(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-08
(54)【発明の名称】サドル型自動車両のバランス補助システム
(51)【国際特許分類】
B62K 21/00 20060101AFI20230801BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20230801BHJP
B62D 5/04 20060101ALI20230801BHJP
B62J 45/413 20200101ALI20230801BHJP
B62J 45/412 20200101ALI20230801BHJP
B62J 45/411 20200101ALI20230801BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20230801BHJP
B62J 27/00 20200101ALI20230801BHJP
【FI】
B62K21/00
B62D6/00
B62D5/04
B62J45/413
B62J45/412
B62J45/411
B62J45/00
B62J27/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503243
(86)(22)【出願日】2020-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-01-17
(86)【国際出願番号】 IN2020050913
(87)【国際公開番号】W WO2022018740
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202041030741
(32)【優先日】2020-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521196110
【氏名又は名称】ティーヴィーエス モーター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TVS MOTOR COMPANY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】弁理士法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャラド,シンガニア
(72)【発明者】
【氏名】カラナム,ヴェンカタ マンガ ラジュ
【テーマコード(参考)】
3D013
3D232
3D333
【Fターム(参考)】
3D013CA05
3D232CC02
3D232CC20
3D232DA03
3D232DA04
3D232DA15
3D232DA23
3D232DA32
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3D333CD05
3D333CD10
3D333CD14
3D333CD16
3D333CE45
3D333CE55
(57)【要約】
本発明は、バランス補助システムを備えたサドル型自動車両に関する。自動車両(100)は、フレームアセンブリ(105)の第1の部分(270)に固定されたアクチュエータユニット(205)を備える。トルク増強ユニット(210)は、アクチュエータユニット(205)から操舵シャフト(213)に駆動力を提供するように構成される。トルク増強ユニット(210)は、ヘッドパイプ(106)の上方にコンパクトに配置される。バランス補助制御ユニット(235)は、複数のセンサ(230、240、250、251)から受け取った入力に基づいて推定操舵角(AS)を推定し、実際の操舵角(AS’)と比較し、アクチュエータユニット(205)をトリガする。本発明は、バランス操舵角をアクチュエータユニット(205)に効果的に提供することによって、自動車両のバランスを取ることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サドル型車両(100)のバランス補助システム(200)であって、前記自動車両(100)のバランスを取ることによって乗り手を支援するように構成されたバランス補助システム(200)であり、前記サドル型車両(100)は、
フレームアセンブリ(105)であって、その前部に配置されたヘッドパイプ(106)を備えるフレームアセンブリ(105)と、
操舵シャフト(213)であって、前記ヘッドパイプ(106)の周りに回転可能にジャーナル支持された操舵シャフトと、
前記自動車両(100)の様々な動的パラメータを感知するための複数のセンサ(230、240、250、251)であって、操舵角センサ(250)を含む複数のセンサ(230、240、250、251)と、
前記フレームアセンブリ(105)の第1の部分(270)に固定されたアクチュエータユニット(205)と、
トルク増強ユニット(210)であって、前記ヘッドパイプ(106)の上方に配置された、前記アクチュエータユニット(205)から前記操舵シャフト(213)に駆動力を提供するように構成されたトルク増強ユニット(210)と、
前記複数のセンサ(230、240、250、251)から受け取った入力に基づいて推定操舵角(A
S)を推定し、前記推定操舵角(A
S)を実際の操舵角(A
S’)と比較することによって、前記アクチュエータユニット(205)をトリガするバランス補助制御ユニット(235)と、を備える、バランス補助システム(200)。
【請求項2】
前記トルク増強ユニット(210)は、前記ヘッドパイプ(106)の上方に配置され、前記トルク増強ユニット(210)は、操舵軸(S-S’)に沿って見たときに前記ヘッドパイプ(106)と少なくとも部分的には重なる、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項3】
前記トルク増強ユニット(210)は、駆動歯車(255)および被動歯車(260)を備え、前記駆動歯車(255)は、前記アクチュエータユニット(205)に機能的に結合され、前記被動歯車(260)は、操舵シャフト(213)に機能的に結合され、前記駆動歯車(255)および前記被動歯車(260)は、バランス補助トルク(T
B)に対応する入力で前記操舵シャフト(213)を駆動するためのトルク増強を提供する歯車比を備えるように構成される、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項4】
前記操舵角センサ(250)は、前記トルク増強ユニット(210)に機能的に結合され、前記トルク増強ユニット(210)は、タンデム歯車(257)を備え、前記タンデム歯車(257)は、前記駆動歯車(255)に機能的に結合されて前記駆動歯車(255)とともに回転し、前記操舵角センサ(250)は、前記タンデム歯車(257)に機能的に結合され、操舵角情報を提供するように構成される、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項5】
前記操舵角センサ(250)は、実質的に、前記トルク増強ユニット(210)の上側表面に沿って延びる第1の平面(P1)と前記アクチュエータユニット(205)の上側表面に沿って延びる第2の平面(P2)の間に配置される、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項6】
前記アクチュエータユニット(205)および前記トルク増強ユニット(210)は、実質的に、前記自動車両(100)の横方向中心領域内に配置される、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項7】
