(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】有機炭素化システムおよびそのための方法
(51)【国際特許分類】
C10B 49/02 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
C10B49/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023502705
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(85)【翻訳文提出日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 AU2021050744
(87)【国際公開番号】W WO2022011414
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523012964
【氏名又は名称】オーシーエス アイピー ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】OCS IP PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Unit 3, 73 Market Street, Condell Park, New South Wales 2200 (AU)
(74)【代理人】
【識別番号】110003487
【氏名又は名称】弁理士法人東海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タオウク,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ブルース,バーナビー ジョナサン
(57)【要約】
本発明は、加熱ガスを充填した加圧加熱回路に配置された、反応容器、循環ファン、セパレータおよびガス加熱システムを含む、有機炭素化システム(OCS)およびそのための方法に関する。加熱ガスは、廃有機物の供給物を、炭素化のための条件下、反応容器内の加圧酸素欠乏環境内において、加熱する。OCSは、反応容器からの炭素化された有機廃棄物を冷却するための冷却システムおよびセパレータをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物の炭素化のための有機炭素化システム(OCS)であって、前記有機炭素化システムは、
a)反応容器、循環ファン、および加圧加熱ガスを加熱するように適合されたガス加熱システムを備え、
b)前記反応容器、前記循環ファン、および前記ガス加熱システムの間で加圧加熱ガスを案内するように適合された加圧加熱回路を備え、
c)前記反応容器は、有機廃棄物を受容するように適合され、受容した有機廃棄物を、充填床および流動床から選択される1つまたは複数において加熱された作動ガスからの熱伝達によって加熱するように構成されている、OCS。
【請求項2】
加圧冷却ガスを、
a)前記加圧加熱回路から高温炭を受容するように適合された冷却容器と、
b)循環ファンと、そして
c)前記加圧冷却ガスを冷却するように適合された冷却熱交換器と、
の間で移動させるように適合された加圧冷却回路をさらに備える、請求項1に記載のOCS。
【請求項3】
前記加圧加熱回路上に位置する第1のセパレータをさらに備え、前記第1のセパレータは、前記加圧加熱ガスから固体粒子を分離するように構成されている、請求項1に記載のOCS。
【請求項4】
前記加圧冷却回路上に位置する第2のセパレータをさらに備え、前記第2のセパレータは、前記加圧冷却ガスから固体粒子を分離するように構成されている、請求項1に記載のOCS。
【請求項5】
前記反応容器への入口に位置する加圧可能な第1のロックホッパをさらに備え、前記第1のロックホッパは、有機廃棄物および加圧ガスを前記反応容器に供給するように適合されている、請求項1に記載のOCS。
【請求項6】
前記反応容器の高温炭出口に位置する加圧可能な第2のロックホッパをさらに備え、前記第2のロックホッパは、加圧されるとともに、高温炭およびガスを前記反応容器から加圧下で受容するように構成されている、請求項1に記載のOCS。
【請求項7】
前記ガス加熱システムは、ガス加熱回路上に配置された加熱熱交換器を備える、請求項1に記載のOCS。
【請求項8】
前記反応容器は、前記ガス加熱システムから加熱されたガスを受容する入口を含み、前記入口は、加熱されたガスが充填床および流動床から選ばれる1つまたは複数の下側を通過するように構成されている、請求項1に記載のOCS。
【請求項9】
前記OCSは、前記加圧加熱回路と流体連通して配置され、炭素化反応容器の出口から受容した加熱されたガスと炭化有機物とを分離するように構成されたセパレータをさらに含む、請求項1に記載のOCS。
【請求項10】
前記セパレータは、分離された前記炭化有機物を前記炭素化反応容器に戻すように構成されている、請求項9に記載のOCS。
【請求項11】
前記ガス加熱システムは、前記加熱熱交換器を加熱するための一次熱源を含む、請求項7に記載のOCS。
【請求項12】
前記反応容器は、有孔ゲート弁によって閉止される炭出口を含む、請求項1に記載のOCS。
【請求項13】
前記ガス加熱システムは、前記加熱熱交換器より受容した流体から前記加熱熱交換器に移送される流体へと熱を伝達するように構成された復熱装置を含む、請求項7に記載のOCS。
【請求項14】
前記有機炭素化システムは、炭素化反応容器に有機物を供給する加圧有機物供給ホッパをさらに備える、請求項1に記載のOCS。
【請求項15】
前記有機炭素化システムは冷却システムをさらに備える、請求項1に記載のOCS。
【請求項16】
前記冷却システムは冷却チャンバを備える、請求項15に記載のOCS。
【請求項17】
前記冷却システムは、冷却流体から冷却された炭を分離するように構成されたセパレータと、冷却回路内の前記冷却チャンバと流体接続された冷却循環ポンプおよび冷却熱交換器と、を備える、請求項16に記載のOCS。
【請求項18】
使用中の炭素化反応容器より出る高温炭から前記炭素化反応容器に供給される前記有機物へと熱を伝達するように構成された予熱配置をさらに備える、請求項1に記載のOCS。
【請求項19】
有機物を炭素化する方法であって、
a)酸素還元環境において炭素化反応容器内の有機廃棄物を加圧するステップと、
b)加熱ガスを用いて前記有機廃棄物を加熱するステップと、そして
c)循環ポンプおよび熱交換器を介し加圧加熱回路を通って前記加熱ガスを循環させ、前記加熱ガスを再加熱するステップと、
を備える方法。
【請求項20】
前記方法は、
a)セパレータを通って前記加熱ガスを循環させ、前記加熱ガスから炭化有機物を分離するステップ、
