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特表2023-534490モバイルプラットフォームのためのフレキシブルマルチモデムブロードバンド端末
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  • 特表-モバイルプラットフォームのためのフレキシブルマルチモデムブロードバンド端末 図1
  • 特表-モバイルプラットフォームのためのフレキシブルマルチモデムブロードバンド端末 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】モバイルプラットフォームのためのフレキシブルマルチモデムブロードバンド端末
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/185 20060101AFI20230802BHJP
【FI】
H04B7/185
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023502985
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2020070707
(87)【国際公開番号】W WO2022015362
(87)【国際公開日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】62/705,790
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516298445
【氏名又は名称】サフラン パッセンジャー イノベーションズ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】2929 East Imperial Highway, Suite 170, Brea, California 92821(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ブースマート,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】ベリオリ,マッテオ
【テーマコード(参考)】
5K072
【Fターム(参考)】
5K072AA19
5K072BB02
5K072BB13
5K072BB22
5K072BB25
5K072DD01
5K072DD11
5K072DD16
5K072GG33
5K072GG36
(57)【要約】
複数の異なるモデムの接続を可能にするモジュラーブロードバンド端末が提供される。モジュラーブロードバンド端末は、共通のインターフェースを有するメインコネクタボードを含む。モデムは、共通インターフェースおよびモデムのうちの他方とは異なり得る特定のインターフェースを有する。各モデムは、モデムを共通インターフェースと結合するように構成されたコンバータアダプタボードと接続することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラーブロードバンド端末であって、
少なくとも2つの共通インターフェースを有するコネクタボードと、
少なくとも2つのコンバータアダプタボードと、
少なくとも2つのモデムとを備え、
前記少なくとも2つの共通インターフェースの各々が、(a)フレキシブル回路またはケーブルを介して前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方に間接的に接続するか、または(b)前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方を直接受け取ることによって、前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方に接続するように構成されており、
前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方が、前記少なくとも2つのモデムのうちの一方に接続されており、
前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの他方が、前記少なくとも2つのモデムのうちの他方に接続されている、
モジュラーブロードバンド端末。
【請求項2】
前記接続されているモデムが同じである、請求項1に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項3】
前記接続されているモデムが異なる、請求項1に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項4】
前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの少なくとも一方が、フレキシブル回路またはケーブルを介して前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方に間接的に接続されている、請求項1に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項5】
前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方を直接受け取ることによって、前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの少なくとも一方が、前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの一方に接続される、請求項1に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項6】
メインキャリアボードと、
CPUモジュールと、
メインインターフェースボードと、
電源ボードとをさらに備え、
