(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】掃除機のダストカップの分離構造
(51)【国際特許分類】
A47L 9/16 20060101AFI20230803BHJP
【FI】
A47L9/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502565
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 CN2021132320
(87)【国際公開番号】W WO2022262196
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】202121353171.4
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520412589
【氏名又は名称】深▲せん▼市小摩科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Shermon Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】501, E Times Building, Heng Road, No. 159 North Pingji Avenue, Hehua Community, Pinghu Street, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】陸 彭飛
【テーマコード(参考)】
3B062
【Fターム(参考)】
3B062AH02
3B062AH05
(57)【要約】
本発明は、本体と分離装置を含む掃除機のダストカップの分離構造を提供し、分離装置は本体の内部に固定的に取り付けられ、分離装置は本体の内部を第1のチャンバー、第2のチャンバーおよび第3のチャンバーに仕切り、分離装置に貫通穴、空気取込部および複数の沈下部が設けられ、沈下部は空気取込部と連通し、空気取込部は複数の沈下部の中央に位置し、空気取込部の長さは沈下部の長さよりも短く、空気取込部は第2のチャンバーと連通し、沈下部は第3のチャンバーと連通し、第1のチャンバーは貫通穴を介して第2のチャンバーと連通し、分離装置の構造が簡単であり、空気取込部の長さが短く、空気・ゴミ混合物が空気取込部に進入した後、沈下部に進入するのに非常に短い距離しか必要とせず、分離装置の長さが短くなり、この掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップの長さが短くなり、さらにダストカップの体積が小さくなり、低出力のモータで駆動することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と分離装置を含み、前記分離装置は前記本体の内部に固定的に取り付けられ、前記分離装置は前記本体の内部を第1のチャンバー、第2のチャンバーおよび第3のチャンバーに仕切り、前記分離装置に貫通穴、空気取込部および複数の沈下部が設けられ、前記沈下部は前記空気取込部と連通し、前記空気取込部は複数の前記沈下部の中央に位置し、前記空気取込部の長さは前記沈下部の長さよりも短く、前記空気取込部は前記第2のチャンバーと連通し、前記沈下部は前記第3のチャンバーと連通し、前記第1のチャンバーは前記貫通穴を介して前記第2のチャンバーと連通する、ことを特徴とする掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項2】
前記沈下部の長さと前記空気取込部の長さの比は1.5~2.5である、ことを特徴とする請求項1に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項3】
前記掃除機のダストカップの分離構造はフィルターをさらに含み、前記フィルターは前記分離装置の周囲を取り囲んで設けられ、前記フィルターは前記貫通穴を遮断する、ことを特徴とする請求項1に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項4】
前記分離装置に、前記沈下部と1対1に対応する通気溝が設けられ、前記沈下部は前記通気溝を介して前記空気取込部と連通する、ことを特徴とする請求項1に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項5】
前記沈下部は、円筒管と円錐管を含み、前記円筒管は前記円錐管と連通し、前記円錐管の長さは前記円筒管の長さよりも長く、前記円錐管は前記第3のチャンバーと連通し、前記円筒管は前記通気溝を介して前記空気取込部と連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項6】