を含む、請求項1919に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、
a)再加熱されたガスを、前記炭素化反応容器内の充填床および流動床から選択される1つまたは複数に導くステップ、
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、
a)炭化有機廃棄物を冷却システムに供給するステップ、
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、
a)循環ポンプおよび熱交換器を介し加圧冷却回路を通って冷却ガスを循環させ、前記冷却ガスを冷却するステップ、
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、
a)炭化有機廃棄物を冷却ビン内に供給するステップ、
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、
a)予熱配置を利用して、前記炭素化反応容器より受容した炭化有機廃棄物から前記炭素化反応容器に供給される有機廃棄物供給物へと熱を伝達し、前記有機廃棄物供給物を予熱するステップ、
を含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機物の炭素化のための有機炭素化システムに関し、特に廃有機物の炭素化のための有機炭素化システムに関する。
【0002】
本発明は、主に廃有機物の炭素化において/炭素化と使用するために開発されたものであり、以下、この用途に言及しつつ説明されるであろう。しかしながら、本発明はこの特定の使用分野に限定されるものではなく、例えば、石炭または他の類似の有機物の熱分解において使用され得ることが理解されよう。
【背景技術】
【0003】
現在、社会によって大量の有機廃棄物が産出されている。これには、家庭、病院、市議会、産業から発生する廃棄物が含まれる。このような廃棄物は、多種多様なサイズおよび形状のものであって、病原性物質を含み得る。
【0004】
炉内で有機廃棄物を燃やすことは、大量の二酸化炭素と一酸化炭素の放出をもたらし、地球温暖化をさらに助長するため、理想的ではない。
【0005】
本発明は、従来技術の欠陥の少なくとも一部を克服もしくは実質的に改善する有機炭素化システムを提供すること、または少なくとも代替物を提供することを目指すものである。
【0006】
本明細書において、任意の先行技術情報が言及される場合、そのような参照は、その情報がオーストラリアまたは他の任意の国における当該技術分野における一般的な一般知識の一部を形成することを認めるものではないことを理解されたい。
【発明の概要】
【0007】
第1の側面によれば、本発明は、有機物の炭素化のための有機炭素化システム(OCS)にあると言ってもよく、前記有機炭素化システムは、
a.加圧加熱ガスを、反応容器と、循環ファンと、前記加圧加熱ガスを加熱するように適合された加熱熱交換器と、の間で移動させるように適合された加圧加熱回路を備え、
b.前記反応容器は、有機廃棄物を受容するように適合され、受容された有機廃棄物を、以下から選択される1つまたは複数において加熱された作動ガスからの熱伝達によって加熱するように構成されている:
i.充填床および流動床。
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、有機物の炭素化のための有機炭素化システム(OCS)にあると言ってもよく、前記有機炭素化システムは、
a.反応容器、循環ファン、および加圧加熱ガスを加熱するために適合されたガス加熱システムを備え、
b.前記反応容器、前記循環ファン、および前記ガス加熱システムの間で加圧加熱ガスを案内するように適合された加圧加熱回路を備え、
c.前記反応容器は、有機廃棄物を受容するように適合され、受容した有機廃棄物を、充填床および流動床から選択される1つまたは複数において加熱された作動ガスからの熱伝達によって加熱するように構成されている。
【0009】
一実施形態において、前記加圧加熱ガスは、有機廃棄物の炭素化のため、前記反応容器内に酸素欠乏環境を提供する。
【0010】
一実施形態において、前記OCSは、加圧冷却ガスを、
a.前記加圧加熱回路から高温炭(hot char)を受容するように適合された冷却容器と、
b.循環ファンと、そして
c.前記加圧冷却ガスを冷却するように適合された冷却熱交換器と、
の間で移動させるように適合された加圧冷却回路をさらに備える。
【0011】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記加圧加熱回路上に位置する第1のセパレータをさらに備え、前記セパレータは、前記加圧加熱ガスから固体粒子を分離するように構成されている。
【0012】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記加圧冷却回路上に位置する第2のセパレータをさらに備え、前記セパレータは、前記加圧冷却ガスから固体粒子を分離するように構成されている。
【0013】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記反応容器への入口に位置する加圧可能な第1のロックホッパをさらに備え、前記ロックホッパは、有機廃棄物および加圧ガスを前記反応容器に供給するように適合されている。
【0014】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記冷却容器の低温炭(cool char)出口に位置する加圧可能な第2のロックホッパをさらに備え、前記第2のロックホッパは、加圧されるとともに、冷却された炭およびガスを前記冷却容器から加圧下で受容するように構成されている。
【0015】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記第1のセパレータから固体炭粒子および加圧加熱ガスを受容し、前記固体炭粒子のみを前記反応容器に戻すことを可能にする油圧シールをさらに備える。
【0016】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記第2のセパレータから固体炭粒子および加圧冷却ガスを受容し、前記固体炭粒子のみを前記冷却容器に戻すことを可能にする油圧シールをさらに備える。
【0017】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、加圧ガスを加熱するように構成されたガス加熱システムをさらに備える。
【0018】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、有機物質を炭素化反応容器内に受容するための入口を含む炭素化反応容器をさらに含む。
