IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 深▲せん▼市海柔▲創▼新科技有限公司の特許一覧

特表2023-534451ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム
<>
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図1
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図2
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図3
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図4
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図5
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図6
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図7
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図8
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図9
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図10
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図11
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図12
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図13
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図14
  • 特表-ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023501896
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2021107431
(87)【国際公開番号】W WO2022017396
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】202010725040.8
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519311813
【氏名又は名称】深▲せん▼市海柔▲創▼新科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】艾▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】陳叶广
(72)【発明者】
【氏名】卓少凱
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022FF01
3F022GG01
3F022JJ11
3F022KK14
3F022MM15
3F022NN42
(57)【要約】
本願はロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システムを提供する。
本実施例で提供するロボットは、移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含み、ロボットラックは移動シャーシに取り付けられ、移動シャーシは第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成され、第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、昇降装置および物品搬送装置はロボットラックに取り付けられ、ロボットは第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定でき、搬送中に荷物を返却しながら取り出すことを実現して、荷物搬送効率を効果的に高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含むロボットであって、
前記ロボットラックは移動シャーシに取り付けられ、
前記移動シャーシは第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成され、
前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、
前記昇降装置および前記物品搬送装置は前記ロボットラックに取り付けられ、前記昇降装置は前記物品搬送装置を駆動して前記ロボットラックに対して昇降移動させるように構成され、
前記物品搬送装置は前記ロボットラックと前記第1の目標物位置との間で第1の目標物を搬送するとともに、前記ロボットラックと前記第2の目標物位置との間で第2の目標物を搬送するように構成され、
前記ロボットは前記第1の搬送タスクの実行中に前記第2の搬送タスクを実行する、
ロボット。
【請求項2】
前記第2の搬送タスクが返却タスクである場合、前記移動シャーシが前記第1の目標物位置に向かって走行中に前記返却位置に到達し、前記物品搬送装置と前記昇降装置が協働して、前記第2の目標物を前記ロボットラックから前記返却位置まで搬送する、
請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記返却位置は、前記第2の目標物の当初収納位置と、空き収納場所の位置と、前記第1の目標物の位置とのうちいずれか1つであり、前記返却位置が前記第1の目標物の位置である場合、前記物品搬送装置は前記第1の目標物を前記ロボットラックへ搬送してから、前記第2の目標物を第1の目標物の位置へ搬送する、
請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
前記物品搬送装置は、前記ロボットラックに取り付けられて目標物の出し入れに用いられる少なくとも1つの搬送機構を含む、
請求項1に記載のロボット。
【請求項5】
前記物品搬送装置は、吸盤フォークユニットおよび/または挟持式ロボットアームを含む、
請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記物品搬送装置が少なくとも2つの搬送機構を含む場合、前記少なくとも2つの搬送機構は並列に設置されるか、または昇降方向に沿って異なる段に設置される、
請求項4に記載のロボット。
【請求項7】
前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに位置し、且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造である、
請求項6に記載のロボット。
【請求項8】
前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記ロボットラックは、同一垂直面に位置し且つ移動シャーシに設置されている3本以上の支柱を含み、各搬送機構は隣り合う2本の支柱の間に取り付けられ、前記支柱に対して昇降移動を行い、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置される、
請求項6に記載のロボット。
【請求項9】
前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ前記物品搬送装置の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは前記物品搬送装置を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる、
請求項6に記載のロボット。
【請求項10】
前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置される、
請求項6に記載のロボット。
【請求項11】
前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに位置し、且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造である、
請求項6に記載のロボット。
【請求項12】
前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ各前記搬送機構の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは各前記搬送機構を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる、
請求項6に記載のロボット。
【請求項13】
前記搬送機構が2つの場合、一方の搬送機構は倉庫ラック上の目標物を前記ロボットラックへ運ぶために用いられ、他方の搬送機構は前記ロボットラック上の目標物を前記倉庫ラックへ移すために用いられる、
請求項4に記載のロボット。
【請求項14】
前記ロボットが荷物取出しタスクを実行する場合、前記ロボットは第1の目標物の荷物取出し位置まで走行し、前記物品搬送装置のうちの1つの搬送機構が前記昇降装置によって前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動して、前記第1の目標物を倉庫ラックから取り出して、前記ロボットラックに置く、
請求項4~13のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項15】
前記第1の目標物に対する荷物取出しタスクを実行完了後、前記物品搬送装置のうちの1つの搬送機構が、ロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第1の目標物の荷物取出し位置まで送り出す、
請求項14に記載のロボット。
【請求項16】
前記ロボットが返却タスクを実行する場合、前記ロボットは第2の目標物の返却位置まで走行し、前記物品搬送装置のうちの1つの搬送機構がロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第2の目標物の返却位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第2の目標物の返却位置まで送り出す、
請求項4~13のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項17】
前記ロボットラックには、目標物を収納するための少なくとも2つの保管位置が設けられている、
請求項4~13のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項18】
前記搬送機構は一時保管プレートと、平行且つ対向して前記一時保管プレートに設置された2つの伸縮アームとを含み、前記伸縮アームのインナーアームは搬送ユニットを含み、前記搬送ユニットはプッシュロッドユニットおよび/または挟持ユニットを含む、
請求項4~13のいずれか一項に記載のロボット。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のロボットが適用される荷物搬送方法であって、前記方法は、
第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得するステップと、
前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行するステップと、を含み、
前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、
前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行中に取得されるか、または取得した前記搬送タスク系列に前記第2の搬送タスクが含まれている、
荷物搬送方法。
【請求項20】
ロボットは定期的または不定期に、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告する、
請求項19に記載の荷物搬送方法。
【請求項21】
ロボットはサーバから要求を受信したとき、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告する、
請求項19に記載の荷物搬送方法。
【請求項22】
前記第2の搬送タスクが返却タスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、
前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップと、
前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の返却位置に到達して、返却タスクを実行するステップと、
前記第1の目標物位置まで走行して荷物取出しタスクを実行するステップと、を含む、
請求項19に記載の荷物搬送方法。
【請求項23】
前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置は、
前記第2の目標物の当初収納位置、または空き収納場所の位置、または前記第1の目標物の位置を含む、
請求項22に記載の荷物搬送方法。
【請求項24】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、
前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットの荷物取出しルートとの間の距離は第1の所定範囲内であり、および/または、前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットとの間の距離は第2の所定範囲内であり、
Uは0より大きい自然数であり、
前記荷物取出しルートは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである、
請求項23に記載の荷物搬送方法。
【請求項25】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、
ロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき生じる第1の増加時間は第1の所定閾値以下であり、および/または、ロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき増加する第1の移動距離は、第2の所定閾値以下であり、
Uは0より大きい自然数である、
請求項23に記載の荷物搬送方法。
【請求項26】
前記第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、
前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出しタスク位置を取得するステップと、
前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の荷物取出し位置に到達して、荷物取出しタスクを実行するステップと、
前記第1の目標物位置まで走行して返却タスクを実行するステップと、を含む、
請求項19に記載の荷物搬送方法。
【請求項27】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、
前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置と返却ルートとの間の距離は第3の所定範囲内であり、および/または、前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置とロボットとの間の距離は第4の所定範囲内であり、
Nは0より大きい自然数であり、
前記返却ルートは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである、
請求項26に記載の荷物搬送方法。
【請求項28】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、
ロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき生じる第2の増加時間は、第3の所定閾値以下であり、および/または、ロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき増加する第2の移動距離は、第4の所定閾値以下であり、
Nは0より大きい自然数である、
請求項26に記載の荷物搬送方法。
【請求項29】
前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクは、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間と、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数と、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離と、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率と、のうちいずれか1つまたは複数の制約要素に関連している、
請求項19~28のいずれか一項に記載の荷物搬送方法。
【請求項30】
荷物を置くためのラックに、ラック深度方向において2つ以上の収納位置が存在し、且つ前記荷物取出しタスクまたは前記返却タスクで指示された目標物位置が前記収納位置のうち2番目の位置かそれより後ろの位置である場合、前記方法はさらに、
前記目標物位置に置く前に、非目標荷物を前記ロボットの空きスロットに搬送するステップと、
前記目標物位置に対する取出しタスクまたは返却タスクを実行するステップと、
前記非目標荷物を前記ラックの元の収納位置に返却するか、または、前記非目標荷物を空き収納位置に返却するステップと、を含み、
前記空き収納位置は前記目標物位置と同一のラックまたは異なるラックに属する、
請求項19~28のいずれか一項に記載の荷物搬送方法。
【請求項31】
サーバから割り振られた荷物整理タスクを受信するステップと、
前記荷物整理タスクを実行するステップと、をさらに含み、
前記荷物整理タスクは、目標物に対して荷物整理を行うこと、および/または、前記目標物の収納位置を調整することを含み、
前記荷物整理タスクの実行タイミングは、
前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの前と、
前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクの間と、
前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの後と、
前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクからなるタスク系列におけるいずれか1つのタスクの実行中と、のうちいずれか1つの状況を含む、
請求項19~28のいずれか一項に記載の荷物搬送方法。
【請求項32】
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な指令を記憶したメモリと、を含み、
前記プロセッサは前記実行可能な指令を実行することで、請求項1~18のいずれか一項に記載のロボットに第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクを割り振るように構成されている、
サーバ。
【請求項33】
請求項1~18のいずれか一項に記載のロボットと、請求項32に記載のサーバと、ラックと、操作プラットフォームとを含み、
前記ロボットと前記サーバとは通信接続され、
前記サーバは前記ロボットに前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクを割り振り、
前記ロボットは請求項19~31のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行して、ラックと操作プラットフォームの間の荷物搬送を実現する、
倉庫システム。
【請求項34】
コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項19~31のいずれか一項に記載の荷物搬送方法が実現される、
記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年07月24日に中国専利局に出願された、出願番号202010725040.8、発明の名称「ロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システム」の中国専利出願の優先権を主張し、そのすべての内容を援用により本願に組み入れる。
【0002】
本願はスマート倉庫の技術分野に関し、特にロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0003】
Eコマースとネットショッピングが新興して日増しに発展するにつれ、荷物の倉庫物流のスマート化にとって巨大な発展のチャンスが訪れた。近年、倉庫ロボットによる荷物搬送の技術は日増しに成熟しつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術において、倉庫ロボットはコンテナを操作台まで運んで操作した後、コンテナをまたラックエリアに戻す必要がある。一度に複数のコンテナを搬送できる倉庫ロボットにおいては、一般的に「先戻し後取り」というポリシーが採られている。即ち、まずラックエリアへ戻す必要があるコンテナを一度に置き終わった後で、コンテナを操作台まで搬送するタスクを実行する。
【0005】
しかし、上記の搬送方式は十分フレキシブルであるとはいえず、荷物の搬送効率が低い。
【0006】
本願は搬送ポリシーを柔軟に設定でき、荷物搬送効率を高めることができるロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様として、本願が提供するロボットは、移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含むロボットであって、前記ロボットラックは移動シャーシに取り付けられ、前記移動シャーシは第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成され、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、前記昇降装置および前記物品搬送装置は前記ロボットラックに取り付けられ、前記昇降装置は前記物品搬送装置を駆動して前記ロボットラックに対して昇降移動させるように構成され、前記物品搬送装置は前記ロボットラックと前記第1の目標物位置との間で第1の目標物を搬送するとともに、前記ロボットラックと前記第2の目標物位置との間で第2の目標物を搬送するように構成され、前記ロボットは前記第1の搬送タスクの実行中に前記第2の搬送タスクを実行する。
【0008】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが返却タスクである場合、前記移動シャーシが前記第1の目標物位置に向かって走行中に前記返却位置に到達し、前記物品搬送装置と前記昇降装置が協働して、前記第2の目標物を前記ロボットラックから前記返却位置まで搬送する。
【0009】
選択可能ないくつかの実施例において、前記返却位置は前記第2の目標物の当初収納位置と、空き収納場所の位置と、前記第1の目標物の位置とのうちのいずれか1つであり、前記返却位置が前記第1の目標物の位置である場合、前記物品搬送装置は前記第1の目標物を前記ロボットラックへ搬送してから、前記第2の目標物を第1の目標物の位置へ搬送する。
【0010】
選択可能ないくつかの実施例において、前記物品搬送装置は、前記ロボットラックに取り付けられて目標物の出し入れに用いられる少なくとも1つの搬送機構を含む。
【0011】
選択可能ないくつかの実施例において、前記物品搬送装置は吸盤フォークユニットおよび/または挟持式ロボットアームを含む。
【0012】
選択可能ないくつかの実施例において、前記物品搬送装置が少なくとも2つの搬送機構を含む場合、少なくとも2つの搬送機構は並列に設置されるか、または昇降方向に沿って異なる段に設置される。