前記メインキャリアボード、CPUモジュール、メインインターフェースボード、および電源ボードの各々が、前記コネクタボードに接続されている、
請求項1に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項7】
前記コネクタボードが、中間周波数(IF)ルーティング回路をさらに備え、前記IFルーティング回路が、前記少なくとも2つのモデムのうちの一方または複数と通信可能に結合するように構成されている、請求項1に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項8】
前記IFルーティング回路が、同軸信号を前記少なくとも2つのモデムのうちの一方から前記少なくとも2つのモデムのうちの他方に切り替えるように構成されている、請求項7に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項9】
前記IFルーティング回路が、前記少なくとも2つのコンバータアダプタボードのうちの1つ以上を介して同軸信号をルーティングするように構成されている、請求項7に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項10】
前記IFルーティング回路が、異なる周波数信号を同じ周波数に変換するように構成されている、請求項7に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項11】
モジュラーブロードバンド端末であって、
少なくとも2つの共通インターフェースを有するコネクタボードと、
前記少なくとも2つの共通インターフェースとは異なる第1のインターフェースを有する第1のモデムと、
前記少なくとも2つの共通インターフェースおよび前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースを有する第2のモデムと、
前記第1のモデムおよび前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの一方と接続するように構成された第1のコンバータアダプタボードと、
前記第2のモデムおよび前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの他方と接続するように構成された第2のコンバータアダプタボードと
を備えるモジュラーブロードバンド端末。
【請求項12】
前記第1および第2のコンバータアダプタボードの各々が、前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの一方および前記第1または第2のインターフェースに直接差し込むように構成されている、請求項11に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項13】
前記第1のコンバータアダプタボードが、フレキシブル回路またはケーブルを介して前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの一方に接続するように構成されている、請求項11に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項14】
前記第2のコンバータアダプタボードが、フレキシブル回路またはケーブルを介して前記少なくとも2つの共通インターフェースのうちの他方に接続するように構成されている、請求項13に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項15】
前記第1のコンバータアダプタボードが、フレキシブル回路またはケーブルを介して前記第1のインターフェースに接続するように構成されている、請求項11に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項16】
前記第2のコンバータアダプタボードが、フレキシブル回路またはケーブルを介して前記第2のインターフェースに接続するように構成されている、請求項15に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項17】
メインキャリアボードと、
CPUモジュールと、
メインインターフェースボードと、
電源ボードとをさらに備え、
前記メインキャリアボード、CPUモジュール、メインインターフェースボード、および電源ボードの各々が、前記コネクタボードに接続されている、
請求項11に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項18】
前記コネクタボードが、前記第1および第2のモデムと通信可能に結合するように構成された中間周波数(IF)ルーティング回路をさらに備える、請求項11に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項19】
前記IFルーティング回路が、同軸信号を前記第1および第2のモデムのうちの一方から前記第1および第2のモデムのうちの前記他方に切り替えるように構成されている請求項18に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項20】
前記IFルーティング回路が、前記第1および第2のアダプタボードの一方または両方を介して同軸信号をルーティングするように構成されている、請求項18に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項21】
少なくとも2つの異なるモデムに接続するためのコネクタボードであって、前記コネクタボードが、少なくとも2つの共通インターフェースを備え、
前記少なくとも2つの共通インターフェースの各々が、(a)フレキシブル回路またはケーブルを介してコンバータアダプタボードに間接的に接続するか、または(b)コンバータアダプタボードを受け取ることによって、コンバータアダプタボードに直接接続するように構成されている、
