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特表2023-534428容器をブロー成形するためのモジュール式ブロー成形システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】容器をブロー成形するためのモジュール式ブロー成形システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 49/48 20060101AFI20230802BHJP
   B65D 1/00 20060101ALI20230802BHJP
   B29C 33/38 20060101ALI20230802BHJP
   B29C 49/42 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B29C49/48
B65D1/00 120
B29C33/38
B29C49/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501299
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-01-06
(86)【国際出願番号】 US2021041798
(87)【国際公開番号】W WO2022015962
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】16/932,151
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】バット,アドバイト ラシク
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアーニ,ステファノ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス,マクシミリアノ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァインヤード,エリー
【テーマコード(参考)】
3E033
4F202
4F208
【Fターム(参考)】
3E033AA01
3E033BA13
3E033FA03
4F202AA49
4F202AC05
4F202AG07
4F202AH55
4F202AJ03
4F202AJ09
4F202CA15
4F202CB01
4F202CD18
4F202CD27
4F202CD30
4F202CK42
4F202CK90
4F202CN05
4F202CR06
4F208AG07
4F208AH55
4F208LA07
4F208LB01
4F208LD16
(57)【要約】
容器をブロー成形するためのモジュール式システムが提供される。システムは、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を含み得る。第1の部分及び第2の部分はそれぞれ、シェルと、シェルに取り外し可能に結合された金型と、トッププレートとを含み得る。第3の部分は、ベース及びベース金型を含み得る。金型は3D印刷され得る。金型は集まって、ブロー金型キャビティを画定し得る。モジュール式システムは、実験室規模、パイロット規模、又はフル生産規模で使用されてもよい。金型は、フル生産規模を行うのに十分な程度に、耐久性を有しかつ平滑であり得る。いくつかの実施形態は、容器をブロー成形するためのモジュール式システムを作製するための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器をブロー成形するためのモジュール式システムであって、前記システムが、
第1の部分であって、
第1のシェルと、
前記第1のシェルに取り外し可能に結合された第1の金型と、
前記第1のシェルに取り外し可能に結合された第1のトッププレートと、
前記第1のシェル、前記第1の金型、及び前記第1のトッププレートによって画定される容積部内に配設された第1の充填材料と、
を備える第1の部分と、
前記第1の部分に取り外し可能に結合された第2の部分であって、
第2のシェルと、
前記第2のシェルに取り外し可能に結合された第2の金型と、
前記第2のシェルに取り外し可能に結合された第2のトッププレートと、
前記第2のシェル、前記第2の金型、及び前記第2のトッププレートによって画定される容積部内に配設された第2の充填材料と、を備える第2の部分と、
ベース及びベース金型を含む第3の部分であって、前記ベースが、前記第1のシェル及び前記第2のシェルに取り外し可能に結合される、第3の部分と、
を備え、
前記第1の部分が前記第2の部分に結合されるときに、前記第1の金型、前記第2の金型、及び前記ベース金型が一体になってブロー金型キャビティを画定する、システム。
【請求項2】
前記第1のシェルに取り外し可能に結合された第1のキャビティリテーナと、前記第2のシェルに取り外し可能に結合された第2のキャビティリテーナとを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の金型、前記第2の金型、及び前記ベース金型の各々が3D印刷される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のシェル、前記第1のトッププレート、前記第2のシェル、及び前記第2のトッププレートは、CNC機械加工された金属で作られる、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の金型、前記第2の金型、及び前記ベース金型の各々が等方性である、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の充填材料及び前記第2の充填材料の各々が、少なくとも6300MPaの弾性率を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の金型、前記第2の金型、及び前記ベース金型は、シアン酸エステルを含むポリマーから作製される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の金型及び前記第2の金型のそれぞれの内部に、少なくとも1つの冷却チャネルを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1のシェルに、取り外し可能に結合された係止リングを更に備え、