【0013】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに位置し、且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造である。
【0014】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記ロボットラックは、同一垂直面に位置し且つ移動シャーシに設置されている3本以上の支柱を含み、各搬送機構は隣り合う2本の支柱の間に取り付けられ、前記支柱に対して昇降移動を行い、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置される。
【0015】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ前記物品搬送装置の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは前記物品搬送装置を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0016】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置される。
【0017】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに位置し、且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造である。
【0018】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ前記搬送機構の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは各前記搬送機構を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0019】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送機構が2つの場合、一方の搬送機構は倉庫ラック上の目標物を前記ロボットラックへ運ぶために用いられ、他方の搬送機構は前記ロボットラック上の目標物を前記倉庫ラックへ移すために用いられる。
【0020】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットが荷物取出しタスクを実行する場合、前記ロボットは第1の目標物の荷物取出し位置まで走行し、前記物品搬送装置のうち1つの搬送機構が前記昇降装置によって前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動して、前記第1の目標物を倉庫ラックから取り出して、前記ロボットラックに置く。
【0021】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第1の目標物に対する荷物取出しタスクを実行完了後、前記物品搬送装置のうち1つの搬送機構が、ロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第1の目標物の荷物取出し位置まで送り出す。
【0022】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットが返却タスクを実行する場合、前記ロボットは第2の目標物の返却位置まで走行し、前記物品搬送装置のうち1つの搬送機構が、ロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第2の目標物の返却位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第2の目標物の返却位置まで送り出す。
【0023】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットラックには、目標物を収納するための少なくとも2つの保管位置が設けられている。
【0024】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送機構は一時保管プレートと、平行且つ対向して前記一時保管プレートに設置された2つの伸縮アームとを含み、前記伸縮アームのインナーアームは搬送ユニットを含み、前記搬送ユニットはプッシュロッドユニットおよび/または挟持ユニットを含む。
【0025】
第2の態様として、本願が提供する荷物搬送方法は、第1の態様のいずれか一項に記載のロボットが適用される荷物搬送方法であって、前記方法は、第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得するステップと、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行するステップと、を含み、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行中に取得されるか、または取得した前記搬送タスク系列に前記第2の搬送タスクが含まれている。
【0026】
選択可能ないくつかの実施例において、ロボットは定期的または不定期に、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告する。
【0027】
選択可能ないくつかの実施例において、ロボットはサーバから要求を受信したとき、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告する。
【0028】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが返却タスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップと、前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の返却位置に到達して、返却タスクを実行するステップと、前記第1の目標物位置まで走行して荷物取出しタスクを実行するステップと、を含む。
【0029】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置は、前記第2の目標物の当初収納位置、または空き収納場所の位置、または前記第1の目標物の位置を含む。
【0030】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットの荷物取出しルートとの間の距離は第1の所定範囲内であり、および/または、前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットとの間の距離は第2の所定範囲内であり、Uは0より大きい自然数であり、前記荷物取出しルートは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0031】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、ロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき生じる第1の増加時間は、第1の所定閾値以下であり、および/または、ロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき増加する第1の移動距離は、第2の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数である。
【0032】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップと、前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の荷物取出し位置に到達して、荷物取出しタスクを実行するステップと、前記第1の目標物位置まで走行して返却タスクを実行するステップと、を含む。
【0033】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置と返却ルートとの間の距離は第3の所定範囲内であり、および/または、前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置とロボットとの距離は第4の所定範囲内であり、Nは0より大きい自然数であり、前記返却ルートは前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0034】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、ロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき生じる第2の増加時間は、第3の所定閾値以下であり、および/または、ロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき増加する第2の移動距離は、第4の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数である。
【0035】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクは、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率と、のうちいずれか1つまたは複数の制約要素に関連している。
【0036】
選択可能ないくつかの実施例において、荷物を置くためのラックに、ラック深度方向において2つ以上の収納位置が存在し、且つ前記荷物取出しタスクまたは前記返却タスクで指示された目標物位置が前記収納位置のうち2番目の位置かそれより後ろの位置である場合、前記方法はさらに、前記目標物位置に置く前に、非目標荷物を前記ロボットの空きスロットに搬送するステップと、前記目標物位置に対する取出しタスクまたは返却タスクを実行するステップと、前記非目標荷物を前記ラックの元の収納位置に返却するか、または、前記非目標荷物を空き収納位置に返却するステップと、を含み、前記空き収納位置は前記目標物位置と同一のラックまたは異なるラックに属する。
【0037】
選択可能ないくつかの実施例において、前記方法はさらに、サーバから割り振られた荷物整理タスクを受信するステップと、前記荷物整理タスクを実行するステップと、を含み、前記荷物整理タスクは、目標物に対して荷物整理を行うこと、および/または、前記目標物の収納位置を調整することを含み、前記荷物整理タスクの実行タイミングは、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの前と、前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクの間と、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの後と、前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクからなるタスク系列におけるいずれか1つのタスクの実行中と、のうちのいずれか1つの状況が含まれる。
【0038】
第3の態様として、本願がさらに提供するサーバは、プロセッサと、前記プロセッサが実行可能な指令を記憶したメモリと、を含み、前記プロセッサは前記実行可能な指令を実行することで、第1の態様のいずれか一項に記載のロボットに第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクを割り振るように構成されている。
【0039】
第4の態様として、本願がさらに提供する倉庫システムは、第1の態様のいずれか一項に記載のロボットと、第3の態様に記載のサーバと、ラックと、操作プラットフォームとを含み、前記ロボットと前記サーバとは通信接続され、前記サーバは前記ロボットに前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクを割り振り、前記ロボットは第2の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行して、ラックと操作プラットフォームの間の荷物搬送を実現する。
【0040】
第5の態様として、本願がさらに提供する記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記プログラムがプロセッサによって実行されると、第2の態様のいずれか一項の荷物搬送方法が実現される。
【0041】
第6の態様として、本願が提供する荷物搬送方法は、ロボットの位置情報および空きスロット情報を取得するステップと、前記位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記ロボットに第2の搬送タスクを割り振るステップと、を含み、前記第1の搬送タスクと前記第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクである。
【0042】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行前、実行中、実行後のいずれか1つの時点に割り振られる。
【0043】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットが前記第1のタスクを実行したときの空きスロット情報の変化を予測して、前記第2の搬送タスクを選択的に前記第1の搬送タスクの実行前、実行中、実行後に挿入する。
【0044】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが返却タスクである場合、前記ロボットに第2の搬送タスクを割り振るステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定するステップを含む。
【0045】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定する前記ステップは、前記返却位置を前記第2の目標物の当初収納位置に決定するステップ、または前記返却位置を空き収納場所の位置に決定するステップ、または前記返却位置を前記第1の目標物の位置に決定するステップを含む。
【0046】
選択可能ないくつかの実施例において、前記返却位置が前記空き収納場所の位置である場合、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定するステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成するステップと、前記荷物取出しルートとの間の距離が第1所定範囲内であるU箇所の空き収納場所に対応する位置を、前記第2の目標物の返却位置に決定するステップ、および/または、前記位置情報に基づいて、前記ロボットとの間の距離が第2所定範囲内であるU箇所の空き収納場所に対応する位置を、前記第2の目標物の返却位置に決定するステップを含み、Uは0より大きい自然数である。
【0047】
選択可能ないくつかの実施例において、前記返却位置が前記空き収納場所の位置である場合、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定するステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成するステップと、ロボットがV箇所の空き収納場所に対応する位置それぞれに到達して荷物を返却するとともに、前記荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する第1の総時間を予測するステップと、前記消費する第1の総時間とロボットが前記荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する時間との差を、第1の増加時間とするステップと、V箇所の空き収納場所のうち、第1の増加時間が第1の所定閾値以下であるU箇所の空き収納場所を、第2の目標物の返却位置に決定するステップと、を含み、VはU以上の自然数であり、Uは0より大きい自然数である。
【0048】
いくつかの選択可能な実施形態において、前記返却位置が前記空き収納場所である場合、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定するステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、荷物取出しルートを生成するステップと、ロボットがV箇所の空き収納場所に対応する位置それぞれに到達して荷物を返却するとともに前記荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで増加する第1の移動距離を予測するステップと、V箇所の空き収納場所のうち、増加する第1の移動距離が第2の所定閾値以下であるU箇所の空き収納場所を、第2の目標物の返却位置に決定するステップと、を含み、VはU以上の自然数であり、Uは0より大きい自然数である。
【0049】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであり、且つ前記ロボットの空きスロット情報が示す空きスロットの総数がゼロである場合、さらに、前記第2の搬送タスクを実行する前に、少なくとも1回の第1の搬送タスクを割り振るステップを含む。
【0050】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであり、且つ前記ロボットの空きスロット情報が、空きスロットの総数がゼロより大きいことを示している場合、前記ロボットに第2の搬送タスクを割り振るステップは、前記位置情報と、空きスロット情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の荷物取出し位置を決定するステップを含む。
【0051】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の荷物取出し位置を決定することは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を決定することを含み、前記Nは0より大きく且つ前記空きスロット情報が示す空きスロット総数以下の自然数である。
【0052】
選択可能ないくつかの実施例において、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を決定するステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成するステップと、前記返却ルートとの間の距離が第3の所定範囲内であるN箇所の荷物取出し位置を、前記第2の目標物の荷物取出し位置に決定するステップ、および/または、前記位置情報に基づいて、前記ロボットとの間の距離が第4の所定範囲内であるN箇所の荷物取出し位置を、前記第2の目標物の荷物取出し位置に決定するステップを含む。
【0053】
選択可能ないくつかの実施例において、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を決定する前記ステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成するステップと、ロボットがM箇所の荷物取出し位置それぞれに到達して荷物を取り出すとともに、返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで消費する第2の総時間を予測するステップと、前記消費する第2の総時間と、ロボットが前記返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで消費する時間との差を、第2の増加時間とするステップと、M箇所の荷物取出し位置のうち、第2の増加時間が第3の所定閾値以下であるN箇所の荷物取出し位置を、前記第2の目標物の荷物取出し位置に決定するステップとを含み、MはN以上の自然数である。
【0054】
選択可能ないくつかの実施例において、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を決定する前記ステップは、前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、返却ルートを生成するステップと、ロボットがM箇所の荷物取出し位置それぞれに到達して荷物を取り出すとともに前記返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで増加する、第2の移動距離を予測するステップと、M箇所の荷物取出し位置のうち、増加する第2の移動距離が第4の所定閾値以下であるN箇所の荷物取出し位置を、前記第2の目標物の荷物取出し位置に決定するステップと、を含み、MはN以上の自然数である。
【0055】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットに第2の搬送タスクを割り振る前に、さらに、前記第2の搬送タスクに対応する計画ルートがブッキング条件を満たすか否かを特定するステップを含み、前記ブッキング条件は、所定時間内に前記計画ルート上を走行するロボットが無いことを含む。
【0056】
選択可能な一実施形態において、前記方法はさらに、前記計画ルートが前記ブッキング条件を満たさない場合、前記第2の搬送タスクを新たに割り振るステップを含む。
【0057】
選択可能ないくつかの実施例において、前記方法はさらに、クライアント端末から送信された搬送タスク取消要求または搬送タスク追加要求を受信するステップと、搬送タスク取消要求または搬送タスク追加要求に応じて、前記第2の搬送タスクを新たに割り振るステップと、を含む。
【0058】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第1の搬送タスクと前記第2の搬送タスクを割り振るとき、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率と、のうちいずれか1つまたは複数の制約要素を考慮する。
【0059】
選択可能ないくつかの実施例において、荷物を置くためのラックに、ラック深度方向において2つ以上の収納位置が存在し、且つ前記荷物取出しタスクまたは前記返却タスクで指示された目標物位置が、前記収納位置のうち2番目の位置かそれより後ろの位置である場合、前記方法はさらに、前記目標物位置に置く前に、非目標荷物を前記ロボットの空きスロットに搬送するよう前記ロボットに指示するステップと、前記目標物位置に対する取出しタスクまたは返却タスクを実行するようロボットに指示するステップと、前記非目標荷物を前記ラックの元の収納位置に返却するか、または、前記非目標荷物を空き収納位置に返却するようロボットに指示するステップと、を含み、前記空き収納位置は前記目標物位置と同一のラックまたは異なるラックに属する。
【0060】
選択可能ないくつかの実施例において、さらに、ロボットに荷物整理タスクを割り振るステップを含み、前記荷物整理タスクは、目標物に対して荷物整理を行うこと、および/または、前記目標物の収納位置を調整することを含み、前記荷物整理タスクの実行タイミングは、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの前と、前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクの間と、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの後と、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクからなるタスク系列におけるいずれか1つのタスクの実行中と、のうちのいずれか1つの状況を含む。
【0061】
第7の態様として、本願が提供する荷物搬送方法は、第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得するステップと、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行するステップと、を含み、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行中に取得されるか、または取得した前記搬送タスク系列に前記第2の搬送タスクが含まれている。
【0062】
