(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】プリモールド基板、及びプリモールド基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
H01L23/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562376
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2021-10-20
(86)【国際出願番号】 KR2021007958
(87)【国際公開番号】W WO2022270654
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0080404
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514130585
【氏名又は名称】ヘソン・ディーエス・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クワン・ジェ・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ヘ・ク
(72)【発明者】
【氏名】イン・ソプ・ペ
(57)【要約】
一側面によれば、下面に、第1プリモールド溝が形成され、上面に、第2プリモールド溝が形成されて回路パターンをなす電気伝導性のベース部材と、第1プリモールド溝に配された第1プリモールド樹脂と、第2プリモールド溝に配された第2プリモールド樹脂と、を含むプリモールド基板を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下面に、第1プリモールド溝が形成され、上面に、第2プリモールド溝が形成され、回路パターンをなす電気伝導性のベース部材と、
前記第1プリモールド溝に配された第1プリモールド樹脂と、
前記第2プリモールド溝に配された第2プリモールド樹脂と、を含む、プリモールド基板。
【請求項2】
前記第1プリモールド樹脂と前記第2プリモールド樹脂は、同一種類の樹脂からなる、請求項1に記載のプリモールド基板。
【請求項3】
前記ベース部材の部分のうち、前記第1プリモールド樹脂及び前記第2プリモールド樹脂によって覆われずに露出される部分の少なくとも一部には、クリーム半田が配される、請求項1に記載のプリモールド基板。
【請求項4】
電気伝導性のベース部材を準備する段階と、
前記ベース部材の下面を加工し、第1プリモールド溝を形成する段階と、
前記形成された第1プリモールド溝に、第1プリモールド樹脂を配する段階と、
前記ベース部材の上面を加工し、第2プリモールド溝を形成する段階と、
前記形成された第2プリモールド溝に、第2プリモールド樹脂を配する段階と、を含む、プリモールド基板の製造方法。
【請求項5】
前記第1プリモールド樹脂と前記第2プリモールド樹脂は、同一種類の樹脂からなる、請求項4に記載のプリモールド基板の製造方法。
【請求項6】
前記第1プリモールド溝を形成するために、前記ベース部材の下面を加工する段階は、エッチングを利用してなされる、請求項4に記載のプリモールド基板の製造方法。
【請求項7】
前記エッチングは、感光性素材のドライフィルムレジストを、前記ベース部材の下面に配し、前記ドライフィルムレジストでレジストパターンを形成して遂行される、請求項6に記載のプリモールド基板の製造方法。
【請求項8】
前記第2プリモールド溝を形成するために、前記ベース部材の上面を加工する段階は、エッチングを利用してなされる、請求項4に記載のプリモールド基板の製造方法。
【請求項9】
前記エッチングは、感光性素材のドライフィルムレジストを、前記ベース部材の下面に配し、前記ドライフィルムレジストでレジストパターンを形成して遂行される、請求項8に記載のプリモールド基板の製造方法。
【請求項10】
前記ベース部材の部分のうち、前記第1プリモールド樹脂及び前記第2プリモールド樹脂によって覆われずに露出される部分の少なくとも一部には、クリーム半田を配する工程をさらに含む、請求項4に記載のプリモールド基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリモールド基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型、軽量化、高速化及び高容量化の趨勢が進むにつれ、前記電子製品に使用される基板及びリードフレームに係わる技術が飛躍的に発展している。
【0003】
該基板または該リードフレームの中には、モールド樹脂の一部が配されたプリモールド型基板またはプリモールド型リードフレームがあるが、該プリモールド型基板または該プリモールド型リードフレームは、半導体チップの実装前に、事前にモールド樹脂の一部が配されるために、半導体パッケージ製造工程を短縮させるという長所がある。
