IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ チョーチアン ディユアン メディカル インストゥルメント カンパニー,リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】血液ポンプ
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/174 20210101AFI20230802BHJP
   A61M 60/237 20210101ALI20230802BHJP
   A61M 60/416 20210101ALI20230802BHJP
   A61M 60/806 20210101ALI20230802BHJP
【FI】
A61M60/174
A61M60/237
A61M60/416
A61M60/806
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022560319
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-09-30
(86)【国際出願番号】 CN2021140543
(87)【国際公開番号】W WO2022262242
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202110661223.2
(32)【優先日】2021-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522387722
【氏名又は名称】チョーチアン ディユアン メディカル インストゥルメント カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,チー
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ボー
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シンリー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,ルンジエ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077BB10
4C077CC03
4C077DD10
4C077EE01
4C077KK06
(57)【要約】
本願の実施例は、収容キャビティを有するハウジングと、ハウジングの一端に配置される出口と、少なく一部が回転可能に収容キャビティ内に配置され、前記収容キャビティ内の血液を前記出口から流出させるように押し出すために使用されるインペラと、インペラと接続する駆動軸と、駆動軸が回転可能に配置される本体とを備え、駆動軸を介してインペラを回転駆動するために使用される駆動装置と、インペラ及び/又は駆動装置に配置され、前記収容キャビティの外部に位置すると共にインペラと本体との間に形成される空間である第1空間内の血液を流動させるために使用される補助構造とを備える血液ポンプを開示している。本願の実施例における血液ポンプは、補助構造により、第1空間内の血液を流動させて第1空間内の血液の流速を増加させることができ、血液が第1空間内に凝固するリスクを低下させ、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液ポンプであって、
収容キャビティを有するハウジングと、
前記ハウジングの一端に配置される出口と、
少なく一部が前記収容キャビティ内に回転可能に配置され、前記収容キャビティ内の血液を前記出口から流出させるように押し出すためのインペラと、
前記インペラと接続する駆動軸と、前記駆動軸が回転可能に配置される本体とを備え、前記駆動軸を介して前記インペラを回転駆動するための駆動装置と、
前記インペラ及び/又は前記駆動装置に配置され、前記収容キャビティの外部に位置すると共に前記インペラと前記本体との間に形成される空間である第1空間内の血液を流動させるための補助構造と、を備える、前記血液ポンプ。
【請求項2】
前記インペラは、
前記収容キャビティの外部に位置し、前記ハウジングの第1端と共に前記出口を形成するベース部を備え、
前記補助構造は、
前記ベース部に配置され、それぞれ前記収容キャビティと前記第1空間とに連通し、前記収容キャビティ内の血液と前記第1空間内の血液との導通をするためのダイバージョン流路を備える、
請求項1に記載の血液ポンプ。
【請求項3】
前記ダイバージョン流路の断面形状は、円形又は線形であって、及び/又は、
前記補助構造は、少なくとも2つの環状又は放射状に配列するダイバージョン流路を備える、
請求項2に記載の血液ポンプ。
【請求項4】
前記ダイバージョン流路は、傾斜するように配置され、前記ダイバージョン流路の第1ポートと前記出口との間に第1軸線が形成され、前記第1軸線は、前記ダイバージョン流路の軸線と平行し、ここで、前記ダイバージョン流路の第1ポートは、前記ダイバージョン流路の前記収容キャビティに位置する側のポートである、
請求項2に記載の血液ポンプ。
【請求項5】
前記ダイバージョン流路は、前記ベース部の外面と前記ベース部の内面を連通し、前記ベース部の外面は、前記本体に向かう表面であり、前記ベース部の内面は、前記収容キャビティに向かう表面である、
請求項2に記載の血液ポンプ。
【請求項6】
前記ダイバージョン流路は、前記ベース部と前記駆動軸との接続箇所に接近し、前記ダイバージョン流路の穴径は、第2所定値より小さい、
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の血液ポンプ。
【請求項7】
前記補助構造は、
前記第1空間に回転可能に配置され、前記第1空間内の血液が流れるように押し出すための攪拌機構、を備える、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の血液ポンプ。
【請求項8】
前記攪拌機構は、前記インペラ及び/又は駆動軸に配置される突起構造を備え、及び/又は、
前記攪拌機構は、前記インペラ及び/又は駆動軸に配置される凹み構造を備える、
請求項7に記載の血液ポンプ。
【請求項9】
前記攪拌機構は、
前記第1空間に回転可能に配置される補助インペラ、を備える、
請求項7に記載の血液ポンプ。
【請求項10】
前記攪拌機構と前記インペラの外面との間に第1隙間が形成され、前記インペラの外面は、前記本体に向かう表面である、
請求項7に記載の血液ポンプ。
【請求項11】
前記攪拌機構は、
前記インペラの外面に配置され、螺旋板状であって、前記第1空間内の血液に軸方向の流速を与えるための少なくとも2つの突起部、を備える、
請求項7に記載の血液ポンプ。
【請求項12】
前記突起部の根元部は、前記駆動軸に接触又は接続し、前記突起部の端部は、インペラのエッジと面一になる、
請求項11に記載の血液ポンプ。
【請求項13】
