(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】ガスを濃縮するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
A61M16/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502667
(86)(22)【出願日】2021-07-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021041719
(87)【国際公開番号】W WO2022015909
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503351836
【氏名又は名称】インバケア コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バディンジャー, マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】スターキー, ケビン アール.
(57)【要約】
ガス濃縮器のステータスを表示するためのシステムおよび方法が、提供される。本システムおよび方法は、例えば、複数の照明可能区画を有する、ディスプレイを含む。照明可能区画は、システムステータスを示す1つ以上の表示を形成するために、照明されることができる。システムステータスは、例えば、ウォームアップ、正常動作、低優先度アラーム、高優先度アラーム等を含む。一実施形態では、本システムおよび方法はまた、システムステータスを判定するための1つの基準として、ガス濃縮システムの酸素値を読み取る。他の基準もまた、開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス濃縮システムであって、
コントローラと、
前記コントローラと通信する、ディスプレイであって、前記ディスプレイは、放射パターンにおいて配列される、複数の照明可能区画を備える、ディスプレイと、
システムステータスに基づく複数のパターンのうちの1つに従って、前記複数の照明可能区画のうちの少なくとも1つを照明する論理と
を備える、システム。
【請求項2】
前記複数のパターンのうちの1つは、システム始動の間に回転表示を形成するために、前記複数の区画を照明することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のパターンのうちの1つは、前記システムが許容可能な動作パラメータ内であるという表示を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記システムが許容可能な動作パラメータ内であるという前記表示は、チェックマーク表示を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数のパターンのうちの1つは、前記システムが許容可能な動作パラメータ内にないというアラーム表示を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アラーム表示は、エクスクラメーションマーク表示を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記アラーム表示は、×マーク表示を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
ステータスインジケータとして前記システムの酸素濃度を読み取るための論理をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記ディスプレイはさらに、前記放射パターンの中心に近接する少なくとも1つの照明可能区画を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記照明可能区画は、伸長である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
ガス濃縮システムであって、
コントローラと、
前記コントローラと通信する、ディスプレイであって、前記ディスプレイは、放射パターンにおいて配列される、複数の照明可能区画を備える、ディスプレイと、
システムステータスを示す複数のパターンのうちの1つに従って、前記複数の照明可能区画を照明する論理と
を備える、システム。
【請求項12】
前記複数のパターンのうちの1つは、システムウォームアップを示す回転表示を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数のパターンのうちの1つは、正常システム動作を示すチェックマーク表示を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数のパターンのうちの1つは、アラームを示すエクスクラメーションマーク表示を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のパターンのうちの1つは、アラームを示す×マーク表示を備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
