(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】消毒デバイスを伴う乗客輸送システムおよび同システムを動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
B66B 31/02 20060101AFI20230802BHJP
A61L 2/24 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
B66B31/02 A
A61L2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023503099
(86)(22)【出願日】2021-06-17
(85)【翻訳文提出日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2021066516
(87)【国際公開番号】W WO2022012855
(87)【国際公開日】2022-01-20
(32)【優先日】2020-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】390040729
【氏名又は名称】インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】へベーレ,ウルリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】クレーバイン,ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】バーゲンライトナー,ゲオルク
【テーマコード(参考)】
3F321
4C058
【Fターム(参考)】
3F321HA23
3F321HA31
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD02
4C058DD03
4C058DD11
4C058DD13
4C058DD14
4C058KK02
(57)【要約】
乗客輸送システム(1)および同システムを動作させる方法が説明される。乗客輸送システムは、建物構造(5)内で乗客を搬送するための乗客搬送デバイス(13)と、乗客搬送デバイス(13)の動作を制御するための制御ユニット(15)と、乗客搬送デバイス(13)上の消毒される表面(41)を消毒するための消毒デバイス(23)とを備える。消毒デバイス(23)は、消毒デバイス(23)の動作を制御するためのコントローラ(25)を備える。乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、消毒デバイス(23)の現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号がコントローラ(25)から制御ユニット(15)に送られ、制御ユニット(15)は、受信したステータス信号を考慮して制御信号を生成し、それらをコントローラ(25)に送信し、コントローラ(25)は、受信した制御信号を考慮して消毒デバイス(23)の動作を制御するように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客搬送デバイス(13)上の表面(41)を消毒するための消毒デバイス(23)であって、この乗客搬送デバイス(13)は乗客輸送システム(1)の一部であり、建物構造(5)内で乗客を搬送するために使用され、
消毒デバイス(23)は、消毒デバイス(23)の動作を制御するためのコントローラ(25)を備え、
消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、双方向通信システム(33)を介して乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)に接続されるように適合され、
消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、消毒デバイス(23)の現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号を制御ユニット(15)に送り、受信したステータス信号を考慮に入れて乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)によって生成された制御信号を受信するように適合され、コントローラ(25)は、受信した制御信号を考慮に入れて消毒デバイス(23)の動作を制御し、
消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、消毒デバイス(23)が消毒される表面(41)を消毒する消毒強度を、乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)によってコントローラ(25)に送信され、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータを示す制御信号に応じて、制御するように適合されることを特徴とする、消毒デバイス。
【請求項2】
乗客輸送システム(1)であって、
建物構造(5)内で乗客を搬送するための乗客搬送デバイス(13)と、
乗客搬送デバイス(13)の動作を制御するための制御ユニット(15)と、
乗客搬送デバイス(13)上の消毒される表面(41)を消毒するための、請求項1に記載の消毒デバイス(23)と
を備え、
消毒デバイス(23)は、消毒デバイス(23)の動作を制御するためのコントローラ(25)を備え、
消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、双方向通信システム(33)を介して乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)に接続され、
乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、消毒デバイス(23)の現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号がコントローラ(25)から制御ユニット(15)に送られるように適合され、制御ユニット(15)は、受信したステータス信号を考慮に入れて制御信号を生成し、それらをコントローラ(25)に送信し、コントローラ(25)は、受信した制御信号を考慮に入れて消毒デバイス(23)の動作を制御し、
消毒デバイス(23)のコントローラ(25)が、消毒デバイス(23)が消毒される表面(41)を消毒する消毒強度を、乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)によってコントローラ(25)に送られ、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータを示す制御信号に応じて、制御するように適合されることを特徴とする、乗客輸送システム。
【請求項3】
制御ユニット(15)は、コントローラ(25)から受信したステータス信号を考慮に入れて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータの設定値を示す制御信号を生成する、
請求項2に記載の乗客輸送システム。
【請求項4】
消毒デバイス(23)は、新しい状態において、消毒される表面(41)の十分な消毒に必要な最小消毒強度よりも大きい消毒強度を最大消毒強度としてもたらすことができるように適合され、
乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および/または消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、最小消毒強度を上回る消毒強度で通常動作において消毒デバイス(23)を動作させ、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータを連続的に増加させるように適合される、
請求項2または3に記載の乗客輸送システム。
【請求項5】
乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および/または消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、消毒デバイス(23)の起動からの動作時間に応じて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータを増加させるように適合される、
請求項2から4のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項6】
消毒デバイス(23)は、消毒強度と相関する測定変数を検出するためのセンサ(29)をさらに備え、
乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および/または消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、センサ(29)によって検出された測定変数に応じて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータを増加させるように適合される、
請求項2から5のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項7】
乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および/または消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、センサ(29)によって検出された測定変数に応じて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータを調整するように適合される、
請求項2から6のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項8】
現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイス(23)の動作パラメータは監視され、動作パラメータが所定の閾値を超える場合、消毒デバイス(23)の耐用年数の終わりが近づいていることを示す警告信号が出力される、
請求項2から7のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項9】
消毒デバイス(23)は、消毒デバイス(23)の内部の温度を検出するため、および/または消毒デバイス(23)に隣接する環境の温度を検出するためのセンサ(31)をさらに備え、
乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)および/または消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、センサ(31)によって検出された温度に応じて消毒デバイス(23)の動作を制御するように適合される、
請求項2から8のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項10】
消毒デバイス(23)のコントローラ(25)は、センサ(29、31)によって決定された測定変数および/またはセンサ(29、31)によって決定された測定変数と相関するデータ信号を乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)に送るように適合される、
請求項6または9に記載の乗客輸送システム。
【請求項11】
乗客輸送システム(1)は、乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)から遠隔配置されたコンピュータ(35)にデータを送り、および/または乗客輸送システム(1)の制御ユニット(15)による受信のために遠隔配置されたコンピュータ(35)からデータを提供するように適合されたインターフェースデバイス(37)をさらに備える、
請求項2から10のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項12】
制御ユニット(15)は、乗客搬送デバイス(13)が動作する速度および/または乗客搬送デバイス(13)によって搬送される乗客の数に関する情報を考慮に入れて制御信号を生成する、
請求項2から11のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項13】
消毒デバイス(23)は、人間によって知覚されることができ、消毒デバイス(23)の現在の状態を示す信号を出力するように適合された、出力デバイス(39)をさらに備える、請求項2から12のいずれか一項に記載の乗客輸送システム。
【請求項14】
コントローラ(25)から制御ユニット(15)に、消毒デバイス(23)の現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号を送信することと、
受信したステータス信号を考慮に入れて制御ユニット(15)からコントローラ(25)に送信された、受信した制御信号を考慮に入れて消毒デバイス(23)の動作を制御することと
を含み、
さらに、ステータス信号は、任意選択的に、制御ユニット(15)から遠隔配置されたコンピュータ(35)に送られ、そこで処理され、ならびに/またはさらに、制御信号は、任意選択的に、遠隔配置されたコンピュータ(35)から制御ユニット(15)に、および制御ユニットからさらにコントローラ(25)に送信されて、消毒デバイス(23)の動作を制御する、
請求項2から13のいずれか一項に記載の乗客輸送システム(1)を動作させるための方法。
【請求項15】
乗客輸送システム(1)のデジタルツインが、遠隔配置されたコンピュータ(35)に記憶され、乗客輸送システム(1)の特性が、消毒デバイス(23)のコントローラ(25)によって送信されたステータス信号を考慮に入れて、乗客輸送システム(1)のデジタルツインに基づいて決定される、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客輸送システム、特に消毒デバイスを有する乗客輸送システム、およびそのような乗客輸送システムを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗客輸送システムは、建物または構造内で人を輸送するために使用される。乗客輸送システムは、例えば、エスカレータ、動く歩道、またはエレベータの形態で構成されることができる。
【0003】
ウイルス、バクテリアおよび/または微生物の形態の細菌は、乗客輸送システムの表面に蓄積する可能性がある。乗客輸送システムの乗客へのそれらの伝染を防止するために、消毒デバイスが乗客輸送システムに設けられることができる。消毒デバイスは、例えばその上に位置する細菌を死滅させるおよび/または除去することによって、関連する表面を消毒するように設計されることができる。
【0004】
消毒デバイスの1つの可能な設計は、殺菌電磁放射線を放出する、発光ダイオード(LED)などの光源を利用する。例えば、いわゆるUVC LEDがこの目的のために使用されることができ、これはUVC放射とも呼ばれ、典型的には100~300nm、通常は180~260nmの波長範囲を有する、高エネルギー紫外線を放射する。
【0005】
本特許出願の出願人によって先に出願された欧州特許出願第201655628号明細書は、手摺り消毒デバイスの形態の消毒デバイスを装備した、エスカレータまたは動く歩道の形態の乗客輸送システムを説明している。手摺り消毒デバイスは、好ましくは、UVC LEDを使用して、様々な方向から手摺りを照射し、したがって消毒する。先の特許出願で手摺り消毒デバイスについて説明したのと同様の実施形態は、本特許出願で説明した乗客輸送システムの消毒デバイスについても実施されることができる。先の特許出願の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれることが意図されている。
【0006】
