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特表2023-534585電池単体およびその製造方法と製造システム、電池および電力使用装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(54)【発明の名称】電池単体およびその製造方法と製造システム、電池および電力使用装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/342 20210101AFI20230803BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 50/35 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20230803BHJP
   H01M 50/367 20210101ALI20230803BHJP
   H01M 50/103 20210101ALN20230803BHJP
【FI】
H01M50/342 101
H01M50/531
H01M50/35 101
H01M50/15
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/591
H01M10/058
H01M50/367
H01M50/103
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566658
(86)(22)【出願日】2021-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 CN2021101918
(87)【国際公開番号】W WO2022266908
(87)【国際公開日】2022-12-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】蒲玉杰
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011KK00
5H012BB01
5H012DD05
5H029AJ12
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL12
5H029BJ02
5H029DJ02
5H029HJ07
5H043AA04
5H043EA01
5H043GA22
5H043LA11
5H043LA21
5H043LA25
(57)【要約】
本出願は、電池単体およびその製造方法と製造システム、電池および電力使用装置を提供する。本出願の実施例の電池単体は、開口を有し、電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して内部圧力または温度を解放するための圧力解放機構が設けられたケーシングと、ケーシング内に収容され、本体部および本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリと、開口にキャップされ、本体部に当接され電極アセンブリに向かう一側に、少なくとも一部のラグ部を収容するための第1窪みが形成されたカバーアセンブリと、を含む。カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と第1窪みを連通し、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用させる。第1通路により電極アセンブリとカバーアセンブリ間に蓄積したガスを減少し、安全リスクを低減することができる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し、前記電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して前記内部圧力または温度を解放するための圧力解放機構が設けられたケーシングと、
前記ケーシング内に収容され、本体部および前記本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリと、
前記開口にキャップされ、前記本体部に当接されて前記電極アセンブリに向かう側に、少なくとも一部のラグ部を収容するための第1窪みが形成されたカバーアセンブリと、を含み、
前記カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、前記第1通路は前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間と前記第1窪みを連通し、前記第1窪み内のガスを前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間に導入して前記圧力解放機構に作用させる、電池単体。
【請求項2】
前記カバーアセンブリは、前記第1窪みの底壁から突出する2つの第1突出部を含み、第1方向において、前記第1窪みは2つの前記第1突出部間に位置し、
前記第1突出部は前記本体部に当接され、
前記第1方向において、少なくとも1つの前記第1突出部に少なくとも1つの前記第1通路が設けられ、各前記第1通路は前記第1方向に沿って前記第1突出部を貫通して前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間を連通する、請求項1に記載の電池単体。
【請求項3】
前記第1突出部の前記本体部から離れる一側に少なくとも1つの第2窪みが形成され、前記第2窪みは前記第1通路の少なくとも一部を形成する、請求項2に記載の電池単体。
【請求項4】
前記第1通路は第1貫通穴および/または第1窪みを含む、請求項2または3に記載の電池単体。
【請求項5】
前記カバーアセンブリは、前記第1窪みの底壁から突出する第2突出部を含み、前記第2突出部は前記本体部に当接され2つの前記第1突出部間に位置し、
前記第1窪みは第1部分と第2部分を含み、前記第1部分と前記第2部分はそれぞれ前記第2突出部の前記第1方向に沿った両側に位置する、請求項2~4のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項6】
前記第2突出部に前記第1部分と前記第2部分を連通するための第2通路が設けられる、請求項5に記載の電池単体。
【請求項7】
前記カバーアセンブリは、前記第1窪みの底壁から突出する2つの第3突出部をさらに含み、第2方向において、前記第1窪みは2つの前記第3突出部間に位置し、前記第2方向は前記第1方向に垂直であり、
前記第3突出部は前記本体部に当接され、前記第3突出部の両端は2つの前記第2突出部にそれぞれ接続される、請求項2~6のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項8】
前記電極アセンブリは正極シート、負極シートおよび前記正極シートと前記負極シートを隔離するためのダイヤフラムを含み、前記電極アセンブリは巻付構造または積層構造であり、
前記電極アセンブリの外面は2つの広い面と2つの狭い面を含み、前記広い面の面積は前記狭い面の面積よりも大きく、2つの前記広い面は第2方向に沿って対向して配置され、2つの前記狭い面は前記第1方向に沿って対向して配置され、前記第1方向は前記第2方向に垂直である、請求項2~7のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項9】
前記狭い面と前記ケーシング間に第1隙間があり、前記広い面と前記ケーシング間に第2隙間があり、前記第1隙間の寸法は前記第2隙間の寸法よりも大きい、請求項8に記載の電池単体。
【請求項10】
前記第1通路は前記第1隙間と前記第1窪みを連通するために使用される、請求項9に記載の電池単体。
【請求項11】
前記カバーアセンブリは、エンドキャップと絶縁部材を含み、前記エンドキャップは前記開口にキャップされ、前記絶縁部材は前記エンドキャップの前記本体部に向かう一側に位置し、前記絶縁部材は前記本体部に当接され前記本体部に向かう一側に前記第1窪みが形成される、請求項1~10のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項12】
絶縁膜をさらに含み、前記絶縁膜は前記本体部を包み込み、前記本体部と前記ケーシングを絶縁可能に隔離し、前記絶縁膜の前記エンドキャップに向かう端部は前記絶縁部材の外側の周りに前記絶縁部材に接続され、
前記絶縁膜に第2貫通穴が設けられ、前記第2貫通穴と前記第1通路は対向して配置されて前記第1通路と連通する、請求項11に記載の電池単体。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の電池単体を含む、電池。
【請求項14】
電気エネルギーを供給するための請求項13に記載の電池を含む、電力使用装置。
【請求項15】
開口を有し圧力解放機構が設けられたケーシングを用意するステップと、
本体部および前記本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリを用意するステップと、
一側に第1窪みが形成されたカバーアセンブリを用意するステップと、
前記カバーアセンブリを前記電極アセンブリに接続するステップと、