酸素濃度を読み取り、かつ前記酸素濃度が閾値を下回るかどうかを判定するための論理をさらに備える、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
ガス濃縮システムに関する1つ以上のステータスインジケーションを表示する方法であって、前記方法は、
システムウォームアップの間、回転パターンにおいて複数の照明可能区画のうちの1つ以上の区画を照明することと、
酸素濃度を読み取ることと、
前記読み取られた酸素濃度レベルに基づいて、複数のステータスインジケーションのうちの1つを表示するために、前記複数の照明可能区画のうちの1つ以上の区画を照明することと
を含む、方法。
【請求項18】
複数のステータスインジケーションのうちの1つを表示するために、前記複数の照明可能区画のうちの1つ以上の区画を照明することは、前記酸素濃度レベルが閾値を上回る場合、正常ステータスインジケーションを表示するために、前記区画を照明することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
複数のステータスインジケーションのうちの1つを表示するために、前記複数の照明可能区画のうちの1つ以上の区画を照明することは、前記酸素濃度レベルが閾値を下回る場合、低優先度アラームステータスインジケーションを表示するために、前記区画を照明することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
複数のステータスインジケーションのうちの1つを表示するために、前記複数の照明可能区画のうちの1つ以上の区画を照明することは、前記酸素濃度レベルが閾値を下回る場合、高優先度アラームステータスインジケーションを表示するために、前記区画を照明することを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、「System and Method for Concentrating Gas」と題され、2020年7月16日に出願された米国仮特許出願第63/052,533号(弁理士整理番号第12873-07043号)の優先権を主張する。
【0002】
本願は、全て2020年7月16日に出願された、以下の特許出願:「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,694号(弁理士整理番号第12873-07004号)、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,700号(弁理士整理番号第12873-07033号)、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,869号(弁理士整理番号第12873-07041号)、「System and Method for Concentrating Gas」と題された米国仮特許出願第63/052,533号(弁理士整理番号第12873-07043号)、および「System and Method for Managing Medical Devices」と題された米国仮特許出願第63/052,647号(弁理士整理番号第12873-07044号)を参照することによって組み込む。
【背景技術】
【0003】
(背景)
種々の用途が、ガス状混合物の分離に関して存在する。例えば、大気空気からの窒素の分離は、高濃度の酸素源を提供することができる。これらの種々の用途は、医療患者および飛行人員のための高濃度の酸素の提供を含む。したがって、ある濃度の酸素を伴う呼吸ガス等の濃縮製品ガスを提供するために、ガス状混合物を分離するシステムを提供することが、望ましい。
【0004】
例えば、いくつかの既存の製品ガスまたは酸素濃縮システムおよび方法が、Invacare Corporation(Elyria, Ohio)に共同譲渡され、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる、米国特許第4,449,990号、第5,906,672号、第5,917,135号、第5,988,165号、第7,294,170号、第7,455,717号、第7,722,700号、第7,875,105号、第8,062,003号、第8,070,853号、第8,668,767号、第9,132,377号、第9,266,053号、および第10,010,696号に開示されている。
【0005】
そのようなシステムは、定常、輸送可能、またはポータブルのいずれかであることが公知である。定常システムは、例えば、ユーザの寝室または居間等の1つの場所に留まることを意図している。輸送可能システムは、場所から場所に移動されることを意図しており、多くの場合、移動を促進するための車輪または他の機構を含む。ポータブルシステムは、例えば、肩ストラップまたは類似する付属品を介して等、ユーザとともに携行されることを意図している。
【0006】