【0019】
一実施形態において、前記炭素化反応容器は、前記ガス加熱システムから加熱されたガスを受容するための入口をさらに含む。
【0020】
一実施形態において、前記入口は、加熱されたガスが床の下側を通過するように構成されている。
【0021】
一実施形態において、前記炭素化反応容器は、炭化有機物の除去のための炭出口をさらに含む。
【0022】
一実施形態において、前記炭素化反応容器は、加熱されたガスの除去のためのガス出口をさらに含む。
【0023】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記炭素化反応容器の出口から受容した加熱されたガスと炭化有機物とを分離するように構成されたセパレータをさらに含む。
【0024】
一実施形態において、前記セパレータは、前記ガス出口から炭化有機物および加熱されたガスを受容するように構成されている。
【0025】
一実施形態において、前記セパレータは、分離された前記炭化有機物を前記炭素化反応容器に戻すように構成されている。
【0026】
一実施形態において、前記セパレータは、分離された前記炭化有機物を油圧シールに移送するように構成されている。
【0027】
一実施形態において、前記油圧シールは、液体容器を含むとともに、前記液体容器内の液体を通って分離された炭化有機物および加熱されたガスを受容し、前記分離された炭化有機物を捕捉する一方で、前記加熱されたガスが前記炭素化反応容器に流入するのを可能にする入口を含む。
【0028】
一実施形態において、前記ガス加熱システムは熱交換器を備える。
【0029】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記加圧ガスの再循環のために閉回路に配置された前記熱交換器、前記炭素化反応容器、および前記セパレータの間の通路を含む。
【0030】
一実施形態において、前記通路は加圧されるように構成されている。
【0031】
一実施形態において、前記ガス加熱システムは、前記熱交換器内の前記加圧ガスを加熱するための一次熱源を含む。
【0032】
一実施形態において、前記一次熱源は、
a.水素の燃焼、
b.電気的加熱、
c.集束された日光、
d.前記有機炭素化システムからの廃ガスの燃焼、
e.またはその他の適切な熱源、
から選択される1つまたは複数によって動かされる。
【0033】
一実施形態において、前記セパレータはサイクロン式セパレータである。
【0034】
一実施形態において、前記炭出口は、炭素出口ゲート弁によって閉止される。
【0035】
一実施形態において、前記炭素出口ゲート弁は有孔ゲート弁である。
【0036】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記炭素化反応容器の前記炭出口にロックホッパをさらに備える。
【0037】
一実施形態において、前記分離された炭化有機物は前記油圧シールに供給される。
【0038】
一実施形態において、前記セパレータは、分離された加熱されたガスを圧力制御弁に導くように構成される。
【0039】
一実施形態において、前記セパレータは、分離された加熱されたガスを廃ガス燃焼煙突(flare stack)に導くように構成される。
【0040】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記閉回路周りに前記加圧ガスを循環させるための循環ポンプをさらに備える。
【0041】
一実施形態において、前記循環ポンプはファンである。
【0042】
一実施形態において、前記ガス加熱システムは、前記熱交換器より受容した流体から前記熱交換器に移送される流体へと熱を伝達するように構成された復熱装置を含む。
【0043】
一実施形態において、前記復熱装置は熱交換器を含む。
【0044】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは有機物供給ホッパをさらに備える。
【0045】
一実施形態において、前記有機物供給ホッパは圧力容器である。
【0046】
一実施形態において、前記有機物供給ホッパは、有機物を前記炭素化反応容器に供給するように構成されている。
【0047】
一実施形態において、前記有機物供給ホッパと炭素化反応容器は、ゲート弁によって分離されている。
【0048】
一実施形態において、前記有機物供給ホッパと炭素化反応容器は、ロックホッパによって分離されている。
【0049】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、冷却システムをさらに備える。
【0050】
一実施形態において、前記冷却システムは冷却チャンバを備える。
【0051】
一実施形態において、前記冷却システムは流体冷却システムを備える。
【0052】
一実施形態において、前記冷却システムは、冷却された炭を冷却流体から分離するように構成されたセパレータを備える。
【0053】
一実施形態において、前記冷却チャンバは圧力容器である。
【0054】
一実施形態において、前記冷却チャンバは、
a.炭素化反応容器から高温炭を受容するための入口と、
b.微粒子の床と、
c.前記ガス冷却システムから低温ガスを受容するための入口であって、前記入口は冷却されたガスが前記床の下側を通過するように構成されている、入口と、
を含む。
【0055】
一実施形態において、前記冷却チャンバの前記床は、流動床である。
【0056】
一実施形態において、前記冷却チャンバは、前記冷却チャンバからの加熱されたガスおよび炭化有機物の除去のための出口を含む。
【0057】
一実施形態において、前記冷却チャンバは、冷却循環ポンプを含む。
【0058】
一実施形態において、前記冷却循環ポンプは循環ファンである。
【0059】
一実施形態において、前記冷却システムは冷却熱交換器を備える。
【0060】
一実施形態において、前記冷却システムは、前記冷却チャンバ、前記冷却セパレータ、冷却熱交換器および前記冷却循環ファンの間に延びる加圧冷却回路を含む。
【0061】
一実施形態において、前記有機炭素化システムは、前記冷却チャンバの前記出口にロックホッパをさらに含む。
【0062】
一実施形態において、前記OCSは予備加熱配置を含む。
【0063】
一実施形態において、前記予備加熱配置は、前記反応容器より受容した炭からの熱を利用して前記有機廃棄物供給物を予熱するように構成される。
【0064】
一実施形態において、前記予熱配置は熱交換器を含む。
【0065】
一実施形態において、前記予熱配置は予熱導管を含む。
【0066】
一実施形態において、前記予熱導管は、前記熱交換器から前記有機廃棄物供給物まで延びる。