前記インペラは、
前記収容キャビティの外部に位置し、前記ハウジングの第1端と共に前記出口を形成するベース部、を備え、
前記補助構造は、
前記ベース部の外面に配置され、断面積が前記出口の側から離れるに伴って小さくなり、前記第1空間内の血液を前記第1ガイド部の表面に沿って前記出口へ流動させるための第1ガイド部、を備える、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の血液ポンプ。
【請求項14】
前記ベース部と前記本体との間の幅さは、前記ベース部の中間部から前記インペラのエッジまで徐々に大きくなる、
請求項13に記載の血液ポンプ。
【請求項15】
前記第1ガイド部は、円錐台状である、
請求項13に記載の血液ポンプ。
【請求項16】
前記補助構造は、
前記本体の第1端に配置され、断面積が前記出口の側から離れるに伴って大きくなり、前記第1空間内の血液を前記第2ガイド部の表面を通して前記本体の表面に沿って流動させるための第2ガイド部、を備える、
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の血液ポンプ。
【請求項17】
前記インペラは、前記収容キャビティ内の血液を前記血液ポンプの第1端から前記血液ポンプの第2端へ流動させ、前記補助構造は、前記第1空間内の血液を前記血液ポンプの第2端から前記血液ポンプの第1端へ流動させる、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の血液ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願番号が202110661223.2、2021年06月15日の中国特許出願に基づいて提出され、該中国特許出願の優先権を主張し、該中国特許出願の全ての内容が引用により本願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
血液ポンプは、一般的に手術中の医療対象の血液の正常な流通を促進するために使用され、例えば、血液ポンプの動作を介して心臓の心室内の血液を医療対象の動脈に送り込んで、それによって医療対象の正常な血液の循環を保証して、医療対象に心臓関連の手術を行う時に、医療対象の血液を正常に流通させることができる。
【0003】
現在、血液ポンプは、主には軸流ポンプであって、駆動装置を介してインペラを回転させることにより、所定の流量と圧力が供給されている。関連技術において、血液ポンプが血栓塞栓症や卒中といった問題を起こすリスクが高く、血液ポンプの使用の安全性が低い。
【発明の概要】
【0004】
これに鑑みて、本願の実施例は、血液ポンプを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の実施例によって血液ポンプを提供し、前記血液ポンプは、
収容キャビティを有するハウジングと、
前記ハウジングの一端に配置される出口と、
少なく一部が前記収容キャビティ内に回転可能に配置され、前記収容キャビティ内の血液を前記出口から流出させるように押し出すためのインペラと、
前記インペラと接続する駆動軸と、前記駆動軸が回転可能に配置される本体とを備え、前記駆動軸を介して前記インペラを回転駆動するための駆動装置と、
前記インペラ及び/又は前記駆動装置に配置され、前記収容キャビティの外部に位置すると共に前記インペラと前記本体との間に形成される空間である第1空間内の血液を流動させるための補助構造と、を備える。
【0006】
一部のオプションの実施例では、前記インペラは、
前記収容キャビティの外部に位置し、前記ハウジングの第1端と共に前記出口を形成するベース部を備え、
前記補助構造は、
前記ベース部に配置され、それぞれ前記収容キャビティと前記第1空間とに連通し、前記収容キャビティ内の血液と前記第1空間内の血液との導通をするためのダイバージョン流路を備える。
【0007】
一部のオプションの実施例では、前記ダイバージョン流路の断面形状は、円形又は線形であって、及び/又は、
前記補助構造は、少なくとも2つの環状又は放射状に配列するダイバージョン流路を備える。
【0008】
一部のオプションの実施例では、前記ダイバージョン流路は、傾斜するように配置され、前記ダイバージョン流路の第1ポートと前記出口との間に第1軸線が形成され、前記第1軸線は、前記ダイバージョン流路の軸線と平行し、ここで、前記ダイバージョン流路の第1ポートは、前記ダイバージョン流路の前記収容キャビティに位置する側のポートである。
【0009】
一部のオプションの実施例では、前記ダイバージョン流路は、前記ベース部の外面と前記ベース部の内面を連通し、前記ベース部の外面は、前記本体に向かう表面であり、前記ベース部の内面は、前記収容キャビティに向かう表面である。
【0010】
一部のオプションの実施例では、前記ダイバージョン流路は、前記ベース部と前記駆動軸との接続箇所に接近し、前記ダイバージョン流路の穴径は、第2所定値より小さい。
【0011】
一部のオプションの実施例では、前記補助構造は、
前記第1空間に回転可能に配置され、前記第1空間内の血液が流れるように押し出すための攪拌機構、を備える。
【0012】
一部のオプションの実施例では、前記攪拌機構は、前記インペラ及び/又は駆動軸に配置される突起構造を備え、及び/又は、
前記攪拌機構は、前記インペラ及び/又は駆動軸に配置される凹み構造を備える。
【0013】
一部のオプションの実施例では、前記攪拌機構は、
前記第1空間に回転可能に配置される補助インペラ、を備える。
【0014】
一部のオプションの実施例では、前記攪拌機構は、前記インペラの外面と接触し、又は、前記インペラの外面との間に第1隙間を形成し、前記インペラの外面は、前記本体に向かう表面である。
【0015】
一部のオプションの実施例では、前記攪拌機構は、
前記インペラの外面に配置され、螺旋板状であって、前記第1空間内の血液に軸方向の流速を与えるための少なくとも2つの突起部、を備える。
【0016】
一部のオプションの実施例では、前記突起部の根元部は、前記駆動軸に接触又は接続し、前記突起部の端部は、インペラのエッジと面一になる。
【0017】
一部のオプションの実施例では、前記インペラは、
前記収容キャビティの外部に位置し、前記ハウジングの第1端と共に前記出口を形成するベース部、を備え、
前記補助構造は、
前記ベース部の外面に配置され、断面積が前記出口側から離れるに伴って小さくなり、前記第1空間内の血液を前記第1ガイド部の表面に沿って前記出口へ流動させるための第1ガイド部、を備える。
【0018】
一部のオプションの実施例では、前記ベース部と前記本体との間の幅さは、前記ベース部の中間部から前記インペラのエッジまで徐々に大きくなる。
【0019】
一部のオプションの実施例では、前記第1ガイド部は、円錐台状である。
【0020】
一部のオプションの実施例では、前記補助構造は、