前記電極アセンブリを前記ケーシング内に配置し、前記カバーアセンブリを前記開口にキャップさせるステップと、を含み、
前記カバーアセンブリは前記本体部に当接され前記電極アセンブリに向かう一側に前記第1窪みが形成され、前記第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容し、前記カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、前記第1通路は前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間と前記第1窪みを連通し、前記第1窪み内のガスを前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間に導入して前記圧力解放機構に作用させ、前記圧力解放機構は、前記電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して前記内部圧力または温度を解放する、電池単体の製造方法。
【請求項16】
ケーシング開口を有し圧力解放機構が設けられたケーシングを用意するための第1用意装置と、
本体部および前記本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリを用意するための第2用意装置と、
一側に第1窪みが形成されたカバーアセンブリを用意するための第3用意装置と、
前記カバーアセンブリを前記電極アセンブリに接続するための第1組立装置と、
前記電極アセンブリを前記ケーシング内に配置し、前記カバーアセンブリを前記開口にキャップさせるための第2組立装置と、を含み、
前記カバーアセンブリは前記本体部に当接され前記電極アセンブリに向かう一側に前記第1窪みが形成され、前記第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容し、前記カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、前記第1通路は前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間と前記第1窪みを連通し、前記第1窪み内のガスを前記電極アセンブリと前記ケーシング間の空間に導入して前記圧力解放機構に作用させ、前記圧力解放機構は、前記電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して前記内部圧力または温度を解放する、電池単体の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は電池の技術分野に関し、より具体的に、電池単体およびその製造方法と製造システム、電池および電力使用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池単体は、電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電気船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機および電気工具などに広く使用されている。電池単体は、カドミウムニッケル電池単体、水素ニッケル電池単体、リチウムイオン電池単体および二次アルカリ性亜鉛マンガン電池単体などを含む。
【0003】
電池技術の開発では、電池単体の性能の向上に加え、安全問題も無視できない問題である。電池単体の安全問題が確保されない場合、この電池単体を使用することができない。したがって、電池単体の安全性を如何に高めるは、電池技術における喫緊の技術的課題である。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池の安全性を向上させることができる、電池単体およびその製造方法と製造システム、電池および電力使用装置を提供する。
【0005】
第1側面によれば、本出願の実施例は、電池単体を提供し、
開口を有し、電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動し、内部圧力または温度を解放するために使用される圧力解放機構が設けられたケーシングと、
ケーシング内に収容され、本体部および本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリと、
開口にキャップされ、本体部に当接され電極アセンブリに向かう側に第1窪みが形成され、第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容するために使用される、カバーアセンブリと、を含み、
カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と、第1窪みを連通して、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用するために使用される。
【0006】
上記解決手段では、カバーアセンブリに第1通路が設けられ、電池単体の熱暴走時、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に案内して、電極アセンブリとカバーアセンブリ間の気圧の増加速度を効果的に減少し、電極アセンブリとカバーアセンブリ間に蓄積したガスを減少し、電池単体がカバーアセンブリで爆発するリスクを低減して安全性能を向上させる。第1通路は、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に案内してガスを圧力解放機構に作用させ、圧力解放機構が適時に作動し、電池単体の高温高圧物質を迅速に解放し、爆発リスクを低減することができる。
【0007】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリは、第1窪みの底壁から突出する2つの第1突出部を含み、第1方向において、第1窪みが2つの第1突出部間に位置する。第1突出部は本体部に当接される。第1方向において、少なくとも1つの第1突出部に少なくとも1つの第1通路が設けられ、各第1通路は第1方向に沿って第1突出部を貫通して電極アセンブリとケーシング間の空間と連通する。
【0008】
上記解決手段では、2つの第1突出部は本体部に当接されて、電池単体の振動時本体部の搖動を減少し、活物質の脱落リスクを低減することができる。2つの第1突出部は本体部にかかる力を均一化し、応力集中を減少し、電極アセンブリの安定性を向上させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、第1突出部の本体部から離れる側に少なくとも1つの第2窪みが形成され、第2窪みは第1通路の少なくとも一部を形成する。本出願の実施例は、第2窪みを設けることでカバーアセンブリの重量を減少し、第1突出部の強度を弱め、第1突出部の弾性を向上させ、電池単体の振動時、第1突出部が本体部を押しつぶすリスクを低減することができる。
【0010】
いくつかの実施例では、第1通路は、第1貫通穴および/または第1窪みを含む。
【0011】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリは第1窪みの底壁から突出する第2突出部を含み、第2突出部は本体部に当接されて2つの第1突出部間に位置する。第1窪みは、第1部分と第2部分を含み、第1部分と第2部分はそれぞれ第2突出部の第1方向に沿った両側に設けられる。
【0012】
上記解決手段では、第2突出部は本体部に当接されて、本体部にかかる力を均一化し、応力集中を減少し、電極アセンブリの安定性を向上させることができる。第2突出部はカバーアセンブリの全体強度を高め、カバーアセンブリの変形および倒壊のリスクを低減し、安定性を向上させることができる。電極アセンブリの熱暴走時、一部のガスが本体部のカバーアセンブリに向かう端面から放出され、第2突出部は本体部の端面に当接され、障壁作用を果たし、第1窪みへのガス進入速度を減少して、安全リスクを低減することができる。
【0013】
いくつかの実施例では、第2突出部に第1部分と第2部分を連通するための第2通路が設けられる。本実施例は、第2通路を設けることで、第1部分と第2部分間にガスを流動させ、第1部分内の気圧と第2部分の気圧の一致性を向上させることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリは第1窪みの底壁から突出する2つの第3突出部をさらに含み、第2方向において、第1窪みは2つの第3突出部間に位置し、第2方向は第1方向に垂直である。第3突出部は本体部に当接され、第3突出部の両端はそれぞれ2つの第2突出部に接続される。
【0015】
上記解決手段では、2つの第3突出部は本体部に当接されて、電池単体振動時、本体部の搖動を減少し、活物質の脱落リスクを低減することができる。2つの第3突出部は本体部にかかる力を均一化し、応力集中を減少し、電極アセンブリの安定性を向上させることができる。本体部の外面が粒子によって穿刺されて短絡すると、発生した一部のガスが穿刺位置から外部に放出され、第3突出部はガスを遮断する作用を果たし、第1窪みに進入するガスを低減し、電池単体のカバーアセンブリでの爆発リスクを低減し、安全性能を向上させることができる。