【0067】
一実施形態において、前記予熱配置は、予熱空気流として前記予熱導管に沿って空気を圧送するように構成されたポンプを含む。
【0068】
一実施形態において、前記予熱導管は回路であってもよい。
【0069】
一実施形態において、前記熱交換器は、前記反応容器から受容された炭と、前記予熱空気流との間で熱交換するように構成される。
【0070】
一実施形態において、前記熱交換器は、前記冷却チャンバ内の炭と熱交換するように構成される。
【0071】
一実施形態において、前記熱交換器は、少なくとも一部が前記第2のロックホッパ内に位置している。
【0072】
一実施形態において、前記予熱導管は加圧されている。
【0073】
一実施形態において、前記予熱導管は、前記第1のロックホッパおよび前記第2のロックホッパの間に延びている。
【0074】
一実施形態において、前記予熱導管は、前記第1のロックホッパおよび前記第2のロックホッパの間に延びて、前記第1のロックホッパに戻る。
【0075】
一実施形態において、前記予熱回路は加圧されていない。
【0076】
一実施形態において、前記予熱導管は、前記冷却チャンバ内の前記熱交換器から前記有機物供給ホッパまで延びている。
【0077】
一実施形態において、前記予熱導管は、大気にベントされている。
【0078】
さらなる一側面によれば、本発明は広く有機物を処理する方法にあると言ってもよく、前記方法は、
a.酸素還元環境において炭素化反応容器内の有機廃棄物を加圧するステップと、
b.加熱ガスを用いて前記有機廃棄物を加熱するステップと、そして
c.循環ポンプおよび熱交換器を介し加圧加熱回路を通って前記加熱ガスを循環させ、前記加熱ガスを再加熱するステップと、
を備える。
【0079】
一実施形態において、前記方法は、
a.セパレータを通って前記加熱ガスを循環させ、前記加熱ガスから炭化有機物を分離するステップ、
を含む。
【0080】
一実施形態において、前記方法は、
a.圧力調整弁を通って過剰な加圧加熱ガスを導くステップ、
を含む。
【0081】
一実施形態において、前記方法は、
a.再加熱されたガスを、前記炭素化反応容器内の充填床および流動床から選択される1つまたは複数に導くステップ、
を含む。
【0082】
一実施形態において、前記方法は、
a.ロックホッパを介して有機廃棄物を前記炭素化反応容器に供給するステップ、
を含む。
【0083】
一実施形態において、前記方法は、
a.炭化有機廃棄物を冷却システムに供給するステップ、
を含む。
【0084】
一実施形態において、前記方法は、
a.ロックホッパを介して炭化有機廃棄物を冷却システムに供給するステップ、
を含む。
【0085】
一実施形態において、前記方法は、
a.冷却システム内の炭化有機廃棄物の床を通って冷却ガスを導くステップ、
を含む。
【0086】
一実施形態において、前記方法は、
a.冷却システム内の炭化有機廃棄物の床を通って冷却加圧ガスを導くステップ、
を含む。
【0087】
一実施形態において、前記方法は、
a.循環ポンプおよび熱交換器を介し加圧冷却回路を通って前記冷却ガスを循環させ、前記冷却ガスを冷却するステップ、
を含む。
【0088】
一実施形態において、前記方法は、
a.炭化有機廃棄物を冷却ビン内に供給するステップ、
を含む。
【0089】
一実施形態において、前記方法は、
a.予熱配置を利用して、前記炭素化反応容器より受容した炭化有機廃棄物から、前記炭素化反応容器に供給される有機廃棄物供給物に熱を伝達し、前記有機廃棄物供給物を予熱するステップ、
を含む。
【0090】
さらなる一側面によれば、本発明は、上記のような方法ステップを実施する上記のような有機炭素化システムを制御するように構成された制御システムにあると言ってもよい。
【0091】
この発明はまた、広く本出願の明細書において参照または示された部分、要素および特徴、個々にまたは集合的に、ならびに前記部分、要素または特徴のいずれか2つ以上の任意のまたはすべての組み合わせにあると言ってもよく、この発明が関係する技術分野において公知の等価物を有する具体的な整数が本明細書で言及されている場合、そのような既知の均等物は、個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれているとみなされる。
【0092】
本発明が関係する分野の当業者にとって、本発明の構成における多くの変更および大きく異なる実施形態および用途は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲から逸脱することなく、それ自体が示唆されるであろう。本明細書の開示および説明は純粋に例示であり、いかなる意味においても限定を意図するものではない。
【0093】
本発明の他の態様も開示される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
ここで、本発明の範囲内に入り得る他の形態にかかわらず、本発明の好ましい実施形態を、例示に過ぎないが添付の図面を参照しつつ説明する。
【0095】
【
図1】
図1は、有機炭素化システムの第1実施形態の概略図を示す。
【0096】
【
図2】
図2は、有機炭素化システムの第3実施形態の概略図を示す。
【0097】
【
図3】
図3は、有機炭素化システム用の冷却システムの概略図を示す。
【0098】
【0099】
【0100】
【
図6】
図6は、有機廃棄物処理の第1の方法を示しているフローチャートを示す。
【0101】
【
図7】
図7は、有機廃棄物処理の第2の方法を示しているフローチャートを示す。
【0102】
【
図8】
図8は、
図1の有機炭素化システムの第4実施形態の概略図を示す。
【0103】
【
図9】
図9は、
図1の有機炭素化システムの第5実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0104】
以下の説明では、異なる実施形態における同様または同一の参照符号は、同一または類似の特徴を指すことに留意されたい。
【0105】
本発明の第1の側面による有機炭素化システムは、全体として符号1000で示される。
【0106】
有機炭素化システム
ここで、
図1および
図4を参照しつつ説明する一実施形態では、有機物の炭素化のために有機炭素化システム(OCS)1000が提供される。OCS1000は、反応容器1100と、循環ポンプ1200と、加熱熱交換器1300と、を含む。反応容器1100、循環ファンまたはポンプ1200、および加熱熱交換器1300は、加圧加熱通路1050a,1050b,1050c,1050dおよび1050eによって互いに接続され、好ましくは1つまたは複数の閉回路1050を形成し、好ましくは窒素の形態の加圧加熱ガスがこれを通って循環される。窒素は、加圧ガス供給部1010から供給されることが好ましい。
