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特表2023-534483パネル状製品を乾燥させるための乾燥機
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  • 特表-パネル状製品を乾燥させるための乾燥機 図1
  • 特表-パネル状製品を乾燥させるための乾燥機 図2a
  • 特表-パネル状製品を乾燥させるための乾燥機 図2b
  • 特表-パネル状製品を乾燥させるための乾燥機 図3a
  • 特表-パネル状製品を乾燥させるための乾燥機 図3b
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】パネル状製品を乾燥させるための乾燥機
(51)【国際特許分類】
   F26B 15/18 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
F26B15/18 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502964
(86)(22)【出願日】2021-07-23
(85)【翻訳文提出日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 EP2021025278
(87)【国際公開番号】W WO2022017646
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】102020004454.9
(32)【優先日】2020-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520344556
【氏名又は名称】グレンツェバッハ ビーエスエイチ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ストレットマンズ、クリストフ
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA02
3L113AB02
3L113AC36
3L113AC53
3L113AC67
3L113AC73
3L113BA05
3L113CA02
3L113CA08
3L113CA09
3L113CB01
3L113CB22
3L113CB24
3L113DA11
(57)【要約】
本発明は、帯状又はパネル状製品、特に石膏板又はベニヤパネルを乾燥させるための乾燥機であって、複数のティアを有し、外側ハウジング、及び第1の及び第2の間仕切壁(5)により外側ハウジングから隔離された内側ハウジングを有し、製品を搬送するための搬送装置を有し、搬送方向に対して横向きに配置され、隔壁の間で搬送装置の幅にわたり延び、それぞれの場合において第1の分割壁(5)に割り当てられた一方の端部に1つの流入口(26)を有し、第2の間仕切壁に割り当てられた他方の端部で閉じられている上下のノズルボックスを有する乾燥機に関する。通過する製品の少なくとも片側上に乾燥用空気を吹きつけるためのノズル開口部が存在する。乾燥機は、少なくとも第1の間仕切壁(5)上に調整可能な調整板(27)が設けられており、これにより上下のノズルボックスの流入口(26)が調整され得ることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状又は板状の材料、特に石膏ボード又はベニヤパネルを乾燥させるための乾燥機であって、複数のティアを有し、外側ハウジング、及び前記外側ハウジングから隔離された内側ハウジングを有し、前記材料を搬送するための搬送手段を有し、及び前記搬送方向に対して横向きに配置され、第1の間仕切壁及び第2の間仕切壁の間で前記搬送手段の幅にわたり延びる上下のノズルボックスを有し、ここで前記ノズルボックスはそれぞれ、前記第1の間仕切壁に関連する一方の端部に流入口を有し、前記第2の間仕切壁に関連する他方の端部で閉じられており、及び前記ノズルボックスには通過する前記材料の少なくとも片側上に乾燥用空気を吹きつけるためのノズル開口部が設けられており、調整可能なバッフル板が少なくとも第1の間仕切壁上に設けられており、これにより前記上下のノズルボックスの前記流入口が調整され得る、
乾燥機。
【請求項2】
前記調整可能なバッフル板が段階的に調整可能である、請求項1に記載の乾燥機。
【請求項3】
それぞれの前記上下のノズルボックスの前記ノズル開口部が、前記調整可能なバッフル板によりレベルごとに一括して調整可能である、請求項1又は2に記載の乾燥機。
【請求項4】