【0004】
韓国公開特許公報10-2016-0021304号には、下面にプリモールド用樹脂が配されたリードフレームの製造方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一側面によれば、改善されたプリモールド基板、及びプリモールド基板の製造方法を提供することを主な課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、下面に、第1プリモールド溝が形成され、上面に、第2プリモールド溝が形成され、回路パターンをなす電気伝導性のベース部材と、前記第1プリモールド溝に配された第1プリモールド樹脂と、前記第2プリモールド溝に配された第2プリモールド樹脂と、を含むプリモールド基板を提供する。
【0007】
また、本発明の他の側面によれば、電気伝導性のベース部材を準備する段階と、前記ベース部材の下面を加工し、第1プリモールド溝を形成する段階と、前記形成された第1プリモールド溝に、第1プリモールド樹脂を配する段階と、前記ベース部材の上面を加工し、第2プリモールド溝を形成する段階と、前記形成された第2プリモールド溝に、第2プリモールド樹脂を配する段階と、を含むプリモールド基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、第1プリモールド樹脂及び第2プリモールド樹脂がそれぞれベース部材の下面側と上面側とに配されるので、プリモールド基板の反りが防止されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板の断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板が適用された半導体パッケージを図示した概略的な断面図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を図示した概略的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一側面によれば、下面に、第1プリモールド溝が形成され、上面に、第2プリモールド溝が形成され、回路パターンをなす電気伝導性のベース部材と、前記第1プリモールド溝に配された第1プリモールド樹脂と、前記第2プリモールド溝に配された第2プリモールド樹脂と、を含むプリモールド基板を提供する。
【0011】
ここで、前記第1プリモールド樹脂と前記第2プリモールド樹脂は、同一種類の樹脂によってもなる。
【0012】
ここで、前記ベース部材の部分のうち、前記第1プリモールド樹脂及び前記第2プリモールド樹脂によって覆われずに露出される部分の少なくとも一部には、クリーム半田が配されうる。
【0013】
また、本発明の他の側面によれば、電気伝導性のベース部材を準備する段階と、前記ベース部材の下面を加工し、第1プリモールド溝を形成する段階と、前記形成された第1プリモールド溝に、第1プリモールド樹脂を配する段階と、前記ベース部材の上面を加工し、第2プリモールド溝を形成する段階と、前記形成された第2プリモールド溝に、第2プリモールド樹脂を配する段階と、を含むプリモールド基板の製造方法を提供する。
【0014】
ここで、前記第1プリモールド樹脂と前記第2プリモールド樹脂は、同一種類の樹脂によってもなる。
【0015】
ここで、前記第1プリモールド溝を形成するために、前記ベース部材の下面を加工する段階は、エッチングを利用してもなされる。
【0016】
ここで、前記エッチングは、感光性素材のドライフィルムレジストを、前記ベース部材の下面に配し、前記ドライフィルムレジストでレジストパターンを形成しても行われる。
【0017】
ここで、前記第2プリモールド溝を形成するために、前記ベース部材の上面を加工する段階は、エッチングを利用してもなされる。
【0018】
ここで、前記エッチングは、感光性素材のドライフィルムレジストを、前記ベース部材の下面に配し、前記ドライフィルムレジストでレジストパターンを形成しても行われる。
【0019】
ここで、前記ベース部材の部分のうち、前記第1プリモールド樹脂及び前記第2プリモールド樹脂によって覆われずに露出される部分の少なくとも一部には、クリーム半田を配する工程をさらに含んでもよい。
【0020】
以下、添付された図面を参照し、望ましい実施形態による本発明について詳細に説明する。また、本明細書及び図面において、実質的に同一構成を有する構成要素については、同一符号を使用することにより、重複説明を省略し、図面には、理解の一助とするために、大きさ、長さの比率などによって誇張された部分が存在しうる。
【0021】