また、特開2017220328号公報には、LEDの耐用年数を推定するためのデバイスが説明されている。中国特許出願公開第106608587号明細書は、手摺りに一体化された消毒デバイスおよびセンサを伴う乗客輸送システムを開示している。乗客輸送システムの制御ユニットは、通信モジュールを介してセンサおよび消毒デバイスに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第201655628号明細書
【特許文献2】特開2017-220328号公報
【特許文献3】中国特許出願公開第106608587号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ほとんど手間をかけずに乗客輸送システムを確実に動作させることを可能にし、特に、確実にならびに低い保守要件および低コストで乗客輸送システム上の表面を消毒することを可能にする乗客輸送システムおよび同システムを動作させるための方法が必要とされ得る。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのような必要性は、独立請求項のいずれかによる主題によって満たされることができる。有利な実施形態は、従属請求項ならびに以下の説明において定義される。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、建物構造内で乗客を搬送するための乗客搬送デバイスと、乗客搬送デバイスの動作を制御するための制御ユニットと、乗客搬送デバイス上の消毒される表面を消毒するための消毒デバイスとを備える乗客輸送システムが提案されている。消毒デバイスは、消毒デバイスの動作を制御するためのコントローラを有する。消毒デバイスのコントローラは、双方向通信システムを介して乗客搬送デバイスの制御ユニットに接続される。乗客輸送システムの制御ユニットおよび消毒デバイスのコントローラは、消毒デバイスの現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号が、コントローラから制御ユニットに送信されるように構成され、制御ユニットは、受信したステータス信号を考慮して制御信号を生成し、それらをコントローラに送信し、コントローラは、受信した制御信号を考慮して消毒デバイスの動作を制御する。さらに、消毒デバイスのコントローラは、乗客輸送システムの制御ユニットによってコントローラに送られる制御信号に応じて、消毒デバイスが消毒される表面を消毒する消毒強度を制御するように構成される。これらの制御信号は、ここでは、達成されるべき現在の消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータを示す。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様の一実施形態による乗客輸送システムを動作させるための方法が説明される。本方法は、少なくとも以下のステップ:
コントローラから制御ユニットに、消毒デバイスの現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号を送信するステップ、および
受信したステータス信号を考慮に入れて制御ユニットからコントローラに送信された、受信した制御信号を考慮に入れて消毒デバイスの動作を制御するステップ
を備える。
【0012】
ステータス信号は、任意選択的に、制御ユニットから遠隔配置されたコンピュータに送られ、そこで処理されることができる。さらに、消毒デバイスの動作を制御するために、遠隔配置されたコンピュータから制御ユニットに、さらに制御ユニットからコントローラに制御信号が任意選択的に送信されてもよい。
【0013】
本発明の実施形態の可能な特徴および利点は、とりわけ、本発明を限定することなく、以下で説明される着想および知見に基づいて考慮され得る。
【0014】
簡単に要約すると、本発明の根底にある本質的な概念は、乗客輸送システムの消毒デバイスが、有利には、乗客輸送システムの他の構成要素とは完全に独立して動作されるべきではないということが認識されていることである。一方、消毒デバイスが現在動作されるべき方法は、乗客輸送システムの他の構成要素において優勢な条件および/または乗客輸送システムの動作条件に依存し得る。他方、消毒デバイスに適用可能な条件および状態は、乗客輸送システムの他の構成要素にもフィードバック効果を有し得る。したがって、消毒デバイスのコントローラと乗客搬送デバイスの制御ユニットとを双方向通信システムによって結合することが提案され、その結果、信号およびデータはそれらの間で両方向に送信されることができる。したがって、一方では、消毒デバイスに関する情報、特にその現在の動作、現在の状態および/または現在の構成に関する情報を示すステータス信号が、消毒デバイスのコントローラから双方向通信システムを介して乗客搬送デバイスの制御ユニットに送信されることができ、その結果、この情報は、乗客搬送デバイスを制御するときに考慮に入れることができ、ならびに/または必要に応じて、この情報は、制御ユニットによって処理され、および/もしくはさらなる処理のために他の構成要素、特に外部コンピュータに送信されることができる。他方、乗客搬送デバイスの制御ユニットによって制御信号が生成されて、消毒デバイスのコントローラに送信され、その結果、消毒デバイスは次いで、これらの制御信号に従って制御されることができる。その際、制御ユニットは、制御信号を生成するときに、消毒デバイスのコントローラから以前に受信したステータス信号を考慮に入れることができる。したがって、最終的に、例えば、乗客輸送システムの他の構成要素との通信の結果としての乗客搬送デバイスの制御ユニットへの情報、ならびに消毒デバイス自体に関する情報が利用可能になるように、消毒デバイスが制御または調整されることができる。情報は、例えば、消毒システムの構成要素が耐用年数の終わりに近づいているときを早期に検出するために使用されることができ、その結果、保守または交換措置が適時に計画および開始されることができる。さらに、情報はまた、例えば、乗客輸送システムのデジタルツインの保守および分析において消毒デバイスに関するステータス信号を考慮に入れることによって、乗客輸送システムの他の構成要素に対する消毒デバイスの動作の影響をより良好に評価することができるように使用されることもできる。
【0015】
乗客輸送システムおよびその動作方法の実施形態の可能な特徴および利点は、それぞれ、以下でより詳細に説明される。
【0016】
説明される乗客輸送システムは、エスカレータ、動く歩道、またはエレベータとして設計されることができる。乗客輸送システムの乗客搬送デバイスは、走行経路に沿って移動するユニットと、建物構造内の1人または好ましくは複数の人を搬送する駆動機との組み合わせによって設計される。エスカレータとしての設計の場合、乗客コンベヤシステムは、この目的のためのステップベルトを有し、このステップベルトでは、いくつかのステップが走行方向に互いに前後に結合され、駆動機によって循環的に駆動されることができる。同様に、動く歩道の乗客搬送デバイスは、複数のパレットが前後に配置され、互いに結合されたパレットベルトを有し、パレットベルトは、駆動機によって循環的に駆動されることもできる。エレベータとしての設計の場合、乗客コンベヤデバイスは、典型的にはエレベータシャフト内の駆動デバイスによって垂直に移動されることができる少なくとも1つのエレベータかごを有する。
【0017】
