(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】唇のための化粧メークアップ組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/891 20060101AFI20230802BHJP
A61Q 1/04 20060101ALI20230802BHJP
A61Q 1/06 20060101ALI20230802BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230802BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
A61K8/891
A61Q1/04
A61Q1/06
A61K8/92
A61K8/81
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502973
(86)(22)【出願日】2021-07-16
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 FR2021051332
(87)【国際公開番号】W WO2022013508
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500078211
【氏名又は名称】エル・ヴェ・エム・アッシュ ルシェルシュ
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(74)【代理人】
【識別番号】100103230
【氏名又は名称】高山 裕貢
(72)【発明者】
【氏名】トレッサニ,ガエル
(72)【発明者】
【氏名】ファブリ,マリーヌ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA081
4C083AA082
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB172
4C083AB322
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB11
4C083BB21
4C083CC13
4C083DD22
4C083EE01
4C083EE07
(57)【要約】
本発明は、好ましくは無水である化粧品組成物であって、生理学的に許容できる媒体中に少なくとも:第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマー、
第一の油と異なる非極性油、極性ワックス、および組成物の総重量に対して10重量%以上の総含有量の顔料、を含む化粧品組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
好ましくは無水である化粧品組成物であって、生理学的に許容できる媒体中に、少なくとも、
第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマー、
第一の油と異なる非極性油、
極性ワックス、および
組成物の総重量に対して10重量%以上の総含有量の顔料、
を含む化粧品組成物。
【請求項2】
第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーと異なるオルガノポリシロキサンエラストマー粉末をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
極性ワックスが、カンデリラワックス、蜜蝋、カルナウバワックス、米糠ワックス、ヒマワリワックス、ホホバワックスおよびこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、カンデリラワックスであることを特徴とする、請求項1または2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
少なくとも一つの非極性ワックスをさらに含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
ワックスの総含有量が、該組成物の総重量に対して5重量%以上であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
非極性油が、ポリブチレン、水素化ポリイソブチレン、デセン/ブテンコポリマー、ポリブテン/ポリイソブテンコポリマー、ポリデセン、水素化ポリデセンおよびこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、水素化ポリデセンであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
非極性油の含有量が、該組成物の総重量に対して15重量%~45重量%、特に20重量%~40重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
顔料の総含有量が、該組成物の総重量に対して10重量%~20重量%、特に11重量%~18重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
唇のためのメークアップ製品、特にリップスティック、リップ輪郭ペンシルまたはリップバーム、好ましくはリップスティックであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
唇をメークアップするための化粧方法であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の少なくとも一つの組成物を唇に適用することを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、唇のためのメークアップ組成物に関する。