コネクタボード。
【請求項22】
モジュラーブロードバンド端末であって、
第1および第2の共通インターフェースを有するコネクタボードであって、前記第1および第2のインターフェースの各々が、コンバータアダプタボードを受け取るように構成されている、コネクタボードと、
第1のコンバータアダプタボードと、
第1のモデムとを備え、
前記第1および第2の2つの共通インターフェースのうちの一方が、(a)フレキシブル回路またはケーブルを介して前記第1のコンバータアダプタボードと間接的に、または(b)前記第1のコンバータアダプタボードを直接受け取ることによって、前記第1のコンバータアダプタボードと直接結合されるように構成されており、
前記第1のコンバータアダプタボードが前記第1のモデムに接続されている、
モジュラーブロードバンド端末。
【請求項23】
第2のコンバータアダプタボードと、
第2のモデムとをさらに備え、
前記第1および第2の2つの共通インターフェースのうちの前記他方が、(a)フレキシブル回路またはケーブルを介して前記第2のコンバータアダプタボードと間接的に、または(b)前記第2のコンバータアダプタボードを直接受け取ることによって、前記第2のコンバータアダプタボードと直接結合されるように構成されている、
請求項22に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項24】
前記第1のモデムと前記第2のモデムが異なる、請求項23に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項25】
前記第1および第2の2つの共通インターフェースのうちの前記一方が、前記フレキシブル回路またはケーブルを介して前記第1のコンバータアダプタボードに間接的に接続されている、請求項22に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項26】
前記第1のコンバータアダプタボードを直接受け取ることによって、前記第1および第2の2つの共通インターフェースのうちの前記一方が、前記第1のコンバータアダプタボードに接続される、請求項22に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項27】
メインキャリアボードと、
CPUモジュールと、
メインインターフェースボードと、
電源ボードとをさらに備え、
前記メインキャリアボード、CPUモジュール、メインインターフェースボード、および電源ボードの各々が、前記コネクタボードに結合されている、
請求項22に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項28】
前記コネクタボードが、中間周波数(IF)ルーティング回路をさらに備え、前記IFルーティング回路が、前記第1のモデムと通信可能に結合するように構成されている、請求項22に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項29】
前記コネクタボードが、中間周波数(IF)ルーティング回路をさらに備え、前記IFルーティング回路が、前記第1および第2のモデムと通信可能に結合するように構成されており、前記IFルーティング回路が、同軸信号を前記第1のモデムから前記第2のモデムに切り替えるように構成されている、請求項23に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項30】
前記IFルーティング回路が、前記第1の2つのコンバータアダプタボードを介して同軸信号をルーティングするように構成されている、請求項28に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【請求項31】
前記IFルーティング回路が、異なる周波数信号を同じ周波数に変換するように構成されている、請求項29に記載のモジュラーブロードバンド端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月15日に出願された米国仮特許出願第62/705,790号の利益を主張する。このおよび他のすべての参照された外部資料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる文献における用語の定義または使用が、本明細書に提供されるその用語の定義と矛盾する場合または反する場合、本明細書に提供されるその用語の定義は、支配的であるものとみなされる。
【0002】
本発明の分野は、ブロードバンド端末である。
【背景技術】
【0003】
以下の説明は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書で提供される情報のいずれも、従来技術であるか、または現在特許請求されている発明に関連すること、または具体的にもしくは暗黙的に参照される任意の出版物が従来技術であることを認めるものではない。
【0004】
インターネット接続に対する需要が継続的に増加するにつれて、衛星(ブロードバンド)端末は、ますます多くの航空機および他の車両に設置されるようになってきている。データの受信および送信のために、衛星モデムが典型的に必要とされる。典型的には、ブロードバンド端末は、単一のモデムカードに制限されており、その使用は特定のネットワークシステムまたはプロバイダに制限されている。この状況では、インターネット接続を保証するために、車両は、世界の特定の地域および/または特定の衛星システムに制約されることになる(より良いサービスが利用可能になったとしても)。
【0005】
例えば、航空機用に設計されたブロードバンド端末の場合、長距離飛行では、衛星システムの変更が必要なことがあり、または全飛行中にインターネット接続が提供されないことがあり得る。そのようなブロードバンド端末は、ARINC規格791および792に従って構成され、モデムマネージャ(ModMan)として指定された列線交換ユニット(LRU:Line Replaceable Unit)を指す。ModManの構成は、現在、ブロードバンド端末ごとに単一のモデムに制限されており、その結果、ModManは、通常、特定の衛星システムまたはコンステレーションへの接続のみを許可する。