選択可能ないくつかの実施例において、さらに、ロボットが定期的または不定期にサーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告するステップ、および/または、ロボットがサーバから要求を受信したとき、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告するステップを含む。
【0063】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが返却タスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップと、前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の返却位置に到達して、返却タスクを実行するステップと、前記第1の目標物位置まで走行して荷物取出しタスクを実行するステップと、を含む。
【0064】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置は、前記第2の目標物の当初収納位置、または空き収納場所の位置、または前記第1の目標物の位置を含む。
【0065】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットの荷物取出しルートとの間の距離は第1の所定範囲内であり、および/または、前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットとの間の距離は第2の所定範囲内であり、Uは0より大きい自然数であり、前記荷物取出しルートは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0066】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、ここでロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき生じる第1の増加時間は第1の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数であり、および/または、前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、ここでロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき増加する第1の移動距離は、第2の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数である。
【0067】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップと、前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の荷物取出し位置に到達して、荷物取出しタスクを実行するステップと、前記第1の目標物位置まで走行して返却タスクを実行するステップと、を含む。
【0068】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、ここで前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置と返却ルートとの間の距離は第3の所定範囲内であり、前記返却ルートは前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものであり、および/または、前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、ここで前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置とロボットとの距離は第4の所定範囲内であり、前記返却ルートは前記位置情報と、前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0069】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップは、前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、ここでロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき生じる第2の増加時間は、第3の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数であり、および/または、前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、ここでロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき増加する第2の移動距離は、第4の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数である。
【0070】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクは、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離と、ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率と、のうちいずれか1つまたは複数の制約要素に関連している。
【0071】
選択可能ないくつかの実施例において、荷物を置くためのラックに、ラック深度方向において2つ以上の収納位置が存在し、且つ前記荷物取出しタスクまたは前記返却タスクで指示された目標物位置が前記収納位置のうち2番目の位置かそれより後ろの位置である場合、前記方法はさらに、前記目標物位置に置く前に、非目標荷物を前記ロボットの空きスロットに搬送するステップと、前記目標物位置に対する取出しタスクまたは返却タスクを実行するステップと、前記非目標荷物を前記ラックの元の収納位置に返却するか、または、前記非目標荷物を空き収納位置に返却するステップと、を含み、前記空き収納位置は前記目標物位置と同一のラックまたは異なるラックに属する。
【0072】
選択可能ないくつかの実施例において、前記方法は、サーバから割り振られた荷物整理タスクを受信するステップと、前記荷物整理を実行するステップと、をさらに含み、前記荷物整理タスクは、目標物に対して荷物整理を行うこと、および/または、前記目標物の収納位置を調整することを含み、前記荷物整理タスクの実行タイミングは、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの前と、前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクの間と、前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの後と、前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクからなるタスク系列におけるいずれか1つのタスクの実行中と、のうちいずれか1つの状況が含まれる。
【0073】
第8の態様として、本願が提供する荷物搬送装置は、第1の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行するための装置であって、前記装置は、ロボットの位置情報および空きスロット情報を取得する取得モジュールと、前記位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、前記ロボットに第2の搬送タスクを割り振る処理モジュールと、を含み、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクである。
【0074】
第9の態様として、本願が提供する荷物搬送装置は、第2の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行するための装置であって、前記装置は、第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得する送信モジュールと、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する実行モジュールと、を含み、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行中に取得されるか、または取得した前記搬送タスク系列に前記第2の搬送タスクが含まれている。
【0075】
第10の態様として、本願がさらに提供するサーバは、プロセッサと、前記プロセッサが実行可能な指令を記憶したメモリと、を含み、前記プロセッサは前記実行可能な指令を実行することで、第6の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行するように構成される。
【0076】
第11の態様として、本願がさらに提供するロボットは、ロボット本体を含み、前記ロボット本体は、メモリとプロセッサとを含み、前記メモリはプロセッサの実行可能な指令を記憶し、前記プロセッサは前記実行可能な指令を実行することで、第7の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行するように構成される。
【0077】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボット本体は移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含み、前記ロボットラックは前記移動シャーシに取り付けられ、前記昇降装置および前記物品搬送装置は前記ロボットラックに取り付けられ、前記昇降装置は前記物品搬送装置を駆動して前記ロボットラックに対して昇降移動させ、前記物品搬送装置は前記ロボットラック上の少なくとも1つの搬送機構を含み、前記搬送機構は目標物の出し入れに用いられる。
【0078】
選択可能ないくつかの実施例において、前記物品搬送装置は吸盤フォークユニットを含む。
【0079】
選択可能ないくつかの実施例において、前記物品搬送装置は挟持式ロボットアームを含む。
【0080】
選択可能ないくつかの実施例において、前記物品搬送装置が少なくとも2つの搬送機構を含む場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに並列に設置される。
【0081】
選択可能ないくつかの実施例において、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックの同一段に位置し、且つ且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造である。
【0082】
選択可能ないくつかの実施例において、ロボットラックは、同一垂直面に位置し且つ移動シャーシに設置されている3本以上の支柱を含み、各搬送機構は隣り合う2本の支柱の間に取り付けられ、前記支柱に対して昇降移動を行い、同一段に位置する搬送機構間は相対移動することがない。
【0083】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送機構が2つの場合、一方の前記搬送機構が倉庫ラック上の目標物を前記ロボットラックへ搬送するために用いられるとともに、他方の前記搬送機構が前記ロボットラック上の目標物を前記倉庫ラックへ移すために用いられる。
【0084】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送機構は一時保管プレートおよび前記一時保管プレートに取り付けられた伸縮アームを含み、前記一時保管プレートは前記目標物を一時保管し、前記伸縮アームは前記一時保管プレート上の目標物を前記倉庫ラックおよび前記ロボットラックに送り出すか、前記倉庫ラックまたは前記ロボットラック上の目標物を前記一時保管プレートまで送り出す。
【0085】
選択可能ないくつかの実施例において、前記伸縮アームは2つであり、2つの前記伸縮アームは平行且つ対向して前記一時保管プレートに設置される。
【0086】
選択可能ないくつかの実施例において、前記伸縮アームはアウターアームと、インナーアームと、搬送ユニットとを含み、前記アウターアームは前記一時保管プレートに取り付けられ、前記インナーアームは前記アウターアームに取り付けられ、前記搬送ユニットは前記インナーアームに取り付けられ、前記インナーアームは前記アウターアームに対して移動可能であり、これにより前記搬送ユニットは前記目標物を押して移動させることができる。
【0087】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送ユニットはプッシュロッドユニットであり、前記プッシュロッドユニットは第1プッシュロッドと第2プッシュロッドとを含み、前記第1プッシュロッドは前記インナーアームの先端面に取り付けられ、且つ前記インナーアームの先端面に対して水平または垂直な位置まで回転可能であり、これにより前記第1プッシュロッドは前記倉庫ラック上の目標物を前記一時保管プレートまで送り出すか、前記一時保管プレート上の目標物を前記倉庫ラックまで送り出すことができ、前記第2プッシュロッドは前記インナーアームの後端面に取り付けられ、且つ前記インナーアームの後端面に対して水平または垂直な位置まで回転可能であり、これにより前記第2プッシュロッドは前記一時保管プレート上の目標物を前記ロボットラックまで送り出すか、前記ロボットラック上の目標物を前記一時保管プレートまで送り出すことができる。
【0088】
選択可能ないくつかの実施例において、前記プッシュユニットはさらに駆動部材を含み、前記駆動部材は前記第1のプッシュロッドおよび前記第2のプッシュロッドにそれぞれ接続され、前記駆動部材は前記第1のプッシュロッドおよび前記第2のプッシュロッドを前記インナーアームの端面に対して回転させることで、前記第1のプッシュロッドおよび前記第2のプッシュロッドを水平または垂直な位置まで回転させる。
【0089】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送ユニットは挟持ユニットであり、前記挟持ユニットは前記インナーアームの内側に設置され、前記挟持ユニットまたは前記伸縮アームの対向する側へ作用する力を調整することで、目標物の挟みこみ操作または解放操作を実行する。
【0090】
選択可能ないくつかの実施例において、前記伸縮アームはさらに少なくとも1つのミドルアームを含み、前記ミドルアームは前記インナーアームと前記アウターアームの間に取り付けられるとともに、前記インナーアームおよび前記アウターアームに接続され、前記ミドルアームは前記アウターアームに対して移動可能であり、前記インナーアームは前記ミドルアームに対して移動可能である。
【0091】
選択可能ないくつかの実施例において、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ対向して前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ前記物品搬送装置の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは前記物品搬送装置を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0092】
選択可能ないくつかの実施例において、前記昇降ユニットは主動輪と従動輪と伝送ベルトとを含み、前記主動輪はロボットラックの下端に取り付けられ、前記従動輪は前記ロボットラックの頂端に取り付けられ、前記伝送ベルトは前記主動輪と前記従動輪にはめつけられ、前記主動輪が回動して前記伝送ベルトを導いて動かし、前記伝送ベルトが2つの前記搬送機構を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0093】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットラックには、目標物を収納するための少なくとも2つの保管位置が設けられている。
【0094】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送ロボットが返却タスクを実行する場合、前記搬送ロボットは第2の目標物の返却位置まで走行し前記物品搬送装置のうち1つの搬送機構がロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第2の目標物の返却位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第2の目標物の返却位置まで送り出す。
【0095】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送ロボットが荷物取出しタスクを実行する場合、前記搬送ロボットは第1の目標物の荷物取出し位置まで走行し、前記物品搬送装置のうち1つの搬送機構が前記昇降装置によって前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動して、前記第1の目標物を倉庫ラックから取り出して、前記ロボットラックに置く。
【0096】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第1の目標物に対する荷物取出しタスクを実行完了後、前記物品搬送装置のうち1つの搬送機構が、ロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第1の目標物の荷物取出し位置まで送り出す。
【0097】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットラックに取り付けられる少なくとも2つの搬送機構を含み、各前記搬送機構は昇降方向に沿って異なる段に設置され、各前記搬送機構はそれぞれ目標物の出し入れに用いられる。
【0098】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送機構は2つであり、一方の前記搬送機構が倉庫ラック上の目標物を前記ロボットラックへ運ぶために用いられるとともに、他方の前記搬送機構が前記ロボットラック上の目標物を前記倉庫ラックへ移すために用いられる。
【0099】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送機構は一時保管プレートおよび前記一時保管プレートに取り付けられた伸縮アームを含み、前記一時保管プレートは前記目標物を一時保管し、前記伸縮アームは前記一時保管プレート上の目標物を前記倉庫ラックと前記ロボットラックに送り出すか、前記倉庫ラックまたは前記ロボットラック上の目標物を前記一時保管プレートまで送り出す。
【0100】
選択可能ないくつかの実施例において、前記伸縮アームは2つであり、2つの前記伸縮アームは平行且つ対向して前記一時保管プレートに設置される。
【0101】
選択可能ないくつかの実施例において、前記伸縮アームはアウターアームと、インナーアームと、プッシュユニットとを含み、前記アウターアームは前記一時保管プレートに取り付けられ、前記インナーアームは前記アウターアームに取り付けられ、前記プッシュユニットは前記インナーアームに取り付けられ、前記インナーアームは前記アウターアームに対して移動可能であり、これにより前記プッシュユニットが前記目標物を押して移動させることができる。
【0102】
選択可能ないくつかの実施例において、前記プッシュロッドユニットは第1プッシュロッドと第2プッシュロッドとを含み、前記第1プッシュロッドは前記インナーアームの先端面に取り付けられ、且つ前記インナーアームの先端面に対して水平または垂直な位置まで回転可能であり、これにより前記第1プッシュロッドは前記倉庫ラック上の目標物を前記一時保管プレートまで送り出すか、前記一時保管プレート上の目標物を前記倉庫ラックまで送り出すことができ、前記第2プッシュロッドは前記インナーアームの後端面に取り付けられ、且つ前記インナーアームの後端面に対して水平または垂直な位置まで回転可能であり、これにより前記第2プッシュロッドは前記一時保管プレート上の目標物を前記ロボットラックまで送り出すか、前記ロボットラック上の目標物を前記一時保管プレートまで送り出すことができる。
【0103】
選択可能ないくつかの実施例において、前記プッシュユニットはさらに駆動部材を含み、前記駆動部材は前記第1のプッシュロッドおよび前記第2のプッシュロッドにそれぞれ接続され、前記駆動部材は前記第1のプッシュロッドおよび前記第2のプッシュロッドを前記インナーアームの端面に対して回転させることで、前記第1のプッシュロッドおよび前記第2のプッシュロッドを水平または垂直な位置まで回転させる。
【0104】
選択可能ないくつかの実施例において、前記伸縮アームはさらに少なくとも1つのミドルアームを含み、前記ミドルアームは前記インナーアームと前記アウターアームの間に取り付けられるとともに、前記インナーアームおよび前記アウターアームに接続され、前記ミドルアームは前記アウターアームに対して移動可能であり、前記インナーアームは前記ミドルアームに対して移動可能である。
【0105】
選択可能ないくつかの実施例において、少なくとも2つの搬送機構は接続板で一体に固定接続される。
【0106】
選択可能ないくつかの実施例において、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ対向して前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ各前記搬送機構の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは各前記搬送機構を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0107】
選択可能ないくつかの実施例において、前記昇降ユニットは主動輪と従動輪と伝送ベルトとを含み、前記主動輪はロボットラックの下端に取り付けられ、前記従動輪は前記ロボットラックの頂端に取り付けられ、前記伝送ベルトは前記主動輪と前記従動輪にはめつけられ、前記主動輪が回動して前記伝送ベルトを導いて動かし、前記伝送ベルトが2つの前記搬送機構を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0108】
選択可能ないくつかの実施例において、前記ロボットラックには、目標物を収納するための少なくとも2つの保管位置が設けられている。
【0109】
選択可能ないくつかの実施例において、さらにサポートビームを含み、前記サポートビームは前記ロボットラックに取り付けられるとともに、前記ロボットラックに対して昇降移動可能であり、各前記搬送機構は前記サポートビームに取り付けられる。
【0110】
選択可能ないくつかの実施例において、さらに取付フレームと、前記取付フレームに取り付けられた回転ユニットとを含み、各搬送機構は前記回転ユニットに取り付けられ、前記取付フレームは前記サポートビームに取り付けられ、前記回転ユニットは各前記搬送機構を導いて前記サポートビームの昇降方向に垂直な平面内で回転させる。
【0111】
選択可能ないくつかの実施例において、前記取付フレームは対向して設置された2つの取付板と、2つの前記取付板を接続するキャリービームとを含み、2つの前記取付板は前記サポートビームに接続され、前記回転ユニットは、前記キャリービーム上の載置板と、前記載置板と間隔を開けて設置された回転板と、前記載置板と前記回転板とを接続するためのクロスベアリングとを含み、前記クロスベアリングには第1のスプロケットが接続され、前記回転板には第2のスプロケットと、前記第2のスプロケットを駆動して回動させるモータとが設けられており、前記第1のスプロケットと前記第2のスプロケットはチェーンで接続され、前記モータが前記第2のスプロケットを駆動して回動させると、前記第2のスプロケットはチェーンを介して前記第1のスプロケットを導いて回動させ、前記第1のスプロケットが回動すると前記回転板上に位置する各前記搬送機構が前記第1のスプロケットの軸線周りに回転する。
【0112】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送ロボットが返却タスクを実行する場合、前記搬送ロボットは第2の目標物の返却位置まで走行し1つの搬送機構がロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第2の目標物の返却位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第2の目標物の返却位置まで送り出す。
【0113】