別の側面では、これらのシステムは、構成要素が満足の行くように機能することを確実にするために、種々の始動および診断タスクを実施する。これらのタスクのうちのいくつかの間、特に、ウォームアップの間、ユーザは、システムのステータスを認識し得ず、これは、システム動作性および可用性に対するユーザの混乱を引き起こし得る。ガス分離または濃縮システムのこれらおよび他の側面に対処することが、望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10,010,696号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(要約)
ガス濃縮システムおよび方法が、提供される。一実施形態では、ステータスインジケーションが、システムのステータスを示すために、ユーザに提供される。インジケーションは、例えば、システムウォームアップ、診断、および/または種々のレベルのアラームに関する1つ以上の表示を含む。このように、ガス分離システムのスタータスに関するユーザの混乱は、最小限にされ、および/または排除される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本明細書に組み込まれ、その一部を成す付随の図面では、本発明の実施形態が、図示され、これは、上記に与えられる本発明の一般的説明および下記に与えられる詳細な説明とともに、本発明の原理を例示する役割を果たす。
【0010】
【
図1】
図1は、ガス濃縮システムの一実施形態を示す。
【0011】
【
図2】
図2は、ガス濃縮システムの空気圧ブロック図の一実施形態である。
【0012】
【
図3】
図3A-3Bは、ガス分離または濃縮システムに関するステータス表示の一実施形態を示す。
【0013】
【
図4】
図4は、ガス分離または濃縮システムに関するステータス表示の別の実施形態を示す。
【0014】
【
図5】
図5A-5Gは、例えば、ウォームアップまたは始動ステータスインジケーションを示す、ステータス表示のシーケンスの一実施形態を示す。
【0015】
【
図6】
図6は、ステータスが良好である、許容可能である、および/または動作パラメータもしくは範囲内であることを意味する、ステータス表示の一実施形態を図示する。
【0016】
【
図7】
図7は、低および/または中レベルアラームインジケーションを示す、ステータス表示の一実施形態を示す。
【0017】
【
図8】
図8は、高レベルアラームインジケーションを示す、ステータス表示の一実施形態を示す。
【0018】
【
図9】
図9は、1つ以上のステータスインジケーションおよび/または表示を発生させるためのコントローラ論理の一実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(説明)
本明細書に説明されるように、1つ以上の構成要素が、接続される、継合される、添着される、結合される、取り付けられる、または別様に相互接続されるものとして説明される、もしくは示されるとき、そのような相互接続は、構成要素の間として直接的であってもよい、または1つ以上の中間構成要素の使用を通して等、間接的であってもよい。また、本明細書に説明されるように、部材、構成要素、または部分の言及は、単一の構造的部材、構成要素、要素、または部分に限定されるものとせず、構成要素、部材、要素、または部分の集合体を含むことができる。
【0020】
本発明の実施形態は、例えば、ガス分離または濃縮システムのインジケーションもしくはステータスを提供する能力を提供する。本システムは、多くの場合、ウォームアップまたは始動手順および診断等のタスクを実施し、これは、本システムの動作性に関するユーザの混乱を引き起こし得る。これらのタスクまたは手順の間の本システムのインジケーションまたはステータスは、ユーザが本システムのステータスをより良好に理解し得るように、ユーザに提供される。一実施形態では、ステータスインジケーションは、ディスプレイパネル上に提供される視覚的インジケーションである。インジケーションは、グラフィックス、表示、および/またはアイコンの形態であり得る。一実施形態では、インジケーションは、発光ダイオード、ランプ、LCD、OLED、AMOLED、LED、4K、2K、フルHD、HD等の技術等の発光デバイスによって照明される。他の実施形態では、インジケーションは、ディスプレイの各区画、ドット、またはピクセルと関連付けられる色を使用する。これらの色は、赤色、黄色、緑色、橙色、青色、およびそれらの組み合わせならびに/もしくはシーケンスを含む、任意の色であり得る。別の実施形態では、インジケーションは、大いに可視であり、理解しやすい。また他の実施形態では、インジケーションはさらに、例えば、1つ以上の可聴音、ビープ音、または他の音を含む、可聴信号を含むことができる。一例示的実施形態では、ステータス表示は、例えば、同一の全体表示または表示アイコンを使用して、良好な動作、低優先度アラーム、高優先度アラーム、および/またはウォームアップステータスを示す能力を提供される。
【0021】
