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特表2023-534537タンパク質及び水に富む材料を押し出しするためのノズル、並びにこのようなノズルを備える押し出し機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-09
(54)【発明の名称】タンパク質及び水に富む材料を押し出しするためのノズル、並びにこのようなノズルを備える押し出し機械
(51)【国際特許分類】
   A23P 30/20 20160101AFI20230802BHJP
   B30B 11/22 20060101ALI20230802BHJP
【FI】
A23P30/20
B30B11/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023504014
(86)(22)【出願日】2021-07-20
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2021070271
(87)【国際公開番号】W WO2022018084
(87)【国際公開日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】2007642
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514318297
【氏名又は名称】クレクストラル
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル バイラー
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン カシュラン
(72)【発明者】
【氏名】ローラン ラピヤール
【テーマコード(参考)】
4B048
【Fターム(参考)】
4B048PE03
4B048PM01
4B048PM12
4B048PM20
(57)【要約】
ノズル(30)は、軸(X-X)を中心とする、チューブ状の外側ケーシング(31)を備え、外側ケーシングは温度制御されている。よりコンパクトかつ効率的な設計のために、ノズルは、外側ケーシングの内部に共軸に配置されていて、かつ外側ケーシングに対して軸の周りで回転するように取り付けられている内部要素(32)をさらに備え、内部要素の下流部分は、外側ケーシングの外部に延在していて、駆動モーター(35)と連動して軸の周りを回転し、環状の断面を有していて、かつ軸を中心としているチャネル(33)が、外側ケーシングと内部要素との間に画定される。チャネルは上流端部(33A)及び下流端部(33B)を有し、それらの間で、材料がノズルを通って押されるときに材料はチャネルへと流れ、材料がノズルを通って押されるとき、材料は、チャネルを通って、上流端部から下流端部へと動き、それによって材料がチャネルを出る。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質及び水に富む材料を押し出しするためのノズル(30)であって、
軸(X-X)を中心としたチューブ状であり、かつ温度調節されている、外側ケーシング(31)と、
前記外側ケーシング(31)の内部に共軸に配置されていて、かつ前記外側ケーシング(31)に対して前記軸(X-X)の周りで回転するように取り付けられている、内部構成要素(32)と
を備え、
前記内部構成要素の下流部分が、前記外側ケーシング(31)の外部に延在していて、前記軸(X-X)の周りで前記内部構成要素を回転させるために適したモータリゼーション(35)と連動していて、かつ
チャネル(33)が前記外側ケーシングと前記内部構成要素との間に画定されていて、前記チャネル(33)が、前記軸(X-X)を中心とした環状の断面を有していて、前記チャネルが上流端部(33A)及び下流端部(33B)を有していて、前記上流端部(33A)及び前記下流端部(33B)は、互いに対して軸方向に対向していて、前記上流端部(33A)と前記下流端部(33B)との間で前記材料が前記チャネルに流れ、前記材料が前記ノズルを通って押されるときに、前記材料が前記上流端部から前記下流端部まで前記チャネルを通って進行し、それを通って前記材料が軸方向に前記チャネルから出る、
ノズル。
【請求項2】
前記外側ケーシング(31)が、前記上流端部(33A)と前記下流端部(33B)との間で、前記チャネル(33)に沿って、ある温度プロファイルを適用するために適した温度調節手段(31.1、31.2)を設けられている、請求項1に記載のノズル。
【請求項3】
前記温度調節手段(31.1、31.2)によって適用される前記温度プロファイルが、前記材料が前記チャネルを通って進行するときに、前記チャネル(33)を通って流れる前記材料を冷却するためのものである、請求項2に記載のノズル。
【請求項4】
前記温度調節手段(31.1、31.2)が、2つの別個のモジュールに組み込まれていて、前記軸(X-X)に沿って並置されて互いに並行している、請求項2又は3に記載のノズル。
【請求項5】