【0002】
唇を潤色し、保護し、および/または着色することを目的とする唇ケア製品および唇メークアップ製品は広く知られている。特に、唇のためのメークアップ製品は、唇に光沢のある付着物または艶消しの付着物のための液体、半流動体または固体(スティック)の形態で知られており、良好な色保持性質を有する。揮発性油、充填剤および顔料は、一般に、艶消し性およびカバー度を提供するために使用されるが、顔料の総含有量を増加させること、特に8重量%~10重量%を超える顔料は、組成物の安定性および適用の快適性に影響を与えることが知られており;膜付着物は、唇上で不均質で乾燥した外観となることがある。
【0003】
したがって、新しい唇メークアップ製品、特に、唇に艶消しで乾燥しない良好なカバー度を有する、顔料の総含有量が高く、均質性を得て快適な付着物を得るために安定な固体製品を開発する必要がある。また、消費者は、「ビロードのような」効果を有する、適用時のソフトな性質も望んでいる。
【0004】
本発明は、これらのニーズに応えるものである。実際、本出願人は、組成物の10重量%以上の顔料の総含有量の顔料、および第一の油に担持されるオルガノポリシロキサン エラストマーを含み、油相に少なくとも一つの非極性油および極性ワックスを含む、組成物を開発した。予期せぬことに、本発明者らは、高い含有量の顔料および、非極性油と極性ワックスとの非相溶性にもかかわらず、適用時のカバー度、艶消し性、快適性および水和性といった所望の性質を有し、ビロードのような付着物を有する、非常に良好な安定性を有する組成物を得た。
【発明の概要】
【0005】
第一態様によれば、本発明は、化粧品組成物であって、生理学的に許容できる媒体中に少なくとも:
第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマー、
第一の油と異なる非極性油、
極性ワックス、および
組成物の総重量に対して10重量%以上の総含有量の顔料、
を含む化粧品組成物に関する。
【0006】
本発明はまた、唇をメークアップするためのけ化粧方法であって、本発明の組成物を唇に少なくとも一層適用することを含む方法に関する。
【0007】
本発明の詳細な説明
したがって、本発明の第一目的は、化粧品組成物であって、生理学的に許容できる媒体に少なくとも
第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマー、
第一の油と異なる非極性油、
極性ワックス、および
組成物の総重量に対して10重量%以上の総含有量の顔料、
を含む化粧品組成物である。
【0008】
特定の好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は無水組成物である。
【0009】
用語「無水」とは、特に、水は好ましくは組成物に意図的に添加されないが、組成物に使用される様々な化合物中に微量に存在する可能性があることを意味するものとする。特に、本発明による組成物は、該組成物の総重量に対して、4重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満の水を含むか、または水を全く含まない。
【0010】
本発明の組成物は一般に固体組成物である。
【0011】
用語「固体」とは、温度20℃、大気圧(760mmHg)において、30Nm-1より大きい、好ましくは40Nm-1より大きい硬度を有する組成物を意味するものとする。
【0012】
硬度は、好ましくは、円筒対称の製品の棒を、直径250μmの硬質金属ワイヤーを用いて、60mm/分の速度でスティックに対して相対的に移動させて横方向に切断することからなる、いわゆる「バターワイヤー」法によって20℃で測定することができる。試料の硬度は、グラム-力(gf)で示され、TAXT Plus Texture Analyserなどのテクスチャーアナライザーを用いて測定することができる。好ましくは、得られた値は140~190の間であろう。
【0013】
本発明の化粧品組成物は、脂肪相または油相を含む。
【0014】
用語「油相」とは、油または相互に混和できる油の混合物を意味するものとする。
【0015】
本発明の意味において、用語「油」とは、水に溶解しない脂肪体であって、25℃、大気圧下で液体であるものを意味するものとする。
【0016】
本発明の組成物は、オルガノポリシロキサンエラストマーの搬送に役に立つ少なくとも一つの第一の油および、第一の油と異なる第二の油を含む。これらの油は以下で説明される。
【0017】
第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマー
本発明の意味において、用語「担持される」とは、エラストマーが、少なくとも第一の油中に予め分散されている形態で、特に第一の油中に分散されているエラストマー粒子の均質な混合物の形態で、20℃で少なくとも24時間安定な組成物中に運ばれることを意味するものとする。好ましくは、このエラストマーは、少なくとも第一の油中でゲルの形態である。
【0018】
「オルガノポリシロキサンエラストマー」または「シリコーンエラストマー」という用語とは、粘弾性特性、特にスポンジまたは柔軟な球体の整合性を有する柔軟で変形可能なオルガノポリシロキサンを意味するものとする。その弾性率は、この材料が変形に抵抗し、伸展および収縮を限定する能力を有するようにする。この材料は伸びされた後に元の形状に戻ることができる。
【0019】
さらに具体的には、これは架橋シリコーンエラストマーである。