前記ベースは、前記第3の部分を固定するために、前記係止リングと解放可能に係合するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記第3の部分の前記垂直方向位置が調整され得るように、前記係止リングを受容するように構成された、垂直方向に位置揃えされた複数の凹部を更に備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
容器をブロー成形するための交換可能な金型であって、
第1の3D印刷された金型部分と、
第2の3D印刷された金型部分と、
3D印刷されたベース金型部分と、
を備え、
前記第1の3D印刷された金型部分、前記第2の3D印刷された金型部分、及び前記3D印刷されたベース金型部分は、一体となって、ブロー金型キャビティを画定するように構成され、
前記第1の3D印刷された金型部分、前記第2の3D印刷された金型部分、及び前記3D印刷されたベース金型部分が等方性であり、
前記第1の3D印刷された金型部分、前記第2の3D印刷された金型部分、及び前記3D印刷されたベース金型部分は、シェルと係合するように構成され、前記シェルは、前記ブロー金型キャビティ内でブロー成形容器を形成するためのブロー成形システムと適合する、金型。
【請求項12】
前記第1の3D印刷された金型部分、前記第2の3D印刷された金型部分、及び前記3D印刷されたベース金型部分が、シアン酸エステルを含むポリマーから作製される、請求項11に記載の金型。
【請求項13】
前記第1の3D印刷された金型部分の背面と接触する第1の側面と、前記シェルの内側と接触するように構成された第2の側面とを有する第1の充填材部分、及び
前記第2の3D印刷された金型部分の背面と接触する第1の側面と、前記シェルの前記内側と接触するように構成された第2の側面とを有する第2の充填材部分、
を更に備える、請求項11に記載の金型。
【請求項14】
前記第1の充填材料及び前記第2の充填材料が、両方ともプラスターである、請求項13に記載の金型。
【請求項15】
前記第1の充填材部分及び前記第2の充填材部分をそれぞれ固定するための第1のキャビティリテーナ及び第2のキャビティリテーナを更に備える、請求項13に記載の金型。
【請求項16】
前記第1の3D印刷された金型部分及び前記第2の3D印刷された金型部分はそれぞれ、冷却チャネルを備える、請求項11に記載の金型。
【請求項17】
モジュール式ブロー成形システムを作製する方法であって、
第1の金型部分、第2の金型部分、及びベース部分を3D印刷するステップと、
前記第1の金型部分を第1のシェルに結合して第1の半体を形成するステップであって、前記第1の半体は、前記第1の金型部分及び前記第1のシェルによって画定される第1の容積部を含む、ステップと、
前記第2の金型部分を第2のシェルに結合して第2の半体を形成するステップであって、前記第2の半体は、前記第2の金型部分及び前記第2のシェルによって画定される第2の容積部を含む、ステップと、
前記第1の容積部内に充填材料を注入するステップと、
前記第2の容積部内に前記充填材料を注入するステップと、
前記充填材料を冷却して固体充填材を形成するステップと、を含む、方法。
【請求項18】
前記第1の金型部分、前記第2の金型部分、及び前記ベース部分は、シアン酸エステルを含むポリマーから作製される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記充填材料がプラスターを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記プラスターが、冷却までは液体である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記冷却することは、前記充填材料を室温で冷却することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記3D印刷ステップが、前記第1の金型部分及び前記第2の金型部分に、少なくとも1つのチャネルを形成することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の半体及び前記第2の半体を結合して、前記第1の金型部分と前記第2の金型部分とによって画定されるブロー金型キャビティを含むブロー金型を形成することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器をブロー成形するためのブローシステムに関する。より詳細には、実施形態は、容器をブロー成形するためのモジュール式システム及びそれを作製するための方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
いくつかの実施形態は、第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を備える容器をブロー成形するためのモジュール式システムを対象とする。第1の部分は、第1のシェルと、第1のシェルに取り外し可能に結合された第1の金型と、第1のシェルに取り外し可能に結合された第1のトッププレートと、第1のシェル、第1の金型、及び第1のトッププレートによって画定される容積部内に配設された第1の充填材料を備えてもよい。第2の部分は、第2のシェルと、第2のシェルに取り外し可能に結合された第2の金型と、第2のシェルに取り外し可能に結合された第2のトッププレートと、第2のシェル、第2の金型、及び第2のトッププレートによって画定される容積部内に配設された第2の充填材料を備えてもよい。第1の金型及び第2の金型は、3D印刷されてもよい。第3の部分は、ベース及びベース金型を備えてもよい。ベースは、第1のシェル及び第2のシェルに取り外し可能に結合されてもよい。第1の部分が第2の部分に結合されるとき、第1の金型、第2の金型、及びベース金型が一体となって、ブロー金型キャビティを画定してもよい。
【0003】
本明細書に開示される様々な実施形態のいずれかにおいて、システムは、第1のシェルに取り外し可能に結合された第1のキャビティリテーナと、第2のシェルに取り外し可能に結合された第2のキャビティリテーナとを更に備える。