前記本体の第1端に配置され、断面積が前記出口側から離れるに伴って大きくなり、前記第1空間内の血液を前記第2ガイド部の表面を通して前記本体の表面に沿って流動させるための第2ガイド部、を備える。
【0021】
一部のオプションの実施例では、前記インペラは、前記収容キャビティ内の血液を前記血液ポンプの第1端から前記血液ポンプの第2端へ流動させ、前記補助構造は、前記第1空間内の血液を前記血液ポンプの第2端から前記血液ポンプの第1端へ流動させる。
【0022】
本願の実施例における前記血液ポンプは、収容キャビティを有するハウジングと、前記ハウジングの一端側に配置される出口と、少なく一部が前記収容キャビティ内に回転可能に配置され、前記収容キャビティ内の血液を前記出口から流出させるように押し出すためのインペラと、前記インペラに接続する駆動軸と、前記駆動軸が回転可能に配置される本体とを備え、前記駆動軸を介して前記インペラを回転駆動するための駆動装置と、前記インペラ及び/又は前記駆動装置に配置され、前記収容キャビティの外部に位置すると共に前記インペラと前記本体との間に形成される空間である第1空間内の血液を流動させるための補助構造と、を備え、補助構造により、第1空間内の血液を流動させて第1空間内の血液の流速を増加させることができ、血液が第1空間内に凝固するリスクを低下させて血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来の血液ポンプのオプションの構造概略図である。
図2】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の構造概略図である。
図3】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図4】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図5】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図6】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図7】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図8】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図9】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図10】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図11】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の構造概略図である。
図12】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図13】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図14】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図15】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図16】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図17】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図18】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図19】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図20】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の構造概略図である。
図21】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図22】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図23】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図24】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図25】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図26】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図27】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図28】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図29】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図30】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図31】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図32】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図33】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図34】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図35】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
図36】本願の実施例によって提供される血液ポンプのオプションの実施例の部分構造概略図である。
【符号の説明】
【0024】
101:出口、102:入口、103:第1空間、110:ハウジング、112:開口、120:インペラ、121:接続部、122:ブレード、123:ベース部、124:ダイバージョン流路、125:第1ガイド部、131:駆動軸、132:本体、1321:第2ガイド部、1322:柱状部、140:攪拌機構。
【発明を実施するための形態】
【0025】
具体的な実施例で説明された各実施例における具体的な各技術特徴は、矛盾しない限り、様々な組み合わせを行うことができ、例えば、異なる具体的な技術特徴の組み合わせによって、異なる実施例を形成でき、不要な重複を避けるために、本願における具体的な各技術特徴の様々な可能な組み合わせ形態を改めて説明しない。
【0026】