【0107】
反応容器1100および加熱回路1050内に酸素欠乏環境を作り出すために、多種多様な代替加熱ガスを使用できると考えられる。
【0108】
OCSは、原料ホッパ1090、供給スクリューコンベア1095と、有機廃棄物1090を供給ロックホッパ1110に供給するためのロート1097と、を含む。供給ロックホッパ1110は、廃棄物入口を通って有機廃棄物を受容するように適合されており、隔離弁1112によってシールされる。供給ロックホッパ1110は、圧力容器である。供給ロックホッパ1110は、加熱ガスを受容して供給ロックホッパ1110を加圧するためのガス入口1114を含む。
【0109】
反応容器1100は、供給ロックホッパ1110を介して有機廃棄物を受容し、受容した有機廃棄物を加熱ガスからの熱伝達によって加熱するように適合されている。
【0110】
反応容器1100は、有機廃棄物が炭素化されている間これを支持するように構成された多孔質充填床1120を含む。反応容器1100は、充填床の代わりに流動床を提示できると考えられる。充填床1120の下には有孔ゲート弁1130がある。反応容器1100は、反応容器から、好ましくは出口ロックホッパ1160に、高温炭を排出するための出口弁1140をさらに含む。出口ロックホッパ1160は、両端部に隔離弁1162を含む。
【0111】
OCS1000は、反応容器1100から来る加熱回路内の加熱ガスから炭化有機廃棄物の粒子を除去するため、好ましくはサイクロン式セパレータの形態のセパレータ1400をさらに含む。代替種類のセパレータも考えられる。
【0112】
循環ポンプ1200は、好ましくは循環ファンの形態で、回路1050周りに加圧加熱ガスを圧送して動かし続ける役割を果たす。加熱熱交換器1300は、加熱システム1500から高温流体を受容し、高温流体中の熱を加熱ガスに伝達し、次いで有孔ゲート弁1130を介して加熱ガスを反応容器1100に戻すように適合されている。加熱システム1500については、以下においてより詳細に論じられるであろう。
【0113】
一旦、十分な有機廃棄物が炭素化されると、出口弁1140が開放されて、炭化有機廃棄物(炭)が反応容器1100から落下可能にする。ここから、以下においてより詳細に説明するように、冷却システム1600に炭が供給されてもよい。
【0114】
加熱熱交換器1300に送られる流体を加熱する加熱システム1500は、好ましくは炉の形態の一次熱源1510を含むことが好ましい。炉は、水素または他の廃熱源、バイオ燃料、燃料の燃焼によって動かされてもよい。炉は、固体酸化物形燃料電池からのものなどの廃熱利用および/または二次プロセスによって動かされてもよい。炉は、廃ガス燃焼煙突から放出される揮発性ガスの燃焼によって、少なくとも部分的に動かされてもよい。代替一次熱源、好ましくは光起電力および風力からのグリーン電力によって動かされ、好ましくは水力および/または貯蔵バッテリと連結された電気的要素なども、太陽熱、例えば蓄熱の有無にかかわらず太陽集光器による加熱と同様に、考えられる。
【0115】
加熱システム1500は、空気や酸素などの流体を一次熱源1510に圧送するための流体供給ポンプ1530をさらに備える。一次熱源1510を通過する流体は、好ましくは、加熱熱交換器1300内における効率的な熱伝達に必要な熱特性を有する液体であろうと考えられる。加熱システム1500は、先に加熱されていた流体中のエネルギーが、加熱熱交換器1300から、ポンプ1530から一次熱源1510に向かって移動する予備加熱流体に戻ることを可能にする、熱交換器の形態の復熱装置1520をさらに備える。
【0116】
より多くの加熱ガスを、反応容器1100内へのガス入口1010を介して、回路1050に挿入できる。
【0117】
一代替実施形態(図示しない)では、一次熱源1510を通過する流体は閉回路で接続されてもよい。このようにすれば、熱伝達率が増加すると考えられる。
【0118】
有機炭素化システム2000の第2実施形態を、
図2に示す。この実施形態において、有機炭素化システム2000は、セパレータ2400から固体炭粒子および加圧加熱ガスを受容し、固体炭粒子のみを反応容器2100に戻すことを可能にするように構成された油圧シール2410を含む。
【0119】
冷却システム1600の第1実施形態を、
図3に示す。冷却システム1600は、
図1に示すOCS1000に類似したレイアウトを有しているが、冷却システムは、(矢印Aにおいて)OCSから受容する高温炭を冷却し、冷却するためのものである。重要なことに、冷却システム1600は、以下により詳細に説明するように、過度の圧力損失をOCSに引き起こすことなく、OCSから高温炭および加圧加熱ガスを受容することができる。
【0120】
冷却システムは、冷却チャンバ1620、セパレータ1630、冷却熱交換器1640および循環ポンプ1650を含む。これらは全て、導管1605a,1605b,1605c,1605dおよび1605eを含む加圧冷却回路1605によって互いに接続されている。冷却熱交換器1640は、冷却ファン1645によって冷却されることが好ましい。
【0121】
冷却チャンバ1620は、充填床1622を含む。一代替実施形態において、冷却チャンバ1620は、砂などの小さな粒子を含む使用中の流動床を提示することができる。
【0122】
冷却チャンバ1620は、出口弁1680、ガス入口1624、およびガス入口を介して入るガスを制御する制御弁1626を含む。
【0123】
この冷却チャンバ1620は、冷却された炭の出口のための出口弁1680および有孔ゲート弁1670を含む。冷却システム1600は、両端部に隔離弁1687を有するロックホッパ1685をさらに含む。出口弁1680が、ロックホッパ1685の隔離弁として作用してもよい。安全弁1660が、冷却回路1605内の過剰な圧力を解放するために設けられている。
【0124】
一代替実施形態(図示しない)では、冷却回路1605から冷たい炭を除去するため、上の
図3に示されたものに類似した冷却チャンバ1620とセパレータとの間に、油圧シールを設けてもよいと考えられる。
【0125】
冷却システム1600の第2実施形態を、
図4および
図5に示す。冷却システム1600は、圧力容器でもある出口ロックホッパ1160によって反応容器1100の出口弁1140から分離された冷却ビン1700を含む。出口ロックホッパ1160は、その上下にロックホッパ隔離弁1162を含む。
【0126】
冷却ビン1700には、冷却ガス入口1710と冷却ガス出口とが設けられており、これらにより、空気等の冷却ガスを利用して冷却ビン1700内の高温炭を冷却できる。冷却された炭は、出口弁1740を開くことにより、炭出口1730を介して冷却ビン1700から出すことができる。OCS1000は、さらに、様々な構成要素を構造的に支持するための支持構造1800によって支持されるであろうと考えられる。