【0020】
エラストマーは、非乳化エラストマーまたは乳化エラストマーから選択され得る。好ましくは、非乳化エラストマーである。
【0021】
用語「非乳化」とは、親水性鎖を含まない、特にポリオキシアルキレン単位(特にポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン単位)も、ポリグリセリル単位も含まないオルガノポリシロキサンエラストマーと定義される。
【0022】
したがって、オルガノポリシロキサンエラストマーは、以下のようにして得ることができる:
-特に白金触媒の存在下、ケイ素に結合している少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合しているエチレン性不飽和基を有するジオルガノポリシロキサンとの架橋付加反応;
-または、特に有機スズの存在下、ヒドロキシル末端基を有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合している少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサンとの間の架橋、水素化、縮合反応により;
-または、ヒドロキシル末端基を有するジオルガノポリシロキサンと、加水分解性オルガノポリシロキサンとの架橋縮合反応;
-または、特に有機過酸化物触媒の存在下、オルガノポリシロキサンの熱架橋により;
-または、ガンマ線、紫外線または電子ビームのような高エネルギー放射線によるオルガノポリシロキサンの架橋により。
【0023】
好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、特に(C)白金触媒の存在下、(A)それぞれがケイ素に結合している少なくとも二つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素に結合している少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有するジオルガノポリシロキサンとの架橋付加反応によりで得られる。
【0024】
具体的には、オルガノポリシロキサンエラストマーは、特に、白金触媒の存在下、ジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を有するメチル水素ポリシロキサンとの反応により得ることができる。
【0025】
化合物(A)は、オルガノポリシロキサンエラストマーを形成するためのベース試薬であり、架橋は、触媒(C)の存在下、化合物(A)と化合物(B)との付加反応により行われる。
【0026】
化合物(A)は、特に、各分子中に異なるケイ素原子に結合している水素原子を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。
【0027】
化合物(A)は、いずれかの分子構造、特に直鎖または分岐鎖構造または環構造を有し得る。
【0028】
化合物(A)は、特に化合物(B)と混和しやすいように、25℃での粘度が1~50,000センチストークスの範囲であることができる。化合物(A)のケイ素原子に結合する有機基としては、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル;置換アルキル基、例えば2-フェニルプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリル、キシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;および置換一価炭化水素基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基であり得る。
【0029】
化合物(A)は両方とも、トリメチルシロキシ末端基を有するメチル水素ポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を有するジメチルシロキサン-メチル水素シロキサンコポリマー、および環式ジメチルシロキサン-メチル水素シロキサンコポリマーから選択され得る。
【0030】
化合物(B)は、有利には、少なくとも二つの低級アルケニル基(例えばC2-C4)を有するジオルガノポリシロキサンであり;低級アルケニル基は、ビニル、アリルおよびプロペニル基から選択され得る。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子の任意の位置にあることができるが、好ましくはオルガノポリシロキサン分子の末端に位置しない。オルガノポリシロキサン(B)は、分岐鎖、直鎖、環、網状の構造を有することができるが、直鎖の構造が好ましい。化合物(B)は、液体の状態からゴムの状態までの粘度を有することができる。好ましくは、化合物(B)は、25℃で少なくとも100センチストークスの粘度を有する。
【0031】
上記のアルケニル基に加えて、化合物(B)中のケイ素原子に結合する他の有機基は、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはオクチル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリルまたはキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;および置換一価炭化水素基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基、またはメルカプト基であり得る。
【0032】