本願の実施例の記載において、なお、特に説明や限定がない限り、「接続」という用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、電気的に接続、又は、2つの部品の内部の連通であってもよく、直接的に接続、又は中間媒介を介して間接的に接続であってもよく、当業者に対して、具体的な状況によって上記した用語の具体的な意味を理解することができる。
【0027】
なお、本願の実施例に係る「第1/第2/第3」という用語は、類似した対象を区別するためのものだけであり、対象に対する特定の順序を表すものではなく、「第1/第2/第3」は、許可される場合に特定の順序又は前後の順番が交換できることが理解可能である。「第1/第2/第3」により区別した対象は、ここで説明される本出願の実施例がここで図示又は記載されたもの以外の順序で実施されることができるように、適当な場合で互いに交換できることが理解可能である。
【0028】
血液ポンプは、ハウジング110と、出口101と、インペラ120と、駆動装置と、補助構造と、を備える。ハウジング110は、収容キャビティを有し、出口101は、ハウジング110の一端に配置され、インペラ120は、少なくとも一部が前記収容キャビティ内に回転可能に配置され、インペラ120は、前記収容キャビティ内の血液を前記出口101から流出させるように押し出すために使用され、駆動装置は、本体132と、駆動軸131と、を備え、前記駆動軸131は、前記本体132に回転可能に配置され、前記駆動軸131は、前記インペラ120と接続し、前記駆動装置は、前記駆動軸131を介して前記インペラ120を回転駆動するために使用され、補助構造は、前記インペラ120及び/又は駆動装置に配置され、補助構造は、第1空間103内の血液を流動させるために使用され、前記第1空間103は、前記インペラ120と前記本体132との間に形成された空間であって、前記第1空間103は、前記収容キャビティの外部に位置し、前記駆動軸131が、前記インペラ120を回転駆動する場合、前記インペラ120は、血液を前記出口101から流出させるように押し出し、前記補助構造は、第1空間103内の血液を流動させる。また、補助構造により、第1空間103内の血液を流動させて第1空間103内の血液の流速を増加させることができ、それによって、血液が第1空間103内で凝固するリスクを低下させ、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0029】
本願の実施例では、血液ポンプは、介入式血液ポンプであり、作動中において、血液ポンプは、一般的に生命体の内部に配置され、血液が収容キャビティの内外を流れ、血液ポンプは、出口から収容キャビティの外部まで流れる血液が所定の圧力を持つために使用され、第1空間103は、収容キャビティの外部に位置し、かつ第1空間103は、生命体の内部に位置し、ここでの血液の流速は低いので、凝血を起こしやすく生命体の安全を影響する。
【0030】
本願の実施例では、図1に示すように、補助構造がないとすれば、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、第1空間103内の血液の流速が低く、血液ポンプが長時間動作する時に、駆動軸131で凝血を起こしやすく、血液の流動の状態を変えて血液ポンプの正常な動作を阻害し、血液ポンプの流量を低下させ、凝血による血栓の体積が大きい時に、血液ポンプが更に機能しなくなり、血栓塞栓症や卒中等の問題を起こし、患者の生命の安全に影響を及ぼす。
【0031】
本願の実施例では、ハウジング110は、血液が内部を流れることができる収容キャビティを有するものであれば、ハウジング110の構造は限定されない。例えば、ハウジング110は、円筒状の構造である。
【0032】
ここで、収容キャビティの形状は限定されない。例えば、収容キャビティは、柱状構造であってもよい。
【0033】
ここで、ハウジング110は、開口112を有してもよく、開口112は、インペラ120の少なくとも一部が開口112を介して回転可能に前記収容キャビティの内部に配置されるように、収容キャビティと連通する。
【0034】
ここで、ハウジング110は、更に入口102を有してもよく、入口102は、血液が入口102から収容キャビティ内に入ることができるように、収容キャビティと連通する。
【0035】
本願の実施例では、出口101は、ハウジング110の一端に配置され、出口101は、ハウジング110に配置されてもよく、ハウジング110の外部に配置されてもよい。例えば、図2に示すように、前記インペラ120は、前記収容キャビティの外部に位置するベース部123を備えてもよく、ベース部123は、前記ハウジング110の第1端と共に前記出口101を形成する。ここで、ベース部123の構造は限定されない。例えば、ベース部123は、収容キャビティ内の血液へガイド作用を提供することができるように、円錐台状構造であってもよい。
【0036】
本願の実施例では、インペラ120が回転を介して前記収容キャビティ内の血液が前記出口101から流出されるように押し出すことができるものであれば、インペラ120の構造は限定されない。
【0037】
例えば、図3に示すように、インペラ120は、接続部121と、ブレード122と、ベース部123と、を備える。ブレード122は、接続部121の外方側に固定され、ベース部123は、ハウジング110の第1端と共に前記出口101を形成するように、接続部121の第2端に配置され、ベース部123は、駆動軸131と接続し、駆動軸131は、収容キャビティの外部に位置する。
【0038】
本実施例では、接続部121の構造は限定されない。例えば、接続部121は、柱状構造であってもよい。また、例えば、接続部121は、第1端と第2端とを備えてもよい。接続部121の第1端は、テーパー状構造であって、接続部121の第1端は、接続部121の第1端を介して血液へガイド作用を提供するために、前記入口102の側に接近する。接続部121の第2端は柱状構造である。接続部121の第1端と接続部121の第2端との間の一部は、第1端と第2端との間の一部がブレード122と接続するように、柱状構造である。
【0039】
本実施例では、ブレード122の構造は限定されない。例えば、ブレード122は、平板状の構造であってもよく、曲げ板状の構造であってもよい。ブレード122は、等しい高さのブレード122であってもよく、等しくない高さのブレード122であってもよい。例示として、ブレード122の高さは、ブレード122の前縁からブレード122の後縁まで徐々に増加し、ブレード122の前縁は、入口102に接近する側の一端であり、ブレード122の尾縁は、出口101に接近する側の一端である。
【0040】
本実施例では、ブレード122の数は限定されない。例えば、ブレード122の数は1つであってもよく、2つであってもよい。
【0041】
例示として、前記インペラ120は、前記接続部121の円周側に固定され、血液の流動を押し出すために使用される少なくとも1つのブレード122、を更に備えてもよく、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、前記ブレード122は、血液が前記接続部121の第1端から前記接続部121の第2端へ流れるように押し出すために使用される。
