(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】足アーチの高さと体重を自動コントロールし足のバランスを取るサスペンション機能のスマートインソール及びこれを用いた体形矯正と関節痛を緩和させる自然治癒靴
(51)【国際特許分類】
A43B 7/1467 20220101AFI20230802BHJP
A43B 7/142 20220101ALI20230802BHJP
【FI】
A43B7/1467
A43B7/142
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502958
(86)(22)【出願日】2021-07-19
(85)【翻訳文提出日】2023-01-13
(86)【国際出願番号】 KR2021009234
(87)【国際公開番号】W WO2022019586
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0089322
(32)【優先日】2020-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523015183
【氏名又は名称】カン、チュン ソン
【氏名又は名称原語表記】KANG,Chunsung
【住所又は居所原語表記】104-406 57,Godeung-ro,Sujeong-gu Seongnam-si Gyeonggi-do 13105,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】カン、チュン ソン
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA41
(57)【要約】
本発明によるアーチ適応型スマートインソールは、足の形状に対応する形を有して弾性を有したフォームで構成されるインソールクッションフォーム10、前記インソールクッションフォーム10の第1配置ホール11に配置された状態で構成され、前記第1配置ホール11の上方を閉塞する前記インソールクッションフォーム10の閉塞部18を介して足のアーチ部を支持するアーチスプリングモジュール20を含んで構成され、前記アーチスプリングモジュール20は、少なくとも第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22を含んで構成され、前記第2コイルスプリング22の内側に前記第2コイルスプリング22より小さい直径を有する前記第1コイルスプリング21が位置することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
足の形状に対応する形を有し弾性を有したフォームで構成されるインソールクッションフォーム(10)、
前記インソールクッションフォーム(10)の第1配置ホール(11)に配置された状態で構成され、前記第1配置ホール(11)の上方を閉塞する前記インソールクッションフォーム(10)の閉塞部(18)を介して足のアーチ部を支持するアーチスプリングモジュール(20)、を含んで構成され、
前記アーチスプリングモジュール(20)は、少なくとも第1コイルスプリング(21)及び第2コイルスプリング(22)を含んで構成され、前記第2コイルスプリング(22)の内側に前記第2コイルスプリング(22)より小さい直径を有する前記第1コイルスプリング(21)が位置することを特徴とする、アーチ適応型スマートインソール。
【請求項2】
前記第2コイルスプリング(22)の上端が前記第1コイルスプリング(21)の上端より低くなるように構成されることにより足のアーチ部に対応するようにすることを特徴とする、請求項1に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項3】
前記第1コイルスプリング(21)及び前記第2コイルスプリング(22)は、弾性を有し厚さより幅が広い帯形の平板材を螺旋形に巻いたものであり、
前記第1コイルスプリング(21)及び前記第2コイルスプリング(22)の上端部で、前記平板材の平面が前記インソールクッションフォーム(10)の閉塞部(18)をそれぞれ支持することを特徴とする、請求項2に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項4】
前記アーチスプリングモジュール(20)は、
第1面で前記第1コイルスプリング(21)及び前記第2コイルスプリング(22)の下端部が配置されて前記第1コイルスプリング(21)及び前記第2コイルスプリング(22)を支持する円盤型移動支持部(24)、
前記円盤型移動支持部(24)の第1面の反対側にある第2面に上端部が配置されて前記円盤型移動支持部(24)を介した荷重を支持する第3コイルスプリング(23)、をさらに含んで構成され、
前記円盤型移動支持部(24)は前記第1配置ホール(11)で上下移動が可能である、請求項3に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項5】