乗客輸送システムの制御ユニットは、乗客搬送デバイス、特にその駆動機の動作を制御するように適合される。とりわけ、走行活動、走行方向および/または走行速度は、これに関連して制御されることができる。その際、様々なパラメータおよび/または条件が考慮に入れられることができる。例えば、エスカレータまたは動く歩道の場合、適切なセンサが使用され、1人または複数の人がアクセスエリアおよび/またはステップベルトまたはパレットベルト上に存在するかどうかを検出することができる。そのようなセンサからの信号に基づいて、制御ユニットは、次いで、乗客搬送デバイスを使用して乗客を所望の方向および所望の速度で移動させるようにエスカレータまたは動く歩道の駆動機を制御することができる。例えば、エレベータの場合、制御パネル上のセンサ、ボタンなどは乗客によって作動させることができ、エレベータかごが駆動機によって移動されるべき制御ユニットに通信することができる。乗客搬送デバイスを制御するとき、制御ユニットは、追加の情報を考慮に入れることができる。これは、例えば周囲条件または負荷条件を決定する、さらなるセンサからもたらされることができる。情報は、他のソースからももたらされることができる。例えば、内部に含まれる情報または命令は、遠隔配置されたコンピュータなどの外部デバイスから制御ユニットに送信されることができ、乗客搬送デバイスが現在どのように動作または制御されるべきかを制御ユニットに指示することができる。
【0018】
消毒デバイスは、乗客搬送デバイスのエリアの少なくとも1つの表面を消毒するように適合される。特に、消毒デバイスは、乗客によって頻繁に触れられる表面を消毒することができなければならず、したがって異なる乗客間の細菌の拡散を促進する可能性がある。例えば、消毒デバイスはエスカレータまたは動く歩道の手摺りの表面を消毒することができる。例えば、エレベータでは、消毒デバイスは、制御パネル上の表面および/もしくは手すりを消毒し、または必要に応じてエレベータかごの内部全体さえも消毒することができる。
【0019】
好ましい設計では、消毒デバイスは、ここでは、細菌を無害にするために高エネルギー紫外線を放射することができる光源を有する。例えば、1つ以上のUVC LEDが光源として機能することができる。このような消毒デバイスが表面を消毒する消毒強度は、照射線量、すなわち単位時間当たりに所与の表面に当たる光量がどれくらい大きいかに大きく依存する。十分な消毒効果を確実にするために、この照射線量または消毒強度は、事前に決定される最小消毒強度よりも大きくなければならない。
【0020】
しかしながら、一般に、消毒デバイスは、異なるように設計されることもできる。例えば、アルコールなどの消毒効果を有する消毒液を、消毒デバイスによって消毒される表面に噴霧または湿潤させることができる。これに関して、消毒強度は、適用される消毒液の量、温度、化学組成、および/または他のパラメータに依存し得る。代替的に、オゾンなどの消毒効果を有する消毒ガスを用いて、消毒される表面が消毒デバイスによってガス処理されてもよい。この場合、消毒強度は、ガスの流れ、ガス濃度、ガス温度、ガスの化学組成および/または他のパラメータに依存し得る。
【0021】
消毒デバイスは、その動作を制御する制御部を有する。特に、消毒活動、消毒強度および/または消毒タイプが制御されることができる。消毒活動は、ここでは、消毒デバイスが現在アクティブ化されているか非アクティブ化されているかどうかを示す。消毒強度は、達成されるべき消毒効果の尺度を指定する。消毒タイプは、例えば、消毒デバイスによって現在どの作用機構を使用するかを指定することができる。
【0022】
消毒デバイスのコントローラは、好ましくは、消毒デバイスによってもたらされる消毒活動と相関する動作パラメータを制御することができる。
【0023】
例えば、消毒作用機構としてUV光を放射するために光源を使用し、その消毒強度が主に光強度に依存する消毒デバイスのコントローラは、動作パラメータとして光源に供給される電流を制御することができる。この電流が強いほど、光強度が高くなり、典型的には消毒強度が高くなる。
【0024】
原則として、消毒デバイスは、完全に自律的に、乗客輸送システムの他の構成要素とは独立して動作されることが考えられる。
【0025】
しかしながら、一方では、乗客輸送システムの異なる動作条件に適合され、したがって必要に応じて消毒デバイスを動作させることができることが有利になると認識されている。
【0026】
例えば、一実施形態によれば、制御ユニットが、乗客搬送デバイスが動作される速度および/または乗客搬送デバイスによって搬送される乗客の数に関する情報を考慮に入れて制御信号を生成すると有利であり得る。一般に、搬送される人の数が多いと、消毒デバイスの活動を増やす必要があると想定されることができる。また、乗客搬送デバイスがより高速である際、消毒デバイスは、一方では、単位時間当たりにより多くの乗客が輸送されると考えられるため、より低速よりも高い出力で動作されるべきであると想定されることもできる。他方、例えばエスカレータの手摺りのように、乗客搬送デバイスとともに消毒される表面が移動される場合には、速度が速いほど、この表面が消毒デバイスによって消毒される持続時間がより短くなり、その結果、より迅速に消毒が実行される必要があると想定されることができる。エレベータシステムの場合、消毒措置は通常殺生物性製品を含み、したがってユーザの健康を危険にさらす可能性があるため、消毒プロセス中にエレベータかごに人がいないことを確実にすることがやはり必要である。全体として、例えば乗客輸送システムの制御ユニットに利用可能な情報は、消毒デバイスのよりデマンド指向の動作を可能にするために消毒デバイスを制御するときにも使用されることができるという事実に起因する。
【0027】
他方、消毒デバイスの現在のステータスに関する情報を乗客輸送システムの他の構成要素にアクセス可能にし、および/またはそのような情報を乗客輸送システムの外部監視システムに提供することも有利であることが分かっている。
【0028】
この目的のために、消毒デバイスのコントローラと乗客搬送デバイスの制御ユニットとを、双方向通信システムを介して結合することが提案されている。そのような双方向通信システムは、両方の反対方向、すなわち制御ユニットからコントローラへ、およびコントローラから制御ユニットへのデータ伝送を可能にする。双方向通信システムは、例えばバスシステム、ブルートゥース通信などによって、様々な方法で技術的に実施されることができる。これは、有線または無線方式で実施されることができる。
【0029】
加えて、消毒デバイスのコントローラおよび乗客搬送デバイスの制御ユニットの両方は、各々、それらの役割の信号を生成し、それらをそれぞれの他の構成要素に送信するとともに、他の構成要素からの信号を受信するように適合されるべきである。
【0030】
具体的には、消毒デバイスのコントローラは、消毒デバイスの現在の動作、現在の状態、および/または現在の構成に関する情報を反映するステータス信号を生成することができるものとする。例えば、現在の動作に関する情報は、消毒デバイスが現在アクティブ化されているか非アクティブ化されているかどうかを示す。現在の状態に関する情報は、例えば、消毒デバイスまたはその構成要素がどの目標特性を有しているか、および/またはどの実際の特性が経時的に、例えば発生し、好ましくは記録されている摩耗に起因して現れているかを示すことができる。現在の状態は、例えば、センサによって、および/または以前の状態を分析し、過去および現在の動作パラメータおよび/または動作持続時間を考慮に入れることによって決定されることができる。例えば、現在の構成に関する情報は、複数の可能なパラメータ設定のうちのどれが消毒デバイスを動作させるために現在使用されているかを示すことができる。例えば、光源で動作される消毒デバイスの場合、現在の構成は、光源に供給される電流強度に関する情報を含み得る。
【0031】
乗客輸送システムの制御ユニットは、制御信号自体を生成し、および/または遠隔配置されたコンピュータなどの他のソースから制御信号を受信し、次いでそれらを消毒デバイスのコントローラに送信することができるものとする。これらの制御信号は、消毒デバイスがどの動作パラメータで動作されるべきかをコントローラに指示することが意図されている。これに関連して、制御信号は、例えば、消毒デバイスの現在の動作および/または現在の構成に対する目標要件を指定し得る。
【0032】