オルガノポリシロキサン(B)は、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサンメチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を有するジメチルシロキサンメチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を有するジメチルシロキサンメチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を有するメチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、およびジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルシロキサン-メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選択され得る。
【0033】
特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下、ジメチルビニルシロキシ末端基を有するジメチルプロピルシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を有するメチル水素ポリシロキサンとの反応により得ることができる。別の代替案によれば、化合物(B)は、少なくとも二つの低級アルケニル基(例えばC2-C4)を有する不飽和炭化水素化合物であり得て;低級アルケニル基は、ビニル、アリルおよびプロペニル基から選択され得る。これらの低級アルケニル基は、分子上の任意の位置にあってもよいが、好ましくは末端に位置する。例として、ヘキサジエン、特に1,5-ヘキサジエンがある。
【0034】
有利には、化合物(B)の1分子あたりのエチレン基の数と、化合物(A)の1分子あたりのケイ素原子に結合している水素原子の数の和は、少なくとも5である。
【0035】
化合物(A)は、化合物(A)中のケイ素原子に結合している水素原子の総量と化合物(B)中の総エチレン性不飽和基の総量との間の分子比が1,5/1~20/1の範囲であるような量で添加されることが有利である。
【0036】
化合物(C)は、架橋反応触媒であり、具体的には、クロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン複合体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン複合体、クロロ白金酸-ジケトン複合体、白金黒、および担体上の白金などである。触媒(C)は、化合物(A)および(B)の総量1000重量部に対して、清浄な白金金属として0.1~1000重量部、より好ましくは1~100重量部で添加することが好ましい。
【0037】
使用できる非乳化エラストマーの例としては、Dow Chemical Companyより「DOWSIL, 9041」および「DOWSIL, EL -9241 DM」の名称で販売されている、非揮発性油に担持されるようなDOWSILシリコーンエラストマーブレンドの名称で販売されているもの、およびDow Chemical Companyより「DOWSIL EL-8040 ID」、「DOWSIL EL-9140 DM」、「DOWSIL EL-9240 DM」、「DOWSIL EL- 9048」、「DOWSIL 9040」、「DOWSIL 9045」、「DOWSIL EB-9586」、「DOWSIL 9546」の名称で販売されている、揮発性油に担持されるものがある。
【0038】
また、Shin Etsuより「KSG-15」、「KSG-1510」、「USG-1G3」、「USG-106」、「KSG-16」、「KSG-1610」、「KSG-18A」、「KSG-19」、「KSG-016F」、「KSG-41 A」、「K SG -42 A」、「KSG-43」、「KSG-44」、「KSG-042Z」、「SG-045Z」、「KSG Q48Z」の名称で販売されているものに言及してもいいだろう。非揮発性油または弱揮発性油に担持される他の非乳化エラストマーはまた、Grant Industriesより「Gransil DM- 10」、「Gransil DMAM」、「Gransil DMG-20」、「Gransil DMG-6」、「Gransil PM」の名称で販売されており;または、油の混合物中に担持される非乳化エラストマーは、Grant industriesより「Gransil OHS-5」、「Gransil PS-5」の名称で販売されており;または、揮発性油に担持される非乳化エラストマーは、Grant Industriesより「GI CD-10」、「GI CD-11」、「Gransil DMG-」、「Gransil DMG-3」、「Gransil GCM-5」、「Gransil GTS」、「Gransil G VL」、「Gransil GVL-HV」、「Gransil IDS-5」、「Gransil MLB」、「Gransil PC-12」、「Gransil PC-12P」、「Gransil RPS」、「Gransil RPS-D6」、「GI CD-965」、「Gransil DM-5」、「Gransil DMCM-5」、「Gransil DMDM-25」、「Gransil DMDM-35」、「Gransil DMID」、「Gransil DMT3」、「Gransil G AM」の名称で販売されている。
【0039】
具体的には、本発明による組成物は、第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーまたはエラストマーを、組成物の総重量に対して1重量%~10重量%、好ましくは2重量%~7重量%、さらに好ましい方法としては3重量%~6重量%の範囲の乾燥物質(活性成分)で含む。