【0042】
本願の実施例では、駆動装置は駆動軸131を備えるものであれば、駆動装置の構造は限定されない。例えば、駆動装置は、モーターを備えてもよい。
【0043】
ここで、本体132の構造は限定されない。例えば、本体132は、柱状構造であってもよい。例示として、本体132は、モーターの本体132であってもよく、駆動軸131はモーターの出力シャフトであってもよい。
【0044】
ここで、前記駆動軸131とインペラ120との接続の実現形態は限定されない。例えば、インペラ120と駆動軸131は、スプラインキー又はフラットキーを介して接続されてもよい。また例えば、インペラ120と駆動軸131は、溶接手段を介して接続されてもよい。
【0045】
ここで、駆動装置は、インペラ120が回転可能に前記収容キャビティ内に配置するように、駆動軸131を介してインペラ120と接続する。
【0046】
本願の実施例では、補助構造が、第1空間103内の血液の流速を増加させるように機能することができるものであれば、補助構造の構造は限定されない。例えば、補助構造が配置されない場合、第1空間103内の血液の流速はV1であって、補助構造が配置される場合、第1空間103内の血液の流速はV2であって、補助構造は、第1空間103内の血液を流動させるために使用されるので、この際、V2はV1より大きく、それによって、血液が第1空間103内で凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0047】
ここで、第1空間103内の血液の流速の数値は限定されない。
【0048】
例えば、前記補助構造は、第1空間103内の血液の流速を第1所定値より大きくさせるために使用される。
【0049】
ここで、第1所定値は、第1空間内の血液が凝血しない流速であってもよい。第1所定値は限定されない。例えば、第1所定値は、0.5m/s以上であってもよい。例示として、第1所定値は1m/s又は2m/sである。
【0050】
ここで、補助構造は、インペラ120に配置されてもよく、駆動装置に配置されてもよく、インペラ120と駆動装置の両方に配置されてもよい。
【0051】
本願の実施例では、前記インペラ120は、血液を前記出口101から流出させるように押し出すために使用され、前記補助構造は、第1空間103内の血液を流動させるために使用され、補助構造により第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0052】
ここで、第1空間103は、前記インペラ120と前記本体132との間に形成された空間であり、インペラ120の本体132に接近する側の最大断面と、本体132のインペラ120に接近する側の最大断面との間の空間であり、図11図20に示すように、第1空間103は、インペラ120の外面と、本体132の外面と、破線とにより囲まれている。
【0053】
本願の実施例のいくつかのオプションの実施形態では、前記補助構造は、ダイバージョン流路124を備えてもよく、ダイバージョン流路124は、前記ベース部123に配置され、ダイバージョン流路124は、それぞれ前記収容キャビティと前記第1空間103とに連通し、収容キャビティ内の血液と第1空間103内の血液との導通をするために使用され、第1空間103内の血液を流動させる。これによって、ダイバージョン流路124により、第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0054】
本実現形態では、第1空間103内の血液の流動方向は限定されない。
【0055】
例えば、図2に示すように、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、前記第1空間103内の血液は、前記ダイバージョン流路124から前記収容キャビティの内部に流入し、前記インペラ120は、前記収容キャビティ内に流入した血液を前記出口101から流出させるように押し出して、それによって、ダイバージョン流路124により第1空間103内の血液を流動させて、第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0056】
本実施例では、第1空間103内には、血液の流動を押し出す別の構造が配置されていない。
【0057】
本実施例では、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、収容キャビティの出口101に接近する箇所で大きい負圧が発生し、第1空間103の圧力が、収容キャビティの出口101に接近する箇所での圧力より大きくなって、第1空間103における血液が、ダイバージョン流路124を介して収容キャビティ内に流入し、そして、インペラ120の押し出しによって、ベース部123に沿って斜めに出口101から流出するようにさせて、このように、駆動軸131の近傍の血液の流速が大幅に増加され、効果的に凝血の発生を低減することができる。
【0058】
本実施例では、前記インペラ120は、前記収容キャビティ内の血液を、血液ポンプの第1端から前記血液ポンプの第2端に流し、前記補助構造は、前記第1空間103内の血液を、前記血液ポンプの第2端から前記血液ポンプの第1端に流し、2つの空間内の血液は、最終的にほぼ反対の方向に出口101から流出される。
【0059】
また例えば、前記駆動軸131は、前記インペラ120を回転駆動する場合、前記収容キャビティ内の血液は、前記ダイバージョン流路124から前記第1空間103内に流入し、前記インペラ120は、収容キャビティ内の一部の血液を前記出口101から流出させるように押し出し、前記インペラ120は、収容キャビティ内の別の一部の血液をダイバージョン流路124を介して第1空間103から流出させるように押し出して、それによって、ダイバージョン流路124により第1空間103内の血液を流動させて、第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0060】
本実施例では、第1空間103内には、血液の流動を押し出す別の手段が配置されている。
【0061】
本実施例では、前記駆動軸131は、前記インペラ120を回転駆動し、第1空間103の内の血液の流動を押し出す手段が作動する場合、第1空間103の圧力は、収容キャビティの出口101に接近する箇所での圧力より小さくなって、収容キャビティにおける血液が、ダイバージョン流路124を介して第1空間103に流入し、そして、血液の流動を押し出す手段の押し出しによって流れ、このように、駆動軸131の近傍の血液の流速が大幅に増加され、効果的に凝血の発生を低減することができる。
【0062】
本実施例では、血液の流動を押し出す手段の構造は限定されない。例えば、血液の流動を押し出す手段の構造は攪拌機構140であってもよい。
【0063】