【0006】
したがって、この例では、複数の衛星システムのサポートは、複数のモデムの使用を必要とする。一般に、これにより、より多くのユニットが使用されることになり、航空機内により多くのスペースが必要になり、重量がさらに増加することになる。また、複数のモデムを使用することは、特に、一般的に異なるインターフェース(例えば、イーサネット接続、シリアルインターフェースなど)を提供するモデムでは、複数の設計および開発を伴う。これはまた、認証および資格証明活動に起因するコストを増加させる可能性もある。
【0007】
別の問題は、モデムベンダーがモデムカード上に異なるインターフェースを実装することが多いことである。例えば、イーサネットインターフェースの数、およびイーサネットインターフェースのタイプ(例えば、100BASE-T、SGMII)、ならびに離散信号入力および離散信号出力の数、ステータス表示のためのLEDなどが異なる場合がある。
【0008】
最新の実装では、新しいモデムカードの各統合は、モデムカードが差し込まれるModMan内のプリント回路基板(PCB)の再設計を必要とする。モデムカードがPCBに直接差し込まれず、代わりにケーブルを介して接続される場合であっても、ModManのPCBは、新しいモデムカードを接続するケーブルを受け取るために必要なインターフェースを提供しなければならない。
【0009】
これは、既存のModMan PCBおよびModManハードウェアの大幅な再設計を必要とする可能性があり、これは、技術的努力のための過剰なコストと、数十の異なる部品番号のバリエーションを管理し、維持する管理費とを意味する。
【0010】
本明細書で識別されるすべての出版物は、各個々の出版物または特許出願が、参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されている場合と同じ程度に、参照により組み込まれる。組み込まれた参考文献における用語の定義または使用が、本明細書に提供されるその用語の定義と矛盾するかまたは反する場合、本明細書に提供されるその用語の定義が適用され、参考文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0011】
したがって、PCBまたは他のハードウェアの再設計を必要とすることなく、複数の異なるモデムに対応することができるモジュラーブロードバンド端末が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0012】
本発明の主題は、異なるインターフェースを有し得る複数のモデムとインターフェースするように構成されたモジュラーブロードバンド端末のための装置、システム、および方法を提供する。好ましいモジュラーブロードバンド端末は、ブロードバンド端末の交換を必要とせずに、異なるモデムおよび/または新しいモデムを容易に統合し、経時的にサポートすることができるように構成され、それによってブロードバンド端末の大幅な再設計を回避する。
【0013】
上述のように、現在のブロードバンド端末に関する主要な問題は、例えば、特定の数のイーサネットインターフェース(100BASE-T、SGMII)、シリアル接続のタイプ、もしあれば、離散入力/出力信号の数、ステータスインジケータ(例えばLED)などを含む特定のインターフェースを有する各サービスまたはプロバイダのための専用モデムを使用することである。このようにして、新しいモデムカードを統合するたびに、モデムカードが適切に機能することを確実にするために、電子パッケージの特定の構成が必要となる。
【0014】
本発明の主題の企図されるブロードバンド端末は、異なるモデムに共通する十分に多数の通信インターフェース(例えば、イーサネットポート、離散入力/出力、シリアル通信、ステータスインジケータ)を提供するように構成されている。これらのインターフェースは、専用プリント回路基板(PCB)および/またはフレキシブル回路(例えば、Starrflex)および/またはケーブルを受け取る/差し込むことを可能にするコネクタ(例えば、メザニンコネクタ)を介してアクセスすることができる。
【0015】
異なるモデムに対応するために、各モデムは、ブロードバンド端末の共通インターフェースとモデムのインターフェースとの間の接続/変換を提供することができる別個のモジュールを有することができる。モジュールは、例えば、PCBまたは他の構成要素とすることができ、本明細書ではコンバータアダプタボード(CAB)と呼ばれる。CABは、有利には、各モデムがブロードバンド端末に統合され、端末の電子パッケージと正しくインターフェースすることを可能にする。加えて、モデムごとに個々のCABを使用することは、端末のコアPCBの大幅な再設計が必要ないので、端末が新しいモデムカードに適応することを可能にしながら、エンジニアリングコストを大幅に低減することができる。
【0016】
端末に存在する必須の電子パッケージの基本的な共通設計、共通インターフェースへのアクセスを可能にするコネクタ、および共通インターフェースから特定のインターフェース(例えば、CAB)への変換を確実にする回路を利用することによって、有利には、単一の端末に1つ以上のモデムを統合するための十分な柔軟性および適応性が提供される。これは、有利には、複数のモデムを使用するために必要とされる端末の数を減らし、設計および開発の観点から、また、適用可能な場合には、認証および資格証明の観点から、コストを減らすことによって、従来技術の端末と比べてかなりのメリットを提供する。
【0017】
本発明の主題は、以下の実施形態においてさらに詳述される。
【0018】