前記内部構成要素(32)が、前記チャネル(33)のそれぞれの部分を画定する少なくとも2つの別個の部分(32.1、32.2)を備え、前記少なくとも2つの別個の部分(32.1、32.2)が、前記軸(X-X)に沿って互いに続いていて、互いとは独立に前記軸の周りで回転可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項6】
前記モータリゼーション(35)が、前記内部構成要素(32)のそれぞれの部分(32.1、32.2)に対応して固有である複数のモーター(35.1、35.2)を備える、請求項5に記載のノズル。
【請求項7】
前記ノズル(30)が出口ディフレクター(36)を有していて、前記出口ディフレクター(36)が、固定手法で前記内部構成要素(32)の少なくとも1つの部分(32.2)に連結されていて、かつ前記チャネル(33)を出る前記材料の流に対して逆圧を及ぼすように前記チャネル(33)の前記下流端部(33B)に配置されている、請求項1~6のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項8】
前記内部構成要素(32)が、前記チャネル(33)を出る前記材料に対して作用するように、前記外側ケーシング(31)の外部に配置されている切断ツール(37)を備える、請求項1~7のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項9】
前記チャネル(33)の前記断面が、前記チャネルの前記上流端部(33A)と前記下流端部(33B)との間で一定である、請求項1~8のいずれか1項に記載のノズル。
【請求項10】
スリーブ(10)であって、その内部で、少なくとも1つのねじ(20)が、タンパク質及び水に富む材料に対して加工熱処理を適用するように動かされる、スリーブ(10)と、
前記外側ケーシング(31)が、前記スリーブ(10)を出る前記材料が前記ノズルを通して前記少なくとも1つのねじによって押されるように、前記スリーブ(10)に固定手法で連結されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のノズル(30)と
を備える、押し出し機械(1)。
【請求項11】
端部プレート(13)であって、固定手法で前記スリーブ(10)の下流端部に直接的に取り付けられていて、貫通空洞(15)であって、前記軸(X-X)を中心としていて、前記少なくとも1つのねじ(20)によって押された前記材料を運ぶ、貫通空洞(15)を内部に画定する、端部プレート(13)と、
ダイバージェントノズル(17)であって、ダイバージェントノズル(17)が、前記端部プレート(13)と前記外側ケーシング(31)とを固定連結していて、かつ前記端部プレートの前記貫通空洞(15)と前記チャネル(33)の前記上流端部(33A)とを接続する分配チャンバー(17A)を画定していて、前記分配チャンバーが、前記軸(X-X)の周りで、前記チャネルの前記上流端部中に前記材料を分配するように成形されている、ダイバージェントノズル(17)と
をさらに備える、請求項10に記載の押し出し機械(1)。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の押し出し機械と、
タンパク質及び水に富んでいて、かつ前記スリーブ(10)に挿入された後に加工熱処理が適用される原材料と
を備える、押し出し食料製品の連続的な調製のためのシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質及び水に富む材料を押し出しするためのノズルに関する。さらに、本発明は、このようなノズルを備える押し出し機械に関する。さらに、本発明は、押し出しされた食料製品の連続的な調製のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、押し出し機械であって、1つ又は複数のねじ、特には2つのねじが押し出し機械に対して回転する、押し出し機械の内部のスリーブを備え、ねじが、スリーブの上流部分からスリーブの下流部分へと押し出しされる材料を引き抜き、次いで、材料が、押し出しされた材料の成形、テクスチャ化及び/又は繊維化のために設けられた押し出しノズルを通って流される、押し出し機械を対象とするものである。このような押し出し機械は、材料が、ねじによるせん断及び加圧を介する本質的に機械的な変形と、スリーブに沿った温度調節を介する本質的に熱的な変形との両方を受けるという意味で、材料への加工熱処理を適用する。
【0003】
より具体的には、本発明は、タンパク質及び水に富む材料の押し出しと、それに関連する、タンパク質に富む原材料からテクスチャ化された食料製品を連続的に調製するための食品加工押し出し機械とに関する。原材料のタンパク質は、特には動物起源及び/又は植物起源であってよい。全ての場合において、タンパク質は、大きい割合の水、並びに適した場合には脂肪及び添加剤と混合され、対応する混合物は、押し出し機械によって適用される加工熱処理を受けて、ノズル内で成形される前に加熱及びゲル化される。繊維化としても知られる、食料製品のテクスチャ化は、本質的には押し出し機械のノズル内で起こり、ノズルを通って、機械のスリーブから出る材料は機械のねじによって押される。(フランス語では)繊維化されたタンパク質に基づいて食料製品を調製するための方法は、フランス語の表現「Cuisson-Extrusion en Milieu Humide(水分の多い媒体における押し出し調理(Extrusion-cooking in a humid medium))」の頭字語である「CEMH」の名で、並びに英語の表現「高水分量押し出し(High Moisture Extrusion)」の頭字語である「HME」の名で知られている。