前記フレームアセンブリ(105)の前記第1の部分(270)は、前記ヘッドパイプ(106)とメインパイプ(107)の前部(108)とによって形成され、前記メインパイプ(107)は、前記ヘッドパイプ(106)から後方に延びる、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項8】
前記アクチュエータユニット(205)は、前記ヘッドパイプ(106)の後方向き側に結合され、前記アクチュエータユニット(205)は、前記ヘッドパイプ(106)を越えて上方向に延びるように配置される、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項9】
前記複数のセンサ(230、240、250、251)は、速度センサ、全地球測位ユニット(230)、操舵トルクセンサ(251)、および慣性計測ユニット(240)を含み、前記複数のセンサ(230、240、250、251)は、前記自動車両(100)の前記フレームアセンブリ(105)によって支持される、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項10】
前記複数のセンサ(230、240、250、251)は、前記サドル型車両(100)の後部に配置された1つまたは複数のセンサ(230、240)を含む、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項11】
前記自動車両(100)は、前記トルク増強ユニット(210)を介して前記操舵シャフト(213)に機能的に結合されたハンドルバーアセンブリ(150)を備え、前記ハンドルバーアセンブリ(150)および前記アクチュエータユニット(205)は、並列に前記操舵シャフト(213)に入力を提供することができる、請求項1に記載のサドル型車両(100)のバランス補助システム(200)。
【請求項12】
自動車両(100)のバランス補助システム(200)のトルク増強ユニット(210)であって、
容積を画定する第1のケーシング(211)および第2のケーシング(212)によって構成される筐体と、
前記筐体によって回転可能に支持された駆動歯車(255)であって、前記バランス補助システム(200)のアクチュエータユニット(205)に機能的に結合されるように構成された駆動歯車(255)と、
前記駆動歯車(255)と対合する被動歯車(260)であって、前記バランス補助システム(200)の操舵シャフト(213)に結合された被動歯車(260)と、
タンデム歯車(257)であって、前記被動歯車(255)とともに回転可能であり、前記アクチュエータユニット(205)および前記操舵シャフト(213)のうちの少なくとも1つの操舵角情報を提供するために操舵角センサ(250)と機能的に係合するように構成されたタンデム歯車(257)と、を備える、トルク増強ユニット(210)。
【請求項13】
サドル型車両(100)のバランスを取るために乗り手を支援するバランス補助システム(200)の動作方法であって、
前記バランス補助制御ユニット(235)が、前記自動車両(100)の動的状態に対応する複数のセンサ(230、240、250、251)からの情報を受信するステップと、
前記バランス補助制御ユニット(235)が、前記複数のセンサ(230、240、250、251)から受信した情報に基づいて継続的に推定操舵角(A
S)および推定操舵トルク(T)を計算するステップと、
前記推定操舵角(A
S)を乗り手によって適用される実際の操舵角(A
S’)と比較するステップと、
所定の期間にわたる前記実際の操舵角(A
S’)の平均を推定し、第1の所定の値と比較するステップと、
前記実際の操舵角(A
S’)の前記推定した平均、および前記実際の操舵角(A
S’)と前記推定操舵角(A
S)の間の瞬時差のうちの少なくとも1つに基づいて車両の走行状態を特定するステップと、
バランスアクチュエータ角(A
B)および対応するバランス補助トルク(T
B)を計算するステップと、
前記自動車両(100)の操舵シャフト(213)を駆動するために前記バランス補助トルク(T
B)を送達するためにトルク増強ユニット(210)に結合されたアクチュエータユニット(205)をトリガするステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記バランスアクチュエータ角(A
B)を計算する前記ステップは、所定の期間(t-n、t)にわたる実際の操舵角(A
S’)と前記推定操舵角(A
S)の間の差の平均を計算することと、前記推定操舵角(A
S)に加算することとを含む、請求項13に記載のバランス補助システム(200)の動作方法。
【請求項15】
前記推定操舵角(A
S)に加算する前に、所定の期間(t-n、t)にわたる前記実際の操舵角(A
S’)の間の前記差の前記平均に操舵調整パラメータ(B、C)を乗算する、請求項14に記載のバランス補助システム(200)の動作方法。
【請求項16】
前記車両の走行状態を特定する前記ステップは、前記実際の操舵角(A
S’)の前記平均が前記第1の所定の値に等しいとき、および前記実際の操舵角(A
S’)と前記推定操舵トルク(A
S)の間の差がゼロに等しいときのうちのいずれかで、前記自動車両(100)の直線走行状態であると決定することを含み、前記第1の所定の値は、ゼロである、請求項13に記載のバランス補助システム(200)の動作方法。
【請求項17】
前記車両の走行状態を特定する前記ステップは、前記実際の操舵角(A
S’)の前記平均が前記第1の所定の値に等しくなく、前記推定操舵トルク(T)が前記実際の操舵角(A
S’)の間の差に等しくなく、前記推定操舵角(A
S)がゼロに等しくないときに、一時的な走行状態であると決定することを含む、請求項13に記載のバランス補助システム(200)の動作方法。
【請求項18】
前記車両の走行状態を特定する前記ステップは、前記実際の操舵角(A
S)の前記平均が前記第1の所定の値に等しくなく、前記実際の操舵角(A
S)と前記推定操舵トルク(A
S)の間の差がゼロに等しいときに、安定したコーナリング状態であると決定することを含む、請求項13に記載のバランス補助システム(200)の動作方法。
【請求項19】
前記操舵調整パラメータ(BまたはC)は、0から1の間の値(0および1を含む)を有し、前記推定操舵角(A
S)は、所定の操舵マップ、所定の操舵テーブル、または所定の較正値のうちのいずれか1つから推定される、請求項15に記載のバランス補助システム(200)の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サドル型車両に関し、さらに詳細には、サドル型自動車両のバランス補助システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の4輪車両は、概してレベル1の自律性を達成しており、これらの車両は、一度に1つの自律タスクを実行することができる。自動車など、これらの4輪車両の大部分には、車線維持またはアダプティブクルーズコントロールなど、自律的な安全志向機能が搭載されている。いくつかの他の先進4輪車両では、レベル2の自律性を備えており、車両は一度に2つの自律タスクを実行することができ、例えば、操舵および車線維持を行うことができる、または自動制動およびアダプティブクルーズコントロールを行うことができる。このように、4輪車両は、これらの電力支援システム(EPAS)および横滑り防止プログラム(ESP)を実施している。
【0003】