【0004】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1の金型、第2の金型、及びベース金型のそれぞれは、3D印刷される。
【0005】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1のシェル、第1のトッププレート、第2のシェル、及び第2のトッププレートは、CNC機械加工された金属から作製される。
【0006】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、第1の金型、第2の金型、及びベース金型のそれぞれは、等方性である。
【0007】
本明細書に開示される様々な実施形態のうちのいずれかでは、充填材材料は、少なくとも6300MPaの弾性を有する。
【0008】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、第1の金型、第2の金型、及びベース金型は、シアン酸エステルを含むポリマーから作製される。
【0009】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、システムは、第1の金型及び第2の金型のそれぞれの内部に少なくとも1つの冷却チャネルを更に備える。
【0010】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、システムは更に、第1のシェルに取り外し可能に連結される係止リングを更に備える。本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、ベースは、係止リングと解放可能に係合し、第3の部分を固定するように構成される。
【0011】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、システムは、第3の部分の垂直位置が調節され得るように、係止リングを受容するように構成された、垂直方向に位置揃えされた複数の凹部を更に備える。
【0012】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1のシェル、第1のトッププレート、第2のシェル、及び第2のトッププレートは、CNC機械加工された金属から作製される。
【0013】
いくつかの実施形態は、容器をブロー成形するための交換式金型を対象とする。金型は、第1の3D印刷された金型部分と、第2の3D印刷された金型部分と、3D印刷されたベース部分とを備えてもよい。第1の3D印刷された金型部分、第2の3D印刷された金型部分、及び3D印刷されたベース金型部分は、一体となって、ブロー金型キャビティを画定してもよい。第1の3D印刷された金型部分、第2の3D印刷された金型部分、及び3D印刷されたベース部分は、等方性であってもよい。第1の3D印刷された金型部分、第2の3D印刷された金型部分、及び3D印刷されたベース部分は、シェルと係合するように構成され、シェルは、ブロー金型キャビティ内でブロー成形容器を形成するためのブロー成形システムと適合する。
【0014】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1の充填材部分は、第1の3D印刷された金型部分の背面と嵌合するように構成される第1の側面と、シェルの内側側面と嵌合するように構成される第2の側面とを備える。本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、第2のフィラー部分は、第2の3D印刷された金型部分の背面と嵌合するように構成された第1の側面と、シェルの内側と嵌合するように構成された第2の側面とを備える。
【0015】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1の3D印刷された金型部分、第2の3D印刷された金型部分、及び3D印刷されたベース金型部分は、シアン酸エステルを含むポリマーから作製される。
【0016】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、金型は、第1の充填材部分及び第2の充填材部分を更に備える。本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1の充填材部分は、第1の3D印刷された金型部分の背面と接触する第1の側面と、シェルの内側側面と接触するように構成される第2の側面とを有し、第2の充填材部分は、第2の3D印刷された金型部分の背面と接触する第1の側面と、シェルの内側側面と接触するように構成される第2の側面とを有する。
【0017】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかでは、第1の充填材料及び第2の充填材料は、両方ともプラスターである。
【0018】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、第1の金型部分及び第2の金型部分はそれぞれ、冷却チャネルを備える。
【0019】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、金型は、第1の充填材部分及び第2の充填材部分をそれぞれ固定するための、第1のキャビティリテーナ及び第2のキャビティリテーナを更に備える。
【0020】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、金型は、第1の充填材部分及び第2の充填材部分をそれぞれ固定するための、第1のキャビティリテーナ及び第2のキャビティリテーナを更に備える。
【0021】
いくつかの実施形態は、モジュール式ブロー成形システムを作製する方法を対象とし、その方法は、第1の金型部分、第2の金型部分、及びベース部分を3D印刷するステップと、第1の金型部分を第1のシェルに結合して第1の半体を形成するステップであって、第1の半体は、第1の金型部分及び第1のシェルによって画定される第1の容積部を含む、ステップと、第2の金型部分を第2のシェルに結合して第2の半体を形成するステップであって、第2の半体は、第2の金型部分及び第2のシェルによって画定される第2の容積部を含む、ステップと、第1の容積部内に充填材料を注入するステップと、充填材料を第2の容積部内に注入するステップと、充填材料を冷却して固体充填材を形成するステップと、を含む方法。