本発明は、添付図面と共に詳細に後述されている実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態によっても具現され、単に、本実施形態は、本発明の開示を完全なものにし、本発明が属する技術分野において当業者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0022】
なお、本明細書で使用された用語は、実施形態の説明のためのものであり、本発明を制限するものではない。本明細書において、単数形は、文言で特別に言及しない限り、複数形も含む。明細書で使用される「含む(comprise)」及び/または「含むところの(comprising)」は、言及された構成要素、段階、動作及び/または素子は、1以上の他の構成要素、段階、動作及び/または素子の存在または追加を排除するものではない。本明細書において、上面、下面、上側、下側、左側、右側、第1、第2のような用語は、多様な構成要素の説明に使用されうるが、該構成要素は、用語によって限定されるものではない。すなわち、該用語は、それ自体で絶対的な方向や位置を示すものではなく、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板の断面図である。
【0024】
図1に図示されているように、本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板100は、ベース部材110、第1プリモールド樹脂120、第2プリモールド樹脂130を含む。
【0025】
ベース部材110は、プリモールド基板100の一部をなし、加工後には、回路パターンをなす。
【0026】
ベース部材110は、電気伝導性の素材によってなればよく、それ以外の特別な制限は、ない。ベース部材110の素材の例を挙げれば、Cu、Feのような単一素材によってもなり、Cu・Sn、Cu・Zr、Cu・Fe、Cu・Znのような銅合金、Fe・Ni、Fe・Ni・Coなどの鉄合金のような多様な素材によってもなる。また、ベース部材110の素材として、商用のリードフレーム素材が適用されうる。
【0027】
ベース部材110の下面には、第1プリモールド溝111が形成されており、ベース部材110の上面には、第2プリモールド溝112が形成されている。
【0028】
ベース部材110の部分のうち、第1プリモールド樹脂120と第2プリモールド樹脂130とによって覆われずに露出される部分S1,S2が存在するが、その露出される部分S1,S2は、半導体チップや外部回路基板との電気的連結のための端子の機能を遂行する。
【0029】
第1プリモールド樹脂120は、第1プリモールド溝111に配されている。
【0030】
第1プリモールド樹脂120は、ベース部材110と共に、プリモールド基板100をなすが、ベース部材110を保護する。
【0031】
第1プリモールド樹脂120は、電気絶縁性の樹脂である。第1プリモールド樹脂120は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が適用されうるが、熱膨脹を最小化させるために、シリカが80~90%以上含有されたことが望ましい。第1プリモールド樹脂120の充填は、液状の樹脂物質を利用してもなされ、樹脂成分を含む固状のテープを利用してもなされる。
【0032】
併せて、第1プリモールド樹脂120は、ベース部材110の露出部分S1,S2に配されるクリーム半田の広がりを防止するための適切な素材によって構成されるが、本発明は、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0033】
第2プリモールド樹脂130は、第2プリモールド溝112に配されている。
【0034】
第2プリモールド樹脂130は、電気絶縁性の樹脂である。第2プリモールド樹脂130は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が適用されうるが、熱膨脹を最小化させるために、シリカが80~90%以上含有されたことが望ましい。第2プリモールド樹脂130の充填は、液状の樹脂物質を利用してもなされ、樹脂成分を含む固状のテープを利用してもなされる。
【0035】
併せて、第2プリモールド樹脂130は、ベース部材110の露出部分S1,S2に配されるクリーム半田の広がりを防止するための適切な素材によって構成されるが、本発明は、必ずしもそれに限定されるものではない。
【0036】
本実施形態によれば、第1プリモールド樹脂120と第2プリモールド樹脂130は、同一種類の樹脂からなる。それにより、ベース部材110の両面側に配される樹脂が、同一種類によってなっており、プリモールド基板100の両面側の熱膨脹係数差が生じないので、プリモールド基板100の反りをさらに効果的に防止することができる。
【0037】