選択可能ないくつかの実施例において、前記搬送ロボットが荷物取出しタスクを実行する場合、前記搬送ロボットは第1の目標物の荷物取出し位置まで走行し、1つの搬送機構が前記昇降装置によって前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動して、前記第1の目標物を倉庫ラックから取り出して、前記ロボットラックに置く。
【0114】
選択可能ないくつかの実施例において、前記第1の目標物に対する荷物取出しタスクを実行完了後、1つの搬送機構が、ロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第1の目標物の荷物取出し位置まで送り出す。
【0115】
第12の態様として、本願がさらに提供する倉庫システムは、搬送ロボットと、サーバと、ラックと、操作プラットフォームとを含み、前記搬送ロボットとサーバとは通信接続され、前記サーバは第6の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行し、前記搬送ロボットは第7の態様のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行して、ラックと操作プラットフォームの間の荷物搬送を実現する。
【0116】
第13の態様として、本願実施例がさらに提供する記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、第6の態様におけるいずれか一つの荷物搬送方法が実現される。
【0117】
第14の態様として、本願実施例がさらに提供する記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、当該プログラムがプロセッサによって実行されると、第7の態様におけるいずれか一つの荷物搬送方法が実現される。
【発明の効果】
【0118】
本願が提供するロボット、荷物搬送方法、サーバおよび倉庫システムにおいて、移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含むロボットを設置し、ロボットラックは移動シャーシに取り付けられ、移動シャーシは第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成され、第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、昇降装置および物品搬送装置はロボットラックに取り付けられ、ロボットは第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。
これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定してロボットに荷物を返却しながら荷物を取り出させ、ルート計画の合理性を高め、ロボットの総作業時間および移動距離を減少させ、エネルギー消費を節約するだけでなく、荷物の搬送効率を効果的に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
本願の実施例または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または従来技術の説明に使用する図面を簡単に紹介する。自明のことではあるが、下記の図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば創意工夫を要さずしてこれらの図面に基づいて他の図面が得られるであろう。
【0120】
図1図1は本願の一実施例による荷物搬送方法の応用シーンの図である。
図2図2は本願の第1実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。
図3図3は本願の第2実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。
図4図4は本願の第3実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。
図5図5は本願の第4実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。
図6図6は本願の第5実施例による荷物搬送装置の構造模式図である。
図7図7は本願の第6実施例による荷物搬送装置の構造模式図である。
図8図8は本願の第7実施例によるサーバの構造模式図である。
図9図9は本願実施例で提供するロボットの構造模式図である。
図10図10は本願実施例で提供するロボットの第1の構造の模式図である。
図11図11は本願実施例で提供するロボットの第2の構造の模式図である。
図12図12は本願実施例で提供するロボットの第3の構造の模式図である。
図13図13は本願実施例で提供するロボットの第4の構造の模式図である。
図14図14は本願実施例で提供するロボットの第5の構造の模式図である。
図15図15は本願実施例で提供するロボットの第6の構造の模式図である。
【0121】
図10図15における符号を説明する。
1:移動シャーシ
2:ロボットラック
21:保管位置
3:昇降ユニット
31:主動輪
32:従動輪
33:伝送ベルト
4:搬送機構
41:一時保管プレート
42:伸縮アーム
421:インナーアーム
422:ミドルアーム
423:アウターアーム
43:プッシュロッドユニット
431:第1のプッシュロッド
432:第2のプッシュロッド
【発明を実施するための形態】
【0122】
本願の実施例の目的、技術手段および利点をより明確にするため、以下、本願の実施例における図面と組み合わせて本願の実施例の技術スキームを明確且つ全面的に説明する。もちろん、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、すべてではない。本願の実施例に基づいて当業者が創意工夫を要さずに得た他のすべての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0123】
Eコマースとネットショッピングが新興して日増しに発展するにつれ、荷物の倉庫物流のスマート化にとって巨大な発展のチャンスが訪れた。近年、倉庫ロボットによる荷物搬送の技術は日増しに成熟しつつある。従来技術において、倉庫ロボットはコンテナを操作ステーションまで運んで操作した後、コンテナをまたラックエリアに戻す必要がある。一度に複数のコンテナを搬送できる倉庫ロボットにおいては、一般的に「先戻し後取り」というポリシーが採られている。即ち、まずラックエリアへ戻す必要があるコンテナを一度に置き終わった後で、コンテナを操作台まで搬送するタスクを実行する。しかし、上記の搬送方式は十分フレキシブルであるとはいえず、荷物の搬送効率が低い。
【0124】
上記の各技術的課題に対し、本願は搬送ポリシーを柔軟に設定でき、荷物搬送効率を高めることができる荷物搬送方法および倉庫システムを提供する。
【0125】
図1は本願の一実施例による荷物搬送方法の応用シーンの図である。図1に示すように、サーバ10とロボット20を含み、ロボット20とサーバ10とは通信接続されている。ロボット20はサーバ10が発した指令を受信して、ラックと操作プラットフォームとの間で荷物の搬送を行う。ロボット20は返却タスクを実行すると同時に、荷物取出しタスクを実行することができる。搬送ロボット20の少なくとも1つの返却タスクに対応する返却位置は、戻すべき荷物の当初収納位置と、空き収納場所に対応する位置と、取り出すべき荷物に対応する収納位置と、のうちいずれか1つを含む。本実施例におけるサーバ10は、ロボット20の現在位置と、ロボット20の少なくとも1つの返却タスクに対応する返却位置と、返却順序とに基づいて、初期計画ルートを生成する。そして、ロボット20の返却タスク中に荷物取出しタスクを挿入することができるか否かを判断し、所定条件を満たす場合、取出し対象荷物の中から少なくとも1つの目標物を決定し、目標計画ルートを生成する。ロボット20はサーバ10が送信した目標計画ルートを受信して、計画ルートにしたがって走行し、荷物取出しタスクおよび荷物返却タスクを実行する。
【0126】
なお、本実施例において、サーバは複数のロボットと通信接続して、同時に複数のロボットの位置およびタスクリストを取得して対応する目標計画ルートを作成し、目標計画ルートを対応するロボットに送信することができる。
【0127】
図2は本願の第1実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。図2に示すように、本実施例で提供する荷物搬送方法は、以下のステップを含みうる。
【0128】
ステップS101で、第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得する。
【0129】
本実施例において、サーバは複数のロボットと無線信号通信で接続されうる。サーバはロボットに第1の搬送タスクを割り振り、ロボットは第1の搬送タスクを受信した後、サーバに自身のリアルタイム位置情報と空きスロット情報を報告する。本実施例において第1の搬送タスクは限定されず、第1の搬送タスクは荷物取出しタスクでもよいし、返却タスクでもよい。
【0130】
本実施例において、サーバは同時に複数の異なるロボットに第2の搬送タスクを割り振ってもよい。ロボットは自身の通信装置によって第2の搬送タスクを受信する。
【0131】
ステップS102で、第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクのうち、一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクである。
【0132】
ステップS102において、第2の搬送タスクは第1の搬送タスクの実行中に取得するか、または取得した搬送タスク序列に第2の搬送タスクが含まれている。例示的に、2種類の状況に分られる。第1の状況では、第1の搬送タスクが荷物取出しタスクで、第2の搬送タスクが返却タスクである。第2の状況では、第1の搬送タスクが返却タスクで、第2の搬送タスクが荷物取出しタスクである。以下、第1の状況と第2の状況をそれぞれ詳細に説明する。
【0133】
例示的に,第2の搬送タスクが返却タスクであるとき、ロボットはまず第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得する。そして、第1の目標物位置へ向かって走行中に、第2の目標物の返却位置に到達して、返却タスクを実行する。最後に第1の目標物位置まで走行して荷物取出しタスクを実行する。なお、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置は、第2の目標物の当初収納位置と、空き収納場所の位置と、第1の目標物の位置のうちいずれか1つでありうる。
【0134】
第1の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットの荷物取出しルートとの距離は第1の所定範囲内であり、Uは0より大きい自然数であり、荷物取出しルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0135】
本実施例においては、空き収納場所と荷物取出しルートとの間の距離によって条件を満たす空き収納場所をスクリーニングして、荷物取出しルートとの間の距離が所定範囲内である空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置とする。これにより、ロボットのために距離が比較的近い空き収納場所を選択して荷物を返却することができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに走行する距離を減少させることができる。
【0136】
第2の選択可能な実施例において、ロボットは第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットとの間の距離は第2の所定範囲内であり、Uは0より大きい自然数であり、荷物取出しルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置に基づいて生成されたものである。
【0137】
第3の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、ロボットがU箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき生じる第1の増加消費時間は、第1の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数である。
【0138】
本実施例においては、ロボットが各空き収納場所に到達して返却タスクを実行するとともに荷物取出しルートに準じて荷物取出しタスクを実行することで増加する消費時間によって、空き収納場所を選択する。増加する消費時間が所定範囲内である空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置とする。これにより、ロボットのために消費時間が比較的短い空き収納場所を選んで荷物を返却することができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに消費する時間を減少させることができる。
【0139】
第4の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、ロボットがU箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するときに増加する第1の移動距離は、第2の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数である。
【0140】
なお,本実施例では返却タスクの数量を限定せず、ロボットは同時に複数の返却タスクを実行することができる。返却タスクを実行する際に、返却位置に対しては複数のポリシーが設定されうる。あるポリシーは「出した場所に戻す」で、各種の荷物がそれぞれ1つの固定の収納位置に対応している。このような方式は倉庫の管理上便利である。したがって、返却タスクを実行するとき、返却位置は返却対象荷物の当初収納位置である。別のポリシーは「空いた場所に置く」で、返却対象の荷物を任意の空き収納場所に置くことができる。このような方式はより大きな柔軟性を有する。したがって、返却タスクを実行するとき、返却位置は空き収納場所に対応する位置である。この方式にはさらに、荷物取出しタスクと返却タスクとを結合させ、返却対象と取出し対象の荷物の収納場所を交換できるという特例がある。この場合、返却位置は、取出し対象の荷物に対応する収納位置となる。
【0141】
例示的に,第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであるとき、ロボットはまず第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。そして、第1の目標物位置へ向かって走行中に、第2の目標物の荷物取出し位置に到達して、荷物取出しタスクを実行する。最後に第1の目標物位置まで走行して返却タスクを実行する。
【0142】
第1の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置と返却ルートとの距離は第3の所定範囲内であり、返却ルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0143】
本実施例においては、取出し対象荷物の荷物取出し位置と返却ルートとの間の距離によって条件を満たす荷物取出し位置をスクリーニングして、返却ルートとの間の距離が所定範囲内である荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置とする。これにより、ロボットのために距離が比較的近い荷物取出しタスクを引き受けることができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに走行する距離を減少させることができる。
【0144】
第2の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置とロボットとの距離は第4の所定範囲内であり、返却ルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0145】
第3の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、ロボットがN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取得したとき生じる第2の増加消費時間は、第2の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数である。
【0146】
本実施例においては、ロボットが各荷物取出し位置に到達して荷物取出しタスクを実行するとともに返却ルートに準じて返却タスクを実行することで増加する消費時間によって、荷物取出し位置を選択する。増加する消費時間が所定範囲内である荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置とする。これにより、ロボットのために消費時間が比較的短い取出しタスクを引き受けることができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに消費する時間を減少させることができる。
【0147】
第4の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、ロボットがN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取得したときに増加する第2の移動距離は、第4の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数である。
【0148】
具体的には、第1の搬送タスクが荷物取出しタスクで、第2の搬送タスクが返却タスクである場合、サーバはロボットの現在位置と、ロボットが今から実行する荷物取出し位置とに基づいて、荷物取出しルートを生成する。その後、荷物取出しタスクを実行する過程において1つまたは複数の返却タスクを挿入することで、「取得しつつ返却する」操作を実現する。具体的な操作においては、荷物取出しルートとの距離が所定範囲内であるすべての空き収納場所を取得してから、消費時間が最短で、最も都合がよい収納場所空き収納場所を、返却対象荷物に対応する返却位置に決定する。この方式には、荷物取出しタスク実行後に、荷物取出し位置も空き収納場所に変わるという特例がある。したがって、ロボットが荷物を取得するとき、自身にまだ空きスロットがあれば、ロボットは直接荷物取出し操作を行って、荷物取出し完了後、保持する返却対象の荷物をたった今荷物取出しタスクが完了した空き収納場所に戻すことができ、つまりこの2つの荷物の収納場所を交換することができる。このとき、ロボットは余分な移動を行う必要がなく、第2の増加消費時間は最小になる。ロボットに空きスロットが存在しない場合、ロボットはまず空き収納場所を1つ見つけて荷物を1つ返却し、このときロボットに空きスロットが生じるので、その後で上記の実施例に基づいて取出し対象荷物と返却対象荷物の収納場所を交換することができる。
【0149】
例示的に,ロボットが実行する第1の搬送タスクと第2の搬送タスクには、「ロボットが荷物取出しタスクと返却タスクを完了するための総移動時間」と、「ロボットが荷物取出しタスクと返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数」と、「ロボットが荷物取出しタスクと返却タスクを完了するための総走行距離」と、「ロボットが荷物取出しタスクと返却タスクを完了するための積載率」のいずれか1つまたは複数の制約要素がある。
【0150】
具体的には,サーバが第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクに対応する計画ルートを生成するとき、移動時間、荷物取出し操作および返却操作の総回数、走行距離、積載率等に基づいて最適ルートを生成することができる。荷物は立体的な倉庫に収納されているため、平面位置のみを考慮する必要があるだけでなく、高度(荷物位置)も関係してくる。ルートを計画するとき、ルートの走行時間とフォークの昇降時間の両方を考慮に入れる必要があるが、フォークはロボットの走行中に同時に高度調節することができ、ロボットが目標ラック位置に到達し、且つフォークが指定位置に到達するまでの時間の全体的消費時間が最も短くなる。より最適なルート(例えば、距離がより短いか所要時間がより短いルート)を見つけた場合は、現在のルートを更新して新たな計画ルートを生成する。
【0151】
例示的に、荷物を置くためのラックに、ラック深度方向において2つ以上の収納位置が存在し、且つ荷物取出しタスクまたは返却タスクで指示された目標物位置が収納位置のうち2番目の位置かそれより後ろの位置である場合、ロボットは目標物位置に置く前に、非目標荷物をロボットの空きスロットに移し、その後で目標物位置の荷物に対する取出しタスクまたは返却タスクを実行し、最後に非目標荷物をラックの元の収納位置に返却するか、または、非目標荷物を空き収納位置に返却する。空き収納位置は目標物位置と同一のラックまたは異なるラックに属する。
【0152】
上述実施例における技術スキームは、ラックの深度方向において複数の収納位置が存在する場合、即ちラックの縦横方向において指示された同一位置上に、複数の目標物を置くことが可能な場合に適用される。上記実施例において、サーバまたはロボットはラックの深度位置における収納位置を測位することができる。即ち、ロボットが荷物取出しタスクおよび/または返却タスクを実行する際、3方向(水平方向,垂直方向、深度方向)で確立された目標物位置まで正確に特定し、それから当該目標物位置に対する荷物取出しタスクおよび/または返却タスクを実行する。
【0153】
例示的に、サーバはさらにロボットに荷物整理タスクを割り振ることもできる。荷物整理タスクには、目標物に対して整理を行うこと、および/または,目標物の収納位置を調整することが含まれる。
【0154】
上記実施例において、サーバはさらにロボットに、目標物に対して整理を行うこと、および/または,目標物の収納位置を調整することを実現するための、荷物整理タスクを割り振ることができる。例えば、目標物の数量、位置等を点検する。なお、本実施例はロボットが荷物整理タスクを実行する具体的な実行タイミングを限定しない。荷物整理タスクの実行タイミングには、「第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの前」と、「第1の搬送タスクと第2の搬送タスクの間」と、「第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの後」と、「第1の搬送タスクと第2の搬送タスクからなるタスク系列におけるいずれか1つのタスクの実行中」とのうちいずれか1つの状況が含まれる。
【0155】
本実施例においては、第1の搬送タスクの実行中にサーバに位置情報および空きスロット情報を報告し、サーバから割り振られた第2の搬送タスクを受信し、第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクであり、第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定でき、搬送中に荷物を返却しながら取り出すことを実現して、荷物搬送効率を効果的に高めることができる。
【0156】
図3は本願の第2実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。図3に示すように、本実施例で提供する荷物搬送方法は、以下のステップを含みうる。
【0157】
ステップS201で、ロボットの位置情報と空きスロット情報を取得する。
【0158】
本実施例において、サーバは複数のロボットと無線信号通信で接続されうる。サーバはロボットに第1の搬送タスクを割り振り、ロボットは第1の搬送タスクを受信した後、サーバに自身のリアルタイム位置情報と空きスロット情報を報告する。本実施例において第1の搬送タスクは限定されず、第1の搬送タスクは荷物取出しタスクでもよいし、返却タスクでもよい。
【0159】
なお、本実施例は第2の搬送タスクを割り振るタイミングを限定しない。サーバは第1の搬送タスクの実行前、実行中、実行後のいずれか1つのポイントで、ロボットに第2の搬送タスクを割り振ることができる。
【0160】