【0016】
いくつかの実施例では、電極アセンブリは、正極シート、負極シートおよび正極シートと負極シートを隔離するダイヤフラムを含み、電極アセンブリは巻付構造または積層構造であってもよい。電極アセンブリの外面は2つの広い面と2つの狭い面を含み、広い面の面積が狭い面の面積よりも大きく、2つの広い面は第2方向に対向して配置され、2つの狭い面は第1方向に沿って対向して配置され、第1方向は第2方向に垂直である。
【0017】
いくつかの実施例では、狭い面とケーシング間に第1隙間があり、広い面とケーシング間に第2隙間があり、第1隙間の寸法は第2隙間の寸法よりも大きい。電極アセンブリの充放電過程中、電極シートがその厚さ方向に沿って膨張する。巻き付けられた電極アセンブリと積層された電極アセンブリでは、広い面に垂直する方向に沿った膨張量が最も大きい。電極アセンブリが膨張すると、広い面がケーシングを押圧し、第2隙間が非常に小さく、対応して、第2隙間内のガス流動速度が低い。第2隙間と比較すると、第1隙間の寸法が大きく、第1隙間内のガス流動速度が高い。
【0018】
いくつかの実施例では、第1通路は第1隙間と第1窪みを連通する。本実施例では、電池単体の熱暴走時、第1窪み内のガスが第1通路を介して第1隙間内に迅速に排出し、第1隙間の寸法が大きいため、圧力解放機構を介してガスを電池単体の外部に適時に排出することができる。
【0019】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリは、エンドキャップと絶縁部材を含み、エンドキャップは開口にキャップされ、絶縁部材はエンドキャップの本体部に向かう側に設けられ、絶縁部材は本体部に当接され本体部に向かう側に第1窪みが形成される。絶縁部材はエンドキャップと電極アセンブリを絶縁可能に隔離することができる。
【0020】
いくつかの実施例では、電池単体は絶縁膜をさらに含み、絶縁膜は本体部を包み込み本体部とケーシングを絶縁可能に隔離し、絶縁膜のエンドキャップに向かう端部が絶縁部材の外側の周りに絶縁部材に接続される。絶縁膜に第2貫通穴が設けられ、第2貫通穴は第1通路に対向して配置され第1通路と連通する。
【0021】
上記解決手段では、絶縁膜は本体部とケーシングを絶縁可能に隔離し、ケーシング内の残留粒子が本体部のダイヤフラムを穿刺しても、絶縁膜により本体部中の電極シートとケーシングの連通を回避することもでき、短絡リスクを低減することができる。本実施例は、第2貫通穴を設けることで絶縁部材の第1通路を回避し、第1通路の絶縁膜で遮断された面積を減少し、排気速度を確保することができる。
【0022】
第2側面によれば、本出願の実施例は、第1側面のいずれか1つの実施例の電池単体を含む電池を提供する。
【0023】
第3側面によれば、本出願の実施例は、電気エネルギーを供給するための第2側面の電池を含む電力使用装置を提供する。
【0024】
第4側面によれば、本出願の実施例は、電池単体の製造方法を提供し、
開口を有し圧力解放機構が設けられたケーシングを用意するステップと、
【0025】
本体部および本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリを用意するステップと、
一側に第1窪みが設けられたカバーアセンブリを用意するステップと、
カバーアセンブリを電極アセンブリに接続するステップと、
電極アセンブリをケーシング内に配置し、カバーアセンブリを開口にキャップするステップと、を含み、
その中で、カバーアセンブリは本体部に当接され電極アセンブリに向かう側に第1窪みが形成され、第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容し、カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と第1窪みを連通して、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用し、圧力解放機構は電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して、内部圧力または温度を解放する。
【0026】
第5側面によれば、本出願の実施例は、電池単体の製造システムを提供し、
開口を有し圧力解放機構が設けられたケーシングを用意するための第1用意装置と、
本体部および本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリを用意するための第2用意装置と、
一側に第1窪みが形成されたカバーアセンブリを用意するための第3用意装置と、
カバーアセンブリを電極アセンブリに接続するための第1組立装置と、
電極アセンブリをケーシング内に配置し、カバーアセンブリを開口にキャップするための第2組立装置と、を含み、
その中で、カバーアセンブリは本体部に当接され電極アセンブリに向かう側に第1窪みが形成され、第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容するために使用され、カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と第1窪みを連通して、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用し、圧力解放機構は電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して内部圧力または温度を解放する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本出願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下本出願の実施例で使用される図面を簡単に説明するが、明らかに、以下で説明される図面は本出願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなくこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本出願のいくつかの実施例で提供される車両の構造概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例で提供される電池の分解概略図である。
図3図2に示す電池モジュールの構造概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の分解概略図である。
図5】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の電極アセンブリの構造概略図である。
図6】本出願の別のいくつかの実施例で提供される電池単体の電極アセンブリの構造概略図である。
図7】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の断面概略図である。
図8図7に示す電池単体の円形枠Aにおける拡大概略図である。
図9】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体のカバーアセンブリの絶縁部材の構造概略図である。
図10】本出願の別のいくつかの実施例で提供される電池単体のカバーアセンブリの絶縁部材の構造概略図である。
図11】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の別の断面概略図である。
図12】本出願の別のいくつかの実施例で提供される電池単体の断面概略図である。
図13図12に示す電池単体の円形枠Bにおける拡大概略図である。
図14】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の製造方法の概略フローチャートである。
図15】本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の製造システムの概略ブロック図である。 添付図面において、図面は実際の縮尺で描かれない。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本出願の実施例の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、以下本出願の実施例中の図面を参照して、本出願の実施例中の技術的解決手段を明らかに説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本出願中の実施例に従って、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に含まれることは言うまでもない。
【0029】
特に定義しない限り、本出願で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本出願の技術分野に属する技術者が一般的に理解するのと同じ意味を有し、本出願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明する目的のみのものであり、本出願を制限するものではなく、本出願の明細書および特許請求の範囲並びに上記の図面の説明での用語「含む」、「有する」およびそれらの任意変形は、非排他的な包含を意図している。本出願の明細書と特許請求の範囲または上記図面での「第1」、「第2」などの用語は異なる対象を区別するために使用され、特定の順序または優先関係を説明することを意図しない。