前記インソールクッションフォーム(10)の第2配置ホール(11)に配置された状態で構成され、足のかかと部を支持するリアスプリングモジュール(30)、をさらに含んで構成され、
前記リアスプリングモジュール(30)は、
同心で配置され直径が互いに異なる第4コイルスプリング(31)及び第5コイルスプリング(32)と、
前記第4コイルスプリング(31)の上端及び前記第5コイルスプリング(32)の上端を支持して前記第2配置ホール(11)の閉塞部(19)の下方に位置し固い材質で構成されるソリッド支持部(33)、を含んで構成される、請求項4に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項6】
前記アーチスプリングモジュール(20)と前記リアスプリングモジュール(30)の下端部を支持ながら前記第1配置ホール及び前記第2配置ホール(12)の下部を閉鎖し、
前記インソールクッションフォーム(10)にボンディングされるカバー(40)、をさらに含んで構成される、請求項5に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項7】
前記インソールクッションフォーム(10)の上面と下面を貫通する少なくとも一つ以上の貫通ホール(13)を備え、
前記貫通ホール(13)は、前記インソールクッションフォーム(10)に構成されるトレンチを用いて前記第1配置ホール及び前記第2配置ホール(12)と連通する、請求項5に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項8】
前記インソールクッションフォーム(10)のかかと部分で、足内側部分の高さは足外側部分の高さより低い、請求項1に記載のアーチ適応型スマートインソール。
【請求項9】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項によるアーチ適用型スマートインソールが備えられることを特徴とする、自然治癒型靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足アーチの高さと体重を自動コントロールし足のバランスを取るサスペンション機能のスマートインソール、及びこれを用いた体形矯正と関節痛を緩和させる自然治癒靴に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は生物のうち唯一足の形がアーチをなしていて、アーチ(足弓)がなければ、足は回復能力が顕著に減少して移動時の衝撃吸収が難しい。アーチは、体全体の衝撃を容易に分散させるよい構造である。
【0003】
扁平足や曲がった脚の場合等では、足が正常にアーチを形成できず足が疲れ、関節炎、外反母趾症、かかとの痛み、趾間神経腫、足底筋膜炎等、様々な足の奇形及び足の疾患を起こし得る。これに対し、凹足は正常なアーチよりさらに曲がった場合であって、先天的や後天的に発生し得るが、ハイヒールのようなかかとの高い靴を多く履く場合、筋肉の変形によって後天的に発生し、足の裏の前部分とかかとにだけ過度に圧力を受けてタコや魚の目が生じたり痛みを訴えるようになる。
【0004】
ところで、普通の靴は平面からなる中敷きを適用して、歩行時に足のかかとに体重による荷重が集中して脊椎等に衝撃力が伝達されることにより、腰、肩、首等に負担をかけるようになって痛みを誘発させ得る。扁平足、曲がった脚、凹足等、個人的なアーチ(足弓)の差によって、一般的な平面の中敷き(インソール)を継続的に使用する場合、足、関節等に継続的に無理を与えてむしろ症状を悪化させることになったり、足の指が変形し、膝、足首の関節、足の指等に疲労感が増加する等の様々な問題点があった。
【0005】
アーチを支持する従来技術として、公開特許第10-2011-0017781号の「アーチ支持部のセルフポジショニングシステム装着インソール」(特許文献1)が公開されているが、これは個人のアーチの高さに合うようにアーチ支持部を交換して装着しなければならない不便さがあった。
【0006】
また、登録特許第10-0912910号「機能性靴」(特許文献2)では、足の足弓(アーチ部分)の個人別の高さに合うようにスライダーを調節して使用しなければならない不便さがあった。
【0007】
また、第10-0928712号「アーチ補正が可能な靴」(特許文献3)では、スプリングと「アーチ補正板」を用いてアーチを支持して痛みを緩和する技術が開示されているが、固いアーチ補正板の形状に制限されるため、多様なアーチの形態に自動適応できない問題がある。
【0008】