第1の状況では、サーバがまずロボットの位置情報と空きスロット情報に基づいて、ロボットに第1の搬送タスクと第2の搬送タスクとを割り振る。このとき、まずタスク系列を生成する。当該タスク系列には、交互に第1の搬送タスクと第2の搬送タスクが含まれる。ロボットは当該タスク系列を受信した後、当該タスク系列に準じて第1の搬送タスクと第2の搬送タスクを順次実行する。
【0161】
第2の状況では、サーバはロボットに第2の搬送タスクを動的に割り振る。即ち、ロボットが第1の搬送タスクを実行するときに、第1の搬送タスクの前に1つの第2の搬送タスクを挿入する。ロボットは第1の搬送タスクを実行するため赴く途上で、ついでに第2の搬送タスクを実行する。
【0162】
第3の状況では、サーバはロボットに第2の搬送タスクを動的に割り振り、ロボットは第1の搬送タスクを実行完了後、続けて第2の搬送タスクを実行する。
【0163】
ステップS202で、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る。
【0164】
第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置は、第1の目標物位置と隣接しているか、近くにある。
【0165】
本実施例においては、サーバはロボットが報告した位置情報と空きスロット情報とを受信した後、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて第1の搬送タスクの計画ルートを生成する。そして、クライアント端末から送信された荷物取出し要求または荷物返却要求に基づいて、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る。なお、第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクのうち、一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクである。つまり、ロボットは搬送中に荷物を返却しながら取り出すことを実現して、荷物搬送効率を効果的に高めることができる。
【0166】
例示的に、第2の搬送タスクが返却タスクである場合、サーバは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定する。なお、第2の目標物の返却位置は、第2の目標物の当初収納位置と、空き収納場所の位置と、第1の目標物の位置とのうちいずれか1つでありうる。
【0167】
第1の選択可能な実施形態において、返却位置が空き収納場所の位置である場合、サーバはまず位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成し、荷物取出しルートとの間の距離が第1の所定範囲内であるU箇所の空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置に決定する。Uは0より大きい自然数である。
【0168】
第2の選択可能な実施例において、返却位置が空き収納場所の位置である場合、サーバはロボットとの間の距離が第2の所定範囲内であるU箇所の空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置に決定する。Uは0より大きい自然数である。
【0169】
本実施例においては、空き収納場所と荷物取出しルートとの間の距離によって条件を満たす空き収納場所をスクリーニングして、荷物取出しルートとの間の距離が所定範囲内である空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置とする。これにより、ロボットのために距離が比較的近い空き収納場所を選択して荷物を返却することができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに走行する距離を減少させることができる。
【0170】
第3の選択可能な実施形態において、返却位置が空き収納場所の位置である場合、サーバはまず位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成する。そして、ロボットがV箇所の空き収納場所に対応する位置それぞれに到達して荷物を返却するとともに荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する、第1の総時間を予測する。VはU以上の自然数であり、Uは0より大きい自然数である。その後で、消費する第1の総時間とロボットが荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する時間との差を、第1の増加時間とし、V箇所の空き収納場所のうち、第1の増加時間が第1の所定閾値以下のU箇所の空き収納場所を、第2の目標物の返却位置に決定する。
【0171】
本実施例においては、ロボットが各空き収納場所に到着して返却タスクを実行するとともに荷物取出しルートに従って荷物取出しタスクを実行することで増加する消費時間によって、空き収納場所を選択する。増加する消費時間が第1の所定閾値以下である空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置とする。これにより、ロボットのために消費時間が比較的短い空き収納場所を選んで荷物を返却することができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに消費する時間を減少させることができる。
【0172】
第4の選択可能な実施形態において、返却位置が空き収納場所である場合、サーバはまず位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、荷物取出しルートを生成し、ロボットがV箇所の空き収納場所に対応する位置それぞれに到達して荷物を返却するとともに荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで増加する、第1の移動距離を予測する。VはU以上の自然数、Uは0より大きい自然数である。そして、V箇所の空き収納場所のうち、増加する第1の移動距離が第2の所定閾値以下であるU箇所の空き収納場所を、第2の目標物の返却位置に決定する。
【0173】
本実施例においては、ロボットが各空き収納場所に到達して返却タスクを実行するとともに荷物取出しルートに準じて荷物取出しタスクを実行することで増加する第1の移動距離によって、空き収納場所を選択する。増加する第1の移動距離が第2の所定閾値以下である空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置とする。これにより、ロボットのために走行距離が比較的短い空き収納場所を選択して荷物を返却することができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに走行する距離を減少させることができる。
【0174】
なお,本実施例では返却タスクの数量を限定せず、ロボットは同時に複数の返却タスクを実行することができる。返却タスクを実行する際に、返却位置に対しては複数のポリシーが設定されうる。あるポリシーは「出した場所に戻す」で、各種の荷物がそれぞれ1つの固定の収納位置に対応している。このような方式は倉庫の管理上便利である。したがって、返却タスクを実行するとき、返却位置は返却対象荷物の当初収納位置である。別のポリシーは「空いた場所に置く」で、返却対象の荷物を任意の空き収納場所に置くことができる。このような方式はより大きな柔軟性を有する。したがって、返却タスクを実行するとき、返却位置は空き収納場所に対応する位置である。この方式にはさらに、荷物取出しタスクと返却タスクとを結合させ、返却対象と取出し対象の荷物の収納場所を交換できるという特例がある。この場合、返却位置は、取出し対象の荷物に対応する収納位置となる。
【0175】
例示的に、第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであり、且つロボットの空きスロット情報が示す空きスロットの総数がゼロである場合、サーバは第2の搬送タスクを実行する前に、少なくとも1回の第1の搬送タスクを割り振る必要がある。例えば、現在ロボットが満載状態にあり、サーバがロボットに割り振ったタスクに第1の搬送タスクと第2の搬送タスクとが含まれている場合、第2の搬送タスクを実行する前に、ロボットは第1の搬送タスクを少なくとも1回実行して、第2の搬送タスクで取り出される第2の目標物を置くための空きスロットを得なければならない。
【0176】
第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであり、且つロボットの空きスロット情報が、空きスロットの総数がゼロより大きいことを示している場合、サーバは位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の荷物取出し位置を決定する。
【0177】
例示的に、サーバは位置情報と第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を決定する。Nは0より大きく且つ空きスロット情報が示す空きスロット総数以下の自然数である。
【0178】
第1の選択可能な実施形態において、サーバはまず位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成し、返却ルートとの間の距離が第3の所定範囲内であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置に決定する。
【0179】
本実施例においては、取出し対象荷物の荷物取出し位置と返却ルートとの間の距離によって条件を満たす荷物取出し位置をスクリーニングして、返却ルートとの間の距離が所定範囲内である荷物取出し位置を、第3の目標物の荷物取出し位置とする。これにより、ロボットのために距離が比較的近い取出しタスクを引き受けることができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに走行する距離を減少させることができる。
【0180】
第2の選択可能な実施形態において、サーバはロボットとの間の距離が第4の所定範囲内であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置に決定する。
【0181】
第3の選択可能な実施形態において、サーバはまず位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成し、ロボットがM箇所の荷物取出し位置それぞれに到達して荷物を取出すとともに返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで消費する、第2の総時間を予測する。MはN以上の自然数である。その後で、消費する第2の総時間と、ロボットが返却ルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する時間との差を第2の増加時間とし、M箇所の荷物取出し位置のうち、第2の増加時間が第3の所定閾値以下のN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置に決定する。
【0182】
本実施例においては、ロボットが各荷物取出し位置に到達して荷物取出しタスクを実行するとともに返却ルートに従って返却タスクを実行することで増加する消費時間によって、荷物取出し位置を選択する。増加する消費時間が所定範囲内である荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置とする。これにより、ロボットのために消費時間が比較的短い取出しタスクを引き受けることができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに消費する時間を減少させることができる。
【0183】
第4の選択可能な実施形態において、サーバは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成し、ロボットがM箇所の荷物取出し位置それぞれに到達して荷物を取り出すとともに返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで増加する、第2の移動距離を予測する。MはN以上の自然数である。そして、M箇所の荷物取出し位置のうち、増加する第2の移動距離が第4の所定閾値以下であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置に決定する。
【0184】
本実施例においては、ロボットが各荷物取出し位置に到達して荷物取出しタスクを実行するとともに返却ルートに準じて返却タスクを実行することで増加する第2の移動距離によって、荷物取出し位置を選択する。増加する第2の移動距離が第2の所定閾値以下である荷物取出し位置に対応する位置を、第2の目標物の返却位置とする。これにより、ロボットのために走行距離が比較的短い荷物取出し位置を選択して荷物を返却することができ、ロボットが第2の搬送タスクを実行するときに走行する距離を減少させることができる。
【0185】
具体的には、第1の搬送タスクが荷物取出しタスクで、第2の搬送タスクが返却タスクである場合、ロボットの現在位置と、ロボットが今から実行する荷物取出し位置とに基づいて、荷物取出しルートを生成することができる。その後で、荷物取出しタスクを実行する過程において1つまたは複数の返却タスクを挿入することで、「取得しつつ返却する」操作を実現する。具体的な操作においては、荷物取出しルートとの距離が所定範囲内であるすべての空き収納場所を取得してから、消費時間が最短で、最も都合がよい収納場所空き収納場所を、返却対象荷物に対応する返却位置に決定する。この方式には、荷物取出しタスク実行後に、荷物取出し位置も空き収納場所に変わるという特例がある。したがって、ロボットが荷物を取得するとき、自身にまだ空きスロットがあれば、ロボットは直接荷物取出し操作を行って、荷物取出し完了後、保持する返却対象の荷物をたった今荷物取出しタスクが完了した空き収納場所に戻すことができ、つまりこの2つの荷物の収納場所を交換することができる。このとき、ロボットは余分な移動を行う必要がなく、第2の増加消費時間は最小になる。ロボットに空きスロットが存在しない場合、ロボットはまず空き収納場所を1つさがして荷物を1つ返却し、このときロボットに空きスロットが生じるので、その後で上記の実施例に基づいて取出し対象荷物と返却対象荷物の収納場所を交換することができる。
【0186】
例示的に,サーバが第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクを生成するとき、さらに「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率」のいずれか1つまたは複数の制約要素を考慮してもよい。
【0187】
具体的には,第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクに対応する計画ルートを生成するとき、移動時間、荷物取出し操作および返却操作の総回数、走行距離、積載率等に基づいて最適ルートを生成することができる。荷物は立体的な倉庫に収納されているため、平面位置のみを考慮する必要があるだけでなく、高度(荷物位置)も関係してくる。ルートを計画するとき、ルートの走行時間とフォークの昇降時間の両方を考慮に入れる必要があるが、フォークはロボットの走行中に同時に高度調節することができ、ロボットが目標ラック位置に到達し、かつフォークが指定位置に到達するまでの時間の全体的消費時間が最も短くなる。より最適なルート(例えば、距離がより短いか所要時間がより短いルート)を見つけた場合は、現在のルートを更新して新たな計画ルートを生成する。
【0188】
本実施例においては、ロボットの第1の搬送タスク実行中に、ロボットの位置情報および空きスロット情報を取得し、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る。第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクである。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定でき、搬送中に荷物を返却しながら取り出すことを実現して、荷物搬送効率を効果的に高めることができる。
【0189】
図4は本願の第3実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。図4に示すように、本実施例で提供する荷物搬送方法は、以下のステップを含みうる。
【0190】
ステップS301で、ロボットの位置情報と空きスロット情報を取得する。
【0191】
ステップS302で、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、第2の搬送タスクを生成する。
【0192】
ステップS303で、第2の搬送タスクに対応する計画ルートがブッキング条件を満たすか否かを特定し、YESであればステップS304を実行し、NOであれば戻ってステップS302を実行する。
【0193】
ステップS304で、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る。
【0194】
本実施例におけるステップS301、ステップS302の具体的な実現プロセスおよび実現原理は、図3に示すステップS201、ステップS202の関連説明を参照できるので、ここでは再度説明しない。
【0195】
ステップS303において、サーバは第2の搬送タスクを生成した後、第2の搬送タスクに対応する計画ルートがブッキング条件を満たすか否かを特定する必要がある。ブッキング条件は、所定時間帯に計画ルート上を走行するロボットが無いことを含む。
【0196】
上記のようなブッキングの仕組みで、ロボットの走行中に衝突が発生することを回避することができる。ブッキングが成功した場合にのみ、対応するルート上を走行でき、他のロボットがブッキング済みのルート上を走行することは許可されない。
【0197】
本実施例では、第2の搬送タスクを発令する前に、第2の搬送タスクに対応する計画ルートがブッキング条件を満たしているか否かを判定し、計画ルートがブッキング条件を満たしている場合にのみ、サーバがロボットに当該第2の搬送タスクを割り振ることを許可する。これにより、ロボットが走行中に衝突することを回避して、ロボットの安全を保証することができる。
【0198】
図5は本願の第4実施例による荷物搬送方法のフローチャートである。図5に示すように、本実施例で提供する荷物搬送方法は、以下のステップを含みうる。
【0199】
ステップS401で、ロボットの位置情報と空きスロット情報を取得する。
【0200】
ステップS402で、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、第2の搬送タスクを生成する。
【0201】
本実施例におけるステップS401、ステップS402の具体的な実現プロセスおよび実現原理は、図3に示すステップS201、ステップS202の関連説明を参照できるので、ここでは再度説明しない。
【0202】
ステップS403で、クライアント端末から送信された、搬送タスク取消要求または搬送タスク追加要求を受信する。
【0203】
ステップS404で、搬送タスク取消要求または搬送タスク追加要求に応じて、新たに第2の搬送タスクを割り振る。
【0204】
本実施例において、サーバはさらに、クライアント端末から送信されたタスク変更要求を受信して、新たに第2の搬送タスクを割り振ることができる。タスク変更要求は、搬送タスク取消要求および搬送タスク追加要求を含む。搬送タスク取消要求は、返却タスクおよび/または荷物取出しタスクを削除するための要求である。搬送タスク追加要求は、返却タスクおよび/または荷物取出しタスクを追加するための要求である。
【0205】
例示的に、クライアント端末から送信された搬送タスク取消要求を受信した場合、サーバは搬送タスク取消要求に応じて返却タスクおよび/または荷物取出しタスクを削除し、その後、ルート最適化パラメータと、ロボットの現在位置と、残っている返却タスクに対応する返却位置と、残っている目標物に対応する収納位置とに基づいて、第2の搬送タスクに対応する計画ルートを生成し、第2の搬送タスクに対応する計画ルートをロボットに発令する。
【0206】
例示的に、クライアント端末から送信された搬送タスク追加要求を受信した場合、サーバは搬送タスク追加要求に応じて返却タスクおよび/または荷物取出しタスクを追加し、その後、ルート最適化パラメータと、ロボットの現在位置と、追加した返却タスクに対応する返却位置と、追加した目標物に対応する収納位置とに基づいて、第2の搬送タスクに対応する計画ルートを生成し、第2の搬送タスクに対応する計画ルートをロボットに発令する。
【0207】
本実施例においては、クライアント端末から送信されたタスク変更要求を受信した後で、新たに第2の搬送タスクを生成することで、搬送タスクを動的に調整して、荷物搬送効率を高めることができる。
【0208】
図6は本願の第5実施例による荷物搬送装置の構造模式図である。図6に示すように、本実施例で提供する荷物搬送装置は、ロボットの位置情報と空きスロット情報を取得する取得モジュール51と、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る処理モジュール52とを含みうる。第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクである。
【0209】
例示的に、第2の搬送タスクが返却タスクである場合、処理モジュール52は位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置を決定する。
【0210】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、返却位置を第2の目標物の当初収納位置に決定するか、または返却位置を空き収納場所の位置に決定するか、または返却位置を第1の目標物の位置に決定する。
【0211】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成し、荷物取出しルートとの間の距離が第1の所定範囲内であるU箇所の空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置に決定する。Uは0より大きい自然数である。
【0212】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、ロボットとの間の距離が第2の所定範囲内であるU箇所の空き収納場所に対応する位置を、第2の目標物の返却位置に決定する。Uは0より大きい自然数である。
【0213】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成し、ロボットがV箇所の空き収納場所に対応する位置それぞれに到達して荷物を返却するとともに荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する、第1の総時間を予測し、消費する第1の総時間と、ロボットが荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで消費する時間との差を第1の増加時間とし、V箇所の空き収納場所のうち、第1の増加時間が第1の所定閾値以下であるU箇所の空き収納場所を、第2の目標物の返却位置に決定する。VはU以上の自然数、Uは0より大きい自然数である。
【0214】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて荷物取出しルートを生成し、ロボットがV箇所の空き収納場所に対応する位置それぞれに到達して荷物を返却するとともに荷物取出しルートに準じて第1の目標物を取り出すことで増加する、第1の移動距離を予測し、V箇所の空き収納場所のうち、増加する第1の移動距離が第2の所定閾値以下であるU箇所の空き収納場所を、第2の目標物の返却位置に決定する。VはU以上の自然数、Uは0より大きい自然数である。
【0215】
選択可能ないくつかの実施例において、第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであり、且つロボットの空きスロット情報が示す空きスロットの総数がゼロである場合、処理モジュールは、具体的には、第2の搬送タスクを実行する前に、少なくとも1回の第1の搬送タスクを割り振る。選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであり、且つロボットの空きスロット情報が、空きスロットの総数がゼロより大きいことを示している場合、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の荷物取出し位置を決定する。