【0127】
冷却システム1600の別の実施形態を、
図8に示す。この実施形態では、反応容器より出てきた高温炭から除去した熱を利用して反応容器1100に入る前に有機廃棄物を予熱するための予熱配置1900が設けられている。この実施形態では、第1のロックホッパ1110から第2のロックホッパ1160まで延び、そして第1のロックホッパに戻る閉予備加熱回路1905が設けられている。予熱回路1905内には予熱流体が含有されており、予熱流体は予熱ポンプ1930によって予熱回路1905の周りの回路に圧送される。彼は意志になるであろう意志であろう意志は全て空気空気であろう。
【0128】
予熱配置1900の一部として、第1の予熱熱交換器1910が第2のロックホッパ1160に設けられている。第1の予熱熱交換器1910は、第2のロックホッパ1160に受容される高温炭素から予熱回路1905内の予熱流体への熱の伝達を促進するように構成されている。予熱流体は、任意の適切なガスまたは液体であってよい。
【0129】
第2の予熱熱交換器1920は、第1のロックホッパ1110に設けられている。第2の予熱熱交換器1920は、予熱回路1905内の予熱流体から第1のロックホッパ1110内の有機廃棄物供給物への熱の伝達を促進することによって、有機廃棄物供給物を予熱するように構成されている。
【0130】
他の全ての点で、
図8に示すOCSは、
図5に示すOCSと実質的に同じである。
【0131】
冷却システム1600の別の実施形態を、
図9に示す。この実施形態では、予熱配置1900も設けられている。ただし、
図9に示す予熱配置1900は、閉予熱回路1905を含まない。代わりに、冷却ビン1700内に位置する第1の予熱熱交換器1910から延びる1つの導管1907が設けられている。予熱ポンプ1930が、空気を押して熱交換器1910を通すために設けられており、空気は、ここで炭から交換された熱によって加熱され、1つの導管1907を介して予熱空気流としてロート1097に案内され、加熱された空気は、ここで有機廃棄物供給物を予熱してさらに乾燥させるか、および/または反応容器内において炭素化温度に近くなるように温度を上昇させるために使用される。
【0132】
OCS全体に亘って、温度、圧力、ガスおよび/または流体流量などを感知するためのセンサが与えられてもよいと考えられる。さらに、以下に示す方法を実行するためにOCSを制御するように、制御システムが構成されるであろうと考えられる。制御システムには、コントローラが設けられていてもよく、好ましくは、ソフトウェア命令および/またはデータを格納するように構成されたデジタル記憶媒体およびプロセッサを含み、ここで、ソフトウェア命令は、プロセッサを導いて以下に説明されるステップを実施させるように構成される。
【0133】
機能
ここで、
図6と
図7を参照しつつOCSの機能について論じる。有機廃棄物の処理プロセスでは、有機廃棄物を、酸素欠乏環境内において300℃~500℃の範囲の温度で3バールから10バールの間の圧力に、約15~20分以上暴露する。これらの条件下では、投入された有機廃棄物の種類に応じて、有機廃棄物の固体成分の93%から99%の間を炭に変換できると考えられる。
【0134】
好ましくは、加圧加熱回路には窒素などの不活性ガスが充填され、3バール(300kPa)から12バール(1200kPa)の間、より好ましくは5バール(500kPa)から10バール(1000kPa)の間、最も好ましくは8バール(800kPa)から10バール(1000kPa)の間の圧力に維持される。この圧力は、以下に説明するプロセスが起こるにつれて変動する。ヘリウム、水素、二酸化炭素、一酸化炭素、アルゴン、エチレン、塩化水素、硫化水素、ネオン、またはこれらの任意の好ましくは非爆発性の組み合わせを含む、窒素以外の代替ガスが考えられる。
【0135】
処理される有機廃棄物は、原料ホッパ1090(
図5に示されている)に移送される前に、最初に乾燥されパレット加工されるであろうと考えられる。原料ホッパ1090から、供給スクリューコンベア1095により、ロート1097を通って反応容器1100の上部にある供給ロックホッパ1110に有機廃棄物が供給2される。供給ロックホッパ1110の上部隔離弁1112は、供給ロックホッパに有機廃棄物を供給2できるように開放される一方、下部隔離弁1112は、反応容器1100を予熱して加圧できるようにシールされるであろう。
【0136】
反応容器1100は後床で450℃の温度に予熱され、回路全体に窒素ガスがパージされ、約10バールに加圧されるであろう。循環ファン1400は最低速度に設定されるであろう。
【0137】
次いで、上部隔離弁1112を閉止することにより、ロックホッパ1110がシール4される。一旦シールされると、ロックホッパ1110は、ガス入口1114を介して加圧加熱ガスを受容し、好ましくは反応容器1100と同じ圧力に加圧6される。その後、下部隔離弁1112を開放8して、有機廃棄物を反応容器1100に供給可能にする。このようにして、有機廃棄物が加圧された状態で反応容器1100に供給される。
【0138】
有利なことに、これによって、反応容器1100における、有機廃棄物が反応容器に供給されるときの圧力降下の可能性が低減される。いずれにしても圧力が低下した場合には、より多くの窒素をシステムに注入してもよい。圧力が上昇すると、圧力制御弁1060が過剰な圧力を廃ガス燃焼煙突1070へとベントするであろう。
【0139】
次いで、循環ポンプ1200の速度が増加10され、好ましくは充填床の下の位置において300℃と800℃の間の温度で、または好ましくは400℃と500℃の間、最も好ましくは約450℃で加熱ガスが反応容器1100に圧送される。循環ポンプ1200の速度を制御することによって、加熱ガスの温度を制御12できる。加熱ガスが過剰な圧力にある場合、圧力制御弁1060が開放され、過剰な加熱ガスを廃ガス燃焼煙突1070に迂回させるであろう。安全弁1080が、圧力制御弁1060の制御が失敗した場合のために、さらに設けられている。このベント流に残っているいかなる揮発性ガスも、ガス組成と環境要件に応じて、希釈されベントされるか、廃ガス燃焼煙突で燃焼されるか、或いは、下流の副産物として処理できる。反応容器1100内の圧力を、制御弁を用いて、加圧窒素ガス供給部1010から回路1050内へのより多くの窒素の流入を可能にすることにより、上昇させてもよい。
【0140】