そして普通インソールは、弾性を有したクッションフォームを主材料として形成されるが、このようなクッションフォームにスプリングのような弾性手段を結合構成することは非常に難しい。何故ならば、スプリングの両端をクションフォームだけで支持するようになるが、スプリングの両端がクッションフォームの中に入り込み、スプリングの圧力が狭いスプリング接触領域に集中して足に伝達される問題があり、したがって特許文献3のように固いアーチ補正板を使用するしかないのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2011-0017781号
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-0912910号
【特許文献3】大韓民国登録特許第10-0928712号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、アーチサポートが可能で、かつ多様なアーチ形態に自動適応できるアーチ適応型インソール及びこれを用いた靴を提供するためのものである。
また、本発明の目的は、インソールのクッションフォームに直接スプリングを構成できるアーチ適応型インソール及びこれを用いた靴を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一様相によるアーチ適応型スマートインソールは、足の形状に対応する形を有し弾性を有したフォームで構成されるインソールクッションフォーム10、前記インソールクッションフォーム10の第1配置ホール11に配置された状態で構成され、前記第1配置ホール11の上方を閉塞する前記インソールクッションフォーム10の閉塞部18を介して足のアーチ部を支持するアーチスプリングモジュール20、を含んで構成され、前記アーチスプリングモジュール20は、少なくとも第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22を含んで構成され、前記第2コイルスプリング22の内側に前記第2コイルスプリング22より小さい直径を有する前記第1コイルスプリング21が位置することを特徴とする。
【0012】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記第2コイルスプリング22の上端が前記第1コイルスプリング21の上端より低くなるように構成されることにより足のアーチ部に対応するようにすることを特徴とする。
【0013】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記第1コイルスプリング21及び前記第2コイルスプリング22は、弾性を有し厚さより幅が広い帯形の平板材を螺旋形に巻いたものであり、前記第1コイルスプリング21及び前記第2コイルスプリング22の上端部で、前記平板材の平面が前記インソールクッションフォーム10の閉塞部18をそれぞれ支持することを特徴とする。
【0014】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記アーチスプリングモジュール20は、第1面で前記第1コイルスプリング21及び前記第2コイルスプリング22の下端部が配置されて前記第1コイルスプリング21及び前記第2コイルスプリング22を支持する円盤型移動支持部24、前記円盤型移動支持部24の第1面の反対側にある第2面に上端部が配置されて前記円盤型移動支持部24を介した荷重を支持する第3コイルスプリング23、をさらに含んで構成され、前記円盤型移動支持部24は前記第1配置ホール11で上下移動が可能である。
【0015】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記インソールクッションフォーム10の第2配置ホール11に配置された状態で構成され、足のかかと部を支持するリアスプリングモジュール30、をさらに含んで構成され、前記リアスプリングモジュール30は、同心で配置され直径が互いに異なる第4コイルスプリング31及び第5コイルスプリング32と、前記第4コイルスプリング31の上端及び前記第5コイルスプリング32の上端を支持して前記第2配置ホール11の閉塞部19の下方に位置し固い材質で構成されるソリッド支持部33、を含んで構成される。
【0016】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記アーチスプリングモジュール20と前記リアスプリングモジュール30の下端部を支持しながら前記第1配置ホール及び前記第2配置ホール12の下部を閉鎖し、前記インソールクッションフォーム10にボンディングされるカバー40、をさらに含んで構成されることができる。
【0017】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記インソールクッションフォーム10の上面と下面を貫通する少なくとも一つ以上の貫通ホール13を備え、前記貫通ホール13は、前記インソールクッションフォーム10に構成されるトレンチを用いて前記第1配置ホール及び前記第2配置ホール12と連通することができる。
【0018】
前記したアーチ適応型スマートインソールにおいて、前記インソールクッションフォーム10のかかと部分で、足内側部分の高さは足外側部分の高さより低くあり得る。