【0216】
選択可能ないくつかの実施例において、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の荷物取出し位置を決定することは、位置情報と第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を決定することを含む。Nは0より大きく且つ空きスロット情報が示す空きスロット総数以下の自然数である。
【0217】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成し、返却ルートとの間の距離が第3の所定範囲内であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置に決定する。
【0218】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、ロボットとの間の距離が第4の所定範囲内であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の返却位置に決定する。
【0219】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて返却ルートを生成し、ロボットがM箇所の荷物取出し位置それぞれに到達して荷物を取り出すとともに返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで消費する、第2の総時間を予測し、消費する第2の総時間と、ロボットが返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで消費する時間との差を第2の増加時間とし、M箇所の荷物取出し位置のうち、第2の増加時間が第3の所定閾値以下であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の返却位置に決定する。MはN以上の自然数である。
【0220】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52は、具体的には、位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、返却ルートを生成し、ロボットがM箇所の荷物取出し位置それぞれに到達して荷物を取り出すとともに返却ルートに準じて第1の目標物を返却することで増加する、第2の移動距離を予測し、M箇所の荷物取出し位置のうち、増加する第2の移動距離が第4の所定閾値以下であるN箇所の荷物取出し位置を、第2の目標物の荷物取出し位置に決定する。MはN以上の自然数である。
【0221】
選択可能ないくつかの実施例において、さらに、第2の搬送タスクに対応する計画ルートがブッキング条件を満たすか否かを特定する特定モジュール53を含む。ブッキング条件は、所定時間内に計画ルート上を走行するロボットが無いことを含む。
【0222】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52はさらに、計画ルートがブッキング条件を満たさない場合、第2の搬送タスクを新たに割り振る。
【0223】
選択可能ないくつかの実施例において、処理モジュール52はさらに、クライアント端末から送信された搬送タスク取消要求または搬送タスク追加要求を受信し、搬送タスク取消要求または搬送タスク追加要求に応じて、第2の搬送タスクを新たに割り振る。
【0224】
選択可能ないくつかの実施例において、第1の搬送タスクと第2の搬送タスクを割り振るとき、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率」とのうちいずれか1つまたは複数の制約要素を考慮する。
【0225】
本実施例で提供する荷物搬送装置は、図2図3図4に示す方法実施例の技術スキームを実行するために用いることができ、その実現原理および技術的効果は類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0226】
本実施例は、ロボットの位置情報および空きスロット情報を取得し、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る。第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクである。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定してロボットに荷物を返却しながら荷物を取り出させ、ルート計画の合理性を高め、ロボットの総作業時間および移動距離を減少させ、エネルギー消費を節約するだけでなく、荷物の搬送効率を効果的に高めることができる。
【0227】
図7は本願の第6実施例による荷物搬送装置の構造模式図である。図7に示すように、本実施例で提供する荷物搬送装置は、サーバに位置情報と空きスロット情報とを報告し、第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得する送信モジュール61と、第1の搬送タスクの実行中に、第2の搬送タスクを実行する実行モジュール62とを含みうる。第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクである。第2の搬送タスクは第1の搬送タスクの実行中に取得するか、または取得した搬送タスク序列に第2の搬送タスクが含まれる。
【0228】
選択可能ないくつかの実施例において、第2の搬送タスクが返却タスクであるとき、実行モジュール62は、具体的には、第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得し、第1の目標物位置へ向かって走行中に、第2の目標物の返却位置に到達して返却タスクを実行し、第1の目標物位置まで走行して荷物取出しタスクを実行する。
【0229】
選択可能ないくつかの実施例において、第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置は、第2の目標物の当初収納位置、または空き収納場所の位置、または第1の目標物の位置を含む。
【0230】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットの荷物取出しルートとの距離は第1の所定範囲内であり、Uは0より大きい自然数であり、荷物取出しルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0231】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットとの間の距離は第2の所定範囲内であり、Uは0より大きい自然数であり、荷物取出しルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置に基づいて生成されたものである。
【0232】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、ロボットがU箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき生じる第1の増加消費時間は、第1の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数である。
【0233】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得する。ただし、ロボットがU箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するときに増加する第1の移動距離は、第2の所定閾値以下であり、Uは0より大きい自然数である。
【0234】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得し、第1の目標物位置へ向かって走行中に、第2の目標物の荷物取出し位置に到達して、荷物取出しタスクを実行し、第1の目標物位置まで走行して返却タスクを実行する。
【0235】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置と返却ルートとの距離は所定範囲内であり、返却ルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0236】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、ロボットがN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取得したとき生じる第2の増加消費時間は、第3の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数である。
【0237】
選択可能ないくつかの実施例において、実行モジュール62は、具体的には、第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置とロボットとの距離は第4の所定範囲内であり、返却ルートは位置情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである。
【0238】
選択可能ないくつかの実施例において、第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクは、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離」と、「ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率」とのうちいずれか1つまたは複数の制約要素に関連している。
【0239】
本実施例で提供する荷物搬送装置は、図5に示す方法実施例の技術スキームを実行するために用いることができ、その実現原理および技術的効果は類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0240】
本実施例においては、第1の搬送タスクの実行中にサーバに位置情報および空きスロット情報を報告し、サーバから割り振られた第2の搬送タスクを受信し、第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクであり、第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定してロボットに荷物を返却しながら荷物を取り出させ、ルート計画の合理性を高め、ロボットの総作業時間および移動距離を減少させ、エネルギー消費を節約するだけでなく、荷物の搬送効率を効果的に高めることができる。
【0241】
図8は本願の第7実施例によるサーバの構造模式図である。図8に示すように、本実施例で提供するサーバ70は、プロセッサ71と、プロセッサが実行可能な指令を記憶するメモリ72とを含み、当該メモリはフラッシュメモリ(flash)(登録商標)でありうる。プロセッサ71は実行可能な指令を実行することで、上記の方法における各ステップを実行するように構成されている。具体的には上記の方法実施例における関連説明を参照できる。
【0242】
選択可能に、メモリ72は独立していてもよいし、プロセッサ71とともに1つに集積されていてもよい。
【0243】
メモリ72がプロセッサ71の外部の独立したデバイスである場合、サーバ70はさらに、プロセッサ71とメモリ72を接続するバス73を含みうる。
【0244】
本実施例で提供するサーバは、図2図3図4に示す方法実施例の技術スキームを実行するために用いることができ、その実現原理および技術的効果は類似しているため、ここでは再度説明しない。
【0245】
本実施例においては、ロボットの第1の搬送タスク実行中に、ロボットの位置情報および空きスロット情報を取得し、位置情報と、空きスロット情報と、第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて、ロボットに第2の搬送タスクを割り振る。第1の搬送タスクと第2の搬送タスクのうち一方が荷物取出しタスクで他方が返却タスクである。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定してロボットに荷物を返却しながら荷物を取り出させ、ルート計画の合理性を高め、ロボットの総作業時間および移動距離を減少させ、エネルギー消費を節約するだけでなく、荷物の搬送効率を効果的に高めることができる。
【0246】
本実施例はさらにロボットを提供する。ロボットは、ロボット本体と、ロボット本体に設置され荷物を置くために用いられる複数のスロットとを含む。ロボット本体はさらにメモリとプロセッサを含み、メモリはプロセッサの実行可能な指令を記憶する。プロセッサは実行可能な指令を実行することで、図5に示す荷物搬送方法を実行するように構成されている。
【0247】
本実施例はさらに倉庫システムを提供する。倉庫システムは、ロボットと、サーバと、ラックと、操作プラットフォームとを含み、ロボットとサーバとは通信接続される。サーバは図2図3図4に示す荷物搬送方法を実行する。ロボットは図5に示す荷物搬送方法を実行して、ラックと操作プラットフォームの間の荷物搬送を実現する。
【0248】
図9は本願実施例で提供するロボットの構造模式図である。図9に示すように、ロボット80はロボット本体81と、台座83と、搬送装置84と、調節ユニット85と、当該ロボット本体81に設置された複数のスロット82とを含む。調節ユニット85は搬送装置84を駆動して昇降移動させ、搬送装置84をロボット本体81の任意の1つのスロット82または対応する目標物が存在する倉庫ラックの収納場所に、位置合わせさせる。搬送装置84は垂直方法を軸として回転して向きを調整することで、スロット82または倉庫ラック上の収納場所に位置合わせすることができる。搬送装置84は目標物の積み込みまたは荷下ろしを実行するために用いられて、倉庫ラックとスロットとの間で目標物の搬送を行う。
【0249】
上記実施例におけるロボット80は、図5に示す荷物搬送方法を実行して、ラックと操作プラットフォームとの間の荷物搬送を実現することができる。
【0250】
例示的に、ロボット80はサーバから送信された搬送タスクを受信して、当該搬送タスにおける目標物の位置に基づいて走行ルートを決定する。例えば、第1の目標物位置に向かって走行中に、まず第2の目標物の位置に到達して搬送タスクを実行し、さらに第1の目標物位置まで走行して搬送タスクを実行する。なお、搬送タスクは荷物取出しタスクでもよいし、返却タスクでもよい。
【0251】
例示的に、ロボット80が返却タスクを実行するとき、目標物の返却位置は返却タスクの目標物の当初収納位置、または空き収納場所の位置、または荷物取出しタスクの目標物の収納位置でありうる。
【0252】
例示的に、ロボット80の荷物取出しタスクの実行プロセスでは、ロボット80は荷物取出しタスクの目標物の収納位置まで移動して、調節ユニット85によって搬送装置84を協働させて、荷物取出しタスクの目標物をラック上の収納場所からロボット本体81の空きスロットの1つへ搬送する。
【0253】
例示的に、ロボット80の返却タスクの実行プロセスでは、ロボット80は返却位置に対応する収納位置まで移動して、調節ユニット85によって搬送装置84を協働させて、ロボット本体81のスロットからラック上の収納場所へ搬送する。なお、ラック上的収納位置は目標物の当初収納位置、または空き収納場所でありうる。
【0254】
例示的に、目標物を当該目標物の当初収納位置に戻す必要がない場合、1つの効率アップの方法としては、返却対象の目標物をロボット本体81のスロットから取り出した後、調節ユニット85で搬送装置84を制御して、当該返却対象目標物を荷物取出しタスク完了時に空になった倉庫位置に置く。つまり、荷物取出しタスクに対応する保管位置と返却タスクに対応する保管位置が同一の収納場所となる。この方法ではロボットが搬送タスクを実行するための総走行距離を減少させると同時に、ロボットが搬送タスクを実行するために消費する総時間も減少させることができる。
【0255】
図10は本願実施例で提供するロボットの構造模式図である。図10に示すように、本願実施例で提供するロボットは、移動シャーシ1と、ロボットラック2と、昇降装置と物品搬送装置を含む。移動シャーシ1はロボットの支持構造であり、ロボットの他の部材および/または装置を支えて携えて走行するために用いられる。本実施例において、移動シャーシ1はロボットラック2およびロボットラック2に収納された目標物を携えて倉庫エリア内を移動する。
【0256】
例示的に、ロボットラック2は移動シャーシ1に取り付けられる。移動シャーシ1は第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成される。第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクである。昇降装置および物品搬送装置はロボットラックに取り付けられる。昇降装置は物品搬送装置を駆動してロボットラックに対して昇降移動させるように構成される。物品搬送装置はロボットラックと第1の目標物位置との間で第1の目標物を搬送するとともに、ロボットラックと第2の目標物位置との間で第2の目標物を搬送するように構成される。なお、ロボットは第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。
【0257】
例示的に、第2の搬送タスクが返却タスクである場合、移動シャーシ1が第1の目標物位置に向かって走行中に返却位置に到達し、物品搬送装置と昇降装置が協働して、第2の目標物をロボットラックから返却位置まで搬送する。
【0258】
例示的に、返却位置は第2の目標物の当初収納位置と、空き収納場所の位置と、第1の目標物の位置とのうちいずれか1つであり、返却位置が第1の目標物の位置である場合、物品搬送装置は第1の目標物をロボットラックへ搬送してから、第2の目標物を第1の目標物の位置へ搬送する。
【0259】
例示的に、物品搬送装置は、ロボットラックに取り付けられて目標物の出し入れに用いられる少なくとも1つの搬送機構を含む。
【0260】
例示的に、物品搬送装置は吸盤フォークユニットおよび/または挟持式ロボットアームを含む。
【0261】
例示的に、物品搬送装置が少なくとも2つの搬送機構を含む場合、少なくとも2つの搬送機構は並列に設置されるか、または昇降方向に沿って異なる段に設置される。
【0262】
例示的に、少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、少なくとも2つの搬送機構はロボットラックに位置し、且つ少なくとも2つの搬送機構は一体構造である。
【0263】
例示的に、少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、ロボットラックは、同一垂直面に位置し且つ移動シャーシに設置されている3本以上の支柱を含み、各搬送機構は隣り合う2本の支柱の間に取り付けられ、支柱に対して昇降移動を行う。なお、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置される。
【0264】
例示的に、少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの昇降ユニットはそれぞれロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ物品搬送装置の両端が2つの昇降ユニットにそれぞれ接続される。2つの昇降ユニットは物品搬送装置を導いて、ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0265】
ロボットラック2の構造について、本実施例では具体的に限定しない。例えば、実現可能な一実施形態においては、図10に示すように、ロボットラック2は移動シャーシ1に垂直に設置された2本の支柱を含み、各搬送機構4は2本の支柱の間に、支柱に対して昇降移動可能に取り付けられる。
【0266】
選択可能に、ロボットラック2は、同一垂直面に位置し且つ移動シャーシ1に設置されている3本以上の支柱を含み、各搬送機構4は隣り合う2本の支柱の間に取り付けられ、支柱に対して昇降移動を行う。なお、同一段にある2つの搬送機構は一体構造に設計することができる。即ち、同一段にある2つの搬送機構どうしが相対移動することはない。
【0267】
例示的に、少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、各搬送機構どうし相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置される。
【0268】
例示的に、少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、少なくとも2つの搬送機構はロボットラックに位置し、且つ少なくとも2つの搬送機構は一体構造である。
【0269】
例示的に、少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの昇降ユニットはそれぞれロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ各搬送機構の両端が2つの昇降ユニットにそれぞれ接続される。2つの昇降ユニットは各搬送機構を導いて、ロボットラックに対して昇降移動させる。
【0270】
例示的に、搬送機構が2つの場合、一方の搬送機構は倉庫ラック上の目標物をロボットラックへ運ぶために用いられ、他方の搬送機構はロボットラック上の目標物を倉庫ラックへ移すために用いられる。
【0271】
例示的に、ロボットが荷物取出しタスクを実行する場合、ロボットは第1の目標物の荷物取出し位置まで走行し、物品搬送装置のうちの1つの搬送機構が昇降装置によって第1の目標物の荷物取出し位置まで移動して、第1の目標物を倉庫ラックから取り出して、ロボットラックに置く。
【0272】
例示的に、第1の目標物に対する荷物取出しタスクを実行完了後、物品搬送装置のうちの1つの搬送機構が、ロボットラックにある第2の目標物を昇降装置により第1の目標物の荷物取出し位置まで移動させ、第2の目標物を第1の目標物の荷物取出し位置まで送り出す。
【0273】
例示的に、ロボットが返却タスクを実行する場合、ロボットは第2の目標物の返却位置まで走行し、物品搬送装置のうち1つの搬送機構がロボットラックにある第2の目標物を昇降装置により第2の目標物の返却位置まで移動させ、第2の目標物を第2の目標物の返却位置まで送り出す。
【0274】
例示的に、ロボットラックには、目標物を収納するための少なくとも2つの保管位置が設けられている。
【0275】
例示的に、搬送機構は一時保管プレートと、平行且つ対向して一時保管プレートに設置された2つの伸縮アームを含む。伸縮アームのインナーアームは搬送ユニットを含み、搬送ユニットはプッシュロッドユニットおよび/または挟持ユニットを含む。
【0276】
本実施例におけるロボットは、移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含み、ロボットラックは移動シャーシに取り付けられ、移動シャーシは第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成される。第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクである。昇降装置および物品搬送装置はロボットラックに取り付けられる。なお、ロボットは第1の搬送タスクの実行中に第2の搬送タスクを実行する。これにより、搬送ポリシーを柔軟に設定でき、搬送中に荷物を返却しながら取り出すことを実現して、荷物搬送効率を効果的に高めることができる。
【0277】
図11は本願実施例で提供するロボットの第2の構造の模式図である。図11に示すように、ロボットラック2は移動シャーシ1に垂直に設置された4本の支柱を含み、4本の支柱は立方体の空間を取り囲む。4本支柱の間には複数の仕切り板が設置され、複数の仕切り板が立方体の空間を目標物を収納するための複数の保管位置21に分け、各保管位置21には、1つまたは複数の目標物を置くことができる。
【0278】
昇降装置および物品搬送装置はロボットラック2に取り付けられ、昇降装置は物品搬送装置を駆動してロボットラック2に対して昇降移動させ、物品搬送装置が異なる高度の目標物を搬送できるようにする。