ただし、通常はサドル型車両である2輪自動車両または3輪自動車両について考えると、これらの領域には依然として大きなギャップがある。一定レベルの支援を乗り手に提供するために注目すべき1つの重要な領域は、低速で走行しているときに安定性を提供することである。4輪以上の車両と異なり、サドル型車両は不安定であり、片側に転倒または転覆しやすい傾向がある。2輪車両および3輪車両を含むサドル型車両は、前輪を操作するためにハンドルバーを操作することによって操舵される。乗り手は、自動車両を操縦するために、大きな操舵力を加えなければならない。例えば、低速で移動する交通状態では、乗り手は、通常は非常に低速で走行することを強いられる。この車両は非常に低速では本来安定性が低いので、このような状態では、乗り手が車両のバランスを取ることが極めて困難になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の2輪車両および一部の3輪車両では、乗り手は、継続的に、かつ意識的に操縦動作を実行して、安定性を維持し、落下を回避しなければならない。初心者の乗り手が転覆を回避することは、さらに難題である。経験豊富な乗り手と異なり、初心者の乗り手は、加えるべき操舵トルクおよび操舵角の大きさを判断することができない。経験豊富な乗り手でも、このような継続的な意識的な操縦は、特に交通の混雑した状態では疲労を生じる。こうして、サドル型車両の乗り手にとって、低速で運転しながら車両のバランスを取ることが困難になる。
【0005】
サドル型自動車両の乗り手の支援に関係する問題に対処するために、従来技術による特定の自動車両は、複雑なアセンブリを備えた単純な支援機能を備えている。例えば、力伝達システムは、小型のハンドルバーアセンブリの近くで大きな空間を占める複数のリンク機構を備える。さらに、力伝達システムの大部分は、自動車両の横方向中心から大きくずらして配置され、これにより不均衡が生じることがある。さらに、ずらして配置されたシステムは、支援のために操舵システムと接続するためのリンク部材またはロッドを使用する。このようなシステムでは、部品および接続部の数が多い。接続部の数が多くなると、製造、組立ておよび保守が複雑になる。さらに、これらのシステムでは、ハンドルバーなどの操舵システムの回転方向によっては、乗り手が回転しようとする方向に操舵するのをモータが支援して、労力を軽減する。しかし、これらのシステムは、ユーザからの入力によるものであり、同じ方向への操舵を支援するものであるので、安定性を提供するものではない、または自動車両の転倒を回避するものではない。そのため、このシステムは、乗り手が(安定性の観点では)望ましくない方向に操縦する傾向があるときでも支援を提供する。これにより乗り手が感じる疲労は軽減するかもしれないが、自動車両に安定性を提供するものではないので、自動車両は依然として不安定さにより転倒しやすい。
【0006】
当技術分野では、安定性の欠点に対処するために、いくつかの試みが行われている。しかし、これらの解決策は、本質的に概念的なものであり、自動車両の既存の構成を改修する傾向がある。このようなシステムは、大量生産のサドル型車両に適応させることが困難である。このようなシステムは、サドル型自動車両自体の基本的な設計言語から逸脱している。例えば、操舵支援を提供する試みでは、この解決策は、従来のヘッドパイプの除去を提案する。ヘッドパイプは、2つのモータを有する操舵デバイスで置き換えられる。このような解決策は、通常は、前部に大きな体積およびレイアウトスペースを有する大型のツーリングタイプの自動車両に実装される。従来の小型の車両システムにこのような設計を実装するための難題は、従来のフレーム構造が改修を必要とし、操舵システムの近傍に大きなスペースを生み出さなければならず、これにより標準的なサドル型自動車両の設計から逸脱することになる。さらに、自動車両内の様々なシステムの再設計に時間がかかり、莫大な設計費を必要とする。また、作動に2つのモータを使用することにより、システムの重量およびコストが大幅に増大する。さらに、このような大きな操舵デバイスを車両の前端部で支持するためには、前部で大きな補強が必要である。自動車業界全体が概して軽量化および高効率化に向かっている時代に、このような重量を追加する設計は望ましくない。
【0007】
さらに、いくつかの解決策は、入力シャフトと操舵シャフトの間の操舵比を修正することを提案しているが、これは、自動車両が様々な状況(操舵比)で様々に応答するときに乗り手の思考に混乱を生じることがあり、運転が予測不可能になる。運転中の安心感は、このようなシステムの1つの大きな難題である。
【0008】
当技術分野におけるいくつかの他の解決策は、操舵支援中にハンドルバーを切り離すことを提案している。これは従来と異なるので、乗り手が慣れるのに特殊な訓練を必要とする。さらに、特定の自動車両は、操舵支援中に正のトレイルと負のトレイルとを切り換え、バランスをもたらす傾向がある。操舵システムの各トレイルで、ハンドルバーの位置、効果的なシート高、ホイールベースなどが変化することがあるので、ユーザは異なる運転姿勢をとる。これは、乗り手にとって大きな不快感をもたらし、現実的に好ましくない。いくつかの他の解決策では、動力ユニットがヘッドパイプに対して回転するためにさらなる回転(従来のサドル型自動車両と比較して)が生じる。これにより、自動車両全体のレイアウトを変更することが必要になり、前輪を支持し、後輪とともに動力ユニットも回転可能に支持する前部構造も大幅な補強が必要になる。
【0009】
したがって、バランスおよび安定性を提供する小型で単純な操舵支援システムを提供する必要がある。操舵支援システムは、大きな変更の必要なく、サドル型自動車両の既存の構成に収容することができなければならない。
【0010】
したがって、本発明は、サドル型自動車両の小型のバランス補助システムを提供する。サドル型車両のバランス補助システムは、特に低速でも自動車両のバランスを取り、それにより一定レベルの自律性を提供するために、乗り手を支援するように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
自動車両は、フレームアセンブリを備える。フレームアセンブリは、その前部に配置されたヘッドパイプと、後方に延びるメインパイプとを備える。本発明は、最小限の改修で、または全く改修せずに、従来のフレームアセンブリを使用することを可能にする。したがって、自動車両の従来の設計言語が維持される。
【0012】
操舵シャフトは、ヘッドパイプの周りに回転可能にジャーナル支持される。操舵シャフトは、標準的なフロントサスペンションシステムによって前輪に接続される。バランス補助システムを自動車両の前部に配置するために、追加のサスペンションシステムは必要ない。
【0013】
自動車両は、自動車両の様々な動的パラメータを感知するための複数のセンサを備える。この複数のセンサは、自動車両の操縦状態を理解するために不可欠な操舵角センサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態による例示的な自動車両を示す左側面図である。
【
図2a】本発明の実施形態による自動車両のフレームアセンブリによって支持される操舵補助システムを示す図である。
【
図2b】本発明の実施形態によるトルク増強ユニットを示す概略上面図である。
【
図2c】本発明の実施形態によるトルク増強ユニットを示す概略展開図である。
【
図3】本発明の実施形態によるバランス補助システムの動作方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面を参照して、本発明の1実施形態である2輪自動車両に関する詳細な説明を行う。ただし、本発明は、図示の実施形態に限定されない。図面では、全体を通じて同じ、または同様の番号を使用して、特徴および構成要素を示す。
【0016】