【0030】
本出願で言及される「実施例」とは、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例に言及しているわけではなく、他の実施例と相互に排他的である別個のまたは代替の実施例に言及しているわけでもない。
【0031】
本出願の説明において、明示的に規定され限定されない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「付属」という用語は広義に理解されるべきであることに留意すべきであり、例えば、固定接続であってもよい、着脱接続であってもよい、一体接続でもよい、直接接続でも中間媒体を介して間接接続でもよい、二つの構成要素の内部通信であってもよい、などが挙げられる。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0032】
本出願の「および/または」の用語は、単に関連対象の関連関係を説明するものであり、例えば、Aおよび/またはBは、A単独、AおよびBの両方、B単独という3つの意味を有する。また、本出願の「/」の文字は、一般に、前後の関連対象が「または」の関係を有することを意味する。
【0033】
本出願の実施例では、同じ部材を同じ符号で示し、説明の簡略化のため、異なる実施例では、同じ部材の詳細な説明を省略する。図面で示された本出願の実施例中の各部材の厚さ、長さと幅などの寸法、および集積装置の全体厚さ、長さと幅などの寸法は例示的な説明に過ぎず、本出願の限定するものではない。
【0034】
本出願で言及される「複数」とは2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0035】
本出願では、電池単体は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含むが、本出願の実施例はここに限定されない。電池単体は円筒形、平板形、角形または他の形状などであり得るが、本出願の実施例はここに限定されない。電池単体は一般にパッケージ方法によって円筒電池単体、角形電池単体およびソフトパック電池単体とうい3種類に大別されるが、本出願の実施例は特に限定されない。
【0036】
本出願の実施例で提出される電池は、より高い電圧と容量を提供するために、1つまたは複数の電池単体からなる単一の物理モジュールである。例えば、本出願で提出される電池は、電池モジュールまたは電池パックなどを含んでもよい。電池は一般的に、1つまたは複数の電池単体をパッケージするための箱体を含んでいる。箱体により、液体や他の異物が電池単体の充放電に影響を与えるのを防止することができる。
【0037】
電池単体は、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極片、負極片およびダイヤフラムから構成される。電池単体は主に正極片と負極片間の金属イオンの移動によって動作する。正極片は、正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体を正極ラグとする。リチウムイオン電池を例にとると、正極集電体の材料はアルミニウムであり、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウム、マンガン酸リチウムであることが可能である。負極片は、負極集電体と負極活物質層とを含み、負極活物質層は、負極集電体の表面に被覆され、負極活物質層のない負極集電体は、負極活物質層が被覆された負極集電体から突出し、負極活物質層で被覆されていない負極集電体が負極ラグとして使用される。負極集電体の材質は銅、負極活物質の材質は炭素またはシリコンとすることができる。また、溶断することなく大電流を流すために、正極ラグの数は複数で積層し、負極ラグの数は複数で積層している。ダイヤフラムの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethylene、ポリエチレン)などであり得る。また、電極アセンブリは、巻回構造であってもよく、積層構造であってもよく、本出願の実施例はこれに限定されるものではない。
【0038】
電池単体はケーシングとカバーアセンブリをさらに含み、ケーシングは開口を有し、カバーアセンブリは開口にキャップされ封止接続を形成して、電極アセンブリと電解質を収容するための収容チャンバーを形成する。
【0039】
電池単体の場合、主な安全上危険は充電と放電過程から生じ、同時に適切な環境温度設計からの影響も受け、不必要な損失を効果的に避けるために、一般に3種類の電池単体保護対策がある。具体的には、保護対策は少なくともスイッチングデバイス、適切なダイヤフラム材料および圧力解放機構を含む。スイッチングデバイスとは、電池単体内の温度または抵抗が一定閾値に達すると電池の充電または放電を停止するためのデバイスを指す。ダイヤフラムは正極片と負極片を隔離するために使用され、温度が一定値に上昇するとその上に付着したミクロンオーダー(あるいはナノオーダー)微細穴を自動的に溶解し、金属イオンがダイヤフラムを通過することを遮断して、電池単体の内部反応を終了させることができる。
【0040】
圧力解放機構とは、電池単体の内部圧力または温度が所定閾値に達すると動作して内部圧力または温度を解放するためのデバイスまたは部材を指す。この閾値は、設計要件に応じて設計され得る。前記閾値は、電池単体中の正極片、負極片、電解液とダイヤフラムのうちの1つまたは複数の材料に依存する。圧力解放機構は防爆弁、ガス弁、圧力解放弁または安全弁などの形を採用し、具体的には、圧力や温度に敏感な部品や構造物の形態をとることができる。電池単体の内部圧力または温度が所定閾値に達すると、圧力解放機構が動作しまたは圧力解放機構に設けられた弱構造が破壊されて割れ、内部圧力または温度の解放開口または通路を形成する。
【0041】
本出願で提出される「動作」とは、圧力解放機構が動作しまたは一定の状態まで活性化されて、電池単体の内部圧力および温度を解放することを意味する。圧力解放機構の動作は、圧力解放機構中の少なくとも一部が破断、破砕、裂かれまたは開かれるなどを含むが、これらに限定されない。圧力解放機構の動作時、電池単体の内部の高温高圧物質が排出物として動作部位から外部へ排出される。このように、圧力または温度を制御可能の場合に電池単体の圧力を解放し、温度を下げて、潜在的なより重大な事故を未然に防止することができる。
【0042】
本出願で言う電池単体からの排出物は、電解液、溶解または分割した正負極片、ダイヤフラムの破片、反応による高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定されない。
【0043】
電池単体の圧力解放機構は、電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電などの場合、電池単体内部で熱暴走が起こり、圧力または温度が急激に上昇することがある。このような場合に、圧力解放機構の動作により内部圧力および温度を外部に放出でき、電池単体の爆発や発火を防止することができる。
【0044】
圧力解放機構はカバーアセンブリに設けられてもよいし、ケーシングに設けられてもよい。本発明者らは、圧力解放機構がケーシングに設けられると、電池単体の熱暴走による放出されたガスがカバーアセンブリと電極アセンブリ間に蓄積しやすく、カバーアセンブリと電極アセンブリ間のガスがカバーアセンブリで遮断され、圧力解放機構から適時に排出できなく、安全上リスクがある。
【0045】
これを鑑み、本出願の実施例は以下の技術的解決手段を提供し、この技術的解決手段では、電池単体は、開口を有し、電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動し、内部圧力または温度を解放するために使用される圧力解放機構が設けられたケーシングと、ケーシング内に収容され、本体部および本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリと、開口にキャップされ、本体部に当接され電極アセンブリに向かう側に第1窪みが形成され、第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容するために使用される、カバーアセンブリと、を含む。その中で、カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と、第1窪みを連通して、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用するために使用される。このような構造を有する電池単体は、熱暴走時カバーアセンブリと電極アセンブリ間のガスを取り出して圧力解放機構を介して排出し、排気速度を高め、安全性能を向上させることができる。
【0046】
本出願の実施例で説明される技術的解決手段は電池および電池を使用する電力使用装置に適用される。
【0047】