【0022】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、第1の金型部分、第2の金型部分、及びベース部分は、シアン酸エステルを含むポリマーから作製される。
【0023】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、充填材料は、プラスターを含む。
【0024】
本明細書に開示される種々の実施形態のうちのいずれかでは、プラスターは、冷却前では液体である。
【0025】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、冷却することは、充填材料を室温で冷却することを含む。
【0026】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、3D印刷ステップは、第1の金型部分及び第2の金型部分内に少なくとも1つのチャネルを形成することを含む。
【0027】
本明細書に開示される種々の実施形態のいずれかにおいて、方法は、第1の金型部分及び第2の金型部分によって画定されるブロー金型キャビティを含むブロー金型を形成するために、第1の半体及び第2の半体を結合することを更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ベース部分に結合されたモジュール式ブロー成形システムの半分を示す。
図2図1の組み立てられたモジュール式ブロー成形システムを示す。
図3図1のモジュール式システム及びベース部分の、半分の分解図を示す。
図4】充填材を入れた図1のモジュール式システムの半分の、図1の線4~4に沿った断面図を示す。
図5図1のモジュール式システムの半分の、図1の線5~5に沿った断面図を示す。
図6図1図5のモジュール式ブロー成形システムを組み立てる方法を示すフローチャートを示す。
図7図1図5のモジュール式ブロー成形システムの製造方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
いくつかのブロー成形システム(例えば、シェル鋳型、ホットフィル鋳型、フルボディ鋳型、及び小キャビティ鋳型システム)は、コンピュータ支援設計(CAD)/コンピュータ支援製造(CAM)システムを使用して生成された構成要素を使用する。これらのシステムは、複雑な設計の特徴部のためにレーザ彫刻又はエッチングを使用することができる。これらのシステムは高価であり、設計後に製造を行うのにかなりの時間を要する可能性がある。これらのシステムは、プリフォームを金型内に配置することを含むブロー成形プロセスを使用して飲料容器を作製するために使用され得る。プリフォームは加熱され、次いで、空気がプリフォーム内に吹き込まれて、加熱されたプリフォーム材料にブロー(吹き込み)して、金型の形状に一致する容器を形成する。
【0030】
しかし、新しい容器設計を開発することは、反復プロセスであり得る。この設計プロセスは、設計が着想され、開発され、洗練されるにつれて、複数の新しい金型を作成することを伴い得る。この反復プロセスを適応させることは、既存のブロー成形システムにとって長く高価なプロセスであり得る。そして、次の反復を生成するために必要とされる時間は、複数の反復が経済的に実行可能でない可能性があるように、生成サイクルを遅延させる可能性がある。したがって、既存のブロー成形システムでは、コスト及び時間のために、1つ又は2つ以上の金型を生産してからフルスケール生産モデルが生産されることが妨げられ得る。
【0031】
ブロー成形システムにおいて3D印刷を使用する試みがなされてきたが、これらの既存のシステムは、実験室規模のプロセスにのみ適しており、表面品質が低く、強度が低いために短いライフサイクル(典型的には破損するまでに数百本のボトルしか生産できない)を結果的にもたらすものである。この低い強度と劣った表面品質とは、これらの系を、消費者又は機械試験のための非常に早い段階での小規模生産にのみ適したものにしてしまう。また、ブロー成形システム用の既存の3D印刷は、ポリマーベースの構成要素を製造するために、付加技術を使用し、アクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)のような材料を使用する。しかし、使用される付加技術は、製造される容器の表面品質が劣る金型をもたらす結果を招く。これらの問題のために、これらの3D印刷された成形システムは、実験室規模のプロセスを超えてスケールアップするのには適していない。したがって、既存の3D印刷による成形システムは、一般に、初期設計試験中の、少量での実行に適している。
【0032】
したがって、費用効率が高く、得られる容器の表面品質を改善し、高温及び高圧に耐えることができ、より大規模な用途(例えば、パイロット規模又はフル生産規模)に信頼性高く使用するのに十分な耐久性がある3D印刷ブロー成形システムが必要とされている。更に、これらの利点を有し、モジュール式で交換可能であり、既存の生産ラインに組み込むことができるシステムが必要とされている。
【0033】
本明細書に開示される実施形態によるブロー成形システムを使用すれば、ツーリングコストを低減し、設計プロセスの各容器設計及び各反復に対するリードタイムを最小限に抑えるモジュール式ブロー成形システムを製造することが可能である。更に、本明細書に開示されるブロー成形システムは、パイロット規模及び生産規模のプロセスにおいて使用することができる。更に、本明細書に開示される実施形態は、交換可能な金型を含み、新しいボトル設計が使用されるたびに、ブロー成形システムの一部を再利用することができる。これらの成形システムは、強度、可撓性、及び表面品質が改善されている一方で、新しいボトル設計のための原型作製の反復も可能にする。
【0034】