前記ノズルボックスの前記流入口の断面を、前記調整可能なバッフル板の前記調整により上から固定可能である、請求項1~3のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項5】
前記調整可能なバッフル板を所定の位置に固定可能である、特にラッチ可能である請求項1~4のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項6】
前記調整可能なバッフル板を電気的に、特にステップ又はピエゾモータを用いて調整可能である、請求項1~5のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項7】
前記外側ハウジングに開口部又は扉が設けられ、これにより前記調整可能なバッフル板が機械的に調整可能である、請求項1~6のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項8】
トランスミッションにより、特にトランスミッションギアにより、前記調整可能なバッフル板が調整可能である、請求項1~7のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項9】
前記乾燥用空気の乾燥効果を測定するためのセンサが存在し、前記調整可能なバッフル板を、特にモータにより、すべてのレベルで前記乾燥効果が均一になるように調整可能である、請求項1~8のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項10】
前記ノズルボックスにおける空気の流れが、前記調整可能なバッフル板を引き上げることにより最大で20%増加し、前記調整可能なバッフル板を引き下げることにより最大で20%減少する、請求項1~9のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【請求項11】
流量差を補うために、それぞれの下方の前記ノズルボックスにおける空気の流れが上方の前記ノズルボックスにおけるよりも強い、請求項1~10のうちいずれか1つに記載の乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状又はパネル状製品、特に石膏板又はベニヤパネルを乾燥させるための乾燥機であって、複数のティアを有し、外側ハウジング、及び第1の及び第2の間仕切壁により外側ハウジングから隔離された内側ハウジングを有し、製品を搬送するための搬送装置を有し、搬送方向に対して横向きに配置され、間仕切壁の間で搬送装置の幅にわたり延び、第1の間仕切壁に割り当てられた端部に流入口を有し、第2の間仕切壁に割り当てられた他方の端部で閉じられている上下のノズルボックスを有し、通過する製品の少なくとも片側上に乾燥用空気を吹きつけるためのノズル開口部を有する、請求項1の前文に記載の乾燥機に関する。
【0002】
そのような乾燥機は、独国特許出願公開第197 01 426 A1号明細書から公知である。そこで、被乾燥製品、すなわち、特に石膏又はベニヤパネルの、搬送装置の全幅にわたり均一な乾燥を実現することが課題となる。本明細書において、ノズルボックスは、流入側から他方の端部に向かって断面が縮小していくような楔状であることが想定されている。その結果、ノズルボックス内はその全長にわたり、一定の圧力が維持されるべきである。楔状のノズルボックスは、連続板に面する境界壁の距離が流入側から流出側に向かって増加するように配置されている。その結果、流入側からの距離が増加するにつれ、より多くのより大きな断面が、流出する空気に触れる。ノズルボックスと連続板との間の全幅にわたり不均一な間隔にもかかわらず、板に衝突する乾燥用空気噴流の一定の速度を得るために、ノズルは短尺のパイプピースとして設計されており、その尺はより長く、その尺が長くなるほど、流入側から離れて配置されている。結果として、ノズル口と連続板との間の距離は全幅にわたり一定に保たれている。
【0003】
不均一な乾燥は、特に多くの場合、スタック式に上下に配置された複数のコンベア装置を有し、そのため非常に小型の構造を有する乾燥機において観察される。個々のノズルボックスの断面寸法は、その尺に対して非常に小さい。ノズルボックスの長手方向から見ると、不均一な速度分布が生じ得、これにより空気噴流がノズル開口部から流出する。横断方向に空気が流出することに伴い、ノズル噴流は流入側からの距離が増すにつれ垂直方向からますます偏向する。ノズルボックスの間を流れ出る空気は、ノズルボックスの冷却を流出側に向かって増大させる効果があり、これが乾燥用空気の冷却を引き起こし、最終的には乾燥効果の低下に至る。