前記本体に、前記沈下部と1対1に対応する排気管がさらに設けられ、前記排気管は前記円筒管内に収容される、ことを特徴とする請求項5に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項7】
前記掃除機のダストカップの分離構造はフィルター綿塊をさらに含み、前記本体は窪んで第4のチャンバーを形成し、前記排気管は前記第4のチャンバーと連通し、前記フィルター綿塊は前記第4のチャンバー内に収容されて前記排気管を遮断する、ことを特徴とする請求項6に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項8】
前記円筒管の円心から前記空気取込部の中心までの長さはLであり、2Lと前記空気取込部の最大内径の比は1.8~2.5である、ことを特徴とする請求項5に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項9】
前記空気取込部の最大内径と前記通気溝の最大幅の比は4.5~5.5である、ことを特徴とする請求項5に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【請求項10】
前記本体に、前記第1のチャンバーと連通する吸気穴がさらに設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の掃除機のダストカップの分離構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機の分野に関し、特に掃除機のダストカップの分離構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ダストカップは、掃除機の重要な部材であり、掃除機が作動しているときモータによりグランドブラシを駆動して空気・ゴミ混合物をダストカップに吸い込み、空気・ゴミ混合物がダストカップ内の分離装置で分離された後、ゴミがダストカップに保留され、空気がモータの排気口から排出される。ダストカップ内の分離装置はシングルコーンタイプとマルチコーンタイプがあり、マルチコーンタイプ分離装置の分離効果が高く、消費者に歓迎されているが、従来のマルチコーンタイプ分離装置のダストカップは以下の欠点がある。
【0003】
1.マルチコーンタイプ分離装置の構造は複雑で、占有空間が大きく、ダストカップの長さが長くなり、体積も大きくなり、ダストカップの長さや体積の増加につれて、ダストカップは高出力モータで駆動する必要がある。
【0004】
2.マルチコーンタイプ分離装置の沈下円錐体と吸気管は独立した部品であり、別々に製造する必要があるだけでなく、沈下円錐体と吸気管を手動で組み立てる必要もあるため、ダストカップの製造コストが高くなる。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するための掃除機のダストカップの分離構造を提供する。
【0006】
本発明は以下の技術的解決策によって実現され得る。
本発明は掃除機のダストカップの分離構造を提供し、前記掃除機のダストカップの分離構造は本体と分離装置を含み、前記分離装置は前記本体の内部に固定的に取り付けられ、前記分離装置は前記本体の内部を第1のチャンバー、第2のチャンバーおよび第3のチャンバーに仕切り、前記分離装置に貫通穴、空気取込部と複数の沈下部が設けられ、前記沈下部は前記空気取込部と連通し、前記空気取込部は複数の前記沈下部の中央に位置し、前記空気取込部の長さは前記沈下部の長さよりも短く、前記空気取込部は前記第2のチャンバーと連通し、前記沈下部は前記第3のチャンバーと連通し、前記第1のチャンバーは前記貫通穴を介して前記第2のチャンバーと連通する。
【0007】
さらに、前記沈下部の長さと前記空気取込部の長さの比は1.5~2.5である。
【0008】
さらに、前記掃除機のダストカップの分離構造はフィルターをさらに含み、前記フィルターは前記分離装置の周囲を取り囲んで設けられ、前記フィルターは前記貫通穴を遮断する。
【0009】
さらに、前記分離装置に、前記沈下部と1対1に対応する通気溝が設けられ、前記沈下部は前記通気溝を介して前記空気取込部と連通する。
【0010】
さらに、前記沈下部は円筒管と円錐管を含み、前記円筒管は前記円錐管と連通し、前記円錐管の長さは前記円筒管の長さよりも長く、前記円錐管は前記第3のチャンバーと連通し、前記円筒管は前記通気溝を介して前記空気取込部と連通する。
【0011】
さらに、前記本体に、前記沈下部と1対1に対応する排気管がさらに設けられ、前記排気管は前記円筒管内に収容される。
【0012】
さらに、前記掃除機のダストカップの分離構造はフィルター綿塊をさらに含み、前記本体は窪んで第4のチャンバーを形成し、前記排気管は前記第4のチャンバーと連通し、前記フィルター綿塊は前記第4のチャンバー内に収容されて前記排気管を遮断する。
【0013】