【0040】
用語「第一の油」とは、オルガノポリシロキサンエラストマーが担持される油を意味するものとする。
【0041】
この第一の油は、非揮発性油および揮発性油、好ましくは非揮発性油から選択される。特に、シリコーン油である。
【0042】
本発明の文脈において、「シリコーン油」とは、少なくとも1個のケイ素原子、特にSi-O基を含む油を意味するものとする。
【0043】
例としては、非揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン鎖の末端に掛けているおよび/またはある少なくとも一つのC2-24、アルキルまたはアルコキシ基を含むポリジメチルシロキサンがある。ポリジメチルシロキサンには、特に、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびこれらの混合物が含まれる。特に、第一の油は、5cSt~100cSt(センチストークス)の粘度の線状のポリジメチルシロキサン;またはこれらの混合物から選択される。
【0044】
非極性油
本発明による化粧品組成物は、前記の第一の油と異なる「第二の油」を少なくとも一つ含む。この第二の油は、非揮発性油または揮発性油、またはこれらの混合物、好ましくは非揮発性油から選択される。
【0045】
本発明による第二の油は、「非極性油(non-polar oil)」別称「非極性油(apolar oil)」である。
【0046】
本発明の意味において、「非極性油」とは、25℃での溶解度パラメータδaが0(J/cm3)1/2に等しい油を意味するものとする。HANSEN三次元溶解度パラメータの定義と計算は、C. M. HANSENによる論文:"The three dimensional solubility parameters" J. Paint Technol. 39, 105 (1967)に記載されている。
【0047】
非極性油は、シリコーン油または炭化水素油であり得る。
【0048】
特に、非極性油は、非極性炭化水素油であり得る。
【0049】
非極性炭化水素油は、鉱物または合成起源の直鎖または分枝鎖炭化水素、例えば:パラフィン油またはその誘導体、スクアラン、イソ-イコサン、ナフタレン油、ポリブチレン、水素化ポリイソブチレン、デセン/ブテンコポリマー、ポリブテン/ポリイソブテンコポリマー、ポリデセンおよび水素化ポリデセン、およびこれらの混合物から選択される。
【0050】
好ましくは、本発明の組成物は、ポリブチレン、水素化ポリイソブチレン、デセン/ブテンコポリマー、ポリブテン/ポリイソブテンコポリマー、水素化ポリデセンおよびポリデセンから選択される少なくとも一つの非極性油、より好ましくは水素化ポリデセンを含む。
【0051】
本発明による非極性油(複数可)の含有量は、一般に、該組成物の総重量の15重量%~45重量%、特に20重量%~40重量%の範囲である。
【0052】
本発明の組成物は、炭化水素油、シリコーン油およびこれらの混合物から選択される他の追加の油をさらに含み得る。
【0053】
本発明による組成物に存在する油の総量は、一般に、組成物の総重量に対して40重量%~70重量%である。
【0054】
シリコーン樹脂でコーティングされているか、またはコーティングされていないオルガノポリシロキサンエラストマー粉末
【0055】
本発明の組成物は、前記の第一の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーと異なるオルガノポリシロキサンエラストマー粉末をさらに含み、該オルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、シリコーン樹脂でコーティングされているか、またはコーティングされていない。有利には、組成物は、シリコーン樹脂でコーティングされている少なくとも一つのシリコーンエラストマー粉末をさらに含む。
【0056】
特定の実施態様によれば、本発明による組成物は、シリコーン樹脂でコーティングされていないオルガノポリシロキサンエラストマー粉末を含み得る。粉末の形態のエラストマーとしては、Dow Corningより「DC9505」、「DC 9506」の名称(INCI名称:ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー)で販売されているものを使用することができる。
【0057】
特定の好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は、例えば、US 5 538 793に記載の、シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂でコーティングされているオルガノポリシロキサンエラストマー粉末を含み得る。そのようなエラストマー粉末は、Shin Etsuより「KSP-100」、「KSP-101」、「KSP-102」、「KSP-103」、「KSP-104」、「KSP-105」の名称(INCI名称「ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー」)で販売されている。
【0058】
好ましくは、シリコーン樹脂でコーティングされているオルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、INCI名称「ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマー」の化合物である。好ましくは、本発明による組成物はさらに、シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂でコーティングされているオルガノポリシロキサンエラストマー粉末を、組成物の総重量に対して0.5重量%~10重量%の範囲、特に、組成物の総重量に対して1重量%~5重量%、好ましくは2重量%~4重量%の範囲の含有量で含み得る。
