パラグラフ31に記載の組成物。
33.1つ以上のアミノ酸が、組成物中に、1mM~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ31又は32に記載の組成物。
34.組成物が、緩衝液を更に含む、パラグラフ1~33のいずれか一項に記載の組成物。
35.緩衝液が、組成物中に、組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在し、任意選択的に、組成物をpH5.5~7.5で維持するのに十分な量で存在する、パラグラフ34に記載の組成物。
36.緩衝液が、組成物中に、1~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ34又は35に記載の組成物。
37.テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、パラグラフ1~36のいずれか一項に記載の組成物。
38.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合され、任意選択的に、リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、パラグラフ1~37のいずれか一項に記載の組成物。
39.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、パラグラフ1~38のいずれか一項に記載の組成物。
40.テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩であり、任意選択的に、テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタットナトリウムである、パラグラフ1~39のいずれか一項に記載の組成物。
41.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で存在する、パラグラフ1~40のいずれか一項に記載の組成物。
42.組成物が、凍結乾燥されている、パラグラフ1~41のいずれか一項に記載の組成物。
43.腫瘍を有する対象を治療する方法であって、対象に組成物を皮下投与することを含み、組成物が、
オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含む、テロメラーゼ阻害剤と、
ヒアルロニダーゼ酵素と、を含む、方法。
44.腫瘍が、骨髄線維症(MF)、骨髄異形成症候群(MDS)、本態性血小板血症(ET)、真性多血症(PV)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病、及び急性骨髄性白血病(AML)から選択される血液腫瘍である、パラグラフ43に記載の方法。
45.対象が血液腫瘍を有すると診断することを更に含む、パラグラフ43又は44に記載の方法。
46.組成物が、対象に、
(i)1日おきに1回、
(ii)7日ごとに1回、
(iii)21日ごとに1回、又は
(iv)28日ごとに1回、皮下投与される、パラグラフ43~45のいずれか一項に記載の方法。
47.方法が、1回以上繰り返され、任意選択的に、5回以上繰り返される、パラグラフ43~46のいずれか一項に記載の方法。
48.テロメラーゼ阻害剤が、対象に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で投与される、パラグラフ43~47のいずれか一項に記載の方法。
49.ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼであり、任意選択的に、rHuPH20である、パラグラフ43~48のいずれか一項に記載の方法。
50.組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、パラグラフ43~48のいずれか一項に記載の方法。
51.PH20のバリアント又は断片が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20におけるT341A、T341C、T341G、S343E、M345T、K349E、L353A、L354I、N356E、及びI361Tからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含み、任意選択的に、PH20のバリアント又は断片が、T341A、T341C、L354I、及びN356Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ50に記載の方法。
52.PH20のバリアント又は断片が、配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20のαヘリックス領域又はリンカー領域に対応する領域における1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ50に記載の方法。
53.
(i)αヘリックス領域が、アミノ酸残基S347~C381を含むαヘリックス8領域であり、リンカー領域が、αヘリックス7とαヘリックス8との間のアミノ酸残基A333~R346を含むリンカー領域であるか、
(ii)αヘリックス領域及びリンカー領域が、アミノ酸残基T341~N363、T341~I361、L342~I361、S343~I361、I344~I361、M345~I361、若しくはM345~N363を含むか、又は
(iii)αヘリックス8領域及びαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域が、Hyal1の対応する領域の1つ以上のアミノ酸残基で置換される、パラグラフ52に記載の方法。
54.PH20のバリアント又は断片が、T341、L342、S343、I344、M345、S347、M348、K349、L352、L353、D355、E359、I361、及びN363からなる群から選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ50に記載の方法。
55.PH20のバリアント又は断片が、
L354I及びN356Eのうちの1つ以上のアミノ酸残基の置換、並びに
T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、D355K、E359D、I361T、及びN363Gからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、を含み、
任意選択的に、PH20のバリアント又は断片は置換M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tを含む、パラグラフ54に記載の方法。
56.PH20のバリアント又は断片が、
(i)置換T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、及びN363G、又は
(ii)以下のアミノ酸残基の置換群:
(a)T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(b)L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(c)M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、I361T、及びN363G、