電力使用装置は車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、航行器、電動玩具和電気工具などである。車両は燃料自動車、ガス自動車または新エネルギー自動車であり、新エネルギー自動車は純電自動車、ハイブリッド自動車または長距離自動車などであり、航行器は飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船などを含み、電動玩具は固定式または移動式電動玩具、例えば、ゲームマシーン、電気自動車玩具、電気船舶玩具および電気飛行機玩具などを含み、電気工具は、金属切削電気工具、研磨電気工具、装着電気工具および鉄道用電気工具、例えば、電気ドリル、電気サンダー、電気スパナ、電気ドライバー、電気ハンマ、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレーターおよび電気カンナなどを含む。本出願の実施例では上記電力使用装置について特に限定されない。
【0048】
以下、実施例を容易に説明するために、電力使用装置を車両とする例を説明する。
【0049】
図1は本出願のいくつかの実施例で提供される車両の構造概略図である。図1に示すように、車両1の内部に電池2が設けられ、電池2は車両1の底部、前部または後部に設けられてもい。電池2は車両1の給電に使用され、例えば、電池2は車両1の操作電源として使用されてもよい。
【0050】
車両1は、コントローラー3とモータ4をさらに含み、コントローラー3は電池2を制御してモータ4に給電し、例えば、車両1の起動、ナビゲーションと走行時の動作電力使用要件に使用される。
【0051】
本出願のいくつかの実施例では、電池2は車両1の操作電源とするだけでなく、車両1の駆動電源として、燃料またはガスの一部または全部を代替して車両1に駆動力を提供してもよい。
【0052】
図2は本出願のいくつかの実施例で提供される電池の分解概略図である。図2に示すように、電池2は箱体5と電池単体(図2図示しない)を含み、電池単体が箱体5内に収容される。
【0053】
箱体5は電池単体を収容するために使用され、箱体5は様々な構造であってもよい。いくつかの実施例では、箱体5は、第1箱体部51と第2箱体部52を含み、第1箱体部51と第2箱体部52は互いにキャップされ、第1箱体部51と第2箱体部52は電池単体を収容するための収容空間53を限定する。第2箱体部52は一面が開放された中空構造であり、第1箱体部51は板状構造であり、第1箱体部51は第2箱体部52の開口側にキャップされて収容空間53を有する箱体5を形成し、第1箱体部51と第2箱体部52は一面が開放された中空構造であり、第1箱体部51の開口側が第2箱体部52の開口側にキャップされ、収容空間53を有する箱体5を形成する。もちろん、第1箱体部51と第2箱体部52は、円筒形、角形などの様々な形状であってもよい。
【0054】
第1箱体部51と第2箱体部52の接続封止性を高めるために、第1箱体部51と第2箱体部52間に例えばシールゴム、シールリングなどの封止部材が設けられてもい。
【0055】
第1箱体部51は第2箱体部52の頂部にキャップされ、第1箱体部51を上部箱カバーと呼び、第2箱体部52を下部箱カバーと呼んでもよい。
【0056】
電池2では、電池単体は1つまたは複数であってもよい。電池単体が複数である場合、複数の電池単体は直列、並列または混在して接続され、混在とは複数の電池単体が直列および並列して接続されるのを意味する。複数の電池単体は直接に直列、並列または混在して接続され、複数の電池単体から構成された全体を箱体5内に収容してもよいし、もちろん、複数の電池単体をまず直列、並列または混在して電池モジュール6を構成し、次に複数の電池モジュール6を直列、並列または混在して全体を形成し、箱体5内に収容してもよい。
【0057】
図3図2に示す電池モジュールの構造概略図である。図3に示すように、いくつかの実施例では、電池単体7は複数であり、複数の電池単体7は直列、並列または混在して電池モジュール6を構成する。複数の電池モジュール6は直列、並列または混在して全体を形成し、箱体内に収容される。
【0058】
電池モジュール6中の複数の電池単体7はバス部材を介して電気的に接続され、電池モジュール6中の複数の電池単体7の並列、直列または混在を実現する。
【0059】
図4は本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の分解概略図である。
【0060】
図4に示すように、本出願の実施例で提供される電池単体7は電極アセンブリ10、ケーシング20およびカバーアセンブリ30を含む。
【0061】
ケーシング20は一面が開放された中空構造であり、カバーアセンブリ30はケーシング20の開口にキャップされ封止接続を実現し、電極アセンブリ10および電解質を収容するための収容チャンバーを形成する。
【0062】
ケーシング20は、円筒形、角形などの様々な形状であってもよい。ケーシング20の形状は電極アセンブリ10の具体的な形状に応じて決定される。例えば、電極アセンブリ10が円筒形構造であると、円筒形ケーシングを選択し、電極アセンブリ10が角形構造であると、角形ケーシングを選択すればよい。
【0063】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリ30はエンドキャップ31を含み、エンドキャップ31はケーシング20の開口にキャップされる。エンドキャップ31は様々な構造であり得、例えば、エンドキャップ31は板状構造であり、一面が開放された中空構造などであってもよい。例示的に、図4では、ケーシング20は角形構造であり、エンドキャップ31は板状構造であり、エンドキャップ31がケーシング20頂部の開口にキャップされる。
【0064】
エンドキャップ31は絶縁材料(例えばプラスチック)から作製されてもよいし、導電材料(例えば金属)から作製されてもよい。エンドキャップ31が導電材料から作製される場合、カバーアセンブリ30は絶縁部材32をさらに含み、絶縁部材32はエンドキャップ31の電極アセンブリ10に向かう一側に位置し、エンドキャップ31と電極アセンブリ10を絶縁可能に隔離する。
【0065】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリ30は電極端子33をさらに含み、電極端子33はエンドキャップ31に取り付けられる。電極端子33は2つであり、2つの電極端子33はそれぞれ正極電極端子と負極電極端子として定義され、正極電極端子と負極電極端子はいずれも電極アセンブリ10に電気的に接続され、電極アセンブリ10で発生した電気エネルギーを出力する。
【0066】
別のいくつかの実施例では、電池単体7はケーシング20および2つのカバーアセンブリ30を含み、ケーシング20は対向する両側が開放された中空構造であり、2つのカバーアセンブリ30はケーシング20の2つの開口に対応してキャップされて封止接続を形成し、電極アセンブリ10および電解質を収容するための収容チャンバーを形成する。このような構造では、1つのカバーアセンブリ30に2つの電極端子33が設けられ、もう1つのカバーアセンブリ30に電極端子33が設けられていなくてもよいし、2つのカバーアセンブリ30がそれぞれ各電極端子33に設けられてもよい。
【0067】
電池単体7では、ケーシング20内に収容された電極アセンブリ10は1つまたは複数であってもよい。例示的に、図4では、電極アセンブリ10は2つである。
【0068】
図5は本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の電極アセンブリの構造概略図である。図6は本出願の別のいくつかの実施例で提供される電池単体の電極アセンブリの構造概略図である。
【0069】
図5および図6に示すように、電極アセンブリ10は正極シート11、負極シート12および正極シート11と負極シート12を隔離するためのダイヤフラム13を含み、電極アセンブリ10は巻付構造または積層構造であってもよい。
【0070】
図5に示すように、いくつかの実施例では、電極アセンブリ10は巻付構造である。正極シート11、負極シート12とダイヤフラム13はいずれも帯状構造である。本出願の実施例では、正極シート11、ダイヤフラム13および負極シート12を順次積層して2ターン以上巻き付けて電極アセンブリ10を形成する。電極アセンブリ10は平坦状であってもよい。電極アセンブリ10の製造時、電極アセンブリ10を直接扁平状に巻き付けてもよいし、まず中空の円筒形構造に巻き付けた後平坦な形状に押されてもよい。
【0071】
図5は巻き付けられた電極アセンブリ10の外観輪郭を示す。電極アセンブリ10の外面は2つの広い面14と2つの狭い面15を含み、2つの広い面14は平坦面で互いに対向し、2つの狭い面15は互いに対向し、狭い面15は2つの広い面14を接続する。広い面14は電極アセンブリ10の巻取軸に概ね平行であり最も大きな面積の表面となる。広い面14は相対的に平坦な表面であり、純粋な平面である必要がない。狭い面15は少なくとも一部が円弧面である。広い面14の面積が狭い面15の面積よりも大きい。
【0072】
代替的な実施例では、図6に示すように、電極アセンブリ10は積層構造である。具体的に、電極アセンブリ10は複数の正極シート11および複数の負極シート12を含み、正極シート11と負極シート12は交互に積層される。積層構造では、正極シート11と負極シート12はシート状であり、正極シート11と負極シート12の積層方向が正極シート11の厚さ方向と負極シート12の厚さ方向に概ね平行である。