【0004】
国際公開第2003/007729号は、HME方法及びそれに関連する押し出し機械であって、ノズルが、典型的には数メートルの大きい長さと、長方形の断面との両方を有するチャネルを通して材料を流させることによって、流れる材料を制御された手法で冷却するために設計されていて、温度プロファイルが、チャネルの入口と出口との間の材料の温度を徐々に低下させるようにチャネルに沿って適用される、HME方法及びそれに関連する押し出し機械を開示している。チャネルの冷却された壁と接触している材料は、その壁に付着しやすく、それによってチャネル内の材料の層流をせん断する。そのせん断は、材料ペーストにおける流線の発達をもたらし、流れの方向に沿って、変性した高分子を整列させる傾向がある。実際には、せん断速度及び流れの様式は、チャネルの固定形状に起因し、繊維化の制御は、チャネルが長いこと、及びそれによってノズルにおける加工時間が長いことを必要とする。
【0005】
本発明の分野とは異なる分野において、すなわちプラスチック又はラバーの押し出しの分野において、仏国特許出願公開第2213846号明細書及び特開2002-113764号公報は、押し出し材料のための流れチャネルを画定している、内部で内部構成要素が共軸に配置されている外側ケーシングを備える「クロスヘッド(crosshead)」ノズルを開示している。内部構成要素は、内部構成要素の上流部分から共通軸の周りで回転され、一方で、下流側では、材料は、チューブ状の製品に成形されてノズルから出る。同様に、国際公開第2020/144407号は、押し出し機のローターとともに回転するように結合された内部部分であって、ノズルの固定外部環に対して、外部環の半径方向の出口を通ってノズルから出る前に押し出しされた材料が流れるチャネルを画定している内部部分を有するノズルを開示している。異なるノズル内の曲がった経路に沿って材料が流れる限り、異なるノズルは、タンパク質及び水に富む材料を通過させるために構造的に適したものではなく、材料は、その押し出し加工の間に、長繊維の出現及び発達によって、徐々にゲル化する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、タンパク質及び水に富む材料の押し出しのための新規のノズルを提案することであり、それは、より大きくなく、ノズルから出る製品の繊維化に対してより効果的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明の対象は、請求項1に規定されるノズルである。
【0008】
本発明のさらなる対象は、請求項10に規定される押し出し機械である。
【0009】
本発明のさらなる対象は、請求項12に規定される押し出しされた食料製品の連続的な調製のためのシステムである。
【0010】
本発明の基礎にある思想のうち1つは、流れる材料との良好な熱交換を提供するとともに、ノズルの制御パラメータとして調節可能なせん断速度を使用することを可能とすることによって、ノズル内の材料の流れに適用されるせん断速度を調節するために使用することができる押し出しノズルを設計することである。この目的のために、ノズルは、ノズルを通過する材料が流れるチャネルを画定し、チャネルは、環状の断面を有し、チューブ状の外側ケーシングと内部構成要素との共軸の配置によって画定される。外側ケーシングは温度調節されて、外側ケーシングの内側面であって、それに対して材料がチャネル中を流れる内側面を、材料の温度と比較して低温にすることができ、このことは、材料が外側ケーシングの内側面に付着しやすいことを意味する。材料と外側ケーシングの内側面との間の延長された円筒状の接触表面に起因して、外側ケーシングとチャネルを通って流れる材料との間の熱交換はかなりの量である。同時に、内部構成要素は、ノズルの中心軸の周りで回転可能に取り付けられていて、外側ケーシングに対して内部構成要素を回転させることによって、チャネルを通って流れる材料は、内部構成要素の外側面の周りを囲みやすい。したがって、内部構成要素の回転の速度及び/若しくは方向を変えることによって、並びに/又は外側ケーシングの温度調節を調節することによって調節可能であるせん断速度で、チャネルを通って流れる材料は、外側ケーシングの冷却された内側面と、内部構成要素の回転する外側面との間で強くせん断される。したがって、本発明によるノズルは、チャネル中を流れる材料の繊維化を、及びしたがってノズルから出る製品の、すなわち本発明によるシステムによって連続的に調製される押し出し食料製品の繊維化を得て、細かく制御するために使用することができ、一方でノズルはコンパクトである、すなわちその中心軸の方向にわずかなスペースしか取らないものである。
【0011】
本発明の有利なさらなる特徴が、その他の請求項において特定されている。