(d)T341G、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(e)T341A、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(f)T341C、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(g)T341D、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(h)I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、並びに
(i)S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択されるいずれか1つのアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ55に記載の方法。
57.PH20のバリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、パラグラフ50~56のいずれか一項に記載の方法。
58.切断が、
(i)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置するか、
(ii)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、若しくはP42の前に位置するか、
(iii)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置するか、又は
(iv)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、若しくはS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、パラグラフ57に記載の方法。
59.N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、パラグラフ50~58のいずれか一項に記載の方法。
60.PH20のバリアント又は断片が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドであるか、
(ii)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドであるか、
(iii)配列番号60~115から選択されるアミノ酸配列からなるか、又は
(iv)配列番号99のアミノ酸配列を有する、パラグラフ50~59のいずれか一項に記載の方法。
61.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、パラグラフ43~60のいずれか一項に記載の方法。
62.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U/mL~50,000U/mLの量で存在する、パラグラフ43~61のいずれか一項に記載の方法。
63.組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、パラグラフ43~62のいずれか一項に記載の方法。
64.組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、パラグラフ43~63のいずれか一項に記載の方法。
65.1つ以上の糖類が、単糖類を含む、パラグラフ64に記載の方法。
66.1つ以上の糖類が、多糖類を含む、パラグラフ64又は65に記載の方法。
67.1つ以上の多糖類が、トレハロース及びスクロースからなる群から選択される、パラグラフ66に記載の方法。
68.1つ以上の糖類が、組成物中に、10mM~500mMの量で存在し、任意選択的に、100mM~300mMの量で存在する、パラグラフ64~67のいずれか一項に記載の方法。
69.組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、パラグラフ43~68のいずれか一項に記載の方法。
70.アミノ酸が、メチオニン及びヒスチジンから選択される、パラグラフ69に記載の方法。
71.1つ以上のアミノ酸が、組成物中に、1mM~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ69又は70に記載の方法。
72.組成物が、緩衝液を更に含む、パラグラフ43~71のいずれか一項に記載の方法。
73.緩衝液が、組成物中に、組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在し、任意選択的に、組成物をpH5.5~7.5で維持するのに十分な量で存在する、パラグラフ72に記載の方法。
74.緩衝液が、組成物中に、1~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ72又は73に記載の方法。
75.緩衝液が、ヒスチジンを含む、パラグラフ72~74のいずれか一項に記載の方法。
76.テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、パラグラフ43~75のいずれか一項に記載の方法。
77.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合されている、パラグラフ43~76のいずれか一項に記載の方法。
78.リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、パラグラフ77に記載の方法。
79.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、パラグラフ43~78のいずれか一項に記載の方法。
80.テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩、任意選択的にイメテルスタットナトリウムである、パラグラフ43~79及び158のいずれか一項に記載の方法。
81.ヒアルロニダーゼ酵素と、オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤と、を含む、単位剤形。
82.ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、パラグラフ81に記載の単位剤形。
83.ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、パラグラフ82に記載の単位剤形。
84.組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、パラグラフ83に記載の単位剤形。
85.PH20のバリアント又は断片が、
(i)配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20におけるT341A、T341C、T341G、S343E、M345T、K349E、L353A、L354I、N356E、及びI361Tからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、