モジュラーブロードバンド端末は、少なくとも2つの共通インターフェースを有するメインコネクタボードと、少なくとも1つのコンバータアダプタボードと、少なくとも1つのモデムとを含む。いくつかの実施形態では、端末は、少なくとも2つのコンバータアダプタボードと、少なくとも2つのモデムとを含み得る。少なくとも2つの共通インターフェースのうちの少なくとも一方は、(a)フレキシブル回路またはケーブルを介して1つのコンバータアダプタボードに間接的に接続するか、または(b)コンバータアダプタボードを直接受け取ることによって、1つのコンバータアダプタボードに接続するように構成されている。各コンバータアダプタボードは、直接または間接的に1つのモデムに接続される。接続されるモデムは、同じであっても異なっていてもよい。
【0019】
モジュラーブロードバンド端末は、メインキャリアボードと、CPUモジュールと、メインインターフェースボードと、電源ボードとのうちの1つ以上も含み得る。これらの構成要素の各々は、ブロードバンド端末のコネクタボードに接続することができる。
【0020】
モジュラーブロードバンド端末は、少なくとも1つのモデムと通信可能に結合するように構成された中間周波数(IF)ルーティング回路も含み得る。
【0021】
モジュラーブロードバンド端末が少なくとも2つのモデムを備える場合、IFルーティング回路は、同軸信号を少なくとも2つのモデムのうちの一方から少なくとも2つのモデムのうちの他方に切り替えるように構成され得る。代わりに、または加えて、IFルーティング回路は、少なくとも1つのコンバータアダプタボードを介して同軸信号をルーティングするように構成され得る。IFルーティング回路はまた、ブロードバンド端末からの信号の送信などのために、異なる周波数信号を同じ周波数に変換するように構成され得る。
【0022】
別の実施形態は、モジュラーブロードバンド端末を対象とし、モジュラーブロードバンド端末は、少なくとも2つの共通インターフェースを有するメインコネクタボードと、少なくとも2つの共通インターフェースとは異なる第1のインターフェースを有する第1のモデムと、少なくとも2つの共通インターフェースおよび第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースを有する第2のモデムと、第1のモデムおよび少なくとも2つの共通インターフェースのうちの一方と接続するように構成された第1のコンバータアダプタボードと、第2のモデムおよび少なくとも2つの共通インターフェースのうちの他方と接続するように構成された第2のコンバータアダプタボードとを含む。第1および第2のコンバータアダプタボードの各々は、少なくとも2つの共通インターフェースのうちの一方および第1または第2のインターフェースに直接差し込むように構成することができ、あるいは代わりに、ボードは、フレキシブル回路またはケーブルを介して少なくとも2つの共通インターフェースのうちの一方に接続するように構成することができる。
【0023】
モジュラーブロードバンド端末は、メインキャリアボードと、CPUモジュールと、メインインターフェースボードと、電源ボードとのうちの1つ以上をさらに含み得る。これらの構成要素の各々は、メインコネクタボードに接続することができる。コネクタボードは、第1および第2のモデムと通信可能に結合するように構成された中間周波数(IF)ルーティング回路をさらに含み得る。IFルーティング回路は、同軸信号を第1および第2のモデムのうちの一方から第1および第2のモデムのうちの他方に切り替えるように構成され得る。また、代わりに、または加えて、IFルーティング回路は、第1および第2のアダプタボードの一方または両方を介して同軸信号をルーティングするように構成されている。
【0024】
上記の実施形態の各々において、メインコネクタボードの少なくとも2つの共通インターフェースの各々は、(a)フレキシブル回路またはケーブルを介してコンバータアダプタボードに間接的に接続するか、または(b)コンバータアダプタボードを受け取ることによって、コンバータアダプタボードに直接接続するように構成されている。
【0025】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様、および利点は、同様の数字が同様の構成要素を表す添付の図面とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】2つのモデムを有するモジュラーブロードバンド端末の概略的な一実施形態を示す図である。
図2】航空機で使用される図1のモジュラーブロードバンド端末の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の議論を通して、サーバ、サービス、インターフェース、ポータル、プラットフォーム、またはコンピューティングデバイスから形成される他のシステムに関して、多数の言及がなされる。そのような用語の使用は、コンピュータ可読の有形の非一時的媒体上に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを表すと見なされることを理解されたい。例えば、サーバは、説明された役割、責任、または機能を果たすように、ウェブサーバ、データベースサーバ、または他のタイプのコンピュータサーバとして動作する1つ以上のコンピュータを含むことができる。
【0028】
以下の議論は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、本発明の要素の単一の組合せを表すが、本発明の主題は、開示された要素のすべての可能な組合せを含むと考えられる。したがって、一実施形態が要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態が要素BおよびDを含む場合、本発明の主題は、明示的に開示されていなくても、A、B、C、またはDの他の残りの組合せも含むと見なされる。
【0029】