【0004】
独国特許出願公開第197 01 426 A1号明細書において、衝突する気流から被乾燥板への熱伝達は、ノズル口と板との間の距離の関数であることが既に考慮されている。そのため、ノズルボックスは、一方の端部が垂直方向に変位可能であり、乾燥機の一方の側における被乾燥製品の搬送面からのノズル開口部の距離は、他方の側におけるよりも大きくなる傾斜位に固定されている。
【0005】
パネル状製品の乾燥における別の課題は、レベル間の熱風による乾燥効果が、上方に向かうにつれ低下する、又は全体的に不均一であると判明したことである。
【0006】
本発明の目的は、ノズルボックスの全体にわたり均一な乾燥効果が達成されるための手段を提供することである。
【0007】
本発明によれば、この目的は、請求項1に示すとおり達成される。
【0008】
調整可能なのブレンド又は調整板が第1の間仕切壁上、すなわちノズルボックスの流入口が配置された箇所に設けられており、これによりノズルボックスの開口部が調整され得る。
【0009】
これは、乾燥機内の乾燥用循環空気が供給されるノズルボックスを有するフロアが開口側の調整板により部分的に閉じられることにより、空気の流入のために利用可能な開口面積が減少することを意味する。シートはそれぞれ個々の開口部で個別に調整され得るため、乾燥機のすべてのレベルにわたりより均一な乾燥が実現される。所望の均一な乾燥効果がまだ達成されていない場合は、その都度シートが調整され得る。
【0010】
有利な開発は、特に図面と併せて、従属請求項及び本明細書からもたらされる。
【0011】
それは特に、ブレンドシートが一括して段階的に調整され得る場合に有利である。これは、1つのティアに属するブレンドシートがロッド又は支柱により相互に接続される場合に実現し得る。
【0012】
それはまた、上下のノズルボックスの開口部がそれぞれ、その都度調整板により一括して調整され得る場合に有利であることが判明している。
【0013】
さらに有利な実施形態によれば、ノズルボックスの流入口の断面を、調整板の調整により上から変更し得ることが提示されている。
【0014】
加えて、ブレンドシートを所定の位置に固定し得る、特にラッチ可能であることが有利に提示され得る。一旦調整された位置は、その後、洗浄工程においてそれらが取り外された後でも容易に復元し得る。
【0015】
さらに有利な実施形態によれば、調整板は、電気的に、特にステップ又はピエゾモータを用いて調整され得ることが提示されている。電動調整手段により、操作要員がそれらを手動で調整することを必要とせずに調整板の簡易的な調整が可能となる。ブレンドシートは、いかなる時点においても調整され得る。完全に開いた状態において、調整板は、例えば圧縮空気又は水によるノズル板の洗浄を阻害しない。
【0016】
調整板の調整機能を促進するために、外側ハウジングには開口部又は扉が設けられ、その開口部又は扉は当該開口部から機械的に調整され得る。
【0017】
ブレンドシートが取り付けられた乾燥機の内壁の間の粉塵がブレンドシートの動きを阻害する場合においてもブレンドシートを調整し得るために、ギアが有利に設けられており、これにより個々のブレンドシート又は複数のブレンドシートのいずれかがその都度一括して調整され得る。トランスミッションギアにより、ブレンドシートを調整するために動力の消費を抑制し得る。
【0018】
乾燥用空気の温度、湿度及び/又は乾燥効果を測定するためのセンサが存在し、グレア板を、特にモータにより、すべてのレベルで乾燥効果が均一になるように調整可能である場合に、グレア板の特に優れた効果が達成される。センサは、好ましくは、温度及び/又は湿度などに応じてブレンドシートを調整するための制御システムの一部、又は制御システムである。
【0019】
本発明によるブレンドシートを使用した結果、ノズルボックスにおける空気の流れは、ブレンドシートを引き上げることにより最大で20%増加し得、ブレンドシートを引き下げることにより最大で20%減少し得る。
【0020】
同様に、調整機能又は特に異なる調整により、上下のノズルボックスの間における空気の流れの流量差を補っている。下方のノズルボックスの空気の流れはより強いため、後者はそれらにおいて上方のノズルボックスにおけるよりも強く絞られる必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本発明は、以下のとおり図面を参照した例示的な実施形態においてより詳細に説明される:
【0022】
図1】仕切りを備えた、ノズルボックスを有する間仕切壁の間の領域における、従来技術による乾燥機の断面を示す。