(ii)T341A、T341C、L354I、及びN356Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、又は
(iii)配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20のαヘリックス領域若しくはリンカー領域に対応する領域における1つ以上のアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ84に記載の単位剤形。
86.αヘリックス領域が、アミノ酸残基S347~C381を含むαヘリックス8領域であり、リンカー領域が、αヘリックス7とαヘリックス8との間のアミノ酸残基A333~R346を含むリンカー領域である、パラグラフ85に記載の単位剤形。
87.αヘリックス領域及びリンカー領域が、アミノ酸残基T341~N363、T341~I361、L342~I361、S343~I361、I344~I361、M345~I361、又はM345~N363を含む、パラグラフ85に記載の単位剤形。
88.αヘリックス8領域及びαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域が、Hyal1の対応する領域の1つ以上のアミノ酸残基で置換される、パラグラフ86に記載の単位剤形。
89.PH20のバリアント又は断片が、
(i)T341、L342、S343、I344、M345、S347、M348、K349、L352、L353、D355、E359、I361、及びN363からなる群から選択される1つ以上の位置における1つ以上のアミノ酸残基の置換、
(ii)
L354I及びN356Eのうちの1つ以上のアミノ酸残基の置換、並びに
T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、D355K、E359D、I361T、及びN363Gからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換であって、任意選択的に、PH20のバリアント又は断片が、置換M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tを含む、1つ以上のアミノ酸残基の置換、
(iii)置換T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、及びN363G、又は
(iv)以下のアミノ酸残基の置換群:
(a)T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(b)L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(c)M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、I361T、及びN363G、
(d)T341G、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(e)T341A、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(f)T341C、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(g)T341D、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(h)I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、並びに
(i)S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択されるいずれか1つのアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ84に記載の単位剤形。
90.PH20のバリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、パラグラフ84~89のいずれか一項に記載の単位剤形。
91.切断が、
(i)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置し、
(ii)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、又はP42の前に位置し、
(iii)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置し、
(iv)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、パラグラフ90に記載の単位剤形。
92.N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、パラグラフ84~91のいずれか一項に記載の単位剤形。
93.PH20のバリアント又は断片が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドであるか、
(ii)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドであるか、
(iii)配列番号60~115から選択されるアミノ酸配列からなるか、又は
(iv)配列番号99のアミノ酸配列を有する、パラグラフ84~92のいずれか一項に記載の単位剤形。
94.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、パラグラフ81~93のいずれか一項に記載の単位剤形。
95.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U/mL~50,000U/mLの量で存在する、パラグラフ81~94のいずれか一項に記載の単位剤形。
96.組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、パラグラフ81~95のいずれか一項に記載の単位剤形。
97.組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、パラグラフ81~96のいずれか一項に記載の単位剤形。
98.1つ以上の糖類が、単糖類を含む、パラグラフ97に記載の単位剤形。
99.1つ以上の糖類が、多糖類を含む、パラグラフ97又は98に記載の単位剤形。
100.1つ以上の多糖類が、トレハロース及びスクロースからなる群から選択される、パラグラフ99に記載の単位剤形。
101.1つ以上の糖類が、組成物中に、10mM~500mMの量で存在する、パラグラフ97~100のいずれか一項に記載の単位剤形。
102.組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、パラグラフ81~100のいずれか一項に記載の単位剤形。
103.アミノ酸が、メチオニン及びヒスチジンから選択される、パラグラフ102に記載の単位剤形。
104.1つ以上のアミノ酸が、組成物中に、1mM~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ102又は103に記載の単位剤形。