【0012】
本発明は、単なる例示として与えられ、かつ図面を参照してされる以下の詳細な説明を読むことによってより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明による押し出し機械の斜視図である。
図2】本発明によるノズルを備える、図1に示される押し出し機械の一部を示す、図1に類似の図である。
図3図1の平面IIIにおける、図1に示される押し出し機械の部分的で模式的な長さ方向断面である。
図4図3に示される線IV-IVに沿った断面である。
図5図3に示される線V-Vに沿った断面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~5は、押し出し機械1を模式的に示している。
【0015】
押し出し機械1は、タンパク質及び水に富む原材料から、人及び/又は動物による飲食を意図した食料製品を連続的に押し出しすることによって、食品加工押し出しを行うために設計されている。
【0016】
より具体的には、押し出し機械1は、テクスチャ化された食料製品、言い換えれば繊維製品を連続的に調整することによって、タンパク質及び水に富む材料を押し出しするために設計されている。より正確には、原材料、すなわち押し出し機械1によって加工されて食料製品を形成する全ての原料と、押し出しされた材料、すなわち押し出し機械1の出口で得られる材料とは、主に水及びタンパク質を含有していて、少量の又は微量の範囲で、食物繊維及び/又はでんぷん、並びに場合によっては脂肪及び添加物を含有する。
【0017】
したがって、押し出しされた材料は、25~90wt%、好ましくは50~85wt%の水を含み、全体の乾燥材料に対して20~90wt%のタンパク質をさらに含む。タンパク質は、植物起源及び/若しくは動物起源、並びに/又は少なくとも、1つの他の起源である。植物性タンパク質は、例えばマメ類、穀物類及び/又はタンパク質作物(大豆、小麦、エンドウ豆、トウモロコシ、ヒヨコマメ、ヒラマメ等)に由来する。動物起源のタンパク質は、例えば魚類、肉類、乳及び/又は卵に由来する。タンパク質の他の1つ又は複数の起源は、例えばキノコ、藻類、虫、培養肉等である。
【0018】
押し出しされた材料は、全体の乾燥物質に対して、0~50wt%の食物繊維及び0~50wt%のでんぷんをさらに含み、食物繊維及び/又はでんぷんの合計は0.01%より多い。食物繊維は、例えば植物起源の繊維であり、でんぷんは、例えば植物起源であり、もともと予めゲル化又は改質された状態である。
【0019】
押し出しされた材料は、0~20%の脂肪、特には植物起源及び/若しくは動物起源の脂肪、並びに/又は機能性成分、例えばレシチン、カゼイネート若しくは他の成分、をさらに含んでよい。
【0020】
押し出し機械1は延伸した形状を有するスリーブ10を備え、スリーブ10は幾何学的な軸X-Xに沿って延在していて、軸X-Xを中心としている。スリーブ10の内部で、2つのねじ20は、軸X--Xに平行に延在していて、軸X--Xを中心とする、スリーブの補完的な長さ方向の空洞中に受け入れられる。実際には、それ自体は公知である手法で、それぞれのねじは、例えば中央ねじシャフト21を備え、中央ねじシャフト21にねじ要素22の組が取り付けられる。ねじ20が省略されている図2において明らかに見られるように、ねじは、軸X--Xの両側に延在していて、したがって、2枚の葉状の横方向の外形を有するスリーブの空洞に入り込む。
【0021】
ねじ20は、駆動ユニットであって、図示されておらず、ねじの上流端部、すなわち図1の右手端部とかみ合わされていて、スリーブ10の外部に出ている駆動ユニットによって、ねじ20の中央軸の周りで、ねじ20について回転させるために設計されている。
【0022】
ねじ20は、それらのねじ切りされた外形に起因して、軸X--Xに沿って、材料の成分が導入されるスリーブ10の上流部分から、スリーブ10の下流端部まで、スリーブの中央長さ方向の空洞の内部で、スリーブ10の内部の原材料を運ぶために設計されていて、用語「上流」及び「下流」は、ねじ20の作用の下でのスリーブの内部の材料の進行の方向に沿って配向され、進行の方向は、図1~4において右から左である。
【0023】
スリーブ10は、軸X--Xに沿って互いに連続する複数のモジュラー要素11を備える。要素11のそれぞれは、スリーブ10の中央長さ方向の空洞の対応する部分を内部に画定し、その空洞部分は、図のように、要素11の組み立てられた状態において、軸X--Xに沿って互いに直線状になっている。実際には、要素11は、固定カラー12によって、ペアとなるように組み立てられる。
【0024】
図において検討されている実施態様の例において、要素11のうち最も上流の要素は、その中央空洞部分の内部に、原材料の成分を挿入するために使用することができる。この目的のために、それ自体は公知であり、かつ本明細書においては詳細には示されていない手法で、要素11のうち最も上流の要素は、軸X-Xに対して横方向に、その要素の中央空洞部分の外側に開口している貫通孔11Aを設けられている。より一般的には、スリーブ10の異なる要素11のうち、1つ又は複数の要素は、スリーブ10の中央長さ方向の空洞の内部に、押し出し機械1によって押し出しされる材料の固体及び/又は液体成分を挿入することを可能とすると理解される。