1実施形態では、複数のセンサのうちの1つまたは複数は、自動車両の後方領域に配置される。1実施態様では、この1つまたは複数のセンサは、自動車両の1つまたは複数の後部パイプ部材によって支持される。これにより、これらのセンサは、ロール、ヨーおよびその他の情報を、外乱を最小限に抑えた精度で提供することができる。
【0017】
アクチュエータユニットは、フレームアセンブリの第1の部分に固定される。本発明は、自動車両上にコンパクトに収容することができる小容量モータなどの小容量のアクチュエータユニットを必要とする。実施形態によれば、アクチュエータは、自動車両の前部に配置され、これにより質量の集中化を可能にし、それにより車両の安定性をさらに高める。
【0018】
バランス操舵角と、それに応じたトルクとを乗り手に提供するために操舵シャフトを駆動するために、トルク増強ユニットが設けられる。トルク増強ユニットは、アクチュエータとの干渉を生じることなくヘッドパイプの上方にコンパクトに配置される。操舵角センサは、トルク増強ユニットと協働して機能して、操舵角を特定することができる。これにより、操舵角センサを操舵シャフトまたはハンドルバーアセンブリと直接接触させて配置する必要がなくなり、これにより、構造の完全性およびコンパクトなレイアウトとの兼ね合いを図った取付けの変更を保証し得る。操舵シャフトを含む操舵システムは、荷重を受け、前輪を支持し、また操縦を可能にする不可欠な構造であるので、その設計を改修するとシステムの構造強度において望ましくない代償が必要になる可能性がある。トルク増強ユニットとアクチュエータユニットは、独立して使用可能である。
【0019】
バランス補助システムのバランス補助制御ユニットは、複数のセンサから受信する入力に基づいて推定操舵角を推定するために設けられる。バランス補助制御ユニットは、推定操舵角を実際の操舵角と比較し、次いでアクチュエータユニットを介して操舵シャフトに提供すべきバランス操舵角を決定する。バランス補助制御ユニットは、バランス操舵角に対応する入力でアクチュエータユニットを作動またはトリガする。
【0020】
1実施形態では、トルク増強ユニットは、ヘッドパイプの上方に配置される。トルク増強ユニットは、操舵軸に沿って見たときに少なくとも部分的にヘッドパイプと重なるように配置され、ヘッドパイプは、自動車両の横方向中心に配置される。ヘッドパイプの上方に配置されたトルク増強ユニットは、パネルアセンブリ(例えばフロントカバーおよびレッグシールド)で囲まれることによってその位置で保護される。さらに、ヘッドパイプと(上面図で)重なるトルク増強ユニットは、ヘッドパイプの周りで最小限のスペースしか占めないので、自動車両の前部構造の変更が回避され、コンパクトな車両設計が可能になる。
【0021】
1実施形態では、トルク増強ユニットは、アクチュエータユニットからの入力を増強するように構成される。1実施態様では、トルク増強ユニットは、ケーシング内にしっかりと支持された駆動歯車および被動歯車を備える。
【0022】
駆動歯車は、アクチュエータユニットに機能的に結合されて駆動入力を受け、被動歯車は、操舵シャフトに機能的に結合されて操舵シャフトを駆動する。駆動歯車および被動歯車は、小容量アクチュエータを利用しても操舵シャフトを駆動するためのトルク増強をもたらす歯車比で構成される。1実施形態では、ハンドルバーアセンブリも、トルク増強ユニットを介して操舵シャフトに接続される。ハンドルバーアセンブリおよびアクチュエータユニットは、並列に操舵シャフトに入力を提供することができる。
【0023】
1実施形態では、トルク増強ユニットは、駆動歯車に機能的に結合されて駆動歯車とともに回転するタンデム歯車を備える。1実施態様では、タンデム歯車と被動歯車は一体形成されて、トルク増強ユニットを小型のアセンブリにする。操舵角センサは、タンデム歯車に機能的に結合され、操舵角情報を提供するように構成される。
【0024】
1実施態様では、タンデム歯車は、トルク増強ユニット内に回転可能に支持されたセンサ歯車に結合される。センサ歯車は、操舵角センサと干渉して、操舵状態に関係する情報を提供することができる。
【0025】
1実施形態では、操舵角センサは、実質的に、トルク増強ユニットの上側表面に沿って延びる第1の平面とアクチュエータユニットの上側表面に沿って延びる第2の平面の間に配置される。したがって、不可欠な操舵角センサは、トルク変換ユニットとアクチュエータユニットの間にしっかりと収容される。
【0026】
1実施形態では、トルク増強ユニットは、実質的に、自動車両の横方向中心領域内に配置される。したがって、トルク増強ユニットおよびアクチュエータユニットは、自動車両の重量を追加することにはなるが、中心領域内にバランスよくコンパクトに配置され、それにより側方への重心の移動を解消する。これは、車両のバランス性および安定性にとって重要である。
【0027】
1実施形態では、フレームアセンブリの第1の部分は、ヘッドパイプとメインパイプの前部とによって形成される。本発明によるアクチュエータユニットは、自動車両の構成に関わらず、すなわちステップスルースペースおよびスイング型動力ユニットを備えるスクータ型車両であるか、ヘッドパイプの後方に燃料タンクが配置されたオートバイ型車両であるか、または三輪車両であるかに関わらず、フレームアセンブリ上にコンパクトに収容することができる。
【0028】
1実施形態では、アクチュエータユニットは、ヘッドパイプの後方向き部分に結合され、メインパイプは、後方下向きに延びている。このような構成では、ステップスルースペースなどのユーティリティスペースは損なわれない。アクチュエータユニットは、ヘッドパイプを越えてステップスルースペースから遠ざかるように延び、ヘッドパイプの上方に配置されたトルク変換ユニットに結合されるように配置される。トルク変換器は、ハンドルバーアセンブリとヘッドパイプの間にしっかりと収容される。
【0029】
1実施形態では、複数のセンサは、速さ/速度、ヨー、ロール、ピッチ角など、車両の様々な動的パラメータに関係する情報を提供するための速度センサ、全地球測位ユニット、操舵トルクセンサ、および慣性計測ユニットを含む。複数のセンサは、自動車両のフレームアセンブリによって支持されている。複数のセンサは、有線接続またはワイヤレス接続を含む任意の既知の手段によってバランス補助制御ユニットに通信可能に結合される。
【0030】
本発明によるバランス補助システムは、乗り手がサドル型車両のバランスを取るのを支援するための動作方法によって動作するように構成される。この方法は、以下のステップを含むが、これらのステップを記載する順序には限定されない。すなわち、複数のセンサ支持制御ユニットから情報を受信するステップ。バランス指示制御ユニットが複数のセンサから受信した情報に基づいて連続的に推定操舵角を計算するステップ。これに対応して、対応する推定操舵トルクを推定するステップ。計算した推定操舵角を、乗り手によって加えられた実際の操舵角と比較するステップ。所定の時間にわたる実際の操舵角の平均を推定し、第1の所定の値と比較するステップ。これは、車両の走行状態および乗り手の意図を決定するために行われる。さらに、実際の操舵角の推定平均(平均値)、および実際の操舵角と推定操舵角の間の瞬時差分のうちの少なくとも1つに基づいて、車両の走行状態を特定するステップ。バランスを取るアクチュエータ角およびバランスを取る補助トルクを計算し、バランスを取るように自動車両の操舵シャフトを駆動するために、トルク増強ユニットに結合されたアクチュエータユニットをトリガするステップ。
【0031】
1実施形態では、自動車両の操舵シャフトを駆動するためにバランス補助トルクを送達するためにトルク増強ユニットに結合されたアクチュエータユニットをトリガするステップを含む。
【0032】