【0019】
前記したアーチ適用型スマートインソールは、自然治癒型靴に適用されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、足アーチのプロファイルに対応するプロファイルを有するようにスプリングの上端を構成することができ、さらに固いスプリング支持台なしにクッションフォームを介して複数のスプリングに直接荷重を伝達し、各スプリングの下降が独立的でもなされるため、多様なアーチの形態に適応できる長所がある。
【0021】
また、本発明によれば、第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングと第3コイルスプリングの間に円盤型移動支持部を構成することにより、スプリングが横に倒れたり側面に曲がったりする問題を大幅に低減し、圧縮時にもアーチスプリングモジュールが全体的に安定した姿勢を維持できる効果がある。
【0022】
また、本発明によれば、アーチの高さが自動で調節されることにより、扁平足、凹足及び正常足等、足アーチの高さに関係なく適用することができ、個々人の足アーチの高さに合わせて別途調節する必要がなく、アーチ形態が必要とする事項を提供する。
【0023】
また、本発明によれば、個人別に異なるアーチの高さに応じてアーチサポートが適正に自動で調節されることによって、アーチによって足のバランスを取り、足裏中央にある足弓を支えてゆがんだ筋骨格系をまっすぐに立てて体形を正し、身体の体重と荷重を分散し支えるオーソティック(orthotic)の機能をする。アーチの正しい配列を助け、体の直立関節を対称化させて人体が構造上発生し得る障害、すなわち関節の構造的痛みを緩和させるようにし、運動のような多様な活動中に発生する衝撃から脊椎、下肢関節、筋肉等のような人体の各部位を安全に保護できる衝撃吸収効果を有するようになり、またこれを用いて人体の損傷を防止し保護して関節痛を緩和させることにより、健康に役立てるようになり、膝関節と脊椎を保護し痛みを緩和させる。
【0024】
また、本発明によれば、アーチが低い扁平足とアーチが高い凹足、正常足にも全て効果的に支持するアーチサポートインソールを介して体重を支持分散し、衝撃を吸収できるようにして、ワーキング及び運動のような多様な活動中に発生する衝撃から膝関節、脊椎、下肢関節、足底筋膜炎、筋肉痛のような人体の各部位を安全に保護して、膝関節と腰の手術後にも膝と腰の保護の役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールを示した分解斜視図であって、上方から見た分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールを示した分解斜視図であって、下方から見た分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのアーチスプリングモジュールを示した分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのリアスプリングモジュールを示した分解斜視図である。
【
図5】インソールクッションフォームの後方からかかと部分を見た形を示した図である。
【
図6】(a)は本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのアーチスプリングモジュール20と足アーチのプロファイルF、F’を対応させて示したものであり、(b)はインソールのアーチ部に一般のコイル型スプリングを適用した場合の、スプリングと足アーチのプロファイルF、F’を対応させて示した比較例である。
【
図7】(a)は本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのアーチスプリングモジュール20と多様な形態の足アーチを対応させて示したものであり、(b)は多様な形態の足アーチを示した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
添付した図面を参考にして、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし本発明は、様々に相違する形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されない。そして、図面で本発明を明確に説明するために説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通して類似の部分については類似の名称及び図面符号を使用する。
【0027】
図1及び
図2は、本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールを示した分解斜視図であり、
図1は上方から見た分解斜視図で、
図2は下方から見た分解斜視図である。