図2a】調整板で部分的に覆われたノズルボックスの開口部を有する、本発明による乾燥機の開口部側仕切りを、図1の説明図と比較して若干拡大した平面図を示す。
図2b図2aによる調整板を備えた分割壁の断面図を示す。
図3a】上下のノズルボックス用の仕切りに取り付けられた、一括して調整可能な調整板の配置のさらなる平面図を示す、及び
図3b図3aによる調整板を備えた図3aによる分割壁を断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
公知の乾燥機(図1)は例えば、モジュール方式で隣り合わせに並べられた30又はより多くの部品からなる。区画は搬送方向に2.0m~2.5m及び幅5.0m~6.0mである。それは、天井1及び外側ハウジングを形成する外側の側壁2、3を有する。
【0024】
区画内において、コア領域7は、中間天井4、間仕切壁5、及びラチスフレームとしても設計し得る排気開口部を備えた間仕切壁6により、循環空気チャネルから隔離されている。後者は、コア領域7の上にある水平チャネル8、横方向の垂直分配チャネル9、その反対側に実質的に鏡面対称に配置された収集チャネル10からなる。コア領域7では、ローラ11が複数の平面、例えば約250~350mmの等間隔で重ね合わされた約8個~12個の平面において配置され、これらのローラ11は分割壁5、6に取り付けられている。ローラ11は、チェーン(図示されていない)により同じ速度で駆動され得る;したがって、これらは乾燥機の全長にわたり延びる各ティアのローラコンベアを形成する。
【0025】
個々のローラコンベア上に置かれた板材が乾燥機を連続的に通過する搬送面の下及び上には、ローラコンベアの幅にわたり延びるノズルボックス14a、14bが、隣接するローラ11の隙間に配置されている。搬送面に面するノズルボックス14a、14bの境界壁には、被乾燥製品、例えば石膏又はベニヤパネルの連続板上に乾燥用空気を流入させるためのノズル開口(同様に本明細書においては図示されていない)が設けられている。ノズルボックス14a、14bの一方の端部は、間仕切壁5における流入口として設計されており、他方の端部18は閉じられている。ノズルボックス14a、14bは楔状であるため、それらの断面は閉端部18に向かって連続的に縮小している。隣接する搬送面の間で、上方のノズルボックス14aは、開口部の領域において直下にあるノズルボックス14bと機械的に接続されているため、これらは二重のボックスを形成し、例えば、共通の流入口を有する。あるいは、ノズルボックス14a、14bは、別個の開口部を有する。流入口が位置する端部は、間仕切壁5における長方形の窪みにぴったりと適合している。それは間仕切壁5に移動不能に固定され、カラーにより全面的に密閉されている。
【0026】
水平チャネル8は、階段の形状をした仕切板20により吸引チャンバ21及び圧力チャンバ22に分割されている。吸引チャンバ21は収集チャネル8と、圧力チャンバ22は分配チャネル9との接続が開かれている。水平チャネル8の中央に、具体的には隔離板20により隔離された圧力チャンバ22に、自走式でハウジングを持たないラジアルインペラ23が収容されており、その駆動軸は天井1を貫通して天井1に据え付けられた駆動部24に結合されている。隔離板20の水平領域の開口部は、ラジアルインペラ23が吸引側で吸引チャンバ21に接続されるよう、ラジアルインペラ23の吸引ファネル25に対応している。
【0027】
同様の実施形態において、図1に示すとおり、従来技術に基づき、ノズルボックス14a、14bの流入口26は、本発明による間仕切壁6(図2a、図2b)に設けられている。上からその都度引き下げ得る調整板27により、開口部26は、特にノズルボックス14a、14bのより下位のレベルにおいて、暖かい乾燥用空気の流入を抑制するために部分的に閉じられている。
【0028】
調整板27は、その都度一括して調整される。このために、それらはフレームにより相互に接続されている。
【0029】
さらなる実施形態(図3a及び図3b)において、上下のノズルボックス14a、14bの開口部26は、乾燥機の各ティアにおいて、相互接続された調整板27a及び27bにより上から部分的に覆われている。調整板27a、27bは、ウェブ28により相互に接続されている。その調整範囲は、上方の調整板27aの間にある長穴29により決定される。間仕切壁5に取り付けられたマンドレル30は、長穴29に突き出している。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
【国際調査報告】