1実施形態では、バランスアクチュエータ角を計算するステップは、(所定の期間にわたる)実際の操舵角と推定操舵角の間の差の平均を計算することと、推定操舵角に加算することとを含む。
【0033】
1実施形態では、推定操舵角に加算する前に、所定の期間にわたる実際の操舵角の間の差の前述の平均に操舵調整パラメータを乗算する。
【0034】
1実施形態では、車両の走行状態を特定するステップは、第1の所定の値と比較される実際の操舵角の平均、およびゼロと比較される実際の操舵角と推定操舵角の間の差のうちの1つから自動車両の走行状態を決定することを含む。第1の所定の値は、ゼロであることが好ましい。
【0035】
この方法は、主として推定操舵角を考慮し、推定操舵トルクおよび実際の操舵トルクを選択的に使用して、車両の走行状態を決定し、それによりアクチュエータユニットが適用すべき角度およびトルクを決定する。
【0036】
本発明は、従来の車両の設計でも実装することができるコンパクトなシステムを使用することによって、低安定性の問題に対処する。
【0037】
本発明は、自動車両のトレイルを維持する。本発明は、正のトレイルでもバランスを取ることを可能にし、これは、高速での安定性および操縦性のために望ましい。
【0038】
自動車両は、乗り手のゼロトルク要件に対応する直線走行状態でも操舵システムの角度位置の微妙な変動または変化によって一定レベルの変動を経験することがある。同様に、操舵システムの角度位置は、その期間の操縦のために変化することもある。したがって、これらの変動を感知し、アクチュエータユニットを精密に制御するために正確なデータを制御システムに提供するために、操舵角センサを使用可能にする。本発明の態様によれば、これは、自動車両の様々な動的パラメータに対応するアクチュエータユニット/操舵システムの角度位置を知る、または較正することによって実施される。
【0039】
1実施形態では、トルクセンサが操舵シャフト内に設けられ、アクチュエータモータが操舵システムに印加するトルクを測定し、乗り手が操舵システムに印加するトルクを推定するために使用される。
【0040】
本発明は、重要なバランスを取る機能をバランス補助システムが担うので、経験豊富な乗り手および初心者の乗り手に改善された走行体験を提供する。乗り手は、渋滞中など低速で移動している状態でも、快適に走行することができる。本発明について、添付の図面を参照してさらに説明する。この説明および図面は、単に本発明の原理を例示しているに過ぎないことに留意されたい。本明細書に明示的には記載または図示されていないが本発明の原理を包含する様々な構成が考案され得る。さらに、本発明の原理、態様および例、ならびにそれらの具体例について述べる全ての記述は、それらの均等物を包含することを意図している。
【0041】
バランス補助システムは、任意の2輪車両または3輪自動車両で実装され得る。ただし、限定されるわけではないが、説明のために、以下の実施形態では、バランス補助システム、ならびに対応する追加の利点および特徴について説明する。図面の右上隅に示す矢印は全て、自動車両を基準とした方向を表している。矢印Fは、前方向を表し、矢印Rは、後方向を表し、矢印UWは、上方向を表し、矢印DWは、下方向を表している。
【0042】
図1は、本発明の実施形態による例示的な自動車両100を示す左側面図である。自動車両100は、ヘッドパイプ106と、ヘッドパイプ106から後方下向きに延びるメインパイプ107と、メインパイプ107の後部から斜め後方に延びる1つまたは複数のリアパイプ110とを備えるフレームアセンブリ105(概略的に示す)を含む。図示の実施形態では、フレーム部材105は、ステップスルー部分151を画定する。1実施形態では、メインパイプは、ヘッドパイプ106から後方に延び、その後に下向きに延びて、動力ユニットを支持するメインパイプの下に空間を画定するように適用されることもある。前輪130および後輪133は、それぞれフロントサスペンションシステム131およびリアサスペンションシステム134によって回転可能に支持される。1実施形態では、後輪133は、さらにスイングアームによって支持されることもある。
【0043】
この実施形態では、動力ユニット135は、フレーム部材105に揺動可能に接続され、実質的に、ステップスルー部分151の後方でシートアセンブリ155の下方に配置される。動力ユニット135は、後輪133に力を伝達するトランスミッションシステム(図示せず)を含む。トランスミッションシステムは、連続可変トランスミッション、自動/手動トランスミッション、ベルト/チェーン駆動装置を含むことがある。1実施形態では、動力ユニット135は、内燃機関である。別の実施形態では、動力ユニット135は、電気原動機である。1つの別の実施態様では、動力ユニットは、自動車両100のフレームアセンブリ105に固定して取り付けられる。
【0044】
さらに、前輪130は、フレームアセンブリ105によって枢動可能に支持され、ハンドルバーアセンブリ150は、車両100を操縦および操舵するために前輪130に機能的に接続される。ハンドルバーアセンブリ150は、計器パネル、あるいはスロットル、クラッチ、または電気スイッチなどの車両制御装置を支持することがある。さらに、シートアセンブリ155は、フレームアセンブリ105によって支持され、乗り手は、シートアセンブリ155に座った姿勢で車両100を操作することができる。さらに、図示の実施形態では、車両100は、ハンドルバーアセンブリ150とシートアセンブリ155の間に形成されたステップスルー部分151を含む。
【0045】
車両100は、フレームアセンブリ105および/または車両100の一部を覆う、フレームアセンブリ105に取り付けられた複数のパネル170A、170B、170Cを備える。この複数のパネルは、フレームアセンブリ105のヘッドパイプ106をそれぞれ前方向および後方向に覆うフロントパネル170Aおよびレッグシールド170Bを含む。さらに、リアパネルアセンブリ170Cは、実質的にシートアセンブリ155の下方に配置される。リアパネルアセンブリ170Cは、シートアセンブリ155の下方に配置されたユーティリティボックス(図示せず)を実質的に覆い、また動力ユニット135の少なくとも一部分も覆う。自動車両100は、バランス補助システム200(
図2aに示す)を備え、これについては以下の説明で述べる。
【0046】
図2は、本発明の実施形態による自動車両のフレームアセンブリ105上に支持されたバランス補助システム200を示す概略側面図である。操舵シャフト213は、ヘッドパイプ106の周りに回転可能にジャーナル支持される。操舵シャフト213は、下側端部を備える。下側ブリッジ215は、操舵シャフト213の下側端部に接続される。下側ブリッジ215は、フロントサスペンションシステム131を支持するように構成される。フロントサスペンションシステム131は、前輪131を回転可能に支持する。操舵シャフト213は、操舵軸S-S’の周りで回転可能である。図示の実施形態では、自動車両100は、操舵軸S-S’が前輪130と路面との接点190より前方に延びているときには正のトレイルを有する。さらに、本発明は、例えば正のトレイルなどのトレイルを保持することを可能にし、自動車両の稼働中にトレイルの変更を必要としない。
【0047】