105.組成物が、緩衝液を更に含む、パラグラフ81~104のいずれか一項に記載の単位剤形。
106.緩衝液が、組成物中に、組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在し、任意選択的に、組成物をpH5.5~7.5で維持するのに十分な量で存在する、パラグラフ105に記載の単位剤形。
107.緩衝液が、組成物中に、1~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ105又は106に記載の単位剤形。
108.テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、パラグラフ81~107のいずれか一項に記載の単位剤形。
109.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合されている、パラグラフ81~108のいずれか一項に記載の単位剤形。
110.リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、パラグラフ109に記載の単位剤形。
111.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、パラグラフ81~110のいずれか一項に記載の単位剤形。
112.テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩、任意選択的にイメテルスタットナトリウムである、パラグラフ81~111のいずれか一項に記載単位剤形。
113.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で存在する、パラグラフ81~112のいずれか一項に記載の単位剤形。
114.組成物が、液体である、パラグラフ81~113のいずれか一項に記載の単位剤形。
115.ヒアルロニダーゼ酵素を含む組成物と、
オリゴヌクレオチド並びにオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合した脂質部分を含むテロメラーゼ阻害剤を含む組成物と、を含む、キット。
116.注射器を更に含む、パラグラフ115に記載のキット。
117.テロメラーゼ阻害剤を含む組成物が、凍結乾燥されている、パラグラフ115又は116に記載のキット。
118.キットが、再構成された液体組成物を生成するための緩衝液を更に含む、パラグラフ115~117のいずれか一項に記載のキット。
119.皮下注射器が、針及びシリンジを含む、パラグラフ115~118のいずれか一項に記載のキット。
120.皮下注射器が、所定量の組成物を皮下送達するように構成されたボーラス注射器である、パラグラフ115~119のいずれか一項に記載のキット。
121.ヒアルロニダーゼ酵素が、組換えヒトヒアルロニダーゼである、パラグラフ115~120のいずれか一項に記載のキット。
122.ヒアルロニダーゼ酵素が、rHuPH20である、パラグラフ121に記載のキット。
123.組成物が、PH20ヒアルロニダーゼ酵素のバリアント又は断片を含む、パラグラフ115~121のいずれか一項に記載のキット。
124.PH20のバリアント又は断片が、
(i)配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20におけるT341A、T341C、T341G、S343E、M345T、K349E、L353A、L354I、N356E、及びI361Tからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、
(ii)T341A、T341C、L354I、及びN356Eからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、
(iii)配列番号1のアミノ酸配列を有する野生型PH20のαヘリックス領域又はリンカー領域に対応する領域における1つ以上のアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ123に記載のキット。
125.αヘリックス領域が、アミノ酸残基S347~C381を含むαヘリックス8領域であり、リンカー領域が、αヘリックス7とαヘリックス8との間のアミノ酸残基A333~R346を含むリンカー領域である、パラグラフ124に記載のキット。
126.αヘリックス領域及びリンカー領域が、アミノ酸残基T341~N363、T341~I361、L342~I361、S343~I361、I344~I361、M345~I361、又はM345~N363を含む、パラグラフ124に記載のキット。
127.αヘリックス8領域及びαヘリックス7とαヘリックス8との間のリンカー領域が、Hyal1の対応する領域の1つ以上のアミノ酸残基で置換される、パラグラフ124に記載のキット。
128.PH20のバリアント又は断片が、T341、L342、S343、I344、M345、S347、M348、K349、L352、L353、D355、E359、I361、及びN363からなる群から選択される1つ以上の位置に1つ以上のアミノ酸残基の置換を含む、パラグラフ123に記載のキット。
129.PH20のバリアント又は断片が、
(i)L354I及びN356Eのうちの1つ以上のアミノ酸残基の置換、並びに
T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、D355K、E359D、I361T、及びN363Gからなる群から選択される1つ以上のアミノ酸残基の置換、
(ii)置換M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(iii)置換T341A、T341C、T341D、T341G、T341S、L342W、S343E、I344N、及びN363G、又は
(iv)以下のアミノ酸残基の置換群:
(a)T341S、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(b)L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(c)M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、I361T、及びN363G、
(d)T341G、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(e)T341A、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(f)T341C、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(g)T341D、L342W、S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、
(h)I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361T、並びに