【0059】
したがって、組成物は、本発明の特定の実施態様によれば、非揮発性油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーと、前記の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーと異なる少なくとも一つのオルガノポリシロキサンエラストマー粉末を共同で含み得て、オルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、有利には、シリコーン樹脂でコーティングされている。
【0060】
油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーおよび、前記の油に担持されるオルガノポリシロキサンエラストマーと異なるオルガノポリシロキサンエラストマー粉末は、該組成物の総重量に対して1重量%~12重量%、特に2重量%~10重量%、好ましくは3重量%~8重量%の範囲の総乾燥物質含有量(活性成分)で存在できる。
【0061】
極性ワックス
本発明による組成物は、少なくとも一つの極性ワックスを含む。
【0062】
本発明の意味において、用語「ワックス」とは、可逆性固体/液体状態変化を起こし、30℃を超える、好ましくは45℃を超える融解温度を有する、25℃で固体化合物であるものを意味するものとする。
【0063】
特に、極性ワックスは、蜜蝋、カルナウバワックス、カンデリラワックス、コットンワックス、米糠ワックス、ヒマワリワックス、ベイワックス(bay wax)、支那蝋(chinese insect wax)、モンタンワックス、ラノリンおよびそのアセチル化アルコール誘導体、エステル化アルコール誘導体、ポリエトキシ化アルコール誘導体、kapokワックス、サトウキビワックス、ヘキシルラウレート、ホホバワックス、セラックワックス、ポリエトキシ化コレステロールエーテル、Koster KeunenよりKester Wax K82Hの商品名で販売されている合成蜜蝋、またはこれらの混合物の一つを含む群から選択される。
【0064】
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、カンデリラワックス、蜜蝋、カルナウバワックス、米糠ワックス、ヒマワリワックス、ホホバワックスおよびこれらの混合物からなる群から選択される一つまたはそれ以上の極性ワックス、好ましくはカンデリラワックスを含む。
【0065】
好ましい実施態様によれば、本発明の組成物は、極性ワックスとして少なくとも一つのカンデリラワックスを含む。
【0066】
本発明の組成物中の極性ワックス含有量は、一般に、該組成物の総重量の0,5重量%~10重量%、好ましくは1重量%~5重量%である。
【0067】
組成物は、非極性ワックスをさらに含み得る。
【0068】
用語「非極性ワックス」とは、炭化水素ワックスおよび/またはシリコーンワックスを意味するものとする。
【0069】
用語「非極性炭化水素ワックス」とは、炭素原子および水素原子のみを含み、酸素、窒素、ケイ素、リンなどのヘテロ原子を含まないワックスを意味するものとする。
【0070】
特に、非極性ワックスとして、単結晶ワックス、パラフィン、オゾケライト、ポリエチレンワックスおよびこれらの混合物、好ましくはポリエチレンワックスを使用することが可能である。
【0071】
用語「非極性シリコーンワックス」とは、ケイ素のヘテロ原子を含むワックスを意味するものとする。
【0072】
非極性シリコーンワックスの例としては、SiltechよりSilwax D2024の名称で販売されているC20-24アルキルジメチコン;Evonik Industries AGよりAbil Waxの名称で販売されているC24-28アルキルジメチコン、またはこれらの混合物の一つがある。
【0073】
本発明の組成物中の非極性ワックス(複数可)含有量は、該組成物の総重量に対して0,5重量%~10重量%、好ましくは2重量%~8重量%の範囲であり得る。
【0074】
特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、極性ワックス、また非極性ワックス、好ましくはポリエチレンワックスから選択されるものをさらに含む。
【0075】
したがって、特定の実施態様によれば、本発明の組成物は、少なくとも一つのカンデリラワックスおよびポリエチレンワックスを含む。
【0076】
特に、本発明による組成物は、組成物の総重量に対して2重量%~15重量%、例えば3重量%~12重量%、好ましくは5重量%~10重量%の範囲の総ワックス含有量を含み得る。
【0077】
特定の実施態様によれば、本発明の組成物中のワックス(複数可)総含有量は、該組成物の総重量に対して5重量%以上である。
【0078】
顔料
本発明のメークアップ組成物はさらに、顔料を該組成物の総重量に対して10重量%以上の含有量で含む。具体的には、顔料は、組成物の総重量に対して10重量%~20重量%、特に11重量%~18重量%の含有量で存在する。
【0079】
これらの含有量により、唇の上で良好なカバー度のメークアップの付着物が可能になる。
【0080】
「顔料」とは、水溶液に不溶な鉱物または有機の白色または着色粒子で、得られる付着物物を着色および/または不透明化することを目的とするものを意味するものとする。これらには、鉱物顔料、有機顔料、および混成顔料(言い換えれば、鉱物および/または有機材料を基礎とする顔料)が含まれ得る。