本明細書で説明するモジュラーブロードバンド端末は、コネクタボードおよび他の構成要素の設計および/または再設計に関連する複雑さ、時間遅延、およびコストを大幅に低減し、その結果、端末は、異なるタイプのモデムに容易に対応することができる。加えて、異なるタイプのモデムに対応できる1つの端末を有することで、これらの端末を収容するために必要とされる重量およびスペースが低減する。この最後のメリットは、スペースが限られている航空機に見られる端末に特に有益である。
【0030】
衛星固有のモデムは各々、固有の規格を有する。すべてのベンダーは、独自のインターフェースおよび個別の波形信号を有する。本発明者らの発見の一側面は、現在および将来のモデムで機能することができる共通インターフェースを使用することである。
【0031】
図1では、主電子パッケージ102を備えるモジュラーブロードバンド端末100の好ましい実施形態が示されている。主電子パッケージ102は、1つ以上の共通インターフェース104、好ましくは、1つ以上のモデムが結合され得る少なくとも2つの共通インターフェースを備える。好ましくは、端末100は、異なるタイプのモデムをサポートするために、十分な数の、および/または様々なインターフェースを提供するように構成される。端末に結合された2つのモデムが示されているが、単一のモデムまたは3つ以上のモデムが、本明細書に記載された本発明の範囲から逸脱することなく端末に結合され得ることが企図される。重要な機能は、端末自体を交換する必要なく、追加のモデムの追加、およびモデムのより新しいまたは異なるタイプのものへの交換が可能なことである。
【0032】
複数のモデムの使用は、異なる無線周波数(RF)送信と受信信号(TxおよびRx)との間で選択/切り替えを行う能力を必要とする。これは、Tx経路を切り替える/組み合わせる、および/またはRx信号を切り替える/分割する専用回路を介して実現することができる。これを達成するために、主電子パッケージ102は、モデム108A、108B、および任意の他のモデムから/への送信および/または受信を確実にするための送信(Tx)スイッチ/コンバイナ114および/または受信機(Rx)スイッチ/スプリッタ116をさらに備える。送信スイッチ/コンバイナおよび受信スイッチ/スプリッタは、送信のために信号を結合し、受信信号を分割することができる。
【0033】
コンバータ/アダプタボード(CAB)は、モデムと主電子パッケージ102との間のインターフェースを容易にすることができる。図1に示すように、CABは、モデムに直接差し込む(すなわち、CAB106Aをモデム108Aのインターフェース110Aに差し込む)か、または主電子パッケージ102に直接差し込む(すなわち、CAB106Bをインターフェース104に差し込む)ことができる。
【0034】
CAB106Aは、フレキシブル回路および/またはケーブル112Aを介して共通インターフェース104に接続することができる。同様に、CAB106Bは、フレキシブル回路および/またはケーブル112Bを介してモデム108Bのインターフェース110Bに接続することができる。このようにして、モデム108Bは、例えば、モデム108Bがすべての信号に対して1つの共通プラグを提供するのではなく、異なる信号に対して個々のケーブルおよびプラグを提供する(例えば、各イーサネット接続に対して専用のRJ45プラグ)状況など、ケーブルによってCAB106Bに接続することができる。
【0035】
したがって、CAB106A、106Bは、各CABがモデムに直接差し込まれること、ならびに/またはケーブルおよび/もしくはフレキシブル回路に差し込まれることを可能にするように構成され得る。これは、電子/電気的側面に関してだけでなく、機械的属性(フォームファクタ、熱放散など)に関しても、モジュール性および適応性を可能にする。
【0036】
CAB106A、106Bは各々、好ましくは、必要に応じて、シグナリングの変換(例えば、離散オン/オフレベルからRS422電圧レベル、TTL変換からRS232またはRS422など)を実行する。しかしながら、CAB106A、106Bは、そのような変換に限定されず、特定の通信層を適応させるなど、他の目的のために、1つ以上のマイクロプロセッサを含むこともできる。
【0037】
図2は、図1の端末に基づく航空機における使用事例を示し、さらに、CAB(モデムA)に、またはモデム(モデムB)に直接、IF信号がどのようにルーティングされ得るかを示す。航空機が示されているが、本明細書に記載されるシステムおよび方法は、列車、ボート、バス、および他の車両において使用され得ることが企図される。
【0038】
モデムマネージャ(ModMan)200は、モデム216Aおよび216Bと、メインキャリアボード202、CPUモジュール204、メインインターフェースボード206、および電源208を有する電子パッケージとを備える。図示のように、これらの構成要素のすべては、バックプレーンコネクタボード210と結合することができる。バックプレーンコネクタボード210は、ARINC600コネクタであることが企図されるが、特定の用途に依存し得る。バックプレーンコネクタボード210は、有利には、イーサネットポート、離散入力、離散出力、シリアル通信インターフェース、ステータス表示などの十分に多数の通信インターフェースを備えたインターフェースを提供する。
【0039】
図1と同様に、モデムの各々は、共通インターフェース212を介してModMan200とインターフェースするためにCABを利用することができる。この場合も、端末に結合された2つのモデムが示されているが、単一のモデムまたは3つ以上のモデムが、本明細書に記載された本発明の範囲から逸脱することなく端末に結合され得ることが企図される。
【0040】