さらに、前記円筒管の円心から前記空気取込部の中心までの長さはLであり、2Lと前記空気取込部の最大内径の比は1.8~2.5である。
【0014】
さらに、前記空気取込部の最大内径と前記通気溝の最大幅の比は4.5~5.5である。
【0015】
さらに、前記本体に、前記第1のチャンバーと連通する吸気穴がさらに設けられる。
【0016】
本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明によって提供される掃除機のダストカップの分離構造の分離装置は、構造が簡単であり、空気取込部の長さが短く、空気取込部による流体に対する抵抗が非常に小さく、空気・ゴミ混合物が空気取込部に進入した後、沈下部に進入するのに非常に短い距離しか必要とせず、分離装置の長さが短くなり、本掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップの長さが短くなり、ダストカップの体積が減少し、低出力モータで駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の掃除機のダストカップの分離構造の断面図である。
【
図2】本発明の掃除機のダストカップの分離構造の本体の断面図である。
【
図3】本発明の掃除機のダストカップの分離構造の分離装置の斜視図である。
【
図4】本発明の掃除機のダストカップの分離構造の分離装置の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の技術的解決策をより明確かつ完全に説明するために、以下、図面を参照して本発明をさらに説明する。
【0019】
図1~
図4を参照すると、本発明は掃除機のダストカップの分離構造を提供し、前記掃除機のダストカップの分離構造は本体10と分離装置20を含み、前記分離装置20は前記本体10の内部に固定的に取り付けられ、前記分離装置20は前記本体10の内部を前記第1のチャンバー11、前記第2のチャンバー12と前記第3のチャンバー13に仕切り、前記分離装置20に貫通穴21、前記空気取込部22と複数の沈下部23が設けられ、前記沈下部23は前記空気取込部22と連通し、前記空気取込部22は複数の前記空気取込部22の中央に位置し、前記空気取込部22の長さは前記沈下部23の長さよりも短く、前記空気取込部22は前記第2のチャンバー12と連通し、前記沈下部23は前記第3のチャンバー13と連通し、前記第1のチャンバー11は前記貫通穴21を介して前記第2のチャンバー12と連通する。
【0020】
本実施形態では、前記空気取込部22は円形管であり、前記第1のチャンバー11は前記第3のチャンバー13と連通しておらず、前記第2のチャンバー12も前記第3のチャンバー13と連通しておらず、前記空気取込部22と前記沈下部23はすべて前記第2のチャンバー12内に配置される。
【0021】
本実施形態では、前記掃除機のダストカップの分離構造の前記分離装置20は構造が簡単であり、前記空気取込部22の長さが短く、流体に対する前記空気取込部22の抵抗が非常に小さく、空気・ゴミ混合物が前記空気取込部22に進入した後、前記沈下部23に進入するのに非常に短い距離しか必要とせず、前記分離装置20の長さが短くなり、前記掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップの長さが短くなり、ダストカップの体積が減少し、低出力のモータで駆動することができる。
【0022】
本実施形態では、前記分離装置20は、手動で組み立てることなく一体的に成形されるため、前記掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップの製造コストをさらに削減する。
【0023】
さらに、前記沈下部23の長さと前記空気取込部22の長さの比は1.5~2.5である。
【0024】
さらに、前記掃除機のダストカップの分離構造はフィルター30をさらに含み、前記フィルター30は前記分離装置20の周囲を取り囲んで設けられ、前記フィルター30は前記貫通穴21を遮断する。
【0025】
さらに、前記本体10に、前記第1のチャンバー11と連通する吸気穴16がさらに設けられる。
【0026】
さらに、前記分離装置20に、前記沈下部23と1対1に対応する通気溝24が設けられ、前記沈下部23は前記通気溝24を介して前記空気取込部22と連通する。
【0027】
さらに、前記空気取込部22の最大内径と前記通気溝24の最大幅の比は4.5~5.5である。
【0028】