開示されるシステムのモジュール性はまた、システム(例えば、モジュール式ブロー成形システム100)が、最終設計が固定される前に、設計の迅速な切り替えを提供するように、種々のボトルサイズ及び概念に適応することを可能にする。加えて、本明細書に開示される成形システムは、パイロット規模又はフル生産規模にさえ十分な表面品質を伴うボトルを生産することが可能であるが、数百万個のボトルを生産する能力をも有し得る。同じシステム(例えば、モジュール式ブロー成形システム100)が、実験室規模からフル生産規模まで、異なるプラットフォームにわたって使用されることができる。
【0035】
これらの利点の全ては、その結果として、加速された生産時間及びはるかにより柔軟なブロー成形システムをもたらすことができる。例えば、新しい容器が設計された後、既存のシステムが使用できる状態になるのに4~5週間かかるのと比較して、新しい金型は1~2週間以内に使用できる状態になり得る。また、各金型の製造コストを80~90%も削減することができる。
【0036】
全ての図を通して示されるように、モジュール式ブロー成形システム100は、第1の部分105、第2の部分110、及びベース115を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の部分105及び第2の部分110は、互いの鏡像である(場合によっては、ボトル設計に応じて金型キャビティ内に差異がある)。本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、第1の部分105を参照して説明されるが、第1の部分105の全ての説明は、第2の部分110に適用されることを理解されたい。例えば、第1の部分105に存在する全ての構成要素は、第2の部分110上に対応する構成要素を有してもよく、第2の部分110は、第1の部分105と同じ機能を有してもよい。
【0037】
図1は、ベース部分900に結合されたモジュール式ブロー成形システム100の第1の部分105を示す。第1の部分105は、外側シェル200と、金型部分300と、リテーナプレート400と、トッププレート500と、キャビティリテーナ700と、係止リング800とを含み得る(例えば、図3参照)。第2の部分110は、対応する部品(例えば、図2に示される外側シェル210及びトッププレート510、並びに金型部分、リテーナプレート、キャビティリテーナ、及び係止リング)を含んでもよい。ベース115は、ベース部分900及びベース金型部分310を含むことができる。
【0038】
図2は、第1の部分105、第2の部分110、及びベース115が組み立てられたときのモジュール式ブロー成形システム100を示す。図2に示すように、組み立てられると、金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)は、モジュール式ブロー成形システム100の内部に開口部1000及びブロー金型キャビティを形成する。開口部1000は、プリフォーム(例えば、プリフォーム1200、図4参照)を受容するようにサイズ決めされてもよい。ブロー金型キャビティは、ブロー成形される容器の形状に対応してもよい。
【0039】
図3は、モジュール式ブロー成形システム100の第1の部分105の分解図を示す。これらの構成要素の各々は、以下で詳細に論じられる。図4は、図1に示される線4-4に沿ったモジュール式ブロー成形システム100の、第1の部分105、ベース金型部分310、及びベース部分900の断面図を示す。図5は、線5-5に沿ったモジュール式ブロー成形システム100の、第1の部分105、ベース金型部分310、及びベース部分900の断面図を示す。
【0040】
開示されたシステムの利点の一つは、システムの汎用性である。本明細書に開示されるモジュール式ブロー成形システム(例えば、モジュール式ブロー成形システム100)は、任意の種々の容器形状又はサイズに対応することが可能であり得るが、既存のブロー成形システムとの互換性も有し得る。例えば、モジュール式ブロー成形システム100は、組み立てられたときに、従来のブロー成形システムと同じサイズであってもよい。加えて、モジュール式ブロー成形システム100は、実験室規模、パイロット規模、又はフル生産規模で使用され得る。
【0041】
本明細書に開示されるモジュール式システム(例えば、モジュール式ブロー成形システム100)はまた、可撓性を改善する。例えば、容器金型の形状又はサイズに関わらず、特定の構成要素を再利用することができる。例えば、外側シェル200及び210、リテーナプレート(例えば、リテーナプレート400)、トッププレート500及び510、係止リング(例えば、係止リング800)、並びにベース部分900は、再利用可能な構成要素であってもよい。これらの再利用可能な構成要素は、金属製であってもよい。いくつかの実施形態では、再利用可能な構成要素は、コンピュータ数値制御(「CNC」)機械加工された金属である。
【0042】
金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)及びキャビティリテーナ(例えば、キャビティリテーナ700)などの他の構成要素は、交換可能であってもよい。交換可能な構成要素は、再利用可能な構成要素と互換性を有していてもよい。例えば、金型部分(例えば、金型部分300)及びベース金型部分310が一体となって、ボトル形状に対応する金型を形成してもよい。任意のボトル形状は、単に金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)を、再利用可能な構成要素と互換性を有する異なる金型と交換することによって作製されてもよい。いくつかの実施形態では、交換可能な構成要素は、ポリマーを使用して3D印刷される。例えば、交換可能な構成要素は、シアン酸エステルを使用して3D印刷されてもよい。いくつかの実施形態では、交換可能な構成要素は、金属を使用して3D印刷される。例えば、交換可能な構成要素は、3D印刷されたアルミニウム合金、青銅合金、又はステンレス鋼で作られてもよい。3D印刷された構成要素は、完全に等方性のものであってもよい。各層において破損点を引き起こし得る層状3D印刷方法とは異なり、完全に等方性の構成要素は、強度を増加し、表面品質を向上させ得る。本明細書で使用するとき、「等方性」は、機械的特性及び熱的特性(例えば、弾性率、圧縮強度)が全ての材料方向において同じである材料を指す。3D印刷後、交換可能な構成要素は更に処理されてもよい。いくつかの実施形態では、交換可能な構成要素は、温度制御されたチャンバ内で洗浄及び硬化される。