【0081】
「鉱物顔料」としては、例えば、二酸化チタン;黒色、黄色、赤色および茶色の酸化鉄ならびにマンガンバイオレットがある。
【0082】
「有機顔料」としては、例えば、顔料D & C red no. 19;D & C red no. 9;D & C Red no. 22;D & C Red no. 21;D & C Red no. 28;D & C Yellow no. 6;D & C orange no. 4;D & C orange no. 5;D & C Red no. 27;D & C red no. 13;D & C Red no. 7;D & C Red no. 6;D & C Yellow no. 5;D & C Red no. 36;D & C Red no. 33;D & C orange no. 10;D & C yellow no. 6;;D & C Red no. 30;D &C red no. 3;D &C Blue 1;カーボンブラックおよびコチニールカーマインラッカー(cochineal carmine based lacquer)がある。
【0083】
追加の成分
本発明の組成物は、脂肪性ペースト状物質をさらに含み得る。
【0084】
脂肪性ペースト状物質
用語「脂肪性ペースト状化合物」または「ペースト状化合物」または「脂肪性ペースト状物質」とは、25℃の温度で、液体画分および固体画分を含む非結晶性脂肪性化合物を意味するものとする。
【0085】
ペースト状化合物は、例えば、ラノリンおよびその誘導体、シリコーンポリマー化合物、アルキルメタクリレートコポリマー(好ましくは、C8-C30アルキル基を有する)、C8-C30アルキル基を有するビニルエステルのホモオリゴマーおよびコポリマー、C8-C30アルキル基を有するビニル-エーテルのホモオリゴマーおよびコポリマー、一つまたはそれ以上のC2-C50ジオール、エチレン-オキシドおよび/またはプロピレン-オキシドコポリマーとC6-C30長鎖アルキレンオキシドとの間のポリエーテルにより生成される脂溶性ポリエーテル、ジグリセロールエステル、アラキジルプロピオネート、フィトステロールエステル、C4-C50の分岐状または直鎖のジカルボン酸またはポリカルボン酸とジオールまたはポリオールとの間のポリ縮合により得られる非架橋ポリエステル、水素化ヒマシ油とイソステアリン酸とのエステル化反応により得られるエステル、例えば、水素化ヒマシ油のモノイソステアレート、ジイソステアレートまたはトリイソステアレート、大豆ステロールおよびペンタエリスリトールオキシエチレン(5OE)オキシプロピレン(5OP)の混合物、脂肪酸トリグリセリドおよびその誘導体、シェーバター、カカオバター、マンゴー油またはバター、およびこれらの混合物、からなる群から選択される。
【0086】
特定の実施態様によれば、脂肪ペースト状物質は、シェーバターまたはマンゴーバターである。
【0087】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して0.1重量%~5重量%、例えば0.2重量%~4重量%、好ましくは0.4重量%~2重量%の範囲の含有量のペースト状化合物を有し得る。
【0088】
充填剤
組成物は、シリコーンエラストマー粉末と異なる少なくとも一つの追加の充填剤をさらに含む。
【0089】
本発明の意味において、用語「充填剤」とは、組成物の媒体中に不溶性で分散されている、無色または白色の、鉱物または有機の、天然または合成の、任意の形状の粒子を意味するものとする。これらの充填剤は、特に、組成物のレオロジーまたはテクスチャを補正し、および/または艶消しの効果を提供するのに役立つ。充填剤は、鉱物または有機物であり、板状、球状または長方形の任意の形状であることができる。
【0090】
「充填剤」は、特に、天然または合成起源のシリカ、雲母類、カオリン、酸化亜鉛およびチタン;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび重炭酸マグネシウム;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム;合成ポリマー粉末、例えばポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド(例えばナイロン);ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸粉末、鉱物粉末、例えば球状シリカ;球状二酸化チタン;ガラスおよびセラミックビーズ;天然由来の有機材料粉末、例えば、トウモロコシ、小麦および米の由来の、架橋されているまたは架橋されていないデンプン、およびこれらの混合物から選択される。
【0091】
特定の実施態様によれば、シリカ、セルロース粉末およびこれらの混合物が使用される。
【0092】
本発明による組成物は、組成物の総重量に対して0,5重量%~10重量%、例えば1重量%~8重量%、好ましくは2重量%~7重量%の範囲の含有量の充填剤(複数可)を有し得る。
【0093】
他の着色材
唇メークアップ用組成物は、上記の顔料と異なる追加の「着色材」をさらに含むことができ、水溶性または水不溶性、脂溶性または脂溶性ではない、有機または無機の着色材、光学効果を有する材料およびこれらの混合物から選択され得る。
【0094】
特定の実施態様によれば、一つまたはそれ以上の着色材は、特に、着色剤、真珠層のもの、およびこれらの混合物から選択される。
【0095】
用語「着色剤」とは、食品に使用される着色剤と異なる、化粧品分野で従来から使用されている着色剤を意味するものとする。