【0025】
本文献の導入部分において記載したように、ねじ20は、押し出しされる材料に沿って動かされることに加えて、材料をせん断及び加圧して、本質的に機械的な方法で材料を変形させることのために設計されている。押し出し機械1のこれらの態様は当分野において周知であるため、本明細書においてはこれらの態様についてさらには議論しない。同様に、導入部分において記載したように、スリーブ10は、スリーブに沿って押し出しされる材料の温度を調節して、本質的に熱的な方法で材料を変形させることのために設計されている。この目的のために、スリーブ10の要素11の全て又は一部は、温度調節されるか、流をスリーブに注入することを可能とするか、及び/又はスリーブに押し出しされる材料を脱気することを可能とする。ここでまた本明細書において、押し出し機械1のこのような態様は当分野において周知であり、本明細書においては以降説明しない。より一般的には、スリーブ10及びねじ20は、スリーブの上流端部からスリーブの下流端部へと材料が進むときに、加工熱処理を原材料に適用するために設計されている。
【0026】
スリーブ10の下流端部において、スリーブ10は、当分野においては一般に「フロントプレート(front plate)」といわれる端部プレート13を備える。端部プレート13は、固定手法で、例えば固定カラー14によって、スリーブ10の要素11のうち最も下流の要素の下流端部に直接的に取り付けられる。図3及び4において明らかに見られるように、端部プレート13は、貫通空洞15であって、中央空洞の軸方向の連続に沿って延在していて、軸X--Xを中心とする貫通空洞15、要素11のうち最も下流の要素の部分を内部に画定し、それはねじ20の下流端部を受け入れる。空洞15は、ねじ20によって下流に押される材料を運んで、スリーブ10の中央長さ方向の空洞についての適した充填率及び加圧を提供するために適している。この目的のために、空洞15は、例えば、少なくとも部分的に下流を詰まらせていて、横方向のグリッド16を設けられている。押し出し機械1のこのような態様は本発明の範囲を限定するものではないため、このような態様は以降説明しない。
【0027】
押し出し機械1はノズル30をさらに備え、押し出し機械1の組み立てられた状態において、ノズル30はスリーブ10の下流端部に配置される。ノズル30は、材料を押し出しする目的で、押し出し機械1によって加工された材料を通過させるために設計されている。それによって、押し出し機械1の組み立てられた状態において、スリーブ10から出る材料は、ねじ20の作用の下で、ノズル30を通って流される。
【0028】
図3~5において明らかに見られるように、ノズル30は、外側ケーシング31及び内部構成要素32を主に備える。外側ケーシング31は、幾何学的な軸を中心としたチューブ状であり、幾何学的な軸は、押し出し機械1の組み立てられた状態において、軸X-Xと一致し、したがって、以降では軸X-Xとして考える。内部構成要素32は、幾何学的な軸を中心とした延伸した形状を有していて、幾何学的な軸は、押し出し機械1の組み立てられた状態において、軸X-Xと一致し、したがって、以降では軸X-Xとして考える。内部構成要素32は、外側ケーシング31の内部に共軸に配置され、チャネル33は、半径方向に、外側ケーシング31と内部構成要素32との間に、横方向の断面で、すなわち軸X-Xに垂直に切断された断面で画定され、チャネル33は環状であり、軸X-Xを中心としている。したがって、チャネル33は、スリーブ10に向かって曲がったチャネル33の上流端部33Aから、スリーブ10に対向したチャネルの下流端部33Bへと、軸X-Xに沿って延在している。図5において明らかに見られるように、チャネル33は、軸X-Xの周りで、すなわち360度にわたって、連続的に延在している。動作中には、スリーブ10から来てノズル30を通って通過する材料は、チャネル33に流れ、上流端部33Aから下流端部33Bへと、チャネル33の中を進行する。
【0029】
外側ケーシング31は、そのチューブ状の形状に起因して、内側面31A、すなわち軸X-Xに向かって曲がった面を有し、内側面31Aはチャネル33を画定し、チャネル33の上流端部33Aから下流端部33Bまで、チャネル33の外側表面を形成する。内部構成要素32は、外側面32A、すなわち軸X-Xから対向して曲がった面を有し、外側面32Aはチャネル33を画定し、チャネル33の上流端部33Aから下流端部33Bまで、チャネル33の内側表面を形成する。図において検討されている実施態様の例において、外側ケーシングの内側面31A及び内部構成要素32の外側面32Aは、それぞれ、軸X-Xを中心として周状の基部を有する円筒状であり、結果として、チャネル33の環状の断面は、上流端部33Aから下流端部33Bまで一定である。
【0030】
以降で内部構成要素32を詳細に示す前に、ここから、外側ケーシング31をより詳細に説明する。
【0031】