加熱ガスは、有孔ゲート弁1130内の孔を通って上昇し、有機廃棄物に熱を伝達する。代替実施形態では、充填床の代わりに流動床を使用することができ、流動床には、砂その他の既知の粒子などの微粒子が設けられるが、これは触媒的性質のものであってもよく、有機物に熱を伝達するのに役立つと考えられる。流動床の微粒子は、炭素化および/または有機廃棄物からのガス放出の速度を増加させる触媒粒子を含んでいてもよい。
【0141】
流動床が設けられたときは、流動床の微粒子を通って加熱ガスが上昇して微粒子の流動化が引き起こされるまで、循環ポンプの速度が増加14されるであろう。このような流動化された粒子は、有機廃棄物への熱の伝達を助ける。出願人の予想では、有機廃棄物を、約10分~25分、より好ましくは15分~20分の時間にわたってこれらの温度および圧力に暴露すると、93重量%から99重量%の間の有機物のガスおよび高純度炭素への分解が引き起されるであろう。
【0142】
加熱ガスが有機廃棄物を通って移動すると、炭化有機廃棄物の小さな粒子が反応容器内に浮き上がることがある。加熱ガスは、炭化有機廃棄物の微粒子とともに加熱通路1050aを介してセパレータ1400に案内され、そこで炭化有機微粒子が加熱ガスから分離16されるであろう。分離された微粒子は、次いで、制御弁1420を通って加熱通路1050bによって反応容器1100に戻るように案内される。
【0143】
分離された加熱ガスは、加熱通路1050cによって循環ポンプ1200へと案内されるであろう。循環ポンプから、加熱ガスは、加熱通路1050dを介して加熱熱交換器1300に移動する。
【0144】
加熱熱交換器1300から、加熱ガスは、再び反応容器1100に戻って充填床の下の位置へ移送される。このようにして、炭素化のための正しい温度条件を予定時間にわたって維持し、また加熱回路1050を循環する加熱ガスの適切な加圧を維持することができる。
【0145】
一旦、十分な有機廃棄物が炭素化されたら、出口弁1140が開放18されて、炭化有機廃棄物(炭)が反応容器1100から、好ましくは出口ロックホッパ1160へと落下可能になる。出口弁1140は、出口ロックホッパの隔離弁としても機能する。次いで、出口弁1140が閉止20され、出口ロックホッパ1160の下部隔離弁1162が開放22されて、高温炭が冷却システム1600に移動可能になるであろう。
【0146】
図2に示す有機炭素化システム2000の実施形態を用いることで、セパレータ2400で加熱ガスから分離された炭化特定物が油圧シール2410に供給され、その特定物は加熱ガスから沈降可能になるであろうと考えられる。
【0147】
沈降した炭化特定物は出口弁2412を介して除去できる一方、加熱ガスは反応容器2100に戻される。出口弁2412からの高温炭は、冷却システム1600で処理される。
【0148】
図3に示す冷却システムを用い、
図6に示すプロセスを参照することで、高温炭は、入口弁1610(出口ロックホッパの下部隔離弁であってもよい)が開放22されて受容され、冷却チャンバ1620内を通過して、有孔ゲート弁1670の上方に位置する充填床1622上に至る。
【0149】
この段階で、高温炭が冷却チャンバに供給されている間、循環ポンプ1650は最小に設定され、冷却回路1605は反応容器1100と同じ圧力で加圧されるであろう。冷却システムが反応容器と同じ圧力に加圧されていれば、反応容器1100と冷却システム1600との間の出口ロックホッパは必ずしも必要とされないと考えられる。
【0150】
次いで、冷却チャンバ1620、セパレータ1630、冷却熱交換器1640を通って冷却ガスを循環させて冷却循環ポンプ1650に戻すために、冷却循環ポンプ1650の速度が増加24されるであろう。循環ポンプ1650は、冷却ガスを、導管1605eを介して有孔ゲート弁1670その他の類似の有孔ゲート形成、および充填床1622の下の位置に移動させる。冷却ガスは、有孔ゲート弁1670内の孔(図示しない)を通り(または代替有孔格子が用いられている場合は有孔格子を通り)、多孔質充填床1622を通って移動し、高温炭を冷却する。
【0151】
流動床が使用される場合、冷却循環ポンプ1650の速度は、流動床の微粒子が流体様となるまで増加されるであろうと考えられる。好ましくは、循環ポンプ1650の速度は、有孔ゲート弁1670(または他の有孔格子)の直下で90℃の設定値を目標とするように制御されるであろう。
【0152】
高温炭からの粒子状物は、回路1605周りの冷却ガスの流れに巻き込まれると、セパレータに案内され、そこで特定物が冷却ガスから分離26される。分離された粒子状物は、次いで、冷却チャンバ1620に戻るように案内される。
【0153】
分離された冷却ガスは、次いで、導管1605cを介して冷却熱交換器1640に案内され、冷却ガスはそこで再冷却される。冷却ガスは、冷却熱交換器1640から移動して循環ポンプまたはファン1650に戻る。
【0154】
冷却ガスの圧力が低下すると、制御弁1626を開放し入口1624を介して冷却チャンバ1620内にさらに冷却ガスを圧送することにより、回路1605内の冷却ガスの量を補うことができる。
【0155】
一旦、炭が約100℃未満の温度に冷却されると、出口弁1680を開放27し、有孔ゲート弁1670を開放して、冷却された炭をロックホッパ1685に移動可能にすることができる。ロックホッパの下部隔離弁1687は、この段階で閉止されるであろう。一旦、冷却された炭がロックホッパ1685内に移動すると、出口弁1680が閉止28され、冷却回路1605内の圧力が保持されるであろう。次いで、ロックホッパ1680の下部隔離弁1687が開放28され、炭が冷却システムから落下するであろう。
【0156】
冷却熱交換器1640に伝達された高温炭からの熱は、反応容器1100に入る前の有機廃棄物を予熱または乾燥するのに使用できると考えられる。好ましくは、循環ポンプ1650は、冷たい炭が排出されている間、最小に設定されるであろう。
【0157】
図4および
図5に示す冷却システムを使用し、
図7に示すプロセスを参照することで、一旦、有機廃棄物が炭素化されると、出口弁(または上部隔離弁1162)が開放18され、炭素化有機廃棄物がロックホッパ1160に落下可能になる。この段階で、ロックホッパ1160の下部隔離弁1162は閉止されるであろう。次いで、出口弁が閉止20され、出口ロックホッパ1160の下部隔離弁1162が開放30されて、高温炭が冷却ビン1700に落下可能になるであろう。
【0158】
これにより、高温炭が反応容器から排出される間、反応容器1100内の圧力を維持可能になる。冷却ビン1700は加圧されないであろうと考えられる。好ましくは冷たい空気または水の形態の冷却流体は、次いで、炭が冷却されるまでガス入口1710およびガス出口1720を通って圧送32され、その後、炭出口弁1740が開放されて、炭を冷却ビン1700から排出可能になるであろう。
【0159】
解釈
マーカッシュ群