図1に図示されるものは、酸素システム100の一実施形態である。本システムは、例えば、病院または患者の自宅における使用のため等、定常であってもよい。本システムはまた、例えば、患者が自宅から離れているときの患者による使用のため等、歩行性または可動性であり得る。本システムは、患者が、例えば、肩掛けストラップを通して、またはそれによって本システムが取っ手および車輪を含む配列を通して等、本システムを携行することを可能にする様式で構成されることができる。他の可動性構成もまた、含まれる。
【0022】
酸素システム100は、1つ以上の区分にあり得る、筐体102を含む。筐体102は、例えば、室内空気の吸入ならびに窒素および他のガスの排出等の種々のガスの吸入および排出のための複数の開口部を含む。酸素システム100は、概して、大部分が酸素および窒素から成る室内空気を吸入し、酸素から窒素を分離する。酸素は、1つ以上の内部または外部貯蔵または製品タンク内に貯蔵され、窒素は、室内空気に戻るように排出される。例えば、酸素ガスは、ポート104を通して、管類および鼻カニューレを通して患者に排出されてもよい。代替として、酸素ガスは、補助ポートを通して、Invacare Corp.(Elyria, Ohio, USA)によって製造されるHOMEFILL(登録商標)等の酸素ボンベ充填デバイスに排出されてもよい。
【0023】
酸素システム100はさらに、本システムのステータスをユーザに(また、点検人員に)伝えるためのディスプレイ106を含む。ステータスディスプレイ106は、これが容易に見られることができる、筐体102の上部部分に近接して位置する。ディスプレイ106はまた、良好な可視性を提供するために、有意なサイズおよび寸法である。例えば、一実施形態では、ディスプレイ106は、約2インチの高さおよび約5インチの長さである。他のサイズ寸法もまた、良好な可視性を提供した上で可能性として考えられる。より詳細に説明されるであろうように、ディスプレイ106は、例えば、静的およびアニメーション表示を含む、システムステータスの種々のインジケーションを提供する。
【0024】
図2は、圧力スイング吸着法(PSA)を使用するガス濃縮システムおよび方法に関する例示的空気圧ブロック図の一実施形態を図示する。本システムおよび方法は、複数のガス分離シーブ床206aおよび206bと、複数の弁204a、204b、204c、および204dと、1つ以上の製品タンク208a、208bと、コンサーバ弁/デバイス218とを含むことができる。本実施形態では、製品タンク208a、208bは、接続されて示され、したがって、それらは、1つの製品タンクとして作用するが、また、2つの製品タンクとして作用するように配列されてもよい。本システムはまた、コンプレッサ/ポンプ203と、1つ以上のフィルタ201と、マフラ202とを含む。
【0025】
シーブ床206aおよび206bは、物理的分離媒体または材料を用いて充填される。分離材料は、1つ以上の吸着可能成分を選択的に吸着させ、ガス状混合物の1つ以上の非吸着可能成分を通過させる。概して、物理的分離材料は、均一なサイズおよび本質的に同一の分子寸法の細孔を伴う分子シーブである。これらの細孔は、分子形状、極性、飽和度、および同等物に従って、分子を選択的に吸着させる。一実施形態では、物理的分離媒体は、4~5ANG.(オングストローム)の細孔を伴うアルミナシリケート組成物である。より具体的には、分子シーブは、5A型ゼロライト等のアルミナシリケートのナトリウムまたはカルシウム形態である。代替として、アルミナシリケートは、より高いシリコン対アルミニウム比、より大きい細孔、および極性分子に対する親和性、例えば、13x型ゼオライトを有してもよい。ゼオライトは、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、および空気の他の有意な成分を吸着させる。他のタイプの分離媒体もまた、使用されてもよい。また、2つを上回るシーブ床が、使用されることができる。他の実施形態では、シーブ床206aおよび206bは、米国特許第8,668,767号(本および他の特徴に関して参照することによって完全に本明細書に組み込まれる)に説明されるように、1つ以上の製品タンク208aおよび208bと構造的に統合されることができる。
【0026】
動作時、
図2の実線によって示されるように、分離床206aの例示的充填サイクルの間、ポンプ/コンプレッサ203は、室内空気を、フィルタ201を通して、弁204dおよび分離床206aに引き込み、これは、その出力において、弁210aを通して製品タンク208a、208bの中に酸素を生成する。ポンプ/コンプレッサ203は、充填段階の間に1平方インチあたり最大約32ポンドの空気をシーブ床に供給する。他の作業圧力範囲は、1平方インチあたり約15~32ポンドを含む。弁210aおよび210bは、逆止弁または一方向流動のみを可能にする任意の他の同様に機能する弁であってもよい。
【0027】
分離床206aが、充填サイクルを受けている間、分離床206bは、以前の充填サイクルからのいずれの窒素ガスも排出するために、パージサイクルを受けてもよい。パージサイクルの間、以前に加圧された分離床206bは、弁204aを通して、かつマフラ202を通して大気中に窒素ガスを排出する。パージサイクルの間、分離床206aまたは製品タンク208a、208bからのある量の酸素が、