【0279】
選択可能に、昇降装置は通常2つの昇降ユニット3を含む。2つの昇降ユニット3はロボットラック2の対向する両側に、それぞれ対向して取り付けられる。例えば、倉庫ラックに近づく側の対向する2本の支柱にそれぞれ取り付けられる。物品搬送装置は2つの昇降ユニット3の間に位置し、物品搬送装置の両端は2つの昇降ユニット3にそれぞれ接続される。2つの昇降ユニット3は物品搬送装置を導いて、ロボットラック2に対して昇降移動させる。
【0280】
具体的には、昇降ユニット3は主動輪31と、従動輪32と、伝送ベルト33を含み、主動輪31はロボットラック2の下端に取り付けられ、従動輪32はロボットラック2の頂端に取り付けられ、かつ32は位置する伝送ベルト33が主動輪31と従動輪32にはめつけられている。主動輪31はモータの出力軸に接続でき、モータが主動輪31を駆動して回動させ、主動輪31は伝送ベルト33を導いて動かし、伝送ベルト33が物品搬送装置を導いて昇降移動させる。モータが正回転または逆回転すると、モータが主動輪31を駆動して正回転または逆回転させ、伝送ベルト33が物品搬送装置を導いて上昇または下降移動させる。これにより、物品搬送装置に異なる位置または高度に位置する目標物を取り出させたり、目標物を倉庫ラックの異なる位置または高度の収納場所に置かせたりする。
【0281】
例示的に、主動輪31と従動輪32はいずれもベルトプーリであり、伝送ベルト33はフラットベルト、オープンループフラットベルト等である。このようにすることで、ベルトにより物品搬送装置を伝動駆動してロボットラック2に対して昇降移動させることができ、構造もシンプルである。
【0282】
上記実施例をベースとして、搬送効率を高めるために、物品搬送装置は少なくとも2つの搬送機構4を含み、少なくとも2つの搬送機構4は同一段に設置され、且つ一体に接続されてロボットラック2に取り付けられる。各搬送機構4は目標物の出し入れに用いられる。
【0283】
なお、少なくとも2つの搬送機構4とは、搬送機構4が2つまたは2つ以上であることを示している。
【0284】
例示的に、物品搬送装置は、同一段に設置され且つ1つに接続された2つの搬送機構4を含む。説明の便宜上、本実施例では2つの搬送機構4を第1の搬送機構、第2の搬送機構と表記し、第1の搬送機構および第2の搬送機構は同一段に設置され、且つ1つに接続されてロボットラック2に取り付けられている。第1の搬送機構と第2の搬送機構とは、第1の搬送機構と第2の搬送機構とが相対移動しないよう、取付板等で接続されうる。
【0285】
選択可能に、搬送タスクを実行するとき、第1の搬送機構および第2の搬送機構は同時に倉庫ラックから異なる目標物を取り出すために用いられ、同時取出しという搬送ポリシーを実現してもよいし、複数の目標物を同時に倉庫ラックの異なる収納場所に収納するために用いられ、同時収納という搬送ポリシーを実現してもよい。または、第1の搬送機構が倉庫ラック上の目標物の取出しに、第2の搬送機構が収納すべき目標物の倉庫ラックの空き収納場所への収納に用いられ、取出しながら収納するという搬送ポリシーを実現してもよい。なお、倉庫ラック上の空き収納場所には、第1の搬送機構が目標物を取り出して空になった空き収納場所が含まれる。このようにすることで、ロボットは同時に複数の取出しタスクを実行するか、同時に複数の収納タスクを実行するか、または同時に取出し収納するタスクを実行することができ、これによりロボットの搬送効率を高め、ロボットが目標物を出し入れするとき消費する時間を減少させることができる。
【0286】
例示的に、第1の搬送機構および第2の搬送機構の搬送タスクがいずれも荷物取出しタスクである場合、ロボットの現在位置と、取り出すべき目標物の位置とに基づいて、第1の搬送機構または第2の搬送機構の荷物取出しルートを生成する。その後で、当該荷物取出しルートに別の搬送機構4の、1つまたは複数の荷物取出しタスクを挿入することで、複数の目標物の同時取出しという目的を実現し、ロボットの搬送効率を高め、目標物の取出しで消費する時間を減少させることができる。
【0287】
あるいは、第1の搬送機構および第2の搬送機構の搬送タスクがいずれも倉庫ラックの空き収納場所への目標物の収納である場合、ロボットの現在位置と、目標物の収納対応する倉庫ラック上の空き収納場所の位置とに基づいて、第1の搬送機構または第2の搬送機構の収納ルートを生成する。その後で、当該ルートに別の搬送機構4の、1つまたは複数の収納タスクを挿入することで、複数の目標物の同時収納という目的を実現し、ロボットの搬送効率を高め、目標物の収納で消費する時間を減少させることができる。
【0288】
またあるいは、第1の搬送機構の搬送タスクが取出しタスクで、第2の搬送機構の搬送タスクが収納タスクである場合、ロボットの現在位置と、第1の搬送機構が取り出すべき目標物の位置とに基づいて、荷物取出しルートを生成し、その後で、当該荷物取出しルートに第2の搬送機構の、1つまたは複数の荷物取出しタスクを挿入することで、取出しながら収納するという搬送ポリシーを実現し、ロボットの搬送効率を高め、目標物の出し入れで消費する時間を減少させることができる。
【0289】
なお、第1の搬送機構の搬送タスクが収納タスクで、第2の搬送機構の搬送タスクが荷物取出しタスクでもよく、その場合の搬送原理は上記実施例と同じであるため、ここでは再度個別に説明しない。
【0290】
一実施例においては、第1の搬送機構の搬送タスクが荷物取出しタスクで、第2の搬送機構の搬送タスクが収納タスクであり、第1の搬送機構が標物を取り出した後、第2の搬送機構は収納すべき目標物を第1の搬送機構が荷物を取り出したあと空になった空き収納場所に収納する。このとき、ロボットは水平方向に移動し、第2の搬送機構を第1の搬送機構が荷物を取出したあと空になった空き収納場所にそろえるだけでよく、余分な他のルートの移動を行う必要がなく、目標物収納時の消費時間が最短になり、搬送効率が最高になる。
【0291】
さらに、搬送機構4は一時保管プレート41と一時保管プレート41に取り付けられた伸縮アーム42を含み、一時保管プレート41は倉庫ラックとロボットラック2の間で移動させる荷物を一時的に保管するために用いられる。一時保管プレート41は水平に配置された金属平板や、非金属平板等の構造でありうる。伸縮アーム42は一時保管プレート41に取り付けられ、且つ伸縮方向に沿って移動可能であるため、伸縮アーム42は倉庫ラックまたはロボットラック2上の目標物を一時保管プレート41へ引き出すか、一時保管プレート41上の目標物を倉庫ラックまたはロボットラック2へ押し出すことができる。
【0292】
選択可能に、伸縮アーム42は2つであり、2つの伸縮アーム42は平行且つ対向して一時保管プレート41の両側に設置され、2つの伸縮アーム42が共同で倉庫ラックまたはロボットラック2上の目標物を一時保管プレート41へ引き出すか、一時保管プレート41上の目標物を倉庫ラックの空き収納場所またはロボットラック2の保管位置21へ押し出す。
【0293】
実現可能な一実施例において、伸縮アーム42はアウターアーム423、インナーアーム421および搬送ユニットを含む。選択可能に、搬送ユニットはプッシュロッドユニット43でありうる。アウターアーム423は一時保管プレート41に取り付けられ、インナーアーム421はアウターアーム423に取り付けられ、プッシュロッドユニット43はインナーアーム421に取り付けられる。インナーアーム421はアウターアーム423に対して移動可能である。このようにすることで、インナーアーム421がプッシュロッドユニット43を導いて移動させ、これによりプッシュロッドユニット43は目標物を押して移動させることができる。
【0294】
つまり、一時保管プレート41の対向する両側それぞれに、アウターアーム423と、アウターアーム423に取り付けられたインナーアーム421と、インナーアーム421に取り付けられたプッシュロッドユニット43とが設置されている。
【0295】
プッシュロッドユニット43は第1のプッシュロッド431を含み、第1のプッシュロッド431はインナーアーム421の先端面に取り付けられる。インナーアーム421の先端とは倉庫ラックに近づく側の一端である。伸縮アーム42が2つであり、平行且つ対向して一時保管プレート41に設置されるので、インナーアームも2つあり、平行且つ対向して設置され、且つ2つのインナーアーム421の先端面にそれぞれ第1のプッシュロッド431が設けられる。2つの第1のプッシュロッド431は同時に水平な位置まで回転することができ、且つ対向して設置され、または2つの第1のプッシュロッド431は同時に垂直な位置まで回転することができる。
【0296】
選択可能に、搬送ユニットは挟持ユニットでありうる。目標物を挟みこむことと、インナーアーム421が搬送ユニットを導いて移動させることが組み合わされて、目標物が搬送される。挟持ユニットはインナーアーム421の内側に、向き合って伸縮可能に取り付けられる。または、伸縮アーム42が向き合って伸縮可能に設計され、目標物に対して挟みこむかまたは解放する動きが可能な構造を形成する。本願のロボットの構造に対応する例示において、搬送ユニットはプッシュロッドユニット43、挟持ユニット、挟持式ロボットアーム、吸盤フォークユニット等同様または類似の搬送機構の設計にも適用できるが、これらに限定されない。
【0297】
倉庫ラック上の目標物を取り出す必要がある場合、物品搬送装置はまず昇降移動して、一時保管プレート41と取り指す目標物の収納場所が面一になるまで移動し、インナーアーム421が目標物に向かって移動する。このとき、インナーアーム421上の第1のプッシュロッド431は垂直状態であるが、インナーアーム421の先端が目標物の後端まで移動すると、第1のプッシュロッド431は回転して水平状態となり、第1のプッシュロッド431が目標物の後端面に当接する。インナーアーム421が一時保管プレート41の方向へ移動すると、第1のプッシュロッド431は目標物を押しつつ一時保管プレート41へ向かって移動し、これにより目標物を倉庫ラックから一時保管プレート41上へ搬送する。一時保管プレート41上の目標物を倉庫ラックへ収納する必要がある場合、第1のプッシュロッド431が目標物の先端を押し、インナーアーム421が倉庫ラックへ向かって移動して、目標物を倉庫ラックの空き収納場所へ送り出す。なお、目標物の先端とは一時保管プレート41に近い側の一端であり、目標物の先端と反対の一端が目標物の後端である。
【0298】
さらに、プッシュロッドユニット43は第2のプッシュロッド432を含む。第2のプッシュロッド432はインナーアーム421の後端面に取り付けられ、インナーアーム421の後端面に対して水平または垂直な位置まで回転可能であり、第2のプッシュロッド432は一時保管プレート41上の目標物をロボットラック2へ送り出すか、またはロボットラック2上の目標物を一時保管プレート41へ送り出す。
【0299】
具体的には、ロボットラック2に対応する保管位置21上の目標物を一時保管プレート41に搬送する必要がある場合、第2のプッシュロッド432はまず垂直状態になり、インナーアーム421がロボットラック2へ向かって移動する。インナーアーム421の先端面が目標物の後端面まで移動したとき、第2のプッシュロッド432は水平状態まで回転し、第2のプッシュロッド432が目標物の後端面に当接する。このとき、インナーアーム421が一時保管プレート41の方に向かって移動し、第2のプッシュロッド432が目標物を押して一時保管プレート41へ向かって移動することで、目標物を一時保管プレート41へ移動させる。一時保管プレート41上の目標物をロボットラック2に対応する保管位置21へ搬送する必要がある場合、第2のプッシュロッド432が目標物の先端に当接し、インナーアーム421が第2のプッシュロッド432を導いてロボットラック2の保管位置21へ向かって移動させることで、一時保管プレート41上の目標物を対応する保管位置21へ送り出す。
【0300】
上記実施例をベースとして、伸縮アーム42の伸縮ルートを延長させるため、伸縮アーム42はさらに少なくとも1つのミドルアーム422を含む。ミドルアーム422はインナーアーム421とアウターアーム423の間に取り付けられ、インナーアーム421およびアウターアーム423に接続される。ミドルアーム422はアウターアーム423に対して移動可能であり、インナーアーム421はミドルアーム422に対して移動可能である。伸縮アーム42は伸縮長さに応じて、インナーアーム421とアウターアーム423の間に複数のミドルアーム422を設置して伸縮アームの移動ルートを伸ばし、大きいサイズの目標物の出し入れを実現することができる。
【0301】
さらに、プッシュユニットはさらに駆動部材を含み、駆動部材は第1のプッシュロッド431および第2のプッシュロッド432にそれぞれ接続され、駆動部材が第1のプッシュロッド431および第2のプッシュロッド432をインナーアーム421の端面に対して回転させることで、第1のプッシュロッド431および第2のプッシュロッド432を水平または垂直な位置まで回転させる。
【0302】
本願実施例で提供するロボットにおいて、物品搬送装置は少なくとも2つの搬送機構を含み、各搬送機構は同一段に設置されるとともに一体に接続され、当該ロボットを利用して搬送作業を行う場合、これら搬送機構が同時に複数の搬送タスクを実行して、同時取出し、同時収納、または取出しながら収納するという搬送ポリシーを実現することで、搬送効率を高め、目標物の出し入れで消費する時間を減少させることができる。
【0303】
図12は本願実施例で提供するロボットの第3の構造の模式図である。図12に示すように、本願実施例で提供するロボットは、移動シャーシ1と、ロボットラック2と、昇降装置と、少なくとも2つの物品搬送装置4とを含む。移動シャーシ1はロボットの支持構造であり、ロボットの他の部材および/または装置を支えて携えて走行するために用いられる。本実施例において、ロボットラック2は移動シャーシ1に取り付けられる。このようにすることで、移動シャーシ1はロボットラック2およびロボットラック2に収納された目標物を携えて倉庫エリア内を移動することができる。
【0304】
ロボットラック2の構造について、本実施例では具体的に限定しない。例えば、実現可能な一実施形態においては、図10に示すように、ロボットラック2は移動シャーシ1に垂直に設置された2本の支柱を含み、各搬送機構4は2本の支柱の間に、支柱に対して昇降移動可能に取り付けられる。
【0305】
図13は本願実施例で提供するロボットの第4の構造の模式図である。図13に示すように、ロボットラック2は移動シャーシ1に垂直に設置された4本の支柱を含み、4本の支柱は立方体の空間を取り囲む。4本支柱の間には複数の仕切り板が設置され、複数の仕切り板が立方体の空間を目標物を収納するための複数の保管位置21に分け、各保管位置21には、1つまたは複数の目標物を置くことができる。
【0306】
なお、少なくとも2つの搬送機構4とは、搬送機構4が2つまたは2つ以上であることを示している。一実施例において、搬送機構4は2つであり、2つの搬送機構4は接続板で一体に接続されうる。
【0307】
昇降装置および2つまたは2つ以上の搬送機構4はロボットラック2に取り付けられ、昇降装置は各搬送機構4を駆動してロボットラック2に対して昇降移動させ、各搬送機構4が異なる高度の目標物を搬送できるようにする。選択可能に、昇降装置は通常2つの昇降ユニット3を含む。2つの昇降ユニット3はロボットラック2の対向する両側に、それぞれ対向して取り付けられる。例えば、倉庫ラックに近づく側の対向する2本の支柱にそれぞれ取り付けられる。各搬送機構4は2つの昇降ユニット3の間に位置し、各搬送機構4の両端は2つの昇降ユニット3にそれぞれ接続される。昇降ユニットは各搬送機構4を導いて、ロボットラック2に対して昇降移動させる。
【0308】
具体的には、昇降ユニット3は主動輪31と、従動輪32と、伝送ベルト33を含み、主動輪31はロボットラック2の下端に取り付けられ、従動輪32はロボットラック2の頂端に取り付けられ、伝送ベルト33が主動輪31と従動輪32にはめつけられている。主動輪31はモータの出力軸に接続でき、モータが主動輪31を駆動して回動させ、主動輪31は伝送ベルト33を導いて動かし、伝送ベルト33が物品搬送装置を導いて昇降移動させる。モータが正回転または逆回転すると、モータが主動輪31を駆動して正回転または逆回転させ、伝送ベルト33が各搬送機構4を導いて上昇または下降移動させる。これにより、各搬送機構4に異なる位置または高度に位置する目標物を取り出させたり、目標物を倉庫ラックの異なる位置または高度の収納場所に置かせたりする。
【0309】
上記実施例をベースとして、搬送効率を高めるため、2つまたは2つ以上の搬送機構4を昇降方向に沿って異なる段に設置する。当該ロボットを利用して搬送作業を行う場合、これら搬送機構が同時に複数の搬送タスクを実行して、同時取出し、同時収納、または取出しながら収納するという搬送ポリシーを実現することで、搬送効率を高め、目標物の出し入れで消費する時間を減少させることができる。
【0310】
例示的に、搬送機構4は2つであり、2つの搬送機構4は昇降方向に沿って異なる段に設置される。説明の便宜上、本実施例では、2つの搬送機構4をそれぞれ第1の搬送機構、第2の搬送機構として表記する。第1の搬送機構および第2の搬送機構は昇降方向に沿ってロボットラック2上で異なる段に設置される。
【0311】
搬送タスクを実行するとき、第1の搬送機構および第2の搬送機構は同時に倉庫ラックから異なる目標物を取り出すために用いられてもよいし、複数の目標物を同時に倉庫ラックの異なる収納場所に収納するために用いられてもよい。または、第1の搬送機構が倉庫ラック上の目標物の取出しに、第2の搬送機構が収納すべき目標物の倉庫ラックの空き収納場所への収納に用いられてもよい。なお、倉庫ラック上の空き収納場所には第1の搬送機構が目標物を取り出して空になった空き収納場所が含まれる。このようにすることで、ロボットは同時に複数の取出しタスクを実行するか、同時に複数の収納タスクを実行するか、または同時に取出し収納するタスクを実行することができ、これによりロボットの搬送効率を高め、ロボットが目標物を出し入れするとき消費する時間を減少させることができる。
【0312】
例示的に、第1の搬送機構および第2の搬送機構の搬送タスクがいずれも荷物取出しタスクである場合、ロボットの現在位置と、取り出すべき目標物の位置とに基づいて、第1の搬送機構または第2の搬送機構の荷物取出しルートを生成する。その後で、当該荷物取出しルートに別の搬送機構4の、1つまたは複数の荷物取出しタスクを挿入することで、複数の目標物を一回で取り出せるという目的を実現し、ロボットの搬送効率を高め、目標物の取出しで消費する時間を減少させることができる。
【0313】
あるいは、第1の搬送機構および第2の搬送機構の搬送タスクがいずれも倉庫ラックの空き収納場所への目標物の収納である場合、ロボットの現在位置と、目標物の収納対応する倉庫ラック上の空き収納場所の位置とに基づいて、第1の搬送機構または第2の搬送機構の収納ルートを生成する。その後で、当該ルートに別の搬送機構4の1つまたは複数の収納タスクを挿入することで、複数の目標物を1回で収納できるという目的を実現し、ロボットの搬送効率を高め、目標物の収納で消費する時間を減少させることができる。
【0314】
またあるいは、第1の搬送機構の搬送タスクが取出しタスクで、第2の搬送機構の搬送タスクが収納タスクである場合、ロボットの現在位置と、第1の搬送機構が取り出すべき目標物の位置とに基づいて、荷物取出しルートを生成し、その後で、当該荷物取出しルートに第2の搬送機構の、1つまたは複数の荷物取出しタスクを挿入することで、取出しながら収納するという搬送ポリシーを実現し、ロボットの搬送効率を高め、目標物の出し入れで消費する時間を減少させることができる。
【0315】
なお、第1の搬送機構の搬送タスクが収納タスクで、第2の搬送機構の搬送タスクが荷物取出しタスクでもよく、その場合の搬送原理は上記実施例と同じであるため、ここでは再度個別に説明しない。
【0316】
一実施例においては、第1の搬送機構の搬送タスクが荷物取出しタスクで、第2の搬送機構の搬送タスクが収納タスクであり、第1の搬送機構が目標物を取り出した後、第2の搬送機構は収納すべき目標物を第1の搬送機構が荷物を取り出したあと空になった空き収納場所に収納する。このとき、第2の搬送機構が昇降方向に沿って移動するだけでよく、ロボットは余分な他のルートの移動を行う必要がなく、目標物収納時の消費時間が最短になり、搬送効率が最高になる。
【0317】
さらに、搬送機構4は一時保管プレート41と一時保管プレート41に取り付けられた伸縮アーム42とを含み、一時保管プレート41は倉庫ラックとロボットラック2の間で移動させる荷物を一時的に保管するために用いられる。一時保管プレート41は水平に配置された金属平板や、非金属平板等の構造でありうる。伸縮アーム42は一時保管プレート41に取り付けられ、且つ目標物に向かうかまたは離れる方向に移動可能であるため、伸縮アーム42は倉庫ラックまたはロボットラック2上の目標物を一時保管プレート41へ引き出すか、一時保管プレート41上の目標物を倉庫ラックまたはロボットラック2へ押し出すことができる。
【0318】
選択可能に、伸縮アーム42は2つであり、2つの伸縮アーム42は対向して一時保管プレート41の両側に設置され、2つの伸縮アーム42が共同で倉庫ラックまたはロボットラック2上の目標物を一時保管プレート41へ引き出すか、一時保管プレート41上の目標物を倉庫ラックの空き収納場所またはロボットラック2の保管位置21へ押し出す。
【0319】
実現可能な一実施例において、伸縮アーム42はアウターアーム423とインナーアーム421とプッシュロッドユニット43とを含み、アウターアーム423は一時保管プレート41に取り付けられ、インナーアーム421はアウターアーム423に取り付けられ、プッシュロッドユニット43はインナーアーム421に取り付けられる。インナーアーム421はアウターアームに対して移動可能である。このようにすることで、インナーアーム421がプッシュロッドユニット43を導いて移動させ、これによりプッシュロッドユニット43は目標物を押して移動させることができる。
【0320】
プッシュロッドユニット43は第1のプッシュロッド431を含み、第1のプッシュロッド431はインナーアーム421の先端面に取り付けられる。インナーアーム421の先端とは倉庫ラックに近づく側の一端である。なお、2つの平行且つ対向して設置された伸縮アームのうち、2つの対向するインナーアーム421の先端面にそれぞれ第1のプッシュロッド431が設けられる。2つの第1のプッシュロッド431は同時に水平な位置まで回転することができ、且つ対向して設置され、または2つの第1のプッシュロッド431は同時に垂直な位置まで回転することができる。
【0321】
倉庫ラック上の目標物を取り出す必要がある場合、各搬送機構はまず昇降ユニットに随従して昇降方向に沿って昇降移動して、一時保管プレート41と取り指す目標物の収納場所が面一になるまで移動し、インナーアーム421が目標物に向かって移動する。このとき、インナーアーム421上の第1のプッシュロッド431は垂直状態であるが、インナーアーム421の先端が目標物の後端まで移動すると、第1のプッシュロッド431は回転して水平状態となり、第1のプッシュロッド431が目標物の後端面に当接する。インナーアーム421が一時保管プレート41の方向へ移動すると、第1のプッシュロッド431は目標物を押しつつ一時保管プレート41へ向かって移動し、これにより目標物を倉庫ラックから一時保管プレート41上へ搬送する。一時保管プレート41上の目標物を倉庫ラックへ収納する必要がある場合、第1プッシュロッド431が目標物の先端を押し、インナーアーム421が倉庫ラックへ向かって移動して、目標物を倉庫ラックの空き収納場所へ押し出す。なお、目標物の先端とは一時保管プレート41に近い側の一端であり、目標物の先端と反対の一端が目標物の後端である。
【0322】
さらに、プッシュロッドユニット43は第2のプッシュロッド432を含む。第2のプッシュロッド432はインナーアーム421の後端面に取り付けられ、インナーアーム421の後端面に対して水平または垂直な位置まで回転可能であり、第2のプッシュロッド432は一時保管プレート41上の目標物をロボットラック2へ押し出すか、またはロボットラック2上の目標物を一時保管プレート41へ押し出す。
【0323】