図3は、本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのアーチスプリングモジュールを示した分解斜視図である。
図4は、本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのリアスプリングモジュールを示した分解斜視図である。
【0028】
本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールは、多様な形態のアーチに自動適応しながらアーチをサポートする機能を有し、インソールクッションフォーム10、アーチスプリングモジュール10、リアスプリングモジュール30、及びカバー40を含んで構成される。
【0029】
インソールクッションフォーム10は、上から見て足の形状に対応する形を有し弾性を有したフォームで構成され、弾力性、復元性、成形性等を有し、合成ゴム、ポリウレタン、ラテックス、メモリーフォーム、スポンジ類等で形成されることができる。
【0030】
インソールクッションフォーム10には、足のアーチに対応する位置にアーチスプリングモジュール20が配置される第1配置ホール11と、足のかかとに対応する位置にリアスプリングモジュール30が配置される第2配置ホール12が構成される。第1配置ホール11と第2配置ホール12の上方は閉塞されているが、インソールクッションフォーム10と同一の素材でインソールクッションフォーム10を成形するときに同時に形成される。すなわち、第1配置ホール11の上方を閉塞する第1閉塞部18と、第2配置ホール12の上方を閉塞する第2閉塞部19は、インソールクッションフォーム10と同一の素材でインソールクッションフォーム10を成形するときに同時に形成される。インソールクッションフォーム10の上部表面には、多様な素材の織物類またはシート類が接着されていることができる。第1配置ホール11の内部には段差を備えることができるが、特にアーチスプリングモジュール20の第1コイルスプリング21の上端部を収容できるように段差を形成後、さらに高い高さで(さらに深い深さで)形成されて第1コイルスプリング21の上端部の固定を図るようにすることもできる。
【0031】
インソールクッションフォーム10の下面には、カバー40が結合できるようにカバー40の厚さに対応する深さと形で溝が形成され、歩行によって第1配置ホール11及び第2配置ホール12の体積が変更するに伴って生じる空気圧を利用して、足に風を提供するための構造を有する。足の龍泉(前幅)の位置には、インソールクッションフォーム10が若干隆起した部分があり、インソールクッションフォーム10の上面と下面を貫通する少なくとも一つ以上の貫通ホール13を備える。そして貫通ホール13は、インソールクッションフォーム10に構成されるバッファーウェル17と第1トレンチ14を用いて第1配置ホール11と連通し、第2トレンチ15を用いて第1配置ホール11が第2配置ホール12と連通するようにする。これにより歩行に伴う第1配置ホール11及び第2配置ホール12の体積変化は、第2トレンチ15及び第1トレンチ14とバッファーウェル17、そして貫通ホール13を介して足の龍泉側に風を排出し吸入する作用をするようになる。
【0032】
インソールクッションフォーム10には、アーチスプリングモジュール11を囲む円筒形の部分形状をしている側壁16を構成し、側壁16の外側にはインソールクッションフォームが形成されていない空間部Sを形成することにより、アーチスプリングモジュール11の伸縮作用を助けるようにする。
【0033】
カバー40は、インソールクッションフォーム10に形成された溝に配置された状態でインソールクッションフォーム10にボンディングされるもので、固い材質を用いて形成される。カバー40は、アーチスプリングモジュール20とリアスプリングモジュール30の下端部を支持し、第1配置ホール及び第2配置ホール12の下部を閉鎖しながらインソールクッションフォーム10にボンディングされる。カバー40には、アーチスプリングモジュール20の第3コイルスプリング23の下端を支持し固定する第1円形溝41と、リアスプリングモジュール30の第4コイルスプリング31及び第5コイルスプリング32の下端を収容し支持する段差を有した第2円形溝42を備える。
【0034】
インソールクッションフォーム10のかかと部分では、足内側部分の高さH2は、足外側部分の高さH1より低くなるようにする(
図5参照)。したがってインソールクッションフォーム10の上面で、足の外側部分から足の内側部分にわずかに傾斜してインソールクッションフォーム10の上面が形成される。インソールで足の外側の後部分が高くて内側の後部分が低く勾配が形成されるもので、このように勾配を形成することにより、曲がった脚、特に「O」脚の場合に荷重が外側に集中してますます「O」字形に変形することを防止できるようになる。
【0035】