【0073】
図6は積層された電極アセンブリ10の外観輪郭を示す。電極アセンブリ10の外面は2つの広い面14と2つの狭い面15を含み、2つの広い面14は互いに対向し、2つの狭い面15は互いに対向し、狭い面15が2つの広い面14を接続する。広い面14は最も大きな面積の表面である。広い面14は相対的に平坦な表面であり、純粋な平面である必要がない。狭い面15は少なくとも一部が円弧面である。広い面14の面積が狭い面15の面積よりも大きい。
【0074】
図7は本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の断面概略図である。図8図7に示す電池単体の円形枠Aにおける拡大概略図である。図9は本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体のカバーアセンブリの絶縁部材の構造概略図である。
【0075】
図7図9に示すように、本出願の実施例の電池単体7は、開口21を有し、電池単体7の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して内部圧力または温度を解放するための圧力解放機構40が設けられたケーシング20と、ケーシング20内に収容され、本体部16と本体部16から突出するラグ部17を含む電極アセンブリ10と、開口21にキャップされ、本体部16に当接され電極アセンブリ10に向かう一側に、少なくとも一部のラグ部17を収容するための第1窪み321が設けられたカバーアセンブリ30とを含む。その中で、カバーアセンブリ30に少なくとも1つの第1通路322が設けられ、第1通路322は電極アセンブリ10およびケーシング20間の空間と第1窪み321を連通し、第1窪み321内のガスを電極アセンブリ10およびケーシング20間の空間に導入して圧力解放機構40に作用する。
【0076】
電極アセンブリ10の外観から見ると、電極アセンブリ10は本体部16と本体部16に接続されたラグ部17を含む。例示的に、ラグ部17は本体部16のカバーアセンブリ30に近い一端から延伸する。
【0077】
いくつかの実施例では、ラグ部17は2つであり、2つのラグ部17はそれぞれ正極ラグ部および負極ラグ部として定義される。正極ラグ部および負極ラグ部は本体部16の同一端から延伸してもよいし、それぞれ本体部16の反対端から延伸してもよい。
【0078】
本体部16は電極アセンブリ10の充放電機能を実現するためのコア部分であり、ラグ部17は本体部16で発生した電流を取り出すために使用される。本体部16は正極集電体の正極集流部、正極活物質層、負極集電体の負極集流部、負極活物質層およびダイヤフラム13を含む。正極ラグ部は複数の正極ラグを含み、負極ラグ部は複数の負極ラグを含む。
【0079】
ラグ部17は電極端子33に電気的に接続される。ラグ部17は溶接によって電極端子33に直接に接続されてもよいし、他の部材を介して電極端子33に間接に接続されてもよい。例えば、電池単体7は、集流部材50を含み、集流部材50は電極端子33とラグ部17を電気的に接続する。集流部材50は2つであり、2つの集流部材50はそれぞれ正極集流部材と負極集流部材として定義され、正極集流部材は正極電極端子と正極ラグ部を電気的に接続し、負極集流部材は負極電極端子と負極ラグ部を電気的に接続する。
【0080】
圧力解放機構40はケーシング20に設けられる。圧力解放機構40はケーシング20の一部であってもよいし、ケーシング20と別体に構成されてもよい。ケーシング20に貫通のための圧力解放穴22が設けられ、圧力解放機構40は溶接によってケーシング20に固定され圧力解放穴22を被覆する。圧力解放機構40は圧力解放穴22を封止してケーシング20の内外両側の空間を隔離し、正常動作時電解質が圧力解放穴22から流れ出すのを回避する。
【0081】
ケーシング20は底板23と側板24を含み、底板23は本体部16のカバーアセンブリ30から離れた一側に位置し、側板24は底板23とエンドキャップ31を接続するために使用される。圧力解放機構40は、底板23に設けられてもよいし、側板24に設けられてもよい。
【0082】
圧力解放機構40は、電池単体7の内部圧力または温度が閾値に達すると動作して内部圧力を解放する。電池単体7で発生したガスが多くなり、ケーシング20の内部圧力または温度が上昇して閾値に達すると、圧力解放機構40は動作し、または圧力解放機構40に設けられた弱構造が破断され、ガスと他の高温高圧物質が圧力解放機構40の開放された開口および圧力解放穴22を介して外部に放出され、電池単体7の爆発をさらに回避することができる。
【0083】
圧力解放機構40は様々な圧力解放構造であり、本出願の実施例では特に限定されない。例えば、圧力解放機構40は圧力に敏感な圧力解放機構または温度に敏感な圧力解放機構であってもよい。圧力に敏感な圧力解放機構は、圧力に敏感な圧力解放機構が設けられた電池単体7の内部気圧が閾値に達する破断するように構成され、温度に敏感な圧力解放機構は、温度に敏感な圧力解放機構が設けられた電池単体7の内部温度が閾値に達すると破断するように構成される。
【0084】
いくつかの実施例では、圧力解放機構40にノッチ、窪みまたは他の構造が形成され、圧力解放機構40の局所強度を弱め圧力解放機構40に弱構造を形成し、電池単体7の内部圧力が閾値に達すると、圧力解放機構40の弱構造が破断し、圧力解放機構40の破断部に沿った部分が折り返して開口を形成し、高温高圧物質を解放する。
【0085】
カバーアセンブリ30は本体部16のカバーアセンブリ30に向かう端面に直接当接されてもよいし、他の部材を介して本体部16に間接に当接されてもよい。カバーアセンブリ30は一側から本体部16を押し付け、電池単体7の振動時、カバーアセンブリ30はケーシング20内の本体部16の搖動幅を低減し、電極アセンブリ10の活物質の脱落リスクを低減することができる。
【0086】
カバーアセンブリ30のエンドキャップ31が絶縁材料から作製される場合、第1窪み321はエンドキャップ31の電極アセンブリ10に向かう側に開設され、カバーアセンブリ30のエンドキャップ31が導電材料から作製されカバーアセンブリ30は絶縁部材32を含む場合、第1窪み321は絶縁部材32の電極アセンブリ10に向かう側に開設されてもよい。
【0087】
第1窪み321は少なくとも一部のラグ部17を収容するために使用される。ラグ部17の一部が第1窪み321内に収容されてもよいし、全体が第1窪み321内に収容されてもよい。第1窪み321を設けることで、電極アセンブリ10の空間をより多く確保し、電池単体7のエネルギー密度を高める。集流部材50の少なくとも一部も第1窪み321に収容され得る。
【0088】
本出願の実施例は、カバーアセンブリ30の一部の材料を除去してカバーアセンブリ30の第1通路322を形成してもよい。本出願では、第1通路322の形状は制限されなく、例えば、本出願は、カバーアセンブリ30に窪みおよび/または穴などの構造を開設して第1通路322を形成してもよい。カバーアセンブリ30の第1通路322は固体で充填されていない空間であり、流体(例えばガスと液体)が流動する。
【0089】
第1通路322は電極アセンブリ10およびケーシング20間の空間と第1窪み321を連通し、第1窪み321内の流体が第1通路322を介して電極アセンブリ10およびケーシング20間の空間に流れ込む。
【0090】
電極アセンブリ10およびケーシング20間の空間は、第1通路322と直接連通してもよく、穴、隙間または他の空間構造を介して間接に連通してもよい。
【0091】
短絡または過充電などの現象の場合、電極アセンブリ10が熱暴走して高温高圧物質、例えば高温高圧ガスを放出し、一部のガスが第1窪み321に侵入し、第1通路322はガスの流動を案内して第1窪み321内のガスを電極アセンブリ10とケーシング20間の空間に流入させる。電極アセンブリ10とケーシング20間の空間内のガスが徐々に多くなると、圧力解放機構40にかかる圧力がますます大きくなり、圧力解放機構40は圧力が閾値に達すると作動してガスと他の高温高圧物質を電池単体7の外部に解放し、電池単体7の内部圧力を外部に放出して電池単体7の爆発や発火を防止する。
【0092】
例示的に、圧力解放機構40が動作すると圧力解放穴22が開かれ、電極アセンブリ10とケーシング20間の空間と圧力解放穴22が連通する。第1窪み321内のガスが第1通路322、電極アセンブリ10とケーシング20間の空間および圧力解放穴22を介して外部に解放される。
【0093】
本出願の実施例は、第1通路322の形状と位置に限定されなく、第1通路322は、電極アセンブリ10とケーシング20間の空間と第1窪み321を連通すればよい。第1通路322は穴、窪み、穴と窪みの組み合わせまたは他の連通構造であってもよい。
【0094】
カバーアセンブリ30のエンドキャップ31が絶縁材料から作製される場合、第1通路322はエンドキャップ31に開設され、カバーアセンブリ30のエンドキャップ31が導電材料から作製され、カバーアセンブリ30は絶縁部材32を含む場合、第1窪み321は絶縁部材32に開設される。
【0095】