外側ケーシング31は、温度調節され、すなわち、外側ケーシング31の温度を制御して、少なくとも局所的に、所定の値で温度を維持するために設計されていて、有利には、外側ケーシング31と、外側ケーシング31の隣接する環境との間での熱交換に関わらず、調節可能である。したがって、具体的には、外側ケーシング31は、チャネル33における温度に対して、より正確にはチャネル33を通って流れる材料における温度に対して、外側ケーシング31の内側面31Aを介する、その材料と外側ケーシング31との間の熱交換によって、作用するために設計されている。
【0032】
温度調節の目的で、図1~5において検討される実施態様の例において、外側ケーシング31は、圧力の下で、温度調節流体、例えば水を循環させるための2つの導管31.1及び31.2を備える。それぞれの導管31.1、31.2は、軸X-Xを中心とする環状の形状を有し、チャネル33を囲んでいて、外側ケーシング31の熱伝導性壁によってチャネル33から分離されていて、それは内側面31Aを支持している。導管31.1及び31.2は互いに別個であり、軸X-Xに沿って互いに並行していて、導管31.1はチャネル33の上流部分を囲んでいて、上流端部33Aからチャネルの中間軸レベルまで延在していて、一方で導管31.2はチャネル33の下流部分を囲んでいて、先述の中間軸レベルからチャネルの下流端部33Bまで延在している。実際には、図に示されるように、導管31.1及び31.2は、それぞれ、外側ケーシング31の別個のモジュールに組み込まれていて、軸X-Xに沿って並置されて互いに並行している。動作中には、導管31.1及び31.2のそれぞれは温度調節流体を供給され、温度調節流体を軸X-Xの方向に沿って全体的に流して、対応する導管によって囲まれるチャネル33の部分に沿って温度プロファイルを適用して、特には、チャネル33を流れる材料がチャネルに沿って進行するとき、チャネル33を流れる材料を冷却する。当然ながら、ノズル30は、導管31.1及び31.2のそれぞれについて、外側ケーシング31の外部から導管を供給するための温度調節流体入口と、外側ケーシングの外部へと温度調節流体を排出するための温度調節流体出口とを備え、それぞれの導管からの温度調節流体の入口及び出口は図示されていない。導管31.1と31.2とが別個である限りにおいて、導管は、有利には、例えばチャネル33を流れる材料が、導管31.2を流れる温度調節流体との熱交換よりも、導管31.1を流れる温度調節流体との熱交換によってより強く冷却される場合、又はその逆の場合、導管は互いに異なるそれぞれの温度プロファイルを適用することができる。
【0033】
当然ながら、導管31.1及び31.2に関連してここで説明した実施態様は、より一般的には、上流端部33Aから下流端部33Bまで、チャネル33に沿ってある温度プロファイルを適用して、特には材料がチャネルを通って進行するときにチャネルを流れる材料を冷却するために適した、ケーシング31についての温度調節手段の実施態様のうちの単なる1つのあり得る実施態様である。
【0034】
さらに、押し出し機械1の組み立てられた状態において、スリーブ10と外側ケーシング31とが、ある固定手法で連結されているという意味で、外側ケーシング31は、スリーブ10に、ある固定手法で連結接続されるために設計されている。実際には、外側ケーシング31は、特に外側ケーシング31の上流部分は、このような目的のために、スリーブ10の下流部分に、特にスリーブ10の端部プレート13に、直接的又は間接的のいずれかで固く取り付けられる。
【0035】
したがって、図において検討される例において実施されるあり得る実施態様によれば、端部プレート13は、外側ケーシング31と端部プレート13との間の固定連結を提供するダイバージェントノズル17によって、下流端部に向かって延長している。外側ケーシング31は、例えば任意の適した手段によってダイバージェントノズル17に固く機械的に取り付けられ、特に、ダイバージェントノズル17は、外側ケーシング31の上流端部において、外側ケーシング31の内部に取り付けられ、一方で、ダイバージェントノズル17は、端部プレート13と軸方向に連続して、端部プレート13に対して直接的に押し付けられて取り付けられ、固定カラー18によって、端部プレート13に対して、ある固定手法で保持される。
【0036】
どの特定のダイバージェントノズル17であっても、ダイバージェントノズル17は、ノズル30とスリーブ10との間の固定接続を可能とし、有利には、ダイバージェントノズル17は、スリーブ10とノズル30との間の連結部へと流れる材料のための分配チャンバー17Aを画定する。押し出し機械1の組み立てられた状態において、分配チャンバー17Aは、端部プレート13の空洞15の下流端部を、チャネル33の上流端部33Aに接続する。したがって、分配チャンバー17Aは、軸X-Xを中心として、端部プレート13から出る材料を、チャネル33の上流端部33Aへと流れさせる。軸X-Xの周りで、上流端部33Aの全体の範囲にわたって分配される、チャネル33の上流端部33Aに入る材料について、分配チャンバー17Aは、軸X-Xの周りで、チャネル33の上流端部33Aに材料を分配するように成形される。この目的のために、図示されている例において、分配チャンバー17Aは、円錐台状の表面17Bを設けられていて、円錐台状の表面17Bは、軸X-Xを中心としていて、下流に広がっていて、分配チャンバー17Aの上流端部を外側ケーシング31の内側面31Aに連結している。