図2に破線で示される、随意のブリード弁212および固定されたオリフィス214によって制御されるように、分離床206bを酸素を用いて事前装填または事前充填するために、分離床206bの中に給送されることができる。
【0028】
図2の破線によって示されるように、いったん分離床206aが充填される、および/または分離床206bがパージされると、制御システム220は、分離床206bが充填サイクルに入る一方、分離床206aがパージサイクルに入るように、弁204a、204b、204c、および204dを切り替える。本状態では、ポンプ203は、室内空気を分離床206bの中に指向し、これは、その出力において、弁210bを通して製品タンク208a、208bの中に酸素を生成する。パージサイクルの間、分離床206bまたは製品タンク208a、208bからのある量の酸素が、ここでは以前のサイクルと比較して反対方向に流動する酸素を用いて分離床206aを事前装填または事前充填するために、分離床206aの中に給送されることができる。図示されるシステムはまた、例示的圧力均等化弁216を含み、これは、パージ/充填サイクル変更に先立って、2つの分離床内の圧力を均等化する。
【0029】
圧力均等化弁216は、その充填サイクルの終わりに近い分離床(例えば、206a)およびそのパージサイクルの終わりに近い分離床(例えば、206b)の出力の間で圧力を均等化することによって、酸素のより効率的な発生を可能にすることができる。例えば、圧力均等化弁216は、各パージ/充填サイクルの終わりに近い分離床206aおよび分離床206bの出力の間で圧力を均等化するようにアクティブ化されてもよい。米国特許第4,449,990号および第5,906,672号(参照することによって本明細書に完全に組み込まれる)はさらに、圧力均等化弁の動作を説明している。このように、各分離床206a、206bは、制御システム220によって制御されるように交互する充填およびパージサイクルを周期的に受け、酸素を発生させる。
【0030】
図2に示されるように、随意のコンサーバ弁/デバイス218が、ユーザ222への製品ガスの送達を制御するために使用されてもよい。コンサーバ弁は、製品タンク208a、208bから濃縮製品ガスを提供することと室内空気に通気することとを切り替えてもよい。例えば、コンサーバ弁は、制御システム220によって判定される量および時間において酸素濃縮製品ガスの種々の連続的またはパルス化流動を選択的に提供するために使用されてもよい。本時間は、典型的には、ユーザによる吸息を感知することに基づき、典型的には、ユーザの鼻または口に近接する圧力の低下または(流動の増加)を感知することによって判定される。
【0031】
本実施形態では、制御システム220は、例えば、圧力源203ならびに弁204a、204b、204c、204d、216、および212のアクティブ化、レベル、および相対的タイミングを制御することによって、濃縮製品ガスの生成および送達を最適化するために、種々の制御スキームを利用してもよい。これは、1つ以上の圧力センサ224および/または酸素濃度センサ226の使用によって遂行される。一実施形態では、圧力および酸素センサ224および226は、製品タンク208aおよび208bに進入する圧力および酸素濃度を監視する。他の実施形態では、時間指定サイクルの使用が、採用されることができ、サイクル時間は、工場において設定される。他の実施形態では、サイクル時間は、流動設定および/または感知された患者流動要求から判定されることができる。
【0032】
図2は、圧力スイング吸着法(PSA)サイクルを図示するが、真空スイング吸着法(VSA)、真空-圧力スイング吸着法(VPSA)、または他の類似するモードを含む、他のガス濃縮サイクルもまた、使用されてもよい。特定のガス濃縮モードは、それらがユーザへの酸素等の濃縮ガスを生成することが可能である限り、本明細書に説明される本発明の実施形態にとって重要ではない。上記の動作モードの実施例が、例えば、米国特許第9,266,053号および第9,120,050号(参照することによって完全に組み込まれている)に開示されている。
【0033】
始動の間、
図2に示され、説明されるシステムおよび方法は、適切な動作性を確実にするために、診断ならびに数回の充填およびパージサイクルを受けてもよい。本始動プロセスは、本システムが適切に動作しているかどうかに関してユーザの混乱を生じさせ得る。さらに、本システムの作業構成要素のうちの1つ以上の故障は、本システムの動作不能または有意に損なわれた動作性をもたらし得る。これらおよび他の状況において、ディスプレイ106は、ユーザおよび/または点検人員に役立つために、システムステータスの視覚的インジケーションを提供することができる。
図2に示されるように、コントローラ220は、ディスプレイ106と通信し、視覚的および/または可聴システムステータスインジケーションを発生させる。コントローラ220は、好ましくは、マイクロプロセッサベースであり、それと関連付けられるメモリ内に記憶されるソフトウェア命令または論理を実行する。