図3を参照すると、リアスプリングモジュール30は、インソールクッションフォーム10の第2配置ホール11に配置された状態で構成され、足のかかと部を弾性的に支持する。リアスプリングモジュール30は、同心で配置され直径が互いに異なる第4コイルスプリング31及び第5コイルスプリング32とソリッド支持部33を含んで構成される。
【0036】
第4コイルスプリング31及び第5コイルスプリング32は、弾性を有し厚さより幅が広い帯形の平板材を螺旋形に巻いたものであって、側面を見ると帯形の平板材がサインウエーブのような曲線を描き、以前のターン(N-1番目のターン)の膨らんだ部分と今回のターン(N番目のターン)のへこんだ部分がぶつかるように構成されることができる。ソリッド支持部33は、第4コイルスプリング31の上端及び第5コイルスプリング32の上端を支持し、第2配置ホール11の閉塞部19の下方に位置し、比較的固い材質で構成されることにより、歩行時のかかとの加圧は、ソリッド支持部33を介して全体的に第4コイルスプリング31及び第5コイルスプリング32に伝達される。
【0037】
ソリッド支持部33は、下側に隆起した円筒形側壁332と、円筒形側壁332の外にフランジ部331を備える。第5コイルスプリング32の上端はフランジ部331に接し、第5コイルスプリング32の上端部内側は前記円筒形側壁332の外側に挿入されることにより第5コイルスプリング32の位置離脱を防止し、円筒形側壁332の内側に第4コイルスプリング31の上端部が挿入配置されることにより第4コイルスプリング31の位置離脱が防止される。
【0038】
図4を参照すると、アーチスプリングモジュール20は、第1ウェル11に配置された状態でインソールクッションフォーム10に位置し、第1配置ホール11の上方を閉塞するインソールクッションフォーム10の閉塞部18を介して足のアーチ部を支持する。
【0039】
アーチスプリングモジュール20は、第1コイルスプリング21、第2コイルスプリング22、第3コイルスプリング23、及び円盤型移動支持部24を含んで構成される。円盤型移動支持部24は、プラスチックのような樹脂類で形成され、その上面に第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22が位置し、その下面に第3コイルスプリング23が位置する。
【0040】
円盤型移動支持部24は略円盤型であるが、上面(第1面)で第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22の下端部が配置されて第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22を支持し、上面と向い合う下面(第2面)で第3コイルスプリング23の上端部が配置されて第3コイルスプリング23を支持する。円盤型移動支持部24の厚さより薄く円盤型移動支持部24の縁に形成されたフランジ部242は、第2コイルスプリング22の下端部を支持し、円盤型移動支持部24の内側に形成される第1円形溝241に第1コイルスプリング21が下端部が支持される。また、円盤型移動支持部24の下面には、第3コイルスプリング23の上端部が支持される第2円形溝243が形成される。
【0041】
第3コイルスプリング23は、円盤型移動支持部24の第1面(上面)の反対側にある第2面(下面)に上端部が配置されて円盤型移動支持部24を介した荷重を支持し、円盤型移動支持部24は、第1配置ホール11で第1配置ホール11の内面によってガイドされながら上下移動が可能である。
【0042】
第1コイルスプリング21、第2コイルスプリング22及び第3コイルスプリング23は、弾性を有し厚さより幅が広い帯形の平板材を螺旋形に巻いたものであって、側面を見ると帯形の平板材がサイン(sine)ウェーブのような曲線を描き、以前のターン(N-1番目のターン)の膨らんだ部分と今回のターン(N番目のターン)のへこんだ部分がぶつかるように構成されることができる。
【0043】
本発明の一特徴によれば、第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22の上端部で平板材の平面がインソールクッションフォーム10の閉塞部18をそれぞれ支持する。第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22の上端部で最後のターンの平板材も平面を有するが、サイン(sine)ウェーブを形成しないようにすることもできる。
【0044】
図6(a)は、本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのアーチスプリングモジュール20と足アーチのプロファイルF、F’を対応させて示したものであり、
図6(b)は、インソールのアーチ部に一般のコイル型スプリングを適用した場合の、スプリングと足アーチプロファイルF、F’を対応させて示した比較例である。
【0045】