本実施形態によれば、第1プリモールド樹脂120と第2プリモールド樹脂130は、同一種類の樹脂からなるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、第1プリモールド樹脂120と第2プリモールド樹脂130は、互いに異なる種類の樹脂からもなる。
【0038】
以下、
図2ないし
図10を参照し、本実施形態に係わるプリモールド基板100の製造方法について説明する。
【0039】
図2ないし
図8は、本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を順次に図示した概略的な断面図であり、
図9は、本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板が適用された半導体パッケージを図示した概略的な断面図であり、
図10は、本発明の一実施形態に係わるプリモールド基板を製造する工程を図示した概略的なフローチャートである。
【0040】
まず、
図2に図示されているように、ベース部材110を準備する(段階S1)。ベース部材110は、電気伝導性の素材からなっており、下面110aと上面110bとを含んでいる。
【0041】
次に、ベース部材100の下面110aを加工し、
図3に図示されているように、第1プリモールド溝111を形成する(段階S2)。
【0042】
ここで、ベース部材100の下面110aを加工する方法は、エッチング方法を使用することができる。該エッチング方法は、湿式エッチング、乾式エッチングなどが適用されうる。該エッチング方法の具体的を挙げれば、感光性素材のドライフィルムレジストをベース部材100の下面110aに配し、ドライフィルムレジストを露光して現像し、ドライフィルムレジストでレジストパターンを形成する。続いて、形成されたレジストパターンを利用してエッチングを行い、第1プリモールド溝111を形成することができる。
次に、第1プリモールド溝111に第1プリモールド樹脂120を塗布して配する(段階S3)。
【0043】
第1プリモールド樹脂120は、
図4に図示されているように、第1プリモールド溝111に位置する部分120aだけではなく、下面110aの一部を覆う部分120bが存在するようにも形成される。その場合、ブラッシング工程、研磨工程、エッチング工程などにより、
図5に図示されているように、ベース部材100の下面110aを露出させ、露出部分S1を形成することができる。
【0044】
次に、ベース部材110の上面110bを加工し、第2プリモールド溝112を形成する(段階S4)。
【0045】
ここで、ベース部材100の上面110bを加工する方法は、エッチング方法を使用することができる。該エッチング方法は、湿式エッチング、乾式エッチングなどが適用されうる。
【0046】
ベース部材100の上面110bを加工する方法の一例について、具体的に説明すれば、次の通りである。まず、感光性素材のドライフィルムレジストを、ベース部材100の上面110bに配し、ドライフィルムレジストを露光して現像し、
図5に図示されているように、ドライフィルムレジストでレジストパターンRを形成する。続いて、形成されたレジストパターンRを利用し、エッチングを行うことにより、
図6に図示されているように、第2プリモールド溝112を形成する。
【0047】
次に、第2プリモールド溝112に第2プリモールド樹脂130を塗布して配する(段階S5)。
【0048】
第2プリモールド樹脂130は、
図7に図示されているように、第2プリモールド溝112に位置する部分130aだけではなく、上面110bの一部を覆う部分130bが存在するようにも形成される。その場合、ブラッシング工程、研磨工程、エッチング工程などにより、
図1に図示されているように、ベース部材100の上面110bを露出させ、露出部分S2を形成することができる。
【0049】
ベース部材110の部分のうち、第1プリモールド樹脂120と第2プリモールド樹脂130とによって覆われずに露出される部分S1,S2は、半導体チップや外部回路基板との電気的連結のための端子の機能を遂行する。従って、そのような露出部分S1,S2に、さらなる工程を遂行することができる。例えば、そのような露出部分S1,S2の少なくとも一部には、Au、Pdなどを利用してメッキするか、あるいはOSP(organic solderbility preservative)コーティングを行い、追っての工程において、ソルダー接着力を高めることができる。
【0050】
一方、プリモールド基板100の製造において、
図1に図示された構造でもってプリモールド基板100の製造を完了し、製造されたプリモールド基板100を、半導体パッケージ製造工程に受け渡し、半導体パッケージ製造工程が進められもするが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、プリモールド基板100の製造工程において、