本実現形態では、ダイバージョン流路124の断面形状は限定されない。例えば、前記ダイバージョン流路124の断面形状は、円形であってもよく、線形であってもよく、長方形であってもよく、三角形であってもよい。
【0064】
本実現形態では、前記ダイバージョン流路124の穴径は限定されない。例えば、ダイバージョン流路124の穴径は第2所定値以下である。例示として、第2所定値は、1mmであってもよい。
【0065】
本実現形態では、ダイバージョン流路124の数は限定されない。例えば、ダイバージョン流路124の数は1つであってもよく、複数であってもよい。
【0066】
例示として、前記補助構造は、環状に配列される少なくとも2つのダイバージョン流路124を備えてもよい。前記少なくとも2つのダイバージョン流路124は、放射状に配列されてもよい。前記少なくとも2つのダイバージョン流路124は環状に配列される場合、図3図4に示すように、前記少なくとも2つのダイバージョン流路124は一周に配置されてもよい。図5図6に示すように、前記少なくとも2つのダイバージョン流路124は、二周に配置されてもよい。前記少なくとも2つのダイバージョン流路124は、放射状に配列される場合、前記少なくとも2つのダイバージョン流路124は、図7図8に示すように、放射状に配列される4つの線形のダイバージョン流路124を備えてもよい。
【0067】
本実現形態では、図9図10に示すように、前記ダイバージョン流路124は、傾斜するように配置されてもよく、前記ダイバージョン流路124の傾斜方向は限定されない。例えば、前記ダイバージョン流路124の第1ポートと前記出口101との間に第1軸線が形成され、前記第1軸線は、前記ダイバージョン流路124の軸線と平行し、ここで、前記ダイバージョン流路124の第1ポートは、前記ダイバージョン流路124の前記収容キャビティに位置する側のポートであって、このように、第1空間103内の血液がより容易にダイバージョン流路124を介して収容キャビティ内に流入して前記出口101から直接流出される。ここで、平行とは平行又はほぼ平行であり、ダイバージョン流路124の軸線は、ダイバージョン流路124のガイド方向と同じである。勿論、ダイバージョン流路124は傾斜しないように配置されてもよく、ダイバージョン流路124のガイド方向は、ベース部123の外面に垂直に配置されてもよい。
【0068】
本実現形態では、ダイバージョン流路124のベース部123に配置される位置は限定されない。前記ダイバージョン流路は、前記ベース部の外面と前記ベース部の内面を連通してもよく、前記ベース部の外面は、前記本体に向かう表面であり、前記ベース部の内面は、前記収容キャビティに向かう表面である。
【0069】
例えば、ダイバージョン流路は、ベース部の内部のみに配置され、他の構造の内部に配置されていなくてもよく、ベース部と駆動軸とが接続される場合、ダイバージョン流路は、駆動軸に配置されていなく、ダイバージョン流路も、駆動軸とベース部の境界位置に配置されない。
【0070】
例示として、図4に示すように、ダイバージョン流路124は、ベース部123のエッジ側に位置してもよい。
【0071】
別の例示として、ダイバージョン流路124は、ベース部123の中間部に位置してもよい。
【0072】
別の例示として、図24図25に示すように、ダイバージョン流路124は、ダイバージョン流路124を流れる血液が第1空間内の駆動軸131の外面を直接的に流れて第1空間内の駆動軸131の外面を洗い流すことができるために、前記ベース部123と前記駆動軸131との接続箇所に接近し、駆動軸131とベース部123との接続箇所は、ダイバージョン流路124と隣接するように配置される。これにより、駆動軸131の外面で凝血する可能性が大幅に低下された。
【0073】
本願の実施例のいくつかのオプションの実施形態では、図11に示すように、前記補助構造は、回転可能に前記第1空間103に配置された攪拌機構140を備えてもよく、攪拌機構140は、前記第1空間103内の血液の流動を押し出すために使用され、攪拌機構140により、第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0074】
本実現形態では、第1空間103には攪拌機構140が配置される。前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、攪拌機構140は、第1空間内に回転し、インペラ120は、血液を送り出すポンプとして機能し、攪拌機構140の回転は、駆動軸131の近傍での血液の流動を増加させて、さらに、血液が駆動軸131の近傍で凝固するリスクを低下させることができると同時に、攪拌機構140の回転により血液ポンプの送血効率を更に向上させることができる。
【0075】
本実現形態では、攪拌機構140が回転する方向は、インペラ120が回転する方向と同じであってもよい。
【0076】
本実現形態では、攪拌機構140が配置される位置は限定されない。例えば、攪拌機構140は、インペラ120に配置されてもよく、例示として、攪拌機構140は、インペラ120のベース部123に配置される。また例えば、攪拌機構140は、駆動軸131に配置されてもよい。更に例えば、攪拌機構140は、インペラ120と駆動軸131の両方に配置される。
【0077】
本実現形態では、攪拌機構140の構造は限定されない。例えば、攪拌機構140は、インペラ120に配置される突起構造又は凹み構造を備えてもよい。また例えば、攪拌機構140は、駆動軸131に配置される突起構造又は凹み構造を備えてもよい。
【0078】
例示一として、前記攪拌機構140は、補助インペラを備えてもよい。補助インペラは、回転可能に前記第1空間103に配置される。前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、前記インペラ120は、前記収容キャビティ内の血液を前記出口101から流出させるように押し出し、前記補助インペラは、前記第1空間103内の血液の流動を押し出す。これによって、第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0079】
例示一では、補助インペラの構造は限定されない。
【0080】
例えば、補助インペラは、軸流式インペラ、後方遠心式インペラ又は前方遠心式インペラであってもよい。補助インペラは軸流式インペラである場合、補助インペラの形状は、前方湾曲型、ラジアル型、単板型、エアフォイル型などであってもよい。補助インペラは後方遠心式インペラである場合、補助インペラの形状は、単板型、サーキュラーアーク型、エアフォイル型などであってもよい。補助インペラは前方遠心式インペラである場合、補助インペラの形状は、フラットブレード、ナローアークブレード、サーキュラーアークブレード、エアフォイルブレード、又はフラットカーブバックワードブレードなどであってもよい。
【0081】