自動車両100のバランス補助システム200は、アクチュエータユニット205と、アクチュエータユニット205に機能的に接続されたトルク増強ユニット210とを備える。アクチュエータユニット205は、フレームアセンブリ105に固定して取り付けられる。1実施形態では、延長部材(図示せず)がフレームアセンブリ105に固定され、アクチュエータユニット205は、延長部材上に支持される。別の実施形態では、アクチュエータユニット205は、フレームアセンブリ105の第1の部分270にしっかりと取り付けられる。第1の部分270は、ヘッドパイプ106と、メインパイプの前部108とを備える部分である。図示の実施形態では、アクチュエータユニット205は、ヘッドパイプ106の後方向き側に固定される。実施形態によれば、操舵軸S-S’は、アクチュエータ軸A-A’と平行である。さらに、図示の例では、アクチュエータユニット205は、ヘッドパイプ106を超えて上下(UW-DW)方向に延びるように配置され、トルク増強ユニット210は、アクチュエータユニット205およびヘッドパイプ106の上方に配置される。トルク増強ユニット210は、アクチュエータユニットから操舵シャフト213に駆動力を提供するように構成される。したがって、本発明によれば、自動車両においてヘッドパイプ106の既存の構成が維持され、フレームアセンブリ105の前部(例えばヘッドパイプ部分)を変更する必要がない。トルク増強ユニット210およびアクチュエータユニット205は、実質的に、自動車両100の横方向中心領域に配置される。したがって、横方向中心領域に配置されたトルク増強ユニット210およびアクチュエータユニット205は、自動車両100の重心をいずれの側にも移動させることなく、自動車両100上にバランスの取れた状態で取り付けられる。また、トルク増強ユニットおよびアクチュエータユニットが前方に構成されることにより、より操舵軸に近い質量の中心化が可能になり、それにより操舵慣性の変化を最小限に抑え、車両のハンドリング安定性の向上を可能にする。
【0048】
1実施形態では、アクチュエータユニット205とともに、複数のセンサおよびバランス補助制御ユニット235が、フレームアセンブリ105に固定される。1実施形態では、複数のセンサの一部を構成する操舵角センサ250は、アクチュエータユニット205のアクチュエータユニットシャフト(図示せず)とトルク増強ユニット210の間に取り付けられる。1実施形態では、操舵角センサ250は、実質的に、第1の平面P1と第2の平面P2の間に配置される。第1の平面P1は、トルク増強ユニット210の上側表面に沿って延び、第2の平面P2は、アクチュエータユニット205の上側表面に沿って延びる。したがって、不可欠なセンサである操舵角センサ250は、トルク増強ユニット210の近傍で、2つの平面P1とP2の間にしっかりと配置され、それによりコンパクトで安定したレイアウトを実現する。1実施形態では、操舵角センサ250は、トルク増強ユニット210に機能的に結合される。操舵角センサ250は、操舵シャフト213、アクチュエータユニット205、およびハンドルバーアセンブリ150の機能を妨害せずに、自動車両上にコンパクトに収容される。操舵角センサ250は、操舵シャフト213の操舵角に関係するデータ/情報を提供するように構成される。複数のセンサのうちのトルクセンサ251は、操舵シャフト213内に取り付けられて、乗り手が操舵システムに加えたトルクを測定する。操舵シャフト213の上部は、接続手段216を介してハンドルバーアセンブリ150に機能的に接続される。図示の実施形態では、バランス補助制御ユニット235は、リアパイプ110によって支持される。バランス補助制御ユニット235は、アクチュエータユニット205の動作を活動化/非活動化または制御するために、アクチュエータユニット205に通信可能に結合される。バランス補助制御ユニット235は、複数のセンサから受け取る入力に基づいて、推定操舵トルクTを推定する。次いで、バランス補助トルクTBを決定し、バランス補助トルクTBに対応する入力でアクチュエータユニット205をトリガすることにより、乗り手が自動車両のバランスを取るのを支援する。この複数のセンサは、フレームアセンブリ105によって支持されたスピードセンサ(図示せず)、全地球測位システム(GPS)ユニット230、慣性計測ユニット240を含む。実施形態によれば、この複数のセンサ230、240は、車両の後方領域で、実質的にバランス補助制御ユニット235の近傍に配置されて、車両のコンパクトでしっかり固定されたレイアウトを可能にする。この複数のセンサは、自動車両100の様々な動的動作状態を提供するために、バランス補助制御ユニット235に通信可能に結合される。ハンドルバーアセンブリ150およびアクチュエータユニット205は、並列に操舵シャフト213に入力を提供して自動車両100を操縦することができる。
【0049】
バランス補助システム200は、自動車両100の所定の状態で活動化される。例えば、乗り手が低速で(例えば1実施形態によれば時速5キロメートル未満の速さで)自動車両100を操作しているときに、バランス補助システム200が活動化される。このような低い速さで自動車両100のバランスを取るためには、乗り手は、通常は、操舵システムのハンドルバーアセンブリ150を操作することによって、バランス入力を自動車両100に与える。ただし、乗り手によって与えられる入力は、十分でないこともある、あるいは正しい方向でない、または必要な速度でないこともある。バランス補助システム200は、活動化されると、バランストルクの一部または全てを操舵シャフト213に印加する。操舵シャフト213は、ハンドルバーアセンブリ150およびアクチュエータユニット205から入力を受ける。バランス支援に加えて、アクチュエータユニット205は、操舵/トルク支援も提供する。バランス補助制御ユニット235は、慣性計測ユニット240、スピードセンサ(図示せず)、全地球測位システムユニット230などを含む複数のセンサのうちの1つまたは複数のセンサからのデータを用いて、印加すべきトルクを推定するように構成される。バランス補助システム200は、主として操舵角センサ250からのデータを使用し、追加の実施形態によれば、トルクセンサ251からのデータを考慮することもある。
【0050】
低速で自動車両100のバランスを取るためには乗り手は能動的に操舵入力を制御しなければならないので、アクチュエータユニット205からのバランストルクは、安定性を向上させ、走行体験を改善する。小型のモータを、アクチュエータユニット205として働くように構成することができる。自動車両100のバランスを取るために必要な追加のトルクを提供するためには、アクチュエータユニット205から出力されるトルクを、トルク増強ユニットの所望の歯車比で増大させる。したがって、高いトルクを備えた大きなアクチュエータユニットは必要ない。さらに、アクチュエータユニット205を動作させるのに小さな容量で十分であるので、大容量のバッテリパワーが回避される。小容量バッテリは、レイアウトを変更する必要なく、自動車両内にコンパクトに収容することができる。本発明は、コンパクトな構成によってさらなる重量の利点を提供し、自動車両の従来の設計言語を維持すること、および小型のモータを1つしか使用しないことによってコストの利点を提供する。さらに、1実施態様では、バランス補助システム200(ヘッドパイプ106の付近に配置される構成要素)は、実質的にフロントカバー170Aおよびレッグシールド170Bによって囲まれる。
【0051】
図2bは、本発明の実施形態によるトルク増強ユニット210を示す上面図である。
図2cは、