【0037】
外側ケーシング31とは異なり、内部構成要素32は、スリーブ10に対して固定されることを意図されたものではなく、ノズル30において、内部構成要素32が外側ケーシング31に対して軸X-Xの周りで回転しやすいように取り付けられて、軸X-Xの周りで回転することを意図されている。それによって、内部構成要素32の外側面32Aは、それ自体の周りで、軸X-Xの周りで回転する。
【0038】
図において実施される有利な実施態様によれば、内部構成要素32は、チャネル33のそれぞれの部分を画定する2つの別個の部分32.1及び32.2を備え、2つの別個の部分32.1及び32.2は軸X-Xに沿って互いに続いている。それによって、部分32.1は、チャネル33の上流部分を画定し、内部構成要素32の外側面32Aの対応する部分を支持し、一方で、部分32.2は、チャネルの先述の上流部分に直ちに隣接する、チャネル33の下流部分を画定し、部分32.2は、外側面32Aの残りを支持する。部分32.1及び32.2のそれぞれは他方の部分とは独立して回転することができ、部分32.1及び32.2は、互いとは異なるそれぞれの速度で、及び/又は互いに対向するそれぞれの方向で、軸X-Xの周りを回転することができる。
【0039】
図において検討されている実施態様の例において、部分32.1は、中心シャフト32.3であって、軸X-Xを中心としていて、中心シャフト32.3の上流部分が外側ケーシング31の内部に配置されていて、一方で中心シャフト32.3の下流部分が外側ケーシング31の外部に位置している中心シャフト32.3と、ステージング部分32.4であって、中心シャフト32.3の上流部分に固く取り付けられていて、外側ケーシング31の内部に配置されているステージング部分32.4との両方を備える。ステージング部分32.4は、内部構成要素32の外側面32Aの対応する部分を支持することによって、チャネル33の先述の上流部分を画定する。部分32.2は、チューブ状のシャフト32.5であって、軸X-Xを中心としていて、チューブ状のシャフト32.5の上流部分が外側ケーシング31の内部に配置されていて、一方でチューブ状のシャフト32.5の下流部分が外側ケーシング31の外部に配置されているチューブ状のシャフト32.5と、ステージング部分32.6であって、外側ケーシング31の内部に配置されていて、チューブ状のシャフト32.5の上流部分に固く取り付けられているステージング部分32.6との両方を備える。ステージング部分32.6は、内部構成要素32の外側面32Aの対応する部分を支持することによって、チャネル33の先述の下流部分を画定する。中心シャフト32.3は、シャフト32.3と32.5との間の1つ又は複数のジャーナルベアリング32.7の半径方向の中間位置で、特にはシャフト32.3及び32.5のそれぞれの上流部分の間、及びシャフト32.3及び32.5のそれぞれの下流部分の間で、チューブ状のシャフト32.5の内部に延在している。ステージング部分32.4及び32.6は、該当する場合には、図示されていないステージング部分間の界面を分離する軸方向の中間位置で、軸X-Xに沿って互いに直ちに隣接している。
【0040】
どの内部構成要素32の実施態様であっても、有利には、ノズル30は、軸X-Xの周りで内部構成要素32を回転させるために適したモータリゼーション(motorization)35、特に電動モーター、を備える。本発明は、技術的な特定のモータリゼーション35に限定されない。図において検討される実施態様の例において、モータリゼーション35は、内部構成要素32の部分32.1及び32.2にそれぞれ固有の2つのモーター35.1及び35.2を備える。それによって、モーター35.1は、軸X-Xの周りで部分32.1を回転させるために設計されている。この目的のために、モーター35.1の出力は、例えば、中心シャフト32.3の下流部分と連動している。モーター35.2は軸X-Xの周りで部分32.2を回転させるために設計されている。モーター35.2の出力は、例えば、チューブ状のシャフト32.5の下流部分と連動している。
【0041】
図において実施されているあり得る配置によれば、内部構成要素32の上流端部は、少なくとも部分的にダイバージェントノズル17中に配置されていて、ダイバージェントノズル17とともに分配チャンバー17Aを画定している。図において想定されている例において、内部構成要素32の上流端部は、内部構成要素32の部分32.1のステージング部分32.4によって形成されていて、軸X-Xを中心とする、及び下流に向かって広がる円錐状の表面32.4Aを有する。円錐状の表面32.4Aは、ダイバージェントノズル17の円錐台状の表面17Bと適合していて、表面32.4Aと17Bとの間に分配チャンバー17Aを設けるように、円錐台状の表面17Bの内部に配置される。
【0042】
これもまた図において検討されている実施態様において実施される別のあり得る配置によれば、ノズル30は、内部構成要素32に固定手法で連結されている出口ディフレクター36を備える。それによって、出口ディフレクター36は、内部構成要素32とともに、外側ケーシング31に対して軸X-Xの周りで回転可能である。本発明は、出口ディフレクター36と内部構成要素32との間に固定接続がある実施態様に限定されない。図において検討されている実施態様において、出口ディフレクター36は、内部構成要素32の部分32.2のステージング部分32.6に組み込まれている。