本出願の実施例は、カバーアセンブリ30に第1通路322が設けられ、電池単体7の熱暴走時第1窪み321内のガスを電極アセンブリ10とケーシング20間の空間に案内して、電極アセンブリ10とカバーアセンブリ30間の気圧の増加速度を効果的に減少でき、電極アセンブリ10とカバーアセンブリ30間に蓄積したガスを減少し、電池単体7のカバーアセンブリ30での爆発リスクを低減して安全性能を向上させることができる。第1通路322は第1窪み321内のガスを電極アセンブリ10とケーシング20間の空間に案内し、ガスを圧力解放機構40に作用させて、圧力解放機構40が適時に作動し、電池単体7の高温高圧物質を迅速に解放して爆発リスクを低減することができる。
【0096】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリ30は第1窪み321の底壁から突出する2つの第1突出部323を含み、第1方向Xにおいて、第1窪み321は2つの第1突出部323間に位置する。第1突出部323は本体部16に当接される。第1方向Xにおいて、少なくとも1つの第1突出部323に少なくとも1つの第1通路322が設けられ、各第1通路322は第1方向Xに沿って第1突出部323を貫通して電極アセンブリ10とケーシング20間の空間を連通する。
【0097】
カバーアセンブリ30の本体部16に向かう一端に第1内面32aを有し、第1内面32aは本体部16に当接される。第1窪み321は第1内面32aに対して本体部16から離れる方向に沿って窪んでいる。第1内面32aは第1突出部323の本体部16に当接される表面を含む。選択可能に、第1内面32aは平面である。
【0098】
なお、少なくとも1つの第1突出部323に少なくとも1つの第1通路322が設けられ、例えば、1つの第1突出部323に1つの第1通路322が設けられ、もう1つの第1突出部323に第1通路322が設けられていなく、または、1つの第1突出部323に1つの第1通路322が設けられ、もう1つの第1突出部323に1つの第1通路322が設けられ、または、1つの第1突出部323に1つの第1通路322が設けられ、もう1つの第1突出部323に複数の第1通路322が設けられ、または、1つの第1突出部323に複数の第1通路322が設けられもう1つの第1突出部323に第1通路322が設けられていなく、または、2つの第1突出部323に両方とも複数の第1通路322が設けられてもよい。
【0099】
第1突出部323は、第1方向Xに沿って対向して配置された2つの第1側面を含み、第1通路322の両端の開口はそれぞれ2つの第1側面に形成される。第1通路322の両端の開口は第1方向Xに沿って整列してもよいし、千鳥に配置されてもよい。
【0100】
本出願の実施例の2つの第1突出部323は本体部16に当接され、電池単体7の振動時本体部16の搖動を減少し、活物質の脱落リスクを低減する。2つの第1突出部323は本体部16にかかる力を均一化し、応力集中を減少し、電極アセンブリ10の安定性を向上させることができる。
【0101】
いくつかの実施例では、第1突出部323とケーシング20は第1方向Xにおいて間隔を空けて設けられ、このようにすれば、ケーシング20は第1通路322を遮断することなく、第1窪み321内のガスが第1通路322を介してスムーズに排出され得る。
【0102】
絶縁部材32を含むカバーアセンブリ30を例にすると、第1内面32aは絶縁部材32の本体部16に面する表面である。絶縁部材32は第1窪み321と2つの第1突出部323を含む。例示的に、2つの第1突出部323はそれぞれ絶縁部材32の第1方向Xに沿った両端に位置する。
【0103】
いくつかの実施例では、第1突出部323は本体部16から離れる側に少なくとも1つの第2窪み324が形成され、第2窪み324は第1通路322の少なくとも一部を形成する。
【0104】
本出願の実施例は、第2窪み324を設けることでカバーアセンブリ30の重量を減少し、第1突出部323の強度を弱め、第1突出部323の弾性を高め、電池単体7の振動時第1突出部323が本体部16を押しつぶすリスクを低減することができる。
【0105】
絶縁部材32を含むカバーアセンブリ30を例にすると、絶縁部材32は対向して配置された第1内面32aと第1外面32bを含み、第1外面32bはエンドキャップ31に向かう。第2窪み324は第1外面32bに対してエンドキャップ31から離れる方向に向かって窪んでいる。エンドキャップ31は第1外面32bに密着され第2窪み324を被覆する。
【0106】
いくつかの実施例では、第1通路322は第1貫通穴322aおよび/または第1窪みを含む。
【0107】
第1窪みは第1内面32aに対して本体部16から離れる方向に沿って窪んでいる。第1窪みは第1方向Xの両端に沿って第1突出部323の2つの第1側面にそれぞれ延伸する。
【0108】
第1貫通穴322aは第1方向Xに沿って第1突出部323を貫通し、つまり第1貫通穴322aは第1方向Xの両端に沿って第1突出部323の2つの第1側面にそれぞれ延伸する。
【0109】
第1通路322は第1貫通穴322aのみを含んでもよいし、第1窪みのみを含んでもよいし、第1貫通穴322aと第1窪みを同時に含んでもよい。もちろん、第1通路322は他の連通構造をさらに含んでもよく、例えば、第1通路322は第2窪み324をさらに含んでもよい。
【0110】
いくつかの実施例では、第1通路322は第1貫通穴322aと第1貫通穴322aに連通する第2窪み324を含む。
【0111】
いくつかの実施例では、カバーアセンブリ30は第1窪み321の底壁から突出する第2突出部325をさらに含み、第2突出部325は本体部16に当接され2つの第1突出部323間に位置する。第1窪み321は第1部分321aと第2部分321bを含み、第1部分321aと第2部分321bはそれぞれ第2突出部325の第1方向Xに沿った両側に位置する。
【0112】
第2突出部325は1つまたは複数であってもよい。第2突出部325は複数である場合、複数の第2突出部325は第1方向Xに沿って間隔を空けて設けられる。第2突出部325は第1窪み321を複数の部分に分割する。
【0113】
第1部分321aと第2部分321bは他の構造を介して連通してもよいし、隔離されて連通しなくてもよい。
【0114】
第2突出部325は本体部16に当接され、本体部16にかかる力を均一化し、応力集中を減少し、電極アセンブリ10の安定性を向上させることができる。第2突出部325はカバーアセンブリ30の全体強度を高め、カバーアセンブリ30の変形や倒壊リスクを低減し、安定性を向上させることができる。
【0115】
電極アセンブリ10の熱暴走時、一部のガスが本体部16のカバーアセンブリ30に向かう端面から放出され、第2突出部325は本体部16の端面に当接されることにより、障壁作用を果たし、第1窪み321へのガス侵入速度を減少し、安全リスクを低減することができる。
【0116】
いくつかの実施例では、第2突出部325に、第1部分321aと第2部分321bを連通するための第2通路326が設けられる。
【0117】
本出願は、第2通路326を設けることで、第1部分321aと第2部分321b間のガス流動を実現し、第1部分321a内の気圧と第2部分321bの気圧の一致性を向上させることができる。
【0118】
いくつかの実施例では、第2通路326は、第3貫通穴326aおよび/または第2窪みを含む。第3貫通穴326aは第1方向Xに沿って第2突出部325を貫通する。第2窪み(図示しない)は第2突出部325の本体部16に当接された表面に対して本体部16から離れる方向に沿って窪み、第2窪みは第1方向Xに沿って第2突出部325を貫通する。
【0119】
いくつかの実施例では、第2突出部325は絶縁部材32に形成される。絶縁部材32に第3窪み327がさらに設けられ、第3窪み327は第2突出部325の本体部16から離れる一側に位置する。第3窪み327は第1外面32bに対して本体部16に近接する方向に沿って窪んでいる。第3窪み327は第2通路326の少なくとも一部を形成する。
【0120】
図10は本出願の別のいくつかの実施例で提供されるのカバーアセンブリの絶縁部材の構造概略図である。
【0121】
図10に示すように、いくつかの実施例では、カバーアセンブリは、第1窪み321の底壁から突出する2つの第3突出部328をさらに含み、第2方向Yにおいて、第1窪み321は2つの第3突出部328間に位置し、かつ第2方向Yは第1方向Xに垂直である。第3突出部328は本体部に当接され、第3突出部328の両端は2つの第2突出部325にそれぞれ接続される。
【0122】
本出願の実施例の2つの第3突出部328は本体部に当接されて、電池単体の振動時本体部の搖動を減少し、活物質の脱落リスクを減少する。2つの第3突出部328により、本体部にかかる力を均一化し、応力集中を減少し、電極アセンブリの安定性を向上させることができる。
【0123】
外面が粒子によって穿刺され本体部が短絡すると、発生した一部のガスが穿刺位置から外部へ放出され、第3突出部328はガス遮断作用を果たし、第1窪み321に侵入するガスを減少し、電池単体のカバーアセンブリでの爆発リスクを低減し、安全性能を向上させることができる。
【0124】
例示的に、2つの第3突出部328はそれぞれ絶縁部材32の第2方向Yに沿った両端に位置する。