【0096】
着色剤
「着色剤」には、Yellow 5、Yellow 6、Blue 1、Green 5、Green 3、Green 6、Orange 4、Red 4、Red 21、Red 22、Red 27、Red 28、Red 33、Red 40、コチニールカーマイン(Cl 15850, Cl 75470)が含まれ得る。脂溶性着色剤は、例えば、スダンブレッド(Sudan red)、D&C Red 17、D&C Green 6、ベータカロチン、スダンブラウン(Sudan brown)、D&C Yellow 11、D&C Violet 2、D&C orange 5、キノリンイエロー(quinoline yellow)およびアナットー(annatto)である。
【0097】
ガレヌス
本発明の組成物は、ケラチン物質のメークアップ組成物、特に唇メークアップ組成物である。
【0098】
本発明の組成物は、一般に、先に定義したような個体組成物である。
【0099】
唇のためのメークアップ組成物は、特に、リップスティック、リップ輪郭ペンシル(lip contour pencil)またはリップバームを含むことができる。
【0100】
特定の好ましい実施態様によれば、固体の唇メークアップ組成物、特にスティックまたはリップスティックである。
【0101】
化粧方法
本発明はまた、唇をメークアップするための化粧方法であって、本発明による組成物を適用することを含む方法に関する。
【0102】
唇に適用される組成物は、好ましくは、固体の唇メークアップ組成物、特にスティックまたはリップスティックである。
【0103】
本発明による方法は、特に、唇をメークアップするのための方法であって、唇に、快適で、艶消しで、乾燥しない、色持ちの良い膜を付着物させることを意図した方法である。
【0104】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって例示される。パーセントは、特に断らない限り、組成物の総重量に対する重量パーセントで表される。
【実施例】
【0105】
実施例1:本発明の組成物における極性ワックスの存在の作用
極性ワックスが存在するもの(本発明)と、極性ワックスが存在しないもの(比較対象)の2つの比較処方を試験した。使用した極性ワックスはカンデリラワックスである。
【0106】
前記の処方の実施態様を評価するとともに、その安定性および官能特性を評価した。
【0107】
【0108】
組成物は、以下のプロトコールに従って調製する:
-油に担持されるシリコーンエラストマー(Dowsil 9241 EL)およびジメチコン100csを95℃で攪拌しながら混合し;該混合物が均質になったところでポリエチレンワックスおよびカンデリラワックスを取込み;
-顔料、水素化ポリデセンおよびレシチンを含む顔料ペースト状物を、ワックスが溶融したときに上記の調製した混合物に加え、次に、攪拌下で粉末を振り掛け(充填剤:シリカシェル、sunsphere H33およびKSP100);
-95℃を超える温度で混合物を金型に注ぎ込む。
【0109】
リップスティックは、いくつかの基準で評価する:
-官能的性質:官能特性、色:組成物は、快適性、艶消し性およびカバー度の性質について官能試験を行う。
-物理化学的性質:硬度試験、破損試験:物理化学的測定は、本発明の組成物の可能な成形、適用中のスティックの強度、およびその破損を確保するものである。実際には、スティックは、20℃で24時間置いておく。次に、ワイヤーを用いてカップから1cmのところで切断して、スティックの硬度を測定する。この作業を3回行い、平均値を出す。硬度により、金型からの離型時、破断時、および適用中のスティックの挙動を予測することが可能である。硬度測定には、テクスチャーアナライザー(TAXT Plus)およびExponentソフトウェアを使用する。得られた値は、グラム力(Gf)で表し、140~190の間でなければならないとする。
-安定性:製品の寿命を再現するために、様々なオーブンで処方をモニターする。これらの加速劣化試験により、製品が経時的に安定であることを確保することができる。また、通常の保管・使用条件下での製品の耐久性も確認することができる。実際には、湿度、4℃と45℃を交互に繰り返すなど、さまざまなオーブンを通過させた後のスティックの安定性を観察する。部品は製造から24時間後に安定化される。試料はそれぞれのオーブンで、24時間、2週間、1ヶ月、3ヶ月といった決められた時間経過後に観察する。色ずれがないこと、滴下、滲出がないこと、スティックの外観の変化(光沢性、艶消し性)を観察する。
【0110】
結果では、本発明の組成物中に極性ワックスが存在することにより、極性ワックスを含まない同じ組成物と比較して、所望の官能的性質および物理化学的性質を有する安定な組成物を得ることが可能であることを示している。
【0111】
この組成物は、形に縛られない(unguided)で快適な構造(時間がたっても締め付けがない)を有するために、むしろ「硬い」構造を有し、高いカバー度を有する艶消しスティックを得ることが可能となる。用語「形に縛られない構造」とは、スティック(リップスティックのチューブ)が機構の外側に存在する状態で適用するための処方を意味するものとする。
【0112】
実施例2:ビロードのような艶消しリップスティック
【表2】
【0113】
この組成物は安定的である。唇に適用した後、唇に適用した後、快適な付着物が得られ、それは艶消しの乾燥していないビロードのような外観である。
【0114】
【0115】
この組成物は安定的である。唇に適用した後、唇に適用した後、快適な付着物が得られ、それは艶消しの乾燥していないビロードのような外観である。
【国際調査報告】