【0034】
ここで
図3A-3Bを参照すると、ディスプレイ106の一実施形態が、示される。本実施形態では、ディスプレイ106は、種々のディスプレイ部分を有する本体を含む。これらは、ディスプレイ部分300、302、304、および306を含む。これらのディスプレイ部分はそれぞれ、1つ以上の発光または照明デバイスを含むことができる。さらに、本実施形態では、本体は、種々のディスプレイ部分(例えば、304および306)において1つ以上の押下可能ボタン310を含む。これらのボタンは、ディスプレイ部分が、システムコントローラ220への入力としても機能することを可能にする。
【0035】
示される実施形態では、ディスプレイ部分300は、多区画グラフィカルディスプレイである。ディスプレイ部分302は、多区画英数字ディスプレイである。ディスプレイ部分304は、複数のアイコンディスプレイと、1つ以上のボタン310とを含む。ディスプレイ部分306もまた、少なくとも1つのアイコンディスプレイと、ボタン310とを含む。他の実施形態では、ディスプレイ部分300は、それだけで(
図5A-5Gおよび6-8に示されるように)、他のディスプレイの必要性を伴わずに、またはそれと組み合わせることなく使用されることができる。また他の実施形態では、より多いまたはより少ないディスプレイ(例えば、ディスプレイ302、304、および306)が、使用されることができ、
図3A-3Bのディスプレイ106は、1つの例証される実施形態にすぎない。
【0036】
図4は、システムステータスを示すために使用され得る、照明可能ディスプレイの一実施形態400を図示する。例えば、ディスプレイ部分300は、放射または星形パターンにおいて配列される、複数の照明可能区画を含むことができる。これは、区画404、406、408、410、412、414、および418を含む。配列の中心において、区画402が、提供されることができる。またさらに、区画412が、ディスプレイ部分300の底部の近傍に提供されることができ、斜め区画416もまた、ディスプレイ部分300の底部の近傍に提供されることができる。ディスプレイ部分300は、放射または星形パターンにおいて配列される7つの区画とともに示されたが、7つよりも多いまたは少ない区画もまた、使用されることができる。さらに、照明される区画の間の空間は、本実施形態では、非照明可能である。他の実施形態では、本空間は、1つ以上の付加的区画を介して照明可能であり得る。
【0037】
ディスプレイ部分302は、複数の照明可能区画422および424を含む。区画は、英数字ディスプレイを提供するように配列される。区画422は、照明可能要素の7区画アレイを含む。区画424は、照明可能要素の8区画アレイを含む。ディスプレイ部分302は、照明可能要素の7および8区画アレイとともに示されたが、これらの数よりも多いまたは少ない区画のディスプレイもまた、使用されることができる。ディスプレイ部分302は、流率(例えば、1分あたりリットル(L/分))、圧力、酸素濃度、診断および/またはエラーコード、メッセージ、動作モード等の情報を表示することができる。
【0038】
ディスプレイ部分304は、複数の照明可能アイコンを含む。アイコン426および428は、オーディオ一時停止を示す(426は、入力ボタンであり、428は、ボタンが押されるときに照明されるアイコンである)。アイコン430は、寿命時間/ユーザ時間を示し、これは、ディスプレイ302上に提供される。アイコン432は、警告/エラーコードが存在することを示し、ディスプレイ302上に提供されることができる。アイコン434は、ファームウェアバージョンを示し、これは、ディスプレイ302上に提供されることができる。アイコン436は、シリアル番号を示し、これもまた、ディスプレイ302上に提供されることができる。アイコン438は、メニューボタンを示し、これは、照明可能アイコン430-436をステップ実行するために使用される。アイコン426および438はまた、押下可能ボタンをオーバーレイする(
図3A-3B参照)。これらのボタンは、オーディオを一時停止し(アクティブアラームを消音し)、アイコン430-436と対応する異なる情報を通してスクロールするように機能する。
【0039】
ディスプレイ部分306は、電力インジケーション(例えば、ユニットが電力を有し(すなわち、通電したコンセントに差し込まれ、ベースにおけるロッカスイッチがオン位置にある)、電力がユニットに印加されるときに照明される)インジケーションおよび入力のための大きいアイコンを含む。オン/オフ機能は、容易に位置特定可能かつ容易に押下可能であるべきである。
図3A-3Bに示されるように、ボタン310は、アイコンディスプレイの下にあり、ユーザが入力をコントローラに提供し、本システムをオンおよびオフにすることを可能にする。
【0040】
ここで
図5A-5Gを参照すると、システムウォームアップまたは始動手順を示すための表示のシーケンスを提供する、ディスプレイ部分300の一実施形態が、示される。表示のシーケンスは、中心点の周囲に回転順序を提供する様式で各区画を照明することを含む。