【0125】
いくつかの実施例では、第1通路322は第1貫通穴322aと第1窪み322bを含む。
【0126】
図11は本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の別の断面概略図である。
【0127】
図11に示すように、いくつかの実施例では、電極アセンブリ10は正極シート、負極シートおよび正極シートと負極シートを隔離するためのダイヤフラムを含み、電極アセンブリ10は巻付構造または積層構造であってもよい。
【0128】
電極アセンブリ10の外面に2つの広い面14と2つの狭い面15があり、広い面14の面積が狭い面15の面積よりも大きく、2つの広い面14は第2方向Yに沿って対向して配置され、2つの狭い面15は第1方向Xに沿って対向して配置され、第1方向Xは第2方向Yに垂直である。
【0129】
いくつかの実施例では、狭い面15とケーシング20間に第1隙間G1があり、広い面14とケーシング20間に第2隙間G2があり、第1隙間G1の寸法は第2隙間G2の寸法よりも大きい。
【0130】
電極アセンブリ10の充放電過程中、電極シートはその厚さ方向に沿って膨張する。巻き付けられた電極アセンブリ10および積層された電極アセンブリ10では、広い面14に垂直する方向に沿った膨張量が最も大きい。電極アセンブリ10が膨張すると、広い面14はケーシング20を押圧し、第2隙間G2が非常に小さく、対応して、第2隙間G2内のガス流動速度が低い。第2隙間G2と比較すると、第1隙間G1の寸法が大きく、第1隙間G1内のガス流動速度が高い。
【0131】
いくつかの実施例では、第1通路は第1隙間G1と第1窪みを連通するために使用される。このように、電池単体7の熱暴走時、第1窪み内のガスが第1通路を介して第1隙間G1内に迅速に排出され、第1隙間G1の寸法が大きいため、圧力解放機構を介してガスを電池単体7の外部に適時に排出することができる。
【0132】
いくつかの実施例では、図7および図11と併せて、ケーシング20は底板23を含み、底板23とカバーアセンブリ30はそれぞれ電極アセンブリ10の第3方向Zに沿った両側に位置する。第3方向Zにおいて、底板23と電極アセンブリ10間に第3隙間G3があり、第3隙間G3は第2隙間G2と第1隙間G1を連通する。
【0133】
図12は本出願の別のいくつかの実施例で提供される電池単体の断面概略図である。図13図12に示す電池単体の円形枠Bにおける拡大概略図である。
【0134】
図12および図13に示すように、カバーアセンブリ30はエンドキャップ31と絶縁部材32を含み、エンドキャップ31は開口にキャップされ、絶縁部材32はエンドキャップ31の本体部16に向かう側に位置し、絶縁部材32は本体部16に当接され本体部16に向かう側に第1窪み321が形成される。
【0135】
いくつかの実施例では、電池単体7は絶縁膜60をさらに含み、絶縁膜60は本体部16を包み込み本体部16とケーシング20を絶縁可能に隔離し、絶縁膜60のエンドキャップ31に向かう端部は絶縁部材32の外側の周りに絶縁部材32に接続される。絶縁膜60に第2貫通穴61が設けられ、第2貫通穴61と第1通路322は対向して配置されて第1通路322と連通する。
【0136】
電池単体7の装着過程中粒子(例えば溶接過程中発生した金属粒子)が発生し、粒子がケーシング20内に残留する可能性がある。粒子が本体部16の表面に付着すると、本体部16のダイヤフラムが粒子によって穿刺されケーシング20と本体部16の導通を引き起こすリスクがあり、粒子が本体部16内部に落下して正負極シートを導通させ、短絡を引き起こす安全リスクがある。
【0137】
本出願は、絶縁膜60を設けることで、本体部16とケーシング20を絶縁可能に隔離し、ケーシング20内に残留した粒子が本体部16のダイヤフラムを穿刺しても、絶縁膜60により本体部16中の電極シートとケーシング20の導通を回避でき、短絡リスクを低減することができる。
【0138】
第2貫通穴61はケーシング20と電極アセンブリ10間の空間(例えば第1隙間G1)と第1通路322を連通する。本出願の実施例では、第2貫通穴61を設けることで絶縁部材32の第1通路322を回避し、第1通路322の絶縁膜60によって遮断された面積を減少し、排気速度を確保することができる。
【0139】
絶縁膜60に複数のビアホール構造(図示しない)が設けられ、ビアホール構造により絶縁膜60両側の空間を連通させ、ガスが絶縁膜60両側でスムーズに流動することができる。
【0140】
絶縁膜60は接着や熔接などによって絶縁部材32に接続され、絶縁膜60を固定する。絶縁膜60は一部の領域のみ絶縁部材32に接続され(例えば絶縁膜60のいくつかのポイントが絶縁部材32に熔接され)、絶縁膜60の他の領域と絶縁部材32間に隙間がある。
【0141】
例えば、絶縁膜60と第1突出部323間に隙間があり、第1通路322内のガスがこの隙間を介して排出され得る。このとき、第2貫通穴61を省略してもよい。
【0142】
図14は本出願のいくつかの実施例で提供されるの製造方法の概略フローチャートである。
【0143】
図14に示すように、本出願の実施例の電池単体の製造方法は、以下のステップを含む。
【0144】
S100、ケーシングを用意し、ケーシングは開口を有し圧力解放機構が設けられ、
S200、電極アセンブリを用意し、電極アセンブリは本体部および本体部から突出するラグ部を含み、
S300、カバーアセンブリを用意し、カバーアセンブリの一側に第1窪みが形成され、
S400、カバーアセンブリを電極アセンブリに接続し、
S500、電極アセンブリをケーシング内に配置して、カバーアセンブリを開口にキャップさせる。
【0145】
カバーアセンブリは本体部に当接され電極アセンブリに向かう一側に第1窪みが形成され、第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容するために使用され、カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と第1窪みを連通し、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用させるように使用され、圧力解放機構は、電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して内部圧力または温度を解放するために使用される。
【0146】
なお、上記電池単体の製造方法によって製造された電池単体の関連構造について、上記各実施例で提供される電池単体の説明を参照されたい。
【0147】
上記の電池単体の製造方法に基づいて電池単体を組み立てる場合、必ず上記ステップを順次に実行しなくてもよく、つまり、実施例で言及される順序でステップを実行してもよいし、実施例で言及される順序以外の順序でステップを実行してもよいし、または複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS100、S200、S300を任意順序で実行し、同時に実行してもよい。
【0148】
図15は本出願のいくつかの実施例で提供される電池単体の製造システムの概略ブロック図である。
【0149】
図15に示すように、本出願の実施例の電池単体の製造システム8は、開口を有し圧力解放機構が設けられたケーシングを用意するための第1用意装置81と、本体部および本体部から突出するラグ部を含む電極アセンブリを用意するための第2用意装置82と、一側に第1窪みが形成されたカバーアセンブリを用意するための第3用意装置83と、カバーアセンブリを電極アセンブリに接続するための第1組立装置84と、電極アセンブリをケーシング内に配置してカバーアセンブリを開口にキャップさせるための第2組立装置85と、を含む。その中で、カバーアセンブリは本体部に当接され電極アセンブリに向かう一側に第1窪みが形成され、第1窪みは少なくとも一部のラグ部を収容し、カバーアセンブリに少なくとも1つの第1通路が設けられ、第1通路は電極アセンブリとケーシング間の空間と第1窪みを連通し、第1窪み内のガスを電極アセンブリとケーシング間の空間に導入して圧力解放機構に作用させ、圧力解放機構は、電池単体の内部圧力または温度が閾値に達すると作動して内部圧力または温度を解放する。
【0150】
上記製造システムによって製造された電池単体の関連構造については、上記各実施例で提供される電池単体の説明を参照されたい。
【0151】
なお、矛盾しない限り、本出願中の実施例および実施例中の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0152】
最後に、以上の各実施例は本出願の技術的解決手段を説明するために使用され、限定するものではなく、前記各実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者は、前記各実施例に記載される技術的解決手段を修正したり、その一部または全部の技術特徴を同等置換することができ、それらの修正や置換は、かかる技術的解決手段の本質を本出願の各実施例の技術的解決手段の範囲から逸脱させることなく、すべて本出願の特許請求の範囲および明細書の範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】