消毒デバイスと乗客輸送システムの制御ユニットとの間の双方向の通信および情報の交換により、消毒デバイスの現在のステータスが制御ユニットに通信され、消毒デバイスおよび/または乗客輸送システムの他の構成要素を制御するときに制御ユニットによって考慮に入れることができる。消毒デバイスのステータスに関する情報は、準リアルタイムで考慮に入れられることができ、その結果、消毒デバイスの一種のフィードバック制御がもたらされることができる。代替的に、情報は経時的に蓄積されることができ、その結果、消毒デバイスを制御するとき、以前の動作の持続時間、その時点で設定された動作パラメータ(例えば、供給される電流)、その時点で優勢な環境条件(例えば、温度)、使用期間などの履歴が考慮に入られることができる。これにより、消毒デバイスの効率的で信頼性の高いおよび/またはオンデマンドの動作を可能にすることができる。
【0033】
既に上述したように、消毒デバイスのコントローラは、乗客輸送システムの制御ユニットによってコントローラに送信され、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータを示す制御信号に応じて、消毒デバイスが消毒される表面を消毒する消毒強度を制御するように適合される。
【0034】
言い換えれば、上述の乗客輸送システムの制御ユニットと消毒デバイスのコントローラとの間の双方向通信能力は、乗客輸送システムの制御ユニットから消毒デバイスのコントローラに送信される制御信号によってもたらされる消毒強度に関して消毒デバイスの動作を制御するために使用されるべきである。制御信号は、結果が所望の消毒強度となるように消毒デバイスの1つ以上の動作パラメータを設定するように消毒デバイスのコントローラに指示する。
【0035】
消毒強度は、例えば、表面に存在する細菌負荷の何パーセントが単位時間内に無害にされるべきかを指定する尺度として定義されることができる。
【0036】
例えば、UV光源を伴う消毒システムでは、制御信号は、UV光源に供給される電力を示すことができる。そうすることで、電力は、経時的に光源によって放射される光強度、したがって最終的には、もたらされる消毒強度と相関する。
【0037】
特定の実施形態によれば、制御ユニットは、特に、コントローラから受信したステータス信号を考慮に入れ、もたらされるべき現在の消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータの設定値を示す制御信号を生成することができる。
【0038】
言い換えれば、制御信号を生成するとき、制御ユニットは、消毒デバイスのコントローラから以前の時間期間に現在受信または受信されたステータス信号を考慮に入れるものとする。したがって、消毒デバイスは、とりわけ、それ自体の動作、ステータス、および/または構成に関する情報が考慮に入れられ得るように制御され得る。これに関して、制御信号は、現在もたらされる消毒強度と相関する動作パラメータの設定値を示すことができる。
【0039】
一実施形態によれば、消毒デバイスは、新しい状態において、消毒される表面の十分な消毒に必要な最小消毒強度よりも大きい消毒強度を最大消毒強度としてもたらすことができるように適合され得る。この目的のために、乗客輸送システムの制御ユニットおよび/または消毒デバイスのコントローラは、最小消毒強度を超える消毒強度を用いた通常動作において消毒デバイスを動作させ、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータを連続的に増加させるように適合されることができる。
【0040】
言い換えれば、消毒デバイスは、ある程度過大な大きさにされることができ、すなわち、摩耗の兆候が生じる前に、細菌で覆われた表面を十分に消毒するために少なくとも必要な最小消毒強度よりも高い最大消毒強度を達成することができるように設計されることができる。最小消毒強度は、ここでは衛生仕様に従って定義されることができる。過大な大きさの最大消毒強度は、例えば、最小消毒強度よりも所定の割合、例えば少なくとも10%または少なくとも20%高くすることができる。
【0041】
消毒デバイスによって実際にもたらされる消毒強度は、摩耗および裂け目に起因して経時的に減少し得ることが認識されている。例えば、一定の供給電流にもかかわらず、UVC LEDによって放射される放射強度が経時的に減少する可能性が観察された。したがって、以前の消毒デバイスも、常にある程度過大な大きさになっていた。典型的には、そのような消毒デバイスは、常にそれらの指定された定格出力で動作され、すなわち、それらはそれらの最大消毒強度を送達するように駆動された。最初に、これは、確実な消毒に必要だったものより高い消毒強度という結果になった。これは、消毒デバイスのエネルギー消費の増加および摩耗の増加の両方をもたらす結果になった。
【0042】
次に、動作の開始時に、消毒デバイスが最大消毒強度を下回る消毒強度をもたらす動作パラメータで動作されるように、消毒デバイスの初期の過大な大きさを使用することが提案される。したがって、消毒デバイスは、最初はその定格電力未満で動作されるべきである。しかしながら、消毒デバイスは、常に、もたらされる消毒強度が必要な最小消毒強度を上回るように動作されるべきである。
【0043】
時間の経過とともに、現在もたらされている消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータは、連続的に増加されるべきである。動作パラメータを連続的に増加させることにより、例えば消毒デバイスで発生する摩耗により、消毒強度を経時的に低下させる効果が補償されることができる。
【0044】
全体として、このようにして、一方では、十分な消毒効果が常に保証されることができ、他方では、消毒デバイスが過度に高い消毒強度を用いて動作されないことが達成されることができ、その結果、エネルギー消費および摩耗が最小限に抑えられることができる。
【0045】
特定の実施形態によれば、乗客輸送システムの制御ユニットおよび/または消毒デバイスのコントローラは、消毒デバイスの起動からの動作時間に応じて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータを増加させるように適合されることができる。
【0046】
言い換えれば、それを用いて消毒デバイスが動作され、およびもたらされる消毒強度と相関する動作パラメータは、最初に定格電力値未満で動作され、次いで、消毒デバイスの起動から経過した動作時間に応じて連続的に増加させることができる。動作パラメータは、例えば数日または数週間の特定の時間間隔で、すなわち例えば定期的に増加させることができる。代替的に、動作パラメータは、経時的に直線的に増加させることができる。そのような動作パラメータの増加は、以前の動作持続時間にのみ依存し、実装が簡単で安価であることができる。
【0047】
消毒デバイスの初期の過大な大きさの程度に応じて、消毒デバイスが最終的に最大許容動作パラメータで動作され、したがってその耐用年数の終わりに近づくまで、動作パラメータをどれだけの頻度またはどれほどの時間の期間にわたって増加させることができるかは知られることができる。
【0048】
好ましい実施形態によれば、消毒デバイスは、消毒強度と相関する測定変数を検出するためのセンサをさらに備えることができる。乗客輸送システムの制御ユニットおよび/または消毒デバイスのコントローラは、この場合、センサによって検出された測定変数に応じて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータを増加させるように適合されることができる。
【0049】
言い換えれば、消毒デバイスは、好ましくは、消毒デバイスによって実際にもたらされる消毒強度が決定されることができるセンサを有することができる。したがって、消毒デバイスによって実際にもたらされる消毒強度は、もはや消毒デバイスが動作される動作パラメータに基づいて推定される必要はなく、センサによって実際に測定されることができる。次いで、このセンサによって検出された測定変数は、制御ユニットまたはコントローラによって考慮されることができ、もたらされる消毒強度と相関する動作パラメータを適切に調節することができ、十分であるが、不必要に高い消毒強度が常にもたらされないように、経時的に増加させることができる。
【0050】