【0043】
外側シェル200は、金型接触面203と、トッププレート接触面204と、内面205と、外面206とを有し得る。外側シェル200はまた、凹部201及び凹部202をも有し得る。
【0044】
金型部分300は、容器金型302及びフランジ303を含み得る。フランジ303は、外側シェル200上の金型接触面203と接触してもよい。フランジ303と金型接触面203とがぶつかる外側シェル200に金型部分300を、ねじを使用して固定することができる。金型部分300が外側シェル200に結合されると、内面205と容器金型302との間に空間が形成される。容器金型302は、容器特有の形状であってもよく、異なる容器設計及びサイズに対応するために必要に応じて再設計されてもよい。金型接触面203に接触するフランジ303の部分の形状及びサイズは、容器金型302のサイズ及び形状が調整されても同じままであってよい。これは、金型部分300が外側シェル200と容易に係合することを可能にする。いくつかの実施形態では、リテーナプレート400及びトッププレート500は、金型部分300を外側シェル200に固定するために使用される。例えば、リテーナプレート400は、フランジ303上に配置されてもよく、外側シェル200、金型部分300、及びリテーナプレート400を、ねじが一体に固定するために使用されてもよい。次に、ねじ501を使用して、トッププレートを固定することができる。
【0045】
トッププレート500は、外側シェル200のトッププレート接触面204に着座するような形状になっていてもよい。トッププレート500は、ねじを使用して外側シェル200に結合され得る。外側シェル200、金型部分300、及びトッププレート500は共に、容積部1100を形成する(例えば、図4及び図5参照)。いくつかの実施形態において、容積部1100は、使用中に空のままである。いくつかの実施形態では、容積部1100を充填するために充填材が使用される。例えば、充填材は、以下でより詳細に説明する充填材材料600であってもよい。
【0046】
キャビティリテーナ700は、容積部1100を囲む(かつ、充填材料600が使用される実施形態では、充填材料600を容積部1100内に確保する)ように配置されてもよい。例えば、キャビティリテーナ700は、外側シェル200に結合され得る。いくつかの実施形態では、キャビティリテーナ700は、対応する凹部201と嵌合するフランジ701を含む。係止リング800は、外側シェル200に結合されてもよい。結合されると、係止リング800は、凹部202のうちの1つと係合し、ベース金型部分310及びベース部分900を第1の部分105に結合する方法を提供する。キャビティリテーナ700及び係止リング800は、異なる高さを有する容器のための金型を収容するために上下に移動され得る。例えば、より短い容器に対して、キャビティリテーナ700及び係止リング800は、それぞれ、最上凹部201及び202を使用して結合してもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2の部分110は、第1の部分105と同じ部品を有する。いくつかの実施形態では、第2の部分110の構成部品の全てが、第1の部分105の対応する部品の鏡像である。例えば、第2の部分110は、外側シェル210と、トッププレート510と、金型部分と、リテーナプレートと、充填材料と、キャビティリテーナと、係止リングとを含み得るが、これらはそれぞれ、外側シェル200と、金型部分300と、リテーナプレート400と、トッププレート500と、充填材料600と、キャビティリテーナ700と、係止リング800とのそれぞれの鏡像である。いくつかの実施形態では、第2の部分110は、ボトル設計に応じた金型キャビティ内の違いを除いて、第1の部分110の鏡像である。第2の部分110は、第1の部分105及びベース115に結合することができる。
【0048】
モジュール式ブロー成形システム100のベース115は、ベース部分900及びベース金型部分310を含むことができる。ベース金型部分310は、容器のベースに対応する金型であり得る。ベース金型部分310は、所望の容器ベース形状に基づいて、交換可能であってもよい。ベース金型部分310は、ピン(例えば、ピン311)を使用してベース部分900に結合して、ベース115を形成することができる。ベース115は、第1の部分105及び第2の部分110に結合されて、モジュール式ブロー成形システム100を形成することができる。第1の部分105、第2の部分110、及びベース115が結合されると、金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)は、容器の形状に対応するブロー金型キャビティを形成する。
【0049】
ブロー成形システム100は、開口部1000を含んでもよい。いくつかの実施形態では、開口部1000は、図4に示すように、容器用のプリフォーム(例えば、プリフォーム1200)を受け入れるように構成される。プリフォームは、ブロー成形容器を製造するための標準的なプリフォームであってもよい。プリフォームは、任意の種類のブロー成形可能なプラスチック(例えば、PET)から作製されてもよい。
【0050】
金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)及びキャビティリテーナ(例えば、キャビティリテーナ700)は、任意の好適な3D印刷材料から作製されてもよい。金型の安定性及び熱的特性を改善するために、3D印刷された材料は、高い弾性率及び高い熱変形温度を有し得る一方で、一貫した高品質の容器表面を提供するのに十分に滑らかで耐久性のある表面も提供する。金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)は、少なくとも50MPa(例えば、少なくとも75MPa又は少なくとも90MPa)の引張強度、少なくとも2500MPa(例えば、少なくとも3000MPa又は少なくとも3500MPa)の弾性率、及び少なくとも200℃(例えば、少なくとも225℃又は少なくとも250℃)の熱変形温度を有する材料から作製され得る。いくつかの実施形態では、3D印刷材料はシアン酸エステルである。いくつかの実施形態では、3D印刷材料は、金属である。いくつかの実施形態では、金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)及びキャビティリテーナ(例えば、キャビティリテーナ700)は、同じ材料から作製される。いくつかの実施形態では、金型部分(例えば、金型部分300)は、ベース金型部分310とは異なる材料で作られる。例えば、3D印刷材料は、ポリマー又は金属であり得る。いくつかの実施形態では、3D印刷材料はシアン酸エステルである。