(i)S343E、I344N、M345T、S347T、M348K、K349E、L352Q、L353A、L354I、D355K、N356E、E359D、及びI361Tから選択されるいずれか1つのアミノ酸残基の置換、を含む、パラグラフ128に記載のキット。
130.PH20のバリアント又は断片のN末端又はC末端アミノ酸残基のうちの1つ以上が、欠失される、パラグラフ123~129のいずれか一項に記載のキット。
131.切断が、N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のM1~P42からなる群から選択されるアミノ酸残基の前に位置する、パラグラフ130に記載のキット。
132.切断が、
(i)N末端の1つ以上の残基が欠失されるように、N末端のアミノ酸残基L36、N37、F38、R39、A40、P41、若しくはP42の前に位置するか、
(ii)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455~L509からなる群から選択されるアミノ酸残基の後に位置するか、又は
(iii)C末端の1つ以上のアミノ酸残基が欠失されるように、C末端のV455、C458、D461、C464、I465、D466、A467、F468、K470、P471、P472、M473、E474、T475、E476、E477、P478、Q479、I480、F481、Y482、N483、A484、P486、T488、又はS490から選択されるアミノ酸残基の後に位置する、パラグラフ131に記載のキット。
133.N末端が、配列番号3のアミノ酸配列MATGSRTSLLLAFGLLCLPWLQEGSAを有するヒト成長ホルモン由来シグナルペプチド、配列番号4のアミノ酸配列MKWVTFISLLFLFSSAYSを有するヒト血清アルブミン由来シグナルペプチド、又は配列番号5のアミノ酸配列MAAHLLPICALFLTLLDMAQGを有するヒトHyal1由来シグナルペプチドを含む、パラグラフ123~132のいずれか一項に記載のキット。
134.PH20のバリアント又は断片が、
(i)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも90%の配列同一性を有するペプチドであるか、
(ii)配列番号1に示されるアミノ酸の配列、又は配列番号1のアミノ酸残基36~482、36~477、366~478、36~479、36~480、36~481、及び36~483と少なくとも95%の配列同一性を有するペプチドであるか、
(iii)配列番号60~115から選択されるアミノ酸配列からなるか、又は
(iv)配列番号99のアミノ酸配列を有する、パラグラフ123~133のいずれか一項に記載のキット。
135.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U~50,000Uの量で存在する、パラグラフ115~134のいずれか一項に記載のキット。
136.ヒアルロニダーゼが、組成物中に、100U/mL~50,000U/mLの量で存在する、パラグラフ115~135のいずれか一項に記載のキット。
137.組成物が、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を更に含む、パラグラフ115~136のいずれか一項に記載のキット。
138.組成物が、1つ以上の糖類を更に含む、パラグラフ115~137のいずれか一項に記載のキット。
139.1つ以上の糖類が、単糖類を含む、パラグラフ138に記載のキット。
140.1つ以上の糖類が、多糖類を含む、パラグラフ138又は139に記載のキット。
141.1つ以上の多糖類が、トレハロース及びスクロースからなる群から選択される、パラグラフ140に記載のキット。
142.1つ以上の多糖類が、組成物中に、10mM~500mMの量で存在し、任意選択的に、100mM~300mMの量で存在する、パラグラフ140又は141に記載のキット。
143.組成物が、1つ以上のアミノ酸を更に含む、パラグラフ115~142のいずれか一項に記載のキット。
144.組成物が、メチオニンを含む、パラグラフ143に記載のキット。
145.1つ以上のアミノ酸が、組成物中に、1mM~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ143又は144に記載のキット。
146.組成物が、緩衝液を更に含む、パラグラフ115~145のいずれか一項に記載のキット。
147.緩衝液が、組成物中に、組成物をpH3.0~9.0で維持するのに十分な量で存在し、任意選択的に、組成物をpH5.5~7.5で維持するのに十分な量で存在する、パラグラフ146に記載のキット。
148.緩衝液が、組成物中に、1~100mMの量で存在し、任意選択的に、1mM~50mMの量で存在する、パラグラフ146又は147に記載のキット。
149.緩衝液が、ヒスチジンを含む、パラグラフ146~148のいずれか一項に記載のキット。
150.テロメラーゼ阻害剤のオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つのN3’→P5’チオホスホロアミデートヌクレオシド間結合を含む、パラグラフ115~149のいずれか一項に記載のキット。
151.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、リンカーを介してオリゴヌクレオチドの5’及び/又は3’末端に結合されている、パラグラフ115~150のいずれか一項に記載のキット。
152.リンカーが、グリセロール又はアミノグリセロールリンカーである、パラグラフ151に記載のキット。
153.テロメラーゼ阻害剤の脂質部分が、パルミトイル(C16)部分である、パラグラフ115~152のいずれか一項に記載のキット。
154.テロメラーゼ阻害剤が、イメテルスタット又はその薬学的に許容される塩、任意選択的にイメテルスタットナトリウムである、パラグラフ115~153のいずれか一項に記載のキット。
155.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約2.0mg/kg~20.0mg/kg、
(ii)約3mg/kg~約15mg/kg、
(iii)約9mg/kg~約11mg/kg、又は
(iv)約11mg/kg~約14mg/kg、の投与量で存在する、パラグラフ115~154のいずれか一項に記載のキット。
156.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、パラグラフ115~154のいずれか一項に記載のキット。
157.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、パラグラフ1~40のいずれか一項に記載の組成物。
158.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、パラグラフ43~47のいずれか一項に記載の方法。
159.テロメラーゼ阻害剤が、組成物中に、
(i)約200mg~3000mg、
(ii)約750mg~約2500mg、
(iii)約1000mg~約2000mg、又は
(iv)約500mg~約2000mg、の投与量で存在する、パラグラフ81~112のいずれか一項に記載の方法。
図1
図2
【配列表】
2023534295000001.app
【国際調査報告】