図1に図示されたベース部材110の露出部分S1,S2の少なくとも一部に、
図8に図示されているように、クリーム半田Kを配する工程を追加することもできる。すなわち、クリーム半田Kを配する工程は、半導体パッケージング工程で遂行されることが一般的であるが、前述のように、ベース部材110の露出部分S1,S2は、電気的連結のための端子の機能を遂行するので、プリモールド基板100の製造工程において、露出部分S1,S2の少なくとも一部に、事前にクリーム半田Kを配することもできる。その場合には、クリーム半田Kの形態が流動的であっても、露出部分S1,S2からはみ出さないが、それは、ベース部材110と、第1プリモールド樹脂120及び第2プリモールド樹脂130との素材が異なっており、素材特性上、第1プリモールド樹脂120及び第2プリモールド樹脂130の表面がクリーム半田Kを押し出すので、クリーム半田Kの広がりが防止されるためである。
【0051】
クリーム半田Kが配された後には、半導体パッケージ製作工程において、クリーム半田Kを利用し、半導体チップCの電極Pと、ベース部材110との電気的連結を行う。次に、エポキシ素材、ウレタン系素材のようなモールド樹脂Gを利用したカプセル化(encapsulation)を行い、
図9に図示されているように、半導体パッケージ200の構造を具現することになる。
【0052】
本実施形態によれば、クリーム半田Kを直接利用し、半導体チップCの電極Pと、ベース部材110との電気的連結を行うが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、クリーム半田Kを利用してバンプを形成し、チップCとの電気的連結を行うこともできる。
【0053】
以上のように説明された本実施形態によるプリモールド基板100の製造工程は、第1プリモールド溝111を形成し、第1プリモールド樹脂120を配した後、第2プリモールド溝112を形成し、第2プリモールド樹脂130を配する順序に進められるが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によるプリモールド基板の製造工程は、第2プリモールド溝112を形成し、第2プリモールド樹脂130を配した後、第1プリモールド溝111を形成し、第1プリモールド樹脂120を配する順序にも進められる。また、本発明によるプリモールド基板の製造工程は、第1プリモールド溝及び第2プリモールド溝をまず形成した後、第1プリモールド樹脂及び第2プリモールド樹脂を配することもできる。
【0054】
以上のように説明されたプリモールド基板100の工程は、平板単位に行われているが、本発明は、それに限定されるものではない。すなわち、本発明によれば、以上のように説明されたプリモールド基板100の工程は、ロール・ツー・ロール工程で連続的に遂行されうる。
【0055】
以上のように、本実施形態によるプリモールド基板100は、ベース部材110の下面110aに、第1プリモールド溝111が形成され、上面110bに、第2プリモールド溝112が形成され、第1プリモールド溝111に、第1プリモールド樹脂120が配され、第2プリモールド溝112に、第2プリモールド樹脂130が配されるので、ベース部材110の下面側と上面側とのいずれにも、プリモールド樹脂が配されることになる。そのような構造を有することになれば、プリモールド基板100の全体構造を見るとき、下面側と上面側との熱膨脹係数の差が小さくなり、それは、基板が反る現象を防止することができることになる。特に、本実施形態によれば、第1プリモールド樹脂120と第2プリモールド樹脂130は、同一種類の樹脂からなり、さらに効果的に基板の反りを防止することができる。
【0056】
併せて、本実施形態によれば、プリモールド基板100の製造工程または半導体パッケージ200の製造工程において、ベース部材110の露出された部分S1,S2にクリーム半田Kを配する場合、ベース部材110と、第1プリモールド樹脂120及び第2プリモールド樹脂130との素材が異なっており、クリーム半田Kの広がり現象が自然に防止されるので、半導体パッケージの品質が向上されうる。
【0057】
本発明の一側面は、添付図面に図示された実施形態を参照して説明されたが、それらは、例示的なものに過ぎず、当該技術分野において当業者であるならば、それらから多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解することができるであろう。従って、本発明の真の保護範囲は、請求範囲によってのみ定められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本実施形態によるプリモールド基板、及びプリモールド基板の製造方法は、プリモールド基板を製造する産業にも適用される。
【国際調査報告】