CAB214Aは、モデム216Aに差し込まれて示されており、CAB214Aは、フレキシブル回路および/またはケーブル218Aを介して共通インターフェース212に接続され得る。CAB214Bは、共通インターフェース212に差し込まれて示されており、CAB214Bは、フレキシブル回路および/またはケーブル218Bを介してモデム216Bに接続され得る。上述のように、各CABは、統合されるモデムとは別個であり得ることが企図される。CABは、有利には、モデム信号を、BCBコネクタ上に設けられた通信インターフェースに相互接続することを可能にする。これを行うために、シグナリングの適応が必要とされ得る(例えば、個別のTTLレベルオン/オフ信号をRS422電圧レベルに変換する、TTLシリアル通信電圧レベル間をRS232またはRS422に変換するなど)。
【0041】
このようにして、ModMan200内のスペースをより効率的かつフレキシブルに使用することができ、フレキシブルPCBまたはケーブル218A、218Bを使用することによって、CAB214A、214Bおよび/またはモデム216A、216BをBCB210から遠ざけることができる。
【0042】
複数のモデム216A、216BがModMan200に接続される可能性のために、バックプレーンコネクタボード210は、同軸信号を一方のモデムから他方に(例えば、モデム216Aからモデム216Bに、またはその逆に)切り替えるための「IFルーティング」回路220をさらに備えることができる。IF信号は、フレキシブル同軸ケーブルを介してモデム216A、216Bからルーティングすることができる。しかしながら、他の実施形態では、特にスペースの最適化が必要とされる場合、IF信号は、それぞれCAB214A、214Bを介してルーティングすることができる。
【0043】
本明細書に記載される本発明の主題は、衛星通信用に設計されていないモデムとともに使用することもできる。例えば、LTEベースの直接空対地(ATG)または他のシステムおよび波形のためのモデムは、モデムが同軸を使用してIF信号(RFではなく、高電力信号)を中継する限り、利用され得、一般的なインターフェースは、ModManとシグナリングを交換するために利用され得る。
【0044】
本明細書で使用される場合、文脈が別段の指示をしない限り、「~に結合される」という用語は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)および間接結合(少なくとも1つの追加の要素が2つの要素の間に位置する)の両方を含むことが意図される。したがって、「~に結合される」および「~と結合される」という用語は、同義語として使用される。
【0045】
文脈が反対を示さない限り、本明細書に記載されるすべての範囲は、その終点を含むものとして解釈されるものとし、オープンエンドの範囲は、商業的に実用的な値のみを含むものと解釈されるものとする。同様に、値のすべてのリストは、文脈が反対を示さない限り、中間値を含むと見なされるものとする。
【0046】
本明細書の説明および以下の特許請求の範囲で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の意味は、文脈が明らかに別段の指示をしない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の説明で使用される場合、「in」の意味は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、「in」および「on」を含む。
【0047】
本明細書における値の範囲の列挙は、単に、その範囲内に入る各別個の値を個々に参照する簡潔な方法としての役割を果たすことを意図している。本明細書に別段の指示がない限り、ある範囲を有する各個々の値は、あたかも本明細書に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書の特定の実施形態に関して提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより明瞭にすることを意図しており、そうでなければ特許請求される本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な、特許請求されていない要素を示すものと解釈されないものとする。
【0048】
本明細書に開示される本発明の代替的な要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されないものとする。各グループのメンバーは、個々に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組合せで参照し、特許請求することができる。利便性および/または特許性の理由で、グループの1つ以上のメンバーは、グループに含まれたり、またはグループから削除されたりすることがある。任意のそのような包含または削除が生じた場合、本明細書は、修正されたグループを含むとみなされ、したがって、添付の特許請求の範囲で使用されるすべてのマーカッシュ群の記述を満たす。
【0049】
本明細書の発明概念から逸脱することなく、すでに説明したもの以外のさらに多くの修正が可能であることは、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の主旨を除いて、限定されないものとする。さらに、本明細書と特許請求の範囲の両方の解釈において、すべての用語は、文脈と一致する可能な限り広い方法で解釈されるものとする。特に、「備える(comprises)」および「備える(comprising)」という用語は、非排他的な方法で要素、構成要素、またはステップを指すものとして解釈されるものとし、言及された要素、構成要素、またはステップが、明示的に言及されていない他の要素、構成要素、またはステップと存在し、利用され、または組み合わされ得ることを示す。明細書の請求項が、A、B、C…、およびNからなるグループから選択されるものの少なくとも1つに言及する場合、本文は、A+N、またはB+Nなどではなく、グループからの1つの要素のみを必要とするものとして解釈されるものとする。
図1
図2
【国際調査報告】