具体的には、ロボットラック2に対応する保管位置21上の目標物を一時保管プレート41に搬送する必要がある場合、第2のプッシュロッド432はまず垂直状態になり、インナーアーム421がロボットラック2へむかって移動する。インナーアーム421の先端面が目標物の後端面まで移動したとき、第2のプッシュロッド432は水平状態まで回転し、第2のプッシュロッド432が目標物の後端面に当接する。このとき、インナーアーム421が一時保管プレート41の方に向かって移動し、第2のプッシュロッド432が目標物を押して一時保管プレート41へ向かって移動することで、目標物を一時保管プレート41上へ移動させる。一時保管プレート41上の目標物をロボットラック2に対応する保管位置21へ搬送する必要がある場合、第2のプッシュロッド432が目標物の先端に当接し、インナーアーム421が第2のプッシュロッド432を連動させてロボットラック2の保管位置21へ向かって移動することで、一時保管プレート41上の目標物を対応する保管位置21へ送り出す。
【0324】
上記実施例をベースとして、伸縮アーム42の伸縮ルートを延長させるため、伸縮アーム42はさらに少なくとも1つのミドルアーム422を含む。ミドルアーム422はインナーアーム421とアウターアーム423の間に取り付けられ、インナーアーム421およびアウターアーム423に、ミドルアーム422はアウターアーム423に対して移動可能であり、インナーアーム421はミドルアーム422に対して移動可能である。伸縮アーム42は伸縮長さに応じて、インナーアーム421とアウターアーム423の間に複数のミドルアーム422を設置して、伸縮アーム42が目標物をより遠い位置まで送り出せるようにするか、またはより遠い位置の目標物を一時保管プレート41またはロボットラック2まで送り出せるようにすることができる。
【0325】
さらに、プッシュユニット43はさらに駆動部材を含み、駆動部材は第1のプッシュロッド431および第2のプッシュロッド432にそれぞれ接続され、駆動部材が第1のプッシュロッド431および第2のプッシュロッド432をインナーアーム421の端面に対して回転させることで、第1のプッシュロッド431および第2のプッシュロッド432を水平または垂直な位置まで回転させる。
【0326】
図14は本願実施例で提供するロボットの第5の構造の模式図であり、図15は本願実施例で提供するロボットの第6の構造の模式図である。上記実施例をベースとして、本願実施例提供的ロボットはさらにサポートビームを含み、サポートビームはロボットラック2に取り付けられるとともに、ロボットラック2に対して昇降移動可能である。各搬送機構4はサポートビームに取り付けられ、サポートビームに随従してロボットラック2に対して昇降移動する。
【0327】
ロボットはさらに取付フレーム(図示せず)と、取付フレームに取り付けられた回転ユニット(図示せず)とを含み、各搬送機構4は回転ユニットに取り付けられ、取付フレームはサポートビームに取り付けられる。回転ユニットは各搬送機構4を導いてサポートビームの昇降方向に垂直な平面内で回転させ、搬送機構4が異なる向きへ回転できるようにする。
【0328】
取付フレームは、2つの対向して設置された取付板を接続するおよび2つの取付板を接続するキャリービームとをさらに含み、2つの取付板はサポートビームに接続される。回転ユニットは、キャリービーム上の載置板と、載置板と間隔を開けて設置された回転板と、載置板と回転板とを接続するためのクロスベアリングとを含む。クロスベアリングには第1のスプロケットが接続され、回転板には第2のスプロケットと、第2のスプロケットを駆動して回動させるモータが設けられている。第1のスプロケットと第2のスプロケットはチェーンで接続され、モータが第2のスプロケットを駆動して回動させると、第2のスプロケットはチェーンを介して第1のスプロケットを導いて回動させ、第1のスプロケットが回動すると回転板上の各搬送機構4が動かされ、第1のスプロケットの軸線周りに回転し、少なくとも2つの搬送機構4を、サポートビームの昇降方向に垂直な平面内で異なる向きへ回転させる。
【0329】
本願実施例で提供するロボットは、ロボットラックと、ロボットラックに取り付けられた2つまたは2つ以上の搬送機構を含み、これら搬送機構は昇降方向に沿って異なる段に設置される。当該ロボットを利用して搬送作業を行う場合、これら搬送機構が同時に複数の搬送タスクを実行して、同時取出し、同時収納、または取出しながら収納するという搬送ポリシーを実現することで、搬送効率を高め、目標物の出し入れで消費する時間を減少させることができる。
【0330】
本実施例はさらに、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶され、サーバの少なくとも1つのプロセッサによって当該コンピュータプログラムが実行されると、サーバによって上記の各実施形態で提供される方法が実行される。
【0331】
本実施例はさらにプログラム製品を提供する。当該プログラム製品はコンピュータプログラムを含み、当該コンピュータプログラムは読み取り可能記憶媒体に記憶される。サーバの少なくとも1つのプロセッサが読み取り可能記憶媒体から当該コンピュータプログラムを読み取ることができ、少なくとも1つのプロセッサが当該コンピュータプログラムを実行して、サーバに上記の各実施形態で提供される方法を実行させる。
【0332】
最後に説明することとして、以上の各実施例は本願の技術スキームを説明するためだけに用いたもので、限定するものではない。また、前記各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、前記各実施例に記載した技術スキームはさらに変更したり、一部または全部の技術特徴に対して同等の置換をしたりすることが可能である。ただしこれらの変更または置換は、その技術スキームの本質を本願の各実施例の技術スキームの範囲から逸脱させるものではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動シャーシと、ロボットラックと、昇降装置と、物品搬送装置とを含むロボットであって、
前記ロボットラックは移動シャーシに取り付けられ、
前記移動シャーシは第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置まで移動するとともに、第2の搬送タスクに含まれる第2の目標物位置まで移動するように構成され、
前記第1の目標物位置と前記第2の目標物位置は異なり、
前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行プロセスに挿入されたタスクであり、
前記昇降装置および前記物品搬送装置は前記ロボットラックに取り付けられ、前記昇降装置は前記物品搬送装置を駆動して前記ロボットラックに対して昇降移動させるように構成され、
前記物品搬送装置は前記ロボットラックと前記第1の目標物位置との間で第1の目標物を搬送するとともに、前記ロボットラックと前記第2の目標物位置との間で第2の目標物を搬送するように構成され、
前記ロボットは前記第1の搬送タスクの実行中に前記第2の搬送タスクを実行する、
ロボット。
【請求項2】
前記第2の搬送タスクが返却タスクである場合、前記第2の目標物位置は返却位置であり、前記移動シャーシが前記第1の目標物位置に向かって走行中に前記返却位置に到達し、前記物品搬送装置と前記昇降装置が協働して、前記第2の目標物を前記ロボットラックから前記返却位置まで搬送する、
請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
前記返却位置は、前記第2の目標物の当初収納位置と、空き収納場所の位置とのうちいずれか1つであ
請求項2に記載のロボット。
【請求項4】
前記物品搬送装置は、前記ロボットラックに取り付けられて目標物の出し入れに用いられる少なくとも1つの搬送機構を含
前記物品搬送装置は、吸盤フォークユニットおよび/または挟持式ロボットアームを含む、
請求項1に記載のロボット。
【請求項5】
前記物品搬送装置が少なくとも2つの搬送機構を含む場合、前記少なくとも2つの搬送機構は昇降方向に垂直な方向に沿って並列に設置されるか、または前記昇降方向に沿って異なる段に設置される、
請求項4に記載のロボット。
【請求項6】
前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに位置し、且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造であまたは、
前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記ロボットラックは、同一垂直面に位置し且つ移動シャーシに設置されている3本以上の支柱を含み、各搬送機構は隣り合う2本の支柱の間に取り付けられ、前記支柱に対して昇降移動を行い、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置され、または、
前記少なくとも2つの搬送機構が並列に設置される場合、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ前記物品搬送装置の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは前記物品搬送装置を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる、
請求項に記載のロボット。
【請求項7】
前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、各前記搬送機構どうしの相対移動が許容されるか、または相対移動が許容されないように設置され、または、
前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、前記少なくとも2つの搬送機構は前記ロボットラックに位置し、且つ前記少なくとも2つの搬送機構は一体構造であり、または、
前記少なくとも2つの搬送機構が昇降方向に沿って異なる段に設置される場合、前記昇降装置は2つの昇降ユニットを含み、2つの前記昇降ユニットはそれぞれ前記ロボットラックの対向する両側に取り付けられ、且つ各前記搬送機構の両端が2つの前記昇降ユニットにそれぞれ接続され、2つの前記昇降ユニットは各前記搬送機構を導いて前記ロボットラックに対して昇降移動させる、
請求項に記載のロボット。
【請求項8】
前記搬送機構が2つの場合、一方の搬送機構は倉庫ラック上の目標物を前記ロボットラックへ運ぶために用いられ、他方の搬送機構は前記ロボットラック上の目標物を前記倉庫ラックへ移すために用いられる、
請求項4に記載のロボット。
【請求項9】
前記第1の搬送タスクが前記荷物取出しタスクであり、且つ前記ロボットが前記第1の搬送タスクを実行する場合、前記ロボットは第1の目標物の荷物取出し位置である前記第1の目標物位置まで走行し、前記物品搬送装置のうちの1つの搬送機構が前記昇降装置によって前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動して、前記第1の目標物を倉庫ラックから取り出して、前記ロボットラックに置くか、または、
前記第2の搬送タスクが返却タスクであり、且つ前記ロボットが前記第2の搬送タスクを実行する場合、前記ロボットは第2の目標物の返却位置である前記第2の目標物位置まで走行し、前記物品搬送装置のうちの1つの搬送機構がロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第2の目標物の返却位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第2の目標物の返却位置まで送り出す、
請求項4に記載のロボット。
【請求項10】
前記第1の目標物に対する荷物取出しタスクを実行完了後、前記物品搬送装置のうちの1つの搬送機構が、ロボットラックにある前記第2の目標物を前記昇降装置により前記第1の目標物の荷物取出し位置まで移動させ、前記第2の目標物を前記第1の目標物の荷物取出し位置まで送り出す、
請求項に記載のロボット。
【請求項11】
ロボットによって実行される荷物搬送方法であって、
第1の搬送タスクを実行するために搬送タスク系列を取得するステップと、
前記第1の搬送タスクの実行中に、第2の搬送タスクを実行するステップと、を含み、
前記第1の搬送タスクは第1の目標物位置を含み、前記第2の搬送タスクは第2の目標物位置を含み、前記第1の目標物位置と前記第2の目標物位置は異なり、前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクのうち一方は荷物取出しタスクで、他方は返却タスクであり、
前記第2の搬送タスクは前記第1の搬送タスクの実行プロセスに挿入されたタスクである、
荷物搬送方法。
【請求項12】
ロボットは定期的または不定期に、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告するまたは、
ロボットはサーバから要求を受信したとき、サーバに位置情報と空きスロット情報とのうち少なくとも一方の情報を報告する、
請求項11に記載の荷物搬送方法。
【請求項13】
前記第2の搬送タスクが返却タスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、
前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップと、
前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の返却位置に到達して、返却タスクを実行するステップと、
前記第1の目標物位置まで走行して荷物取出しタスクを実行するステップと、を含む、
請求項11に記載の荷物搬送方法。
【請求項14】
前記第2の搬送タスクにおける第2の目標物の返却位置は、
前記第2の目標物の当初収納位置、または空き収納場所の位置を含む、
請求項13に記載の荷物搬送方法。
【請求項15】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、
前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットの荷物取出しルートとの間の距離は第1の所定範囲内であり、および/または、前記U箇所の空き収納場所に対応する位置とロボットとの間の距離は第2の所定範囲内であり、
Uは0より大きい自然数であり、
前記荷物取出しルートは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである、
請求項14に記載の荷物搬送方法。
【請求項16】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の返却位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからU箇所の空き収納場所に対応する位置を取得するステップを含み、
ロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき生じる第1の増加時間は第1の所定閾値以下であり、および/または、ロボットが前記U箇所の空き収納場所に対応する位置に準じて荷物を返却するとき増加する第1の移動距離は、第2の所定閾値以下であり、
Uは0より大きい自然数である、
請求項14に記載の荷物搬送方法。
【請求項17】
前記第2の搬送タスクが荷物取出しタスクであるとき、前記第1の搬送タスクの実行中に、前記第2の搬送タスクを実行する前記ステップは、
前記第1の搬送タスクから第1の目標物位置を取得するとともに、前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出しタスク位置を取得するステップと、
前記第1の目標物位置へ向かって走行中に、前記第2の目標物の荷物取出し位置に到達して、荷物取出しタスクを実行するステップと、
前記第1の目標物位置まで走行して返却タスクを実行するステップと、を含む、
請求項11に記載の荷物搬送方法。
【請求項18】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、
前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置と返却ルートとの間の距離は第3の所定範囲内であり、および/または、前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置とロボットとの間の距離は第4の所定範囲内であり、
Nは0より大きい自然数であり、
前記返却ルートは、前記位置情報と前記第1の搬送タスクに含まれる第1の目標物位置とに基づいて生成されたものである、
請求項17に記載の荷物搬送方法。
【請求項19】
前記第2の搬送タスクから第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップは、
前記第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得するステップを含み、
ロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき生じる第2の増加時間は、第3の所定閾値以下であり、および/または、ロボットが前記N箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取り出すとき増加する第2の移動距離は、第4の所定閾値以下であり、
Nは0より大きい自然数である、
請求項17に記載の荷物搬送方法。
【請求項20】
前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクは、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総移動時間と、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するために実行する荷物取出し操作および返却操作の総回数と、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための総走行距離と、
ロボットが荷物取出しタスクおよび返却タスクを完了するための積載率と、のうちいずれか1つまたは複数の制約要素に関連している、
請求項11に記載の荷物搬送方法。
【請求項21】
荷物を置くためのラックに、ラック深度方向において2つ以上の収納位置が存在し、且つ前記荷物取出しタスクまたは前記返却タスクで指示された目標物位置が前記収納位置のうち2番目の位置かそれより後ろの位置である場合、前記方法はさらに、
前記目標物位置に置く前に、非目標荷物を前記ロボットの空きスロットに搬送するステップと、
前記目標物位置に対する取出しタスクまたは返却タスクを実行するステップと、
前記非目標荷物を前記ラックの元の収納位置に返却するか、または、前記非目標荷物を空き収納位置に返却するステップと、を含み、
前記空き収納位置は前記目標物位置と同一のラックまたは異なるラックに属する、
請求項11に記載の荷物搬送方法。
【請求項22】
サーバから割り振られた荷物整理タスクを受信するステップと、
前記荷物整理タスクを実行するステップと、をさらに含み、
前記荷物整理タスクは、目標物に対して荷物整理を行うこと、および/または、前記目標物の収納位置を調整することを含み、
前記荷物整理タスクの実行タイミングは、
前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの前と、
前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクの間と、
前記第1の搬送タスクおよび第2の搬送タスクの後と、
前記第1の搬送タスクと第2の搬送タスクからなるタスク系列におけるいずれか1つのタスクの実行中と、のうちいずれか1つの状況を含む、
請求項11に記載の荷物搬送方法。
【請求項23】
プロセッサと、
前記プロセッサが実行可能な指令を記憶したメモリと、を含み、
前記プロセッサは前記実行可能な指令を実行することで、請求項1122のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実現するように構成されている、
サーバ。
【請求項24】
請求項1~10のいずれか一項に記載のロボットと、請求項23に記載のサーバと、ラックと、操作プラットフォームとを含み、
前記ロボットと前記サーバとは通信接続され、
前記サーバは前記ロボットに前記第1の搬送タスクおよび前記第2の搬送タスクを割り振り、
前記ロボットは請求項1122のいずれか一項に記載の荷物搬送方法を実行して、ラックと操作プラットフォームの間の荷物搬送を実現する、
倉庫システム。
【請求項25】
コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記プログラムがプロセッサによって実行されると、請求項1122のいずれか一項に記載の荷物搬送方法が実現される、
記憶媒体。
【請求項26】
コンピュータに請求項11~22のいずれか一項に記載の荷物搬送方法のステップを実行させる、
コンピュータ実行可能なプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
第3の選択可能な実施形態において、ロボットは第2の搬送タスクからN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置を取得する。ただし、ロボットがN箇所の第2の目標物の荷物取出し位置に準じて荷物を取得したとき生じる第2の増加消費時間は、第3の所定閾値以下であり、Nは0より大きい自然数である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0279
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0279】
具体的には、昇降ユニット3は主動輪31と、従動輪32と、伝送ベルト33を含み、主動輪31はロボットラック2の下端に取り付けられ、従動輪32はロボットラック2の頂端に取り付けられ、伝送ベルト33が主動輪31と従動輪32にはめつけられている。主動輪31はモータの出力軸に接続でき、モータが主動輪31を駆動して回動させ、主動輪31は伝送ベルト33を導いて動かし、伝送ベルト33が物品搬送装置を導いて昇降移動させる。モータが正回転または逆回転すると、モータが主動輪31を駆動して正回転または逆回転させ、伝送ベルト33が物品搬送装置を導いて上昇または下降移動させる。これにより、物品搬送装置に異なる位置または高度に位置する目標物を取り出させたり、目標物を倉庫ラックの異なる位置または高度の収納場所に置かせたりする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0323
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0323】
上記実施例をベースとして、伸縮アーム42の伸縮ルートを延長させるため、伸縮アーム42はさらに少なくとも1つのミドルアーム422を含む。ミドルアーム422はインナーアーム421とアウターアーム423の間に取り付けられ、インナーアーム421およびアウターアーム423に接続され、ミドルアーム422はアウターアーム423に対して移動可能であり、インナーアーム421はミドルアーム422に対して移動可能である。伸縮アーム42は伸縮長さに応じて、インナーアーム421とアウターアーム423の間に複数のミドルアーム422を設置して、伸縮アーム42が目標物をより遠い位置まで送り出せるようにするか、またはより遠い位置の目標物を一時保管プレート41またはロボットラック2まで送り出せるようにすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0327
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0327】
取付フレームは、2つの対向して設置された取付板および2つの取付板を接続するキャリービームとをさらに含み、2つの取付板はサポートビームに接続される。回転ユニットは、キャリービーム上の載置板と、載置板と間隔を開けて設置された回転板と、載置板と回転板とを接続するためのクロスベアリングとを含む。クロスベアリングには第1のスプロケットが接続され、回転板には第2のスプロケットと、第2のスプロケットを駆動して回動させるモータが設けられている。第1のスプロケットと第2のスプロケットはチェーンで接続され、モータが第2のスプロケットを駆動して回動させると、第2のスプロケットはチェーンを介して第1のスプロケットを導いて回動させ、第1のスプロケットが回動すると回転板上の各搬送機構4が動かされ、第1のスプロケットの軸線周りに回転し、少なくとも2つの搬送機構4を、サポートビームの昇降方向に垂直な平面内で異なる向きへ回転させる。
【国際調査報告】