図5A-5Gに示されるように、ディスプレイ部分300の各区画は、オンにされ、次いで、次の区画が照明される際にオフにされる。例えば、
図5Aに示されるように、表示のシーケンスは、全ての他の区画がオフにされる間に区画404をオンにする、または照明することによって開始されることができる。他の実施形態では、垂直区画404は、照明される最初の区画である必要はない。代わりに、シーケンスは、区画406または任意の他の区画から開始されることができる。その後、
図5Bに示されるように、区画404が、オフにされ、区画406が、オンにされる。
図5C-5Gに示されるように、残りの区画(例えば、408、410、414、418、および420)は、順番にオンおよびオフにされる。シーケンスの結果は、中心点(例えば、区画402)の周囲に回転順序を表示し、本システムが機能し、ウォームアップしている(例えば、治療用酸素を提供するために)ことを示す。回転順序表示は、時計の秒針に類似し、本システムが始動またはウォームアップシーケンスにあることをユーザに示すことができる。さらなる区画412が、回転順序表示の非故障または非アラーム性質を示すために、青色および/または緑色の色で照明されることができる。例えば、正常動作のための緑色、警告のための黄色、シャットダウンエラーのための赤色、およびウォームアップのための青色を含む、他の色もまた、使用されることができる。区画はまた、区画412を照明することの有無を問わず、これらの色で照明され得る。他の実施形態では、回転順序表示は、放射または星形以外のパターンにおいて配列される区画を使用して発生されることができる。例えば、多区画円周ディスプレイが、使用されることができ、表示シーケンスは、円周ディスプレイ区画を増分的にオンおよびオフにすることであり得る。また他の実施形態では、全ての区画が、照明され、またはオンにされてもよく、回転順序は、ディスプレイ区画を順次オフにすることによって発生される。またさらに、回転順序表示は、増進および低減シーケンスによって発生されることができる。増進シーケンスでは、全ての区画が、最初にオフにされ、各区画は、全ての区画が照明されるまで1つずつ照明される。低減シーケンスでは、全ての区画が、照明され、各区画は、全ての区画がオフにされるまで1つずつオフにされる。増進および低減シーケンスは、次いで、繰り返されることができる。シーケンスの他の実施例もまた、可能性として考えられる。
【0041】
図6は、肯定的確認表示600を発生させる、ディスプレイ部分300の別の実施形態を図示する。本実施形態では、区画が、チェックマーク
【数1】
記号を発生させるように照明される。区画406、402、414、および416が、チェックマークステータス表示を発生させるように照明されることができる。チェックマークステータス表示は、例えば、始動またはウォームアップ後、もしくは他の時間に、本システムの酸素生成ステータス(例えば、85%を上回る純度)を示すために使用されることができる。区画412もまた、肯定的ステータスをさらに示すために、緑色で照明されることができる。他の実施形態では、区画416、414、402、および406もまた、緑色であり得、区画412の照明は、省略されることができる。区画412の省略は、本明細書に説明される全ての例示的区画構成に関して全面的に実行されることができる。
【0042】
図7は、低レベルまたは低優先度アラーム表示700を発生させる、ディスプレイ部分300の別の実施形態を図示する。本実施形態では、区画が、エクスクラメーションマーク「!」記号を発生させるように照明される。区画404、402、および412が、エクスクラメーションマーク表示を発生させるように照明されることができる。本実施形態では、区画412はさらに、低レベルまたは優先度のアラームを示すために、黄色で照明されることができる。そのようなアラームは、例えば、酸素純度が73%~85%または他の範囲等の85%を下回ったときに発生されることができる。
図7のエクスクラメーションマーク表示は、例えば、センサ故障が生じたことを示すために、点滅させられることができる。例えば、挟まれたカニューレまたは他の理由に起因する低流動アラームを含む、他のシステムステータス条件もまた、
図7のエクスクラメーションマーク表示によって示されてもよい。
【0043】
図8は、高レベルまたは高優先度アラーム表示800を発生させる、ディスプレイ部分300の別の実施形態を図示する。本実施形態では、区画が、「×」記号を発生させるように照明される。区画420、406、410、414、および402が、エクスクラメーションマーク表示を発生させるために照明されることができる。本実施形態では、区画412はさらに、高レベルまたは優先度のアラームを示すために、赤色で照明されることができる。そのようなアラームは、例えば、酸素純度が73%(または他の値)を下回ったときに発生されることができる。
図8の「×」記号表示は、例えば、構成要素故障または他の理由に起因するユニットシャットダウンを示すために、点滅させられることができる。例えば、ユニットがユニットを過熱させ得る環境において動作されることに起因するユニットシャットダウンを含む、他のシステムステータス条件もまた、