【0051】
充填材料600は、モジュール式ブロー成形システム100の強度を更に高めることができる。ブロー成形プロセス中、金型はブロー金型キャビティ内からの圧力を受ける。既存のシステムは、圧力変化に耐えることができる金属(例えば、鋼)で作られた金型、又はブロー成形中に撓むもしくは圧縮される傾向がある3D印刷された金型を使用し、これらは金型の全体的な寿命及び品質を低下させていた。本明細書に開示される実施形態は、圧力に耐えるために強い3D印刷材料(例えば、上述の等方性材料)を使用する。充填材料(例えば、充填材料600)は、比較的非圧縮性であり、金型が撓むことなく内部圧力を支持するのを助けるので、金型の強度を更に向上させることができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、充填材料600はまた、モジュール式ブロー成形システム100の熱的特性を改善する。充填材料600は、容積部1100内に注ぎ入れられる、注入可能なプラスターであり得る。充填材料は、高い弾性率及び高い圧縮強度を有し得る。注入後、充填材料600は凝固し得る。いくつかの実施形態では、充填材料600は、900kg/m~1500kg/mの密度を有するプラスターである。いくつかの実施形態では、充填材料600は、約1200kg/mの密度を有するプラスターである。充填材料600は、弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、充填材料600は、少なくとも5600MPa(例えば、少なくとも6300MPa、少なくとも7000MPa)の弾性率を有してもよい。いくつかの実施形態では、充填材料600は、5600MPa~8400MPa(例えば、6300MPa~7700MPa)の弾性率を有する。いくつかの実施形態では、充填材料600は、約7000MPaの弾性率を有する。
【0053】
操作条件が高温を含み得るので、温度を調節することは、ブロー成形中に有益であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、金型部分(例えば、金型部分300又はベース金型部分310)の温度は、冷却効率を改善するために任意選択的に設けられる内部冷却チャネルを含むことによって調節されてもよい。いくつかの実施形態では、各金型部分(例えば、金型部分300)は、少なくとも1つの冷却チャネル(例えば、チャネル301)を含む。いくつかの実施形態では、金型部分(例えば、金型部分300)は、冷却流体を受容するように構成される、少なくとも3つの冷却チャネル(例えば、冷却チャネル301)を含む。いくつかの実施形態では、冷却チャネル(例えば、チャネル301)は、図5に示される断面によって示されるように、垂直方向に配向された、順応型冷却チャネルである。使用時には、金型部分(例えば、金型部分300)の冷却を向上させるために、冷却チャネルを通してガス又は液体を流すことができる。いくつかの実施形態では、冷却剤が冷却チャネルを通って流される。いくつかの実施形態では、冷却チャネルを通して冷却剤を流すことは、ブロー成形システム100の生産性を改善する。
【0054】
本明細書に開示されるモジュール式ブロー成形システム(例えば、モジュール式ブロー成形システム100)は、パイロット規模で使用されるのに十分な耐久性があり、少なくとも5000個の容器(例えば、少なくとも7500個の容器、少なくとも10,000個の容器、少なくとも15,000個の容器)相当のライフサイクルを有し得る。いくつかの実施形態では、モジュール式ブロー成形システム100は、生産規模で使用されるのに十分な耐久性があり、少なくとも100,000個の容器(例えば、少なくとも250,000個の容器、少なくとも500,000個の容器、少なくとも1,000,000個の容器、又は少なくとも2,000,000個の容器)相当のライフサイクルを有する。
【0055】
モジュール式ブロー成形システム100は、容易に組み立て及び分解し得る。ブロー成形システム100を組み立てるステップが、図6のフローチャートによって示されている。第1の部分105は、ステップ3000~3400で組み立てられ得る。ステップ3000において、金型部分300は、金型部分300のフランジ303が、外側シェル200の金型接触面203と位置揃えするように配置される。次に、ステップ3100において、リテーナプレート400が金型部分300のフランジ303を上から覆うように配置される。ねじを使用して、外側シェル200、金型部分300、及びリテーナプレート400を結合することができる。ステップ3200において、トッププレート500は、トッププレート接触面204においてねじを用いて、外側シェル200に固定される。次に、係止リング800は、凹部202の1つにおいて外側シェル200に結合される。係止リング800の位置は、ブロー成形される容器の高さに応じて調整されてよい。充填材料が使用される場合、充填材は任意選択のステップ3300で作製されてもよい。充填材料600を作製するための方法は、以下のステップ4200において詳細に論じられる。いくつかの実施形態では、充填材料は使用されない。ステップ3400において、キャビティリテーナ700は、凹部202において外側シェル200に結合される。ステップ3000~3400を繰り返して、第2の部分110を組み立てることができる。
【0056】