さらなる特定の実施形態によれば、乗客輸送システムの制御ユニットおよび/または消毒デバイスのコントローラは、センサによって検出された測定変数に応じて、現在もたらされる消毒強度と相関する消毒デバイスの動作パラメータを調整するように適合されることができる。
【0051】
言い換えれば、センサによって検出された、消毒デバイスによって実際にもたらされる消毒強度を反映する測定変数は、動作パラメータを適切に設定することによって、消毒デバイスの動作を制御するだけでなく調整するためにも使用されることができる。センサによって検出された測定変数は、ここでは制御ループの制御変数として機能することができる。
【0052】
一実施形態によれば、ここでは、連続的にまたは適切な時間間隔で、もたらされる現在の消毒強度と相関する、消毒デバイスの動作パラメータを監視し、動作パラメータが所定の閾値を超える場合、消毒デバイスの耐用年数の終わりが近づいていることを示す警告信号を発することが特に好ましい場合がある。
【0053】
言い換えれば、消毒デバイスが動作され、およびもたらされる消毒強度と相関する動作パラメータは監視およびチェックされ、このパラメータが所定の閾値に対してどのように挙動するかを見ることができる。最初に、消毒デバイスは、この閾値を大幅に下回る動作パラメータで動作される。動作パラメータを連続的に増加させることによって、動作パラメータは経時的に閾値に近づく。閾値は、動作パラメータの最大許容値以下とすることができる。閾値が動作パラメータの最大許容値に等しい場合、閾値に達することは、そうでなければ消毒デバイスの損傷などの不利点のリスクがあるため、動作パラメータはそれ以上増加させるべきではないことを意味する。したがって、閾値に達することは、消毒デバイスの耐用年数の終わりに達することに対応し、その結果、消毒デバイスは修理または交換されるべきである。好ましくは、閾値は、動作パラメータの最大許容値よりもわずかに低くなるように選択される。したがって、閾値に達することは、それで、消毒デバイスの耐用年数の終わりが迫っているが、消毒デバイスの保守または交換などの措置に好ましく依然として十分な時間があることを意味する。
【0054】
閾値に達すると、対応する警告信号が出力されることができる。この警告信号は、例えば、乗客輸送システムの制御ユニットに送信されることができる。そこでは、警告信号は、例えば、技術者が知覚可能な方式で出力されることができる。代替的に、警告信号は、制御ユニットによって外部監視デバイスに転送されることができ、例えば、そこで適切な保守または交換措置の開始をトリガすることができる。
【0055】
一実施形態によれば、消毒デバイスは、消毒デバイスの内部の温度を検出するため、および/または消毒デバイスに隣接する環境の温度を検出するためのセンサをさらに備える。ここで、乗客輸送システムの制御ユニットおよび/または消毒デバイスのコントローラは、センサによって検出された温度に応じて消毒デバイスの動作を制御するように適合される。
【0056】
いくつかの消毒デバイスは、温度条件に応じてそれらが作り出した消毒効果を変化させる可能性があり、または特定の温度条件で損傷される可能性さえあることが認識されている。例えば、UVC LEDは、特定の温度限界を超えて動作させるべきではない、何故ならさもなければ損傷されるから、ということが認識されている。
【0057】
したがって、消毒デバイスもしくはその個々の構成要素の温度および/または周囲温度が決定されることができるセンサを消毒デバイスに装備することが提案される。次いで、この温度を表すセンサ信号は、消毒デバイスの動作を制御するときに、消毒デバイスのコントローラおよび/または乗客輸送システムの制御ユニットによって考慮に入れられることができる。例えば、測定温度が上昇した場合、さらなる加熱に対抗するために、消毒デバイスへの電力供給が低減または制限されることができる。
【0058】
消毒強度と相関する測定変数を検出するためのセンサおよび/または温度センサを伴う消毒デバイスの上述の実施形態に関して、一実施形態によれば、消毒デバイスのコントローラは、センサによって決定された測定変数および/またはセンサによって決定された測定変数と相関するデータ信号を乗客輸送システムの制御ユニットに送るように適合されることができる。
【0059】
言い換えれば、消毒システムのコントローラは、好ましくは、消毒システムの現在の動作、状態、または構成に関するステータス信号を乗客輸送システムの制御ユニットに送信するだけでなく、消毒システムに一体化されたセンサからの測定変数を制御ユニットに利用可能にすることもできる。そうすることで、センサによって決定された測定変数自体またはこの測定変数を処理することによって決定されたデータ信号のいずれかは制御ユニットに送られることができる。
【0060】
次いで、制御ユニット自体が、例えば、その中に含まれる情報を処理し、消毒デバイスまたは他の構成要素を制御するときにそれを使用することができる。代替的または追加的に、制御ユニットは、後で使用するために対応するデータを記憶し、および/またはそれを他の構成要素に転送することができる。特に、データは、例えば、遠隔配置された監視デバイスまたはデータクラウド(「クラウド」)の一部である外部コンピュータに転送されることができる。そこで、決定された測定変数が監視および/または処理されることができる。
【0061】
一実施形態によれば、乗客輸送システムは、この目的のためのインターフェースデバイスを有することができ、それは、乗客輸送システムの制御ユニットから遠隔配置されたコンピュータにデータを送り、および/または乗客輸送システムの制御ユニットによる受信に利用可能な遠隔配置されたコンピュータからのデータを提供するように適合される。
【0062】
言い換えれば、乗客輸送システムは、インターフェースデバイスを使用して遠隔配置されたコンピュータとデータまたは信号を交換する可能性を有することができる。遠隔配置されたコンピュータは、乗客輸送システムが設置されている建物の外側に位置することができる。特に、遠隔配置されたコンピュータは、乗客輸送システムまたはその動作が監視される外部監視デバイスの一部とすることができる。代替的に、コンピュータは、例えば、乗客輸送システムに関する情報が記憶されることができるデータクラウドの一部とすることができる。乗客輸送システムの制御ユニットは、特に、消毒システムのコントローラから以前に受信した、信号およびデータを、インターフェースデバイスを介して外部コンピュータに転送することができる。
【0063】
本明細書で提案される乗客輸送システムを動作させるための方法の一実施形態によれば、例えば、乗客輸送システムのデジタルツインが遠隔配置されたコンピュータに記憶されることができる。それで、乗客輸送システムの特性は、消毒デバイスのコントローラから送信されたステータス信号を考慮に入れて、乗客輸送システムのデジタルツインに基づいて決定されることができる。
【0064】
「デジタルツイン」という用語は、ここでは、乗客輸送システムの物理的および/または機能的特性が可能な限り現実的に再現されたデータセットを表すことができる。例えば、デジタルツインは、乗客輸送システムの幾何学的、電気的、磁気的、熱的および/または他の特性に関する情報を含むことができる。これらのデータに基づいて、乗客輸送システムの現在の、または必要に応じて将来の特性さえも計算、シミュレート、またはモデル化されることができる。
【0065】
次に、消毒設備に関する現在の特性を反映するステータス信号がデジタルツインに追加的に入力されることができることが提案される。したがって、消毒デバイスの特性も考慮に入れることによって、デジタルツインを使用して乗客輸送システムの特性がさらにより正確に決定されることができる。
【0066】
例えば、乗客輸送システムの過去の動作期間中の消毒強度および/または消毒活動に対する洞察を提供する情報に基づいて、乗客輸送システムの他の構成要素に対する結果として生じる影響について結論が引き出されることができる。
【0067】
具体的には、消毒デバイスがUVC LED、動作時間および/または照明強度に関する情報によって消毒効果を生成する例では、この情報をデジタルツインに入力することによって、例えば、このようにして放射されたUVC放射線が、エスカレータの手摺りの布および/またはプラスチック材料などの乗客輸送システムの他の構成要素を経時的に損傷し得る程度について結論を引き出すことが可能である。