さらに、本発明の特徴または側面がマーカッシュ群として記載される場合、それにより、本発明はマーカッシュ群の任意の個々の構成要素、または構成要素のサブグループとしても記載されることを、当業者は認識するであろう。
【0160】
時系列
本明細書の目的のため、方法ステップが順番に記載されている場合、その順番は、順番を解釈する他の論理的な方法がないのでなければ、必ずしもステップがその順番において時系列順に実行されることを意味するものではない。
【0161】
実施形態:
この明細書全体を通して「1つの実施形態」または「一実施形態」についての言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、この明細書全体を通して様々な箇所における「1つの実施形態において」または「一実施形態において」という語句の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指すとは限らないが、そうであってもよい。さらに、特定の特徴、構造または特性は、この開示から当業者に明らかであるように、1つまたは複数の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0162】
同様に、本発明の実施形態例の上記の説明において、本発明の様々な特徴は、開示を合理化し、様々な発明的側面のうちの1つまたは複数の理解を助ける目的で、単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられることがあることを理解されたい。しかしながら、この開示方法は、特許請求された発明が、各請求項において明示的に列挙されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲に反映されているように、発明的側面は、前述の単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ないところにある。したがって、具体的な実施形態の詳細な説明に続く請求項は、ここに、この具体的な実施形態の詳細な説明に明示的に組み込まれ、各請求項は、この発明の別個の実施形態としてそれ自体で成立している。
【0163】
さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態は、いくつかを含むが他の実施形態に含まれる他の特徴を含まないが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本発明の範囲内にあり、当業者によって理解されるように、異なる実施形態を形成することを意味する。例えば、以下の特許請求の範囲において、特許請求された任意の実施形態を任意の組み合わせで用いることができる。
【0164】
対象物の異なる例示物
本明細書で使用する場合、特に明記されていない限り、共通のオブジェクトを記述するための序数形容詞「第1の」、「第2の」、「第3の」などの使用は、単に対象物様の異なる例示物が言及されていることを示すに過ぎず、そのように記載された対象物が、時間的、空間的、ランク付け、またはその他の様式において所与の順番でなければならないことを暗示することを意図するものではない。
【0165】
具体的な詳細
本明細書中で提供される説明において、多数の具体的な詳細が挙げられている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施され得ることが理解される。他の例示物では、この説明の理解を曖昧にしないために、周知の方法、構造および技術は詳細に示されていない。
【0166】
用語
図面に図示される本発明の好ましい実施形態を説明するにあたり、明瞭さのために具体的な用語が用いられるであろう。しかしながら、本発明は、そのように選択された具体的な用語に限定されることを意図するものではなく、それぞれの具体的な用語は、同様の技術的目的を達成するために同様の様式で動作する全ての技術的均等物を含むことが理解されるべきである。「前方」、「後方」、「放射状」、「周辺」、「上向き」、「下向き」などの用語は、基準点を提供するための便宜上の言葉として使用されるものであって、限定的な用語として解釈されるべきではない。
【0167】
本明細書の目的のため、用語「プラスチック」は、広範囲の合成または半合成重合生成物、および一般に炭化水素ベースのポリマーからなる一般的な用語を意味すると解釈されるものとする。
【0168】
本明細書で使用する場合、用語「および/または」は、「および」または「または」、あるいはその両方を意味する。
【0169】
本明細書で使用する場合、名詞に続く「(複数可)」は、名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0170】
備える(Comprising)と含む(Including)
本発明の以下の特許請求の範囲および先述した説明において、文脈が表現言語または必要な含意のために別段の要求が必要とされる場合を除き、「備える(comprise)」という語または「備える(comprises)」または「備えている(comprising)」などの変形語は、包括的な意味で、すなわち、述べられた特徴の存在を特定するために使用されるが、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在や追加を排除するものではない。
【0171】
本明細書で使用する場合、含んでいる(including)または含む(which includes)または含む(that includes)という用語もまたオープンな用語であって、その用語に続く要素/機能を少なくとも含むが、他のものを排除するものではないことを意味する。したがって、含んでいる(including)は、備えている(comprising)と同義であることを意味する。
【0172】
発明の範囲
このように、本発明の好ましい実施形態であると思われるものについて説明したが、本発明の精神から逸脱することなく他のさらなる修正が行われ得ることを当業者は認識するであろうし、この発明の範囲内に入る全てのそのような変更および修正について特許請求することを意図するものである。例えば、上記の任意の方式は、使用され得る手順を代表するものに過ぎない。ブロック図に機能を追加または削除したり、機能ブロック間で操作を入れ替えたりしてもよい。本発明の範囲内において、記載された方法にステップが追加または削除されてもよい。
【0173】
具体的な実施例を参照して本発明を説明したが、本発明が他の多くの形態で具現化され得ることは、当業者には理解されるであろう。
【0174】
産業上の利用可能性
以上のことから、記載した配置を廃棄物処理産業に適用可能であることは明らかである。
【国際調査報告】