ステップ3500において、ベース金型部分310をベース部分900に結合して、ベース115を形成することができる。次に、ステップ3600において、ベース115は、係止リング800によって第1の部分105に結合される。ベース部分900が第1の部分105に結合された後、ステップ3700において、第2の部分110が第1の部分105に結合されて、組み立てられたモジュール式ブロー成形システム100を形成してもよい。第1の部分105及び第2の部分110が結合されると、モジュール式ブロー成形システム100は、金型部分(例えば、金型部分300及びベース金型部分310)の各々によって画定される、ブロー金型キャビティを形成する。
【0057】
モジュール式ブロー成形システムの構成要素は、様々な方法を使用して作製することができる。例えば、ステップ4000において、再利用可能な構成要素は、CNC機械加工を使用して金属で作られてもよい。再利用可能な構成要素は、外側シェル200及び210と、対のキャビティリテーナプレート(例えば、リテーナプレート400)と、トッププレート500及び510と、係止リング(例えば、係止リング800)と、ベース部分900とを含んでもよい。ステップ4100において、交換可能な構成要素(例えば、金型部分300、ベース金型部分310、及びキャビティリテーナ700)は、3D印刷法を使用して作製され得る。いくつかの実施形態では、交換可能な構成要素は、ポリマー(例えば、シアン酸エステル)から作製される。いくつかの実施形態では、交換可能な構成要素は、金属から作製される。例えば、交換可能な構成要素は、3D印刷されたアルミニウム合金、青銅合金、又はステンレス鋼で作られてもよい。
【0058】
ステップ4200において、充填材料600を形成することができる。充填材料600を形成することは、上記のステップ3000~3300で説明したように、外側シェル200、金型部分300、リテーナプレート400、及びトッププレート500を最初に結合することを含むことができる。これらの部品が組み立てられると、組み立てられた部品は、トッププレート500が下に向けられるように反転され得る。次いで、液体充填材料600は、外側シェル200、金型部分300、及びトッププレート500によって画定される容積部1100内に注入され得る。いくつかの実施形態では、液体充填材料600は、容積部1100が充填されるまで注がれる。容積部1100が充填された後、液体充填材料600は、固体を形成する(例えば、硬化する)ことが可能にされ得る。例えば、充填材料は、自然に(例えば、室温条件で)冷却されてもよく、その間に、固体形態に遷移することによって自然に硬化する。いくつかの実施形態において、硬化は、温度制御されたチャンバ(例えば、オーブン)内で行われてもよい。いくつかの実施形態では、充填材料600は、固体(例えば、硬化)プラスターに移行する(例えば、充填材料600が硬化されて、固体プラスターが形成される)、液体プラスターである。いくつかの実施形態では、充填材料は高温では硬化されないが、室温で冷却される。
【0059】
本明細書で使用されるとき、「トップ」、「内側」、「外側」などの用語は、示される飲料栓の方向に関して添付図面を参照しながら本開示の実施形態の理解を支援することを意図しており、本開示の範囲を限定することも、本開示の範囲を図に表されている実施形態に限定することも意図していない。方向を表す用語は、説明の便宜のために使用されており、栓も容器も、様々な方向のうちのいずれかに位置付けられ得ることが理解される。
【0060】
本明細書で使用される場合、「3D印刷」という用語は、印刷された材料を、ある物理的物体の形状に接合又は固化することによって、デジタルモデルを使用してその物理的物体を作成する方法を指す。
【0061】
本明細書において使用される場合、「約」という用語が、範囲の値又は端点を記載する際に使用される場合、本開示は、言及される特定の値又は端点を含むと理解されるべきである。ある範囲の数値又は端点に、「約」と記載しているかどうかにかかわらず、その範囲の数値又は端点は、「約」によって修飾されたものと、修飾されていないものとの2つの実施形態を含むことが意図されている。本明細書で使用される場合、「約」という用語は、±10%を含み得る。
【0062】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者によって考えられるように、本開示の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、決して本開示及び添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0063】
本開示は、特定の機能の実施及びこれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックの支援を使って、上記で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0064】
特定の実施形態の前述の説明は、当業者が知識を適用することにより、他の人もかかる特定の実施形態を種々の用途に容易に変更及び/又は適合させることができ、過度の実験をすることなく、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、本開示の一般的な性質を完全に明らかにするであろう。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、その結果、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0065】
「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiments)」などの本明細書での言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含まなくてもよいことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性がある実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0066】
本開示の広がり及び範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではないが、続く特許請求の範囲及びそれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】