【0068】
さらなる実施形態によれば、消毒デバイスは、人間によって知覚されることができ、消毒デバイスの現在の状態を示す信号を出力するように適合された出力デバイスをさらに備えることができる。
【0069】
言い換えれば、例えば光源、ディスプレイ、スピーカ、または同様の技術的構成要素の形態で、人間によって視覚的、音響的、または別の方法で知覚されることができる信号が出力されることができる出力デバイスが、消毒デバイスに直接設けられることができる。
【0070】
この出力デバイスは、例えば、保守技術者に消毒デバイスの現在のステータスに関する情報を提供するために使用されることができる。したがって、保守技術者は、消毒デバイスが期待通りに機能しているか、または例えば修理もしくは交換が必要かどうかを現場で簡単な方法で、直接決定することができる。出力デバイスはまた、乗客輸送システム1のユーザのために目に見えるように配置され、消毒デバイスが働き、したがってユーザが消毒された手摺りを期待できることをユーザに示すスクリーンまたは光学ディスプレイであってもよい。
【0071】
本発明の可能な特徴および利点のいくつかは、一方では乗客輸送システムの様々な実施形態、他方ではこの輸送システムを動作させる方法を参照して本明細書で説明されることに留意されたい。当業者は、本発明のさらなる実施形態に到達するために、特徴が適切な方式で組み合わせ、適合され、または交換されることができることを認識するであろう。
【0072】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して以下に説明されるが、図面も説明も本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】手摺り消毒デバイスを伴うエスカレータとして設計された乗客輸送システムの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
図は概略図にすぎず、縮尺通りではない。同一の参照符号は、同一または類似の特徴を示す。
【0075】
図1は、乗客輸送システム1の簡略図を示す。エスカレータとして設計された乗客輸送システム1は、建物構造5の下部レベルE1を上部レベルE2に接続する。乗客輸送システム1は、アクセスエリア3を介して再び出入りされることができる。上部レベルE2および下部レベルE1で偏向され、したがって前進セクションおよび戻りセクションを有する循環ステップベルト9が、支持構造7に配置される。明確にするために、戻りセクションの詳細な図示は、フレーム、ガイドレール、およびレールブロックの詳細な図示と同様に省略されている。乗客輸送システム1は、ステップベルト9を駆動する駆動ユニット11を有する。ステップベルト9および駆動ユニット11は一緒になって、乗客搬送デバイス13を形成し、それによって乗客は、アクセスエリア3の間の建物構造5で搬送されることができる。制御ユニット15は、乗客搬送デバイス13の動作を制御するために使用される。
【0076】
乗客輸送システム1はまた、ステップベルト9の各長手方向側面に沿って延在する2つの欄干17を有し、
図1では、観察面の前方に配置された欄干17のみが見える。手摺り19は、各欄干17上に円周方向に配置され、その戻りストランドは欄干ベース21にガイドされる。この欄干ベース21は、欄干17を支持構造7に接続する。
【0077】
さらに、乗客輸送システム1は、循環手摺り19ごとに少なくとも1つの消毒デバイス23を有する。例えば、消毒デバイスは、欄干17の欄干ベース21にも設置されているため、乗客輸送システム1のユーザから隠蔽される。消毒デバイス23の動作は、コントローラ25によって制御される。
【0078】
示されている例では、消毒デバイス23は、1つ以上のUVC LED27を装備することができる。これらのUVC LED27から放射されたUVC光によって、手摺り19の部分表面が照射されることができ、高エネルギーUVC光はそこに位置している細菌を死滅させることができる。コントローラ25は、とりわけ、消毒デバイス23またはそのUVC LED27への電力供給を制御することができる。
【0079】
消毒デバイス23は、動作条件および/または環境条件が検出されることができる、1つ以上のセンサ29、31をさらに含むことができる。代替的に、そのようなセンサは、別個に設けられ、信号を消毒デバイス23に送信することもできる。例えば、消毒デバイス23は、UVCセンサ29を有し得、その測定信号は、どれほどの強度のUVC光の放射が実際にUVC LED27によって現在放射されており、UVCセンサ29に当たっているかを示す。さらに、消毒デバイス23またはその構成要素、特にUVC LED27の現在の温度、および/または消毒デバイス23の環境の温度が測定されることができる温度センサ31が設けられることができる。
【0080】
消毒デバイス23またはそのコントローラ25、および乗客輸送システム1の制御ユニット15は、双方向通信システム33を介して相互接続されている。
図1では、双方向通信システム33は単純な線として示されている。しかしながら、実際の実装では、それはまた、有線バスシステムまたは無線データ通信デバイスの一部であってもよい。
【0081】
消毒デバイス23のコントローラ25は、消毒デバイス23の現在の動作、現在の状態、または現在の構成に関する情報を反映したステータス信号を、通信システム33を介して制御ユニット15に送信するように適合される。送信された信号は、例えば、消毒デバイス23の活動、すなわち消毒デバイス23が動作されているかどうか、または動作されている時間を示すことができる。代替的または追加的に、送信された信号は、消毒デバイス23で現在優勢な状態に関する情報を示すことができ、すなわち、例えば、温度センサ31によってどれほどの温度が現在測定されているかを示すことができる。さらなる代替または追加として、送信された信号は、消毒デバイス23の構成要素が現在どのように構成されているか、すなわち、例えば、UVC LED27が現在どれほどの電力レベルで動作しているかを示すことができる。
【0082】
消毒デバイス23によって送信されたステータス信号は、制御ユニット15によって受信されることができ、そこで処理されることができる。例えば、制御ユニット15は、乗客輸送システム1の機能を制御するときに、受信したステータス信号を考慮に入れることができる。
【0083】
特に、制御ユニット15は、通信システム33を介して消毒デバイス23のコントローラ25に適切な制御信号を送信することによって消毒デバイス23の機能を制御することもできる。そうする際に、とりわけ、以前に受信されたステータス信号に含まれる情報が考慮に入られることができる。これにより、例えば、現在消毒デバイス23の中で優勢な温度を考慮することによって、および/または、例えば摩耗に起因して、経時的に変化する消毒デバイス23の特性を考慮することによって、消毒デバイス23が制御されることが可能になる。さらに、制御ユニット15は、消毒デバイス23を制御するときに、乗客輸送システム1の他の構成要素に関する情報も考慮に入れることができる。例えば、制御ユニット15は、現在の乗客量および/または乗客搬送デバイス13または手摺り19が変位される現在の速度が考慮されるように、消毒デバイス23の動作を制御することができる。
【0084】
有利には、消毒デバイス23は、少なくともその新しい状態で、消毒される表面41を確実に消毒するために少なくとも必要とされる最小消毒強度を超えるものを提供するように動作されることができるよう設計されることができる。UVC LED27を装備した消毒デバイス23は、その中に組み込まれたUVC LED27に対して、最小消毒強度が、例えば、それらの定格電力のわずか80%でUVC LED27を動作させるのに既に十分であるように設計されることができる。ここでの定格電力は、UVC LED27に突然のまたは過度の損傷の危険を冒すことなく供給され得る最大電力である。
【0085】