本発明の一特徴によれば、アーチスプリングモジュール20の第2コイルスプリング22の内側に第2コイルスプリング22より小さい直径を有する第1コイルスプリング21が位置し、第2コイルスプリング22の上端が第1コイルスプリング21の上端より低くなるように構成されることにより、概略足のアーチ部に対応するようにすることを特徴とする。一実施例として、第1ウェルの内部に構成される段差を勘案するが、第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22の上端は、凹足が有するアーチの曲率またはこれと類似した曲率に対応するようにすることが好まれる。
【0046】
一般のコイル型スプリングの場合、最上端にある1ターンの円が足のアーチを支持しているものであれば、本発明の一実施例によるアーチスプリングモジュール20は、第1コイルスプリング21の最上端1ターンと第2コイルスプリング22の最上端1ターンが足のアーチをそれぞれ異なる部分と異なる高さで、より小さい円とより大きい円の2つの円でそれぞれ支持している。さらに、細い棒形線材を巻き回した一般スプリングの場合に比べて、平板材を巻き回した第1コイルスプリングと第2コイルスプリングは、クッションフォームに入り込む程度がさらに小さく、圧力を支持できる面積がさらに大きい。一般スプリングの場合、上端がクッションフォームで容易に入り込むようになるが、足のアーチ部に適用された第1コイルスプリングと第2コイルスプリングは、クッションフォームに容易に入り込まないため、中間に固い支え(特許文献3の「アーチ補正板」のようなもの)を構成せず、クッションフォームを直接支持してもよい点を効果的に利用する。また、前述したように、第1コイルスプリング21の最上端1ターンと第2コイルスプリング22の最上端1ターンが2つの円でそれぞれ支持しているため、足のアーチ部を支持する面積が大幅に増大できる効果がある。本発明の実施例では、アーチ部のクッションフォームを直接支持するものとして2つのコイルスプリングを使用したが、3つ以上のコイルスプリングを構成してより大きい支持面積を達成することもできる。
【0047】
一方、
図6(b)に示されたように、単一の一般コイルスプリングを使用すると比較的長いスプリング長さを有するほかなく、反復的な使用中の圧縮時にスプリングが横に倒れたり側面に曲がったりする問題が生じ得る。特に、スプリングの外側を囲む素材がクッションフォームである場合、弾性を有した柔軟な素材であるクッションフォームが、このようなスプリングを効果的にガイドすることが難しいため、一般のコイルスプリングをクッションフォームにそのまま内蔵するのは難しいということに帰結する。しかし、本発明によれば、第1コイルスプリング及び第2コイルスプリングと第3コイルスプリングの間に円盤型移動支持部24を構成することにより、上のようにスプリングが横に倒れたり側面に曲がったりする問題を大幅に低減し、圧縮時にもアーチスプリングモジュールが全体的に安定した姿勢を維持できるようにする効果がある。
【0048】
図7(a)は、本発明の一実施例によるアーチ適応型スマートインソールのアーチスプリングモジュール20と多様な形態の足アーチを対応させて示したもので、
図7(b)は多様な形態の足アーチを示した平面図である。
【0049】
足のアーチがインソールクッションフォーム10を介してアーチスプリングモジュール20に荷重を加えると、凹足(プロファイルF1参照)の場合、第1コイルスプリング21と第2コイルスプリング22がほとんど同時に圧縮され、対応して第3コイルスプリング23が圧縮される。凹足は、歩行時地面に当たる面積が少なくて容易に疲れを感じ、二次的に足の裏や足の指の痛みや炎症、膝の痛みも発生し得、人より足首を挫きやすいが、第1コイルスプリング21と第2コイルスプリング22の広い支持面積によって支持されることにより、このような問題を顕著に低減する。
【0050】
正常足(プロファイルF2参照)の場合には、第1コイルスプリング21を先に圧縮し始め、若干の差で第2コイルスプリング22が圧縮される。小さい荷重で正常足は第1コイルスプリング22による圧力を感じるようになるが、一定水準以上の荷重では、第1コイルスプリング21と第2コイルスプリング22によって同時に支持され、対応して第3コイルスプリング23が圧縮される。
【0051】
扁平足(プロファイルF3参照)の場合には、第1コイルスプリング21及び第2コイルスプリング22と第3コイルスプリング23を強く圧縮するようになる。扁平足の場合、より偏平なプロファイルを有するため、アーチスプリングモジュール20を圧縮する距離(ストローク)がはるかに大きくなり、アーチ部に強い圧力を感じるようになる。扁平足は、歩行時地面に当たる面積が広くて慢性的な疲れを感じ、外観をみると足内側のアーチが崩れかかとが外側に傾くが、本発明の一実施例によるインソールを使用すれば、扁平足はアーチ部に強い圧力を受けるようになり、これにより一定の自律矯正効果をみるようになる。特に、老化によって正常足から偏平足に移行する現象があるが、老化による偏平足への進行を遅らせたり矯正することができる効果がある。
【国際調査報告】