図2bに示す本発明の実施形態によるトルク増強ユニット210を示す展開斜視図である。トルク増強ユニット210は、第1のケーシング211および第2のケーシング212で構成される筐体を備える。第1のケーシング211および第2のケーシング212は、複数の歯車を囲んでいる。駆動歯車255は、回転可能に支持されている駆動シャフト245上に支持される。アクチュエータユニット205は、駆動歯車255/駆動シャフト245に結合される。駆動歯車255は、被動歯車260と対合し、被動歯車260は、被動シャフト246上に支持される。被動歯車260は、操舵シャフト213に結合される。1実施態様では、被動シャフト246の1つの端部は、操舵シャフト213に結合され、被動シャフト246の他方の端部は、ハンドルバーアセンブリ150に結合される。駆動歯車255と被動歯車260の間の歯車比は、操舵シャフト213にアクチュエータユニットトルクを提供するように設定される。駆動歯車255および被動歯車260は、互いに平行な回転軸を有する。このように、トルク増強ユニットは、駆動歯車255および被動歯車260を備える。駆動歯車255は、アクチュエータユニット205に機能的に結合(対合)され、被動歯車260は、操舵シャフト213に機能的に結合(対合)される。駆動歯車255および被動歯車260は、操舵シャフト213を駆動するためのトルク増強を提供する歯車比を備えるように構成される。好ましい実施形態では、駆動歯車255は、被動歯車260と比較して小さい(被動歯車260より歯の数が少ない)。
【0052】
さらに、駆動歯車255は、タンデム歯車257を備える。1実施形態では、駆動歯車255およびタンデム歯車257は、同じ駆動シャフト245に取り付けられる。タンデム歯車257は、センサ歯車265と対合し、センサ歯車265は、操舵角センサおよび/または操舵トルクセンサと機能的に噛み合って、アクチュエータユニット205および操舵シャフト213のうちの少なくとも1つの操舵角情報を提供するように構成される。センサ歯車265は、センサシャフト247上に回転可能に支持される。1実施形態では、操舵角センサ250は、センサ歯車265を介してタンデム歯車257に機能的に結合され、操舵角情報を提供するように構成される。シャフト245、246、247は、複数の軸受271、272、273、274、275、276を介してトルク増強機210内に回転可能に支持される。1実施形態では、第1のケーシング211および第2のケーシング212は、軸受271、272、273、274、275、276を支持するためのスロットC1、C2、C3を備える。トルク増強ユニット210は、上下(UW-DW)方向に小さな幅を有し、操舵軸方向にコンパクトな高さを有する。
図2aの側面図に示すように実質的に小さい歯車、軸受、およびケーシングの幅が実質的に必要である。
【0053】
1実施形態では、バランス補助制御ユニット235は、慣性計測ユニット(IMU)240、全地球測位センサ230またはスピードセンサ(図示せず)、操舵角センサ250からの入力を受け取り、追加の実施形態によれば、操舵トルクセンサ251から受け取る入力を考慮することもある。操舵トルクセンサ251は、乗り手がハンドルバー217を通して自動車両を操舵するための力を加える際の力またはトルクに関するデータをバランス補助制御ユニット235に提供する。操舵角センサ250は、ハンドルバーアセンブリ150の回転角に類似した操舵シャフト213の回転角に関するデータを、バランス補助制御ユニット235に提供する。慣性計測ユニット240は、ロール、ヨー、およびピッチ角、ならびに対応する変化率を測定する。全地球測位センサ230またはスピードセンサは、自動車両の速さに対応するデータを提供し、また自動車両100の瞬時位置に関する信号も提供する。バランス補助制御ユニット235は、これらのセンサのうちの1つまたは複数からデータを受け取ると、アクチュエータユニット205に提供する入力を計算する。これに応じて、アクチュエータユニット205のアクチュエータユニットシャフト(図示せず)が回転し、それにより、駆動歯車255が被動歯車260を回転させる。操舵シャフト213と係合している被動歯車は、必要なトルクおよび回転角を操舵シャフト213に提供し、それにより車両の安定性およびバランスを実現する。
【0054】
自動車両の様々な動的パラメータに関する情報/データを提供する前述のセンサによって生成される信号に基づいて、バランス補助制御ユニット235は、自動車両100のバランスを取るために必要な推定操舵トルクTを継続的に計算する。1実施形態では、操舵角センサ250からのデータと、参照操舵状態とで、推定操舵トルクTを推定するのに十分である(他の操舵に関係ないデータを考慮することもある)。推定操舵トルクTは、操舵角、ロール角、およびロール率を考慮することにより、任意の既知の数学的モデルまたは既定のバランス表によって推定される。
【0055】
図3は、本発明の実施形態によるバランス補助制御ユニット235を備えるバランス補助システム200の機能方法を流れ
図300の形態で示す図である。ステップ301で、バランス補助制御ユニット235は、GPSユニット230または車両スピードセンサからデータを受信し、車両の速さ/速度Vを計算する。ステップ302で、バランス補助制御ユニット235は、IMU240からデータを受信し、ロール角(φ)を計算する。ステップ303で、バランス補助制御ユニット235は、自動車両のロール率(φ)を推定する。ステップ304で、バランス補助制御ユニット235は、バランス補助マップまたは既定の数式に基づいて、センサからの1つまたは複数の動的パラメータから推定操舵角A
Sを計算する。ステップ305で、バランス補助制御ユニット235は、バランス補助システム200を介して、制御されたトルク/推定操舵トルクTを印加して、トルク増強ユニット210の減速比に基づいて操舵システムの推定操舵角(目標)A
Sを実現する。
【0056】
ステップ306で、バランス補助制御ユニット235は、推定操舵角ASおよび/または推定操舵トルクTを、それぞれ実際の操舵角AS’および実際の操舵トルクT’と比較する。実際の操舵角AS’は、乗り手からの入力である。推定操舵角ASが乗り手によって実現されない場合には、バランス補助制御ユニット235は、アクチュエータユニット205を作動して、バランスを取るための所望の角度およびトルクを実現する。バランス補助制御ユニット235は、乗り手によって実行されている実際の操舵角AS’が、バランス補助制御ユニット235によって推定された推定操舵角ASに等しいかどうかを比較して確認する。乗り手が必要な方向に操舵を実行している場合には、アクチュエータユニット205は、その操舵操作を補助する。1実施形態では、バランス補助制御ユニット235は、電流値から操舵情報を受け取り、アクチュエータユニット205は、電流を変化させることによって制御される。
【0057】
例えば、自動車両100の様々な動的パラメータ、すなわち速度、ロール角、ロール率などに応じて、操舵システムは、バランスを取るために、操舵軸S-S’に沿って上から見て左に向かって、または反時計回りの方向に12度回転される。バランス補助システム200は、実際の操舵角AS’および推定操舵角ASを確認する。例えば、乗り手は、6度しか回転させていないものとする。バランス操舵角はまだ達成されていない。バランス補助制御ユニット235は、アクチュエータユニット205を作動して、操舵システムをさらに6度回転させて、自動車両100のバランスを取る。
【0058】
バランス補助制御ユニット235は、通常は、推定操舵角ASを実際の操舵角AS’と比較する、または推定操舵トルクTを実際の操舵トルクT’と比較するステップ306の後に、少なくとも3つの異なる走行シナリオに出会う。乗り手が操縦しておらず、自動車両100が直線走行状態である第1の状態では、推定操舵角ASは、約ゼロ(例えば所定の期間[t-nからt秒]にわたる平均を考慮する)であり、実際の操舵トルクT’と推定操舵トルクTの間の差も、約ゼロである。換言すれば、推定操舵角ASが、所定の期間にわたって考慮され、1実施態様では0である第1の所定の値と比較される。したがって、ステップ307で、バランス補助制御ユニット235は、直線走行状態と特定する。ステップ308で、バランス補助制御ユニット235は、乗数、すなわちトルク調整パラメータAを使用してバランス補助トルクTBおよびバランス操舵角AB(アクチュエータ角/モータ角とも呼ばれる)に到達し、ステップ313で自動車両100のバランスを実現する。