それで、そのように設計された消毒デバイス23は、好ましくは、少なくとも最初は、その定格電力未満で動作される。言い換えれば、消毒デバイス23は、最小消毒強度を上回るが最大達成可能な最大消毒強度を下回る消毒強度で動作される。
【0086】
消毒デバイス23内の電力供給、すなわち、例えば、UVC LED27に供給される電流強度は、典型的には、現在もたらされている消毒強度と相関する。最初に、この電力供給は、好ましくは、定格電力よりも低く設定される。このようにして、消毒デバイス23および/または消毒デバイスで消毒された表面41のエネルギー消費ならびに潜在的な摩耗は低く保たれることができる。
【0087】
しかしながら、例えば、同じ電力供給であれば、UVC LED27は経時的に摩耗に起因して、より少ないUVC光を放射することが知られているため、UVC LED27への電力供給は連続的に増加させることができる。例えば、消毒デバイス23が起動してからの動作時間に応じて、電力供給は規則的間隔で順次増加させたり、または直線的に増加させたりすることができる。電力供給が定格電力に近づくかまたは達するとすぐに、これは、消毒デバイス23、より具体的にはそのUVC LED27がそれらの耐用年数に達し、おそらく交換される必要があることを意味する。
【0088】
様々な影響は、消毒デバイス23によって実際にもたらされる消毒強度が経時的に固有の方法で変化しないという事実につながる可能性があるため、例えばUVCセンサ29によって実際にもたらされる消毒強度を監視することが特に好ましい可能性がある。それで、UVCセンサ29からの測定信号が制御ユニット15によって考慮に入れられることができる。例えば、測定されたUVC光強度が最小消毒強度に必要なレベル未満に低下するおそれがある場合、消毒デバイス23は、適切により高い電力供給でエネルギーを与えられることができる。
【0089】
これに関連して、実際にもたらされる電力供給、すなわち一般的には、もたらされるべき現在の消毒強度と相関する動作パラメータを監視し、それを例えば所定の閾値と比較することが有利である可能性がある。具体的には、UVC LED27に供給される電流強度は電流強度閾値と比較されることができる。閾値は、UVC LED27の定格電力に対応するように、またはこの定格電力を所定量下回るように設定されることができる。実際にもたらされる電力供給が定格電力に近づき、それによって閾値に達すると、これにより、消毒デバイス23の耐用年数の終わりが近づくことを示す警告信号が出力されることができる。次いで、技術者は、消毒デバイス23を修理または交換することができる。これにより、過剰な電力入力によるUVC LED27の損傷に起因して、または定格電力を供給するときに必要な最小消毒強度がもはやもたらされることができないために、消毒デバイス23の障害が実際に発生する前に警告信号が既に十分に事前に生成されることができるので、予知保全が可能になる。
【0090】
乗客輸送システム1の制御ユニット15で直接使用されることに加えて、消毒デバイス23のコントローラ25によって送信されたステータス信号は、他の場所でも有利に使用されることができる。例えば、インターフェースデバイス37を用いて、制御ユニット15は、いかなる場合にも、乗客輸送システム1の現在の動作データを遠隔配置されたコンピュータ35に転送するように設計されることができる。この遠隔配置されたコンピュータ35は、乗客輸送システム1の機能を遠隔監視するために使用される監視デバイスまたはデータクラウドの一部とすることができる。それで、消毒デバイス23からのステータス信号は、そのような遠隔配置されたコンピュータ35に送信されることもできる。そこで、それらは、例えば、消毒デバイス23の機能および/または動作状態を監視するために使用されることができる。
【0091】
遠隔配置されたコンピュータ35は、乗客輸送システム1、より具体的にはその消毒デバイス23の機能および/または動作状態を遠隔制御するためにさらに使用されることができる。この目的のために、遠隔配置されたコンピュータ35は、適切な制御信号を制御ユニット15に送信することができ、制御ユニット15は、それに基づいて、今度は制御信号を消毒デバイス23のコントローラ25に送ることができる。
【0092】
特定の実施形態では、デジタルツインのデータセットは、遠隔配置されたコンピュータ35に記憶または維持されることができる。ここで、デジタルツインは、乗客輸送システム1、特にその中に設置された構成要素の構造的、物理的、および/または機能的特性を示す。この場合、消毒デバイス23のステータス信号は、デジタルツインを維持するために使用されることができる。例えば、デジタルツインに記憶されたデータは、消毒デバイス23の現在の動作、現在の状態、または現在の構成に関するステータス信号に含まれる情報を考慮に入れて更新されることができる。このようにして、消毒デバイス23に関する現在の情報が常にデジタルツインに含められることができる。さらに、更新されたデジタルツインによって、消毒デバイス23によって乗客輸送システム1の他の構成要素またはパラメータに引き起こされる影響を分析、モデル化、またはシミュレートすることも可能になる。例えば、これにより、消毒デバイス23によって放射されたUVC光が、特に、例えば手摺り19の消毒される表面41などの、他の構成要素に及ぼし得る影響について結論を引き出すことが可能である。
【0093】
現場の保守技術者のために乗客輸送システム1の保守を簡素化するため、乗客輸送システム1は、消毒デバイス23の現在の状態に関する情報を整備技術者に知覚可能な方法で出力することができる出力デバイス39をさらに備えることができる。例えば、可視スペクトルで放射するLEDはこの目的のために設けられることができる。出力デバイス39によってどの信号が出力されるか、すなわち、例えば、そのLEDがどの色および/または点滅シーケンスで動作されるかに応じて、これは保守技術者に、
(i)消毒デバイス23が適切に動作している(例えば、LEDは恒久的に点灯する)、
(ii)消毒デバイス23はまだ動作しているが、その耐用年数の終わりに近づいている(例えば、LEDのゆっくりとした点滅)、
(iii)消毒デバイス23がその耐用年数の終わりに既に達している(例えば、LEDの急速な点滅)、または
(iv)消毒デバイス23が現在電源をオフにしている(例えば、LEDオフ)、
ということを信号で伝えることができる。
【0094】
出力デバイス39はまた、乗客輸送システム1のユーザのために目に見えるように配置され、消毒デバイス23が働き、したがってユーザが消毒された手摺り19を期待できることをユーザに示すスクリーンまたは光学ディスプレイであってもよい。
【0095】
要約すると、本明細書で提案される消毒デバイス23のコントローラ25と乗客輸送システム1の制御ユニット15との間の双方向信号交換によって、消毒デバイス23は必要に応じて動作されることができ、消毒デバイス23に関する情報は乗客輸送システム1の制御ユニット15によって処理されることができ、例えば、消毒デバイス23の摩耗を検出し、早期に対策を計画することができるように使用されることができる。さらに、消毒デバイス23は、遠隔配置されたコンピュータ35から、その制御ユニット15への接続を介して制御されることができ、または消毒デバイス23に関する情報が遠隔配置されたコンピュータ35に転送され、例えば乗客輸送システム1のデジタルツインを維持するためにそこで使用されることができる。
【0096】
最後に、「含んでいる(including)」、「備えている(comprising)」などの用語は、他の要素またはステップを排除するものではなく、「1つの(a)」または「1つの(an)」などの用語は、複数を排除するものではないことに留意されたい。上記の例示的な実施形態のうちのいずれかを参照して説明された特徴またはステップは、上述の他の例示的な実施形態の他の特徴またはステップと組み合わせて使用されることもできることにさらに留意されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定と見なされるべきではない。
【国際調査報告】