例示として、補助インペラは、補助ブレードを備えてもよく、補助ブレードにより前記第1空間103内の血液の流動を押し出すことができる。
【0082】
ここで、補助ブレードの数は限定されない。例えば、補助ブレードの数は1つであってもよく、図13、15、17、19に示すように、複数であってもよい。
【0083】
ここで、補助ブレードの形状は限定されない。例えば、補助ブレードは、直板状構造であってもよい。また例えば、図13、15、17、19に示すように、補助ブレードは、曲板状構造であってもよい。
【0084】
例示一では、補助インペラは、回転可能に前記第1空間103に配置する形態は限定されない。例えば、補助インペラは、駆動軸131を介して回転するように駆動されるために、駆動軸131に固定されてもよく。また例えば、補助インペラは、インペラ120を介して回転するように駆動されるために、インペラ120に固定されてもよく。
【0085】
本実現形態では、前記攪拌機構140と前記インペラ120との間の距離は限定されない。
【0086】
例えば、前記攪拌機構140は、前記インペラ120の外面と接触し、図12と14に示すように、前記インペラ120の外面は、攪拌機構140の配置空間を減少させるために、前記本体132に向かう表面である。
【0087】
また例えば、前記攪拌機構140と前記インペラ120の外面との間には第1隙間が形成され、図16図18に示すように、ここで、攪拌機構140が血液の流動を押し出す過程において、第1隙間での血液が攪拌機構140の回転の軸方向に沿って流れて、第1空間103内の血液が第1空間の外部に流れると共に、攪拌機構140の回転の軸方向に沿って流れるようになることができて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを更に低下させて、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0088】
なお、図12図13は、同じ構造の図であり、図13図12の下面図である。図14図15は、同じ構造の図であり、図15図14の下面図である。図16図17は、同じ構造の図であり、図17図16の下面図である。図18図19は、同じ構造の図であり、図19図18の下面図である。
【0089】
例示二として、前記攪拌機構140は、前記インペラ120の外面に配置される少なくとも2つの突起部を備えてもよく、インペラ120に配置される少なくとも2つの突起部を介して第1空間103内の血液を流動させて、ここで、前記インペラ120の外面は、前記本体132に向かう表面である。
【0090】
例示二では、インペラ120がベース部123を備える場合、少なくとも2つの突起部は前記ベース部123の外面に対称的に配置される。
【0091】
例示二では、突起部の形状は限定されない。
【0092】
例えば、図26に示すように、突起部は直線状構造であって、少なくとも2つの突起部は放射状であって、ここで、突起部は、遠心攪拌機構140を形成する。
【0093】
また例えば、図27図28図29に示すように、突起部は、螺旋板状であってもよく、突起部は、第1空間103内の血液が軸方向の流速を有するようになるために使用され、ここで、突起部は、軸流攪拌機構140を形成し、ここで、突起部は、血液が駆動軸131の軸方向に沿って流れるように押し出すだけでなく、血液が駆動軸131の径方向に沿って流れるように遠心的に押し出すこともできる。これによって、螺旋板状である突起部を介して、血液が駆動軸131の表面を流れることができる一方で、第1空間103内の血液を第1空間103から流出させることもできる。このように、血液が駆動軸131の表面に凝固するリスクを低下させることができる一方で、血液ポンプの送血効率を向上させることができる。
【0094】
なお、図27図28図29は同じ構造の異なる視点の図である。
【0095】
例示二では、突起部の数は限定されない。例えば、図26に示すように、突起部の数はは四つである。また例えば、図27図28図29に示すように、突起部の数は2つである。
【0096】
例示二では、突起部の根元部の位置は限定されない。例えば、図26図29に示すように、突起部の根元部は駆動軸131と接触又は接続し、血液が突起部の根元部と駆動軸131との間に凝固することを防止する。勿論、突起部の根元部と駆動軸131との間に隙間が形成されてもよい。
【0097】
例示二では、突起部の端部の位置は限定されない。例えば、突起部の端部は、突起部の配置体積を増加させ、突起部の血液の流動の押し出し効率を向上させるために、インペラ120のエッジと面一になる。勿論、突起部の端部は、インペラ120のエッジとインペラ120の中間部との間に位置してもよい。
【0098】
突起部の根元部は、突起部のインペラ120の中間部に接近する一端であり、突起部の端部は、突起部のインペラ120の中間部から離れる一端である。
【0099】
本願の実施例の一部のオプションの実現形態では、図20図21に示すように、前記補助構造は、前記ベース部123の外面に配置される第1ガイド部125を備えてもよく、第1ガイド部125の断面積は、前記出口101から離れるに伴って減少し、第1ガイド部125は、前記第1空間内の血液を前記第1ガイド部125の表面に沿って前記出口101へ流動させるように使用され、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、前記インペラ120は、前記収容キャビティ内の血液を前記出口101から流出させるように押し出し、前記第1空間103内の血液は、前記第1ガイド部125の表面に沿って前記出口101へ流れ、第1ガイド部125を介して前記第1空間103内の血液を流動させて、第1空間103内の血液と出口101での血液とは、一箇所に集められ、インペラ120を介して流動を押し出される。これによって、第1空間103内の血液の流速を増加させ、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させ、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0100】
本実現形態では、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、第1ガイド部125もそれに従って回転し、第1ガイド部125の断面積は、前記出口101から離れるに伴って減少するので、第1ガイド部125において遠心力が生じ、第1空間内の血液のベース部123での流速が増加された。
【0101】
本実現形態では、前記ベース部123と前記本体132との間の幅さは、前記ベース部123の中間部から前記ベース部123のエッジまで徐々に増大する。このように、第1空間をオープン式の空間に形成することにより、第1空間内の血液の第1空間の外部への流速を増加させることができる。
【0102】