本実施形態では、前記掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップはモータで駆動して作動する場合、空気・ゴミ混合物が前記吸気穴16を介して前記第1のチャンバー11に進入して回転気流を形成し、空気・ゴミ混合物が前記フィルター30によって1次分離され、大粒子のゴミが前記フィルター30によってブロックされ前記第2のチャンバー12内に進入できず、大粒子のゴミが前記第1のチャンバー11の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記空気取込部22に進入し、空気・ゴミ混合物が前記空気取込部22内をらせん状に上昇しながら2次分離され、一部の小粒子のゴミが前記第2のチャンバー12の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記通気溝24を通して前記沈下部23に進入し、このとき空気・ゴミ混合物がより高速の回転気流を形成して3次分離され、小粒子ゴミの他の部分は前記沈下部23を介して前記第3のチャンバー13の底部に徐々に沈下し、この時ほとんどのゴミが空気から分離される。
【0029】
本実施形態では、前記吸気穴16は前記本体10の側面に設けられるため、空気・ゴミ混合物が前記吸気穴16から前記沈下部23に移動する流動経路を短縮することができる。
【0030】
さらに、前記沈下部23は円筒管25と円錐管26を含み、前記円筒管25は前記円錐管26と連通し、前記円錐管26の長さは前記円筒管25の長さよりも長く、前記円錐管26は前記第3のチャンバー13と連通し、前記円筒管25は前記通気溝24を介して前記空気取込部22と連通する。
【0031】
さらに、前記円筒管25の円心から前記空気取込部22の中心までの長さはLであり、2Lと前記空気取込部22の最大内径の比は1.8~2.5である。
【0032】
本実施形態では、前記掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップがモータで駆動して作動する場合、空気・ゴミ混合物が前記吸気穴16を介して前記第1のチャンバー11に進入して回転気流を形成し、空気・ゴミ混合物が前記フィルター30によって1次分離され、大粒子のゴミが前記フィルター30によってブロックされ前記第2のチャンバー12に進入できず、大粒子のゴミが前記第1のチャンバー11の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記空気取込部22に進入し、空気・ゴミ混合物が前記空気取込部22内をらせん状に上昇しながら2次分離され、一部の小粒子のゴミが前記第2のチャンバー12の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記通気溝24を介して前記円筒管25に進入し、この時空気・ゴミ混合物がより高速の回転気流を形成して3次分離され、小粒子のゴミの他の部分が前記円錐管26を介して前記第3のチャンバー13の底部に徐々に沈下し、この時ほとんどのゴミが空気から分離される。
【0033】
さらに、前記本体10に、前記沈下部23と1対1に対応する排気管14がさらに設けられ、前記排気管14は前記円筒管25内に収容される。
【0034】
さらに、前記掃除機のダストカップの分離構造はフィルター綿塊40をさらに含み、前記本体10が窪んで第4のチャンバー15を形成し、前記排気管14は前記第4のチャンバー15と連通し、前記フィルター綿塊40は前記第4のチャンバー15内に収容されて前記排気管14を遮断する。
【0035】
本実施形態では、前記掃除機のダストカップの分離構造を利用するダストカップはモータで駆動して作動する場合、空気・ゴミ混合物が前記吸気穴16を介して前記第1のチャンバー11に進入して回転気流を形成し、空気・ゴミ混合物が前記フィルター30によって1次分離され、大粒子のゴミが前記フィルター30によってブロックされ前記第2のチャンバー12内に進入できず、大粒子のゴミが前記第1のチャンバー11の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記空気取込部22に進入し、空気・ゴミ混合物が前記空気取込部22内をらせん状に上昇しながら2次分離され、一部の小粒子ゴミが前記第2のチャンバー12の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記通気溝24を介して前記円筒管25に進入し、この時空気・ゴミ混合物がより高速の回転気流を形成して3次分離され、小粒子ゴミの他の部分が前記円錐管26を介して前記第3のチャンバー13の底部に徐々に沈下し、空気・ゴミ混合物がモータの駆動下で前記排気管14を介して前記第4のチャンバー15に進入し、最終的に空気・ゴミ混合物が前記フィルター綿塊40によって分離され、残りの小粒子ゴミが前記フィルター綿塊40によって吸着され、ゴミが空気から完全に分離される。
【0036】
もちろん、本発明は他の多くの実施形態も有することができる。本実施形態に基づき、創造的な労働をすることなく当業者によって得られた他の実施形態は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【国際調査報告】