図8の「×」記号表示によって示されてもよい。
【0044】
他の実施形態では、ディスプレイ区画402-420は、存在するアラームのタイプに基づいて、および/または照明されるディスプレイ区画412の色と関連付けて、異なる色(例えば、青色、緑色、黄色、橙色、赤色等)で照明されることができる。例えば、照明されるディスプレイ区画412は、ウォームアップの間に青色で、本システムが正常に動作しているときに緑色で、非シャットダウンエラーが存在するときに黄色で、シャットダウンエラーが生じたときに赤色で照明されることができる。さらに、
図6のチェックマーク
【数2】
表示は、ウォームアップの間に青色で、正常動作の間に緑色で照明される区画を有することができる。
図7のエクスクラメーションマーク「!」表示は、非シャットダウンエラーが存在するときに黄色で照明される区画を有することができ、
図8の「×」記号表示は、シャットダウンエラーが生じたときに赤色で照明されることができる。したがって、多色の区画が、ディスプレイを照明するために使用されることができる。
【0045】
ここで
図9を参照すると、ガス濃縮システムに関するフローチャートまたは論理900の一実施形態が、図示される。長方形要素は、処理ブロックを表し、コンピュータソフトウェア命令または命令の群を表す。菱形要素は、決定処理ブロックおよびコンピュータソフトウェア命令または命令の群を表す。本明細書に示され、説明されるフロー図は、任意の特定のプログラミング言語のシンタックスを描写しない。むしろ、フロー図は、本システムの処理を実施するための回路またはコンピュータソフトウェアを加工するために使用され得る、機能情報を図示する。ループおよび変数の初期化ならびに一時変数の使用等の多くのルーチンプログラム要素が、示されないことに留意されたい。さらに、プロセスステップの厳密な順序は、必ずしも本明細書に示される、または説明される順序で実施される必要はなく、あるステップを除外または追加するように修正されてもよい。
【0046】
ブロック902において、コントローラは、これがオンにされた後に始動またはウォームアップシーケンスを実施し、例えば、
図5A-5Gに示される表示のウォームアップ/始動シーケンスを発生させる。ブロック904において、論理が、システムウォームアッププロセスが完了したかどうかを判定する。該当しない場合、コントローラは、ブロック902にループバックし、
図5A-5Gのウォームアップシーケンスを発生および表示し続ける。システムウォームアッププロセスが、完了した場合、論理は、ブロック906に進み、本システムの酸素純度または含有量が、例えば、酸素センサ226から酸素値を読み取ることによってチェックされる。他の実施形態では、本システムは、システムステータスを判定するために、他のパラメータ(例えば、窒素含有量、コンプレッサモータ電流、電圧、性能等、弁信号レベル、製品タンク圧力減衰等)を読み取る、または測定することができる。ブロック908は、酸素純度が許容可能であるかどうかを判定する。酸素純度が、許容可能である(例えば、85%またはある他の値を上回る)場合、論理は、ブロック910に進み、
図6のチェックマーク表示を発生させる。酸素純度が、例えば、73%~85%(またはある他の範囲)である場合、論理は、ブロック912に進み、例えば、
図7に示されるような低優先度アラームを発生させる。酸素純度が、例えば、73%(またはある他の値)を下回る場合、論理は、ブロック912に進み、例えば、
図8に示されるような高優先度アラームを発生させる。ブロック914において、論理は、他のアラーム条件をチェックし、ブロック916に進み、低優先度アラーム(例えば、
図7)および/または高優先度アラーム(例えば、
図8)を発生させる。論理は、連続ループとして、断続的に、または本システムの動作の間の所定の時間に実行されてもよい。
【0047】
そのように構成されて、ステータスインジケーションが、本システムのステータスを示すために、ユーザに提供される。インジケーションは、例えば、システムウォームアップ、診断、および/または種々のレベルのアラームに関する1つ以上の表示を含む。このように、ユーザおよび点検人員は、ガス分離システムのステータスに関して知らされることができる。さらに、ディスプレイは、その認識および注意を支援するために、大きく、大いに可視である。
【0048】
本発明は、その実施形態の説明によって例証され、実施形態は、かなり詳細に説明されたが、本発明の範囲をそのような詳細に制限する、またはいかなる方法でも限定することは、説明の意図ではない。付加的利点および修正が、当業者に容易に想起されるであろう。したがって、本発明は、それらのより広い側面において、示され、説明される具体的詳細、代表的な装置、および例証的実施例に限定されない。故に、一般的な発明的概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細からの逸脱が、行われることができる。
【国際調査報告】