本実現形態では、第1ガイド部125の断面積が前記出口101から離れるに伴い減少するものであれば、第1ガイド部125の構造は限定されない。例えば、第1ガイド部125は、血液を第1ガイド部125の表面に沿って滑らかに流動させるために、円錐台状であってもよい。また例えば、第1ガイド部125は、角錐台状であってもよい。
【0103】
本実現形態では、第1ガイド部125の断面形状は限定されない。例えば、第1ガイド部125の断面形状は円形であってもよく、三角形であってもよく、矩形であってもよい。
【0104】
例示として、第1ガイド部125の断面は円形であり、前記第1ガイド部125の外径は、前記第1ガイド部125の第1端から前記第1ガイド部125の第2端まで徐々に増大する。例えば、前記第1ガイド部125の外面は突起状の表面である。また例えば、前記第1ガイド部125の外面は凹み状の表面である。また例えば、第1ガイド部125の外面は平面状の表面である。
【0105】
本願の実施例の一部のオプションの実現形態では、図20に示すように、前記補助構造は、前記本体132の第1端に配置される第2ガイド部1321を備えてもよく、第2ガイド部1321の断面積は、前記出口の側から離れるに伴って大きくなり、第2ガイド部1321は、前記第1空間内の血液を前記第2ガイド部1321の表面を通して前記本体の表面に沿って流動させるために使用され、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、前記インペラ120は、前記収容キャビティ内の血液を前記出口101から流出させるように押し出し、前記第1空間103内の血液は、前記第2ガイド部1321の表面のガイド作用により前記本体の表面に沿って流れ、第2ガイド部1321のガイド作用により、前記第1空間103内の血液の流速を増加させて、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させ、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0106】
本実現形態では、第2ガイド部1321の断面積が前記出口の側から離れるに伴って増大するものであれば、第2ガイド部1321の構造は限定されない。例えば、第2ガイド部1321は、血液を第2ガイド部1321の表面に沿って滑らかに流動させるために、円錐台状であってもよい。また例えば、第2ガイド部1321は、角錐台状であってもよい。
【0107】
本実現形態では、第2ガイド部1321の断面形状は限定されない。例えば、第2ガイド部1321の断面形状は円形であってもよく、三角形であってもよく、矩形であってもよい。
【0108】
例示として、第2ガイド部1321の断面は円形であり、前記第2ガイド部1321の外径は、前記第2ガイド部1321の第1端から前記第2ガイド部1321の第2端まで徐々に増大する。例えば、前記第2ガイド部1321の外面は突起状の表面である。また例えば、前記第2ガイド部1321の外面は凹み状の表面である。また例えば、第2ガイド部1321の外面は平面状の表面である。
【0109】
本実現形態では、図20に示すように、前記本体132は、前記第2ガイド部1321と接続する柱状部1322を更に備えてもよく、前記駆動軸131が前記インペラ120を回転駆動する場合、前記第1空間103内の血液は、前記第2ガイド部1321の表面を通して前記柱状部1322表面に沿って流れ、血液の流動を介して本体132の作動により生成したより多くの熱を奪い取ることができる。
【0110】
なお、補助構造は、ダイバージョン流路124と、攪拌機構140と、第1ガイド部125と、第2ガイド部1321とのうちの少なくとも一種を備えてもよい。例えば、図2に示すように、補助構造は、ダイバージョン流路124のみを備える。また例えば、図12図14に示すように、補助構造は、攪拌機構140のみを備える。また例えば、図21に示すように、補助構造は、第1ガイド部125のみを備える。また例えば、補助構造は、第2ガイド部1321のみを備える。また例えば、図22図23に示すように、補助構造は、ダイバージョン流路124と攪拌機構140を備える。また例えば、図20に示すように、補助構造は、第1ガイド部125と第2ガイド部1321を備える。また例えば、図30と、図31と、図32とに示すように、補助構造は、第1ガイド部125と攪拌機構140を備え、ここで、図30図31図32は、同じ構造の異なる視点の図である。また例えば、図33に示すように、補助構造は、第1ガイド部125とダイバージョン流路124を備える。また例えば、図34と、図35と、図36とに示すように、補助構造は、第1ガイド部125と、ダイバージョン流路124と、攪拌機構140と、を備え、ここで、図34と、図35と、図36とは、同じ構造の異なる視点の図である。また例えば、補助構造は、第1ガイド部125と、第2ガイド部1321と、ダイバージョン流路124と、攪拌機構140と、を備える。
【0111】
なお、補助構造は、第1ガイド部125と、攪拌機構140と、を備え、攪拌機構140は、インペラに配置される突起構造である場合、図32図36に示すように、突起構造は第1ガイド部125の表面から突起する。
【0112】
なお、図における矢印方向は、血液の流動方向である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本願の実施例における前記血液ポンプは、収容キャビティを有するハウジング110と、ハウジング110の一端に配置される出口101と、少なく一部が回転可能に前記収容キャビティ内に配置され、前記収容キャビティ内の血液を前記出口から流出させるように押し出すために使用されるインペラ120と、前記インペラ120に接続する駆動軸131と、前記駆動軸131が回転可能に配置される本体132とを備え、前記駆動軸131を介して前記インペラ120を回転駆動するために使用される駆動装置と、前記インペラ120及び/又は前記駆動装置に配置され、前記収容キャビティの外部に位置すると共に前記インペラ120と前記本体132との間に形成される空間である第1空間103内の血液を流動させるために使用される補助構造と、を備え、前記駆動軸131は、前記インペラ120を回転駆動する場合、前記インペラ120は、血液を前記出口101から流出させるように押し出し、前記補助構造は、第1空間103内の血液を流動させて、補助構造を介して、第1空間103内の血液の流速を増加させ、血液が第1空間103内に凝固するリスクを低下させ、血液ポンプの使用の安全性を向上させることができる。
【0114】
以上、上記は本願の実施例の具体的な実施形態だけであるが、本願の実施例の保護範囲は、これに制限されず、当業者が本願の実施例で開示された技術範囲内で容易に想到し得る変化又は入れ替わりは、全て本願の実施例の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本願の実施例の保護範囲は、前記請求項の保護範囲に準拠するべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
【国際調査報告】