【0059】
例えば交通の混雑した状態の間、または乗り手が急に穴または路上の障害を回避しようとしたときなど、乗り手が一時的に車両を操縦する第2の状態では、ステップ309で、その瞬間の実際の操舵トルクT’は、バランス補助制御ユニット235によって計算された推定操舵トルクTと同じにはならない。したがって、この一時的な動きの性質上、所定の期間(t-nからt秒)にわたる実際の操舵値AS’の平均値はゼロにならない。実際の操舵角AS’と推定操舵角ASの間の差は、ゼロではない。同様に、実際の操舵トルクT’と推定操舵トルクTの間の差は、ゼロではない、すなわち、差(T’-T)≠0である。
【0060】
この状態では、ステップ310で、バランス補助制御ユニット325は、所定の期間にわたる実際の操舵角AS’と推定操舵角ASの間の差の平均を考慮する。この値は、乗り手が必要な方向に操舵している場合には負になり、乗り手が反対方向に操舵している場合には正になる。この差の平均に、角度調整パラメータBが乗算され、次いで、推定操舵角ASに加算される。したがって、この和、すなわちバランス操舵角AB=(AS(t)+B(平均[AS’(t-n、t)-AS(t)])が、アクチュエータユニット205に適用され、アクチュエータユニットをトリガして、バランス補助トルクTB(トルク調整パラメータB’およびTの値の乗算。ここで、B’は、トルク調整パラメータ)を印加させる。
【0061】
調整パラメータBおよびB’の値は、ロール角およびロール率の瞬時値によって決まり、走行状態に応じて0から1の間で変化する。例えば、バランス補助システム200の支援により一定距離を安定して走行した後、車線変更中に、または穴を回避するために、乗り手が一時的に操縦すると、選ばれるB’の値がゼロ付近に低下し、乗り手が操縦のために必要なトルクを適用することができるようになる。このトルク調整パラメータB’の値のゼロ付近への低下は、徐々に行われるので、乗り手は追加のトルクの印加による突然の不快感を経験しない。ただし、この一時的な操縦の後で、乗り手が真っ直ぐに走行し続けると、B’の値が次第に増加して1に近くなる。したがって、直線走行状態で支援を提供する状態から一時的な操縦中に必要な支援を提供する状態へ、そこからまた直線走行中に支援する状態へと、滑らかな移行が行われる。トルク調整パラメータB’を含むことにより、車両がバランスを失わないことを保証しながら、乗り手が車両を制御できることを保証する。乗り手支援システムが車両の操舵を完全に支配している場合には、乗り手がオーバーステアリングしがちになる、または追加の不要なトルクを印加しがちになる可能性があるので、車両のバランスを取るために車両が依然として乗り手支援システムによって支援されているときでも、自分が車両を制御しているのだと乗り手に感じさせることは重要である。
【0062】
乗り手が安定してコーナリングしている別の状態では、ステップ311で、所定の期間にわたる実際の操舵角AS’の平均は、ゼロに等しくない。バランス補助制御ユニット235は、車両のロール角に基づいて推定支援トルクTを決定するので、実際の操舵トルクT’は、推定操舵トルクTに等しくない。この動きの性質上、所定の期間(t-nからt秒)にわたる実際の操舵値AS’の平均値は、ゼロにならない。実際の操舵角AS’と推定操舵角ASの間の差は、ゼロではない。同様に、実際の操舵トルクT’と推定操舵トルクTの間の差は、安定したコーナリングにより、ゼロではないことがある、すなわち、差(T’-T)≒0であることがある。
【0063】
この状態では、ステップ312で、バランス補助制御ユニット235は、所定の期間にわたる実際の操舵角AS’と推定操舵角ASの間の差の平均、すなわち(平均(AS’(t-n、t)、AS(t))を考慮する。この値は、乗り手が必要な方向に操舵している場合には負になり、乗り手が反対方向に操舵している場合には正になる。この計算した差の平均に、角度調整パラメータCが乗算され、次いで、推定操舵角ASに加算される。したがって、この和、すなわち(AS(t)+C(平均[AS’(t-n、t)-AS(t)])が、アクチュエータユニット205に適用され、それによりアクチュエータユニット205をトリガして、バランス操舵角ABおよびバランス補助トルクTB(C’およびTの値の乗算。ここで、C’は、トルク調整パラメータ)を印加させる。バランス補助制御ユニット235は、アクチュエータユニット205をトリガして、バランス補助トルクTB(トルク調整因子C’にTを乗算した値)およびアクチュエータ角/モータ角を適用させる。バランス補助制御ユニット235は、車両が安定したコーナリングを行っているときに推定支援トルクに適用する必要がある補正係数または調整パラメータとしてC’を選択するように構成される。CおよびC’の値は、0から1の間で変化する。例えば、C’の値は、乗り手が自分の適用するトルクを意識するように、乗り手がコーナリングを開始したときにはゼロになるように選ばれる。C’の値は、最終的な支援トルクが推定支援操舵トルクTに等しくなるように、乗り手がコーナリングを継続すると着実に増加して1に近くなる。したがって、この3つの状態のいずれでも、自動車両100は、ステップ313で、バランス補助システム200によってバランスがとられる。さらに、バランス補助システム200は、ループを戻って、自動車両100の動的パラメータを再度確認する。したがって、このシステムは、自動車両の動的パラメータを継続的に確認し、バランスを提供する。自動車両100のバランスが取れると、バランス補助システム200は、乗り手が所望の操舵操作を実行することを可能にし、自動車両100の動的パラメータを瞬時に確認して、安定性を確認する。
【0064】
本明細書では、請求される主題の特定の特徴について例示して説明したが、当業者なら、多数の修正、置換、変更、および均等物を思いつくであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、請求される発明の真の趣旨に含まれるこのような修正および変更の全てをカバーするものと意図されている。
【符号の説明】
【0065】
100 車両
105 フレームアセンブリ
106 ヘッドパイプ
107 メインパイプ
108 前部
110 リアフレーム
130 前輪
131 フロントサスペンションシステム
133 後輪
134 リアサスペンションシステム
150 ハンドルバーアセンブリ
151 ステップスルー部分
155 シートアセンブリ
170A フロントパネル
170B レッグシールド
170C リアパネルアセンブリ
190 接点
200 バランス補助システム
205 アクチュエータユニット
210 トルク増強ユニット
211 第1のケーシング
212 第2のケーシング
213 操舵シャフト
215 下側ブリッジ
216 接続管
230 全地球測位ユニット
235 バランス補助制御ユニット
240 慣性監視ユニット
245 駆動シャフト
246 被動シャフト
247 センサシャフト
250 操舵角センサ
251 トルクセンサ
255 駆動歯車
257 タンデム歯車
260 被動歯車
265 センサ歯車
270 第1の部分(フレームアセンブリ)
271、272、273、274、275、276 軸受
A’/B’/C’ トルク調整パラメータ
B/C 角度調整パラメータ
A-A’ アクチュエータ軸
AS 推定操舵角
AS’実際の操舵角
AB バランス操舵角
C1、C2、C3 スロット
P1 第1の平面
P2 第2の平面
S-S’ 操舵軸
T 推定バランストルク
T’ 実際の操舵トルク
TB バランス補助トルク
v 速度
Φ ロール角/ロール率
【国際調査報告】