【0043】
出口ディフレクター36は、チャネル33から出る材料の流に対して逆圧を及ぼすように、チャネル33の下流端部33Bに配置される。実際には、軸X-Xに沿って、ディフレクター36は、チャネル33の下流端部33Bと正確に同じ位置を占めるか、又は図において想定される例のように下流端部33Bのわずかにずれた下流にあるかのいずれかであってよい。全ての場合において、出口ディフレクター36は、チャネル33の下流端部33Bを介してチャネル33から出る材料と、軸X-Xの方向に沿って、物理的に干渉するように設計されている。言い換えれば、出口ディフレクター36は、チャネル33を出る材料の流に対する軸方向の抵抗を含む。図において検討されている例において実施される実際的な実施態様によれば、出口ディフレクター36は、軸X-Xを中心とする略円錐台状の表面36Aを設けられていて、下流に向かって広がっていて、チャネル33から出る材料はそれに向かって流れる。
【0044】
ここから、押し出し機械1の操作を説明する。
【0045】
押し出しされる原材料の成分は、スリーブ10の要素11のうち少なくとも1つを介して、スリーブ10に導入され、次いで、ねじ20によって下流に沿って運ばれ、一方で、スリーブ及びねじによって適用される加工熱処理の効果の下で変形される。スリーブ10の要素11のうち、最も下流の要素から出る材料は、端部プレート13、ダイバージェントノズル17及びノズル30を通って連続的に押される。材料は、分配チャンバー17Aを通過した後にノズル30に入り、有利には、材料は、ダイバージェントノズル17によって、軸X-Xの周りで分配される。ノズル30の内部で、材料は、チャネル33の上流端部33Aからチャネル33の下流端部33Bへと、チャネル33を流れる。材料は、有利には出口ディフレクター36の効果の下で逆圧によって受け止められた後に、チャネル33の下流端部33Bから脱することによってノズル30から出る。
【0046】
チャネル33に沿って材料が流れるにつれて、材料は2つの異なるせん断構成要素によってせん断され、2つの異なるせん断構成要素は、内側面31Aを通る材料に外側ケーシング31によって適用される冷却に起因する外側ケーシング31の内側面31Aへの材料の付着によって生じる第一のせん断構成要素と、モータリゼーション35によって内部構成要素32の軸X-Xの周りの回転に起因する内部構成要素32の外側面32Aの周りの材料の屈曲によって生じる第二のせん断構成要素とを合わせたものである。それによって、チャネル33を流れる材料の実質的な繊維化が生じ、繊維化は、外側ケーシング31の温度調節によって制御される材料の冷却と、内部構成要素32の回転によって引き起こされる材料の流の屈曲との二重の効果の下で行われる。それによって、チャネル33の下流端部を出る材料は、たとえ仮にチャネル33の限定された軸方向の寸法が原因で、とりわけ類似のテクスチャ化を得るために使用される従来のノズルと比較して、ノズル30における材料の加工時間が短かったとしても、質的及び量的なテクスチャ化を示す。したがって、押し出し機械1は、原材料から、タンパク質及び水に富む押し出し材料から異なる繊維構造の食料製品を連続的に調製するために使用することができる。
【0047】
内部構成要素32の部分32.1及び32.2の回転のそれぞれの速度及び/若しくは方向を操作することによって、並びに/又は外側ケーシング31の導管31.1及び31.2によって適用されるそれぞれの温度プロファイルを操作することによって、チャネル33を流れる材料に適用されるせん断速度を変更し、したがって繊維化の特徴を変更することができる。それによって、外側ケーシング31によって行われる温度調節及び/又は内部構成要素32の回転を制御することによって、ノズル30は、ノズルを種々のテクスチャを有する食料製品を得るために使用することができるという意味で、制御され、かつ再現性のある手法で制御することができる。
【0048】
さらに、上で説明された押し出し機械1の種々の調整及び変形があり得る。その例は以下を含む。
内部構成要素32は、外側ケーシング31の外側に延在している内部構成要素32の下流部分において、ノズル30から出る材料を寸断するためのツールを備えてよく;図において想定されるノズル30は、このような切断ツールを備え、切断ツールは37の符号を付されていて、内部構成要素32の回転を利用してチャネル33を出る材料に作用するもののみが記載されているが、その具体的な実施態様は、それに限定されるものではない;及び/又は
可逆な機械結合手段を、外側ケーシング31の外部に延在していて、かつモータリゼーション35と連動している内部構成要素32の下流部分と、内部構成要素32の残りとの間に設けることができ;このようにして、内部構成要素32の下流部分は、例えばノズルの洗浄又はメンテナンスの目的で、ノズル30の残りから一時的に取り外すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】